(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-07
(45)【発行日】2022-10-18
(54)【発明の名称】ゲームプログラム
(51)【国際特許分類】
A63F 13/80 20140101AFI20221011BHJP
A63F 13/52 20140101ALI20221011BHJP
A63F 13/53 20140101ALI20221011BHJP
【FI】
A63F13/80 E
A63F13/52
A63F13/53
(21)【出願番号】P 2018030051
(22)【出願日】2018-02-22
【審査請求日】2021-02-09
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 平成29年12月21日、携帯電話キャリア“ソフトバンク”の契約者専用の会員制アプリ「AppPass」(URL「https://www.softbank.jp/mobile/service/app-pass/」から会員登録及びダウンロードが可能である。ソフトバンクの契約者以外は会員登録及びダウンロードができない。)内において、新機能「透視機能」を搭載したバージョンの「上海」ゲームのアプリの公開を開始
(73)【特許権者】
【識別番号】000106690
【氏名又は名称】サン電子株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】弁理士法人 快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】清水 薫樹
(72)【発明者】
【氏名】角田 宗広
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 菜望
【審査官】大隈 俊哉
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-204593(JP,A)
【文献】特開2007-14476(JP,A)
【文献】特開2010-170290(JP,A)
【文献】"IGS社TVパズル第4弾 下の牌の透視も エイブルから「中国龍2001」",ゲームマシン,第630号,日本,(株)アミューズメント通信社,2001年03月14日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 13/00~13/98
A63F 9/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
端末装置のためのゲームプログラムであって、
前記ゲームプログラムは、前記端末装置のコンピュータを、以下の各部、即ち、
複数個のタイルを、水平方向に並べて配置、あるいは、水平方向に並べて配置するとともに垂直方向に積層した集合体を生成する集合体生成部であって、前記複数個のタイルは、少なくとも2個の同種の図柄を表わすタイルを含む、前記集合体生成部と、
前記集合体を表す集合体画像を前記端末装置の表示部に表示させる第1の表示制御部と、
前記表示部に前記集合体画像が表示されている間に、前記集合体に含まれる前記複数個のタイルのうちの1個の特定タイルが選択される特定の場合に、前記特定タイルと同種の図柄を表わす1個以上のタイルのうち、少なくとも前記集合体画像において視認不可能な位置に存在する1個以上の対象タイルの視認性が、前記対象タイル以外の1個以上の周辺タイルの視認性と比べて高くなるように変更された前記集合体を表す変更画像を前記表示部に表示させる第2の表示制御部
と、
前記表示部に前記集合体画像が表示されている間に、前記集合体に含まれる前記複数個のタイルのうち、2個の指定タイルが選択される場合において、前記2個の指定タイルが消去条件を満たす場合に、前記2個の指定タイルを前記集合体から消去させる、消去制御部、
として機能させる、ゲームプログラム。
【請求項2】
前記変更画像における前記周辺タイルの表示態様は、前記集合体画像における前記周辺タイルの表示態様とは異なり、
前記変更画像では、前記周辺タイルの前記視認性が、前記対象タイルの前記視認性よりも低い、請求項1に記載のゲームプログラム。
【請求項3】
前記変更画像では、前記1個以上の前記周辺タイルは、それぞれ、当該周辺タイルを前記垂直方向から見た場合に、当該周辺タイルを透過して当該周辺タイルの少なくとも下側を視認可能な態様で表示される、請求項2に記載のゲームプログラム。
【請求項4】
前記変更画像に含まれる前記1個以上の前記周辺タイルは、第1の周辺タイルと、前記第1の周辺タイルよりも前記垂直方向において上方に積層された第2の周辺タイルと、を含み、
前記変更画像では、前記第1の周辺タイルと、前記第2の周辺タイルと、の表示明度が異なる、請求項3に記載のゲームプログラム。
【請求項5】
前記変更画像では、前記周辺タイルの図柄の表示が省略される、請求項3または4に記載のゲームプログラム。
【請求項6】
前記変更画像は、前記対象タイルの位置の認識性を高めるための顕著表示を含む、請求項1から5のいずれか一項に記載のゲームプログラム。
【請求項7】
前記集合体画像は、さらに、前記集合体に含まれる前記複数個のタイルのうち、視認可能な一部のタイルの影を表わす影画像を含み、
前記変更画像は、前記影画像を含まない、請求項1から6のいずれか一項に記載のゲームプログラム。
【請求項8】
前記第2の表示制御部は、前記変更画像を表示可能な残り回数が1以上である状況では、前記特定の場合に前記変更画像を前記表示部に表示させ、前記残り回数がゼロである状況では、前記特定の場合であっても前記変更画像を前記表示部に表示させない、請求項1から7のいずれか一項に記載のゲームプログラム。
【請求項9】
前記複数個のタイルは、いずれも同じ形状を有する、請求項1から8のいずれか一項に記載のゲームプログラム。
【請求項10】
前記複数個のタイルは、さらに、いずれも同じ大きさを有する、請求項9に記載のゲームプログラム。
【請求項11】
前記消去条件は、前記2個の指定タイルがともに同種の図柄を表わし、かつ、前記2個の指定タイルのそれぞれの上方に他のタイルの少なくとも一部が積層されていないことを含む
、請求項1から10のいずれか一項に記載のゲームプログラム。
【請求項12】
前記複数個のタイルは、それぞれ、前記垂直方向から見て四角形に形成されており、
前記消去条件は、さらに、前記2個の指定タイルのそれぞれが、前記水平方向の左右両側において他のタイルと接していないことを含む、請求項11に記載のゲームプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書によって開示される技術は、端末装置のためのゲームプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、端末装置のためのゲームプログラムが開示されている。特許文献1に開示されているゲームプログラムは、例えば、「上海(登録商標)ゲーム」、「マージャンソリティア」等の名称で知られるような、タイル(牌)を用いたパズルゲームを実現するためのゲームプログラムである。従って、端末装置のコンピュータが、このゲームプログラムに従って処理を実行することによって、次のようなパズルゲームが実現される。
(1)複数個のタイル(牌)を、水平方向に並べて配置するとともに垂直方向に積層した集合体が生成される。複数個のタイルは、少なくとも2個の同種の図柄を表わすタイルを含む。端末装置の表示部には、集合体を表す集合体画像が表示される。
(2)表示部に集合体画像が表示されている間に、集合体に含まれる複数個のタイルのうち、2個の指定タイルがプレーヤーによって選択される場合において、当該2個の指定タイルが所定の消去条件を満たす場合に、当該2個の指定タイルを集合体から消去させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1で開示されるようなパズルゲームでは、集合体において、垂直方向にタイルが積層されている場合、集合体画像を見ても、プレーヤーが、下層のタイルの図柄を視認することはできない場合がある。そのため、ゲームにおけるタイルの消去条件によっては、プレーヤーが、集合体の中のタイルの消去順序を誤ると、当初図柄が視認できなかった範囲に存在するタイル(即ち、下層のタイル)を消去できなくなる場合がある。例えば、ゲームクリアの条件が「すべてのタイルを消去すること」等であった場合、プレーヤーがタイルの消去順序を誤ると、当初図柄を視認できなかったタイルの配置次第では、ゲームをクリアできなくなる場合もある。
【0005】
このように、特許文献1のパズルゲームでは、当初図柄を視認できない部分のタイルの配置によってゲームをクリアできるか否かが左右されてしまう場合がある。ゲームの難度に運任せの要素が混じることになり、プレーヤーがゲームへの興味を持続することが困難になる可能性がある。
【0006】
本明細書では、プレーヤーのゲームへの興味を長く持続させ得る技術を開示する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本明細書では、端末装置のためのゲームプログラムを開示する。前記ゲームプログラムは、前記端末装置のコンピュータを、以下の各部、即ち、複数個のタイルを、水平方向に並べて配置、あるいは、水平方向に並べて配置するとともに垂直方向に積層した集合体を生成する集合体生成部であって、前記複数個のタイルは、少なくとも2個の同種の図柄を表わすタイルを含む、前記集合体生成部と、前記集合体を表す集合体画像を前記端末装置の表示部に表示させる第1の表示制御部と、前記表示部に前記集合体画像が表示されている間に、前記集合体に含まれる前記複数個のタイルのうちの1個の特定タイルが選択される特定の場合に、前記特定タイルと同種の図柄を表わす1個以上のタイルのうち、少なくとも前記集合体画像において視認不可能な位置に存在する1個以上の対象タイルの視認性が、前記対象タイル以外の1個以上の周辺タイルの視認性と比べて高くなるように変更された前記集合体を表す変更画像を前記表示部に表示させる第2の表示制御部、として機能させる。
【0008】
上記の「タイル」は、垂直方向から見て三角形、四角形、五角形、六角形等、任意の多角形状に形成されているタイルや、垂直方向から見て円形や不規則な図形等に形成されているタイル等を含む。タイルのことを「牌」と呼び変えてもよい。各タイルの大きさは一定であってもよいし、異なっていてもよい。タイルの「図柄」は、タイルに表示される模様(絵、数字等を含む)、その模様の色、その模様の種類(いわゆるスート)、タイル自体の色等を含んでもよい。そして、「同種の図柄」とは、図柄が完全同一であること、図柄の種類(いわゆるスートや色)のみが同一であること、の両方を含んでもよい。
【0009】
この構成によると、端末装置のコンピュータは、特定の場合に、1個以上の対象タイルの視認性が、対象タイル以外の1個以上の周辺タイルの特定タイルと同種の図柄を表わす1個以上のタイルのうち、少なくとも集合体画像において視認不可能な位置に存在する対象タイルの視認性が、対象タイル以外の1個以上の周辺タイルの視認性と比べて高くなるように変更された集合体を表す変更画像を表示部に表示させる。そのため、プレーヤーは、表示部に表示された変更画像を見ることにより、集合体画像において視認不可能な位置に存在する対象タイルの位置を把握し得る。これにより、集合体画像において視認不可能な位置に存在する対象タイルの配置がゲームの進行に与える影響が軽減され得る。即ち、ゲームの難度に運任せの要素が混じることを抑制し得る。従って、上記の構成によると、プレーヤーのゲームへの興味を長く持続させ得る。
【0010】
前記変更画像における前記周辺タイルの表示態様は、前記集合体画像における前記周辺タイルの表示態様とは異なってもよい。前記変更画像では、前記周辺タイルの前記視認性が、前記対象タイルの前記視認性よりも低くてもよい。
【0011】
この構成によると、変更画像では、周辺タイルの視認性が、対象タイルの視認性よりも低い。プレーヤーが、変更画像を見る場合において、対象タイルが相対的に視認され易くなる。そのため、プレーヤーは、表示部に表示された変更画像を見ることにより、集合体画像において視認不可能な位置に存在する対象タイルの位置を適切に把握し得る。
【0012】
前記変更画像では、前記1個以上の前記周辺タイルは、それぞれ、当該周辺タイルを前記垂直方向から見た場合に、当該周辺タイルを透過して当該周辺タイルの少なくとも下側を視認可能な態様で表示されてもよい。
【0013】
この構成によると、プレーヤーが変更画像を見ると、プレーヤーは、周辺タイルを透過して周辺タイルの少なくとも下側を視認可能である。そのため、プレーヤーは、変更画像を見ることで、周辺タイルの下側に存在する対象タイルを視認し得る。
【0014】
前記変更画像に含まれる前記1個以上の前記周辺タイルは、第1の周辺タイルと、前記第1の周辺タイルよりも前記垂直方向において上方に積層された第2の周辺タイルと、を含んでもよい。前記変更画像では、前記第1の周辺タイルと、前記第2の周辺タイルと、の表示明度が異なってもよい。
【0015】
この構成によると、変更画像では、第1の周辺タイルと、第1の周辺タイルよりも垂直方向において上方に積層された第2の周辺タイルと、の表示明度が異なる。そのため、プレーヤーは、変更画像を見ることで、第1の周辺タイルと第2の周辺タイルとの配置位置の上下関係を把握し得る。
【0016】
前記変更画像では、前記周辺タイルの図柄の表示が省略されてもよい。
【0017】
この構成によると、変更画像では、周辺タイルの図柄の表示が省略される。そのため、プレーヤーは、変更画像を見ることで、相対的に対象タイルをより視認しやすくなる。
【0018】
前記変更画像は、前記対象タイルの位置の認識性を高めるための顕著表示を含んでもよい。
【0019】
ここで、「顕著表示」は、例えば、対象タイルの表示色を変更する、対象タイルが発光しているような演出を付加する、対象タイルを示す目印(例えば矢印)等を近傍に表示する等、対象タイルの位置の認識性を高めるための表示であれば任意の表示を含む。
【0020】
この構成によると、プレーヤーは、変更画像を見ることで、相対的に対象タイルを視認し易くなる。そのため、プレーヤーは、表示部に表示された変更画像を見ることにより、集合体画像において視認不可能な位置に存在する対象タイルの位置を適切に把握し得る。
【0021】
前記集合体画像は、さらに、前記集合体に含まれる前記複数個のタイルのうち、視認可能な一部のタイルの影を表わす影画像を含んでもよい。前記変更画像は、前記影画像を含まなくてもよい。
【0022】
この構成によると、変更画像には影画像が含まれない。変更画像の表示がよりシンプルになるため、プレーヤーは、変更画像を見ることにより、対象タイルの位置を適切に把握し得る。
【0023】
前記第2の表示制御部は、前記変更画像を表示可能な残り回数が1以上である状況では、前記特定の場合に前記変更画像を前記表示部に表示させ、前記残り回数がゼロである状況では、前記特定の場合であっても前記変更画像を前記表示部に表示させないようにしてもよい。
【0024】
一般的に、変更画像の表示回数が多くなるほど、集合体画像において視認できない対象タイルの位置をプレーヤーが把握し得る回数が増えるため、ゲームの難度が下がる。この構成によると、変更画像の表示回数に上限が設けられる。残り回数の初期値を変更することにより、ゲームの難易度を変更することができる。
【0025】
前記複数個のタイルは、いずれも同じ形状を有していてもよい。
【0026】
この構成によると、ゲームプログラムは、いずれも同じ形状を有する複数個のタイルを使用したゲーム(例えばパズルゲーム)を実現することができる。
【0027】
前記複数個のタイルは、さらに、いずれも同じ大きさを有していてもよい。
【0028】
この構成によると、ゲームプログラムは、いずれも同じ形状及び同じ大きさを有する複数個のタイルを使用したゲーム(例えばパズルゲーム)を実現することができる。
【0029】
前記ゲームプログラムは、前記端末装置のコンピュータを、さらに、前記表示部に前記集合体画像が表示されている間に、前記集合体に含まれる前記複数個のタイルのうち、2個の指定タイルが選択される場合において、前記2個の指定タイルが消去条件を満たす場合に、前記2個の指定タイルを前記集合体から消去させる、消去制御部であって、前記消去条件は、前記2個の指定タイルがともに同種の図柄を表わし、かつ、前記2個の指定タイルのそれぞれの上方に他のタイルの少なくとも一部が積層されていないことを含む、前記消去制御部、として機能させてもよい。
【0030】
この構成によると、ゲームプログラムは、集合体から、消去条件を満たす2個の指定タイルを順次消去するタイプのゲーム(例えばパズルゲーム)を実現することができる。いわゆる上海ゲームやマージャンソリティアと同様のタイプのゲームを実現することができる。
【0031】
前記複数個のタイルは、それぞれ、前記垂直方向から見て四角形に形成されていてもよい。前記消去条件は、さらに、前記2個の指定タイルのそれぞれが、前記水平方向の左右両側において他のタイルと接していないことを含んでいてもよい。
【0032】
この構成によると、ゲームプログラムは、上海ゲームやマージャンソリティアと同様のタイプのゲームを実現することができる。
【0033】
なお、上記のゲームプログラムによって実現される端末装置も新規で有用である。また、上記のゲームプログラムを記憶するコンピュータ読取可能記録媒体も、新規で有用である。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【
図2】実施例のパズルゲームに使用される牌の図柄を説明する図を示す。
【
図3】実施例のパズルゲームの進み方を説明する図を示す。
【
図4】実施例のパズルゲームにおいてゲームクリアに失敗する牌の配置の一例を示す。
【
図5】端末装置のCPUが実行する透視処理のフローチャートを示す。
【
図6】集合体画像を表示している通常ゲーム画面の一例を示す。
【
図7】変更画像を表示している変更画面の一例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0035】
(実施例)
(端末装置10の構成;
図1)
図1に示される端末装置10は、デスクトップ端末等の据置型の機器であってもよいし、ノート型端末、タブレット型端末、スマートフォン等の可搬型の機器であってもよい。また、端末装置10は、携帯型のゲーム機であってもよい。端末装置10は、表示部12と、操作部14と、制御部16と、を備える。
【0036】
表示部12は、様々な情報を表示させるためのディスプレイである。操作部14は、複数個のキーを含む。また、表示部12と操作部14は、両者が一体に構成されたタッチパネルであってもよい。ユーザは、操作部14を操作して、様々な指示を端末装置10に入力することができる。
【0037】
制御部16は、CPU20とメモリ22とを備える。メモリ22は、ROM(Read Only Memoryの略)、RAM(Random Access Memoryの略)等によって構成される。CPU20は、メモリ22に記憶されているOSプログラム24、ゲームプログラム26等に従って、様々な処理を実行する。OSプログラム24は、端末装置10の基本的な動作を実現するためのプログラムである。ゲームプログラム26は、本明細書で説明するパズルゲームを実現するためのプログラムである。ゲームプログラム26は、例えば、パズルゲームの提供者(例えばゲーム製作会社)が提供するメディアから端末装置10にインストールされてもよいし、パズルゲームの提供者によって提供されるインターネット上のサーバ(図示しない)から端末装置10にインストールされてもよい。
【0038】
CPU20がゲームプログラム26に従って処理を実行することにより、パズルゲームが実現される。パズルゲームが実現されている間、CPU20は、ゲームプログラム26に従って、透視処理(
図5参照)を実行する。透視処理の内容は後で説明する。
【0039】
(パズルゲームの進み方;
図2~
図4)
続いて、
図2及び
図3を参照して、ゲームプログラム26に従って実現されるパズルゲームの進み方について説明する。CPU20がゲームプログラム26に従って処理を開始することによって、ゲームが開始される。
【0040】
本実施例で実現されるパズルゲームは、いわゆる「上海(登録商標)ゲーム」、「マージャンソリティア」等と呼称されるタイプのゲームである。本実施例のパズルゲームでは、
図2に示されるような牌(「タイル」と呼んでもよい。以下同様)が用いられる。本実施例では、牌はいわゆる麻雀牌である。即ち、牌は、画面中における垂直方向から(即ち上から)見た場合の形状が四角形に形成されており、いずれの牌も同一の大きさを有する。
図2に示されるように、牌の図柄には、東、南、西、北、白、発、中、1筒~9筒、1萬~9萬、1竹~9竹、の各種類が存在する。各図柄の牌は、それぞれ4個ずつ(即ち2組ずつ)存在する。なお、他の例では、牌の図柄として、麻雀牌の図柄に代えて、もしくは、麻雀牌の図柄に加えて、各国の国旗、食べ物、生き物、植物、風景等を描いた種々の図柄を用いてもよい。例えば、牌の図柄は、トランプの図柄等、識別性を有する既存の図柄であってもよい。
【0041】
ゲームが開始されると、CPU20は、複数個の牌を水平方向(即ち、画面中の平面方向(横方向))に並べて配置、あるいは、水平方向に並べて配置するとともに垂直方向(即ち、ゲーム画面上の高さ方向(縦方向))に積層した集合体Mを生成し、その集合体Mを表わす集合体画像MIを含む通常ゲーム画面を表示部12に表示させる(
図3参照)。集合体Mには、同じ図柄の牌が必ず偶数個(2個又は4個)含まれる。
【0042】
プレーヤーは、操作部14を操作して、集合体Mの中から2つの牌を順次指定する。プレーヤーによって指定された2個の牌(以下では指定牌と呼ぶ場合がある)が、以下の(i)~(iii)の消去条件をすべて満たす場合に、CPU20は、当該2個の指定牌を集合体Mから消去させ、2個の指定牌が消去された後の集合体画像MIを表示させる。
(i)2個の指定牌の図柄が同一であること。
(ii)2個の指定牌がともに、上に別の牌の一部又は全部が積層されていない牌であること。
(iii)2個の指定牌が、ともに、水平方向の左右両側において他の牌と接していないこと。
【0043】
プレーヤーによる2個の指定牌の指示と、CPU20による指定牌の消去と、を繰り返し、集合体Mからすべての牌を消去できた場合にゲームクリアとなる。
【0044】
図3を参照してゲーム進行を具体的に説明する。例えば、ゲーム開始時において、表示部12に、
図3の「1手目」において示される集合体画像MIを含む通常ゲーム画面が表示されている場合を想定する。
【0045】
(1手目)プレーヤーは、1層目(以下、集合体M中の最下層を1層目と呼び、1層目の上に積み重なる層を2層目と呼ぶ場合がある)の右端の「2筒」と、1層目の左端の「2筒」を指定する。この場合、2個の指定牌(即ち「2筒」)は図柄が同一であり、どちらの牌も上に別の牌の一部又は全部が積み重なっておらず、かつ、どちらの牌も左右両側において他の牌と接していないため、すべての消去条件を満たす。CPU20は、2個の指定牌(即ち「2筒」)を集合体Mから消去する。
【0046】
(2手目)続いて、プレーヤーは、1層目の左端の「6竹」と、2層目の右端の「6竹」を指定する。この場合も、2個の指定牌(即ち「6竹」)は消去条件を満たす。CPU20は、2個の指定牌(即ち「6竹」)を集合体Mから消去する。
【0047】
(3手目)続いて、プレーヤーは、1層目の左端の「5筒」と、1層目の右端の「5筒」の消去を目指し、これら2個の「5筒」の指定を試みる。しかし、1層目の左端の「5筒」の上には、「中」の一部が積層されている。そのため、CPU20は、これら2個の「5筒」が指定された場合であっても、消去条件の一部を満たさないと判定し、これら2個の「5筒」の消去を許可しない。この場合、プレーヤーは、2個の「5筒」が消去されないため、この時点では、指定を試みた2個の「5筒」の消去が不可能であることを認識する。そして、プレーヤーは、3手目として、2層目の右端の「中」と2層目の左端の「中」を指定する。この場合、2個の指定牌(即ち「中」)はすべての消去条件を満たす。CPU20は、2個の指定牌(即ち「中」)を集合体Mから消去する。
【0048】
(4手目)続いて、プレーヤーは、4手目として、改めて1層目の左端の「5筒」と右側の「5筒」を指定する。今度は、2個の指定牌(即ち「5筒」)はすべての消去条件を満たす。CPU20は、2個の指定牌(即ち「5筒」)を集合体Mから消去する。
【0049】
プレーヤーは、上記のようにゲームを進め、すべての牌の消去(即ちゲームクリア)を目指す。
【0050】
一方、ゲームの途中で、集合体Mの中に消去条件を満たす1組の牌が全く存在しなくなった場合、ゲームクリア失敗となる。例えば、
図4に示すように、水平方向に、左から順に「1筒」「中」「1筒」「中」の順に牌が並んだ場合、「1筒」も「中」も消去できなくなる。集合体Mの中にこのような配置の牌のみが残った場合、ゲームクリア失敗となる。CPU20は、ゲームクリア失敗の場合に、集合体Mの中の各牌の配置を変更した上で、プレーヤーにゲームを続行させてもよい。
【0051】
このパズルゲームでは、ゲーム開始時点の集合体Mに含まれる牌の数、及び、牌の配置は、予め設定されたゲームの難易度に応じて適宜変更される。
【0052】
(透視処理;
図5)
続いて、
図5を参照して、CPU20がゲームの進行と並行して実行する透視処理の内容を説明する。透視処理は、特定の牌と同一の図柄の対象牌以外の周辺牌を透過させた態様で表示し、集合体内における上記対象牌の位置を視認し易くする表示(透過表示)を行うための処理である。ゲームが開始され、集合体画像を含む通常ゲーム画面が表示部12に表示されると、CPU20は、
図5の透視処理を開始する。
【0053】
S10では、CPU20は、所定の透視指示が入力されることを監視する。プレーヤーは、ゲームの進行中の任意のタイミングで、操作部14を操作して所定の透視指示を入力することができる。具体的に言うと、プレーヤーは、集合体中の複数個の牌のうちの1個の牌を選択し、1個の牌(以下ではここで選択された1個の牌を「特定牌」と呼ぶ場合がある)が選択された状態で、所定の透視開始操作(例えば、ゲーム画面中の所定位置に設けられた透視開始ボタンを押す操作)を実行することができる。
図6を参照して、S10の透視指示についてさらに説明する。
図6は、S10の時点で表示部12に表示されている通常ゲーム画面の一例を示す。
図6の通常ゲーム画面中には、集合体Mを示す集合体画像MIと、透視開始ボタン50と、が含まれている。プレーヤーは、集合体画像MIを見れば、他の牌の下側に配置されている牌の図柄を除き、すべての牌の図柄を外側から視認することができる。また、集合体画像MIでは、積層されている牌の各層の間に、影画像Shも表示されている。
図6の集合体画像MIが表示されている間に、例えば、プレーヤーは、1層目の右下端の「中」を特定牌Stとして選択する。その状態で、プレーヤーは、通常ゲーム画面中の透視開始ボタン50を押す操作を行う。透視指示が入力されると、CPU20は、
図5のS10でYESと判断し、S12に進む。
【0054】
S12では、CPU20は、残り透視回数が1以上であるか否かを判断する。
図6に示されるように、透視開始ボタン50の隣には、プレーヤーが透視表示を行ない得る残り回数が併せて表示されている(
図6の例では残り5回)。CPU20は、残り透視回数が1以上である場合、S12でYESと判断し、S14に進む。一方、CPU20は、残り透視回数がゼロである場合、S12でNOと判断し、S10に戻る。この場合、CPU20は透過表示を行わない。
【0055】
S14では、CPU20は、集合体の表示態様を変更した変更画像を生成する。具体的には、CPU20は、特定牌と同一の図柄の牌(以下では「対象牌」と呼ぶ)の表示色を変更して対象牌を目立たせる顕著表示を行うとともに、特定牌及び対象牌以外の牌(以下では「周辺牌」と呼ぶ)を透過表示した画像である変更画像を生成する。
【0056】
続くS16では、CPU20は、通常ゲーム画面に代えて、S14で生成された変更画像を含む画面である変更画面を表示部12に表示させる。
図7を参照して、S16で表示される変更画面の具体例を説明する。
【0057】
図7の変更画面は、上記の
図6の通常ゲーム画面において、集合体Mの1層目の右下端の「中」を特定牌Stとして選択した状態で上記の透視指示(S10)が入力された場合に、
図6の通常ゲーム画面に代えて表示部12に表示される画面である。
図7に示されるように、変更画面には、
図6の集合体画像MIに代えて、変更画像CIが含まれる。なお、変更画面にも、透視開始ボタン50が表示されている。変更画像CIも、
図6の集合体画像MIと同様に集合体Mを表わす画像であるが、各牌の表示態様が集合体画像MIとは異なる。変更画像CIでは、特定牌St(即ち、1層目の右下端の「中」)の表示色が変更されている。そして、3個の対象牌Tt(即ち、特定牌St以外の「中」の図柄の牌)の表示色も変更されている。さらに、変更画像CIでは、特定牌Stと対象牌Tt以外のすべての周辺牌Pt(即ち、図柄が「中」ではないすべての牌)が、透過態様で表示される。即ち、周辺牌Ptは、各面(即ち輪郭以外の部分)が透明にされた態様で表示される。周辺牌Ptの輪郭のみが表示され、図柄は表示されない。プレーヤーは、周辺牌Ptを透過して周辺牌Ptの下側の範囲を視認することができる。透過態様で表示された複数個の周辺牌Ptのうち、1層目の周辺牌Ptよりも、2層目の周辺牌Ptの方が濃い色で表示される。同様に、2層目の周辺牌Ptよりも、3層目の周辺牌Ptの方が濃い色で表示される。このように、複数個の周辺牌Ptは、上層ほど濃い色で(即ち低い明度で)表示される。他の例では、複数個の周辺牌Ptは、下層ほど濃い色で(即ち低い明度で)表示されてもよい。また、変更画像CIでは、影画像(
図6の符号Sh参照)の表示が省略されている。
【0058】
以上の通り、変更画像CIでは、特定牌St及び対象牌Ttが目立つように顕著に表示され、周辺牌Ptの視認性が低くなるように表示されている。プレーヤーは、変更画像CIを見れば、集合体画像MI(
図6)において、他の牌の下側に配置されていて図柄を視認できなかった対象牌Ttの位置を把握することができる。
【0059】
S16で透過表示が開始されると、CPU20は、S18に進み、所定の終了指示が入力されることを監視する。プレーヤーは、変更画面が表示されている間に、任意のタイミングで、操作部14を操作して所定の終了指示を入力することができる。終了指示は、透過表示を終了させるための指示である。終了指示が入力されると、CPU20は、S18でYESと判断し、S20に進む。
【0060】
S20では、CPU20は、残り透視回数を1減少させる。続くS22では、CPU20は、変更画面に代えて、再び通常ゲーム画面を表示部12に表示させる。この際、CPU20は、透視表示を行ない得る残り回数が1減少した状態の通常ゲーム画面を表示部12に表示させる。そして、CPU20は、S10の監視に戻る。
【0061】
CPU20は、ゲームが進行している間、S10~S22の処理を繰り返し実行している。ゲームが終了すると(即ち、ゲームクリア達成又はゲームクリア失敗の場合)、CPU20は、
図5の透視処理を終了する。
【0062】
以上、本実施例の端末装置10の構成、及び、CPU20がゲームプログラム26に従って実行する処理について説明した。上記の通り、本実施例では、端末装置10のCPU20は、所定の透視指示が入力される場合(
図5のS10でYES)に、変更画像CI(
図7参照)を表示部12に表示させる。プレーヤーは、表示部12に表示された変更画像CIを見ることにより、集合体画像MI(
図6参照)において視認不可能な位置に存在する対象牌Ttの位置を把握することができる。これにより、集合体画像MIにおいて視認不可能な位置に存在する対象牌Ttの配置がゲームの進行に与える影響が軽減され得る。即ち、ゲームの難度に運任せの要素が混じることを抑制し得る。従って、本実施例によると、プレーヤーのゲームへの興味を長く持続させ得る。
【0063】
上記の通り、変更画像CI(
図7参照)では、特定牌St及び対象牌Ttが目立つように顕著に表示され(具体的には、表示色が変更され)、周辺牌Ptの視認性が低くなるように表示されている。とくに、
図7に示すように、本実施例では、周辺牌Ptは各面(即ち輪郭以外の部分)が透明に表示した態様で表示される。プレーヤーは、周辺牌Ptを透過して周辺牌Ptの下側の範囲を視認することができる。従って、本実施例では、プレーヤーは、表示部12に表示された変更画像CIを見ることにより、集合体画像MIにおいて視認不可能な位置に存在する対象牌Ttの位置を適切に把握し得る。
【0064】
また、上記の通り、変更画像CI(
図7参照)では、透過態様で表示された複数個の周辺牌Ptのうち、1層目の周辺牌Ptよりも、2層目の周辺牌Ptの方が濃い色で表示される。同様に、2層目の周辺牌Ptよりも、3層目の周辺牌Ptの方が濃い色で表示される。このように、複数個の周辺牌Ptは、上層ほど濃い色で(即ち低い明度で)表示される。プレーヤーは、変更画像CIを見ることで、各層の周辺牌Ptの配置位置の上下関係を把握し得る。
【0065】
また、変更画像CI(
図7参照)では、周辺牌Ptは図柄の表示が省略される。プレーヤーが変更画像CIを見た際に、対象牌Ttが相対的に視認され易くなる。さらに、変更画像CIでは、影画像の表示も省略される。変更画像CIの表示がシンプルになるため、プレーヤーは、変更画像CIを見ることにより、対象牌Ttの位置を適切に把握し得る。
【0066】
本実施例では、残り透視回数に制限が存在する。透視指示が行われた場合(S10でYES)において、CPU20は、残り透視回数が1以上である場合、S12でYESと判断し、S14以降に進み、変更画面を表示する(S14、S16)。一方、CPU20は、残り透視回数がゼロである場合、S12でNOと判断し、S10に戻る。この場合、CPU20は変更画面の表示を行わない。一般的には、変更画像CIの表示回数が多くなるほど、集合体画像MIにおいて視認できない対象牌Ttの位置をプレーヤーが把握できる回数が増えるため、ゲームの難度が下がる。本実施例によると、変更画像CIの表示回数に上限が設けられる。残り透視回数の初期値を変更することにより、ゲームの難易度を変更することができる。
【0067】
以上、実施例を詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。例えば、以下の変形例を採用してもよい。
【0068】
(変形例1)上記の実施例では、変更画像CI(
図7参照)において、特定牌Stと同一の図柄の牌が対象牌Ttとして特定され、対象牌Ttが顕著表示される。これに限られず、対象牌として特定される牌は、特定牌と同種の図柄を表わす牌であれば、図柄が完全に同一の牌でなくてもよい。例えば、特定牌が「1萬」である場合において、対象牌は、集合体中の「1萬」~「9萬」のすべての牌(即ち、スートが「萬子」である牌)であってもよい。
【0069】
(変形例2)上記の実施例では、変更画像CIにおいて、特定牌Stも、対象牌Ttと同様に顕著表示されている。これに限られず、変更画像では、特定牌は、周辺牌と同様に透過表示されてもよい。さらに他の例では、変更画像では、特定牌の表示態様は、集合体画像における特定牌の表示態様と同じであってもよい。
【0070】
(変形例3)上記の実施例では、変更画像CIにおいて、複数個の周辺牌Ptは、上層ほど濃い色で(即ち低い明度で)表示される。これに限られず、変更画像において、各周辺牌の表示明度が、階層に関わらず共通であってもよい。
【0071】
(変形例4)上記の実施例では、変更画像CIにおいて、各周辺牌Ptは、輪郭のみが表示され、図柄は表示されない。これに限られず、変更画像において、各周辺牌の図柄(即ち文字、模様等)の表示が維持されてもよい。
【0072】
(変形例5)上記の実施例では、変更画像CIにおいて、各周辺牌Ptは、各面(即ち輪郭以外の部分)が透明にされた態様で表示される。これに限られず、変更画像において、各周辺牌は、上面と下面のみが透明にされた態様で表示されてもよい。即ち、周辺牌は、当該周辺牌を前記垂直方向から見た場合に、当該周辺牌を透過して当該周辺牌の少なくとも下側を視認可能な態様で表示されればよい。
【0073】
(変形例6)また、変更画像における周辺牌の視認性低下の手法は、透明態様での表示に限られず、任意の手法を採用してもよい。例えば、周辺牌の大きさを一時的に小さくしてもよい。また、例えば、周辺牌の表示明度を低下させてもよい。即ち、変更画像における周辺牌の表示態様が、集合体画像における周辺牌の表示態様とは異なっており、かつ、変更画像における周辺牌の視認性が、対象牌の視認性よりも低ければよい。
【0074】
(変形例7)また、変更画像における対象牌の顕著表示の手法は、表示色の変更に限られず、任意の手法を採用してもよい。例えば、対象牌の位置を示す目印(矢印など)を表示させてもよい。さらに他の例では、対象牌が発光しているような演出を行ってもよい。
【0075】
(変形例8)また、変更画像では、対象牌の表示態様を集合体画像から変化させずに、周辺牌の視認性のみを低下させてもよい。即ち、変更画像では、対象牌の視認性が、周辺牌の視認性と比べて高ければよい。
【0076】
(変形例9)また、変更画像では、周辺牌の表示態様を集合体画像から変化させずに、対象牌のみを顕著表示させてもよい。即ち、変更画像では、対象牌の視認性が、周辺牌の視認性と比べて高ければよい。
【0077】
(変形例10)また、変更画像において、影画像(
図6の符号Sh参照)が残されていてもよい。また、さらに他の例では、集合体画像と変更画像の双方に最初から影画像が含まれていなくてもよい。
【0078】
(変形例11)上記の実施例では、変更画像CIでは、対象牌Ttに加えて、特定牌Stも顕著表示している。これに限られず、変更画像における特定牌の表示手法は任意としてもよい。例えば、特定牌の表示態様を集合体画像における特定牌の表示態様と同じにしてもよい。また、例えば、特定牌を、周辺牌と同様に透明に表示してもよい。
【0079】
(変形例12)上記の実施例では、残り透視回数に制限が存在する。これに限られず、残り透視回数に制限を設けなくてもよい。
【0080】
(変形例13)上記の実施例では、
図5のS10において、CPU20は、1個の特定牌が選択された状態で、所定の透視開始操作が実行されることを監視している。CPU20は、1個の特定牌が選択された状態で、所定の透視開始操作が実行される場合に、変更画面の生成、表示を行う(S10でYES、S14、S16)。即ち、上記の実施例では、プレーヤーは、1個の特定牌を選択した後で透視開始操作を実行する。これに限られず、S10では、CPU20は、1個の特定牌が選択される前に透視開始操作が実行されることを監視してもよい。その場合、CPU20は、透視開始操作の実行後に、1個の特定牌が選択されることを監視してもよい。即ち、この変形例では、プレーヤーは、透視開始操作を実行した後で、1個の特定牌を選択してもよい。
【0081】
(変形例14)上記の実施例では、ゲームプログラム26によって実現されるゲームは、いわゆる「上海ゲーム」、「マージャンソリティア」等と呼ばれるタイプのパズルゲームである。上記の実施例では、ゲームで使用される牌は、いずれも垂直方向から見て四角形であり、大きさが同一である。これに限られず、ゲームプログラムによって実現されるゲームは、複数個の牌(タイル)を水平方向に並べて配置、あるいは、水平方向に並べて配置するとともに垂直方向に積層した集合体を生成し、その集合体を利用して行うタイプのゲームであれば、「上海ゲーム」、「マージャンソリティア」等に限られず、他のタイプのゲームであってもよい。また、ゲームで使用される牌の形状も、垂直方向から見て多角形状に形成されていれば任意の形状を採用してもよい。また、ゲームで使用される牌の大きさも、不揃いであってもよい。
【0082】
(変形例15)上記の実施例で実現されるパズルゲームでは、2個の指定牌が(i)~(iii)のすべての消去条件を満たす場合に、2個の指定牌の消去を許可している。これに限られず、(i)~(iii)の消去条件のうちの1個又は2個を省略してもよい。即ち、パズルゲームは、消去条件を緩和した簡易モードで実現されてもよい。
【0083】
(変形例16)上記の実施例では、変更画像CIでは、集合体画像MIにおいて図柄を視認できなかった位置に存在する対象牌Ttと、集合体画像MIにおいても図柄を視認できる位置に存在する対象牌Ttと、を共に顕著表示させている(
図6、
図7参照)。これに限られず、変更画像では、集合体画像において図柄を視認できなかった位置に存在する対象牌のみを顕著表示し、集合体画像においても図柄を視認できる位置に存在する対象牌は顕著表示しないようにしてもよい。即ち、対象牌は、特定牌と同種の図柄を表わす1個以上の牌のうち、少なくとも集合体画像において視認不可能な位置に存在する牌であればよい。
【0084】
(変形例17)上記の実施例では、端末装置10は、表示部12と操作部14と制御部16を有しており、制御部16のメモリ22には、ゲームプログラム26が記憶されている。これに限られず、端末装置は、例えば、据置型のゲーム機と、ゲーム機が接続されたディスプレイとの組合せとして構成されていてもよい。その場合、ゲーム機のメモリにはゲームプログラムが記憶されていなくてもよい。ゲーム機は、ゲームプログラムを記憶した記憶媒体を読み取るための読取部を備えていればよい。その場合、ゲーム機のCPUは、読取部に配置された記憶媒体を読み取ることによって、上記実施例と同様のゲームを実現すればよい。
【0085】
(変形例18)また、端末装置は、インターネットを介して外部のサーバと通信を実行するための通信インターフェースを備えていてもよい。この場合も、端末装置のメモリには、ゲームプログラムが記憶されていなくてもよい。端末装置のCPUは、インターネットを介して外部のサーバと通信を実行し、外部のサーバに記憶されているゲームプログラムに従って、上記実施例と同様のゲームを実現すればよい。
【0086】
(変形例19)上記の実施例では、ゲームに使用される牌は、画面中における垂直方向から(即ち上から)見た場合の形状が四角形に形成されており、いずれの牌も同一の大きさを有する。これに限られず、ゲームに使用されるタイルは、画面中における垂直方向から(即ち上から)見た場合の形状が、三角形、五角形、六角形等、任意の多角形状に形成されていてもよい。また、ゲームに使用されるタイルは、画面中における垂直方向から(即ち上から)見た場合の形状が、円形、不規則形状等、任意の形状に形成されていてもよい。また、タイルの大きさも不均一であってもよい。タイルの形状及び大きさは、ゲームの内容に応じて種々変更されてもよい。
【0087】
また、本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成するものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
【符号の説明】
【0088】
10 :端末装置
12 :表示部
14 :操作部
16 :制御部
20 :CPU
22 :メモリ
24 :OSプログラム
26 :ゲームプログラム
50 :透視開始ボタン
M :集合体
MI :集合体画像
CI :変更画像
Pt :周辺牌
Sh :影画像
St :特定牌
Tt :対象牌