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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-07
(45)【発行日】2022-10-18
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
   A63F 7/02 20060101AFI20221011BHJP
【FI】
A63F7/02 320
A63F7/02 304D
【請求項の数】 1
(21)【出願番号】P 2018082003
(22)【出願日】2018-04-23
(65)【公開番号】P2019187673
(43)【公開日】2019-10-31
【審査請求日】2021-04-07
(73)【特許権者】
【識別番号】599104196
【氏名又は名称】株式会社サンセイアールアンドディ
(74)【代理人】
【識別番号】110002158
【氏名又は名称】特許業務法人上野特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】島崎 徳人
(72)【発明者】
【氏名】伊東 秀城
【審査官】中村 祐一
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-156104(JP,A)
【文献】特開2017-189432(JP,A)
【文献】特開2009-268729(JP,A)
【文献】特開2013-034632(JP,A)
【文献】特開2016-195727(JP,A)
【文献】特許第6804103(JP,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示領域を有する表示手段と、
発光部を有し、当該発光部を含む部分の少なくとも一部が前記表示領域の前方で重なる重畳位置に位置することが可能な演出部材と、
前記演出部材が前記重畳位置に位置した状態で、前記発光部を発光させつつ、前記表示領域における前記発光部に覆われる領域の少なくとも一部および前記発光部に隣接する領域に第一演出画像を表示する一体演出を実行する演出実行手段と、
を備え
前記演出実行手段は、前記一体演出において、前記演出部材における前記発光部が形成されていない箇所に隣接する第二演出画像を前記第一演出画像とともに表示し、
前記第一演出画像と前記第二演出画像は互いに連続する部分を含む
ことを特徴とする遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
有体物である演出用の役物(演出部材)と、表示装置の表示領域に表示される画像とを組み合わせた演出を実行する遊技機が種々知られている(例えば、下記特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2016-158690号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、演出部材と表示領域に表示される画像を用いた面白みのある演出を実行することが可能な遊技機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するためになされた本発明にかかる遊技機は、表示領域を有する表示手段と、発光部を有し、当該発光部を含む部分の少なくとも一部が前記表示領域の前方で重なる重畳位置に位置することが可能な演出部材と、前記演出部材が前記重畳位置に位置した状態で、前記表示領域における前記発光部に覆われる領域の少なくとも一部および前記発光部に隣接する領域に演出画像を前記表示領域に表示する一体演出を実行する演出実行手段と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明にかかる遊技機によれば、演出部材(演出部材が有する発光部)と、表示領域に表示される画像が一体的に視認されるという面白みのある演出を実行することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本実施形態にかかる遊技機の正面図である。
図2】表示装置(表示領域)に表示された識別図柄および保留図柄を示した図である。
図3】原位置に位置する演出部材(a)、演出位置に位置する演出部材(b)、一体演出(c)を示した図である。
図4】第一演出画像の表示手法を説明するための図である。
図5】第一具体例を説明するための図である。
図6】第二具体例を説明するための図である。
図7】第二演出画像の表示手法を説明するための図である。
図8】第三具体例を説明するための図である。
図9】第五具体例を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明にかかる遊技機1の一実施形態について図面を参照して詳細に説明する。まず、図1を参照して遊技機1の全体構成について簡単に説明する。
【0009】
遊技機1は遊技盤90を備える。遊技盤90は、ほぼ正方形の合板により成形されており、発射装置908(発射ハンドル)の操作によって発射された遊技球を遊技領域902に案内する通路を構成するガイドレール903が略円弧形状となるように設けられている。
【0010】
遊技領域902には、表示装置91、始動入賞口904、大入賞口906、アウト口907などが設けられている。かかる表示装置91の表示領域911は、遊技盤90に形成された開口901を通じて視認可能となる領域である。なお、表示領域911の形状等は適宜変更可能である(開口901の形状や大きさ、表示装置91自体の形状や大きさを変更することで表示領域911の形状等を変更することができる)。
【0011】
また、遊技領域902には、流下する遊技球が衝突することにより遊技球の流下態様に変化を与える障害物としての遊技釘が複数設けられている。遊技領域902を流下する遊技球は、遊技釘に衝突したときの条件に応じて様々な態様に変化する。
【0012】
このような遊技機1では、発射装置908を操作することにより遊技領域902に向けて遊技球を発射する。遊技領域902を流下する遊技球が、始動入賞口904や大入賞口906等の入賞口に入賞すると、所定の数の賞球が払出装置により払い出される。
【0013】
大当たりの抽選は、図示されない制御基板に設けられた当否判定手段が始動入賞口904への遊技球の入賞を契機として実行する(このような始動入賞口は複数設けられていてもよい)。具体的には、始動入賞口904への遊技球の入賞を契機として乱数源から数値(当否判定情報)が取得され、当該数値が予め定められた大当たりの数値と同じである場合には大当たりとなり、異なる場合にははずれとなる。本実施形態では、当該数値が取得された順に当否判定結果の報知が開始される(いわゆる変動が開始される)こととなるが、ある数値が取得されたときに、それより前に取得された数値に基づく当否判定結果が報知されている際には、当該ある数値に基づく当否判定結果が開始されるまで、図示されない制御基板に設けられた記憶手段に記憶される。未だ当否判定の報知が開始されていない数値(以下単に保留と称することもある)の最大の記憶数(最大保留数)は適宜設定することができる。本実施形態における記憶手段が記憶できる最大保留数は、一種の始動入賞口904につき四つである。記憶手段に上記数値(当否判定情報)が記憶されていることは、保留図柄80として表示される(図2参照)。なお、本実施形態では、当否判定の報知が開始される時点で、取得された数値が大当たりとなる数値か否かが判断されることとなるが、数値が取得されたときに当否判定を行い、当否判定結果自体を記憶させておく構成としてもよい(この場合には当否判定結果自体が、当否判定情報に相当することとなる)。また、取得された数値は、当否判定結果を報知する演出の具体的な内容を決定するための数値としても利用される。
【0014】
なお、遊技機1の枠体、遊技球を貯留する下皿や上皿など、本発明に関係のない遊技機1の構成要素は説明を省略する。これらについては公知の遊技機と同様の構造のものが適用できる。
【0015】
本実施形態では、公知の遊技機と同様に、表示装置91の表示領域911に表示される識別図柄70(図2参照)の組み合わせによって当否判定結果を遊技者に報知する。具体的には、複数種の識別図柄70を含む識別図柄群70g(左識別図柄群70gL、中識別図柄群70gC、右識別図柄群70gR)が変動を開始し、最終的に各識別図柄群70gから一の識別図柄70が選択されて停止する。大当たりに当選している場合には各識別図柄群70gから選択されて停止した識別図柄70の組み合わせは所定の組み合わせ(例えば、同じ識別図柄70の三つ揃い)となる。はずれである場合にはそれ以外(大当たりとなる組み合わせ以外)の組み合わせとなる。なお、各図においては、識別図柄70を構成する「数字(文字)」のみを図示するが、当該数字とキャラクタ等が組み合わされた図柄を識別図柄70として設定することができる。
【0016】
なお、図3以降の図面においては、上記識別図柄70や保留図柄80の図示を省略する。
【0017】
当否判定結果を報知する演出として、種々の演出が実行される。本実施形態では、当該演出の一種として、一体演出を実行することが可能である。すなわち、一体演出は、対象の当否判定結果を報知する一連の演出(識別図柄70(群)が変動を開始してから当否判定結果を示す組み合わせで停止するまでの演出。以下、報知演出と称することもある)の一部として発生しうるものである。以下、当該一体演出について詳細に説明する。報知演出において、一体演出を発生させる条件や当該条件が成立しうるタイミング(発生タイミング)等はどのようなものであってもよいから説明を省略する。なお、特に明示した場合を除き、以下の説明における「画像」には、静止画と動画の両方が含まれるものとする。
【0018】
一体演出は、有体物である演出部材10を用いた演出である。本実施形態における演出部材10は、所定の範囲を動作可能な可動体である。具体的には、原位置(図3(a)参照)と演出位置(本願発明における重畳位置に相当する)(図3(b)参照)との間を往復動作することが可能なものである。演出部材10を動作させるための駆動機構はどのようなものであってもよいため説明を省略する。原位置に位置する演出部材10は、全部または一部が遊技盤90の後方に位置し、正対した遊技者には少なくとも一部が遊技盤90に覆われて視認できない状態とされる。当該演出部材10が演出位置に位置する演出部材10は、原位置に位置するときよりも遊技盤90に覆われる範囲が少なくなる。つまり、遊技盤90に形成された開口901を通じて正対する遊技者に視認される範囲が大きくなる。上述した通り、表示装置91の表示領域911は、遊技盤90に形成された開口901を通じて視認される領域であるため、演出位置に位置する演出部材10の少なくとも一部は、表示領域911の前方で重なる。つまり、演出位置に位置する演出部材10の少なくとも一部は、表示領域911を覆うように重なる。演出部材10が当該表示領域911に重なる範囲は、原位置に位置するときよりも演出位置に位置するときの方が大きい。
【0019】
本実施形態における演出部材10は、細長い形状を呈する。演出部材10は、原位置において表示領域911の左側縁に沿うように位置し、そこから下方側の端部を支点として回動することで演出位置に位置する(図3(a)(b)参照)。当該演出部材10の動作態様はあくまで一例である。演出位置の方が原位置よりも露出する範囲が大きくなり、かつ、演出位置において少なくとも一部が表示領域911に重畳するものであればよい。
【0020】
演出部材10の前面は、少なくとも演出位置において遊技者に視認される部分であるため、種々の装飾が施されている。本実施形態における演出部材10は、当該装飾の一つとしての発光部11を有する(図3(b)参照)。つまり、演出部材10の前側には、所定の態様で発光することが可能な発光部11(光源およびその光源を覆う光透過性の部材)が設けられている。発光部11が複数の光源を含むものとし、発光させる光源を切り替えることにより、複数種の態様で発光することが可能なものとしてもよい。本実施形態における発光部11は、演出部材10の幅方向における一方側端縁から他方側端縁まで延びるように形成されている。つまり、発光部11の一方側端縁、他方側端縁は、幅方向にける演出部材10の端縁の一部と略一致する。
【0021】
一体演出においては、演出部材10が原位置から演出位置まで移動した上で、発光部11が発光するよう制御する。これとともに、表示装置91の表示領域911に演出画像(以下、後述する第二演出画像30と区別するため第一演出画像20と称する)が表示される(図3(c)参照)。第一演出画像20は、発光する発光部11に隣接するように表示される。具体的には、平面視(正対した遊技者の視線)で、第一演出画像20は、発光部11の一方側と一続きとなる(あたかも連続する)かのように表示される第一画像部A21と、発光部11の他方側と一続きとなる(あたかも連続する)かのように表示される第一画像部B22とを含む。換言すれば、第一画像部A21と第一画像部B22との間に発光部11が位置するような位置関係となる。これにより、第一画像部A21、発光部11、第一画像部B22が、あたか一続きとなって存在するかのような演出要素(以下、一体的演出要素と称することもある)が遊技者に視認される状態となる。本実施形態では、第一画像部A21、発光部11、第一画像部B22の幅は略同じであり、当該幅の端部が略一致するように互いに隣接する。これにより、第一画像部A21、発光部11、第一画像部B22が一続きとなった線状の一体的演出要素が構築される。このような一体的演出要素が遊技者に示されることで、演出部材10が、一体的演出要素によりあたかも分断されたかのような演出効果が生じることになる。
【0022】
発光部11と第一演出画像20(第一画像部A21、第一画像部B22)の具体的態様はどのようなものであってもよいが、これらの「一体感」を高めるような態様であることが好ましい。例えば、発光部11の発光色と第一演出画像20の色(色相)を一致させることが考えられる。また、一体的演出要素の一方側端縁から他方側端縁に向かって次第に規則的に色(色相)が変化していくような態様(グラデーションが施されたかのような態様)とすることが考えられる。
【0023】
なお、かかる第一演出画像20は、第一画像部A21と第一画像部B22に分けて表示されるというものであってもよい(図4(a)参照)し、両画像部の間に両者を繋ぐ画像部(第一画像部C23)を有するもの(図4(b)参照)としてもよい。つまり、演出位置に位置する演出部材10に覆われる箇所には画像が表示されないものとしてもよいし、演出位置に位置する演出部材10に覆われる箇所にも画像が表示されるようにしてもよい。図4(b)に示すような態様としても、第一画像部C23が表示される部分は演出位置に位置する演出部材10に覆われるのであるから、正対する遊技者には、演出部材10の一方側に隣接する第一画像部A21と他方側に隣接する第一画像部B22が見える(第一画像部C23は見えない)演出となる。第一演出画像20を第一画像部C23に相当するものを含まない態様とすると、演出位置に位置する演出部材10の位置ずれ等により、第一画像部A21と演出部材10との間や、第一画像部B22と演出部材10との間に隙間が生じているかのような状態となってしまうおそれがある一方、第一演出画像20を一続きの画像とする(第一画像部C23を含む態様とする)ことで、このような状態が発生することがなくなるという利点がある。
【0024】
本発明にかかる遊技機1によれば、演出部材10(演出部材10が有する発光部11)と、表示領域911に表示される第一演出画像20が一体的に視認されるという面白みのある演出を実行することが可能である。具体的には、第一演出画像20および発光部11により、演出部材10の本体部分の手前側に何らかの物体等が存在するかのような演出態様を実現することが可能である。
【0025】
以下、上記実施形態にかかる遊技機1を改良、変形、具体化等した具体例について説明する。なお、以下の具体例を用いて説明する技術的事項を複数組み合わせて適用した構成としてもよい。
【0026】
○第一具体例
第一演出画像20を裸眼立体視画像(三次元的に視認される画像)とする(図5参照)。裸眼立体視画像それ自体は公知であるから、当該画像の表示方法等については説明を省略する。一体演出は、有体物である(三次元形状を有する)演出部材10と、無体物である第一演出画像20の「一体感」が重要であるから、第一演出画像20が三次元的に見えるようにすることで両者の「一体感」を高めることが可能となる。
【0027】
○第二具体例
一体演出において、上記第一演出画像20に加えて、第二演出画像30が表示されるものとする(図6参照)。当該第二演出画像30の具体的態様は以下の通りである。第二演出画像30は、平面視で、演出部材10に隣接するように表示されるという点では第一演出画像20と共通するものの、第一演出画像20が演出部材10の発光部11に隣接するように表示されるものである一方、第二演出画像30が演出部材10の発光部11が形成されていない箇所に隣接するように表示されるものであるという点で相違する。
【0028】
第二演出画像30は、第二画像部A31と第二画像部B32を含む。第二画像部A31は、幅方向における演出部材10の一方側端部(発光部11が形成されていない部分)に隣接し、第二画像部B32は、幅方向における演出部材10の他方側端部(発光部11が形成されていない部分)に隣接するように表示される。第二画像部A31と第二画像部B32は、幅が略同じである細長い線状の画像であり、一方をそのまま略真っ直ぐ延ばせば、他方に略一致するような形状とされる。換言すれば、第二画像部A31と第二画像部B32との間に演出部材10における発光部11が形成されていない箇所が存在するような位置関係となる。したがって、演出部材10によって演出要素(第二演出画像30)の一部が隠されているかのような態様とされる。
【0029】
なお、かかる第二演出画像30は、第二画像部A31と第二画像部B32に分けて表示されるというもの(図7(a)参照)としてもよいし、両画像部の間に両者を繋ぐ画像部(第二画像部C33)を有するもの(図7(b)参照)としてもよい。つまり、演出位置に位置する演出部材10に覆われる箇所には画像が表示されないものとしてもよいし、演出位置に位置する演出部材10に覆われる箇所にも画像が表示されるようにしてもよい。図7(b)に示すような態様としても、第二画像部C33が表示される部分は演出位置に位置する演出部材10に覆われるのであるから、正対する遊技者には、演出部材10の一方側に隣接する第二画像部A31と他方側に隣接する第二画像部B32が見える(第二画像部C33は見えない)演出となる。第二演出画像30を第二画像部C33に相当するものを含まない態様とすると、演出位置に位置する演出部材10の位置ずれ等により、第二画像部A31と演出部材10との間や、第二画像部B32と演出部材10との間に隙間が生じているかのような状態となってしまうおそれがある一方、第二演出画像30を一続きの画像とする(第二画像部C33を含む態様とする)ことで、このような状態が発生することがなくなるという利点がある。
【0030】
本例のようにすることで、一体演出において、発光部11が発光され、第一演出画像20および第二演出画像30の両方が表示された状態となったとき、演出部材10(発光部11)、第一演出画像20および第二演出画像30によって構築される演出形態が、より一体感のあるものとなる(より立体的に見える)。具体的には、第一演出画像20(第一画像部A21、第一画像部B22)および発光部11によって構築される演出要素(上述した一体的演出要素)が、演出部材10(演出部材10の本体部分)の手前を通るような要素として示され、第二演出画像30(第二画像部A31、第二画像部B32)によって構成される演出要素が、演出部材10(演出部材10の本体部分)の奥側を通るような要素として示されることになる。つまり、演出部材10の前後を挟む物体が存在するかのような演出形態が構築されることになるから、当該演出形態の一体感を高めることが可能となる。
【0031】
○第三具体例(第二具体例をさらに発展させた例)
第一演出画像20および第二演出画像30が、交互に並ぶように複数表示される(少なくとも第一演出画像20と第二演出画像30の一方が複数表示される)ものとする(図8参照)。具体的には、演出部材10の長手方向に向かって、第一演出画像20、第二演出画像30、第一演出画像20・・・という順で並ぶように表示される。演出部材10には第一演出画像20の数と同数の発光部11が設けられ、一の演出画像と一の発光部11が対応する(一の一体的演出要素を構成する)ものとする。つまり、一の第一演出画像20と一の発光部11によって構成される一体的演出要素が、演出部材10の長手方向に並ぶものとされ、当該一体的演出要素の間に第二演出画像30が表示される。
【0032】
第一演出画像20と第二演出画像30は互いに連続する部分を含む。具体的には、第一演出画像20の第一画像部A21と第二演出画像30の第二画像部A31とが演出部材10から遠い側で繋がり、第一演出画像20の第一画像部B22と第二演出画像30の第二画像部B32とが演出部材10から遠い側で繋がっているものとする(ただし、「繋ぐ」対象の画像部が存在しないものを除く)。本例では、第一演出画像20や第二演出画像30が細長い「帯」のようなものと捉え、第一演出画像20と第二演出画像30とのつなぎ目で当該「帯」の表裏が反転しているかのような画像として表示する。すなわち、第一演出画像20(および発光部11)が「帯」の表面を表し、第二演出画像30が「帯」の裏面を表しているかのような態様とされる。好ましくは、第一演出画像20に比して第二演出画像30を黒みがかったものとする(黒の要素を高める。明度を低くする。)ことにより、第一演出画像20が「表」であり、第二演出画像30が「裏」であることが強調されるようにするとよい。
【0033】
このようにすることで、一体演出が実行されたときには、演出部材10(演出部材10の本体部分)の周囲を「帯」が略螺線状に取り巻くような一体的な演出形態が構築される。つまり、演出部材10の周りに表示される画像が、演出部材10自体が有する発光部11と相俟って、立体的(三次元的)に見えることになる。演出部材10は立体的形状を有する有体物であるから、立体的なもの同士が組み合わされたかのような演出形態が構築されるということである。
【0034】
○第四具体例(第二・第三具体例をさらに発展させた例)
第二演出画像30を裸眼立体視画像(三次元的に視認される画像)とする。裸眼立体視画像それ自体は公知であるから、当該画像の表示方法等については説明を省略する。一体演出は、有体物である(三次元形状を有する)演出部材10と、無体物である第一演出画像20および第二演出画像30の「一体感」が重要であるから、第二演出画像30が三次元的に見えるようにすることで両者の「一体感」を高めることが可能となる。
【0035】
○第五具体例
第一具体例および第四具体例にて、第一演出画像20や第二演出画像30を裸眼立体視画像とすることを説明したが、第一演出画像20および第二演出画像30の一方のみを裸眼立体視画像とし、他方を裸眼立体視画像ではない二次元的な画像とする。上記の通り、第一演出画像20は発光部11と相俟って演出部材10(演出部材10の本体部分)の手前側に位置するように、第二演出画像30は演出部材10(演出部材10の本体部分)の奥側に位置するように表示される画像であるから、両画像の差を明瞭にするために一方のみを裸眼立体視画像とする。
【0036】
一般的には、裸眼立体視画像は、当該画像が手前に飛び出したかのように表示されるものである。その作用を有効に活用することを重視するのであれば、第一演出画像20の方を裸眼立体視画像とすることが考えられる(図9(a)参照)。このようにすることで、第一演出画像20が手前側に位置するかのように捉えられる作用が向上することになる。
【0037】
第一演出画像20は、演出部材10の発光部11とともに一体的演出要素を構成するものであり、発光部11を立体的にみせることは困難である。つまり、第一演出画像20を裸眼立体視画像としても、それと一体となるべき発光部11が立体的ではないのであるから、第一演出画像20と発光部11の一体性が損なわれてしまうことを抑制するため、第一演出画像20を二次元的な画像とすること(第二演出画像30を裸眼立体視画像とすること)が考えられる(図9(b)参照)。このようにすることで、第一演出画像20と第二演出画像30の差を明確にしつつ、演出部材10の手前側に位置するものとして示される一体的演出要素(第一演出画像20と発光部11)の一体性を確保することができる。
【0038】
以上、本発明の実施の形態について詳細に説明したが、本発明は上記実施の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の改変が可能である。
【0039】
上記実施形態にかかる遊技機1はいわゆるぱちんこ遊技機であるが、演出用の表示装置を備えた遊技機であれば、回動式遊技機等の異なる遊技機に対しても同様の技術思想が適用可能である。
【0040】
上記実施形態から得られる具体的手段(遊技機)を以下に列挙する。
【0041】
・手段1
表示領域を有する表示手段と、
発光部を有し、当該発光部を含む部分の少なくとも一部が前記表示領域の前方で重なる重畳位置に位置することが可能な演出部材と、
前記演出部材が前記重畳位置に位置した状態で、前記発光部を発光させつつ、当該発光部に隣接する第一演出画像を前記表示領域に表示する一体演出を実行する演出実行手段と、
を備えることを特徴とする遊技機。
上記遊技機は、演出部材(演出部材が有する発光部)と、表示領域に表示される第一演出画像が一体的に視認されるという面白みのある演出を実行することが可能である。
【0042】
・手段2
前記第一演出画像は、前記演出部材の前記発光部の一方側に隣接する部分と他方側に隣接する部分とを含むことを特徴とする手段1に記載の遊技機。
このようにすることで、演出部材(演出部材が有する発光部)と第一演出画像の一体感をさらに高めることが可能である。
【0043】
・手段3
前記第一演出画像は、裸眼立体視画像であることを特徴とする手段1または手段2に記載の遊技機。
第一演出画像が立体的に見える画像とすることで、有体物である演出部材との一体感をさらに高めることが可能である。
【0044】
・手段4
前記演出実行手段は、前記一体演出において、前記演出部材における前記発光部が形成されていない箇所に隣接する第二演出画像を前記第一演出画像とともに表示することを特徴とする手段1から手段3のいずれかに記載の遊技機。
このようにすることで、演出部材の手前側に第一演出画像と発光部により構成される要素が、奥側に第二演出画像により構成される要素が位置するかのような一体的な演出形態が構築されることになる。
【0045】
・手段5
前記第二演出画像は、前記演出部材における前記発光部が形成されていない箇所の一方側に隣接する部分と他方側に隣接する部分とを含むことを特徴とする手段4に記載の遊技機。
このようにすることで、演出部材(演出部材が有する発光部)と第二演出画像の一体感をさらに高めることが可能である。
【0046】
・手段6
前記第二演出画像は、裸眼立体視画像であることを特徴とする手段4または手段5に記載の遊技機。
第二演出画像が立体的に見える画像とすることで、有体物である演出部材との一体感をさらに高めることが可能である。
【0047】
・手段7
前記第一演出画像と前記第二演出画像は互いに連続する部分を含む画像であることを特徴とする手段4から手段6のいずれかに記載の遊技機。
このようにすることで、第一演出画像と第二演出画像により立体的な構造物が構築されているかのように見え、一体演出においては当該立体的に見える構造物と演出部材が組み合わされたかのような演出形態が構築されることになる。
【符号の説明】
【0048】
1 遊技機
10 演出部材
11 発光部
20 第一演出画像
21 第一画像部A
22 第一画像部B
30 第二演出画像
31 第二画像部A
32 第二画像部B
91 表示装置
911 表示領域
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9