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特許7154750独立して挙動可能なパイロットプランジャーヘッドを含むソレノイドバルブ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-07
(45)【発行日】2022-10-18
(54)【発明の名称】独立して挙動可能なパイロットプランジャーヘッドを含むソレノイドバルブ
(51)【国際特許分類】
   F16K 31/06 20060101AFI20221011BHJP
   F17C 13/04 20060101ALI20221011BHJP
   H01M 8/04 20160101ALI20221011BHJP
   H01M 8/04089 20160101ALI20221011BHJP
【FI】
F16K31/06 305J
F16K31/06 305L
F16K31/06 305S
F16K31/06 305G
F16K31/06 305K
F17C13/04 301C
H01M8/04 N
H01M8/04089
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2017222535
(22)【出願日】2017-11-20
(65)【公開番号】P2018119676
(43)【公開日】2018-08-02
【審査請求日】2020-09-18
(31)【優先権主張番号】10-2017-0011758
(32)【優先日】2017-01-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】591251636
【氏名又は名称】現代自動車株式会社
【氏名又は名称原語表記】HYUNDAI MOTOR COMPANY
【住所又は居所原語表記】12, Heolleung-ro, Seocho-gu, Seoul, Republic of Korea
(73)【特許権者】
【識別番号】500518050
【氏名又は名称】起亞株式会社
【住所又は居所原語表記】12, Heolleung-ro, Seocho-gu, Seoul, Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110000051
【氏名又は名称】弁理士法人共生国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】黄 基 鎬
(72)【発明者】
【氏名】金 昌 浩
(72)【発明者】
【氏名】崔 章 浩
(72)【発明者】
【氏名】金 亨 基
【審査官】橋本 敏行
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-210120(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0169404(US,A1)
【文献】国際公開第2016/180737(WO,A1)
【文献】特開2016-156485(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 8/04 - 8/0668
F16K 31/06 - 31/11
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
高圧容器から延長される流路上の一地点に設けられ、前記流路を開放又は閉鎖するソレノイドバルブであって、
前記ソレノイドバルブの内部にガスが流入する空孔を有するメインシートと、
前記メインシートと密着又は脱離可能に配備されたメインプランジャーと、
前記ソレノイドバルブ内部の前記メインプランジャーと当接して設けられ、内部に中空部を有するパイロットプランジャーと、
前記パイロットプランジャーの内部の一側に形成され、末端が前記メインプランジャーに当接可能なパイロットプランジャーヘッドと、
を含み、
前記パイロットプランジャーは、前記ソレノイドバルブの内部を移動可能に設けられ、
前記パイロットプランジャーヘッドは、前記パイロットプランジャーの前記中空部の内部を移動可能に設けられ、前記パイロットプランジャーヘッドの移動と前記パイロットプランジャーの移動とが相互に独立して行われ、
前記メインプランジャーと前記パイロットプランジャーとが当接する面に形成された突起を更に含むことを特徴とする独立して挙動可能なパイロットプランジャーヘッドを含むソレノイドバルブ。
【請求項2】
前記突起は、金属からなることを特徴とする請求項に記載の独立して挙動可能なパイロットプランジャーヘッドを含むソレノイドバルブ。
【請求項3】
前記中空部の内部に、前記パイロットプランジャーヘッドの一側に付着可能に設けられたスプリングを更に含むことを特徴とする請求項1に記載の独立して挙動可能なパイロットプランジャーヘッドを含むソレノイドバルブ。
【請求項4】
前記中空部の内部に設けられて、前記スプリングを収容するスプリングガイドを更に含むことを特徴とする請求項に記載の独立して挙動可能なパイロットプランジャーヘッドを含むソレノイドバルブ。
【請求項5】
前記スプリングと前記パイロットプランジャーの内周面との間に設けられる摩擦部材を更に含むことを特徴とする請求項に記載の独立して挙動可能なパイロットプランジャーヘッドを含むソレノイドバルブ。
【請求項6】
前記ソレノイドバルブの外周面を囲むためのソレノイドバルブガイドと、
前記ソレノイドバルブガイドの一端に締結される固定鉄心と、
を更に含み、
前記ソレノイドバルブガイドの他端には、前記メインシートが締結されることを特徴とする請求項1に記載の独立して挙動可能なパイロットプランジャーヘッドを含むソレノイドバルブ。
【請求項7】
前記パイロットプランジャー及び前記メインプランジャーは、前記ソレノイドバルブガイドの内部に配置され、前記固定鉄心と前記メインシートとの間を移動可能であることを特徴とする請求項に記載の独立して挙動可能なパイロットプランジャーヘッドを含むソレノイドバルブ。
【請求項8】
前記中空部の内部の前記パイロットプランジャーヘッドの一側に付着可能となるように設けられたスプリングを更に含み、
前記スプリングの一側は、前記パイロットプランジャーヘッドに締結され、前記スプリングの他側は、前記固定鉄心に締結されることを特徴とする請求項に記載の独立して挙動可能なパイロットプランジャーヘッドを含むソレノイドバルブ。
【請求項9】
前記メインプランジャーと前記ソレノイドバルブガイドとの間に設けられ、前記メインプランジャーの移動を調節する摩擦部材を更に含むことを特徴とする請求項に記載の独立して挙動可能なパイロットプランジャーヘッドを含むソレノイドバルブ。
【請求項10】
前記パイロットプランジャーヘッドは、プラスチック又はゴム材質からなることを特徴とする請求項1に記載の独立して挙動可能なパイロットプランジャーヘッドを含むソレノイドバルブ。
【請求項11】
前記ソレノイドバルブは、前記高圧容器の充填流路と供給流路とが同一であるシステムに設けられることを特徴とする請求項1に記載の独立して挙動可能なパイロットプランジャーヘッドを含むソレノイドバルブ。
【請求項12】
前記メインプランジャーは前記メインプランジャーの中央を貫通する流路を更に含み、
前記流路の一端は前記メインシートの前記空孔に連結され、前記流路の他端は前記パイロットプランジャーヘッドに密着又は脱離できることを特徴とする請求項1に記載の独立して挙動可能なパイロットプランジャーヘッドを含むソレノイドバルブ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、独立して挙動可能なパイロットプランジャーヘッドを含むソレノイドバルブに係り、より詳細には、パイロットプランジャーの一端に設けられるパイロットプランジャーヘッドとパイロットプランジャーが相互独立して挙動可能で、それによって水素などの高圧ガスを充填する時にプランジャーヘッドの破損を防止することができる独立して挙動可能なパイロットプランジャーヘッドを含むソレノイドバルブに関する。
【背景技術】
【0002】
通常、燃料電池自動車の水素貯蔵システムは、水素を充填するための充填口、ソレノイドバルブ、水素タンク、圧力調節器、及びそれらの部品を連結するための高圧配管類などで構成される。
【0003】
前記燃料貯蔵システム、即ち水素貯蔵系に備えられる高圧容器(水素容器)には、700bar程度の高圧圧縮水素が貯蔵されており、圧縮水素が、水素容器の入口部に装着された高圧ソレノイドバルブのオン/オフ(on/off)により高圧流路に放出された後、圧力調節器と水素供給バルブとを介して、減圧されて燃料電池スタックに供給される。
【0004】
燃料電池自動車に高圧の水素を充填する部分の構成を説明すると、充填所の充填ノズルを車両に結合する部分が水素充填口(又は充填レセプタクル)となり、充填された水素ガスは、高圧配管により、高圧容器(又は水素タンク)に結合されているバルブを介して車両の高圧容器に充填される。
【0005】
一方、燃料電池システムの水素貯蔵系に適用されるバルブとしては、ソレノイドを用いたバルブを使用することができる。
一般的にソレノイドバルブは、電磁石の原理を用いてバルブを開放又は閉鎖するもので、詳細には一定方向に発生させた物理的な力を伝達して、シリンダーとプランジャーとの間の空孔を開放又は閉鎖することができる。空孔の開放又は閉鎖によりバルブは流体の流れを制御でき、電気、電子、機械装置などの様々な産業分野で広範囲に使用することができる。
【0006】
但し、ソレノイドバルブの内部のプランジャーが上昇又は下降することによって、バルブの内部へ高圧のガスが流入されることがある。この際、高圧ガスの圧力がプランジャーヘッドを直接強打することが起こり、それによってプランジャーヘッドが損傷する場合があった。
【0007】
特に、ソレノイドバルブが位置している流路で、高圧ガスの供給と充填とが同時に行われる場合には、充填されるガス圧によりプランジャーヘッドが損傷される確率が大幅に高くなるため、高圧のガス圧によるプランジャーヘッドの損傷を防ぐことができるソレノイドバルブの必要性が高まっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【文献】韓国登録特許第10-1628569号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、燃料電池システムの水素貯蔵系に設けられるソレノイドバルブにおいて、充填圧と同じ高圧がプランジャーヘッドに印加されてもプランジャーヘッドの損傷を防止できる、独立して挙動可能なパイロットプランジャーヘッドを含むソレノイドバルブ構造を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明が一実施例として提供する独立して挙動可能なパイロットプランジャーヘッドを含むソレノイドバルブは、高圧容器から延長される流路上の一地点に設けられて、前記流路を開放または閉鎖できるソレノイドバルブであって、前記ソレノイドバルブの内部にガスが流入する空孔を有するメインシートと、前記メインシートと密着または脱離可能に配備されたメインプランジャーと、前記ソレノイドバルブ内部の前記メインプランジャーの上端に設けられ、内部に中空部を有するパイロットプランジャーと、前記パイロットプランジャーの内部の一側に形成され、末端が前記メインプランジャーに当接可能なパイロットプランジャーヘッドと、を含み、
前記パイロットプランジャーは、前記ソレノイドバルブの内部を移動可能に設けられ、前記パイロットプランジャーヘッドは、前記パイロットプランジャーの前記中空部の内部で移動可能に設けられ、前記パイロットプランジャーヘッドの移動と前記パイロットプランジャーの移動が相互独立して行われることを特徴とする。
【0011】
また、前記メインプランジャーと前記パイロットプランジャーが当接する面に形成される突起を更に含むことを特徴とする。
【0012】
また、前記突起は、金属からなることが好ましい。
また、前記中空部の内部に前記パイロットプランジャーヘッドの一側に付着可能に設けられたスプリングをさらに含むことを特徴とする。
【0013】
また、前記中空部の内部に設けられて、前記スプリングを収容するスプリングガイドをさらに含むことが好ましい。
【0014】
また、前記スプリングと前記パイロットプランジャーの内周面との間に設けられる摩擦部材をさらに含むことができる。
【0015】
また、前記ソレノイドバルブの外周面を囲むためのソレノイドバルブガイドと、前記ソレノイドバルブガイドの一端に締結される固定鉄心と、をさらに含み、前記ソレノイドバルブガイドの他端には、 前記メインシートが締結されることを特徴とする。
【0016】
また、前記パイロットプランジャー及び前記メインプランジャーは、前記ソレノイドバルブガイドの内部に配置され、前記固定鉄心と前記メインシートとの間を移動可能であることが好ましい。
【0017】
また、前記中空部の内部の前記パイロットプランジャーヘッドの一側に付着可能に設けられたスプリングを更に含み、前記スプリングの一側は前記パイロットプランジャーヘッドに締結され、前記スプリングの他側は前記固定鉄心に締結されることが好ましい。
【0018】
前記メインプランジャーと前記ソレノイドバルブガイドとの間に設けられ、前記メインプランジャーの移動を調節する摩擦部材を更に含むことができる。
また、前記パイロットプランジャーヘッドは、プラスチック又はゴム材質からなることができる。
【0019】
また、前記ソレノイドバルブは、前記高圧容器の充填流路と供給流路が同一となるシステムに設けられることができる。
【0020】
また、前記メインプランジャーは、前記メインプランジャーの中央を貫通する流路をさらに備え、前記流路の一端は、前記メインシートの前記空孔に連結され、前記流路の他端は前記パイロットプランジャーヘッドに密着または脱離できることを特徴とする。
【発明の効果】
【0021】
本発明は、次のような効果を提供する。
本発明によれば、燃料電池システムの水素貯蔵系に水素などの燃料が充填される場合、高圧の充填圧を瞬間的に印加するか、又は充填流体が急激に流入することによって、ソレノイドバルブに加えられる衝撃量を、分散又は減殺させることができる。
【0022】
それによって、ソレノイドバルブのパイロットプランジャーヘッドに加えられる衝撃を緩和して、ソレノイドバルブのパイロットプランジャーヘッドの損傷を防止することによって、部品交替の費用と必要な工程とを削減できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】高圧容器で容器の内部に充填されるガスの充填流路と容器の内部から放出されるガスの供給流路とが分離されている場合の燃料電池システムの構成における連結関係を示す図面である。
図2】高圧容器で容器の内部に充填されるガスの充填流路と容器の内部から放出されるガスの供給流路とが同じ流路により形成される場合において、水素貯蔵システムの構成における連結関係を示す図面である。
図3】本発明の一実施例による、独立して挙動可能なパイロットプランジャーヘッドを含むソレノイドバルブの断面を示す図面である。
図4】本発明の一実施例で、充填されるガスの圧力が作用することによる各構成の移動可能方向を示す図面である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の実施例を、添付図面を参照して詳細に説明する。
本発明の実施例は様々な形態に変形可能であり、本発明の範囲が下記の実施例に限定されるものと解釈されてはならない。本実施例は、当業界で平均的な知識を有する者にとって、本発明をより完全に説明するために提供されるものである。
【0025】
また、明細書に記載された「...部」、「...ユニット」、「...モジュール」などの用語は、少なくとも1つの機能や動作を処理する単位を意味し、これはハードウェアやソフトウェア、又はハードウェア及びソフトウェアの結合により実現することができる。また、明細書に記載した「一側」、「他側」、「一端」、及び「他端」などは、該当構成の一地点を明確に指すためのもので、単語の区別をすることはなく、ほぼ類似の意味として使用することができる。
【0026】
車両に搭載される水素貯蔵システムは、水素が充填される充填口、通信センサを含む充填部、充填された水素を安全に貯蔵するための高圧容器、バルブを含む貯蔵部、高圧の水素圧力を1次調整する減圧部、及び水素貯蔵システムに含まれた温度、圧力センサの信号を処理し、システムに設けられる複数のバルブの開放/閉鎖を調節できる制御部などを含んで構成することができる。
【0027】
本発明において、ソレノイドバルブ(以下、本明細書で示す「バルブ」はソレノイドバルブを意味する)は、電磁気力で駆動されるNC(normally closed)タイプのバルブであり得る。また、本発明のソレノイドバルブは、ソレノイドバルブが設けられた流路の一地点で流体の流れを電磁気力によって制御することができる。
【0028】
図1及び図2は、本発明の一実施例によるソレノイドバルブを採用可能な水素貯蔵システムの連結関係を示す図面である。図1は、高圧容器で容器の内部に充填されるガスの充填流路と容器の内部から放出されるガスの供給流路とが分離されている場合の、燃料電池システムの構成における連結関係を示す図面である。
【0029】
図1に示すように、充填流路に沿って充填される高圧ガスがマニュアルバルブを通過して分岐点に到達し、分岐点高圧ガスの一部は供給流路上に配置されるバルブ側に分岐される。従って、バルブのプランジャーヘッドが位置する領域には、充填される高圧ガスの圧力が印加されることがある。
【0030】
図2は、高圧容器で容器の内部に充填されるガスの充填流路と容器の内部から放出されるガスの供給流路とが同じ流路により形成される場合において、水素貯蔵システムの構成における連結関係を示す図面である。図2に示すように、充填流路と供給流路とが同じであるため、充填される高圧ガスが流路上の一地点に配置されるソレノイドバルブを通過しなければならず、従って、図1と同様に、バルブのプランジャーヘッドが位置する領域には、充填される高圧ガスの圧力が印加されることがある。
【0031】
従って、本発明によるソレノイドバルブは、図1図2との場合、即ち、燃料電池システムの充填流路と供給流路とが分離されている場合、及び両流路が一体化して形成さている場合の、両方ともに採用することができる。
【0032】
以下、図3を参照して、本発明の一実施例による独立して挙動可能なパイロットプランジャーヘッド400を含むソレノイドバルブの構造に関して詳細に説明する。 図3は、本発明の一実施例による独立して挙動可能なパイロットプランジャーヘッドを含むソレノイドバルブの断面を示す図面である。本発明によるソレノイドバルブは、高圧容器から延長される流路上の一地点に設けられ、流路を開放又は閉鎖する機能を果たすことができる。本発明のソレノイドバルブは、ソレノイドバルブの外周面を囲むためのソレノイドバルブガイド700を含んでもよい。
【0033】
また、ソレノイドバルブの一端には、固定鉄心800が設けられる。好ましくは、固定鉄心800は、ソレノイドバルブの上部でソレノイドバルブガイド700に締結され、それによって、ソレノイドバルブガイド700と共にソレノイドバルブの外周面を形成することができる。また、好ましくはソレノイドバルブガイド700は、中空状のシリンダーの形態であり得る。また、ソレノイドバルブガイド700の内部にプランジャーが設けられるが、プランジャーは、シリンダーの内部で往復運動することができる。
【0034】
一方、ソレノイドバルブガイド700を基準として、固定鉄心800の反対側の端部の、好ましくはソレノイドバルブの下端には、メインシート100が設けられる。また、ソレノイドバルブの内部にはメインシート100に密着又は脱離可能で、上下方向に移動できるメインプランジャー200が設けられる。
【0035】
詳細には、メインプランジャー200は、ソレノイドバルブガイド700に沿ってソレノイドバルブガイド700の内部から一定の距離だけ上下方向に往復運動することができる。
好ましくはメインプランジャー200とソレノイドバルブガイド700との間には、メインプランジャーの移動を調節するためのシール部材220が設けられ、更に好ましくはゴム材質などのO-リングが設けられる。
【0036】
メインシート100は、バルブの一側でソレノイドバルブガイド700に締結され、気密を保持できる材質からなる。本発明の好ましい一実施例によれば、メインシート100は、中央に一定の直径を有する空孔110を含んでもよい。従って、前記空孔110を介して流路からガス、好ましくは水素が流入され、また、バルブの内部から流路へ排出されることができる。
【0037】
また、メインプランジャー200は、メインプランジャー200の内部の中央に形成された一定の直径の流路210を含んでもよい。更に、メインプランジャー200の内部の流路210で、後述するパイロットプランジャー300側に近い領域には、一定の直径を有するメインプランジャー200の流路よりも直径が更に小さいオリフィスが形成されてもよい。
【0038】
一方、バルブを制御する制御部によってメインプランジャー200が移動でき、それによって、メインプランジャー200が下降してメインシート100に密着すると、バルブが閉鎖される。従って、この場合は、バルブが形成された流路は遮断された状態となる。また、メインプランジャー200の上昇によってメインシート100から脱離されると、バルブが開放され、それによって、バルブが形成された流路では、流体が自由に流動することができる。
【0039】
再び図3を参照すると、本発明の一実施例によるバルブには、パイロットプランジャー300、パイロットプランジャーヘッド400、及びスプリング600が設けられる。好ましくは、パイロットプランジャー300は、バルブの内部に設けられ、詳細にはバルブの内部のメインプランジャー200の上端に設けられる。
【0040】
また、パイロットプランジャー300は、ソレノイドバルブガイド700の内部に形成されるが、ソレノイドバルブガイド700に沿って往復運動でき、より詳細にはメインプランジャー200と固定鉄心800との間に設けられ、一定の距離だけ往復運動可能に配備される。
【0041】
本発明の好ましい一実施例によれば、パイロットプランジャー300は、メインプランジャー200の上端と固定鉄心800の下端との間に設けられる。また、パイロットプランジャー300は、その内部に中空部310を含んでもよい。中空部310の形状に制限はなく、パイロットプランジャーヘッド400の移動を許容できる形状と、一定の長さを持つものであれば十分である。
【0042】
一方、パイロットプランジャーヘッド400は、パイロットプランジャー300の内部の一側に形成される。詳細には、パイロットプランジャーヘッド400は、パイロットプランジャーの中空部310の一側に形成される。パイロットプランジャーヘッド400は、パイロットプランジャーの中空部310の内部で移動することができる。従って、パイロットプランジャーヘッド400は、パイロットプランジャーの中空部310の形状に対応するように設計される。
【0043】
また、本発明の好ましい一実施例によれば、パイロットプランジャーヘッド400は、その一端が尖っているように形成される。以下、パイロットプランジャーヘッド400の尖っている一端を「パイロットプランジャーヘッドの先端」410と記す。即ち、パイロットプランジャーヘッド400は、一端にパイロットプランジャーヘッドの先端410が設けられ、その他端にはスプリング600が締結される構造であることができる。
【0044】
一方、パイロットプランジャーヘッド400は、パイロットプランジャーの中空部310の内部で往復運動することができる。即ち、パイロットプランジャーヘッド400は、パイロットプランジャー300の内部で上下運動することができる。更に、パイロットプランジャー300の運動とパイロットプランジャーヘッド400の運動とは、相互に独立して行うことが可能である。
【0045】
また、パイロットプランジャーヘッド400は、基本的にメインプランジャー200の後端に密着した状態で保持される。詳細にはパイロットプランジャーヘッドの先端410がメインプランジャー200の流路210の後端に当接してバルブを閉鎖させた状態を基本的に維持することができる。具体的には、パイロットプランジャーヘッドの先端410と、メインプランジャー200の流路210のオリフィスと、が当接可能で、パイロットプランジャーヘッドの先端410の大きさがオリフィスの直径よりも大きく形成されてパイロットプランジャーヘッド400がメインプランジャー200の流路210を密閉した状態を維持することができる。好ましくはパイロットプランジャーヘッド400は、プラスチック又はゴム材質からなる。
【0046】
一方、本発明の一実施例によれば、パイロットプランジャーの中空部310の内部にスプリング600が設けられる。好ましくは、スプリング600の一端は、中空部310でパイロットプランジャーヘッド400の一側に付着でき、他端は固定鉄心800に締結されて固定される。即ち、スプリング600は、パイロットプランジャーの中空部310に設けられ、一側がパイロットプランジャーヘッド400に、他側が固定鉄心800に付着されることができる。このようなスプリング600は、設計時に必要とする一定水準以上の弾性力を有する通常のスプリング600を使用してもよい。
【0047】
また、本発明の好ましい一実施例によれば、中空部310に設けられるスプリング600は、スプリング600を囲むスプリングガイド610を更に含んでもよい。スプリングガイド610は、選択的に設けられるが、パイロットプランジャーヘッド400の素材がゴム又はプラスチックである場合には、スプリング600の弾性力によるパイロットプランジャーヘッド400の損傷及び/又は摩耗を防止することができる。即ち、スプリングガイド610は、スプリング600の弾性力を調節し、スプリング600の弾性運動を補完するガイドの役割を担うことができる。
【0048】
また、スプリング600とパイロットプランジャー300の内周面との間には、スプリング600の弾性復原力に対応して、スプリング600の移動程度を制御するための摩擦部材が形成される。もし、スプリングガイド610が設けられた場合であれば、スプリングガイド610と、パイロットプランジャー300の内周面と、の間に摩擦部材が形成されてもよい。
【0049】
一方、ソレノイドバルブの内部でメインプランジャー200とパイロットプランジャー300とが当接する面には、突起500が形成されてもよい。突起500形状は、特に制限されず、但し、メインプランジャー200とパイロットプランジャー300が衝突する場合、衝撃量を吸収して衝撃を緩和すべきである。好ましくは、突起500は、金属材質からなる。本発明の好ましい一実施例によれば、突起500が形成される面積が広いほど、メインプランジャー200とパイロットプランジャー300との間で緩和される衝撃量が増加し、それによって、大きい衝撃を緩和させることができる。
【0050】
図4は、本発明の一実施例で、充填されるガスの圧力が作用することによる各構成の移動可能方向を示す図面である。
以下、図4を参考として本発明の一実施例による独立して挙動可能なパイロットプランジャーヘッド400を含むソレノイドバルブの作動に関して詳細に説明する。
高圧の充填ガス、好ましくは水素を流入する前のソレノイドバルブは、NC(Noramlly-closed)バルブであるため、メインプランジャー200は、メインシート100に密着し、パイロットプランジャー300は、メインプランジャー200に密着することで、バルブの閉鎖状態を維持することができる。この状態の各バルブ構成の位置状態を「バルブが元の位置にある」とする。
【0051】
ガス充填所で充填を開始する場合(ガスの流入)、充填されるガスの高圧がメインシート100の空孔110側に印加されることがある。それによって、メインプランジャー200も、充填されるガスの高圧によってメインシート100から脱離されて後端に押し出されるようになる。メインプランジャー200が後端に押し出されることによって、メインプランジャー200は、メインプランジャー200の後端に位置しているパイロットプランジャー300に衝突するようになる。
【0052】
従来技術では、この衝撃によって、パイロットプランジャーヘッド、詳細にはパイロットプランジャーヘッドの先端に衝撃が集中してパイロットプランジャーヘッド及び/又はパイロットプランジャーヘッドの先端が破損することがあった。
【0053】
しかし、本発明では、メインプランジャー200がパイロットプランジャー300を打撃することによって、詳細にはパイロットプランジャーヘッド400を打撃することによって、より詳細には、パイロットプランジャーヘッドの先端410を打撃することによって、パイロットプランジャーヘッド400がパイロットプランジャー300とは独立してパイロットプランジャーの中空部310の内部に押し込まれるようになる。
【0054】
具体的には、パイロットプランジャーヘッド400を打撃する力によって、パイロットプランジャーヘッド400の後端のスプリング600が圧縮力を受けて圧縮され、それによってパイロットプランジャーヘッド400が、パイロットプランジャーの中空部310の内部から後方に押し出されるようになる。このように、パイロットプランジャーヘッド400が中空部310の内部に押し込まれることによって、パイロットプランジャーヘッド400が受ける衝撃量が大きく減殺され、結果的にパイロットプランジャー及び/又はパイロットプランジャーヘッド400に加えられる衝撃が緩和されて該当部品の破損を防止することができる。
【0055】
更に、高圧ガスの充填が完了して充填流路及び/又は供給流路上の高圧が解消された場合には、メインシート100の空孔110の圧力が再び元の状態に減少するようになる。従って、この場合には、パイロットプランジャーヘッド400の後端のスプリング600の復原力が、メインプランジャー200がパイロットプランジャー300及びパイロットプランジャーヘッド400を加圧する力よりも大きくなることできる。
【0056】
従って、パイロットプランジャーヘッド400の後端に配置されるスプリング600の弾性復原力によって、パイロットプランジャーヘッド400は、元の位置(バルブのNC状態)に復帰することができる。即ち、パイロットプランジャーヘッド400は、再びメインプランジャー200のオリフィスに当接してメインプランジャー200を密閉することができる。それによって、メインプランジャー200もメインシート100の方向へ加圧され、元の位置に復帰してメインシート100に密着することができる。
本発明の基本思想は、パイロットプランジャーを含むソレノイドバルブにおいて、パイロットプランジャーの移動とパイロットプランジャーヘッドの移動とが相互に独立して行われるということである。
【0057】
具体的には、外部からの衝撃によって、メインプランジャーが押されてパイロットプランジャーを打撃した時に、パイロットプランジャーのヘッド、詳細にはパイロットプランジャーのヘッドの先端が全ての衝撃を受ける構造ではなく、パイロットプランジャーヘッドがパイロットプランジャーの内部で後方に押し出されることによって、パイロットプランジャーとメインプランジャーとの間の突起で衝撃量を吸収するということが本発明の特徴である。
【0058】
以上、本発明の実施例について説明したが、該当技術分野で通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された本発明の思想から逸脱しない範囲内で、構成要素の付加、変更、削除、又は追加などにより本発明を多様に修正及び変更して実施することができ、これもまた本発明の権利範囲内に属することである。
【0059】
更に、本発明の実施例を説明するに当たって、公知の機能又は構成に対する具体的な説明が本発明の要旨を不明確にすると判断される場合には、その詳細な説明を省略する。そして、上述した用語は、本発明の実施例における機能を考慮して定義された用語であり、これは、使用者、運用者の意図又は慣例などにより変ってもよい。従って、その正義は、本発明で全般にわたった内容に基づいて下されるべきである。以上、発明の詳細な説明は、開示した実施形態によって本発明を制限するものではなく、添付した特許請求の範囲は他の実施形態も含むものである。
【符号の説明】
【0060】
100 メインシート
110 空孔
200 メインプランジャー
210 メインプランジャーの流路
220 メインプランジャーのシール部材
300 パイロットプランジャー
310 パイロットプランジャーの中空部
400 パイロットプランジャーヘッド
410 パイロットプランジャーヘッドの先端
500 突起
600 スプリング
610 スプリングガイド
700 ソレノイドバルブガイド
800 固定鉄心


図1
図2
図3
図4