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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-07
(45)【発行日】2022-10-18
(54)【発明の名称】可動コネクタ
(51)【国際特許分類】
   H01R 13/631 20060101AFI20221011BHJP
   H01R 12/91 20110101ALI20221011BHJP
【FI】
H01R13/631
H01R12/91
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2018048294
(22)【出願日】2018-03-15
(65)【公開番号】P2019160698
(43)【公開日】2019-09-19
【審査請求日】2021-02-17
(73)【特許権者】
【識別番号】390012977
【氏名又は名称】イリソ電子工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106220
【弁理士】
【氏名又は名称】大竹 正悟
(72)【発明者】
【氏名】小椋 由幸
【審査官】藤島 孝太郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-133204(JP,A)
【文献】特開2017-139101(JP,A)
【文献】国際公開第2007/094051(WO,A1)
【文献】国際公開第2004/062041(WO,A1)
【文献】国際公開第2011/077264(WO,A2)
【文献】中国実用新案第201122686(CN,Y)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R 12/00-12/91
13/56-13/72
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板に載置される第1のハウジングと、
前記第1のハウジングに対して移動可能な第2のハウジングと、
前記第1のハウジングに対して前記第2のハウジングを移動可能に支持する可動部と、接続対象物と導通接触する接触部とを有する1又は複数の端子とを備える可動コネクタにおいて、
前記第1のハウジングは、
前記基板に沿って伸長する天井壁と、
前記天井壁に形成される第1の当接部とを有し、
前記第2のハウジングは、
前記天井壁と対向する上面壁と、
前記上面壁に形成される第2の当接部とを有し、
前記第1の当接部は、前記天井壁から前記上面壁に向かって突出し、前記接続対象物の挿抜方向を長手とした凸形状を有し、
前記第2の当接部は、前記上面壁からくぼんだ凹形状を有して前記第1の当接部の前記凸形状を受容するように構成されており、
前記第1の当接部と前記第2の当接部は、前記第2の当接部が前記第1の当接部と当接することで、前記第1のハウジングに対する前記第2のハウジングの変位を規制することを特徴とする
可動コネクタ。
【請求項2】
前記第2のハウジングは、箱状の内部空間を前記複数の前記端子の配列方向で分割する隔壁を有し、
前記第2の当接部は、前記隔壁に有する
請求項1記載の可動コネクタ。
【請求項3】
前記第1のハウジングは、前記接続対象物の挿抜方向に対する交差方向における両側に前記天井壁から前記基板に向かってそれぞれ伸長する側壁を有し、
前記第2のハウジングは、前記交差方向における両側に前記上面壁から前記基板に向かってそれぞれ伸長する横壁を有し、
前記交差方向における前記第1の当接部と前記第2の当接部との距離は、前記側壁と前記横壁とのそれぞれの間における距離よりも大きい
請求項1又は請求項2記載の可動コネクタ。
【請求項4】
前記第2の当接部は、前記第1の当接部に対して
前記接続対象物の抜去方向においてのみ当接するものである
請求項1~請求項3いずれか1項記載の可動コネクタ。
【請求項5】
前記第1のハウジングは、第1の移動規制部を有し、
前記第2のハウジングは、第2の移動規制部を有し、
前記第1のハウジングに対して前記第2のハウジングが前記接続対象物の挿入方向に変位した際に、前記第1の当接部と前記第2の当接部が当接せずに前記第1の移動規制部と前記第2の移動規制部とが当接する
請求項1~請求項4いずれか1項記載の可動コネクタ。
【請求項6】
前記第2のハウジングは、前記基板と対向して前記第1のハウジングに対する前記第2のハウジングの前記基板に接近する方向への変位によって前記基板と当接する基板当接部を有する
請求項1~請求項5いずれか1項記載の可動コネクタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一方のハウジングに対して他方のハウジングが移動可能な可動コネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
電子機器に使用されるコネクタとして、一方のハウジングに対して他方のハウジングが移動可能な可動コネクタが知られている(一例として特許文献1参照)。このような従来の可動コネクタは、基板に固定される固定ハウジングと、固定ハウジングに対して移動可能な可動ハウジングと、固定ハウジングに対して可動ハウジングを移動可能に支持する複数の端子とを備えている。固定ハウジングは、端子の配列方向の両端に位置する側壁に、その側方に突出する突出部を有している。各突出部には凹部が形成されており、凹部にはその開口に架け渡される金具が取付けられている。他方で、可動ハウジングは、その固定ハウジングの凹部に収容可能な大きさの凸部を有している。そして、固定ハウジングに対して可動ハウジングが移動した際には、凸部が凹部を形成する壁面及び凹部の開口に架け渡される金具に当接することで可動ハウジングの過剰な移動を規制することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2015-158990、図1図4
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、そのような従来の可動コネクタでは、凹部を有する突出部が固定ハウジングの左右の側壁から突出しており、また凸部が可動ハウジングの左右の側壁に突出しているため、特に端子の配列方向において可動コネクタが大型化してしまう。
【0005】
以上のような従来技術を背景になされたのが本発明である。本発明の目的は、小型の可動コネクタを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成すべく本発明は、以下の特徴を有するものとして構成される。
【0007】
すなわち、本発明は、基板に載置される第1のハウジングと、前記第1のハウジングに対して移動可能な第2のハウジングと、前記第1のハウジングに対して前記第2のハウジングを移動可能に支持する可動部と、接続対象物と導通接触する接触部とを有する1又は複数の端子とを備える可動コネクタにおいて、前記第1のハウジングは、前記基板に沿って伸長する天井壁と、前記天井壁に形成される第1の当接部とを有し、前記第2のハウジングは、前記天井壁と対向する上面壁と、前記上面壁に形成される第2の当接部とを有し、前記第1の当接部と前記第2の当接部は、前記第2の当接部が前記第1の当接部と当接することで、前記第1のハウジングに対する前記第2のハウジングの変位を規制することを特徴とする。
【0008】
本発明によれば、第1のハウジングの天井壁に形成された第1の当接部に、第2のハウジングの上面壁に形成された第2の当接部が当接することで、第2のハウジングの第1のハウジングに対する変位を規制することができる。このため、第1のハウジングに対する第2のハウジングの変位を規制する構造を、第1のハウジング及び第2のハウジングの側壁から突出させて設ける従来技術と比べて、可動コネクタを小型にすることができる。
【0009】
前記第2のハウジングは、箱状の内部空間を前記複数の前記端子の配列方向で分割する隔壁を有し、前記第2の当接部は、前記隔壁に有する。
【0010】
本発明によれば、第2の当接部は、第2のハウジングの内部空間を分割する隔壁に形成されているため、嵌合接続した接続対象物が配置されない隔壁を、第2の当接部を配置する部位として有効活用することができる。そして、このような第1の当接部及び第2の当接部の構成によれば、第2のハウジングに、第2の当接部を設けるためだけの部位を新たに設ける必要がない。このため、本発明によれば、可動コネクタを小型化できる。
【0011】
前記第1の当接部又は前記第2の当接部のいずれか一方は、前記接続対象物の挿抜方向を長手とした凸形状を有し、前記第1の当接部又は前記第2の当接部のいずれか他方は、前記凸形状を受容する凹形状を有する。
【0012】
本発明によれば、凸形状とされた第1の当接部又は第2の当接部の何れか一方が挿抜方向に長手で形成されているので、仮に挿抜方向に対する交差方向に長手とした場合と比べて、第2のハウジングを交差方向において小型にすることができる。
【0013】
前記第1のハウジングは、前記接続対象物の挿抜方向に対する交差方向における両側に前記天井壁から前記基板に向かってそれぞれ伸長する側壁を有し、前記第2のハウジングは、前記交差方向における両側に前記上面壁から前記基板に向かってそれぞれ伸長する横壁を有し、前記交差方向における前記第1の当接部と前記第2の当接部との距離は、前記側壁と前記横壁とのそれぞれの間における距離よりも大きい。
【0014】
本発明によれば、第1の当接部又は第2の当接部の一方が例えば凸形状とされた場合において他の方向と比べて強度の弱い短手(板厚)方向となる交差方向で第1の当接部と第2の当接部とが強く当接することがない。したがって、可動コネクタは、小型でありながら、第1のハウジングに対する第2のハウジングの交差方向の変位による第1の当接部や第2の当接部の破損を防ぐことができる。
【0015】
前記本発明は、前記第2の当接部が、前記第1の当接部に対して前記接続対象物の抜去方向においてのみ当接するものとして構成できる。また前記本発明は、前記接続対象物の抜去方向における前記第1のハウジングに対する前記第2のハウジングの可動間隙が、前記接続対象物の抜去方向における前記第1の当接部に対する前記第2の当接部の可動間隙よりも小さく形成されているように構成できる。さらに前記本発明は、前記接続対象物の抜去方向における前記第1のハウジングと前記第2のハウジングとの対向壁間の間隙が、前記接続対象物の抜去方向における前記第1の当接部に対する前記第2の当接部の可動間隙よりも小さく形成されているように構成できる。
【0016】
接続対象物を可動コネクタに挿入する際には、端子を弾性変形させる必要があるため、接続対象物を可動コネクタに挿入する挿入力は、可動コネクタから接続対象物を抜去する抜去力に加えて端子を弾性変形させる分だけ余計に大きくなる。その点で、本発明によれば、抜去力と比べて大きな挿入力のかかる接続対象物の可動コネクタへの挿入の際に第1の当接部と第2の当接部とは当接しない。そして、第1の当接部や第2の当接部には、挿入力がかからないため、可動コネクタは、小型でありながら、第1のハウジングに対する第2のハウジングの変位に起因した第1の当接部や第2の当接部の破損を防ぐことができる。
【0017】
前記第1のハウジングは、第1の移動規制部を有し、前記第2のハウジングは、第2の移動規制部を有し、前記第1のハウジングに対して前記第2のハウジングが前記接続対象物の挿入方向に変位した際に、前記第1の当接部と前記第2の当接部よりも先に前記第1の移動規制部と前記第2の移動規制部とが当接する。
【0018】
本発明によれば、第1のハウジングに対して第2のハウジングが接続対象物の挿入方向に変位した際に、第1の当接部と第2の当接部とは当接しない。したがって、第1の当接部や第2の当接部に対して挿入力に耐える強度を付与するために例えば第1の当接部や第2の当接部を短手方向(板厚方向)について厚肉にする必要がない。このような第1の当接部及び第2の当接部の構成は、仮に挿入力に対応して第1の当接部や第2の当接部を交差方向に厚肉とした場合と比べて、第2のハウジングを交差方向で小型にすることができる。
【0019】
前記第2のハウジングは、前記基板と対向して前記第1のハウジングに対する前記第2のハウジングの前記基板に接近する方向への変位によって前記基板と当接する基板当接部を有する。
【0020】
本発明によれば、可動コネクタは、第2のハウジングの基板に接近する方向(基板方向)への変位を第1のハウジングではなく基板によって規制するように構成されている。このため、可動コネクタは、第1のハウジングとの間で第2のハウジングの基板方向への変位を規制するよりも、第2のハウジングの基板方向への変位可能な距離をより長く確保したり、可動コネクタの構成を基板方向で小型にしたりすることができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明のコネクタによれば、第1のハウジングに対する第2のハウジングの変位を規制する構造を、第1のハウジング及び第2のハウジングの側壁から突出させて設けなくても、第2のハウジングの第1のハウジングに対する変位を規制することができる。このため、可動コネクタを小型にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】一実施形態によるコネクタの正面、右側面、平面を含む外観斜視図。
図2図1のコネクタの正面図。
図3図1のコネクタの正面、右側面、底面を含む外観斜視図。
図4図2のIV-IV線断面図。
図5図2のV-V線断面図。
図6図1のVI-VI線断面図。
図7】端子の正面、右側面、平面を含む外観斜視図。
図8図7の端子の正面図。
図9図7の端子の底面図。
図10図7の端子の平面図。
図11図7の端子の左側面図。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の「可動コネクタ」の一実施形態としてのコネクタ1について図面を参照しつつ説明する。以下の実施形態で示されるコネクタ1は、基板Pに実装されて、「接続対象物」としてのピン端子T(図1参照)を基板回路に導通接続するものである。なお、ピン端子Tについて本実施形態では角線端子を例示するが、接続対象物はこれに限定するものではない。
【0024】
本明細書及び特許請求の範囲に記載されている「第1」、「第2」という用語は、発明の異なる構成要素を区別するために用いるものであり、特定の順序や優劣等を示すために用いるものではない。本明細書及び特許請求の範囲では、便宜上、図1等に示されるように、コネクタ1の長手方向(幅方向、左右方向)をX方向、短手方向(奥行き方向、前後方向)をY方向、高さ方向(上下方向)をZ方向として説明する。そして、コネクタ1の高さ方向における基板P(図4図6参照)の側を「下側」とし、コネクタ1の側を「上側」として説明する。しかしながら、それらは、コネクタ1の嵌合方向や基板Pへの実装の仕方を限定するものではない。
【0025】
コネクタ1
【0026】
コネクタ1は、図1で示すように、ハウジング2と、端子3とを備えている。このコネクタ1は、ハウジング2のY方向における前面側から基板Pの表面に沿ってピン端子Tを挿抜可能に構成されている。そして、コネクタ1は、挿入されたピン端子Tに対して端子3を導通接触するように構成されている。コネクタ1は、図1で示すように、X方向(左右)に沿って2つの端子3を有しているものの、端子3は、1つであっても、3つ以上であっても構わない。
【0027】
ハウジング2
【0028】
ハウジング2は、基板Pに載置されている。ハウジング2は、「第1のハウジング」としての固定ハウジング4と、「第2のハウジング」としての可動ハウジング5とを備えている。可動ハウジング5は、固定ハウジング4に対して移動可能に配置されている。
【0029】
固定ハウジング4
【0030】
固定ハウジング4は、電気絶縁性の樹脂による成形体であり、Y方向(前後)に沿って中空の空間が貫通する角筒状に形成されている。固定ハウジング4は、基板Pに沿って伸長する天井壁6と、天井壁6から基板Pに向かって伸長する左右の側壁7、7と、左右の側壁7、7の間を基板Pに沿って伸長する底壁8とを有している。そして、これらの天井壁6、左右の側壁7、7及び底壁8の内側には、可動ハウジング5を配置する収容空間となる収容部9が形成されている。
【0031】
底壁8は、固定ハウジング4の後側の領域に形成されている。他方で、固定ハウジング4の前側の領域では、底壁8が形成されておらず、収容部9は、基板Pと面している。
【0032】
天井壁6は、X方向における中央でY方向における前端に「第1の当接部」としての当接突部10を有している。当接突部10は、ピン端子Tの挿抜方向を長手とした凸形状を有している。当接突部10は、固定ハウジング4のX方向を板厚方向として、天井壁6から基板Pに向かって突出する平板状である。当接突部10は、X方向における両側に、Y-Z平面に沿った長方形状の板面である当接部側面11、11を有している。さらに、当接突部10は、Y方向における前後端に、いずれもX-Z平面に沿った長方形状の平面である前側当接部12及び後側当接部13をそれぞれ有している。そして、当接突部10は、Z方向における下端に、X-Y平面に沿った長方形状の平面である下側当接部14を有している。
【0033】
天井壁6のX方向における中央でY方向における後端には、可動ハウジング5に対する「第1の移動規制部」となる立て板15が形成されている。立て板15は、固定ハウジング4のX(幅)方向を板厚方向としてY-Z平面に沿って天井壁6と底壁8とを連結する平板状であり、X方向よりもY方向に長く形成されている。そして、立て板15は、Y方向における前端に、X-Z平面に沿った長方形状の平面である移動規制面16を有している。この移動規制面16は、Y方向に変位する可動ハウジング5の当接を受けて、その変位を停止させる機能を有する。
【0034】
天井壁6は、X方向における中央でY方向における後側に、Z方向に貫通する嵌合位置確認窓17を有している。嵌合位置確認窓17は、平面視で長方形状に形成されており、その後端は、立て板15の移動規制面16と面一とされている。
【0035】
底壁8は、Y方向における前端のX方向における両外側に、可動ハウジング5に対する「第1の移動規制部」となる当接前面部18、18を有している。当接前面部18、18は、X-Z平面に沿ってX方向に伸長する長方形状の平面である。
【0036】
底壁8は、端子固定部19、19を有している。端子固定部19、19は、底壁8の後端からY方向に沿って溝状に形成されている。コネクタ1が2つの端子3を有しているため、端子固定部19、19は、立て板15を挟んでX方向における左右に1つずつ設けられている。
【0037】
左右の側壁7、7には、X方向におけるそれぞれの外側に固定部材取付け部20、20が形成されている。固定部材取付け部20、20は、左右の側壁7、7のY方向における前端にそれぞれ設けられている。固定部材取付け部20、20は、それぞれの上端からZ方向に沿って溝状に形成されている。
【0038】
可動ハウジング5
【0039】
可動ハウジング5は、図1図6で示すように、電気絶縁性の樹脂による成形体であり、Y方向に沿って中空の空間が貫通する角筒状に形成されている。可動ハウジング5は、基板Pに沿って伸長する上面壁21と、上面壁21から基板Pに向かって伸長する左右の横壁22、22と、左右の横壁22、22の間を基板Pに沿って伸長する下面壁23とを有している。そして、これらの上面壁21、左右の横壁22、22及び下面壁23は、固定ハウジング4の収容部9よりも一回り小さく形成されており、収容部9との間にはX-Y-Z方向に広がる可動間隙9aが形成されている。このため、可動ハウジング5は、収容部9の内部でX-Y-Z方向で変位可能となっている(図1図6参照)。
【0040】
可動ハウジング5は、X方向における中央に隔壁24を有している。隔壁24は、X方向(可動ハウジング5の幅方向)を板厚方向としてY-Z平面に沿って上面壁21と下面壁23とを連結する平板状であり、X方向よりもY方向に長く形成されている。隔壁24は、上面壁21、左右の横壁22、22及び下面壁23で囲まれた箱状の可動ハウジング5の内部をX方向(端子3の配列方向)で複数の空間に分割しており、隣り合わせで可動ハウジング5に装着される端子3どうしを絶縁する機能を有する。可動ハウジング5は、このような可動ハウジング5の内部空間をY方向及びZ方向で仕切る大きな隔壁24によって剛性が高められており、端子3が確実に圧入固定されるように構成されている。
【0041】
上面壁21、左右の横壁22、22及び下面壁23と隔壁24とで囲まれ、Y方向で貫通する複数の内部空間は、それぞれ端子3を支持する(後述の固定基部用溝40、40)ように機能するとともに、端子3が、挿入されるピン端子Tと導通接続する嵌合室25として機能する。この嵌合室25と連通するように可動ハウジング5の前面には、ピン端子Tの挿入口26が形成されている。挿入口26には、漏斗状の誘導傾斜面27が形成されている。誘導傾斜面27は、嵌合接続時において、ピン端子Tが挿入口26の中心からX-Z方向で位置ずれしていても嵌合室25に円滑に挿入されるようにガイドすることができる。
【0042】
上面壁21は、X方向における中央でY方向における中央から前側にかけて「第2の当接部」としての当接凹部28を有している。当接凹部28は、当接突部10の凸形状を受容する凹形状を有している。当接凹部28は、上面壁21の上端からZ方向に沿って四角柱状に欠如するくぼみであり、固定ハウジング4の当接突部10に対応して設けられている。コネクタ1は、当接突部10にこの当接凹部28が当接することで、可動ハウジング5の固定ハウジング4に対する変位が規制されるように構成されている。当接凹部28は、X方向における両側に、Y-Z平面に沿った長方形状の板面である当接凹部側面29、29を有している。さらに、当接凹部28は、Y方向における前後端に、いずれもX-Z平面に沿った長方形状の平面である前側当接凹部30及び後側当接凹部31をそれぞれ有している。そして、当接凹部28は、Z方向における下端に、X-Y平面に沿った長方形状の平面である当接凹部底面32を有している。
【0043】
固定ハウジング4の天井壁6に形成された当接突部10に、可動ハウジング5の上面壁21に形成された当接凹部28が当接することで、可動ハウジング5の固定ハウジング4に対する変位を規制することができる。このため、固定ハウジング4に対する可動ハウジング5の変位を規制する構造を、固定ハウジング4の側壁7及び可動ハウジング5の横壁22から突出させて設ける従来技術と比べて、コネクタ1を小型にすることができる。
【0044】
当接突部10と当接凹部28との間の距離は、Y方向(前後)よりもX方向(左右)及びZ方向(上下)において大きくなるように構成されている。すなわち、前側当接部12と前側当接凹部30との間の距離及び後側当接部13と後側当接凹部31との間の距離よりも左右両側における当接部側面11、11と当接凹部側面29、29とのそれぞれの距離及び下側当接部14と当接凹部底面32との距離は大きい。したがって、X方向及びZ方向においては、Y方向に比べると、固定ハウジング4に対して可動ハウジング5が大きく変位しても、当接突部10と当接凹部28とは、当接しにくいか、当接しないように構成されている。
【0045】
ここで、X方向における当接突部10と当接凹部28との間の距離は、固定ハウジング4の側壁7、7と可動ハウジング5の横壁22、22とのそれぞれの間における距離よりも大きくなるように構成されていても良い。コネクタ1は、このような構成とされることによって、可動ハウジング5の固定ハウジング4に対するX方向の変位は、側壁7、7と横壁22、22との間で規制され、当接突部10と当接凹部28とは当接しないこととなる。
【0046】
このような当接突部10及び当接凹部28の構成は、仮に当接突部10と当接凹部28とをX方向に長手とした場合と比べて、可動ハウジング5をX方向(幅方向)で小型にすることができる。そして、当接突部10は、他の方向と比べて強度の弱い板厚方向であるX方向では当接凹部28と強く当接することはない。したがって、可動ハウジング5は、小型でありながら、固定ハウジング4に対する可動ハウジング5のX方向の変位による当接突部10や当接凹部28の破損を防ぐことができる。
【0047】
なお、当接凹部28は、隣り合う嵌合室25どうしを隔てる隔壁24に形成されている。隔壁24は、肉抜きされた中空部を有する複数の壁を組み合わせて形成されている。そのため、嵌合接続したピン端子Tが配置されない隔壁24を、当接凹部28を配置する部位として有効活用することができる。そして、このような当接突部10及び当接凹部28の構成によれば、可動ハウジング5に当接凹部28を設けるためだけの部位を新たに設ける必要がない。このため、仮に側壁7、7や横壁22、22において可動ハウジング5の変位を規制した場合と比べてコネクタ1をX方向において小型にすることができる。
【0048】
さらに、図1、5、6で示すような固定ハウジング4に形成されている凸形状の当接突部10と可動ハウジング5に形成されている凹形状の当接凹部28との凹凸の関係は、逆に構成されていても構わない。
【0049】
上面壁21のX方向における中央でY方向における後端には、「第2の移動規制部」としての移動規制突片33が形成されている。移動規制突片33は、上面壁21の後端からX-Y平面に沿ってY方向に突出する平板状であり、平面視でY方向に比べてX方向に長い長方形状である。移動規制突片33は、Y方向における後端に、X-Z平面に沿った長方形状の平面である突片後部34を有している。突片後部34は、固定ハウジング4に対して可動ハウジング5がY方向における後側に変位した際に、固定ハウジング4の立て板15の移動規制面16と当接するように構成されている。
【0050】
横壁22、22は、Z方向における下側のY方向における後端に、「第2の移動規制部」となる移動規制当接部35、35をそれぞれ有している。移動規制当接部35、35は、それぞれ横壁22、22の後端においてX-Z平面に沿ってZ方向に伸長する長方形状の平面である。移動規制当接部35、35は、固定ハウジング4に対して可動ハウジング5がY方向における後側に変位した際に、固定ハウジング4の底壁8の当接前面部18、18とそれぞれ当接するように構成されている。
【0051】
ここで、ピン端子Tをコネクタ1に挿入する際には、端子3を弾性変形させる必要がある。このため、ピン端子Tをコネクタ1に挿入する挿入力は、コネクタ1からピン端子Tを抜去する抜去力に加えて端子3を弾性変形させる分だけ余計に大きくなる。これに対応して、コネクタ1は、当接凹部28が、当接突部10に対してピン端子Tの抜去方向においてのみ当接するものとして構成できる。
【0052】
このため、コネクタ1は、ピン端子Tの抜去方向における固定ハウジング4に対する可動ハウジング5の可動間隙が、ピン端子Tの抜去方向における当接突部10に対する当接凹部28の可動間隙よりも小さくしている。より具体的には、コネクタ1は、ピン端子Tの抜去方向における固定ハウジング4と可動ハウジング5との対向壁間の間隙が、ピン端子Tの抜去方向における当接突部10に対する当接凹部28の可動間隙よりも小さくなるようにしている。これらに加えてコネクタ1は、移動規制面16と突片後部34との距離及び当接前面部18、18と移動規制当接部35、35との距離よりも前側当接部12と前側当接凹部30との間の距離が大きくなるようにしている。
【0053】
コネクタ1は、このように構成されることで、可動ハウジング5がY方向における後側に変位した際に、前側当接部12と前側当接凹部30とが当接するよりも先に上述された他の箇所が当接するようになる。すなわち、抜去力と比べて大きな挿入力のかかるピン端子Tのコネクタ1への挿入の際に当接突部10と当接凹部28とは当接しない。したがって、当接突部10や当接凹部28に対して挿入力に耐える強度を付与するために当接突部10や当接凹部28をX方向(板厚方向)について厚肉にする必要がない。
【0054】
このような当接突部10及び当接凹部28の構成は、仮に挿入力に対応して当接突部10や当接凹部28をX方向に厚肉とした場合と比べて、可動ハウジング5をX方向(幅方向)で小型にすることができる。そして、そもそも、当接突部10や当接凹部28には、挿入力がかからないため、このような可動ハウジング5は、小型でありながら、固定ハウジング4に対する可動ハウジング5の変位に起因した当接突部10や当接凹部28の破損を防ぐことができる。
【0055】
なお、ピン端子Tがコネクタ1に挿入された際に、可動ハウジング5は、当接突部10と当接凹部28とが当接する場合には上述の4箇所で固定ハウジング4と当接し、当接突部10と当接凹部28とが当接しない場合には3箇所で固定ハウジング4と当接している。したがって、コネクタ1は、ピン端子Tがコネクタ1に挿入された際に、固定ハウジング4に加わる力が3箇所乃至4箇所に分散されるように構成されている。このように、コネクタ1は、ピン端子Tの挿入力が固定ハウジング4の複数箇所に分散される構成によって、固定ハウジング4を破損しにくくすることができる。他方で、固定ハウジング4に、例えば厚肉の後部当接部を設ける必要がなくなるため、コネクタ1は、ピン端子Tの挿入方向で小型にすることができる。
【0056】
下面壁23のX方向における中央でY方向における後端には、「基板当接部」となる中央基板当接部36が形成されている。中央基板当接部36は、下面壁23の下端からZ方向に沿って突出し、平面視でX方向に比べてY方向に長い突起である。中央基板当接部36は、固定ハウジング4に対して可動ハウジング5が基板Pに接近する方向(下側)に大きく変位した際に、基板Pと当接するように構成されている。
【0057】
横壁22、22のY方向における中央よりも前側には、「基板当接部」となる外側基板当接部37、37がそれぞれ形成されている。外側基板当接部37、37は、それぞれ横壁22、22の下端からZ方向に沿って突出し、平面視でX方向に比べてY方向に長い突起である。外側基板当接部37、37は、固定ハウジング4に対して可動ハウジング5が基板Pに接近する方向(下側)に大きく変位した際に、いずれも基板Pと当接するように構成されている。
【0058】
固定ハウジング4は、上述のように、前側の領域には底壁8が形成されておらず、収容部9は、固定ハウジング4の天井壁6、側壁7、7、固定ハウジング4の後側の領域のみに形成されている底壁8(後壁)及び立て板15により4方向から囲まれており、基板Pと面している。このような収容部9に可動ハウジング5が配置されている。したがって、可動ハウジング5の下面壁23は、基板Pと対向している。このように、可動ハウジング5の配置される収容部9の領域において、固定ハウジング4には底壁8がなく、可動ハウジング5との可動間隙を考慮せずに可動ハウジング5を基板P寄りに配置することができるため、コネクタ1を低背化できる。
【0059】
可動ハウジング5は、固定ハウジング4に対してZ方向における下側に大きく変位した際には、上述の中央基板当接部36及び外側基板当接部37、37の3箇所で基板Pと当接するように構成されている。このように、コネクタ1は、可動ハウジング5のZ方向における下側への変位を固定ハウジング4ではなく基板Pによって規制するように構成されている。このため、コネクタ1は、固定ハウジング4との間で可動ハウジング5のZ方向における下側への変位を規制するよりも、可動ハウジング5の下方向への変位可能な距離をより長く確保したり、コネクタ1の構成をZ方向で小型にしたりすることができる。
【0060】
嵌合室25の各々について横壁22及び隔壁24には、X方向に沿って互いに近接する方向に突出する案内壁38、38がそれぞれ形成されている。案内壁38、38は、挿入口26の側からY方向に沿って伸長しており、ピン端子Tの挿入方向がX方向にぶれるのを防ぐ機能を有している。ここで、嵌合室25に正しく挿入されたピン端子TのX方向における中心を通って挿入方向に沿って伸長する挿入線Iを定義すると、案内壁38、38は、挿入線Iに対してX方向に傾いて挿入されていこうとするピン端子Tを挿入線Iに沿うように矯正する機能を有している。案内壁38、38は、Z方向における下側についてはY方向における前側の領域にそれぞれ形成されており、Z方向における上側についてはY方向における前側から中央にかけての領域にそれぞれ形成されている。
【0061】
可動ハウジング5は、図1で示すように、ガイド溝39、39が形成されている。ガイド溝39、39は、横壁22及び隔壁24のそれぞれのZ方向における下端のY方向における後端からY方向に沿って溝状に形成されている。ガイド溝39、39の下面は、下面壁23と面一に形成されている。ガイド溝39、39は、端子3が可動ハウジング5に取り付けられる際に、挿入線Iに対して傾いて挿入されていこうとする端子3を挿入線Iに沿うように矯正する機能を有している。
【0062】
可動ハウジング5は、固定基部用溝40、40を有している。固定基部用溝40、40は、横壁22及び隔壁24のZ方向における上端でY方向における後端に設けられている。固定基部用溝40、40は、可動ハウジング5の後端からY方向に沿って溝状に形成されている。固定基部用溝40、40は、可動ハウジング5に取り付けられた端子3を固定する機能を有している。
【0063】
端子3
【0064】
端子3は、導電性金属片でなる電気伝導体である。端子3は、図7等で示すように、基板接続部41と、連結部42と、接触部43とを有している。端子3は、材料とする平板状の導電性金属片を細長い板状に打抜き加工した後に曲げ加工することで、部位毎に異なる機能を有する単一の部品として形成されている。端子3は、その大部分において、X方向(コネクタ1の幅方向)が板幅方向で、Z方向(コネクタ1の高さ方向)が板厚方向となるようにハウジング2に取り付けられている。そして、端子3は、X方向に沿って並列に配置されている(図1図3及び図6参照)。
【0065】
基板接続部41は、端子3と基板Pの回路とを導通接続し、端子3の一端を含む位置で基板Pに固定する部位である。基板接続部41の一端側は、端子3がコネクタ1に取り付けられた状態において、固定ハウジング4よりもZ方向における下側の背面からY方向における奥側に向かって突出している(図3図5参照)。基板接続部41は、基板Pに沿った長方形状の平面を有している。そして、基板接続部41の主に下側の板面と基板Pの上側の表面とがはんだ付け部を構成し、端子3は、基板Pに固定されている(図3図5参照)。
【0066】
連結部42は、基板接続部41と接触部43とを連結する部位である。連結部42は、固定ハウジング用固定部44と、「可動部」としての可動ばね部45とを有している。
【0067】
固定ハウジング用固定部44は、端子3を固定ハウジング4に固定する部位である。固定ハウジング用固定部44は、基板接続部41の他端と連結されており、Y方向に沿って前方に伸長している。固定ハウジング用固定部44は、平面視で逆U字状に形成されている。基板接続部41と固定ハウジング用固定部44との間では、端子3が側面視でS字状に曲げられており、基板Pと端子固定部19、19との間のZ方向における高低差が吸収されている。
【0068】
固定ハウジング用固定部44は、端子3のY方向における前後の部位と比べるとX方向(板幅方向)により広く形成されている。これによって、固定ハウジング用固定部44は、変形しにくくなるとともに、Y方向(前後)の軸に対して回転する方向の荷重が分散されやすくなっている。さらに、固定ハウジング用固定部44は、X方向における中央よりも両外側において、Y方向により長く形成されている。これによって、主にX方向(左右)の軸に対して回転する方向の荷重が分散されやすくなっている。
【0069】
固定ハウジング用固定部44の板幅方向(X方向)における両側縁にはそれぞれ、板幅方向(X方向)の外方に向かって突出する固定ハウジング用圧入突起46、46が形成されている。固定ハウジング用固定部44の固定ハウジング用圧入突起46、46が、固定ハウジング4に設けられた端子固定部19、19に対して圧入されてかみ込むことによって、端子3が固定ハウジング4に固定される(図4及び図7参照)。
【0070】
可動ばね部45は、可動ハウジング5を固定ハウジング4に対して三次元方向に変位可能に支持するフローティング機能を有する。可動ばね部45は、図7及び図11で示すように、固定ハウジング用固定部44と接触部43との間に設けられている。そして、可動ばね部45は、主にY方向に伸長する複数のばね片部と、隣り合うばね片部を連結する複数のU字状の折り返し部とを有しており、側面視で「2」字状に形成されている。
【0071】
可動ばね部45は、基板接続部41や、固定ハウジング用固定部44、接触部43といった端子3の他の部分よりも板幅が狭くなっている。このため、可動ばね部45は、可動ハウジング5の三次元方向への変位を弾性支持するためのばねとしての柔らかさを発揮することができる。
【0072】
可動ばね部45は、主にY方向に伸長する複数本のばね片部が並列に配置されることでばね長が確保されている。このように、可動ばね部45は、並列に配置されたばね片部を複数本有することによって、特にZ方向に変位する可動ハウジング5を柔軟に支持することができるとともに、ばねとしての耐久性を高めることができる。可動ばね部45は、そうしたばね片部をより多く、例えば5本有していても良い。これによって、特にZ方向に変位する可動ハウジング5をより柔軟に支持するとともに、ばねとしての耐久性をより高めることができる。
【0073】
接触部43は、可動ハウジング5の嵌合室25に収容されてピン端子Tに対して導通接続する部位である。接触部43は、図7図11で示すように、固定基部47と、接触片48と、「第1の押圧支持片」としての右押圧支持片49と、「第2の押圧支持片」としての左押圧支持片50とを有している。そして、接触部43は、接触片48が押圧接触したピン端子Tを右押圧支持片49と左押圧支持片50とで受け止めて挟持するように構成されている。
【0074】
固定基部47は、可動ハウジング5に対して接触片48を固定するための部位である。固定基部47は、平板状であり、可動ばね部45からY方向に伸長している。固定基部47は、Y方向における前端には前板縁51を有しており、Y方向における前端から後側に向かってX方向における右端には右板縁52、X方向における左端には左板縁53を有している。前板縁51には、Y方向における前方に伸長する接触片48が連結されている。右板縁52には、Z方向における下方に伸長する右押圧支持片49が連結されている。左板縁53には、Z方向における下方に伸長する左押圧支持片50が連結されている。
【0075】
このように、右押圧支持片49と左押圧支持片50とは、固定基部47に対してそれぞれ異なる位置を起点として伸長している。このため、ピン端子Tに対して接触片48が押圧接触すると、その押圧力は、右押圧支持片49と左押圧支持片50とで分散されて受け止められる。したがって、ピン端子Tに対する接触片48の接触圧が高められても、端子3の意図しない変形を防ぐことができる。
【0076】
さらに、右押圧支持片49と左押圧支持片50とは、固定基部47に対してX方向における両側を起点としてそれぞれ伸長している。このため、ピン端子Tに対して接触片48が押圧接触すると、その押圧力は、右押圧支持片49と左押圧支持片50とで釣合いのとれた状態で効果的に分散されて受け止められる。したがって、ピン端子Tに対する接触片48の接触圧が高められても、端子3の意図しない変形をより防ぐことができる。
【0077】
固定基部47の右板縁52及び左板縁53のY方向における後方のX方向における両側縁にはそれぞれ、X方向の外方に向かって突出する可動ハウジング用圧入突起54、54が形成されている。固定基部47の可動ハウジング用圧入突起54、54が、可動ハウジング5に設けられた固定基部用溝40、40に対して圧入されてかみ込むことで、接触片48が可動ハウジング5に固定される(図4及び図7参照)。
【0078】
固定基部47は、接触片48を可動ハウジング5に固定することができれば良い。したがって例えばコネクタ1は、固定基部47に凹部を設け、可動ハウジング5にその凹部に係合する圧入突起を設ける構成としても良い。さらに、可動ハウジング用圧入突起54の突出方向は板厚方向であっても良く、これに対応して可動ハウジング5の嵌合室25には上下方向にくぼんだ凹部を設ける構成としても良い。
【0079】
接触片48は、フロント接触部55と、リア接触部56とを有している。
【0080】
フロント接触部55は、2本のフロント弾性腕57、57と、フロント接点58とを有している。2本のフロント弾性腕57、57は、固定基部47から、X方向(板幅方向)の両外側においてそれぞれY方向における前方に向かって平行に伸長しており、先端付近で、板幅方向(X方向)の中央に向かってそれぞれ屈曲して1本に結合する結合部を有する。そして、フロント弾性腕57、57は、固定基部47の側から先端に進むに連れてZ方向で右押圧支持片49及び左押圧支持片50の側に近づく形状となっている(図11参照)。
【0081】
フロント接点58は、1本に結合したフロント弾性腕57の先端の結合部からさらにY方向における前方に伸長している(図7及び図10参照)。フロント接点58は、右押圧支持片49及び左押圧支持片50の側に向かって突出する山形屈曲形状に形成されている(図11参照)。フロント接点58は、フロント弾性腕57に変位可能に支持されており、ピン端子Tに対してZ方向における上方から下方に向けて押圧接触するように構成されている。
【0082】
フロント接点58は、右押圧支持片49及び左押圧支持片50に向かってビード状に1段突出した接触面部59として形成しても良い。こうすることで、ピン端子Tの挿入の状態によらず、フロント接点58の接触圧を一定に保つことがより容易になる。さらに、フロント接点58は、接触面部59をビード状に突出することなく平坦な形状に変更することも可能である。接触面部59が平坦であることによって、フロント接点58の形成がより容易になる。フロント接点58は、X方向における中央、すなわち、挿入線IのZ方向における上方に位置している。したがって、フロント接点58からの接触圧を右押圧支持片49及び左押圧支持片50によってX方向における左右で均等に分散支持させることができる。
【0083】
リア接触部56も、ピン端子Tに対してZ方向における上方から下方に向けて押圧接触する機能を有する。リア接触部56は、フロント接触部55と同じように固定基部47からY方向における前方に伸長して形成されている。すなわち、リア接触部56は、X方向(板幅方向)において2本のフロント弾性腕57、57の間に位置するリア弾性腕60と、リア弾性腕60に変位可能に支持される山形屈曲形状のリア接点61とを有している。フロント弾性腕57、57は、リア接触部56の先端よりも前方で1本に結合している。したがって、リア接触部56は、平面視において、固定基部47と、2本のフロント弾性腕57、57とで囲んだ領域よりも内側に位置している(図10参照)。そして、リア接触部56は、側面視において、フロント弾性腕57と後述の左接触受け部67との間の領域に位置している(図11参照)。
【0084】
リア接点61も、X方向における中央、すなわち、挿入線IのZ方向における上方に位置している。したがって、リア接点61からの接触圧を右押圧支持片49及び左押圧支持片50によってX方向における左右で均等に分散支持させることができる。
【0085】
接触片48は、フロント接触部55とリア接触部56とが、共通の固定基部47からばね片として並列に伸長する構造であり、特にリア弾性腕60を長く形成することが容易な構成である。そのため、ピン端子Tの変位に対して、フロント弾性腕57及びリア弾性腕60の双方が柔軟に追従変位することによって、フロント接点58及びリア接点61とピン端子Tとの良好な接触状態を維持することができる。さらに、フロント接点58及びリア接点61の双方はロール面(導電性金属片の切断面ではない屈曲面)で形成されているので、ピン端子Tの挿入抵抗が少なく、繰り返しの挿抜に対する耐久性を高めることができる。
【0086】
コネクタ1は、右押圧支持片49と左押圧支持片50とがピン端子Tの挿入線Iを境とする「第1の側」としての右側と「第2の側」としての左側とに並べて配置されている。
【0087】
ここで、「第1の押圧支持片」と「第2の押圧支持片」とが、固定基部47の左右における片側、例えば右側にそれぞれ連結する構成も考えられる。しかしながら、このような構成では、固定基部47がY方向に長くなってしまい、それを避けようとすると、「第1の延出部」及び「第2の延出部」がY方向において細幅となってしまう。したがって、このような構成では、固定基部47の大型化や、右押圧支持片49及び左押圧支持片50の意図しない変形が避けられない。
【0088】
これに対し、コネクタ1は、左押圧支持片50と右押圧支持片49とがそれぞれ左右両側に配置されている。こうすることで、固定基部47がY方向に長くなってしまうことや、右押圧支持片49と左押圧支持片50とがやむなく細幅とされることを防ぐことができる。そして、このようなコネクタ1によれば、固定基部47の大型化や、押圧力を受けた右押圧支持片49及び左押圧支持片50の意図しない変形等を防ぐことができる。
【0089】
さらに、右押圧支持片49と左押圧支持片50とは、挿入線Iを境にX方向(左右)で対称形状である。右押圧支持片49と左押圧支持片50とが対称形状であるため、右押圧支持片49及び左押圧支持片50のいずれかに接触片48による押圧力が集中してしまうことを防ぐことができる。このため、右押圧支持片49と左押圧支持片50とが対称形状である構成によって、ピン端子Tに対する接触圧を高く設定しても、より変形しにくいコネクタ1とすることができる。
【0090】
右押圧支持片49は、「第1の延出部」としての右延出部62と、「第1の連結片」としての右連結片63と、「第1の接触受け部」としての右接触受け部64とを有している。同様に、左押圧支持片50は、「第2の延出部」としての左延出部65と、「第2の連結片」としての左連結片66と、「第2の接触受け部」としての左接触受け部67とを有している。右接触受け部64及び左接触受け部67と、接触片48とは、嵌合室25の室内で平板状の板面どうしが対向して位置している。そして、右接触受け部64と左接触受け部67とは、すなわち嵌合室25へのピン端子Tの挿入方向の交差方向(X方向)に並べて配置されている。右連結片63は、固定基部47を介して接触片48と右接触受け部64とをつないでおり、左連結片66は、固定基部47を介して接触片48と左接触受け部67とをつないでいる。
【0091】
右押圧支持片49と左押圧支持片50とは対称形状であるので、ここでは、左右で同一の構成及び効果を有する箇所については右押圧支持片49についてのみの説明を行う。
【0092】
右延出部62は、右板縁52と右連結片63とを連結する部位である。右延出部62は、X-Y平面に沿って伸長する固定基部47とY-Z平面に沿って伸長する右連結片63とを連結するように正面視で内角が90°の円弧状に形成されている。
【0093】
右連結片63は、右延出部62と右接触受け部64とを連結する。右連結片63は、固定基部47から伸長し、嵌合室25に挿入されたピン端子Tの右側面から回り込み右接触受け部64に繋がっている。同様に、左連結片66は、固定基部47から伸長し、ピン端子Tの左側面から回り込み左接触受け部67に繋がっている。
【0094】
右接触受け部64及び左接触受け部67は、それらが受ける高い押圧力を釣合いのとれた状態で効果的に分散して支持することができる。よって、コネクタ1は、より高い接触圧による端子3とピン端子Tとの安定した導通接触を確保しながら、端子3やハウジング2の変形を防ぐことができる。さらに、右押圧支持片49及び左押圧支持片50がピン端子Tの右側面及び左側面からそれぞれ回り込ませる構造であるため、嵌合室25の内壁と嵌合室25に挿入されているピン端子Tとの間の隙間空間に、右連結片63と左連結片66を配置でき、僅かな隙間空間を有効に活用することで、コネクタ1の大型化を抑制することができる。
【0095】
右連結片63は、図7で示すように、右延出部62の側から、第1の連結片部68と、第1の屈曲部69と、伸長部70と、第2の屈曲部71と、第2の連結片部72と、連結湾曲片部73とを有している。第1の連結片部68は、右延出部62からZ方向における下方の第1の屈曲部69に向かって伸長している。第1の屈曲部69は、第1の連結片部68と伸長部70とに連結している。伸長部70は、Y方向に沿って伸長している。第2の屈曲部71は、伸長部70と第2の連結片部72とに連結している。第2の連結片部72は、第2の屈曲部71からZ方向における下方の右接触受け部64に向かって伸長している。
【0096】
そして、連結湾曲片部73は、第2の連結片部72と右接触受け部64とを連結する部位である。連結湾曲片部73は、Y-Z平面に沿って伸長する第2の連結片部72とX-Y平面に沿って伸長する右接触受け部64とを連結するように正面視で内角が90°の円弧状に形成されている。
【0097】
右連結片63は、Y方向に充分な長さを有して伸長する伸長部70を有している。これによって、連結湾曲片部73は、図7で示すように、右延出部62よりもY方向における前側(組立て時における可動ハウジング5に対する端子3の挿入方向の奥側)に位置している。
【0098】
このように構成される右連結片63では、例えば連結湾曲片部73と右延出部62とがY方向の交差方向(Z方向)で隣り合うように位置する構成とする場合と比べて、連結湾曲片部73からY方向における前側に伸長する右接触受け部64の長さを短くすることができる。すなわち、伸長部70をY方向に長く伸長させることによって、連結湾曲片部73をY方向で前側に位置させて、右延出部62に対して離すようにする。これによって、右接触受け部64において、連結湾曲片部73からY方向に伸長する先端部の長さを短くしている。即ち右接触受け部64の先端部は、Y方向におけるフロント接点58に対応する長さを有している。したがって、当該先端部がZ方向で変形しにくくなり、それにより接触圧が低減することを抑制することができる。
【0099】
さらに、本実施形態の右連結片63は、連結湾曲片部73に対して右延出部62がY方向において、前側か同じ位置で構成される場合と比べて、接触片48のフロント接触部55及びリア接触部56をY方向に長くすることができる。このため、接触片48に作用する応力を分散させることができる。
【0100】
ここで、右延出部62(及び左延出部65)のY(前後)方向における長さを右延出部62(及び左延出部65)の幅w1とし、連結湾曲片部73のY方向における長さを連結湾曲片部73の幅w2とする。右接触受け部64が受けた押圧力は、右延出部62及び第1の連結片部68と比べて、第2の連結片部72及び連結湾曲片部73にかかりやすい。したがって、第2の連結片部72は、第1の連結片部68よりもZ方向における長さが短く、連結湾曲片部73の幅w2は、右延出部62の幅w1よりも太くなっている。これによって、連結湾曲片部73の側の断面二次モーメントが右延出部62の側より大きくされており、押圧力を受けた右接触受け部64が右連結片63に対して開いてしまうような変形を抑制することができる。そして、右接触受け部64が受けた押圧力は、右延出部62の側と連結湾曲片部73の側とのどちらかが偏るのではなく、同様にかかって効果的に分散するようにしている。
【0101】
右連結片63は、側面視でZ字状に形成されている。そして、第1の屈曲部69と第2の屈曲部71とを有する構成では、右延出部62と右接触受け部64との間を一直線形状に連結する場合と比べて、右接触受け部64が荷重を受けた際に連結端部である連結湾曲片部73や右延出部62への応力集中を防ぐことができる。このため、右連結片63の変形を防ぐことができる。このように、右連結片63は、Z字状の構成によって、右接触受け部64のあらゆる方向の変形を防ぐため、右接触受け部64とピン端子Tとの安定した導通接続を実現することができる。
【0102】
さらに、右連結片63は、Y方向で見たときに、右延出部62よりも連結湾曲片部73の方が、可動ばね部45の屈曲部から離れて位置するように形成されている。即ち側面視でZ字状に形成されていることによって、右接触受け部64のY方向における後方に、右延出部62を曲げ加工する際に治具が挿入される空間を設けるとともに、可動ばね部45をY方向におけるより前方に伸長させてばね長を確保することができる。しかしながら、連結湾曲片部73は、Y方向における後方に向かって伸長し、第1の連結片部68と直接連結されるように構成することもできる。すなわち、右接触受け部64の側における第1の連結片部68の端及び伸長部70の側面が連結湾曲片部73に直接連結されるように構成することができる。こうすることで、連結湾曲片部73の幅w2がより大きくなるため、右接触受け部64は、右連結片63に対してより変形しにくくなる。
【0103】
右接触受け部64は、連結湾曲片部73から片持ち梁状に伸長している。接触片48と対向位置する右接触受け部64は、平板状に形成されている。右接触受け部64は、フロント接触部55及びリア接触部56との対向面に接触受け面部74を有する。接触受け面部74は、フロント接触部55及びリア接触部56に向かった突起がY方向(ピン端子Tの挿入方向)に沿ってビード状に伸長して形成されている。接触受け面部74は、ピン端子Tとの接触部分であるため、少なくともフロント接点58とリア接点61との接点間距離よりも充分に長く形成されている。接触受け面部74は、Y方向に充分に長く形成されているため、右接触受け部64の剛性がより高められている。
【0104】
右接触受け部64は、フロント接点58及びリア接点61に向かって右接触受け部64の表面から1段突出した突出面部として形成しても良い。こうすることで、ピン端子Tの挿入の程度によらず、フロント接点58及びリア接点61の接触圧を一定に保つことが容易になる。さらに、右接触受け部64は、接触受け面部74をビード状に突出することなく平坦な形状に変更することも可能である。接触受け面部74が平坦であることによって、右接触受け部64の形成がより容易になる。
【0105】
右接触受け部64は、図7図11で示すように、Y方向における前側(先端側)に、可動ハウジング5に対する端子挿入方向規制板75を有する。端子挿入方向規制板75は、右接触受け部64のX方向における右縁(板幅方向の外側)に、X方向における右方(板幅方向の外方)に向かって突出している。端子挿入方向規制板75は、右接触受け部64のX方向における長さ(板幅)を確保して剛性を高める機能を有している。さらに、端子挿入方向規制板75は、端子3が可動ハウジング5に取り付けられる際に、可動ハウジング5のガイド溝39に入り込んでY方向における前方に向かって摺動することで、挿入線Iに対して傾いて挿入されていこうとする端子3を挿入線Iに沿うように矯正する機能を有している。したがって、コネクタ1は、ガイド溝39と、端子挿入方向規制板75とを有することによって、端子3を可動ハウジング5に正確に取り付けることができる。
【0106】
端子挿入方向規制板75は、固定基部47の可動ハウジング用圧入突起54、54のようにガイド溝39、39とかみ合う構成を有さず、さらに、Z方向の長さ(板厚)がガイド溝39と比べて短く(薄肉で)形成されている。このような端子挿入方向規制板75を有する右接触受け部64は、可動ハウジング5には固定されていない。このため、右接触受け部64が受けた押圧力は可動ハウジング5に伝達されないか、されたとしても僅かである。したがって、ピン端子Tに対する接触片48の接触圧を高く設定しても、可動ハウジング5には、高い押圧力が作用しにくく、可動ハウジング5は変形しにくい。よって、コネクタ1は、ピン端子Tに対する接触片48の接触圧をより高く設定しても変形しにくくすることができる。
【0107】
右押圧支持片49は、固定基部47から片持ち状に伸長しており、全長に亘って可動ハウジング5に対して固定されていない。よって、右接触受け部64は、嵌合室25の内部において浮いた状態であり、可動ハウジング5の下面壁23とは接していない。すなわち、右接触受け部64は、間隙を介して下面壁23と対向している。これは、端子挿入方向規制板75についても同様であり、したがって、右接触受け部64は、可動ハウジング5とは接触していない。このため、右接触受け部64が受けた押圧力は可動ハウジング5に伝達されない。したがって、ピン端子Tに対する接触片48の接触圧を高く設定しても、可動ハウジング5には、押圧力がかからないため、可動ハウジング5は変形しない。よって、コネクタ1は、ピン端子Tに対する接触片48の接触圧をより高く設定しても変形しないようにすることができる。
【0108】
以上のような右押圧支持片49が有する機能を左押圧支持片50は同様に有している。そして、右押圧支持片49と左押圧支持片50とがピン端子Tの挿入方向の交差方向に並べて配置されることによって高い押圧力を釣合いのとれた状態で効果的に分散することができる。よって、コネクタ1は、より高い接触圧による端子3とピン端子Tとの安定した導通接触を確保しながら、端子3やハウジング2の変形を防ぐことができる。
【0109】
さらに、図8で示すように、接触片48のX方向における幅は、少なくとも右接触受け部64及び左接触受け部67のそれぞれにおけるビード状の接触受け面部74の両外側を覆う位置まで伸長するように形成されている。こうすることで、接触片48は、仮にピン端子Tが斜めになってしまうことがあっても過剰な斜め姿勢を規制でき、接触片48からの接触圧を右押圧支持片49及び左押圧支持片50によってX方向における左右で均等に分散支持させることがより確実にできる。
【0110】
変形例
【0111】
本実施形態では、右延出部62と左延出部65とは、Y方向において同じ位置で固定基部47から伸長していた。しかしながら、右延出部62と左延出部65とは、Y方向において前後させて固定基部47から伸長するように構成することもできる。ただし、そのような場合でも、右延出部62と左延出部65とは、Y方向において少なくとも一部が重なるように構成されると良い。こうすることで、固定基部47がY方向に長くなってしまうことや、右延出部62と左延出部65とがやむなく細幅とされることを防ぐことができる。そして、このようなコネクタ1によれば、固定基部47の大型化や、押圧力を受けた接触受け部の意図しない変形等を防ぐことができる。
【符号の説明】
【0112】
1 コネクタ(可動コネクタ)
2 ハウジング
3 端子
4 固定ハウジング(第1のハウジング)
5 可動ハウジング(第2のハウジング)
6 天井壁
7 側壁
8 底壁
9 収容部
9a 可動間隙
10 当接突部(第1の当接部)
11 当接部側面
12 前側当接部
13 後側当接部
14 下側当接部
15 立て板(第1の移動規制部)
16 移動規制面
17 嵌合位置確認窓
18 当接前面部(第1の移動規制部)
19 端子固定部
20 固定部材取付け部
21 上面壁
22 横壁
23 下面壁
24 隔壁
25 嵌合室
26 挿入口
27 誘導傾斜面
28 当接凹部(第2の当接部)
29 当接凹部側面
30 前側当接凹部
31 後側当接凹部
32 当接凹部底面
33 移動規制突片(第2の移動規制部)
34 突片後部
35 移動規制当接部(第2の移動規制部)
36 中央基板当接部(基板当接部)
37 外側基板当接部(基板当接部)
38 案内壁
39 ガイド溝
40 固定基部用溝
41 基板接続部
42 連結部
43 接触部
44 固定ハウジング用固定部
45 可動ばね部
46 固定ハウジング用圧入突起
47 固定基部
48 接触片
49 右押圧支持片(第1の押圧支持片)
50 左押圧支持片(第2の押圧支持片)
51 前板縁
52 右板縁
53 左板縁
54 可動ハウジング用圧入突起
55 フロント接触部
56 リア接触部
57 フロント弾性腕
58 フロント接点
59 接触面部
60 リア弾性腕
61 リア接点
62 右延出部(第1の延出部)
63 右連結片(第1の連結片)
64 右接触受け部(第1の接触受け部)
65 左延出部(第2の延出部)
66 左連結片(第2の連結片)
67 左接触受け部(第2の接触受け部)
68 第1の連結片部
69 第1の屈曲部
70 伸長部
71 第2の屈曲部
72 第2の連結片部
73 連結湾曲片部
74 接触受け面部
75 端子挿入方向規制板
I 挿入線
P 基板
T ピン端子
w1 右延出部62(及び左延出部65)の幅
w2 連結湾曲片部73の幅
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11