(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-07
(45)【発行日】2022-10-18
(54)【発明の名称】ブラシ摩耗インジケータを有するブラシホルダ装置
(51)【国際特許分類】
H02K 13/00 20060101AFI20221011BHJP
【FI】
H02K13/00 T
H02K13/00 Y
H02K13/00 X
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2018075791
(22)【出願日】2018-04-11
【審査請求日】2021-04-06
(32)【優先日】2017-04-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】390041542
【氏名又は名称】ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ
(74)【代理人】
【識別番号】100105588
【氏名又は名称】小倉 博
(74)【代理人】
【識別番号】100113974
【氏名又は名称】田中 拓人
(72)【発明者】
【氏名】フランク・オースティン・スカルゾ・ザサード
(72)【発明者】
【氏名】マシュー・トーマス・プレストン
(72)【発明者】
【氏名】ノーラン・グレッグ・カーウェン
【審査官】三澤 哲也
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-007127(JP,A)
【文献】実開昭49-119703(JP,U)
【文献】特開2011-010416(JP,A)
【文献】実開昭58-182386(JP,U)
【文献】実公昭50-025445(JP,Y1)
【文献】中国特許出願公開第101847814(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02K 13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
2つの対向する溝(210)を有している固定支持部材(102)であって、該固定支持部材(102)は、フォーク状電気コネクタ(220)を有し、該固定支持部材(102)は、該固定支持部材(102)の本体(103)の一部分を通過するように構成された導電バー(260)を有し、前記導電バー(260)は、コレクタマウント(110)および前記フォーク状電気コネクタ(220)との導電性をもたらすように構成されている固定支持部材(102)と、
前記固定支持部材(102)に取り外し可能に取り付けられるように構成されたブラシホルダ(104)であって、該ブラシホルダ(104)は、前記溝(210)に沿ってスライドするように構成された2つのレール(410)を有し、該ブラシホルダ(104)は、前記フォーク状電気コネクタ(220)に噛み合うように構成されたナイフ状電気コネクタ(420)と、該ブラシホルダ(104)に留められるように構成されたブラシスプリング(434)とを有し、前記ブラシスプリング(434)は、ブラシ(432)をダイナモ電気機械のコレクタ(120)に押し付けるように構成され、ブラシリード線(436)が、前記ブラシ(432)およびブラシ端子(438)へと接続され、前記ブラシリード線(436)は、細長い導電性部材と、該ブラシリード線(436)を覆って配置されたブラシ摩耗インジケータ(437)とを備えているブラシホルダ(104)と
を備えており、
前記固定支持部材(102)は、前記コレクタマウント(110)に電気的につながるように構成され、前記ブラシホルダ(104)は、前記ブラシ(432)を保持するように構成され
、
前記ブラシ摩耗インジケータ(437)は、複数のゾーン(801、802、803;901、902、903、904)を有し、前記複数のゾーン(801、802、803;901、902、903、904)の各々は、残りのブラシ寿命範囲に対応する異なる色またはパターンを有し、
前記ブラシスプリング(434)の下端は、前記ブラシホルダ(104)の本体部(411)の下部へ取り付けられ、
前記ブラシスプリング(434)の上端に位置する前記ブラシスプリング(434)のコイルが下方へと丸まろうとすることで、前記ブラシスプリング(434)は、前記ブラシ(432)に下向きの力を加え、
前記ブラシスプリング(434)は、前記上端と前記下端との間で、前記ブラシ(432)に沿って延びる、ブラシホルダ装置(100)。
【請求項2】
前記ブラシ摩耗インジケータ(437)は、熱収縮チューブであり、前記ブラシリード線(436)と前記熱収縮チューブとの間に接着剤が位置する、請求項1に記載のブラシホルダ装置(100)。
【請求項3】
前記ブラシ摩耗インジケータ(437)は、前記ブラシホルダ(104)の色に対する対比色を有する、請求項1
または2に記載のブラシホルダ装置(100)。
【請求項4】
前記ブラシ摩耗インジケータ(437)は、ブラシ(432)の交換を指示するときに前記ブラシ摩耗インジケータ(437)の上端(439)が
前記ブラシホルダ(104)のブラシボックス(430)の上端(433)またはブラシボックス(430)の上端(433)よりも下方に位置するように構成されている、請求項1
乃至3のいずれかに記載のブラシホルダ装置(100)。
【請求項5】
前記
複数のゾーン(801、802、803;901、902、903、904)は、ブラシ(432)の交換を指示するときに前記ブラシ摩耗インジケータ(437)がブラシボックス(430)の上端(433)またはブラシボックス(430)の上端(433)よりも下方に位置するように構成および配置された
ゾーンを備える、請求項
1乃至4のいずれかに記載のブラシホルダ装置(100)。
【請求項6】
前記ブラシ摩耗インジケータ(437)は、残りのおおよそのブラシ寿命を示す
パーセント値で示す数値によるしるしを備える、請求項
1乃至5のいずれかに記載のブラシホルダ装置(100)。
【請求項7】
前記ブラシホルダ(104)は、
電気絶縁性のハンドル(442)を備えるハンドルアセンブリ(440)をさらに備え、前記ハンドル(442)は、該ハンドル(442)とブラシコネクタリード線(436)との間に位置するように構成された電気絶縁性のガード(444)を有し、前記ハンドルアセンブリ(440)は、ブラシ端子圧縮プレート(470)に機械的に接続されたスプリングアセンブリ(460)を有し、前記スプリングアセンブリ(460)は、少なくとも前記電気絶縁性のハンドル(442)がロック位置にあるまで、1つ以上のブラシ端子(438)へと圧力を加えるように構成されている、請求項
1乃至6のいずれかに記載のブラシホルダ装置(100)。
【請求項8】
前記ブラシホルダ(104)は、端子圧縮プレート(470)と前記ブラシホルダ(104)の対向面との間に前記ブラシ端子(438)を固定するように構成され、前記ブラシ端子(438)は、手動で係合させられ、あるいはいかなる工具も使用することなく係合させられる、請求項
1乃至7のいずれかに記載のブラシホルダ装置(100)。
【請求項9】
前記ブラシホルダ(104)は、前記ブラシ(432)を保持するブラシボックス(430)に窓を形成し、前記ブラシ(432)を目視し、摩耗を視覚的に監視することを可能にする開口部(431)を備える、請求項1乃至8のいずれかに記載のブラシホルダ装置(100)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書に開示される主題は、ブラシホルダ装置に関する具体的には、本明細書に開示される主題は、ブラシの摩耗の監視を容易にするブラシ摩耗インジケータを有するブラシホルダ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来からのダイナモ電気機械は、機械の動作時に電流を通す巻線を有するロータを含むロータは回転するため、ロータの外部の供給源からロータの巻線へと電流を通すために、回転要素が使用されるコレクタリングまたはコミュテータなどの回転要素が、ブラシに接触して電流を通すブラシは回転要素に対して静止しているため、カーボンで製作されたブラシは、摩擦によって摩耗し、定期的な交換を必要とする。
【0003】
多数の市販のシステムにおいて、ブラシの摩耗限界は、ブラシの上部がブラシボックスの壁に機械加工された開口、切り欠き、または窓と同じ高さにあると確認されることによって示される。この状態となっていることを確認するための適切な物理的アクセスまたは視野角を提供することが、機械の構成およびサイズに応じて、ブラシがコレクタリングの円周の少なくとも一部分を巡って広がり、多くのブラシが他の機械部品によって隠れ、あるいは見えにくくなるため、きわめて困難となる可能性がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】米国特許出願公開第2015/035780号明細書
【発明の概要】
【0005】
本開示の一態様によれば、ブラシホルダ装置が、対向する2つの溝を有する固定支持部材を含む。固定支持部材は、フォーク状電気コネクタを有する。固定支持部材は、固定支持部材の本体の一部分を通過するように構成された導電バーを有する。導電バーは、コレクタマウントおよびフォーク状電気コネクタとの(あるいは、コレクタマウントとフォーク状電気コネクタとの間の)導電性をもたらすように構成される。ブラシホルダが、固定支持部材に取り外し可能に取り付けられるように構成される。ブラシホルダは、溝に沿ってスライドするように構成された2つのレールを有し、ブラシホルダは、フォーク状電気コネクタと嵌合するように構成されたナイフ状電気コネクタを有する。ブラシスプリングが、ブラシホルダに留められるように構成され、ブラシスプリングは、ダイナモ電気機械のコレクタにブラシを押し付けるようにさらに構成される。ブラシリード線が、ブラシおよびブラシ端子に接続される。ブラシリード線は、ワイヤまたはケーブルなどの細長い導電性部材であり、ブラシ摩耗インジケータが、ブラシリード線を覆って配置される。固定支持部材は、コレクタマウントに電気的につながるように構成され、ブラシホルダは、ブラシを保持するように構成される。ブラシ摩耗インジケータは、ブラシボックスと協働してブラシの摩耗を示す。
【0006】
本開示の別の態様によれば、ブラシホルダ装置が、ブラシとブラシ端子とに接続されたブラシリード線を有するブラシホルダを有する。ブラシリード線は、細長い導電性部材である。ブラシ摩耗インジケータが、ブラシリード線を覆って配置される。ブラシ摩耗インジケータは、熱収縮チューブであってよく、ブラシリード線と熱収縮チューブとの間に接着剤を位置させることができる。ブラシ摩耗インジケータは、ブラシホルダの色に対する対比色を有することができる。ブラシ摩耗インジケータは、複数のゾーンを有することができ、複数のゾーンの各々は、残りのブラシ寿命範囲あるいは使用されたブラシの百分率または残りのブラシの百分率に対応する異なる色またはパターンを有する。ブラシ摩耗インジケータを、ブラシの交換を指示または推奨するときにブラシ摩耗インジケータの上端がブラシボックスの上端またはブラシボックスの上端よりも下方に位置するように構成することができる。ブラシ摩耗インジケータは、ブラシの交換を指示するときにブラシ摩耗インジケータがブラシボックスの上端またはブラシボックスの上端よりも下方に位置するように構成および配置されたバンドを有することができる。ブラシ摩耗インジケータは、ブラシのおおよその残り寿命を示すしるしを有することができる。しるしは、各々が特定のブラシ残り寿命値においてブラシボックスの上端に位置するように構成および配置された複数のバンド、および/または残りのブラシ寿命をパーセント値で示す数値によるしるしであってよい。
【0007】
本開示のこれらの特徴および他の特徴は、本開示の種々の態様の以下の詳細な説明を、本開示の種々の実施形態を示す添付の図面と併せて検討することで、より容易に理解されよう。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本開示の一態様によるコレクタ馬蹄型金具に設置された単一のブラシホルダの部分斜視図を示している。
【
図2】本開示の一態様による固定支持部材の斜視図を示している。
【
図3】本開示の一態様による
図2に示した固定支持部材の背面斜視図を示している。
【
図4】本開示の一態様によるブラシホルダの斜視正面図を示している。
【
図5】本開示の一態様によるブラシホルダの斜視背面図を示している。
【
図6】本開示の一態様によるブラシの保持に使用されるブラシホルダおよびカム部材の底面図を示している。
【
図7】本開示の一態様による、ブラシホルダの側面図を示している。
【
図8】本開示の一態様によるブラシ摩耗インジケータの側面図を示している。
【
図9】本開示の一態様によるブラシ摩耗インジケータの側面図を示している。
【
図10】本開示の一態様によるブラシ摩耗インジケータの側面図を示している。
【0009】
本発明の図面が、必ずしも比例尺ではないことに注意すべきである図面は、本発明の典型的な態様だけを示すことを目的としており、したがって、本発明の範囲を限定するものとみなされるべきではない図面において、図面間で類似する符号は類似する要素を示す。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本明細書において説明したとおり、従来からのダイナモ電気機械は、機械の動作時に電流を導く巻線を有するロータを含むロータは回転するため、ロータの外部の供給源からロータの巻線へと電流を導くために、回転要素が使用されるコレクタリングまたはコミュテータなどの回転要素が、ブラシに接触して電流を導くブラシは回転要素に対して静止しているため、カーボンで製作されたブラシは、摩擦によって摩耗し、定期的な交換を必要とする。
【0011】
ダイナモ電気機械の稼働時の停止時間を少なくするという要望ゆえに、ブラシが、ダイナモ電気機械の運転中に交換されることがあるブラシを安全に交換するために、作業者は(電流が作業者の身体を通って流れることを避けるために)片手を使用する従来からのブラシホルダは、重くかつ扱いにくく、ブラシの交換が困難かつ危険になり得る。
【0012】
従来からのブラシホルダとは対照的に、本開示の態様は、ブラシ摩耗インジケータをブラシリード線上に配置して有するダイナモ電気機械のためのブラシホルダ装置を含む。ブラシが摩耗するにつれ、ブラシおよびリード線は、ロータの中心軸に対して半径方向下方へと降下する。ブラシ摩耗インジケータは、ブラシボックスの最上部の高さと比較することができる1つ以上のセクションを有し、ブラシボックスに対するブラシ摩耗インジケータの位置が、ブラシの摩耗量またはブラシの残存寿命を示す。
【0013】
図1は、本開示の一態様によるコレクタ馬蹄型金具(collector horseshoe)に設置された単一のブラシホルダ装置100の部分斜視図を示している。ブラシマウントまたはコレクタ馬蹄型金具110が、コレクタリング120を覆って取り付けられている。コレクタリングは、ロータ(図示せず)と一緒に回転する。複数のブラシおよび対応するブラシホルダが、コレクタ馬蹄型金具に取り付けられ、コレクタリングの周囲の少なくとも一部分に分布する。この例では、ただ1つのブラシホルダ装置100だけが、コレクタ馬蹄型金具110に取り付けられて図示されているブラシホルダ装置100を、コレクタ馬蹄型金具にボルトで固定、またはねじ込むことができる。ブラシホルダ装置100は、固定支持部材102とブラシホルダ104とを備える。固定支持部材102は、例えば導電性材料から製造され、あるいは導電性材料を含むことによって、コレクタマウント110(すなわち、コレクタ馬蹄型金具110)に電気的につながるように構成される。ブラシホルダ104は、(ブラシホルダ104内に収容された)ブラシを少なくとも軸方向および周方向に保持するように構成される。
【0014】
図2が、本開示の一態様による固定支持部材102の斜視図を示している。固定支持部材102は、少なくとも1つの溝210(
図2には2つの対向する溝210が図示されている)と、フォーク状電気コネクタ220とを含む。フォーク状電気コネクタ220は、固定支持部材の片側または両側へと延びることができ、あるいはフォーク状電気コネクタは、固定支持部材の側面へ延びることなく、中央にのみ位置してもよい。テーパ状のスロット230が、固定支持部材102の上部に配置され、スロット230は、ブラシホルダ上のロックピン450と協働するように構成される。また、ロックピンを、傾斜した表面を有するバーまたはラッチあるいは突起またはディスクと置き換えることもできる。スロット230の先細りの性質は、ロックピン450が回転させられるときにブラシホルダをコネクタ220へと押し下げるように作用する。バー240が、固定支持部材102の下端の近くに配置され、このバーは、ブラシホルダ104上のカムに係合して拘束するように構成される。さらに、バー240は、固定支持部材102へのブラシホルダ104の挿入可能距離を制限するように機能するブラシホルダ104は、上部のロックピン450と下部のバー240との間の固定支持部材102に対する所定の位置に固定されるバー240は、固定支持部材102の輪郭の内側に完全に収容され、この輪郭を越えて突出することがない複数の穴250が設けられ、固定支持部材102のコレクタマウント110への取り付けを容易にするように構成される。穴250は、ボルトまたはねじなどの機械的な締結具と共に使用するために、内部にねじ山を有してもよい。さらに、穴250は、固定支持部材102の両側に設けられ、複数の固定支持部材を積み重ねまたは横並びの配置にて一体に取り付けるように構成されてもよい。これは、複数のブラシが横並びにて積み重ねられる場合に、望ましいかもしれない。例えば、3つ、4つ、5つ、6つ、または7つ以上のブラシを、コレクタ馬蹄型金具110上の周方向における1つの位置に配置することができる。導電バー260が、固定支持部材102の1つ以上の側面に配置される。導電バー260は、コレクタマウント(コレクタ馬蹄型金具110)および/または第2の固定支持部材(例えば、第1の固定支持部材の側面に接続される)との導電性をもたらすように構成される。
【0015】
図3は、本開示の一態様による
図2に示した固定支持部材102の背面斜視図を示している。導電バー260は、固定支持部材の本体103の一部を通過し、コレクタマウント110およびフォーク状電気コネクタ220との導電性をもたらすように構成されるこの構成は、固定支持部材102を完全に電気的に絶縁し、電流を馬蹄型金具110から導電バー260を通ってフォーク220へと通すことを可能にする馬蹄型金具110への取り付けのための穴250は、導電バー260に形成されている代案の実施形態においては、導電バー260を長くして、複数の固定支持体102を同じ(より長い)導電バー260に取り付けることができる導電バー260を、タブ270を通って固定支持体へと延び、さらに導電バー260へと延び、あるいは導電バー260を貫いて延びるボルト(図示せず)によって、固定支持体102およびフォーク状電気コネクタ220へと取り付けることができるこの例では、1つのタブ/ボス270が、電気フォーク220の各側に図示されている。フォーク状電気コネクタ220は、導電バー260と一体に形成されてもよい。
【0016】
固定支持部材102を、1つ、2つ(図示のとおり)、または3つ以上のブラシホルダを受け入れるように構成することができる。1つの態様は、1つ、2つ、または3つのブラシを受け入れる固定支持部材、ならびに複数の固定支持部材であり、コレクタ馬蹄型金具上の周方向における所与の位置に特定の数のブラシを必要とする用途のために並べて配置することが可能である。固定支持部材102および/またはブラシホルダを、アルミニウム、アルミニウム合金、ステンレス鋼、または個々の用途において所望されるとおりの任意の他の適切な導電性または非導電性の材料で実質的に形成(または、構成)することができる。あくまでもこれに限られるわけではない一例として、固定支持部材102およびブラシホルダ104を、不動態化され、もしくは陽極酸化処理されたアルミニウム、あるいは不動態化され、もしくは陽極酸化処理されたアルミニウム合金で実質的に形成(または、構成)することができる。この材料は、良好な強度を与えつつ、電気絶縁性または電気的に半絶縁性の材料をもたらす。ブラシホルダ本体を通る電流を最小にし、ブラシおよびこの電流のために設計されたブラシホルダの電気経路を通るように電流を集中させることが望まれる。さらに、挿入または取り外しの際に技術者が把持する可能性がある部分への電流の流れを最小限に抑える(あるいは、阻止する)ことが望ましいと考えられる。また、ブラシ432が摩耗し、もはや電流の経路の一部であることができなくなったときに、コレクタリング120からブラシホルダ104または固定支持部材102へと直接的に電流がアークを形成する可能性を回避することが望ましい固定支持部材およびブラシホルダの少なくとも一方の表面の少なくとも一部分が、実質的に電気絶縁性であるように構成される。例えば、ブラシホルダのハンドルが、稼働中の機械におけるブラシホルダの挿入または取り外しの際に技術者を保護するために、実質的に電気絶縁性でなければならない。あるいは、固定支持部材およびブラシホルダを、粉末で被覆され、もしくは塗装されたアルミニウム、粉末で被覆され、もしくは塗装されたアルミニウム合金、粉末で被覆された金属または非金属材料、あるいはセラミックで被覆された金属またはセラミックで被覆された非金属材料で実質的に形成(または、構成)することができる。
【0017】
図4は、本開示の一態様によるブラシホルダ104の斜視正面図を示している。
図5は、本開示の一態様によるブラシホルダ104の斜視背面図を示している。ブラシホルダ104は、固定支持部材102に取り外し可能に固定されるように構成される。少なくとも1つのレール410が、溝210に沿ってスライドするように構成される。図示の例において、ブラシホルダ104は、ブラシホルダの各側に1つずつ、2つのレール410を含む。フォーク状電気コネクタ220と嵌合するように構成されたナイフ状電気コネクタ420(
図5に示されている)が、ブラシホルダ104の後部に位置する。ブラシ保持ボックス430が、1つ以上のブラシ432を軸方向および周方向に保持する。図示の例において、ボックス430は、2つのブラシ432を保持する。ブラシ432は、ブラシスプリング434によって半径方向下方へと付勢される。開口部431が、ボックス430に窓を形成し、ブラシ432を目視し、摩耗を視覚的に監視することを可能にする。
【0018】
ブラシホルダ104は、電気絶縁性のハンドル442と、ハンドル442とブラシコネクタリード線436との間に位置する電気絶縁性のガード444またはシールドとを含むハンドルアセンブリ440を含む。ブラシコネクタリード線436は、ダイナモ電気機械が稼働しているときに高い電圧および大きな電流を伝えるがゆえに、回避すべき危険を呈する。電気絶縁性のハンドル442およびガード444は、技術者の手が通電中のブラシコネクタリード線436に接触することを防止する。ハンドル442およびガード444を、プラスチック、ゴム、エポキシ/ガラス繊維積層品、ガラス繊維、または任意の他の適切な電気絶縁材料で構成することができる。
【0019】
ブラシリード線436は、ワイヤまたはケーブルなどの細長い導電性部材であり、ブラシ432およびブラシ端子438に電気的および物理的に接続されている。ブラシ摩耗インジケータ437が、ブラシリード線436を覆って配置される。一例において、ブラシ摩耗インジケータ437は、熱収縮チューブであってよく、ブラシリード線と熱収縮チューブとの間に接着剤を位置させることができる。接着剤は、ブラシ摩耗インジケータ437とブラシリード線436との間の追加の結合力を提供する。さらに、ブラシ摩耗インジケータ437は、ブラシホルダの色に対する対比色を有することができる。対比とは、「見た目の非類似または相違を示すための比較」という一般的に受け入れられた意味によって定義される。例えば、ブラシボックス430が灰色である場合、ブラシ摩耗インジケータ437は、赤色であってよい。赤色および灰色は、対比色であり、赤色のブラシ摩耗インジケータは、ブラシボックスの灰色に対して目立ち、容易に識別可能であると考えられる。さらに、ブラシ摩耗インジケータ437を、ブラシの交換が指示、推奨、または所望されるときに、ブラシ摩耗インジケータ437の上端439がブラシボックス430の上端433に位置し、あるいは上端433よりも下方に位置するように、構成または配置することもできる。
【0020】
ロックピン450は、固定支持部材102のテーパ状のスロット230と協働するように構成される。ハンドルアセンブリ440は、回転可能であり、回転時にロックピン450が回転してテーパ状のスロット230に出入りする
図4および
図5の図は、ロック位置に位置したロックピン450およびハンドル442を示している。このロック位置において、ロックピン450は、スロット230に完全に挿入され、テーパ状の表面がロックピンを半径方向下方へと駆動する換言すると、ハンドルアセンブリ440は、約90度回転させられるように構成され、0度の位置が、ロックピン450がテーパ状のスロット230から外れ、ブラシホルダ104を固定支持部材102から取り外すことができるように構成される。90度の位置(
図4および
図5に示されるとおり)が、ロックピン450がテーパ状のスロット230に係合し、ブラシホルダ104が固定支持部材102上で稼働状態へと完全にロックされるように構成される。ハンドル442をロックピン450に平行に配置し、ロックピン450をテーパ状のスロット230を通って延ばすことにより、作業者は、ブラシホルダ104が固定支持体102内の所定の位置に完全に挿入されてロックされていることを、容易に見て取ることができる。
【0021】
スプリングアセンブリ460が、ハンドルアセンブリ440内に収容され、スプリングアセンブリは、ブラシ端子圧縮プレート470(そのうちの2つが図示されている)に機械的に接続される。ブラシ端子圧縮プレートは、ハンドルのシャフトを通って延びる1つの部品であってよいが、2つの部品から製造されてもよい。ブラシ432は、ブラシコネクタリード線(または、ピグテール)436を介してブラシ端子438に接続される。ブラシ端子438は、ナイフ状電気コネクタ420に電気的に接続されている。例えば、ナイフ状電気コネクタは、各々のブラシ端子438の下方を延びる導電性のベース部材を含むことで、それによって導電経路を形成する。スプリングアセンブリ460は、圧縮プレート470を下方に付勢し、この下方への圧力が、ブラシ端子を所定の位置に、ナイフ状電気コネクタ420のベース部材に対して保持する。これは、ブラシホルダ104の固定支持部材102への挿入時(または、固定支持部材102からの取り外し時)にとくに有利である。手作業にてブラシを挿入し、あるいは取り外すとき、一方の手だけを使用することが推奨され、スプリングアセンブリは、ブラシ端子438を所定の位置に保持するために第2の手を必要としないことを保証する。ひとたびブラシホルダ104が固定支持部材に完全に挿入されると、ハンドル442が(ロック位置へと)90度回転させられ、テーパ状のスロット230がロックピン450(ならびに、ブラシホルダ104)を半径方向下方へと押し、ブラシ端子438へとさらなる力を加える。この設計の利点は、ブラシホルダ104が、ブラシ端子438を端子圧縮プレート470とブラシホルダの対向面(すなわち、ナイフ状電気コネクタ420の導電性のベース部材)との間に固定するように構成されているため、ブラシ端子が、手のみで、あるいはいかなる工具も必要とせずに、手動で係合させられ、あるいは解放される点にある。用語「工具」は、「機械的操作を実行または容易にするための道具、とりわけハンマー、のこぎり、レンチ、またはやすりなどの手で持つ道具」と定義される。それぞれの部品を手によって手動で配置するだけでよい。特定の工具の使用を最小限にし、あるいは排除することで、とりわけ稼働中および通電中のダイナモ電気機械の周りの作業の大幅な単純化および安全性の向上が可能になる。
【0022】
図示のように、ブラシボックス430は、2つのブラシ432を保持するように構成される。しかしながら、ボックス430を、(ボックスの幅を減らすことによって)1つのブラシ432を保持するように構成でき、あるいは(ボックスの幅を広げ、追加の個々のブラシ開口を設けることによって)3つ以上のブラシを保持するように構成することができる。ブラシ端子438は、ブラシ端子438の近位端に位置する下向きの曲がり部を含む。この曲がり部は、ブラシ端子を圧縮プレート470の下方の所定の位置に保持する役に立つ。ブラシ端子に、端子圧縮プレート470またはナイフ状電気コネクタ420の導電性のベース部材に位置する相補的な特徴と協働する穴または切り欠きを設けることもできる。例えば、ブラシ端子438が中央に穴を含む場合、圧縮プレート470は、ブラシ端子の穴に係合するように配置された相補的なピンを有することができる。ブラシホルダのこの相補的な特徴は、ブラシ端子のブラシホルダへの固定を容易にする。また、ブラシ端子に相補的なピンを持たせ、圧縮プレートに穴を持たせることで、逆もまた使用可能である。この構成により、ブラシホルダ104が、ナイフ状電気コネクタ420をブラシ端子438へと電気的および機械的に接続するように構成される一方で、ナイフ状電気コネクタ420とブラシ端子438の両方が、ハンドル442から電気的に絶縁される。
【0023】
ブラシ432がロータコレクタリング120との摩擦接触によって摩耗するとき、ブラシスプリング434は、ブラシ432の摩滅する表面をロータコレクタリング120に接触した状態に保つ。ブラシスプリング434は、丸まろうとする(re-coil itself)傾向の張力を有するように設計されることで、ブラシ432を半径方向下方へとコレクタリング120に押し付けるように構成されている。このようにして、スプリング434の上部に位置するコイルが、再び締まり、あるいは下方へと丸まろうとすることで、ブラシ432に半径方向の下向きの力を加える。スプリング434は、ブラシホルダ104の底部に留められる。例えば、ブラシホルダの本体部411の下部が、ブラシスプリング434がブラシホルダへと取り付けられる場所である。ブラシスプリング434の底部は、U字形であり、このU字形部分が、本体部411の下部へと被せられて留められる。さらに、ブラシスプリング434は、ブラシホルダまたはボックス430に対してブラシ432を拘束するように構成されたカム部材610に対して一列に位置するように構成され、あるいは90度だけオフセットされるように構成される。この一列配置は、スプリング434、ブラシ432、およびカム部材610の間について、拘束の可能性が低減または排除され、滑らかな動作が可能となるように調整される。
【0024】
図6は、本開示の一態様によるブラシ432の保持に使用されるブラシホルダ104およびカム部材610の底面図を示している。カム部材610は、ブラシホルダ104の底部の付近のシャフト620に動作可能に接続される。カム部材610は、ブラシホルダ104が固定支持部材102に完全に挿入されるまで、ブラシ432をブラシホルダまたはボックス430に対して保持するように構成される。カム部材610は、角度一定のカム形状であっても、あるいは弓形の歯付きの形状を有してもよく、ばね612(例えば、ねじりばね)によってシャフト620へと取り付けられる。角度一定のカム形状および弓形の歯付きの形状は、対数らせん形状に一致してもよいこれは、カム部材610がブラシ432の表面に達するためにどれだけ回転しても、カム610が、同じ角度およびブラシホルダ104におけるブラシの滑りに抵抗するための同じ大きな力で、ブラシ432に接触することを意味する必ずしも全てのブラシが正確に同じサイズであるわけではないため、シャフト620とそれぞれのブラシ432の表面との間の実際のすき間を満たすために、各々のカム部材610がシャフト620上で自由に独立して回転できることが重要である。
【0025】
図7が、本開示の一態様による、ブラシホルダ104の側面図を示している。ナイフ状電気コネクタ420が、フォーク状電気コネクタ220へと滑り込み、フォーク状電気コネクタ220に電気的に接触するように構成されている。ナイフ状電気コネクタ420は、ブラシホルダボックス430の最上部よりも下方の地点まで下方へと延びている。
【0026】
図8が、本開示の一態様によるブラシ摩耗インジケータ437の側面図を示しているブラシ摩耗インジケータ437は、複数のゾーン801,802,801を有することができ、これらのゾーンの各々は、残りのブラシ寿命の値または範囲に対応する異なる色またはパターンを有することができる。一例として、ゾーン801を緑色に着色して、ブラシの寿命について時間がより長く、あるいは値がより大きいことを示すことができ、ゾーン802を黄色に着色して、ブラシの摩耗が生じているが、充分なブラシ寿命が残っていることを示すことができ、ゾーン803を赤色に着色して、ブラシの寿命が終わりに近づいており、すぐにブラシの交換が必要になることを示すことができる。各々のゾーンは、異なるパターンを有することができ、例えば、ゾーン801が明るく陰影付けされ、ゾーン802がより暗い色に陰影付けされ、ゾーン803がゾーン802よりもさらに暗い陰影を有する。パターンは、さまざまな平行線模様(cross-hatching)、異なる角度の線、または或るゾーンを次のゾーンと区別する他の適切なパターンの違いを含むこともできる。ブラシ432が摩耗するにつれて、ブラシ432は半径方向に下方または内側(発電機に対して)へと移動し、ブラシ摩耗インジケータの上部がブラシボックス430の上端433に向かって移動する。ブラシが新品であるとき、ブラシ摩耗インジケータの全体が技術者にとって視認可能であるが、使用によってブラシが摩耗するにつれて、上端433からのブラシ摩耗インジケータの突出量が、次第に小さくなる。
【0027】
図9が、本開示の一態様によるブラシ摩耗インジケータ437の側面図を示しているブラシ摩耗インジケータ437は、残りのおおよそのブラシ寿命を示すしるしを含む。ゾーン901の下部に、100%という値が印刷されており、これは、最大のブラシ寿命を示している。ゾーン902に75%が印刷されており、75%の下方の線がブラシボックス430の上端433と同じ高さにあるとき、ブラシの寿命の75%が残っている。ゾーン903の下部には50%が印刷されており、50%の下方の線がブラシボックス430の上端433と同じ高さにあるとき、ブラシの寿命の半分が残っている。ゾーン904の下部には25%が印刷されており、25%の下方の線がブラシボックス430の上端433と同じ高さにあるとき、ブラシの寿命の25%が残っている。ゾーン904の上部には0%が印刷されており、0%の上方の線がブラシボックス430の上端433と同じ高さにあるとき、ブラシ寿命は終わりまたは終わり近くにあり、ブラシを交換する必要がある。さらに、ゾーン901~904は、残りのブラシ寿命またはブラシの状態の迅速な評価を助けるために異なるパターンまたは色を有してもよい。
【0028】
図10が、本開示の一態様によるブラシ摩耗インジケータ437の側面図を示しているブラシ摩耗インジケータ437は、残りのおおよそのブラシ寿命を示す複数のバンド1001、1002、1003、1004、1005を含む。バンド1001は、100%のブラシ寿命が残っていること、または新しいブラシが取り付けられていることを示す。バンド1001は、特定のパターンまたは色(例えば、緑色)を有してもよい。バンド1002は、75%のブラシ寿命が残っていることを示し、特定のパターンまたは色(例えば、緑色)を有することができる。バンド1003は、50%のブラシ寿命が残っていることを示し、特定のパターンまたは色(例えば、黄色)を有することができる。バンド1004は、25%のブラシ寿命が残っていることを示し、特定のパターンまたは色(例えば、オレンジ色)を有することができる。バンド1005は、0%のブラシ寿命が残っていることを示し、特定のパターンまたは色(例えば、赤色)を有することができ、これに達すると、ブラシを交換する必要がある。本明細書において説明されるブラシ残り寿命インジケータ437の全ては、ブラシボックス430の上端433またはブラシボックスの壁に形成された開口部431に整列する特定の領域を有するように構成することができる。
【0029】
本発明の技術的効果は、ブラシの摩耗の目視検査をより容易にすることができるブラシ摩耗インジケータであって、ブラシ摩耗インジケータ437がブラシボックス430の縁部に引っ掛かって動かなくなる可能性がないブラシ摩耗インジケータである。ブラシ摩耗インジケータ437は、ブラシボックス430におけるブラシ432の自由なスライドを保証すると同時に、ブラシの摩耗またはブラシの残り寿命の視覚的表示を提供する。
【0030】
本明細書において使用される用語は、あくまでも特定の実施の形態を説明する目的のためのものにすぎず、本開示を限定しようとするものではない本明細書において使用されるとき、単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」、および「前記(the)」は、文脈がそのようでないことを明らかに示していない限り、複数形も含むように意図されるさらに、用語「・・・を含む(comprises)」および/または「・・・を含んでいる(comprising)」が、本明細書において使用される場合に、記載される特徴、完全体、工程、動作、要素、および/または構成部品が存在することを指定するが、1つ以上の他の特徴、完全体、工程、動作、要素、構成部品、および/またはこれらの組み合わせの存在または追加を排除するものではないことを、理解できるであろう。
【0031】
概略を表す表現(approximating language)は、ここで本明細書および特許請求の範囲のあらゆる場所において使用されるとき、該当の基本的機能に変化を生じることなく差し支えない程度に変動できる任意の量的表現を修飾するために適用可能であるしたがって、「およそ」、「約」、および「実質的に」などの用語で修飾された値は、明記された厳密な値に限定されるものではない少なくともいくつかの場合に、概略を表す表現は、値を測定するための機器の精度に対応することができるここで、本明細書および特許請求の範囲の全体を通して、範囲の限定は、組み合わせおよび/または入れ換えが可能であり、文脈および文言がとくに示していない限り、そのような範囲は識別され、そのような範囲に含まれる全ての部分的範囲を含む範囲の特定の値に適用される用語「およそ」および「約」は、両方の値に適用され、値を測定する機器の精度への依存を除き、記載された値の+/-10%を示すことができる。
【0032】
本明細書は、本発明を最良の態様を含めて開示するとともに、あらゆる装置またはシステムの製作および使用ならびにあらゆる関連の方法の実行を含む本発明の実施を当業者にとって可能にするために、いくつかの実施例を用いている本発明の特許可能な範囲は、特許請求の範囲によって定められ、当業者が想到するその他の実施例を含むことができるそのような他の実施例は、それらが特許請求の範囲の文言から相違しない構造要素を有しており、あるいは特許請求の範囲の文言から実質的には相違しない同等の構造要素を含むならば、特許請求の範囲の技術的範囲に包含される。
[実施態様1]
2つの対向する溝(210)を有している固定支持部材(102)であって、該固定支持部材(102)は、フォーク状電気コネクタ(220)を有し、該固定支持部材(102)は、該固定支持部材(102)の本体(103)の一部分を通過するように構成された導電バー(260)を有し、前記導電バー(260)は、コレクタマウント(110)および前記フォーク状電気コネクタ(220)との導電性をもたらすように構成されている固定支持部材(102)と、
前記固定支持部材(102)に取り外し可能に取り付けられるように構成されたブラシホルダ(104)であって、該ブラシホルダ(104)は、前記溝(210)に沿ってスライドするように構成された2つのレール(410)を有し、該ブラシホルダ(104)は、前記フォーク状電気コネクタ(220)に噛み合うように構成されたナイフ状電気コネクタ(420)と、該ブラシホルダ(104)に留められるように構成されたブラシスプリング(434)とを有し、前記ブラシスプリング(434)は、ブラシ(432)をダイナモ電気機械のコレクタ(120)に押し付けるように構成され、ブラシリード線(436)が、前記ブラシ(432)およびブラシ端子(438)へと接続され、前記ブラシリード線(436)は、細長い導電性部材と、該ブラシリード線(436)を覆って配置されたブラシ摩耗インジケータ(437)とを備えているブラシホルダ(104)と
を備えており、
前記固定支持部材(102)は、前記コレクタマウント(110)に電気的につながるように構成され、前記ブラシホルダ(104)は、前記ブラシ(432)を保持するように構成されている、ブラシホルダ装置(100)。
[実施態様2]
前記ブラシ摩耗インジケータ(437)は、熱収縮チューブであり、前記ブラシリード線(436)と前記熱収縮チューブとの間に接着剤が位置する、実施態様1に記載のブラシホルダ装置(100)。
[実施態様3]
前記ブラシ摩耗インジケータ(437)は、前記ブラシホルダ(104)の色に対する対比色を有する、実施態様1に記載のブラシホルダ装置(100)。
[実施態様4]
前記ブラシ摩耗インジケータ(437)は、複数のゾーン(801、802、803;901、902、903、904)を有し、前記複数のゾーン(801、802、803;901、902、903、904)の各々は、残りのブラシ寿命範囲に対応する異なる色またはパターンを有する、実施態様3に記載のブラシホルダ装置(100)。
[実施態様5]
前記ブラシ摩耗インジケータ(437)は、ブラシ(432)の交換を指示するときに前記ブラシ摩耗インジケータ(437)の上端(439)がブラシボックス(430)の上端(433)またはブラシボックス(430)の上端(433)よりも下方に位置するように構成されている、実施態様1に記載のブラシホルダ装置(100)。
[実施態様6]
前記ブラシ摩耗インジケータ(437)は、ブラシ(432)の交換を指示するときに前記ブラシ摩耗インジケータ(437)がブラシボックス(430)の上端(433)またはブラシボックス(430)の上端(433)よりも下方に位置するように構成および配置されたバンド(1001、1002、1003、1004、1005)を備える、実施態様1に記載のブラシホルダ装置(100)。
[実施態様7]
前記ブラシ摩耗インジケータ(437)は、残りのおおよそのブラシ寿命を示すしるしを備える、実施態様1に記載のブラシホルダ装置(100)。
[実施態様8]
前記しるしは、
各々が特定のブラシ残り寿命値においてブラシボックス(430)の上端(433)に位置するように構成および配置された複数のバンド、または
残りのブラシ寿命をパーセント値で示す数値によるしるし、
ブラシ(432)の交換を指示するときに前記ブラシ摩耗インジケータ(437)がブラシボックス(430)の上端(433)またはブラシボックス(430)の上端(433)よりも下方に位置するように構成および配置されたバンド(1001、1002、1003、1004、1005)
のうちの1つ以上を備える、実施態様7に記載のブラシホルダ装置(100)。
[実施態様9]
前記ブラシホルダ(104)は、
電気絶縁性のハンドル(442)を備えるハンドルアセンブリ(440)をさらに備え、前記ハンドル(442)は、該ハンドル(442)とブラシコネクタリード線(436)との間に位置するように構成された電気絶縁性のガード(444)を有し、前記ハンドルアセンブリ(440)は、ブラシ端子圧縮プレート(470)に機械的に接続されたスプリングアセンブリ(460)を有し、前記スプリングアセンブリ(460)は、少なくとも前記電気絶縁性のハンドル(442)がロック位置にあるまで、1つ以上のブラシ端子(438)へと圧力を加えるように構成されている、実施態様1に記載のブラシホルダ装置(100)。
[実施態様10]
前記ブラシホルダ(104)は、端子圧縮プレート(470)と前記ブラシホルダ(104)の対向面との間に前記ブラシ端子(438)を固定するように構成され、前記ブラシ端子(438)は、手動で係合させられ、あるいはいかなる工具も使用することなく係合させられる、実施態様1に記載のブラシホルダ装置(100)。
[実施態様11]
ブラシ(432)とブラシ端子(438)とに接続されたブラシリード線(436)を有しており、前記ブラシリード線(436)は、細長い導電性部材と、該ブラシリード線(436)を覆って配置されたブラシ摩耗インジケータ(437)とを備えているブラシホルダ(104)
を備えるブラシホルダ装置(100)。
[実施態様12]
前記ブラシ摩耗インジケータ(437)は、熱収縮チューブであり、前記ブラシリード線(436)と前記熱収縮チューブとの間に接着剤が位置する、実施態様11に記載のブラシホルダ装置(100)。
[実施態様13]
前記ブラシ摩耗インジケータ(437)は、前記ブラシホルダ(104)の色に対する対比色を有する、実施態様12に記載のブラシホルダ装置(100)。
[実施態様14]
前記ブラシ摩耗インジケータ(437)は、複数のゾーン(801、802、803;901、902、903、904)を有し、前記複数のゾーン(801、802、803;901、902、903、904)の各々は、残りのブラシ寿命範囲に対応する異なる色またはパターンを有する、実施態様13に記載のブラシホルダ装置(100)。
[実施態様15]
前記ブラシ摩耗インジケータ(437)は、ブラシ(432)の交換を指示するときに前記ブラシ摩耗インジケータ(437)の上端(439)がブラシボックス(430)の上端(433)またはブラシボックス(430)の上端(433)よりも下方に位置するように構成されている、実施態様11に記載のブラシホルダ装置(100)。
[実施態様16]
前記ブラシ摩耗インジケータ(437)は、ブラシ(432)の交換を指示するときに前記ブラシ摩耗インジケータ(437)がブラシボックス(430)の上端(433)またはブラシボックス(430)の上端(433)よりも下方に位置するように構成および配置されたバンド(1001、1002、1003、1004、1005)を備える、実施態様11に記載のブラシホルダ装置(100)。
[実施態様17]
前記ブラシ摩耗インジケータ(437)は、残りのおおよそのブラシ寿命を示すしるしを備える、実施態様11に記載のブラシホルダ装置(100)。
[実施態様18]
前記しるしは、
各々が特定のブラシ残り寿命値においてブラシボックス(430)の上端(433)に位置するように構成および配置された複数のバンド(1001、1002、1003、1004、1005)、または
残りのブラシ寿命をパーセント値で示す数値によるしるし
のうちの1つ以上を備える、実施態様17に記載のブラシホルダ装置(100)。
[実施態様19]
前記ブラシホルダ(104)は、端子圧縮プレート(470)と前記ブラシホルダ(104)の対向面との間に前記ブラシ端子(438)を固定するように構成され、前記ブラシ端子(438)は、手動で係合させられ、あるいはいかなる工具も使用することなく係合させられる、実施態様11に記載のブラシホルダ装置(100)。
[実施態様20]
前記ブラシホルダ(104)は、
電気絶縁性のハンドル(442)を備えるハンドルアセンブリ(440)をさらに備え、前記ハンドル(442)は、該ハンドル(442)とブラシコネクタリード線(436)との間に位置するように構成された電気絶縁性のガード(444)を有し、前記ハンドルアセンブリ(440)は、ブラシ端子圧縮プレート(470)に機械的に接続されたスプリングアセンブリ(460)を有し、前記スプリングアセンブリ(460)は、少なくとも前記電気絶縁性のハンドル(442)がロック位置にあるまで、1つ以上のブラシ端子(438)へと圧力を加えるように構成されている、実施態様11に記載のブラシホルダ装置(100)。
【符号の説明】
【0033】
100 ブラシホルダ装置
102 固定支持部材/固定支持体
103 本体
104 ブラシホルダ
110 ブラシマウント/コレクタ馬蹄型金具/コレクタマウント
120 コレクタリング
210 溝
220 フォーク状電気コネクタ/電気フォーク
230 テーパ状のスロット
240 バー
250 穴
260 導電バー
270 タブ/ボス
410 レール
411 本体部
420 ナイフ状電気コネクタ
430 ブラシボックス/ブラシホルダボックス/ブラシ保持ボックス
431 開口部
432 ブラシ
433 上端
434 ブラシスプリング
436 ブラシコネクタリード線
437 ブラシ摩耗インジケータ/ブラシ残り寿命インジケータ
438 ブラシ端子
439 上端
440 ハンドルアセンブリ
442 ハンドル
444 ガード
450 ロックピン
460 スプリングアセンブリ
470 ブラシ端子圧縮プレート
610 カム部材
612 ばね
620 シャフト
801-803 ゾーン
901-904 ゾーン
1001-1005 バンド