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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-07
(45)【発行日】2022-10-18
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
   A63F 7/02 20060101AFI20221011BHJP
【FI】
A63F7/02 326Z
A63F7/02 334
【請求項の数】 1
(21)【出願番号】P 2018120378
(22)【出願日】2018-06-26
(65)【公開番号】P2020000321
(43)【公開日】2020-01-09
【審査請求日】2021-05-25
(73)【特許権者】
【識別番号】000144153
【氏名又は名称】株式会社三共
(72)【発明者】
【氏名】小倉 敏男
【審査官】小河 俊弥
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-015977(JP,A)
【文献】特開2007-185544(JP,A)
【文献】特開2007-054404(JP,A)
【文献】特開2017-108969(JP,A)
【文献】特開2017-209432(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技を行うことが可能な遊技機であって、
遊技の進行を制御する遊技制御手段と、
複数の電子部品が搭載され、前記遊技制御手段から受信した特定情報に基づいて演出を制御する演出制御手段と、
遊技機に対する電力供給が停止しても記憶内容を保持可能であり、前記複数の電子部品に関する情報を記憶可能な記憶手段と、を備え、
前記演出制御手段は、
外部装置によって送信されるテスト情報を受信可能であり、
前記複数の電子部品における異常な事象が発生した場合に、前記情報を前記記憶手段に書き込む書込処理を実行可能であり、
受信した複数のテスト情報の組み合わせにより、前記記憶手段の検査処理を実行可能であり、
異常な事象としての第1異常事象に対応した第1情報は複数種類あり、
異常な事象としての第2異常事象に対応した第2情報は複数種類あり、
前記第2異常事象は、前記第1異常事象よりも発生する頻度が低く、
前記第1異常事象に対応した前記第1情報を記憶させる場合に、前記第1情報の種類にかかわらず、複数種類の前記第1情報のそれぞれを複数の記憶領域に記憶させ、
前記第2異常事象に対応した前記第2情報を記憶させる場合に、前記第2情報の種類にかかわらず、複数種類の前記第2情報のそれぞれを前記複数の記憶領域よりも少ない記憶領域に記憶させ、
前記記憶手段は、
前記第1異常事象が発生した場合に、前記第1情報が日時情報として記憶され、
前記第2異常事象が発生した場合に、前記第2情報が日時情報として記憶され、
前記複数のテスト情報を受信中に、当該テスト情報の組み合わせ以外の制御情報を受信した場合は、前記検査処理を実行しない、
ことを特徴とする遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パチンコ遊技機等の遊技を行うことが可能な遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
パチンコ遊技機等の遊技機において、演出バックアップ情報を2つのバンクに記憶保持し、2つのバンクの内容が一致しているか否かにより整合性を判定する技術が提案されている(例えば特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2012-192121号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1に記載の技術によると、情報を記憶保持するための効率が低下するおそれがある。
【0005】
この発明は、上記実状に鑑みてなされたものであり、情報を適切に管理可能な遊技機の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)上記目的を達成するために、本願の請求項に係る遊技機は、遊技を行うことが可能な遊技機(例えばパチンコ遊技機1など)であって、遊技の進行を制御する遊技制御手段と、複数の電子部品が搭載され、前記遊技制御手段から受信した特定情報に基づいて演出を制御する演出制御手段(例えば演出制御用マイクロコンピュータ120など)と、遊技機に対する電力供給が停止しても記憶内容を保持可能であり、前記複数の電子部品に関する情報を記憶可能な記憶手段(例えばバックアップデータメモリ210A~210Dなど)とを備え、前記演出制御手段は、外部装置によって送信されるテスト情報を受信可能であり、前記複数の電子部品における異常な事象が発生した場合に、前記情報を前記記憶手段に書き込む書込処理(例えばメモリ書込処理部43AKM11、43AKM12による書込処理など)を実行可能であり、受信した複数のテスト情報の組み合わせにより、前記記憶手段の検査処理を実行可能であり、異常な事象としての第1異常事象に対応した第1情報は複数種類あり、異常な事象としての第2異常事象に対応した第2情報は複数種類あり、前記第2異常事象は、前記第1異常事象よりも発生する頻度が低く、前記第1異常事象に対応した前記第1情報を記憶させる場合に、前記第1情報の種類にかかわらず、複数種類の前記第1情報のそれぞれを複数の記憶領域(例えばバックアップ記憶部43AKA11~43AKA13など)に記憶させ、前記第2異常事象に対応した前記第2情報を記憶させる場合に、前記第2情報の種類にかかわらず、複数種類の前記第2情報のそれぞれを前記複数の記憶領域よりも少ない記憶領域(例えばバックアップ記憶部43AKA21など)に記憶させ、前記記憶手段は、前記第1異常事象が発生した場合に、前記第1情報が日時情報として記憶され、前記第2異常事象が発生した場合に、前記第2情報が日時情報として記憶され、前記複数のテスト情報を受信中に、当該テスト情報の組み合わせ以外の制御情報を受信した場合は、前記検査処理を実行しない。
このような構成によれば、情報を適切に管理可能となる。
【0007】
(2)上記(1)の遊技機において、前記第1情報として前記同一の情報を記憶する前記複数の記憶領域のうち、所定数の記憶領域において記憶情報が正常と判定されたときに、該記憶情報に基づいて復旧処理(例えば電源投入時情報処理による復旧など)を実行可能であってもよい。
このような構成においては、情報を適切に管理可能となる。
【0008】
(3)上記(1)または(2)の遊技機において、前記第2情報に対応する記憶情報が異常と判定されたときに、初期情報を設定する初期処理(例えば電源投入時情報処理による初期値設定など)を実行可能であってもよい。
このような構成においては、情報を適切に管理可能となる。
【0009】
(4)上記(1)から(3)のいずれかの遊技機において、前記第2発生条件は、前記第1発生条件よりも成立する頻度が低くてもよい(例えば節電設定時のバックアップ条件など)。
このような構成においては、情報を適切に管理可能となる。
【0010】
(5)上記(1)から(4)のいずれかの遊技機において、前記第2情報は、前記遊技機の管理者により設定可能な設定情報(例えば節電設定データなど)であってもよい。
このような構成においては、情報を適切に管理可能となる。
【0011】
(6)上記(1)から(5)のいずれかの遊技機において、前記制御手段と前記記憶手段とを接続する接続配線(例えばコネクタ154の端子TM03、TM04およびコネクタ220の端子TM13、TM14に接続された配線など)と、前記制御手段と前記記憶手段との接続状態を確認可能な接続確認用配線(例えばコネクタ154の端子TM01、TM02およびコネクタ220の端子TM11、TM12に接続された配線など)とを備えてもよい。
このような構成においては、情報を適切に管理可能となる。
【0012】
(7)上記(1)から(6)のいずれかの遊技機において、前記複数の電子部品に対する制御信号を出力可能であるとともに、前記記憶手段の記憶情報に応じた読出信号を出力可能な出力手段(例えばコネクタ152~155など)を備えてもよい。
このような構成においては、情報を適切に管理可能となる。
【0013】
(8)上記(1)から(7)のいずれかの遊技機において、前記複数の電子部品に対する制御信号を出力可能な第1出力手段(例えばコネクタ152~155など)と、前記第1出力手段とは異なり前記記憶手段の記憶情報に応じた読出信号を出力可能な第2出力手段(例えばコネクタ156など)とを備えてもよい。
このような構成においては、情報を適切に管理可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】この実施の形態におけるパチンコ遊技機の正面図である。
図2】パチンコ遊技機に搭載された各種の制御基板などを示す構成図である。
図3】演出制御基板に搭載された各種回路などを示す構成図である。
図4】バックアップメモリ基板の構成例などを示す図である。
図5】遊技制御メイン処理の一例を示すフローチャートである。
図6】表示結果判定テーブルの構成例を示す図である。
図7】演出制御メイン処理の一例を示すフローチャートと処理優先度を示す図である。
図8】CPU例外事象発生時処理の一例とVDPエラー割込処理の一例を示すフローチャートである。
図9】演出制御用タイマ割込処理の一例を示すフローチャートである。
図10】遊技用の演出制御コマンドの内容例を示す図である。
図11】テストコマンドとなる演出制御コマンドの内容例を示す図である。
図12】テストコマンドの受信順序と実行する処理との設定例を示す図である。
図13】バックアップ制御テーブルの設定例を示す図である。
図14】メンテナンス履歴画面を表示する具体例を示す図である。
図15】メンテナンス履歴画面を表示する具体例を示す図である。
図16】設定変更/確認履歴の選択操作が行われた場合の具体例を示す図である。
図17】特徴部41AKの説明図である。
図18】特徴部42AKの説明図である。
図19】特徴部42AKの説明図である。
図20】特徴部43AKの説明図である。
図21】特徴部44AKの説明図である。
図22】特徴部45AKの説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図1は、この実施の形態に係るパチンコ遊技機1の正面図である。パチンコ遊技機1は、遊技盤2と、遊技機用枠3とを備えている。その他、パチンコ遊技機1は、遊技機用枠3を回動可能に支持する外枠などを備えている。遊技盤2は、遊技盤面を構成するゲージ盤である。遊技機用枠3は、遊技盤2を固定する台枠である。遊技盤2には、ガイドレールなどによって囲まれた遊技領域が形成されている。発射装置から発射された遊技球(遊技媒体)は、発射通路を通過して、遊技領域に打ち込まれる。遊技機用枠3には、ガラス窓を有するガラス扉枠が回動可能に設けられている。
【0016】
遊技盤2の所定位置には、第1特別図柄表示装置4A、第2特別図柄表示装置4B、画像表示装置5、普通入賞球装置6A、普通可変入賞球装置6B、特別可変入賞球装置7、普通図柄表示器20、第1保留表示器25A、第2保留表示器25B、普図保留表示器25C、通過ゲート41などが設けられている。その他、遊技領域における遊技盤面には、風車や多数の障害釘、一般入賞口、アウト口などが設けられていればよい。遊技領域の周辺部には遊技効果ランプ9が設けられている。遊技機用枠3の左右上部位置にはスピーカ8L、8Rが設けられている。
【0017】
遊技機用枠3の右下部位置には、打球操作ハンドル(操作ノブ)が設けられている。打球操作ハンドルは、遊技球を遊技領域に向けて発射するために遊技者等によって操作され、その操作量(回転量)に応じて遊技球の弾発力が調整される。遊技領域の下方における遊技機用枠3の所定位置には、遊技球を保持(貯留)する上皿(打球供給皿)と、上皿からの余剰球などを保持(貯留)する下皿(余剰球貯留皿)が設けられている。下皿を形成する部材にはスティックコントローラ31Aが取り付けられ、上皿を形成する部材にはプッシュボタン31Bが設けられている。
【0018】
第1特別図柄表示装置4A、第2特別図柄表示装置4B、画像表示装置5の画面上などでは、特別図柄や飾り図柄の可変表示が行われる。これらの可変表示は、普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)したことによる第1始動入賞の発生に基づいて、あるいは、普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)したことによる第2始動入賞の発生に基づいて、実行可能となる。第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、例えば7セグメントやドットマトリクスのLED(発光ダイオード)などを用いて構成され、可変表示ゲームの一例となる特図ゲームにおいて、識別情報(特別識別情報)である特別図柄(特図)が、変動可能に表示(可変表示)される。画像表示装置5は、例えばLCD(液晶表示装置)などを用いて構成され、各種の演出画像を表示する表示領域を形成している。画像表示装置5の画面上では、特図ゲームにおける第1特別図柄表示装置4Aによる特別図柄(第1特別図柄または第1特図)の可変表示や第2特別図柄表示装置4Bによる特別図柄(第2特別図柄または第2特図)の可変表示のそれぞれに対応して、例えば3つといった複数の可変表示部となる飾り図柄表示エリアにて、識別情報(装飾識別情報)である飾り図柄が可変表示される。この飾り図柄の可変表示も、可変表示ゲームに含まれる。一例として、画像表示装置5の画面上には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rが配置されている。
【0019】
画像表示装置5の画面上には、保留記憶表示エリア5Hが配置されている。保留記憶表示エリア5Hでは、特図ゲームに対応した可変表示の保留数(特図保留記憶数)を特定可能に表示する保留表示が行われる。保留表示は、可変表示に関する情報の保留記憶に対応して表示可能なものであればよい。保留記憶表示エリア5Hとともに、あるいは、保留記憶表示エリア5Hに代えて、第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bとを用いた保留表示が行われてもよい。
【0020】
図2は、各種基板や周辺装置などの構成例を示すブロック図である。パチンコ遊技機1には、例えば図2に示すような主基板11、演出制御基板12、ランプ出力基板13、バックアップメモリ基板14、演出データメモリ基板16といった、各種基板が搭載されている。その他、中継基板15、演出制御用中継基板17、音声出力基板18、ドライバ基板19なども搭載されている。さらに、例えば電源基板、払出制御基板、情報端子基板、発射制御基板、インタフェース基板、タッチセンサ基板などといった、各種の基板が搭載されてもよい。各種制御基板は、導体パターンが形成されて電気部品が実装されるプリント配線板などの電子回路基板だけではなく、電子回路基板に電気部品が実装(搭載)されて特定の電気的機能を実現するように構成された電子回路実装基板を含む概念である。
【0021】
パチンコ遊技機1では、外部電源(商用電源)である交流電源からの電力を、電源基板により主基板11や演出制御基板12などの各種制御基板を含めた電気部品に供給可能となるように構成されている。電源基板は、例えば交流(AC)を直流(DC)に変換するための整流回路、所定の直流電圧を特定の直流電圧(例えば直流12Vや直流5Vなど)に変換するための電源回路などを、備えている。電源基板にて生成された電源電圧は、ドロア中継基板を介して主基板11や演出制御基板12などに供給されてもよい。
【0022】
主基板11には、遊技制御用マイクロコンピュータ100、スイッチ回路110、ソレノイド回路111などが搭載されている。主基板11では、ゲートスイッチ21、始動口スイッチ(第1始動口スイッチ22Aおよび第2始動口スイッチ22B)、カウントスイッチ23といった、各種検出用のスイッチから取り込んだ信号が、スイッチ回路110を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送される。ゲートスイッチ21は、通過ゲート41を通過した遊技球(ゲート通過球)を検出する。ゲートスイッチ21によるゲート通過球の検出に基づいて、普通図柄表示器20による普通図柄の可変表示が実行可能となる。第1始動口スイッチ22Aは、普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口にて、通過(進入)した遊技球を検出する。第2始動口スイッチ22Bは、普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口にて、通過(進入)した遊技球を検出する。カウントスイッチ23は、特別可変入賞球装置7が形成する大入賞口にて、通過(進入)した遊技球を検出する。第1始動入賞口や第2始動入賞口、大入賞口といった、各種の入賞口を通過した遊技球が検出された場合には、それぞれの入賞口に対応して予め個数が定められた賞球としての遊技球が払い出される。
【0023】
主基板11では、遊技制御用マイクロコンピュータ100からのソレノイド駆動信号が、ソレノイド回路111を介して普通電動役物用のソレノイド81や大入賞口扉用のソレノイド82に伝送される。普通電動役物用のソレノイド81は、普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口を遊技球が通過しにくい状態(または通過しない状態)と通過しやすい状態(または通過する状態)とに変化可能にする。大入賞口扉用のソレノイド82は、特別可変入賞球装置7に形成された大入賞口を遊技球が通過不可能な状態と通過可能な状態とに変化可能にする。主基板11からは、第1特別図柄表示装置4A、第2特別図柄表示装置4B、普通図柄表示器20などの表示制御を行うための指令信号が伝送される。
【0024】
主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100は、例えば1チップのマイクロコンピュータであり、遊技制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM101と、遊技制御用のワークエリアを提供するRAM102と、遊技制御用のプログラムを実行して制御動作を行うCPU103と、CPU103とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路104と、I/O(Input/Output port)105とを備えて構成される。一例として、遊技制御用マイクロコンピュータ100では、CPU103がROM101から読み出したプログラムを実行することにより、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための処理が実行される。主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100では、例えば乱数回路104やRAM102の所定領域に設けられた遊技用ランダムカウンタなどにより、遊技の進行を制御するために用いられる各種の乱数値を示す数値データが更新可能にカウント(生成)される。遊技の進行を制御するために用いられる乱数は、遊技用乱数ともいう。
【0025】
主基板11には、設定変更状態または設定確認状態に切り替えるための設定キー51と、設定変更状態において大当りの当選確率(出玉率)等の設定値を変更するための設定スイッチとして機能する設定切替スイッチ52が接続されている。設定キー51や設定切替スイッチ52は、主基板11の所定位置に設置されていてもよいし、例えば電源基板の所定位置といった、主基板11の外部に取り付けられていてもよい。設定キー51および設定切替スイッチ52は、パチンコ遊技機1の背面側に設けられており、所定のキー操作により開放可能な遊技機用枠3を開放しない限り操作不可能であり、所定のキーを所持する係員のみが操作可能となる。設定キー51はキー操作を要することから、遊技場の係員のなかでも、設定キー51の操作を行うためのキーを所持する係員のみが操作可能とされている。設定キー51は、所定のキー操作によってオンとオフを切替可能なスイッチであるとともに、切替操作とは異なる操作(例えば押込み操作)を実行可能なスイッチでもある。
【0026】
主基板11には、遊技盤2の前面を開閉可能に覆うガラス扉枠の開放を検知する扉開放センサ90といった、各種のセンサが接続されており、こうしたセンサから出力される検知信号に基づいて、各種の異常(エラー)の発生を判定する機能も備えている。主基板11のスイッチ回路110には、電源基板からのリセット信号、電源断信号、クリア信号が取り込まれ、遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送される。主基板11の背面中央には、表示モニタ29が配置され、表示モニタ29の側方には表示切替スイッチ30が配置されている。表示モニタ29は、例えば7セグメントのLED表示装置を用いて、構成されていればよい。表示モニタ29および表示切替スイッチ30は、遊技機用枠3を開放した状態で遊技盤2の裏面側を視認した場合に、主基板11を視認する際の正面に配置されている。
【0027】
主基板11(遊技制御用マイクロコンピュータ100)は、各入賞口(第1大入賞口、第2大入賞口、第2始動入賞口、第1始動入賞口、一般入賞口、以下、「進入領域」ともいう)への遊技球の進入数の集計を行い、集計による連比、役比などの各種の入賞情報が表示モニタ29に表示されるようになっている。このような入賞情報が表示されることで、遊技場に設置後における連比、役比などの各種の入賞情報を確認できる。パチンコ遊技機1のメーカ側においては、予め定められた頻度で一般入賞口に遊技球が進入するように(試験を通過するように)遊技盤面を設計することが通常である。また、試験を行う際には、予め定められた頻度で一般入賞口に遊技球が進入しているかが確認(検証)される。さらに、パチンコ遊技機1を設置した後においても、調整が行われたか否か、どのような調整が行われているか、その調整の結果、設計どおりの頻度で一般入賞口に遊技球が進入しているかなどが確認(検証)される。そこで、本実施例のパチンコ遊技機1においては、設置後における調整の有無や内容を認識できるようになっている。
【0028】
演出制御基板12は、主基板11とは独立したサブ側の制御基板であり、中継基板15を介して主基板11から伝送された演出制御コマンドに基づいて、画像表示装置5、スピーカ8L、8R、遊技効果ランプ9、演出用モータ60、演出用LED61、その他の演出装置といった、各種の演出用電気部品による演出動作を制御するための各種回路が搭載されている。演出制御基板12は、画像表示装置5における画像表示、スピーカ8L、8Rからの音声出力、遊技効果ランプ9や演出用LED61を構成する発光部材における点灯、演出用可動部材を移動させる演出用モータ60の駆動動作などといった、演出用の電気部品に所定の演出動作を実行させるための制御内容を決定する機能を備えている。図2に示す演出制御基板12には、演出制御用マイクロコンピュータ120、外部ROM121、外部RAM121といった、電子部品が搭載されている。
【0029】
演出制御基板12には、画像表示装置5に対して映像信号を伝送するための配線や、ランプ出力基板13に対して電飾信号を伝送するための配線、バックアップメモリ基板14との間でバックアップ制御信号などを伝送するための配線、演出データメモリ基板16との間で演出データ信号を伝送するための配線などが接続されている。演出制御用中継基板17を介して音声出力基板18やドライバ基板19に各種信号を伝送するための配線も接続されている。音声出力基板18に伝送される情報信号は、スピーカ8L、8Rからの音声出力を指定する音声信号(効果音信号)を含んでいればよい。ドライバ基板19に伝送される情報信号は、演出用モータ60の駆動により演出用可動部材を移動させるための指令や制御データを示す駆動制御信号を含んでいてもよい。ドライバ基板19に伝送される情報信号は、演出用LED61を点灯させるための発光データを示す点灯信号を含んでいてもよい。演出制御基板12には、動作検出信号を受信するための配線が接続されていてもよい。動作検出信号は、スティックコントローラ31Aを用いた遊技者の動作が検出されたことを示す検出信号を含んでいてもよい。動作検出信号は、プッシュボタン31Bを用いた遊技者の動作が検出されたことを示す検出信号を含んでいてもよい。
【0030】
ランプ出力基板13は、演出制御基板12とは別個に設けられたランプ出力用の基板であり、演出制御基板12からの電飾信号に従って、遊技効果ランプ9などに駆動電流を供給するドライバICなどが搭載されている。バックアップメモリ基板14は、演出制御基板12とは別個に設けられたバックアップデータ記憶用の基板であり、演出制御基板12からのバックアップ制御信号に従って、バックアップデータの書込処理や読出処理を実行可能に構成されている。バックアップデータの書込処理は、バックアップデータメモリにバックアップデータを書き込んで記憶させる。バックアップデータの読出処理は、バックアップデータメモリに記憶されたバックアップデータを読み出して演出制御基板12などに伝送する。演出データメモリ基板16は、演出制御基板12とは別個に設けられた演出データ記憶用の基板であり、演出制御基板12からの演出データ制御信号に従って、演出データの読出処理を実行可能に構成されている。演出データの読出処理は、演出データメモリに記憶された演出データを読み出して演出制御基板12などに伝送する。演出データメモリ基板16には、演出データを記憶可能な演出データメモリが搭載されている。演出データメモリには、画像表示装置5における表示画像を示す各種の画像データを記憶する記憶領域、スピーカ8L、8Rから出力される音声を示す各種の音声データを記憶する記憶領域、演出用モータ60の駆動制御内容を示す各種のモータデータを記憶する記憶領域、遊技効果ランプ9および演出用LED61の点灯制御内容を示す各種の発光データを記憶する記憶領域などが、予め設けられていればよい。演出データメモリは、例えば書換不能な半導体メモリであってもよいし、NAND?ROMといったフラッシュメモリなどの書換可能な半導体メモリであってもよく、あるいは、磁気メモリ、光学メモリといった、不揮発性記録媒体のいずれかを用いて構成されたものであればよい。
【0031】
演出制御用中継基板17は、遊技盤2の裏面に取り付けられた裏パックなどに設置され、演出制御基板12から音声出力基板18やドライバ基板19に向けて伝送される各種信号を中継する。裏パックは、遊技盤2の裏面側の中央部分に取り付けられ、その中央には画像表示装置5が臨む開口が形成されていればよい。裏パックは、主基板11やランプ出力基板13、音声出力基板18、ドライバ基板19の一部または全部を、後方から覆うように設けられてもよい。裏パックの後面側には、演出制御基板12、バックアップメモリ基板14、演出データメモリ基板16の一部または全部が収容された演出制御基板ボックスが取り付けられてもよい。主基板11は、遊技場の係員などが操作可能な設定キー51および設定切替スイッチ52とともに、基板ケースに収容されてもよい。この場合には、主基板11に配置された表示モニタ29および表示切替スイッチ30も、基板ケースに収容されるようにすればよい。設定キー51、設定切替スイッチ52および表示切替スイッチ30は、基板ケースを開放しなくても操作可能となるように基板ケースの背面に形成された開口を介して露出していればよい。音声出力基板18は、演出制御基板12とは別個に設けられた音声出力用の基板であり、演出制御基板12からの音声信号に従って、音出力装置となるスピーカ8L、8Rから音声を出力させるための各種回路が搭載されている。ドライバ基板19は、演出制御基板12とは別個に設けられた駆動制御用の基板であり、演出制御基板12からの情報信号に基づき、演出用モータ60の駆動信号や演出用LED61の点灯信号を供給するドライバICなどが搭載されている。
【0032】
設定キー51および設定切替スイッチ52が収容された基板ケースを、遊技機用枠3の閉鎖時に背面側から被覆するセキュリティカバーが取り付けられてもよい。遊技機用枠3が閉鎖されている状態において、パチンコ遊技機1の背面側から、設定キー51および設定切替スイッチ52が収容された基板ケースを、セキュリティカバーによって被覆する。これにより、設定キー51および設定切替スイッチ52は、遊技機用枠3が閉鎖されているときに操作不能な状態となる。遊技機用枠3が開放されている状態においては、セキュリティカバーが基板ケースから離間することによって、設定キー51および設定切替スイッチ52の操作が許容される許容状態となればよい。設定キー51および設定切替スイッチ52は、遊技機用枠3が閉鎖されている状態では、パチンコ遊技機1の正面側から操作が不可能となっている。また、セキュリティカバーが設定キー51および設定切替スイッチ52を含めた基板ケースを被覆することで、パチンコ遊技機1が設置される遊技島の内側等から操作される不都合も防止できる。
【0033】
主基板11から演出制御基板12に向けて伝送される制御信号は、中継基板15によって中継される。中継基板15を介して主基板11から演出制御基板12に対して伝送される制御コマンドは、例えば電気信号として送受信される演出制御コマンドである。演出制御コマンドには、表示制御コマンドが含まれていてもよい。表示制御コマンドは、画像表示装置5における画像表示動作を制御するために用いられる。演出制御コマンドには、音声制御コマンドが含まれていてもよい。音声制御コマンドは、スピーカ8L、8Rからの音声出力を制御するために用いられる。演出制御コマンドは、点灯制御コマンドを含んでいてもよい。点灯制御コマンドは、遊技効果ランプ9や演出用LED61の点灯動作などを制御するために用いられる。可動制御コマンドは、演出用モータ60の駆動力による演出用可動部材の動作制御などに用いられる。これらのコマンドは、それぞれが別個に演出制御コマンドを構成してもよいし、一部または全部の組合せが演出制御コマンドを構成してもよい。
【0034】
主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100は、例えば1チップのマイクロコンピュータであり、遊技制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM(Read Only Memory)101と、遊技制御用のワークエリアを提供するRAM(Random Access Memory)102と、遊技制御用のプログラムを実行して制御動作を行うCPU(Central Processing Unit)103と、CPU103とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路104と、I/O(Input/Output port)105とを備えて構成される。なお、乱数回路104は、遊技制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されるものに限定されず、遊技制御用マイクロコンピュータ100に外付されるものであってもよい。
【0035】
一例として、遊技制御用マイクロコンピュータ100では、CPU103がROM101から読み出したプログラムを実行することにより、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための処理が実行される。このときには、CPU103がROM101から固定データを読み出す固定データ読出動作や、CPU103がRAM102に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、CPU103がRAM102に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。乱数回路104は、遊技の進行を制御するために用いられる各種の乱数値の一部または全部を示す数値データをカウントするものであればよい。
【0036】
遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるROM101には、ゲーム制御用のプログラムの他にも、遊技の進行を制御するために用いられる各種の選択用データ、テーブルデータなどが格納されている。例えば、ROM101には、CPU103が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブル、設定テーブルなどを構成するデータが記憶されている。また、ROM101には、CPU103が主基板11から各種の制御コマンドとなる制御信号を送信するために用いられる複数のコマンドテーブルを構成するテーブルデータや、変動パターンを複数種類格納する変動パターンテーブルを構成するテーブルデータなどが、記憶されている。
【0037】
図3は、演出制御基板12に搭載された各種回路の構成例を示している。演出制御基板12に搭載された演出制御用マイクロコンピュータ120、外部ROM121、外部RAM122といった電子部品のうち、一部または全部の部品は、コネクタソケットに対してコネクタピンを挿抜することなどにより着脱可能に取り付けられてもよく、他の部品は、半田付けなどにより実装可能に取り付けられてもよい。演出制御基板12には、これらの電子部品とともに、コネクタ150~156が実装されている。演出制御用マイクロコンピュータ120は、CPU131、内部ROM132、内部RAM133、ウォッチドッグタイマ134、タイマ回路135、割込コントローラ136、シリアル通信回路137、クロック回路138、VDP(Video Display Processor)140、音声処理回路141、ランプ制御回路142、モータ制御回路143といった、複数の電子部品を含んで構成されている。演出制御用マイクロコンピュータ120は、これらの電子部品を統合化した演出制御用のマイクロプロセッサであればよい。CPU131は、演出制御用のコンピュータプログラムに従い制御処理を実行する。内部ROM132は、例えばファームウェアといった、CPU131によって実行される制御処理の基本プログラムや、演出制御用マイクロコンピュータ120に固有のシステム設定データなどを固定的に記憶する。内部RAM133は、CPU131のワークエリアを提供する。ウォッチドッグタイマ134は、内蔵レジスタの設定に基づいてカウントアップまたはカウントダウンするカウンタ回路を有し、計測時間が監視時間(タイムアウト時間)を経過してタイムアウトが発生したときに、時間経過信号となるタイムアウト信号を発生させる。CPU131は、ウォッチドッグタイマ134を定期的にクリアしリスタートさせる。何らかの障害などによりCPU131の処理に遅延が生じて、ウオッチドッグタイマ134をクリアできずに計測時間が監視時間を経過したときには、タイムアウト信号が発生してCPU131による処理がリセットされる。
【0038】
タイマ回路135は、例えば8ビットのプログラマブルカウンタを4チャネル(CH0~CH3)内蔵して構成され、リアルタイム割込の発生や時間計測が可能な回路である。タイマ回路135では、チャネルごとに予め設定したカウント初期値から所定周期でカウントダウンを開始し、カウント値が「00」となったチャネルがあるときには、そのチャネルに対応した割込フラグをオン状態にセットする。このとき、割込許可状態であれば、タイマ回路135は割込コントローラ136により、CPU131に対する割込要求を発生させる。タイマ回路135は、RTC(Real Time Clock)としての機能を備えてもよい。RTCは、現在の日付や時刻を計測して、日付情報および時刻情報を含む日時情報を出力可能である。
【0039】
割込コントローラ136は、演出制御マイクロコンピュータ120で発生する各種の割込要求などを制御可能な回路である。割込コントローラ136が制御する割込は、Xクラス割込(XIRQ)、Iクラス割込(IRQ)、ソフトウェア割込(SWI)、イリーガルオペコードトラップ(ILGOP)といった、複数種類の割込を含んでいてもよい。割込コントローラ136は、割込の種類ごとに割込の許否や割込の優先度を設定するための割込制御レジスタを備える。例えば、割込コントローラ136には、シリアル受信割込設定用、タイマ割込設定用、Vシンク割込設定用といった、各種割込に対応した割込制御レジスタが設けられていればい。なお、Vシンク割込は、画像表示装置5に演出画像などを描画するVDP140からの垂直同期信号が出力されるタイミングにあわせた割込である。それぞれの割込に対応した割込制御レジスタには、対応する割込の許否を示す内部情報データ(割込許否データ)と、対応する割込の優先度を示す内部情報データ(割込優先度データ)とが、設定可能であればよい。割込の許否は、例えば割込許否データの値が「0」であれば対応する割込が許可状態に設定され、割込許否データの値が「1」であれば対応する割込が禁止状態に設定される。割込の優先度は、例えば割込優先度データにより16段階(4ビット)の数値で設定され、「0000(=0H)」の場合に対応する割込の優先度が最も高くなり、「1111(=FH)」の場合に対応する割込の優先度が最も低くなる。シリアル受信割込設定用、タイマ割込設定用、Vシンク割込設定用の割込制御レジスタに限定されず、例えば、外部割込、シリアル送信割込、乱数回路の乱数取込による割込といった、演出の制御に関連する任意の割込に対応して、割込制御レジスタを備えてもよい。
【0040】
割込制御レジスタに設定される内部情報データは、予め内部ROM132の所定領域(プログラム管理エリアなど)に設定されている。CPU131は、パチンコ遊技機1への電源投入時に、プログラム管理エリアなどの設定内容に従って、シリアル通信回路137の設定や、乱数生成の設定、内部リセット動作の設定などを行う。このとき、割込コントローラ136が備えるシリアル受信割込設定用、タイマ割込設定用、Vシンク割込設定用といった、各種割込に対応した割込制御レジスタの内部情報データを設定する。これにより、シリアル受信割込やタイマ割込、Vシンク割込などの設定が行われる。例えばシリアル受信割込設定用、タイマ割込設定用、Vシンク割込設定用の割込制御レジスタでは、内部情報データのうちの割込許否データが、いずれも「0」の値を示し、シリアル受信割込、タイマ割込、Vシンク割込は、いずれも許可状態に設定される。また、内部情報データのうちの割込優先度データは、シリアル受信割込の方がタイマ割込よりも優先度が高く、タイマ割込の方がVシンク割込よりも優先度が高くなるように、それぞれに対応する4ビット値が設定される。なお、割込コントローラ136の内部または外部には、リセットコントローラが設けられてもよい。リセットコントローラは、演出制御用マイクロコンピュータ120で発生する各種のリセットを制御する。リセットコントローラが制御するリセットには、システムリセットとユーザリセットが含まれている。システムリセットは、SRST端子にローレベルの信号が一定期間にわたり入力されたときに発生する。ユーザリセットは、URST端子にローレベルの信号が一定期間にわたり入力された場合、ウォッチドッグタイマ134のタイムアウト信号が発生した場合、指定エリア外走行禁止(IAT)信号が発生した場合、インターバルリセット信号が発生した場合など、予め定めたユーザリセット要因により発生する。
【0041】
シリアル通信回路137は、演出制御基板12以外の各種基板や各種回路に対して、シリアル通信方式で通信データを送受信可能な回路である。シリアル通信回路137は、例えばUART(Universal Asynchronous Receiver Transmitter)、SPI(Serial Peripheral Interface)、I2C(Inter-Integrated Circuit)といった、複数種類のシリアル通信規格に対応した通信データを送受信可能であればよい。シリアル通信回路137は、受信部、送信部、通信制御部、シリアル通信データレジスタ、シリアルステータスレジスタ、シリアル制御レジスタなどを含んで構成された複数の通信処理部を備えていればよい。UARTは、調歩同期式のシリアル通信規格であり、スタートビットやストップビットを用いて通信データを転送する。この場合には、クロック信号線が不要になるが、通信速度(ボーレート)は比較的に低速となる。SPIやI2Cは、クロック同期式のシリアル通信規格であり、クロック信号を用いて通信データを転送する。この場合には、クロック信号線が必要になるが、通信速度(ボーレート)は比較的に高速となる。SPIの場合には、クロック信号、送信データ信号、受信データ信号、スレーブ選択信号のそれぞれに対応した信号線が設けられる。I2Cの場合には、クロック信号と、データ信号のそれぞれに対応した信号線が設けられる。シリアル通信回路137が備える複数の通信処理部は、こうした複数種類のシリアル通信規格に応じて、異なるハードウェア構成を有していればよい。クロック回路138は、例えばCPU131やVDP140といった、演出制御用マイクロコンピュータ120の各回路に供給するクロック信号を生成する回路である。例えばクロック回路は、クロック入力端子に入力された外部クロックを分周して内部システムクロック信号を生成し、演出制御用マイクロコンピュータ120の各回路に供給する。
【0042】
VDP140は、CPU131からの表示制御指令やレジスタ設定などに基づいて、画像表示装置5における画像表示の制御内容を決定する。例えばVDP140は、画像表示装置5の画面上に表示させる演出画像の切換タイミングを決定することなどにより、飾り図柄の可変表示や各種の演出表示を実行させるための制御を行う。VDP140は、高速描画機能や動画像データ分離機能、映像デコード機能といった画像データ処理機能を有する画像プロセッサである。VDP140は、GPU(Graphics Processing Unit)、GCL(Graphics Controller LSI)、あるいは、より一般的にDSP(Digital Signal Processor)と称される画像処理用のマイクロプロセッサであってもよい。音声処理回路141は、CPU131やVDP140からの命令やレジスタ設定に基づいて、スピーカ8L、8Rによる音声出力に用いられる音声信号を生成可能である。ランプ制御回路142は、遊技効果ランプ9や演出用LED61といった発光部材の点灯や消灯や点滅などの点灯態様(発光態様)に応じた電飾信号を生成可能である。モータ制御回路143は、演出用モータ60を駆動するために用いられる駆動制御信号を生成可能である。
【0043】
外部ROM121は、演出制御用マイクロコンピュータ120による演出制御の具体的内容として、CPU131が実行するシステムプログラムやユーザプログラムなどを構成する命令コード、管理データ、テーブルデータ、演出制御パターンなどを構成する各種データを、固定的に記憶する。外部RAM122は、内部RAM133の補助領域として、各種データなどを一時記憶する。コネクタ150~156は、例えばレセプタクルを用いて構成され、各種の信号配線を着脱自在に接続可能な配線接続装置の構成を有している。コネクタ150~156は、演出制御基板12において互いに異なる配線パターンといった、異なる経路を介して各種信号を出力可能にする。コネクタ150は、主基板11との間で電気的に接続される主基板配線を接続可能な主基板配線用のコネクタポートである。コネクタ151は、電源基板といった電源部との間で電気的に接続される電源配線を接続可能な電源配線用のコネクタポートである。コネクタ152は、演出制御用中継基板17といった演出中継部との間で電気的に接続される演出中継配線を接続可能な演出中継配線用のコネクタポートである。コネクタ153は、ランプ出力基板13や遊技効果ランプ9の一部または全部が設けられた枠ランプ部との間で電気的に接続される枠ランプ配線を接続可能な枠ランプ配線用のコネクタポートである。コネクタ154は、バックアップメモリ基板14といったバックアップ部との間で電気的に接続されるバックアップ配線を接続可能なバックアップ配線用のコネクタポートである。コネクタ155は、演出データメモリ基板16といった演出データ部との間で電気的に接続される演出データ配線を接続可能な演出データ配線用のコネクタポートである。コネクタ156は、検査用や試験用または開発用の情報処理装置(パーソナルコンピュータなど)との間で電気的に接続される検査配線を接続可能な検査配線用のコネクタポートである。検査用の情報処理装置は、例えば特定のソフトウェアプログラムを実行することにより、パチンコ遊技機1の検査装置として機能するものであればよい。このように、コネクタ156は、パチンコ遊技機1の検査装置が接続される接続部材として使用される電子部品となる。
【0044】
コネクタ156は、例えばパチンコ遊技機1の試作段階、開発段階、あるいは、製造段階にて、検査配線を接続可能とし、演出制御コマンドとは異なるテストコマンドに応じて、演出制御用マイクロコンピュータ120が出荷前の検査処理を実行可能となるようにしてもよい。出荷前の検査処理は、例えば試作中や開発中におけるソフトウェアプログラムの完成前にて、演出制御用マイクロコンピュータ120がプログラムコードの一部または全部を実行したときの内部パラメータや入出力信号などを、検証可能な処理を含んでいてもよい。出荷前などに検査処理が実行される検証環境は、例えばパチンコ遊技機1が遊技機設置島に設置された状態に対応する実行環境であってもよいし、パチンコ遊技機1を単独でパーソナルコンピュータなどの情報処理装置と接続して動作状況を確認可能とする実行環境であってもよい。また、コネクタ156は、例えばパチンコ遊技機1の回収段階にて、検査配線を接続可能とし、演出制御コマンドとは異なるテストコマンドに応じて、バックアップデータの読出処理を実行可能となるようにしてもよい。あるいは、コネクタ156は、例えばパチンコ遊技機1の出荷段階にて取り外されてもよい。あるいは、コネクタ156は、パチンコ遊技機1が遊技場に設置される機種以外のデモ用や試験用など所定の機種にのみ搭載され、量産されて遊技場に設置される機種(量産機)には搭載されないものであってもよい。演出制御基板12の基板表面には、コネクタ156を実装可能なランドが形成されていればよい。コネクタ156が取り外されたり搭載されなかったりする場合に、コネクタ156が実装されなくなったランドの銅箔パターンには、半田処理が行われてもよい。半田処理は、銅箔パターンの露出部分に半田を塗布する処理であり、例えばクリーム半田印刷機を用いて行われてもよいし、クリーム半田印刷機を用いない任意の方法により行われてもよい。コネクタ156を実装する場合と実装しない場合とでは、同じ工程の半田処理が行われてもよいし、互いに異なる工程の半田処理が行われてもよい。同じ工程の半田処理が行われる場合には、ランドに半田を塗布するためのクリーム半田印刷機で用いられるメタルマスクを複数パターン作製する必要がないため、基板作製に要する費用の増大を防止できる。コネクタ156のような電子部品を実装しない未実装ランドに半田処理を行うことで、銅箔パターンの酸化を防ぎ、配線パターンの腐食による断線といった不具合を防止して、基板の品質を適切に維持することができる。
【0045】
なお、コネクタ156といった電子部品が未実装の場合に、電子部品が実装されないランドの銅箔パターンは、半田処理をされて被覆されるものに限定されず、例えば絶縁被膜であるレジストが塗布されて被覆されてもよい。このように電子部品が実装されないランドを任意の方法により被覆することで、銅箔パターンの酸化を防ぎ、配線パターンの腐食による断線といった不具合を防止して、基板の品質を適切に維持することができればよい。これに対し、電子部品が実装されないランドは、半田処理などにより被覆されないようにしてもよい。例えばランドが半田処理される場合には、導体としての半田が銅箔パターンに付着することにより、配線パターンに意図しない短絡(ショート)や電流経路が生じるおそれがある。そこで、電子部品が実装されないランドは、半田処理を行わないことで、銅箔パターンに対する半田の付着を防ぎ、配線パターンの短絡や電流経路の変化といった不具合を防止して、基板の品質を適切に維持することができる。半田処理に代えて絶縁被膜処理を行うことで、銅箔パターンに対する半田の付着を防ぎ、配線パターンの短絡や電流経路の変化といった不具合を防止して、基板の品質を適切に維持することができるようにしてもよい。
【0046】
図4(A)は、バックアップメモリ基板14に搭載された各種回路の構成例を示している。バックアップメモリ基板14には、メモリコントローラ200、RTC201、シリアル通信回路202、検査用接続部203、バックアップデータメモリ210A~210D、コネクタ220が設けられている。このように、バックアップメモリ基板14には、複数のバックアップデータ記憶部として、バックアップデータメモリ210A~210Dが設けられている。メモリコントローラ200は、演出制御基板12からのバックアップ制御信号に従って、バックアップデータの書込処理や読出処理を実行可能である。RTC201は、現在の日付や時刻を計測して、日付情報および時刻情報を含む日時情報を、メモリコントローラ200に供給可能である。シリアル通信回路202は、演出制御基板12に対して、シリアル通信方式で通信データを送受信可能な回路である。シリアル通信回路202は、例えばSPIといった、特定のシリアル通信規格に対応した通信データを送受信可能であればよい。シリアル通信回路202は、こうした特定のシリアル通信規格に対応したハードウェア構成の通信処理部を備えていればよい。検査用接続部203は、例えばテストポイントといった、検査信号を入出力可能な端子を含む特定導体部として形成されていればよい。検査用接続部203がテストポイントである場合には、検査用接続部203にテストプローブを接触させ、検査装置と演出制御基板12の演出制御用マイクロコンピュータ120との間で、検査信号の入出力や、バックアップデータの読出しなどを行うことができればよい。検査用接続部203は、演出制御基板12の演出制御用マイクロコンピュータ120を介することなく、検査装置とバックアップメモリ基板14のメモリコントローラ200あるいはバックアップデータメモリ210A~210Dとの間で、検査信号の入出力や、バックアップデータの読出しなどを行うことができるようにしてもよい。このように、検査用接続部203は、バックアップメモリ基板14において、外部装置となる検査装置との間でデータ通信を行う場合のインタフェースを提供可能である。
【0047】
バックアップデータメモリ210A~210Dは、一部または全部がFRAM(登録商標)(Ferroelectric RAM)といった不揮発性強誘電体メモリを用いて構成されてもよく、一部または全部が電池付きSRAM(Static RAM)を用いて構成されてもよい。バックアップデータメモリ210A~210Dは、一部または全部がNAND-ROMといったフラッシュメモリやEEPROM、HDD(Hard Disk Drive)を用いて構成されてもよい。FRAM(登録商標)と称される不揮発性強誘電体メモリは、強誘電体膜をキャパシタ絶縁膜として用いたメモリセルを有し、動作電源をオフ状態にしてもメモリセルに書かれている記憶データは失われない。FRAM(登録商標)を用いた構成では、データ保持にバッテリバックアップが不要で、フラッシュメモリやEEPROM、HDDなどの不揮発性メモリと比較して、高速書込み、高書換え回数、低消費電力となる。これにより、設置面積の増大を防止するとともに、装置構成を簡素化して、動作効率が高められ、バックアップデータを適切に記憶して保存することができる。また、電池の廃棄が不要になり、電池の交換による記憶内容の消滅が防止され、バックアップデータを適切に記憶して保存することができる。なお、バックアップデータメモリ210A~210Dは、電源基板が搭載するバックアップ電源によってバックアップされてもよい。このように、バックアップデータメモリ210A~210Dは、パチンコ遊技機1に対する電力供給が停止しても記憶内容を保持可能である。バックアップデータメモリ210A~210Dは、例えば一部または全部がFRAM(登録商標)を用いて構成された場合など、バックアップ電源を用いずに記憶内容を保持可能であってもよい。あるいは、バックアップデータメモリ210A~210Bは、例えば一部または全部が電池付きSRAMを用いて構成された場合など、バックアップ電源を用いて記憶内容を保持可能であってもよい。
【0048】
バックアップメモリ基板14では、RTC201が出力する日時情報を用いて、バックアップデータメモリ210A~210Dに設けられたログ領域に、各種のログ情報を記憶して保管する。メモリコントローラ200は、演出制御基板12の演出制御用マイクロコンピュータ120から送られた命令や指示に応じて、バックアップデータメモリ210A~210Dに対する記憶データの書込処理や読出処理を実行可能である。この場合に、日時情報を含めたログ情報を示す記憶データの書込処理や読出処理を実行することにより、パチンコ遊技機1における遊技や演出に用いられる複数の電子部品に関する動作履歴、設定履歴、エラー履歴などを、事後的に検証可能となるように記憶できればよい。
【0049】
図4(B)は、演出制御基板12とバックアップメモリ基板14とを接続するための構成例を示している。演出制御基板12は、バックアップメモリ基板14のコネクタ220に対して着脱可能なコネクタ154を備える。バックアップメモリ基板14は、演出制御基板12のコネクタ154に対して着脱可能なコネクタ220を備える。コネクタ154とコネクタ220とを結合することにより、演出制御基板12とバックアップメモリ基板14とを物理的および電気的に接続することができる。演出制御基板12に設けられたコネクタ154は、端子TM01~TM06を備えている。バックアップメモリ基板14に設けられたコネクタ220は、端子TM11~TM16を備えている。コネクタ154が備える端子TM01~TM06と、コネクタ220が備える端子TM11~TM16は、コネクタ154およびコネクタ220が結合された場合に、それぞれ対応する端子(例えば端子TM01と端子TM11)が物理的および電気的に接続される関係であればよい。
【0050】
演出制御基板12のコネクタ154が備える端子TM01は、VD1といった、特定電圧を提供可能とする。演出制御基板12のコネクタ154が備える端子TM02は、バックアップメモリ基板14との接続確認に用いられる特定電圧のVD1を受電可能となる。例えば、演出制御基板12のコネクタ154が備える端子TM01から出力された特定電圧VD1は、バックアップメモリ基板14のコネクタ220が備える端子TM11に供給される。コネクタ220の端子TM11、TM12は、バックアップメモリ基板14の基板上で短絡されていればよい。したがって、コネクタ154とコネクタ220とが結合された状態の場合には、バックアップ基板14におけるコネクタ220の端子TM12から、演出制御基板12におけるコネクタ154の端子TM02へと、VD1に対応する電圧が供給される。これに対し、コネクタ154とコネクタ220とが結合されていない未接続状態の場合には、演出制御基板12におけるコネクタ154の端子TM02に対する電圧の供給が行われない。
【0051】
演出制御基板12において、演出制御用マイクロコンピュータ120のCPU131は、バックアップメモリ基板14との接続状態を確認するために、コネクタ154の端子TM02における電圧値を判定する。この場合に、端子TM02の電圧値がVD1に対応した高電圧値であれば、演出制御基板12とバックアップメモリ基板14とが接続された状態(接続状態)であると判定できる。これに対し、端子TM02の電圧値が電圧未供給に対応した低電圧値であれば、演出制御基板12とバックアップメモリ基板14とが接続されていない状態(未接続状態)であると判定できる。このように、接続確認用部材となる端子TM02における電圧に基づいて、演出制御基板12とバックアップメモリ基板14との接続状態を確認すればよい。なお、端子電圧に基づいて接続状態を確認するものに限定されず、例えば特定信号の入力状態に基づいて接続状態を確認するものであってもよい。あるいは、スイッチやセンサを接続確認用部材として用いて接続状態を確認するものであってもよい。
【0052】
演出制御基板12のコネクタ154が備える端子TM03~TM06は、演出制御用マイクロコンピュータ120が備えるシリアル通信回路137と配線接続されている。バックアップメモリ基板14のコネクタ220が備える端子TM13、TM14は、シリアル通信回路202と配線接続されている。したがって、コネクタ154の端子TM03、TM04およびコネクタ220の端子TM11、TM12に接続された配線は、シリアル通信回路137およびシリアル通信回路202を介して、演出制御用マイクロコンピュータ120のCPU131と、バックアップメモリ基板14のバックアップデータメモリ210A~210Dとの間で、記憶データが転送可能となるように、電気的な接続を提供する。バックアップメモリ基板14のコネクタ220が備える端子TM15、TM16は、検査用接続部203と配線接続されている。これにより、コネクタ154の端子TM05、TM06およびコネクタ220の端子TM15、TM16に接続された配線は、シリアル通信回路137を介して、演出制御用マイクロコンピュータ120のCPU131と、バックアップメモリ基板14の検査用接続部203との間で、検査信号の送受信や記憶データの転送が可能となるように、電気的な接続を提供する。
【0053】
バックアップメモリ基板14は、演出制御基板12に対して着脱可能に構成されている。これにより、例えばバックアップデータメモリ210A~210Dを使用しないパチンコ遊技機1の場合には、バックアップメモリ基板14を取り外した構成とすることができ、装置構成の柔軟性が高められるとともに、製造コストの増大を防止できる。また、バックアップメモリ基板14を取り外して記憶データの読出や解析を行うことができるので、記憶データを検査する作業負担を軽減できる。演出制御基板12に設けられた演出制御用マイクロコンピュータ120のタイマ回路135が備えるRTCは、例えば複数のパチンコ遊技機1が連動した演出を実行するためのタイミング調整用に現在時刻を提供する場合があり、比較的に高精度のものが必要とされる。これに対し、バックアップメモリ基板14のRTC201は、バックアップデータメモリ210A~210Dに対して実行された記憶処理の前後関係を特定できればよいので、比較的に低精度のもので充分に用途を満足させることができる。このように、バックアップメモリ基板14のRTC201は比較的に低精度のものであればよいので、製造コストの増大を防止できる。なお、バックアップメモリ基板14が備える構成および機能は、演出制御基板12が備えるように構成されてもよい。例えばバックアップデータメモリ210A~210Dの構成および機能は、外部RAM122によって実現されるものであってもよい。この場合でも、例えば演出制御基板12における配線パターン、あるいは、スイッチやセンサを、接続確認用部材として用いて接続状態を確認するものであってもよい。
【0054】
パチンコ遊技機1においては、遊技媒体としての遊技球を用いた所定の遊技が行われ、その遊技結果に基づいて所定の遊技価値が付与可能となる。遊技球を用いた遊技の一例として、パチンコ遊技機1における遊技機用枠3の右下部位置に設けられた打球操作ハンドルが遊技者によって所定操作(例えば回転操作)されたことに基づいて、所定の打球発射装置が備える発射モータなどにより、遊技媒体としての遊技球が遊技領域に向けて発射される。遊技領域を流下した遊技球が、各種の入賞口を通過(進入)した場合に、賞球としての遊技球が払い出される。例えば遊技球が通過ゲート41を通過したことに基づいて、普通図柄表示器20による普図ゲームが実行可能となる。普図ゲームでは、普通図柄の可変表示を行い、普図当り図柄となる特定の普通図柄が停止表示されると、普通図柄の表示結果が「普図当り」となる。普通図柄の可変表示を行い、普図当り図柄以外の普図ハズレ図柄となる普通図柄が停止表示されると、普通図柄の表示結果が「普図ハズレ」となる。「普図当り」の場合には、普通可変入賞球装置6Bを所定期間にて開放状態とする開放制御が行われ、第2始動入賞口が開放状態になる。普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口を遊技球が通過した場合には、第1始動入賞が発生する。普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口を遊技球が通過した場合には、第2始動入賞が発生する。第1始動入賞や第2始動入賞の発生に基づいて、特別図柄や飾り図柄の可変表示が実行可能となる。特別図柄は、大当り図柄とはずれ図柄を含み、大当り図柄が停止表示(導出)された場合には可変表示結果が「大当り」となり、はずれ図柄が停止表示(導出)された場合には可変表示結果が「ハズレ」となる。特別図柄や飾り図柄の可変表示結果が「大当り」となった場合には、大入賞口が開放されて遊技球が通過(進入)しやすい状態となることで、遊技者にとって有利な有利状態としての大当り遊技状態となる。
【0055】
有利状態は大当り遊技状態に限定されず、時短状態や確変状態といった特別遊技状態が含まれてもよい。その他、大当り遊技状態にて実行可能なラウンド遊技の上限回数が第2ラウンド数(例えば「7」)よりも多い第1ラウンド数(例えば「15」)となること、時短状態にて実行可能な可変表示の上限回数が第2回数(例えば「50」)よりも多い第1回数(例えば「100」)となること、確変状態における大当り確率が第2確率(例えば1/50)よりも高い第1確率(例えば1/20)となること、通常状態に制御されることなく大当り遊技状態に繰り返し制御される回数である連チャン回数が第2連チャン数(例えば「5」)よりも多い第1連チャン数(例えば「10」)となることの一部または全部といった、遊技者にとってより有利な遊技状況となることが含まれていてもよい。
【0056】
次に、本実施例におけるパチンコ遊技機1の動作(作用)を説明する。主基板11では、所定の電源基板からの電力供給が開始されると、遊技制御用マイクロコンピュータ100が起動し、CPU103によって遊技制御メイン処理が実行される。
【0057】
図5は、主基板11において、遊技制御用マイクロコンピュータ100のCPU103が実行する遊技制御メイン処理の一例を示すフローチャートである。遊技制御メイン処理では、割込禁止に設定する(ステップS1)。続いて、必要な初期設定を行う(ステップS2)。初期設定には、スタックポインタの設定、内蔵デバイス(CTC(カウンタ/タイマ回路)、パラレル入出力ポート等)のレジスタ設定、RAM102をアクセス可能状態にする設定等が含まれる。
【0058】
初期設定の後には、復旧条件が成立したか否かを判定する(ステップS3)。復旧条件は、クリアスイッチがオフであり、バックアップデータがあり、バックアップRAMが正常である場合に、成立可能である。クリアスイッチは、例えば電源基板に搭載され、クリアスイッチがオンの状態で電源が投入されると、オン状態のクリア信号が入力ポートを介して遊技制御用マイクロコンピュータ100に入力される。このようなクリア信号が入力されていない場合には、ステップS3にてクリアスイッチがオフであると判定すればよい。バックアップデータは、遊技制御用のバックアップRAMとなるRAM102に保存可能である。不測の停電等(電断)によりパチンコ遊技機1への電力供給が停止した場合に、CPU103は、電力供給の停止によって動作できなくなる直前に、電源供給停止時処理を実行する。この電源供給停止時処理では、RAM102にデータをバックアップすることを示すバックアップフラグをオンする処理、RAM102のデータ保護処理等が実行される。データ保護処理には、誤り検出符号(チェックサム、パリティビット等)の付加、各種データをバックアップする処理が含まれる。バックアップされるデータには、遊技を進行するための各種データ(各種フラグ、各種タイマの状態等を含む)の他、バックアップフラグの状態や誤り検出符号も含まれる。ステップS3では、バックアップフラグがオンであるか否かを判定し、オンである場合にバックアップデータがあると判定すればよい。こうして保存されたバックアップデータは、例えばパリティビットやチェックサムを用いて、電力供給の停止時と再開時とで一致するか否かが判定される。これらが一致する場合には、ステップS3にてバックアップRAMが正常であると判定すればよい。
【0059】
復旧条件が成立した場合には(ステップS3;Yes)、復旧処理(ステップS4)と、設定確認処理(ステップS5)とが実行される。ステップS4の復旧処理では、RAM102の記憶内容(バックアップしたデータの内容)に基づいて作業領域の設定を行う。これにより、電力供給停止時の遊技状態に復旧し、特別図柄の変動中であった場合には、復旧前の状態から特別図柄の変動を再開可能であればよい。復旧条件が成立しなかった場合には(ステップS3;No)、初期化処理(ステップS6)と、設定変更処理(ステップS7)とが実行される。ステップS6の初期化処理では、RAM102に記憶されるフラグ、カウンタ、バッファをクリアするRAMクリア処理を行い、作業領域に初期値を設定する。
【0060】
ステップS5の設定確認処理では、予め定められた設定確認条件が成立したか否かを判定する。例えば、設定確認条件は、ステップS5の設定確認処理が実行される電力供給の開始時にて、扉開放センサ90からの出力信号がオンであること、および、設定キー51がオンであることが、ともに満たされた場合に成立する。扉開放センサ90からの出力信号がオフである場合や、設定キー51がオフである場合には、設定確認条件が成立しなかったと判定し、設定確認処理を終了する。扉開放センサ90からの出力信号がオンである場合であって、なおかつ設定キー51がオンである場合には、設定確認条件が成立したと判定する。なお、ステップS5の設定確認処理が実行されるのは、ステップS3において、クリアスイッチがオフであることを含めた復旧条件が成立した場合である。したがって、設定確認条件が成立し得るのは、クリアスイッチがオフである場合となるので、クリアスイッチがオフであることも、設定確認条件に含めることができる。ステップS5の設定確認処理では、設定確認条件が成立した場合に、パチンコ遊技機1において設定されている設定値を確認可能な設定確認状態となり、主基板11から演出制御基板12に対して、設定確認開始コマンドが送信される。パチンコ遊技機1が設定確認状態であるときには、パチンコ遊技機1における遊技の進行を停止させる遊技停止状態としてもよい。遊技停止状態であるときには、打球操作ハンドルの操作による遊技球の発射、各種スイッチによる遊技球の検出などが停止され、また、第1特別図柄表示器4Aや第2特別図柄表示器4B、普通図柄表示器20において、はずれ図柄などを停止表示したり、はずれ図柄とは異なる遊技停止状態に対応した表示が行われたりするように制御すればよい。設定確認状態においては、パチンコ遊技機1にて設定されている設定値を表示モニタ29の表示により確認することが可能となっている。設定確認状態を終了するときには、これに伴う遊技停止状態が終了し、主基板11から演出制御基板12に対して、設定確認終了コマンドが送信される。
【0061】
ステップS7の設定変更処理では、予め定められた設定変更条件が成立したか否かを判定する。例えば、設定変更条件は、ステップS7の設定変更処理が実行される電力供給の開始時にて、扉開放センサ90からの出力信号がオンであること、および、設定キー51がオンであることが、ともに満たされた場合に成立する。また、設定変更条件は、クリアスイッチがオンであることも含んでいればよい。ステップS7の設定変更処理において、扉開放センサ90からの出力信号がオフである場合や、設定キー51がオフである場合、あるいは、クリアスイッチがオフである場合には、設定変更条件が成立しなかったと判定し、設定変更処理を終了する。扉開放センサ90からの出力信号がオンである場合であって、なおかつ、設定キー51がオンである場合、さらには、クリアスイッチがオンである場合には、設定変更条件が成立したと判定する。設定変更条件が成立した場合には、パチンコ遊技機1において設定されている設定値を変更可能な設定変更状態となり、主基板11から演出制御基板12に対して、設定変更開始コマンドが送信される。パチンコ遊技機1が設定変更状態であるときには、設定確認状態であるときと同様に、パチンコ遊技機1を遊技停止状態としてもよい。設定変更状態においては、表示モニタ29に設定値が表示され、設定切替スイッチ52の操作を検出するごとに表示モニタ29に表示している数値を順次更新して表示する。例えば、設定切替スイッチ52の操作を検出するごとに、設定値が「1」→「2」→「3」→「1」→・・・のように更新される。その後、設定キー51が遊技場の係員などによる操作でオフとなったことに基づいて、表示モニタ29に表示されている設定値をRAM102のバックアップ領域に格納(更新記憶)するとともに、表示モニタ29を消灯させる。これにより、遊技場の係員などに新たな設定値がRAM102のバックアップ領域に格納されたことを報知する。設定変更状態を終了するときには、これに伴う遊技停止状態が終了し、主基板11から演出制御基板12に対して、設定変更終了コマンドが送信される。
【0062】
演出制御基板12側では、設定確認開始コマンドや設定変更開始コマンドを受信すると、設定確認中である旨や設定変更中である旨を報知する制御が行われてもよい。例えば、画像表示装置5において所定の画像を表示したり、スピーカ8L、8Rから所定の音を出力したり、演出用LED61といった発光部材を所定の態様により発光させたりしてもよい。設定確認中や設定変更中である場合に、プッシュボタン31Bなど演出用の操作ボタンを押下する動作が検出されたことに基づいて、「メンテナンスモード」などと表示してメンテナンスモードに移行するように構成してもよい。「メンテナンスモード」とは、例えば、タイマ回路135のRTCにおける日時設定や、各種エラーの発生履歴(いつどのようなエラーが発生したかの記録)、設定変更履歴(いつ設定値を変更したかや変更後の設定値の記録)を確認できるモードである。設定キー51がオフとなり設定確認処理や設定変更処理が終了すると、メンテナンスモードも終了すればよい。
【0063】
こうして、電源投入時に設定キー51がオンである場合(加えて扉開放センサ90からの出力信号がオンである場合)には、クリアスイッチがオンであれば、ステップS6の初期化処理とともにステップS7の設定変更処理が実行されて設定変更状態に制御可能となり、クリアスイッチがオフであれば、ステップS4の復旧処理とともにステップS5の設定確認処理が実行されて設定確認状態に制御可能となる。これに対し、電源投入時に設定キー51がオフである場合には、クリアスイッチがオンであれば、ステップS6の初期化処理が実行される一方で設定変更状態には制御されず、クリアスイッチがオフであれば、ステップS4の復旧処理が実行される一方で設定確認状態には制御されない。
【0064】
ステップS5の設定確認処理またはステップS7の設定変更処理を実行した後には、乱数回路設定処理を実行する(ステップS8)。乱数回路設定処理は、乱数回路104を初期設定することで、遊技用乱数を示す数値データが更新可能となる処理である。なお、乱数回路104は、CPU103による乱数回路設定処理が実行されなくても、自律的に遊技用乱数を示す数値データが更新可能となるものであってもよい。続いて、割込初期設定処理が実行される(ステップS9)。割込初期設定処理は、遊技制御用マイクロコンピュータ100にて発生する割込要因に応じて、割込の許否や優先度が設定可能となる処理である。例えばCPU103は、ROM101の所定領域(プログラム管理エリアなど)に記憶されている割込初期設定情報を読み出し、読出値に応じた割込の許否や優先度を、割込要因ごとに設定すればよい。割込初期設定処理は、遊技制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されているCTCのレジスタ設定を行うことで、所定時間(2ミリ秒など)ごとに定期的なタイマ割込を発生させる処理を含んでいてもよい。その後、割込許可に設定してから(ステップS10)、ループ処理に入る。以後、所定時間(2ミリ秒など)ごとにCTCから割込要求信号がCPU103へと送出され、CPU103は定期的にタイマ割込処理を実行することができる。CTCからの割込要求信号を受信して割込要求を受け付けたCPU103は、遊技制御用タイマ割込処理を実行する。
【0065】
CPU103が実行する遊技制御用タイマ割込処理は、スイッチ処理、メイン側エラー処理、情報出力処理、遊技用乱数更新処理、特別図柄プロセス処理、普通図柄プロセス処理、コマンド制御処理を含んでいればよい。スイッチ処理は、CPU103がスイッチ回路110を介して各種スイッチから受信する検出信号の有無を判定する処理である。メイン側エラー処理は、パチンコ遊技機1の異常診断を行い、診断結果に応じて必要ならば警告を発生可能とする処理である。情報出力処理は、例えばパチンコ遊技機1の外部に設置されたホール管理用コンピュータに供給される大当り情報(大当りの発生回数等を示す情報)、始動情報(始動入賞の回数等を示す情報)、確率変動情報(確変状態となった回数等を示す情報)などのデータを出力可能とする処理である。遊技用乱数更新処理は、主基板11の側で用いられる遊技用乱数の少なくとも一部をソフトウェアにより更新可能とする処理である。特別図柄プロセス処理は、特図ゲームの実行および保留の管理や、大当り遊技状態や小当り遊技状態の制御、遊技状態の制御などを実現可能とする処理である。普通図柄プロセス処理は、ゲートスイッチ21からの検出信号に基づく(通過ゲート41に遊技球が通過したことに基づく)普図ゲームの実行および保留の管理や、「普図当り」に基づく可変入賞球装置6Bの開放制御などを実現可能とする処理である。コマンド制御処理は、送信設定された演出制御コマンドを演出制御基板12などのサブ側の制御基板に対して伝送可能とする処理である。
【0066】
遊技制御用タイマ割込処理に含まれる特別図柄プロセス処理では、まず、始動入賞判定処理が実行される。始動入賞判定処理を実行した後には、RAM102に設けられた特図プロセスフラグの値に応じて、複数の処理のいずれかが選択されて実行される。特図プロセスフラグの値に応じて選択可能な処理は、特別図柄通常処理、変動パターン設定処理、特別図柄変動処理、特別図柄停止処理、大当り開放前処理、大当り開放中処理、大当り開放後処理、大当り終了処理、小当り開放前処理、小当り開放中処理、小当り終了処理といった、ゲーム制御用のプログラムに従った処理の一部または全部を含んでいればよい。
【0067】
始動入賞判定処理では、第1始動入賞や第2始動入賞が発生したか否かを判定し、発生した場合には保留記憶数を更新するための設定などが行われる。保留記憶数は、未だ開始されていない特別図柄や飾り図柄の可変表示の回数を示している。特別図柄通常処理では、特図ゲームの実行を開始するか否かの判定が行われる。また、特別図柄通常処理では、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果を「大当り」とするか否かの判定が行われる。さらに、特別図柄通常処理では、可変表示結果に対応して、特図ゲームにおける確定特別図柄の設定などが行われる。変動パターン設定処理では、可変表示結果などに基づいて、変動パターンの決定などが行われる。特別図柄変動処理では、特別図柄を変動させるための設定や、変動開始からの経過時間を計測するための設定などが行われる。特別図柄停止処理では、特別図柄の変動を停止させ、可変表示結果となる確定特別図柄を停止表示(導出)させるための設定などが行われる。
【0068】
大当り開放前処理では、可変表示結果が「大当り」に対応して、大当り遊技状態において大入賞口を開放状態とするための設定などが行われる。大当り開放中処理では、大当り遊技状態において開放状態とした大入賞口を閉鎖状態に戻すか否かの判定などが行われる。大当り開放後処理では、大入賞口を閉鎖状態に戻した後、ラウンドの実行回数が上限値に達したか否かを判定し、達していなければ次回のラウンドを実行可能とし、達していれば大当り遊技状態を終了させるための設定などが行われる。大当り終了処理では、大当り遊技状態の終了を報知するエンディング演出の実行期間に対応した待ち時間が経過するまで待機した後、確変制御や時短制御を開始するための設定などが行われる。小当り開放前処理では、可変表示結果が「小当り」に対応して、小当り遊技状態において大入賞口を開放状態とするための設定などが行われる。小当り開放中処理では、小当り遊技状態において開放状態とした大入賞口を閉鎖状態に戻すか否かの判定などが行われる。小当り終了処理では、小当り遊技状態の終了を報知する演出動作が実行される期間に対応した待ち時間が経過するまで待機した後、小当り遊技状態となる以前のパチンコ遊技機1における遊技状態を継続させるための設定などが行われる。
【0069】
パチンコ遊技機1は、設定値に応じて大当りの当選確率(出玉率)が変わる構成とされている。特別図柄プロセス処理の特別図柄通常処理では、設定値に応じた表示結果判定テーブル(当選確率)を用いることにより、大当りの当選確率(出玉率)が変更可能となる。設定値は「1」~「3」の3段階からなり、「1」が最も出玉率が低く、「1」、「2」、「3」の順に値が大きくなるほど出玉率が高くなる。すなわち、設定値として「1」が設定されている場合には遊技者にとって最も有利度が低く、「2」、「3」の順に値が大きくなるほど有利度が段階的に高くなる。なお、小当りの当選確率については、設定値に関係なく同じであればよい。
【0070】
図6は、各設定値に対応する表示結果判定テーブルを示す説明図である。表示結果判定テーブルとは、ROM101に記憶されているデータの集まりであって、表示結果判定用の乱数値MR1と比較される当り判定値が設定されているテーブルである。各表示結果判定テーブルは、変動特図指定バッファ値が「1」(第1)である、つまり、第1特別図柄(第1特別図柄表示装置4に表示される特別図柄)が変動表示の対象とされている場合と、変動特図指定バッファ値が「2」(第2)である、つまり、第2特別図柄(第1特別図柄表示装置4に表示される特別図柄)が変動表示の対象とされている場合のそれぞれについて、大当りとする判定値と、小当りとする判定値が設定されている。図6(A)は設定値が「1」に対応する表示結果判定テーブルを示し、図6(B)は設定値が「2」に対応する表示結果判定テーブルを示し、図6(C)は設定値が「3」に対応する表示結果判定テーブルを示している。
【0071】
設定値が「1」に対応する表示結果判定テーブルを用いるときに、変動特図指定バッファ値が「1」(第1)である場合、つまり、第1特別図柄が変動表示の対象とされている場合には、設定値が「2」、「3」である場合よりも低い確率(非確変時は1/320、確変時は1/32)で大当りに当選する。設定値が「1」で変動特図指定バッファ値が「1」(第1)である場合に、判定値のうちの一部は小当りに対応する判定値として設定されており、設定値が「1」である場合は、設定値が「2」、「3」である場合と同じ確率(1/99)で小当りに当選するようになっている。変動特図指定バッファ値が「2」(第2)である場合には、大当りに対応する判定値として、変動特図指定バッファが「1」(第1)である場合と同様の判定値が設定されており、第2特別図柄が変動表示の対象とされている場合にも、第1特別図柄が変動表示の対象とされている場合と同じ確率(非確変時は1/320、確変時は1/32)で大当りに当選する。設定値が「1」で変動特図指定バッファ値が「2」(第2)である場合には、判定値のうちの半数が小当りに対応する判定値として設定されていることで、設定値が「2」、「3」である場合と同じく、第1特別図柄が変動表示の対象とされている場合よりも高い確率(1/2)で小当りに当選するようになっている。
【0072】
設定値が「2」に対応する表示結果判定テーブルを用いるときに、変動特図指定バッファ値が「1」(第1)である場合には、設定値が「1」である場合よりも高い確率(非確変時は1/300、確変時は1/30)で大当りに当選する。設定値が「2」のときに、変動特図指定バッファ値が「2」(第2)である場合には、大当りに対応する判定値として、変動特図指定バッファ値が「1」(第1)である場合と同様の判定値が設定されており、第2特別図柄が変動表示の対象とされている場合にも、第1特別図柄が変動表示の対象とされている場合と同じ確率(非確変時は1/300、確変時は1/30)で大当りに当選する。設定値が「3」に対応する表示結果判定テーブルを用いるときに、変動特図指定バッファ値が「1」(第1)である場合には、設定値が「1」、「2」である場合よりも高い確率(非確変時は1/280、確変時は1/28)で大当りに当選する。設定値が「3」のときに、変動特図指定バッファ値が「2」(第2)である場合には、大当りに対応する判定値として、変動特図指定バッファ値が「1」(第1)である場合と同様の判定値が設定されており、第2特別図柄が変動表示の対象とされている場合にも、第1特別図柄が変動表示の対象とされている場合と同じ確率(非確変時は1/280、確変時は1/28)で大当りに当選する。
【0073】
CPU103は、設定値に対応する表示結果判定テーブルを参照して、MR1の値が大当りに対応するいずれかの当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当りとすることを決定する。MR1の値が小当りに対応するいずれかの当り判定値に一致すると、特別図柄に関して小当りとすることを決定する。これにより、設定値に応じた確率で大当りの当選および小当りの当選を決定する。ここでの「確率」は、大当りになる確率(割合)並びに小当りになる確率(割合)を示す。大当りにするか否かを決定することは、大当り遊技状態に制御するか否かを決定することであり、第1特別図柄表示器4Aまたは第2特別図柄表示器4Bにおける停止図柄を大当り図柄にするか否かを決定することでもある。小当りにするか否かを決定することは、小当り遊技状態に制御するか否かを決定することであり、第1特別図柄表示器4Aまたは第2特別図柄表示器4Bにおける停止図柄を小当り図柄にするか否かを決定することでもある。小当りの当選確率は、設定値に応じて異なるものとしてもよい。例えば、大当りの当選確率と同様に、「1」、「2」、「3」の順に設定値の値が大きくなるほど小当りの当選確率が高くなるように構成してもよい。小当りの当選確率の設定差が大当りの当選確率の設定差と同じ比率となるようにしてもよい。設定値「1」における小当りの当選確率を1/100とするのであれば、設定値「2」における小当りの当選確率が1/93.75となるように設計し、設定値「3」における小当りの当選確率が1/87.5となるように設定してもよい。パチンコ遊技機1に小当りが設けられない場合には、小当りに対応する当り判定値を除外した表示結果判定テーブルを用いてもよい。大当り判定テーブルと小当り判定テーブルとを別個に設け、大当りの判定は、変動特図指定バッファ値によらず第1特別図柄の変動表示である場合と第2特別図柄の変動表示である場合とで共通のテーブルを用いて行うようにし、小当りの判定は、変動特図指定バッファ値が「1」(第1)である場合と「2」(第2)である場合とで別個のテーブルを用いて行うようにしてもよい。遊技状態に応じて有利度の順位が変化するように構成してもよい。例えば、高確率/高ベース状態に制御され、次回の大当りが発生するまで高確率/高ベース状態が維持され、且つ小当り遊技である程度の賞球が得られるように構成された遊技機に適用した場合に、第2特別図柄の変動表示が実行される場合には1/2の高い確率で小当りが発生し賞球が得られやすい期間となりうるので、特定の遊技状態(この例では、高確率/高ベース状態)では、他の遊技状態とは異なり、大当りが発生しにくい(高確率/高ベース状態が継続しやすい)設定値「1」が最も有利度が高い設定となるようにしてもよい。確変状態(高確率状態)に制御された後、所定回数(確変終了回数)の変動表示が実行されたことにもとづいて確変状態が終了する遊技機に適用した場合に、同じ確変終了回数であれば、設定値「1」<設定値「2」<設定値「3」の順に確変継続率(連荘率)が高くなるように構成してもよい。パチンコ遊技機1に設定可能な設定値は、2個または4個以上であってもよい。
【0074】
特別図柄や飾り図柄の可変表示結果が「大当り」となる場合には、大当り種別が設定されてもよい。例えば、大入賞口の開放態様(ラウンド数や開放上限期間)や、大当り遊技状態後の遊技状態(通常状態、時短状態、確変状態など)を複数種類用意し、これらに応じて大当り種別が設定されてもよい。大当り種別として、多くの賞球を得ることができる大当り種別や、賞球の少ない大当り種別または、ほとんど賞球を得ることができない大当り種別が設けられていてもよい。可変表示結果を「大当り」とする決定がなされたときに、大当り種別決定用の乱数値MR2に基づいて、大当り種別を複数の大当り種別A~大当り種別Cのうちのいずれかに決定するために参照される大当り種別判定テーブルを設けてもよい。大当り種別判定テーブルにおいて、設定値が「1」~「3」のいずれであるかに応じて、大当り種別の決定割合を異ならせるように、判定値が割り当てられていてもよい。例えば、設定値が「1」である場合、大当り種別Cに決定される割合が高く、設定値が「2」である場合、大当り種別Bに決定される割合が高く、設定値が「3」である場合、大当り種別Aに決定される割合が高くなるように判定値が割り当てられていてもよい。
【0075】
大当り種別ごとに、大当り遊技におけるファンファーレ期間、インターバル期間およびエンディング期間が定められてもよい。ファンファーレ期間は、例えば主基板11側において、特別図柄プロセス処理の大当り開放前処理が実行される期間であり、演出制御基板12側において、大当り図柄が停止表示された後に、大当り遊技状態の開始を報知する演出動作としてのファンファーレ演出が実行される期間である。インターバル期間は、例えば主基板11側において、特別図柄プロセス処理の大当り開放後処理が実行される期間であり、演出制御基板12側において、大入賞口を開放状態とするラウンドが終了した後に、次のラウンドの開始を報知する演出動作としてのインターバル演出が実行される期間である。エンディング期間は、例えば主基板11側において、特別図柄プロセス処理の大当り終了処理が実行される期間であり、演出制御基板12側において、大当り遊技状態の終了を報知する演出動作としてのエンディング演出が実行される期間である。一例として、ファンファーレ期間、インターバル期間およびエンディング期間は、大当り種別Aの場合に最も長くなり、次に大当り種別Bの場合に長くなり、大当り種別Cの場合に最も短くなるように設定されてもよい。設定値が「1」である場合に大当り種別Cと判定される割合が高くなれば、ファンファーレ期間、インターバル期間およびエンディング期間が比較的短くなりやすい。設定値が「3」である場合に大当り種別Aと判定される割合が高くなれば、ファンファーレ期間、インターバル期間およびエンディング期間が比較的長くなりやすい。設定値が「1」<「2」<「3」の順に、ファンファーレ期間、インターバル期間およびエンディング期間の平均期間が長くなるようにしてもよい。
【0076】
設定値が「1」<「2」<「3」の順に、大当りの当選確率(出玉率)が高くなるように構成され、同時に、設定値が「1」<「2」<「3」の順に、ファンファーレ期間、インターバル期間およびエンディング期間の平均期間が長くなるようにも構成されてもよい。このような構成により、大当りの当選確率(出玉率)が高い設定であるときには、ファンファーレ期間、インターバル期間およびエンディング期間の平均期間を長くすること、すなわち遊技の進行を遅らせることができ、射幸性が高くなり過ぎてしまうことを防止することができる。大当り遊技中に、設定値を示唆する大当り中示唆演出を実行可能に構成してもよい。大当り中示唆演出は、ファンファーレ期間、インターバル期間およびエンディング期間において実行可能である。これにより、ファンファーレ期間、インターバル期間およびエンディング期間の興趣を高めることができる。また、遊技者の関心を大当り中示唆演出に向けることにより、各期間の長短に気付かれにくくすることができる。ファンファーレ期間、インターバル期間およびエンディング期間においては、設定される期間の長さに関わらず、共通の演出を実行するようにしてもよい。この場合には、遊技者が期間の長短に気付きにくい演出(例えば、静止画像の表示等)が共通して実行されることが望ましい。設定値にかかわらず、ファンファーレ期間、インターバル期間およびエンディング期間が固定的に設定されているようにしてもよい。予め定められた期間が異なる複数種類のファンファーレ期間、インターバル期間およびエンディング期間からいずれかを抽選によって決定するようにしてもよい。この場合には、大当り種別A<B<Cの順に、比較的長い期間が設定されたファンファーレ期間、インターバル期間およびエンディング期間が選択される割合が高くなるように判定値が設定されたテーブルを用いることで、設定値が「1」<「2」<「3」の順に、ファンファーレ期間、インターバル期間およびエンディング期間の平均期間が長くなるようにすることができる。
【0077】
大当り種別ごとに時短制御および確変制御の回数が異なるようにしてもよいし、特定の大当り種別の場合には、大当り遊技状態の終了後において実行される高確制御および時短制御が、該大当り遊技状態の終了後において再度大当りが発生するまで継続して実行されるようにしてもよい。このような特定の大当り種別となる場合には、大当り遊技状態が通常状態を介することなく連続的に発生する、いわゆる連荘状態となる。パチンコ遊技機1に設定される設定値ごとに大当りとなる割合が異なるように構成に加えて、または代えて、設定値ごとに確変継続率(連荘率)が異なるようにしてもよい。大当り種別ごとに、大当り遊技中のラウンド数や、時短制御および確変制御の有無、制御回数を異ならせ、有利度が異なるようにしてもよい。この場合には、ラウンド中の演出は、大当り種別ごとに異なるようにしてもよいし、大当り種別にかかわらず同じようにしてもよい。設定されている設定値によっては、大当り種別A、大当り種別B、大当り種別Cのうち、決定され得ない大当り種別が1つまたは複数あってもよい。つまり、設定されている設定値に応じて大当り種別の決定割合が異なることには、いずれかの大当り種別を決定しないこと(決定割合が0%である)や、特定の大当り種別を100%の割合で決定することが含まれている。大当り種別によらずにファンファーレ期間、インターバル期間およびエンディング期間を異ならせるように構成してもよい。例えば、設定値「1」~「3」のいずれであるかに応じて、その設定値に応じたファンファーレ期間、インターバル期間およびエンディング期間を一律に決定するように構成してもよい。また、例えば、設定値「1」~「3」のいずれであるかに応じて、その設定値に応じた選択確率による抽選処理を行い、ファンファーレ期間、インターバル期間およびエンディング期間を決定するように構成してもよい。設定されている設定値に応じて可変表示結果が「大当り」となった場合の大当り種別の決定割合が異なることにより、遊技興趣を向上できればよい。大当り種別は、表示結果判定用の乱数値MR1を用いて決定してもよい。パチンコ遊技機1に設定される設定値が小さいほど遊技者にとって有利となるようにしてもよい。パチンコ遊技機1に設定される設定値に応じて遊技性が変化するようにしてもよい。
【0078】
設定値に応じてノーマルリーチやスーパーリーチの実行割合が異なることで、ノーマルリーチやスーパーリーチが実行される頻度により設定値が示唆されてもよい。電源投入時に設定変更が行われたか否かにかかわらず、所定回(本例では30回)の可変表示が実行されるまでの期間を特別期間としてもよい。遊技制御用マイクロコンピュータ100のRTCなどを用いて、所定の時間帯(例えば、午前10時から午前11時まで)であれば特別期間としてもよい。初回の大当りが発生するまでの期間を特別期間としてもよい。特別期間においては、非特別期間よりも、ノーマルリーチハズレとなる割合が高く、さらに設定値間のノーマルリーチハズレとなる割合の差が大きくなるように判定値が割り当てられた変動パターン判定テーブルを用いてもよい。これにより、特別期間においては、非特別期間よりもノーマルリーチが実行される頻度の違いが認識しやすくなる(すなわち設定値の示唆を認識しやすくなる)ため、特別期間に遊技を行う動機を与えることができ、遊技興趣を高めることができる。
【0079】
その他、設定値に応じて、異なる割合で任意の設定示唆演出を実行可能としたものであってもよい。例えば、特定設定値である場合には、特定設定値以外の設定値である場合よりも高い割合で設定示唆演出を実行可能となるように、演出判定テーブルの判定値が割り当てられる。この場合に、設定値が特定設定値以外である範囲では、設定値が特定設定値である範囲よりも、設定示唆演出の実行割合が低くなるという限界としての制限が設けられる。特定設定値である場合には所定割合で実行可能となり、特定設定値以外の設定値である場合には実行されない設定示唆演出を設けてもよい。このように、設定値が特定設定値である範囲では、所定割合で設定示唆演出を実行可能となる。その一方で、設定値が特定設定値以外である範囲では、設定示唆演出が実行されないという限界としての制限が設けられる。
【0080】
特別期間であるか否かに応じて、異なる割合で任意の設定示唆演出を実行可能としたものであってもよい。例えば、特別期間である場合には、特別期間以外の期間である場合よりも高い割合で設定示唆演出を実行可能となるように、演出判定テーブルの判定値が割り当てられる。この場合に、特別期間以外の期間である範囲では、特別期間である範囲よりも、設定示唆演出の実行割合が低くなるという限界としての制限が設けられる。特別期間である場合には所定割合で実行可能となり、特別期間以外の期間である場合には実行されない設定示唆演出を設けてもよい。このように、特別期間である範囲では、所定割合で設定示唆演出を実行可能となる。その一方で、特別期間以外の期間である範囲では、設定示唆演出が実行されないという限界としての制限が設けられる。
【0081】
特別期間であるか否かに限定されず、任意の特別条件が成立したか否かに応じて、異なる割合で任意の設定示唆演出を実行可能としたものであってもよい。例えば、特別条件が成立した場合には、特別条件が成立しない場合よりも高い割合で設定示唆演出を実行可能となるように、演出判定テーブルの判定値が割り当てられる。この場合に、特別条件が成立していない範囲では、特別条件が成立した範囲よりも、設定示唆演出の実行割合が低くなるという限界としての制限が設けられる。特別条件が成立した場合には所定割合で実行可能となり、特別条件が成立していない場合には実行されない設定示唆演出を設けてもよい。このように、特別条件が成立した範囲では、所定割合で設定示唆演出を実行可能となる。その一方で、特別条件が成立していない範囲では、設定示唆演出が実行されないという限界としての制限が設けられる。特別条件は、パチンコ遊技機1における遊技の進行または履歴あるいは遊技の判定や決定の結果に応じて成立可能な任意の条件であってもよいし、パチンコ遊技機1における演出の進行または履歴あるいは演出の判定や決定に応じて成立可能な任意の条件であってもよい。設定示唆演出に限定されず、任意の演出は、予め設定された条件が成立したか否かに応じて異なる割合で実行可能としたものであってもよいし、そのような条件が成立したか否かに応じて異なる割合で演出態様が決定されるものであってもよいし、そのような条件が成立したか否かに応じて異なる割合で実行タイミングが決定されるものであってもよい。また、任意の演出は、予め設定された制限条件が成立した範囲では、特定の演出が実行されないという限界としての制限が設けられてもよく、あるいは制限条件が成立していない範囲と比較して実行割合が低下し実行されにくいという限界としての制限が設けられてもよい。
【0082】
次に、演出制御基板12における動作を説明する。演出制御基板12では、電源基板からの電力供給が開始されると、演出制御用マイクロコンピュータ120が起動し、CPU131によって演出制御メイン処理が実行される。演出制御メイン処理を実行するためのプログラムは、内部ROM132および外部ROM121の一方または両方に、予め記憶されていればよい。このように、演出制御メイン処理を実行するためのプログラムは、一部または全部が内部ROM132または外部ROM121に予め記憶されていればよい。
【0083】
図7(A)は、演出制御基板12に搭載された演出制御用マイクロコンピュータ120のCPU131が実行する演出制御メイン処理の一例を示すフローチャートである。演出制御メイン処理では、初期化処理が実行される(ステップS21)。ステップS21の初期化処理では、外部RAM122および内部RAM133の一方または両方をクリアして各種初期値の設定を行い、タイマ回路135のレジスタ設定を初期化する。初期化処理に続いて、初期動作制御処理が実行される(ステップS22)。ステップS22の初期動作制御処理では、演出用モータ60を駆動して演出用可動部材を初期位置に戻す制御や、動作確認を行う制御といった、演出用可動部材の初期動作を行う制御が実行される。初期動作制御処理の次には、電源投入時情報処理が実行される(ステップS23)。ステップS23の電源投入時情報処理では、電源投入日時を含むログ情報の記憶処理が実行されてもよい。ログ情報を示すデータは、バックアップメモリ基板14のバックアップデータメモリ210A~210Dに設けられたログ領域に、バックアップデータとして書き込まれて記憶される。演出制御用マイクロコンピュータ120のCPU131は、シリアル通信回路137を介してバックアップメモリ基板14に対し、電源投入時用のバックアップ命令に対応する制御信号を送信する。バックアップメモリ基板14では、メモリコントローラ200がシリアル通信回路202を介して受信した制御信号で示されるバックアップ命令に応答し、RTC201から取得した日時情報を用いて、電源投入日時を含むログ情報の書込処理を実行すればよい。ステップS23の電源投入時情報処理では、バックアップ復旧処理が実行されることにより、ログ領域に記憶されたログ情報に基づき設定や制御を復旧させてもよい。
【0084】
電源投入時情報処理の後、割込初期設定処理が実行される(ステップS24)。ステップS24の割込初期設定処理では、割込コントローラ136が制御する割込の優先順位を初期設定することができればよい。割込コントローラ136が制御する割込の優先順位は、外部ROM121および内部ROM132の一方または両方に設けられたプログラム管理エリアなどに、予め記憶された割込優先度データに基づいて設定すればよい。例えば、シリアル受信割込の方が演出制御用タイマ割込よりも優先度が高く、演出制御用タイマ割込の方がVシンク割込よりも優先度が高くなるように、割込の優先順位を設定すればよい。そして、割込許可に設定してから(ステップS25)、ループ処理に入る。
【0085】
図7(B)は、演出制御用マイクロコンピュータ120における処理優先度の設定例を示している。演出制御用マイクロコンピュータ120における処理優先度は、割込コントローラ136が制御する割込の優先順位とともに、演出制御用マイクロコンピュータ120の仕様などに基づいて、予め決定可能であればよい。一例として、CPU例外事象発生時処理は、最も優先度が高くなり、次にVDPエラー割込処理の優先度が高くなり、続いて割込コントローラ136が制御する割込の優先順位に従った処理の優先度となるように、処理優先度が予め設定されていればよい。なお、VDPエラー割込処理は、割込コントローラ136が制御可能な割込要因の発生に基づいて実行されてもよい。この場合には、例えばステップS24の割込初期設定処理により、VDPエラー割込の優先度が最も高くなるように、割込の優先順位を設定すればよい。CPU例外事象発生時処理は、演出制御用マイクロコンピュータ120のCPU131にて、内部状態の異常などによる例外事象が発生した場合に実行される処理である。CPU131の例外事象は、命令セット内に定義されていない未定義命令をデコードした場合に発生してもよい。CPU131の例外事象は、ゼロ除算やオーバーフローといった無効な演算を実行した場合に発生してもよい。CPU131の例外事象は、仮想記憶における記憶保護違反となった場合に発生してもよい。CPU131の例外事象は、仮想アドレスから物理アドレスへの変換が異常となるTLB(Translation Lookaside Buffer)ミスの場合に発生してもよい。VDPエラー割込処理は、演出制御用マイクロコンピュータ120のVDP140にて、内部状態の異常などによるエラー割込要求が発生した場合に実行される処理である。VDP140のエラー割込要求は、CPU131の場合と同様に、VDP140の例外事象に応じて発生してもよい。その他、VDP140のエラー割込要求は、画像表示装置5の表示制御に用いられるクロック信号(ドットクロック)の設定異常である場合に発生してもよい。VDP140のエラー割込要求は、動画像データのデコード異常である場合に発生してもよい。VDP140のエラー割込要求は、音声データのデコード異常である場合に発生してもよい。VDP140のエラー割込要求は、VDP140におけるシステムリセットに応じて発生してもよい。このように、CPU例外事象発生時処理は、CPU131の例外事象が発生した場合に実行される。VDPエラー割込処理は、VDP140のエラー割込要求が発生した場合に実行される。したがって、CPU131の内部状態に応じた事象の発生条件が成立した場合には、CPU例外事象発生時処理が実行される。VDP140の内部状態に応じた事象の発生条件が成立した場合には、VDPエラー割込処理が実行される。CPU例外事象発生時処理やVDPエラー割込処理は、CPU131やVDP140といった、制御装置や処理装置の内部状態に応じて成立可能な事象の発生条件が成立した場合に実行可能である。
【0086】
図8(A)は、CPU例外事象発生時処理の一例を示すフローチャートである。CPU例外事象発生時処理では、まず、例外時前処理が実行される(ステップS41)。ステップS41の例外時前処理では、例えば内部RAM133の所定領域(スタック領域など)に、命令コード実行用の制御情報を退避させる。命令コード実行用の制御情報は、プログラムカウンタ(PC:Program Counter)の格納値やプログラムステータスワード(PSW:Program Status Word)の値を含んでいればよい。例外時前処理に続いて、例外時バックアップ処理が実行される(ステップS42)。ステップS42の例外時バックアップ処理では、例外事象情報を含むログ情報の記憶処理が実行される。この場合には、バックアップメモリ基板14に対し、例外事象発生時用のバックアップ命令に対応する制御信号が送信される。例外事象発生時用のバックアップ命令は、CPU131にて発生した例外事象を特定可能に示す例外事象情報を含んでいてもよい。例外事象情報は、例外事象の種類を識別可能に示してもよい。バックアップメモリ基板14のメモリコントローラ200は、例外事象発生時用のバックアップ命令を受け付けると、RTC201から取得した日時情報を用いて、例外事象情報を含むログ情報の書込処理を実行すればよい。
【0087】
例外時バックアップ処理の次には、その他の例外時処理が実行される(ステップS43)。ステップS43では、例えばベクタテーブルにアクセスして、取得した例外ハンドラアドレスにジャンプすることで例外処理ルーチンを開始すればよい。このときには、CPU131の内部レジスタ(汎用レジスタなど)の格納値を退避してもよい。例外処理ルーチンにより例外事象を解消できた場合や、例外事象を解消できずにリセットが発生した場合には、ステップS42と同様のバックアップ処理を実行して、例外事象を解消できた場合または解消できなかった場合のログ情報を記憶可能にしてもよい。例外時処理が終了すると、例外時後処理が実行され(ステップS44)、CPU例外事象発生時処理を終了する。ステップS44の例外時後処理では、CPU131の内部レジスタ(汎用レジスタなど)の格納値を復帰させ、命令コード実行用の制御情報を復帰させることなどにより、例外事象発生前の処理に復帰可能とすればよい。
【0088】
図8(B)は、VDPエラー割込処理の一例を示すフローチャートである。VDPエラー割込処理では、まず、エラー割込時前処理が実行される(ステップS51)。ステップS51のエラー割込前処理では、例えば内部RAM133の所定領域(スタック領域など)に、命令コード実行用の制御情報を退避させる。エラー割込時前処理に続いて、エラー割込時バックアップ処理が実行される(ステップS52)。ステップS52のエラー割込時バックアップ処理では、VDPエラー情報を含むログ情報の記憶処理が実行される。この場合には、バックアップメモリ基板14に対し、VDPエラー発生時用のバックアップ命令に対応する制御信号が送信される。VDPエラー発生時用のバックアップ命令は、VDP140にて発生したエラーを特定可能に示すVDPエラー情報を含んでいてもよい。VDPエラー情報は、VDPエラーの種類を識別可能に示してもよい。バックアップメモリ基板14のメモリコントローラ200は、VDPエラー発生時のバックアップ命令を受け付けると、RTC201から取得した日時情報を用いて、VDPエラー情報を含むログ情報の書込処理を実行すればよい。
【0089】
エラー割込時バックアップ処理の次には、その他のエラー割込時処理が実行される(ステップS53)。ステップS53では、例えばVDPエラーに対応する割込要因に応じて、取得した割込ハンドラアドレスにジャンプすることで割込処理ルーチンに分岐すればよい。このときには、CPU131の内部レジスタ(汎用レジスタなど)の格納値を退避してもよい。なお、VDP140が自律的に内部エラーからの復帰処理を実行可能である場合には、復帰完了の通知または復帰不能によるリセット発生の通知を受けるまで、待機してもよい。これらの通知を受けた場合に、ステップS52と同様のバックアップ処理を実行して、VDP140がエラー状態から復帰した場合または復帰できなかった場合のログ情報を記憶可能にしてもよい。エラー割込時処理が終了すると、エラー割込時後処理が実行され(ステップS54)、VDPエラー割込処理を終了する。ステップS54のエラー割込時後処理では、CPU131の内部レジスタ(汎用レジスタなど)の格納値を復帰させ、命令コード実行用の制御情報を復帰させることなどにより、VDPエラー発生前の処理に復帰可能とすればよい。
【0090】
CPU例外事象発生時処理は、ステップS42の例外時バックアップ処理を含んでいる。VDPエラー割込処理は、ステップS52のエラー割込時バックアップ処理を含んでいる。ステップS42の例外時バックアップ処理では、ログ情報を示すバックアップデータとして、複数の電子部品のうちでCPU131に関する例外事象情報を含むデータを、バックアップメモリ基板14のバックアップデータメモリ210A~210Dに設けられたログ領域に書き込む書込処理が実行される。ステップS52のエラー割込時バックアップ処理では、ログ情報を示すバックアップデータとして、複数の電子部品のうちでVDP140に関するVDPエラー情報を含むデータを、バックアップメモリ基板14のバックアップデータメモリ210A~210Dに設けられたログ領域に書き込む書込処理が実行される。CPU例外事象発生時処理は、CPU131の内部状態に応じた事象の発生条件が成立した場合として、CPU131の例外事象が発生した場合に、実行される。VDPエラー割込処理は、VDP140の内部状態に応じた事象の発生条件が成立した場合として、VDP140のエラー割込要求が発生した場合に、実行される。このように、CPU131やVDP140といった、制御装置や処理装置の内部状態に応じた事象の発生条件が成立した場合には、ログ領域などの記憶領域に対して、複数の電子部品に関する情報を書き込んで記憶させるための書込処理を実行することができる。
【0091】
演出制御メイン処理のステップS25により割込許可に設定された後には、所定時間(2ミリ秒など)ごとにタイマ回路135の所定チャネルでタイムアウトが発生することで、割込コントローラ136からCPU131に対して、演出制御用のタイマ割込に対応した割込要求信号が出力される。この割込要求信号を受信して割込要求を受け付けたCPU131は、演出制御用タイマ割込処理の実行を開始する。
【0092】
図9は、CPU131が実行する演出制御用タイマ割込処理の一例を示すフローチャートである。演出制御用タイマ割込処理では、コマンド解析処理が実行される(ステップS71)。ステップS71のコマンド解析処理では、例えば主基板11の遊技制御用マイクロコンピュータ100から送信されて演出制御コマンド受信用バッファに格納されている各種の演出制御コマンドを読み出した後に、その読み出された演出制御コマンドに対応した設定や制御などが行われる。コマンド解析処理に続いて、演出制御プロセス処理が実行される(ステップS72)。演出制御プロセス処理では、例えば画像表示装置5の表示領域における演出画像の表示動作、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作、遊技効果ランプ9および演出用LED61といった発光部材における点灯動作、演出用モータ60の駆動動作といった、各種の演出装置を動作させる制御が行われる。また、各種の演出装置を用いた演出動作の制御内容について、主基板11から送信された演出制御コマンド、あるいは遊技や演出の進行状況による経過時間または検知結果に応じて、演出に関する各種の判定や決定、設定などが行われる。
【0093】
演出制御プロセス処理の次に、演出用乱数更新処理が実行される(ステップS73)。ステップS73の演出用乱数更新処理では、演出制御基板12側において用いられる演出用乱数の少なくとも一部をソフトウェアにより更新する。演出用乱数更新処理の後には、演出モード変更処理が実行される(ステップS74)。例えば、パチンコ遊技機1は、演出モードA~演出モードCの3種類の演出モードに制御可能であり、いずれの演出モードに制御されているかに応じて、例えば、画像表示装置5の背景画面が異なり、予告演出やリーチ演出に登場するキャラクタの種類が異なればよい。現在の演出モードから異なる演出モードに変更する制御は、演出モード変更条件が成立した場合に行われてもよい。例えば、タイマ回路135が備えるRTCから取得した日時情報に基づいて、特定の日付や時刻となった場合に、演出モード変更条件が成立して、演出モードが変更されてもよい。あるいは、演出用乱数を用いた抽選処理を実行し、決定結果に応じて演出モード変更条件が成立した場合に、演出モードが変更されてもよい。
【0094】
演出モード変更処理に続いて、エラー報知処理が実行される(ステップS75)。ステップS75のエラー報知処理では、パチンコ遊技機1において発生した各種エラーを報知するための制御が行われる。このような制御による報知は、左打ち報知や満タン報知を含んでいてもよい。左打ち報知は、例えば遊技領域の右方領域に設けられている通過ゲートへの遊技球の通過が検出された合計回数などに基づいて、遊技者に左打ち操作を促す報知である。左打ち報知は、例えば画像表示装置5において「左を狙え!」などの文字表示を行うことによる報知、遊技効果ランプ9の全部点灯を行うことによる報知、スピーカ8L、8Rから報知音を出力することによる報知、あるいは、これらの一部または全部の組合せを、含んでいてもよい。満タン報知は、余剰球貯留皿(下皿)の満タン状態が検出された場合に、その満タン状態が継続した経過時間に基づいて、遊技者に満タン状態の解消を促す報知である。満タン報知は、例えば画像表示装置5において「下皿が満タンです!」などの文字表示を行うことによる報知、遊技効果ランプ9の全部点灯を行うことによる報知、スピーカ8L、8Rから報知音を出力することによる報知、あるいは、これらの一部または全部の組合せを、含んでいてもよい。その他、エラー報知処理は、主基板11から送信された遊技制御エラー指定コマンドにより指定されたエラーの発生に応じて、表示、点灯や発光、音出力、あるいは、これらの一部または全部の組合せにより、発生した各種エラーを報知する制御が含まれていればよい。あるいは、遊技制御エラー指定コマンドにかかわらず、CPU131の処理結果などに応じて、演出装置を含めた電子部品に関するエラーが発生したと判定された場合に、表示、点灯や発光、音出力、あるいは、これらの一部または全部の組合せにより、発生した各種エラーを報知する制御が行われてもよい。
【0095】
エラー報知処理の次には、メンテナンスモード処理が実行される(ステップS76)。ステップS76のメンテナンスモード処理では、メンテナンス履歴画面や設定変更/確認履歴画面を表示可能にする制御が行われる。メンテナンス履歴画面は、例えば設定確認状態に対応した設定確認中表示やメンテナンスモードメニュー画面の表示が行われているときに、スティックコントローラ31Aやプッシュボタン31Bに対する遊技場の係員による操作となる動作の検出結果に基づいて、メンテナンス履歴選択操作が行われたと判定した場合に表示可能となる。メンテナンス履歴画面を表示する場合には、バックアップメモリ基板14のバックアップデータメモリ210A~210Dに設けられたログ領域から、すべてのログ情報が読み出される。画像表示装置5では、読み出されたログ情報を履歴情報として含むメンテナンス履歴画面が表示される。設定変更/確認履歴画面は、スティックコントローラ31Aやプッシュボタン31Bに対する遊技場の係員による操作となる動作の検出結果に基づいて、設定変更/確認履歴選択操作が行われたと判定した場合に表示可能となる。設定変更/確認履歴画面を表示する場合には、バックアップメモリ基板14のバックアップデータメモリ210A~210Dに設けられたログ領域から、すべての設定変更および設定確認のログ情報が読み出される。画像表示装置5では、読み出された設定変更および設定確認のログ情報を履歴情報として含む設定変更/確認履歴画面が表示される。なお、メンテナンス履歴画面や設定変更/確認履歴画面は、遊技場の係員とは異なり、パチンコ遊技機1の製造業者における担当者による操作となる動作の検出結果に基づいて、表示可能であってもよい。メンテナンス履歴画面や設定変更/確認履歴画面は、パチンコ遊技機1の遊技者が遊技中には視認できない画面であり、遊技場の係員、あるいは、製造業者における担当者が、確認可能な画面であればよい。
【0096】
メンテナンスモード処理の後には、現在時刻設定処理が実行される(ステップS77)。ステップS77の現在時刻設定処理では、現在日付や現在時刻を設定するための制御が行われる。この場合には、スティックコントローラ31Aやプッシュボタン31Bに対する遊技場の係員による操作となる動作の検出結果に基づいて、現在日付や現在時刻の設定情報が入力可能となる。例えば、設定入力された時を示す時信号、分を示す分信号、秒を示す秒信号、年を示す年信号、月を示す月信号、日を示す日信号、および曜日を示す曜日信号を、CPU131が順次受信する。これらの受信信号に応じて、タイマ回路135におけるRTCの格納情報を更新することで、タイマ回路135のRTCにより計測される現在日付や現在時刻の設定を変更できればよい。なお、入力された設定情報に応じて、バックアップメモリ基板14に設けられたRTC201の格納情報を更新することで、RTC201により計測される現在日付や現在事項の設定を変更できるようにしてもよい。現在時刻設定処理が終了すると、日時情報記憶処理が実行される(ステップS78)。ステップS78の日時情報記憶処理では、所定周期(100ミリ秒ごとなど)で日時情報を外部RAM122または内部RAM133の一時領域に格納して記憶させる制御が行われる。一時領域に記憶された日時情報は、主基板11からのRAMクリア通知コマンドまたは停電復旧指定コマンドを受信した場合に、電断日時を示すログ情報として記憶可能になればよい。そして、演出制御中バックアップ処理を実行してから(ステップS79)、演出制御用タイマ割込処理を終了する。ステップS79の演出制御中バックアップ処理では、予め設定されたバックアップ条件が成立したときに、各種のログ情報を示すバックアップデータを、バックアップメモリ基板14のバックアップデータメモリ210A~210Dに設けられたログ領域に格納して記憶させる記憶処理が実行される。この場合に記憶させるログ情報は、パチンコ遊技機1における遊技や演出に用いられる複数の電子部品に関して、動作履歴、設定履歴、エラー履歴などのうち、一部または全部を含む情報であればよい。また、ログ情報は、記憶された日時を示す日時情報を含んでいればよい。
【0097】
図10は、主基板11の遊技制御用マイクロコンピュータ100から演出制御基板12の演出制御用マイクロコンピュータ120に対し、遊技用として送信される演出制御コマンドの内容例を示している。以下において、添字Hは、16進数であることを示す。演出制御用マイクロコンピュータ120にて受信可能な演出制御コマンドは2バイト構成であり、1バイト目はコマンドの分類を表すMODEデータとなり、2バイト目はコマンドの種類を表すEXTデータとなる。演出制御コマンドの上位データ(MODEデータ)は先頭ビット(ビット7)が必ず「1」に設定され、演出制御コマンドの下位データ(EXTデータ)は先頭ビット(ビット7)が必ず「0」に設定される。なお、2バイト構成の演出制御コマンドに限定されず、例えば1バイトや3バイト以上で構成される制御コマンドを用いてもよい。演出制御コマンドは、遊技の進行に伴い主基板11の遊技制御用マイクロコンピュータ100から送信される。演出制御用マイクロコンピュータ120は、演出制御コマンドのいずれかを、遊技の進行に伴い受信する。このように、演出制御コマンドは、遊技の進行に関する制御に伴い主基板11の遊技制御用マイクロコンピュータ100から演出制御基板12の演出制御用マイクロコンピュータ120に対して送信される遊技用の演出制御コマンドである。
【0098】
変動開始コマンド80XXHは、複数の特別図柄となる第1特別図柄または第2特別図柄のいずれかについて、変動開始となることを指定する。変動開始コマンドの下位データ(EXTデータ)であるXXHは、例えば第1特別図柄の変動開始で01Hとなり、第2特別図柄の変動開始で02Hとなればよい。変動パターン指定コマンド81XXHは、特別図柄の可変表示に対応して画像表示装置5において可変表示される飾り図柄の変動パターンを指定する。変動パターン指定コマンドの下位データ(EXTデータ)であるXXHは、変動パターンに対応した値を示している。表示結果指定コマンド8CXXHは、可変表示の表示結果を指定する。表示結果指定コマンドの下位データ(EXTデータ)であるXXHは、可変表示の表示結果に対応した値を示している。図柄確定コマンド8F00Hは、図柄の変動を終了することを指定する。RAMクリア通知コマンド9000Hは、パチンコ遊技機1における電源投入による電力供給が開始されたときに、遊技制御用マイクロコンピュータ100での初期化に伴い、RAM102の記憶内容がクリアされたことを通知する。設定変更開始コマンド9100Hは、パチンコ遊技機1における電源投入による電力供給が開始されたときに、設定値を変更可能にする設定変更状態の開始を指定する。停電復旧指定コマンド9200Hは、停電復旧時に対応する停電復旧処理の実行を指定する。設定変更終了コマンド93XXHは、設定変更状態の終了を指定する。設定変更終了コマンドでは、例えば変更により新たに設定された設定値に対応するEXTデータが設定されてもよい。例えば、コマンド9300Hは設定値が「1」に設定されていることを指定し、コマンド9301Hは設定値が「2」に設定されていることを指定し、コマンド9302Hは設定値が「3」に設定されていることを指定する。あるいは、設定変更終了コマンドは、EXTデータが00Hであるコマンド9300Hのみが用意され、変更により新たに設定された設定値にかかわらず、コマンド9300Hにより、設定変更状態の終了を指定してもよい。あるいは、設定変更終了コマンドとは異なる演出制御コマンドとして、パチンコ遊技機1にて設定されている設定値を指定する設定値指定コマンドが用意されてもよい。設定値指定コマンドは、設定変更終了コマンドの送信に伴い送信される場合の他にも、例えば第1変動開始コマンドや第2変動開始コマンドの送信に伴い、特図ゲームの各回における変動開始と対応して送信されてもよい。また、例えば特図ゲームにおける10回の変動開始ごとのように、所定回数の変動表示が実行されることに伴い、設定値指定コマンドが送信されてもよい。これらに代えて、あるいは、これらに加えて、当り開始指定コマンドや当り終了指定コマンドの送信に伴い、設定値指定コマンドが送信されてもよい。客待ちデモ指定コマンドの送信に伴い、設定値指定コマンドが送信されてもよい。
【0099】
設定確認開始コマンド9400Hは、パチンコ遊技機1における電源投入による電力供給が開始されたときに、設定値を確認可能にする設定確認状態の開始を指定する。設定確認終了コマンド9401Hは、設定確認状態の終了を指定する。遊技状態指定コマンド95XXHは、パチンコ遊技機1における現在の遊技状態を指定する。例えば、コマンド9500Hを時短制御が行われない遊技状態(低ベース状態、通常状態)に対応した第1遊技状態指定コマンドとし、コマンド9501Hを時短制御が行われる遊技状態(高ベース状態、時短状態)に対応した第2遊技状態指定コマンドとする。遊技制御エラー指定コマンド96XXHは、パチンコ遊技機1において遊技制御に関するエラー(異常)の発生および発生したエラー(異常)の種別を指定する。遊技制御エラー指定コマンドでは、各エラー(異常)に対応するEXTデータが設定されることにより、演出制御基板12側において、いずれのエラー(異常)の発生が判定されたのかを特定することができ、特定したエラー(異常)の発生は、エラー報知処理によって報知すればよい。客待ちデモ指定コマンド9F00Hは、客待ち状態における遊技の進行停止に対応した演出画像の表示などによる客待ちデモンストレーション画面の表示(デモ画面表示)を指定する。当り開始指定コマンドA0XXHは、大当り遊技状態または小当り遊技状態の開始を示す演出画像の表示を指定する。大入賞口開放中指定コマンドA1XXHは、大当り遊技状態または小当り遊技状態において、大入賞口が開放状態となっている期間であることを指定する。大入賞口開放後指定コマンドA2XXHは、大当り遊技状態または小当り遊技状態において、大入賞口が開放状態から閉鎖状態に変化した期間であることを指定する。当り終了指定コマンドA3XXHは、大当り遊技状態または小当り遊技状態の終了時における演出画像の表示を指定する。背景指定コマンドB0XXHは、遊技状態などに応じた背景画面の表示状態を指定する。第1保留記憶数指定コマンドC1XXHは、第1保留記憶数を指定する。第1保留記憶数は、保留記憶数のうち、第1特別図柄表示装置4Aに対応した可変表示の保留数であり、例えば「0」~「4」のいずれかの値となる。第2保留記憶数指定コマンドC2XXHは、第2保留記憶数を指定する。第2保留記憶数は、保留記憶数のうち、第2特別図柄表示装置4Bに対応した可変表示の保留数であり、例えば「0」~「4」のいずれかの値となる。入賞時判定結果指定コマンドC3XXHは、入賞時判定結果を指定する。入賞判定結果は、第1始動口スイッチ22Aが第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球を検出したときや、第2始動口スイッチ22Bが第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球を検出したときに、例えば乱数回路104やRAM102の所定領域に設けられた遊技用ランダムカウンタから抽出した遊技用乱数を示す数値データを用いて、可変表示結果が「大当り」となるか否かを判定した結果や、変動パターンを判定した結果などを示している。すなわち、入賞時判定結果は、大当り遊技状態などの有利状態に制御するか否かを決定するより前に、有利状態に制御されるか否かを判定した結果や、特定の変動パターンとなるか否かを判定した結果を示している。
【0100】
図11は、演出制御基板12の演出制御用マイクロコンピュータ120が受信可能なテストコマンドとなる演出制御コマンドの内容例を示している。テストコマンドとなる演出制御コマンドも、遊技用の演出制御コマンドと同様に、2バイト構成である。テストコマンドとなる演出制御コマンドは、上位データ(MODEデータ)がF0H~F3Hのいずれかに設定される。これらの上位データ(MODEデータ)は、遊技用の演出制御コマンドでは使用されない値であり、各種検査を行うための専用コマンドとして、予め用意されたものであればよい。なお、2バイト構成のテストコマンドに限定されず、例えば1バイトや3バイト以上で構成される制御コマンドを用いてもよい。テストコマンドは、遊技の進行に伴い主基板11の遊技制御用マイクロコンピュータ100から送信される演出制御コマンドには含まれていない。テストコマンドは、例えばコネクタ150、156、または、バックアップメモリ基板14に設けられた検査用接続部203に、信号配線を介して接続された外部装置としての検査装置から送信され、演出制御基板12の演出制御用マイクロコンピュータ120が受信したことに基づいて、受信コマンドに対応する検査処理などが実行可能となる。このように、テストコマンドとなる演出制御コマンドは、遊技の進行に伴い主基板11の遊技制御用マイクロコンピュータ100から演出制御基板12の演出制御用マイクロコンピュータ120に対して送信される遊技用の演出制御コマンドとは異なり、各種検査を行う検査処理などを実行可能にする検査用の演出制御コマンドである。
【0101】
黒画面表示コマンドF000Hは、画像表示装置5においてテスト用の黒画面を表示させる。テスト用の黒画面は、表示色が黒色となる表示検査用の画面である。ROMチェック画面コマンドF005Hは、例えば外部ROM62AK120といった各種ROMの検査処理について、その実行結果やバージョン情報を画像表示装置5の画面上に表示させる。赤表示コマンドF020Hは、画像表示装置5において表示色が赤色となる表示検査用の画面である赤画面を表示させる。緑表示コマンドF021Hは、画像表示装置5において表示色が緑色となる表示検査用の画面である緑画面を表示させる。青表示コマンドF022Hは、画像表示装置5において表示色が青色となる表示検査用の画面である青画面を表示させる。白表示コマンドF023Hは、画像表示装置5において表示色が白色となる表示検査用の画面である白画面を表示させる。黒表示コマンドF024Hは、画像表示装置5において表示色が黒色となる表示検査用の画面である黒画面を表示させる。RTC値種別指定コマンドF1XXHは、RTC値の種別を指定する。RTC値種別指定コマンドの下位データ(EXTデータ)であるXXHは、例えば、年、月、日、曜日、時、分、秒といった、RTC値の種別に対応した値を示している。RTC数値設定コマンドF2XXHは、RTC値種別指定コマンドF1XXHで指定されたRTC値の種別について、具体的な内容や数値を設定する。RTC数値設定コマンドの下位データ(EXTデータ)であるXXHは、年、月、日、時、分、秒について、具体的な数値に対応した値を示し、曜日について、日曜日から土曜日までに対応した値を示している。
【0102】
チェック処理等指定コマンドF3XXHは、検査処理となる各種のチェック処理について、実行することを指定する。例えばチェック処理等指定コマンドの下位データ(EXTデータ)であるXXHは、1のチェック処理と他のチェック処理とで異なる固有の値を示す場合や、複数種類のチェック処理などに共通した値を示す場合とがあればよい。チェック処理等指定コマンドF3XXHは、複数のテストコマンドを構成し、複数のテストコマンドの組み合わせとして、予め定められた順番で受信した場合に、検査処理となる各種のチェック処理などを実行可能であればよい。また、検査処理となる各種のチェック処理などに対応して予め定められた複数のテストコマンドを受信する順番として、複数種類の順番が予め定められており、複数のテストコマンドの組み合わせを受信した順番の種類に応じて異なる検査処理などを実行可能であればよい。
【0103】
図12は、受信順序リストによるテストコマンドの受信順序と実行する処理との設定例を示している。複数のテストコマンドの組み合わせにより実行可能になる処理としては、バックアップクリア、外部RAMチェック(ショート)、外部RAMチェック(ロング)、バックアップ検査の各処理が、予め用意されている。図12(A)は、バックアップクリア処理を実行する場合に、複数のテストコマンドの組み合わせを受信する順序を示している。図12(B)は、外部RAMチェック(ショート)処理を実行する場合に、複数のテストコマンドの組み合わせを受信する順序を示している。図12(C)は、外部RAMチェック(ロング)処理を実行する場合に、複数のテストコマンドの組み合わせを受信する順序を示している。図12(D)は、バックアップ検査処理を実行する場合に、複数のテストコマンドの組み合わせを受信する順序を示している。図12(A)~(D)に示す受信順序では、上から下に向かう順序で複数のテストコマンドの組み合わせを受信し、受信順序がすべて合致した場合に、対応する処理が実行される。
【0104】
バックアップクリア処理は、バックアップデータの記憶内容を初期化する処理である。バックアップデータは、例えばバックアップメモリ基板14のバックアップデータメモリ210A~210Dに設けられたログ領域の記憶データであり、各種のログ情報を示している。外部RAMチェック(ショート)処理と外部RAMチェック(ロング)処理は、外部RAM122の記憶領域について、データの書込および読出を適切に行うことができるか否かをチェックする検査処理である。外部RAMチェック(ショート)処理は、外部RAMチェック(ロング)処理よりも短時間で実行可能な処理であり、外部RAMチェック(ロング)処理よりも簡素化された処理内容を含むものであればよい。バックアップ検査処理は、バックアップデータの記憶内容に基づいて実行される検査処理である。この場合に、バックアップメモリ基板14のバックアップデータメモリ210A~210Dから読み出されたバックアップデータは、外部装置としての検査装置に出力可能となればよい。
【0105】
外部RAMチェック(ショート)処理と外部RAMチェック(ロング)処理は、外部RAM122という電子部品の状態を検査可能とする検査処理である。バックアップ検査処理は、ログ情報を示すバックアップデータの記憶内容に基づいて、各種の電子部品に関する情報を確認可能とする検査処理である。このように、演出制御用マイクロコンピュータ120のCPU131は、複数のテストコマンドの組み合わせにより、電子部品の状態を検査可能または確認可能とする検査処理を実行することができる。受信順序に従った複数のテストコマンドの組み合わせは、受信コマンドの上位データ(MODEデータ)がすべてF3Hとなるチェック処理等指定コマンドにより構成されている。このように、検査処理を実行するために受信する複数のテストコマンドの組み合わせは、遊技の進行に伴い受信する遊技用の演出制御コマンドとは異なる検査用の演出制御コマンドの組み合わせとして構成されている。したがって、電子部品の状態を検査する検査処理は、遊技用の演出制御コマンドを受信したことに基づいて実行されることがない。これにより、遊技の進行に伴い受信する遊技用の演出制御コマンドに基づいて、電子部品の状態を検査する検査処理が誤って実行されてしまうことを確実に防止して、適切な検査を行うことができる。また、例えば遊技の進行中などに誤って検査処理が実行される可能性を低下させるので、検査処理の誤った実行で遊技機が破損したと誤解されることによるトラブルを防止して、遊技の中断による遊技者の不利益を防ぎ、検査処理の信頼性を向上させることができる。
【0106】
バックアップクリア処理を実行する場合に受信する複数のテストコマンドの組み合わせには、チェック処理等指定コマンドのうちF311Hとなるコマンドが含まれている。外部RAMチェック(ショート)処理を実行する場合に受信する複数のテストコマンドの組み合わせには、チェック処理等指定コマンドのうちF312Hとなるコマンドが含まれている。外部RAMチェック(ロング)処理を実行する場合に受信する複数のテストコマンドの組み合わせには、チェック処理等指定コマンドのうちF313Hとなるコマンドが含まれている。バックアップ検査処理を実行する場合に受信する複数のテストコマンドの組み合わせには、チェック処理等指定コマンドのうちF314Hとなるコマンドが含まれている。これらのコマンドは、いずれも他の処理を実行する場合に受信する複数のテストコマンドの組み合わせには含まれていない。このように、特定の検査処理を実行するために受信する複数のテストコマンドの組み合わせは、他の検査処理を実行するために受信する複数のテストコマンドの組み合わせには含まれない固有のテストコマンドを含んでいてもよい。例えば、チェック処理等指定コマンドのうちF303HとなるコマンドやF304Hとなるコマンドなどは、バックアップクリア処理、外部RAMクリア(ショート)処理、外部RAMクリア(ロング)処理、バックアップ検査処理のいずれを実行する場合にも、受信する複数のテストコマンドの組み合わせに含まれている。このように、特定の検査処理を実行するために受信する複数のテストコマンドの組み合わせは、他の検査処理を実行するために受信する複数のテストコマンドの組み合わせにも含まれる共通のテストコマンドを含んでいてもよい。また、例えばチェック処理等指定コマンドのうちF37FHとなるコマンドは、いずれの処理を実行する場合にも、受信する複数のテストコマンドの組み合わせにおいて最後に受信するテストコマンドとなる。このように、特定の検査処理を実行するために受信する複数のテストコマンドの組み合わせにおいて最後に受信するテストコマンドは、他の検査処理を実行するために受信する複数のテストコマンドの組み合わせにおいて最後に受信するテストコマンドと共通のコマンドであってもよい。なお、複数のテストコマンドの組み合わせにおいて最初に受信するテストコマンドが固有のコマンドとなる場合に限定されず、複数種類の検査処理に対応する複数のテストコマンドの組み合わせにおいて共通の順序で受信する少なくとも一部のテストコマンドが固有のコマンドとなるものであってもよい。また、複数のテストコマンドの組み合わせにおいて最後に受信するテストコマンドが共通のコマンドとなる場合に限定されず、複数種類の検査処理に対応する複数のテストコマンドの組み合わせにおいて共通の順序で受信する少なくとも一部のテストコマンドが共通のコマンドとなるものであってもよい。検査処理を実行するために受信する複数のテストコマンドの組み合わせは、遊技の進行に伴い受信する遊技用の演出制御コマンドよりも、多い個数のコマンドの組み合わせとして構成されていればよい。この場合に、電子部品の状態を検査する検査処理は、遊技用として受信する個数の演出制御コマンドでは実行されることがない。これにより、遊技の進行に伴い受信する遊技用の演出制御コマンドに基づいて、電子部品の状態を検査する検査処理が誤って実行されてしまうことを確実に防止して、適切な検査を行うことができる。また、例えば遊技の進行中などに誤って検査処理が実行される可能性を低下させるので、検査処理の誤った実行で遊技機が破損したと誤解されることによるトラブルを防止して、遊技の中断による遊技者の不利益を防ぎ、検査処理の信頼性を向上させることができる。複数のテストコマンドの組み合わせとして、テストコマンドを受信する順番は複数種類がある。そして、外部RAMチェック(ショート)処理、外部RAMチェック(ロング)処理、バックアップ検査処理といった、検査処理として、複数のテストコマンドの組み合わせを受信した順番の種類に応じて異なる処理を実行することができる。また、複数のテストコマンドの組み合わせに応じて、電子部品の状態を検査する検査処理が異なる。これにより、電子部品の状態を検査する多様な検査処理を実行可能にして、適切な検査を行うことができる。
【0107】
演出制御タイマ割込処理のステップS79にて実行される演出制御中バックアップ処理では、予め設定されたバックアップ条件が成立したか否かを判定する。そして、バックアップ条件が成立したと判定された場合に、成立したバックアップ条件に応じたバックアップ対象データを、記憶して保管するためのバックアップ処理が実行される。バックアップ条件は、パチンコ遊技機1における各種の変更や設定を含めた事象の発生に応じて、異なる複数の条件が設定可能であればよい。複数のバックアップ条件を示すバックアップ制御テーブルは、例えば外部ROM121および内部ROM132の一方または両方に設けられた所定領域(プログラム管理エリアなど)に、予め記憶されていればよい。バックアップ対象データは、バックアップ条件に応じて異なるデータを含んでいてもよい。あるいは、バックアップ対象データは、複数のバックアップ条件について共通のデータを含んでいてもよい。いずれのバックアップ条件が成立した場合にも、日時情報を含めたログ情報を示すバックアップ対象データが記憶されるようにすればよい。バックアップ対象データを記憶させるバックアップ方法として、一括バックアップと、分割バックアップとが用意されてもよい。一括バックアップの場合には、1回分のバックアップによるバックアップ対象データを、演出制御用のタイマ割込が1回発生したことに基づく割込処理において記憶させる。分割バックアップの場合には、1回分のバックアップによるバックアップ対象データを、演出制御用のタイマ割込が複数回発生したことに基づく割込処理において記憶させる。
【0108】
バックアップ条件に応じたバックアップ対象データを記憶して保管するためのバックアップ処理は、演出制御タイマ割込処理が実行されるごとに、ステップS79の演出制御中バックアップ処理にてバックアップ条件が成立したときに実行可能であってもよいし、パチンコ遊技機1に対する電力供給が停止される電断時に一括して実行可能であってもよい。電断時に一括してバックアップ処理を実行する場合に、演出制御中バックアップ処理にてバックアップ条件が成立したと判定されたときには、例えば外部RAM122の所定領域に、日時情報を含めたログ情報を示すバックアップ対象データを記憶しておく。
【0109】
図13は、複数のバックアップ条件などを提供するバックアップ制御テーブル120Tの設定例を示している。バックアップ制御テーブル120Tは、ログ情報の内容を示すバックアップ対象データごとに、バックアップ条件、バックアップ方法、分割方法、記憶領域ビット数、多重度、検証方法を設定可能に構成されている。バックアップ方法が分割バックアップである場合には、分割方法として、「自動」や「100KB毎」などを指定可能である。分割方法は、分割バックアップを実行する場合に、バックアップ対象データを分割する方式や手法であり、分割回数や分割時のデータ容量などを指定できればよい。例えば、分割方法が「自動」の場合には、バックアップ処理を実行するごとに、バックアップ対象データのデータ容量に応じた分割回数が決定される。あるいは、演出制御基板12やバックアップメモリ基板14における処理負荷に応じて、異なる分割回数や分割時のデータ容量を決定可能にしてもよい。記憶領域ビット数は、バックアップメモリ基板14に設けられたバックアップデータメモリ210A~210Dにおいて、ログ情報を記憶する記憶領域であるログ領域における記憶データの処理単位であり、この例では、8ビットを示す「8」または3ビットを示す「3」が指定可能となる。多重度は、同一のログ情報を示すバックアップ対象データを、異なる複数のログ領域で重複しつつ分散して記憶させるミラーリングの度合いであり、ミラーリングして記憶させるか否かや、ミラーリングする場合の記憶回数を指定可能である。例えば、多重度が「1」である場合には、ミラーリングを行わず、同一のログ情報を示すバックアップ対象データを1回だけ記憶させてバックアップする。多重度が「2」である場合には、記憶回数が2回のミラーリングを行い、同一のログ情報を示すバックアップ対象データを異なる記憶領域に2回記憶させてバックアップする。多重度が「3」である場合には、記憶回数が3回のミラーリングを行い、同一のログ情報を示すバックアップ対象データを異なる記憶領域に3回記憶させてバックアップする。多重度を大きくすることにより、冗長性(可用性)を向上させ、記憶データの信頼性を高めることができる。
【0110】
バックアップ対象データごとに設定可能な検証方法は、バックアップ対象データの記憶処理であるバックアップ処理が正しく行われたか否かを検証する方法であり、誤り検出とともに、多数決による判断を行うか否かを指定可能である。検証方法が誤り検出の場合には、バックアップ対象データをログ領域から読み出したときに、パリティ、チェックサムまたはハッシュ値などを用いた任意の誤り検出処理を実行して、記憶データの正当性を検証できればよい。検証方法が誤り検出とともに多数決の場合、パリティ、チェックサムまたはハッシュ値などを用いた誤り検出処理とともに、ミラーリングにより多重化されて同一のログ情報を示すバックアップ対象データが記憶された複数のログ領域における記憶データを比較する。この比較結果として、複数のログ領域のうち所定数のログ領域において記憶内容が一致すれば、正しくバックアップ処理がされたと判定して、記憶データの正当性を検証できればよい。例えば複数のログ領域における記憶データから算出したパリティ、チェックサムまたはハッシュ値が一致した場合には、それぞれのログ領域に対して正しくバックアップ処理がされたと判断することができる。複数のログ領域における記憶データから算出されたパリティ、チェックサムまたはハッシュ値が不一致の場合には、同一のパリティ、チェックサムまたはハッシュ値が算出されたログ領域の数が過半数であれば、それらのログ領域に対して正しくバックアップ処理がされたと判断すればよい(多数決による判断)。正しくバックアップ処理がされたと判定する条件となる「所定数のログ領域」は、過半数のログ領域に限定されず、多重度にかかわらず予め設定された固定値(例えば「2」など)であってもよいし、多重度やバックアップ方法あるいは分割方法などに応じて決定される可変値であってもよい。多数決による判断に代えて、誤り検出処理の実行結果が最初に正常となった時点で、正しくバックアップ処理がされたと判定してもよい。
【0111】
バックアップ対象データは、システムデータ、演出制御エラーデータ、遊技者履歴データ、受信コマンドデータ、設定値変更時刻データ、節電設定データ、現在時刻変更データ、電源断時刻データ、店舗名設定データ、演出出力量データ、演出履歴データを含んでいる。なお、これらの一部を含んだバックアップ対象データであってもよい。システムデータは、外部RAM122や内部RAM133に設けられた所定領域(演出制御用データ保持エリアなど)に記憶された演出制御用データを含んでいればよい。演出制御エラーデータは、演出制御の実行中に発生したエラーを示すデータである。遊技者履歴データは、パチンコ遊技機1が取得した遊技者に関するデータである。受信コマンドデータは、主基板11から送信された演出制御コマンドを示すデータである。設定値変更時刻データは、設定値が変更された日時を示すデータである。なお、設定値変更時刻データは、設定値が確認された日時を示すデータを含んでもよいし、設定値変更時刻データとは別個に設定値確認時刻データが生成されてもよい。節電設定データは、遊技場の係員が設定可能な節電制御に関するデータである。節電制御の設定は、例えばパチンコ遊技機1の背面側に設けられた出力量切替スイッチのツマミを回動操作する動作により、画像表示装置5に節電機能等設定画面が表示されたときに、節電機能の有無や種類(節電モード)が変更可能となればよい。あるいは、節電設定用のテストコマンドが入力された場合に、節電機能等設定画面が画像表示装置5に表示され、節電機能の有無や機能(節電モード)を変更可能にしてもよい。現在時刻変更データは、RTCにより計測される現在日時の設定が変更されたことを示すデータである。RTCにより計測される現在日時の設定は、演出制御用マイクロコンピュータ120のタイマ回路135が備えるRTCの設定と、バックアップメモリ基板14に設けられたRTC201の設定とのうち、一方または両方の設定であればよい。電源断時刻データは、パチンコ遊技機1に対する電力供給が停止された日時を示すデータである。店舗名設定データは、遊技場の係員などが設定可能な店舗名の設定を示すデータである。演出出力量データは、遊技者などが設定可能な音量や発光量といった出力量の設定を示すデータである。演出履歴データは、パチンコ遊技機1において実行された演出の履歴を示すデータである。その他、特定タイミングから計数した可変表示の実行回数を示す回転数、大当り種別ごとにカウントした大当り回数を示す種別大当り回数、通常状態に制御されずに発生した大当り回数を示す連チャン数、遊技者が設定した演出画像のキャラクタ選択内容や演出テーマを示す演出カスタマイズ、予め定められたミッションの達成状況を示すミッション達成状況など、パチンコ遊技機1の仕様や制御の進行などに応じて、任意の情報を示すデータを、バックアップ対象データとして記憶することができればよい。
【0112】
バックアップ対象データごとに設定可能なバックアップ条件は、パチンコ遊技機1における設定、制御、判定、検出など、遊技や演出の進行に伴い発生可能な事象の発生条件であればよい。演出制御タイマ割込処理のステップS79にて実行される演出制御中バックアップ処理では、例えば演出制御用マイクロコンピュータ120のCPU131やVDP140といった、制御装置や処理装置による処理結果に応じて、予め設定されたバックアップ条件のいずれかが成立したか否かを判定すればよい。例えば、ステップS75にて実行されるエラー報知処理では、主基板11から送信された遊技制御エラー指定コマンドの受信結果を判定することにより、あるいは、各種の検出結果を判定することにより、演出装置を含めた電子部品に関するエラーが発生した場合に、エラーを報知する制御が行われる。この場合に、演出制御中バックアップ処理では、エラー発生時のバックアップ条件が成立したと判定し、演出制御エラーデータを作成する。このように、演出制御中バックアップ処理にてバックアップ条件が成立したと判定されたときには、バップアップメモリ基板14に対し、演出制御中バックアップ用のバックアップ命令に対応する制御信号が送信される。演出制御中バックアップ用のバックアップ命令は、バックアップ対象データを含んでいればよい。バックアップメモリ基板14のメモリコントローラ200は、演出制御中バックアップ用のバックアップ命令を受け付けると、RTC201から取得した日時情報を用いて、バックアップ対象データを含むログ情報の書込処理を実行すればよい。演出装置を含めた電子部品に関するエラーの情報を記憶することにより、不具合の特定や性能の改善が容易になる。
【0113】
演出制御中バックアップ処理は、演出制御用のタイマ割込が発生したことに基づいて、演出制御用タイマ割込処理のステップS79にて実行される。そして、CPU131やVDP140といった制御装置や処理装置による処理結果に応じた事象の発生条件が成立した場合として、演出装置を含む複数の電子部品に関するバックアップ対象データごとに設定されたバックアップ条件が成立した場合には、バックアップ対象データを記憶させるバックアップ処理が実行される。このように、複数の電子部品に関する事象の発生条件が成立した場合として、CPU131やVDP140といった制御装置や処理装置の処理結果に応じた事象の発生条件が成立した場合には、ログ領域などの記憶領域に対して、複数の電子部品に関する情報を書き込んで記憶させるための書込処理を実行することができる。
【0114】
バックアップ対象データごとに設定可能なバックアップ条件は、複数の電子部品に応じた事象の発生条件とは異なる書込条件を含んでいてもよい。例えば遊技者履歴データは、複数の電子部品に応じた事象が発生したか否かにかかわらず、遊技者に関するデータが更新されたデータ更新時に、バックアップ条件が成立する。受信コマンドデータは、複数の電子部品に応じた事象が発生しない場合でも、主基板11から送信された演出制御コマンドの受信時に、バックアップ条件が成立することがある。店舗名設定データは、複数の電子部品に応じた事象が発生したか否かにかかわらず、遊技場に対応する店舗の名称設定時に、バックアップ条件が成立する。システムデータについては、複数の電子部品に応じた事象が発生したことによるデータ更新時にバックアップ条件が成立する場合と、複数の電子部品に応じた事象が発生したか否かにかかわらず記憶されているデータ更新時にバックアップ条件が成立する場合とがある。このように、複数の電子部品に応じた事象の発生条件とは異なる書込条件としてのバックアップ条件が成立した場合にも、バックアップ対象データを記憶させるバックアップ処理が実行される。このような発生条件とは異なる書込条件が成立した場合には、ログ領域などの記憶領域に対して、複数の電子部品に関する情報とは異なる遊技関連情報を書き込んで記憶させるための書込処理を実行することができる。電子部品の不具合に応じた事象が発生した場合には、遊技関連情報も含めたバックアップデータが記憶されているので、遊技や演出の進行と電子部品の不具合との関係を容易に特定することができ、パチンコ遊技機1の状況を容易に把握することができる。
【0115】
バックアップ対象データが演出制御エラーデータである場合には、エラー発生時のみをバックアップ条件とするものに限定されず、エラー回復時も含めたバックアップ条件が設定されてもよい。例えば、ステップS75にて実行されるエラー報知処理では、主基板11から送信された遊技制御エラー指定コマンドの受信結果を判定することにより、あるいは、各種の検出結果を判定することにより、演出装置を含めた電子部品に関するエラーが発生した場合に、エラーを報知する制御が行われる。この場合に、演出制御中バックアップ処理では、エラー発生時のバックアップ条件が成立したと判定し、演出制御エラーデータを作成する。その後に、エラー報知の対象となった電子部品に関して、エラーが検出されなくなると、エラーから回復したと判定する。このような判定によるエラー回復時にも、演出制御中バックアップ処理ではバックアップ条件が成立したと判定して、演出制御エラー回復データを作成してもよい。こうして作成した演出制御エラー回復データは、演出制御エラーデータと同様に、演出制御中バックアップ用のバックアップ命令に含められて、バックアップメモリ基板14に対して送信される。バックアップメモリ基板14のメモリコントローラ200は、演出制御中バックアップ用のバックアップ命令を受け付けると、RTC201から取得した日時情報を用いて、バックアップ対象データを含むログ情報の書込処理を実行すればよい。演出制御エラーデータに加えて、演出制御エラー回復データもバックアップデータとして記憶可能にすることで、演出制御に関するエラーの発生と回復の履歴を記憶して事後的な検証を可能とし、パチンコ遊技機1の状況を容易に把握することができる。
【0116】
演出制御メイン処理のステップS23における電源投入時情報処理では、ログ領域に記憶されたログ情報に基づき設定や制御を復旧させるバックアップ復旧処理が実行されてもよい。バックアップ復旧処理では、バックアップ対象データに応じた検証方法で検証を行い、記憶データが正常であるか否かを判定すればよい。例えば、検証方法が誤り検出とともに多数決の場合、同一のログ情報を示すバックアップ対象データが記憶された複数のログ領域のうち、所定数のログ領域において誤り検出処理の実行結果が正常であれば、記憶データが正常であると判定する。こうして、記憶データが正常であれば、ログ領域の記憶データを用いたデータ復旧処理を行う。これに対し、記憶データが正常ではない場合には、ログ領域の記憶データとは異なる初期データを用いた初期値設定を行う。初期データは、例えば外部ROM121および内部ROM132の一方または両方に記憶され、遊技制御メイン処理のステップS21にて初期化処理が実行される場合に使用されるデータであればよい。これにより、バックアップ対象データを正しく記憶できなかった場合でも、停電からの復旧に応じて、初期データを用いた初期値設定を行うことができる。初期データに代えて、記憶データが正常ではない場合に対応した特別データを用いてもよい。特別データは、初期データとは異なり、設定や制御を復旧させる場合に適合したデータであればよい。記憶データが正常ではないと判定されたバックアップ対象データに応じて、初期データを用いるか特別データを用いるかを異ならせてもよい。例えばバックアップ対象データがシステムデータであれば、記憶データが正常ではないと判定された場合に、特別データを用いたデータ復旧を行う。これに対し、バックアップ対象データが演出出力量データであれば、記憶データが正常ではないと判定された場合に、初期データを用いたデータ復旧を行う。初期データを用いるか特別データを用いるかの設定は、バックアップ対象データの更新頻度や更新データ量、データの重要度、対象部品、対象制御、これらの一部または全部の組合せなどに基づいて、予め決められていればよい。なお、バックアップ復旧処理は、演出制御中バックアップ処理にて予め設定されたデータ復旧条件が成立した場合に、実行可能としてもよい。データ復旧条件は、例えば主基板11から送信される停電復旧指定コマンドを受信した場合に、成立すればよい。
【0117】
演出制御中バックアップ処理では、演出制御基板12にバックアップメモリ基板14が接続されているか否かを判定してもよい。この場合には、コネクタ154の端子TM02における電圧値を判定すればよい。接続状態の判定結果に応じて、記憶処理を実行するか否かを異ならせてもよいし、異なる内容の記憶処理が実行されてもよい。例えば、演出制御基板12にバックアップメモリ基板14が接続されていない場合には、ログ領域にログ情報を格納して記憶させる記憶処理を実行しない。このように、演出制御基板12にバックアップメモリ基板14が接続されていないという、予め設定された制限条件が成立した範囲では、記憶処理を実行しないという限界としての制限が設けられてもよい。これに対し、演出制御基板12にバックアップメモリ基板14が接続されているという、制限条件が成立していない範囲では、記憶処理を実行可能であればよい。異なる内容の記憶処理として、演出制御基板12にバックアップメモリ基板14が接続されていない場合には、外部RAM122の所定領域をログ領域として、各種のログ情報を示すバックアップデータを格納して記憶させる記憶処理が実行されてもよい。この場合には、演出制御基板12にバックアップメモリ基板14が接続されている場合と比較して、バックアップ対象データとして記憶させるデータ容量を減少させてもよい。例えば、演出制御エラーデータや受信コマンドデータはバックアップ対象データとなり、バックアップ条件が成立したときにログ情報を記憶させる記憶処理が実行される一方で、システムデータや遊技者履歴データはバックアップ対象データとならず、バックアップ条件が成立してもログ情報を記憶させる記憶処理が実行されないようにしてもよい。このように、演出制御基板12にバックアップメモリ基板14が接続されていないという、予め設定された制限条件が成立した範囲では、記憶処理により記憶させるデータ容量を減少させるという限界としての制限が設けられてもよい。これに対し、演出制御基板12にバックアップメモリ基板14が接続されているという、制限条件が成立していない範囲では、記憶処理により記憶させるデータ容量を減少させず、すべてのバックアップ条件に対応したバックアップ対象データを格納して記憶させればよい。記憶処理に限定されず、パチンコ遊技機1における任意の処理や制御について、予め設定された制限条件が成立した範囲では、特定の処理や制御が実行されないという限界としての制限が設けられてもよく、あるいは制限条件が成立していない範囲と比較して処理量や制御量が減少するという限界としての制限が設けられてもよい。
【0118】
図14および図15は、メンテナンス履歴画面を表示する具体例を示している。パチンコ遊技機1への電力供給が開始されたときに、遊技制御メイン処理のステップS5にて設定確認処理が実行され、設定確認条件が成立すると、主基板11から演出制御基板12に対して設定確認開始コマンドが送信される。この設定確認開始コマンドを受信すると、演出制御用マイクロコンピュータ120のCPU131は、例えば演出制御用タイマ割込処理のステップS78にてメンテナンスモード処理が実行されたときに、図14(A)に示すような設定確認中表示を行う。設定確認中表示は、例えば画像表示装置5において「設定確認中です」などの文字表示を行う。設定確認中表示には、画像表示装置5において「プッシュボタン押下でメンテナンスモードに移行します」などの文字表示が含まれている。このように、設定確認中表示では、メンテナンスモードに移行するための操作を促す表示が行われる。このとき、遊技場の係員や製造業者の担当者がプッシュボタン31Bを押下する動作の検出があると、画像表示装置5では、図14(B)に示すようなメンテナンスモードメニュー画面が表示され、メンテナンスモードに移行する。メンテナンスモードメニュー画面には、「メンテナンス履歴」、「設定変更/確認履歴」、および「現在時刻設定」の選択肢が表示されているとともに、現在時刻が表示されている。
【0119】
メンテナンスモードメニュー画面において、「メンテナンス履歴」の選択肢012IW106を選択すると、画像表示装置5では、図14(C)に示すようなメンテナンス履歴画面の表示に切り替わる。メンテナンス履歴画面では、日時とログ内容とが対応付けて表示され、最新のログ情報が上位となるように順に表示される。一例として、VDP140にて内部状態の異常が発生したことを示すVDPエラー、第1大入賞口や第2大入賞口などの入賞口への不正入賞を検出したことを示す不正入賞エラー、カウントスイッチ23など各種スイッチの異常を検出したことを示すスイッチ異常エラー、賞球異常を検出したことを示す賞球異常エラー、異常磁気を検出したことを示す磁石エラーの各ログ情報、さらには、確変不成立を検出したことを示すログ情報が表示される。メンテナンス履歴画面が複数ページある場合には、次のページの選択操作を行うと、図14(D)に示すようなメンテナンス履歴画面の2ページ目に移行する。この場合には、設定変更の開始や設定変更の終了のログ情報、電断日時や電源投入日時のログ情報、さらには、左打ち報知や満タン報知のログ情報が表示される。さらに次のページがある場合には、次のページの選択操作を行うと、図15(E)に示すようなメンテナンス履歴画面の3ページ目に移行する。このときには、設定確認の開始や設定確認の終了のログ情報、設定確認中のメンテナンスモード中に現在時刻設定が行われた旨のログ情報、初期化処理によるRAMクリアが実行されたことを示すログ情報などが表示される。さらに次のページの選択操作を行うと、図15(F)に示すようなメンテナンス履歴画面の4ページ目に移行する。ここでは、パチンコ遊技機1への電源投入時に何らかのRAM異常が発生したことを示すRWM異常エラーのログ情報、それより後の日時に対応した電断日時や電源投入日時のログ情報が表示される。これらのログ情報により、RWM異常エラーが発生したことから、遊技場の係員が一旦はパチンコ遊技機1の電力供給を停止した後にクリアスイッチをオンしながら電源を再投入して、初期化処理によるRAMクリアが行われたことを、事後的に確認できる。また、CPU131において例外事象が発生したことを示すCPU例外事象のログ情報、それより後の日時に対応した電断日時や電源投入日時のログ情報が表示される。これらのログ情報により、CPU例外事象が発生したことから、遊技場の係員がパチンコ遊技機1の電力供給を停止したが、次の日に電源を投入したときには、CPU例外事象が発生しなくなったことを、事後的に確認できる。
【0120】
なお、図15(E)に示すようなメンテナンス履歴画面の3ページ目では、現在時刻設定が行われた旨のログ情報として、設定確認が開始された旨のログ情報よりも、早い時刻を示すログ情報が表示されている。例えば設定確認が開始されたのが2018/03/21(水)の09:36:28であるのに対して、現在時刻を設定したのが2018/03/21(水)の09:36:16とされている。このように、現在時刻設定の前後で日時の不整合が生じるのは、現在時刻設定が行われると、設定後の日時情報を読み出してログ情報が記録されるためである。この例では、ログ情報が発生した順にログ領域にログ情報が記録され、現在時刻設定の前後で日時が整合しなくなる場合であっても、ログ情報が発生した順にログ情報が表示される。
【0121】
メンテナンス履歴画面の表示に加えて、あるいはメンテナンス履歴画面の表示に代えて、画像表示装置5に2次元バーコードを表示して、ログ情報を取得可能にしてもよい。例えば検査装置に接続された撮影装置を用いて、画像表示装置5に表示された2次元バーコードを撮影する。このような2次元バーコードの撮影により、検査装置にログ情報を提供することができる。その他、ログ情報の出力は、表示出力、無線出力、赤外線出力、音声出力、超音波出力、あるいは、これらの一部または全部の組合せといった、任意の出力方式を用いたものであればよい。ログ情報に限定されず、任意の情報出力は、表示出力、無線出力、赤外線出力、音声出力、超音波出力、あるいは、これらの一部または全部の組合せといった、任意の出力方式を用いたものであればよい。
【0122】
メンテナンス履歴画面にて表示可能なログ情報は、バックアップデータに示されるログ情報の全部であってもよいし、バックアップデータに示されるログ情報の一部であってもよい。例えば、メンテナンス履歴画面では、CPU131の例外事象といった、制御装置の内部状態に応じて成立可能な事象の発生条件に対応するログ情報を表示可能である。また、メンテナンス履歴画面では、VDP140のエラー割込要求といった、処理装置の内部状態に応じて成立可能な事象の発生条件に対応するログ情報を表示可能である。メンテナンス履歴画面では、演出制御中バックアップ処理におけるエラー発生時、時刻変更時、電源再投入時の判定といった、CPU131による処理結果に応じて成立可能な特定事象の発生条件に対応するログ情報を表示可能である。その一方で、メンテナンス履歴画面では、演出制御中バックアップ処理における遊技者履歴データのデータ更新時、節電設定時、名称設定時の判定といった、特定事象以外の事象の発生条件に対応するログ情報を表示しない。このように、バックアップデータとして記憶されるログ情報は、メンテナンス履歴画面にて表示されないログ情報を含んでいてもよい。あるいは、通常のメンテナンス履歴画面では表示されないが、特別なメンテナンス履歴画面では表示可能なログ情報を設けてもよい。特別なメンテナンス画面は、例えばスティックコントローラ31Aやプッシュボタン31Bに対する所定操作となる動作の検出結果といった、任意の検出結果に応じて表示可能であればよい。この場合に、スティックコントローラ31Aやプッシュボタン31Bに対する操作手順は、遊技場の係員には通知されず、パチンコ遊技機1の製造業者における担当者が認識可能なものであればよい。検出結果に限定されず、任意の制御や処理に応じて、特別なメンテナンス履歴画面を表示可能であればよい。このように、複数種類のログ情報のうち特定種類のログ情報という範囲では、メンテナンス履歴画面に表示されないという限界としての制限が設けられてもよい。特定種類以外のログ情報という範囲では、メンテナンス履歴画面に表示可能であればよい。あるいは、複数種類のログ情報のうち特定種類のログ情報という範囲では、特別なメンテナンス履歴画面にのみ表示可能となり通常のメンテナンス履歴画面に表示されないという限界としての制限が設けられてもよい。
【0123】
図16は、メンテナンスモード中に設定変更/確認履歴の選択操作が行われた場合の具体例を示している。図16(A)に示すような設定確認中表示が行われているときに、遊技場の係員や製造業者の担当者によるプッシュボタン31Bを押下する動作の検出に応じて、図16(B)に示すようなメンテナンスモードメニュー画面が表示される。そして、「設定変更/確認履歴」の選択肢012IW107が選択操作される。この場合に、画像表示装置5では、図16(C)に示すような設定変更/確認履歴画面の表示に切り替わる。設定変更/確認履歴画面では、日時と、設定変更であるか設定確認であるかと、変更後の設定値または確認した設定値とが対応付けて表示され、最新のログ情報が上位となるように順に表示される。なお、メンテナンスモードメニュー画面の表示中に「現在時刻設定」の選択肢が選択操作された場合には、画像表示装置5において現在時刻設定画面の表示に切り替わる。現在時刻設定画面では、スティックコントローラ31Aの左右の傾倒操作により年、月、日、曜日、時、分、または秒の項目が選択され、スティックコントローラ31Aの前後の傾倒操作により項目毎の数字が選択される。現在時刻設定画面が表示された後に、遊技場の係員や製造業者の担当者がプッシュボタン31Bを押下すると、現在表示中の日時に現在の日時が設定される。
【0124】
(特徴部41AKに関する説明)
図17は、特徴部41AKに関するバックアップ処理の実行例を示している。この場合に、演出制御用マイクロコンピュータ120のCPU131は、外部ROM121および内部ROM132の一方または両方から読み出したプログラムを実行することにより、メモリ書込処理部41AKM10、発生事象情報作成処理部41AKM21~41AKM23の機能を備える。また、外部RAM122または内部RAM133の所定領域には、書込中フラグ41AKF1と、バックアップデータバッファ41AKB1とが設けられる。バックアップデータバッファ41AKB1は、バッファエリア41AKB11~41AKB13を含む複数のバッファエリアを備えている。バックアップメモリ基板14のバックアップデータメモリ210A~210Cには、バックアップ記憶部41AKA1~41AKA3が設けられる。バックアップ記憶部41AKA1は、ログ領域として、バックアップ記憶エリア41AKA11~41AKA13を含む複数のバックアップ記憶エリアを備えている。バックアップ記憶部41AKA2は、ログ領域として、バックアップ記憶エリア41AKA21~41AKA23を含む複数のバックアップ記憶エリアを備えている。バックアップ記憶部41AKA3は、ログ領域として、バックアップ記憶エリア41AKA31~41AKA33を含む複数のバックアップ記憶エリアを備えている。
【0125】
発生事象情報作成処理部41AKM21は、CPU内部エラー41AKC1の発生に対応した発生事象情報を示すバックアップデータを作成する。このとき作成されるバックアップデータは、例えばCPU例外事象発生時処理のステップS42にて例外時バックアップ処理を実行することで作成されるデータであり、例外事象情報を含むログ情報を示すデータであればよい。発生事象情報作成処理部41AKM22は、VDPエラー割込41AKC2の発生に対応した発生事象情報を示すバックアップデータを作成する。このとき作成されるバックアップデータは、例えばVDPエラー割込処理のステップS52にてエラー割込時バックアップ処理を実行することで作成されるデータであり、VDPエラー情報を含むログ情報を示すデータであればよい。発生事象情報作成処理部41AKM23は、演出制御中エラー判定41AKC3の発生に対応した発生事象情報を示すバックアップデータを作成する。このとき作成されるバックアップデータは、例えば演出制御用タイマ割込処理のステップS79にて演出制御中バックアップ処理を実行することで作成されるデータであり、演出制御エラーデータを含むログ情報を示すデータであればよい。発生事象情報作成処理部41AKM21~41AKM23が作成したバックアップデータは、作成順に従ってバックアップデータバッファ41AKB1に一時記憶される。例えば最初に作成されたバックアップデータはバッファエリア41AKB11に書き込まれて格納され、次に作成されたバックアップデータはバッファエリア41AKB12に書き込まれて格納され、続いて作成されたバックアップデータはバッファエリア41AKB13に書き込まれて格納される。
【0126】
メモリ書込処理部41AKM10は、バックアップデータバッファ41AKB1に一時記憶されているバックアップデータがある場合に、これを読み出して取得する。このとき取得されたバックアップデータは、バックアップメモリ基板14へと転送され、バックアップ記憶部41AKA1~41AKA3のログ領域に記憶される。この実行例では、多重度が「3」に対応して、3つのバックアップ記憶部41AKA1~41AKA3に対し、同一のバックアップデータが重複しつつ分散して記憶される。例えばバックアップデータバッファ41AKB1のバッファエリア41AKB11から読み出して取得したバックアップデータは、バックアップ記憶部41AKA1のバックアップ記憶エリア41AKA11と、バックアップ記憶部41AKA2のバックアップ記憶エリア41AKA21と、バックアップ記憶部41AKA3のバックアップ記憶エリア41AKA31とに、複写して書き込むことで記憶される。バックアップ記憶部41AKA1~41AKA3のログ領域に対するバックアップデータの書き込みが行われる開始時には、書込中フラグ41AKF1がオン状態にセットされる。バックアップデータの書き込みが終了する終了時には、書込中フラグ41AKF1がクリアされてオフ状態となる。メモリ書込処理部41AKM10は、書込中フラグ41AKF1がオフである場合に、新たなバックアップデータの書込許可となり、バックアップデータバッファ41AKB1に一時記憶されているバックアップデータの読み出しを行う。これに対し、書込中フラグ41AKF1がオンである場合には、新たなバックアップデータの書込禁止となり、バックアップデータバッファ41AKB1に一時記憶されているバックアップデータの読み出しを行わない。
【0127】
例えばバックアップデータバッファ41AKB1のバッファエリア41AKB11から読み出して取得したバックアップデータについて、ログ領域への書き込みが終了し、書込中フラグ41AKF1がオフになると、次のバッファエリア41AKB12に一時記憶されているバックアップデータを読出可能となる。このとき読み出して取得したバックアップデータは、バックアップ記憶部41AKA1のバックアップ記憶エリア41AKA12と、バックアップ記憶部41AKA2のバックアップ記憶エリアAKA22と、バックアップ記憶部41AKA3のバックアップ記憶エリア41AKA32とに、複写して書き込むことで記憶される。こうしてログ領域への書き込みが終了し、書込中フラグ41AKF1がオフになると、さらに次のバッファエリア41AKB13に一時記憶されているバックアップデータが読出可能となる。この場合に読み出して取得したバックアップデータは、バックアップ記憶部41AKA1のバックアップ記憶エリア41AKA13と、バックアップ記憶部41AKA2のバックアップ記憶エリア41AKA23と、バックアップ記憶部41AKA3のバックアップ記憶エリア41AKA33とに、複写して書き込むことで記憶される。
【0128】
バックアップ記憶部41AKA1は、例えばバックアップ記憶エリア41AKA11~41AKA13に連続したアドレスが割り当てられることで、連続した1の記憶領域として設けられる。バックアップ記憶部41AKA2は、例えばバックアップ記憶エリア41AKA21~41AKA23に連続したアドレスが割り当てられることで、連続した1の記憶領域として設けられる。バックアップ記憶部41AKA3は、例えばバックアップ記憶エリア41AKA31~41AKA33に連続したアドレスが割り当てられることで、連続した1の記憶領域として設けられる。そして、書込中フラグ41AKF1がオンである場合には、新たなバックアップデータについて書込禁止となる。これにより、複数の電子部品に応じた事象の発生条件のうち、第1発生条件および第2発生条件が成立した場合に、一方の条件に対応するバックアップデータの書込処理を実行中であれば、他方の条件に対応するバックアップデータの書込処理を実行しない。
【0129】
例えばCPU内部エラー41AKC1およびVDPエラー割込41AKC2の発生条件が成立した場合に、CPU内部エラー41AKC1に対応するバックアップデータの書込処理を実行中であれば、書込中フラグ41AKF1がオンであることに対応して、VDPエラー割込41AKC2に対応するバックアップデータの書込処理を実行しない。あるいは、CPU内部エラー41AKC1およびVDPエラー割込41AKC2の発生条件が成立した場合に、VDPエラー割込41AKC2に対応するバックアップデータの書込処理を実行中であれば、書込中フラグ41AKF1がオンであることに対応して、CPU内部エラー41AKC1に対応するバックアップデータの書込処理を実行しない。いずれの書込処理を先に実行するかは、バックアップデータの作成順に従って決定されるようにすればよい。VDPエラー割込41AKC2および演出制御中エラー判定41AKC3の発生条件が成立した場合や、演出制御中エラー判定41AKC3およびCPU内部エラー41AKC1の発生条件が成立した場合にも、同様に書込処理の実行を制御すればよい。このように、複数の発生条件が成立した場合に、一方の条件に対応するバックアップデータの書込処理を実行中という範囲では、他方の条件に対応するバックアップデータの書込処理を実行しないという限界としての制限が設けられる。一方の条件に対応するバックアップデータの書込処理を実行中でない範囲では、他方の条件に対応するバックアップデータの書込処理を実行することができればよい。
【0130】
なお、バックアップデータを作成する場合の作成順は、演出制御用マイクロコンピュータ120における処理優先度に応じて決定されてもよい。例えばCPU内部エラー41AKC1およびVDPエラー割込41AKC2の発生条件が成立した場合には、CPU例外事象発生時処理の優先度がVDPエラー割込処理の優先度よりも高いので、発生事象情報作成処理部41AKM21によるバックアップデータの作成が、発生事象情報作成処理部41AKM22によるバックアップデータの作成よりも先に実行されてもよい。VDPエラー割込41AKC2および演出制御中エラー判定41AKC3の発生条件が成立した場合には、VDPエラー割込処理の優先度が演出制御用タイマ割込処理の優先度よりも高いので、発生事象情報作成処理部41AKM22によるバックアップデータの作成が、発生事象情報作成処理部41AKM23によるバックアップデータの作成よりも先に実行されてもよい。
【0131】
CPU内部エラー41AKC1の発生条件は、CPU131の例外事象といった、制御装置の内部状態に応じて成立可能である。VDPエラー割込41AKC2の発生条件は、VDP140のエラー割込要求といった、処理装置の内部状態に応じて成立可能である。演出制御中エラー判定41AKC3の発生条件は、演出制御中バックアップ処理におけるエラー発生時の判定といった、CPU131による処理結果に応じて成立可能である。したがって、CPU内部エラー41AKC1やVDPエラー割込41AKC2の発生条件が成立した場合には、演出制御中エラー判定41AKC3の発生条件が成立した場合よりも優先して、バックアップデータの書込処理を実行可能になる。
【0132】
例えばCPU内部エラー41AKC1の発生条件が複数回成立した場合には、それらの発生条件が成立した順に、バックアップデータの作成が実行され、バックアップデータの作成順に書込処理を実行可能になる。VDPエラー割込41AKC2の発生条件が複数回成立した場合には、それらの発生条件が成立した順に、バックアップデータの作成が実行され、バックアップデータの作成順に書込処理を実行可能になる。演出制御中エラー判定41AKC3の発生条件が複数回成立した場合には、それらの発生条件が成立した順に、バックアップデータの作成が実行され、バックアップデータの作成順に書込処理が実行可能になる。これらの場合には、書込中フラグ41AKF1がオンであるときに書込禁止となることで、前回の発生条件に対応する書込処理の実行中であれば、次回の発生条件に対応する書込処理を実行しない。このように、複数の電子部品に応じた事象の発生条件のうち、第1発生条件または第2発生条件が複数回成立した場合に、前回の発生条件に対応する書込処理を実行中という範囲では、次回の発生条件に対応する書込処理を実行しないという限界としての制限が設けられる。前回の発生条件に対応する書込処理が実行中でない範囲では、次回の発生条件に対応する書込処理を実行することができればよい。
【0133】
なお、複数の発生条件が成立した場合に、いずれかの書込処理を実行するか否かが、発生条件の成立順に従って決定されてもよい。例えば、先に成立した発生条件に対応する書込処理の実行中に、別の発生条件が成立した場合には、後に成立した発生条件に対応する書込処理が実行されないようにしてもよい。あるいは、複数の発生条件が成立した場合に、いずれかの書込処理を実行するか否かが、処理優先度に従って決定されてもよい。例えば、CPU内部エラー41AKC1およびVDPエラー割込41AKC2の発生条件が同時に成立した場合には、CPU例外事象発生時処理の処理優先度がVDPエラー割込処理の処理優先度よりも高いので、CPU内部エラー41AKC1に対応する書込処理を実行し、VDPエラー割込41AKC2に対応する書込処理は実行されないようにしてもよい。また、複数の発生条件が成立した場合には、処理優先度に従った上書処理が実行されてもよい。例えば、CPU内部エラー41AKC1およびVDPエラー割込41AKC2の発生条件が同時に成立した場合には、CPU例外事象発生時処理の処理優先度がVDPエラー割込処理の処理優先度よりも高いので、CPU内部エラー41AKC1に対応する書込処理は、VDPエラー割込41AKC2に対応する書込処理による記憶データを上書きする上書処理として実行されてもよい。
【0134】
複数の発生条件として、複数のバックアップ条件が成立した場合には、バックアップデータの作成順や書込処理を実行するか否かが、バックアップ対象データの内容に従って決定されてもよい。例えば、バックアップ対象データが演出制御エラーデータであるエラー発生時のバックアップ条件、および、バックアップ対象データが受信コマンドデータであるコマンド受信時のバックアップ条件が同時に成立した場合には、エラー発生時のバックアップ条件に対応する書込処理を先に実行し、コマンド受信時のバックアップ条件に対応する書込処理を後に実行してもよい。また、エラー発生時のバックアップ条件に対応する書込処理を実行し、コマンド受信時のバックアップ条件に対応する書込処理は実行されないようにしてもよい。この場合には、演出装置を含めた電子部品の不具合に関する情報が優先して記憶されるので、電子部品の不具合に適切な対処ができる可能性が高められる。あるいは、コマンド受信時のバックアップ条件に対応する書込処理を先に実行し、エラー発生時のバックアップ条件に対応する書込処理を後に実行してもよい。また、コマンド受信時のバックアップ条件に対応する書込処理を実行し、エラー発生時のバックアップ条件に対応する書込処理は実行されないようにしてもよい。この場合には、主基板11から送信される演出制御コマンドの受信状況に関する情報が優先して記憶されるので、遊技に関する制御の不具合に適切な対処ができる可能性が高められる。
【0135】
(特徴部42AKに関する説明)
図18は、特徴部42AKに関するバックアップ処理の実行例を示している。この場合に、演出制御用マイクロコンピュータ120のCPU131は、外部ROM121および内部ROM132の一方または両方から読み出したプログラムを実行することにより、メモリ書込処理部42AKM11~42AKM13、発生事象情報作成処理部42AKM21~42AKM23の機能を備える。バックアップメモリ基板14のバックアップデータメモリ210A~210Cには、バックアップ記憶部42AKA11~42AKA13と、バックアップ記憶部42AKA21~42AKA23と、バックアップ記憶部42AKA31~42AKA33とが設けられる。バックアップ記憶部42AKA11は、ログ領域として、バックアップ記憶エリア42AKA111~42AKA113を含む複数のバックアップ記憶エリアを備えている。バックアップ記憶部42AKA12は、ログ領域として、バックアップ記憶エリア42AKA121~42AKA123を含む複数のバックアップ記憶エリアを備えている。バックアップ記憶部42AKA13は、ログ領域として、バックアップ記憶エリア42AKA131~42AKA133を含む複数のバックアップ記憶エリアを備えている。バックアップ記憶部42AKA21は、ログ領域として、バックアップ記憶エリア42AKA211~42AKA213を含む複数のバックアップ記憶エリアを備えている。バックアップ記憶部42AKA22は、ログ領域として、バックアップ記憶エリア42AKA221~42AKA223を含む複数のバックアップ記憶エリアを備えている。バックアップ記憶部42AKA23は、ログ領域として、バックアップ記憶エリア42AKA231~42AKA233を含む複数のバックアップ記憶エリアを備えている。バックアップ記憶部42AKA31は、ログ領域として、バックアップ記憶エリア42AKA311~42AKA313を含む複数のバックアップ記憶エリアを備えている。バックアップ記憶部42AKA32は、ログ領域として、バックアップ記憶エリア42AKA321~42AKA323を含む複数のバックアップ記憶エリアを備えている。バックアップ記憶部42AKA33は、ログ領域として、バックアップ記憶エリア42AKA331~42AKA333を含む複数のバックアップ記憶エリアを備えている。
【0136】
発生事象情報作成処理部42AKM21は、CPU内部エラー42AKC1の発生に対応した発生事象情報を示すバックアップデータを作成する。このとき作成されるバックアップデータは、例えばCPU例外事象発生時処理のステップS42にて例外時バックアップ処理を実行することで作成されるデータであり、例外事象情報を含むログ情報を示すデータであればよい。発生事象情報作成処理部42AKM22は、VDPエラー割込42AKC2の発生に対応した発生事象情報を示すバックアップデータを作成する。このとき作成されるバックアップデータは、例えばVDPエラー割込処理のステップS52にてエラー割込時バックアップ処理を実行することで作成されるデータであり、VDPエラー情報を含むログ情報を示すデータであればよい。発生事象情報作成処理部42AKM23は、演出制御中エラー判定42AKC3の発生に対応した発生事象情報を示すバックアップデータを作成する。このとき作成されるバックアップデータは、例えば演出制御用タイマ割込処理のステップS79にて演出制御中バックアップ処理を実行することで作成されるデータであり、演出制御エラーデータを含むログ情報を示すデータであればよい。発生事象情報作成処理部42AKM21~42AKM23が作成したバックアップデータは、互いに並行して、バックアップ記憶部41AKA1~41AKA3のログ領域に記憶可能である。
【0137】
メモリ書込処理部42AKM11は、発生事象情報作成処理部42AKM21が作成したバックアップデータを取得する。このとき取得されたバックアップデータは、バックアップメモリ基板14へと転送され、バックアップ記憶部41AKA1~41AKA3のログ領域に記憶される。メモリ書込処理部42AKM12は、発生事象情報作成処理部42AKM22が作成したバックアップデータを取得する。このとき取得されたバックアップデータは、バックアップメモリ基板14へと転送され、バックアップ記憶部41AKA1~41AKA3のログ領域に記憶される。メモリ書込処理部42AKM13は、発生事象情報作成処理部42AKM23が作成したバックアップデータを取得する。このとき取得されたバックアップデータは、バックアップメモリ基板14へと転送され、バックアップ記憶部41AKA1~41AKA3のログ領域に記憶される。
【0138】
この実行例でも、多重度が「3」に対応している。3つのバックアップ記憶部42AKA11~42AKA13に対しては、発生事象情報作成処理部42AKM21により作成された同一のバックアップデータが重複しつつ分散して記憶される。3つのバックアップ記憶部42AKA21~42AKA23に対しては、発生事象情報作成処理部42AKM22により作成された同一のバックアップデータが重複しつつ分散して記憶される。3つのバックアップ記憶部42AKA31~42AKA33に対しては、発生事象情報作成処理部42AKA23により作成された同一のバックアップデータが重複しつつ分散して記憶される。例えば発生事象情報作成処理部42AKM21から最初に取得したバックアップデータは、バックアップ記憶部42AKA11のバックアップ記憶エリア42AKA111と、バックアップ記憶部42AKA12のバックアップ記憶エリア42AKA121と、バックアップ記憶部42AKA13のバックアップ記憶エリア42AKA131とに、複写して書き込むことで記憶される。発生事象情報作成処理部42AKM21から次に取得したバックアップデータは、バックアップ記憶部42AKA11のバックアップ記憶エリア42AKA112と、バックアップ記憶部42AKA12のバックアップ記憶エリア42AKA122と、バックアップ記憶部42AKA13のバックアップ記憶エリア42AKA132とに、複写して書き込むことで記憶される。発生事象情報作成処理部42AKM21から、さらに次に取得したバックアップデータは、バックアップ記憶部42AKA11のバックアップ記憶エリア42AKA113と、バックアップ記憶部42AKA12のバックアップ記憶エリア42AKA123と、バックアップ記憶部42AKA13のバックアップ記憶エリア42AKA133とに、複写して書き込むことで記憶される。
【0139】
バックアップ記憶部42AKA11~42AKA13と、バックアップ記憶部42AKA21~42AKA23とでは、例えばバックアップ記憶エリア42AKA111~42AKA113とバックアップ記憶エリア42AKA211~42AKA213との間で互いに異なるアドレスが割り当てられ、バックアップ記憶エリア42AKA121~42AKA123とバックアップ記憶エリア42AKA221~42AKA223との間で互いに異なるアドレスが割り当てられ、バックアップ記憶エリアAKA131~42AKA133とバックアップ記憶エリア42AKA231~42AKA233との間で互いに異なるアドレスが割り当てられることで、異なる記憶領域として設けられる。バックアップ記憶部42AKA21~42AKA23と、バックアップ記憶部42AKA31~42AKA33とでは、例えばバックアップ記憶エリア42AKA211~42AKA213とバックアップ記憶エリア42AKA311~42AKA313との間で互いに異なるアドレスが割り当てられ、バックアップ記憶エリア42AKA221~42AKA223とバックアップ記憶エリア42AKA321~42AKA323との間で互いに異なるアドレスが割り当てられ、バックアップ記憶エリアAKA231~42AKA233とバックアップ記憶エリア42AKA331~42AKA333との間で互いに異なるアドレスが割り当てられることで、異なる記憶領域として設けられる。バックアップ記憶部42AKA31~42AKA33と、バックアップ記憶部42AKA11~42AKA13とでは、例えばバックアップ記憶エリア42AKA311~42AKA313とバックアップ記憶エリア42AKA111~42AKA113との間で互いに異なるアドレスが割り当てられ、バックアップ記憶エリア42AKA321~42AKA323とバックアップ記憶エリア42AKA121~42AKA123との間で互いに異なるアドレスが割り当てられ、バックアップ記憶エリアAKA331~42AKA333とバックアップ記憶エリア42AKA131~42AKA133との間で互いに異なるアドレスが割り当てられることで、異なる記憶領域として設けられる。なお、物理的に異なる記憶装置を用いることで、異なる記憶領域として設けられてもよい。メモリ書込処理部42AKM11~42AKM13は、互いに並行してバックアップデータの書込処理を実行可能である。これにより、複数の電子部品に応じた事象の発生条件のうち、第1発生条件および第2発生条件が成立した場合に、一方の条件に対応するバックアップデータの書込処理を実行中でも、他方の条件に対応するバックアップデータの書込処理を実行可能である。
【0140】
例えばCPU内部エラー42AKC1およびVDPエラー割込42AKC2の発生条件が成立した場合に、メモリ書込処理部42AKM11がCPU内部エラー42AKC1に対応するバックアップデータの書込処理を実行中でも、メモリ書込処理部42AKM12はVDPエラー割込42AKC2に対応するバックアップデータの書込処理を実行できる。VDPエラー割込42AKC2および演出制御中エラー判定42AKC3の発生条件が成立した場合に、メモリ書込処理部42AKM12がVDPエラー割込42AKC2に対応するバックアップデータの書込処理を実行中でも、メモリ書込処理部42AKM13は演出制御中エラー判定42AKC3に対応するバックアップデータの書込処理を実行できる。演出制御中エラー判定42AKC3およびCPU内部エラー42AKC1の発生条件が成立した場合に、メモリ書込処理部42AKM13が演出制御中エラー判定42AKC3に対応するバックアップデータの書込処理を実行中でも、メモリ書込処理部42AKM11はCPU内部エラー42AKCに対応するバックアップデータの書込処理を実行できる。このように、複数の発生条件が成立した場合に、一方の条件に対応するバックアップデータの書込処理を実行中という範囲でも、他方の条件に対応するバックアップデータの書込処理を実行することができればよい。一方の条件に対応するバックアップデータの書込処理を実行中でない範囲では、当然に、他方の条件に対応するバックアップデータの書込処理を実行することができればよい。
【0141】
なお、CPU内部エラー42AKC1の発生条件は、CPU131の例外事象といった、制御装置の内部状態に応じて成立可能である。VDPエラー割込42AKC2の発生条件は、VDP140のエラー割込要求といった、処理装置の内部状態に応じて成立可能である。演出制御中エラー判定42AKC3の発生条件は、演出制御中バックアップ処理におけるエラー発生時の判定といった、CPU131による処理結果に応じて成立可能である。したがって、CPU内部エラー42AKC1やVDPエラー割込42AKC2の発生条件が成立した場合には、演出制御中エラー判定42AKC3の発生条件が成立した場合よりも優先して、バックアップデータの書込処理を実行可能になってもよい。例えば、バックアップデータを作成する場合の作成順は、演出制御用マイクロコンピュータ120における処理優先度に応じて決定されることで、メモリ書込処理部42AKM11~42AKM13によるバックアップデータの書込処理も作成順に従った優先度で実行されてもよい。
【0142】
図19は、特徴部42AKに関するバックアップ処理について、図18の場合とは異なる実行例を示している。この実行例では、CPU内部エラー42AKC1の発生条件が複数回成立した場合に、それらの発生条件が成立した順に、バックアップデータの作成が実行され、バックアップデータの作成順に書込処理を実行可能になる。この場合に、外部RAM122または内部RAM133の所定領域には、書込中フラグ42AKF1と、バックアップデータバッファ42AKB1とが設けられる。バックアップデータバッファ42AKB1は、バッファエリア42AKB11~42AKB13を含む複数のバッファエリアを備えている。発生事象情報作成処理部42AKM21は、CPU内部エラー42AKC1が発生した順に、バックアップデータの作成を実行する。例えば、複数回のCPU内部エラー42AKC1として、n回分に対応するCPU内部エラーX1~Xnの発生条件が成立した場合に、発生事象情報作成処理部42AKM21は、各回の発生条件に対応したバックアップデータY1~Ynを作成し、バックアップデータバッファ42AKB1に一時記憶させる。例えば最初に作成されたバックアップデータはバッファエリア42AKB11に書き込まれて格納され、次に作成されたバックアップデータはバッファエリア42AKB12に書き込まれて格納され、続いて作成されたバックアップデータはバッファエリア42AKB13に書き込まれて格納される。メモリ書込処理部42AKM11は、バックアップデータバッファ42AKB1に一時記憶されているバックアップデータがある場合に、これを読み出して取得する。このとき取得されたバックアップデータは、バックアップメモリ基板14へと転送され、バックアップ記憶部42AKA11~42AKA13のログ領域に記憶される。ログ領域に対するバックアップデータの書き込みが行われる開始時には、書込中フラグ42AKF1がオン状態にセットされる。バックアップデータの書き込みが終了する終了時には、書込中フラグ42AKF1がクリアされてオフ状態となる。メモリ書込処理部42AKM11は、書込中フラグ42AKF1がオフである場合に、新たなバックアップデータの書込許可となり、バックアップデータバッファ42AKB1に一時記憶されているバックアップデータの読み出しを行う。これに対し、書込中フラグ42AKF1がオンである場合には、新たなバックアップデータの書込禁止となり、バックアップデータバッファ42AKB1に一時記憶されているバックアップデータの読み出しを行わない。
【0143】
VDPエラー割込42AKC2の発生条件が複数回成立した場合にも、それらの発生条件が成立した順に、バックアップデータの作成が実行され、バックアップデータの作成順に書込処理を実行可能になればよい。演出制御中エラー判定42AKC3の発生条件が複数回成立した場合にも、それらの発生条件が成立した順に、バックアップデータの作成が実行され、バックアップデータの作成順に書込処理が実行可能になればよい。これらの場合には、VDPエラー割込42AKC2や演出制御中エラー判定42AKC3に対応して設けられた書込中フラグがオンであるときに書込禁止となることで、前回の発生条件に対応する書込処理の実行中であれば、次回の発生条件に対応する書込処理を実行しない。このように、複数の電子部品に応じた事象の発生条件のうち、第1発生条件または第2発生条件が複数回成立した場合に、前回の発生条件に対応する書込処理を実行中という範囲では、次回の発生条件に対応する書込処理を実行しないという限界としての制限が設けられる。前回の発生条件に対応する書込処理が実行中でない範囲では、次回の発生条件に対応する書込処理を実行することができればよい。
【0144】
なお、複数の発生条件が成立した場合に、いずれかの書込処理を実行するか否かが、発生条件の成立順に従って決定されてもよい。例えば、先に成立した発生条件に対応する書込処理の実行中に、別の発生条件が成立した場合には、後に成立した発生条件に対応する書込処理が実行されないようにしてもよい。あるいは、複数の発生条件が成立した場合に、いずれかの書込処理を実行するか否かが、処理優先度に従って決定されてもよい。例えば、CPU131の例外事象のうちでも、処理優先度が高い例外事象と、処理優先度が低い例外事象とを、予め設定しておけばよい。そして、CPU内部エラー42AKC1の発生条件が同時に複数回成立した場合には、処理優先度が高い例外事象に対応する書込処理を実行し、処理優先度が低い例外事象に対応する書込処理は実行されないようにしてもよい。また、複数の発生条件が成立した場合には、処理優先度に従った上書処理が実行されてもよい。例えば、CPU内部エラー42AKC1の発生条件が同時に複数回成立した場合に、処理優先度が高い例外事象に対応する書込処理は、処理優先度が低い例外事象に対応する書込処理による記憶データを上書きする上書処理として実行されてもよい。
【0145】
(特徴部43AKに関する説明)
図20は、特徴部43AKに関するバックアップ処理の実行例を示している。この場合に、演出制御用マイクロコンピュータ120のCPU131は、外部ROM121および内部ROM132の一方または両方から読み出したプログラムを実行することにより、メモリ書込処理部43AKM11、43AKM12の機能と、発生事象情報作成処理部43AKM21、43AKM22の機能とを備える。バックアップメモリ基板14のバックアップデータメモリ210A~210Cには、バックアップ記憶部43AKA11~43AKA13とともに、バックアップ記憶部43AKA21が設けられる。バックアップ記憶部43AKA11は8ビット記憶領域であり、ログ領域として、バックアップ記憶エリア43AKA111~43AKA113を備えている。バックアップ記憶部43AKA12は8ビット記憶領域であり、ログ領域として、バックアップ記憶エリア43AKA121~43AKA123を備えている。バックアップ記憶部43AKA13は8ビット記憶領域であり、ログ領域として、バックアップ記憶エリア43AKA131~43AKA133を備えている。これに対し、バックアップ記憶部43AKA21は3ビット記憶領域であり、ログ領域として、バックアップ記憶エリア43AKA211~43AKA213を備えている。8ビット記憶領域は、8ビット単位で記憶データの書込処理と読出処理を実行可能な記憶領域である。3ビット記憶領域は、3ビット単位で記憶データの書込処理と読出処理を実行可能な記憶領域である。
【0146】
発生事象情報作成処理部43AKM21は、記憶領域ビット数が「8」で多重度が「3」のバックアップ条件が成立した場合に対応するバックアップデータを作成する。メモリ書込処理部43AKM11は、発生事象情報作成処理部43AKM21が作成したバックアップデータを取得する。このとき取得されたバックアップデータは、バックアップメモリ基板14へと転送され、バックアップ記憶部43AKA11~43AKA13のログ領域に記憶される。8ビット記憶領域である3つのバックアップ記憶部43AKA11~43AKA13に対しては、発生事象情報作成処理部43AKM21により作成された同一のバックアップデータが重複しつつ分散して記憶される。例えば発生事象情報作成処理部43AKM21から最初に取得したバックアップデータは、バックアップ記憶部43AKA11のバックアップ記憶エリア43AKA111と、バックアップ記憶部43AKA12のバックアップ記憶エリア43AKA121と、バックアップ記憶部43AKA13のバックアップ記憶エリア43AKA131とに、複写して書き込むことで記憶される。発生事象情報作成処理部43AKM21から次に取得したバックアップデータは、バックアップ記憶部43AKA11のバックアップ記憶エリア43AKA112と、バックアップ記憶部43AKA12のバックアップ記憶エリア43AKA122と、バックアップ記憶部43AKA13のバックアップ記憶エリア43AKA132とに、複写して書き込むことで記憶される。発生事象情報作成処理部43AKM21から、さらに次に取得したバックアップデータは、バックアップ記憶部43AKA11のバックアップ記憶エリア43AKA113と、バックアップ記憶部43AKA12のバックアップ記憶エリア43AKA123と、バックアップ記憶部43AKA13のバックアップ記憶エリア43AKA133とに、複写して書き込むことで記憶される。
【0147】
発生事象情報作成処理部43AKM22は、記憶領域ビット数が「3」で多重度が「1」のバックアップ条件が成立した場合に対応するバックアップデータを作成する。メモリ書込処理部43AKM12は、発生事象情報作成処理部43AKM22が作成したバックアップデータを取得する。このとき取得されたバックアップデータは、バックアップメモリ基板14へと転送され、バックアップ記憶部43AKA21のログ領域に記憶される。3ビット記憶領域であるバックアップ記憶部43AKA21に対しては、発生事象情報作成処理部43AKM22により作成されたバックアップデータが、発生事象情報作成処理部43AKM21により作成されたバックアップデータの記憶領域よりも少ない記憶領域に記憶される。具体的には、記憶領域ビット数が「3」に対応して、8ビット記憶領域の8ビット単位よりも少ない3ビット単位の記憶データとなる3ビット記憶領域を用いる。また、多重度が「1」に対応して、ミラーリングを行わず単一のバックアップデータが分散せずに記憶される。例えば発生事象情報作成処理部43AKM22から最初に取得したバックアップデータは、バックアップ記憶部43AKA21のバックアップ記憶エリア43AKA211に複写なく書き込むことで記憶される。発生事象情報作成処理部43AKM22から次に取得したバックアップデータは、バックアップ記憶部43AKA21のバックアップ記憶エリア43AKA212に複写なく書き込むことで記憶される。発生事象情報作成処理部22から、さらに次に取得したバックアップデータは、バックアップ記憶部43AKA21のバックアップ記憶エリア43AKA213に複写なく書き込むことで記憶される。
【0148】
バックアップ制御テーブル120Tでは、バックアップ対象データがシステムデータ、演出制御エラーデータ、遊技者履歴データ、受信コマンドデータ、設定値変更時刻データのいずれかである場合に、記憶領域ビット数が「8」で多重度が「3」に指定される。これに対し、節電設定データ、現在時刻変更データ、電源断時刻データ、店舗名設定データ、演出出力量データのいずれかである場合に、記憶領域ビット数が「3」で多重度が「1」に設定される。例えば、バックアップ対象データがシステムデータに対応したバックアップ条件が成立した場合に、発生事象情報作成処理部43AKM21が作成したバックアップデータは、メモリ書込処理部43AKM11により、バックアップ記憶部43AKA11~43AKA13における複数のログ領域に書き込んで記憶される。その一方で、バックアップ対象データが節電設定データに対応したバックアップ条件が成立した場合に、発生事象情報作成処理部43AKM22が作成したバックアップデータは、メモリ書込処理部43AKM12により、バックアップ記憶部43AKA21における少ないログ領域に書き込んで記憶される。このように、第1発生条件に対応した第1情報を書き込む場合には、バックアップ記憶部43AKA11~43AKA13における複数のログ領域に同一のバックアップデータを記憶させる。これに対し、第2発生条件に対応した第2情報を書き込む場合には、バックアップ記憶部43AKA21における少ないログ領域にバックアップデータを記憶させる。
【0149】
例えばバックアップ対象データが節電設定データに対応したバックアップ条件である節電変更時の発生条件は、バックアップ対象データがシステムデータに対応したバックアップ条件であるデータ更新時の発生条件よりも成立する頻度が低い。このように、第2発生条件は、第1発生条件よりも成立する頻度が低いものであればよい。成立する頻度が高い発生条件に対応する事象は、例えば書込処理の実行中にノイズが発生した場合など、ログ情報を適切に記憶できなかった場合に、他の事象に関するログ情報の記憶に影響を与える可能性が高い。成立する頻度が低い発生条件に対応する事象は、成立する頻度が高い発生条件に対応する事象と比較して、他の事象に関するログ情報の記憶に影響を与える可能性が低い。そこで、成立する頻度が高い発生条件に対応したログ情報を書き込む場合には、複数のログ領域に同一のバックアップデータを記憶させることで、記憶データの異常による不具合が波及することを防止できる。これに対し、成立する頻度が低い発生条件に対応したログ情報を書き込む場合には、少ないログ領域にバックアップデータを記憶させることで、記憶データ容量の増大を防止できる。
【0150】
節電設定データは、例えば遊技場の係員など、パチンコ遊技機1の管理者により設定可能である。このように、第2発生条件に対応した第2情報は、パチンコ遊技機1の管理者により設定可能であればよい。パチンコ遊技機1の管理者により設定可能なデータは、たとえ設定内容に不具合が発生したとしても、その管理者が再設定すればよく、パチンコ遊技機1の遊技者に不利益を与える可能性は低い。これに対し、例えば遊技や演出の進行に応じて発生する事象の発生条件に対応したデータは、再設定が不可能または困難であり、遊技者に不利益や不信感を与える可能性が高い不具合に関する情報を示している。そこで、パチンコ遊技機1の管理者による設定ができない発生条件に対応したログ情報を書き込む場合には、複数のログ領域に同一のバックアップデータを記憶させることで、異常が発生した場合に検証の正確性が高められる。これに対し、パチンコ遊技機1の管理者により設定可能な発生条件に対応したログ情報を書き込む場合には、少ないログ領域にバックアップデータを記憶させることで、記憶データ容量の増大を防止できる。パチンコ遊技機1の管理者により設定可能な情報は、節電設定データに示される情報に限定されず、現在時刻変更データに示されるRTCの情報や、店舗名設定データに示される店舗名の情報、演出出力量データに示される音量や光量の情報、あるいは、これらの一部または全部の組合せであってもよい。その他、演出装置としてプロジェクタが使用される場合に、プロジェクタによる表示設定の情報が、パチンコ遊技機1の管理者により設定可能な情報に含まれてもよい。なお、プロジェクタによる表示設定の情報は、遊技場の係員とは異なり、パチンコ遊技機1の製造業者における担当者が設定可能である。このように、パチンコ遊技機1の管理者は、遊技場の係員を含む場合であってもよいし、パチンコ遊技機1の製造業者における担当者を含む場合であってもよい。プロジェクタに限定されず、特定の演出装置を使用した演出頻度に関する設定の情報が、パチンコ遊技機1の管理者により設定可能な情報に含まれてもよい。
【0151】
8ビット記憶領域となるバックアップ記憶部43AKA11~43AKA13では、バックアップデータに示されるログ情報の種類に応じて、異なるバックアップ記憶エリアが設けられてもよい。例えば、バックアップ対象データが受信コマンドデータである場合のバックアップ記憶エリアは、バックアップ対象データが演出制御エラーデータである場合のバックアップ記憶エリアとは異なる記憶エリアとして設けられてもよい。演出制御エラーデータに対応するバックアップ記憶エリアの内部または外部には、CPU131の例外事象やVDP140のエラー割込要求が発生した場合に対応するバックアップ記憶エリアが設けられてもよい。このように、8ビット記憶領域のうちに、ログ情報の種類に応じたバックアップ記憶エリアが設けられた場合に、メモリ書込処理部43AKM11は、成立したバックアップ条件に応じて決定されたバックアップ記憶エリアに、発生事象情報作成処理部43AKM21が作成したバックアップデータを書き込んで記憶させればよい。
【0152】
(特徴部44AKに関する説明)
図21は、特徴部44AKに関する構成例を示している。この構成例では、第1演出制御基板44AK12Aと、第2演出制御基板44AK12Bとが設けられている。第1演出制御基板44AK12Aおよび第2演出制御基板44AK12Bは、上記実施例における演出制御基板12およびバックアップメモリ基板14が備える構成および機能を備えたものであればよい。第1演出制御基板44AK12Aには、第1制御部44AK10A、第1バックアップ記憶部44AK11A、コネクタ44AK13Aが搭載されている。第2演出制御基板44AK12Bには、第2制御部44AK10B、第2バックアップ記憶部44AK11B、コネクタ44AK13Bが搭載されている。第1演出制御基板44AK12Aのコネクタ44AK13Aは、第2演出制御基板44AK12Bのコネクタ44AK13Bに接続される。第2演出制御基板44AK12Bのコネクタ44AK13Bは、第1演出制御基板44AK12Aのコネクタ44AK11Bに接続される。第1制御部44AK10A、第2制御部44AK10Bは、それぞれ、上記実施例における演出制御用マイクロコンピュータ120が備える構成および機能の一部または全部を備えたものであればよい。例えば、第1制御部44AK10Aは、演出制御用マイクロコンピュータ120のCPU131に関する構成および機能を備え、第2制御部44AK10Bは、演出制御用マイクロコンピュータ120のVDP140に関する構成および機能を備えている。第1バックアップ記憶部44AK11A、第2バックアップ記憶部44AK11Bは、それぞれ、上記実施例におけるバックアップメモリ基板14が備える構成および機能の一部または全部を備えたものであればよい。例えば、第1バックアップ記憶部44AK11Aは、バックアップメモリ基板14のバックアップデータメモリ210A、210Bに関する構成および機能を備え、第2バックアップ記憶部44AK11Bは、バックアップメモリ基板14のバックアップデータメモリ210C、210Dに関する構成および機能を備えている。
【0153】
第1演出制御基板44AK12Aにおいて、第1制御部44AK10Aは、上記実施例におけるCPU131に関する構成および機能を備える場合に、例えば演出制御用マイクロコンピュータ120のシリアル通信回路137や、演出データメモリ基板16の演出データメモリなど、第1電子部品を制御するための処理を実行する。この場合に、第1バックアップ記憶部44AK11Aは、第1制御部44AK10Aに関するログ情報を示すバックアップデータを記憶する。第2演出制御基板44AK12Bにおいて、第2制御部44AK10Bは、上記実施例におけるVDP140に関する構成および機能を備える場合に、例えば演出制御用マイクロコンピュータ120の音声処理回路141、ランプ制御回路142、モータ制御回路143や、画像表示装置5など、第2電子部品を制御するための処理を実行する。この場合に、第2バックアップ記憶部44AK11Bは、第2制御部44AK10Bに関するログ情報を示すバックアップデータを記憶する。このように、第1バックアップ記憶部44AK11Aは、第1制御部44AK10Aに関する情報を記憶可能であり、第2バックアップ記憶部44AK11Bは、第2制御部44AK10Bに関する情報を記憶可能である。
【0154】
第1制御部44AK10AがCPU131に関する構成および機能を備えている場合には、CPU例外事象発生時処理におけるステップS42の例外時バックアップ処理が実行されることにより、CPU131の例外事象情報を含むログ情報が第1バックアップ記憶部44AK11Aのログ領域に記憶される。第2制御部44AK10BがVDP140に関する構成および機能を備えている場合には、VDPエラー割込処理におけるステップS52のエラー割込時バックアップ処理が実行されることにより、VDP140のVDPエラー情報を含むログ情報が第2バックアップ記憶部44AK11Bのログ領域に記憶される。このように、第1バックアップ記憶部44AK11Aのログ領域にログ情報が記憶される場合には、CPU例外事象発生時処理における例外時バックアップ処理が実行される。これに対し、第2バックアップ記憶部44AK11Bのログ領域にログ情報が記憶される場合には、第1バックアップ記憶部44AK11Aのログ領域にログ情報が記憶される場合とは異なる処理として、VDPエラー割込処理におけるエラー割込時バックアップ処理が実行されてもよい。その他、第1バックアップ記憶部44AK11Aのログ領域にログ情報が記憶される場合と、第2バックアップ記憶部44AK11Bのログ領域にログ情報が記憶される場合とでは、互いに異なる任意の記憶処理が実行されてもよい。
【0155】
第1バックアップ記憶部44AK11Aのログ領域には、CPU131の例外事象情報を含むログ情報が記憶される。これに対し、第2バックアップ記憶部44AK11Bのログ領域には、第1バックアップ記憶部44AK11Aのログ領域とは異なる情報として、VDP140のVDPエラー情報を含むログ情報が記憶される。あるいは、第1バックアップ記憶部44AK11Aのログ領域には、例えばスティックコントローラ31Aやプッシュボタン31Bで発生したエラーに関するログ情報が記憶される。これに対し、第2バックアップ記憶部44AK11Bのログ領域には、例えば画像表示装置5で発生したエラーに関するログ情報が記憶される。その他、第1バックアップ記憶部44AK11Aのログ領域と、第2バックアップ記憶部44AK11Bのログ領域とでは、互いに異なる任意の電子部品に関するログ情報が記憶されてもよい。
【0156】
なお、第1バックアップ記憶部44AK11Aのログ領域には、第1制御部44AK10Aに関する事象の発生条件に対応したログ情報が記憶されてもよいし、これに加えて、あるいは、これに代えて、第2制御部44AK10Bに関する事象の発生条件に対応したログ情報が記憶されてもよい。第2バックアップ記憶部44AK11Bのログ領域には、第2制御部44AK10Bに関する事象の発生条件に対応したログ情報が記憶されてもよいし、これに加えて、あるいは、これに代えて、第1制御部44AK10Aに関する事象の発生条件に対応したログ情報が記憶されてもよい。両方のログ領域に両方のログ情報が記憶される場合には、一方のログ領域にて記憶の異常が発生した場合でも、他方のログ領域に記憶されたログ情報を用いて解析などの検査が可能になり、記憶データの信頼性が高められる。演出制御用マイクロコンピュータ120のCPU131に関する構成および機能と、演出制御用マイクロコンピュータ120のVDP140に関する構成および機能とを、第1制御部44AK10Aと第2制御部44AK10Bとに分割するものに限定されず、例えば演出制御用マイクロコンピュータ120のCPU131に関する構成および機能を、第1制御部44AK10Aと第2制御部44AK10Bとに分割したものであってもよい。その他、複数のCPUに対応して、第1制御部44AK10Aと第2制御部44AK10Bとを設けた場合であってもよい。第1制御部44AK10AはCPUに関する構成および機能を備え、第2制御部44AK10Bは発光制御に関する構成および機能を備える場合であってもよい。
【0157】
第1バックアップ記憶部44AK11Aや第2バックアップ記憶部44AK11Bは、第1制御部44AK10Aが搭載された第1演出制御基板44AK12Aや第2制御部44AK10Bが搭載された第2演出制御基板44AK12Bとは異なる基板として、例えばバックアップメモリ基板14に搭載されてもよい。この場合には、第1演出制御基板44AK12Aに搭載された第1制御部44AK10Aという電子部品に関するログ情報と、第2演出制御基板44AK12Bに搭載された第2制御部44AK10Bという電子部品に関するログ情報とを、共通のバックアップメモリ基板14に搭載された第1バックアップ記憶部44AK11Aや第2バックアップ記憶部44AK11Bのログ領域に記憶することができる。このように、複数の制御基板に設けられた複数の電子部品に関するログ情報を示すバックアップデータは、共通のバックアップメモリ基板に設けられた記憶装置のログ領域に記憶されてもよい。あるいは、第1バックアップ記憶部44AK11Aが搭載された第1バックアップメモリ基板と、第2バックアップ記憶部44AK11Bが搭載された第2バックアップメモリ基板とを、第1演出制御基板44AK12Aや第2演出制御基板44AK12Bとは異なる基板として設けてもよい。
【0158】
例えば、第1バックアップ記憶部44AK11Aの記憶データ容量は、1MB(メガバイト)である。その一方で、第2バックアップ記憶部44AK11Bの記憶データ容量は、512KB(キロバイト)である。このように、第1バックアップ記憶部44AK11Aと、第2バックアップ記憶部44AK11Bとでは、記憶データ容量が異なるという点で、両者の記憶部が互いに異なる記憶装置として構成されていてもよい。あるいは、第1バックアップ記憶部44AK11Aは、例えばFRAM(登録商標)といった不揮発性強誘電体メモリを用いて構成される。これに対し、第2バックアップ記憶部44AK11Bは、例えば電池付きSRAMを用いて構成される。FRAM(登録商標)といった不揮発性強誘電体メモリを用いた場合には、例えばクリア信号といった特定信号を入力することにより記憶データを消去することができる。電池付きSRAMを用いた場合には、特定信号を入力する以外にも、例えば電池を取り外すことにより記憶データを消去することができる。あるいは、第1バックアップ記憶部44AK11Aと第2バックアップ記憶部44AK11Bとでは、記憶データの伝送方式が異なっていてもよい。例えば第1バックアップ記憶部44AK11Aの記憶データはシリアル通信方式で伝送され、第2バックアップ記憶部44AK11Bの記憶データはパラレル通信方式で伝送される。第1バックアップ記憶部44AK11Aおよび第2バックアップ記憶部44AK11Bと、シリアル通信方式およびパラレル通信方式との組合せは、任意に変更可能である。この場合には、シリアル通信方式として、パラレル通信方式よりも通信速度が速いシリアル通信規格に対応した通信データを送受信可能なものとしてもよいし、パラレル通信方式よりも通信速度が遅いシリアル通信規格に対応した通信データを送受信可能なものとしてもよい。シリアル通信規格によらず、データ線の構成(共用の有無など)、通信回路のハードウェア構成、あるいは、これらの組合せなどに応じて、記憶データの伝送速度が異なるものであってもよい。このように、第1バックアップ記憶部44AK11Aと、第2バックアップ記憶部44AK11Bとでは、バックアップ機能の実現方法が異なるという点、メモリセルの形成物質が異なるという点、記憶データの消去方法、記憶データの伝送方式、あるいは、記憶データの伝送速度が異なるという点で、両者の記憶部が互いに異なる記憶装置として構成されてもよい。その他、第1バックアップ記憶部44AK11Aと、第2バックアップ記憶部44AK11Bとでは、任意の相違点により、両者の記憶部が互いに異なる記憶装置として構成されていてもよい。なお、第1バックアップ記憶部44AK11Aと、第2バックアップ記憶部44AK11Bとでは、記憶データ容量、バックアップ機能の実現方法、メモリセルの形成物質、記憶データの消去方法、その他、任意の装置構成や記憶機能のうち、一部または全部が共通する記憶装置として構成されていてもよい。第1バックアップ記憶部44AK11Aと、第2バックアップ記憶部44AK11Bとでは、構成や機能について、任意の組合せが可能である。
【0159】
第1バックアップ記憶部44AK11Aは、例えばFRAM(登録商標)を用いて構成された場合などのように、バックアップ電源を用いずに記憶内容を保持可能とする。この場合に、第2バックアップ記憶部44AK11Bは、例えば電池付きSRAMを用いて構成された場合などのように、バックアップ電源を用いて記憶内容を保持可能とする。こうした構成において、第2バックアップ記憶部44AK11Bのログ領域に記憶されるログ情報は、一部または全部が第1バックアップ記憶部44AK11Aのログ領域にも記憶されるようにしてもよい。一部のログ情報が記憶される場合に、その対象となるログ情報は、更新頻度や更新データ量、データの重要度、対象部品、対象制御、これらの一部または全部の組合せなどに基づいて、予め決められていればよい。バックアップ電源を用いて記憶内容を保持可能な記憶装置は、バックアップ電源が消失することにより、記憶データが消去されてしまう。そこで、バックアップ電源を用いて記憶内容を保持可能な記憶装置の記憶データは、バックアップ電源を用いずに記憶内容を保持可能な記憶装置にも記憶しておくことで、記憶データの消失を確実に防止できる。
【0160】
第1バックアップ記憶部44AK11Aのログ領域に記憶されたログ情報であるか、第2バックアップ記憶部44AK11Bのログ領域に記憶されたログ情報であるかに応じて、メンテナンス履歴画面にて表示するか否かの設定を異ならせてもよい。例えば、第1バックアップ記憶部44AK11Aのログ領域に記憶されたログ情報はメンテナンス履歴画面にて表示可能とする一方で、第2バックアップ記憶部44AK11Bのログ領域に記憶されたログ情報はメンテナンス履歴画面にて表示しないように設定してもよい。この場合でも、第2バックアップ記憶部44AK11Bのログ領域に記憶されるログ情報が、第1バックアップ記憶部44AK11Aのログ領域にも記憶されるようにすれば、実質的には、すべてのログ情報をメンテナンス履歴画面での表示対象とすることができる。ただし、第2バックアップ記憶部44AK11Bのログ領域に記憶されたログ情報は、メンテナンス履歴画面を表示するときの読出対象にはならない点で、第1バックアップ記憶部44AK11Aのログ領域に記憶されたログ情報とは取扱いが相違する。メンテナンス履歴画面の表示に限定されず、任意の出力を行う場合に、ログ情報の読出対象とするか否かの設定が、第1バックアップ記憶部44AK11Aと第2バックアップ記憶部44AK11Bとで相違してもよい。このように、第1バックアップ記憶部44AK11Aと第2バックアップ記憶部44AK11Bとのうち、いずれか一方のログ領域に記憶されているログ情報の範囲では、出力を行う場合の読出対象にならないという限界としての制限が設けられてもよい。これに対し、他方のログ領域に記憶されているログ情報の範囲では、出力を行う場合の読出対象になればよい。
【0161】
上記実施例における演出制御基板12およびバックアップメモリ基板14が備える構成および機能は、第1制御部44AK10Aや第1バックアップ記憶部44AK11Aが設けられた第1演出制御基板44AK12Aと、第2制御部44AK10Bや第2バックアップ記憶部44AK11Bが設けられた第2演出制御基板44AK12Bとに分割した構成により実現される。この場合には、第1演出制御基板44AK12Aが備える構成および機能の開発と、第2演出制御基板44AK12Bが備える構成および機能の開発とを、例えば別個の開発業者が分担して、並行しながら進めることができる。これにより、開発作業の負担が軽減され、製造コストの増大を防止することができる。
【0162】
(特徴部45AKに関する説明)
図22は、特徴部45AKに関する検査指定コマンドの設定例を示している。検査指定コマンドは、例えばバックアップ検査処理を実行する場合に受信する複数のテストコマンドに含まれている。図22(A)は、検査用出力部と、通信方式とを指定可能な検査指定コマンドの設定例45AK01を示している。検査用出力部は、検査用の信号出力部として使用するコネクタを、例えばコネクタ152~156のうちから選択して指定可能であればよい。検査用出力部は、検査信号の入出力やバックアップデータに対応する読出信号の出力が可能であればよい。通信方式は、パラレルまたはシリアル、シリアルの場合にはUART、SPI、I2Cといったシリアル通信規格を、選択して指定可能であればよい。設定例45AK01における検査指定コマンドとして、複数の検査指定コマンド45AKA1~45AKA4が予め用意されている。複数の検査指定コマンド45AKA1~45AKA4は、検査用出力部45AKC1~45AKC4や通信方式の指定内容が相違していればよい。
【0163】
コネクタ152は、演出制御用中継基板17と配線接続され、例えばドライバ基板19に搭載されたドライバ回路、演出用モータ60、演出用LED61といった、複数の電子部品に対する制御信号を出力可能である。コネクタ153は、ランプ出力基板13と配線接続され、例えばランプ出力基板13に搭載されたドライバ回路といった、電子部品に対する制御信号を出力可能である。コネクタ154は、バックアップメモリ基板14と配線接続され、例えばバックアップメモリ基板14に搭載されたRTC201、シリアル通信回路202、バックアップデータメモリ210A~210Dといった、複数の電子部品に対する制御信号を出力可能である。コネクタ155は、演出データメモリ基板16と配線接続され、例えば演出データメモリ基板16に搭載された複数の演出データメモリといった、複数の電子部品に対する制御信号を出力可能である。このように、コネクタ152~155は、複数の電子部品に対する制御信号を出力可能である。その一方で、コネクタ152~155は、検査指定コマンド45AKA1~45AKA4により検査用出力部45AKC1~45AKC4のいずれかとして指定されることにより、ログ領域から読み出されたログ情報を示すバックアップデータの読出信号といった、記憶情報に応じた読出信号を出力可能である。コネクタ156は、パチンコ遊技機1の検査装置と配線接続されるので、電子部品に対する制御信号は出力されない。その一方で、コネクタ156は、ログ領域から読み出されたログ情報を示すバックアップデータの読出信号といった、記憶情報に応じた読出信号を出力可能である。例えばコネクタ156は、検査指定コマンド45AKA1~45AKA4により検査用出力部45AKC~45AKC4のいずれかとして指定されることにより、ログ情報に応じた読出信号の出力端子となる。
【0164】
検査指定コマンド45AKA1~45AKA4により指定可能な検査用出力部45AKC1~45AKC4は、コネクタ152~156の一部を含んでもよいし、コネクタ152~156の全部を含んでもよい。また、検査用出力部45AKC1~45AKC4は、互いに共通のコネクタを含んでいてもよいし、他の検査用出力部とは異なるコネクタを含んでいてもよい。例えば演出中継配線用のコネクタ152は、演出制御用中継基板17、音声出力基板18、ドライバ基板19に搭載された各種回路の仕様に応じて、複数種類の制御信号や検出信号を入出力可能に構成され、検査指定コマンド45AKA1~45AKA4の検査用出力部45AKC1~45AKC4に含まれていればよい。これに対し、例えば枠ランプ配線用のコネクタ153は、パラレル信号を入出力可能に構成され、通信方式としてパラレルが指定される検査指定コマンド45AKA1の検査用出力部45AKC1に含まれる。その一方で、コネクタ153は、通信方式としてシリアル通信規格のいずれかが指定される検査指定コマンド45AKA2~45AKA4の検査用出力部45AKC1~45AKC4には含まれていない。また、例えばバックアップ配線用のコネクタ154は、SPIのシリアル通信規格に適合した信号を入出力可能に構成され、通信方式としてSPIのシリアル通信規格が指定される検査指定コマンド45AKA3の検査用出力部45AKC3に含まれる。その一方で、コネクタ154は、通信方式としてパラレルあるいはUARTやI2Cのシリアル信号規格が指定される検査指定コマンド45AKA1、45AKA2、45AKA4の検査用出力部45AKC1、45AKC2、45AKC4には含まれていない。このように、複数の電子部品に対する制御信号を出力可能なコネクタ152~155は、複数の信号方式による信号出力が可能なコネクタ152と、特定の信号方式による信号出力が可能なコネクタ153、154とを含んでいてもよい。また、検査指定コマンド45AKA1~45AKA4の検査用出力部45AKC1~45AKC4として指定可能なコネクタ152~156は、複数の電子部品に対する制御信号を出力可能なコネクタ152~155と、電子部品に対する制御信号が出力されないコネクタ156とを含んでいてもよい。検査指定コマンド45AKA1~45AKA4により検査用出力部45AKC1~45AKC4を指定することで、コネクタ152~156といった、互いに異なる複数の信号出力部のうちから、複数種類の受信情報に応じた信号出力部を選択して、バックアップデータの読出信号といった、検査信号に応じた検査情報を出力することができる。
【0165】
演出制御用マイクロコンピュータ120のCPU131は、例えば予告演出の抽選処理など、演出の有無や演出態様に関する様々な抽選処理を実行可能である。こうした抽選処理による抽選結果に基づいて、各種の制御情報に応じた制御信号が出力される。例えば、予告演出の抽選結果として、特定の予告演出を実行すると決定された場合には、その予告演出に対応した予告演出制御パターンのパターンデータを読み出すための制御信号が、演出データ配線用のコネクタ155から出力され、演出データ配線を介して、演出データメモリ基板16へと伝送される。この場合に、読み出された予告演出制御パターンのパターンデータに従って、スピーカ8L、8Rによる音出力を制御するための制御信号(音声信号)や演出用モータ60の駆動状態を制御するための制御信号(駆動制御信号)などは、演出中継配線用のコネクタ152から出力され、演出中継配線を介して、演出制御用中継基板17へと伝送される。また、遊技効果ランプ9の点灯態様を制御するための制御信号(電飾信号)が、枠ランプ配線用のコネクタ153から出力され、枠ランプ配線を介してランプ出力基板へと伝送される。その一方で、バックアップ配線用のコネクタ154は、バックアップメモリ基板14に設けられたバックアップデータメモリ210A~210Dといった、電子部品に対する制御信号を出力可能であるが、この制御信号は、抽選処理による抽選結果に基づいて出力されるものではない。このように、複数の電子部品に対する制御信号を出力可能なコネクタ152~155は、抽選結果に基づいて制御信号を出力可能なコネクタ152、153、155と、これらとは異なるコネクタ154とを含んでいる。
【0166】
コネクタ152、153、155は、抽選結果に基づいて制御信号を出力可能であるとともに、抽選結果によらない制御信号を出力可能であればよい。一例として、主基板11から送信された客待ちデモ指定コマンドを受信した場合には、抽選処理を実行せずにデモンストレーション演出を制御するための制御信号が、コネクタ152、153、155などから出力される。このうち、演出中継配線用のコネクタ152は、スピーカ8L、8Rによる音出力を制御するための制御信号(音声信号)や演出用モータ60の駆動状態を制御するための制御信号(駆動制御信号)といった、演出装置としてのスピーカ8L、8R、演出用モータ60さらには演出用LED61の制御情報に応じた制御信号を出力可能である。枠ランプ配線用のコネクタ153は、遊技効果ランプ9の点灯態様を制御するための制御信号(電飾信号)といった、演出装置としての遊技効果ランプ9の制御情報に応じた制御信号を出力可能である。これに対し、演出データ配線用のコネクタ155は、演出データメモリの読出処理を制御するための制御信号といった、演出装置とは異なる電子部品の制御情報に応じた制御信号を出力可能である。また、バックアップ配線用のコネクタ154は、バックアップデータメモリ210A~210Dの読出処理や書込処理を制御するための制御信号といった、演出装置とは異なる電子部品の制御情報に応じた制御信号を出力可能である。このように、複数の電子部品に対する制御信号を出力可能なコネクタ152~155は、演出装置の制御情報に応じた制御信号を出力可能なコネクタ152、153と、演出装置以外の電子部品に対する制御信号を出力可能なコネクタ154、155とを含んでいる。
【0167】
図22(B)は、検査用出力データを指定可能な検査指定コマンドの設定例45AK02を示している。検査用出力データは、ログ情報を示すバックアップデータとして、バックアップメモリ基板14に設けられたバックアップデータメモリ210A~210Dのログ領域に記憶されているデータのうち、一部または全部を選択して指定可能であればよい。検査用出力データは、コネクタ152~156のうち、検査指定コマンド45AKA1~45AKA4により検査用出力部45AKC1~45AKC4のいずれかとして指定されたコネクタから出力される。設定例45AK02における検査指定コマンドとして、複数の検査指定コマンド45AKB1~45AKB12が予め用意されている。複数の検査指定コマンド45AKB1~45AKB12は、検査用出力データが相違している。
【0168】
検査指定コマンド45AKB1は、システムデータを検査用出力データに指定する。検査指定コマンド45AKB2は、演出制御エラーデータを検査用出力データに指定する。検査指定45コマンドAKB3は、遊技者履歴データを検査用出力データに指定する。検査指定コマンド45AKB4は、受信コマンドデータを検査用出力データに指定する。検査指定コマンド45AKB5は、設定時変更時刻データを検査用出力データに指定する。検査指定コマンド45AKB6は、節電設定データを検査用出力データに指定する。検査指定コマンド45AKB7は、現在時刻設定データを検査用出力データに指定する。検査指定コマンド45AKB8は、電源断時刻データを検査用出力データに指定する。検査指定コマンド45AKB9は、店舗名設定データを検査用出力データに指定する。検査指定コマンド45AKB10は、演出出力量データを検査用出力データに指定する。検査指定コマンド45AKB11は、演出履歴データを検査用出力データに指定する。検査指定コマンド45AKB12は、全記憶データを検査用出力データに指定する。
【0169】
検査用出力データに指定することで出力可能なバックアップデータは、複数の電子部品に関する情報を示す場合と、遊技に関する遊技関連情報を示す場合とがある。例えば、検査指定コマンド45AKB2により演出制御エラーデータを検査用出力データに指定した場合には、演出制御エラーデータを含むバックアップデータを出力可能となり、演出装置を含めた電子部品に関して発生したエラーを特定可能なバックアップデータが出力される。
【0170】
これに対し、検査指定コマンド45AKB3により遊技者履歴データを検査用出力データに指定した場合には、遊技者履歴データを含むバックアップデータを出力可能となり、複数の電子部品に応じた事象が発生したか否かにかかわらず、遊技者に関するデータが更新されたデータ更新時のバックアップデータが出力される。検査指定コマンド45AKB4により受信コマンドデータを検査用出力データに指定した場合には、受信コマンドデータを含むバックアップデータを出力可能となり、複数の電子部品に応じた事象が発生したか否かにかかわらず、主基板11から送信された演出制御コマンドの受信時におけるバックアップデータが出力される。検査指定コマンド45AKB9により店舗名設定データを検査用出力データに指定した場合には、店舗名設定データを含むバックアップデータを出力可能となり、複数の電子部品に応じた事象が発生したか否かにかかわらず、遊技場に対応する店舗の名称設定時におけるバックアップデータが出力される。検査指定コマンド45AKB1によりシステムデータを検査用出力データに指定した場合には、システムデータを含むバックアップデータを出力可能となる。システムデータを含むバックアップデータは、複数の電子部品に応じた事象が発生したことによるデータ更新時のバックアップデータと、複数の電子部品に応じた事象が発生したか否かにかかわらず記憶されているデータ更新時のバックアップデータとを含んでいる。システムデータについてデータ更新時のバックアップデータが出力されることで、複数の電子部品に応じた事象が発生した場合のバックアップデータと、複数の電子部品に応じた事象が発生したか否かにかかわらずデータ更新時のバックアップデータとが、出力される。このように、検査指定コマンドによる検査用出力データの指定内容に応じて、電子部品に関する情報や、遊技に関する遊技関連情報、あるいは電子部品や遊技とは関係のない一般情報を、出力することができる。なお、検査指定コマンドによる検査用出力データの指定内容に限定されず、例えばスティックコントローラ31Aやプッシュボタン31Bに対する所定操作となる動作の検出結果といった、任意の検出結果に応じて、電子部品に関する情報や、遊技に関する遊技関連情報、あるいは電子部品や遊技とは関係のない一般情報といった、出力情報を切替可能であってもよい。検出結果に限定されず、任意の制御や処理に応じて、電子部品に関する情報や、遊技に関する遊技関連情報、あるいは電子部品や遊技とは関係のない一般情報といった、出力情報を切替可能なものであればよい。
【0171】
(変形および応用等について)
この発明は、上記実施の形態に限定されず、様々な変更および応用が可能である。例えばパチンコ遊技機1は、上記実施の形態で示した全ての技術的特徴を備えるものでなくてもよく、従来技術における少なくとも1つの課題を解決できるように、上記実施の形態で説明した一部の構成を備えたものであってもよい。
【0172】
パチンコ遊技機1としては、特別図柄や飾り図柄の可変表示を行わないものであってもよい。一例として、遊技領域に設けられた始動入賞口を通過(進入)した遊技球が検出されたことに基づいて、遊技領域に設けられた可変入賞装置を閉鎖状態(第2状態)から開放状態(第1状態)へと変化させ、可変入賞装置の内部に進入した遊技球が複数の領域のうちの特定領域(V入賞口)に進入したときに、遊技者にとって有利な大当り遊技状態に制御されるように構成されたものであってもよい。
【0173】
上記実施の形態において、各種の決定が行われる「割合」や「確率」は、例えば70:30といった、各決定結果となる可能性が0%(決定されることがない)や100%(必ず決定される)にはならないように設定されてもよいし、少なくともいずれかの決定結果となる可能性が0%(決定されることがない)や100%(必ず決定される)となるように設定されてもよい。例えば、各種の決定を行う場合において、複数の決定結果のうちいずれか1の決定結果とする割合が、他の決定結果とする割合よりも高くなることには、1の決定結果とする割合が100%となることが含まれてもよいし、他の決定結果とする割合が0%となることが含まれてもよい。1の決定結果とする割合が100%となるときには、他の決定結果とする割合が0%となる。また、他の決定結果とする割合が0%となるときには、1の決定結果とする割合が100%以外でも0%でない所定割合であれば、1の決定結果とする割合が、他の決定結果とする割合よりも高くなる。
【0174】
その他にも、遊技機の装置構成やデータ構成、フローチャートで示した処理、画像表示装置における画像表示動作やスピーカにおける音声出力動作さらには遊技効果ランプおよび演出用LEDにおける点灯動作を含めた各種の演出動作などは、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、任意に変更および修正が可能である。加えて、本発明の遊技機は、入賞の発生に基づいて所定数の遊技媒体を景品として払い出す払出式遊技機に限定されるものではなく、遊技媒体を封入し入賞の発生に基づいて得点を付与する封入式遊技機にも適用することができる。
【0175】
本発明は、パチンコ遊技機1に限らずスロットマシンなどにも適用できる。スロットマシンは、例えば複数種類の識別情報となる図柄の可変表示といった所定の遊技を行い、その遊技結果に基づいて所定の遊技価値を付与可能となる任意の遊技機であり、より具体的に、1ゲームに対して所定の賭数(メダル枚数またはクレジット数)を設定することによりゲームが開始可能になるとともに、各々が識別可能な複数種類の識別情報(図柄)を可変表示する可変表示装置(例えば複数のリールなど)の表示結果が導出表示されることにより1ゲームが終了し、その表示結果に応じて入賞(例えばチェリー入賞、スイカ入賞、ベル入賞、リプレイ入賞、BB入賞、RB入賞など)が発生可能とされた遊技機である。このようなスロットマシンにおいて、スロットマシンの前面側に設けられた演出可動機構を含めたハードウェア資源と、所定の処理を行うソフトウェアとが協働することにより、上記実施の形態で示されたパチンコ遊技機1が有する特徴の全部または一部を備えるように構成されていればよい。
【0176】
スロットマシンは、遊技用価値としてメダル並びにクレジットを用いて賭数が設定されるものに限定されず、遊技用価値として遊技球を用いて賭数を設定するスロットマシンや、遊技用価値としてクレジットのみを使用して賭数を設定する完全クレジット式のスロットマシンであってもよい。遊技球を遊技媒体として用いる場合は、例えば、メダル1枚分を遊技球5個分に対応させることができ、例えば賭数として3を設定する場合は、15個の遊技球を用いて賭数を設定するものに相当する。パチンコ遊技機1やスロットマシンは、メダルおよび遊技球等の複数種類の遊技用価値のうちのいずれか一種類のみを用いるものに限定されるものではなく、例えばメダルおよび遊技球等の複数種類の遊技用価値を併用できるものであってもよい。例えばスロットマシンは、メダルおよび遊技球等の複数種類の遊技用価値のいずれを用いても賭数を設定してゲームを行うことが可能であり、かつ入賞の発生によってメダルおよび遊技球等の複数種類の遊技用価値のいずれをも払い出し得るものであってもよい。
【0177】
本発明を実現するためのプログラムおよびデータは、例えばパチンコ遊技機1やスロットマシンといった、遊技機に含まれるコンピュータ装置などに対して、着脱自在の記録媒体により配布・提供される形態に限定されるものではなく、予めコンピュータ装置などの有する記憶装置にプリインストールしておくことで配布される形態を採っても構わない。さらに、本発明を実現するためのプログラムおよびデータは、通信処理部を設けておくことにより、通信回線等を介して接続されたネットワーク上の、他の機器からダウンロードすることによって配布する形態を採っても構わない。
【0178】
そして、ゲームの実行形態も、着脱自在の記録媒体を装着することにより実行するものだけではなく、通信回線等を介してダウンロードしたプログラムおよびデータを、内部メモリ等に一旦格納することにより実行可能とする形態、通信回線等を介して接続されたネットワーク上における、他の機器側のハードウェア資源を用いて直接実行する形態としてもよい。さらには、他のコンピュータ装置等とネットワークを介してデータの交換を行うことによりゲームを実行するような形態とすることもできる。
【0179】
(特徴部41AKの課題解決手段および効果に関する説明)
遊技を行うことが可能な、例えばパチンコ遊技機1などの遊技機であって、複数の電子部品を制御可能な、例えば演出制御用マイクロコンピュータ120などの制御手段と、遊技機に対する電力供給が停止しても記憶内容を保持可能であり、複数の電子部品に関する情報を記憶可能な、例えばバックアップデータメモリ210A~210Dなどの記憶手段とを備え、制御手段は、複数の電子部品に応じた事象の発生条件が成立した場合に、情報を記憶手段に書き込む書込処理として、例えばメモリ書込処理部41AKM10による書込処理などを実行可能であり、記憶手段は、例えばバックアップ記憶エリア41AKA11~41AKA13を含むバックアップ記憶部41AKA1など、第1発生条件に対応した第1情報が書き込まれる記憶領域と、第2発生条件に対応した第2情報が書き込まれる記憶領域とが、連続した1の領域として設けられ、例えば書込中フラグ41AKF1がオンである場合の書込禁止など、第1発生条件および第2発生条件が成立した場合に、一方の条件に対応する情報を書き込む処理の実行中には、他方の条件に対応する情報を書き込む処理を実行しない。このように、第1発生条件および第2発生条件の一方に対応する情報を書き込む処理の実行中には、他方に対応する情報を書き込む処理を実行しないので、情報を書き込む処理の競合が回避される。これにより、情報を適切に管理可能となる。
【0180】
発生条件は、例えばCPU内部エラー41AKC1、VDPエラー割込41AKC2など、制御手段の内部状態に応じて成立可能であってもよい。このように、制御手段の内部状態に応じた発生条件が成立した場合には、電子部品に関する情報を記憶手段に書き込む書込処理を実行して、制御手段を含めた電子部品に関する情報を記憶させることができる。これにより、情報を適切に管理可能となる。
【0181】
第1発生条件は、例えばCPU内部エラー41AKC1、VDPエラー割込41AKC2など、制御手段の内部状態に応じて成立可能であり、第2発生条件は、例えば演出制御中エラー判定41AKC3など、制御手段による処理結果に応じて成立可能であり、例えば図7(B)に示されるように、第1発生条件が成立した場合に、第2発生条件が成立した場合よりも優先して書込処理を実行可能であってもよい。このように、制御手段の内部状態に応じて成立可能な第1発生条件が成立した場合に、制御手段による処理結果に応じて成立可能な第2発生条件が成立した場合よりも優先して書込処理を実行すれば、電子部品に関する情報の書込処理が競合することを回避しつつ、書込処理の優先順位が設定される。これにより、情報を適切に管理可能となる。
【0182】
第1発生条件または第2発生条件が複数回成立した場合に、例えば書込中フラグ41AKF1など、前回の条件に対応する情報を書き込む処理の実行中を示す実行情報に応じて、次回の条件に対応する情報を書き込む処理を制限してもよい。このような実行情報に応じて、情報を書き込む処理を制限すれば、処理の競合が容易に回避される。これにより、情報を適切に管理可能となる。
【0183】
書込処理は、同一の情報を、例えばバックアップ記憶部41AKA1~41AKA3など、複数の記憶領域に記憶させてもよい。このように、同一の情報を複数の記憶領域に記憶させれば、情報の信頼性が高められる。これにより、情報を適切に管理可能となる。
【0184】
制御手段は、発生条件とは異なる書込条件が成立した場合に、複数の電子部品に関する情報とは異なる遊技関連情報を記憶手段に書き込む処理として、例えばバックアップ制御テーブル120Tの設定に応じたバックアップ処理などを実行可能であってもよい。このように、発生条件とは異なる書込条件に対応して遊技関連情報を書き込む処理が実行可能になれば、多様な情報を記憶して管理できる。これにより、情報を適切に管理可能となる。
【0185】
例えばコネクタ152~155など、複数の電子部品に対する制御信号を出力可能であるとともに、記憶手段の記憶情報に応じた読出信号を出力可能な出力手段を備えてもよい。このような出力手段が制御信号と読出信号を出力可能なので、装置構成の複雑化や製造コストの増大が防止される。これにより、情報を適切に管理可能となる。
【0186】
複数の電子部品に対する制御信号を出力可能な、例えばコネクタ152~155などの第1出力手段と、第1出力手段とは異なり記憶手段の記憶情報に応じた読出信号を出力可能な、例えばコネクタ156などの第2出力手段とを備えてもよい。このように、第1出力手段が制御信号を出力可能であり、第2出力手段が読出信号を出力可能であれば、出力信号の混同が防止される。これにより、情報を適切に管理可能となる。
【0187】
(特徴部42AKの課題解決手段および効果に関する説明)
遊技を行うことが可能な、例えばパチンコ遊技機1などの遊技機であって、複数の電子部品を制御可能な、例えば演出制御用マイクロコンピュータ120などの制御手段と、遊技機に対する電力供給が停止しても記憶内容を保持可能であり、複数の電子部品に関する情報を記憶可能な、例えばバックアップデータメモリ210A~210Dなどの記憶手段とを備え、制御手段は、複数の電子部品に応じた事象の発生条件が成立した場合に、情報を記憶手段に書き込む書込処理として、例えばメモリ書込処理部42AKM11~42AKM13による書込処理などを実行可能であり、記憶手段は、例えばバックアップ記憶エリア42AKA111~42AKA113を含むバックアップ記憶部42AKA11、バックアップ記憶エリア42AKA211~42AKA213を含むバックアップ記憶部42AKA21、バックアップ記憶エリア42AKA311~42AKA313を含むバックアップ記憶部42AKA31など、第1発生条件に対応した第1情報が書き込まれる記憶領域と、第2発生条件に対応した第2情報が書き込まれる記憶領域とが、異なる領域として設けられ、例えばメモリ書込処理部42AKM11~42AKM13によるメモリ書込処理など、第1発生条件および第2発生条件が成立した場合に、一方の条件に対応する情報を書き込む処理の実行中にも、他方の条件に対応する情報を書き込む処理を実行可能である。このように、第1発生条件および第2発生条件の一方に対応する情報を書き込む処理の実行中にも、他方に対応する情報を書き込む処理を実行できるので、情報を書き込む処理の効率が高められる。これにより、情報を適切に管理可能となる。
【0188】
発生条件は、例えばCPU内部エラー41AKC1、VDPエラー割込41AKC2など、制御手段の内部状態に応じて成立可能であってもよい。このように、制御手段の内部状態に応じた発生条件が成立した場合には、電子部品に関する情報を記憶手段に書き込む書込処理を実行して、制御手段を含めた電子部品に関する情報を記憶させることができる。これにより、情報を適切に管理可能となる。
【0189】
第1発生条件は、例えばCPU内部エラー41AKC1、VDPエラー割込41AKC2など、制御手段の内部状態に応じて成立可能であり、第2発生条件は、例えば演出制御中エラー判定41AKC3など、制御手段による処理結果に応じて成立可能であり、例えば図7(B)に示されるように、第1発生条件が成立した場合に、第2発生条件が成立した場合よりも優先して書込処理を実行可能であってもよい。このように、制御手段の内部状態に応じて成立可能な第1発生条件が成立した場合に、制御手段による処理結果に応じて成立可能な第2発生条件が成立した場合よりも優先して書込処理を実行すれば、電子部品に関する情報の書込処理が競合することを回避しつつ、書込処理の優先順位が設定される。これにより、情報を適切に管理可能となる。
【0190】
第1発生条件または第2発生条件が複数回成立した場合に、例えば書込中フラグ41AKF1など、前回の条件に対応する情報を書き込む処理の実行中を示す実行情報に応じて、次回の条件に対応する情報を書き込む処理を制限してもよい。このような実行情報に応じて、情報を書き込む処理を制限すれば、処理の競合が容易に回避される。これにより、情報を適切に管理可能となる。
【0191】
書込処理は、同一の情報を、例えばバックアップ記憶部41AKA1~41AKA3など、複数の記憶領域に記憶させてもよい。このように、同一の情報を複数の記憶領域に記憶させれば、情報の信頼性が高められる。これにより、情報を適切に管理可能となる。
【0192】
制御手段は、発生条件とは異なる書込条件が成立した場合に、複数の電子部品に関する情報とは異なる遊技関連情報を記憶手段に書き込む処理として、例えばバックアップ制御テーブル120Tの設定に応じたバックアップ処理などを実行可能であってもよい。このように、発生条件とは異なる書込条件に対応して遊技関連情報を書き込む処理が実行可能になれば、多様な情報を記憶して管理できる。これにより、情報を適切に管理可能となる。
【0193】
例えばコネクタ152~155など、複数の電子部品に対する制御信号を出力可能であるとともに、記憶手段の記憶情報に応じた読出信号を出力可能な出力手段を備えてもよい。このような出力手段が制御信号と読出信号を出力可能なので、装置構成の複雑化や製造コストの増大が防止される。これにより、情報を適切に管理可能となる。
【0194】
複数の電子部品に対する制御信号を出力可能な、例えばコネクタ152~155などの第1出力手段と、第1出力手段とは異なり記憶手段の記憶情報に応じた読出信号を出力可能な、例えばコネクタ156などの第2出力手段とを備えてもよい。このように、第1出力手段が制御信号を出力可能であり、第2出力手段が読出信号を出力可能であれば、出力信号の混同が防止される。これにより、情報を適切に管理可能となる。
【0195】
(特徴部43AKの課題解決手段および効果に関する説明)
遊技を行うことが可能な、例えばパチンコ遊技機1などの遊技機であって、複数の電子部品を制御可能な、例えば演出制御用マイクロコンピュータ120などの制御手段と、遊技機に対する電力供給が停止しても記憶内容を保持可能であり、複数の電子部品に関する情報を記憶可能な、例えばバックアップデータメモリ210A~210Dなどの記憶手段とを備え、制御手段は、書込条件が成立した場合に、情報を記憶手段に書き込む書込処理として、例えばメモリ書込処理部43AKM11、43AKM12による書込処理などを実行可能であり、第1発生条件に対応した第1情報を書き込む場合に、例えばバックアップ記憶部43AKA11~43AKA13など、複数の記憶領域に同一の情報を記憶させ、第2発生条件に対応した第2情報を書き込む場合に、例えばバックアップ記憶部43AKA21など、複数の記憶領域よりも少ない記憶領域に情報を記憶させる。このように、複数の記憶領域に同一の情報を記憶させる場合と、複数の記憶領域よりも少ない記憶領域に情報を記憶させる場合とを設けることで、複数の電子部品に関する情報に応じた多様な記憶が行われる。これにより、情報を適切に管理可能となる。
【0196】
第1情報として同一の情報を記憶する複数の記憶領域のうち、所定数の記憶領域において記憶情報が正常と判定されたときに、例えば電源投入時情報処理による復旧など、記憶情報に基づいて復旧処理を実行可能であってもよい。このように、所定数の記憶領域において記憶情報が正常と判定されたことによる復旧処理が実行されるので、記憶情報に基づく復旧の信頼性が高められる。これにより、情報を適切に管理可能となる。
【0197】
第2情報に対応する記憶情報が異常と判定されたときに、例えば電源投入時情報処理による初期値設定など、初期情報を設定する初期処理を実行可能であってもよい。このように、初期情報を設定する初期処理が実行されるので、異常と判定された場合の不具合が防止される。これにより、情報を適切に管理可能となる。
【0198】
第2発生条件は、例えば節電設定時のバックアップ条件など、第1発生条件よりも成立する頻度が低くてもよい。このように、成立する頻度が低い第2発生条件を設けることで、多様な記憶が行われる。これにより、情報を適切に管理可能となる。
【0199】
第2情報は、例えば節電設定データなど、遊技機の管理者により設定可能な設定情報であってもよい。このように、遊技機の管理者により設定可能な設定情報が記憶されることで、多様な記憶が行われる。これにより、情報を適切に管理可能となる。
【0200】
例えばコネクタ154の端子TM03、TM04およびコネクタ220の端子TM13、TM14に接続された配線など、制御手段と記憶手段とを接続する接続配線と、例えばコネクタ154の端子TM01、TM02およびコネクタ220の端子TM11、TM12に接続された配線など、制御手段と記憶手段との接続状態を確認可能な接続確認用配線とを備えてもよい。このように、接続状態を確認可能な接続確認用配線が設けられることで、記憶の確実性が高められる。これにより、情報を適切に管理可能となる。
【0201】
例えばコネクタ152~155など、複数の電子部品に対する制御信号を出力可能であるとともに、記憶手段の記憶情報に応じた読出信号を出力可能な出力手段を備えてもよい。このような出力手段が制御信号と読出信号を出力可能なので、装置構成の複雑化や製造コストの増大が防止される。これにより、情報を適切に管理可能となる。
【0202】
例えばコネクタ152~155など、複数の電子部品に対する制御信号を出力可能な第1出力手段と、例えばコネクタ156など、第1出力手段とは異なり記憶手段の記憶情報に応じた読出信号を出力可能な第2出力手段とを備えてもよい。このように、第1出力手段が制御信号を出力可能であり、第2出力手段が読出信号を出力可能であれば、出力信号の混同が防止される。これにより、情報を適切に管理可能となる。
【0203】
(特徴部44AKの課題解決手段および効果に関する説明)
遊技を行うことが可能な、例えばパチンコ遊技機1などの遊技機であって、例えば第1制御部44AK10Aなど、第1電子部品を制御可能な第1制御手段と、例えば第2制御部44AK10Bなど、第2電子部品を制御可能な第2制御手段と、遊技機に対する電力供給が停止しても記憶内容を保持可能であり、第1制御手段および第2制御手段に関する情報を記憶可能な、例えばバックアップデータメモリ210A~210Dなどの記憶手段とを備え、書込条件が成立した場合に、情報を記憶手段に書き込む書込処理を実行可能であり、記憶手段は、第1制御手段に関する情報を記憶可能な、例えば第1バックアップ記憶部44AK11Aなどの第1記憶手段と、第1記憶手段とは異なり、第2制御手段に関する情報を記憶可能な、例えば第2バックアップ記憶部44AK11Bなどの第2記憶手段とを含む。このように、第1制御手段に関する情報を記憶可能な第1記憶手段とは異なり、第2制御手段に関する情報を記憶可能な第2記憶手段が設けられることで、制御手段に応じた多様な記憶が行われる。これにより、情報を適切に管理可能となる。
【0204】
第1制御手段に関する情報を書き込む場合に、第2制御手段に関する情報を書き込む場合とは異なる処理として、例えばCPU例外事象発生時処理またはVDPエラー割込処理などを実行可能であってもよい。このように、異なる処理が実行されることで、制御手段に応じた多様な記憶が行われる。これにより、情報を適切に管理可能となる。
【0205】
第1記憶手段は、例えばCPU131の例外事象情報を含むログ情報など、第1電子部品に応じた発生事象に関する情報を記憶可能であり、第2記憶手段は、例えばVDP140のVDPエラー割込情報を含むログ情報など、第2電子部品に応じた発生事象に関する情報を記憶可能であってもよい。このように、異なる電子部品に応じた発生事象に関する情報が記憶されることで、電子部品に応じた多様な記憶が行われる。これにより、情報を適切に管理可能となる。
【0206】
第1制御手段は、第1記憶手段とは異なる基板として、例えば第1演出制御基板12Aなどに設置可能であり、第2制御手段は、第2記憶手段とは異なる基板として、例えば第2演出制御基板12Bなどに設置可能であってもよい。このように、異なる基板に制御手段や記憶手段が設置されることで、メンテナンス作業が容易になり、柔軟な装置構成が可能になる。これにより、情報を適切に管理可能となる。
【0207】
第1記憶手段は、例えば電池付きSRAMを用いた場合など、バックアップ電源を用いて記憶内容を保持可能であり、第2記憶手段は、例えばFRAM(登録商標)を用いた場合など、バックアップ電源を用いずに記憶内容を保持可能であり、第2記憶手段は、第1記憶手段における一部の記憶内容を記憶可能であってもよい。このように、第1記憶手段における一部の記憶内容が第2記憶手段にも記憶されることで、記憶の確実性が高められる。これにより、情報を適切に管理可能となる。
【0208】
例えばコネクタ154の端子TM03、TM04およびコネクタ220の端子TM13、TM14に接続された配線など、第1制御手段および第2制御手段と記憶手段とを接続する接続配線と、例えばコネクタ154の端子TM01、TM02およびコネクタ220の端子TM11、TM12に接続された配線など、第1制御手段および第2制御手段と記憶手段との接続状態を確認可能な接続確認用配線とを備えてもよい。このように、接続状態を確認可能な接続確認用配線が設けられることで、記憶の確実性が高められる。これにより、情報を適切に管理可能となる。
【0209】
例えば画像表示装置5などの表示手段を備え、例えばメンテナンス履歴画面を表示する場合など、第2記憶手段の記憶情報を、表示手段の表示により出力可能であってもよい。このように、記憶情報が表示により出力されることで、記憶内容の確認が容易になる。これにより、情報を適切に管理可能となる。
【0210】
例えばコネクタ152~155など、第1電子部品および第2電子部品に対する制御信号を出力可能な第1出力手段と、例えばコネクタ156など、第1出力手段とは異なり記憶手段の記憶情報に応じた読出信号を出力可能な第2出力手段とを備えてもよい。このように、第1出力手段が制御信号を出力可能であり、第2出力手段が読出信号を出力可能であれば、出力信号の混同が防止される。これにより、情報を適切に管理可能となる。
【0211】
(特徴部45AKの課題解決手段および効果に関する説明)
遊技を行うことが可能な、例えばパチンコ遊技機1などの遊技機であって、電子部品を制御可能な、例えば演出制御用マイクロコンピュータ120などの制御手段と、制御信号を出力可能な、例えばコネクタ152~155など出力手段とを備え、出力手段は、制御手段による抽選結果に基づいて、制御情報の少なくとも一部に応じた制御信号を出力可能な、例えばコネクタ152、153、155などの第1出力手段と、第1出力手段とは異なる第2出力手段として、例えばコネクタ154などとを含む。このように、抽選結果に基づいて制御信号を出力可能な第1出力手段とは異なる第2出力手段が設けられることで、多様な信号が出力される。これにより、情報を適切に管理可能となる。
【0212】
第2出力手段は、例えばコネクタ152、153、155とは異なるコネクタ154を設置した場合など、第1出力手段と同一の基板内において、第1出力手段とは異なる経路を介して制御信号を出力可能であってもよい。このように、異なる経路を介して制御信号が出力されるので、多様な信号出力の確実性が高められる。これにより、情報を適切に管理可能となる。
【0213】
第2出力手段は、例えばコネクタ152が検査用出力部45AKC1~45AKC4のいずれかに指定された場合など、演出装置の制御情報に応じた制御信号を出力可能であってもよい。このように、演出装置の制御情報に応じた制御信号が出力されることで、多様な信号が出力される。これにより、情報を適切に管理可能となる。
【0214】
第2出力手段は、例えば出力部設定例45AK01による通信方式など、第1出力手段とは異なる信号方式の制御信号を出力可能であってもよい。このように、異なる信号方式の制御信号が出力されることで、多様な信号が出力される。これにより、情報を適切に管理可能となる。
【0215】
遊技機の検査装置が接続される接続手段を実装可能な、例えばコネクタ156などの実装用部材を備え、実装用部材は、接続手段が未実装の場合に半田処理をされていてもよい。このような半田処理をされることで、未実装の場合に酸化や腐食による断線が防止される。これにより、情報を適切に管理可能となる。
【0216】
制御手段は、受信情報に基づいて電子部品に関する検査情報を出力する検査処理として、例えばバックアップ検査処理などを実行可能であり、例えば検査用出力部45AKC1~45AKC4など、複数種類の受信情報に応じて異なる出力手段により、検査情報を出力可能であってもよい。このように、受信情報に応じた出力手段により検査情報が出力されることで、情報出力の柔軟性が高められる。これにより、情報を適切に管理可能となる。
【0217】
出力手段は、例えば演出制御エラーデータなどの電子部品に関する情報と、例えばシステムデータ、受信コマンドデータなどの遊技に関する遊技関連情報とを出力可能であってもよい。このように、電子部品に関する情報と遊技に関する遊技関連情報とが出力されることで、多様な情報が出力される。これにより、情報を適切に管理可能となる。
【符号の説明】
【0218】
1 … パチンコ遊技機
11 … 主基板
12 … 演出制御基板
14 … バックアップメモリ基板
120 … 演出制御用マイクロコンピュータ
131 … CPU
140 … VDP
150~156 … コネクタ
210A~210D … バックアップデータメモリ
図1
図2
図3
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図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
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