(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-07
(45)【発行日】2022-10-18
(54)【発明の名称】洗濯機
(51)【国際特許分類】
D06F 33/34 20200101AFI20221011BHJP
D06F 105/02 20200101ALN20221011BHJP
【FI】
D06F33/34
D06F105:02
(21)【出願番号】P 2018128143
(22)【出願日】2018-07-05
【審査請求日】2021-03-24
(73)【特許権者】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100168583
【氏名又は名称】前井 宏之
(72)【発明者】
【氏名】浦井 健雄
【審査官】東 勝之
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-129532(JP,A)
【文献】特開2000-350885(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
D06F 33/00 - 33/76
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
洗濯物を収容可能な洗濯槽と、
前記洗濯槽の内部に給水する給水部と、
前記洗濯槽の内部の水位を検出する水位検出部と、
前記給水部が前記洗濯槽の内部に給水している状態で、前記水位検出部の検出値が
、第1給水処理が完了する完了水位よりも低い第1水位で一定となる水位不変時間をカウントするカウント部と、
前記水位検出部の検出値が前記完了水位に到達したこと、または、前記カウント部のカウント結果
が所定時間に到達したことに基づいて、前記給水部が前記洗濯槽の内部に給水する第1給水処理が完了したか否かを判定する第1判定部と
を備える、洗濯機。
【請求項2】
前記水位検出部の検出結果に基づいて、第2給水処理が完了したか否かを判定する第2判定部をさらに備え、
前記第2給水処理は、前記異常判定が行われた後、前記給水部が前記洗濯槽の内部に給水する処理を示す、請求項
1に記載の洗濯機。
【請求項3】
前記水位検出部が前記第1水位を検出すると、前記第2判定部は前記第2給水処理が完了したと判定する、請求項
2に記載の洗濯機。
【請求項4】
前記第2給水処理の完了水位を決定する決定部をさらに備え、
前記決定部は、前記第1水位よりも低い水位を、前記第2給水処理の完了水位に決定する、請求項
2又は請求項
3に記載の洗濯機。
【請求項5】
前記第1給水処理の完了水位が前記第1水位よりも低い第2水位に決定された場合、前記洗濯槽の内部の水位が前記第2水位であることを前記水位検出部が検出すると、前記第1判定部は、前記異常判定を行うことなく、前記第1給水処理が完了したと判定する、請求項
1に記載の洗濯機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、洗濯機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、洗濯機が洗濯運転を行う際、洗濯槽に給水する給水処理を行う。給水処理の完了後、洗濯槽が回転する。そして、洗濯槽内で洗濯物が攪拌されることで、洗濯物が洗濯される。
【0003】
特許文献1に記載の洗濯機は、水位設定手段と、給水量検出手段とを備える。水位設定手段は、洗濯機の水位を設定する。給水量検出手段は、給水量を検出する。特許文献1に記載の洗濯機は、水位が設定水位にあるか否かを判定し、設定水位に達していない場合に再度給水する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
洗濯機には、洗濯槽に供給された水のオーバーフローを防止するために、水抜き孔が設けられる。
【0006】
しかし、特許文献1に記載の洗濯機によれば、給水量検出手段(水位検知部)を構成する回路部品のバラツキ、又は、環境温度の変化により、給水量検出手段が検出する水位が、実際の水位と乖離することがあった。この場合、実際は、水抜き孔の位置する場所に水位が到達しているにも関わらず、水位が設定水位(完了水位)に到達していないと洗濯機が判断するおそれがある。その結果、水抜き孔から水が放出されるので、必要以上に給水されるおそれがある。
【0007】
本発明は、節水性能を向上させることができる洗濯機を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の第1の局面によれば、洗濯機は、洗濯槽と、給水部と、水位検出部と、カウント部と、第1判定部とを備える。洗濯槽には、洗濯物を収容可能である。給水部は、前記洗濯槽の内部に給水する。水位検出部は、前記洗濯槽の内部の水位を検出する。カウント部は、前記給水部が前記洗濯槽の内部に給水している状態で、前記水位検出部の検出値が第1水位で一定となる水位不変時間をカウントする。第1判定部は、前記カウント部のカウント結果に基づいて、前記給水部が前記洗濯槽内に給水する第1給水処理が完了したか否かを判定する。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、洗濯機の節水性能を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の第1実施形態に係る洗濯機の斜視図である。
【
図6】(a)第1対応情報を示す図である。(b)第2対応情報を示す図である。
【
図7】制御装置の第1動作を示す第1のフロー図である。
【
図8】第1給水処理の一例を示す第1のフロー図である。
【
図9】第1給水処理の一例を示す第2のフロー図である。
【
図11】第2給水処理の一例を示すフロー図である。
【
図12】第1給水処理の二例を示すフロー図である。
【
図13】(a)第1更新対応情報を示す図である。(b)第2更新対応情報を示す図である。
【
図14】第2給水処理の二例を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、図中、同一又は相当部分については同一の参照符号を付して説明を繰り返さない。
【0012】
[第1実施形態]
図1を参照して、本発明の第1実施形態の洗濯機100について説明する。
図1は、洗濯機100の斜視図である。
【0013】
図1に示すように、洗濯機100は、筐体1と、蓋2と、操作表示部3とを備える。筐体1は、中空の形状を有する。筐体1は、例えば、金属、又は合成樹脂により形成される。筐体1の上部には、開口部1aが形成される。蓋2は、開口部1aを開閉する。蓋2及び操作表示部3の各々は、筐体1の上部に設けられる。なお、洗濯機100は、洗濯物の乾燥機能をさらに備えた洗濯乾燥機であってもよい。
【0014】
次に、
図1から
図3を参照して、洗濯機100についてさらに説明する。
図2は、洗濯機100の断面図である。
図3は、洗濯機100のブロック図である。
【0015】
図2に示すように、洗濯機100は、上面板4と、ベース5と、水槽6と、洗濯槽7と、攪拌翼8と、バランサ9とをさらに備える。
【0016】
上面板4は、例えば、合成樹脂で形成される。上面板4は、筐体1の上部に固定されている。上面板4は、蓋2を回転可能に支持する。上面板4には、
図1に示す操作表示部3が設けられる。
【0017】
ベース5は、例えば、合成樹脂で形成される。ベース5は、筐体1の底部に固定されている。
【0018】
水槽6及び洗濯槽7の各々は、筐体1に収容される。洗濯槽7は、水槽6の内側に配置される。水槽6及び洗濯槽7の各々は、中空の形状を有する。水槽6及び洗濯槽7の各々は、上部が開口している。
【0019】
洗濯槽7は、回転可能に支持される。洗濯槽7には、水を溜めることができる。蓋2が開いた状態で、開口部1aを介して洗濯槽7に洗濯物が投入される。
【0020】
攪拌翼8は、洗濯槽7の内部7aの底部に位置する。攪拌翼8は、回転可能に支持される。
【0021】
バランサ9は、洗濯槽7が脱水工程で高速回転したときに、洗濯槽7の振動を抑制する。バランサ9は、環状に形成され、洗濯槽7の上部に配置される。
【0022】
図2及び
図3に示すように、洗濯機100は、駆動部10と、伝達機構11とをさらに備える。
【0023】
駆動部10及び伝達機構11の各々は、筐体1内に設けられる。駆動部10及び伝達機構11の各々は、水槽6の下側に配置される。
【0024】
駆動部10は、攪拌翼8及び洗濯槽7の各々を回転させる。駆動部10は、例えば、駆動モータ10aを含む。
【0025】
伝達機構11は、攪拌翼8及び洗濯槽7の各々に対し、駆動部10の動力を伝達することができる。また、伝達機構11は、攪拌翼8及び洗濯槽7の各々に対し、駆動部10の動力の伝達を遮断することができる。伝達機構11は、例えば、ギア、及びクラッチを含む。伝達機構11は、例えば、電磁力で作動する。
【0026】
伝達機構11は、攪拌軸11aと、脱水軸11bとを含む。攪拌軸11a及び脱水軸11bは、2重軸構造を有する。攪拌軸11aの外側には、脱水軸11bが配置される。攪拌軸11a及び脱水軸11bの各々は、駆動部10に接続される。
【0027】
攪拌翼8は、洗濯槽7の内部7aの水を攪拌して流動させる。攪拌翼8は、攪拌軸11aに取り付けられる。攪拌翼8には、攪拌軸11aを介して駆動部10の動力が伝達される。その結果、攪拌翼8が回転する。
【0028】
洗濯槽7は、脱水軸11bに取り付けられる。洗濯槽7には、脱水軸11bを介して駆動部10の動力が伝達される。その結果、洗濯槽7が回転する。
【0029】
洗濯機100は、給水部12をさらに備える。
【0030】
給水部12は、洗濯槽7の内部7aに給水する。給水部12は、例えば、給水弁と、給水路とを含む。給水路は、筐体1内に設けられる管状の部材であり、洗濯槽7の内部7aに連通する。給水路には、水栓から水が供給される。給水弁は、給水路に設けられる。給水弁は、給水路を開閉する。
【0031】
給水部12は、給水弁を開状態にすることで、給水路を介して洗濯槽7の内部7aに給水する。給水部12は、給水弁を閉状態にすることで、洗濯槽7の内部7aへの給水を停止する。
【0032】
次に、
図3を参照して、洗濯機100についてさらに説明する。
図3は、洗濯機100のブロック図である。
【0033】
図3に示すように、操作表示部3は、洗濯機100に対する指示を受け付ける。操作表示部3は、入力部3aと、表示部3bとを含む。入力部3aは、操作キー群を含む。表示部3bは、種々の情報を表示する。表示部3bは、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)、又はELD(Electro Luminescence Display)のようなディスプレーである。なお、表示部3bは、タッチパネルを含み、入力部3aとして機能してもよい。
【0034】
洗濯機100は、水位検出部14と、電流検出部15と、記憶部16と、制御装置17とをさらに備える。
【0035】
水位検出部14は、洗濯槽7の内部7aの水位を検出する。水位検出部14は、例えば、エアトラップと、圧力センサとを有する。エアトラップは、洗濯槽7の下部に設けられる。水位検出部14は、圧力センサでエアトラップ内の圧力を検出し、エアトラップ内の圧力に基づいて、洗濯槽7の内部7aの水位を検出する。
【0036】
電流検出部15は、駆動部10に供給される電流を検出する。
【0037】
記憶部16は、記憶装置を含む。記憶装置は、ROM(Read Only Memory)、及びRAM(Random Access Memory)のような主記憶装置(例えば、半導体メモリー)を含み、補助記憶装置(例えば、ハードディスクドライブ)をさらに含んでもよい。主記憶装置及び/又は補助記憶装置は、制御装置17によって実行される種々のコンピュータープログラムを記憶する。
【0038】
記憶部16は、対応情報20を記憶する。対応情報20は、第1対応情報21と、第2対応情報22とを含む。第1対応情報21と、第2対応情報22との説明は後述する。
【0039】
制御装置17は、CPU(Central Processing Unit)及びMPU(Micro Processing Unit)のようなプロセッサーを含む。制御装置17は、洗濯機100の各要素を制御する。具体的には、制御装置17のプロセッサーは、記憶装置に記憶されたコンピュータープログラムを実行することにより、入力部3aと、表示部3bと、駆動部10と、伝達機構11と、給水部12と、水位検出部14と、電流検出部15と、記憶部16とを制御する。
【0040】
制御装置17は、制御部17aと、容量センシング部17bと、決定部17cと、給水処理部17dと、第1判定部17eと、第2判定部17fと、カウント部17gと、生成部17hとを有する。具体的には、制御装置17のプロセッサーが、記憶装置に記憶されたコンピュータープログラムを実行することにより、制御部17a、容量センシング部17b、決定部17c、給水処理部17d、第1判定部17e、第2判定部17f、カウント部17g、及び生成部17hとして機能する。
【0041】
洗濯機100の動作について説明する。
【0042】
洗濯機100は、例えば、給水工程、洗い工程、すすぎ工程、及び脱水工程を行う。給水工程は、給水部12が洗濯槽7の内部7aに給水する処理を示す。洗い工程は、洗濯物を洗う処理を示す。洗濯槽7の内部7aに洗濯物、水、及び洗剤が供給された状態で、攪拌翼8が回転することで洗い処理が行われる。すすぎ工程は、洗濯物をすすぐ処理を示す。洗濯槽7の内部7aに洗濯物、及び水が供給された状態で、攪拌翼8が回転することですすぎ処理が行われる。脱水工程は、洗濯物を脱水する処理を示す。洗濯槽7の内部7aに洗濯物が供給された状態で、洗濯槽7が回転することで脱水処理が行われる。なお、洗濯機100は、洗濯槽7の内部7aの洗濯物を乾燥させる乾燥処理を行ってもよい。
【0043】
次に、
図4を参照して、洗濯槽7について説明する。
図4は、洗濯槽7の斜視図である。
【0044】
図4に示すように、洗濯槽7は、胴部71と、底部72とを有する。
【0045】
胴部71は、例えば、ステンレス鋼のような金属により形成される。胴部71は、上下の両端が開口する略筒形状を有する。胴部71の上端には、バランサ9が設けられる。底部72は、例えば、プラスチックのような合成樹脂により形成される。底部72は、胴部71の下部に固定される。底部72には、攪拌翼8(
図2参照)を収容するための凹部が形成される。
【0046】
洗濯槽7は、複数の水抜き孔73をさらに有する。複数の水抜き孔73は、洗濯槽7の回転方向Cに沿って並んでいる。以下では、複数の水抜き孔73のうちの1つに着目して説明する。
【0047】
水抜き孔73は、洗濯槽7の内部7aから水が溢れることを防止する。水抜き孔73は、洗濯槽7の内部7aと洗濯槽7の外部とを連通する。水抜き孔73は、洗濯槽7の上部に設けられる。水抜き孔73は、胴部71の上端部に位置する。
【0048】
次に、
図5を参照して、洗濯槽7の内部7aに供給された水の排水経路について説明する。
図5は、洗濯機100の模式的断面図である。
【0049】
図5に示すように、洗濯機100は、底孔18をさらに備える。底孔18は、洗濯槽7の底部72(
図4参照)に形成される。底孔18は、洗濯槽7と伝達機構11との間に形成される隙間である。
【0050】
洗濯機100は、隙間空間19をさらに備える。隙間空間19は、水槽6と洗濯槽7との間に位置する空間である。
【0051】
水抜き孔73は、洗濯槽7の内部7aと隙間空間19とを連通する。
【0052】
洗濯機100は、排水機構30をさらに備える。
【0053】
排水機構30は、洗濯槽7の内部7aの水を、筐体1(
図1参照)の外部に排出する。排水機構30は、第1排水部31と、第2排水部32と、第3排水部33と、排水弁34とを有する。
【0054】
第1排水部31、第2排水部32、及び第3排水部33の各々は、筒状の部材である。第1排水部31、第2排水部32、及び第3排水部33の各々の内部には、水が流通可能である。
【0055】
第1排水部31は、底孔18を介して洗濯槽7の内部7aに連通する。第2排水部32は、隙間空間19に連通する。
【0056】
第3排水部33は、第1排水部31と第2排水部32とに連通する。また、第3排水部33は、筐体1(
図1参照)の外部に連通する。
【0057】
排水弁34は、第1排水部31に設けられる。排水弁34は、第1排水部31を開閉する。
【0058】
排水弁34が開状態のとき、第1排水部31が開放される。その結果、洗濯槽7の内部7aの水が、第1排水部31と第3排水部33とを介して筐体1の外部に排出される。
【0059】
排水弁34が閉状態のとき、第1排水部31が閉塞される。その結果、洗濯槽7の内部7aに水が貯留される。排水弁34が閉状態のとき、給水処理が行われる。
【0060】
図5は、最大水位Bを示す。最大水位Bは、水抜き孔73が位置する場所の水位を示す。最大水位Bは、洗濯槽7の内部7aの水位の最大値である。
【0061】
洗濯槽7の内部7aの水位が最大水位Bに到達すると、洗濯槽7の内部7aの水が水抜き孔73を介して隙間空間19に排出される。隙間空間19に排出された水は、第2排水部32と第3排水部33とを介して筐体1の外部に排出される。その結果、洗濯槽7の内部7aの水位が最大水位Bよりも高くなることが防止される。
【0062】
図5は、完了水位Hをさらに示す。完了水位Hは、給水工程の完了時の洗濯槽7の内部7aの水位を示す。完了水位Hは、
図3に示す対応情報20に基づいて決定される。完了水位Hは、最大水位Bよりも低い(完了水位H<最大水位B)。
【0063】
次に、
図5及び
図6(a)を参照して、第1対応情報21について説明する。
図6(a)は、第1対応情報21を示す図である。
【0064】
図5及び
図6(a)に示すように、第1対応情報21は、洗濯槽7の内部7aに収容される洗濯物の量と、洗濯槽7の内部7aの水位との対応関係を示す。洗濯物の量は、詳細には、洗濯物の容量を示す。
【0065】
図3に示す決定部17cは、洗濯物の量と、第1対応情報21とに基づいて、完了水位Hを決定する。例えば、洗濯物の量が量α1の場合、決定部17cは、第1対応情報21において量α1に対応する水位X1を完了水位Hに決定する(H=X1)。
【0066】
第1対応情報21において、量αnはn番目に多い洗濯物の量を示す。水位Xnは、量αnと対応付けられる洗濯槽7の内部7aの水位を示す。量αnにおいて、nが大きくなる程、洗濯物の量が多くなる。水位Xnにおいて、nが大きくなる程、水位が高くなる。Nは、2以上の整数である。nは、1以上、N以下の整数である。
【0067】
第1対応情報21において、水位の最大値Hmaxは、水位XNである(水位の最大値Hmax=水位XN)。水位XNは、
図5に示す最大水位Bよりも僅かに小さい値である。
【0068】
洗濯物の量は、
図3に示す容量センシング部17bが算出する。
【0069】
容量センシング部17bは、容量センシング処理を行うことによって、洗濯物の量を算出する。
【0070】
容量センシング処理は、洗濯槽7の内部7aに洗濯物が収容された状態で攪拌翼8が回転しているときの駆動部10の駆動量に基づいて、洗濯物の量を算出する処理を示す。駆動部10の駆動量は、例えば、駆動モータ10aの回転速度、駆動モータ10aのトルク、又は、駆動モータ10aに供給される電流を示す。
【0071】
なお、第1対応情報21において、洗濯物の量に代えて、駆動部10の駆動量と、完了水位Hとが対応付けられていてもよい。
【0072】
また、第1対応情報21のデータ構造は、
図6(a)に示すテーブルに限定されない。第1対応情報21のデータ構造は、例えば、洗濯物の量、又は駆動部10の駆動量に基づいて完了水位Hを算出する計算式であってもよい。
【0073】
次に、
図5及び
図6(b)を参照して、
図3に示す第2対応情報22について説明する。
図6(b)は、第2対応情報22を示す図である。
【0074】
図5及び
図6(b)に示すように、第2対応情報22は、給水量の入力値と、完了水位Hとの対応関係を示す。給水量の入力値は、ユーザーが入力部3aを介して入力した洗濯槽7への給水量を示す。
【0075】
ユーザーは、容量センシング処理によらずに、洗濯に使用する水の量を自身で決めたい場合は、入力部3aを介して給水量を入力する。
【0076】
図3に示す決定部17cは、給水量の入力値と、第2対応情報22とに基づいて、完了水位Hを決定する。例えば、給水量の入力値が入力値β1の場合、決定部17cは、水位X1を完了水位Hに決定する(H=X1)。
【0077】
第2対応情報22において、入力値βnは、n番目に多い給水量の入力値を示す。水位Xnは、入力値βnと対応付けられる洗濯槽7の内部7aの水位を示す。入力値βnにおいて、nが大きくなる程、給水量が多くなる。水位Xnにおいて、nが大きくなる程、水位が高くなる。第2対応情報22において、水位の最大値Hmaxは、水位XNである(水位の最大値Hmax=水位XN)。
【0078】
なお、第2対応情報22のデータ構造は、
図6(b)に示すテーブルに限定されない。第2対応情報22のデータ構造は、例えば、給水量の入力値に基づいて完了水位Hを算出する計算式であってもよい。
【0079】
次に、
図7から
図10を参照して、制御装置17の第1動作について説明する。
図7は、制御装置17の第1動作を示す第1のフロー図である。
図8は、制御装置17の第1動作を示す第2のフロー図である。
【0080】
図7に示すように、ステップS100において、入力部3aが運転指示を受け付ける。運転指示において、少なくとも、給水工程を実行することが指示される。
【0081】
第1実施形態では、運転指示において、洗濯運転を実行することが指示される。洗濯運転は、給水工程、洗い工程、すすぎ工程、及び脱水工程を含む。なお、洗濯運転は、乾燥工程をさらに含んでいてもよい。
【0082】
ステップS200において、制御部17aは、過去に異常判定が行われたか否かを判定する。異常判定の詳細な説明は後述する。
【0083】
過去に異常判定が行われていない場合(ステップS200で、No)、処理がステップS300に移行する。過去に異常判定が行われていた場合(ステップS200で、Yes)、処理がステップS500に移行する。
【0084】
ステップS300において、制御装置17が第1給水処理を実行する。第1給水処理は、給水工程の一例である。ステップS300に示す処理が終了すると、処理がステップS600に移行する。
【0085】
ステップS500において、制御装置17が第2給水処理を実行する。第2給水処理は、給水工程の二例である。
【0086】
第2給水処理は、異常判定が行われた後、給水部12が洗濯槽7の内部7aに新たに給水する処理を示す。新たに給水する処理は、異常判定が行われた給水処理とは別の給水処理を示す。
【0087】
ステップS500に示す処理が終了すると、処理がステップS600に移行する。
【0088】
ステップS600において、制御装置17が、給水工程の次の処理を実行する。第1実施形態では、制御装置17は、洗い工程、すすぎ工程、及び脱水工程を実行する。その結果、処理が終了する。
【0089】
次に、
図8から
図10を参照して、
図7のステップS300で実行される第1給水処理の一例について説明する。
図8は、第1給水処理の一例を示す第1のフロー図である。
図9は、第1給水処理の一例を示す第2のフロー図である。
【0090】
図8に示すように、ステップS310において、決定部17cは、
図3に示す対応情報20に基づいて、第1給水処理の完了水位Hを決定する。
【0091】
入力部3aを介して給水量が入力された場合、決定部17cは、入力部3aが受け付けた給水量の入力値と、
図6(b)に示す第2対応情報22とに基づいて、完了水位Hを決定する。
【0092】
給水量が入力されなかった場合、容量センシング部17bが容量センシング処理を行うことで、洗濯物の容量を算出する。そして、決定部17cは、容量センシング部17bが算出した洗濯物の容量と、
図6(a)に示す第1対応情報21とに基づいて、完了水位Hを決定する。
【0093】
ステップS320において、給水部12が洗濯槽7の内部7aに給水するように、給水処理部17dが給水部12を制御する。その結果、洗濯槽7の内部7aへの給水が開始される。
【0094】
ステップS330において、第1判定部17eは、水位検出部14が完了水位Hを検出したか否かを判定する。水位検出部14が完了水位Hを検出していない場合(ステップS330で、No)、処理がステップS340に移行する。
【0095】
水位検出部14が完了水位Hを検出した場合(ステップS330で、Yes)、処理がステップS410に移行する。
【0096】
ステップS340において、第1判定部17eは、水位検出部14の検出値が一定であるか否かを判定する。水位検出部14の検出値が一定であることは、洗濯槽7の内部7aの水位が一定であることを示す。
【0097】
水位検出部14の検出値が一定である場合(ステップS340で、Yes)、処理がステップS350に移行する。
【0098】
水位検出部14の検出値が一定でない場合(ステップS340で、No)、処理がステップS330に移行する。
【0099】
ステップS350において、カウント部17gは、水位不変時間Taをカウントする。水位不変時間Taは、給水部12が洗濯槽7の内部7aに給水している状態で、水位検出部14の検出値が一定になる時間を示す。水位不変時間Taは、連続した時間である。
【0100】
図10は、水位不変時間Taを示すグラフである。
図10に示すグラフにおいて、縦軸は水位検出部14の検出値を示し、横軸は時間を示す。
【0101】
図10は、第1水位B1を示す。第1水位B1は、水位不変時間Taのときの水位検出部14の検出値を示す。
【0102】
図8及び
図10に示すように、ステップS360において、水位不変時間Taが所定時間に到達したか否かを、第1判定部17eが判定する。所定時間は、例えば、30秒である。所定時間は、予め記憶部16に記憶されている。
【0103】
水位不変時間Taが所定時間に到達した場合(ステップS360で、Yes)、処理がステップS370に移行する。水位不変時間Taが所定時間に到達していない場合(ステップS360で、No)、処理がステップS330に移行する。
【0104】
ステップS370において、給水部12が洗濯槽7の内部7aへの給水を停止するように、給水処理部17dが給水部12を制御する。その結果、洗濯槽7の内部7aへの給水が停止される。
【0105】
図9に示すように、ステップS380において、第1判定部17eは、異常判定を行う。
【0106】
ステップS390において、第1判定部17eは、第1給水処理が完了したと判定する。
【0107】
ステップS400において、第1判定部17eは、
図10に示す第1水位B1を記憶部16に記憶させる。
【0108】
ステップS400に示す処理が終了すると、処理が
図7に示すステップS600に移行する。
【0109】
図8に示すように、ステップS330で、Yesの場合、ステップS410において、給水部12が洗濯槽7の内部7aへの給水を停止するように、給水処理部17dが給水部12を制御する。ステップS410に示す処理が終了すると、処理が
図9に示すステップS420に移行する。
【0110】
図9に示すように、ステップS420において、第1判定部17eは、第1給水処理が完了したと判定する。ステップS420に示す処理が終了すると、処理が
図7に示すステップS600に移行する。
【0111】
以上、
図8から
図10を参照して説明したように、
図8のステップS360から
図9のステップS390において、第1判定部17eは、カウント部17gのカウント結果に基づいて、第1給水処理が完了したか否かを判定する。言い換えれば、第1判定部17eは、
図10に示す水位不変時間Taの長さに基づいて、第1給水処理が完了したか否かを判定する。従って、水位不変時間Taが長期化することを抑制することができる。その結果、洗濯機100の節水性能を向上させることができる。
【0112】
また、
図8に示すステップS310において、完了水位Hが第1水位B1よりも低い第2水位に決定された場合、水位検出部14は、第1水位B1を検出するよりも前に第2水位を検出する(ステップS330で、Yes)。従って、
図8のステップS410から
図9のステップS420に示すように、第1判定部17eは、ステップS380に示す異常判定を行うことなく、第1給水処理が完了したと判定する。その結果、洗濯機100は、給水工程を円滑に行うことができる。
【0113】
次に、
図5及び
図10を参照して、水位不変時間Taが発生する原理について説明する。
【0114】
図5及び
図10に示すように、第1水位B1は、最大水位Bよりも低い(第1水位B1<最大水位B)。完了水位Hは、第1水位B1よりも高く、かつ、最大水位Bよりも低い(第1水位B1<完了水位H<最大水位B)。
【0115】
第1実施形態では、水位検出部14の検出する水位が、実際の洗濯槽7の内部7aの水位と乖離している。水位検出部14の検出する水位が、実際の洗濯槽7の内部7aの水位よりも低い。
【0116】
第1実施形態では、水位検出部14が第1水位B1を検出しているとき、実際の水位は最大水位Bに到達している(水位検出部14の検出値B1=実際の最大水位B)。つまり、水位検出部14の検出値と、実際の水位との間に乖離が生じている。この場合、水位検出部14は、第1水位B1を検出しているので、洗濯槽7の内部7aの水位が完了水位Hに到達していないと判断する。従って、実際の水位が最大水位Bに到達していても、洗濯槽7の内部7aに給水され続ける。その結果、実際の水位が最大水位Bの状態で、洗濯槽7の内部7aに供給された水が水抜き孔73から排出され続けるので、水位不変時間Taが発生する。
【0117】
水位不変時間Taが発生すると、洗濯槽7の内部7aから水抜き孔73を介して水が排出されるので、水が無駄に消費される。
【0118】
次に、
図11を参照して、
図7のステップS500で実行される第2給水処理の一例について説明する。
図11は、第2給水処理の一例を示すフロー図である。
【0119】
図11に示すように、ステップS510において、決定部17cは、
図3に示す対応情報20に基づいて、第2給水処理の完了水位Hを決定する。
【0120】
ステップS520において、給水部12が洗濯槽7の内部7aに給水するように、給水処理部17dが給水部12を制御する。
【0121】
ステップS530において、第1判定部17eは、水位検出部14が完了水位Hを検出したか否かを判定する。水位検出部14が完了水位Hを検出していない場合(ステップS530で、No)、処理がステップS540に移行する。水位検出部14が完了水位Hを検出した場合(ステップS530で、Yes)、処理がステップS550に移行する。
【0122】
ステップS540において、第2判定部17fは、水位検出部14の検出値が第1水位B1に到達したか否かを判定する。水位検出部14の検出値が第1水位B1に到達した場合(ステップS540で、Yes)、処理がステップS550に移行する。水位検出部14の検出値が第1水位B1に到達していない場合(ステップS540で、No)、処理がステップS530に移行する。
【0123】
ステップS550において、給水部12が洗濯槽7の内部7aへの給水を停止するように、給水処理部17dが給水部12を制御する。
【0124】
ステップS560において、第2判定部17fは、第2給水処理が完了したと判定する。ステップS560に示す処理が終了すると、処理が
図7に示すステップS600に移行する。
【0125】
以上、
図11を参照して説明したように、ステップS540からステップS560において、水位検出部14が第1水位B1を検出すると、第2給水処理が完了したと第2判定部17fが判定する。従って、
図10に示す水位不変時間Taが発生することを抑制することができる。その結果、洗濯機100の節水性能を効果的に向上させることができる。
【0126】
[第2実施形態]
図12から
図14を参照して、第2実施形態の洗濯機100について説明する。
【0127】
第2実施形態は、
図6(a)に示す第1対応情報21と、
図6(b)に示す第2対応情報22とが更新される点が第1実施形態と異なる。
【0128】
通常は、第1対応情報21の水位XNと、第2対応情報22の水位XNとは、
図5に示す最大水位Bよりも僅かに低い。しかし、完了水位Hとして水位XNが設定された場合において、水位検出部14の検出する水位が、実際の洗濯槽7の内部7aの水位よりも僅かに低いと、水位検出部14の検出値に誤差が生じることによって、実際の洗濯槽7の内部7aの水位が最大水位Bに到達しているにも関わらず、最大水位Bに到達していないと水位検出部14が検出するおそれがある。その結果、
図10に示す水位不変時間Taが発生する可能性がある。
【0129】
そこで、第2実施形態では、水位検出部14の検出値の誤差に合わせて水位XNを変更することによって、第1対応情報21と第2対応情報22とを更新する。
【0130】
以下では、主に第1実施形態と異なる点を説明する。
【0131】
図12を参照して、
図7のステップS300で実行される第1給水処理の二例について説明する。
図12は、第1給水処理の二例を示すフロー図である。
図12に示すフロー図は、
図8に示すフロー図の続きを示している。具体的には、
図8に示すステップS370に示す処理が終了すると、処理が
図12に示すステップS380に移行する。そして、ステップS380に示す処理が終了すると、処理がステップS390に移行する。
【0132】
図12に示すように、ステップS390において、第1給水処理が完了したと第1判定部17eが判定すると、処理がステップS391に移行する。
【0133】
ステップS391において、生成部17hは、更新対応情報を生成する。更新対応情報は、
図3に示す対応情報20が更新された情報である。更新対応情報は、第1更新対応情報23と、第2更新対応情報24とを含む。第1更新対応情報23と、第2更新対応情報24との説明は後述する。
【0134】
ステップS401において、生成部17hは、更新対応情報を記憶部16に記憶させる。ステップS401に示す処理が終了すると、処理が
図7に示すステップS600に移行する。
【0135】
次に、
図13(a)を参照して、第1更新対応情報23について説明する。
図13(a)は、第1更新対応情報23を示す図である。
【0136】
図13(a)に示すように、第1更新対応情報23は、
図6(a)に示す第1対応情報21が更新された情報を示す。第1更新対応情報23は、洗濯槽7の内部7aに収容される洗濯物の量と、洗濯槽7の内部7aの水位との対応関係を示す。
【0137】
生成部17hは、第1対応情報21で規定される水位Xnを、第1水位B1よりも低くなるように変更することによって、第1更新対応情報23を生成する。
【0138】
例えば、
図6(a)に示す第1対応情報21において、水位X1~X(N-1)は、第1水位B1よりも低かった。また、第1対応情報21において、量αNに対応付けられる水位XNが第1水位B1よりも高かった(水位XN>第1水位B1)。この場合、生成部17hは、量αNに対応付けられる水位を、水位XNから水位XN1に変更することによって第1更新対応情報23を生成する。水位XN1は、例えば、第1水位B1よりも所定値だけ低い値である(水位XN1<第1水位B1)。従って、第1更新対応情報23に基づいて決定される完了水位Hは、第1水位B1よりも低くなる。その結果、
図10に示す水位不変時間Taが発生することを抑制できる。
【0139】
次に、
図13(b)を参照して、第2更新対応情報24について説明する。
図13(b)は、第2更新対応情報24を示す図である。
【0140】
図13(b)に示すように、第2更新対応情報24は、
図6(b)に示す第2対応情報22が更新された情報を示す。第2更新対応情報24は、給水量の入力値と、完了水位Hとの対応関係を示す。
【0141】
生成部17hは、第2対応情報22で規定される水位Xnを、第1水位B1よりも低くなるように変更することによって、第2更新対応情報24を生成する。
【0142】
第2実施形態では、第1更新対応情報23が生成されるときと同様の手順で、生成部17hが第2更新対応情報24を生成する。生成部17hは、入力値βNに対応付けられる水位を、水位XNから水位XN1に変更することによって第2更新対応情報24を生成する。従って、第2更新対応情報24に基づいて決定される完了水位Hは、第1水位B1よりも低くなる。その結果、
図10に示す水位不変時間Taが発生することを抑制できる。
【0143】
次に、
図14を参照して、第2給水処理の二例について説明する。
図14は、第2給水処理の二例を示すフロー図である。
【0144】
ステップS511において、決定部17cは、更新対応情報に基づいて、第2給水処理の完了水位Hを決定する。
【0145】
入力部3aを介して給水量が入力された場合、決定部17cは、入力部3aが受け付けた給水量の入力値と、
図13(b)に示す第2更新対応情報24とに基づいて、完了水位Hを決定する。その結果、完了水位Hは、第1水位B1よりも低い値になる。
【0146】
給水量が入力されなかった場合、容量センシング部17bが容量センシング処理を行うことで、洗濯物の容量を算出する。そして、決定部17cは、容量センシング部17bが算出した洗濯物の容量と、
図13(a)に示す第1更新対応情報23とに基づいて、完了水位Hを決定する。その結果、完了水位Hは、第1水位B1よりも低い値になる。
【0147】
また、上記のように、完了水位Hが
図10に示す第1水位B1よりも低い値に決定されることで、水位不変時間Taが発生することを抑制することができる。
【0148】
ステップS511に示す処理が終了すると、処理がステップS520に移行する。
【0149】
以上、
図14を参照して説明したように、ステップS511において、決定部17cは、第1水位B1よりも低い水位を完了水位Hに決定する。従って、
図10に示す水位不変時間Taが発生することを抑制することができる。その結果、洗濯機100の節水性能を効果的に向上させることができる。
【0150】
以上、図面(
図1~
図14)を参照しながら本発明の実施形態について説明した。但し、本発明は、上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の態様において、第3実施形態として実施することが可能である(例えば、(1)~(3))。また、上記の実施形態に開示されている複数の構成要素を適宜組み合わせることによって、種々の発明の形成が可能である。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。図面は、理解しやすくするために、それぞれの構成要素を主体に模式的に示しており、図示された各構成要素の個数等は、図面作成の都合から実際とは異なる場合もある。また、上記の実施形態で示す各構成要素は一例であって、特に限定されるものではなく、本発明の効果から実質的に逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0151】
(1)第1実施形態、及び第2実施形態において、水位検出部14が洗濯槽7の内部7aの水位を検出することには、水位を検出することのみならず、水量を検出することも含まれる。つまり、水位検出部14は、水量を検出する構成を有していてもよい。水位検出部14が水量を検出する場合、完了水位Hは、給水工程の完了時の洗濯槽7の内部7aの水量を意味する。また、
図6(a)、
図6(b)、
図13(a)、及び
図13(b)のテーブルで示される洗濯槽7の内部7aの水位は、洗濯槽7の内部7aの水量を意味する。
【0152】
(2)
図5に示すように、第1実施形態、及び第2実施形態の洗濯機100は、底孔18を有する。しかし、本発明はこれに限定されない。本発明の洗濯機は、底孔18を有しないタイプの洗濯機110であってもよい。
【0153】
図15を参照して、底孔18を有しないタイプの洗濯機110について説明する。
図15は、洗濯機110の模式的断面図である。以下では、主に、
図5に示す洗濯機100と異なる点を説明する。
【0154】
図15に示すように、洗濯槽7の側面には、複数の貫通孔74が形成される。貫通孔74は、洗濯槽7の内部7aと隙間空間19とを連通する。
【0155】
給水工程時において、洗濯槽7の内部7aに供給された水は、複数の貫通孔74を介して隙間空間19に排出される。その結果、洗濯槽7の内部7aと、隙間空間19とに水が貯留される。
【0156】
水槽6には、水抜き孔73が形成される。水抜き孔73は、隙間空間19と水槽6の外部とを連通する。水抜き孔73は、複数の貫通孔74よりも上方に位置する。水抜き孔73は、隙間空間19内の水を水槽6の外部に排出する。その結果、洗濯槽7の内部7aの水位が最大水位Bよりも高くなることが防止される。
【0157】
(3)第1実施形態の洗濯機100、第2実施形態の洗濯機100、及び変形例の洗濯機110は、縦型洗濯機である。しかし、本発明はこれに限定されない。本発明の洗濯機は、ドラム式洗濯機であってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0158】
本発明は、洗濯機の分野に利用可能である。
【符号の説明】
【0159】
7 洗濯槽
7a 洗濯槽の内部
12 給水部
14 水位検出部
17e 第1判定部
17f 第2判定部
17g カウント部
17h 決定部
B1 第1水位
H 完了水位
Ta 水位不変時間