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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-07
(45)【発行日】2022-10-18
(54)【発明の名称】注入器および組み立て法
(51)【国際特許分類】
   A61M 5/28 20060101AFI20221011BHJP
   A61L 31/00 20060101ALI20221011BHJP
【FI】
A61M5/28
A61L31/00
【請求項の数】 9
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2018165651
(22)【出願日】2018-09-05
(62)【分割の表示】P 2016504292の分割
【原出願日】2014-02-21
(65)【公開番号】P2019013771
(43)【公開日】2019-01-31
【審査請求日】2018-09-21
【審判番号】
【審判請求日】2020-08-13
(31)【優先権主張番号】61/804,619
(32)【優先日】2013-03-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500049716
【氏名又は名称】アムジエン・インコーポレーテツド
(74)【代理人】
【識別番号】110001173
【氏名又は名称】弁理士法人川口國際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】スコット・アール・ギブソン
【合議体】
【審判長】内藤 真徳
【審判官】村上 聡
【審判官】松田 長親
(56)【参考文献】
【文献】特表2012-528639(JP,A)
【文献】特表2002-505601(JP,A)
【文献】特表2001-524362(JP,A)
【文献】特表2012-532638(JP,A)
【文献】特開2007-209675(JP,A)
【文献】特開2007-117379(JP,A)
【文献】米国特許第3605744(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M5/24-5/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
注入器であって、注入器は、
容器と、
流体送達システムと、
封止アセンブリと
を含み、
容器は、穿孔を画定する内部表面を備えた壁を含み
封止アセンブリは、穿孔内で受け取られ、穿孔に沿って移動可能であり、且つ内部表面を有しており
壁および封止アセンブリの内部表面は、薬剤が充填された閉鎖無菌の貯留部を画定しており
封止アセンブリ
封止アセンブリの内部表面を画定する内部表面を有する可撓性の壁と、
可撓性の壁から離間された障壁と
を有し、
障壁および可撓性の壁は、可撓性の壁および障壁の間に密閉空間を画定
流体送達システム無菌の容器の針と作動器とを有し、
無菌の容器の針は、先端を有し、
該先端は、保管状態では無菌の容器の針が貯留部と流体連通しないように、保管状態では障壁を通しておよび密閉空間の中へと配設されており
該先端は、送達状態では無菌の容器の針が貯留部と流体連通するように、送達状態では封止アセンブリの可撓性の壁の内部表面を通して無菌の貯留部の中へと配設されており
作動器は、無菌の容器の針を保管状態から送達状態に移動するように構成されており、
障壁と可撓性の壁とが、保管状態と送達状態の両方において密閉空間を画定する、注入器。
【請求項2】
容器の壁が、障壁とは反対側の閉鎖端と、障壁が配設される開放端とを画定する、請求項1に記載の注入器。
【請求項3】
流体送達システムがさらに、無菌可撓管を備え、
無菌可撓管は、第1端および第1端とは反対側の第2端とを有し、
無菌可撓管は、無菌の容器の針に第1端で接続され
無菌可撓管は、無菌注入針を遮断する無菌カバー内に受け取られる無菌注入針に第2端で接続されている、請求項1または2に記載の注入器。
【請求項4】
薬剤が、(a)赤血球造血刺激因子製剤、(b)顆粒球コロニー刺激因子、(c)TNF遮断薬、(d)ペグ型顆粒球コロニー刺激因子、(e)インターロイキン受容体特異抗体、(f)IGF‐受容体(インシュリン成長因子受容体)特異抗体、(g)TGF‐特異抗体、(h)PCSK9(プロタンパク質転換サブチリシン/ケクシン9型)‐特異抗体、のいずれか一つを或る量だけ備える、請求項1からのいずれか一項に記載の注入器。
【請求項5】
注入器を組み立てる方法であって、
無菌条件下で容器の貯留部に薬剤を充填するステップにして、貯留部は容器の壁の内部表面によって画定される、薬剤を充填するステップと、
無菌条件下で、容器の壁に結合された封止アセンブリの内部表面と、容器の壁の内部表面とが閉鎖無菌の貯留部を画定するように、容器の壁の内部表面によって画定される穿孔内にそれに沿って移動可能に封止アセンブリを配置するステップであって、封止アセンブリは、可撓性の壁と、障壁とを含み、可撓性の壁は、封止アセンブリの内部表面を画定する、内部表面を有障壁は、可撓性の壁から離間しており、障壁および可撓性の壁が、可撓性の壁および障壁の間に封止、乾燥された密閉空間を画定するように封止アセンブリを配置するステップと、
無菌条件下で容器に流体送達システムを取り付けるステップにして、流体送達システムは、容器の針は、障壁を貫通して、密閉空間に配設されるように流体送達システムを取り付けるステップと、
クリーンルーム条件下で注入器の残りの部分を組み立てるステップとを備え、
無菌条件は、クリーンルーム条件よりも高いレベルの汚染不在状態を有
容器の針は、先端を有し、
該先端は、保管状態では容器の針が無菌の貯留部と流体連通しないように、保管状態では障壁を通しておよび密閉空間の中へと配設されており、
該先端は、送達状態では容器の針が貯留部と流体連通するように、送達状態では封止アセンブリの可撓性の壁を通して無菌の貯留部の中へと配設されており、
障壁と可撓性の壁とが、保管状態と送達状態の両方において密閉空間を画定するように構成されている、方法。
【請求項6】
流体送達システムはさらに、注入針と可撓性管とを含み
可撓性管は、容器の針と注入針とを互いに接続するように構成されており
流体送達システムは、送達状態では無菌の貯留部と容器の針を介して流体連通するように構成されている、請求項に記載の方法。
【請求項7】
注入器の残りの部分を組み立てるステップが、
クリーンルーム条件下で流体送達システムを作動器に取り付けるステップにして、作動器流体送達システムの状態を保管状態から送達状態に変更するように構成されている、流体送達システムを作動器に取り付けるステップを備える、請求項に記載の方法。
【請求項8】
密閉空間内の気体が選択的に空にされ、または排気されることを可能にするように、容器の壁は、送達状態において可撓性の壁に面している部分に、バイパスとなる溝を含む、または障壁は、抜け口を含む、請求項1に記載の注入器。
【請求項9】
密閉空間内の気体が選択的に空にされ、または排気されることを可能にするように、容器の壁は、送達状態において可撓性の壁に面している部分に、バイパスとなる溝を含む、または障壁は、抜け口を含む、請求項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本特許は、注入器と注入器を組み立てる方法とを対象とし、特に予備充填注入器と予備充填注入器を組み立てる方法とを対象とする。
【背景技術】
【0002】
患者に液体薬剤などの医療用流体を送達するために注入器が使用される。特に、注入器は流体を、患者体内への流路を画定する針、カニューレ、またはカテーテルを通して患者にもたらす。ある種の注入器では、製造元によって組み立てられた貯留部が既に流路に接続されている。しかし、典型的にはこれらの貯留部は製造元によって空の状態で患者または医療サービス提供者(医師、看護師、医療サービスアシスタントなど)に供給され、貯留部は使用時に充填がなされる。代替方法として、注入器は、患者または医療サービス提供者に予備充填された状態で供給された貯留部と組み合わせて使用されることもできる。
【0003】
いずれの場合にも、注入器は使用前に準備されなければならない。例えば、貯留部が空で供給される場合、貯留部には充填がなされなければならない。これを行うために、送達されるべき薬剤がシリンジに充填され、薬剤が入口孔を通して貯留部の中に注入される。注入の前に、入口孔は、例えばアルコールなどで外側表面を拭うことによって殺菌されなければならない。同様に、予備充填された貯留部が代替的注入器内の流路に接続される前に、対合する接続器もアルコールで表面を拭うことによって殺菌されなければならない。
【0004】
いずれの場合にも、注入器の使用には追加の材料および時間が必要となる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
以下により詳しく明記されるように、本開示は、以上に説明された従来式の装置および方法に対する有利な代替案を具体化する改良型注入器について明記する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様によると、注入器が、薬剤が充填された閉鎖無菌貯留部を内部表面が画定する壁を有する容器を含むことができる。注入器は、保管状態では無菌貯留部と流体連通していてもしていなくてもよい、送達状態では貯留部と流体連通している無菌流体送達システムも含むことができる。注入器は、容器および針と組み合わせられる他の清浄な要素(作動器など)をさらに含む。
【0007】
容器の壁は剛性壁または可撓壁であることができる。
【0008】
流体送達システムが保管状態で流体連通しない場合は、注入器は、流体送達システムの状態を保管状態から送達状態に変更するように適合された作動器を含むことができる。
【0009】
そのような注入器では、作動器は、流体送達システムの状態を保管状態と送達状態の間で繰り返し変更するように適合される。
【0010】
そのような注入器では、作動器は、入力が受け取られた後、流体送達システムの保管状態から送達状態への状態の変更を遅らせるように適合されることができる。
【0011】
そのような注入器では、注入器は、作動器に結合された機械的、電子機械的、または電気的入力装置を含むことができる。
【0012】
以上のいずれによっても、製剤には赤血球産生促進剤、顆粒球コロニー刺激因子、TNF遮断薬、ペグ型顆粒球コロニー刺激因子、インターロイキン受容体特異抗体、IGF‐受容体(インシュリン成長因子受容体)特異抗体、TGF‐特異抗体、またはPCSK9(プロタンパク質転換サブチリシン/ケクシン9型)‐特異抗体が含まれてよい。
【0013】
本開示の他の態様によると、注入器を組み立てる方法は、無菌条件下で容器の無菌貯留部に薬剤を充填するステップにして、貯留部は容器の壁の内部表面によって画定される、ステップを含むことができる。この方法は、流体送達システムが無菌貯留部と流体連通していてもいなくてもよい保管状態と、流体送達システムが流体連通している送達状態とを画定するように、無菌条件下で容器に無菌流体送達システムを取り付けるステップも含むことができる。この方法は、クリーンルーム条件下で注入器の残りの部分を組み立てるステップを含むことができる。
【0014】
この方法は、クリーンルーム条件下で流体送達システムを作動器に取り付けるステップにして、作動器は流体送達システムの状態を保管状態から送達状態に変更するように適合され、流体送達システムは容器、特に貯留部と流体連通している、ステップを含むこともできる。
【0015】
この態様によると、容器の壁は剛性壁または可撓壁であることができる。
【0016】
本開示は、以下の記述を添付図面と併せて読めば、より充分に理解されると思われる。一部の図は、他の要素をより明確に示すために選択された要素を省略することによって簡略化されている場合がある。一部の図のそのような要素の省略は、対応する記述で明示的に説明されている場合を除いて、いずれの例示的な実施形態の特定要素の存在または不在を必ずしも表さない。図面は必ずしも原寸に比例していない。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】容器の針が保管状態にあり、針が容器の一体型の壁に部分的に貫入している、本開示による注入器の一実施形態の断面図である。
図2】容器の針による容器の可撓一体型の壁への貫通を制御するために、図1の注入器の容器で使用される治具の斜視図である。
図3】容器の針が送達状態にあり、可撓壁の内部表面を通して無菌貯留部の中へと配設されるように針が容器の一体型の壁を貫通している、図1の注入器の断面図である。
図4】本開示による注入器が充填および組み立てられることができる製造設備の概略図である。
図5】容器の針が保管状態にあり、針が容器の一体型の壁に部分的に貫入している、本開示による注入器の代替的実施形態の断面図である。
図6】容器の針が保管状態にあり、針が容器の一体型の壁に部分的に貫入している、本開示によるさらに注入器の代替的な実施形態の断面図である。
図7】容器の針が保管状態にあり、針が封止アセンブリの可撓壁ではない障壁に部分的に貫入している、本開示による注入器の一実施形態の断面図である。
図8】容器の針が保管状態にあり、針が封止アセンブリの可撓壁ではない障壁に部分的に貫入している、本開示による注入器の代替的実施形態の断面図である。
図9】結合された容器の針が保管状態と送達状態の間で移動する際に可撓壁と外部に配設された障壁との間の空間を空にするための通気孔を含む、図8の実施形態の変形形態の断面図である。
図10】結合された容器の針が保管状態と送達状態の間で移動する際に可撓壁と外部に配設された障壁との間の空間を空にするためのバイパスを含む、図8の実施形態のさらなる変形形態の断面図である。
図11】バイパスが可撓壁と障壁の間で画定された空間と流体連通している、中間状態の図10の容器の断面図である。
図12】流体送達システムの作動まで貯留部内で無菌条件が維持される、本開示のなおさらなる一実施形態による注入器の断面図である。
図13図12で示された注入器の変形形態の断面図である。
図14図12で示された注入器のさらなる変形形態の断面図である。
図15】本開示による注入器の組み立て法を示す流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下の本文は本発明の様々な実施形態についての詳しい説明を明記するものであるが、言うまでもなく、本発明の法的権利範囲は本特許の最後に明記された請求項の文言によって規定される。以下も言うまでもなく、本特許で、ある用語が、文言「本明細書で用語「 」はここで...を意味するものと規定される」または類似の文言を使用して明確に規定されない限り、その用語の意味を明確にまたは含蓄的に、その単純なまたは通常の意味を超えて限定する意図はなく、そのような用語は、本特許のいかなるセクションでなされたいかなる供述に基づいても(請求項の文言以外に)限定されるべく解釈されるべきではない。本特許の最後の請求項で復唱されるいかなる用語も、単一の意味と一致するように本特許で言及される限り、それはただ読者を混乱させないよう明確さを期すために行われているのであり、そのような請求項の用語が含蓄的にもまたは他の形でもその単一の意味に限定されることは企図されない。最後に、特許請求要素が、いかなる構造物も復唱せずに「手段」という言葉と機能とを復唱することによって規定されない限り、いかなる特許請求要素の範囲も米国特許法第112条第6段落の適用に基づいて解釈されるべく意図されていない。
【0019】
詳しい説明は、もっぱら例示的なものとして解釈されるべきであり、本発明の全ての可能な実施形態について述べていない。これは全ての可能な実施形態について述べることは不可能でないにしても非実際的であることによる。現在の技術、または本特許の出願日後に開発された技術のいずれをも使用して多数の代替的実施形態が実装されるこが可能であろうが、それらもなお本発明を規定する請求項の範囲内に該当する。次にこれらの線に沿って、本開示によるいくつかの実施形態が図1図3および図5図14に示される。
【0020】
概括的に述べると、本開示による注入器は容器、流体送達システム、および作動器を含む。一部の事例で設定量の薬剤が送達されることを保証する送達装置を指す場合のある注入器についてここでは言及されるが、言うまでもなく本開示は、一部の事例で特定速度の送達が達成されることを保証する送達装置を指す場合のある注入装置も包含する。以下も言うまでもなく、注入器とインフューザという用語は、この明細書内の実施形態を指す際には互換的に使用されてよい。
【0021】
図1図3および図5図11に示されるように、容器は内部表面を備えた壁と内部表面を備えた封止アセンブリとを含むことができ、壁および封止アセンブリの内部表面は薬剤が充填された閉鎖無菌貯留部を画定する。さらに、これらの実施形態に示された流体送達システムは、これも被鞘のなくてよい無菌の容器の針を含むことができ、針は先端が保管状態では封止アセンブリに部分的に通してしか配設されず、送達状態では封止アセンブリの内部表面を通して無菌貯留部の中へと配設される。そのようなことから、針は送達状態では容器と流体連通しているが、保管状態ではしていない。これらの実施形態によると、注入器は容器の針を保管状態から送達状態に移動するように適合された作動器を含むことができ、以下でより詳しく説明されるように、作動器は容器に対する針の移動と針に対する容器の移動とを含むことができる。
【0022】
図1図3図4図6で示されるように、封止アセンブリは、封止アセンブリの内部表面を画定する内部表面を有する可撓性の一体型の壁であることができ、容器の針の先端は一体型の壁の中に部分的に配設されることができる。代替方法として、図7図11で示されるように、封止アセンブリは、封止アセンブリの内部表面を画定する内部表面を備えた可撓壁と、可撓壁の外部に配設された障壁にして可撓壁と障壁の間に密閉空間を画定する障壁とを含むことができる。そのような実施形態によって、容器の針の先端は保管状態で障壁を通して空間の中へと配設される。
【0023】
なおさらなる代替形態について、本明細書に示される実施形態のそれぞれに関連して以下に説明される。
【0024】
次に図1を参照すると、そこには注入器100が示されている。注入器100は容器102、流体送達システム104、および作動器106を含む。
【0025】
容器102(本明細書ではカートリッジと呼ばれてもよい)は内部表面112と外部表面114を備えた壁110を含む。図1には、内部と外部の表面112、114の両方を画定する一体型(即ち一部片型)の壁110が示されているが、言うまでもなく、他の実施形態によると、壁110は、内部と外部の表面112、114を異なった層が画定する状態の複数の層を含むことができる。
【0026】
本開示の特定の実施形態によると、壁110は剛性である。他の実施形態によると壁110は、壁を画定する材料の性質に応じても、壁の構造(蛇腹構造など)の性質に応じても、可撓性であることができる。壁110は例えば、ガラス、金属、またはポリマーで製作されることができる。特にポリマーのものは、例えばポリカーボネート、ポリプロピレン、ポリエチレン(高密度ポリエチレンなど)、ポリテトラフルオルエチレン、環式オレフィンポリマー、環式オレフィンコポリマー、Crystal Zeith オレフィンポリマー(日本のDaikyo Seiko.,Ltdから販売されている)、ナイロン、またはエンジニアリング樹脂などで製作されることができる。壁110の可撓性のものに関しては、ブチルゴム、シリコンベースのゴム、ラテックスベースのゴム、コーティングされたゴム、ならびに多層ポリマー膜が使用されることができ、これにはポリエチレン(低密度ポリエチレンなど)およびポリプロピレンが含まれてよい。
【0027】
壁110は一般的に円筒形状を有することができ、そのショルダ部120は、第1断面直径を有する第1円筒状セクション122を、第2断面直径を有する第2円筒状セクション124から分離し、第1断面直径は第2断面直径よりも小さい。壁110は両側の開放端126、128も画定することができる。壁110、より具体的には壁110の内部表面112は穿孔130も画定することができる。
【0028】
容器102は、内部表面142と外部表面144を有する可撓性の一体型の壁140(封止体または隔壁とも呼ばれることもできる)を含むことができる。壁140は壁110によって画定された第1開放端126内に配設され、容器102の壁110に固定して取り付けられることができて、壁140と壁110の間で、例えば開放端または開口部126にわたる壁140の壁110への取り付け点で、限られた相対的な移動しか存在しないようにする。さらに、壁110および可撓壁140の内部表面112、142は、以下でより詳しく述べられるように、薬剤160が充填された閉鎖無菌貯留部150を少なくとも部分的に画定することができる。壁140は、例えばブロモブチル、クロロブチル、またはクロロブロモブチルゴム、フルオロポリマーゴム、天然ゴム、シリコンベースのゴム、シリコン、またはサントプレーンで製作されることができる。
【0029】
容器102は内部と外部の表面172、174を備えたストッパまたはピストン170も含むことができる。ピストン170は壁110によって画定された端128内で受け取られることができ、容器102の両端126、128の間で穿孔130に沿って移動可能であることができる。そのような実施形態によって、薬剤160が中に配設される貯留部150は、壁110、140、およびピストン170の内部表面112、142、172によって画定されることができる。
【0030】
容器102は流体送達システム104と併せて使用されることができ、その関係する部位が図1に示される。特に、流体送達システム104は先端182を有する容器の針180を含むことができる。ここに示されるように先端182は保管状態では部分的にしか可撓壁140の中へと配設されない。針180の先端182の壁140の中への貫入はいくつかの方法および/または機構によって制御されることができる。例えば、図2は、先端182が壁140に貫入する深さを制御するために容器102と併せて使用されることのできる治具を示す。
【0031】
流体送達システム104は先端192を備えた注入針190も含むことができる。注入針190の先端192は、先端192との接触およびその汚染を防止するために針シールド194で覆われることができる。容器の針180と注入針190は、本開示の特定の実施形態によって可撓性カニューレであることができるカニューレまたは管200によって接続されることができる。針190は、針180と同様に例えばステンレススチールで製作されることができる。他の実施形態によると、容器の針180と注入針190は一体的に(即ち1部片として)形成されることができる。
【0032】
流体送達システム104は、先に述べられ、図1で概略が示された作動器106と併せて使用されることができる。作動器106は、少なくとも容器の針180を図1に示された保管状態と図3に示された送達状態との間で移動するように、したがって流体送達システム104を保管状態と送達状態の間で移動するように適合されることができる。送達状態では、容器の針180は可撓壁140の内部表面142を通して無菌貯留部150の中へと配設され、貯留部150と流体連通している。
【0033】
針180の両状態間の移動は多様な様式で起こることができる。例えば、針180が注入器100のハウジングに対して固定して保持されることができ、容器102が針180およびハウジングに対して移動することができる。代替方法として、容器102がハウジングに対して固定して保持されることができ、針180が容器102およびハウジングに対して移動されることができる。容器102と針180の両方が注入器100のハウジングに対して移動することも可能である。言うまでもなく、これらの動作の全てが、作動器106は保管状態と送達状態の間で容器の針180を移動するように適合されるという記述の中に包含されることができる。
【0034】
作動器106は機械的、電子機械的、または電気的であることができる。例えば、作動器106にはソレノイドと、モータ駆動レバーと、結合ギアを備えたモータとなどが含まれてよい。使用者が容器102と針180の間の相対的な移動を手動で達成することを可能にするために、容器102または針180に取り付けられているタブまたはボタンを設けることさえも可能である。実際に、注入器100が容器102を(固定された)針180に対して移動するように起動されるとき、容器102はハウジングの中へと押圧されたタブまたはボタン内に受け取られることが可能である。
【0035】
作動器106は、容器の針180を保管状態から送達状態に移動することによって、または針180を送達状態から保管状態に移動することによって、針180を保管状態と送達状態の間で移動することができる。実際に、作動器は容器の針180を保管状態と送達状態の間で繰り返し(即ち何回も、または反復)移動することができる。さらに、作動器106は、入力または信号(作動器106に結合された、本質的に機械的、電子機械的、または電気的であってよいボタン、スイッチ、または他の入力装置の押圧または操作によって生成されたものなど)を受け取ると直ちに容器の針180を移動することができ、あるいは入力が受け取られた後、いくらかの時間にわたって保管状態と送達状態の間の容器の針180の移動を遅らせることができる。特定の実施形態によると、作動器106は保管状態から送達状態への針180の移動を、そのような時間遅延の後まで遅らせることができる。
【0036】
先に述べられたように、貯留部150および容器の針180は両方とも無菌であると述べられているが、送達装置の残りの部分は清浄であると述べられている。これらの用語は貯留部150、針180、または送達装置の残りの部分の状態を、規定レベルの汚染不在状態を保証する条件下でそれらを組み立てた結果として述べており、無菌の物体または装置は、清浄な物体または装置よりも比較的高いレベルの汚染不在状態を有すると理解される。非制限的な例として、無菌と清浄の概念については図4の概略図を参照して説明することができる。言うまでもなく、この説明は図1および図3に示された実施形態だけではなく、本明細書で述べられる実施形態の全てに当てはまる。
【0037】
図4は製造設備250を示し、設備250内で行われる製造プロセスについて説明するのに用いられることができる。注目されるべきは、設備250は複数のスペース252、254、256、258、260、262、264、266、268に分割され、それらの分割区は恒久的または準恒久的な壁あるいは他の障壁を使用することによって維持されることができるということである。言うまでもなく、特定のスペースまたは領域は障壁または壁なしで分割されることができるが、そうではなく単純に組織構成レベルで分離されることができる。さらに、言うまでもなく、それよりも多くのまたは少ない数のスペースまたは代替的配置構成によるスペースが使用されることもでき、そのような異なった数または配置構成のスペースも当業者によって容易に決定可能である。
【0038】
容器102の構成要素(壁110、140、およびストッパ/ピストン170)および流体送達システム104はスペース252を通って設備250に進入する。構成要素は、例えば電子ビーム技術を使用して殺菌される。代替方法で、容器102および流体送達システム104は、図1および図3の実施形態を参照すると別構造であると規定されるが、スペース254の中に導入される前に容器102が流体送達システム104に取り付けられる(容器102/流体送達システム104が1つのシリンジであるなどの)製品について、本明細書で述べられる製造プロセスを使用し、製品を殺菌することも知られている。以下も代替方法であるが、構成要素は、他の現在知られている(二酸化塩素または過酸化水素蒸気相による処理など)または後で開発される殺菌処理によって、構成要素が進入ポイント252、264、266から設備250に進入する際に殺菌されることができる。次いで容器102および流体送達システム104は、製剤を充填するためのスペース254の中に移行してゆく。スペース254は無菌性クラス100のクリーンルームとして運転されることができる。クラス100のクリーンルームとは、空気1立方フィートに許容される0.5μm以上の大きさの粒子の数が100未満である室である。充填が実施され、ストッパ170が容器102の端128内に配設された後は、容器の針180は部分的に壁/隔壁140の中に挿入される。容器の針180は壁140を貫通しないことから、貯留部150および製剤160は無菌(即ち高レベルの清浄さにある)のままとなる。さらに、流体送達システム104は無菌であり、無菌条件下で容器102と組み立てられることから、流体送達システム104は、一つには容器の針180の部分的な挿入によって、また一つにはシールド194によって無菌のままであると考えられる。
【0039】
次いで流体送達システム104に組み合わせられた予備充填容器102(その組み合わせは予備充填された無菌容器の組み合わせと呼ばれてよく、あるいは流体送達システム104と容器102が互いに取り付けまたは一体形成される実施形態(シリンジなど)では、容器102と流体送達システム104は予備充填された無菌シリンジと呼ばれてもよい)は、移送スペース256を通して移動され、保管スペース258(これもクラス100のクリーンルームとして運転され、特定の実施形態も無菌性である)内に受け取られる。予備充填された無菌容器の組み合わせは保管スペース258から検査区域260(特定の実施形態では無菌性)の中に移動され、予備充填された無菌容器の組み合わせは検査された後に作動器106と注入器100の他の要素と組み立てられる。薬剤160は封止容器102内に含まれ、流体送達システム104の無菌性はこの時点で保たれることから、(即ち容器の針180は壁140の中に挿入され、注入針190はシールド194で蓋をされる)、検査区域はクラス10,000のクリーンルームとして運転されることができる。検査された後は、予備充填された無菌容器の組み合わせは検査スペース260から組み立てスペース262に渡されることができる。
【0040】
検査スペース260と同様に、組み立てスペース262も無菌性クラス10,000のクリーンルームとして、またはクラス100,000のクリーンルームとしてさえも運転されることができる。スペース264、266からクリーンルームの中に渡されている材料は無菌条件にあることができ、または例えば電子ビーム技術を使用して殺菌されることもできる。組み立てスペース262では、注入器100の残りの部分(作動器106など)が組み立てられることができ(即ち容器102と流体送達システム104が注入器100の残りの部分内に配設されることができ)、その後注入器100が包装スペース268の中へと移行してゆく。
【0041】
組み立てに加えて他の処理行程もこの時点で起こることができる。特定の実施形態によると、例えば移送を容易にするためにではあるが、流体送達システム104が、注入器100内に組み立てられた後に異なった配置構成を取るように、注入器100の残りの部分との組み合立ての前に、流体送達システム104を1つの構成形態に配置することが望ましい場合がある。例えば、容器の針180と注入針190の間の流路が、注入器の残りの部分との組み立ての前には直線的な構成形態を有するが、注入器100の残りの部分と組み立てられているときは湾曲した、屈曲した(60度、90度など)、または他の非直線的な構成形態を取ることが望ましい場合がある。流体送達システム104を直線的な構成形態に維持することによって、予備充填された無菌容器の組み合わせを移送するのに使用されるトレイまたは他のホルダー内の予備充填された無菌容器同士の間隔が最大化されることができて、湾曲された、屈曲された、または他の非直線的な構成形態を収容するために必要となる追加的余地スペースが回避されることができる。このことも、各トレイがより大きな数の容器102/流体送達システム104の組み合わせを収容することが可能となり、したがってスペース254を通過するトレイの数が制限されることができるという点で、容器102を充填するためのコストに影響を及ぼすことができる。構成形態の変更は、湾曲された、屈曲された、または他の非直線的な流体送達システム104を設備250内の他のどこかで収容する必要度を最小限にするように、例えば組み立てスペース262内で実施されることができる。
【0042】
言うまでもなく、図1および図3に示された注入器100は本開示による単に例示的な実施形態である。このために、図5および図6は、図1および図3に示された注入器の変形形態を示す。
【0043】
図5の実施形態によると、注入器300は容器302、流体送達装置304、および作動器306を含む。図1および図3の実施形態と同様に、容器302は内部と外部の表面312、314を備えた壁310を含む。さらに、壁310は両端320、322を有することができ、壁310の内部表面312は両端320、322の間で穿孔324を画定する。
【0044】
しかし、容器102とは異なって、容器302は端320を閉鎖する固定プラグ326を有する。さらに、容器302は内部と外部の表面332、334を備えた可撓性の一体型の壁330を有するが、壁330は容器302の端322内に配設され、したがって容器102内でストッパ/ピストン170の役割を実施する。その結果、壁330は両端320、322間で穿孔324に沿って移動可能である。さらに、壁310、330の内部表面312、332は、薬剤350が配設される無菌貯留部340を画定する。
【0045】
この実施形態によると、流体送達装置304は先端362を有する無菌容器の針360を含むことができる。針360の先端362は、針180の先端182のように保管状態では部分的にしか可撓壁330の中へと配設されず、作動器306は先端362を保管状態と送達状態の間で移動させ、先端362は可撓壁330の内部表面332を通して無菌貯留部340の中へと配設される。容器の針360は、例えばピストンロッド382内に受け取られるカニューレ380を通して、シールド374で覆われた先端372を有する注入針370と流体連通することができる。そのロッド382は容器302の両端320、322の間でストッパ/ピストン330を移動するように使用されることができる。
【0046】
図6は、図5に示されるものに密接に関係した変形形態を示す。図6に示された変形形態によると、容器は内部と外部の表面392、394を備えた壁390を有する。しかし、先に説明された容器とは異なって、壁390は閉鎖端396と開放端398を画定する。容器は、図5の実施形態の壁330と同様に可撓壁400も含む。壁400は容器内で開放端398と閉鎖端396の間で移動可能である。この実施形態によると、壁390自体が既に閉鎖端396を画定していることから、両端396、398の一方を閉鎖するための別構造は必要とされない。それについて、閉鎖端396はそれが図6に示されたものより半径方向に大きくなるように寸法変更されることができる。
【0047】
このように封止アセンブリが可撓性の一体型の壁を1つしか含まない複数の実施形態について説明したが、封止アセンブリが複数の壁および/または封止体を含むさらなる複数の実施形態について図7図11を参照して以下に説明される。この構造は区画化封止体(図7を参照すると隔壁、または図8図11を参照するとストッパ)と呼ばれてもよい。
【0048】
まず図7を参照すると、注入器450は容器452、流体送達システム454、および作動器456を含む。
【0049】
容器452は内部表面462と外部表面464を備えた壁460を含む。図1および図2と同様に、壁460は一般的に円筒形状を有することができ、ショルダ部470は、第1断面直径を有する第1円筒状セクション472を、第2断面直径を有する第2円筒状セクション474から分離し、第1断面直径は第2断面直径よりも小さい。壁460は両側の開放端476、478も画定してよい。壁460、より具体的には壁460の内部表面462は穿孔480も画定することができる。
【0050】
図1および図3の容器とは異なって、図7の容器452は2つ以上の一体型の壁を含む封止アセンブリを有する。容器452の封止アセンブリは可撓壁490および障壁492を含む。可撓壁490は内部表面494と外部表面496を有し、障壁492は内部表面498と外部表面500を有する。壁460および可撓壁490の内部表面462、494は薬剤520の充填された閉鎖無菌貯留部510を画定する。他方、障壁492は、可撓壁490の外部に配設されて可撓壁490と障壁492の間に密閉空間530を画定する。空間530は、壁460の内部表面462と可撓壁490の外部表面496と障壁492の内部表面498とによって画定されることができる。
【0051】
ここに示されるように、容器452は内部と外部の表面542、544を備えたストッパまたはピストン540も含む。ピストン540は壁460によって画定された端478内に受け取られることができ、容器452の両端476、478の間を穿孔480に沿って移動可能である。そのような実施形態によると、薬剤520が中に配設される貯留部510は、壁460、490、およびピストン540の内部表面462、494、542によって画定されることができる。
【0052】
図7の実施形態は、保管状態で障壁492を通して空間530の中へと配設され、送達状態で可撓壁490の内部表面494を通して無菌貯留部510の中へと配設される先端552を有する無菌の容器の針550を備える流体送達システム454も含む。この意味で、容器の針550は部分的にしか封止アセンブリに貫入しない。流体送達システム454は、少なくとも最初は先端562のとの接触およびその汚染を防止するように針シールド454で覆われる先端部562を備えた注入針560も含む。容器の針550と注入針560は、カニューレまたは管570によって接続されることができる。カニューレまたは管は本発明の特定の実施形態によって可撓性のカニューレであることができる。
【0053】
図1および図3の実施形態と同様に、本開示は図7で示された実施形態についていくつかの変形形態を含み、それらの変形形態は図8図11に示される。
【0054】
図8の実施形態は、図5の実施形態が図1および図3と類似していたように、図7の実施形態と類似している。具体的には、図8の実施形態による注入器600の封止アセンブリは、容器452に対して示されたストッパ/ピストン540の代わりに容器内に602に配設される。即ち、容器602は、穿孔606を画定する壁604、ならびに穿孔606に沿って移動可能なストッパをそれぞれが画定する可撓壁608と障壁610を含む。ここに示された実施形態では容器602の壁604は両側の開放端と閉鎖端を画定しないが、よってそのような代替形態も図6に類似の本開示によって可能である。
【0055】
図9図11図8に示された実施形態の変形形態を示し、それらの変形形態は可撓壁と障壁の間の空間または領域が空にされ、または排気されるのを可能にする追加の要素を含む。これらの追加の要素は抜け口、弁、またはバイパスと呼ばれることができるが、これらの構造部は全て、作動器が結合された容器の針を保管状態から送達状態に移動すると、可撓壁と障壁の間の空間または領域から気体が逃げることを可能にする。このことは、本開示の他の実施形態によって内側壁と外部障壁が、例えば1つまたは複数のスペーサスペーサの使用によって分離されたままの状態であることが可能ではないと示唆している訳ではない。しかし、図9図11の代替形態は、内側壁と外部障壁が一体となる実施形態に関して空間を空にするための選択肢を示す。しかし言うまでもなく、抜け口、弁、およびバイパスは、空間が空にまたは排気されるまで、空間内の無菌条件を保持することになる。
【0056】
図9に、壁652および封止アセンブリを含む容器650が示される。アセンブリは可撓壁654と障壁656を含む。可撓壁654は内部表面658と外部表面660を有し、障壁654は内部表面662と外部表面664を有する。壁652の内部表面668と可撓壁654の内部表面658とは、薬剤680が充填された閉鎖無菌貯留部670を画定する。障壁656は、可撓壁654の外部に配設されて、可撓壁654と障壁656の間に密閉空間690を画定する。空間690は、壁652の内部表面668と可撓壁652の外部表面660と障壁656の内部表面662とによって画定されることができる。
【0057】
以下も図10に示されるが、容器の針702を含む流体送達システム700が封止アセンブリと併せて使用される。容器の針702が保管状態で示される。容器の針702は、針702の先端部704が空間690内に配設されるように障壁656を通して配設される。ここに示されない送達状態では、先端部704は可撓壁654を貫通し、貯留部670の中へと垂下する。言うまでもなく、針702は、特にその長さに関して原寸に比例して描かれておらず、ここに示された他の実施形態も同様である。
【0058】
先に説明された実施形態とは対照的に、図9に示された容器650は少なくとも1つの抜け口710を含む。抜け口710は障壁656と可撓壁654の間の空間690と流体連通する。抜け口710は、封止アセンブリがここに示された保管状態と送達状態の間で移動されると、障壁656と可撓壁654の間に捉えられた気体が抜け口710を通って逃げることを可能にするように選択的に作動される。障壁656は、容器の針702の先端部704が壁654を貫通するのを可能にするように可撓壁654の方向に前進される。しかし、抜け口710は、例えば空間690内の圧力の変化によって作動されるまで、周囲環境に対して封止された条件にあることができる。
【0059】
ここに示されたように、抜け口710は障壁656内に配設され、障壁656の内部表面662と外部表面664の間に延びる。外部表面664に近接した抜け口710の端をフラップ712が覆い、それによって、抜け口が作動されるまで抜け口710の端を封止して、障壁656と可撓壁654の間の空間690の無菌性を保持する。代替方法として、抜け口710は、例えば容器650の壁652内に配置されることができる。
【0060】
図10および図11図8のシステムのさらなる変形形態を示し、容器720は壁722および封止アセンブリを含み、アセンブリは可撓壁724と障壁726を含む。可撓壁724は内部表面728と外部表面730を有し、障壁726は内部表面732と外部表面734を有する。壁722の内部表面738と可撓壁724の内部表面728とは薬剤750の充填された閉鎖無菌貯留部740を画定する。障壁726は、可撓壁724の外部に配設されて可撓壁724と障壁726の間に密閉空間760を画定する。空間760は、壁722の内部表面738と可撓壁722の外部表面730と障壁726の内部表面732とによって画定されることができる。
【0061】
以下も図10に示されるように、容器の針772を含む流体送達システム770が封止アセンブリと併せて使用される。容器の針772は保管状態で示され、容器の針772は、針772の先端部774が空間760内に配設されるように障壁726を通して配設される。先端部774は、ここに示されない送達状態で可撓壁724を貫通し、貯留部740の中へと垂下する。
【0062】
先に説明された実施形態とは対照的に、図10に示された容器720は少なくとも1つのバイパスまたは抜け口780を含む。バイパス780は貯留部740と流体連通している。バイパス780は、封止アセンブリがここに示された保管状態と送達状態の間で移動されると、障壁726と可撓壁724の間で捉えられた気体がバイパス780を通って貯留部740の中へと逃げることを可能にするように選択的に作動される。障壁726は、容器の針772の先端部774が壁724を貫通するのを可能にするように可撓壁724の方向に前進される。
【0063】
しかし、バイパス780は、可撓壁724が図10で示された保管状態から図11で示された中間状態に移動するまで空間760と流体連通しない。図10および図11に示されるように、バイパス780は壁722の内部表面738内に画定されることができ、ここに示されるように壁722内に形成された溝782の形態を取ることができる。溝782は遠位端784と近位端786を有することができる。言うまでもなく、可撓壁724の外部表面730が溝782の遠位端784を通過するまで、貯留部740は空間760に対して封止条件にある。しかし、一旦可撓壁724の外部表面730が溝782の遠位端784を通過すると、障壁726と可撓壁724の間に捉えられた気体は貯留部740の中へと排出されることができる。このことは、障壁726および針770の可撓壁724に向かう移動をし易くすることができる。
【0064】
上述の実施形態は全て、程度の差はあれ、部分的にしか封止アセンブリを通して配設されない流体送達システムに焦点を合わせてきたが、容器の針が封止アセンブリを通して配設されない、あるいは容器の針が完全に封止アセンブリを通して配設される他の代替形態が存在する。そのような2つの代替形態が図12および図13に示される。
【0065】
図12および図13は、容器の針が可撓壁(ストッパまたは隔壁を画定する)を通して配設され、貯留部を注入針から封止するために弁が使用される実施形態を示す。弁は、容器内の貯留部からの薬剤の流れを制御するためにも使用されることができる。このようにして弁は、貯留部からの薬剤の量を測定するために、あるいは例えば入力装置(ボタンまたはスイッチなど)からの入力の受け取りに対する遅延時間が経過するまで、薬剤の流れを遅らせるために使用されることができる。
【0066】
そのようなことから、図12は容器852、流体送達システム854、および作動器856を備えた注入器850を示す。容器852は少なくとも1つの可撓壁860を含み、それはここに示された実施形態によって隔壁の形態であることができる。可撓壁860は内部表面862と外部表面864を有する。さらに、流体送達システム854は容器の針866、注入針868、ならびに容器の針866と注入針868を接続する可撓性カニューレまたは管870を含む。注入針868は針868の無菌性を保持するカバー872内に受け取られることができる。
【0067】
他方、容器の針866(特に容器の針866の先端部874)は、内部表面862を通して可撓壁860を通して配設される。このように針866は無菌貯留部880と貯留部880内に配設された薬剤890とに流体連通する。容器の針866と注入針868の間の流体連通は、可撓性の管870内にまたはそれに沿って配設された弁900によって遮断される。このように、図1図11に対して上で説明された他の実施形態とは異なって、注入器850の作動器856は、容器の針866を可撓壁860に対して移動するようにではなく、針866、868間で流体連通が遮断される閉鎖状態と容器の針866が注入針868と流体連通する開放状態との間で弁を操作するように使用される。
【0068】
言うまでもなく、弁900は多様な形状および形態を取ることができ、それらのうちの2つが図12および図13に示される。具体的には図12は、注入器850の実施形態にして、可撓管870内に回転可能な弁900が配設され、あるいは容器の針866と注入針868の間に画定される流体流路と流体連通している内部弁部材を有する実施形態を示す。それとは対照的に、図13は、注入器の実施形態にして、可撓管870に沿ってピンチ弁902が配設され、そのようにしてピンチ弁902が管870の外部表面と協働して容器の針866と注入針868の間の流体連通を遮断する、実施形態を示す。
【0069】
図12および図13に示されるような実施形態は、容器が例えばシリンジの形態となるように針が恒久的に取り付けられた容器に対しても適切に作用する。それについては、図4に対して述べられた方法は以上に述べられた実施形態のいずれとも適切に作用し、弁が使用されず、上述の通り、シリンジ(即ち針が恒久的に取り付けられた容器)が、無菌性を維持するようにシールドによって覆われた注入針を有する図12および図13に示された実施形態のようなものにも適切に作用する。
【0070】
言うまでもなく、図12および図13に示された実施形態は、例えば図7に示されたような複数の壁および/または封止体を含む封止アセンブリを組み込むようにさらに修正されることができる。図14はそのような実施形態を示す。
【0071】
具体的には、図14は容器922、流体送達システム924、作動器926、および封止アセンブリ928を備えた注入器920を示す。流体送達システム924は容器の針930、注入針932、ならびに容器の針930と注入針932を接続する可撓性のカニューレまたは管934を含むことができる。注入針932は、針932の無菌性を保持するカバー936内に受け取られることができる。針932は、可撓管934内にまたはそれに沿って配設された弁944を介して無菌貯留部940と無菌貯留部940内に配設された薬剤942と選択的に流体連通することもできる。これに関して、注入器920は図12および図13に示されたものと類似している。
【0072】
しかし、注入器920の封止アセンブリ928も可撓壁950と障壁952を有する。可撓壁950と障壁952はそれぞれ内部表面と外部表面を有し、可撓壁950の内部表面は部分的に閉鎖無菌貯留部940を画定する。他方、障壁952は、可撓壁950の外部に配設されて可撓壁950と障壁952の間に密閉空間954を画定する。密閉空間954内に容器の針930の先端部956が配設されることができる。
【0073】
これに関して、図14の実施形態は2つの潜在的な障壁を有する。その1つは弁944の形態であり、2つめは空間954内の先端部956の配置部位の形態である。実際に、容器の針930が可撓壁950を貫通して貯留部940の中へと入るようにされた後、弁944は、薬剤942の注入に遅延をもたらすように制御されることができる。
【0074】
言うまでもなく、本開示による装置は従来の技術に対して1つまたはそれ以上の利点を有することができ、そのうちのいずれの1つまたはそれ以上も、特定の実施形態に含まれる本開示の要素によってその実施形態に存在することができる。一例として、これらの実施形態は使用時まで薬剤の無菌性を維持する。他の例として、使用時前の薬剤混入の可能性が制限または解消される。なおさらなる例として、使用時前の薬剤の偶発的な送達も制限または防止される。
【0075】
単に例示するだけの目的であるが、図15は、上に開示された実施形態のいずれかによる送達装置を組み立てるさらなる方法を提供する。方法1000は図4に対して上で概略された一般的な処理フローに従う。しかしアメリカ合衆国連邦標準209Eによるクリーンルームのクラス分類を参照するよりもむしろ、ここではGMP EU規格によるクリーンルームのクラス分類に対して参照がなされる。さらに方法1000は送達装置の組み立てで従われることのできる任意選択による追加の進路(左または右の枝として表されている)も提供する。従って、図15の方法1000は、図4に対する上の説明を補うものとして考えられることができる。
【0076】
送達装置を組み立てる方法1000はブロック1002から始まる。装置内で使用される容器は最初に封止タブ内に保管される。上述のように、これらの容器はある時点で殺菌され、または殺菌済みであることができる。ブロック1002で、タブはCクラスのクリーンルーム内で例えば自動解袋機を使用して解袋される。ブロック1004で、例えばAクラスのクリーンルームとして作動されるスペース内で、おそらくは異なるやり方でCクラスのクリーンルームとして作動されるスペース内の隔離器内で、Tyvekのシールが剥がされ(ロボットなどによって)、除去される。
容器は充填され、ストッパおよび流体システムが取り付けられ、次いでブロック1006で、Aクラスのクリーンルームとして作動されるスペース内で、おそらくは異なるやり方でCクラスのクリーンルームとして作動されるスペース内の隔離器内で、容器は開放タブ内に戻される。この時点から2つの代替的な進路または枝路が可能である。
【0077】
ブロック1008で、充填された容器は開放タブ内に置かれることができる。ブロック1010で、タブは保管スペース(低温室など)に搬送され、カートで運ばれることができる。
【0078】
ブロック1008、1010の経路が辿られる場合、方法1000はタブがブロック1012の処理のために検査室へ移送されている状態で継続することができる。次いでブロック1014で充填された容器は開放タブから取り出され、ブロック1016で自動検査機械に供給される。ブロック1016で充填容器の自動検査が起こり、それに続いでブロック1018で任意選択による追加の半自動または手動の検査が行われる。
【0079】
代替方法として、ブロック1020でタブは再封止され、再度袋詰めされ、ラベル付けされることができる。例えば、ブロック1020でタブはCクラスのクリーンルームで、Tyvekで(Bausch+Strobelのタブ封止器を使用するなどして)再封止され、再度袋詰めされ、次いでラベル付けされることができる。次いでブロック1022、1024でタブは保管され、あるいは必要に応じて出荷もされることができる。
【0080】
保管または位相が完了された後は、ブロック1026で、タブは例えば自動解袋機を使用して解袋される。ブロック1028で、Tyvekシールが剥がされ、除去される。次いでブロック1030で、充填された容器は検査のために取り出すことができる。ブロック1026、1028、1030の動作はCクラスのクリーンルームで実施される。次いでブロック1032で、Cクラスのクリーンルーム内で作業するために設計された視覚検査機を使用して自動検査が実施されることができる。
【0081】
次いでいずれの処理手順を辿っても、充填され、検査された容器はブロック1034でロンドトレイに移送されることができる。
【0082】
第1の処理手順によると、ブロック1036でロンドトレイは直接保管部へ送られることができる。ブロック1036の経路が辿られる場合、ロンドトレイはブロック1038で処理のために装置組み立て室に移送されることができる。容器はブロック1040で取り出され、ブロック1042で送達装置の他の要素と組み立てられて、組み立て送達装置(注入器またはインフューザなど)を画定する。
【0083】
代替方法として、ブロック1044で容器は、封止、袋詰め、およびラベル付けされたタブの中へと移動されることができる。例えば、タブはCクラスクリーンルームで、Tyvekで再封止され、袋詰めされ、次いでラベル付けされることができる。次いでブロック1046、1048でタブは保管され、必要に応じてさらなる処理のために出荷されることもできる。保管または移送が完了された後は、ブロック1050でタブは例えば自動解袋機を使用し解袋される。ブロック1052で、Tyvekシールは剥がされ、除去され、容器は取り出される。次いでブロック1054で、充填された容器は送達装置の他の要素と組み立てられることができる。ブロック1050、1052、1054の動作は全てCクラスのクリーンルームで起こる。
【0084】
いずれの場合も、組み立てられた装置はブロック1056で包装され、包装された組み立て装置はブロック1058で保管される。最後に、包装され、組み立てられた装置はブロック1060で配給業者に、かつ/または他の配給動作のために移送される。
【0085】
本明細書で特に列挙されない他の利点も同様に認識されることができる。さらに、なお他の変形形態および代替形態も可能である。
【0086】
一例として、作動器の動作について、以上の実施形態に関して例えば容器の針を保管状態から送達状態に移動するものとして述べられたが、言うまでもなく、作動器は容器の針を送達状態から保管状態に移動することもできる。例えば、貯留部の容積よりも小さな1回分の薬剤が送達される場合(注入器が患者の必要に応じて(小児患者対成人患者など)調整可能な1回分を送達するようにプログラムされるべく設計された注入器の場合などのように)、作動器は容器の針を、1回分を送達する前では保管状態から送達状態に移動させ、1回分を送達した後では送達状態から保管状態に移動することができる。送達状態から保管状態への移動は実際には容器を再封止し、患者への流路を閉鎖する。保管状態と送達状態の間のこの一連の移動は繰り返されることができる。上述のように、送達が開始されるまで閉鎖された流路を維持することは、薬剤の患者への偶発的な送達ならびに/または薬剤と患者の体液との混合が軽減されるという点で有利である。
【0087】
本開示による注入器は多様な薬剤に使用されることができ、それらには顆粒球コロニー刺激因子(G‐CSF)などのコロニー刺激因子が含まれる。それらは骨髄または末梢血液内に見出される免疫細胞(白血球細胞など)の数を増大させるために投与されることができる。そのようなG‐CSF剤には、以下に限定されないが、Neupogen(R)(フィルグラスチム)およびNeulasta(R)(ペグフィルグラスチム)が含まれる。
【0088】
他の実施形態では、注入器は様々な他の薬剤に使用されることができ、それらには例えば液状または冷凍粉末状の形態であることができる赤血球造血刺激因子製剤(ESA)が含まれる。ESAとは、赤血球産生を刺激する任意の微粒子であり、それには、Epogen(R)(エポイチンアルファ)、Aranesp(R)(ダーベポイチンアルファ)、Dynepo(R)(エポイチンデルタ)、Mircera(R)(メシオキシ・ポリエチレン・グリコール‐エポイチンベータ)、Hematide(R)、MRK‐2578、INS‐22、Retacrit(R)(エポイチンゼータ)、Neorecormaon(R)(エポイチンベータ)、Silapo(R)(エポイチンゼータ)、Binocrit(R)(エポイチンアルファ)、エポイチンアルファHexal、Abeamed(R)(エポイチンアルファ)、Ratioepo(R)(エポイチンシータ)、Eporatio(R)(エポイチンシータ)、Biopoin(R)(エポイチンシータ)、エポイチンアルファ、エポイチンベータ、エポイチンゼータ、エポイチンシータ、およびエポイチンデルタ、ならびに、以下の特許または特許出願で開示された微粒子あるいはそれらの変性体または類似体などがあり、それらはそれぞれがそっくりそのまま参照により本明細書に組み込まれる。即ちそれらの特許または特許出願は、米国特許第4,703,008号明細書、第5,441,868号明細書、第5,547,933号明細書、第5,618,698号明細書、第5,621,080号明細書、第5,756,349号明細書、第5,767,078号明細書、第5,773,569号明細書、第5,955,422号明細書、第5,986,047号明細書、第6,583,272号明細書、第7,084,245号明細書、および第7,271,689号明細書と、PCT国際公開第91/05867号パンフレット、国際公開第95/05465号パンフレット、国際公開第96/40772号パンフレット、国際公開第00/24893号パンフレット、国際公開第01/81405号パンフレット、および国際公開第2007/136752号パンフレットである。
【0089】
ESAは赤血球新生刺激タンパク質であることも可能である。本明細書では、「赤血球新生刺激タンパク質」は、エリスロポエチン受容体の活性化を、例えば受容体に結合し、その二量体化を引き起こすことによって直接または間接的に引き起こす任意のタンパク質を意味する。赤血球新生刺激タンパク質には、エリスロポエチンとエリスロポエチン受容体に結合し、それを活性化する変性体、類似体、または派生体と、エリスロポエチン受容体に結合し受容体を活性化する抗体と、あるいはエリスロポエチン受容体に結合しそれを活性化するペプチドとが含まれる。赤血球新生刺激タンパク質には、以下に限られないが、エポエチンアルファ、エポエチンベータ、エポエチンデルタ、エポエチンオメガ、エポエチンイオタ、エポエチンゼータ、およびそれらの類似体、ペグ型エリスロポエチン、カルバミル化エリスロポエチン、擬態ペプチド(EMP1/ヘマチドが含まれる)、および擬態抗体が含まれる。例示的な赤血球新生刺激タンパク質にはエリスロポエチンと、ダーベポエチンと、エリスロポエチンアゴニスト変性体と、エリスロポエチン受容体に結合し、それを活性化させるペプチドまたは抗体(米国公開第2003/0215444号明細書および第2006/0040858号明細書で報告された化合物も含まれ、それらの開示はそれぞれ参照によりそっくりそのまま本明細書に組み込まれる)と、ならびに、参照によりそっくりそのままそれぞれが本明細書に組み込まれる以下の特許または特許出願に開示される通りのエリスロポエチン微粒子あるいはその変性体または類似体が含まれる。即ちそれらの特許または特許出願は、米国特許第4,703,008号明細書、第5,441,868号明細書、第5,547,933号明細書、第5,618,698号明細書、第5,621,080号明細書、第5,756,349号明細書、第5,767,078号明細書、第5,773,569号明細書、第5,955,422号明細書、第5,830,851号明細書、第5,856,298号明細書、第5,986,047号明細書、第6,030,086号明細書、第6,310,078号明細書、第6,391,633号明細書、第6,583,272号明細書、第6,586,398号明細書、第6,900,292号明細書、第6,750,369号明細書、第7,030,226号明細書、第7,084,245号明細書、および第7,217,689号明細書、米国公開第2002/0155998号明細書、第2003/0077753号明細書、第2003/0082749号明細書、第2003/0143202号明細書、第2004/0009902号明細書、第2004/0071694号明細書、第2004/0091961号明細書、第2004/0143857号明細書、第2004/0157293号明細書、第2004/0175379号明細書、第2004/0175824号明細書、第2004/0229318号明細書、第2004/0248815明細書、第2004/0266690号明細書、第2005/0019914号明細書、第2005/0026834号明細書、第2005/0096461号明細書、第2005/0107297号明細書、第2005/0107591号明細書、第2005/0124045号明細書、第2005/0124564号明細書、第2005/0137329明細書、第2005/0142642号明細書、第2005/0143292号明細書、第2005/0153879号明細書、第2005/0158822号明細書、第2005/0158832号明細書、第2005/0170457号明細書、第2005/0181359号明細書、第2005/0181482号明細書、第2005/0192211号明細書、第2005/0202538号明細書、第2005/0227289号明細書、第2005/0244409号明細書、第2006/0088906号明細書、および第2006/0111279号明細書、ならびにPCT国際公開第91/05867号パンフレット、第95/05465号パンフレット、第99/66054号パンフレット、第00/24893号パンフレット、第01/81405号パンフレット、第00/61637号パンフレット、第01/36489号パンフレット、第02/014356号パンフレット、第02/19963号パンフレット、第02/20034号パンフレット、02/49673号パンフレット、第02/085940号パンフレット、第03/029291号パンフレット、第2003/055526号パンフレット、第2003/084477号パンフレット、第2003/094858号パンフレット、第2004/002417号パンフレット、第2004/002424号パンフレット、第2004/009627号パンフレット、第2004/024761号パンフレット、第2004/033651号パンフレット、第2004/035603号パンフレット、第2004/043382号パンフレット、第2004/101600号パンフレット、第2004/101606号パンフレット、第2004/101611号パンフレット、第2004/106373号パンフレット、第2004/018667号パンフレット、第2005/001025号パンフレット、第2005/001136号パンフレット、第2005/021579号パンフレット、第2005/025606号パンフレット、第2005/032460号パンフレット、第2005/051327号パンフレット、第2005/063808号パンフレット、第2005/063809号パンフレット、第2005/070451号パンフレット、第2005/081687号パンフレット、第2005/084711号パンフレット、第2005/103076号パンフレット、第2005/100403号パンフレット、第2005/092369号パンフレット、第2006/50959号パンフレット、第2006/02646号パンフレット、第2006/29094号パンフレットである。
【0090】
この装置に使用される他の医薬製品の例には、以下に限られないが、Vectibix(R)(パニタママブ)、Xgeva(TM)(デノスマブ)、およびProlia(TM)(デノサマブ)などの抗体と、Enbrel(R)(エタネルセプト、TNF‐受容体/Fc融合タンパク質、TNF遮断薬)、Neulasta(R)(ペグフィルグラスチム、ペグ型フィルグラスチム、ペグ型G‐CSF、ペグ型hu‐Met‐G‐CSF)、Neupogen(R)(フィルグラスチム、G‐CSF、hu‐MetG‐CSF)、およびNplate(R)(ロミプロスチム)などの他の生物剤と、Sensipar(R)(シナカルセト)などの低分子薬剤とが含まれる。装置は医療用抗体、ポリペプチド、タンパク質、あるいは鉄、例えばフェルモキシトル、鉄デキストラン、グルコン酸第二鉄、および鉄スクロースなどの他の化学物質に使用されることもできる。医薬製品は液状の形態であることができ、または冷凍粉末状の形態から再構成されることもできる。
【0091】
特定の例示的なタンパク質の中には以下に明記される特異的なタンパク質があり、それにはその融合体、断片体、類似体、変性体、または派生体が含まれる。
【0092】
即ち、OPGL特異抗体、ペプチ体、および関連抗体など(RANKL特異抗体、ペプチ体などとも呼ばれる)。それらには、完全ヒト化およびヒトOPGL特異抗体、特に、完全ヒト化単クローン抗体が含まれ、それらには、以下に限られないが、そっくりそのまま、OPGL特異抗体および抗体関連タンパク質に関して参照により本明細書に組み込まれるPCT国際公開第03/002713号明細書に記載された抗体、特にそこに明記された配列を有するもの、特に以下に限定されないがそこで9H7、18B2、2D8、2E11、16E1、および22B3と示されたものが含まれる。それらにはそこで図2に明記された配列識別番号2の軽鎖および/またはそこで図4に明記された配列識別番号4の重鎖のいずれかを有するOPGL特異抗体が含まれる。それらはそれぞれ上述の公開で開示されたようにそっくりそのまま完全に、参照により個別かつ明確に本明細書に組み込まれる。
【0093】
ミオスタチン結合タンパク質、ペプチ体、および関連タンパク質など。ミオスタチン特異ペプチ体、特に、米国公開第2004/0181033号明細書および国際公開第2004/058988号パンフレットに記載されたものが含まれる。それらの明細書およびパンフレットはそっくりそのまま、特にミオスタチン特異ペプチ体に関係する部分に関して参照により本明細書に組み込まれる。ミオスタチン特異ペプチ体には、以下に限定されないが、配列識別番号305~351のものが含まれるmTN8‐19系のペプチ体が含まれ、それらにはTN8‐19‐1からTN8‐19‐40、TN8‐19con1およびTN8‐19con2、配列識別番号357~383のmL17系のペプチ体、配列識別番号384~409のmL15系のペプチ体、配列識別番号410~438のmL17系のペプチ体、配列識別番号439~446のmL20系のペプチ体、配列識別番号447~452のmL21系のペプチ体、配列識別番号453~454のmL24系のペプチ体、および配列識別番615~631のものが含まれ、それらはそれぞれ上述の公開で開示されたようにそっくりそのまま完全に、個別かつ明確に参照により本明細書に組み込まれる。
【0094】
IL‐4受容体特異抗体、ペプチ体、および関連タンパク質など。特にIL‐4および/またはIL‐13の受容体への結合によって媒介される活動を阻止するもの。それにはPCT国際公開第2005/047331号パンフレットまたはPCT出願PCT/米国第2004/03742号明細書と米国公開第2005/112694号明細書とに記載されるものが含まれる。それらのパンフレットおよび明細書はそっくりそのまま、特に、IL‐4受容体特異抗体、特にそれらに記載されるような抗体、特に、以下に限定されないが、それらでL1H1、L1H2、L1H3、L1H4、L1H5、L1H6、L1H7、L1H8、L1H9、L1H10、L1H11、L2H1、L2H2、L2H3、L2H4、L2H5、L2H6、L2H7、L2H8、L2H9、L2H10、L2H11、L2H12、L2H13、L2H14、L3H1、L4H1、L5H1、L6H1と指定されたものに関する部分に関して、参照により本明細書に組み込まれる。指定されたものはそれぞれ、上述の公開で開示されたようにそっくりそのまま完全に、参照により個別かつ明確に本明細書に組み込まれる。
【0095】
インターロイキン1‐受容体1(「IL1‐R1」)特異抗体、ペプチ体、および関連タンパク質など。以下に限定されないが、米国公開第2004/097712A1号明細書に記載されたものが含まれる。その明細書は参照によりそっくりそのまま、特にIL1‐R1特異結合タンパク質、単クローン抗体、とりわけ以下に限定されないが、その明細書で15CA、26F5、27F2、24E12、および10H7と指定されたものに関係する部分に関して本明細書に組み込まれる。指定されたものはそれぞれ上述の米国公開で開示されたようにそっくりそのまま完全に、参照により個別かつ明確に本明細書に組み込まれる。
【0096】
Ang2特異抗体、ペプチ体、および関連タンパク質など。以下に限定されないが、PCT国際公開第03/057134号パンフレットおよび米国公開第2003/0229023号明細書に記載されたものが含まれる。それらのパンフレットおよび明細書はそれぞれそっくりそのまま、特にAng2特異抗体およびペプチ体など、とりわけそれらに記載された配列のもの、かつ以下に限定されないが、L1(N)、L1(N)WT、L1(N)1K WT、2xL1(N)、2xL1(N)WT、Con4(N)、Con4(N)1K WT、2xCon4(N)1K、L1C、L1C 1K、2xL1C、Con4C、Con4C 1K、2xCon4C 1K、Con4‐L1(N)、Con4‐L1C、TN‐12‐9(N)、C17(N)、TN8‐8(N)、TN8‐14(N)、Con1(N)が含まれ、かつ、PCT国際公開第2003/030833号パンフレットに記載されたもののような抗‐Ang2抗体および調剤類も含まれるものに関係する部分が、参照により本明細書に組み込まれ、PCT国際公開第2003/030833号パンフレットは、参照によりそっくりそのまま、同じものに関して、特にその明細書に記載された通りの様々な順列でのAb526、Ab528、Ab531、Ab533、Ab535、Ab536、Ab537、Ab540、Ab543、Ab544、Ab545、Ab546、A551、Ab553、Ab555、Ab558、Ab559、Ab565、AbF1AbFD、AbFE、AbFJ、AbFK、AbG1D4、AbGC1E8、AbH1C12、Ab1A1、Ab1F、Ab1K、Ab1P、およびAb1Pに関して本明細書に組み込まれ、抗体および調剤類のそれぞれが上述の公開で開示されたようにそっくりそのまま完全に、参照により個別かつ明確に本明細書に組み込まれる。
【0097】
NGF特異抗体、ペプチ体、および関連タンパク質など。特に、以下に限定されないが、米国公開第2005/0074821号明細書および米国特許第6,919,426号明細書に記載されたものが含まれる。それらの明細書はそっくりそのまま、特にこれについてはNGF‐特異抗体および関連タンパク質、特に、以下に限定されないが、それらの明細書で4D4、4G6、6H9、7H2、14D10、および14D11と指定されたNGF‐特異抗体に関して、参照により本明細書に組み込まれる。それらはそれぞれ上述の公開で開示されたようにそっくりそのまま完全に、参照により個別かつ明確に本明細書に組み込まれる。
【0098】
CD22特異抗体、ペプチ体、および関連タンパク質など。米国特許第5,789,554号明細書に記載されたもののようなもの。その明細書はそっくりそのまま、以下のものに関して参照により本明細書に組み込まれる。即ち、それは、CD22特異抗体および関係するタンパク質、特にヒトCD22特異抗体、以下に限定されないがヒト化および完全ヒト抗体など、以下に限定されないがヒト化および完全ヒト単クローン抗体が含まれ、特に、以下に限定されないが、ヒトCD22特異Ig抗体、例えばヒト‐マウス単クローンhLL2カッパ鎖にリンクされたヒト‐マウス単クローンhLL2ガンマ鎖二硫化物の二量体などが含まれ、以下に限定されるが、例えばEpratuzumab内のCD22特異完全ヒト化抗体、CAS登録番号501423‐23‐0などが含まれるものである。
【0099】
IGF‐1受容体特異抗体、ペプチ体、および関係するタンパク質などにおいて、PCT国際公開第06/069202号パンフレットに記載されたもののようなもの。その明細書は参照によりそっくりそのまま、IGF‐1受容体特異抗体および関係するタンパク質について本明細書に組み込まれる。それらには、以下に限られないがその明細書で以下のように指定されるIGF‐1特異抗体、即ち、L1H1、L2H2、L3H3、L4H4、L5H5、6L6H、7L7H、L8H8、L9H9、L10H10、L11H11、L12H12、L13H13、L14H14、L15H15、L16H16、L17H17、L18H18、L19H19、L20H20、L21H21、L22H22、L23H23、L24H24、L25H25、L26H26、L27H27、L28H28、L29H29、L30H30、L31H31、L32H32、L33H33、L34H34、L35H35、L36H36、L37H37、L38H38、L39H39、L40H40、L41H41、L42H42、L43H43、L44H44、L45H45、L46H46、L47H47、L48H48、L49H49、L50H50、L51H51、L52H52と、IGF‐1R‐結合断片体およびその派生体とが含まれ、それらはそれぞれ上述の国際公開で開示されたようにそっくりそのまま完全に、参照により個別かつ明確に参本明細書に組み込まれる。
【0100】
本発明の方法および組成物で使用される抗‐IGF‐1R抗体の非制限的な例には、以下の中に記載されるものそれぞれかつ全てもある。即ち、
(i)米国公開第2006/0040358号明細書(2006年2月23日発行)、第2005/0008642号明細書(2005年1月13日発行)、第2004/0228859号明細書(2004年11月18日発行)において、以下に限定されないが例えば、それらの明細書に記載された通りの抗体1A(DSMZ寄託番号DSM ACC2586)、抗体8(DSMZ寄託番号DSM ACC2589)、抗体23(DSMZ寄託番号DSM ACC2588)、および抗体18を含む明細書。
(ii)PCT国際公開第06/138729号パンフレット(2006年12月28日発行)と、国際公開第05/016970号パンフレット(2005年2月24日発行)と、Lu他による2004年のJ Biol Chem.279:2856~65とにおいて、以下に限定されないが、それらの明細書に記載された通りの抗体2F8、A12、およびIMC-12を含むもの。
(iii)PCT国際公開第07/012614号パンフレット(2007年2月1日発行)、国際公開第07/000328号パンフレット(2007年1月4日発行)、国際公開第06/013472号パンフレット(2006年2月9日発行)、国際公開第05/058967号パンフレット(2005年6月30日発行)、および国際公開第03/059951号パンフレット(2003年7月24日発行)
(iv)米国公開第2005/0084906号明細書(2005年4月21日発行)において、以下に限定されないが、その明細書に記載された通りの抗体7C10、キメラ抗体C7C10、抗体h7C10、抗体7H2M、キメラ抗体7C10、抗体GM607、ヒト化抗体7C10バージョン1、ヒト化抗体7C10バージョン2、ヒト化抗体7C10バージョン3、および抗体7H2HMを含むもの。
(v)米国公開第2005/0249728号明細書(2005年11月10日発行)、第2005/0186203号明細書(2005年8月25日発行)、第2004/0265307号明細書(2004年12月30日発行)、および第2003/0235582号明細書(2003年12月25日発行)、およびMaloney他による2003年のCancer Res.63:5073~83とにおいて、以下に限定されないが、それらに記載された通りの抗体EM164、表面再建EM164、ヒト化EM164、huEM164v1.0、huEM164v1.1、huEM164v1.2、およびhuEM164v1.3を含むもの。
(vi)米国特許第7,037,498号明細書(2006年5月2日発行)、米国公開第2005/0244408号明細書(2005年11月30日発行)、第2004/0086503号明細書(2004年5月6日発行)、およびCohen他による2005年のClinical Cancer Res.11:2063~73、例えば抗体CP‐751、871において、以下に限定されないが、それらに記載された通りの、ATCC受入番号PTA‐2792、PTA‐2788、PTA‐2790、PTA‐2791、PTA‐2789、PTA‐2793を有するハイブリドーマによって生産される抗体それぞれと、抗体2.12.1、2.13.2、2.14.3、3.1.1、4.9.2、および4.17.3とを含むもの。
(vii)米国公開第2005/0136063号明細書(2005年6月23発行)および第2004/0018191号明細書(2004年1月29日発行)において、以下に限定されないが、それらに記載された通りの、抗体19D12、ならびにポリヌクレオチドによってプラズミド15H12/19D12HCA(γ4)にエンコード化され、番号PTA‐5214下でATCCに寄託された重鎖と、ポリヌクレオチドによってプラズミド15H12/19D12LCF(κ)にエンコード化され、番号PTA‐5220下でATCCに寄託された軽鎖とを備えた抗体を含むもの。
(viii)米国公開第2004/0202655号明細書(2004年10月14日発行)において、以下に限定されないが、それに記載された通りの抗体、PINT‐6A1、PINT‐7A2、PINT‐7A4、PINT‐7A5、PINT‐7A6、PINT‐8A1、PINT‐9A2、PINT‐11A1、PINT‐11A2、PINT‐11A3、PINT‐11A4、PINT‐11A5、PINT‐11A7、PINT‐11A12、PINT‐12A1、PINT‐12A2、PINT‐12A3、PINT‐12A4、およびPINT‐12A5を含むもの。それらはそれぞれかつ全てが参照によりそっくりそのまま、特にIGF‐1受容体を標的にする上述の抗体、ペプチ体、および関連タンパク質などについて、本明細書に組み込まれる。
【0101】
B‐7関連タンパク質1特異抗体、ペプチ体、関連タンパク質など(「B7RP‐1」も文書内ではB7H2、ICOSL、B7h、およびCD275と呼ばれる)、特にB7RP‐特異完全ヒト単クローンIgG2抗体、特にB7RP‐1の第1免疫グロブリン様領域内でエピトープを結合させる完全ヒトIgG2単クローン抗体、とりわけ活性化されたT細胞上でのB7RP‐1のその天然受容体ICOSとの相互作用を阻止するもの、特に、とりわけ上述の点全てに鑑みて、米国公開第2008/0166352号明細書およびPCT国際公開第2007/011941号パンフレットに開示されるもの。それらの明細書は、参照によりそっくりそのまま、そのような抗体および関連タンパク質、以下に限定されないが、それらで以下の通り指定された抗体を含むものに関して、本明細書に組み込まれる。即ちそれらの指定された抗体は、16H(軽鎖可変配列と重鎖可変配列の配列識別番号1と配列識別番号7をそれぞれ有する)、5D(軽鎖可変配列と重鎖可変配列の配列識別番号2と配列識別番号9をそれぞれ有する)、2H(軽鎖可変配列と重鎖可変配列の配列識別番号3と配列識別番号10をそれぞれ有する)、43H(軽鎖可変配列と重鎖可変配列の配列識別番号6と配列識別番号14をそれぞれ有する)、41H(軽鎖可変配列と重鎖可変配列の配列識別番号5と配列識別番号13をそれぞれ有する)、15H(軽鎖可変配列と重鎖可変配列の配列識別番号4と配列識別番号12をそれぞれ有する)であり、それぞれが上述の米国公開明細書に開示された通りに完全にそっくりそのまま、参照により個別かつ明確に本明細書に組み込まれる。
【0102】
IL‐15特異抗体、ペプチ体、および関連タンパク質など、特にヒト化単クローン抗体、特に、米国公開第2003/0138421号明細書、第2003/023586号明細書、および第2004/0071702号明細書と米国特許第7,153,507号明細書とに開示されたもののような抗体。それらの明細書はそれぞれ、参照によりそっくりそのまま、ペプチ体を含む、特に例えば、以下に限定されないがHuMax IL‐15抗体および関連タンパク質、例えば146B7などを含むIL‐15特異抗体および関連タンパク質に関して、本明細書に組み込まれる。
【0103】
IFNガンマ特異抗体、ペプチ体、および関連タンパク質など、とりわけヒトIFNガンマ特異抗体、特に完全ヒト抗‐IFNガンマ抗体、例えば米国公開第2005/0004353号明細書に記載されるもののようなもの。その明細書は参照によりそっくりそのまま、IFNガンマ特異抗体、特に例えばそこで1118、1118、1119、1121、および1121と指定された抗体に関して、本明細書に組み込まれる。これらの抗体それぞれの重軽鎖の配列全体、ならびにそれらの重軽鎖の可変領域と相補性決定領域の配列とはそれぞれ個別および明確に、前述の米国公開明細書とThakur他によるMol.Immunol.36:1107~1115(1999)とに開示された通りに、参照によりそっくりそのまま本明細書に組み込まれる。さらに、前述の米国公開明細書で提供されたこれらの抗体の特質についての記述も参照によりそっくりそのまま本明細書に組み込まれる。特異抗体には、前述の米国公開明細書に開示された通りの配列識別番号17の重鎖と配列識別番号18の軽鎖とを有するもの、配列識別番号6の重鎖可変領域と配列識別番号8の軽鎖可変領域とを有するもの、配列識別番号19の重鎖と配列識別第20の軽鎖とを有するもの、配列識別番号10の重鎖可変領域と配列識別番号12の軽鎖可変領域とを有するもの、配列識別番号32の重鎖と配列識別第20の軽鎖とを有するもの、配列識別番号30の重鎖可変領域と配列識別番号12の軽鎖可変領域とを有するもの、配列識別番号21の重鎖配列と配列識別番号22の軽鎖配列とを有するもの、配列識別番号14の重鎖可変領域と配列識別番号16の軽鎖可変領域とを有するもの、配列識別番号21の重鎖と配列識別番号33の軽鎖とを有するもの、配列識別番号14の重鎖可変領域と配列識別番号31の軽鎖可変領域とを有するものが含まれる。ここで企図される特異抗体は前述の米国公開明細書で開示された通りの、そこに開示された通りの配列識別番号17の完成重鎖を有する、そこに開示された通りの配列識別番号18の完成軽鎖を有する抗体1119である。
【0104】
TALL‐1特異抗体、ペプチ体、および関連タンパク質などと、他のTALL特異結合タンパク質とにおいて、米国公開第2003/0195156号明細書および2006/0135431号明細書で記載されたもののようなもの。それらの明細書はそれぞれ、上述の米国公開に開示された通りにそっくりそのまま、TALL‐1結合タンパク質、特に配列表4および5Bの微粒子に関して、参照により本明細書に組み込まれ、それらの微粒子はそれぞれ、上述の米国公開に開示された通りにそっくりそのまま参照により本明細書に組み込まれる。
【0105】
副甲状腺ホルモン(「PTH」)特異抗体、ペプチ体、および関連タンパク質などにおいて、米国特許第6,756,480号明細書に記載されたもののようなもの。その明細書はそっくりそのまま、特にPTHを結合させるタンパク質に関係する部分に関して、参照により本明細書に組み込まれる。
【0106】
トロンボポイエチン受容体(「TPO‐R」)特異抗体、ペプチ体、および関連タンパク質などにおいて、米国特許第6,835,809号明細書に記載されたもののようなもの。その明細書はそっくりそのまま、特にTPO‐Rを結合させるタンパク質に関係する部分に関して、参照により本明細書に組み込まれる。
【0107】
肝細胞成長因子(「HGF」)特異抗体、ペプチ体、および関連タンパク質などにおいて、HGF/SF:cMet軸(HGF/SF:c‐Met)を標的にするもの、即ち米国公開第2005/0118643号明細書およびPCT国際公開第2005/017107号パンフレットに記載された肝細胞成長因子/散乱因子を中性化する完全ヒト単クローン抗体と、米国特許第7,220,410号明細書に記載されたhuL2G7と、米国特許第5,686,292号明細書および第6,468,529号明細書およびPCT国際公開第96/38557号パンフレットに記載されたOA‐5d5となどを含むもの。それらの明細書はそれぞれそっくりそのまま、特にHGFを結合させるタンパク質に関係する部分に関して参照により本明細書に組み込まれる。
【0108】
TRAIL‐R2特異抗体、ペプチ体、関連タンパク質など、米国特許第7,521,048号明細書に記載されたもののようなもの。その明細書はそっくりそのまま、特にTRAIL‐R2を結合させるタンパク質に関係する部分に関して参照により本明細書に組み込まれる。
【0109】
アクチビンA特異抗体、ペプチ体、関連タンパク質などにおいて、以下に限らないが米国公開第2009/0234106号明細書に記載されたものを含むもの。その明細書はそっくりそのまま、特にアクチビンAを結合させるタンパク質に関係する部分に関して参照により本明細書に組み込まれる。
【0110】
PCSK9(プロタンパク質転換酵素サブチリシン/ケクシン)特異抗体、ペプチ体、関連タンパク質などにおいて、以下に限らないが米国特許第8,030,457号明細書、国際公開第11/0027287号パンフレットおよび国際公開第09/026558号パンフレットに記載されたものを含むもの。それらの明細書はそっくりそのまま、特にPCSK9を結合させるタンパク質に関係する部分に関して参照により本明細書に組み込まれる。
【0111】
TGF‐ベータ特異抗体、ペプチ体、関連タンパク質などにおいて、以下に限定されないが、米国特許第6,803,453号明細書および米国公開第2007/0110747号明細書に記載されたものを含むもの。明細書はそれぞれそっくりそのまま、特にTGF‐ベータを結合させるタンパク質に関係する部分に関して参照により本明細書に組み込まれる。
【0112】
アミロイド‐ベータタンパク質特異抗体、ペプチ体、関連タンパク質などにおいて、以下に限定されないが、PCT国際公開第2006/081171号パンフレットに記載されたものを含むもの。それぞれの明細書はそっくりそのまま、特にアミロイド‐ベータタンパク質を結合させるタンパク質に関係する部分に関して参照により本明細書に組み込まれる。ここで企図される1つの抗体は、国際公開で開示された通りの配列識別番号8の重鎖可変領域と配列識別番号6の軽鎖可変領域とを有する抗体である。
【0113】
c‐Kit特異抗体、ペプチ体、関連タンパク質などにおいて、以下に限定されないが、国際公開第2007/0253951号パンフレットに記載されたものを含むもの。その明細書はそっくりそのまま、特にc‐Kitおよび/または他の幹細胞因子受容体を結合させるタンパク質に関係する部分に関して参照により本明細書に組み込まれる。
【0114】
OX40L特異抗体、ペプチ体、関連タンパク質などにおいて、以下に限定されないが、米国特許出願第11/068,289号明細書に記載されたものを含むもの。その明細書はそっくりそのまま、特にOX40Lおよび/またはOXO40L受容体の他のリガンドを結合させるタンパク質に関係する部分に関して参照により本明細書に組み込まれる。
【0115】
他の例示的なタンパク質には、Activase(R)(アルテプラーゼ、tPA)、Aranesp(R)(ダーベポエチンアルファ)、Epogen(R)(エポイチンアルファ、またはエリスポエチン)、Avonex(R)(インターフェロンベータ‐1a)、Bexxar(R)(トシツモマブ、抗‐CD22単クローン抗体)、Betaseron(R)(インターフェロン‐ベータ)、Campath(R)(アレムツズマブ、抗‐CD52単クローン抗体)、Dynepo(R)(エポイチンデルタ)、Velcade(R)(ボルテゾミブ)、MLN0002(抗‐α4β7mAb)、MLN1202(抗‐CCR2ケモカイン受容体mAb)、Enbrel(R)(エタネルセプト、TNF‐受容体/Fc融合タンパク質、TNF遮断薬)、Eprex(R)(エポイチンアルファ)、Ertitux(R)(セツキシマブ、抗‐EGFR/HER1/c‐ErbB‐1)、Genotropin(R)(ソマトロピン、ヒト成長ホルモン)、Herceptin(R)(トラスツズマブ、抗‐HER2/neu(erbB2)受容体mAB)、Humatrope(R)(ソマトロピン、ヒト成長ホルモン)、Humira(R)(アダリムバブ)、インシュリン溶液、Infergen(R)(インターフェロンアルファコン‐1)、Natrecor(R)(ネシリチド、組み換えヒトB型ナトリウム利尿ペプチド(hBNP)、Kineret(R)(アナキンラ)、Leukine(R)(サルガモスチン、rhuGM‐CSF)、LymphoCide(R)(エプラツズマブ、抗‐CD22mAb)、Benlysta(TM)(リンフォスタットB、ベリムマブ、抗‐BlyS mAb)、Metalyse(R)(血栓溶解薬、t‐PA類似体)、Mircera(R)(メトオキシ・ポリエチレン・グリコール‐エポイチンベータ)、Mylotarg(R)(ゲムツズマブ・オゾガミシン)、Raptiva(R)(エファリズマブ)、Cimzia(R)(セルトリズマブ・ペゴル、CDP870)、Soliris(TM)(エキュリズマブ)、パキセリズマブ(抗‐C5相補物)、Numax(R)(MEDI‐524)、Lucetis(R)(ラニビズマブ)、Panorex(R)(17‐1A、エドレコロマブ)、Trabio(R)(ルデリミマブ)、TheraCim hR3(ニモツズマブ)、Omnitarg(ペルツズマブ、2C4)、Osidem(R)(IDM‐1)、OvaRex(R)(B43.13)、Nuvion(R)(ビジリズマブ)、カンツズマブメルタンシン(huC242‐DM1)、NeoRecormon(R)(エポイチンベータ)、Neumega(R)(オプレルベキン、ヒトインターロイキン‐11)、Neulasta(R)(ペグ型フィルガストリム、ペグ型G‐CSF、ペグ型hu‐Met‐G‐CSF)、Neupogen(R)(フィルガストリム、G‐CSF、hu‐MetG‐CSF)、Orthoclone OKT3(R)(ムロモナブ‐CD3、抗‐CD3単クローン抗体)、Procrit(R)(エポイチンアルファ)、Remicade(R)(インフリキシマブ、抗‐TNFα単クローン抗体)、Reopro(R)(アブシキシマブ、抗‐GP1Ib/Ilia受容体単クローン抗体)、Actemra(R)(抗‐IL6受容体mAb)、Avastin(R)(ベヴァシズマブ)、HuMax-CD4(ザノィムマブ)、Rituxan(R)(リツキシマム、抗‐CD20mAb)、Tarceva(R)(エルロチニブ)、Roferon-A(R)-(インターフェロンアルファ‐2a)、Simulect(R)(バジリイシマブ)、Prexige(R)(ルミラコキシブ)、Synagis(R)(パリビズマブ)、146B7‐CHO(抗‐IL15抗体、米国特許第7,153,507号明細書参照)、Tysabri(R)(ナタリズマブ、抗‐α4インテグリンmAb)、Valortim(R)(MDX‐1303、抗‐B.アンスラシス感染防御抗原mAb)、ABthrax(TM)、Vectibix(R)(パニタママブ)、Xolair(R)(オマリズマブ)、ETI211(抗‐MRSA mAb)、IL-1トラップ(IL‐1受容体構成要素(タイプI受容体と受容体アクセサリータンパク質と)両方のヒトIgG1のFc部位と細胞外領域)、VEGFトラップ(IgG1 Fcに融合されたVEGER1のIg領域)、Zenapax(R)(ダクリズマブ)、Zenapax(R)(ダクリズマブ、抗‐IL‐2RαmAb)、Zevalin(R)(イブリツモマブ・チウキセタン)、Zeita(R)(エゼチミベ)、Orencia(R)(アタシセプト、TACI‐Ig)、抗‐CD80単クローン抗体(ガリクシマブ)、抗‐CD23mAb(ルミリクシマブ)、BR2‐Fc(huBR3/huFc融合タンパク質、可溶性BAFF拮抗薬)、CNTO148(ゴリムマブ、抗‐TNFαmAb)、HGS‐ETR1(マパツムマブ、ヒト抗‐TRAIL受容体‐1mAb)、HuMax‐CD20(オクレリズマブ、抗‐CD20ヒトmAb)、HuMax‐EGFR(ザルツムマブ)、M200(ヴォロシクシマブ、抗‐α5β1インテグリンmAb)、MDX‐010(イピリムマブ、抗‐CTLA‐4mAbおよびVEGFR‐1(IMC‐18F1)、抗‐BR3mAb、抗‐C.ジフィシル毒素Aおよび毒素BC mAbs MDX‐066(CDA‐1)およびMDX‐1388)、抗‐CD22dsFv‐PE38複合体(CAT‐3888およびCAT‐8015)、抗‐CD25mAb(HuMax‐TAC)、抗‐CD3mAb(NI‐0401)、アデカツムマブ、抗‐CD30mAb(MDX‐060)、MDX‐1333(抗‐IFNAR)、抗‐CD38mAb(HuMaxCD38)、抗‐CD40LmAb、抗‐Cripto mAb、抗‐CTGF 特発性肺線維症第1相繊維形成(FG‐3019)、抗‐CTLA4 mAb、抗‐エオタキシン1mAb(CAT‐213)、抗‐FCF8 mAb、抗‐ガングリオシドGD2mAb、抗‐ガングリオシドGM2 mAb、抗‐GDF‐8ヒトmAb(MYO‐029)、抗‐GM‐CSF受容体mAb(CAM‐3001)、抗‐HepC mAb(HuMax HepC)、抗‐IFNα mAb(MEDI‐545、MDX‐1103)、抗‐IGF1R mAb、抗‐IGF‐1R mAb(HuMax‐Inflam)、抗‐IL12 mAb(ABT‐874)、抗‐IL12/IL23 mAb(CNTO1275)、抗‐IL13 mAb(CAT‐354)、抗‐IL2Ra mAb(HuMax‐TAC)、抗‐IL5受容体mAB、抗‐インテグリン受容体mAb(MDX‐018、CNTO95)、抗‐IP10潰瘍性大腸炎mAb(MDX‐1100)、抗‐LLY抗体、BMS‐66513、抗‐マンノース受容体/hCGβ mAb(MDX‐1307)、抗‐中皮dsFv‐PE38複合体(CAT‐5001)、抗‐PD1mAb(MDX‐1106(ONO‐4538))、抗‐PDGFRα抗体(IMC‐3G3)、抗‐TGFβ mAb(GC‐1008)、抗‐TRIL受容体‐2ヒトmAb(HGS‐ETR2)、抗‐TWEAK mAb、抗‐VEGFR/Flt‐1mAb、抗‐ZP3 mAb(HuMax‐ZP3)、NVS抗体#1、およびNVS抗体#2、が含まれることが可能である。
【0116】
上述の任意のものに加えて、例示的な抗体にはスクレロスチン抗体、即ち以下に限定されないがロモソズマブ、ブロソズマブ、またはBPS804(ノバルティス)なども含まれてよい。治療薬も含まれることが可能であり、即ちそれらはリロツムマブ、バイクサロマー、トレバナニブ、ガニツマブ、コナツムマブ、モテサニブ・二リン酸塩、ブロダルマブ、ヴィデュピプラント、パニツムマブ、デノスマブ、NPLATE、PROLIA、VECTIBIX、またはXGEVAなどである。さらに、装置内に含まれることが可能なものとして、ヒトタンパク質転換酵素サブチリシン/ケクシン9型(PCSK9)を結合させる単クローン抗体(IgG)があり、それには、米国特許第8,030,547号明細書、米国公開第13/469,032号明細書、または以下のPCT国際公開パンフレットのうちのいずれかなどがある。即ちそれらは、国際公開第2008/057457号パンフレット、国際公開第2008/057458号パンフレット、国際公開第2008/057459号パンフレット、国際公開第2008/063382号パンフレット、国際公開第2008/133647号パンフレット、国際公開第2009/100297号パンフレット、国際公開第2009/100318号パンフレット、国際公開第2011/037791号パンフレット、国際公開第2011/053759号パンフレット、国際公開第2011/053783号パンフレット、国際公開第2008/125623号パンフレット、国際公開第2011/072263号パンフレット、国際公開第2009/055783号パンフレット、国際公開第2012/0544438号パンフレット、国際公開第2010/029513号パンフレット、国際公開第2011/111007号パンフレット、国際公開第2010/077854号パンフレット、国際公開第2012/088313号パンフレット、国際公開第2012/101251号パンフレット、国際公開第2012/101252号パンフレット、国際公開第2012/101253号パンフレット、国際公開第2012/109530号パンフレット、および国際公開第2001/031007号パンフレットであって、それぞれ(米国およびPCT)がそっくりそのまま、特にPCSK9を結合させるタンパク質に関係する部分に関して、参照により本明細書に組み込まれる。
図1
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