(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-07
(45)【発行日】2022-10-18
(54)【発明の名称】支持装置
(51)【国際特許分類】
F16B 2/12 20060101AFI20221011BHJP
A47B 13/00 20060101ALI20221011BHJP
F16B 12/20 20060101ALI20221011BHJP
【FI】
F16B2/12 B
A47B13/00 Z
F16B12/20 B
(21)【出願番号】P 2018206254
(22)【出願日】2018-11-01
【審査請求日】2021-10-27
(73)【特許権者】
【識別番号】000152228
【氏名又は名称】株式会社内田洋行
(74)【代理人】
【識別番号】100117341
【氏名又は名称】山崎 拓哉
(74)【代理人】
【識別番号】100148840
【氏名又は名称】松本 健志
(74)【代理人】
【識別番号】100191673
【氏名又は名称】渡邉 久典
(72)【発明者】
【氏名】岡本 安都夫
【審査官】鵜飼 博人
(56)【参考文献】
【文献】実開昭58-043709(JP,U)
【文献】実公昭47-015885(JP,Y1)
【文献】実公昭47-024206(JP,Y1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16B 2/00- 2/26
A47B 1/00- 41/06
F16B 12/00- 12/60
F21V 21/00- 21/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
アーム部と、前記アーム部を支持するクランプ部とを備える支持装置であって、
前記クランプ部は、クランプ本体とカバーとを有しており、
前記クランプ本体は、上板と、下板と、中板と、支持部と、取付ネジとを備えており、
前記上板と前記下板とは、上下方向において、互いに間隔を空けて対向するように配置され、かつ互いに固定されており、
前記支持部は、柱状の外形を有し、前記上板の上面から上方へ突出しており、
前記アーム部は、前記支持部に取り付けられており、
前記上板には、前記取付ネジに対応するネジ穴が前記上下方向に貫通するよう形成されており、
前記中板は、上下方向に移動可能に前記上板と前記下板との間に配置されており、
前記取付ネジは、前記上板の下面から下方へ突出するように、前記上板の前記上面側から前記ネジ穴に嵌め込まれており、
前記取付ネジは、ネジ作用によって前記上板に対して前記上下方向に移動可能であり、
前記取付ネジは、前記中板の上方への移動を規制して、前記中板と前記下板との間に固定対象物を挟み込み可能とするものであり、
前記カバーは、前記上板を収容する収容部を有し、
前記カバーには、前記収容部に前記上板を収容したときに、前記支持部を挿入する孔が形成されており、
前記支持部は、前記上下方向において、前記カバーよりも大きい寸法を有しており、
前記カバーは、前記孔に前記支持部が挿入され、かつ前記上板の前記上面よりも上方に位置した状態で、前記支持部を軸として回転可能であり、
前記上下方向と直交する面内方向において、前記孔と前記カバーの縁との最短距離は、前記支持部と前記取付ネジとの最短距離よりも短い
支持装置。
【請求項2】
請求項1に記載の支持装置であって、
前記カバーは、前記収容部に前記上板を収容した状態で、前記取付ネジを隠している
支持装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の支持装置であって、
前記アーム部は、前記支持部から上下方向と交差する方向へ延びている
支持装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、支持装置に関し、特に、デスク天板に取り付けられるクランプ部を備える支持装置に関する。
【背景技術】
【0002】
モニター等の機器をデスク上に支持する支持装置として、デスク天板に取り付けられるクランプ部を備える支持装置が知られている。クランプ部は、ネジ機構を備えており、それを利用してデスク天板に固定される。ネジ機構のネジ(取付ネジ)は、デスク天板の上面側又は下面側から操作できるように設けられている。取付ネジがデスク天板の上面側に設けられるクランプ部の一例は、例えば、特許文献1に開示されている。
【0003】
クランプ部の取付ネジがデスク天板の上面側に設けられていると、その操作が容易であるという利点がある。その一方で、取付ネジがデスク上に突出するため、見場が悪いばかりか、引っ掛かり等の問題を引き起こす。そこで、取付ネジをカバーで覆うことが行われている。取付ネジがカバーで覆われているクランプ部の一例は、例えば、特許文献2(
図6~
図9)に開示されている。特許文献2(
図6~
図9)に開示されたクランプ部のカバーには、多角ハンドルを挿入する孔が形成されており、いつでもネジ操作を行うことが可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】実公昭47-24206号公報
【文献】特開2000-055017号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献2(
図6~
図9)に開示されたクランプ部のカバーには、その脱落を防ぐ構造が存在しないため、脱落の恐れがあるという問題点がある。また、このカバーには、多角ハンドルを挿入する孔が形成されているため、見場が悪いという問題点もある。さらに、カバーの形状が支柱(支持部)を避ける形状であるため、複雑で、コスト高を招いているという問題点もある。
【0006】
本発明は、カバー形状に工夫を凝らすことによって、ネジの操作性を低下させることなしに、カバーの脱落を防止し、カバーの見場を改善し、コストの低減を図った支持装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、第1の支持装置として、アーム部と、前記アーム部を支持するクランプ部とを備える支持装置であって、
前記クランプ部は、クランプ本体とカバーとを有しており、
前記クランプ本体は、上板と、下板と、中板と、支持部と、取付ネジとを備えており、
前記上板と前記下板とは、上下方向において、互いに間隔を空けて対向するように配置され、かつ互いに固定されており、
前記支持部は、柱状の外形を有し、前記上板の上面から上方へ突出しており、
前記アーム部は、前記支持部に取り付けられており、
前記上板には、前記取付ネジに対応するネジ穴が前記上下方向に貫通するよう形成されており、
前記中板は、上下方向に移動可能に前記上板と前記下板との間に配置されており、
前記取付ネジは、前記上板の下面から下方へ突出するように、前記上板の前記上面側から前記ネジ穴に嵌め込まれており、
前記取付ネジは、ネジ作用によって前記上板に対して前記上下方向に移動可能であり、
前記取付ネジは、前記中板の上方への移動を規制して、前記中板と前記下板との間に固定対象物を挟み込み可能とするものであり、
前記カバーは、前記上板を収容する収容部を有し、
前記カバーには、前記収容部に前記上板を収容したときに、前記支持部を挿入する孔が形成されており、
前記支持部は、前記上下方向において、前記カバーよりも大きい寸法を有しており、
前記カバーは、前記孔に前記支持部が挿入され、かつ前記上板の前記上面よりも上方に位置した状態で、前記支持部を軸として回転可能であり、
前記上下方向と直交する面内方向において、前記孔と前記カバーの縁との最短距離は、前記支持部と前記取付ネジとの最短距離よりも短い
支持装置を提供する。
【0008】
また、本発明は、第2の支持装置として、第1の支持装置であって、
前記カバーは、前記収容部に前記上板を収容した状態で、前記取付ネジを隠している
支持装置を提供する。
【0009】
また、本発明は、第3の支持装置として、第1又は第2の支持装置であって、
前記アーム部は、前記支持部から上下方向と交差する方向へ延びている
支持装置を提供する。
【0010】
また、本発明は、第4の支持装置として、第1から第3の支持装置のうちのいずれかであって、
前記支持部の外形が円柱形であり、
前記孔を前記上下方向に沿って見たとき、前記孔の形状が円形である
支持装置を提供する。
【0011】
また、本発明は、第5の支持装置として、第4の支持装置であって、
前記支持部の外形が先細の形状である
支持装置を提供する。
【0012】
さらに、本発明は、第6の支持装置として、第1から第5の支持装置のうちのいずれかであって、
前記収容部は、前記中板をも収容するものである
支持装置を提供する。
【0013】
さらに、本発明は、第7の支持装置として、第1から第6の支持装置のうちのいずれかであって、
前記カバーは、前記上板の前記上面に対向する内面に、前記取付ネジの頭部を収容する凹部を有している
支持装置を提供する。
【発明の効果】
【0014】
本発明の支持装置において、取付ネジは上板の上面側からネジ穴に嵌め込まれるので、デスクの上面側から取り付け作業を行うことができ、取付ネジの操作性に優れている。また、カバーは、孔を有し支持部が挿入されるとともに、上板を収容部に収容するので、カバーの脱落が防止される。また、取付ネジもカバーに覆われるので、見場がよい。さらに、支持部を孔に挿入する構成としたので、形状がシンプルでありコストを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本発明の一実施の形態による支持装置を示す分解斜視図である。アーム部は部分的に省略されている。
【
図2】
図1の支持装置を示すA-A線断面図である。アーム部と支持部の一部は省略されている。
【
図3】
図1の支持装置に含まれるクランプ部を示す斜視図である。
【
図4】
図3のクランプ部であって、カバーを上板の上面よりも上に位置させた状態を示す斜視図である。
【
図5】
図4のクランプ部であって、支持部を軸としてカバーを回転させた状態を示す斜視図である。
【
図6】
図3のクランプ部を示す平面図である。上板と取付ネジとが破線で示されている。
【
図7】
図6のクランプ部を示す別の平面図である。カバーは、支持部を軸としてクランプ本体に対して回転している。中板は省略されている。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図1を参照すると、本発明の一実施の形態による支持装置10は、アーム部20とクランプ部30とを備えている。アーム部20は、基部202と、基部202から斜めに延びる支持アーム204とを有している。支持アーム204の先端部(図示せず)には、モニター等の支持対象物(図示せず)が取り付けられる。クランプ部30は、デスク天板等の固定対象物(図示せず)に固定され、アーム部20を支持する。これにより、支持対象物は、固定対象物の上方又はその近傍に支持される。一例として、クランプ部30がデスク天板の後縁に固定されているとき、アーム部20は、モニターをデスク天板の後縁よりも前方かつ上方に支持する。アーム部20は、クランプ部30に固定されてもよいが、上下方向に沿った軸の周りに回転自在となるようにクランプ部30に取り付けられている方が好ましい。なお、本実施の形態において、前後方向はX方向である。+X方向が前方であり、-X方向が後方である。また、上下方向はZ方向である。+Z方向が上方であり、-Z方向が下方である。
【0017】
図1に示されるように、クランプ部30は、クランプ本体40とカバー50とを有している。クランプ本体40を構成する各部品は、特に限定されないが、金属製であってよい。また、カバー50は、特に限定されないが樹脂製であってよい。
【0018】
図1に示されるように、クランプ本体40は、上板41、下板42、中板43、支持部44及び取付ネジ45を備えている。また、クランプ本体40は、上板41に連続する第1連結板46と、下板42に連続する第2連結板47と、第1連結板46と第2連結板47とを互いに連結する連結ネジ48とを備えている。本実施の形態において、取付ネジ45の数及び連結ネジ48の数は、ともに二つである。
【0019】
図1から理解されるように、上板41は、横方向に少し長い略矩形の平板である。本実施の形態において、横方向はY方向である。下板42も、横方向に長い略矩形の平板である。但し、下板42の前後方向の寸法は、上板41の前後方向の寸法に比べて短い。上板41と下板42とは上下方向において互いに間隔を空けて対向するように配置されている。また、上板41と下板42とは、第1連結板46、第2連結板47及び連結ネジ48を用いて、互いに固定されている。但し、本発明はこれに限られない。上板41と下板42とは互いに固定されていればよく、その固定手段は問わない。たとえば、第1連結板46と第2連結板47とは互いに溶接されてもよい。あるいは、単一の連結板を上板41と下板42とに溶接等により固定するようにしてもよい。あるいは、単一の金属板をコの字状に曲げ、一部を上板41とし、他の一部を下板42として用いてもよい。しかしながら、本実施の形態のように、上板41と下板42とを別部材で構成した方が、両者の上下方向における間隔を容易に変更することができるので好ましい。たとえば、第1連結板46に上下方向に並ぶ複数対の連結ネジ穴(図示せず)を形成しておき、第2連結板47を連結する際に、その中から一対の連結ネジ穴を選択するようにすれば、上板41と下板42との間隔を容易に変更することができる。これにより、より広い範囲の固定対象物の厚みに対応することができる。
【0020】
図1に示されるように、支持部44は、上板41の上面412から上方へ突出するように、上板41の上面412に設けられている。支持部44は、横方向において中央に位置している。また、支持部44は、前後方向において、前方寄りに位置している。支持部44の上下方向の寸法(高さ)は、カバー50の上下方向の寸法(高さ)よりも大きい。本実施の形態において、支持部44の外形は、先細の円柱状である。但し、本発明は、これに限られない。支持部44の外形は柱状であればよく、先細でなくてもよいし、多角柱状であってもよい。しかしながら、本実施の形態では、後述するように支持部44を軸とするカバー50の回転を容易にするため、円柱状又は先細の円柱状であることが好ましい。
【0021】
支持部44は、また、その内部に、アーム部20を取り付けるための取付部(図示せず)を有している。アーム部20は、この取付部を利用して支持部44に取り付けられる。取付部は、例えばナット部であってよい。取付部がナット部の場合、支持アーム204及び基部202を上下方向に貫通するボルト(図示せず)を用いて、アーム部20が支持部44に取り付けられる。
【0022】
図1及び
図2から理解されるように、上板41には、取付ネジ45に対応する二つのネジ穴416が形成されている。ネジ穴416は、上板41の上面412から下面414(
図2参照)に達するように、即ち、上下方向において上板41を貫通するように形成されている。これらのネジ穴416は、支持部44中心軸を含みかつ横方向と直交する面に関して、対称の位置に設けられている。また、上板41には、
図1に示されるように、横方向両側の縁部に、横方向において内側へ凹むガイド溝418が形成されている。
【0023】
図1及び
図2から理解されるように、中板43は、上下方向において上板41と下板42との間に配置されている。また、中板43は、上板41と類似する形状を有している。中板43の前後方向の寸法及び横方向の寸法は、上板41の寸法に比べて夫々小さい。中板43の横方向両側の縁部には、ガイド板432が設けられている。ガイド板432は、僅かに横方向外側へ延びた後、上方へ延びている。ガイド板432は、上板41のガイド溝418に部分的に受容され、中板43の上下方向の移動をガイドする。換言すると、ガイド板432とガイド溝418は、中板43の前後方向の移動と横方向の移動とを規制する。本実施の形態において、中板43は、上下方向において上板41と下板42との間で移動可能である。但し、本発明はこれに限られない。中板43は、上下方向において、予め定められた範囲内で移動可能であればよい。たとえば、ガイド板432の上端にフック部(図示せず)を設けるなどして、中板43が上板41から脱落しないようにしてもよい。この場合、中板43の移動範囲は、フック部によって所定範囲に制限される。
【0024】
図2から理解されるように、取付ネジ45の軸部452の上下方向の寸法(長さ)は、上板41の上下方向の寸法(厚み)よりもかなり大きい。それゆえ、取付ネジ45は、上板41の下面414から下方へ突出するように、上板41の上面412の側からネジ穴416に嵌め込むことができる。取付ネジ45は、ネジ作用によって上下方向に移動することが可能であり、それによって、上板41の下面414からの取付ネジ45の突出量を変化させることができる。取付ネジ45は、その先端454が中板43に突き当たることによって、中板43の上方への移動を規制する。これにより、中板43と下板42との間に固定対象物(図示せず)が存在する場合に、中板43と下板42との間に固定対象物を挟み込むことを可能にする。
【0025】
図1及び
図2に示されるように、カバー50は、平板部502とその周囲に設けられたスカート部504とを有している。平板部502とスカート部504とは、上板41を収容する収容部506を規定する。換言すると、カバー50は、上板41を収容する収容部506を有している。平板部502は、上板41と同様に略矩形の平板である。但し、平板部502は、前後方向及び横方向の双方において、上板41よりも大きい寸法を有している。また、平板部502の下面側(上板41の上面412に対向するカバー50の内面)には、取付ネジ45の頭部456を収容する凹部510が形成されている。凹部510の存在により、カバー50の低背化を実現できる。
【0026】
図1及び
図2に示されるように、スカート部504は、平板部502の周囲を囲うように形成されている。本実施の形態において、スカート部504は、クランプ部30が固定対象物(図示せず)に取り付けられた状態で、少なくとも前方及び横方向から上板41のみならず中板43をも隠すように構成されている。詳しくは、スカート部504は、平板部502の前縁と両側縁とに連続して設けられた前部512と、後縁に設けられた後部514とを有している。前部512は、平板部502から下方又は斜め下方へ延びるとともに、平板部502から上方へ突出している。前部512の下端の位置は、中板43を取付ネジ45に接触させた状態で、中板43の下面よりも上下方向において下方に位置している。後部514は、平板部502から下方へ延びており、平板部502から上方へ突出していない。後部514の下端の位置は、上板41の下面414よりも上下方向において下方に位置している。但し、本発明はこれに限られない。スカート部504は、平板部502の下方に上板41を収容する収容部506を規定するものであればよい。たとえば、前部512は、平板部502から上方へ突出していなくてもよい。また、前部512の下端と後部514の下端は、上下方向において一致していてもよい。
【0027】
図1から
図3までの図から理解されるように、平板部502には、支持部44に対応する孔508が形成されている。カバー50をクランプ本体40に被せる際、支持部44は孔508に挿入される。支持部44が孔508に挿入されることで、カバー50は、収容部506に上板41を収容することができる。このように、カバー50には、収容部506に上板41を収容したときに、支持部44を挿入する孔508が形成されている。本実施の形態において孔508の形状は上下方向から見たとき円形である。但し、本発明はこれに限られない。たとえば、支持部44が多角柱の場合、それに合わせて孔508の形状を多角形としてもよい。しかしながら、孔508の形状は、円形の方が後述するカバー50の回転を容易にするため好ましい。
【0028】
図4及び
図5を参照すると、カバー50を上板41の上面412よりも上方に位置させた状態において、支持部44は孔508に挿入された状態を維持することができる。この状態において、カバー50は、支持部44を軸として回転することが可能である。換言すると、カバー50は、孔508に支持部44が挿入され、かつ上板41の上面412よりも上方に位置した状態で、支持部44を軸として回転可能である。本実施の形態において、支持部44は先細の形状を有しているため、カバー50の回転が容易である。なお、支持部44の外形が多角柱であり、孔508の形状がそれに対応する多角形であっても、支持部44の形状を先細形状とすることで、このような回転は可能である。
【0029】
図6に示されるように、上下方向と直交する面内方向において、カバー50に形成された孔508とカバー50の縁との最短距離をDs1とする。また、上板41の上面412に設けられた支持部44と、上板41のネジ穴416に嵌め込まれた取付ネジ45との最短距離はDs2とする。本実施の形態において、平板部502に対する孔508の位置は、孔508とカバー50の縁との最短距離Ds1が、支持部44と取付ネジ45との最短距離Ds2よりも短くなるように(Ds1<Ds2)設定されている。これにより、
図4及び
図5に示されるように、カバー50を上板41の上面412よりも上方に位置させて、支持部44を軸としてカバー50を回転させることにより、一方の取付ネジ45の頭部456を外部に露出させることができる。
【0030】
図1から理解されるように、支持装置10が使用状態にあるとき、支持部44にはアーム部20が取り付けられる。アーム部20が支持部44に取り付けられた状態では、カバー50をクランプ本体40から取り外すことはできない。また、
図3から理解されるように、カバー50の平板部502は、上板41を収容部506に収容した状態において、上板41の上面412を覆い、取付ネジ45を隠している。この状態において、取付ネジ45を操作することは不可能である。しかしながら、本実施形態による支持装置10では、上述したようにカバー50を上板41の上面412より上方に位置させた状態で、支持部44を軸として回転させることができる。この回転は、アーム部20によって阻害されることもない。そして、本実施形態による支持装置10では、孔508とカバー50の縁との最短距離Ds1を、支持部44と取付ネジ45との最短距離Ds2よりも短くしているので、支持部44を軸としてカバー50を回転させると、一方の取付ネジ45の頭部456を外部に露出させることができる。本実施の形態では、
図7に示されるように、カバー50を90°回転させると取付ネジ45の頭部456が露出する。即ち、カバー50の最短距離Ds1に対応する部分とクランプ本体40の最短距離Ds2に対応する部分とを重ねたときだけでなく、これらの間にある程度のずれがあるときでも、一方の取付ネジ45の頭部456を外部に露出させることができる。これにより、支持装置10を設置した後であっても、取付ネジ45の増し締め等のネジ操作を行うことができる。
【0031】
以上説明したように、本実施の形態による支持装置10では、取付ネジ45は上板41の上面412の側からネジ穴416に嵌め込まれるので、デスク天板等の固定対象物の上面側から取り付け作業を行うことができ、取付ネジ45の操作性に優れている。また、カバー50の孔508には、クランプ本体40の支持部44が挿入されるので脱落が防止される。さらに、カバー50は上板41及び中板43を収容部506に収容するとともに取付ネジ45を隠すので見場がよい。加えて、支持部44を孔508に挿入するシンプルな構成を採用したのでコストも低減される。
【0032】
以上、本発明についていくつかの実施の形態を掲げて説明したが、本発明は上述した実施の形態に限定されず、本発明の主旨を逸脱することなく様々な変形や変更が可能である。たとえば、上記実施の形態では、単一の中板43を用いたが、取付ネジ45に夫々対応する二つの中板を用いてもよい。この場合、二つの中板は、取付ネジ45の先端部に回転可能に取り付けられてもよい。
【符号の説明】
【0033】
10 支持装置
20 アーム部
202 基部
204 支持アーム
30 クランプ部
40 クランプ本体
41 上板
412 上面
414 下面
416 ネジ穴
418 ガイド溝
42 下板
43 中板
432 ガイド板
44 支持部
45 取付ネジ
452 軸部
454 先端
456 頭部
46 第1連結板
47 第2連結板
48 連結ネジ
50 カバー
502 平板部
504 スカート部
506 収容部
508 孔
510 凹部
512 前部
514 後部