(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-07
(45)【発行日】2022-10-18
(54)【発明の名称】ピッキング設備
(51)【国際特許分類】
B65G 1/137 20060101AFI20221011BHJP
【FI】
B65G1/137 F
(21)【出願番号】P 2018213658
(22)【出願日】2018-11-14
【審査請求日】2021-11-04
(73)【特許権者】
【識別番号】000003643
【氏名又は名称】株式会社ダイフク
(73)【特許権者】
【識別番号】504044540
【氏名又は名称】東邦ホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】特許業務法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】森久保 光男
(72)【発明者】
【氏名】田井 良一
(72)【発明者】
【氏名】岩井 正美
(72)【発明者】
【氏名】黒澤 文博
(72)【発明者】
【氏名】加藤 研司
(72)【発明者】
【氏名】大塚 浩史
(72)【発明者】
【氏名】味生 淳
【審査官】小川 悟史
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-327743(JP,A)
【文献】特開2012-162376(JP,A)
【文献】国際公開第2017/110499(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2009/0299521(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 1/137
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品を収集容器に収容するピッキング作業が行われるピッキング作業部と、前記ピッキング作業部において物品が収容された複数の前記収集容器を対象容器として、複数の前記対象容器に収容されている物品を1つの荷合せ容器に収容する荷合せ作業が行われる荷合せ作業部と、を備えたピッキング設備であって、
前記ピッキング作業部に設けられ、前記収集容器内の物品の重量を検出する個別重量検出部と、
前記荷合せ作業部に設けられ、前記荷合せ容器内の物品の重量を検出する荷合せ重量検出部と、
前記荷合せ作業部において前記荷合せ作業が適切に行われたか否かを判定する判定部と、を更に備え、
前記荷合せ作業は、複数の前記対象容器のうちの一つを前記荷合せ容器とし、前記複数の対象容器のうちの前記荷合せ容器以外を取出容器として、前記取出容器に収容されている物品を前記荷合せ容器に収容する作業であり、
前記判定部は、前記個別重量検出部によって検出された前記取出容器内の物品の重量と、前記荷合せ重量検出部によって検出された前記荷合せ容器内の物品の重量とに基づいて、前記荷合せ作業が適切に行われたか否かを判定する、ピッキング設備。
【請求項2】
前記荷合せ作業では、前記取出容器に収容されている物品を個別に検査することなく、前記取出容器に収容されている1つ以上の物品の全部をまとめて前記荷合せ容器に収容する作業が行われる、請求項1に記載のピッキング設備。
【請求項3】
前記判定部は、前記荷合せ重量検出部によって検出された重量が、前記個別重量検出部によって検出された前記取出容器内の物品の重量に応じて増加した場合に、前記荷合せ作業が適切に行われたと判定する、請求項1又は2に記載のピッキング設備。
【請求項4】
複数の前記対象容器から前記荷合せ容器を選択する選択部を更に備え、
前記選択部は、複数の前記対象容器のうちで収容された物品を他の対象容器へ移動させる作業の負荷が最も多いと判定した容器を前記荷合せ容器として選択する選択制御を実行する、請求項1から3の何れか一項に記載のピッキング設備。
【請求項5】
前記対象容器に収容された物品の内で、規定容積以上の物品を大型物品として、
前記選択制御は、複数の前記対象容器のうちで収容されている前記大型物品の数が最も多い前記対象容器を前記荷合せ容器として選択する制御である、請求項4に記載のピッキング設備。
【請求項6】
前記対象容器に収容されている物品の容積の合計を合計容積とし、
前記選択制御は、複数の前記対象容器のうちで前記合計容積が最も大きい前記対象容器を前記荷合せ容器として選択する制御である、請求項4に記載のピッキング設備。
【請求項7】
前記選択制御は、複数の前記対象容器のうちで収容されている物品の個数が最も多い前記対象容器を前記荷合せ容器として選択する制御である、請求項4に記載のピッキング設備。
【請求項8】
前記選択制御は、複数の前記対象容器に、前記ピッキング作業部が備える自動ピッキング装置により物品が収容された前記対象容器と、前記ピッキング作業部において作業する作業者により物品が収容された前記対象容器とが含まれている場合に、前記作業者により物品が収容された前記対象容器を前記荷合せ容器として選択する制御である、請求項4に記載のピッキング設備。
【請求項9】
複数の前記収集容器のうちの少なくとも一部に収容される物品は、包装材によって包装されている、請求項1から8の何れか一項に記載のピッキング設備。
【請求項10】
前記個別重量検出部は、空の前記収集容器の重量を検出する空容器重量検出装置と、物品が収容された前記収集容器の全体の重量を検出する全体重量検出装置と、を備え、前記空容器重量検出装置の検出情報と前記全体重量検出装置の検出情報とに基づいて、前記収集容器内の物品の重量を検出する、請求項1から9の何れか一項に記載のピッキング設備。
【請求項11】
情報を記憶する記憶部と、前記荷合せ作業部に設けられ、前記収集容器が備える識別情報を読み取る読取部と、を更に備え、
前記記憶部には、前記収集容器の夫々について、当該収集容器の識別情報と、前記個別重量検出部によって検出された当該収集容器内の物品の重量を示す重量情報と、が関連付けて記憶され、
前記判定部は、前記読取部によって読み取られた前記取出容器の前記識別情報に基づいて、当該識別情報と関連付けて前記記憶部に記憶された前記重量情報を取得し、当該重量情報に示される重量を、前記取出容器内の物品の重量として使用する、請求項1から10の何れか一項に記載のピッキング設備。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物品を収集容器に収容するピッキング作業が行われるピッキング作業部と、前記ピッキング作業部において物品が収容された複数の前記収集容器を対象容器として、複数の前記対象容器に収容されている物品を1つの荷合せ容器に収容する荷合せ作業が行われる荷合せ作業部と、を備えたピッキング設備に関する。
【背景技術】
【0002】
以下、背景技術について説明する。以下の説明において、かっこ書きの符号又は名称は、先行技術文献における符号又は名称とする。かかるピッキング設備の従来例が、特開2012-162376号公報(特許文献1)に記載されている。特許文献1のピッキング設備では、1つの荷合わせ容器(出荷用容器W)に収容する複数の物品を、ピッキング作業部(物品保管部A)におけるピッキング作業によって複数の収集容器(物品収納容器U)に分散して収容される。そして、物品が収容された複数の収集容器は、複数の対象容器として荷合せ作業部(物品投入部C)に搬送される。荷合せ作業部では、複数の対象容器のうちの一つを荷合せ容器とし、複数の対象容器のうちの荷合せ容器以外を取出容器として、取出容器に収容されている物品を荷合せ容器に収容する荷合せ作業を行っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述のようなピッキング設備では、荷合せ作業部において荷合せ作業が適切に行われているか否かを判定することが必要となる場合がある。この場合、例えば、荷合せ作業部に荷合せ容器の総重量を検出する重量検出部を備え、取出容器に収容されている物品の種類及び個数の情報と、各物品の規定重量を示す物品情報と、重量検出装置によって検出された荷合せ容器の総重量と、に基づいて、総重量が、取出容器に収容されている物品の種類及び個数に対応する規定重量分だけ増加した場合に、判定部が、荷合せ作業が適切に行われていると判定することが考えられる。
しかし、物品の実際の重量は、例えば、乾燥している時期と湿っている時期とで異なったり、物品を包装する包装材の量の違いによって異なったりするため、物品情報で示される物品の規定重量と実際の重量とでは誤差が生じる場合がある。そのため、重量検出部が計測した実際の総重量と、物品重量が示す物品1個の規定重量から算出された理論総重量と、を比較しても、荷合せ作業が適切に行われたか否かの判定を精度よく行えない場合がある。特に、取出容器に収容されている物品の数が多い場合には、物品1個あたりの誤差が小さくても、当該誤差が多数積み重なって大きくなる場合があり、判定精度を確保することが難しい場合があった。
【0005】
そこで、荷合せ作業が適切に行われているか否かの判定の精度を高めることができるピッキング設備の実現が望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記に鑑みた、ピッキング設備の特徴構成は、物品を収集容器に収容するピッキング作業が行われるピッキング作業部と、前記ピッキング作業部において物品が収容された複数の前記収集容器を対象容器として、複数の前記対象容器に収容されている物品を1つの荷合せ容器に収容する荷合せ作業が行われる荷合せ作業部と、を備え、前記ピッキング作業
部に設けられ、前記収集容器内の物品の重量を検出する個別重量検出部と、前記荷合せ作業部に設けられ、前記荷合せ容器内の物品の重量を検出する荷合せ重量検出部と、前記荷合せ作業部において前記荷合せ作業が適切に行われたか否かを判定する判定部と、を更に備え、前記荷合せ作業は、複数の前記対象容器のうちの一つを前記荷合せ容器とし、前記複数の対象容器のうちの前記荷合せ容器以外を取出容器として、前記取出容器に収容されている物品を前記荷合せ容器に収容する作業であり、前記判定部は、前記個別重量検出部によって検出された前記取出容器内の物品の重量と、前記荷合せ重量検出部によって検出された前記荷合せ容器内の物品の重量とに基づいて、前記荷合せ作業が適切に行われたか否かを判定する点にある。
【0007】
この特徴構成によれば、ピッキング作業部においてピッキング作業を行う際に、ピッキング作業によって対象容器内に収容された収集容器内の物品の重量が個別重量検出部によって検出される。そして、判定部が、個別重量検出部によって検出された取出容器内の物品の重量と、荷合せ重量検出部によって検出された荷合せ容器内の物品の重量とに基づいて、荷合せ作業が適切に行われたか否かを判定する。ここで、物品の重量は、例えば、物品の保管環境の湿度や各物品の包装の状態等によって異なる場合がある。しかし、本構成によれば、予め定められた物品の規定重量ではなく、ピッキング作業部において個別重量検出部によって検出された物品の実際の重量を用いるため、物品の保管環境の湿度や各物品の包装の状態等により異なる物品の実際の重量と規定重量との誤差の影響を排除することができる。
従って、各種の影響による物品の実際の重量と規定重量との誤差の影響を排除し、荷合せ作業が適切に行われたか否かの判定の精度を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図8】大型物品が収容されている収集容器を荷合せ容器として選択する例を示す図
【
図9】合計容積が大きい収集容器を荷合せ容器として選択する例を示す図
【
図10】物品の個数が多い収集容器を荷合せ容器として選択する例を示す図
【
図11】作業者により物品が収納された収集容器を荷合せ容器として選択する例を示す図
【発明を実施するための形態】
【0009】
1.実施形態
ピッキング設備の実施形態について図面に基づいて説明する。
図1及び
図2に示すように、ピッキング設備は、物品Wを収集容器Cに収容するピッキング作業が行われるピッキング作業部A1と、ピッキング作業部A1において物品Wが収容された収集容器Cを収納する倉庫部A2と、ピッキング作業部A1において物品Wが収容された複数の収集容器Cを対象容器C1として、複数の対象容器C1に収容されている物品Wを1つの荷合せ容器C2に収容する荷合せ作業が行われる荷合せ作業部A3と、を備えている。
【0010】
また、ピッキング設備には、倉庫部A2に収集容器Cを搬送する上流側搬送装置1と、倉庫部A2から収集容器Cを搬送する下流側搬送装置2と、を備えている。本実施形態で
は、上流側搬送装置1及び下流側搬送装置2は、コンベヤによって構成されている。上流側搬送装置1の搬送経路の途中にピッキング作業部A1が設けられている。上流側搬送装置1は、ピッキング作業部A1に空の収集容器Cを搬送すると共に、ピッキング作業部A1において物品Wが収容された収集容器Cをピッキング作業部A1から倉庫部A2に搬送する。また、下流側搬送装置2の搬送経路の途中に荷合せ作業部A3が設けられている。下流側搬送装置2は、物品Wが収容された収集容器C(対象容器C1)を倉庫部A2から荷合せ作業部A3に搬送し、荷合せ作業部A3おいて荷合せされた収集容器C(荷合せ容器C2)を荷合せ作業部A3から搬送する。
【0011】
複数の対象容器C1は、1つの出荷先に対応する収集容器Cであり、1つの荷合せ容器C2も、同じ1つの出荷先に対応する収集容器Cである。つまり、1つの荷合せ容器C2に収容する複数の物品Wは、ピッキング作業部A1において複数の収集容器Cに分散して収容される場合がある。このような場合は、ピッキング作業部A1においてピッキング作業によって物品Wが収容された複数の収集容器Cは、複数の対象容器C1として上流側搬送装置1によって倉庫部A2に搬送されて倉庫部A2に一旦収容される。そして、倉庫部A2に収容されている複数の対象容器C1は、下流側搬送装置2によって荷合せ作業部A3に搬送され、複数の対象容器C1に分散して収容されている複数の物品Wを1つの荷合せ容器C2に収容する荷合せ作業が行われる。尚、ピッキング作業部A1において物品Wが収容された収集容器Cのそれぞれには、1個又は複数の物品Wが収容されている。
【0012】
また、
図3に示すように、ピッキング設備は、荷合せ作業部A3において荷合せ作業が適切に行われたか否かを判定する判定部6と、複数の対象容器C1から荷合せ容器C2を選択する選択部7と、情報を記憶する記憶部8と、を更に備えている。本実施形態では、判定部6及び選択部7は、制御装置Hに格納されたプログラムとして構成されており、記憶部8は、制御装置Hが備えるハードディスク等の記録媒体によって構成されている。記憶部8には、ピッキング情報や荷合せ情報が記憶されている。ピッキング情報は、ピッキング作業により収集容器Cに収容するピッキング対象の物品Wの種類と個数と重量と容積、及び、後述する物品収納棚19における物品Wが収納されている位置を示す情報を含む。荷合せ情報は、荷合せ作業部A3において荷合せする対象容器C1を示す情報を含む。
【0013】
図2に示すように、収集容器Cは、収集容器Cの識別情報である容器識別情報を備えている。本実施形態では、収集容器Cが、容器識別情報保持部10を備え、この容器識別情報保持部10が容器識別情報を保持している。詳しくは、容器識別情報保持部10は、容器識別情報を示すバーコード表示を備えている。そして、このバーコード表示は、収集容器Cの外側面に貼付又は印刷されている。尚、容器識別情報が、収集容器Cが備える識別情報に相当する。
また、図示は省略するが、物品Wには、物品識別情報が備えられている。本実施形態では、物品Wのそれぞれが、物品識別情報保持部を備えている。そして、この物品識別情報保持部が、バーコード物品識別情報を保持させている。
【0014】
図1に示すように、ピッキング作業部A1は、作業者Mによりピッキング作業を手作業で行う第1作業部11と、自動ピッキング装置31によりピッキング作業を自動的に行う第2作業部12と、を有している。
【0015】
図4に示すように、第1作業部11には、上流側搬送装置1から収集容器Cを受け取って当該収集容器Cを第1位置P1に搬送する第1搬送装置13と、第1位置P1にある収集容器Cの重量を検出する第1重量検出装置14と、作業台15の第2位置P2に載せられた検品用容器G1の重量を検出する第2重量検出装置16と、収集容器Cが備えている容器識別情報を読み取る第1読取装置17と、物品Wが備えている物品識別情報を読み取る第2読取装置18と、物品Wが収納されている物品収納棚19と、ピッキング内容が表
示される表示装置20と、が備えられている。尚、第1重量検出装置14は、ピッキング作業部A1に設けられて、収集容器C内の物品Wの重量を検出する個別重量検出部に相当する。また、第1重量検出装置14は、空の前記収集容器の重量を検出する空容器重量検出装置、及び、物品Wが収容された前記収集容器の全体の重量を検出する全体重量検出装置に相当し、空容器重量検出装置の検出情報と全体重量検出装置の検出情報とに基づいて、収集容器C内の物品Wの重量を検出する。
【0016】
制御装置Hは、
図5に示すように、収集容器Cを第1位置P1に搬送し、その収集容器Cの容器識別情報を第1読取装置17によって読み取ると共に、収集容器Cの重量を第1重量検出装置14によって検出するように、第1搬送装置13、第1読取装置17、及び第1重量検出装置14を制御する。また、制御装置Hは、第1位置P1にある収集容器Cに対するピッキング情報を表示装置20に表示するように、表示装置20を制御する。
【0017】
作業者Mは、表示装置20に表示されているピッキング情報に従って、物品収納棚19に収容されているピッキング対象の物品Wを全てピッキング用容器G2に収容する。そして、作業者Mは、第2位置P2に検品用容器G1を置き、ピッキング用容器G2に収容したピッキング対象の物品Wを一個ずつ、第2読取装置18で物品識別情報に読み取った後に検品用容器G1に収容する。
制御装置Hは、第2位置P2の検品用容器G1の重量を検出すると共に、第2読取装置18によって読み取られた物品識別情報と、第2読取装置18によって読み取られた後の検品用容器G1の重量の増加量と、に基づいて、適切にピッキング作業が行われているか確認する。適切にピッキング作業が行われていないと判断した場合は、ピッキング作業が適切に行われていないことを示す情報を表示装置20に表示させる。また、ピッキング作業が適切に完了したと判断した場合は、ピッキング作業が適切に完了したことを示す情報を表示装置20に表示させる。
【0018】
作業者Mは、ピッキング作業が完了した後、検品用容器G1に収容されている物品Wを全て第1位置P1にある収集容器Cに移動させ、全ての物品Wの収集容器Cへの収容が終了した後に、ピッキング完了ボタン(図示せず)を操作する。作業者Mは、ピッキング完了ボタンを押した後、収集容器Cを上流側搬送装置1上に移動させる。上流側搬送装置1上に移動された収集容器Cは、上流側搬送装置1によって倉庫部A2に搬送される。収集容器Cに物品Wを収容する場合に、物品Wを包装材21で包装する必要がある場合は、物品Wに包装材21を取り付けた状態で収集容器Cに収容する。このように、複数の収集容器Cのうちの少なくとも一部に収容される物品Wは、包装材21によって包装されている。また、本実施形態では、必要に応じて収集容器C内に緩衝材22を収容する。収集容器C内に緩衝材22を収容する場合は、ピッキング完了ボタンを押した後で且つ後述のように制御装置Hが重量情報を取得した後に収容する。尚、収集容器C内への緩衝材22の収容を、制御装置Hが重量情報を取得する前に行ってもよい。
【0019】
制御装置Hは、ピッキング完了ボタンが操作されるに伴って、ピッキング作業前に第1重量検出装置14によって検出されている空の収集容器Cの重量から、ピッキング作業後に第1重量検出装置14によって検出されている収集容器Cの重量への増加分を、収集容器C内の物品Wの重量を示す重量情報として取得する。制御装置Hは、このように取得した重量情報と、第1位置P1にある収集容器Cの容器識別情報と、を関連付けた状態で記憶部8に記憶させる。このように、記憶部8には、収集容器Cの夫々について、当該収集容器Cの識別情報と、第1重量検出装置14によって検出された収集容器C内の物品Wの重量を示す重量情報と、が関連付けて記憶されている。
【0020】
図1に示すように、第2作業部12には、ピッキング対象の物品Wが収容された容器Dを第3位置P3に搬送する第2搬送装置26と、上流側搬送装置1から収集容器Cを受け
取って当該収集容器Cを第4位置P4に搬送する第3搬送装置27と、第3位置P3にある容器Dから物品Wを取り出してその物品Wを第4位置P4にある収集容器Cに収容する移載装置28と、第4位置P4にある収集容器Cの重量を検出する第3重量検出装置29(
図3参照)と、第3読取装置30(
図3参照)と、が備えられている。第2搬送装置26と第3搬送装置27と移載装置28とで、ピッキング作業部A1が備える自動ピッキング装置31が構成されている。尚、第3重量検出装置29は、ピッキング作業部A1に設けられて、収集容器C内の物品Wの重量を検出する個別重量検出部に相当する。また、第3重量検出装置29は、空の前記収集容器の重量を検出する空容器重量検出装置、及び、物品Wが収容された前記収集容器の全体の重量を検出する全体重量検出装置に相当し、空容器重量検出装置の検出情報と全体重量検出装置の検出情報とに基づいて、収集容器C内の物品Wの重量を検出する。
【0021】
制御装置Hは、収集容器Cを第4位置P4に搬送し、容器Dを第3位置P3に搬送するように、第2搬送装置26及び第3搬送装置27を制御する。また、制御装置Hは、第4位置P4にある収集容器Cの容器識別情報を第3読取装置30によって読み取ると共に、第4位置P4にある収集容器Cの重量を第3重量検出装置29によって検出するように、第3読取装置30及び第3重量検出装置29を制御する。そして、第3位置P3にある容器Dからピッキング対象の物品Wを取り出してその物品Wを第4位置P4にある収集容器Cに収容するように、移載装置28を制御する。
【0022】
そして、制御装置Hは、ピッキング対象の物品Wの収集容器Cへの収容が完了するに伴って、ピッキング作業前に第3重量検出装置29によって検出されている空の収集容器Cの重量から、ピッキング作業後に第3重量検出装置29によって検出されている収集容器Cの重量への増加分を、収集容器C内の物品Wの重量を示す重量情報として取得する。制御装置Hは、このように取得した重量情報と、第4位置P4にある収集容器Cの容器識別情報と、を関連付けた状態で記憶部8に記憶させる。このように、記憶部8には、収集容器Cの夫々について、当該収集容器Cの識別情報と、第3重量検出装置29によって検出された収集容器C内の物品Wの重量を示す重量情報と、が関連付けて記憶されている。
また、制御装置Hは、収集容器Cを上流側搬送装置1に渡し、当該収集容器Cを倉庫部A2に搬送するように、第3搬送装置27及び上流側搬送装置1を制御する。
【0023】
図1に示すように、倉庫部A2には、自動倉庫34が設けられている。自動倉庫34は、容器収納棚36と搬送台車37と中継コンベヤ38とリフト装置39とを備えている。容器収納棚36は、間隔を開けた状態で一対設置されており、各容器収納棚36には、上下方向に並ぶ状態で棚板が複数備えられている。容器収納棚36は、棚板上に収集容器Cを支持した状態で収集容器Cを収納する。搬送台車37は、一対の容器収納棚36の間を容器収納棚36に沿って走行して収集容器Cを搬送する。中継コンベヤ38は、容器収納棚36における棚板の段数に応じて上下方向に並ぶ状態で複数備えられている。
【0024】
自動倉庫34は、上流側搬送装置1からの収集容器Cをリフト装置39が受け取り、その受け取った収集容器Cを、リフト装置39、中継コンベヤ38、搬送台車37により容器収納棚36に搬送して、収集容器Cを自動倉庫34に入庫する。また、容器収納棚36に収納されている収集容器Cを、搬送台車37、中継コンベヤ38、リフト装置39により搬送し、リフト装置39から下流側搬送装置2に収集容器Cを渡すようにして、収集容器Cを自動倉庫34から出庫する。
【0025】
荷合せ作業部A3において行われる荷合せ作業は、複数の対象容器C1のうちの一つを荷合せ容器C2とし、複数の対象容器C1の内の荷合せ容器C2以外を取出容器C3として、取出容器C3に収容されている物品Wを荷合せ容器C2に収集する作業である。制御装置Hは、複数の対象容器C1のうちで収容された物品Wを他の対象容器C1へ移動させ
る作業の負荷を最も多いと判定した対象容器C1を荷合せ容器C2として選択する選択制御を実行する。以下に、選択制御について説明するが、対象容器C1に収容された物品Wの内で、規定容積(例えば4000mL)以上の物品Wを大型物品WLとしている。また、対象容器C1に収容されている物品Wの容積の合計を合計容積としている。
【0026】
図12の選択制御のフローチャートに示すように、選択制御では、大型物品WLの個数(S1)、合計容積(S2)、物品Wの個数(S3)、物品Wを収容した際の作業種別(S4)、によって、複数の対象容器C1のうちの一つを荷合せ容器C2として選択する(S6)。本実施形態では、収容されている大型物品WLの個数、合計容積、収容されている物品Wの個数、物品Wの収容が作業者Mによって行われたか否か、の記載順に記載が前の条件ほど優先順位が高くなるように、複数の対象容器C1のうちの一つを荷合せ容器C2として選択する(S1からS4)。そして、これらの条件で1つの対象容器C1が選択されない場合は、予め定められた1つの対象容器C1が選択される規定条件に基づいて対象容器C1を選択する(S5)。規定条件としては、例えば、自動倉庫34に最も早く入庫されたことを条件とすることが考えられる。
【0027】
選択制御では、まず、収容されている大型物品WLの個数に基づく選択を行う(S1)。つまり、選択制御では、複数の対象容器C1のうちで収容されている大型物品WLの数が最も多い対象容器C1を荷合せ容器C2として選択する。例えば、
図8に示すように、対象容器C1として、大型物品WLが1個収容されている対象容器C1と、大型物品WLが収容されていない対象容器C1と、がある場合は、大型物品WLが1個収容されている対象容器C1を荷合せ容器C2として選択する。
【0028】
選択制御では、複数の対象容器C1において、収容されている大型物品WLの数が同じ場合は、合計容積に基づく選択を行う(S2)。つまり、選択制御では、複数の対象容器C1のうちで合計容積が最も大きい対象容器C1を荷合せ容器C2として選択する。
図9に示すように、対象容器C1として、合計容積が小さい対象容器C1(例えば合計容積が3000mLの対象容器C1)と、合計容積が大きい対象容器C1(例えば合計容積が4000mLの対象容器C1)と、がある場合は、合計容積が大きい対象容器C1を荷合せ容器C2として選択する。
【0029】
選択制御では、複数の対象容器C1において、収容されている大型物品WLの数及び合計容積が同じ場合は、収容されている物品Wの個数に基づく選択を行う(S3)。つまり、選択制御では、複数の対象容器C1のうちで収容されている物品Wの個数が最も多い対象容器C1を荷合せ容器C2として選択する。
図10に示すように、対象容器C1として、3個の物品Wを収容している対象容器C1と、6個の物品Wを収容している対象容器C1と、がある場合は、6個の物品Wを収容している対象容器C1を荷合せ容器C2として選択する。
【0030】
選択制御では、複数の対象容器C1において、収容されている大型物品WLの数、合計容積、及び収容されている物品Wの個数が同じ場合は、物品Wを収容した際の作業種別に応じて、具体的には、物品Wの収容が作業者Mによって行われたか否かに基づいて選択を行う(S4)。つまり、選択制御では、複数の対象容器C1に、自動ピッキング装置31により物品Wが収容された対象容器C1と、ピッキング作業部A1において作業者Mにより物品Wが収容された対象容器C1とが含まれている場合に、作業者Mにより物品Wが収容された対象容器C1を荷合せ容器C2として選択する。ちなみに、
図11には、自動ピッキング装置31により物品Wが収容された対象容器C1(
図11において左側にある収集容器C)と、ピッキング作業部A1において作業者Mにより物品Wが収容された対象容器C1(
図11において右側にある収集容器C)と、を示している。
【0031】
また、制御装置Hは、複数の対象容器C1を荷合せ作業部A3に搬送する搬送制御を実行する。この搬送制御では、荷合せ容器C2、取出容器C3の順に複数の対象容器C1を荷合せ作業部A3に搬送するように、自動倉庫34及び下流側搬送装置2を制御する。
【0032】
図6に示すように、荷合せ作業部A3には、下流側搬送装置2の一部である荷合せ用搬送装置41と、荷合せ用搬送装置41における第5位置P5にある収集容器Cの重量を検出する第4重量検出装置42と、荷合せ作業を行うことによって空いた収集容器Cを搬送する空き容器搬送装置43と、第5位置P5に搬送される収集容器Cが備えている容器識別情報を読み取る第4読取装置44と、第5位置P5から搬送される収集容器Cが備えている容器識別情報を読み取る第5読取装置45と、が備えられている。尚、第4重量検出装置42が、荷合せ容器C2内の物品Wの重量を検出する荷合せ重量検出部に相当し、第4読取装置44が、収集容器Cが備える識別情報を読み取る読取部に相当する。
【0033】
以下、荷合せ作業について対象容器C1が2つの場合について説明する。
制御装置Hは、搬送制御の実行により、荷合せ容器C2を第5位置P5に搬送し、取出容器C3を、第5位置P5より上流側に設定された第6位置P6に搬送する。また、制御装置Hは、第5位置P5にある荷合せ容器C2の重量を第4重量検出装置42によって検出するように、第4重量検出装置42を制御する。また、制御装置Hは、第5位置P5に搬送される取出容器C3の容器識別情報を第4読取装置44によって読み取るように、第4読取装置44を制御する。制御装置Hは、第4読取装置44によって読み取られた取出容器C3の容器識別情報に基づいて、当該容器識別情報と関連付けて記憶部8に記憶された重量情報を取得する。
【0034】
図7に示すように、作業者Mは、第6位置P6にある取出容器C3に収容されている物品Wを全て第5位置P5にある荷合せ容器C2に移動させる荷合せ作業を行う。このように作業者Mが荷合せ作業を行う場合に、移動させる物品Wの物品識別情報を読み取るような作業は行わない。つまり、本実施形態では、荷合せ作業において、取出容器C3に収容されている物品Wを個別に検査することなく、取出容器C3に収容されている1つ以上の物品Wの全部をまとめて荷合せ容器C2に収容する作業が行われる。そして、荷合せ作業を行うに当たり、取出容器C3に収容されている物品Wが包装材21によって包装されている場合は包装されている状態で物品Wを荷合せ容器C2に移動させる。また、本実施形態では、緩衝材22の収集容器Cへの収容は、制御装置Hが重量情報を取得した後に収容しており、収集容器Cのおける重量情報に緩衝材22の重量は含まれていない。そのため、本実施形態では、取出容器C3に緩衝材22が収容されていても、その緩衝材22は荷合せ容器C2に移動させない。尚、収集容器Cへの緩衝材22の収容を、制御装置Hが重量情報を取得する前に行う場合は、取出容器C3に収容されている緩衝材22を、荷合せ容器C2に移動させる。作業者Mは、荷合せ作業によって物品Wを収容されなくなった取出容器C3を第5位置P5から空き容器搬送装置43上に移動させる。そして、作業者Mは、取出容器C3に収容されている物品Wの全てを荷合せ容器C2へ移動させて荷合せ作業が完了した後に、荷合せ完了ボタン(図示せず)を操作する。
【0035】
制御装置Hは、荷合せ完了ボタンが操作されるに伴って、第4重量検出装置42によって検出されている荷合せ容器C2の重量が、取出容器C3における重量情報が示す重量に応じて増加したか否かを判定する。つまり、第4重量検出装置42によって検出されている荷合せ容器C2の重量が、取出容器C3における重量情報が示す重量に応じて増加した場合は、荷合せ作業が適切に行われたと判定する。この場合は、制御装置Hは、第5位置P5にある荷合せ容器C2を第5位置P5から搬送すると共にその荷合せ容器C2の容器識別情報を第5読取装置45によって読み取るように、荷合せ用搬送装置41及び第5読取装置45を制御する。そして、制御装置Hは、荷合せ容器C2の重量情報と当該荷合せ容器C2の容器識別情報と、を関連付けた状態で記憶部8に記憶する。これに対して、第
4重量検出装置42によって検出されている荷合せ容器C2の重量が、取出容器C3における重量情報が示す重量に応じて増加していない場合は、荷合せ作業が適切に行われていないと判定する。この場合は、荷合せ作業が適切に行われていないことを示す報知装置(図示せず)を作動させる。
【0036】
上述の如く、制御装置Hは、ピッキング作業部A1において第1重量検出装置14や第3重量検出装置29によって検出された取出容器C3内の物品Wの重量と、荷合せ作業部A3において第4重量検出装置42によって検出された荷合せ容器C2内の物品Wの重量とに基づいて、荷合せ作業が適切に行われたか否かを判定する。また、制御装置Hは、このように荷合せ作業が適切に行われたか否かを判定する場合に、重量情報に示される重量を、取出容器C3内の物品Wの重量として使用している。
【0037】
2.その他の実施形態
次に、ピッキング設備のその他の実施形態について説明する。
【0038】
(1)上記実施形態では、選択制御において、大型物品WLの個数、合計容積、物品Wの個数、及び物品Wを収容した際の作業種別によって、複数の対象容器C1のうちの一つを荷合せ容器C2として選択した。しかし、複数の対象容器C1のうちの一つを荷合せ容器C2として選択する条件は適宜変更してもよい。例えば、上記した4つの条件の内の一部のみを、一つの荷合せ容器C2を選択する条件としてもよい。また、大きさが異なる複数種類の収集容器Cが存在する場合に、収集容器Cの大きさを選択条件としてもよい。この場合、選択制御において、複数の対象容器C1のうちの物品Wを収容可能な容積である収容容積が最も大きい対象容器C1を荷合せ容器C2として選択するようにしてもよい。
【0039】
(2)上記実施形態では、記憶部8に、収集容器Cの識別情報と重量情報とが関連付けて記憶される構成を例として説明したが、重量情報を記憶部8に記憶させる態様は適宜変更してもよい。例えば、複数の収集容器Cのそれぞれに記憶部8を備え、その記憶部8に収集容器Cの識別情報と重量情報とのうちの重量情報のみを記憶するようにしてもよい。
【0040】
(3)上記実施形態では、複数の収集容器Cの内の一部に収容される物品Wを、包装材21によって包装し、複数の収集容器Cの一部に緩衝材22を収容した。しかし、包装材21による物品Wの包装と、収集容器Cへの緩衝材22の収容とのいずれか一方のみを行う構成としてもよい。或いは、全ての物品Wを包装材21によって包装しないようにしてもよく、また、全ての収集容器Cに緩衝材22を収容しないようにしてもよい。
【0041】
(4)上記実施形態では、第4重量検出装置42によって検出された荷合せ容器C2の重量が、第1重量検出装置14や第3重量検出装置29によって検出された取出容器C3内の物品Wの重量に応じて増加した場合に、荷合せ作業が適切に行われたと判定部6が判定した。しかし、判定部6による荷合せ作業が適切に行われたか否かの判定条件は適宜変更してもよい。例えば、取出容器C3から荷合せ容器C2に物品Wを移動させる場合に、取出容器C3から取り出した物品Wの物品識別情報を一個ずつ読み取った後に荷合せ容器C2に収容するようにして、第4重量検出装置42によって検出された荷合せ容器C2の重量が、第1重量検出装置14や第3重量検出装置29によって検出された取出容器C3内の物品Wの重量に応じて増加し、且つ、取出容器C3に収容されている全ての物品Wの物品識別情報が読み取られた場合に、荷合せ作業が適切に行われたと判定部6が判定してもよい。
【0042】
(5)なお、上述した各実施形態で開示された構成は、矛盾が生じない限り、他の実施形態で開示された構成と組み合わせて適用することも可能である。その他の構成に関しても、本明細書において開示された実施形態は全ての点で単なる例示に過ぎない。従って、本
開示の趣旨を逸脱しない範囲内で、適宜、種々の改変を行うことが可能である。
【0043】
3.上記実施形態の概要
以下、上記において説明したピッキング設備の概要について説明する。
【0044】
ピッキング設備は、物品を収集容器に収容するピッキング作業が行われるピッキング作業部と、前記ピッキング作業部において物品が収容された複数の前記収集容器を対象容器として、複数の前記対象容器に収容されている物品を1つの荷合せ容器に収容する荷合せ作業が行われる荷合せ作業部と、を備え、前記ピッキング作業部に設けられ、前記収集容器内の物品の重量を検出する個別重量検出部と、前記荷合せ作業部に設けられ、前記荷合せ容器内の物品の重量を検出する荷合せ重量検出部と、前記荷合せ作業部において前記荷合せ作業が適切に行われたか否かを判定する判定部と、を更に備え、前記荷合せ作業は、複数の前記対象容器のうちの一つを前記荷合せ容器とし、前記複数の対象容器のうちの前記荷合せ容器以外を取出容器として、前記取出容器に収容されている物品を前記荷合せ容器に収容する作業であり、前記判定部は、前記個別重量検出部によって検出された前記取出容器内の物品の重量と、前記荷合せ重量検出部によって検出された前記荷合せ容器内の物品の重量とに基づいて、前記荷合せ作業が適切に行われたか否かを判定する。
【0045】
この構成によれば、ピッキング作業部においてピッキング作業を行う際に、ピッキング作業によって対象容器内に収容された収集容器内の物品の重量が個別重量検出部によって検出される。そして、判定部が、個別重量検出部によって検出された取出容器内の物品の重量と、荷合せ重量検出部によって検出された荷合せ容器内の物品の重量とに基づいて、荷合せ作業が適切に行われたか否かを判定する。ここで、物品の重量は、例えば、物品の保管環境の湿度や各物品の包装の状態等によって異なる場合がある。しかし、本構成によれば、予め定められた物品の規定重量ではなく、ピッキング作業部において個別重量検出部によって検出された物品の実際の重量を用いるため、物品の保管環境の湿度や各物品の包装の状態等により異なる物品の実際の重量と規定重量との誤差の影響を排除することができる。
従って、各種の影響による物品の実際の重量と規定重量との誤差の影響を排除し、荷合せ作業が適切に行われたか否かの判定の精度を高めることができる。
【0046】
ここで、前記荷合せ作業では、前記取出容器に収容されている物品を個別に検査することなく、前記取出容器に収容されている1つ以上の物品の全部をまとめて前記荷合せ容器に収容する作業が行われると好適である。
【0047】
この構成によれば、取出容器に収容されている複数の物品を荷合せ容器に収容する場合に、複数の物品を個別に検査する必要がないため、荷合せ作業の負荷を少なくできる。
【0048】
また、前記判定部は、前記荷合せ重量検出部によって検出された重量が、前記個別重量検出部によって検出された前記取出容器内の物品の重量に応じて増加した場合に、前記荷合せ作業が適切に行われたと判定すると好適である。
【0049】
通常、荷合せ容器が、個別重量検出部によって検出された取出容器内の物品の重量に応じて増加した場合は、取出容器内の物品の全てが荷合せ容器内に移動したと考えることができる。本構成によれば、これを利用して、荷合せ作業を行う前に個別重量検出部によって検出された荷合せ容器内の物品の重量を用いることなく、荷合せ作業が適切に行われたか否かを精度よく判定できる。
【0050】
また、複数の前記対象容器から前記荷合せ容器を選択する選択部を更に備え、前記選択部は、複数の前記対象容器のうちで収容された物品を他の対象容器へ移動させる作業の負
荷が最も多いと判定した容器を前記荷合せ容器として選択する選択制御を実行すると好適である。
【0051】
この構成によれば、複数の対象容器の内で収容された物品を他の対象容器へ移動させる作業の負荷が比較的少ない容器が取出容器として選択されるため、取出容器から荷合せ容器に物品を移動させる作業の負荷を軽減できる。
【0052】
また、前記対象容器に収容された物品の内で、規定容積以上の物品を大型物品として、前記選択制御は、複数の前記対象容器のうちで収容されている前記大型物品の数が最も多い前記対象容器を前記荷合せ容器として選択する制御であると好適である。
【0053】
この構成によれば、複数の対象容器の何れかに大型物品が収容されている場合に、荷合せ作業において大型物品を移動させる必要がなくすことができ、又は、荷合せ作業において大型物品を移動させる必要がある場合でも移動させる大型物品の数を少なくできる。そのため、荷合せ作業における負荷を軽減できる。
【0054】
また、前記対象容器に収容されている物品の容積の合計を合計容積とし、前記選択制御は、複数の前記対象容器のうちで前記合計容積が最も大きい前記対象容器を前記荷合せ容器として選択する制御であると好適である。
【0055】
この構成によれば、荷合せ作業において取出容器から荷合せ容器に移動させる物品の合計容積を小さくできる。そのため、荷合せ作業における負荷を軽減できる。
【0056】
また、前記選択制御は、複数の前記対象容器のうちで収容されている物品の個数が最も多い前記対象容器を前記荷合せ容器として選択する制御であると好適である。
【0057】
この構成によれば、荷合せ作業において収集容器から荷合せ容器に移動させる物品の個数を少なくできる。そのため、荷合せ作業における負荷を軽減できる。
【0058】
また、前記選択制御は、複数の前記対象容器に、前記ピッキング作業部が備える自動ピッキング装置により物品が収容された前記対象容器と、前記ピッキング作業部において作業する作業者により物品が収容された前記対象容器とが含まれている場合に、前記作業者により物品が収容された前記対象容器を前記荷合せ容器として選択する制御であると好適である。
【0059】
一般的に、作業者により物品を収集容器に収容する場合は、自動ピッキング装置により物品を収容する場合に比べて、物品同士の隙間が小さく整然と物品を収容させている場合が多い。そのため、本構成によれば、作業者により物品が収容された収集容器を荷合せ容器として選択するため、荷合せ容器に対する物品の収容効率を高め易くすることができると共に、荷合せ作業において既に荷合せ容器に収容されている物品を移動させる必要性が小さく、荷合せ作業における負荷を軽減できる。
【0060】
また、複数の前記収集容器のうちの少なくとも一部に収容される物品は、包装材によって包装されていてもよい。
【0061】
上記のとおり、本構成によれば、予め定められた物品の規定重量ではなく、ピッキング作業部において個別重量検出部によって検出された物品の実際の重量を用いるため、各物品の包装の状態により異なる物品の実際の重量と規定重量との誤差の影響を排除することができる。従って、複数の前記収集容器のうちの少なくとも一部に収容される物品は、包装材によって包装されている場合であっても、本構成によれば、荷合せ作業が適切に行わ
れたか否かを判定部によって精度よく判定できる。
【0062】
また、前記個別重量検出部は、空の前記収集容器の重量を検出する空容器重量検出装置と、物品が収容された前記収集容器の全体の重量を検出する全体重量検出装置と、を備え、前記空容器重量検出装置の検出情報と前記全体重量検出装置の検出情報とに基づいて、前記収集容器内の物品の重量を検出すると好適である。
【0063】
この構成によれば、空容器重量検出装置によって空の収集容器の重量を予め検出しておき、収集容器に物品が収納された後に全体重量検出装置によって収集容器の全体の重量を検出することで、個別重量検出部は、空容器重量検出装置によって検出された重量と、全体重量検出装置によって検出された重量との差により、収集容器内の物品の重量を適切に検出することができる。
【0064】
また、情報を記憶する記憶部と、前記荷合せ作業部に設けられ、前記収集容器が備える識別情報を読み取る読取部と、を更に備え、前記記憶部には、前記収集容器の夫々について、当該収集容器の識別情報と、前記個別重量検出部によって検出された当該収集容器内の物品の重量を示す重量情報と、が関連付けて記憶され、前記判定部は、前記読取部によって読み取られた前記取出容器の前記識別情報に基づいて、当該識別情報と関連付けて前記記憶部に記憶された前記重量情報を取得し、当該重量情報に示される重量を、前記取出容器内の物品の重量として使用すると好適である。
【0065】
この構成によれば、ピッキング作業部においてピッキング作業を行った場合、ピッキング作業を行った収集容器の識別情報と、当該収集容器についての重量情報と、が関連付けて記憶部に記憶される。そのため、判定部は、読取部によって読み取った取出容器の識別情報に基づいて、当該取出容器についての重量情報を適切に取得することができ、この重量情報に基づいて荷合せ作業が適切に行われたか否かの判定を適切に行うことができる。
【産業上の利用可能性】
【0066】
本開示に係る技術は、複数の対象容器に収容されている物品を1つの荷合せ容器に収容する荷合せ作業が行われるピッキング設備に利用することができる。
【符号の説明】
【0067】
6:判定部
8:記憶部
14:第1重量検出装置(個別重量検出部)
21:包装材
29:第3重量検出装置(個別重量検出部)
31:自動ピッキング装置
42:第4重量検出装置(荷合せ重量検出部、空容器重量検出装置、全体重量検出装置)44:第4読取装置(読取部)
A1:ピッキング作業部
A3:荷合せ作業部
C:収集容器
C1:対象容器
C2:荷合せ容器
C3:取出容器
M:作業者
W:物品
WL:大型物品