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特許7155004細長い物体の寸法に関連するデータを取得するための装置および方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-07
(45)【発行日】2022-10-18
(54)【発明の名称】細長い物体の寸法に関連するデータを取得するための装置および方法
(51)【国際特許分類】
   G01B 11/02 20060101AFI20221011BHJP
【FI】
G01B11/02 H
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2018532228
(86)(22)【出願日】2016-12-20
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2019-01-10
(86)【国際出願番号】 EP2016081967
(87)【国際公開番号】W WO2017108819
(87)【国際公開日】2017-06-29
【審査請求日】2019-12-20
【審判番号】
【審判請求日】2021-06-04
(31)【優先権主張番号】15201699.4
(32)【優先日】2015-12-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】596060424
【氏名又は名称】フィリップ・モーリス・プロダクツ・ソシエテ・アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【弁理士】
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【弁理士】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【弁理士】
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100158551
【弁理士】
【氏名又は名称】山崎 貴明
(72)【発明者】
【氏名】コンソランテ アントニオ
【合議体】
【審判長】岡田 吉美
【審判官】中塚 直樹
【審判官】濱本 禎広
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2012/053365(WO,A1)
【文献】特開昭62-167401(JP,A)
【文献】特表2006-522928(JP,A)
【文献】特開昭52-020855(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第1489949(CN,A)
【文献】米国特許第6169600(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01B 11/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
長手方向軸ならびに第1の端部および第2の端部を画定する細長い物体の寸法に関連するデータを取得するための装置であって、
- 視野および光軸を確定し、前記視野内の前記細長い物体を撮像するよう適合される撮像センサ装置と、
- 前記視野内に前記細長い物体を配置するように、前記細長い物体の前記長手方向軸に対して実質的に平行な搬送方向に前記細長い物体を移動するよう適合され、前記光軸と前記長手方向軸とが平行でない角度を形成する搬送装置と、
- 電磁放射を発して前記視野内の前記細長い物体を照射するよう適合される照明装置と、
- 第1の動作位置と第2の動作位置との間を移動可能に適合され、前記細長い物体の前記第1の端部または前記第2の端部の画像を取得するように、前記第2の動作位置で、前記撮像センサ装置の方へ前記長手方向軸に対して平行に進む電磁放射を偏向するよう適合される光偏向器を含む光偏向システムと、を含み、
- 前記光偏向システムは、前記第2の動作位置が、第1の移動方向で前記長手方向軸に対して平行に進む電磁放射を、前記細長い物体の前記第1の端部の画像を取得するように前記撮像センサ装置の方へ偏向する第1のサブ位置、および第2の移動方向で前記長手方向軸に対して平行に進む電磁放射を、前記細長い物体の前記第2の端部の画像を取得するように前記撮像センサ装置の方へ偏向する第2のサブ位置を含むように、前記光偏向器を回転させるよう適合される光偏向器ホルダを含む、装置。
【請求項2】
前記光偏向器が、前記細長い物体の端部の前に配置されるよう適合され、前記搬送方向に対して傾斜した面を有するプリズムを含む、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記搬送方向と前記プリズムの前記長手方向軸に対して傾斜した面との間に形成される角度が、30°~60°の間に含まれる、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記搬送方向と前記プリズムの前記長手方向軸に対して傾斜した面との間に形成される前記角度が、45°である、請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記搬送方向が前記光軸に対して実質的に垂直である、請求項1~4のいずれかに記載の装置。
【請求項6】
前記撮像センサ装置が、固定焦点カメラを含み、前記搬送装置が、前記撮像センサ装置の固定焦点面内にある前記搬送方向に沿って前記細長い物体を搬送するよう適合される、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記搬送装置が、前記長手方向軸の周りに前記細長い物体を回転させるよう適合される、請求項1~6のいずれかに記載の装置。
【請求項8】
前記第2の動作位置で、前記光偏向器が前記長手方向軸と前記光軸との間の幾何学的交点に位置する、請求項1~7のいずれかに記載の装置。
【請求項9】
前記撮像センサ装置が、画像センサホルダおよび画像センサを含み、前記画像センサホルダが前記光軸に沿って前記画像センサを移動するよう適合される、請求項1~8のいずれかに記載の装置。
【請求項10】
前記照明装置が、
前記長手方向軸に対して前記撮像センサ装置と反対側に前記光軸に沿って配置されるバックライトであって、前記バックライトが前記バックライトに面する前記細長い物体の表面を照射するよう適合されるバックライトと、
前記長手方向軸に対して前記撮像センサ装置と同じ側に前記光軸に沿って配置されるフロントライトであって、前記フロントライトが前記撮像センサ装置に面する前記細長い物体の表面を照射するよう適合されるフロントライトと、のうちの1つ以上を含む、請求項1~のいずれかに記載の装置。
【請求項11】
- 前記撮像センサ装置により取得された前記画像から前記細長い物体の寸法値を計算するよう適合される精密化ユニットを含む、請求項1~10のいずれかに記載の装置。
【請求項12】
長手方向軸ならびに第1の端部および第2の端部を画定する細長い物体の寸法に関連するデータを取得するための方法であって、
- 光軸および視野を有する撮像センサ装置を提供するステップと、
- 前記長手方向軸に対して平行な搬送方向に沿って前記細長い物体を移動し、前記撮像センサ装置の前記視野内で前記光軸と前記長手方向軸とが平行でない角度を形成するステップと、
- 電磁放射により前記細長い物体を照射するステップと、
第1の動作位置と第2の動作位置との間を移動可能に適合され、前記細長い物体の前記第1の端部および前記第2の端部の画像を取得するように、前記第2の動作位置で、前記撮像センサ装置の方へ前記長手方向軸に対して平行に進む電磁放射を偏向するよう適合される光偏向器を含む光偏向システムを提供するステップと、を含み、
光偏向システムを提供する前記ステップが、
- 前記第2の動作位置が、第1の移動方向で前記長手方向軸に対して平行に進む電磁放射を、前記細長い物体の前記第1の端部の画像を取得するように前記撮像センサ装置の方へ偏向する第1のサブ位置、および第2の移動方向で前記長手方向軸に対して平行に進む電磁放射を、前記細長い物体の前記第2の端部の画像を取得するように前記撮像センサ装置の方へ偏向する第2のサブ位置を含むように、前記光偏向器を回転させるよう適合される光偏向器ホルダを提供するステップを含む、方法。
【請求項13】
- 前記細長い物体の側面の画像を取得するステップであって、前記側面が前記細長い物体の前記長手方向軸に対して実質的に平行である取得するステップを含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
- 前記細長い物体の第1の側面の画像を取得するステップと、
- 前記長手方向軸に沿って前記細長い物体を回転させるステップと、
- 前記第1の側面に対して回転される前記細長い物体の第2の側面の画像を取得するステップと、を含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
- 前記画像から前記細長い物体の寸法を決定するステップを含む、請求項12~14のいずれかに記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、好ましくはエアロゾル形成物品の構成要素である、細長い物体の寸法に関連するデータを取得するための装置および方法に関する。
【背景技術】
【0002】
喫煙物品などのエアロゾル形成物品は、フィルタープラグまたは(タバコロッドなどの)消耗ロッドなどのいくつかの構成要素の組み合わせにより実現可能なことが知られている。エアロゾル形成物品に使用される各構成要素は、例えば、その寸法に関して、多くの非常に厳しい制約を考慮しなくてはならない。そのため、製造工程中、上述の要求を満たすかどうか確認するため同じサンプル構成要素に対してテストが実施される。
【0003】
エアロゾル形成物品の構成要素の製造はまた、非常に高速で行われることが知られている。廃棄材料を最小限にするため、一構成要素のサンプルがテストの対象にされると、例えば、不良を起こした問題の原因を解明するため、考えられる不良製造バッチをできるだけ早く識別できるように、テストも非常に高速で実施されることが好ましい。
【0004】
構成要素が所望の要求を満たしていることを検証するために必要な測定数は比較的多い。というのも、その横断面、形状の均質性など、実質的に構成要素の全ての寸法および幾何学的特性をチェックする必要があるからである。しかし、一方で、構成要素のいくつかのデータを同時に測定するために非常に多くのセンサを備えることは、解決策ではない。なぜなら、センサは互いに妨害して邪魔をする可能性があり、さらに損傷や生産の中断なく構成要素をテスト領域で移動する十分な場所が必要だからである。他方で、構成要素の周囲を高速でセンサが移動していくつか構成要素の寸法を測定することも、要求を満たさない。こうした高速移動により、センサの機構が損傷するか、キャリブレーションを失う可能性があるからである。
【0005】
したがって、物体のいくつかの測定値を高速で取得することができる、好ましくはエアロゾル形成物品の構成要素である、細長い物体に関連するデータを取得する方法および装置に対するニーズがある。さらに、比較的高価な装置を使用せずに、かなり簡単な方法でこの多くの測定を実施する方法および装置に対するニーズがある。
【発明の概要】
【0006】
その第1の態様では、本発明は、長手方向軸ならびに第1の端部および第2の端部を画定する細長い物体の寸法に関連するデータを取得する装置に関し、その装置は、視野内の細長い物体を撮像するよう適合され、視野および光軸を画定する撮像センサ装置、視野内に細長い物体を配置し、細長い物体の長手方向軸に対して実質的に平行な搬送方向で細長い物体を搬送するよう適合され、光軸と角度を形成する搬送装置、電磁放射を発して視野内の細長い物体を照射するよう適合された照明装置、および細長い物体の第1の端部または第2の端部の画像を取得するように第1の動作位置と第2の動作位置の間で移動可能に適合され、第2の動作位置で、上記撮像センサ装置の方へ長手方向軸に対して平行に移動する電磁放射を偏光するように適合される光偏向器を含む光偏向システムを含む。
【0007】
有利なことに、本発明の装置は、複雑でも高価でもなく、細長い物体の高速テストが可能である。具体的には、本発明の装置は、細長い物体の側面および両端を素早く撮像することができる。本発明の装置は、細長い物体の端部および側面を撮像可能な単一の撮像センサ装置を含んでもよく、それにより、それぞれ別の細長い物体の撮像用の、複数のセンサの間の妨害のリスクがなくなる。さらに、好ましいことに、損傷や生産の中断なく細長い物体をテスト領域で移動する十分な場所がある。さらに、好ましいことに、すべての所望の画像を取得するために細長い物体の周囲を高速で撮像センサ装置を移動する必要がなく、それにより撮像センサ装置の損傷またはキャリブレーションを失うリスクが大幅に制限される。
【0008】
好ましくは、細長い物体にはエアロゾル形成装置の構成要素が含まれる。好ましくは、細長い物体にはエアロゾル形成物品の2つ以上が含まれてもよい。好ましくは、細長い物体にはすべてのエアロゾル形成物品が含まれてもよい。以下では、「構成要素」という用語は、エアロゾル形成物品の中に含まれてもよい任意の要素を意味する。例えば、こうした構成要素は、フィルターのプラグ、熱源、メントールカプセル、木炭要素等を含んでもよい。
【0009】
エアロゾル形成物品の構成要素は、加熱に伴いエアロゾル形成基体から放出される揮発性たばこ風味化合物を含むたばこ含有材料を含むことが好ましい。エアロゾル形成基体は、例えば、薬草の葉、たばこの茎の断片、再構成たばこ、均質化したたばこ、押出成形たばこ、および膨化たばこのうちの1つ以上を含む、粉末、顆粒、ペレット、断片、スパゲッティ、細片、またはシートのうちの1つ以上を含んでもよい。
【0010】
複数構成要素エアロゾル形成物品の構成要素は、エアロゾル形成物品のフィルターのセグメントを含むことが好ましい。フィルターは、アセチルセルロースフィルタープラグを含んでもよい。フィルターは、約5ミリメートル~約20ミリメートルの間の長さ、例えば、約7ミリメートルの長さを持ちうる。
【0011】
エアロゾル形成物品の構成要素は、たばこ含有構成要素であることが好ましい。たばこ構成要素は、たばこカットフィラーまたはエアロゾル形成再構成たばこを含んでもよい。構成要素は、燃焼されるたばこロッドを含みうる。
【0012】
エアロゾル形成物品の構成要素は、熱源、または揮発性風味生成構成要素(例えば、メントールカプセル、木炭要素)を含みうることが好ましい。熱源は可燃性高炭素含有炭素質材料を含んでもよく、また黒鉛またはアルミナを含むこともできる。熱源は、例えば、点火されてエアロゾル形成基体に熱を伝達し、吸入可能なエアロゾルを形成する木炭要素である。
【0013】
揮発性風味生成構成要素は繊維質の支持要素に結合してもよい。繊維質の支持要素は、風味生成構成要素を位置付ける、保つ、または保持するための任意の適切な基体または支持体であってもよい。繊維質の支持要素は、例えば、紙の支持体またはカプセルであってもよい。繊維質の支持体は、例えば、糸または撚糸であってもよい。こうした糸または撚糸は、液体のメントールなどの液体構成要素が染み込んでいてもよい。こうした糸または撚糸は、固体の風味生成構成要素に通されていてもよく、またはその他の方法で結合されていてもよい。例えば、メントールの固体粒子が糸に結合していてもよい。
【0014】
細長い物体は、長手方向軸を画定する。長手方向軸に対して平行に撮影される細長い物体の任意の横方向の像は、よって細長い物体の「側面」像を画定する。長手方向軸に対して垂直に撮影される細長い物体の任意の像は、細長い物体の「端面」像を画定する。常にではないが、一般的に、一方の像から他方の像へ細長い物体を長手方向軸に対して垂直に軸の周りを360°回転させることにより撮影される細長い物体の2つの側面の2つの横方向の像、ならびにこれもまた細長い物体を長手方向軸に対して垂直に軸の周りを180°回転させることにより撮影される細長い物体の2つの端部の2つの上面像および底面像は、細長い物体の全ての面の完全な画像を表す。
【0015】
好ましくは、細長い物体は、ロッド形状であってもよい。
【0016】
以下では、「長さ」という用語は、他に明示されない限り、その長手方向軸に沿った細長い物体の長さを意味する。
【0017】
以下では、「ロッド」という用語は、実質的に円筒形、楕円または楕円形の断面を持つ概して円筒形の要素を意味する。
【0018】
本発明によるエアロゾル形成物品は、完全な組み立てられたエアロゾル形成物品でもよく、または、例えば、加熱式喫煙装置の消耗部品などエアロゾルを生成するために組み立てられた物品を提供する目的で1つ以上の他の構成要素と組み合わせられるエアロゾル形成物品の構成要素でもよい。
【0019】
本明細書で使用される場合、エアロゾル形成物品は、エアロゾル形成基体が加熱された時に吸入可能なエアロゾルを生成する任意の物品である。この用語は、電気発熱体などの外部熱源によって加熱されるエアロゾル形成基体を備える物品を含む。エアロゾル形成物品は、エアロゾル形成基体の燃焼を用いずに揮発性化合物を放出する物品である、不燃性エアロゾル形成物品であってもよい。エアロゾル形成物品は、エアロゾルを形成することができる揮発性化合物を放出するために、燃焼ではなく加熱されることが意図されるエアロゾル形成基体を含むエアロゾル形成物品である、加熱式エアロゾル形成物品であってもよい。この用語は、エアロゾル形成基体と、一体型の熱源(例えば、可燃性熱源)と、を備える物品を含む。
【0020】
本発明によるエアロゾル形成物品は、フィルター付き可燃性紙巻たばこ、またはたばこ材料が燃焼して煙を形成するその他の喫煙物品の形態であってもよい。
【0021】
エアロゾル形成物品は、ユーザーの口を通してユーザーの肺の中へと直接吸入可能なエアロゾルを生成する物品であってもよい。エアロゾル形成物品は、紙巻たばこなどの従来の喫煙物品と似ている場合があり、またたばこを含んでもよい。エアロゾル形成物品は、使い捨てであってもよい。エアロゾル形成物品は、部分的に再利用可能であってもよく、また補充可能または交換可能なエアロゾル形成基体を含んでいてもよい。
【0022】
エアロゾル形成物品は実質的に円筒形の形状でありうることが好ましい。エアロゾル形成物品は、実質的に細長くてもよい。エアロゾル形成物品は、長さおよびその長さに実質的に垂直な円形断面を有してもよい。エアロゾル形成物品は、約30ミリメートル~約100ミリメートルの間の全長を有してもよい。エアロゾル形成物品の円形断面は、約5ミリメートル~約12ミリメートルの間の直径を有してもよい。
【0023】
本発明の装置は、画像を構成する情報を検出し、搬送するよう適合される撮像センサ装置を含む。その撮像センサ装置は、アナログまたはデジタルのいずれでもよい。デジタルセンサ装置は、熱撮像装置、レーダー、ソナーなどのデジタルカメラ、カメラモジュール、撮像装置、暗視装置であってもよい。
【0024】
撮像センサ装置は、画像センサを含むことが好ましい。可視光用アナログセンサは、撮像管を含んでもよく、デジタルセンサは、半導体電荷結合素子(CCD)、相補形金属酸化膜半導体能動ピクセルセンサ(CMOS)またはN型金属酸化物半導体(NMOS、Live MOS)技術を含んでもよい。不可視線用のアナログセンサは、真空管を含んでもよい。
【0025】
撮像センサ装置はまた、光軸および視野を画定する光学システムを含むのが好ましい。光軸は、「直線」として光伝搬の近似で、光が光学システムを介して伝わる通路を画定し、画像を形成するため画像センサに到達する架空の線である。視野は、画像センサが電磁放射の影響を受けやすい立体角である。したがって、視野に配置された物体から来るまたは物体に反射された光は、物体の画像を形成するように画像センサ装置により受け取られてもよい。
【0026】
本装置はさらに、撮像センサ装置の視野に細長い物体を配置し、細長い物体の長手方向軸に対して実質的に平行な搬送方向に細長い物体を搬送するよう適合された搬送装置を含む。搬送装置は任意の種類であってよく、例えば、コンベヤベルトを含んでもよい。搬送装置は、撮像センサ装置の方に向いている細長い物体の少なくとも一側面を撮像できるように撮像センサ装置の視野内にその長手方向軸が搬送方向に対して平行に配置された細長い物体を運ぶ。搬送装置は、搬送方向に沿って移動することにより、画像センサに近づいたり離れたりして、様々な位置で細長い物体の側面の画像を撮影することができる。搬送方向は光軸と角度を形成するが、この角度は0°でも180°でもなく、すなわち、搬送方向は光軸に対して平行でなく、そうでなければ細長い物体の画像を撮影できない。
【0027】
さらに、本装置は照明装置を含む。照明装置は、電磁放射を発し、細長い物体を照射するために、例えば、任意の他の放射線を除く可視光線を本発明では含む。例えば、照明装置は、発光ダイオード(LED)またはレーザー源を含んでもよい。照明装置により発せられる放射線の種類は、選択された画像センサの種類次第であり、すなわち、どの波長範囲に画像センサが反応しやすいかによる。照明装置は、画像センサに対してフロントライトとして配置されてもよく、細長い物体が画像の視野内に配置される場合、細長い物体を背後から、または画像センサの位置で照射する。フロントライトは、物体の方に向けられ、画像センサに向けられていない放射線である。照明装置は、画像センサに対してバックライトとして配置されてもよく、すなわち、照明装置は、細長い物体が画像の視野内に配置される場合、画像センサに向かって光っている細長い物体の背後に位置する。バックライトは、物体の方および画像センサの方に向いている放射線である。
【0028】
上記の構成で、少なくとも細長い物体の一側面の画像を取得することができるのは明らかである。搬送装置は、細長い物体の長手方向軸に対して平行である搬送方向に沿って、細長い物体を搬送する。細長い物体が撮像センサ装置の視野に到達すると、細長い物体の片側が撮像センサ装置に面し、照明装置により照射されるので、その側の画像を撮影することができる。長手方向に沿って撮像センサ装置と細長い物体の間の様々な距離で、2つ以上の画像を撮影することができるのが好ましい。撮像センサ装置は、細長い物体を照射する電磁放射の光路の向きを変えるために追加のミラーや光学要素を使わずに、直接細長い物体の片側の画像を撮影することが好ましい。細長い物体は、撮像センサ装置の視野内にあり、その細長い物体の側面の画像が直接撮影されるのが好ましい。
【0029】
本装置はまた、光偏向器を含む光偏向システムを含む。光偏向器は、実質的に使用されない第1の動作位置と撮像センサ装置の方へ電磁放射を送ることができる位置に位置する第2の動作位置との間を移動可能である。第1の動作位置では、光偏向器は撮像センサ装置の視野の方に放射することができないように配置されるので、細長い物体の画像をさらに取得する助けにならない。さらに、第1の動作位置では、光偏向器は、搬送装置による細長い物体の移動や搬送を妨げない。それに対して、第2の動作位置では、光偏向器は、撮像センサ装置の方へ細長い物体の長手方向軸に対して平行に移動する電磁放射を偏光することができるような位置に配置されるので、撮像センサ装置の視野の方へ放射することができる。細長い物体の長手方向軸に対して平行に移動する電磁放射は、細長い物体そのものの一端に関連する情報を伝えるので、撮像センサ装置は細長い物体の端部の1つの画像を取得することができる。細長い物体の「端部」は、「間接的に」、すなわち、電磁放射を偏光させて撮像センサ装置の方へ向ける光偏向器を使用して、撮像センサ装置によって撮像することができるのが好ましい。
【0030】
比較的簡単な構造を使用して、本発明の装置は、細長い物体の側面および両端のうちの一方の両方の画像を取得することができる。撮像センサ装置は、細長い物体の様々な領域のこれらの画像を取得するために移動する必要がなく、特に高速で移動する必要がないが、より簡単な光偏向器は、例えば、光偏向器を移動させて第1の動作位置から第2の動作位置へ実質的に簡単に移動する。したがって、2つの異なる画像をかなり簡単な方法で取得できる。
【0031】
搬送装置により、細長い物体自体の長手方向軸に沿ってテストされる細長い物体の移動ならびに長手方向軸に従った細長い物体の回転が可能になる。
【0032】
上記光検知器は、細長い物体の端部の前に配置されるよう適合され、搬送方向に対して傾斜した面を有するプリズムを含むことが好ましい。搬送方向とプリズムの面の間に形成された角度は、約30°~約60°の間に含まれるのがより好ましく、その角度が約45°であるのがさらにより好ましい。
【0033】
有利なことに、プリズムは、三角断面および長方形の側面を有する光学プリズムである。こうした光学プリズムは、ガラス製が好ましい。プリズムは、かなり「頑健」かつ単純な構成要素で、プリズム自体に損傷を与えることなく移動可能である。プリズムの面と光軸の選択された角度は、例えば、30°~60°の間が好ましく、撮像センサ装置の方へ光を簡単に向け直すことができる。プリズムは、二等辺三角形の形状を有する三角形断面を有するのが好ましい。二等辺三角形は、90°の角度および2つの45°の角度を有するのが好ましく、それにより、こうした三角形断面は、基部および2つの脚を有する、正確な二等辺三角形になる。空中のガラスの臨界角は、42°なので、三角形断面の脚のうちの1つに対応する、プリズムの長方形の側面のうちの1つに対して垂直にプリズムの内部に入る入射光は、90°で反射される。こうしたプリズムは、内部に電子または機械のない、強い材料でできていて、高速で移動可能であるので有利である。
【0034】
搬送方向は、光軸に対して実質的に垂直であるのが好ましい。この場合、細長い物体の画像は、細長い物体の正しい寸法を取得するため、光軸と搬送方向の間の傾きがあるので綿密でなくてもよい。光軸と搬送方向の間が垂直であることにより、細長い物体の1つ以上の寸法あるいは特徴を得るため綿密な画像を単純化することができる。
【0035】
撮像センサ装置は、固定焦点カメラを含み、その搬送装置は、その撮像センサ装置の固定焦点面内にある搬送方向に沿って上記の細長い物体を搬送するよう適合されるのが、より好ましい。有利なことに撮像センサ装置は、固定焦点を有する。したがって、搬送方向は、撮像センサ装置の焦点面上にあるのが好ましく、それにより視野内にあるとき、細長い物体と常に焦点が合い、搬送方向に沿って位置を変えるいくつかの画像を撮影することができる。
【0036】
搬送装置は、長手方向軸の周りに細長い物体を回転させるよう適合されるのが好ましい。細長い物体の2つ以上の側面が、本発明の装置による画像を用いて捕捉可能である。
【0037】
上記第2の動作位置では、光偏向器は、搬送方向と光軸の間の幾何学的交点に位置するのが好ましい。この構成により、システムの形状を単純化し、画像の綿密さを減らして細長い物体の正確な本当の寸法を得ることができる。
【0038】
光偏向システムは、第2の動作位置が、第1の対で長手方向軸に対して平行に移動する電磁放射を、細長い物体の第1の端部の画像を取得するため上記撮像センサ装置の方へ偏向する第1のサブ位置および第2の対で長手方向軸に対して平行に移動する電磁放射を、細長い物体の第2の端部の画像を取得するため上記撮像センサ装置の方へ偏向する第2のサブ位置を含むように、光偏向器を回転するよう適合される光偏向器ホルダを含むのが好ましい。有利なことに、本発明の装置により、細長い物体を回転させることなく側面方向から、端部の方向から、および反対側の端部の方から細長い物体の画像を撮影することができる。回転が加わると、細長い物体の2側面以上を検出することができる。したがって、本発明の装置を用いて、実質的に細長い物体の全ての外部面を撮像可能である。
【0039】
画像センサ装置は、画像センサホルダおよび画像センサを含み、画像センサホルダは、光軸に沿って画像センサを移動するよう適合されるのが好ましい。有利なことに、画像センサは、光軸に沿ってのみ移動され、それにより画像センサは補足されるものに焦点を合わせる。したがって、様々な細長い物体を使用することができ、撮像センサ装置は搬送装置内に配置される細長い物体に焦点を合わせるため移動する。
【0040】
照明装置は、バックライトに面する細長い物体の表面を照射するように適合される、撮像センサ装置に対して搬送方向の反対側に光軸に沿って配置されるバックライトと撮像センサ装置に面する細長い物体の表面を照射するように適合される、撮像センサ装置に対して搬送方向と同じ側に光軸に沿って配置されるフロントライトのうち1つ以上を含むのが好ましい。有利なことに、照明装置により細長い物体の背後から撮像センサ装置の方へバックライトを生成することが可能になる。バックライトは、撮像センサ装置の感度に比べて十分強くてもよく、それにより、細長い物体が撮像センサ装置の方の光路内にある場合、バックライトは撮像センサ装置まで細長い物体の構成要素の間のいずれの空所も通過する。このように、バックライトにより、細長い物体の構成要素の位置を推定することが可能になる。有利なことに、照明装置により、撮像センサ装置から細長い物体の方へフロントライトを生成することが可能になり、それにより細長い物体の表面を照射することができる。フロントライトを使用して取得された画像は、細長い物体の長さを算出するため、または細長い物体上の包装紙の位置をチェックするために使用することができる。
【0041】
本発明による装置は、撮像センサ装置により取得された画像から細長い物体の寸法値を計算するよう適合された精密化ユニットを含むのが好ましい。細長い物体の様々な位置は(その長手方向軸に沿って移動し、回転させた後)、撮像センサ装置により捕捉することができる。撮像センサ装置により捕捉されたデータは、精密化ユニットに送られて処理される。有利なことに、そのデータは、例えば、細長い物体の楕円化、直径または長さを算出するため、または、例えば、細長い物体上の包装紙の位置をチェックするために使用される。
【0042】
通常、細長い物体は、円筒形であるが、任意の他の形状の細長い物体を本発明によりテストすることができる。
【0043】
細長い物体は、視野内の特定の位置に搬送装置により置かれるのが好ましい。
【0044】
撮像センサ装置の画像センサは、例えば、自動焦点式ではなく、固定焦点距離のカメラであるのが好ましい。精密化ユニット上で動作するアルゴリズムまたはソフトウェアは、カメラで撮影された画像の焦点が合っているかどうかを示し、撮像センサ装置の画像センサホルダにコマンドを送信してそれに応じてカメラを移動する。
【0045】
そうすることで、カメラから細長い物体への距離は、固定かつ既知の焦点距離に等しくなり、カメラで撮影されたすべての画像は、どのような細長い物体でも、同一縮尺同一焦点であり、互いにおよび基準と比較することができる。
【0046】
その第2の態様では、本発明は、長手方向軸を画定し、第1の端部および第2の端部を有する細長い物体の寸法に関連するデータを取得するための方法に関し、その方法は、光軸および視野を有する撮像センサ装置を提供し、長手方向軸に対して平行な搬送方向に沿って細長い物体を移動し、撮像センサ装置の視野内の光軸と角度を形成し、電磁放射により細長い物体を照射し、かつ細長い物体の端部のうちの1つの画像を形成するように上記撮像センサ装置の方へ長手方向軸に対して平行に移動する電磁放射を偏向させるステップを含む。
【0047】
本発明の第2の態様の利点については、第1の態様を参照しながら既に概説したことに類似するため、ここでは繰り返さない。
【0048】
電磁放射を偏光させるステップは、細長い物体の第1の端部の画像を形成するように細長い物体の第1の端部の前に配置された光偏向システムにより上記撮像センサ装置の方へ長手方向軸に対して平行に移動する電磁放射を偏向させるステップ、細長い物体の第2の端部の画像を形成するように第1の端部に対して軸方向に反対側の細長い物体の第2の端部の前に配置された光偏向システムにより上記撮像センサ装置の方へ長手方向軸に対して平行に移動する電磁放射を偏向させるステップのうちの少なくとも1つを含むのが好ましい。細長い物体の第1の端部または第2の端部の画像あるいはその両方は、光偏向システムを用いて取得可能である。単一光偏向システム、例えば、単一ミラーまたは単一プリズムは、細長い物体の両端の画像を取得するために使用され、使用される様々な構成要素の数を最小化することができる。
【0049】
細長い物体の第1の端部の画像を形成するように細長い物体の第1の端部の前に配置された光偏向システムにより上記撮像センサ装置の方へ長手方向軸に対して平行に移動する電磁放射を偏向させるステップと細長い物体の第2の端部の画像を形成するように第1の端部に対して軸方向に反対側の細長い物体の第2の端部の前に配置された光偏向システムにより、上記撮像センサ装置の方へ長手方向軸に対して平行に移動する電磁放射を偏向させるステップとの間に、この方法は光偏向システムを回転するステップを含むのが好ましい。その軸方向両端の画像を取得するために、細長い物体を回転する必要はなくてよい。
【0050】
細長い物体の第1の端部の画像を形成するように細長い物体の第1の端部の前に配置された光偏向システムにより、上記撮像センサ装置の方へ長手方向軸に対して平行に移動する電磁放射を偏向させるステップと細長い物体の第2の端部の画像を形成するように第1の端部に対して軸方向に反対側の細長い物体の第2の端部の前に配置された光偏向システムにより、上記撮像センサ装置の方へ長手方向軸に対して平行に移動する電磁放射を偏向させるステップとの間に、この方法は、搬送方向に沿って細長い物体を移動するステップを含むのが好ましい。第2の端部が光偏向システム内で撮像センサ装置の方へ反映可能なように、光偏向システムの回転が、細長い物体の移動と共に実施されるのが好ましい。
【0051】
この方法は、細長い物体の側面の画像を取得することを含み、その側面は細長い物体の長手方向軸に対して実質的に平行であるのが好ましい。この方法は、細長い物体の第1の側面の画像を取得すること、長手方向軸に沿って細長い物体を回転させること、および第1の側面に対して回転させた細長い物体の第2の側面の画像を取得することを含むのがより好ましい。細長い物体の2側面以上の画像が取得されてもよい。異なる側面の画像の数は、好ましくは約180度の長手方向軸に沿った回転に対して2つ、または、好ましくは180度より小さい角度の長手方向軸に沿った回転に対して2つ以上ある。したがって、細長い物体の横の面の画像を取得することができる。
【0052】
本発明による方法は、画像から上記細長い物体の寸法を決定することを含むのが好ましい。
【0053】
第2の態様の方法は、第1の態様の装置を用いて実施されるのが好ましい。
【0054】
本発明は、長手方向軸ならびに第1の端部および第2の端部を画定する細長い物体の寸法に関連するデータを取得するための装置に関し、装置は、視野内の細長い物体を撮像するよう適合される、視野および光軸を画定する撮像センサ装置と、視野内に細長い物体を配置し、細長い物体の長手方向軸に対して実質的に平行な搬送方向に細長い物体を搬送するよう適合され、光軸と角度を形成する搬送装置と、電磁放射を発して視野内の細長い物体を照射するよう構成される照明装置と、撮像センサ装置の視野の外側に位置する第1の動作位置と撮像センサ装置の視野内に位置する第2の動作位置との間で移動可能に適合され、細長い物体の第1の端部または第2の端部の画像を取得するように前述の撮像センサ装置の方へ長手方向軸に対して平行に移動する電磁放射を偏光するよう適合される光偏向器を含む光偏向システムと、を含む。
【図面の簡単な説明】
【0055】
本発明のさらなる有利な点は、非制限的に添付の図面を参照しながら、本発明を実施するための形態から明らかになろう。
図1図1~3は、3つの異なる動作上の配置における、本発明による細長い物体の寸法に関連するデータを取得するための装置の概略斜視図である。
図2】同上。
図3】同上。
【発明を実施するための形態】
【0056】
図を参照すると、本発明による細長い物体の寸法に関連するデータを取得するための装置は、全体として参照番号100で示されている。
【0057】
細長い物体10は、長手方向軸12ならびに第1の端部14および第2の端部16を画定する。
【0058】
装置100は、撮像センサ装置20、搬送装置30、照明装置40および光偏向システム50を含む。
【0059】
撮像センサ装置20は、視野22および光軸24を画定する。細長い物体10は、視野22内に位置し、それにより撮像センサ装置20は、細長い物体10を撮像する。さらに、撮像センサ装置20は、撮像センサ装置内で焦点を合わせられる物体がある平面である、焦点面を画定してもよい。
【0060】
搬送装置30は、細長い物体10に関連付けられる(図中では単純化のため、搬送装置30を図1、2にのみ示す)。搬送装置30は、視野22に細長い物体10を配置し、細長い物体10の長手方向軸12に対して実質的に平行な搬送方向32に細長い物体10を搬送する。搬送方向32は、光軸24と角度を形成する。
【0061】
搬送方向32は、光軸32に対し実質的に垂直であるのが好ましく(図1~3を参照)、搬送方向32は、図2の矢印で示されている。
【0062】
搬送装置30はまた、長手方向軸12の周りに細長い物体10を回転させることができる。
【0063】
画像センサ装置20は、画像センサ26および画像センサホルダ28を含む(図中では単純化のため、画像センサホルダ28を図1にのみ示す)。画像センサホルダ28は、光軸24に沿って画像センサ26を移動する。
【0064】
画像センサ26は、固定焦点カメラであってもよく、搬送装置30は、搬送方向32に沿って撮像センサ装置20の固定焦点面内にある細長い物体10を移動するのが好ましい。
【0065】
照明装置40は、図1に示すように、電磁放射を発して、視野22内の細長い物体10を照射する(図中では単純化のため、照明装置40を図1にのみ示す)。
【0066】
図1の非限定的な例に示すように、照明装置40は、搬送方向に対して撮像センサ装置20と反対側に光軸24に沿って配置されるバックライト42を含む。バックライト42は、バックライト42に面する細長い物体10の表面18を照射する。
【0067】
あるいはまたはさらに、照明装置40は、搬送方向に対して撮像センサ装置20と同じ側に光軸24に沿って配置されるフロントライト(図示せず)を含む。フロントライトは、撮像センサ装置20に面する細長い物体10の表面を照射する。
【0068】
光偏向システム50は、光偏向器52および光偏向器ホルダ54を含む。
【0069】
光偏向器52は、撮像センサ装置20の視野22の外側に位置する第1の動作位置(図1参照)と撮像センサ装置20の視野22内に位置する第2の動作位置(図2、3参照)との間を移動可能である。光偏向器52は、細長い物体10の第1の端部14または第2の端部16の画像を取得するように撮像センサ装置20の方へ長手方向軸12に対して平行に移動する電磁放射を偏光する(図2および図3をそれぞれ参照)。
【0070】
図2および3の非限定的な例では、光検出器52は、細長い物体10の2つの端部14、16それぞれの前に配置されるプリズムを含む。プリズムは、搬送方向32に対して傾斜した面53を有する。
【0071】
搬送方向32とプリズムの面53の間に形成される角度は、約30°~約60°の間に含まれるのが好ましく、こうした角度は約45°であるのがより好ましい(図2、3参照)。
【0072】
第2の動作位置では、光偏向器52は、搬送方向32と光軸24の間の幾何学的交点に位置する(図2参照)。光偏向器52は、細長い物体10の長手方向軸12に沿って配置される。
【0073】
光偏向器ホルダ54は、第2の動作位置が、図2および3にそれぞれ示す、第1のサブ位置および第2のサブ位置を含むように、光偏向器52を回転させる。第1のサブ位置では、電磁放射は、細長い物体10の第1の端部14の画像を取得するように第1の対で、長手方向軸12に対して平行に移動し、撮像センサ装置20の方へ偏向される。第2のサブ位置では、電磁放射は、細長い物体10の第2の端部16の画像を取得するように第2の対で、長手方向軸12に対して平行に移動し(実質的に第1の対の逆)、撮像センサ装置20の方へ偏向される。
【0074】
装置100はさらに、撮像センサ装置20により取得された画像から細長い物体10の寸法値を計算する精密化ユニット(図示せず)を含む。
【0075】
装置100の動作は上記よりすでに明らかであり、以下にそれを示す。
【0076】
細長い物体10は、長手方向軸12に対して平行に搬送方向32に沿って移動され、撮像センサ装置20の視野22内で光軸24と約90°の角度を形成するのが好ましい。そして、細長い物体10は、撮像センサ装置20の視野内の位置に配置される。
【0077】
細長い物体に対する撮像センサ装置20の位置は、例えば、搬送方向が撮像センサ装置20の焦点面内にあるように、その光軸に沿って撮像センサ装置20を移動して、調整するのが好ましい。しかし、別の装置を用いて以下の方法を実施してもよい。
【0078】
細長い物体10を電磁放射により照射する。それを搬送方向に対して実質的に垂直に向けられた電磁放射を用いて照射するのが好ましい。
【0079】
細長い物体が撮像センサ装置20の視野内にある場合、搬送方向に対して撮像センサ装置20と同じ側に位置する細長い物体10の側面の画像を撮像センサ装置20により取得するのが好ましい。そして、細長い物体10は、長手方向軸12に沿って約180°回転され、ここで撮像センサ装置に同様に面する細長い物体の反対側の画像が撮影されるのが好ましい。
【0080】
細長い物体10が撮像センサ装置20の前に配置される前に、光偏向器システムの光偏向器52が図1に示す撮像センサ装置20の視野から離れる第1の動作位置から、図2に示すように光軸と搬送方向の間の交点である第2の動作位置へ配置されるのが好ましい。長手方向軸12に対して平行に移動する電磁放射は、撮像センサ装置20の方へ偏向され、それにより細長い物体10の端部14、16のうちの1つの画像、好ましくは第1の端部14を撮像センサ装置20により形成することができる。
【0081】
具体的には、長手方向軸12に対して平行に移動する電磁放射は、細長い物体10の第1の端部14の画像を形成するように光偏向システム50が細長い物体10の第1の端部14の前に配置される場合、光偏向システム50により偏向される。この第1の構成では、光偏向器ホルダ54は、上述の第2の動作位置の第1のサブ位置で光偏向器52を回転させる(図2参照)。
【0082】
細長い物体10の一端部の画像が撮影された後、光偏向システム50は、第1の動作位置に戻るのが好ましい。その後、細長い物体10は、搬送方向に沿って移動される。図3に示すように、細長い物体が撮像センサ装置20の視野内に移動されると、例えば、細長い物体の1つまたは2つの側面の画像が撮影され、その後、光偏向システムは第2の動作位置に戻る。
【0083】
長手方向軸12に対して平行に移動する電磁放射は、偏向システム50が第1の端部14に対して軸方向に反対側の細長い物体10の第2の端部16の前に配置される場合、光偏向システム50により偏向され、それにより、細長い物体10の第2の端部16の画像を撮像センサ装置20により形成することができる。この第2の構成では、光偏向器ホルダ54は、上述の第2の動作位置の第2のサブ位置で光偏向器52を回転させる(図3参照)。
【0084】
したがって、上述の第1のサブ位置と第2のサブ位置の間で、光偏向システム50の光偏向器52が回転され、第2の位置は、光偏向器52の角度位置が異なる2つのサブ位置を含むことになる。
【0085】
さらに、上述の第1のサブ位置と第2のサブ位置の間で、細長い物体10は搬送方向32に沿って移動される。
【0086】
装置100の動作は、細長い物体10の側面の画像を取得することを含むのが好ましい。この側面は、細長い物体10の長手方向軸12に対して実質的に平行である。
【0087】
細長い物体10の第1の側面の画像を取得し、そして、細長い物体10を長手方向軸12に沿って回転させ、かつ第1の側面に対して回転させた細長い物体10の第2の側面の画像を取得することがより好ましい。
図1
図2
図3