IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ピジョン株式会社の特許一覧

特許7155019搾乳器用接続構造、及び搾乳器アセンブリー
<>
  • 特許-搾乳器用接続構造、及び搾乳器アセンブリー 図1
  • 特許-搾乳器用接続構造、及び搾乳器アセンブリー 図2
  • 特許-搾乳器用接続構造、及び搾乳器アセンブリー 図3
  • 特許-搾乳器用接続構造、及び搾乳器アセンブリー 図4
  • 特許-搾乳器用接続構造、及び搾乳器アセンブリー 図5
  • 特許-搾乳器用接続構造、及び搾乳器アセンブリー 図6
  • 特許-搾乳器用接続構造、及び搾乳器アセンブリー 図7
  • 特許-搾乳器用接続構造、及び搾乳器アセンブリー 図8
  • 特許-搾乳器用接続構造、及び搾乳器アセンブリー 図9
  • 特許-搾乳器用接続構造、及び搾乳器アセンブリー 図10A
  • 特許-搾乳器用接続構造、及び搾乳器アセンブリー 図10B
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-07
(45)【発行日】2022-10-18
(54)【発明の名称】搾乳器用接続構造、及び搾乳器アセンブリー
(51)【国際特許分類】
   A61M 1/06 20060101AFI20221011BHJP
【FI】
A61M1/06
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2018564634
(86)(22)【出願日】2018-01-25
(86)【国際出願番号】 JP2018002354
(87)【国際公開番号】W WO2018139554
(87)【国際公開日】2018-08-02
【審査請求日】2021-01-20
(31)【優先権主張番号】201710061302.3
(32)【優先日】2017-01-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】000112288
【氏名又は名称】ピジョン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100098796
【弁理士】
【氏名又は名称】新井 全
(74)【代理人】
【識別番号】100121647
【弁理士】
【氏名又は名称】野口 和孝
(74)【代理人】
【識別番号】100187377
【弁理士】
【氏名又は名称】芳野 理之
(72)【発明者】
【氏名】▲陳▼ ▲麗▼▲嬌▼
(72)【発明者】
【氏名】落合 志文
【審査官】小林 睦
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-237717(JP,A)
【文献】中国実用新案第205287048(CN,U)
【文献】国際公開第02/081003(WO,A1)
【文献】米国特許第05358476(US,A)
【文献】特表2015-529118(JP,A)
【文献】特開2015-030491(JP,A)
【文献】特開2015-116431(JP,A)
【文献】米国特許第05347671(US,A)
【文献】米国特許第06378731(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 1/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
搾乳器に用いるアダプター母乳保存袋を搾乳器用接続構造に挟持固定するためのクリップと、
を備え、
前記アダプターは、
中空の管状に形成される本体部と、
中空の管状に形成される第1口径を有する第1接続部であって、前記本体部の第1端に設けられ、搾乳器及び母乳保存袋のうちいずれか一方に連結される第1接続部と、
中空の管状に形成される前記第1口径よりも大きい第2口径を有する第2接続部であって、前記本体部の第2端に設けられ、搾乳器及び母乳保存袋のうちの他方に連結される第2接続部と、
前記本体部の外面に位置し、前記母乳保存袋を前記アダプターに固定するクリップが、前記本体部の第1端から前記本体部の長手方向に滑脱することを防止する第1保持構造と、を備え
前記クリップは、クリップアームとハンドルとを含み、
前記クリップアームは、対向して設けられる左側クリップ本体と右側クリップ本体とを含み、前記左側クリップ本体と前記右側クリップ本体はいずれも弾性を有し、それぞれハンドルに連結され、
前記左側クリップ本体と前記右側クリップ本体は、それぞれ弧形をなすことにより、前記クリップアーム全体が、前記左側クリップ本体と前記右側クリップ本体との間において前記ハンドルを連結するための箇所にて切欠を有するC型構造になっており、
前記ハンドルは、一端部が前記左側クリップ本体に連結され、他端部が前記右側クリップ本体に連結されるU型構造をなしており、前記ハンドルは弾性を有し、前記ハンドルを押すことで、前記左側クリップ本体と前記右側クリップ本体とが互いに離れていくことを特徴とする搾乳器用接続構造
【請求項2】
前記第1保持構造は、第1接続部に近接して設けられ、前記第1接続部の外面に第1ネジが設けられ、及び/又は、前記第2接続部の外面に第2ネジが設けられ、さらに、前記第1保持構造は、前記本体部の外面に形成された突起である、
ことを特徴とする請求項1に記載の搾乳器用接続構造
【請求項3】
前記アダプターは、前記第1接続部の端口部から前記第2接続部の端口部まで延びる円錐台形状に形成される、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の搾乳器用接続構造
【請求項4】
前記本体部の第2端に位置し、前記母乳保存袋を前記アダプターに固定するクリップが、前記本体部の第2端から前記本体部の長手方向に滑脱することを防止する第2保持構造、をさらに備え、前記第2接続部は、全体の直径が、前記本体部の直径よりも大きい前記第2口径と等しく形成され、前記第2保持構造は、前記本体部の第2端と前記第2接続部との間に形成された段差である、ことを特徴とする請求項1乃至3のうち何れか一項に記載の搾乳器用接続構造
【請求項5】
前記段差の表面は、流線型をして形成される、ことを特徴とする請求項4に記載の搾乳器用接続構造
【請求項6】
前記クリップは、前記母乳保存袋内のエアーを排出するためのエアー押圧部をさらに含み、前記エアー押圧部は、前記ハンドルの前記クリップアームが設けられた側とは反対側の端に位置するように前記ハンドルに設けられる、ことを特徴とする請求項に記載の搾乳器用接続構造。
【請求項7】
前記エアー押圧部は、対向して設けられる2本の押圧脚部を含み、
2本の前記押圧脚部の間には、母乳保存袋を収容するための押圧隙間が形成されている、ことを特徴とする請求項に記載の搾乳器用接続構造
【請求項8】
母乳保存袋が連結されている前記搾乳器を支持するための搾乳器支持台、をさらに備え、
前記搾乳器支持台は、支持本体が設けられている台座を備え、前記支持本体は、前記クリップを水平に保持できるように、その頂端が前記クリップの前記ハンドルに固定連結されている、ことを特徴とする請求項に記載の搾乳器用接続構造
【請求項9】
前記支持本体が支持ロッドである、ことを特徴とする請求項に記載の搾乳器用接続構造
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、搾乳器及び母乳保存袋を着脱可能に連結する搾乳器に用いるアダプターに関し、特に、2種類の異なる接続口径の搾乳器とフィットして連結できるアダプターに関する。本発明は、さらに、搾乳器用接続構造及び搾乳器アセンブリーに関する。
【背景技術】
【0002】
搾乳器アセンブリーは、母乳を搾乳するための搾乳器と、搾乳器を連結するアダプターと、アダプターに繋がり、搾乳した母乳を収集するための母乳保存容器と、を備える。母乳保存容器は、一般的に、硬質のプラスチック製哺乳瓶又はポリ袋である。ポリ袋を母乳保存容器として用いていれば、母乳を収集した後すぐに封止して冷蔵庫に入れて冷蔵または冷凍保存することができ、母乳の保存や利用前の加熱をしやすい。既存のアダプター(例えば、特許文献1を参照)は一般筒状又は管状構造であり、搾乳器を連結するための基準径の上端開口部を有するとともに、母乳保存容器としてのポリ袋を連結するための下端開口部をも有する。アダプターの両側にてポリ袋を挟んで、母乳を収集したポリ袋がアダプターから脱落することを防止するクリップをさらに備える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2015-116431A号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述のような従来技術のアダプターは、その上端開口部の口径とフィットする1種類の口径の搾乳器をしか連結できない。しかし、実際に販売されている様々なブランドの搾乳器がアダプターに連結される部材の接続口径が異なっており、例えば、標準径と広口径に分けられている。このため、2種類の異なる接続口径の搾乳器を利用しようとしたり、2つの異なる口径のアダプターを用意しなければならず、無駄遣いを招く。一方、特許文献1に記載されたように、母乳保存袋をクリップで挟んでその脱落を防止する方式は、収集した母乳の重量にクリップが耐えない場合、母乳保存袋がアダプターから脱落する可能性が依然としてある。
【0005】
本発明は、2種類の異なる接続口径の搾乳器と連結することができるとともに、母乳保存袋に収集した通常1回の搾乳で搾乳された母乳を、母乳保存袋との連結を安定して保持できる搾乳器に用いるアダプターを提供することがその目的の一つである。本発明は、搾乳器用接続構造及び搾乳器アセンブリーをさらに提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した少なくとも1つの課題を解決するために、本発明の一態様によれば、搾乳器に用いるアダプター母乳保存袋を搾乳器用接続構造に挟持固定するためのクリップと、を備え、前記アダプターは、中空の管状に形成される本体部と、中空の管状に形成される第1口径を有する第1接続部であって、前記本体部の第1端に設けられ、搾乳器及び母乳保存袋のうちいずれか一方に連結される第1接続部と、中空の管状に形成される前記第1口径よりも大きい第2口径を有する第2接続部であって、前記本体部の第2端に設けられ、搾乳器及び母乳保存袋のうちの他方に連結される第2接続部と、前記本体部の外面に位置し、前記母乳保存袋を前記アダプターに固定するクリップが、前記本体部の第1端から前記本体部の長手方向に滑脱することを防止する第1保持構造と、を備え、前記クリップは、クリップアームとハンドルとを含み、前記クリップアームは、対向して設けられる左側クリップ本体と右側クリップ本体とを含み、前記左側クリップ本体と前記右側クリップ本体はいずれも弾性を有し、それぞれハンドルに連結され、前記左側クリップ本体と前記右側クリップ本体は、それぞれ弧形をなすことにより、前記クリップアーム全体が、前記左側クリップ本体と前記右側クリップ本体との間において前記ハンドルを連結するための箇所にて切欠を有するC型構造になっており、前記ハンドルは、一端部が前記左側クリップ本体に連結され、他端部が前記右側クリップ本体に連結されるU型構造をなしており、前記ハンドルは弾性を有し、前記ハンドルを押すことで、前記左側クリップ本体と前記右側クリップ本体とが互いに離れていくことを特徴とする搾乳器用接続構造が提供される。
【0007】
上記搾乳器用接続構造において、さらに、前記第1保持構造は、第1接続部に近接して設けられ、前記第1接続部の外面に第1ネジが設けられ、及び/又は、前記第2接続部の外面に第2ネジが設けられ、さらに、前記第1保持構造は、前記本体部の外面に形成された突起である。
【0012】
上記搾乳器用接続構造において、さらに、前記アダプターは、前記第1接続部の端口部から前記第2接続部の端口部まで延びる円錐台形状に形成される。
【0014】
上記搾乳器用接続構造において、さらに、前記アダプターは、前記本体部の第2端に位置し、前記母乳保存袋を前記アダプターに固定するクリップが、前記本体部の第2端から前記本体部の長手方向に滑脱することを防止する第2保持構造、をさらに備え、前記第2接続部は、全体の直径が、前記本体部の直径よりも大きい前記第2口径と等しく形成され、前記第2保持構造は、前記本体部の第2端と前記第2接続部との間に形成された段差である。
【0016】
上記搾乳器用接続構造において、さらに、前記段差の表面は、流線型をして形成される
【0021】
上記搾乳器用接続構造において、さらに、前記クリップは、前記母乳保存袋内のエアーを排出するためのエアー押圧部をさらに含み、前記エアー押圧部は、前記ハンドルの前記クリップアームが設けられた側とは反対側の端に位置するように前記ハンドルに設けられる。
【0022】
上記搾乳器用接続構造において、さらに、前記エアー押圧部は、対向して設けられる2本の押圧脚部を含み、2本の前記押圧脚部の間には、母乳保存袋を収容するための押圧隙間が形成されている。
【0024】
上記搾乳器用接続構造において、さらに、前記搾乳器用接続構造は、母乳保存袋が連結されている前記搾乳器を支持するための搾乳器支持台、をさらに備え、前記搾乳器支持台は、支持本体が設けられている台座を備え、前記支持本体は、前記クリップを水平に保持できるように、その頂端が前記クリップの前記ハンドルに固定連結されている。
【0025】
上記搾乳器用接続構造において、さらに、前記支持本体が支持ロッドである。
【発明の効果】
【0027】
本発明の実施形態によれば、搾乳器に用いるアダプターの両端部にそれぞれ異なる口径を有する第1接続部と第2接続部とを設けることで、異なる接続口径の搾乳器と連結することができる。アダプターの外面にクリップを保持するための保持構造を設けることによって、母乳保存袋を固定するためのクリップがアダプターから滑脱することを防止し、母乳保存袋に収集した通常1回の搾乳で搾乳された母乳を、アダプターと母乳保存袋との連結を安定して保持することができる。さらに、クリップにエアー押圧部を設けていれば、利用者は、他の道具を別途用意することなく、クリップを用いた母乳保存袋内のエアー排出が便利にできる。また、搾乳器支持台を設けることで、利用者が搾乳器及び関連部材を安定して載置しやすくなる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
本願の一部を構成する図面は、本発明をさらに理解させるためのものであり、また、本発明における概念的実施例及びその説明は本発明を説明するためのものであり、本発明を不当に限定するものではない。図面において、
図1】本発明の第1実施形態における搾乳器アセンブリーの斜視図である。
図2】本発明の第1実施形態におけるアダプターの斜視図である。
図3】本発明の第1実施形態におけるクリップの斜視図である。
図4】本発明の第1実施形態におけるクリップがアダプターの外面に挟持して保持されることを示す図である。
図5】本発明の他の実施形態におけるアダプターの斜視図である。
図6】本発明の他の実施形態におけるクリップの斜視図である。
図7】本発明の他の実施形態におけるクリップの斜視図である。
図8】本発明の他の実施形態における支持台の斜視図である。
図9】本発明の第1実施形態における他の例のクリップの斜視図である。
図10A】本発明の第1実施形態における他の例の第1保持構造の斜視図である。
図10B】クリップが図10Aにおける第1保持構造を挟持している状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、本発明による搾乳器に用いるアダプター、搾乳器用接続構造、及び搾乳器アセンブリーの実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、以下で説明する実施形態は、本発明の具体例であり、本発明の技術範囲を限定するものではない。衝突しない限り、本願の実施例及び実施例中の構成要件を組み合わせることができる。
【0030】
<第1実施形態>
[搾乳器アセンブリーの全体構成]
本発明の第1実施形態による搾乳器アセンブリー100について説明する。
図1に示すように、搾乳器アセンブリー100は、通常、母乳を搾乳する搾乳器20と、搾乳器20に連結されるアダプター10と、母乳保存袋50と、を備え、母乳保存袋50は、アダプター10に連結され、搾乳した母乳を収集するためのものであり、一般的には、可撓性ポリ袋が使われ、搾乳器アセンブリー100は、母乳保存袋50をアダプター10に安定して保持する保持部材、本実施形態ではクリップ30をさらに備える。
【0031】
[搾乳器]
母乳を搾乳する搾乳器20は、本分野にて周知されるものであり、乳房上にフィットするフード部と、フード部に連結されてフード部内に真空(負圧)を生成する真空ポンプとを備えてもよく、さらに、後述するアダプター10と連結する搾乳器接続部を備えてもよい。真空ポンプは、手動真空ポンプ(例えば、手持ち型ピストンポンプ)であるか、電動モーターにより駆動されるとともに配管を介してフード部に連通する電動真空ポンプであってもよい。真空ポンプは、フード部に圧力を間欠的に発生させ、最も代表的には、真空(又は負圧)を発生させ、これにより、乳房の引っ張り及び/又は搾りを行うための吸引動作を間欠的に発生させ、母乳を搾り出す。搾り出した母乳は、保存又は将来の使用のために、通常、フード部から搾乳器接続部と連結するアダプター10を介して、ビン又はバッグ等の母乳保存容器50に流入する。搾乳器接続部は、通常、液体通路を有する管状又は円筒状構造になっている。そして、搾乳器のモデルによって、搾乳器接続部の口径は標準径であってもよいし、広口径であってもよい。搾乳器接続部とアダプター10との連結形態は、例えば、螺合、締結等、適切な形態であればよい。
【0032】
アダプター10は、搾乳器20に着脱可能に連結されている。また、本発明において、母乳保存袋を母乳保存容器50として用いる。
[アダプター]
図1図2に示すように、アダプター10は、搾乳器20と母乳保存容器50とを連結するとともに、搾乳器20で搾乳した母乳を母乳保存容器50に導くためのものであり、アダプター10は、2種類の異なる搾乳器接続部の口径を有する搾乳器20に連結されることができる。
【0033】
本発明におけるアダプター10は、中空の管状又は円筒状に形成され、母乳等の液体を導くことに適した本体部14を備える。
【0034】
アダプター10は、中空の管状又は円筒状に形成され、前記本体部14の第1端に設けられる第1口径を有する第1接続部11をさらに備えてもよく、この第1接続部11は、第1接続口径を有する搾乳器20と連結することに適している。そして、第1接続部11は、搾乳器20とフィットするコネクタ形態を有し、例えば、第1接続部11の外面にはネジ、締結部品等が設けられている。
【0035】
さらに、アダプター10は、中空の管状に形成され、前記本体部14の第2端に設けられる第2口径を有する第2接続部12をさらに備えてもよく、この第2接続部12は、第2接続口径を有する搾乳器20と連結することに適している。そして、第2接続部12は、搾乳器20とフィットするコネクタ形態を有し、例えば、第2接続部12の外面にはネジ、締結部品等が設けられている。
【0036】
本実施形態において、説明の便宜上、第1口径を標準径とし、第2口径を広口径とし、第2口径が第1口径よりも大きいとする。しかし、本発明では、第2口径が、基準径である第1口径よりも大きいとは限らず、標準径である第1口径よりも小さく形成されてもよく、本発明の思想に応じてアダプター10及び関連構造を変形させればよい。
【0037】
第1接続部11及び第2接続部12は、さらに、後述する母乳保存袋50と連結することに適している。母乳保存袋50の連結には、第1接続部11を用いて搾乳器20と連結していれば、第2接続部12を用いて母乳保存袋50と連結することになり、逆に、第2接続部12を用いて搾乳器20と連結していれば、第1接続部11を用いて母乳保存袋50と連結することになる。
【0038】
また、本実施形態において、図2に示すように、アダプター10は、その本体部14が第1接続部11と同一の断面直径を有するとともに、第1接続部11の端口から本体部14に延びる円筒状構造になっている。そして、第2接続部12は、その端口部から本体部14に一定の長さだけ延びる円筒状構造であり、この長さの範囲内の円筒状構造は、第2接続部12の口径と等しい断面直径を有する。これにより、本体部14と第2接続部12との連結箇所にて段差16が形成される。本実施形態において、この段差16は、外面が流線型をして形成される。しかし、本発明はこれには限定されず、この段差16は、本体部14の直径から第2接続部12の直径へと急に変わる構造としてもよい。
【0039】
さらに、アダプター10は、前記本体部14の外面に位置し、母乳保存袋50をアダプター10に固定する後述するクリップ30が、本体部14の円筒の中心軸の軸方向(つまり、本体部14の長手方向)に滑脱することによって、クリップ30に挟持された母乳保存袋50が本体部14から脱落することを防止するための第1保持構造13、をさらに備えてもよい。
【0040】
本実施形態において、第1保持構造13は、本体部14の第1接続部11に近接した場所に設けられ、つまり、第1保持構造13は、第1接続部11の端口部からの距離が、第2接続部12の端口部からの距離よりも小さく形成される。このようにして、第1保持構造13は、第2接続部12を用いて搾乳器20と連結しながら、第1接続部11を用いて母乳保存袋50と連結する場合、母乳保存袋50をアダプター10に固定するクリップ30が、本体部14の第1端から本体部14の円筒の中心軸の軸方向(つまり、本体部14の長手方向)に滑脱することを防止するように作用する。一方、第1接続部11を用いて搾乳器20と連結しながら、第2接続部12を用いて母乳保存袋50と連結する場合、上記段差16は、母乳保存袋50をアダプター10に固定するクリップ30が、本体部14の第2端から本体部14の円筒の中心軸の軸方向(つまり、本体部14の長手方向)に滑脱することを防止する第2保持構造を構成する。
【0041】
本実施形態において、第1保持構造13は、本体部14の外面に形成された突起になっている。この突起は、本体部14の外面からこの外面に垂直な方向に沿って一定の幅を有し、この幅は後述するクリップ30を安定して保持することに適している。突起は、多様な方式で設けてもよい。例えば、アダプター10を鉛直に置いて見る場合、突起は、本体部14の外面に同一の高さで均一に設けられた複数の非連続的なものになり、突起は、また、前記外面の周方向に延びる連続する凸条になってもよい。
【0042】
また、第1保持構造13は、本体部14の外面上にて、並列に延びる2本の凸条を設ける構成としてもよい。図10Aに示すように、第1保持構造13は、上凸条13aと下凸条13bを備え、クリップ30を保持するように上凸条13aと下凸条13bの間の距離はクリップ30の幅に適応する。図10Bに示すように、第1保持構造13を採用してクリップ30を保持させる場合、クリップ30は上凸条13aと下凸条13bとの間により安定に保持できます。
【0043】
本発明の第1保持構造13の配置は上述した様々な方式には限定されず、本発明の思想に応じてクリップ30を保持するものであればよい。
【0044】
また、第2保持構造は、第1保持構造13の構造のように設けてもよい。例えば、第2保持構造、本体部14の外面に形成された突起17になっている。この突起17は、本体部14の外面からこの外面に垂直な方向に沿って一定の幅を有し、この幅は後述するクリップ30を安定して保持することに適している。突起17は、多様な方式で設けてもよい。例えば、アダプター10を鉛直に置いて見る場合、突起17は、本体部14の外面に同一の高さで均一に設けられた複数の非連続的なものになり、突起17は、また、前記外面の周方向に延びる連続する凸条になってもよい。また、本体部14の外面上にて、並列に延びる2本の凸条を設けるとともに、クリップ30を保持するように2本の凸条間の距離がクリップ30の幅に適応する構成としてもよい。
【0045】
[母乳保存袋]
母乳保存袋50は、例えば、ポリエチレン等の食品と相溶性のあるプラスチックからなる母乳保存袋等、本分野に知られている様々な母乳保存袋を用いてもよく、その材質が一般的に、柔らかくて、開状態では袋内部を通じたり、閉状態では袋を封止したりする再封可能又は再閉可能な封止部材を有し、例えば、封止部材が「ファスナー」型閉鎖部材又はその等価物である。
【0046】
開状態において、アダプター10の搾乳器20が連結されていない一端が、母乳保存袋50に適当な長さだけ挿入し、この長さは、搾乳した母乳が、連結箇所から溢れ出ることなく、アダプター10を介して母乳保存袋50に導かされることに適している。
【0047】
母乳保存袋50は、材質が柔らかいため、母乳が流れ込むときにアダプター10に安定して連結されることができるように、一般的には、補助手段によりアダプター10に保持される必要がある。挟持によりその位置を規定してもよい。本発明において、後述するクリップ30を用いて母乳保存袋50をアダプター10に連結させ、母乳保存袋50がアダプター10から滑脱することを回避する。
【0048】
[クリップ]
上述したように、クリップ30を用いて母乳保存袋50をアダプター10の外面に保持している。クリップ30は、母乳保存袋50を挟持するとともに、安定的な挟持を可能にするために、アダプター10の外部形状とフィットしているべきである。クリップ30は、
さらに、母乳保存袋50のアダプター10からの着脱を簡便にするように構成されるべきである。図3に示すように、このようなクリップ30は、クリップアームとハンドル31とを含む。クリップアームは、対向して設けられる左側クリップ本体32と右側クリップ本体33とを含み、左側クリップ本体32と右側クリップ本体33はいずれも弾性を有し、それぞれハンドル31に連結されている。アダプター10の外部形状とフィットするために、左側クリップ本体32と右側クリップ本体33は、それぞれ弧形をなすことにより、クリップアーム全体が、左側クリップ本体32と右側クリップ本体33との間において前記ハンドル31を連結するための箇所にて切欠を有するC型構造になっていることが好ましい。
【0049】
ハンドル31は、一端部が左側クリップ本体32に連結され、他端部が右側クリップ本体33に連結されるU型構造をなしており、ハンドル31は弾性を有し、そして、利用者がハンドル31のU型構造を押してU型構造の開口部に圧力を付与する場合、モーメントによって左側クリップ本体32と右側クリップ本体33とが互いに離れていくことにより、C型構造の開口部が開けられる。
【0050】
ハンドル31の構造は、これには限定されない。例えば、通常の洗濯バサミに類似した構造としてもよい。図9に示すように、ハンドルの末端同士が連結されておらず、つまり、左側クリップ本体32とそれに繋がるハンドルとが一体になっているとともに、右側クリップ本体33とそれに繋がるハンドルとが一体になっており、両部分はハンドルの末端にて切り離され、ハンドルの末端に近い部分にバネが設けられ、ハンドルの外側を押すことでバネに力をかけ、バネの弾性力によって、左側クリップ本体32および右側クリップ本体33が開かれる。このような構造において、クリップ30の左側クリップ本体32および右側クリップ本体33がアダプター10の形状に合うように、左側クリップ本体32および右側クリップ本体33もそれぞれ弧形をなしている。
【0051】
図4に示すように、本実施形態において、第1接続部11を用いて搾乳器20と連結しながら、第2接続部12を用いて母乳保存袋50と連結する場合、クリップ30は、アダプター10の段差16に係合し、つまり、段差16から構成される第2保持構造は、クリップ30がアダプター10の軸方向(つまり、本体部14の長手方向)に沿って第2接続部12の端口部から滑脱することを防止する。
【0052】
本実施形態において、第2接続部12を用いて搾乳器20と連結しながら、第1接続部11を用いて母乳保存袋50と連結する場合、クリップ30は、アダプター10の第1保持構造13に係合し、つまり、第1保持構造13は、クリップ30がアダプター10の軸方向(つまり、本体部14の長手方向)に沿って第1接続部11の端口部から滑脱することを防止する。
【0053】
[技術効果]
上述したとおり、本発明は、2つの異なる口径の接続部を有するアダプターを構造することにより、2種類の異なる口径の搾乳器接続部を有する搾乳器と連結することができ、搾乳器に用いるアダプターの利用可能性を高め、口径が異なる接続口径を用いた搾乳器のために支出することを軽減する。そして、母乳保存袋を挟持するクリップの脱落を防止する保持部材をアダプターに設けることで、母乳保存袋自体の重量に影響されずに母乳保存袋を安定して保持することができる。
【0054】
以上の説明は、搾乳器アセンブリー全体を例として行われている。なお、アダプター10が搾乳器アセンブリーの他の部材と独立して存在してもよいし、アダプター10とクリップ30とがセットとなって、搾乳器アセンブリーの他の部材と独立して存在してもよい。
【0055】
<第2実施形態>
以下、本発明の第2実施形態に係わる搾乳器アセンブリー100について説明する。第2実施形態において、第1実施形態の搾乳器アセンブリー100と同一の構造についてはその説明を省略するが、第1実施形態の搾乳器アセンブリー100と異なる要素に重点を置いて説明する。そして、第1実施形態と同一の要素については、第1実施形態と同一の符号を付する。
【0056】
本実施形態におけるアダプター10は、第1実施形態のアダプター10とは異なる構造になる。
本実施形態のアダプター10も、本体部14と、中空の管状又は円筒状に形成され、前記本体部14の第1端に設けられる第1口径を有する第1接続部11とを備え、この第1接続部11は、第1接続口径を有する搾乳器20と連結することに適している。そして、第1接続部11は、搾乳器20と連結するコネクタ形態を有し、例えば、第1接続部11の外面にはネジ、締結部品等が設けられている。本実施形態において、第1接続部11の外面には、全体として後述する第2接続部12へ傾斜するネジが設けられることが好ましく、このように設けるのは、より多くの搾乳器20との連結を可能にすることがその目的である。
【0057】
さらに、アダプター10は、中空の管状に構造され、前記本体部14の第2端に設けられる第2口径を有する第2接続部12をさらに備えてもよく、この第2接続部12は、第2接続口径を有する搾乳器20と連結することに適している。そして、第2接続部12は、搾乳器20と連結するコネクタ形態を有し、例えば、第2接続部12の外面にはネジ、締結部品等が設けられている。
【0058】
本実施形態において、第1実施形態と同様に、第1口径を標準径とし、第2口径を広口径とし、第2口径が第1口径よりも大きい。しかし、本発明では、第2口径が、いつも基準径である第1口径よりも大きいとは限らず、基準径である第1口径よりも小さく形成されてもよい。
【0059】
第1実施形態と同様に、第1接続部11及び第2接続部12は、後述する母乳保存袋50と連結することにも適している。
本実施形態において、図5に示すように、アダプター10は、前記第1接続部11の端口部から第2接続部12の端口部に延びる円錐台形状構造になっている。
【0060】
前記本体部14の外面に位置し、母乳保存袋50をアダプター10に固定するクリップ30が、本体部14の軸方向(つまり、本体部14の長手方向)に滑脱することによって、クリップ30に挟持された母乳保存袋が本体部14から脱落することを防止するための第1保持構造13がアダプター10の外面に設けられている。
【0061】
本実施形態において、第1保持構造13は、アダプター10の長手方向の略中央部位に設けられ、第2接続部12を用いて搾乳器20と連結しながら、第1接続部11を用いて母乳保存袋50と連結する場合、クリップ30が、本体部14の第1端から軸方向(つまり、本体部14の長手方向)に滑脱することを防止するように作用してもよいし、第1接続部11を用いて搾乳器20と連結しながら、第2接続部12を用いて母乳保存袋50と連結する場合、クリップ30が、本体部14の第2端から軸方向(つまり、本体部14の長手方向)に滑脱することを防止する第2保持構造を兼ねて用いられてもよい。
【0062】
上記構造において、第1保持構造13は、第2保持構造を兼ねて作用する。しかし、本発明はこれには限定されない。例えば、第1実施形態のように、第1保持構造13が本体部14の第1接続部11に近接した場所に設けられ、つまり、第1保持構造13は、第1接続部11の端口部からの距離が、第2接続部12の端口部からの距離よりも小さく形成される。同時に、第2保持構造を、本体部14の第2接続部12に近接した場所に設け、つまり、第2保持構造は、第2接続部12の端口部からの距離が、第1接続部11の端口部からの距離よりも小さく形成される。
【0063】
第1実施形態のように、本実施形態において、第1保持構造13と第2保持構造17は、いずれも本体部14の外面に形成された突起になってもよい。この突起は、本体部14の外面からこの外面に垂直な方向に沿って一定の幅を有し、この幅はクリップ30を安定して保持することに適している。突起は、多様な方式で設けてもよい。例えば、アダプター10を鉛直に置いて見る場合、突起は、本体部14の外面に同一の高さで均一に設けられた複数の非連続的なものになり、突起は、また、前記外面の周方向に延びる連続する凸条になってもよい。また、第1保持構造13と第2保持構造17は、いずれも本体部14の外面に並列に延びる2本の凸条として形成されるとともに、クリップ30を保持するように2本の凸条間の距離がクリップ30の幅に適応する構成としてもよい。また、第1保持構造13と第2保持構造とが、同一の構造であるとは限らず、それぞれ異なる構造としてもよい。
【0064】
第2実施形態による搾乳器アセンブリー100は、第1実施形態と同一の搾乳器20、母乳保存袋50、及びクリップ30を有する。
【0065】
<第3実施形態>
以下、本発明の第3実施形態に係わる搾乳器アセンブリー100について説明する。第3実施形態において、第1実施形態及び第2実施形態の搾乳器アセンブリー100と同一の構造についてはその説明を省略するが、第1実施形態及び第2実施形態の搾乳器アセンブリー100と異なる要素に重点を置いて説明する。そして、同一の要素については、同一の符号を付する。
【0066】
第3実施形態による搾乳器アセンブリー100は、クリップ30以外に第1実施形態及び第2実施形態の搾乳器アセンブリー100と同じように構成されるため、クリップ30以外の構成要素に関する説明を省略する。
【0067】
第1実施形態におけるクリップ30のように、本実施形態において、クリップ30は、クリップアームとハンドル31とを含み、クリップアームの構造が、第1実施形態におけるクリップアームの構造と同じである。ハンドル31は、一端がクリップアームに連結され、他端に母乳保存袋50内のエアーを排出するためのエアー押圧部が設けられている。ハンドル31のクリップアームが連結されている一端も、第1実施形態と同様に、一端部が左側クリップ本体32に連結され、他端部が右側クリップ本体33に連結されるU型構造をなしており、ハンドル31は弾性を有し、そして、利用者がハンドル31のU型構造を押してU型構造の開口部に圧力を付与する場合、モーメントによって左側クリップ本体32と右側クリップ本体33とが互いに離れていくことにより、C型構造の開口部が開けられる。
【0068】
図6に示すように、エアー押圧部は、ハンドル31のクリップアームとは反対側の端に位置し、エアー押圧部は、対向して設けられる2本の押圧脚部34を含み、2本の押圧脚部34の間には、母乳保存袋50を収容するための押圧隙間が形成されている。押圧脚部34は、弾性を有する材料が用いられ、ハンドル31及びクリップアームと同一の材料を用いてもよいし、ハンドル31及びクリップアームと異なる材料を用いてもよい。
【0069】
押圧脚部34とハンドル31との連結箇所は一体成形されてもよいし、別体成形されてもよく、ネジ等、一般的な固定方式により連結されている。押圧脚部34とハンドル31及びクリップアームとが同一の平面に形成されるとともに、それぞれの中心軸線が1つの直線にある構成としてもよい。
【0070】
個々の押圧脚部34は、扁平の細いスリット形状に形成されてもよいし、長尺状の四角柱形状に形成されてもよいが、これには限定されず、エアー押圧に適していればよい。
【0071】
使用時に、例えば、搾乳完了して母乳保存袋50をアダプター10から取り外した後、図6に示すように、母乳保存袋50の母乳よりも上方の部分を、方向Aに沿って、エアー押圧部の押圧脚部34間の押圧隙間に挿し込み、方向Bに沿って、エアー押圧部を回動して、母乳保存袋50の母乳よりも上方の部分を挟んだままに適切な角度で回動して、2本の押圧脚部34間の隙間を小さくし、押す状態に保持され、母乳保存袋に沿ってエアー押圧部を母乳保存袋の口部方向へ、即ち方向Cへ、スライドし、エアー押圧部を母乳保存袋の口部から脱離させることにより、母乳保存袋の母乳よりも上方のエアーを排出し、その後、母乳保存袋50を封止する。その過程において、利用者が2本の押圧脚部34の外側を指で押して、2本の押圧脚部34間の隙間をより小さくすることが好ましい。
【0072】
さらに、2本の押圧脚部34の互いに対向する面上には、それぞれ対応する位置にて押圧脚部34の長手方向に延びる1本又は複数本の突起リブが設けられてもよく、この対応する位置とは、2本の押圧脚部34の外部に圧力を付勢して2本の押圧脚部34を共に貼り合わせる場合、両側のリブが対応して閉鎖されるようになる位置を指す。このようなリブを設けることで、エアー押圧部を用いてエアー押圧を行う場合、母乳保存袋50の押圧をより密に行って、より多くのエアーを押し出すことができる。
【0073】
<第4実施形態>
以下、本発明の第4実施形態に係わる搾乳器アセンブリー100について説明する。第4実施形態において、第1実施形態及び第2実施形態の搾乳器アセンブリー100と同一の構造についてはその説明を省略するが、第1実施形態及び第2実施形態の搾乳器アセンブリー100と異なる要素に重点を置いて説明する。そして、同一の要素については、同一の符号を付する。
【0074】
第4実施形態による搾乳器アセンブリー100は、クリップ以外に第1実施形態及び第2実施形態の搾乳器アセンブリー100と同じように構成されるため、クリップ以外の構成要素に関する説明を省略する。
【0075】
第1実施形態におけるクリップ30のように、本実施形態において、クリップ40は、クリップアームとハンドル31とを含み、クリップアームの構造が、第1実施形態におけるクリップアームの構造と同じであるが、材質のみが異なっている。
【0076】
具体的には、クリップ40は、挟持する方向(図7の上下方向)の外側の部材41に比べ、内側の部材42が柔軟性を有する材質を用いて形成される。例えば、外側の部材41はABS樹脂などであり、内側の部材42は外側の部材41の材質より柔軟性と弾力性のあるシリコーンゴムから形成され、このように、クリップ40が2種類の材質で製作される。
【0077】
このような構成により、例えば、挟持された母乳保存袋50の注入口に波紋が生成されるなどし、その形態がクリップ40の内側の部材42と多少異なっているが、柔軟性を有する内側の部材42が変形して、挟持された母乳保存袋50の形状に合った挟持が可能となる。従って、クリップ40による重力方向と交差する方向の母乳保存袋50の挟持を確実なものとして、母乳保存袋50がアダプター10から脱落することをより有効に防止できる。また、内側の部材42が柔軟性を有することで、母乳保存袋50の損傷も防止できる。
【0078】
本実施形態において、クリップ40全体が、上述のように、2種類の材質で製作され、つまり、クリップ40の内壁(即ち、クリップ40の挟持された母乳保存袋50に向く部位)を、クリップ40の外側よりも柔軟性を有する材質で形成する。しかし、本発明はこれには限定されず、クリップ壁部のみを上述のような2種類の硬度が異なる材質で形成しながら、ハンドル31を1種類の材質で形成するようにしてもよい。
【0079】
<第5実施形態>
以下、本発明の第5実施形態に係わる搾乳器アセンブリー100について説明する。第5実施形態において、上述した実施形態の搾乳器アセンブリー100と同一の構造についてはその説明を省略するが、上述した実施形態の搾乳器アセンブリー100と異なる要素に重点を置いて説明する。そして、同一の要素については、同一の符号を付する。
【0080】
第5実施形態による搾乳器アセンブリー100は、第1実施形態の搾乳器アセンブリー100と同じように、或いは第2実施形態の搾乳器20と同じように構成されるため、搾乳器20、アダプター10、クリップ30、及び母乳保存袋50に関する説明を省略する。
本実施形態において、搾乳器アセンブリー100は、母乳保存袋50が連結された搾乳器20を支持するための搾乳器支持台、をさらに備える。図8に示すように、搾乳器支持台は、上部に支持本体36が設けられている台座35を含み、前記支持本体36の上部頂端がクリップ30に連結されるとともに、クリップ30の左側クリップ本体32と右側クリップ本体33が同一の水平面にあるようにクリップ30を水平に保持する。
【0081】
台座35は、適切な構造を用いて適切な重量を有するので、搾乳器20が載置された後に搾乳器アセンブリー100を安定して保持することができる。図8に示すように、台座35は、C型形状の底盤形状とすることが好ましい。
【0082】
支持本体36は、台座35の上部に設けられ、台座35と一体成形されてもよいし、ネジ、リベット等の固定方式により台座35の上部に固定され、負荷を安定して支持できる位置に設けられてもよい。例えば、台座35がC型形状の底盤形状とされる場合、支持本体36がC型の輪郭の中央位置に設けられる。支持本体36は、弧形を帯びた板状又は柱状に設けられてもよく、その高さは、母乳保存袋50の長さと略同一である。本発明において、支持本体36は、支持ロッドとすることが好ましい。
【0083】
上述したように、クリップ30のハンドル31が、支持本体36の上部頂端に連結されており、螺接又は鋲接によりクリップ30を支持本体36の上部頂端に連結してもよい。この連結は、永久の固定連結であってもよいし、着脱可能な連結であってもよい。
【0084】
なお、どのような連結方式にしても、支持本体36は、クリップ30の左側クリップ本体32と右側クリップ本体33が同一の水平面にあるようにクリップ30を水平に保持する構成とするべきである。本発明において、クリップ30を、係合部材を介して支持本体36と着脱可能に連結する構成とする。
【0085】
搾乳器支持台は、搾乳器アセンブリー100を様々な方式により保持することができる。例えば、搾乳器アセンブリー100を組み立てていない場合、アダプター10をクリップ30で挟持してアダプター10を保持する。搾乳器20とアダプター10を組み立てている場合、アダプター10をクリップ30で挟持して、搾乳器20が連結されているアダプター10を保持する。さらに、搾乳器20、アダプター10及び母乳保存袋50が連結されてアダプター10をクリップ30で挟持することで母乳保存袋50を保持する場合、搾乳器アセンブリー100全体を保持することができる。
【0086】
以上は、本発明の好適な実施例に過ぎず、本発明を限定することは意図していない。当業者であれば、本発明に様々な変更や変形が可能である。本発明の思想や原則内の如何なる修正、均等の置き換え、改良なども、本発明の保護範囲内に含まれるべきである。
【符号の説明】
【0087】
10…アダプター、11…第1接続部、12…第2接続部、13…第1保持構造、14…本体部、20…搾乳器、30…クリップ、31…ハンドル、32…左側クリップ本体、33…右側クリップ本体、34…押圧脚部、35…台座、36…支持本体、50…母乳保存袋、100…搾乳器アセンブリー。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10A
図10B