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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-07
(45)【発行日】2022-10-18
(54)【発明の名称】手術器具
(51)【国際特許分類】
   A61B 34/30 20160101AFI20221011BHJP
【FI】
A61B34/30
【請求項の数】 16
(21)【出願番号】P 2019192618
(22)【出願日】2019-10-23
(65)【公開番号】P2021065405
(43)【公開日】2021-04-30
【審査請求日】2021-05-19
(73)【特許権者】
【識別番号】514063179
【氏名又は名称】株式会社メディカロイド
(74)【代理人】
【識別番号】100104433
【弁理士】
【氏名又は名称】宮園 博一
(72)【発明者】
【氏名】戸次 翔太
(72)【発明者】
【氏名】臼木 優
(72)【発明者】
【氏名】吾郷 健二
【審査官】北村 龍平
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2012/0110810(US,A1)
【文献】特表2019-527924(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2008/0255556(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 34/30
A61B 18/14
A61B 34/37
A61B 90/98
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一端部にエンドエフェクタを有するシャフトと、
前記シャフトの他端部が接続されるベースと、前記ベースを覆う蓋部とを含むハウジングと、
前記ベースに配置される回路基板と、を備え、
前記ハウジングは、前記回路基板を前記ベースに押圧して保持する押圧部を有し、
前記回路基板には、前記回路基板の表面から前記押圧部側に突出するように形成されるとともに、前記押圧部により押圧される突出部が設けられている、手術器具。
【請求項2】
前記突出部は、複数の突出部を含み、
前記複数の突出部は、前記回路基板の中心線に対して対称な位置に設けられている、請求項に記載の手術器具。
【請求項3】
前記突出部は、複数の突出部を含み、
前記複数の突出部は、前記回路基板の回路部を挟むように設けられている、請求項またはに記載の手術器具。
【請求項4】
前記押圧部は、前記ベースおよび前記蓋部とともに前記ハウジングを構成するハウジング構成部材に設けられている、請求項1に記載の手術器具。
【請求項5】
前記ハウジング構成部材は、スライドされることにより前記ベースに取り付けられるように構成されている、請求項に記載の手術器具。
【請求項6】
記突出部は、前記ハウジング構成部材のスライド装着方向の下流側に設けられた第1突出部と、前記ハウジング構成部材のスライド装着方向の上流側に設けられた第2突出部とを含む、請求項に記載の手術器具。
【請求項7】
前記第2突出部は、前記ハウジング構成部材のスライド装着開始時に、前記押圧部により押圧される位置に設けられており、
前記第1突出部は、前記ハウジング構成部材のスライド装着完了時に、前記押圧部により押圧される位置に設けられている、請求項に記載の手術器具。
【請求項8】
前記ハウジング構成部材は、電極を保持する電極保持部材である、請求項のいずれか1項に記載の手術器具。
【請求項9】
前記ハウジング構成部材には、洗浄液を供給するための洗浄液供給口が設けられている、請求項のいずれか1項に記載の手術器具。
【請求項10】
前記押圧部は、弾性変形することにより前記回路基板を前記ベースに押圧して保持するように構成されている、請求項1~のいずれか1項に記載の手術器具。
【請求項11】
前記押圧部は、弾性変形可能な押圧アーム部である、請求項10に記載の手術器具。
【請求項12】
前記押圧アーム部は、面取りされた先端部を有する、請求項11に記載の手術器具。
【請求項13】
前記押圧部は、絶縁性の材料により構成されている、請求項1~12のいずれか1項に記載の手術器具。
【請求項14】
前記回路基板は、メモリ基板である、請求項1~13のいずれか1項に記載の手術器具。
【請求項15】
一端部にエンドエフェクタを有するシャフトと、
前記シャフトの他端部が接続されるベースと、前記ベースを覆う蓋部とを含むハウジングと、
前記ベースに配置される回路基板と、を備え、
前記ハウジングは、前記回路基板を前記ベースに押圧して保持する押圧部を有し、
前記押圧部は、前記ベースおよび前記蓋部とともに前記ハウジングを構成するハウジング構成部材に設けられており、
前記ハウジング構成部材は、電極を保持する電極保持部材である、手術器具。
【請求項16】
一端部にエンドエフェクタを有するシャフトと、
前記シャフトの他端部が接続されるベースと、前記ベースを覆う蓋部とを含むハウジングと、
前記ベースに配置される回路基板と、を備え、
前記ハウジングは、前記回路基板を前記ベースに押圧して保持する押圧部を有し、
前記押圧部は、前記ベースおよび前記蓋部とともに前記ハウジングを構成するハウジング構成部材に設けられており、
前記ハウジング構成部材には、洗浄液を供給するための洗浄液供給口が設けられている、手術器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、手術器具に関し、特に、回路基板を備える手術器具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、回路基板を備える手術器具が知られている(たとえば、特許文献1参照)。
【0003】
上記特許文献1には、ハウジング内部に回路基板を備える手術器具が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】米国特許出願公開第2002/0032452号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、手術器具の組み立て作業性の向上のため、回路基板をハウジングに容易に取り付けることができる技術が望まれている。
【0006】
この発明は、回路基板を容易に取り付けることが可能な手術器具を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明の第1の局面による手術器具は、一端部にエンドエフェクタを有するシャフトと、シャフトの他端部が接続されるベースと、ベースを覆う蓋部とを含むハウジングと、ベースに配置される回路基板と、を備え、ハウジングは、回路基板をベースに押圧して保持する押圧部を有し、回路基板には、回路基板の表面から押圧部側に突出するように形成されるとともに、押圧部により押圧される突出部が設けられている。
【0008】
この発明の第1の局面による手術器具では、上記のように、ハウジングに、回路基板をベースに押圧して保持する押圧部を設ける。これにより、押圧部により回路基板をベースに取り付けることができるので、回路基板を圧入によりベースに取り付ける場合に比べて、ベースへの回路基板の取付時に必要な力を低減することができる。その結果、回路基板を容易に取り付けることが可能な手術器具を提供することができる。
また、この発明の第2の局面による手術器具は、一端部にエンドエフェクタを有するシャフトと、シャフトの他端部が接続されるベースと、ベースを覆う蓋部とを含むハウジングと、ベースに配置される回路基板と、を備え、ハウジングは、回路基板をベースに押圧して保持する押圧部を有し、押圧部は、ベースおよび蓋部とともにハウジングを構成するハウジング構成部材に設けられており、ハウジング構成部材は、電極を保持する電極保持部材である。
また、この発明の第3の局面による手術器具は、一端部にエンドエフェクタを有するシャフトと、シャフトの他端部が接続されるベースと、ベースを覆う蓋部とを含むハウジングと、ベースに配置される回路基板と、を備え、ハウジングは、回路基板をベースに押圧して保持する押圧部を有し、押圧部は、ベースおよび蓋部とともにハウジングを構成するハウジング構成部材に設けられており、ハウジング構成部材には、洗浄液を供給するための洗浄液供給口が設けられている。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、回路基板を容易に取り付けることが可能な手術器具を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】一実施形態によるロボット手術システムの概略を示した図である。
図2】一実施形態によるロボット手術システムの制御的な構成を示したブロック図である。
図3】一実施形態によるロボットアームにアダプタを介して手術器具が取り付けられた状態を示した斜視図である。
図4】一実施形態によるベースから蓋部およびハウジング構成部材を取り外した状態を示した斜視図である。
図5】一実施形態によるハウジング構成部材を示した斜視図である。
図6】一実施形態による回路基板を示した斜視図である。
図7】一実施形態による手術器具を示した断面図である。
図8】一実施形態によるベースへのハウジング構成部材の取り付けを説明するための第1図である。
図9】一実施形態によるベースへのハウジング構成部材の取り付けを説明するための第2図である。
図10】一実施形態によるベースへの蓋部の取り付けを説明するための第1図である。
図11】一実施形態によるベースへの蓋部の取り付けを説明するための第2図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、実施形態を図面に基づいて説明する。
【0012】
(ロボット手術システムの構成)
図1および図2を参照して、一実施形態によるロボット手術システム100の構成について説明する。
【0013】
図1に示すように、ロボット手術システム100は、遠隔操作装置10と、患者側装置20と、を備えている。遠隔操作装置10は、患者側装置20に設けられた医療器具(medical equipment)を遠隔操作するために設けられている。患者側装置20によって実行されるべき動作態様指令が術者(surgeon)である操作者Oにより遠隔操作装置10に入力されると、遠隔操作装置10は、動作態様指令をコントローラ26を介して患者側装置20に送信する。そして、患者側装置20は、遠隔操作装置10から送信された動作態様指令に応答して、ロボットアーム21a、21bに取り付けられた手術器具(surgical instrument)40、内視鏡50等の医療器具を操作する。これにより、低侵襲手術が行われる。
【0014】
患者側装置20は、患者Pに対して手術を行うインターフェースを構成する。患者側装置20は、患者Pが横たわる手術台30の傍らに配置される。患者側装置20は、複数のロボットアーム21aおよび21bを有し、このうち1つのロボットアーム21bに内視鏡50が取り付けられ、その他のロボットアーム21aに手術器具40が取り付けられる。各ロボットアーム21aおよび21bは、プラットホーム23に共通に支持されている。複数のロボットアーム21aおよび21bは、複数の関節を有し、それぞれの関節には、サーボモータを含む駆動部と、エンコーダ等の位置検出器とが設けられている。ロボットアーム21aおよび21bは、コントローラ26を介して与えられた駆動信号によりロボットアーム21aおよび21bに取り付けられた医療器具が所望の動作を行うように制御されるように構成されている。
【0015】
プラットホーム23は、手術室の床の上に載置されたポジショナ22に支持されている。ポジショナ22は、鉛直方向に調整可能な昇降軸を有する柱部24が、車輪を備え床面を移動可能なベース25に連結されている。
【0016】
ロボットアーム21aには、先端部に医療器具としての手術器具40が着脱可能に取り付けられる。手術器具40は、図3に示すように、ロボット手術システム100のロボットアーム21aにアダプタ60を介して取り外し可能に接続される。手術器具40は、エンドエフェクタ41と、一端にエンドエフェクタ41を有する細長形状のシャフト42とを備えている。エンドエフェクタ41として、例えば、把持鉗子、シザーズ、フック、高周波ナイフ、スネアワイヤ、クランプ、ステイプラーが挙げられるがこれに限られるものではなく、各種の処置具を適用することができる。患者側装置20を用いた手術において、ロボットアーム21aは、患者Pの体表に留置したカニューラ(トロッカ)を介して患者Pの体内に手術器具40を導入する。そして、手術器具40のエンドエフェクタ41は、手術部位の近傍に配置される。
【0017】
ロボットアーム21bには、先端部に医療器具としての内視鏡50が着脱可能に取り付けられる。内視鏡50は、患者Pの体腔内を撮影するものであり、撮影した画像は、遠隔操作装置10に対して出力される。内視鏡50として、3次元画像を撮影することができる3D内視鏡若しくは2D内視鏡が用いられる。患者側装置20を用いた手術において、ロボットアーム21bは、患者Pに体表に留置したトロッカを介して患者Pの体内に内視鏡50を導入する。そして、内視鏡50が手術部位の近傍に配置される。
【0018】
遠隔操作装置10は、操作者Oとのインターフェースを構成する。遠隔操作装置10は、ロボットアーム21aおよび21bに取り付けられた医療器具を操作者Oが操作するための装置である。すなわち、遠隔操作装置10は、操作者Oによって入力された手術器具40および内視鏡50によって実行されるべき動作態様指令をコントローラ26を介して患者側装置20へ送信可能に構成されている。遠隔操作装置10は、たとえば、マスタの操作をしながらも患者Pの様子がよく見えるように手術台30の傍らに設置される。なお、遠隔操作装置10は、例えば動作態様指令を無線で送信するようにし、手術台30が設置された手術室とは別室に設置することも可能である。
【0019】
手術器具40によって実行されるべき動作態様とは、手術器具40の動作(一連の位置及び姿勢)及び手術器具40個別の機能によって実現される動作の態様である。たとえば、手術器具40が把持鉗子である場合には、手術器具40によって実行されるべき動作態様とは、エンドエフェクタ41の手首のロール回転位置及びピッチ回転位置と、ジョーの開閉を行う動作である。また、手術器具40が高周波ナイフである場合には、手術器具40によって実行されるべき動作態様とは、高周波ナイフの振動動作、具体的には高周波ナイフに対する電流の供給であり得る。また、手術器具40がスネアワイヤである場合には、手術器具40によって実行されるべき動作態様とは、束縛動作および束縛状態の解放動作であり得る。また、バイポーラやモノポーラに電流を供給することによって手術対象部位を焼き切る動作であり得る。
【0020】
内視鏡50によって実行されるべき動作態様とは、たとえば、内視鏡50先端の位置及び姿勢、又はズーム倍率の設定である。
【0021】
遠隔操作装置10は、図1および図2に示すように、操作ハンドル11と、操作ペダル部12と、表示部13と、制御装置14と、を備えている。
【0022】
操作ハンドル11は、ロボットアーム21a、21bに取り付けられた医療器具を遠隔で操作するために設けられている。具体的には、操作ハンドル11は、医療器具(手術器具40、内視鏡50)を操作するための操作者Oによる操作を受け付ける。操作ハンドル11は、水平方向に沿って2つ設けられている。つまり、2つの操作ハンドル11のうち一方の操作ハンドル11は、操作者Oの右手により操作され、2つの操作ハンドル11のうち他方の操作ハンドル11は、操作者Oの左手により操作される。
【0023】
また、操作ハンドル11は、遠隔操作装置10の後方側から、前方側に向かって延びるように配置されている。操作ハンドル11は、所定の3次元の操作領域内で動かすことができるように構成されている。すなわち、操作ハンドル11は、上下方向、左右方向、および前後方向に動かすことができるように構成されている。
【0024】
遠隔操作装置10と患者側装置20とは、ロボットアーム21aおよびロボットアーム21bの動作の制御においては、マスタスレーブ型のシステムを構成する。すなわち、操作ハンドル11は、マスタスレーブ型のシステムにおけるマスタ側の操作部を構成し、医療器具が取り付けられたロボットアーム21aおよびロボットアーム21bはスレーブ側の動作部を構成する。そして、操作ハンドル11を操作者Oが操作すると、操作ハンドル11の動きをロボットアーム21aの先端部(手術器具40のエンドエフェクタ41)またはロボットアーム21bの先端部(内視鏡50)がトレースして移動するようにロボットアーム21aまたはロボットアーム21bの動作が制御される。
【0025】
また、患者側装置20は、設定された動作倍率に応じてロボットアーム21aの動作を制御するよう構成されている。たとえば、動作倍率が1/2倍に設定されている場合、手術器具40のエンドエフェクタ41は、操作ハンドル11の移動距離の1/2の移動距離を移動するよう制御される。これによって、精細な手術を精確に行うことができる。
【0026】
操作ペダル部12は、医療器具に関する機能を実行するための複数のペダルを含んでいる。複数のペダルは、凝固ペダルと、切断ペダルと、カメラペダルと、クラッチペダルと、を含んでいる。また、複数のペダルは、操作者Oの足により操作される。
【0027】
凝固ペダルは、手術器具40を用いて手術部位を凝固させる操作を行うことができる。具体的には、凝固ペダルは、操作されることにより、手術器具40に凝固用の電圧が印加されて、手術部位の凝固が行われる。切断ペダルは、手術器具40を用いて手術部位を切断させる操作を行うことができる。具体的には、切断ペダルは、操作されることにより、手術器具40に切断用の電圧が印加されて、手術部位の切断が行われる。
【0028】
カメラペダルは、体腔内を撮像する内視鏡50の位置及び姿勢を操作するために用いられる。具体的には、カメラペダルは、内視鏡50の操作ハンドル11による操作を有効にする。つまり、カメラペダルが押されている間は、操作ハンドル11により内視鏡50の位置および姿勢を操作することが可能である。たとえば、内視鏡50は、左右の操作ハンドル11の両方を用いることにより操作される。具体的には、左右の操作ハンドル11の中間点を中心に左右の操作ハンドル11を回動させることにより、内視鏡50が回動される。また、左右の操作ハンドル11を共に押し込むことにより、内視鏡50が奥に進む。また、左右の操作ハンドル11を共に引っ張ることにより、内視鏡50が手前に戻る。また、左右の操作ハンドル11を共に上下左右に移動させることにより、内視鏡50が上下左右に移動する。
【0029】
クラッチペダルは、ロボットアーム21aと、操作ハンドル11との操作接続を一時切断し手術器具40の動作を停止させる場合に用いられる。具体的には、クラッチペダルが操作されている間は、操作ハンドル11を操作しても、患者側装置20のロボットアーム21aが動作しない。たとえば、操作により操作ハンドル11が移動可能な範囲の端部近傍に来た場合に、クラッチペダルが操作されることにより、操作接続を一時切断して、操作ハンドル11を中央位置付近に戻すことができる。そして、クラッチペダルの操作を中止するとロボットアーム21aと操作ハンドル11とが再び接続され、中央付近で操作ハンドル11の操作を再開することができる。
【0030】
表示部13は、内視鏡50が撮像した画像を表示することができるものである。表示部13は、スコープ型表示部または非スコープ型表示部からなる。スコープ型表示部とは、たとえば、覗き込むタイプの表示部である。また、非スコープ型表示部とは、通常のパーソナルコンピュータのディスプレイのような覗き込むタイプではない平坦な画面を有する開放型の表示部を含む概念である。
【0031】
スコープ型表示部が取り付けられた場合、患者側装置20のロボットアーム21bに取り付けられた内視鏡50により撮像された3D画像が表示される。非スコープ型表示部が取り付けられた場合にも、患者側装置20に設けられた内視鏡50により撮像された3D画像が表示される。なお、非スコープ型表示部が取り付けられた場合、患者側装置20に設けられた内視鏡50により撮像された2D画像が表示されてもよい。
【0032】
図2に示すように、制御装置14は、例えば、CPU等の演算器を有する制御部141と、ROMおよびRAM等のメモリを有する記憶部142と、画像制御部143とを含んでいる。制御装置14は、集中制御する単独の制御装置により構成されていてもよく、互いに協働して分散制御する複数の制御装置により構成されてもよい。制御部141は、操作ハンドル11により入力された動作態様指令を、操作ペダル部12の切替状態に応じて、ロボットアーム21aによって実行されるべき動作態様指令であるか、または、内視鏡50によって実行されるべき動作態様指令であるかを判定する。そして、制御部141は、操作ハンドル11に入力された動作態様指令が手術器具40によって実行されるべき動作態様指令であると判断すると、動作態様指令をロボットアーム21aに対して送信する。これによって、ロボットアーム21aが駆動され、この駆動によってロボットアーム21aに取り付けられた手術器具40の動作が制御される。
【0033】
また、制御部141は、操作ハンドル11に入力された動作態様指令が内視鏡50によって実行されるべき動作態様指令であると判定すると、当該動作態様指令をロボットアーム21bに対して送信する。これによって、ロボットアーム21bが駆動され、この駆動によってロボットアーム21bに取り付けられた内視鏡50の動作が制御される。
【0034】
記憶部142には例えば手術器具40の種類に応じた制御プログラムが記憶されていて、取り付けられた手術器具40の種類に応じて制御部141がこれらの制御プログラムを読み出すことにより、遠隔操作装置10の操作ハンドル11及び/又は操作ペダル部12の動作指令が個別の手術器具40に適合した動作をさせることができる。
【0035】
画像制御部143は、内視鏡50が取得した画像を表示部13に伝送する。画像制御部143は、必要に応じて画像の加工修正処理を行う。
【0036】
(アダプタおよび手術器具の構成)
図3図7を参照して、一実施形態による手術器具40の構成について説明する。
【0037】
図3に示すように、手術器具40は、ロボット手術システム100のロボットアーム21aに取り付けられる手術器具である。ロボットアーム21aは、清潔区域において使用されるため、ドレープ70により覆われる。ここで、手術室では、手術により切開した部分および医療機器が病原菌や異物などにより汚染されることを防ぐため、清潔操作が行われる。この清潔操作においては、清潔区域および清潔区域以外の区域である汚染区域が設定される。手術部位は、清潔区域に配置される。操作者Oを含む手術チームのメンバーは、手術中、清潔区域に殺菌されている物体のみが位置するよう配慮し、かつ、汚染区域に位置している物体を清潔区域に移動させるときは、この物体に滅菌処理を施す。同様に、操作者Oを含む手術チームのメンバーがその手を汚染区域に位置させたときは、清潔区域に位置している物体に直接接触する前に、手の滅菌処理を行う。清潔区域において用いられる器具は、滅菌処理が行われる、または、滅菌処理されたドレープ70により覆われる。
【0038】
ドレープ70は、ロボットアーム21aと、手術器具40との間に配置される。具体的には、ドレープ70は、アダプタ60と、ロボットアーム21aとの間に配置される。また、ドレープ70は、ロボットアーム21bと、内視鏡50との間に配置される。アダプタ60は、ドレープ70を挟み込むようにして、ロボットアーム21aに取り付けられる。つまり、アダプタ60は、ロボットアーム21aとの間にドレープ70を挟み込むためのドレープアダプタである。これにより、アダプタ60を利用してドレープ70を取り付けることができる。また、手術器具40は、ロボットアーム21aにドレープ70を介して取り付けられたアダプタ60に取り付けられる。ロボットアーム21aは、手術器具40のエンドエフェクタ41を駆動させるために、アダプタ60を介して手術器具40に動力を伝達する。
【0039】
図4に示すように、手術器具40は、複数の被駆動部材43と、ハウジング44と、回路基板45とを備えている。
【0040】
複数の被駆動部材43は、回転駆動されることにより、エンドエフェクタ41を駆動させる。具体的には、シャフト42は、一端部(Y1方向側の端部)にエンドエフェクタ41が接続され、他端部(Y2方向側の端部)がハウジング44の後述するベース44aに接続されている。被駆動部材43とエンドエフェクタ41とは、シャフト42内に通されたワイヤ421により接続されている。つまり、被駆動部材43は、ベース44aに回転可能に設けられている。また、被駆動部材43は、エンドエフェクタ41を操作するためのワイヤ421の端部が接続されている。そして、被駆動部材43が回転されることにより、ワイヤ421が引っ張られてエンドエフェクタ41が駆動される。また、被駆動部材43は、ハウジング44内において、シャフト42とギアにより接続されている。そして、被駆動部材43が回転されることにより、シャフト42が回転される。
【0041】
たとえば、被駆動部材43は、4つ設けられている。1つの被駆動部材43の回転により、シャフト42が回転される。また、他の3つの被駆動部材43の回転により、エンドエフェクタ41が駆動される。4つの被駆動部材43は、X方向に2つ配列され、Y方向に2つ配列されている。複数の被駆動部材43は、ハウジング44の内部に設けられている。
【0042】
ハウジング44は、手術器具40の筐体を形成するように構成されている。具体的には、ハウジング44は、アダプタ取付面441を有するベース44aと、蓋部44bと、ハウジング構成部材44cとを含んでいる。ベース44aは、Z2方向側にアダプタ取付面441を有している。ベース44aには、複数の被駆動部材43が回転可能に設けられている。また、ベース44aには、シャフト42の他端部が接続されている。また、ベース44aは、回路基板45を配置するための凹部442を有している。凹部442は、Z2方向側に窪むように形成されている。凹部442は、ベース44aのY2方向側の部分に設けられている。具体的には、凹部442は、ベース44aのY2方向側の端部に設けられている。
【0043】
蓋部44bは、ベース44aを覆うように構成されている。具体的には、蓋部44bは、ベース44aに対してZ1方向側からベース44aを覆うように構成されている。また、蓋部44bは、ベース44aに対して取り外し可能に取り付けられるように構成されている。また、蓋部44bは、ハウジング構成部材44cを配置するための切り欠き部443を有している。切り欠き部443は、蓋部44bのY2方向側の部分に設けられている。
【0044】
ハウジング構成部材44cは、ベース44aおよび蓋部44bとともにハウジング44を構成するように構成されている。具体的には、ハウジング構成部材44cは、蓋部44bの一部を成すように構成されている。また、ハウジング構成部材44cは、Y1方向にスライドされることによりベース44aに取り付けられるように構成されている。これにより、ハウジング構成部材44cをベース44aに容易に取り付けることができる。
【0045】
図5および図7に示すように、ハウジング構成部材44cは、一対の押圧部444と、一対の係合凸部445と、洗浄液供給口446aおよび446b(フラッシュポート)と、電極447とを有している。
【0046】
ここで、本実施形態では、一対の押圧部444は、回路基板45をベース44aに押圧して保持するように構成されている。これにより、一対の押圧部444により回路基板45をベース44aに取り付けることができるので、回路基板45を圧入によりベース44aに取り付ける場合に比べて、ベース44aへの回路基板45の取付時に必要な力を低減することができる。その結果、回路基板45を容易に取り付けることができる。また、一対の押圧部444により回路基板45をベース44aに取り付ければ、例えば、ボルトにより回路基板45をベース44aに取り付ける場合と異なり、振動などに起因してボルトが緩むこともない。また、本実施形態では、一対の押圧部444は、ハウジング構成部材44cに設けられている。これにより、ベース44aおよび蓋部44bに設ける場合に比べて、一対の押圧部444を容易に設けることができる。
【0047】
一対の押圧部444は、Y方向に延びるように設けられている。一対の押圧部444は、互いに略平行に延びるように設けられている。また、一対の押圧部444は、X方向に対向するように設けられている。一対の押圧部444は、X方向に所定の間隔を隔てて設けられている。一対の押圧部444は、回路基板45のX方向の両側をそれぞれ押圧して保持するように構成されている。つまり、X1方向側の押圧部444は、回路基板45のX1方向側の部分を押圧して保持するように構成されている。また、X2方向側の押圧部444は、回路基板45のX2方向側の部分を押圧して保持するように構成されている。
【0048】
また、押圧部444は、弾性変形することにより回路基板45をベース44aに押圧して保持するように構成されている。これにより、弾性変形により回路基板45に対して押圧力を与えることができるので、回路基板45に対して適切な押圧力を与えることができる。具体的には、押圧部444は、弾性変形可能な押圧アーム部である。これにより、簡素な構成で、押圧部444を形成することができるので、押圧部444を設ける場合にも、構造の複雑化を抑制することができる。押圧部444は、ハウジング構成部材44cの本体部448からY1方向側に突出するように設けられている。なお、図7では、理解の容易化のために、弾性変形前の押圧部444を二点鎖線により図示し、弾性変形後の押圧部444を実線により図示している。
【0049】
押圧部444は、固定端部444aと、自由端である先端部444bと、接続部444cとを有している。固定端部444aは、Y2方向側に設けられており、ハウジング構成部材44cの本体部448に固定されている。先端部444bは、Y1方向側に設けられており、固定されていない。また、先端部444bは、面取りされている。これにより、押圧部444により回路基板45を押圧する際に、先端部444bに起因して破損が発生することを抑制することができる。また、押圧部444をスライド移動させることにより回路基板45を押圧する際に、面取りされた先端部444bにより、回路基板45の後述する突出部452aおよび452bに引っかかることなくスムーズに押圧することができる。具体的には、先端部444bのZ2方向側の角部は、R面取りされている。
【0050】
また、押圧部444は、絶縁性の材料により構成されている。これにより、押圧部444が導電性の材料により構成されている場合と異なり、押圧部444が回路基板45に対して電気的に影響を及ぼすことを容易に回避することができる。具体的には、押圧部444は、絶縁性の樹脂材料により構成されている。
【0051】
接続部444cは、固定端部444aと先端部444bとを接続するように設けられている。接続部444cは、Y方向に沿って延びるように設けられている。また、接続部444cは、屈曲するように設けられている。具体的には、接続部444cは、Z1方向側からZ2方向側に向かって屈曲するように設けられている。接続部444cは、Z方向に弾性変形可能に構成されている。
【0052】
一対の係合凸部445は、ベース44aに係合するように構成されている。具体的には、一対の係合凸部445は、ベース44aの一対の係合凹部449(図4参照)にそれぞれ係合するように構成されている。一対の係合凸部445がベース44aの一対の係合凹部449に係合することにより、ベース44aに対してハウジング構成部材44cがZ方向に抜けないように接続される。一対の係合凸部445は、Y方向に延びるように設けられている。一対の係合凸部445は、互いに略平行に延びるように設けられている。また、一対の係合凸部445は、X方向に対向するように設けられている。一対の係合凸部445は、X方向に所定の間隔を隔てて設けられている。一対の係合凸部445は、一対の押圧部444に対してZ1方向側に設けられている。
【0053】
洗浄液供給口446aおよび446bは、洗浄液(水など)を供給するために設けられている。つまり、本実施形態の押圧部444は、洗浄液供給口446aおよび446bが設けられたハウジング構成部材44cに設けられている。これにより、押圧部444と洗浄液供給口446aおよび446bとを共通のハウジング構成部材44cに設けることができるので、押圧部444と洗浄液供給口446aおよび446bとを別々の部材に設ける場合に比べて、構造の複雑化を抑制することができる。
【0054】
洗浄液供給口446aおよび446bは、ハウジング構成部材44cをY方向に貫通するように設けられている。また、洗浄液供給口446aおよび446bは、Z方向に沿って配列されている。Z1方向側の洗浄液供給口446aは、シャフト42の内部に洗浄液を供給するために設けられている。具体的には、洗浄液供給口446aは、洗浄液チューブ46(図7参照)を介してシャフト42の内部に接続されている。また、Z2方向側の洗浄液供給口446bは、ハウジング44の内部に洗浄液を供給するために設けられている。具体的には、洗浄液供給口446bのY1方向側の端部は、ハウジング44の内部に接続されている。
【0055】
電極447は、エンドエフェクタ41に電力を供給するために設けられている。ハウジング構成部材44cは、電極447を保持する電極保持部材である。これにより、押圧部444と電極447とを共通のハウジング構成部材44cに設けることができるので、押圧部444と電極447とを別々の部材に設ける場合に比べて、構造の複雑化を抑制することができる。
【0056】
電極447は、図示しない電力供給源に接続されるように構成されている。エンドエフェクタ41は、電極447を介して電力供給源から供給された電力により、熱を発生するように構成されている。
【0057】
図6および図7に示すように、回路基板45は、ベース44aの凹部442に配置されている。回路基板45は、メモリ基板である。これにより、メモリ基板である回路基板45を一対の押圧部444によりベース44aに容易に取り付けることができる。回路基板45のメモリには、たとえば、手術器具40の種類、手術器具40の使用回数などの手術器具40に関する情報が記憶されている。
【0058】
回路基板45には、回路部451と、複数の突出部452aおよび452bと、電極アレイ453とが設けられている。なお、突出部452aおよび452bは、それぞれ、特許請求の範囲の「第1突出部」および「第2突出部」の一例である。
【0059】
回路部451は、回路基板45のZ1方向側の表面に設けられている。回路部451は、たとえば、ROM(Read Only Memory)などの電子部品を含んでいる。
【0060】
複数の突出部452aおよび452bは、回路基板45のZ1方向側の表面から押圧部444側(Z1方向側)に突出するように形成されている。また、複数の突出部452aおよび452bは、押圧部444により押圧されるように構成されている。これにより、複数の突出部452aおよび452bを介して回路基板45を押圧することができるので、回路基板45を直接押圧する場合と異なり、押圧により回路基板45に直接負荷が掛かることを抑制することができる。
【0061】
複数の突出部452aおよび452bは、回路基板45のX方向の中心線500に対して対称な位置に設けられている。これにより、複数の突出部452aおよび452bを介して回路基板45を中心線500に対して対称な位置で押圧することができるので、回路基板45を均等に押圧することができる。その結果、ベース44aに回路基板45を安定して取り付けることができる。
【0062】
また、複数の突出部452aおよび452bは、回路基板45の回路部451を挟むように設けられている。これにより、複数の突出部452aおよび452bを回路部451を避けた位置に設けることができるとともに、複数の突出部452aおよび452bを介して回路基板45を回路部451を避けた位置で押圧することができる。
【0063】
突出部452aおよび452bは、円柱形状を有する。突出部452aおよび452bは、Z方向に沿って延びるように設けられている。突出部452aおよび452bは、Z1方向側の端部が回路部451よりも高い位置で押圧部444により押圧されるように構成されている。また、突出部452aおよび452bは、Z2方向側の端部がはんだにより回路基板45のZ1方向側の表面に接合されるように構成されている。
【0064】
突出部452aは、2つ設けられている。また、突出部452bは、2つ設けられている。また、突出部452aおよび452bは、X1方向側およびX2方向側にそれぞれ1つずつ設けられている。X1方向側およびX2方向側のそれぞれにおいて、突出部452aおよび452bは、Y方向に沿って配列されている。
【0065】
突出部452aは、ハウジング構成部材44cのスライド装着方向の下流側(Y1方向側)に設けられている。また、突出部452bは、ハウジング構成部材44cのスライド装着方向の上流側(Y2方向側)に設けられている。これにより、ハウジング構成部材44cのスライド装着時に押圧部444を突出部452aおよび452b上をスライドさせることができるので、ハウジング構成部材44cのスライド装着を容易に行うことができる。
【0066】
具体的には、突出部452bは、ハウジング構成部材44cのスライド装着開始時に、押圧部444により押圧される位置に設けられている。また、突出部452aは、ハウジング構成部材44cのスライド装着完了時に、押圧部444により押圧される位置に設けられている。これにより、ハウジング構成部材44cのスライド装着開始から完了まで、押圧部444を突出部452aおよび452b上をスライドさせることができるので、ハウジング構成部材44cのスライド装着をより容易に行うことができる。
【0067】
電極アレイ453は、回路基板45のZ2方向側の表面に設けられている。電極アレイ453は、アダプタ60の電極アレイを介して、ロボットアーム21aの電極アレイに電気的に接続されるように構成されている。これにより、回路基板45に記憶された情報をロボットアーム21a側で把握することができる。
【0068】
(手術器具の組み立て)
図8図11を参照して、一実施形態による手術器具40の組み立てについて説明する。
【0069】
図8図10に示すように、ハウジング構成部材44cは、ベース44aに対してY1方向に移動させて、ベース44aに取り付けられる。具体的には、まず、図8に示すように、ベース44aとハウジング構成部材44cとが準備される。そして、図9に示すように、ハウジング構成部材44cの押圧部444が回路基板45の突出部452bに当接するように、ハウジング構成部材44cが配置される。この際、押圧部444は、Z1方向側に弾性変形するとともに、弾性力によりZ2方向側に向かって回路基板45を押圧する。なお、ハウジング構成部材44cの装着開始時には、押圧部444は、突出部452aおよび452bのうち、突出部452bのみを押圧している。
【0070】
そして、ハウジング構成部材44cがY1方向にスライドされると、図10に示すように、ベース44aに対してハウジング構成部材44cが取り付けられる。スライド装着の際、押圧部444はZ1方向側に弾性変形した状態で、突出部452bおよび452a上をスライドする。スライド装着完了時には、押圧部444は、突出部452aおよび452bのうち、突出部452aのみを押圧している。また、一対の係合凸部445は、ベース44aの一対の係合凹部449にそれぞれ係合する。
【0071】
そして、図10および図11に示すように、蓋部44bは、ベース44aに対してZ2方向に移動させて、ハウジング構成部材44cが取り付けられたベース44aに取り付けられる。これにより、手術器具40が組み立てられる。
【0072】
(変形例)
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更(変形例)が含まれる。
【0073】
たとえば、上記実施形態では、ハウジング構成部材に、押圧部が設けられている例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、ハウジングのベースまたは蓋部に、押圧部が設けられていてもよい。
【0074】
また、上記実施形態では、ハウジング構成部材が、電極保持部材である例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、ハウジング構成部材が、必ずしも電極を保持していなくてもよい。
【0075】
また、上記実施形態では、ハウジング構成部材に、洗浄液供給口が設けられている例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、ハウジング構成部材に、必ずしも洗浄液供給口が設けられていなくてもよい。
【0076】
また、上記実施形態では、押圧部が、一対(2つ)設けられている例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、押圧部は、1つであってもよいし、3つ以上であってもよい。
【0077】
また、上記実施形態では、回路基板に、4つの突出部が設けられている例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、回路基板に、1つの突出部が設けられていてもよいし、4つ以外の複数の突出部が設けられていてもよい。また、本発明において、突出部の形状は円柱形状に限られない。
【0078】
また、上記実施形態では、複数の突出部が、回路基板の中心線に対して対称な位置に設けられている例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、複数の突出部が、必ずしも回路基板の中心線に対して対称な位置に設けられていなくてもよい。
【0079】
また、上記実施形態では、複数の突出部が、回路基板の回路部を挟むように設けられている例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、複数の突出部が、回路基板の回路部の片側にのみ設けられていてもよい。
【0080】
また、上記実施形態では、ハウジング構成部材のスライド装着開始時に押圧される突出部(第2突出部)と、ハウジング構成部材のスライド装着完了時に押圧される突出部(第1突出部)との2つの突出部が設けられている例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、ハウジング構成部材のスライド装着開始時からスライド装着完了時に亘って押圧される1つの突出部が設けられていてもよい。
【0081】
また、上記実施形態では、回路基板が、メモリ基板である例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、回路基板が、メモリ基板以外の回路基板であってもよい。
【符号の説明】
【0082】
40:手術器具、41:エンドエフェクタ、42:シャフト、44:ハウジング、44a:ベース、44b:蓋部、44c:ハウジング構成部材(電極保持部材)、45:回路基板(メモリ基板)、444:押圧部(押圧アーム部)、444b:先端部、446a、446b:洗浄液供給口、447:電極、451:回路部、452a:突出部(第1突出部)、452b:突出部(第2突出部)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11