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特許7155105ロッキングミッドソール及びインソールアセンブリ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-07
(45)【発行日】2022-10-18
(54)【発明の名称】ロッキングミッドソール及びインソールアセンブリ
(51)【国際特許分類】
   A43B 17/00 20060101AFI20221011BHJP
   A43B 5/04 20060101ALI20221011BHJP
【FI】
A43B17/00 Z
A43B17/00 A
A43B5/04 Q
【請求項の数】 18
(21)【出願番号】P 2019502015
(86)(22)【出願日】2017-08-01
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2019-09-05
(86)【国際出願番号】 US2017044989
(87)【国際公開番号】W WO2018026870
(87)【国際公開日】2018-02-08
【審査請求日】2020-07-31
【審判番号】
【審判請求日】2021-07-26
(31)【優先権主張番号】15/226,838
(32)【優先日】2016-08-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】513138359
【氏名又は名称】スーパーフィート ワールドワイド, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100087398
【弁理士】
【氏名又は名称】水野 勝文
(74)【代理人】
【識別番号】100128783
【弁理士】
【氏名又は名称】井出 真
(74)【代理人】
【識別番号】100128473
【弁理士】
【氏名又は名称】須澤 洋
(74)【代理人】
【識別番号】100160886
【弁理士】
【氏名又は名称】久松 洋輔
(74)【代理人】
【識別番号】100209060
【弁理士】
【氏名又は名称】冨所 剛
(72)【発明者】
【氏名】ヘイズ,エリック,パリス
(72)【発明者】
【氏名】グーチ,マシュー,ウォーレン
(72)【発明者】
【氏名】ウェイクランド,ダニエル
【合議体】
【審判長】小川 恭司
【審判官】関口 哲生
【審判官】鶴江 陽介
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2007/0186446(US,A1)
【文献】特開2006-263397(JP,A)
【文献】実開昭60-60905(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A43B17/00
A43B5/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
天面、底面及び側壁を備え、ヒール領域を有し、前記側壁が外面輪郭を有するインソールと、
ミッドソールと、
を備え、
前記ミッドソールは、ミッドソール上面及びミッドソール側壁を備え、つま先領域及びヒール領域を有し、
前記ミッドソール側壁は、記インソールヒール領域における前記インソール側壁の前記外面輪郭と相補的に一致する形状を備えた内側表面を有し、
前記相補的に一致する前記ミッドソールヒール領域の内側表面が、上から下に向かって内側に傾斜しており、
前記相補的に一致する前記ミッドソールヒール領域の内側表面が、少なくとも前記インソールヒール領域を着脱可能に入れ子状に収容して、前記ミッドソールに対して前記インソールを横方向にロックするように構成されており、
前記ミッドソール上面のヒール領域と前記ミッドソール側壁との間の境界面は、前記インソールヒール領域を密着して収容して支持して、前記ミッドソールに対する前記インソールヒール領域の横方向の移動を抑制するように構成された、隅肉領域を含み、
前記インソールは、前記インソールと前記ミッドソールとの間に配置されるアッパーに固定されておらず、
前記インソールのつま先領域は、前記ミッドソールのつま先領域に対して、前後方向に移動可能または伸縮可能であることを特徴とする履物アイテム。
【請求項2】
前記インソールの少なくとも一部が、コルク材料から作られることを特徴とする請求項1に記載の履物アイテム。
【請求項3】
前記インソールが、コルク材料とエチレンビニルアセテート材料との組み合わせから作られることを特徴とする請求項1に記載の履物アイテム。
【請求項4】
前記ミッドソールと前記インソールとの間に、ストロボ及び前記アッパーをさらに備え、
前記隅肉領域は、前記インソールヒール領域に対して相補的な形状を有し、前記ストロボ及び前記アッパーは、前記ミッドソール及び前記インソールの間の輪郭に沿うことを特徴とする請求項1に記載の履物アイテム。
【請求項5】
前記ミッドソールが、コルク材料とエチレンビニルアセテート材料との組み合わせから作られることを特徴とする請求項1に記載の履物アイテム。
【請求項6】
前記ミッドソールは、前記インソールの長さの大部分に沿って、前記インソールが嵌合されて収容されるように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の履物アイテム。
【請求項7】
前記インソールは、柔軟性を有する材料を含むつま先領域を備える、請求項1に記載の履物アイテム。
【請求項8】
前記インソールと前記ミッドソールとの間に配置された前記アッパーをさらに備え、
前記アッパーは、側壁を備え、ヒール領域を有し、
前記アッパーの側壁は、下部を有し、
前記アッパーの側壁の前記下部は、前記ミッドソールに固定され、前記ミッドソールヒール領域の内側表面と相補的な形状を有し、
前記インソールは、前記ミッドソールに対して入れ子状に収容されて横方向にロックされたときに、少なくとも前記アッパーの側壁の前記下部によって、前記ミッドソールヒール領域から離隔して配置される
ことを特徴とする請求項1に記載の履物アイテム。
【請求項9】
天面、底面及び側壁を備え、ヒール領域を有し、前記側壁が外面輪郭を有するインソールと、
つま先領域及びヒール領域を有するミッドソールと、を備え、
前記ミッドソールは、
上面と、
上から下に向かって内側に傾斜する側壁と、
前記上面及び前記側壁の間の境界面と、を備え、
前記境界面は隅肉領域を含み、
前記隅肉領域は、記インソールのヒール領域を着脱可能に入れ子状に密着して収容し、前記ミッドソールに対して記インソールを横方向にロックするために、記インソールヒール領域における前記インソール側壁と相補的に一致する形状を有し、
前記インソールは、前記インソールと前記ミッドソールとの間に配置されるアッパーに固定されておらず、
前記インソールのつま先領域は、前記ミッドソールのつま先領域に対して、前後方向に移動可能または伸縮可能である
ことを特徴とする履物アイテム。
【請求項10】
前記ミッドソールは、コルク材料とエチレンビニルアセテート材料との組み合わせから作られることを特徴とする請求項9に記載の履物アイテム。
【請求項11】
前記コルク材料は、重量、体積またはその双方で、前記エチレンビニルアセテート材料の量より多くまたは少ないことを特徴とする請求項10に記載の履物アイテム。
【請求項12】
インソールを製造するインソール製造工程と、
ミッドソールを製造するミッドソール製造工程と、
前記ミッドソール上に前記インソールを配置するインソール配置工程と、を備え、
前記インソールは、インソール天面と、インソール底面と、インソール側壁とを有し、ヒール領域を備え、前記インソールヒール領域の前記インソール側壁は外面輪郭を備え
前記ミッドソールは、ミッドソール上面及びミッドソール側壁を有し、つま先領域及びヒール領域を備え
前記インソール配置工程によって、前記ミッドソールヒール領域内に前記インソールヒール領域を着脱可能に入れ子状に密着して収容させ、前記ミッドソールに対して前記インソールヒール領域を横方向にロックし、
前記ミッドソール側壁は上から下に向かって内側に傾斜する内側表面を備え、前記ミッドソール上面及び前記ミッドソール側壁の間の境界面が隅肉領域を含み、前記隅肉領域は、記インソールヒール領域における前記インソール側壁の前記外面輪郭と相補的に一致する形状を有し、前記インソールは、前記インソールと前記ミッドソールとの間に配置されるアッパーに固定されておらず、前記インソールのつま先領域は、前記ミッドソールのつま先領域に対して、前後方向に移動可能または伸縮可能であることを特徴とする履物アイテムの製造方法。
【請求項13】
前記インソール製工程は、前記インソールの少なくとも一部をコルク材料から作ることを含むことを特徴とする請求項12に記載の履物アイテムの製造方法。
【請求項14】
前記インソール製工程は、少なくとも一部をコルク材料とエチレンビニルアセテート材料との組み合わせから作ることを含むことを特徴とする請求項12に記載の履物アイテムの製造方法。
【請求項15】
前記ミッドソール製工程は、前記隅肉領域を、前記インソールに対して相補的な形状となるように成形することを含むことを特徴とする、請求項12に記載の履物アイテムの製造方法。
【請求項16】
前記ミッドソール製工程は、前記ミッドソールをコルク材料とエチレンビニルアセテート材料との組み合わせから作ることを含むことを特徴とする請求項12に記載の履物アイテムの製造方法。
【請求項17】
前記コルク材料は、重量、体積またはその双方で、前記エチレンビニルアセテート材料の量より多くまたは少ないことを特徴とする請求項16に記載の履物アイテムの製造方法。
【請求項18】
柔軟性を有する材料によって前記インソールのつま先領域を作ることをさらに備える、請求項12に記載の履物アイテムの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は概して、ロッキングインソールアセンブリに関し、より具体的には、履物のミッドソール及びインソールの密着した入れ子式の組み合わせ(closely nested combination)、並びにそれらの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
それに限られないが、カジュアルシューズなどの従来の履物アイテムは、アッパー、ストロボ、ミッドソール、アウトソール及びインソールで作られる。典型的には、相互接続されたアッパー及びストロボのユニットは、ミッドソールに対して直接取り付けられている。靴を作るための、少なくとも1つの従来の工程において、ミッドソール、アウトソール、またはその双方が、「靴型(last)」の周りに構成される。「靴型」は、靴が構成されるにつれて、その靴の形状及び機能を主に規定する、足モデルである。靴型は、曲線であってよく、半曲線であってよく、まっすぐであってよい。靴型の形状は、履物の形状を定め、ソールに対する適切な取り付けを可能とするために使用される。
【0003】
しばしば取り外されうるインソールは、典型的には、後付けとして、形成されて靴の中へと挿入される。靴に通常備えられているストックインソールの主な目的は、ストロボの上にクッション性及びライニング性を付与することである。ストックインソールの大半は、実質的には、靴下の裏地である。靴下の裏地では、立った状態、歩いている状態及び走っている状態における性能及び快適性のための、ヒールカッピングサポート(heel cupping support)またはアーチサポート(arch support)が付与されない。
【0004】
ストックインソール及び靴下の裏地の欠点を考慮して、アフターマーケットのインソールと装具産業とが生まれた。多くの会社が、より快適で優れた性能の提供を狙って、特注品及び既製品の双方の、インソール及び装具を提供している。しかしながら、アフターマーケットのインソールは、通常、履物製造業者と同じ会社によって作られるものではない。このインソールは、靴及びブーツの豊富な選択の幅にフィットするように作られる。そのために、履物の豊富な選択の幅にフィットするように、形状を妥協しなければならない。これを考慮して、インソールは通常、靴の中にきっちりと収まらず、ミッドソールに対し、外側―内側方向と、前後(fore-aft(anterior-posterior))方向と、の双方に移動可能となっていることが多い。これらの妥協点に起因して、アフターマーケットのインソールは、ミッドソールにぴったりとフィットせず、性能及び快適性が損なわれる結果となる。さらに、インソールが潰れない状態でヒール部とアーチ部とをサポートするには、インソールは、強い材料や厚みを増して構成される必要がある。これによれば、重量や費用が増加し、履物の体積が過度に減少する可能性がある。
【0005】
消費者は、これらに限られないが、足のサイズ、足の幅、履物のブランド及び一般的な有用性(例えば、ブーツ、靴、サンダル等)等の変数を指針としうる。一方、「完璧なもの」やぴったりとフィットする履物アイテムを入手しづらいことは、容易に理解される。靴にきちんとフィットすることは、問題となる可能性もあり、インソールや装具のサポートに影響を及ぼす可能性がある。その結果、履物アイテムのフィット感及び快適性を改善する方法として、特注のフィット装具がますます一般的となっている。人の足にぴったりと合うように特注のフィット装具を成形したとしても、特注のフィット装具を特定の履物アイテム内に適切にフィットさせることは、依然として困難である可能性がある。一例として、特注のフィット装具は、性能を発揮して(perform)ドレスシューズ内にうまく収まることがあるが、作業用ブーツに移すと、実際には不適合であり、不快感さえも与える。この逆も、また当然である。
【0006】
本発明の少なくとも一態様では、履物アイテムは、インソール及びミッドソールを含む。インソールは、インソール天面、インソール底面及びインソール側壁を含む。インソールは、インソールとミッドソール天面との間にストロボとアッパーの一部とを挟んだ状態において、ミッドソール天面上に入れ子(nest)となるように構成される。ミッドソールは、インソールを収容するように構成された、ミッドソール上面とミッドソール側壁とを含む。ミッドソール上面とミッドソール側壁との間の境界面は、隅肉領域を含む。隅肉領域は、インソールを密着して(closely)収容するように傾斜した輪郭を有することにより、インソールに対する完全な支持と、ミッドソールに対するインソールの外側―内側方向の移動抑制と、を提供する。
【0007】
本発明の別の態様では、履物アイテム用のミッドソールは、上面と、側壁と、上面及び側壁の間の境界面と、を含む。境界面は、履物アイテムのインソールを密着して収容するように構成され、境界面は、インソールに対する支持と、ミッドソールに対するインソールの外側―内側方向の移動抑制と、を提供するように構成された、隅肉領域であることを特徴とする。
【0008】
本発明のさらに別の態様では、履物アイテムの製造方法は、(1)インソール天面と、インソール底面と、ヒール領域を有するインソール側壁と、を有するインソールを製造する工程と、(2)ミッドソールを製造する工程と、(3)ミッドソール上にインソールを配置する工程と、を含む。ミッドソールは、インソールを密着して収容するように構成された、ミッドソール上面及びミッドソール側壁を含む。ミッドソール上面及びミッドソール側壁の間の境界面は、インソールのヒール領域の側面を支持するように構成された、隅肉領域を含む。
【0009】
好ましくは、ミッドソールのアーチはまた、インソールのアーチ領域を支持するために、インソールのアーチを入れ子状に(nestingly)収容するように形成されている。
【0010】
本発明の好ましい一実施形態のさらなる態様では、インソールの少なくとも一部は、コルク材料から作られる。好ましくは、インソールは、コルク材料とエチレンビニルアセテート材料との組み合わせから作られる。ミッドソールも、コルク材料とエチレンビニルアセテート材料(EVA)との組み合わせから作られてよい。インソール及び/またはミッドソールにおいて、コルク材料は、重量、体積またはその双方で、エチレンビニルアセテート材料の量より多く、少なく、または等量であってよい。あるいは、インソール及び/またはミッドソールは、EVA、ポリウレタン、ゴム、もしくは他の材料または材料の組み合わせを含む、他の材料から構成されてよい。
【0011】
本発明のさらなる態様では、ストロボ及びアッパーがミッドソールとインソールとの間に配置される。隅肉領域は、インソールのヒール領域に対して相補的な形状を有しているため、ストロボ及びアッパーは、ミッドソール及びインソールの間の輪郭に沿う。したがって、ストロボの構造において、ミッドソール及び/またはインソールの形状は、それら2つの間にストロボ/アッパーを収容するように、微調整される。本発明はまた、ストロボを有しない構造の靴にも使用されうる。例えば、インソールをサポートする形状のミッドソールは、ステッチダウン構造において、使用されうる。ここで、ステッチダウン構造においては、ミッドソールが、一致するインソール形状を収容し、インソールを全面的かつ完全にサポートする。
【図面の簡単な説明】
【0012】
以下の図面を参照しながら、本発明の好ましい実施形態及び代替の実施形態について、以下に詳細に説明する。
【0013】
図1図1は、従来の履物アイテムの側面図である。
図2図2は、本発明の一実施形態における履物アイテムの断面図である。
図3図3は、本発明の一実施形態における、インソール、ストロボ/アッパー、及びミッドソールの、分解等角平面図(an exploded, isometric, top view)である。
図4図4は、本発明の一実施形態における、図3に示すインソール、ストロボ/アッパー、及びミッドソールの、分解背面図(an exploded, rear elevational view)である。
図5図5は、本発明の一実施形態における、図3に示すインソール、ストロボ/アッパー、及びミッドソールの、分解等角底面図(an exploded, isometric, bottom view)である。
図6図6は、本発明の一実施形態における、図3に示すインソール、ストロボ/アッパー、及びミッドソールの、拡大組立等角図(a close-up, assembled, isometric view)である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下の説明では、本発明の様々な実施形態を完全に理解できるようにするために、ある具体的詳細が記載されている。しかしながら、本発明がこれらの詳細なく実施されうることが、当業者に理解されるであろう。他の例では、本発明の実施形態の説明を不必要に曖昧にすることを避けるために、履物、インソール、ミッドソール、取り外し不可能なソール、フットベッド、シャンク、装具、緩衝装置、ヒールスタビライザー、他の安定装置、様々な種類の靴型の部材及び構造(例えば、型が取られたボード、型が取られたスリップ、型が取られたストロボ、型が取られた組み合わせなど)、これらの組み合わせ、及びこれらを製造する方法に関連する周知の構造は、必ずしも詳細に図示または説明されていない。
【0015】
履物アイテムの例、装具の例、またはその双方は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、米国特許第6,618,960号及び6,976,322号に見出すことができる。追加的または代替的に、履物アイテムの他の例、装具の他の例、またはその双方は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、米国特許公開第2016/0198794号に見出すことができる。
【0016】
本発明の少なくとも一つの実施形態によれば、本発明は、インソールとミッドソールとを含むロッキングインソールアセンブリを提供する。ミッドソールは、インソールとミッドソールとの間の、隙間や「フィット」の違いを、埋めるのを助けることが出来る。少なくとも一つの実施形態では、履物アイテムはインソールの周りに構成され、ミッドソールは、インソールとミッドソールとの間の、隙間やフィットの問題に対処するように構成される。ミッドソールは、インソールのヒールカップの側面の輪郭に密着してフィットすることによって、インソールが潰れることをも抑制し、これにより着用者の足のサポートを助ける。さらに、ロッキングインソールアセンブリは、コルクベースのインソールを含んでよい。このコルクベースのインソールは、人の足に適応するが、ミッドソールがインソールと協働して支持を行うので、このコルクベースのインソールによって、履物アイテムを同じサイズの足用に一般的に製造することが可能となる。このような支持は、例えば、より適合性及び快適性に優れたコルクベースの材料でヒールカップが作られた場合であっても、ヒールカップを所定の位置に保持して、着用者のヒールを適切にカッピングする(to properly cup)のを助ける。追加的または代替的には、ミッドソールによって、ヒールを所定の位置または比較的中間位置に維持しながら、人の足のつま先領域を、前後(fore-aft(anterior-posterior))方向において少なくともわずかな距離(例えば、約5ミリメートル以下)だけ移動するようにしてもよい。
【0017】
図1は、図面にラベルを付けた、典型的な構成要素を有する履物アイテム10を示す。図示の履物アイテム10では、インソール(不図示)は、ミッドソールとストロボ/アッパーとの組み合わせの上に載っており、着用者に対して、概ねある程度のサポート及びクッション性を与える。
【0018】
図2は、ミッドソール100、ストロボ200、アッパー202、インソール300、及びアウトソール400を有する履物アイテムの断面図を示す。ストロボ200は通常、ステッチ204またはほかの取り付け手段によってアッパー202と連結した、平坦な構成要素である。インソール300の外面輪郭とミッドソール100の内面とは相補的な形状を有しているため、その間にストロボ/アッパーを挟んで、インソール300がミッドソール100に密着して収容されて横方向において拘束されうる。これらの相補的な表面により、インソール300がミッドソール100に対して密着した入れ子となって(closely nest)横方向において拘束される。ミッドソールとインソールとの、この緊密な構成において、インソールがヒールのために優れたカッピングを保持するよう、ミッドソールはさらに、インソールの少なくともヒール領域に対して、横方向の支持を行う。ミッドソールはまた、インソールが過度に潰れることを抑制するように、インソールのアーチ領域を支持することができる。
【0019】
図3~5は、本発明の一実施形態における履物アイテムのベースを形成しうる、ミッドソール及びアウトソール100と、ストロボ/アッパー200と、インソール300と、の様々な分解図を示す。なお、これらの図におけるストロボ/アッパーの表現(strobel/upper representation)には、(図1に示すように)アッパーの下端にステッチされた下部(ストロボ)が含まれる。図3~5において、アッパーは、小さい横方向領域の上で(above the small lateral region)切り取られて示されているが、実際の履物においては、アッパーは、上に延びて着用者の足を覆っている。図3は、ミッドソール/アウトソール100、ストロボ/アッパー200及びインソール300の分解等角平面図である。なお、組み立てられた状態において、ストロボ/アッパーはミッドソール/アウトソールに固定されるが、インソールは、ストロボ/アッパーに固定されず、ストロボ/アッパーにおいて密着した入れ子となることが好ましい。図4は、ミッドソール/アウトソール100、ストロボ/アッパー200及びインソール300の分解背面図である。図5は、ミッドソール/アウトソール100、ストロボ/アッパー200及びインソール300の分解等角底面図である。
【0020】
少なくとも一つの実施形態において、ミッドソールは、EVA材料等の標準的なミッドソール材料から作られるが、これに限られない。代替実施形態では、他の材料を使用してもよい。
【0021】
少なくとも一つの実施形態において、インソール300はコルク材料から作られる。別の実施形態では、インソール300は、コルク材料とEVA材料との組み合わせによって作られる。コルク材料は、重量、体積またはその双方で、EVA材料の量より多く、少なく、または等量であってよい。インソール300は、インソール天面302、インソール底面304及びインソール側壁306を含む。
【0022】
ストロボ/アッパー200は、インソール300とミッドソール100との間に配置される。少なくとも一つの実施形態では、ミッドソール100は、コルク材料とEVA材料との組み合わせによって作られうる。コルク材料は、重量、体積またはその双方で、EVA材料の量より多く、少なく、または等量であってよい。
【0023】
ミッドソール100は、インソール300を入れ子状に収容するように構成された、境界面106を形成する、ミッドソール上面102とミッドソール側壁104とを含む。境界面106は、少なくとも部分的に隅肉領域によって形成されている。上述のように、靴は通常、「靴型」の周りに構成され、インソールの周りには構成されない。しかしながら、本発明では、ミッドソール100は、意図的にインソール300の周りにまたはインソール300を考慮して、構成されている。一例として、隅肉領域106は、インソール300のヒール領域を、密着した入れ子として、しっかりとカップ、保持、支持、拘束またはロック(lock)するように形成されている。したがって、隅肉領域106及びインソール側壁306は、特にインソールのヒール領域において、密着して(例えば、ロッキングタイプ(locking-type))フィットするように構成される。したがって、ミッドソールは、インソールのヒール領域のカッピング形状を支持して着用者の足のヒールを安定的に支持するのに役立つ。
【0024】
上述のように、隅肉領域106は、インソール側壁306に対して相補的な形状を有することによって、ミッドソール100に対するインソール300の外側―内側方向への移動を抑制し、ヒールを支持する。それにもかかわらず、インソール300は、ミッドソール100に対して、つま先領域において移動可能または伸縮可能でありうる。ミッドソール100に対するインソール300の移動または伸縮は、主に前後(posterior-anterior)方向において生じうる。例として、インソール300のヒール部分がミッドソール100に対して相対的にロックされた状態が維持される一方、インソール300のつま先領域は、ミッドソール100に対して約5ミリメートル以下の量だけ移動または伸縮するのに十分な柔軟性を有することができる。インソール300は、成型後に柔軟性を有し、着用者によって着用または「慣らし」がなされた後ではミッドソール100のつま先領域に適合する。そのため、インソール300のつま先領域は、ストロボ200上において平坦にならないことがある。
【0025】
図6は、ミッドソール100との間にストロボ200が配置され、ミッドソール100内に入れ子となった、インソール300の斜視組立図を示す。ストロボ/アッパーは典型的に、柔軟性を有しかつ厚みがやや均一であるため、ストロボ/アッパーは、ミッドソール100の形状に適合する。ミッドソールはすなわち、インソールに適合する輪郭を提供し、ストロボ/アッパーの厚みだけわずかにオフセット(offset)されている。この適合する輪郭によって、インソールが支持され、インソールが所定の位置に保持される。上述のように、ミッドソールはストロボ/アッパー200に固定されている。このような固定には、接着剤を用いてもよい。インソール300もストロボ/アッパー200に固定されてよいが、固定されないことが好ましい。上述のように、インソールのつま先領域は、使用状態において、前後(fore and aft)にわずかに移動することが好ましい。
【0026】
本発明の好ましい実施形態を図示し説明してきたが、上述のように、本発明の精神および範囲から逸脱することなく、多くの変更を加えることができる。さらに、上述の実施形態に関して、個々に見ても、それらの組み合わせにおいても、当業者にとっては他の利点が明らかであろう。したがって、本発明の範囲は、好ましい実施形態の開示によっては限定されない。代わりに、本発明は、添付の特許請求の範囲を参照することによって、完全に決定されるべきである。


図1
図2
図3
図4
図5
図6