(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-07
(45)【発行日】2022-10-18
(54)【発明の名称】手術用エンドエフェクタ補助取付具
(51)【国際特許分類】
A61B 17/072 20060101AFI20221011BHJP
A61B 17/115 20060101ALI20221011BHJP
【FI】
A61B17/072
A61B17/115
(21)【出願番号】P 2019544704
(86)(22)【出願日】2018-02-12
(86)【国際出願番号】 US2018017743
(87)【国際公開番号】W WO2018152042
(87)【国際公開日】2018-08-23
【審査請求日】2021-01-21
(32)【優先日】2017-02-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】517076008
【氏名又は名称】エシコン エルエルシー
【氏名又は名称原語表記】Ethicon LLC
【住所又は居所原語表記】#475 Street C, Suite 401, Los Frailes Industrial Park, Guaynabo, Puerto Rico 00969, United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】シェルトン・ザ・フォース・フレデリック・イー
(72)【発明者】
【氏名】ハリス・ジェイソン・エル
(72)【発明者】
【氏名】ベンデリー・マイケル・ジェイ
【審査官】山口 賢一
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2015/0209033(US,A1)
【文献】特開2011-036654(JP,A)
【文献】米国特許第05779130(US,A)
【文献】特開2015-051330(JP,A)
【文献】特開2014-094286(JP,A)
【文献】特開2005-177500(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 17/072
A61B 17/115
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
手術用器具用のエンドエフェクタであって、
互いに移動可能に連結されている上部ジョー及び下部ジョーであって、それらの間の組織をクランプするために、開口構成と閉鎖構成との間を移動するよう構成されている、上部ジョー及び下部ジョーと、
内部に配設されているステープルを備える複数のステープル空洞を有する内部組織側表面を有するカートリッジであって、前記下部ジョーに解放可能に連結するよう構成されている、カートリッジと、
アンビルプレートを有するアンビルアセンブリであって、複数のステープル形成ポケットが、前記アンビルプレートの内部組織側表面上において、前記アンビルプレートの中に形成されており、前記カートリッジ及び前記上部ジョーの少なくとも一方に解放可能に連結するよう構成されている、アンビルアセンブリと、
前記アンビルプレートの前記内部組織側表面に解放可能に固定されている
、組織に対するステープル留めを補助するシート状の第1の補助具材と、
前記第1の補助具
材を前記アンビルプレートに固定するために、前記第1の補助具材を横切って延在する
縫合糸で形成されている第1の拘束要素と、
前記カートリッジの前記内部組織側表面に解放可能に固定されている、組織に対するステープル留めを補助するシート状の第2の補助具材と、
前記第2の補助具材を前記カートリッジに固定するために、前記第2の補助具材を横切って延在する縫合糸で形成されている第2の拘束要素と、
を備えており、
前記エンドエフェクタは前記カートリッジに連結されているパンを更に備え、前記パンは、前記第2の拘束要素の端部と前記カートリッジとの連結を確実にし、前記第2の拘束要素の前記端部を保護するように構成されており、前記パンの内側表面は、前記第2の拘束要素の対向終端部に圧縮力を印加して、前記第2の拘束要素を前記カートリッジに固定する、エンドエフェクタ。
【請求項2】
前記アンビルプレートから外側方向に延在する整列機構部を更に備え、
前記整列機構部はタブを含み、前記整列機構部は、前記上部ジョーに対して前記アンビルプレートを整列させるために、前記上部ジョー上の相補的な整列機構部に係合するよう構成されている、請求項1に記載のエンドエフェクタ。
【請求項3】
前記
アンビルアセンブリと前記カートリッジとを連結するための、前記アンビルアセンブリ
上に配置された連結機構部を更に備え、
前記連結機構部は、ピンまたはリベットを含み、前記連結機構部は、前記カートリッジに対して、開口アンビル構成と閉鎖アンビル構成との間で前記アンビルプレートを移動させるよう構成されている、請求項1に記載のエンドエフェクタ。
【請求項4】
対向するジョーが前記開口構成にあるとき、前記アンビルプレートを前記開口アンビル構成に付勢するよう構成されている弾性材料から、前記連結機構部が形成されている、請求項
3に記載のエンドエフェクタ。
【請求項5】
前記第1の拘束要素が、熱可塑性材料、ポリジオキサノン材料、弾性材料、生体適合性材料及びそれらの組み合わせからなる群から選択される材料から形成される
前記縫合糸を含む、請求項1に記載のエンドエフェクタ。
【請求項6】
前記拘束要素の終端部が、前記アンビルプレート及び前記カートリッジの一方の上に形成されている取付け部位に固定して取り付けられている、請求項1に記載のエンドエフェクタ。
【請求項7】
前記取付け部位が粗い表面領域を備える、請求項
6に記載のエンドエフェクタ。
【請求項8】
前記取付け部位が、前記アンビルプレートの上部表面及び前記アンビルプレートの側面のうちの一方の上に形成されている、請求項
6に記載のエンドエフェクタ。
【請求項9】
前記取付け部位が、前記カートリッジの底部表面及び前記カートリッジの側面のうちの一方の上に形成されている、請求項
6に記載のエンドエフェクタ。
【請求項10】
前記アンビルプレートが、その外周に形成されていて、前記アンビルプレートに対する前記第1の拘束要素の摺動を防止するよう構成されている、少なくとも1つの
第1のノッチを含む、請求項1に記載のエンドエフェクタ。
【請求項11】
前記カートリッジ及び前記下部ジョーの少なくとも一方が、その内部に形成されていて、前記第2の拘束要素の摺動を防止するよう構成されている、
第2のノッチを含む、請求項
1に記載のエンドエフェクタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
1つ以上の補助具材料を手術用器具のエンドエフェクタに固定するための方法及びデバイスが提供される。
【背景技術】
【0002】
手術用ステープラは、外科的手技において、組織、血管、導管、シャント、若しくは特定の手技に関連する他の対象物又は身体部位の開口の閉鎖に使用される。開口は、血管内又は胃のような内臓内の通路として自然に発生するものもあり、あるいは組織又は血管穿刺でバイパス又は吻合を形成することによって、又はステープル留め手技中の組織切開によって、などの外科的手技中に外科医によって形成されることがある。
【0003】
大部分のステープラは、組織を係合してステープル留めするための一対の移動可能な対向するジョーを備えるエンドエフェクタを有する細長いシャフトを備えるハンドルを有する。ステープルは、通常、ステープルカートリッジに収められ、このステープルカートリッジは、複数の列のステープルを収容することができ、外科手術部位へのステープルを排出するため、2つのジョーのうちの1つに配設されることが多い。使用中、ジョーは、組織と係合するよう位置決めされ、デバイスは、組織からステープルを放出するよう作動させる。いくつかのステープラは、ステープルカートリッジ内のステープルの列間を移動し、ステープル留めされた列の間で、ステープル留めされる組織を長手方向に切開するように構成されているナイフを含む。
【0004】
手術用ステープラは、何年にもわたって改良されてきたが、それ自体には、依然として多くの問題が存在する。1つの共通問題は、ステープルが配置される組織又は他の対象物を貫通すると、ステープルが孔を形成するために、漏出が起るおそれがあることである。血液、空気、消化管液及び他の流体が、ステープルが完全に成形された後でさえも、ステープルによって形成された開口部からしみ出るおそれがある。処置される組織は、ステープル留めに起因する外傷のために、炎症を起こし得る。更に、ステープル、並びにステープル留めのような手技に連動して埋め込まれ得る他の対象物及び物質は、一般に、それらが埋め込まれる組織の一部の特性を欠如している。例えば、ステープル並びに他の物体及び物質は、それらが埋め込まれる組織の自然の柔軟性を欠如するおそれがある。当業者は、組織内にステープルが配設された後に組織がその自然の特性をできるだけ維持することが望ましいことが多いことを認識している。
[先行技術文献]
[特許文献]米国特許出願公開第2015/0209033号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、処置領域の自然特性を実質的に維持すると同時に、漏出及び炎症を最小にするように、組織、血管、導管、シャント、又は他の対象物若しくは身体部位をステープル留めするためのデバイス及び方法の改良が依然として必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
補助具を手術用器具のエンドエフェクタのジョーに解放可能に保持するための方法、システム及びデバイスが提供される。一実施形態では、エンドエフェクタが提供され、このエンドエフェクタは、互いに移動可能に連結されている上部ジョー及び下部ジョーであって、それらの間の組織をクランプするために、開口構成と閉鎖構成との間を移動するよう構成されている、上部ジョー及び下部ジョーを含むことができる。本エンドエフェクタは、複数のステープル空洞を有する内部組織側表面を有するカートリッジを更に含むことができ、ステープルはステープル空洞の内部に配設されている。カートリッジは、下部ジョーに解放可能に連結するよう構成され得る。本エンドエフェクタは、アンビルプレートを有するアンビルアセンブリであって、複数のステープル形成ポケットが、アンビルプレートの内部組織側表面上において、アンビルプレートの中に形成されている、アンビルアセンブリを更に含むことができる。アンビルアセンブリは、カートリッジ及び上部ジョーの少なくとも一方と解放可能に連結するよう構成され得る。本エンドエフェクタは、アンビルプレートの内部組織側表面に解放可能に固定されている第1の補助具材、及びアンビルプレートに第1の補助具を固定するための第1の補助具材を横切って延在する第1の拘束要素を更に含むことができる。
【0007】
一実施形態では、第2の補助具材は、カートリッジの内部組織側表面に解放可能に固定され得、第2の拘束要素は、該カートリッジに第2の補助具を固定するための第2の補助具材を横切って延在することができる。第1の拘束要素は、熱可塑性材料、ポリジオキサノン材料、弾性材料、生体適合性材料及びそれらの組み合わせからからなる群から選択される材料から形成される縫合糸を含むことができる。この拘束要素の終端部は、アンビルプレート及びカートリッジの一方の上に形成されている取付け部位に固定して取り付けることができる。ある種の態様では、取付け部位は、目の粗い表面領域を含むことができる、かつ/又はこの取付け部位は、アンビルプレートの上部表面、アンビルプレートの側面、カートリッジの底部表面及びカートリッジの側面のうちの1つの上に形成され得る。
【0008】
別の実施形態では、本エンドエフェクタは、カートリッジに連結されているパンを含み、こうして、このパンの内側表面は、第2の拘束要素の反対側の終端部に圧縮力を印加して、第2の拘束要素をカートリッジに固定することができる。ある種の態様では、アンビルプレートは、その外周に形成されていて、アンビルプレートに対する第1の拘束要素の摺動を防止するよう構成されている、少なくとも1つのノッチを含むことができる。カートリッジ及び下部ジョーの少なくとも一方は、その内部に形成されていて、第2の拘束要素の摺動を防止するよう構成されている、ノッチを含むことができる。
【0009】
一実施形態では、本エンドエフェクタは、アンビルプレートから外側方向に延在する整列機構部を更に含むことができ、上部ジョーに対してアンビルプレートを整列させるために、上部ジョー上の相補的な整列機構部に係合するよう構成され得る。この連結機構部は、対向するジョーが開口構成にあるとき、アンビルプレートを開口アンビル構成に付勢させるよう構成されている弾性材料から形成することができる。
【0010】
別の実施形態では、エンドエフェクタアセンブリが提供され、複数のステープル空洞を有する内部組織側表面を有するカートリッジを含むことができ、ステープルはステープル空洞の内部に配設されている。カートリッジは、手術用器具のエンドエフェクタの下部ジョーに解放可能に連結するよう構成され得る。本エンドエフェクタは、アンビルプレートを有するアンビルアセンブリであって、複数のステープル形成ポケットが、アンビルプレートの内部組織側表面上において、その中に形成されている、アンビルアセンブリを更に含むことができる。アンビルアセンブリは、カートリッジ及びエンドエフェクタの上部ジョーの少なくとも一方を解放可能に連結するよう構成され得る。本エンドエフェクタは、アンビルプレートの内部組織側表面に解放可能に固定されている第1の補助具材、及びアンビルプレートに第1の補助具を固定するための第1の補助具材を横切って延在する第1の拘束要素を更に含むことができる。
【0011】
手術方法も提供され、一実施形態では、本方法は、エンドエフェクタの上部ジョーと該エンドエフェクタの下部ジョーに連結するよう構成されているカートリッジのうちの少なくとも一方にアンビルアセンブリを解放可能に連結することを含む。アンビルアセンブリは、アンビルプレートを含むことができ、カートリッジの内部組織側表面に沿った複数のステープル空洞に相当する複数のステープル形成ポケットは、アンビルプレートの内部組織側表面上において、アンビルプレートの中に形成されている。アンビルプレートに面する内部組織側表面は、第1の拘束要素によって、アンビルプレートに解放可能に固定されている第1の補助具材を有することができる。
【0012】
本明細書に記載されている主題の1つ以上の変形形態の詳細が、添付の図面及び以下の説明において記載されている。本明細書に記載されている主題の他の特徴及び利点は、この説明及び図面から、並びに特許請求の範囲から明白となろう。
【図面の簡単な説明】
【0013】
本発明は、以下の詳細な説明を添付図面と併せ読むことで、より完全に理解されるであろう。
【
図1】手術用ステープラの一実施形態の斜視図である。
【
図2】
図1の手術用ステープラの遠位部分の立体分解図である。
【
図3】
図1の外科用ステープラの発射バーの斜視図である。
【
図4】モジュラシャフトを有する手術用ステープラの別の実施形態の斜視図である。
【
図5】環状手術用ステープラの実施形態の斜視図である。
【
図6】一対の対向するジョー及びカートリッジを含む、エンドエフェクタの部分立体分解図である。
【
図7】アンビルアセンブリに固定されている補助具及びカートリッジに固定されている補助具を有するカートリッジに連結されているアンビルアセンブリを有するエンドエフェクタの別の実施形態の斜視図である。
【
図8】カートリッジ周辺に延在する縫合糸を備えるカートリッジに固定されている補助具材を有するエンドエフェクタの一実施形態の断面図である。
【
図9A】アンビルアセンブリのアンビルプレートに固定されている補助具、及び少なくとも1つの縫合糸を使用するカートリッジに固定されている補助具を備えるカートリッジに連結されているアンビルアセンブリを有するエンドエフェクタの別の実施形態の斜視図である。
【
図9B】アンビルプレートの上部表面に沿って縫合糸の取付け点を示す、
図9Aのアンビルプレートの一部の上部斜視図である。
【
図9C】カートリッジの下側に沿って、縫合糸の取付け点を示す、
図9Aのカートリッジの一部の底部斜視図である。
【
図10A】別の実施形態による、カートリッジの反対側にある縫合糸の取付け点を有するカートリッジの一部の斜視図である。
【
図10B】カートリッジに連結されており、かつ縫合糸の取付け点上に位置決めされているパンを示す、
図10Aのカートリッジの一部の斜視図である。
【
図11】更に別の実施形態による、エンドエフェクタの上部ジョー部材に沿って、上部ジョー空洞と嵌合するアンビル面機構部を有するアンビルプレートの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に、本明細書において開示するデバイス及び方法の構造、機能、製造、及び使用の原理の全体的な理解が得られるように、特定の例示的な実施形態を説明する。これらの実施形態のうちの1つ以上の実施例が、添付の図面に示されている。当業者であれば、本明細書において具体的に説明し、添付の図面に例示されているデバイス、システム及び方法は、非限定的な例示的実施形態であり、本発明の範囲は、特許請求の範囲のみによって定義されることが理解されるであろう。1つの典型的な実施形態に関連して例示又は説明される特徴は、他の実施形態の特徴と組み合わせることができる。このような改変及び変形は、本発明の範囲内に含まれるものとする。
【0015】
更に、本開示において、実施形態の同様の参照符合を付した構成要素は概して同様の特徴を有するものであり、したがって、特定の実施形態では、同様の参照符合を付した各構成要素の各特徴については必ずしも完全に詳しく述べることはしない。加えて、開示されるシステム、デバイス及び方法の説明で直線寸法又は円寸法が使用される範囲において、このような寸法は、このようなシステム、デバイス及び方法と組み合わせて使用することができる形状の種類を限定しようとするものではない。当業者には、任意の幾何学的形状についてこのような直線寸法及び円寸法に相当する寸法を容易に決定することができる点が認識されるであろう。システム及びデバイス、並びにその構成要素のサイズ及び形状は、少なくともシステム及びデバイスが用いられる被験者の解剖学的構造、システム及びデバイスがそれらと共に用いられる構成要素のサイズ及び形状、並びにシステム及びデバイスが用いられる方法及び手技によって決まり得る。
【0016】
「近位」及び「遠位」という用語は、本明細書では、臨床医などのユーザが器具のハンドルを握ることについて使用されることが認識されるであろう。「前方」及び「後方」といった他の空間的用語は、同様に、遠位及び近位にそれぞれ対応する。便宜上、また説明を明確にするため、本明細書では「垂直」及び「水平」といった空間的用語が、図面に対して使用されている点も更に理解されるであろう。しかし、手術用器具は、多くの配向及び位置で使用されるものであり、これらの空間的用語は、限定的かつ絶対的なものであることを意図するものではない。
【0017】
一部の実施形態では、本明細書に記載されているデバイス及び方法は、切開外科手技のために提供され、他の実施形態では、腹腔鏡下、内視鏡的及び他の最小限の低侵襲的外科的手技のためのデバイス及び方法が提供される。これらのデバイスは、人間のユーザによって直接、又はロボット若しくは類似の操作ツールの直接制御下でリモート発射されてよい。しかし、当業者は、本明細書に開示されるさまざまな方法及びデバイスが、多数の外科的手技及び用途に用いられ得ることを理解するであろう。本明細書において開示されているさまざまな器具が、例えば、自然開口部を通して、組織に形成された切開又は穿刺孔を通して、又はトロカールカニューレなどのアクセスデバイスを使用してなどの、何らかの方法で体内へ挿入され得ることを当業者は更に認識するであろう。例えば、これらの器具の作動部分、すなわちエンドエフェクタ部分は、患者の体内に直接に挿入できる、又は、手術用器具のエンドエフェクタ及び細長いシャフトを通過させることが可能な作業用チャネルを有するアクセスデバイスを介して挿入され得る。
【0018】
1つ以上の本明細書において集合的に「補助具」と呼ぶ生体材料及び/又は合成材料を、手術用器具と共に使用して、外科的手技の改善を支援することは望ましいことであり得る。さまざまな異なる手術用エンドエフェクタが、補助具の使用から利益を得ることができ、一部の例示的な実施形態では、この器具は、手術用ステープラとすることができる。手術用ステープラと共に使用されるときには、補助具は、ステープラのジョーの間及び/又はその上に配置されても、ジョーに配置されたステープルカートリッジに組み込まれても、又はそうでなければ、ステープルの近位に置かれてもよい。ステープルが配備されると、補助具は、ステープルと共に処置部位に残ってもよく、その結果、多くの利益を提供することができる。例えば、補助具は、処置部位における組織を増強して、処置部位において、ステープルにより裂かれ又は引き裂かれるのを防止することができる。組織増強は、組織が病変している、放射線治療など別の処置、化学療法など薬物治療、又は他の組織特性を変更する状況から治癒している場合に、ステープルが組織を裂かないように保つために必要なことがある。一部の場合において、補助具は、ステープル留め後に生じる組織変形(例えば、肺膨張、消化管膨張など)から生じ得る、ステープル穿刺部位及びその付近における組織の移動を最小化してよい。当業者は、ステープル穿刺部位は応力集中部となることがあり、ステープルによって形成された孔の寸法は、その付近の組織が張力下に置かれると、増大することを認識するであろう。これらの穿刺部位付近での組織の移動を制限することは、張力下で増大し得る孔の寸法を最小化できる。一部の場合において、補助具は、例えば、シーラント、血液、接着剤など、更に治癒を促進する有益な流体を吸い上げる(wick)、又は吸収するように構成され得、一部の場合では、補助具は、分解して、例えば、シーラントなど、更に治癒を促進するゲルを形成するように構成され得る。一部の例では、補助具が、組織、血管、及び種々の他の対象物又は身体部位に埋め込まれるときに、ステープルによって形成される孔の封止の支援に使用されてもよい。補助具はまた、補助具に関連付けられた任意のファイバ又はストランドの間隔、配置、及び/又は配向により、組織成長に影響を及ぼしてもよい。更に、一部の状況では、補助具は、ステープルによって印加された圧力を分散させるのに有用となり得、これにより、ステープルが組織を通って引き寄せられて、所期の組織の締め(いわゆる「チーズワイヤリング(cheese wiring)」)に失敗する可能性を低減する。更に、補助具は、少なくとも部分的に伸縮性とすることができ、組織の少なくとも部分的な自然な運動(例えば、呼吸の間の肺組織の拡張及び収縮)を可能にすることができる。一部の実施形態では、ステープルラインは、例えば、その全体が参照により本明細書に組み込まれている、2014年9月26日に出願された、「Method for Creating a Flexible Staple Line」と題する、米国特許出願公開第2016/0089142号に記載されているような可撓性とすることができる。
【0019】
手術用ステープル留め器具
さまざまな手術用器具が、本明細書において開示された補助具及び/又は薬剤と共に使用され得る。「補助具」は、本明細書において、「補助具材」とも呼ばれる。手術用器具は、手術用ステープラを含み得る。さまざまな手術用ステープラ、例えば、線形手術用ステープラ及び環状ステープラが使用され得る。概して、線形ステープラが、長手方向ステープルラインを形成するように構成され得、かつ細長いジョーを含むことができ、カートリッジは、長手方向ステープル列を収容して、細長いジョーに連結されている。細長いジョーは、ジョー内に保持された組織に沿って、ステープル列間の切断を形成することができるナイフ又は他の切断部材を含み得る。概して、環状ステープラは、環状ステープルラインを形成するように構成され得、環状ジョーを含むことができ、カートリッジは環状ステープル列を収容している。環状ジョーは、ジョー内に保持されている組織を通る開口部を画定するためのステープル列の内側の切断を形成することができるナイフ又は他の切断部材を含み得る。ステープラは、さまざまな異なる外科手技において、例えば、胸部手術又は胃部手術において、さまざまな組織に使用され得る。
【0020】
図1は、1つ以上の補助具及び/又は薬剤を共に使用するのに好適な線形手術用ステープラ10の一例を図示する。ステープラ10は、一般に、ハンドルアセンブリ12、ハンドルアセンブリ12の遠位端部12dから遠位に延在するシャフト14、及びシャフト14の遠位端部14dにあるエンドエフェクタ30を含む。エンドエフェクタ30は、対向する下部及び上部ジョー32、34を有するが、他の種類のエンドエフェクタを、シャフト14、ハンドルアセンブリ12、及びそれらに付随する構成要素と共に使用し得る。
図2に示されているとおり、下部ジョー32は、ステープルカートリッジ40を支持するように構成されているステープルチャネル56を有しており(
図2を参照されたい)、上部ジョー34は、下部ジョー32に面しており、かつステープルカートリッジ40のステープル(これらのステープルは、
図1及び
図2では隠れている)を配置する一助となるよう、アンビルとして動作するように構成されているアンビル面33を有する。少なくとも1つの対向する下部ジョー及び上部ジョー32、34は、それらの間に配置された組織及び/又は他の物体をクランプするために、他方の下部ジョー及び上部ジョー32、34に対して移動可能である。一部の実施では、対向する下部ジョー及び上部ジョー32、34の一方が固定されるか、又は別の方法で移動不能であってよい。一部の実施では、対向する下部ジョー及び上部ジョー32、34の両方が、移動可能であってよい。発射システムの構成要素は、ステープルをクランプされた組織内に放出するために、エンドエフェクタ30の少なくとも一部を通って通過するように構成され得る。さまざまな実施では、ナイフブレード36(
図3を参照されたい)又は他の切断要素は、発射システムに接続されて、ステープル留め手技中に組織を切開することができる。切断要素は、ステープルが放出されるのと少なくとも部分的に同時に、組織を切開するよう構成され得る。一部の状況では、組織は、ステープルが放出されて、組織が固定された後に、切開されると有利となることがある。したがって、外科手技が、ジョー間に捕捉された組織の切断を必要とする場合、ステープルがステープルカートリッジ40から排出された後に、ナイフブレード36を前進させて、ジョー間に把持されている組織を切断する。
【0021】
エンドエフェクタ30の作動は、ハンドルアセンブリ12での、例えば、臨床医、外科医などのユーザからの入力によって開始され得る。ハンドルアセンブリ12は、それに連結されるエンドエフェクタ30を扱って操作するように設計された多くの異なる構成を有してもよい。図示した例では、ハンドルアセンブリ12は、その中に配置されるさまざまな機械的及び/又は電気的構成要素を伴うピストルグリップ型のハウジング18を有し、器具10の多様な機能を操作する。例えば、ハンドルアセンブリ12は、ハンドルアセンブリ12に対する、シャフト14の長手方向軸Lを中心にシャフト14及び/又はエンドエフェクタ30が回転するのを容易にすることができる、その遠位端部12dに隣接して取り付けられた回転ノブ26を含むことができる。ハンドルアセンブリ12は、クランプトリガ22によって作動されるクランプシステムの一部としてクランプ構成要素、発射トリガ24によって作動される発射システムの一部として発射構成要素を更に含むことができる。クランプ及び発射トリガ22、24は、例えば、トーションばねによって、静止ハンドル20に対して開放位置に付勢され得る。静止ハンドル20に向けたクランプトリガ22の移動は、以下に記載のクランプシステムを作動させることができ、これにより、ジョー32、34を互いに向けて倒させ、したがって、それらの間に組織をクランプすることができる。発射トリガ24の移動は、以下に記載の発射システムを作動させることができ、これにより、その中に配置されたステープルカートリッジ40からステープルを排出させることができ、及び/又は、ナイフブレード36を前進させて、ジョー32、34の間に捕捉された組織を切断することができる。当業者であれば、機械、油圧、空気圧、電気機械、ロボット又はその他の発射システムの構成要素のさまざまな構成が、ステープルの放出及び/又は組織の切開に使用され得ることを認識している。
【0022】
図2に示されているとおり、例示した実施のエンドエフェクタ30は、カートリッジアセンブリ又は担体として働く下部ジョー32、及びアンビルとして働く、対向する上部ジョー34を有する。内部に複数のステープルを有するステープルカートリッジ40は、ステープルトレイ37内に支持され、次に、このステープルトレイ37は、下部ジョー32のカートリッジチャネル内に支持されている。上部ジョー34は、複数のステープル成形ポケット(図示せず)を有し、各ポケットは、ステープルカートリッジ40内に収容されている複数のステープルからの対応するステープルの上に位置決めされている。上部ジョー34は、さまざまな方法で下部ジョー32に接続され得るが、例示されている実施では、上部ジョー34は、シャフト14との係合部のすぐ遠位の、ステープルチャネル56の近位端部56p内で枢動可能に受容される近位枢動端部34pを有する。上部ジョー34が下向きに枢動すると、上部ジョー34は、アンビル面33を移動させ、その上に形成されたステープル成形ポケットは、対向するステープルカートリッジ40の方向に移動する。
【0023】
ジョー32、34の開閉をもたらして、これらの間に組織を選択的にクランプするよう、さまざまなクランプ構成要素が使用され得る。例示されているとおり、上部ジョー34の枢動端部34pは、ステープルチャネル56との枢動取付け部より遠位に閉鎖機構部34cを含む。したがって、遠位端部が、閉鎖機構部34cと係合する馬蹄形隙間46aを含む閉鎖管46は、クランプトリガ22に応答して、閉鎖管46の近位長手方向運動中に上部ジョー34に対して開口運動を、及び閉鎖管46の遠位長手方向運動中に上部ジョー34に対して閉鎖運動を選択的に加える。上記のとおり、さまざまな実施において、エンドエフェクタ30の開閉は、上部ジョー34に対する下部ジョー32の相対運動、下部ジョー32に対する上部ジョー34の相対運動、又は互いに対する両方のジョー32、34の運動によってもたらされ得る。
【0024】
例示されている実施の発射構成要素は、
図3に示すように、その遠位端部にEビーム38を有する発射バー35を含む。発射バー35は、シャフト14内、例えば、シャフト14の長手方向発射バースロット14s内に含まれており、ハンドル12からの発射運動によって誘導される。発射トリガ24の作動は、エンドエフェクタ30の少なくとも一部を通るEビーム38の遠位運動に影響を及ぼし、したがって、ステープルカートリッジ40内に収容されているステープルを発射させることができる。例示されているとおり、Eビーム38の遠位端部から突出しているガイド39は、
図2に示されている楔形スレッド47と係合することができ、次に、楔形スレッド47は、ステープルカートリッジ40内に形成されているステープル空洞41を通ってステープルドライバ48を押し上げることができる。ステープルドライバ48の上方移動は、カートリッジ40内の複数のステープルのそれぞれに上向きの力を印加し、したがって、上部ジョー34のアンビル面33にステープルを上方向に押し込み、ステープルを形成させる。
【0025】
ステープルを発射させることに加えて、Eビーム38は、ジョー32、34の閉鎖、ステープルカートリッジ40からの上部ジョー34の一定距離での保持、及び/又はジョー32、34の間に捕捉された組織の切断を容易にするように構成され得る。特に、一対の頂部ピン及び一対の底部ピンは、下部ジョー32、34の一方又は両方と係合して、発射バー35がエンドエフェクタ30を通って前進すると、ジョー32、34を互いの方向に圧縮することができる。同時に、頂部ピンと底部ピンとの間に延在するナイフ36は、ジョー32、34の間で捕捉された組織を切断するように構成され得る。
【0026】
使用中、手術用ステープラ10は、カニューレ又はポート内に配設され、外科手術部位に配設され得る。切開されてステープル留めされる組織は、手術用ステープラ10のジョー32、34の間に置かれてもよい。ステープラ10の機構部が、ユーザによって望みどおりに操作され、ジョー32、34に関する外科手術部位と組織において、ジョー32、34の所望の位置を実現することができる。適切な位置決めを達成した後に、クランプトリガ22を静止ハンドル20の方向に引き、クランプシステムを作動させることができる。クランプトリガ22は、閉鎖管46が、シャフト14の少なくとも一部を通過して遠位方向に前進し、ジョー32、34の少なくとも一方を他方に向かって倒し、これらの間に配設された組織をクランプするように、クランプシステムの構成要素を作動させることができる。その後、発射バー35及び/又はEビーム38が、エンドエフェクタ30の少なくとも一部を通って遠位方向に前進し、ステープルの発射を行い、任意選択的に、ジョー32、34の間で捕捉された組織を切断するよう、発射トリガ24を、静止ハンドル20の方向に引いて、発射システムの構成要素を作動させることができる。
【0027】
線形手術用ステープラ50の形態における手術用器具の別の例が
図4に図示されている。ステープラ50は、一般に、
図1のステープラ10と同様に構成されて使用され得る。
図1の手術用器具10と同様に、手術用器具50は、ハンドルアセンブリ52であって、そこから遠位に延在し、かつ組織を処置するために遠位端部にエンドエフェクタ60を有するシャフト54を備える、上記のハンドルアセンブリ52を含む。エンドエフェクタ60の上部ジョー及び下部ジョー64、62は、これらの間で組織を捕捉し、下部ジョー62に配置されたカートリッジ66からステープルを発射することによって組織をステープル留めし、及び/又は、組織に切開部を形成するように構成され得る。この実施において、シャフト54の近位端部にある取付け部67は、シャフト54及びエンドエフェクタ60をハンドルアセンブリ52に移動可能に取り付けることができるように構成され得る。特に、取付け部67の嵌合機構部68は、ハンドルアセンブリ52の補助嵌合機構部71と嵌合することができる。嵌合機構部68、71は、例えば、スナップフィット連結部、バヨネット式連結部などによって互いに連結するように構成され得るが、シャフト54をハンドルアセンブリ52に着脱可能に連結するために、任意の数の補助嵌合機構部及び任意の種類の連結を使用することができる。例示されている実施のシャフト54の全体は、ハンドルアセンブリ52から取り外し可能に構成されているが、一部の実施では、取付け部67は、シャフト54の遠位部しか着脱できないように構成され得る。シャフト54及び/又はエンドエフェクタ60の取り外し可能な連結部は、特定の手技のための所望のエンドエフェクタ60の選択的な取付け、及び/又は、多数の異なる手技のためのハンドルアセンブリ52の再利用を可能にすることができる。
【0028】
ハンドルアセンブリ52は、その上に、エンドエフェクタ60を操って操作するための1つ以上の機構部を有することができる。非限定例として、ハンドルアセンブリ52の遠位端部に取り付けられた回転ノブ72は、ハンドルアセンブリ52に対するシャフト54及び/又はエンドエフェクタ60の回転を容易にすることができる。ハンドルアセンブリ52は、移動可能なトリガ74によって作動されるクランプシステムの一部としてのクランプ構成要素、及びトリガ74によってやはり作動され得る発射システムの一部としての発射構成要素を含むことができる。したがって、一部の実施では、静止ハンドル70の方向への第1の運動範囲を通るトリガ74の移動により、クランプ構成要素が作動して、対向するジョー62、64を互いに向けて閉鎖位置に接近させることができる。一部の実施では、対向するジョー62、24の一方しか、ジョー62、64を閉鎖位置に移動させるよう移動することができない。第2運動範囲を通る、静止ハンドル70の方向への第2の運動範囲を通るトリガ74の移動により、発射構成要素が作動し、ステープルカートリッジ66からステープルを排出させることができる、かつ/又はナイフ若しくは他の切断要素(図示せず)を前進させて、ジョー62、64間に捕捉された組織を切断させることができる。
【0029】
環状手術用ステープラ80の形態における手術用器具の一例が、
図5に例示されている。ステープラ80は、一般に、
図1及び
図4の線形ステープラ10、50と同様に構成されて使用され得るが、一部の機構が、環状ステープラとしてその機能に適応している。手術用器具10、50と同様に、手術用器具80は、ハンドルアセンブリ82であって、そこから遠位に延在し、かつ組織を処置するために遠位端部にエンドエフェクタ90を有するシャフト84を備える、上記のハンドルアセンブリ82を含む。エンドエフェクタ90は、実質的に環状の形状である、組織接触表面をそれぞれが有する、カートリッジアセンブリ92及びアンビル94を含むことができる。カートリッジアセンブリ92及びアンビル94は、アンビル94から延在するシャフト98を介して、ステープラ80のハンドルアセンブリ82に連結され得、ハンドルアセンブリ82上のアクチュエータ85を操作すると、シャフト98を後退及び前進させて、カートリッジアセンブリ92に対してアンビル94を移動させることができる。アンビル94及びカートリッジアセンブリ92は、さまざまな機能を行うことができ、それらの間に組織を捕捉する、カートリッジアセンブリ92のカートリッジ96からステープルを発射することにより該組織をステープル留めするよう構成され得、かつ/又は組織に切開を形成するように構成されることができる。一般的に、カートリッジアセンブリ92は、ステープルを入れるカートリッジを収容することができ、ステープルをアンビル94に対して配置して、ステープルの環状パターンを形成し、例えば管状体内臓器の外周の周りをステープル留めすることができる。
【0030】
一実施では、シャフト98は、アンビル94をカートリッジアセンブリ92から着脱することができるように解放可能に一緒に連結されるように構成されている第1及び第2の部分(図示せず)から構成することができ、これにより、アンビル94及びカートリッジアセンブリ92を、患者の体内に位置決めするのに、一層高い可撓性をもたらすことができる。例えば、シャフト98の第1の部分は、カートリッジアセンブリ92の内部に配設され、カートリッジアセンブリ92の外側へと遠位方向に延在して、遠位嵌合機構部において終端することができる。シャフト98の第2の部分は、アンビル94の内部に配設され、カートリッジアセンブリ92の外側へと近位方向に延在して、近位嵌合機構部において終端することができる。使用に際して、近位嵌合機構部と遠位嵌合機構部とを互いに連結させることにより、アンビル94とカートリッジアセンブリ92とを互いに対して動かすことができる。
【0031】
ステープラ80のハンドルアセンブリ82には、ステープラの移動を制御することができる、さまざまなアクチュエータをその上に配設することができる。例えば、ハンドルアセンブリ82は、その上に、回転によってエンドエフェクタ90の位置決めを容易にする回転ノブ86、及び/又はエンドエフェクタ90を作動させるためのトリガ85を有することができる。静止ハンドル87への第1の運動範囲によるトリガ85の移動によって、クランプシステムの構成要素を作動させて、ジョーに近づける(すなわち、カートリッジアセンブリ92の方向にアンビル94を移動させる)ことができる。静止ハンドル87への第2の運動範囲によるトリガ85の移動によって、発射システムの構成要素が作動して、ステープルをステープルカートリッジアセンブリ92から配置させ、かつ/又はカートリッジアセンブリ92とアンビル94との間に捕捉された組織を切断するためにナイフを前進させることができる。
【0032】
手術用ステープル留め器具10、50、80の例示した例は、多数の異なる構成及び関連する使用方法のうちの数例を提示しているに過ぎず、これらは本明細書において提供される開示と共に使用することができる。例示されている例は、すべて最小限の侵襲手技において使用するように構成されているが、切開外科手技において使用するよう構成されている器具、例えば、2007年2月28日に出願の「Surgical Stapling Devices That Produce Formed Staples Having Different Lengths」と題する米国特許第8,317,070号に記載されているようにオープン線形ステープラが、本明細書において提供される開示と共に使用できることが理解されよう。例示した例の一層の詳細、並びに手術用ステープラ、その構成要素及びその関連する使用方法の追加例は、2014年3月26日出願の、「Systems And Methods For Controlling A Segmented Circuit」と題する米国特許出願公開第2015/0277471号、2013年2月8日に出願の「Layer Comprising Deployable Attachment Members」と題する米国特許出願公開第2013/0256377号、2010年9月30日に出願の「Selectively Orientable Implantable Fastener Cartridge」と題する米国特許第8,393,514号、2007年2月28日に出願の「Surgical Stapling Devices That Produce Formed Staples Having Different Lengths」と題する米国特許第8,317,070号、2005年6月21日に出願の「Surgical Instrument Incorporating EAP Blocking Lockout Mechanism」と題する米国特許第7,143,925号、2013年11月8日に出願の「Sealing Materials For Use In Surgical Stapling」と題する、2013年11月8日出願の「Sealing Materials for Use in Surgical Procedures」と題する、米国特許出願公開第2015/0134077号、2013年11月8日に出願の「Hybrid Adjunct Materials for Use in Surgical Stapling」と題する米国特許出願公開第2015/0134076号、2013年11月8日に出願の「Positively Charged Implantable Materials and Method of Forming the Same」と題する米国特許出願公開第2015/0133996号、2013年11月8日に出願の「Tissue Ingrowth Materials and Method of Using the Same」と題する米国特許出願公開第2015/0129634号、2013年11月8日に出願の「Hybrid Adjunct Materials for Use in Surgical Stapling」と題する米国特許出願公開第2015/0133995号、2014年3月26日に出願の「Surgical Instrument Comprising a Sensor System」と題する米国特許出願公開第2015/0272575号、及び2014年6月10日出願の「Adjunct Materials and Methods of Using Same in Surgical Methods for Tissue Sealing」と題する米国特許出願公開第2015/0351758号に提示されており、それらの全体が参照により本明細書に組み込まれている。
【0033】
埋め込み可能な補助具
上記のとおり、手術用ステープル留め器具と共に使用するための、さまざまな埋め込み可能な補助具が提供される。補助具は、さまざまな構成を有することができ、さまざまな材料から形成されることができる。一般に、補助具は、1つ以上のフィルム、発泡体、射出成形熱可塑性材料、真空熱成形材料、繊維性構造体及びそれらのハイブリッドから形成され得る。補助具はまた、1つ以上の生物由来の材料及び1つ以上の薬物を含むことができる。これらの材料はそれぞれ、以下に一層詳細に議論される。
【0034】
補助具は、独立気泡発泡体、連続気泡発泡体又はスポンジなどの発泡体から形成され得る。このような補助具を製造する方法の一例は、ブタの腱などの動物由来コラーゲンからのものであり、次に、これが処理され、発泡構造へと凍結乾燥され得る。ゼラチンもやはり、使用されて発泡体へと加工され得る。さまざまな発泡体補助具の例が、既に言及した、2010年9月30日出願の「Selectively Orientable Implantable Fastener Cartridge」と題する米国特許第8,393,514号に更に記載されている。
【0035】
補助具はまた、以下において議論される任意の適切な材料又はそれらの組み合わせから形成されたフィルムから形成され得る。フィルムは、1つ以上の層を含むことができ、同層はそれぞれ、異なる分解速度を有することができる。更に、フィルムは、内部に形成されたさまざまな領域、例えばいくつかの異なる形態で、1種以上の薬剤を内部に放出可能に保持することができるリザーバを有することができる。内部に配設された少なくとも1種の薬剤を有するリザーバは、吸収性又は非吸収性ポリマーを含むことができる、1つ以上の異なるコーティング層を使用して封止され得る。フィルムは、さまざまな方法で形成され得る。例えば、フィルムは、押出成型フィルム又は圧縮成形フィルムとすることができる。薬剤も、フィルム上に吸収され得るか、又は水素結合などの非共有結合性相互作用によってフィルムに結合され得る。
【0036】
補助具はまた、射出成形熱可塑性材料又は真空熱成形材料から形成され得る。さまざまに成形された補助具の例は、その全体が参照により本明細書に組み込まれている、2013年2月8日に出願の、「Fastener Cartridge Comprising A Releasably Attached Tissue Thickness Compensator」と題する、米国特許出願公開第2013/0221065号に更に記載されている。補助具はまた、ファイバベース格子とすることができ、この同格子は、織布、編地、又は、メルトブロー、ニードルパンチ、若しくは熱構成ルーズ織布などの不織布であることができる。補助具は、多くの異なる方法で共に補助具を形成し得る、同じ種類の格子又は異なる種類の格子から形成され得る、複数の領域を有することができる。例えば、ファイバは、規則的又は不規則な構造を形成するよう、織られ、編まれる(braided)、編まれる(knitted)、又は他の方法で相互接合され得る。得られた補助具が比較的緩くなるよう、ファイバは、相互接合され得る。代替的に、補助具は、密に相互接合されたファイバを含むことができる。補助具は、シート、管、螺旋、又は柔らかい部分及び/又はより硬い補強部分を含むことができる任意の他の構造の形態をとり得る。補助具は、そのある特定の領域がより密なファイバを有することができる一方、他の領域がそれほど密ではないファイバを有するように構成され得る。ファイバ密度は、補助具の1つ以上の寸法に沿って、補助具の所期の用途に基づいて、異なる方向でさまざまとなり得る。補助具は、織られる、編まれる、又はそうでない場合、補助具が伸縮するのを可能にする相互接合ファイバから形成され得る。例えば、補助具は、その長手軸に沿った方向、及び/又は長手軸に垂直な横方向に伸縮するよう構成され得る。補助具は、少なくとも2つの次元(例えば、X方向とY方向)に伸縮可能であると同時に、その厚さに沿って(例えば、Z方向)補強をもたらし、こうして、補助具は伸縮するが、ステープルによる引き裂き及び引っ張りに抵抗することができる。埋め込まれるように構成され、こうしてそれらが組織と一緒に伸縮することができる補助具の非限定例は、その全体が参照により本明細書に組み込まれている、2014年9月26日に出願された、「Method for Creating a Flexible Staple Line」と題する、上記の米国特許出願公開第2016/0089142号に記載されている。
【0037】
補助具はまた、積層複合材又はメルトロック相互接合ファイバなどのハイブリッド構造体とすることもできる。さまざまなハイブリッド構築補助具の例は、それらの全体が参照により本明細書に組み込まれている、2013年2月8日出願の「Adhesive Film Laminate」と題する、米国特許第9,282,962号、及び2007年9月12日出願の「Minimally Invasive Medical Implant And Insertion Device And Method For Using The Same」と題する、米国特許第7,601,118号に更に記載されている。
【0038】
記載されている技法に準拠する補助具は、さまざまな材料から形成され得る。これらの材料は、さまざまな目的のために、さまざまな実施形態に使用することができる。材料は、組織内部成長を促進するよう、組織に送達されるべき所望の治療にしたがって選択され得る。材料は、ホモポリマー及びコポリマーを含めた、生体吸収性ポリマー及び生体適合性ポリマーを含むことができる。生体吸収性ポリマーは、吸収性ポリマー、再吸収性ポリマー、生体再吸収性ポリマー又は生分解性ポリマーとすることができる。また、補助具は、活性剤、例えば、活性な細胞培養物(例えば、ダイス状の自家組織)、幹細胞療法に使用される作用剤(例えば、Biosutures及びCellerix S.L.)、止血剤、及び組織治癒剤も含み得る。
【0039】
本補助具は、その内部に、大多数の異なる薬剤から選択され得る、少なくとも1種の薬剤を解放可能に保持することができる。薬剤としては、所望の機能を有する、補助具内に含まれる、又は同補助具に関連付けられた薬物又は他の作用剤が挙げられるが、これらに限定されない。薬剤としては、以下に限定されないが、例えば、抗菌剤(抗菌剤及び抗生物質など)、抗真菌剤、抗ウイルス剤、抗炎症剤、成長因子、鎮痛薬、麻酔剤、組織マトリックス変性阻害剤、抗ガン剤、止血剤、及び生物学的応答を引き起こす他の薬剤が挙げられる。補助具はまた、例えば、音波発生性物質又は放射線不透過性物質などの、画像化中に可視性を増大する作用剤から作製され得る、又はこれらの作用剤を含むことができる。
【0040】
補助具から薬剤を放出するためのさまざまな補助具及びさまざまな技法の例は、その全体が参照により本明細書に組み込まれている、2015年8月31日出願の、「Medicant Eluting Adjuncts and Methods of Using Medicant Eluting Adjuncts」と題する米国特許出願公開第14/840,613号に更に記載されている。
【0041】
補助取付具
手術用器具のエンドエフェクタ上の補助具剤材を解放可能に保持するための、さまざまな例示的なデバイス、システム及び方法が、本明細書に記載されている。典型的な手術用ステープラエンドエフェクタでは、アンビルは、その中に形成されているあらかじめ構成された一式のステープルポケットであって、カートリッジから発射されるステープルを受け取って形成するよう構成されているステープルポケットを有する。その結果、エンドエフェクタは、アンビルと整列するステープル空洞を有するステープルカートリッジと共にしか使用することができない。したがって、例示的な実施形態では、さまざまなステープルカートリッジと一緒に使用するための、さまざまなステープルポケット構成を有する、さまざまなアンビルプレートが提供される。アンビルプレートは、エンドエフェクタの上部ジョーと嵌合することができ、そのような特定のアンビルプレートと一緒に使用するよう設計されているカートリッジが、エンドエフェクタの下部ジョーに挿入され得る。したがって、エンドエフェクタは、アンビルアセンブリ及び/又はカートリッジを切り替えることにより、さまざまなステープル構成を作り出すことができる。更に、補助具材は、1つ以上の拘束要素を使用して、カートリッジ又はアンビルプレートのどちらか一方に解放可能に固定され得る。例えば、補助具材は、アンビルプレート及び/又はカートリッジにあらかじめ取り付けることができ(例えば、製造中)、以下で一層詳細に記載されるとおり、エンドエフェクタの発射の間、アンビルプレート及び/又はカートリッジから放出され得る(例えば、エンドエフェクタに沿ってナイフが前進し、ステープルを発射して組織、補助具材及び任意の拘束要素を切断する)。
【0042】
図6は、開口構成と閉鎖構成との間で枢動することができる、上部ジョー及び下部ジョー102、104をそれぞれ含むエンドエフェクタ100の一実施形態を例示している。
図6に示されているとおり、ステープルカートリッジ106は、下部ジョー部材104に解放可能に連結するよう構成され得、その中に配設されているステープルを有するステープル空洞108を含むことができる。上部ジョー102は、アンビル内に形成されているステープルポケット103であって、カートリッジ106から発射されたステープルを受け取ってこれを形成するよう構成されている、ステープルポケット103を有するアンビルの形態をとることができる。上部ジョー102とカートリッジ106のどちらも、それぞれ、これらに沿ってナイフが前進することを可能にするよう構成されている、ナイフスロット124、110を含むことができる。
【0043】
図6に示されているとおり、アンビルアセンブリ120は、カートリッジ106の内向き組織側表面107、及び/又は上部ジョー102の内向き側表面103に解放可能に連結するよう構成され得る。アンビルアセンブリ120は、上部ジョー102又はカートリッジ106のどちらか一方に沿って延在することができる、矩形形状を有するアンビルプレート128を含むことができる。アンビルプレート128は、アンビルプレート128の外向き側表面に沿って、アンビルアダプター126を含むことができる。アンビルアダプター126は、上部ジョー102の内向き側表面103に沿ってジョー機構部と嵌合するよう構成されているプレート機構部を含むことができ(例えば、
図11を参照されたい)、これにより、アンビルプレート128と上部ジョー102との間に整列するのを確実にすることを支援する。アンビルプレート128は、アンビルプレート128の内向き組織側表面129に沿ってくぼんだステープルポケット130(アンビルプレート128の外向き側表面に沿った印影として示されている)を更に含むことができる。ステープルポケット130は、アンビルプレート128に沿って配列され得、こうして、各ステープルポケット130は、ステープルの形成を支援(例えば、組織を一緒にステープル留めする及び/又は組織への補助)するための、カートリッジ106のステープル空洞108に対応する。アンビルプレート128は、アンビルプレート128に沿って長手方向に延在し、かつナイフがそれに沿って前進することを可能にするよう構成されている、ナイフチャネル132を含むことができる。
【0044】
一部の実施形態では、アンビルプレート128は、アンビルプレート128と上部ジョー102との整列を維持することを支援することができる、1つ以上の整列機構部134を含むことができる。例えば、
図6に示されているとおり、アンビルプレート128は、アンビルプレート128の外向き側表面から上部ジョー102の方向へと上方向に延在する近位整列機構部及び遠位部整列機構部134を含むことができる。整列機構部134は、上部ジョー102に、1つ以上のくぼみ、スロット、貫通孔などと嵌合するタブとして構成され得る。上部ジョー102の構成に応じて、整列機構部134は、開口位置と閉鎖位置との間をジョー部材が移動するにつれて、上部ジョー102の、くぼみ、スロット、貫通孔などの内部に長手方向に摺動することができ、こうして、ジョーの開口及び閉鎖中に、アンビルプレート128と上部ジョー102との間での整列を維持する。更に、整列機構部134は、アンビルプレート128とカートリッジ106との間に整列を維持するよう機能することができる。アンビルプレート128とカートリッジ106との間の適切な整列により、カートリッジ106から発射されると、ステープルが、ステープルポケット130に接触して、適切に形成することが確実になる。
【0045】
図6に示されているとおり、アンビルアセンブリ120はまた、カートリッジ106の内向き組織側表面107になどの、カートリッジ106にアンビルプレート128を連結させるための、1つ以上の取付け機構部138を含むことができる。一部の実施形態では、
図6に示されているとおり、取付け機構部138は、少なくとも1つのブラケットを含むことができる。ブラケットは、アンビルプレート128とカートリッジ106との間に延在することができ、アンビルプレート128が、カートリッジ106に対して開口構成と閉鎖構成との間で枢動する(例えば、上部ジョーと共に)ことが可能となる。一部の実施形態では、取付け機構部138は、ヒンジ、及びアンビルプレート128を開口構成側に付勢する付勢要素として機能することができ、これにより、上部ジョー102が開口すると、アンビルプレート128は枢動して、これらのジョーが後に続くことができる。
【0046】
アンビルアセンブリ120の取付け機構部138及びカートリッジ106の内向き組織側表面107は、それぞれ、連結機構部140、112を含むことができる。連結機構部140、112は、例えば、ピン142、リベット又は類似の機構がそこを通って延在することを可能にする貫通孔の形態にあり、アンビルアセンブリ120の連結機構部140をカートリッジ106上の連結機構部112に接続することができる。この構成により、アンビルプレート128及びカートリッジ106は、解放可能に一緒に連結することが可能となり、これにより、エンドエフェクタは、カートリッジ106又はアンビルプレート128のどちらか一方を切り替えることにより、さまざまなステープル留め構成を実現することが可能になる。こうして、カートリッジ106及びアンビルアセンブリ120は、例えば、アンビル内のステープルポケットの構成に制限されるエンドエフェクタよりも利点をもたらすことができる。
【0047】
更に、エンドエフェクタは、エンドエフェクタへの補助具の解放可能な取付けを容易にする機構及び/又は構成要素を含むことが望ましいものとなり得る。例えば、補助具は、製造中又は外科手技前に事前に取り付けることを含めて、縫合糸などの拘束要素を使用して、エンドエフェクタに取り付けることができる。一実施形態では、縫合糸は、細長形とすることができ、例えば、ポリジオキサノン(PDS)などの熱可塑性材料、弾性材料、及び/又はエンドエフェクタに補助具を固定するのに好適な他の生体適合性材料から作製され得る。一部の実施形態では、拘束要素は、アンビルアセンブリ及び/又はカートリッジの一部に固定されている拘束要素の対向端部と連続していてもよく、又は連続していなくてもよい。ステープラが発射されると、ステープルは、形成されるアンビルの方向に向けて発射されて、組織及び補助具を通ることができる。ナイフは、カートリッジ、アンビルプレート及び上部ジョー内のナイフチャネルを移動して、これにより、拘束要素を切断してエンドエフェクタから補助具を放出し、補助具が外科手術部位に留まることが可能になる。
【0048】
図7は、アンビルアセンブリ220のアンビルプレート228の内向き組織側表面に連結されている第1の補助具材244、及びカートリッジ206の内向き組織側表面に連結されている第2の補助具材246を備えるカートリッジ206に解放可能に連結されているアンビルアセンブリ220を例示している。第1及び第2の補助具244、246はそれぞれ、1つ以上の拘束要素又は縫合糸248を使用して、それぞれ、アンビルアセンブリ220及びカートリッジ206に固定され得る。各縫合糸248は、第1の補助具244及びアンビルプレート228の周辺に、又は第2の補助具246及びカートリッジ206の周辺に延在することができ、これにより、個々のアンビルプレート228又はカートリッジ206に対して、第1又は第2の補助具244、246が固定される。
【0049】
図7に示されているとおり、カートリッジ206及び/又はカートリッジパン214(カートリッジ206に連結されている)は、1つ以上のカートリッジノッチ256を含むことができ、アンビルアセンブリ220のアンビルプレート228は、1つ以上のアンビルノッチ266を含むことができる。例えば、ノッチ256、266は、湾曲した凹部としての形状とすることができ、縫合糸248の一部は、アンビルプレート228又はカートリッジ206のどちらか一方に対して縫合糸248の位置を維持するため、その中に留まることが可能になるよう構成され得る。こうして、ノッチ256、266は、縫合糸248が、アンビルプレート又はカートリッジに対して、それぞれ第1又は第2の補助具244、246のどちらか一方の位置がずれる及び緩まるのを防止するよう支援することができる。
【0050】
例えば、第1の補助具244は、第1の補助具244及びアンビルプレート228の周辺を包み込む一対の縫合糸248(例えば、1本の縫合糸248は、アンビルプレート228の遠位端部に隣接して位置決めされ、1本の縫合糸248は、アンビルプレート228の近位端部に隣接して位置決めされる)によって、アンビルプレート228の内向き組織側表面に固定され得る。
図7に示されているとおり、近位及び遠位に位置決めされた縫合糸248の部分は、アンビルプレート228の側面に沿って、アンビルノッチ266に位置決めされ得る。ノッチ266は、縫合糸248がアンビルプレート228に沿って長手方向に動く又はずれるのを防止することができ、これにより、縫合糸248は、第1の補助具をアンビルプレート228に固定するのを確実にする。
【0051】
同様に、第2の補助具246は、第2の補助具246及びカートリッジ206の周辺を包み込む一対の縫合糸248(例えば、1本の縫合糸248は、カートリッジ206の遠位端部に隣接して位置決めされ、1本の縫合糸248は、カートリッジ206の近位端部に隣接して位置決めされる)によって、カートリッジ206の内向き組織側表面に固定され得る。
図7に示されているとおり、近位及び遠位に位置決めされた縫合糸248の部分は、カートリッジ206及び/又はカートリッジパン214の側面に沿って、カートリッジノッチ256に位置決めされ得る。カートリッジノッチ256は、縫合糸248がカートリッジ206に沿って長手方向に動く又はずれるのを防止することができ、これにより、縫合糸248は、第2の補助具246をカートリッジ206に固定するのが確実になる。
【0052】
図7に示されているとおり、第1の補助具244は、第1の補助具244の対向する側面に沿って第1の補助ノッチ262を含むことができ、第2の補助具246は、第2の補助具246の対向する側面に沿って第2の補助ノッチ263を含むことができる。第1及び第2の補助具244、246は、同じ材料から作製することができるか、又はそれらは、異なる材料から作製され得る。第1の補助ノッチ262は、第1の補助具244に沿って位置決めされ得、こうして、第1の補助ノッチ262は、第1の補助具244がアンビルプレート228と適切に整列されると(例えば、第1の補助具の補助具表面領域は、アンビルプレート228の内向き組織側表面を覆う)、アンビルノッチ266と整列する。こうして、縫合糸248が、第1の補助具244及びアンビルプレート228の周辺で、第1の補助ノッチ262及びアンビルノッチ266に沿って延在すると、この縫合糸248は、第1の補助具244とアンビルプレート228との間の所望の位置決めを確実なものとする。同様に、第2の補助ノッチ263は、第2の補助具246に沿って位置決めされ得、こうして、第2の補助ノッチ263は、第2の補助具246がカートリッジ206と適切に整列されると、カートリッジノッチ256と整列する(例えば、第2の補助具の第2の補助具表面領域は、カートリッジ206の内向き組織側表面を覆う)。こうして、縫合糸248は、第2の補助具246及びカートリッジ206の周辺で第2の補助ノッチ263及びカートリッジノッチ256に沿って延在すると、縫合糸248は、第2の補助具246とカートリッジ206との間の所望の位置決めを確実なものとする。縫合糸248の各々は、同じ材料から作製することができ、又は縫合糸248の1つ以上は、異なる材料から作製され得る。
【0053】
カートリッジノッチ256、アンビルノッチ266、並びに第1及び第2の補助ノッチ262、263は、U字形カットアウトとして示されているが、カートリッジノッチ256、アンビルノッチ266、並びに第1及び第2の補助ノッチ262、263のいずれか1つは、アンビルプレート228又はカートリッジ206のどちらか一方に対して、縫合糸を適切な位置に固定するための、縫合糸の一部がそれに沿って延在することを可能にする任意の数の形状及び/又はサイズを有することができる。例えば、カートリッジノッチ256、アンビルノッチ266、並びに第1及び第2の補助ノッチ262、263のいずれか1つは、V字形状、正方形又は任意の他の幾何学形状とすることができる。更に、任意の数のノッチ(例えば、カートリッジノッチ256、アンビルノッチ266、並びに第1及び第2の補助ノッチ262、263)及び縫合糸248の長さを使用して、第1又は第2の補助具244、246のどちらか一方の位置を固定することができる。代替的に、ノッチ256、266よりもむしろ、カートリッジ206、カートリッジパン214及び/又はアンビルプレート228は、孔を含むことができ、縫合糸248はこの孔を通ることができる。同様に、補助具244、246は、カートリッジ206、カートリッジパン214及び/又はアンビルプレート228上の孔と整列する孔を含むことができる。縫合糸は、補助具244、246の孔、並びにカートリッジ206、カートリッジパン214及び/又はアンビルプレート228における孔を通って、カートリッジ206及びアンビルプレート228の内向き組織側表面上の補助具244、246を保持することができる。
【0054】
一部の実施形態では、少なくとも1つのステープルが配置された後(例えば、それにより補助具を組織に固定する)に、補助具がカートリッジから着脱されるのを確実とするため、補助具材及びカートリッジの周辺に延在する縫合糸に角度を付けることが望ましいものとなり得る。
【0055】
図8は、組織346の周辺にクランプされた、閉鎖構成にある上部ジョー及び下部ジョー302、304を例示しており、補助具344は、下部ジョー304内に留められているカートリッジ306の内向き組織側表面に固定されている。
図8に示されているとおり、補助具344は、角度(a)で補助具344及びカートリッジ306の周辺に延在する縫合糸348を使用して、カートリッジ306に固定されている。例えば、縫合糸348は、縫合糸348がカートリッジ306の背面周辺に延在する位置と近位の位置で、補助具344に沿って延在することができる。こうして、
図8に示されているとおり、補助具344及びカートリッジ306の周辺に延在している縫合糸348の側面図は、縫合糸348が、角度(a)で、カートリッジ306の側面を横切って延在していることを示す。
図8に例示されているとおり、ナイフ338は、カートリッジ306に沿って前進して、ナイフブレード336を使用して、組織346、縫合糸、348及び補助具344を切断するよう構成され得る。ナイフ338は、カートリッジ306に沿って前進するにつれて、カートリッジ306からステープル347を駆動させるようやはり構成され得る。ナイフがカートリッジ306の長さに沿って前進するにつれて、ナイフは、ステープル347を保持するステープルドライバ342を、組織側方向に押し込んで、ステープル347を形成することができる、楔形スレッド340を押し込むことができる。縫合糸348の角度付けにより、縫合糸348は、組織346にステープル留めされることなく、切断される位置に存在することが確実にされ得る。角度が付けられた縫合糸348は、ナイフ338にほぼ接触すると、角度の付けられた縫合糸348が切断されるようにするため、ナイフブレード336が、縫合糸348に接触するナイフ338の第1の部分となるよう位置決めされ得る。
【0056】
代替として、又は連続縫合糸若しくは端部と端部を連結させる縫合糸の長さなどの連続拘束要素を使用することに加えて、カートリッジ及び/又はアンビルアセンブリの構成要素に拘束要素の対向端部を固定する1つ以上の非連続拘束要素を使用することができる。
【0057】
図9A~
図9Cは、カートリッジ406に解放可能に連結されているアンビルアセンブリ420の別の実施形態を例示しており、カートリッジパン414は、カートリッジ406の底部側に連結されている。
図9A~
図9Cに示されているとおり、第1の補助具材444は、アンビルアセンブリ420のアンビルプレート428の内向き組織側表面に連結され得、第2の補助具材446は、カートリッジ406の内向き組織側表面に連結され得る。第1及び第2の補助具444並びに446は、1つ以上の縫合糸448を使用して、アンビルアセンブリ420及びカートリッジ406に固定され得る。更に、アンビルアセンブリ420及び/又はカートリッジ406は、縫合糸448の一部(例えば、対向端部)をそこに連結するよう構成されている、1つ以上の縫合糸取付け部位456を含むことができる。
図9B及び
図9Cに示されているとおり、少なくとも一対の取付け部位456は、アンビルアセンブリ420のアンビルプレート428の外向き側表面に沿って位置決めされ得(
図9A及び
図9Bに示されている)、別の一対の取付け部位456は、カートリッジ406の外向き側表面及び/又はカートリッジパン414の外向き側表面に沿って位置決めされ得る(
図9Cに示されている)。
【0058】
縫合糸448、及びより詳細には縫合糸448の対向端部の各々は、取付け部位456に、熱接合される、溶接される、又はそうでない場合、接着され得る。一部の実施では、取付け部位456は、取付け部位への縫合糸448の固定を支援する生地を含むことができる。例えば、取付け部位456は、粗くすることができ、又はそうでない場合、質感のある表面を含むよう作製され得る。カートリッジ406及び/又はアンビルアセンブリ420は、1つ以上の取付け部位456を含むことができ、取付け部位456はそれぞれ、さまざまなサイズ及び形状の表面領域のいずれも含むことができる。例えば、取付け部位456は、環状、三角形、又は任意の他の形状の表面領域などの、さまざまな形状を有することができる。更に、一部の取付け部位456は、縫合糸448の取付けを改善する材料により被覆され得る。代替として又は追加的に、小さなポスト、かえし又はホックを取付け部位456に使用して、適切な位置に縫合糸448を固定することができる。2本の縫合糸448及び二対の取付け部位456を使用して、
図9A~
図9C中の補助具444、446の各々を固定するが、任意の数の縫合糸及び取付け部位を使用して、補助具をアンビルプレート及び/又はカートリッジに固定することができる。
【0059】
図10A~
図10Bは、第2の補助具546をカートリッジ506に固定するための、第2の補助具546を横切って延在する縫合糸548の別の実施形態を例示している。
図10Aに示されているとおり、縫合糸の対向端部は、カートリッジ506の対向側面に沿って位置決めされている取付け部位556に固定され得る。1本より多い縫合糸548が、第2の補助具にわたり固定され得、かつカートリッジ506又は下部ジョー514の対向側面に位置決めされている取付け部位556に固定され得る。同様に、縫合糸の対向端部は、アンビルプレートの対向側面又はアンビルアセンブリの他の部分に沿って、位置決めされている取付け部位に固定され得る。
【0060】
更に又は代替的に、
図10Bに示されているとおり、パン516は、カートリッジ506に解放可能に連結され得、こうして、パン516の内側表面は、縫合糸548の端部に圧縮力をもたらし、これにより、縫合糸548の端部と取付け部位556との間の連結を更に確実にすることができる。パン516はまた、カートリッジ506がエンドエフェクタの下部ジョーのチャネルに挿入されると、縫合糸548の端部がカートリッジ506から押しのけられるのを保護することができる。縫合糸と取付け部位との間の取付け点における追加的な固定力をもたらすよう、さまざまな他の構成要素がカートリッジ及び/又はアンビルプレートのどちらか一方に連結され得、これは、本開示の範囲内にある。
【0061】
図11は、アンビルプレート628の外向き側表面671から延在することができ、かつ上部ジョー602の内向き側表面673内に延在するジョー機構部672(例えば、空洞)と嵌合するように構成されている、アンビル機構部670を例示している。アンビル機構部670は、ジョー機構部672と類似した形状を有し、こうして、嵌合すると、アンビルプレート628の外向き側表面が、上部ジョー602の内向き側表面に摺動するのを制限することができ、これにより、アンビルプレート628と上部ジョー602との間の好ましい整列の維持を支援することができる。アンビル機構部670及び/又はジョー機構部672は、プレス加工金属及び/又はエラストマーを含むことができ、任意の数のさまざまな形状及びサイズを有することができる。更に、下部ジョーに対してカートリッジの所望の位置を維持することを支援するために、下部ジョーに沿って対応する機構部と嵌合する機構部を含むカートリッジ及び/又は下部ジョーに関して、本開示の範囲内にある。
【0062】
本発明には従来の低侵襲性及び開放手術用器具における用途、並びにロボット支援手術における用途があることを当業者は認識するであろう。更に、本明細書に開示されるデバイスは、1回の使用後に廃棄されるように設計することができ、又は複数回使用されるように設計することができる。しかし、いずれの場合も、デバイスは少なくとも1回の使用後に再利用のために再調整され得る。再調整は、デバイスの分解工程、それに続く特定の部分の洗浄又は交換工程及びその後の再組み立て工程の、任意の組み合わせを含んでよい。特に、デバイスは、分解することができ、かつ、デバイスの任意の数の特定の部品若しくは部分を、任意の組み合わせにおいて選択的に交換又は取り外してもよい。特定の部品を洗浄及び/又は交換した後、デバイスは、再調整用の施設において、又は外科手技の直前に外科チームによってのいずれかで、その後の使用のために再組み立てすることができる。当業者であれば、デバイスの再調整が、分解、洗浄/交換、及び再組み立てのためのさまざまな技術を利用できることを理解するであろう。このような技術の使用、及び結果として得られる再調整されたデバイスは、すべて本出願の範囲内にある。
【0063】
当業者には、上述の実施形態に基づいて本発明の更なる特徴及び利点が認識されよう。したがって、本発明は、添付の特許請求の範囲によって示される場合を除き、具体的に示され説明される内容により限定されるものではない。本明細書において引用されているすべての刊行物及び参照文献は、それらの全体が参照により本明細書に明示的に組み込まれている。
【0064】
〔実施の態様〕
(1) 手術用器具用のエンドエフェクタであって、
互いに移動可能に連結されている上部ジョー及び下部ジョーであって、それらの間の組織をクランプするために、開口構成と閉鎖構成との間を移動するよう構成されている、上部ジョー及び下部ジョーと、
内部に配設されているステープルを備える複数のステープル空洞を有する内部組織側表面を有するカートリッジであって、前記下部ジョーに解放可能に連結するよう構成されている、カートリッジと、
アンビルプレートを有するアンビルアセンブリであって、複数のステープル形成ポケットが、前記アンビルプレートの内部組織側表面上において、前記アンビルプレートの中に形成されており、前記カートリッジ及び前記上部ジョーの少なくとも一方に解放可能に連結するよう構成されている、アンビルアセンブリと、
前記アンビルプレートの前記内部組織側表面に解放可能に固定されている第1の補助具材と、
前記第1の補助具を前記アンビルプレートに固定するために、前記第1の補助具材を横切って延在する第1の拘束要素と、
を備える、エンドエフェクタ。
(2) 前記カートリッジの前記内部組織側表面に解放可能に固定されている第2の補助具材と、
前記第2の補助具を前記カートリッジに固定するために、前記第2の補助具材を横切って延在する第2の拘束要素と、
を更に備える、実施態様1に記載のエンドエフェクタ。
(3) 前記アンビルプレートから外側方向に延在する整列機構部を更に備え、前記整列機構部は、前記上部ジョーに対して前記アンビルプレートを整列させるために、前記上部ジョー上の相補的な整列機構部に係合するよう構成されている、実施態様1に記載のエンドエフェクタ。
(4) 前記アンビルアセンブリ上の連結機構部を更に備え、前記連結機構部は、前記カートリッジに対して、開口アンビル構成と閉鎖アンビル構成との間で前記アンビルプレートを移動させるよう構成されている、実施態様1に記載のエンドエフェクタ。
(5) 対向するジョーが前記開口構成にあるとき、前記アンビルプレートを前記開口アンビル構成に付勢するよう構成されている弾性材料から、前記連結機構部が形成されている、実施態様4に記載のエンドエフェクタ。
【0065】
(6) 前記第1の拘束要素が、熱可塑性材料、ポリジオキサノン材料、弾性材料、生体適合性材料及びそれらの組み合わせからなる群から選択される材料から形成される縫合糸を含む、実施態様1に記載のエンドエフェクタ。
(7) 前記拘束要素の終端部が、前記アンビルプレート及び前記カートリッジの一方の上に形成されている取付け部位に固定して取り付けられている、実施態様1に記載のエンドエフェクタ。
(8) 前記取付け部位が粗い表面領域を備える、実施態様7に記載のエンドエフェクタ。
(9) 前記取付け部位が、前記アンビルプレートの上部表面及び前記アンビルプレートの側面のうちの一方の上に形成されている、実施態様7に記載のエンドエフェクタ。
(10) 前記取付け部位が、前記カートリッジの底部表面及び前記カートリッジの側面のうちの一方の上に形成されている、実施態様7に記載のエンドエフェクタ。
【0066】
(11) 前記カートリッジに連結されているパンを更に備え、こうして、前記パンの内側表面は、前記第2の拘束要素の対向終端部に圧縮力を印加して、前記第2の拘束要素を前記カートリッジに固定する、実施態様2に記載のエンドエフェクタ。
(12) 前記アンビルプレートが、その外周に形成されていて、前記アンビルプレートに対する前記第1の拘束要素の摺動を防止するよう構成されている、少なくとも1つのノッチを含む、実施態様1に記載のエンドエフェクタ。
(13) 前記カートリッジ及び前記下部ジョーの少なくとも一方が、その内部に形成されていて、前記第2の拘束要素の摺動を防止するよう構成されている、ノッチを含む、実施態様2に記載のエンドエフェクタ。
(14) 手術用器具用のエンドエフェクタアセンブリであって、
内部に配設されているステープルを備える複数のステープル空洞を有する内部組織側表面を有するカートリッジであって、前記手術用器具のエンドエフェクタの下部ジョーに解放可能に連結するよう構成されている、カートリッジと、
アンビルプレートを有するアンビルアセンブリであって、複数のステープル形成ポケットが、前記アンビルプレートの内部組織側表面上において、前記アンビルプレートの中に形成されており、前記カートリッジ及び前記エンドエフェクタの上部ジョーの少なくとも一方と解放可能に連結するよう構成されている、アンビルアセンブリと、
前記アンビルプレートの前記内部組織側表面に解放可能に固定されている第1の補助具材と、
前記第1の補助具を前記アンビルプレートに固定するために、前記第1の補助具材を横切って延在する第1の拘束要素と、
を備える、エンドエフェクタアセンブリ。
(15) 前記カートリッジの前記内部組織側表面に解放可能に固定されている第2の補助具材と、
前記第2の補助具を前記カートリッジに固定するために、前記第2の補助具材を横切って延在する第2の拘束要素と、
を更に備える、実施態様14に記載のエンドエフェクタアセンブリ。
【0067】
(16) 前記第1の拘束要素の終端部が、前記アンビルプレート上に形成されている取付け部位に固定して取り付けられており、前記第2の拘束要素が、前記カートリッジ上に形成されている取付け部位に固定して取り付けられている、実施態様15に記載のエンドエフェクタアセンブリ。
(17) 前記カートリッジに連結されているパンを更に備え、こうして、前記パンの内側表面は、前記第2の拘束要素の対向終端部に圧縮力を印加して、前記第2の拘束要素を前記カートリッジに固定する、実施態様15に記載のエンドエフェクタアセンブリ。
(18) 前記アンビルプレートが、その外周に形成されていて、前記アンビルプレートに対する前記第1の拘束要素の摺動を防止するよう構成されている、少なくとも1つのノッチを含む、実施態様14に記載のエンドエフェクタアセンブリ。
(19) 前記カートリッジが、その内部に形成されていて、前記第2の拘束要素の摺動を防止するよう構成されている、ノッチを含む、実施態様15に記載のエンドエフェクタアセンブリ。
(20) 方法であって、
アンビルアセンブリを、エンドエフェクタの上部ジョー及び前記エンドエフェクタの下部ジョーに連結するよう構成されているカートリッジの少なくとも一方に解放可能に連結することであって、前記アンビルアセンブリが、アンビルプレートを有しており、前記カートリッジの内部組織側表面に沿った複数のステープル空洞に相当する複数のステープル形成ポケットが、前記アンビルプレートの内部組織側表面上において、前記アンビルプレートの中に形成されており、前記アンビルプレートの前記内部組織側表面が、第1の拘束要素によって、そこに解放可能に固定されている第1の補助具材を有する、ことを含む、方法。