(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-07
(45)【発行日】2022-10-18
(54)【発明の名称】エアロゾル発生物品用の構成要素の製造のための機械
(51)【国際特許分類】
A24C 5/20 20060101AFI20221011BHJP
A24D 3/02 20060101ALI20221011BHJP
B65H 20/32 20060101ALI20221011BHJP
【FI】
A24C5/20
A24D3/02
B65H20/32 B
(21)【出願番号】P 2019556324
(86)(22)【出願日】2018-05-18
(86)【国際出願番号】 EP2018063213
(87)【国際公開番号】W WO2018211116
(87)【国際公開日】2018-11-22
【審査請求日】2021-04-23
(32)【優先日】2017-05-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】596060424
【氏名又は名称】フィリップ・モーリス・プロダクツ・ソシエテ・アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【氏名又は名称】那須 威夫
(72)【発明者】
【氏名】モンツォーニ アルベルト
(72)【発明者】
【氏名】マロッシ ステファノ
【審査官】吉澤 伸幸
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第05827166(US,A)
【文献】中国特許出願公開第101759053(CN,A)
【文献】独国特許出願公開第102015001618(DE,A1)
【文献】特表2017-501687(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2005/0230449(US,A1)
【文献】欧州特許出願公開第00439827(EP,A1)
【文献】特開2003-024035(JP,A)
【文献】実開昭61-002352(JP,U)
【文献】実開昭59-175421(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24C 5/20
A24D 3/02
B65H 20/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル発生物品用の構成要素の製造のための機械であって、
材料シートのためのバッファステーションであって、
固定シートガイドと、
前記固定シートガイドに向かう方向および
前記固定シートガイドから離れる方向に、往復運動の様態で移動可能である移動可能なシートガイドと、
前記移動可能なシートガイドを動かすためのアクチュエータであって、前記バッファステーション内の前記材料シートの全長を変化させるための可変長さを有する前記シートのためのジグザグ軌道を、前記固定シートガイドおよび移動可能なシートガイドが一緒に画定するアクチュエータと、
前記シートの支持体であって、前記移動可能なシートガイドが前記固定シートガイドに向かって移動された時に、前記移動可能なシートガイドのうちの少なくとも一つが二つの異なる支持体の間に置かれるように配置される前記シートのための支持体と、
前記支持体に接続された空気システムと、を含むバッファステーションを含み、
前記支持体の各々が外表面を画定し、前記外表面のうちの少なくとも一つが、前記シートを前記外表面に向かって引き付けるために前記空気システムによって吸い込み作用が加えられる第一の部分と、前記シートを前記外表面から離れるように押すために前記空気システムによって吹き出し作用が加えられる第二の部分とを有する、機械。
【請求項2】
前記外表面が移動可能な表面である、請求項1に記載の機械。
【請求項3】
前記外表面の速度が、
前記固定シートガイドまたは前記移動可能なシートガイドの回転速度に依存して選択される、請求項2に記載の機械。
【請求項4】
前記材料シートのボビンを保持するためのハブを含む、請求項1~3のいずれかに記載の機械。
【請求項5】
前記支持体が移動ベルトを含み、各々の移動ベルトが前記外表面を含む、請求項1~4のいずれかに記載の機械。
【請求項6】
前記外表面が上面と下面を含み、この上面に向かって前記材料シートが重力によって置かれ、この下面から前記シートが重力によって引き離され、前記第一の部分が前記下面に属し、かつ前記第二の部分が前記上面に属する、請求項1~5のいずれかに記載の機械。
【請求項7】
前記支持体のうちの少なくとも一つが、前記外表面または前記材料シートを加熱または冷却するように適合された温度調節装置を含む、請求項1~6のいずれかに記載の機械。
【請求項8】
前記外表面が低摩擦材料で実現される、請求項1~7のいずれかに記載の機械。
【請求項9】
前記上面および下面が平行な平面を画定する、
請求項6、又は、請求項6を引用する請求項7或いは8に記載の機械。
【請求項10】
前記上面および下面が水平面を画定する、請求項9に記載の機械。
【請求項11】
前記外表面が複数の穴を含み、そこから空気を吹き付ける、または吸い込むことができる、請求項1~10のいずれかに記載の機械。
【請求項12】
前記固定シートガイドまたは前記移動可能なシートガイドがローラーを含む、請求項1~11のいずれかに記載の機械。
【請求項13】
前記固定シートガイドが、垂直配置で上下に位置付けられている、請求項1~12のいずれかに記載の機械。
【請求項14】
前記材料シートの温度を測定するように適合された一つ以上の温度センサーを含む、請求項1~13のいずれかに記載の機械。
【請求項15】
前記空気システムが、選択された所与の温度で空気を吹き付けるように適合された、温度制御された空気発生器を含む、請求項1~14のうちの一項以上に記載の機械。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エアロゾル発生物品用の構成要素の製造のための機械に関する。
【背景技術】
【0002】
エアロゾル発生物品の一部の製造工場において、シート形式になっている一部の材料は、シートが「入力ユニット」(例えば、ボビン)内にパッケージされる、製造機械の一方の側(いわゆる供給機側)から、シートに対して様々な処理(例えば、捲縮、圧縮などを含む処理)が加えられる、製造機械のもう一方の側にまで走る。
【0003】
こうした材料は、TCL(たばこキャストリーフ)とも呼ばれる均質化したたばこ材料とすることができ、これは乾燥され、その後箔またはシートの状態に切断され、貯蔵および搬送のためにボビンへと巻き取られる。この材料はボビンにコイル状に巻かれた時に、適切に巻き出すことが困難であり、その理由は、TCLに粘着性があるためそれを巻き出すのにかなり強い力を加える必要があるからであり、またTCLが壊れやすく簡単に裂ける可能性があるからである。その他の材料は、例えばエアロゾル発生物品のフィルターの特定の部分を製造するために使用されるPLA(ポリ乳酸)とすることができる。
【0004】
機械は中断なしに継続的に運転することができる一方で、シートはシートのパッケージ形式(例えば、入力ユニットと呼ばれるボビン)によって制限される量で到着するので、製造機械の供給機側は定期的に補充される必要がある。
【0005】
機械の他方の端でのシートの加工を停止または過度に減速することなく、空で運転される入力ユニットを新しいものと交換中に生じるシートの欠如に対処するために、シートの他方の端でのシートの処理の遅れを減速するために、システムは移動ローラーを使用してシートのバッファを作り出してもよい。
【0006】
この「バッファシステム」は、固定された他のローラー(「固定ローラー」)に向かって、または他のローラーから離れるように、動かすことができる幾つかのローラー(この理由のために「移動可能なローラー」と呼ばれる)を使用してもよく、シートはこれらの二つの種類のローラーに沿って通る。
【0007】
入力ユニットの交換中、例えば古いシートと新しいシートとの間を接合することを可能にするために、入ってくるシートが停止される(または激しく減速される)時、移動可能なローラーは固定ローラーに向かって動かされ、このようにしてこれらの間に走る余分な長さのシートを放出して、新しい入力ユニットがまだ実行されていない間にシートを機械の処理区域に供給する。
【0008】
新しい入力ユニットが実行されている時、移動可能なローラーは固定ローラーから離れるように動いて戻り、シートに対する余分な長い経路を作り出し、このようにして入力ユニットの次の交換中に使用できるシートのバッファを作り出す。
【0009】
こうしたバッファシステムは通常、垂直であり、シートがたどる経路は垂直に走ることを意味する。
【0010】
添付の
図1および
図2では、この比較例によるバッファシステムが示されている。上方位置にあるローラーは、下方位置にあるローラーに向かって移動することができる唯一のローラーであると考えられる。
【0011】
図1では、入力ユニットは実行されており、また移動可能なローラーは、上方ローラーと下方ローラーの間の最大距離で、遠く離れている。
【0012】
図2では、入力ユニットは交換されている。移動可能なローラーは、相互の間に有していた以前の距離でバッファされたシートを送達するように、固定ローラーにより近くなる。
【0013】
これらのバッファシステム内にバッファされたシートの量は、移動可能なローラーから固定ローラーまでの最大距離と最小距離の間の差の2倍に、移動可能なローラーの数を掛けたものとほぼ等しい。
【0014】
垂直バッファシステムは、下部ローラーと上部ローラーの間を通る材料の2倍の重量(つまり、
図1に示された最大の高さに等しい長さを有する材料の重量)が、上位位置にあるローラーに接触する材料の区域によって保持されることを暗示する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
【0016】
図3では、支持体なしの水平ローラーバッファが示されている。これらの水平バッファでは、シートは支持体上に置かれていない。この場合、材料の重量がシート経路に垂直にシートを引っ張り、シートを損傷する可能性があるだけでなく、一方のローラーからもう一方のローラーにシートが振動し、場合によっては損傷を増大させるという不都合がある。
【0017】
エアロゾル発生物品の製造において、使用される一部の材料シートはかなり壊れやすい場合があり、引張強さが低い一方で、同時に重い場合がある。例えば、たばこを含有する材料を含むシートであるTCL(たばこキャストリーフ)は、これらの特性を有する場合があり、また支持されていない場合、自身の重量を搬送する必要があるので損傷する可能性がある。
【0018】
従って、エアロゾル発生物品用の構成要素の製造のための機械のニーズがあり、前記機械は可能な限り材料を保存する場合があるバッファシステムを有し、材料に対する損傷を最小化する。
【課題を解決するための手段】
【0019】
第一の態様において、本発明はエアロゾル発生物品用構成要素の製造のための機械に関し、機械はバッファステーションを含み、バッファステーションは、固定シートガイドと、固定シートガイドに向かう方向およびシート固定ガイドから離れる方向に往復運動の様態で移動可能である移動可能なシートガイドと、移動可能なシートガイドを動かすためのアクチュエータであって、バッファステーション内の材料シートの全長を変化させるための可変長さを有するシートのためのジグザグ軌道を、固定シートガイドおよび移動可能なシートガイドが一緒に画定するアクチュエータと、シートのための支持体であって、移動可能なシートガイドが固定シートガイドに向かって移動された時に、移動可能なシートガイドのうちの少なくとも一つが二つの異なる支持体の間に置かれるように配置されている、支持体と、支持体に接続された空気システムとを含み、支持体の各々は外表面を画定し、外表面のうちの少なくとも一つは、外表面に向かってシートを引き付けるために空気システムによって吸い込み作用が加えられる第一の部分と、外表面から離れるようにシートを押すために空気システムによって吹き出し作用が加えられる第二の部分とを有する。
【0020】
本発明のバッファにおいて、支持体の存在は、材料シートが低減された応力に耐えなければならないように、材料シートの重量の一部を担うために役立つ場合がある。さらに、支持体の表面からの空気の吹き付けまたは吸い込みを可能にする空気システムの提供のおかげで、「空気クッション」がシートと支持体の表面との間に形成されるこれらの部品での摩擦が低減される場合がある。その一方で吸込みは、材料シートの追加的な重量、特に支持体が重力のみによって搬送することができる重量よりも大きい重量を搬送するための「ツール」として使用されてもよい。
【0021】
本明細書で使用される「シート」という用語は、その厚さより実質的に大きい幅および長さを有する層状の要素を意味する。シートの幅は、10ミリメートルより大きいことが好ましく、20ミリメートルまたは30ミリメートルより大きいことがより好ましい。シートの幅は、約100ミリメートル~300ミリメートルであることがなおより好ましい。
【0022】
好ましい実施形態において、シートはアルカロイドを含有する材料シートであってもよい。材料シートは、均質化したたばこ材料シートでありうることがより好ましい。
【0023】
「アルカロイド含有材料」は、一つ以上のアルカロイドを含有する材料である。アルカロイドのうち、ニコチンが好ましいアルカロイドであり、これはたばこ中に見いだされうる。
【0024】
アルカロイドは、主に塩基性の窒素原子を含有する天然の化合物の群である。この群はまた、中性、およびさらに弱酸性の特性を有する幾つかの関連する化合物も含む。類似の構造の一部の合成化合物もアルカロイドと呼ばれる。炭素、水素および窒素に加えて、アルカロイドはまた、酸素、硫黄、よりまれには塩素、臭素、およびリンなどのその他の要素を含みうる。
【0025】
アルカロイドは、細菌、真菌、植物、および動物を含む多種多様な生物体によって生成される。これらは酸塩基抽出によるこれらの生命体の粗抽出物から精製することができる。カフェイン、ニコチン、テオブロミン、アトロピン、ツボキュラリンはアルカロイドの例である。
【0026】
均質化したたばこ材料の最も一般的に使用される形態は、再構成たばこシートおよびキャストリーフである。均質化したたばこ材料シートを形成するプロセスは一般的に、たばこダストと結合剤を混合してスラリーを形成する工程を含む。次に、たばこウェブを作り出すためにスラリーが使用される。例えば、粘性のあるスラリーを、移動する金属ベルト上にキャスティングすることによって、いわゆるキャストリーフを製造する。別の方法として、再構成たばこを作り出すために、粘性が低くかつ含水量が高いスラリーを、製紙と似たプロセスで使用することができる。
【0027】
たばこのシート材料は、再構成されたシート材料と呼ばれ、たばこ組成物を形成するために、粒子状のたばこ(例えば、再構成たばこ)またはたばこ粒子状のブレンド、湿潤剤、および水性溶剤を使用して形成されうる。このたばこ組成物は次に、キャスティング、押出成形、圧延、またはプレスされて、たばこ組成物からのシート材料を形成する。紙様の材料を作製するためにたばこの微粉が使用される湿式プロセス、またはたばこの微粉が結合剤材料と一緒に混合されて、移動するベルトの上へとキャスティングされてシートを形成するキャストリーフプロセスを利用して、たばこのシートを形成することができる。
【0028】
均質化したたばこ材料シートは、次いでボビン(さらに処理するために巻き出される)に巻かれて、例えばエアロゾル発生物品の部品となり、これはエアロゾル発生物品のエアロゾル形成基体に含まれるようになる。「燃やさない加熱式」エアロゾル発生物品では、エアロゾル形成基体はエアロゾルを形成するがたばこ材料の燃焼を防止するために、比較的低い温度に加熱される。さらに、均質化したたばこシート中に存在するたばこは典型的に唯一のたばこであるか、このような「燃やさない加熱式」エアロゾル発生物品の均質化したたばこ材料中に存在するたばこの大半を含む。これは、このような「燃やさない加熱式」エアロゾル発生物品によって発生されるエアロゾル組成物が実質的に、均質化したたばこ材料のみに基づくことを意味する。
【0029】
本明細書で使用される「エアロゾル形成材料」という用語は、加熱に伴い揮発性化合物を放出してエアロゾルを生成する能力を有する材料を意味する。たばこは、エアロゾル形成材料、特にエアロゾル形成体を含む均質化したたばこのシートとして分類されてもよい。エアロゾル形成基体は、エアロゾル形成材料を含んでもよく、またはエアロゾル形成材料から成ってもよい。均質化したたばこシートはエアロゾル形成材料として使用することができる。
【0030】
均質化したたばこシートは概して、たばこに加えて、結合剤およびエアロゾル形成体を含む。この組成物は「粘着性」であるシートをもたらし、すなわちこれは隣接する物体に接着し、また同時に比較的低い引張強さを有し、どちらかというと壊れやすい。
【0031】
本発明は特に、上記で画定された均質化したたばこ材料などの、アルカロイドを含有する材料で作製されたシートについて適合されるが、これは同様に任意のプロセスに適用することができ、シートはこうした特徴を有する。シートはボビンへと巻かれてもよい。ボビン形状はあらゆる形状でありうる。これは実質的に円筒状の形状を有することができるが、楕円形、または基礎を成す円筒状の形状が変形した突出部を有するボビンなどの何らかの形に変形された形状も、本発明の教示の適用を妨げない。
【0032】
例えばボビンは、ボビンを保持するためのハブ上に位置付けられてもよい。ハブは軸を中心に回転可能であることが好ましく、またこの回転の軸はボビンの回転の軸と一致することがより好ましい。ハブは回転用モーターを含んでもよい。
【0033】
シートの「貯蔵」を有するために、例えばボビンをハブから変更する必要がある時、本発明の機械はバッファステーションを含む。バッファステーションは、ガイドの周りにゆるく巻かれたシートの余剰を収容する。バッファステーションは、固定シートガイドおよび移動可能なシートガイドを備える。バッファステーションは、少なくとも二つの固定シートガイドおよび少なくとも二つの移動可能なシートガイドを備えることが好ましい。移動可能なガイドは、固定ガイドに向かって、および固定ガイドから離れるように動くことができる。「固定」という用語は、好ましくは「固定」ガイドの位置が変化しないことを示すが、例えば固定ガイドは移動可能なガイドのより近くへと動かないが、他の動きをすることはでき、例えば軸を中心に回転することができる。
【0034】
固定ガイドと移動可能なガイドの間の距離は、ある特定の最小距離とある特定の特大距離との間で変化させることができる。移動可能なガイドと固定ガイドは、対の状態に分けることができ、各対は移動可能なガイドと固定ガイドを含むことが好ましい。対になっているガイドの間の距離は同一であることが好ましい。固定ガイドおよび移動可能なガイドの周りに巻かれたシートであり、固定ガイドと移動可能なガイドの間の距離が変化する場合があるという事実は、バッファステーション内のシートの量も変化する場合があることを暗示する場合がある。
【0035】
移動可能なガイドの動きは直線状であることが好ましい。実質的に水平の動きであることがより好ましい。
【0036】
バッファステーションは、移動可能なフィルムガイドを動かすためのアクチュエータをさらに備える。アクチュエータは、ガイドの説明された動きを可能にする限り、どれでもよい。固定ガイドおよび移動可能なガイドは、バッファステーション内のシートの全長を変化させるための可変長さを有するシートのためのジグザグ軌道を一緒に画定する。
【0037】
固定ガイドおよび移動可能なガイドは、これらの軸を中心に回転可能であることが好ましい。これらの回転は、シートを押してバッファステーションを通して進ませる。各ガイドは回転するために、モーターを含んでもよい。ガイドはアイドル状態であってもよい。
【0038】
固定ガイドおよび移動可能なガイドは、例えばガイドローラーであってもよい。固定ガイドおよび移動可能なガイドは、上下に垂直に配置されていることが好ましい。これらは列を形成してもよい。その他のタイプのガイド(複数可)の配置が可能である。移動可能なガイドが動いている間、それらは列の状態で整列したままであることが好ましい。
【0039】
バッファステーションは、例えば本質的に一定の速度で材料シートが進む間、材料シートを受容するように構成されている。固定ガイドと移動可能なガイドの間の距離を変化させることによって、バッファは、シートの本質的に一定の動きをストップゴー(停止・進行)の動きへと転換し、ストップゴーの動きでシートを払い出す能力を有する。
【0040】
バッファステーションは、シートを実質的に水平な搬送方向で案内するように構築されていることが好ましい。すなわち、大半の時間で、シートは実質的に水平に進むことが好ましい。バッファステーションは、シートを実質的に垂直配向で案内するように構築されていて、上下に積み重ねられたシートの層を形成する。
【0041】
さらに、バッファステーションはシートのための支持体を含む。固定ガイドおよび移動可能なガイドを接続するシートの各部分に対して、支持体が存在することが好ましい。支持体は、移動可能なシートガイドが固定シートガイドから遠く離れている時、移動可能なシートガイドのうちの少なくとも一つが二つの異なる支持体の間に置かれるように、さらに配置されている。支持体の間に移動可能なガイドが置かれるその二つの支持体は、二つの隣接した支持体であることが好ましい。移動可能なガイドは、各組の隣接する支持体の間に置かれることが好ましい。移動可能なガイドは、それらの相互の距離が最小限になるように固定ガイドの近くにある時、支持体の間に置かれないことが好ましい。この構成において、固定ガイドおよび移動可能なガイドは、支持体の外側に二つの平行な列を形成することが好ましく、支持体の一方の側であることが好ましい。
【0042】
支持体は、上下に垂直に積み重ねられていることが好ましい。少なくとも二つの支持体があることが好ましい。
【0043】
このようにして、バッファ内には、支持体の数Nに依存してN回、第一の支持体、シートの第一の層およびシートの第二の層、第二の支持体、シートの第三の層およびシートの第四の層、第三の支持体などの層状構造が実質的にあることが好ましい。二つの支持体の間には、シートの二つの層が存在することが好ましい。
【0044】
さらに、機械は支持体に接続されている空気システムを含む。空気システムは、空気システムと支持体の間に流体接続がある限り、機械内のどこに位置してもよい。空気は空気システムによって支持体から吸い込まれてもよく、または空気は空気システムによって支持体から吹き付けられてもよい。
【0045】
支持体の各々は外表面を画定する。支持体では、外表面を二つの部分(第一の部分および第二の部分)に分割することができる。第一の部分では、吸い込みの作用が加えられる。第二の部分では、吹き出し作用が加えられる。それ故に第一の部分は支持体の外表面に向かってシートを引き付け、また第二の部分はシートを外表面から離すように引く。
【0046】
空気の吸い込みまたは吹き付けは、外表面に形成された開口部に起因して起こってもよい。
【0047】
このようにして、シートは支持体を超えて摺動せず、またこれは損傷から守られる。
【0048】
さらに、シートは吸い込み作用によって支持され、また担う重量はシート自体と支持体の間で共有される。「空気クッション」が外表面とシートの間に形成されるため、摩擦はまた、第二の部分で低減される。
【0049】
従って、本発明の機械は、比較的壊れやすい材料シート、または粘着性のある材料シートをバッファするためにも適切である。
【0050】
機械は、材料シートのボビンを保持するためのハブを含むことが好ましい。材料シートは、例えばハブ内で回転する間に巻き出されるボビンで入手可能であることが好ましい。
【0051】
外表面は移動可能な表面であることが好ましい。外表面の速度は、固定シートガイドまたは移動可能なシートガイドの回転速度に依存して選択されることがより好ましい。移動可能な表面は、バッファステーションを通るシートの動きが移動可能なガイドおよび固定ガイドの動きのみに起因しないため、シートの簡単な搬送を可能にする。シートの引っ張り力が低減されるため、シートの破損のリスクが低減される。有利なことに、移動可能な表面の線形速度は、固定ガイドおよび移動可能なガイドの角速度と同期されてもよい。
【0052】
支持体は、移動ベルトを含むことが好ましく、各移動ベルトは外表面を備える。有利なことに、移動ベルトは、固定ガイドに対して固定位置に位置する二つのローラーの周りに巻かれる。一部のローラーはまた、固定ガイド自体も画定することができる。それ故に、ベルトの表面は支持体の外表面を形成してもよい。
【0053】
外表面は上面と下面を含み、この上面に向かって材料シートが重力によって置かれ、この下面からシートが重力によって引き離され、第一の部分は下面に属し、かつ第二の部分は上面に属することが好ましい。吸い込みは、重力に起因にして「ぶら下がる」シートの部分または層に向かって加えられることが好ましい。二つの隣接した支持体の間に、シートの二つの実質的に平行な層がある。第一の層は第一の支持体の上面に隣接し、第二の層は第二の支持体の下面に隣接する。従って、シート自体の重量によるシートの破損を避けるために、空気吸い込み介入なしで支持体によって支持体されていないシートの第二の層は、吸い込み作用によって支持される。それ故に、シートの層を外表面により近くなるように引き寄せて、表面自体の動きによって搬送するために、第二の支持体の下面を通して空気を吸い込む。シート上の応力は低減される場合がある。
【0054】
さらに、シートの第一の層は第一の支持体の上面の上方で移動する。重力に起因して、シートの第一の層は上面に接触する。摩擦を低くするために、上面から吹き付けられる空気によって「空気クッション」が形成される。
【0055】
支持体のうちの少なくとも一つは、外表面または材料シートを加熱または冷却するように適合された温度調節装置を含むことが好ましい。これは、実質的に均質な温度を得ることができるので、水平のバッファステーションでは特に有利である。実際、垂直支持体温度制御は、対流による影響を受ける可能性があり、これによってこうした垂直支持体に沿った温度の相違につながる可能性が高い。有利なことに、バッファステーションが空気システムを含むという事実に起因して、温度調節装置は空気システムと統合されてもよい。従って、空気システムは、シートを冷却または加熱するために、低温空気または高温空気を吹き付けてもよい。このようにして、シートは既に加熱または冷却されてバッファステーションから出され、すなわちシートはバッファステーション内で既に熱処理に供される。
【0056】
外表面は低摩擦材料で実現されていることが好ましい。これは、材料シートと外表面の間の摩擦を低減する場合がある。支持体の外表面は、抗粘着性を有するように、かつ外表面およびシートの磨耗を防止するためにシートの外表面との摩擦を最小化するように、テクスチャがあることが好ましい。さらに、摩擦は望ましくない温度上昇を作り出す場合がある。外表面のために使用される材料は、ステンレス鋼であることが好ましい。外表面材料はまた、摩擦を防止するために非常に滑らかであることが好ましい。
【0057】
上面および下面は、平行な平面を画定することがより好ましい。上面および下面は、水平な平面を画定することがより好ましい。それ故に支持体は、水平のバッファステーションを形成するように水平であることが好ましい。有利なことに、支持体が移動ベルトを含む場合、上面および下面が平行な平面を画定する特徴は、実質的に同一の直径を有する移動ベルトの二つのローラーを用いて得られる。
【0058】
外表面は複数の穴を含むことが好ましく、空気をそこから吹き付けるまたは吸い込むことができる。穴から、外表面の第一の部分および第二の部分上の吸い込み作用および吹き出し作用を効果的な様態で加えることができる。
【0059】
固定シートガイドまたは移動可能なシートガイドは、ガイドローラーを含むことが好ましい。ガイドローラーは、軸を中心に回転可能であることが好ましい。
【0060】
固定シートガイドは、垂直な配置で上下に位置付けられていることが好ましい。これは、限られた容積を占めるコンパクトなバッファステーションの実現を可能にする場合がある。
【0061】
本発明による機械は、シートの温度を測定するように適合された一つ以上の温度センサーを含むことが好ましい。本発明による空気システムは、選択された所与の温度で空気を吹き付けるように適合された、温度制御された空気発生器を含むことがより好ましい。有利なことに、温度制御された空気発生器は、外表面または材料シートを加熱または冷却することを可能にする。同一の要素、すなわち空気発生器は二重の機能を有する。
【0062】
第二の態様において、本発明は、喫煙物品用、特にエアロゾル発生物品用の構成要素の製造のための機械に関し、機械は、材料シートのボビンを保持するためのハブと、バッファステーション(バッファステーションは、固定シートガイドと、固定シートガイドに向かう方向およびシート固定ガイドから離れる方向に往復運動の様態で移動可能である移動可能なシートガイドを含む)と、移動可能なシートガイドを動かすためのアクチュエータであって、バッファステーション内の材料シートの全長を変化させるための可変長さを有するシートのためのジグザグ軌道を、固定シートガイドおよび移動可能なシートガイドが一緒に画定するアクチュエータと、材料シートを加熱または冷却するように適合された温度調節装置を含む。
【0063】
有利なことに、温度調節装置のおかげで、バッファステーションから出るシートは既に加熱または冷却されている。シートはバッファステーション内で既に熱処理に供されていることが好ましい。
【0064】
本発明のさらなる利点は、添付の図面の非制限的な参照とともに、その詳細な説明から明らかになろう。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【
図1】
図1は、第一の動作状態にある比較例によるエアロゾル発生物品用の構成要素の製造のための機械の概略側面図である。
【
図2】
図2は、第二の動作状態にある
図1の機械の概略側面図である。
【
図3】
図3は、別の比較例によるエアロゾル発生物品用の構成要素の製造のための別の機械の概略側面図である。
【
図4】
図4は、本発明によるエアロゾル発生物品用の構成要素の製造のための機械の概略側面図である。
【
図5】
図5は、
図4のエアロゾル発生物品用の構成要素の製造のための機械の構成要素(シートの支持体)の概略斜視図である。
【
図7】
図7は、
図4~
図6のエアロゾル発生物品用の構成要素の製造のための機械の概略斜視図である。
【
図8】
図8は、第一の動作状態にある
図7の機械の概略側面図である。
【
図9】
図9は、第二の動作状態にある
図7の機械の概略側面図である。
【
図11】
図11は、別の観点から取られた第一の動作状態にある、
図7の機械のさらなる概略斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0066】
図4~
図16を参照すると、本発明によるエアロゾル発生物品用の構成要素の製造のための機械が表されていて、参照番号10で示されている。
【0067】
図1~
図3は、比較例による垂直バッファおよび水平バッファを示し、既に上述されている。
図4で視覚化されている通り、機械10(または製造機械)は、材料シート6のボビン14を保持するためのハブ12と、バッファステーション16とを含む。
【0068】
図に示されたボビン14は、丸い、例えば円筒状の形状を有する。しかしながら、本発明は、ボビンが丸い形状を有しない時でさえも、ボビンとうまく機能する。シート6は、均質化したたばこ材料シートである(シート6は
図8、
図9で、より分かりやすく図示されている)。
【0069】
バッファステーション16は、複数の固定シートガイド4と、複数の移動可能なシートガイド5と、シート6のための複数の支持体1とを含む。支持体1は実質的に水平であり、これによってバッファステーション16は、「支持体付き水平ローラーバッファ」であり、すなわち支持体は水平であり、かつバッファ内のシートは、上下に実質的に水平の層を形成する。実質的に水平支持体1は、層の重量を供給する利点を提供する。
【0070】
移動可能なシートガイド5は、固定シートガイド4に向かう方向およびシート固定ガイド4から離れる方向に、往復運動の様態で移動可能である。
【0071】
移動可能なシートガイド5を動かすためのアクチュエータ18(
図10に図示)が提供されていて、バッファステーション16内の材料シート6の全長を変化させるための可変長さを有するシート6のためのジグザグ軌道を、固定シートガイド4および移動可能なシートガイド5が一緒に画定する(
図8および
図9を参照)。
【0072】
支持体1は、移動可能なシートガイド5が固定シートガイド4に向かって動かされた時に、移動可能なシートガイド5が二つの異なる支持体1の間、特に二つの連続的な支持体1の間に置かれるように配置される(
図9を参照)。
【0073】
図に示された好ましい実施形態において(特に
図8および
図9を参照)、固定シートガイド4および移動可能なシートガイド5はガイドローラーである。
【0074】
固定シートガイド4は、実質的に垂直な配置で上下に位置付けられている。
【0075】
図に示された好ましい実施形態において(特に
図5および
図6を参照)、各支持体1は移動ベルト2を含み、これはコンベヤーベルトとしても示されている。移動ベルト2は、移動可能な表面である外表面20を画定する。外表面20は、低摩擦材料で実現される。各水平支持体1は、その周りに走る単一の移動ベルト2を有し、またベルトを移動させるために移動ベルト2に接続された、かつ水平支持体1の各端部分に位置している、第一のローラー28および第二のローラー30をさらに含む。
【0076】
シート6は、シート6と水平支持体1との間に存在する可能性のある摩擦を低減する移動ベルト2によって搬送され、または引かれる。
【0077】
外表面20は上面22と下面24を含み、この上面に向かって重力によってシート6が置かれ、この下面から重力によってシート6が引き離される(特に
図13を参照)。
上面22および下面24は、平行な平面を画定する。
【0078】
さらに、上面22および下面24は、実質的に水平な平面を画定する。
【0079】
外表面20は、外表面20に向かってシート6を引き付けるために吸い込み作用が加えられる第一の部分と、外表面20から離れるようにシート6を押すために吹き出し作用が加えられる第二の部分とを有する。第一の部分は下面24に属し、第二の部分は上面22に属する。
【0080】
外表面20は、複数の穴26(
図14~
図16に図示)を含み、そこから空気を吹き付けるまたは吸い込むことができる。吹き付け/空気引き出しなどの空気システム(図で描写せず)は、シート6と支持体1の間の摩擦を制限することだけでなく、移動可能なシートガイド5の動きを制限せずにシート6を維持することも可能にする。吹き付ける空気は、摩擦を低減させるために移動ベルト2とシート6の間に空気支持を作り出すように、シート6を押して外表面20から数ミリメートルまたは十分の一ミリメートル離すことを可能にする。
【0081】
水平支持体1はまた、表面33(
図14~
図16)を画定し、この表面の周りにベルト2が位置付けられていて、それら表面はとても小さい穴34を有し、この穴は空気出口/入口として機能し、空気機構によって吹き付けられる空気が外に出ることを可能にし、または場合によっては空気機構によって引き出される空気を外側から取ることを可能にし、吸込み効果を作り出す(
図14を参照)。従って、空気システムまたは空気発生器によって吹き付けられるまたは吸い込まれる空気は、支持部に入るため、または支持部から外に出るために、穴34および26を通過する。空気発生器は、すべての支持体の内部と流体接続されていることが好ましい。表面33は、空気を運ぶことができる中空の空間を実質的に囲むことが好ましい。
【0082】
好ましい実施形態によると、水平支持体1の下面のみ、または上面と下面との両方は、こうした穴34を有する。
【0083】
好ましい実施形態によると、各水平支持体1のための空気機構は、独立して水平支持体1の上面を通して空気を吹き付ける、または引き出すことができ、その一方で独立して下面を通して空気を吹き付ける、または引き出すことができる。
【0084】
好ましい実施形態において、空気機構は下面を通して空気を引き出す。
【0085】
水平支持体1の下面および移動ベルト2の穴26を通して引き出された空気は、シート6上に吸込み効果を作り出し、シート6を移動ベルト2にくっつけて、シート6が可能性のある損傷なしにシート自体の重量を搬送するに役に立つ。
【0086】
さらに、本発明の追加的な利点は、空気機構がシステムのためだけでなく加工される材料のためにも温度制御システムとしても作用することができることであり、下記に詳細に説明する通り、製造機械10によって材料に適用される処理のためのシート6の準備に役立つ。
【0087】
支持体1のうちの少なくとも一つは、材料の外表面20またはシート6を加熱または冷却するように適合された温度調節装置(添付図面に図示せず)を含むことが好ましい。特に、機械10は、選択された所与の温度で空気を吹き付けるように適合された、温度制御された空気発生器を含むことができる。
【0088】
こうした温度制御された空気発生器は、例えば空気を加熱するために抵抗器をすることができ、また空気を冷却するために熱電要素を使用することができる。
【0089】
さらに、空気機構に含まれる温度制御された空気発生装置は、水平支持体1(例えば、移動ベルト2に摩擦がある場合に支持体1を冷却する)を冷却または加熱するように、およびシート6を冷却または加熱するように、水平支持体1の中へと吹き付けられる空気の温度を調整する可能性を与える。
【0090】
これは本発明の別の利点であり、そのような温度制御は、シート6の温度に影響を与えるか、または制御することを可能にし、これは機械10の以後の処理部分ためにシート6材料を準備するために使用することができる。
【0091】
機械10は、シート6の温度を測定するように適合された一つ以上の温度センサー(図面に図示せず)を含む。空気システムおよび温度調節装置は、フィードバック機構のための温度センサーに接続されていることが好ましい。
【0092】
温度センサーは、シート6の温度を感知することができ、そのためシート6の温度が所定の範囲内に留まるように、吹き付ける空気の温度を自動的に調節することができる。
【0093】
代替的に、水平支持体1は、ベルト2の上面22およびベルト2の下面24を独立して押す/吸うように、二つの水平容器が上下に存在するように区画化することができる。
【0094】
図5および
図6では、周り全体を進む移動ベルト2と、移動ベルト2の第一のローラー28および第二のローラー30とを有する水平支持体1が示されている。
【0095】
好ましい実施形態によると、移動ベルト2のローラー28、30のうちの一方または両方は、ベルト2を動かすために動力化されている。
【0096】
機械10は、水平支持体1と案内ローラー4、5との特定の構造を含む。
【0097】
機械10は、上下に垂直積み重ねるセットアップで、幾つかの水平支持体1と、それぞれのローラー28および30とを含み、シート6はこれに沿って走る。
【0098】
好ましい実施形態によると、シート6は、最も下の部分から最も上の部分(すなわち、最も低い水平支持体1から最も高い水平方向の支持部)に、または最も上から最も下に動くことができる。
【0099】
入ってくるシート6を捕捉するために、特定の水平支持体1をその他のものよりわずかに長くすることができる。
図8および
図9では、シート6は最も下から最も上に移動し、わずかにより長い水平支持体1は最も低いものである。
【0100】
各水平支持体1と整列して、「固定ガイドローラー」4(固定シートガイド)があり、すなわち水平または垂直に移動せず、その軸を中心に回転するだけのガイドローラーがある。
【0101】
固定ガイドローラー4の回転は、通過するシート6に発生される自由回転、またはシート6を引っ張る能動的な動力化された回転でありうる。
【0102】
これらの固定ガイドローラー4は、垂直列で整列されている。
【0103】
各組の水平支持体1の間に水平に、「移動可能なガイドローラー」5(移動可能なシートガイド)がある。
【0104】
これらの移動可能なガイドローラー5は、レール32に沿って水平に動くことができ、また動力化されたローラー5であり、これらの回転は動力化されていて、かつシート6を引っ張ることを意味する。
【0105】
固定ローラー4から離れる移動可能なガイドローラー5の動きは、
図8~12に図示したシート6のバッファを作り出す。
【0106】
これらの移動可能なガイドローラー5は、垂直な列で整列されている。
【0107】
二つの連続的な水平支持体1の間の距離は、移動可能なガイドローラー5の直径を、ほぼわずかに超える。
【0108】
水平支持体1の数、および移動可能なローラー5が進むことのできる距離は、シート6のバッファのサイズを決定することができる。
【0109】
図8および
図9は、水平支持体1、水平支持体の移動ベルト2、移動ベルト2のローラー28および30、固定ローラー4、移動可能なローラー5、シート6、およびシート6の入力ユニット(この実施形態においてはボビン14である)を図示する。
【0110】
図8では、機械10はまだ作動しておらず、シート6は、固定されたガイドと移動可能なガイドとの二つの列の間にあるその正しい経路内に置かれているだけである。
【0111】
図9では、機械10は作動していて、移動可能なガイドローラー5は固定ガイドローラー4から離されていて、動いているシートを引いている。それ故にシート6は、一つのガイドから次のガイドに進みながら、複数の層を形成する。層の間に、支持体1が位置付けられている。
【0112】
図内の矢印は、シート6の動き(矢印100)、移動可能なガイドローラー5の水平平行移動(同一の矢印100、動きは同じ方向、ローラー5の回転は矢印200)ならびに固定ガイドローラー4の回転(矢印400)、入力ユニット7(矢印500)、および水平支持体1の移動ベルト2のローラー28、30(矢印200)の方向を示す。
【0113】
図10および
図11では、機械10はまだ製造を開始していない。
【0114】
図12では、機械10は、固定ガイドローラー4から離されている移動可能なガイドローラー5を用いて、製造を開始している。
【0115】
図7および
図10~
図12では、七つの水平支持体1が上下にあり、わずかにより長い水平支持体一つが下部にある。
【0116】
図13の点線9は、空気機構の空気吸い込み作用または空気吹き付け作用を用いないシート6の経路になりうることを示す。空気機構の空気引き出しによって、シート6は移動ベルト2にくっついていて、水平支持体1の下面にくっついている。
【0117】
ベルト2が上面上に走る時、移動ベルト2の方向は固定ガイドローラー4から離れるように進み、またベルト2が下面上に走る時、固定ガイドローラー4に向かって進み、そしてこの方向はシート6の方向と同一であることに留意することが重要である。
【0118】
そのため、シート6が水平支持体1の下面下に走る移動ベルト2にくっついている時に、ならびにシート6が水平支持体1の上面上にある時に、シート6は移動ベルト2によって正しい方向に引っ張られる。水平支持体1の下面を通して空気機構によって引き出される空気は、シート6に対して「活動的な支持体」として作用する。この活動的な支持体は、シート6が移動可能なローラー5から固定ローラー4に移動する時、すなわちシート6が水平支持体1の下面の下に、および隣に進む時に生じる。
【0119】
この「活動的な支持」は実体を有していない、およびそれ故に、動いている移動可能なローラー5を阻むことはできず、シート6のバッファを作り出すことを可能にする。
【0120】
水平支持体1の上面を通る空気機構によって吹き付けられる空気は、水平支持体1の上面上に走る移動ベルト2の摩擦を低減するために使用することができ、またその空気は発生する摩擦を低減するために使用することができ、これによって、シート6に伝達されうる、およびその特性を変化させうる移動ベルト2区域内の温度を上昇させる。
【0121】
図14は、水平支持体1の空気吸込み口/空気出口の詳細、ならびに移動ベルト2および移動ベルト2の穴26の詳細を示す。
図14は、水平支持体1の下面、および別の水平支持体1の上面を示す。
【0122】
【0123】
図15に示す好ましい実施形態によると、機械10は水平支持体1の端にある回転ブラシの群36を備え、移動ベルト2および移動ベルト2の穴26を継続的に掃除して、これらが適切に機能していることを確実にし、またシート6の汚染を回避するためにシート6から来る材料の潜在的な断片を除去する。
【0124】
図16は、移動ベルト2の穴26および水平支持体1の表面33の詳細を示す。
【0125】
図16に示す好ましい実施形態によると、抗接着特性を有するように、および移動ベルト2の磨耗ならびに生成された温度を上昇させる摩擦を防止するために移動ベルト2との摩擦を最小化するように、水平支持体1の上面および下面33にはテクスチャがある。水平支持体1の上面および下面に使用される材料はまた、摩擦を防止するために非常に滑らかである。この材料はステンレス鋼であることが好ましい。