(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-07
(45)【発行日】2022-10-18
(54)【発明の名称】半導体回路および半導体回路システム
(51)【国際特許分類】
G11C 14/00 20060101AFI20221011BHJP
【FI】
G11C14/00 230
(21)【出願番号】P 2019559564
(86)(22)【出願日】2018-12-04
(86)【国際出願番号】 JP2018044540
(87)【国際公開番号】W WO2019116961
(87)【国際公開日】2019-06-20
【審査請求日】2021-10-19
(31)【優先権主張番号】P 2017237979
(32)【優先日】2017-12-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】316005926
【氏名又は名称】ソニーセミコンダクタソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001357
【氏名又は名称】弁理士法人つばさ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】周藤 悠介
【審査官】後藤 彰
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2017/150028(WO,A1)
【文献】特開2017-208146(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G11C 14/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のノードにおける電圧の反転電圧を生成しその反転電圧を第2のノードに印加することが可能な第1の回路と、
前記第2のノードにおける電圧の反転電圧を生成しその反転電圧を前記第1のノードに印加することが可能な第2の回路と、
オン状態になることにより前記第1のノードを第3のノードに接続可能な第1のトランジスタと、
前記第3のノードに接続された第1の端子と、制御電圧が印加される第2の端子とを有し、第1の抵抗状態または第2の抵抗状態をとりうる第1の記憶素子と、
第1の電圧が印加されるソースと、前記第3のノードに接続されたドレインと、前記第1のノードおよび前記第2のノードのうちの一方である第1の所定ノードに接続されたゲートとを有する第2のトランジスタと、
第2の電圧が印加されるソースと、前記第3のノードに接続されたドレインと、前記第1のノードおよび前記第2のノードのうちの他方である第2の所定ノードに接続されたゲートとを有する第3のトランジスタと、
オン状態になることにより前記第2のノードを第4のノードに接続可能な第4のトランジスタと、
前記第4のノードに接続された第1の端子と、前記制御電圧が印加される第2の端子とを有し、前記第1の抵抗状態または前記第2の抵抗状態をとりうる第2の記憶素子と、
前記第1の電圧が印加されるソースと、前記第4のノードに接続されたドレインと、前記第2の所定ノードに接続されたゲートとを有する第5のトランジスタと、
前記第2の電圧が印加されるソースと、前記第4のノードに接続されたドレインと、前記第1の所定ノードに接続されたゲートとを有する第6のトランジスタと、
前記第1のトランジスタおよび前記第4のトランジスタの動作を制御し前記制御電圧を設定することが可能な駆動部と
を備えた半導体回路。
【請求項2】
前記第1の電圧が印加されたソースと、前記第2のトランジスタのソースに接続されたドレインとを有する第7のトランジスタと、
前記第2の電圧が印加されたソースと、前記第3のトランジスタのソースに接続されたドレインとを有する第8のトランジスタと、
前記第1の電圧が印加されたソースと、前記第5のトランジスタのソースに接続されたドレインとを有する第9のトランジスタと、
前記第2の電圧が印加されたソースと、前記第6のトランジスタのソースに接続されたドレインとを有する第10のトランジスタと
をさらに備え、
前記駆動部は、さらに、前記第7のトランジスタ、前記第8のトランジスタ、前記第9のトランジスタ、および前記第10のトランジスタの動作を制御可能な
請求項1に記載の半導体回路。
【請求項3】
前記駆動部は、第1の期間において、前記第1のトランジスタ、前記第4のトランジスタ、前記第8のトランジスタ、および前記第10のトランジスタをオフ状態にし、前記第7のトランジスタおよび前記第9のトランジスタをオン状態にし、前記制御電圧を第3の電圧に設定することが可能な
請求項2に記載の半導体回路。
【請求項4】
前記駆動部は、前記第1の期間の後の第2の期間において、前記第1のトランジスタおよび前記第4のトランジスタをオン状態にし、前記第7のトランジスタ、前記第8のトランジスタ、前記第9のトランジスタ、および前記第10のトランジスタをオフ状態にすることが可能な
請求項3に記載の半導体回路。
【請求項5】
前記駆動部は、前記第2の期間の後の、前記第1のノードにおける電圧が変化する前の第3の期間において、前記第1のトランジスタ、前記第4のトランジスタ、前記第7のトランジスタ、および前記第9のトランジスタをオフ状態にし、前記第8のトランジスタおよび前記第10のトランジスタをオン状態にし、前記制御電圧を第4の電圧に設定することが可能な
請求項4に記載の半導体回路。
【請求項6】
前記第1の回路および前記第2の回路への電源供給を制御可能であり、前記第1の期間および前記第2の期間の間の第4の期間において、前記第1の回路および前記第2の回路への電源供給を停止することが可能な制御部をさらに備えた
請求項4に記載の半導体回路。
【請求項7】
前記第1の電圧が印加されるソースと、前記第2のトランジスタのソースおよび前記第5のトランジスタのソースに接続されたドレインとを有する第11のトランジスタと、
前記第2の電圧が印加されるソースと、前記第3のトランジスタのソースおよび前記第6のトランジスタのソースに接続されたドレインとを有する第12のトランジスタと
をさらに備えた
請求項1に記載の半導体回路。
【請求項8】
前記第2のトランジスタのソースおよび前記第5のトランジスタのソースに接続された第1の制御線と、
前記第3のトランジスタのソースおよび前記第6のトランジスタのソースに接続された第2の制御線と
をさらに備え、
前記駆動部は、さらに、前記第1の制御線および前記第2の制御線を駆動可能な
請求項1に記載の半導体回路。
【請求項9】
第5のノードにおける電圧の反転電圧を生成しその反転電圧を第6のノードに印加することが可能な第3の回路と、
前記第6のノードにおける電圧の反転電圧を生成しその反転電圧を前記第5のノードに印加することが可能な第4の回路と、
オン状態になることにより前記第5のノードを第7のノードに接続可能な第13のトランジスタと、
前記第7のノードに接続された第1の端子と、前記制御電圧が印加される第2の端子とを有し、前記第1の抵抗状態または前記第2の抵抗状態をとりうる第3の記憶素子と、
前記第1の制御線に接続されたソースと、前記第7のノードに接続されたドレインと、前記第5のノードおよび前記第6のノードのうちの一方である第3の所定ノードに接続されたゲートとを有する第14のトランジスタと、
前記第2の制御線に接続されたソースと、前記第7のノードに接続されたドレインと、前記第5のノードおよび前記第6のノードのうちの他方である第4の所定ノードに接続されたゲートとを有する第15のトランジスタと、
オン状態になることにより前記第6のノードを第8のノードに接続可能な第16のトランジスタと、
前記第8のノードに接続された第1の端子と、前記制御電圧が印加される第2の端子とを有し、前記第1の抵抗状態または前記第2の抵抗状態をとりうる第4の記憶素子と、
前記第1の制御線に接続されたソースと、前記第8のノードに接続されたドレインと、前記第2の所定ノードに接続されたゲートとを有する第17のトランジスタと、
前記第2の制御線に接続されたソースと、前記第8のノードに接続されたドレインと、前記第1の所定ノードに接続されたゲートとを有する第18のトランジスタと
をさらに備えた
請求項8に記載の半導体回路。
【請求項10】
前記駆動部は、前記制御電圧を生成可能である
請求項1に記載の半導体回路。
【請求項11】
前記第1の電圧が印加されるソースと、前記第1の記憶素子の前記第2の端子および前記第2の記憶素子の前記第2の端子に接続されたドレインとを有する第19のトランジスタと、
前記第2の電圧が印加されるソースと、前記第1の記憶素子の前記第2の端子および前記第2の記憶素子の前記第2の端子に接続されたドレインとを有する第20のトランジスタと
をさらに備え、
前記駆動部は、前記第19のトランジスタおよび前記第20のトランジスタの動作を制御することにより、前記制御電圧を設定可能な
請求項1に記載の半導体回路。
【請求項12】
オン状態になることにより、前記第1の回路および前記第2の回路に対して電源供給を行うことが可能な電源トランジスタをさらに備えた
請求項1に記載の半導体回路。
【請求項13】
前記第1の記憶素子および前記第2の記憶素子のそれぞれは、前記第1の端子および前記第2の端子の間に流れる電流の向きに応じて可逆的に抵抗状態が変化することを利用して情報を記憶することが可能な
請求項1に記載の半導体回路。
【請求項14】
前記第1の記憶素子および前記第2の記憶素子のそれぞれは、ユニポーラ型またはバイポーラ型の素子である
請求項1に記載の半導体回路。
【請求項15】
前記第1の記憶素子および前記第2の記憶素子のそれぞれは、磁気トンネル接合記憶素子、抵抗変化型記憶素子、相変化型記憶素子、強誘電体記憶素子、ナノチューブ記憶素子のうちのいずれかである
請求項1に記載の半導体回路。
【請求項16】
前記第1の記憶素子および前記第2の記憶素子のそれぞれは、前記第1の端子および前記第2の端子の間に印加された電圧の極性に応じて可逆的に抵抗状態が変化することを利用して情報を記憶することが可能な
請求項1に記載の半導体回路。
【請求項17】
前記第1の回路および前記第2の回路は、SRAM回路を構成する
請求項1に記載の半導体回路。
【請求項18】
前記第1の回路および前記第2の回路は、ラッチ回路を構成する
請求項1に記載の半導体回路。
【請求項19】
記憶部と、
前記記憶部への電源供給を制御する制御部と
を備え、
前記記憶部は、
第1のノードにおける電圧の反転電圧を生成しその反転電圧を第2のノードに印加することが可能な第1の回路と、
前記第2のノードにおける電圧の反転電圧を生成しその反転電圧を前記第1のノードに印加することが可能な第2の回路と、
オン状態になることにより前記第1のノードを第3のノードに接続可能な第1のトランジスタと、
前記第3のノードに接続された第1の端子と、制御電圧が印加される第2の端子とを有し、第1の抵抗状態または第2の抵抗状態をとりうる第1の記憶素子と、
第1の電圧が印加されるソースと、前記第3のノードに接続されたドレインと、前記第1のノードおよび前記第2のノードのうちの一方である第1の所定ノードに接続されたゲートとを有する第2のトランジスタと、
第2の電圧が印加されるソースと、前記第3のノードに接続されたドレインと、前記第1のノードおよび前記第2のノードのうちの他方である第2の所定ノードに接続されたゲートとを有する第3のトランジスタと、
オン状態になることにより前記第2のノードを第4のノードに接続可能な第4のトランジスタと、
前記第4のノードに接続された第1の端子と、前記制御電圧が印加される第2の端子とを有し、前記第1の抵抗状態または前記第2の抵抗状態をとりうる第2の記憶素子と、
前記第1の電圧が印加されるソースと、前記第4のノードに接続されたドレインと、前記第2の所定ノードに接続されたゲートとを有する第5のトランジスタと、
前記第2の電圧が印加されるソースと、前記第4のノードに接続されたドレインと、前記第1の所定ノードに接続されたゲートとを有する第6のトランジスタと、
前記第1のトランジスタおよび前記第4のトランジスタの動作を制御し前記制御電圧を設定することが可能な駆動部と
を有する
半導体回路システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、半導体回路および半導体回路システムに関する。
【背景技術】
【0002】
電子機器は、エコロジーの観点から消費電力が低いことが望まれている。半導体回路では、例えば、一部の回路への電源供給を選択的に停止することにより消費電力の低減を図る、いわゆるパワーゲーティングという技術がしばしば用いられる。このように電源供給が停止された回路では、電源供給が再開された後に、すぐに、電源供給が停止される前の動作状態に復帰することが望まれる。そのような短時間での復帰動作を実現する方法の一つに、回路に不揮発性の記憶素子を内蔵させる方法がある。例えば、特許文献1には、揮発性メモリであるSRAM(Static Random Access Memory)とスピン注入磁化反転型の記憶素子とを組み合わせた回路が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【0004】
ところで、このような記憶素子を含む回路では、ディスターブが生じにくいことが望まれており、さらなる改善が期待されている。
【0005】
ディスターブを抑えることができる半導体回路および半導体回路システムを提供することが望ましい。
【0006】
本開示の一実施の形態における半導体回路は、第1の回路と、第2の回路と、第1のトランジスタと、第1の記憶素子と、第2のトランジスタと、第3のトランジスタと、第4のトランジスタと、第2の記憶素子と、第5のトランジスタと、第6のトランジスタと、駆動部とを備えている。第1の回路は、第1のノードにおける電圧の反転電圧を生成しその反転電圧を第2のノードに印加することが可能なものである。第2の回路は、第2のノードにおける電圧の反転電圧を生成しその反転電圧を第1のノードに印加することが可能なものである。第1のトランジスタは、オン状態になることにより第1のノードを第3のノードに接続可能なものである。第1の記憶素子は、第3のノードに接続された第1の端子と、制御電圧が印加される第2の端子とを有し、第1の抵抗状態または第2の抵抗状態をとりうるものである。第2のトランジスタは、第1の電圧が印加されるソースと、第3のノードに接続されたドレインと、第1のノードおよび第2のノードのうちの一方である第1の所定ノードに接続されたゲートとを有するものである。第3のトランジスタは、第2の電圧が印加されるソースと、第3のノードに接続されたドレインと、第1のノードおよび第2のノードのうちの他方である第2の所定ノードに接続されたゲートとを有するものである。第4のトランジスタは、オン状態になることにより第2のノードを第4のノードに接続可能なものである。第2の記憶素子は、第4のノードに接続された第1の端子と、制御電圧が印加される第2の端子とを有し、第1の抵抗状態または第2の抵抗状態をとりうるものである。第5のトランジスタは、第1の電圧が印加されるソースと、第4のノードに接続されたドレインと、第2の所定ノードに接続されたゲートとを有するものである。第6のトランジスタは、第2の電圧が印加されるソースと、第4のノードに接続されたドレインと、第1の所定ノードに接続されたゲートとを有するものである。駆動部は、第1のトランジスタおよび第4のトランジスタの動作を制御し制御電圧を設定することが可能なものである。
【0007】
本開示の一実施の形態における半導体回路システムは、記憶部と、記憶部への電源供給を制御する制御部とを備えている。記憶部は、上記半導体回路を有するものである。
【0008】
本開示の一実施の形態における半導体回路および半導体回路システムでは、第1の回路および第2の回路により、第1のノードおよび第2のノードに、互いに反転した電圧が現れる。第1のノードは、第1のトランジスタをオン状態にすることにより第3のノードに接続される。第3のノードは、第1の記憶素子の一端に接続されている。第2のノードは、第4のトランジスタをオン状態にすることにより第4のノードに接続される。第4のノードは、第2の記憶素子の一端に接続されている。第1の記憶素子の他端および第2の記憶素子の他端には、制御電圧が印加される。第3のノードには、第2のトランジスタのドレインおよび第3のトランジスタのドレインが接続される。第2のトランジスタのソースには第1の電圧が印加され、ゲートは第1のノードおよび第2のノードのうちの一方である第1の所定ノードに接続されている。第3のトランジスタのソースには第2の電圧が印加され、ゲートは第1のノードおよび第2のノードのうちの他方である第2の所定ノードに接続されている。第4のノードには、第5のトランジスタのドレインおよび第6のトランジスタのドレインが接続される。第5のトランジスタのソースには第1の電圧が印加され、ゲートは第2の所定ノードに接続されている。第6のトランジスタのソースには第2の電圧が印加され、ゲートは第1の所定ノードに接続されている。
【0009】
本開示の一実施の形態における半導体回路および半導体回路システムによれば、第2のトランジスタのゲートを第1の所定ノードに接続し、第3のトランジスタのゲートを第2の所定ノードに接続し、第2のトランジスタおよび第3のトランジスタのドレインを第3のノードに接続し、第5のトランジスタのゲートを第2の所定ノードに接続し、第6のトランジスタのゲートを第1の所定ノードに接続し、第5のトランジスタおよび第6のトランジスタのドレインを第4のノードに接続するようにしたので、ディスターブが生じにくくすることができる。なお、ここに記載された効果は必ずしも限定されるものではなく、本開示中に記載されたいずれの効果があってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本開示の一実施の形態に係る半導体回路の一構成例を表すブロック図である。
【
図2】
図1に示したメモリセルの一構成例を表す回路図である。
【
図3】
図2に示したメモリセルを有するメモリセルアレイの一構成例を表す回路図である。
【
図4】
図2に示したメモリセルの一動作例を表す表である。
【
図5A】
図2に示したメモリセルの一動作例を表す回路図である。
【
図5B】
図2に示したメモリセルの一動作例を表す他の回路図である。
【
図5C】
図2に示したメモリセルの一動作例を表す他の回路図である。
【
図5D】
図2に示したメモリセルの一動作例を表す他の回路図である。
【
図5E】
図2に示したメモリセルの一動作例を表す他の回路図である。
【
図6】
図2に示したメモリセルの一動作例を表す他の表である。
【
図7】比較例に係るメモリセルの一構成例を表す回路図である。
【
図8】
図7に示したメモリセルの一動作例を表す説明図である。
【
図9A】
図7に示したメモリセルの一動作例を表す回路図である。
【
図9B】
図7に示したメモリセルの一動作例を表す他の回路図である。
【
図10】
図2に示したメモリセルの一構成例を表すレイアウト図である。
【
図11】変形例に係るメモリセルアレイの一構成例を表す回路図である。
【
図12】他の変形例に係るメモリセルの一構成例を表す回路図である。
【
図13】
図12に示したメモリセルを有するメモリセルアレイの一構成例を表す回路図である。
【
図14】他の変形例に係るメモリセルの一構成例を表す回路図である。
【
図15】
図14に示したメモリセルを有するメモリセルアレイの一構成例を表す回路図である。
【
図16】他の変形例に係るメモリセルの一構成例を表す回路図である。
【
図17B】
図16に示したメモリセルの一動作例を表す他の回路図である。
【
図18】他の変形例に係るメモリセルの一構成例を表す回路図である。
【
図19】
図18に示したメモリセルを有するメモリセルアレイの一構成例を表す回路図である。
【
図20】他の変形例に係るメモリセルの一構成例を表す回路図である。
【
図21】
図20に示したメモリセルを有するメモリセルアレイの一構成例を表す回路図である。
【
図22】
図20に示したメモリセルの一構成例を表すレイアウト図である。
【
図23】
図20に示したメモリセルを有するメモリセルアレイの他の構成例を表す回路図である。
【
図24】他の変形例に係るメモリセルの一構成例を表す回路図である。
【
図25】
図24に示したメモリセルを有するメモリセルアレイの一構成例を表す回路図である。
【
図26】他の変形例に係るメモリセルの一構成例を表す回路図である。
【
図27】
図26に示したメモリセルを有するメモリセルアレイの一構成例を表す回路図である。
【
図28】他の変形例に係るメモリセルの一構成例を表す回路図である。
【
図29】
図28に示したメモリセルの一動作例を表す表である。
【
図30B】
図28に示したメモリセルの一動作例を表す他の回路図である。
【
図30C】
図28に示したメモリセルの一動作例を表す他の回路図である。
【
図31】他の変形例に係るメモリセルの一構成例を表す回路図である。
【
図32B】
図31に示したメモリセルの一動作例を表す他の回路図である。
【
図32C】
図31に示したメモリセルの一動作例を表す他の回路図である。
【
図33】他の変形例に係るメモリセルの一構成例を表す回路図である。
【
図34B】
図33に示したメモリセルの一動作例を表す他の回路図である。
【
図34C】
図33に示したメモリセルの一動作例を表す他の回路図である。
【
図35】他の変形例に係るメモリセルの一構成例を表す回路図である。
【
図36】他の変形例に係る半導体回路の一構成例を表すブロック図である。
【
図37】実施の形態の技術を適用したフリップフロップ回路の一構成例を表す回路図である。
【
図38】実施の形態の技術を適用したフリップフロップ回路の他の構成例を表す回路図である。
【
図39】実施の形態の技術を適用したフリップフロップ回路の他の構成例を表す回路図である。
【
図40】実施の形態の技術を適用したフリップフロップ回路の他の構成例を表す回路図である。
【
図41】実施の形態の技術を応用した情報処理装置の一構成例を表すブロック図である。
【
図42】実施の形態の技術を応用した情報処理装置の他の構成例を表すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本開示の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、説明は以下の順序で行う。
1.実施の形態
2.応用例
【0012】
<1.実施の形態>
[構成例]
図1は、第1の実施の形態に係る半導体回路(半導体回路1)の一構成例を表すものである。半導体回路1は、情報を記憶する回路である。半導体回路1は、制御部11と、電源トランジスタ12と、メモリ回路20とを備えている。
【0013】
制御部11は、メモリ回路20の動作を制御するものである。具体的には、制御部11は、外部から供給された書込コマンドおよび書込データに基づいて、メモリ回路20に情報を書き込み、また、外部から供給された読出コマンドに基づいて、メモリ回路20から情報を読み出すようになっている。また、制御部11は、電源トランジスタ12に電源制御信号SPGを供給して電源トランジスタ12をオンオフすることにより、メモリ回路20に対する電源供給を制御する機能をも有している。
【0014】
電源トランジスタ12は、この例では、P型のMOS(Metal Oxide Semiconductor)トランジスタであり、ゲートには電源制御信号SPGが供給され、ソースには電源電圧VDD1が供給され、ドレインはメモリ回路20に接続されている。
【0015】
この構成により、半導体回路1では、メモリ回路20を使用する場合には、電源トランジスタ12をオン状態にして、電源電圧VDD1をメモリ回路20に電源電圧VDDとして供給する。また、半導体回路1では、メモリ回路20を使用しない場合には、電源トランジスタ12をオフ状態にする。半導体回路1では、このようないわゆるパワーゲーティングにより、消費電力を低減することができるようになっている。
【0016】
メモリ回路20は、データを記憶するものである。メモリ回路20は、メモリセルアレイ21と、駆動部22,23とを有している。
【0017】
メモリセルアレイ21は、メモリセル30がマトリクス状に配置されたものである。
【0018】
図2は、メモリセル30の一構成例を表すものである。
図3は、メモリセルアレイ21の一構成例を表すものである。この
図3には、メモリセルアレイ21に加えて、駆動部22,23をも描いている。メモリセルアレイ21は、複数のワード線WLと、複数のビット線BLと、複数のビット線BLBと、複数の制御線CTRLと、複数のリストア制御線RSTRLと、複数のストア制御線STRBLと、複数のリセット制御線RSLとを有している。ワード線WLは、
図2,3における横方向に延伸するものであり、ワード線WLの一端は駆動部22に接続され、このワード線WLには駆動部22により信号SWLが印加される。ビット線BLは、
図2,3における縦方向に延伸するものであり、ビット線BLの一端は駆動部23に接続される。ビット線BLBは、
図2,3における縦方向に延伸するものであり、ビット線BLBの一端は駆動部23に接続される。制御線CTRLは、
図2,3における横方向に延伸するものであり、制御線CTRLの一端は駆動部22に接続され、この制御線CTRLには駆動部22により信号SCTRLが印加される。リストア制御線RSTRLは、
図2,3における横方向に延伸するものであり、リストア制御線RSTRLの一端は駆動部22に接続され、このリストア制御線RSTRLには駆動部22により信号SRSTRLが印加されるようになっている。ストア制御線STRBLは、
図2,3における横方向に延伸するものであり、ストア制御線STRBLの一端は駆動部22に接続され、このストア制御線STRBLには駆動部22により信号SSTRBLが印加される。リセット制御線RSLは、
図2,3における横方向に延伸するものであり、リセット制御線RSLの一端は駆動部22に接続され、このリセット制御線RSLには駆動部22により信号SRSLが印加されるようになっている。
【0019】
メモリセル30は、SRAM(Static Random Access Memory)回路40と、トランジスタ31,32,51~58と、記憶素子33,34とを有している。
【0020】
SRAM回路40は、正帰還により1ビット分の情報を記憶するものである。SRAM回路40は、トランジスタ41~46を有している。トランジスタ41,43は、P型のMOSトランジスタであり、トランジスタ42,44,45,46は、N型のMOSトランジスタである。
【0021】
トランジスタ41のゲートはノードN1に接続され、ソースには電源電圧VDDが供給され、ドレインはノードN2に接続されている。トランジスタ42のゲートはノードN1に接続され、ソースは接地され、ドレインはノードN2に接続されている。トランジスタ41,42は、インバータIV1を構成している。インバータIV1は、ノードN1における電圧VN1を反転して、その反転結果をノードN2に出力するものである。トランジスタ43のゲートはノードN2に接続され、ソースには電源電圧VDDが供給され、ドレインはノードN1に接続されている。トランジスタ44のゲートはノードN2に接続され、ソースは接地され、ドレインはノードN1に接続されている。トランジスタ43,44は、インバータIV2を構成している。インバータIV2は、ノードN2における電圧VN2を反転して、その反転結果をノードN1に出力するものである。トランジスタ45のゲートはワード線WLに接続され、ソースはビット線BLに接続され、ドレインはノードN1に接続されている。トランジスタ46のゲートはワード線WLに接続され、ソースはビット線BLBに接続され、ドレインはノードN2に接続されている。
【0022】
この構成により、インバータIV1の入力端子とインバータIV2の出力端子はノードN1を介して互いに接続され、インバータIV2の入力端子とインバータIV1の出力端子はノードN2を介して互いに接続される。これにより、SRAM回路40は、正帰還により1ビット分の情報を記憶する。そして、トランジスタ45,46がオン状態になることにより、ビット線BL,BLBを介してSRAM回路40に情報が書き込まれ、またはSRAM回路40から情報が読み出されるようになっている。
【0023】
トランジスタ31,32は、N型のMOSトランジスタである。トランジスタ31のゲートはリストア制御線RSTRLに接続され、ドレインはノードN1に接続され、ソースはトランジスタ52,53のドレインおよび記憶素子33の一端に接続されている。トランジスタ32のゲートはリストア制御線RSTRLに接続され、ドレインはノードN2に接続され、ソースはトランジスタ56,57のドレインおよび記憶素子34の一端に接続されている。なお、この例では、トランジスタ31,32は、N型のMOSトランジスタを用いたが、これに限定されるものではなく、これに代えて、例えばP型のMOSトランジスタを用いてもよい。この場合には、例えば、信号SRSTRLの極性などを変更することが望ましい。
【0024】
トランジスタ51,52は、P型のMOSトランジスタであり、トランジスタ53,54は、N型のMOSトランジスタである。トランジスタ51のゲートはストア制御線STRBLに接続され、ソースには電源電圧VDDが供給され、ドレインはトランジスタ52のソースに接続されている。トランジスタ52のゲートはノードN2に接続され、ソースはトランジスタ51のドレインに接続され、ドレインは、トランジスタ53のドレイン、トランジスタ31のソース、および記憶素子33の一端に接続されている。トランジスタ53のゲートはノードN1に接続され、ドレインは、トランジスタ52のドレイン、トランジスタ31のソース、および記憶素子33の一端に接続され、ソースはトランジスタ54のドレインに接続されている。トランジスタ54のゲートはリセット制御線RSLに接続され、ドレインはトランジスタ53のソースに接続され、ソースは接地されている。
【0025】
トランジスタ55,56は、P型のMOSトランジスタであり、トランジスタ57,58は、N型のMOSトランジスタである。トランジスタ55のゲートはストア制御線STRBLに接続され、ソースには電源電圧VDDが供給され、ドレインはトランジスタ56のソースに接続されている。トランジスタ56のゲートはノードN1に接続され、ソースはトランジスタ55のドレインに接続され、ドレインは、トランジスタ57のドレイン、トランジスタ32のソース、および記憶素子34の一端に接続されている。トランジスタ57のゲートはノードN2に接続され、ドレインは、トランジスタ56のドレイン、トランジスタ32のソース、および記憶素子34の一端に接続され、ソースはトランジスタ58のドレインに接続されている。トランジスタ58のゲートはリセット制御線RSLに接続され、ドレインはトランジスタ57のソースに接続され、ソースは接地されている。
【0026】
記憶素子33,34は、不揮発性の記憶素子であり、この例では、スピン注入により、フリー層F(後述)の磁化の向きを変えることにより情報の記憶を行う、スピン注入磁化反転型(STT;Spin Transfer Torque)の磁気トンネル接合(MTJ;Magnetic Tunnel Junction)素子である。記憶素子33の一端はトランジスタ31のソースおよびトランジスタ52,53のドレインに接続され、他端は制御線CTRLに接続されている。記憶素子34の一端はトランジスタ32のソースおよびトランジスタ56,57のドレインに接続され、他端は制御線CTRLに接続されている。
【0027】
次に、記憶素子33について詳細に説明する。なお、記憶素子34についても同様である。記憶素子33は、ピンド層Pと、トンネルバリア層Iと、フリー層Fとを有している。この例では、ピンド層Pはトランジスタ31のソースおよびトランジスタ52,53のドレインに接続されており、フリー層Fは制御線CTRLに接続されている。この例では、記憶素子33は、ピンド層P、トンネルバリア層I、およびフリー層Fが、半導体回路1の下層側からこの順に積層された、いわゆるボトムピン構造を有するものである。
【0028】
ピンド層Pは、磁化の方向が、例えば膜面垂直方向に固定された強磁性体により構成されるものである。フリー層Fは、磁化の方向が、流入するスピン偏極電流に応じて、例えば膜面垂直方向において変化する強磁性体により構成されるものである。トンネルバリア層Iは、ピンド層Pとフリー層Fとの間の磁気的結合を切るとともに、トンネル電流を流すように機能するものである。
【0029】
この構成により、記憶素子33では、例えば電流をフリー層Fからピンド層Pに流すと、ピンド層Pの磁化と同じ方向のモーメント(スピン)を有する偏極電子がピンド層Pからフリー層Fへ注入され、フリー層Fの磁化の方向がピンド層Pの磁化の方向と同じ方向(平行状態)になる。記憶素子33は、このような平行状態になった場合には、両端間の抵抗値が低くなる(低抵抗状態RL)。
【0030】
また、例えば電流をピンド層Pからフリー層Fに流すと、電子がフリー層Fからピンド層Pへ注入される。その際、注入された電子のうち、ピンド層Pの磁化と同じ方向のモーメントを有する偏極電子はピンド層Pを透過し、ピンド層Pの磁化と反対の方向のモーメントを有する偏極電子は、ピンド層Pで反射され、フリー層Fへ注入される。これにより、フリー層Fの磁化の方向は、ピンド層Pの磁化の方向と反対の方向(反平行状態)になる。記憶素子33は、このような反平行状態になった場合には、両端間の抵抗値が高くなる(高抵抗状態RH)。
【0031】
このように、記憶素子33,34では、電流を流す方向に応じて、フリー層Fの磁化の方向が変化することにより、抵抗状態が高抵抗状態RHと低抵抗状態RLとの間で変化する。記憶素子33,34は、このようにして抵抗状態を設定することにより、情報を記憶することができるようになっている。
【0032】
このように、メモリセル30では、SRAM回路40に加え、トランジスタ31,32,51~58および記憶素子33,34を設けるようにした。これにより、例えば電源トランジスタ12をオフ状態にすることによりスタンバイ動作を行う場合において、スタンバイ動作の直前にストア動作を行うことにより、揮発性メモリであるSRAM回路40に記憶された情報を、不揮発性メモリである記憶素子33,34に記憶させることができる。そして、半導体回路1は、スタンバイ動作の直後にリストア動作を行うことにより、記憶素子33,34に記憶された情報を、SRAM回路40に記憶させることができる。これにより、半導体回路1では、電源供給を再開した後に、短い時間で、各メモリセル30の状態を、電源供給を停止する前の状態に戻すことができるようになっている。
【0033】
駆動部22は、制御部11から供給される制御信号に基づいて、ワード線WLに信号SWLを印加し、制御線CTRLに信号SCTRLを印加し、リストア制御線RSTRLに信号SRSTRLを印加し、ストア制御線STRBLに信号SSTRBLを印加し、リセット制御線RSLに信号SRSLを印加するものである。
【0034】
図3に示したように、駆動部22は、トランジスタ24,25を有している。トランジスタ24はP型のMOSトランジスタであり、ゲートには信号SCTRBLが供給され、ソースには電源電圧VDDが供給され、ドレインは制御線CTRLに接続されている。トランジスタ25はN型のMOSトランジスタであり、ゲートには信号SCTRBLが供給され、ドレインは制御線CTRLに接続され、ソースは接地されている。このトランジスタ24,25はインバータを構成しており、駆動部22は、このインバータを用いて、制御線CTRLを駆動するようになっている。
【0035】
駆動部23は、ビット線BL,BLBを介して、メモリセルアレイ21に情報を書き込み、あるいはメモリセルアレイ21から情報を読み出すものである。具体的には、駆動部23は、制御部11から供給される制御信号およびデータに基づいて、ビット線BL,BLBを介して、メモリセルアレイ21に情報を書き込む。また、駆動部23は、制御部11から供給される制御信号に基づいて、ビット線BL,BLBを介して、メモリセルアレイ21から情報を読み出し、読み出した情報を制御部11に供給するようになっている。
【0036】
ここで、インバータIV1は、本開示における「第1の回路」の一具体例に対応する。インバータIV2は、本開示における「第2の回路」の一具体例に対応する。トランジスタ31は、本開示における「第1のトランジスタ」の一具体例に対応する。トランジスタ52は、本開示における「第2のトランジスタ」の一具体例に対応する。トランジスタ53は、本開示における「第3のトランジスタ」の一具体例に対応する。トランジスタ32は、本開示における「第4のトランジスタ」の一具体例に対応する。トランジスタ56は、本開示における「第5のトランジスタ」の一具体例に対応する。トランジスタ57は、本開示における「第6のトランジスタ」の一具体例に対応する。トランジスタ51は、本開示における「第7のトランジスタ」の一具体例に対応する。トランジスタ54は、本開示における「第8のトランジスタ」の一具体例に対応する。トランジスタ55は、本開示における「第9のトランジスタ」の一具体例に対応する。トランジスタ56は、本開示における「第10のトランジスタ」の一具体例に対応する。記憶素子33は、本開示における「第1の記憶素子」の一具体例に対応する。記憶素子34は、本開示における「第2の記憶素子」の一具体例に対応する。駆動部22,23は、本開示における「駆動部」の一具体例に対応する。メモリ回路20は、本開示における「記憶部」の一具体例に対応する。
【0037】
[動作および作用]
続いて、本実施の形態の半導体回路1の動作および作用について説明する。
【0038】
(全体動作概要)
まず、
図1~3を参照して、半導体回路1の全体動作概要を説明する。制御部11は、メモリ回路20の動作を制御する。具体的には、制御部11は、外部から供給された書込コマンドおよび書込データに基づいて、メモリ回路20に情報を書き込み、また、外部から供給された読出コマンドに基づいて、メモリ回路20から情報を読み出す。また、制御部11は、電源トランジスタ12に電源制御信号SPGを供給して電源トランジスタ12をオンオフすることにより、メモリ回路20に対する電源供給を制御する。電源トランジスタ12は、制御部11から供給された制御信号に基づいて、オンオフ動作を行う。そして、電源トランジスタ12がオン状態になることにより、メモリ回路20に、電源電圧VDD1が、電源電圧VDDとして供給される。メモリ回路20の駆動部22は、制御部11から供給される制御信号に基づいて、ワード線WLに信号SWLを印加し、制御線CTRLに信号SCTRLを印加し、リストア制御線RSTRLに信号SRSTRLを印加し、ストア制御線STRBLに信号SSTRBLを印加し、リセット制御線RSLに信号SRSLを印加する。駆動部23は、制御部11から供給される制御信号およびデータに基づいて、ビット線BL,BLBを介して、メモリセルアレイ21に情報を書き込む。また、駆動部23は、制御部11から供給される制御信号に基づいて、ビット線BL,BLBを介して、メモリセルアレイ21から情報を読み出し、読み出した情報を制御部11に供給する。
【0039】
(詳細動作)
半導体回路1は、通常動作OP1において、揮発性メモリであるSRAM回路40に情報を記憶させる。例えば電源トランジスタ12をオフ状態にすることによりスタンバイ動作OP3を行う場合には、半導体回路1は、スタンバイ動作OP3の直前にストア動作OP2を行うことにより、揮発性メモリであるSRAM回路40に記憶された情報を、不揮発性メモリである記憶素子33,34に記憶させる。そして、半導体回路1は、スタンバイ動作OP3の直後にリストア動作OP4を行うことにより、記憶素子33,34に記憶された情報を、SRAM回路40に記憶させる。そして、半導体回路1は、このリストア動作OP4の直後にリセット動作OP5を行うことにより、記憶素子33,34の抵抗状態を所定の抵抗状態(この例では低抵抗状態RL)にリセットする。以下に、この動作について、詳細に説明する。
【0040】
図4は、半導体回路1における、ある着目したメモリセル30の一動作例を表すものである。
図5A~5Eは、メモリセル30の動作状態を表すものであり、
図5Aは通常動作OP1における状態を示し、
図5Bはストア動作OP2における状態を示し、
図5Cはスタンバイ動作OP3における状態を示し、
図5Dはリストア動作OP4における状態を示し、
図5Eはリセット動作OP5における状態を示す。
図5A~5Eでは、駆動部22におけるトランジスタ24,25をも描いている。また、
図5A~5Eでは、インバータIV1,IV2を、シンボルを用いて示すとともに、トランジスタ24,25,31,32,51,54,55,58を、そのトランジスタの動作状態に応じたスイッチを用いて示している。
【0041】
(通常動作OP1)
半導体回路1は、通常動作OP1を行うことにより、揮発性メモリであるSRAM回路40に対して情報を書き込み、またはSRAM回路40から情報を読み出す。
【0042】
通常動作OP1では、制御部11は、
図4に示したように、電源制御信号SPGの電圧を低レベルにする。これにより、電源トランジスタ12(
図1)はオン状態になり、メモリ回路20に電源電圧VDDが供給される。そして、駆動部22は、
図4に示したように、信号SRSTRLの電圧を低レベルにする。これにより、トランジスタ31,32は、
図5Aに示したように、それぞれオフ状態になる。すなわち、SRAM回路40は、記憶素子33,34と電気的に切り離される。また、駆動部22は、
図4に示したように、信号SSTRBLの電圧を高レベルにするとともに、信号SRSLの電圧を低レベルにする。これにより、トランジスタ51,54,55,58は、
図5Aに示したように、それぞれオフ状態になる。また、駆動部22は、
図4に示したように、信号SCTRLの電圧を低レベル電圧VL(接地レベル)にする。具体的には、駆動部22は、信号SCTRBL(
図3)の電圧を高レベルにすることにより、
図5Aに示したように、トランジスタ24をオフ状態にするとともにトランジスタ25をオン状態にする。その結果、信号SCTRLの電圧は低レベル電圧VLになる。
【0043】
この通常動作OP1では、半導体回路1は、メモリセル30のSRAM回路40に対して情報を書き込み、またはSRAM回路40から情報を読み出す。具体的には、SRAM回路40に情報を書き込む場合には、まず、駆動部23が、ビット線BL,BLBに、書き込む情報に応じた、互いに反転した電圧レベルを有する信号を印加する。そして、駆動部22が、信号SWLの電圧を高レベルにすることにより、SRAM回路40のトランジスタ45,46をオン状態にする。これにより、SRAM回路40には、ビット線BL,BLBの電圧に応じた情報が書き込まれる。また、SRAM回路40から情報を読み出す場合には、駆動部23は、ビット線BL,BLBを、例えば高レベルの電圧にそれぞれプリチャージし、その後に、駆動部22は、信号SWLの電圧を高レベルにすることにより、トランジスタ45,46をオン状態にする。これにより、ビット線BL,BLBのうちの一方の電圧が、SRAM回路40に記憶された情報に応じて変化する。そして、駆動部23は、ビット線BL,BLBにおける電圧の差を検出することにより、SRAM回路40に記憶された情報を読み出す。
【0044】
このとき、
図5Aに示したように、トランジスタ31,32,51,54,55,58はオフ状態である。よって、記憶素子33,34に電流が流れないため、記憶素子33,34の抵抗状態は、所定の抵抗状態(この例では低抵抗状態RL)にそれぞれ維持される。
【0045】
(ストア動作OP2)
次に、ストア動作OP2について説明する。半導体回路1は、スタンバイ動作OP3を行う前にストア動作OP2を行うことにより、SRAM回路40に記憶された情報を記憶素子33,34に記憶させる。
【0046】
ストア動作OP2では、駆動部22は、
図4に示したように、信号SWLの電圧を低レベルにする。これにより、トランジスタ45,46はオフ状態になる。また、駆動部22は、
図4に示したように、信号SSTRBLの電圧を低レベルにする。これにより、トランジスタ51,55は、
図5Bに示したように、それぞれオン状態になる。そして、駆動部22は、信号SCTRBL(
図3)の電圧を高レベルにすることにより、
図5Bに示したように、トランジスタ24をオフ状態にするとともにトランジスタ25をオン状態にする。その結果、信号SCTRLの電圧は低レベル電圧VLになる。これにより、記憶素子33,34のうちのいずれか一方にストア電流Istrが流れる。
【0047】
この例では、ノードN1の電圧VN1が高レベル電圧VHであり、ノードN2の電圧VN2が低レベル電圧VLであるので、トランジスタ52,53がオン状態であり、トランジスタ56,57がオフ状態である。よって、メモリセル30では、
図5Bに示したように、トランジスタ51、トランジスタ52、記憶素子33、トランジスタ25の順に、ストア電流Istrが流れる。このとき、記憶素子33では、ストア電流Istrがピンド層Pからフリー層Fに流れるので、フリー層Fの磁化の方向がピンド層Pの磁化の方向と反対の方向(反平行状態)になり、その結果、記憶素子33の抵抗状態は、高抵抗状態RHになる。このようにして、メモリセル30では、SRAM回路40に記憶された情報に応じて、記憶素子33,34の抵抗状態がそれぞれ設定される。
【0048】
ストア動作OP2は、例えば行単位で行われる。ストア動作OP2を行う行と、ストア動作OP2を行わない行は、例えば信号SSTRBLを用いて設定することができる。具体的には、駆動部22は、ストア動作OP2を行う行に対しては、
図4に示したように、信号SSTRBLの電圧を低レベルにし、ストア動作OP2を行わない行に対しては、駆動部22は、
図6に示したように、信号SSTRBLの電圧を高レベルにする。
【0049】
(スタンバイ動作OP3)
そして、半導体回路1は、ストア動作OP2の後に、電源トランジスタ12をオフ状態にすることによりスタンバイ動作OP3を行う。
【0050】
スタンバイ動作OP3では、
図4に示したように、制御部11は、電源制御信号SPGの電圧を高レベルにする。これにより、電源トランジスタ12(
図1)はオフ状態になり、メモリ回路20への電源供給が停止する。このとき、
図5Cに示したように、記憶素子33,34の抵抗状態は維持される。
【0051】
(リストア動作OP4)
次に、リストア動作OP4について説明する。スタンバイ動作OP3の後に通常動作OP1を行う場合には、半導体回路1は、リストア動作OP4を行うことにより、記憶素子33,34に記憶された情報を、SRAM回路40に記憶させる。
【0052】
リストア動作OP4では、
図4に示したように、制御部11は、電源制御信号SPGの電圧を低レベルにする。これにより、電源トランジスタ12(
図1)はオン状態になり、メモリ回路20に電源電圧VDDが供給される。そして、駆動部22は、信号SRSTRLの電圧を、電源トランジスタ12がオン状態になった直後の所定の長さの期間だけ高レベルにする。これにより、
図5Dに示したように、この期間において、トランジスタ31,32はそれぞれオン状態になる。すなわち、SRAM回路40は、この期間において記憶素子33,34と電気的に接続される。また、駆動部22は、
図4に示したように、信号SSTRBLの電圧を高レベルにするとともに、信号SRSLの電圧を低レベルにする。これにより、トランジスタ51,54,55,58は、
図5Dに示したように、それぞれオフ状態になる。また、駆動部22は、
図4に示したように、信号SCTRLの電圧を低レベル電圧VL(接地レベル)にする。これにより、ノードN1は、記憶素子33を介して接地され、ノードN2は、記憶素子34を介して接地される。このとき、記憶素子33,34の抵抗状態は互いに異なるので、記憶素子33,34の抵抗状態に応じて、SRAM回路40における電圧状態が定まる。
【0053】
この例では、記憶素子33の抵抗状態は高抵抗状態RHであり、記憶素子34の抵抗状態は低抵抗状態RLである。よって、ノードN1が、高い抵抗値によりプルダウンされ、ノードN2が、低い抵抗値によりプルダウンされるため、ノードN1における電圧VN1が高レベル電圧VHになり、ノードN2における電圧VN2が低レベル電圧VLになる。このようにして、メモリセル30では、記憶素子33,34に記憶された情報に応じて、SRAM回路40が情報を記憶する。
【0054】
なお、この例では、電源トランジスタ12がオン状態になった直後の所定の長さの期間だけ、信号SRSTRLの電圧を高レベルにしたが、これに限定されるものではない。これに代えて、例えば、電源トランジスタ12がオン状態になる前から、あらかじめ信号SRSTRLの電圧を高レベルにしてもよい。
【0055】
リストア動作OP4は、例えば、メモリセルアレイ21内の全てのメモリセル30が同時に行う。なお、これに限定されるものではなく、メモリセルアレイ21内の一部のメモリセル30がリストア動作OP4を行い、他のメモリセル30はリストア動作OP4を行わないようにしてもよい。例えば、リストア動作OP4を行単位で行う場合には、駆動部22は、リストア動作OP4を行う行に対しては、
図4に示したように、信号SRSTRLを所定の期間だけ高レベルにし、リストア動作OP4を行わない行に対しては、信号SRSTRLを低レベルに維持してもよい。
【0056】
(リセット動作OP5)
そして、半導体回路1は、リストア動作OP4の直後にリセット動作OP5を行うことにより、記憶素子33,34の抵抗状態を所定の抵抗状態(この例では低抵抗状態RL)にリセットする。
【0057】
リセット動作OP5では、駆動部22は、
図4に示したように、信号SRSLの電圧を高レベルにする。これにより、トランジスタ54,58は、
図5Eに示したように、それぞれオン状態になる。また、駆動部22は、
図4に示したように、信号SCTRLの電圧を高レベル電圧VH(電源電圧レベル)にする。これにより、記憶素子33,34のうちのいずれか一方にリセット電流Irsが流れる。
【0058】
この例では、リストア動作OP4の直後であるので、ノードN1の電圧VN1が高レベル電圧VHであり、ノードN2の電圧VN2が低レベル電圧VLである。よって、トランジスタ52,53がオン状態であり、トランジスタ56,57がオフ状態である。これにより、メモリセル30では、
図5Eに示したように、トランジスタ24、記憶素子33、トランジスタ53、トランジスタ54の順に、リセット電流Irsが流れる。このとき、記憶素子33では、リセット電流Irsがフリー層Fからピンド層Pに流れるので、フリー層Fの磁化の方向がピンド層Pの磁化の方向と同じ方向(平行状態)になり、その結果、記憶素子33の抵抗状態は、低抵抗状態RLになる。
【0059】
すなわち、半導体回路1では、リストア動作OP4の直後に、SRAM回路40の情報が書き換えられる前にリセット動作OP5を行うようにした。これにより、リストア動作OP4の直後では、
図5Dに示したように、ノードN1の電圧VN1は高レベル電圧VHであり、ノードN2の電圧VN2は低レベル電圧VLである。よって、リストア動作OP4を行った後であって、ノードN1,N2の電圧が変化する前に、リセット動作OP5を行うことにより、2つの記憶素子33,34のうち、抵抗状態が高抵抗状態RHである記憶素子33の抵抗状態を、選択的に低抵抗状態RLにリセットすることができる。
【0060】
このようにして、リセット動作OP5により、記憶素子33,34の抵抗状態がともに低抵抗状態RLに設定される。
【0061】
リセット動作OP5は、例えば行単位で行われる。リセット動作OP5を行う行と、リセット動作OP5を行わない行は、例えば信号SRSLを用いて設定することができる。具体的には、駆動部22は、リセット動作OP5を行う行に対しては、
図4に示したように、信号SRSLの電圧を高レベルにし、リセット動作OP5を行わない行に対しては、駆動部22は、
図6に示したように、信号SRSLの電圧を低レベルにする。また、この例では、リセット動作OP5を行う行およびリセット動作OP5を行わない行の両方に対して、駆動部22は、
図4,6に示したように、信号SCTRLを高レベル電圧VHにしたが、これに限定されるものではなく、リセット動作OP5を行わない行に対しては、信号SCTRLを低レベル電圧VLに維持してもよい。
【0062】
この後、半導体回路1は、通常動作OP1(
図5A)を行う。そして、これ以降は、半導体回路1は、ストア動作OP2、スタンバイ動作OP3、リストア動作OP4、リセット動作OP5、および通常動作OP1をこの順に繰り返す。
【0063】
このように、半導体回路1は、スタンバイ動作OP3の直前にストア動作OP2を行うことにより、揮発性メモリであるSRAM回路40に記憶された情報を、不揮発性メモリである記憶素子33,34に記憶させる。そして、半導体回路1は、スタンバイ動作OP3の直後にリストア動作OP4を行うことにより、記憶素子33,34に記憶された情報を、SRAM回路40に記憶させる。これにより、半導体回路1では、電源供給を再開した後に、短い時間で、各メモリセル30の状態を、電源供給を停止する前の状態に戻すことができる。
【0064】
そして、半導体回路1では、リストア動作OP4の直後に、SRAM回路40の情報が書き換えられる前にリセット動作OP5を行うようにした。これにより、半導体回路1では、2つの記憶素子33,34のうち、抵抗状態が高抵抗状態RHである記憶素子の抵抗状態を、選択的に低抵抗状態RLにリセットすることができ、次のストア動作OP2に備えることができる。
【0065】
また、半導体回路1では、トランジスタ51,52,55,56を設け、ストア動作OP2を行うときに、
図5Bに示したように、ストア電流Istrがこれらのトランジスタ51,52,55,56を介して記憶素子33,34に流れるようにした。言い換えれば、半導体回路1では、SRAM回路40にストア電流が流れないようにした。これにより、半導体回路1では、以下に説明する比較例の場合に比べて、いわゆるディスターブが生じるおそれを低減することができる。
【0066】
(比較例)
次に、比較例に係る半導体回路1Rと対比して、本実施の形態の作用を説明する。半導体回路1Rは、本実施の形態に係る半導体回路1(
図1)と同様に、メモリ回路20Rを備えている。メモリ回路20Rは、メモリセルアレイ21Rと、駆動部22Rと、駆動部23Rとを有している。
【0067】
図7は、メモリセルアレイ21Rにおけるメモリセル30Rの一構成例を表すものである。メモリセル30Rは、SRAM回路40と、トランジスタ31,32と、記憶素子33,34とを有している。すなわち、メモリセル30Rは、本実施の形態に係るメモリセル30(
図2)において、トランジスタ51~58を省いたものである。
【0068】
半導体回路1Rは、通常動作OP1において、揮発性メモリであるSRAM回路40に情報を記憶させる。そして、半導体回路1Rは、スタンバイ動作OP3の直前に、ストア動作OP2を行うことにより、揮発性メモリであるSRAM回路40に記憶された情報を、不揮発性メモリである記憶素子33,34に記憶させる。そして、半導体回路1Rは、スタンバイ動作OP3の直後にリストア動作OP4を行うことにより、記憶素子33,34に記憶された情報を、SRAM回路40に記憶させる。
【0069】
図8は、半導体回路1Rにおける、ある着目したメモリセル30Rの一動作例を表すものである。
図9A,9Bは、ストア動作OP2におけるメモリセル30Rの動作状態を表すものである。ストア動作OP2では、駆動部22Rは、
図8に示したように、信号SRSTRLの電圧を高レベルにする。これにより、トランジスタ31,32は、
図9A,9Bに示したようにオン状態になる。
【0070】
比較例に係る半導体回路1Rでは、各メモリセル30Rは、2つのステップを用いてSRAM回路40に記憶された情報を記憶素子33,34に記憶させる。まず、第1ステップにおいて、駆動部22Rは、
図8に示したように、信号SCTRLの電圧を低レベル電圧VL(接地レベル)にする。この例では、ノードN1の電圧VN1が高レベル電圧VHであるので、
図9Aに示したように、インバータIV2のトランジスタ43、トランジスタ31、記憶素子33、トランジスタ25の順に、ストア電流Istr1が流れる。このとき、記憶素子33では、ストア電流Istr1がピンド層Pからフリー層Fに流れるので、記憶素子33の抵抗状態は、高抵抗状態RHになる。次に、第2ステップにおいて、駆動部22Rは、
図8に示したように、信号SCTRLの電圧を高レベル電圧VH(電源電圧レベル)にする。この例では、ノードN2の電圧VN2が低レベル電圧VLであるので、
図9Bに示したように、トランジスタ24、記憶素子34、トランジスタ32、インバータIV1のトランジスタ42の順に、ストア電流Istr2が流れる。このとき、記憶素子34では、ストア電流Istr2がフリー層Fからピンド層Pに流れるので、記憶素子34の抵抗状態は、低抵抗状態RLになる。
【0071】
比較例に係る半導体回路1Rでは、このように、第1ステップにおいて、インバータIV2のトランジスタ43からストア電流Istr1が流れ、第2ステップにおいて、インバータIV1のトランジスタ42へストア電流Istr2が流れる。よって、ストア電流Istr1,Istr2の電流値が大きい場合には、SRAM回路40に記憶された情報が失われてしまい、いわゆるディスターブが生じるおそれがある。また、これを回避するためにSRAM回路40の各トランジスタのサイズを大きくした場合には、半導体回路1Rの面積が大きくなってしまう。
【0072】
一方、本実施の形態に係る半導体回路1では、トランジスタ51,52,55,56を設け、ストア動作OP2を行うときに、
図5Bに示したように、ストア電流Istrがこれらのトランジスタ51,52,55,56を介して記憶素子33,34に流れるようにした。これにより、半導体回路1では、SRAM回路40にストア電流が流れないので、ディスターブが生じるおそれを低減することができる。
【0073】
また、半導体回路1では、SRAM回路40にストア電流Istrやリセット電流Irsが流れないようにしたので、SRAM回路40のトランジスタ41~46のそれぞれのサイズを、記憶素子33,34を接続しない一般的なSRAM回路のトランジスタのサイズと同等のサイズにすることができる。その結果、半導体回路1の面積を小さくすることができる。
【0074】
また、半導体回路1では、トランジスタ52のドレインを記憶素子33の一端に接続するとともに、トランジスタ56のドレインを記憶素子34の一端に接続するようにした。これにより、半導体回路1では、
図5Bに示したように、ストア動作OP2を行う際、ストア電流Istrの電流値を確保しやすくすることができる。すなわち、例えば、比較例に係る半導体回路1Rでは、記憶素子の抵抗状態を高抵抗状態RHに変化させる場合において、ストア電流の電流値を十分に確保することができないおそれがある。具体的には、
図9Aにおいて、ストア電流Istr1は、インバータIV2のトランジスタ43、トランジスタ31、記憶素子33、トランジスタ25の順に流れる。このとき、記憶素子33の一端の電圧は、トランジスタ31がいわゆるソースフォロワとして動作することにより、いわゆる負帰還の効果が生じ、ストア電流Istr1の電流値を確保しにくくなる。一方、半導体回路1では、トランジスタ52のドレインを記憶素子33の一端に接続するとともに、トランジスタ56のドレインを記憶素子34の一端に接続したので、いわゆる負帰還の効果が生じないので、ストア電流Istrの電流値を確保しやすくすることができる。
【0075】
同様に、半導体回路1では、トランジスタ53のドレインを記憶素子33の一端に接続するとともに、トランジスタ57のドレインを記憶素子34の一端に接続するようにしたので、リセット動作OP5を行う際、リセット電流Irsの電流値を確保しやすくすることができる。
【0076】
また、半導体回路1では、上述したように、ストア電流Istrの電流値を確保しやすくすることができるため、例えば、トランジスタ51,52,55,56のサイズを小さくすることができる。同様に、リセット電流Irsの電流値を確保しやすくすることができるため、例えば、トランジスタ53,54,57,58のサイズを小さくすることができる。このように、半導体回路1では、トランジスタ51~58のサイズを小さくすることができるので、メモリセル30の面積を小さくすることができ、半導体回路1の面積を小さくすることができる。
【0077】
また、半導体回路1では、記憶素子33,34にストア電流Istrを流すパス(トランジスタ51,52,55,56)と、記憶素子33,34にリセット電流Irsを流すパス(トランジスタ53,54,57,58)とを別々に設けたので、いわゆるバックホッピングが生じるおそれを低減することができるとともに、回路の信頼性や耐久性を高めることができる。すなわち、例えば、比較例に係る半導体回路1Rでは、例えば記憶素子33の抵抗状態を高抵抗状態RHに変化させる場合には、
図9Aに示したように、ストア電流は、インバータIV2のトランジスタ43、トランジスタ31、記憶素子33、トランジスタ25の順に流れるので、トランジスタ31は、いわゆるソースフォロワとして動作するため、電流値を確保しにくい。一方、記憶素子33の抵抗状態を低抵抗状態RLに変化させる場合には、
図9Bの場合と同様に、ストア電流は、トランジスタ24、記憶素子33、トランジスタ31、インバータIV2のトランジスタ44の順に流れるので、上述したようにトランジスタ31がいわゆるソースフォロワとして動作するのではないため、電流値を確保しやすい。よって、半導体回路1Rでは、記憶素子33の抵抗状態を高抵抗状態RHに変化させる場合に電流値を確保できるように、トランジスタ31のサイズを大きいサイズにすることが望ましい。しかしながら、この場合には、記憶素子33の抵抗状態を低抵抗状態RLに変化させる場合に、電流が流れすぎてしまう。このように電流が流れすぎる場合には、例えばストア動作OP2やリセット動作OP5において、記憶素子33の抵抗状態が所望の抵抗状態とは異なる抵抗状態になってしまう、いわゆるバックホッピングが生じるおそれがある。また、電流が流れすぎることにより、回路の信頼性や耐久性が低下するおそれもある。一方、半導体回路1では、記憶素子33,34にストア電流Istrを流すパス(トランジスタ51,52,55,56)と、記憶素子33,34にリセット電流Irsを流すパス(トランジスタ53,54,57,58)とを別々に設けた。これにより、ストア電流Istrの電流量を考慮してトランジスタ51,52,55,56のサイズを決定するとともに、リセット電流Irsの電流量を考慮してトランジスタ53,54,57,58のサイズを決定することができる。このように、半導体回路1では、ストア電流Istrの電流値およびリセット電流Irsの電流値を、それぞれ独立して設定することができるので、回路設計時の制約を緩和することができる。その結果、半導体回路1では、電流が流れすぎるおそれを低減することができるため、バックホッピングが生じるおそれを低減することができるとともに、回路の信頼性や耐久性を高めることができる。
【0078】
(レイアウト例)
図10は、本実施の形態に係るメモリセル30のレイアウトの一例を表すものである。この例では、トランジスタ41~46,31,32を、通常のしきい値電圧(Standard Vth)を有するトランジスタで構成し、トランジスタ51~58を、低いしきい値電圧(Low VthまたはUltra-low Vth)を有するトランジスタで構成している。なお、この例では、Ultra-low Vthを有するトランジスタを用いている。このように、トランジスタ51~58を、低いしきい値電圧を有するトランジスタで構成することにより、小さい面積で十分なストア電流Istrおよびリセット電流Irsを実現することができる。なお、これに限定されるものではなく、メモリセル30内の全てのトランジスタを、通常のしきい値電圧を有するトランジスタで構成してもよいし、低いしきい値電圧を有するトランジスタで構成してもよい。メモリセル30は、例えば、通常のSRAMで用いられるトランジスタと同じ特性(例えばしきい値電圧など)を有するトランジスタを用いて構成することができる。また、メモリセル30のレイアウトにおいては、通常のSRAMをレイアウトする際に用いられるレイアウトルールを適用することができる。これにより、例えば、集積度を高めることができ、あるいは、動作速度を高めることができる。
【0079】
[効果]
以上のように本実施の形態では、トランジスタ51,52,55,56を設け、ストア動作を行うときに、ストア電流がこれらのトランジスタを介して記憶素子に流れるようにしたので、SRAM回路にストア電流が流れないので、ディスターブが生じるおそれを低減することができる。また、このようにSRAM回路にストア電流が流れないので、SRAM回路のトランジスタのサイズを小さくすることができるので、半導体回路の面積を小さくすることができる。
【0080】
本実施の形態では、トランジスタ52のドレインを記憶素子33の一端に接続するとともに、トランジスタ56のドレインを記憶素子34の一端に接続するようにしたので、ストア動作を行う際、ストア電流の電流値を確保しやすくすることができる。同様に、本実施の形態では、トランジスタ53のドレインを記憶素子33の一端に接続するとともに、トランジスタ57のドレインを記憶素子34の一端に接続するようにしたので、リセット動作を行う際、リセット電流の電流値を確保しやすくすることができる。
【0081】
本実施の形態では、ストア電流の電流値およびリセット電流の電流値を確保しやすくすることができるため、トランジスタ51~58のサイズを小さくすることができるので、半導体回路の面積を小さくすることができる。
【0082】
本実施の形態では、記憶素子にストア電流を流すパスと、記憶素子にリセット電流を流すパスとを別々に設けたので、バックホッピングが生じるおそれを低減することができるとともに、回路の信頼性や耐久性を高めることができる。
【0083】
[変形例1]
上記実施の形態では、
図3に示したように、駆動部22は、行単位でストア制御線STRBLを駆動するとともに、行単位でリセット制御線RSLを駆動したが、これに限定されるものではない。これに代えて、例えば、
図11に示す半導体回路1Aのように、複数行単位でストア制御線STRBLを駆動するとともに、複数行単位でリセット制御線RSLを駆動してもよい。この半導体回路1Aは、メモリ回路20Aを備えている。メモリ回路20Aは、メモリセルアレイ21と、駆動部22A,23とを有している。この例では、2本のストア制御線STRBLは互いに接続されており、2本のリセット制御線RSLは互いに接続されている。これにより、駆動部22Aは、2本のストア制御線STRBLを単位として、ストア制御線STRBLを駆動するとともに、2本のリセット制御線RSL単位として、リセット制御線RSLを駆動する。
【0084】
[変形例2]
上記実施の形態では、
図3に示したように、駆動部22に、信号SCTRLを生成するインバータ(トランジスタ24,25)を設けたが、これに限定されるものではない。これに代えて、例えば、各メモリセルに、信号SCTRLを生成するインバータを設けてもよい。以下に、本変形例に係る半導体回路1Bについて詳細に説明する。半導体回路1Bは、メモリ回路20Bを備えている。メモリ回路20Bは、メモリセルアレイ21Bと、駆動部22B,23とを有している。
【0085】
図12は、メモリセルアレイ21Bのメモリセル30Bの一構成例を表すものである。
図13は、メモリセルアレイ21Bの一構成例を表すものである。メモリセルアレイ21Bは、複数の制御線CTRBLを有している。すなわち、上記実施の形態に係るメモリセルアレイ21では、複数の制御線CTRLを設けたが、本変形例に係るメモリセルアレイ21Bでは、複数の制御線CTRLの代わりに複数の制御線CTRBLを設けている。制御線CTRBLは、
図12,13における横方向に延伸するものであり、制御線CTRBLの一端は駆動部22Bに接続され、この制御線CTRBLには駆動部22Bにより信号SCTRBLが印加されるようになっている。この信号SCTRBLは、上記実施の形態に係る信号SCTRLの反転信号である。
【0086】
メモリセル30Bは、トランジスタ37,38を有している。トランジスタ37は、P型のMOSトランジスタであり、ゲートは制御線CTRBLに接続され、ソースには電源電圧VDDが供給され、ドレインはトランジスタ38のドレインおよび記憶素子33,34の他端に接続されている。トランジスタ38は、N型のMOSトランジスタであり、ゲートは制御線CTRBLに接続され、ドレインはトランジスタ37のドレインおよび記憶素子33,34の他端に接続され、ソースは接地されている。このトランジスタ37,38はインバータを構成している。そして、このインバータは、信号SCTRBLに基づいて信号SCTRLを生成し、この信号SCTRLを記憶素子33,34の他端に供給するようになっている。ここで、トランジスタ37は、本開示における「第19のトランジスタ」の一具体例に対応する。トランジスタ38は、本開示における「第20のトランジスタ」の一具体例に対応する。
【0087】
駆動部22Bは、制御部11から供給される制御信号に基づいて、制御線CTRBLに信号SCTRBLを印加するものである。
【0088】
[変形例3]
上記実施の形態では、制御線CTRL、リストア制御線RSTRL、ストア制御線STRBL、およびリセット制御線RSLを、
図2,3における横方向に延伸するように構成したが、これに限定されるものではない。以下に、本変形例に係る半導体回路1Cについて詳細に説明する。半導体回路1Cは、メモリ回路20Cを備えている。メモリ回路20Cは、メモリセルアレイ21Cと、駆動部22C,23Cとを有している。
【0089】
図14は、メモリセルアレイ21Cのメモリセル30Cの一構成例を表すものである。
図15は、メモリセルアレイ21Cの一構成例を表すものである。メモリセルアレイ21Cは、複数のストア制御線STRBL1と、複数のストア制御線STRBL2と、複数のリセット制御線RSL1と、複数のリセット制御線RSL2とを有している。すなわち、上記実施の形態に係るメモリセルアレイ21では、複数のストア制御線STRBLおよびリセット制御線RSLを設けたが、本変形例に係るメモリセルアレイ21Cでは、複数のストア制御線STRBLの代わりに複数のストア制御線STRBL1および複数のストア制御線STRBL2を設け、複数のリセット制御線RSLの代わりに複数のリセット制御線RSL1および複数のリセット制御線RSL2を設けている。ストア制御線STRBL1およびストア制御線STRBL2は、
図14,15における縦方向に延伸するものである。同じ列に属するストア制御線STRBL1およびストア制御線STRBL2は互いに接続され、これらのストア制御線STRBL1,STRBL2には、駆動部23Cにより信号SSTRBLが印加される。リセット制御線RSL1,RSL2は、
図14,15における縦方向に延伸するものである。同じ列に属するリセット制御線RSL1,RSL2は互いに接続され、これらのリセット制御線RSL1,RSL2には、駆動部23Cにより信号SRSLが印加される。
【0090】
メモリセル30Cにおいて、トランジスタ51のゲートはストア制御線STRBL1に接続され、トランジスタ55のゲートはストア制御線STRBL2に接続され、トランジスタ54のゲートはリセット制御線RSL1に接続され、トランジスタ58のゲートはリセット制御線RSL2に接続される。
【0091】
駆動部22Cは、制御部11から供給される制御信号に基づいて、制御線CTRLに信号SCTRLを印加し、リストア制御線RSTRLに信号SRSTRLを印加するものである。駆動部23Cは、制御部11から供給される制御信号に基づいて、ストア制御線STRBL1,STRBL2に信号SSTRBLを印加するとともに、リセット制御線RSL1,RSL2に信号SRSLを印加するものである。
【0092】
なお、半導体回路1Cでは、駆動部23Cは、列単位でストア制御線STRBL1,STRBL2を駆動するとともに、列単位でリセット制御線RSL1,RSL2を駆動したが、これに限定されるものではなく、例えば、複数列単位でストア制御線STRBL1,STRBL2を駆動するとともに、複数列単位でリセット制御線RSL1,RSL2を駆動してもよい。
【0093】
[変形例4]
上記実施の形態では、
図2に示したように、各メモリセル30に8つのトランジスタ51~58を設けたが、これに限定されるものではない。以下に、本変形例に係る半導体回路1Dについて詳細に説明する。
【0094】
図16は、半導体回路1Dのメモリセル30Dの一構成例を表すものである。メモリセル30Dは、トランジスタ35,36を有している。このメモリセル30Dは、上記実施の形態に係るメモリセル30(
図2)において、2つのトランジスタ51,55を1つのトランジスタ35に置き換えるとともに、2つのトランジスタ54,58を1つのトランジスタ36に置き換えたものである。トランジスタ35は、P型のMOSトランジスタであり、ゲートはストア制御線STRBLに接続され、ソースには電源電圧VDDが供給され、ドレインはトランジスタ52,56のソースに接続されている。トランジスタ36は、N型のMOSトランジスタであり、ゲートはリセット制御線RSLに接続され、ドレインはトランジスタ53,57のソースに接続され、ソースは接地されている。ここで、トランジスタ35は、本開示における「第11のトランジスタ」の一具体例に対応する。トランジスタ36は、本開示における「第12のトランジスタ」の一具体例に対応する。
【0095】
図17Aは、ストア動作OP2におけるメモリセル30Dの動作状態を表すものである。ストア動作OP2では、駆動部22は、
図4に示したように、信号SSTRBLの電圧を低レベルにする。これにより、トランジスタ35は、
図17Aに示したようにオン状態になる。また、駆動部22は、信号SCTRLの電圧を低レベル電圧VL(接地レベル)にする。この例では、ノードN1の電圧VN1が高レベル電圧VHであり、ノードN2の電圧VN2が低レベル電圧VLであるので、トランジスタ52,53がオン状態であり、トランジスタ56,57がオフ状態である。よって、メモリセル30Dでは、
図17Aに示したように、トランジスタ35、トランジスタ52、記憶素子33、トランジスタ25の順に、ストア電流Istrが流れ、記憶素子33の抵抗状態は、高抵抗状態RHになる。
【0096】
図17Bは、リセット動作OP5におけるメモリセル30Dの動作状態を表すものである。リセット動作OP5では、駆動部22は、
図4に示したように、信号SRSLの電圧を高レベルにする。これにより、トランジスタ36は、
図17Bに示したようにオン状態になる。また、駆動部22は、信号SCTRLの電圧を高レベル電圧VH(電源電圧レベル)にする。この例では、ノードN1の電圧VN1が高レベル電圧VHであり、ノードN2の電圧VN2が低レベル電圧VLであるので、トランジスタ52,53がオン状態であり、トランジスタ56,57がオフ状態である。よって、メモリセル30Dでは、
図17Bに示したように、トランジスタ24、記憶素子33、トランジスタ53、トランジスタ36の順に、リセット電流Irsが流れ、記憶素子33の抵抗状態は、低抵抗状態RLになる。
【0097】
トランジスタ35に流れるストア電流Istr(
図17A)の電流値は、トランジスタ51またはトランジスタ55に流れるストア電流Istr(
図5B)の電流値とほぼ同じである。すなわち、トランジスタ35のサイズは、トランジスタ51,55のサイズとほぼ同じにすることができる。同様に、トランジスタ36に流れるリセット電流Irs(
図17B)の電流値は、トランジスタ54またはトランジスタ58に流れるリセット電流Irs(
図5E)の電流値とほぼ同じである。すなわち、トランジスタ36のサイズは、トランジスタ54,58のサイズとほぼ同じにすることができる。よって、2つのトランジスタ51,55を1つのトランジスタ35に置き換えるとともに、2つのトランジスタ54,58を1つのトランジスタ36に置き換えることにより、メモリセル30Dの面積を小さくすることができる。
【0098】
本変形例に係る半導体回路1Dでは、制御線CTRL、リストア制御線RSTRL、ストア制御線STRBL、およびリセット制御線RSLを、
図16における横方向に延伸するように構成したが、これに限定されるものではない。これに代えて、例えば、ストア制御線およびリセット制御線を縦方向に延伸するように構成してもよい。以下に、本変形例に係る半導体回路1Eについて詳細に説明する。半導体回路1Eは、メモリ回路20Eを備えている。メモリ回路20Eは、メモリセルアレイ21Eと、駆動部22E,23Eとを有している。
【0099】
図18は、メモリセルアレイ21Eのメモリセル30Eの一構成例を表すものである。
図19は、メモリセルアレイ21Eの一構成例を表すものである。メモリセルアレイ21Eは、複数のストア制御線STRBL3と、複数のリセット制御線RSL3とを有している。すなわち、上記実施の形態に係るメモリセルアレイ21では、複数のストア制御線STRBLおよびリセット制御線RSLを設けたが、本変形例に係るメモリセルアレイ21Eでは、複数のストア制御線STRBLの代わりに複数のストア制御線STRBL3を設け、複数のリセット制御線RSLの代わりに複数のリセット制御線RSL3を設けている。ストア制御線STRBL3は、
図18,19における縦方向に延伸するものであり、ストア制御線STRBL3の一端は駆動部23Eに接続され、このストア制御線STRBL3には、駆動部23Eにより信号SSTRBLが印加される。リセット制御線RSL3は、
図18,19における縦方向に延伸するものであり、リセット制御線RSL3の一端は駆動部23Eに接続され、このリセット制御線RSL3には、駆動部23Eにより信号SRSLが印加される。
【0100】
メモリセル30Eにおいて、トランジスタ35のゲートはストア制御線STRBL3に接続され、トランジスタ36のゲートはリセット制御線RSL3に接続される。
【0101】
駆動部22Eは、制御部11から供給される制御信号に基づいて、制御線CTRLに信号SCTRLを印加し、リストア制御線RSTRLに信号SRSTRLを印加するものである。駆動部23Eは、制御部11から供給される制御信号に基づいて、ストア制御線STRBL3に信号SSTRBLを印加するとともに、リセット制御線RSL3に信号SRSLを印加するものである。
【0102】
[変形例5]
上記実施の形態では、
図2に示したように、メモリセル30にトランジスタ51,54,55,58を設けたが、これに限定されるものではない。これに代えて、例えば、駆動部22に、これらのトランジスタに相当するトランジスタを設けてもよい。以下に、本変形例に係る半導体回路1Fについて詳細に説明する。半導体回路1Fは、メモリ回路20Fを備えている。メモリ回路20Fは、メモリセルアレイ21Fと、駆動部22F,23とを有している。
【0103】
図20は、メモリセルアレイ21Fのメモリセル30Fの一構成例を表すものである。
図21は、メモリセルアレイ21Fの一構成例を表すものである。メモリセルアレイ21Fは、複数のストア制御線STRBL4と、複数のリセット制御線RSL4とを有している。ストア制御線STRBL4は、
図20,21における横方向に延伸するものであり、ストア制御線STRBL4の一端は駆動部22Fに接続され、このストア制御線STRBL4には駆動部22Fにより信号SSTRBL4が印加される。リセット制御線RSL4は、
図20,21における横方向に延伸するものであり、リセット制御線RSL4の一端は駆動部22Fに接続され、このリセット制御線RSL4には駆動部22Fにより信号SRSL4が印加されるようになっている。
【0104】
メモリセル30Fは、トランジスタ52,53,56,57を有している。トランジスタ52,56のソースはストア制御線STRBL4に接続されており、トランジスタ53,57のソースはリセット制御線RSL4に接続されている。
【0105】
駆動部22Fは、制御部11から供給される制御信号に基づいて、制御線CTRLに信号SCTRLを印加し、リストア制御線RSTRLに信号SRSTRLを印加し、ストア制御線STRBL4に信号SSTRBL4を印加し、リセット制御線RSL4に信号SRSL4を印加するものである。
図21に示したように、駆動部22Fは、トランジスタ26,27を有している。トランジスタ26はP型のMOSトランジスタであり、ゲートには信号SSTRBLが供給され、ソースには電源電圧VDDが供給され、ドレインはストア制御線STRBL4に接続されている。トランジスタ26は、上記実施の形態に係るメモリセル30(
図2)のトランジスタ51,55に対応するものである。トランジスタ27はN型のMOSトランジスタであり、ゲートには信号SRSLが供給され、ドレインはリセット制御線RSL4に接続され、ソースは接地されている。トランジスタ27は、上記実施の形態に係るメモリセル30(
図2)のトランジスタ54,58に対応するものである。
【0106】
図22は、本実施の形態に係るメモリセル30Fのレイアウトの一例を表すものである。このように、メモリセル30Fでは、上記実施の形態に係るメモリセル30(
図2,10)に比べて、トランジスタの数を減らすことができるため、メモリセル30Fの面積を小さくすることができる。
【0107】
この半導体回路1Fでは、
図21に示したように、駆動部22Fのトランジスタ26のそれぞれが、1本のストア制御線STRBL4を駆動するとともに、駆動部22Fのトランジスタ27のそれぞれが、1本のリセット制御線RSL4を駆動したが、これに限定されるものではない。これに代えて、例えば、
図23に示す半導体回路1Gのように、駆動部22Gのトランジスタ26のそれぞれが、複数(この例では2本)のストア制御線STRBL4を駆動するとともに、駆動部22Gのトランジスタ27のそれぞれが、複数(この例では2本)のリセット制御線RSL4を駆動してもよい。
【0108】
本変形例に係る半導体回路1Fでは、制御線CTRL、リストア制御線RSTRL、ストア制御線STRBL4、およびリセット制御線RSL4を、
図20,21における横方向に延伸するように構成したが、これに限定されるものではない。これに代えて、例えば、ストア制御線およびリセット制御線を縦方向に延伸するように構成してもよい。以下に、本変形例に係る半導体回路1Hについて詳細に説明する。半導体回路1Hは、メモリ回路20Hを備えている。メモリ回路20Hは、メモリセルアレイ21Hと、駆動部22H,23Hとを有している。
【0109】
図24は、メモリセルアレイ21Hのメモリセル30Hの一構成例を表すものである。
図25は、メモリセルアレイ21Hの一構成例を表すものである。メモリセルアレイ21Hは、複数のストア制御線STRBL5と、複数のリセット制御線RSL5とを有している。すなわち、上記実施の形態に係るメモリセルアレイ21では、複数のストア制御線STRBLおよびリセット制御線RSLを設けたが、本変形例に係るメモリセルアレイ21Hでは、複数のストア制御線STRBLの代わりに複数のストア制御線STRBL5を設け、複数のリセット制御線RSLの代わりに複数のリセット制御線RSL5を設けている。ストア制御線STRBL5は、
図24,25における縦方向に延伸するものであり、ストア制御線STRBL5の一端は駆動部23Hに接続され、このストア制御線STRBL5には、駆動部23Hにより信号SSTRBL5が印加される。リセット制御線RSL5は、
図24,25における縦方向に延伸するものであり、リセット制御線RSL5の一端は駆動部23Hに接続され、このリセット制御線RSL5には、駆動部23Hにより信号SRSL5が印加される。
【0110】
メモリセル30Hにおいて、トランジスタ52,56のソースはストア制御線STRBL5に接続され、トランジスタ53,57のソースはリセット制御線RSL5に接続される。
【0111】
駆動部22Hは、制御部11から供給される制御信号に基づいて、制御線CTRLに信号SCTRLを印加し、リストア制御線RSTRLに信号SRSTRLを印加するものである。
【0112】
駆動部23Hは、制御部11から供給される制御信号に基づいて、ストア制御線STRBL5に信号SSTRBL5を印加するとともに、リセット制御線RSL5に信号SRSL5を印加するものである。
図25に示したように、駆動部23Hは、トランジスタ28,29を有している。トランジスタ28はP型のMOSトランジスタであり、ゲートには信号SSTRBLが供給され、ソースには電源電圧VDDが供給され、ドレインはストア制御線STRBL5に接続されている。トランジスタ29はN型のMOSトランジスタであり、ゲートには信号SRSLが供給され、ドレインはリセット制御線RSL5に接続され、ソースは接地されている。
【0113】
また、例えば、ストア制御線およびリセット制御線のうちの一方を横方向に延伸するように構成し、他方を縦方向に延伸するように構成してもよい。以下に、本変形例に係る半導体回路1Jについて詳細に説明する。半導体回路1Jは、メモリ回路20Jを備えている。メモリ回路20Jは、メモリセルアレイ21Jと、駆動部22J,23Jとを有している。
【0114】
図26は、メモリセルアレイ21Jのメモリセル30Jの一構成例を表すものである。
図27は、メモリセルアレイ21Jの一構成例を表すものである。メモリセルアレイ21Jは、複数のストア制御線STRBL5と、複数のリセット制御線RSL4とを有している。ストア制御線STRBL5は、
図26,27における縦方向に延伸するものであり、ストア制御線STRBL5の一端は駆動部23Jに接続され、このストア制御線STRBL5には、駆動部23Jにより信号SSTRBL5が印加される。リセット制御線RSL4は、
図26,27における横方向に延伸するものであり、リセット制御線RSL4の一端は駆動部22Jに接続され、このリセット制御線RSL4には、駆動部22Jにより信号SRSL4が印加される。
【0115】
メモリセル30Jにおいて、トランジスタ52,56のソースはストア制御線STRBL5に接続され、トランジスタ53,57のソースはリセット制御線RSL4に接続される。
【0116】
駆動部22Jは、制御部11から供給される制御信号に基づいて、制御線CTRLに信号SCTRLを印加し、リストア制御線RSTRLに信号SRSTRLを印加し、リセット制御線RSL4に信号SRSL4を印加するものである。
図27に示したように、駆動部22Jは、トランジスタ27を有している。トランジスタ27はN型のMOSトランジスタであり、ゲートには信号SRSLが供給され、ドレインはリセット制御線RSL4に接続され、ソースは接地されている。
【0117】
駆動部23Jは、制御部11から供給される制御信号に基づいて、ストア制御線STRBL5に信号SSTRBL5を印加するものである。
図27に示したように、駆動部23Jは、トランジスタ28を有している。トランジスタ28はP型のMOSトランジスタであり、ゲートには信号SSTRBLが供給され、ソースには電源電圧VDDが供給され、ドレインはストア制御線STRBL5に接続されている。
【0118】
[変形例6]
上記実施の形態では、リセット動作OP5により、記憶素子33,34の抵抗状態を低抵抗状態RLにしたが、これに限定されるものではなく、これに代えて、記憶素子33,34の抵抗状態を高抵抗状態RHにしてもよい。以下に、本変形例に係る半導体回路1Kについて詳細に説明する。半導体回路1Kは、メモリ回路20Kを備えている。メモリ回路20Kは、メモリセルアレイ21Kと、駆動部22K,23とを有している。
【0119】
図28は、メモリセルアレイ21Kのメモリセル30Kの一構成例を表すものである。メモリセルアレイ21Kは、複数のストア制御線STRLと、複数のリセット制御線RSBLとを有している。ストア制御線STRLは、
図28における横方向に延伸するものであり、ストア制御線STRLの一端は駆動部22Kに接続され、このストア制御線STRLには、駆動部22Kにより信号SSTRLが印加される。リセット制御線RSBLは、
図28における横方向に延伸するものであり、リセット制御線RSBLの一端は駆動部22Kに接続され、このリセット制御線RSBLには、駆動部22Kにより信号SRSBLが印加される。
【0120】
メモリセル30Kは、トランジスタ61~68を有している。トランジスタ61~68は、トランジスタ58~51にそれぞれ対応するものである。
【0121】
トランジスタ61,62は、N型のMOSトランジスタであり、トランジスタ63,64は、P型のMOSトランジスタである。トランジスタ61のゲートはストア制御線STRLに接続され、ソースは接地され、ドレインはトランジスタ62のソースに接続されている。トランジスタ62のゲートはノードN2に接続され、ソースはトランジスタ61のドレインに接続され、ドレインは、トランジスタ63のドレイン、トランジスタ31のソース、および記憶素子33の一端に接続されている。トランジスタ63のゲートはノードN1に接続され、ドレインは、トランジスタ62のドレイン、トランジスタ31のソース、および記憶素子33の一端に接続され、ソースはトランジスタ64のドレインに接続されている。トランジスタ64のゲートはリセット制御線RSBLに接続され、ドレインはトランジスタ63のソースに接続され、ソースには電源電圧VDDが供給されている。
【0122】
トランジスタ65,66は、N型のMOSトランジスタであり、トランジスタ67,68は、P型のMOSトランジスタである。トランジスタ65のゲートはストア制御線STRLに接続され、ソースは接地され、ドレインはトランジスタ66のソースに接続されている。トランジスタ66のゲートはノードN1に接続され、ソースはトランジスタ65のドレインに接続され、ドレインは、トランジスタ67のドレイン、トランジスタ32のソース、および記憶素子34の一端に接続されている。トランジスタ67のゲートはノードN2に接続され、ドレインは、トランジスタ66のドレイン、トランジスタ32のソース、および記憶素子34の一端に接続され、ソースはトランジスタ68のドレインに接続されている。トランジスタ68のゲートはリセット制御線RSBLに接続され、ドレインはトランジスタ67のソースに接続され、ソースには電源電圧VDDが供給されている。
【0123】
駆動部22Kは、制御部11から供給される制御信号に基づいて、ストア制御線STRLに信号SSTRLを印加するとともに、リセット制御線RSBLに信号SRSBLを印加するものである。
【0124】
図29は、半導体回路1Kにおける、ある着目したメモリセル30Kの一動作例を表すものである。
図30A~30Cは、メモリセル30Kの動作状態を表すものであり、
図30Aは通常動作OP1における状態を示し、
図30Bはストア動作OP2における状態を示し、
図30Cはリセット動作OP5における状態を示す。
【0125】
通常動作OP1では、制御部11は、
図29に示したように、電源制御信号SPGの電圧を低レベルにする。これにより、電源トランジスタ12(
図1)はオン状態になり、メモリ回路20Kに電源電圧VDDが供給される。そして、駆動部22Kは、
図29に示したように、信号SRSTRLの電圧を低レベルにする。これにより、トランジスタ31,32は、
図30Aに示したように、それぞれオフ状態になる。また、駆動部22Kは、
図29に示したように、信号SSTRLの電圧を低レベルにするとともに、信号SRSBLの電圧を高レベルにする。これにより、トランジスタ61,64,65,68は、
図30Aに示したように、それぞれオフ状態になる。また、駆動部22Kは、
図29に示したように、信号SCTRLの電圧を低レベル電圧VL(接地レベル)にする。
【0126】
この通常動作OP1では、半導体回路1Kは、メモリセル30KのSRAM回路40に対して情報を書き込み、またはSRAM回路40から情報を読み出す。記憶素子33,34の抵抗状態は、所定の抵抗状態(この例では高抵抗状態RH)にそれぞれ維持される。
【0127】
ストア動作OP2では、駆動部22Kは、
図29に示したように、信号SSTRLの電圧を高レベルにする。これにより、トランジスタ61,65は、
図30Bに示したように、それぞれオン状態になる。そして、駆動部22Kは、
図20に示したように、信号SCTRLの電圧を高レベル電圧VH(電源電圧レベル)にする。これにより、記憶素子33,34のうちのいずれか一方にストア電流Istrが流れる。
【0128】
この例では、ノードN1の電圧VN1が高レベル電圧VHであり、ノードN2の電圧VN2が低レベル電圧VLであるので、トランジスタ66,67がオン状態であり、トランジスタ62,63がオフ状態である。よって、メモリセル30Kでは、
図30Bに示したように、トランジスタ24、記憶素子34、トランジスタ66、トランジスタ65の順に、ストア電流Istrが流れる。このとき、記憶素子34では、ストア電流Istrがフリー層Fからピンド層Pに流れるので、記憶素子34の抵抗状態は、低抵抗状態RLになる。
【0129】
スタンバイ動作OP3およびリストア動作OP4については、上記実施の形態の場合(
図5C,5D)と同様である。
【0130】
リセット動作OP5では、駆動部22Kは、
図29に示したように、信号SRSBLの電圧を低レベルにする。これにより、トランジスタ64,68は、
図30Cに示したように、それぞれオン状態になる。また、駆動部22Kは、
図29に示したように、信号SCTRLの電圧を低レベル電圧VL(接地レベル)にする。これにより、記憶素子33,34のうちのいずれか一方にリセット電流Irsが流れる。
【0131】
この例では、リストア動作OP4の直後であるので、ノードN1の電圧VN1が高レベル電圧VHであり、ノードN2の電圧VN2が低レベル電圧VLである。よって、トランジスタ66,67がオン状態であり、トランジスタ62,63がオフ状態である。これにより、メモリセル30Kでは、
図30Cに示したように、トランジスタ68、トランジスタ67、記憶素子34、トランジスタ25の順に、リセット電流Irsが流れる。このとき、記憶素子34では、リセット電流Irsがピンド層Pからフリー層Fに流れるので、記憶素子34の抵抗状態は、高抵抗状態RHになる。
【0132】
このようにして、リセット動作OP5により、記憶素子33,34の抵抗状態がともに高抵抗状態RHに設定される。この後、半導体回路1Kは、通常動作OP1(
図30A)を行う。
【0133】
[変形例7]
上記実施の形態では、
図2に示したように、記憶素子33のピンド層Pをトランジスタ31のソースおよびトランジスタ52,53のドレインに接続するとともにフリー層Fを制御線CTRLに接続し、記憶素子34のピンド層Pをトランジスタ32のソースおよびトランジスタ56,57のドレインに接続するとともにフリー層Fを制御線CTRLに接続したが、これに限定されるものではない。以下に、本変形例に係る半導体回路1Lについて詳細に説明する。半導体回路1Lは、メモリ回路20Lを備えている。メモリ回路20Lは、メモリセルアレイ21Lと、駆動部22,23とを有している。
【0134】
図31は、メモリセルアレイ21Lのメモリセル30Lの一構成例を表すものである。メモリセル30Lは、記憶素子33L,34Lを有している。記憶素子33Lのフリー層Fはトランジスタ31のソースおよびトランジスタ52,53のドレインに接続され、ピンド層Pは制御線CTRLに接続されている。記憶素子34Lのフリー層Fはトランジスタ32のソースおよびトランジスタ56,57のドレインに接続され、ピンド層Pは制御線CTRLに接続されている。トランジスタ52,57のゲートはノードN1に接続され、トランジスタ53,56のゲートはノードN2に接続されている。すなわち、本変形例に係るメモリセル30Lでは、上記実施の形態に係るメモリセル30(
図2)において、記憶素子33,34の向きを入れ替えるとともに、トランジスタ52,53,56,57のゲートの接続を変更している。
【0135】
図32A~32Cは、メモリセル30Lの動作状態を表すものであり、
図32Aは通常動作OP1における状態を示し、
図32Bはストア動作OP2における状態を示し、
図32Cはリセット動作OP5における状態を示す。
【0136】
通常動作OP1では、制御部11は、
図4に示したように、電源制御信号SPGの電圧を低レベルにする。これにより、電源トランジスタ12(
図1)はオン状態になり、メモリ回路20Lに電源電圧VDDが供給される。そして、駆動部22は、
図4に示したように、信号SRSTRLの電圧を低レベルにする。これにより、トランジスタ31,32は、
図32Aに示したように、それぞれオフ状態になる。また、駆動部22は、
図4に示したように、信号SSTRBLの電圧を高レベルにするとともに、信号SRSLの電圧を低レベルにする。これにより、トランジスタ51,54,55,58は、
図32Aに示したように、それぞれオフ状態になる。また、駆動部22は、
図4に示したように、信号SCTRLの電圧を低レベル電圧VL(接地レベル)にする。
【0137】
この通常動作OP1では、半導体回路1Lは、メモリセル30LのSRAM回路40に対して情報を書き込み、またはSRAM回路40から情報を読み出す。記憶素子33L,34Lの抵抗状態は、所定の抵抗状態(この例では高抵抗状態RH)にそれぞれ維持される。
【0138】
ストア動作OP2では、駆動部22は、
図4に示したように、信号SSTRBLの電圧を低レベルにする。これにより、トランジスタ51,55は、
図32Bに示したように、それぞれオン状態になる。そして、駆動部22は、
図32Bに示したように、トランジスタ24をオフ状態にするとともにトランジスタ25をオン状態にすることにより、信号SCTRLの電圧を低レベル電圧VL(接地レベル)にする。これにより、記憶素子33L,34Lのうちのいずれか一方にストア電流Istrが流れる。
【0139】
この例では、ノードN1の電圧VN1が高レベル電圧VHであり、ノードN2の電圧VN2が低レベル電圧VLであるので、トランジスタ56,57がオン状態であり、トランジスタ52,53がオフ状態である。よって、メモリセル30Lでは、
図32Bに示したように、トランジスタ55、トランジスタ56、記憶素子34L、トランジスタ25の順に、ストア電流Istrが流れる。このとき、記憶素子34Lでは、ストア電流Istrがフリー層Fからピンド層Pに流れるので、記憶素子34Lの抵抗状態は、低抵抗状態RLになる。
【0140】
スタンバイ動作OP3およびリストア動作OP4については、上記実施の形態の場合(
図5C,5D)と同様である。
【0141】
リセット動作OP5では、駆動部22は、
図4に示したように、信号SRSLの電圧を高レベルにする。これにより、トランジスタ54,58は、
図32Cに示したように、それぞれオン状態になる。また、駆動部22は、
図4に示したように、信号SCTRLの電圧を高レベル電圧VH(電源電圧レベル)にする。これにより、記憶素子33L,34Lのうちのいずれか一方にリセット電流Irsが流れる。
【0142】
この例では、リストア動作OP4の直後であるので、ノードN1の電圧VN1が高レベル電圧VHであり、ノードN2の電圧VN2が低レベル電圧VLである。よって、トランジスタ56,57がオン状態であり、トランジスタ52,53がオフ状態である。これにより、メモリセル30Lでは、
図32Cに示したように、トランジスタ24、記憶素子34L、トランジスタ57、トランジスタ58の順に、リセット電流Irsが流れる。このとき、記憶素子34Lでは、リセット電流Irsがピンド層Pからフリー層Fに流れるので、記憶素子34Lの抵抗状態は、高抵抗状態RHになる。
【0143】
このようにして、リセット動作OP5により、記憶素子33L,34Lの抵抗状態がともに高抵抗状態RHに設定される。この後、半導体回路1Lは、通常動作OP1(
図32A)を行う。
【0144】
この半導体回路1Lでは、リセット動作OP5により、記憶素子33L,34Lの抵抗状態を高抵抗状態RHにしたが、これに限定されるものではなく、これに代えて、記憶素子33L,34Lの抵抗状態を低抵抗状態RLにしてもよい。以下に、本変形例に係る半導体回路1Mについて詳細に説明する。半導体回路1Mは、メモリ回路20Mを備えている。メモリ回路20Mは、メモリセルアレイ21Mと、駆動部22K,23とを有している。
【0145】
図33は、メモリセルアレイ21Mのメモリセル30Mの一構成例を表すものである。メモリセルアレイ21Mは、複数のストア制御線STRLと、複数のリセット制御線RSBLと、トランジスタ61~68と、記憶素子33L,34Lとを有している。トランジスタ62,67のゲートはノードN1に接続され、トランジスタ63,66のゲートはノードN2に接続されている。
【0146】
図34A~34Cは、メモリセル30Mの動作状態を表すものであり、
図34Aは通常動作OP1における状態を示し、
図34Bはストア動作OP2における状態を示し、
図34Cはリセット動作OP5における状態を示す。
【0147】
通常動作OP1では、制御部11は、
図29に示したように、電源制御信号SPGの電圧を低レベルにする。これにより、電源トランジスタ12(
図1)はオン状態になり、メモリ回路20Mに電源電圧VDDが供給される。そして、駆動部22Kは、
図29に示したように、信号SRSTRLの電圧を低レベルにする。これにより、トランジスタ31,32は、
図34Aに示したように、それぞれオフ状態になる。また、駆動部22Kは、
図29に示したように、信号SSTRLの電圧を低レベルにするとともに、信号SRSBLの電圧を高レベルにする。これにより、トランジスタ61,64,65,68は、
図34Aに示したように、それぞれオフ状態になる。また、駆動部22Kは、
図29に示したように、信号SCTRLの電圧を低レベル電圧VL(接地レベル)にする。
【0148】
この通常動作OP1では、半導体回路1Mは、メモリセル30MのSRAM回路40に対して情報を書き込み、またはSRAM回路40から情報を読み出す。記憶素子33L,34Lの抵抗状態は、所定の抵抗状態(この例では低抵抗状態RL)にそれぞれ維持される。
【0149】
ストア動作OP2では、駆動部22Kは、
図29に示したように、信号SSTRLの電圧を高レベルにする。これにより、トランジスタ61,65は、
図34Bに示したように、それぞれオン状態になる。そして、駆動部22Kは、
図34Bに示したように、トランジスタ24をオン状態にするとともにトランジスタ25をオフ状態にすることにより、信号SCTRLの電圧を高レベル電圧VH(電源電圧レベル)になる。これにより、記憶素子33L,34Lのうちのいずれか一方にストア電流Istrが流れる。
【0150】
この例では、ノードN1の電圧VN1が高レベル電圧VHであり、ノードN2の電圧VN2が低レベル電圧VLであるので、トランジスタ62,63がオン状態であり、トランジスタ66,67がオフ状態である。よって、メモリセル30Mでは、
図34Bに示したように、トランジスタ24、記憶素子33L、トランジスタ62、トランジスタ61の順に、ストア電流Istrが流れる。このとき、記憶素子33Lでは、ストア電流Istrがピンド層Pからフリー層Fに流れるので、記憶素子33Lの抵抗状態は、高抵抗状態RHになる。
【0151】
スタンバイ動作OP3およびリストア動作OP4については、上記実施の形態の場合(
図5C,5D)と同様である。
【0152】
リセット動作OP5では、駆動部22Kは、
図29に示したように、信号SRSBLの電圧を低レベルにする。これにより、トランジスタ64,68は、
図34Cに示したように、それぞれオン状態になる。また、駆動部22Kは、
図29に示したように、信号SCTRLの電圧を低レベル電圧VL(接地レベル)にする。これにより、記憶素子33L,34Lのうちのいずれか一方にリセット電流Irsが流れる。
【0153】
この例では、リストア動作OP4の直後であるので、ノードN1の電圧VN1が高レベル電圧VHであり、ノードN2の電圧VN2が低レベル電圧VLである。よって、トランジスタ62,63がオン状態であり、トランジスタ66,67がオフ状態である。これにより、メモリセル30Mでは、
図34Cに示したように、トランジスタ64、トランジスタ63、記憶素子33L、トランジスタ25の順に、リセット電流Irsが流れる。このとき、記憶素子33Lでは、リセット電流Irsがフリー層Fからピンド層Pに流れるので、記憶素子33Lの抵抗状態は、低抵抗状態RLになる。
【0154】
このようにして、リセット動作OP5により、記憶素子33L,34Lの抵抗状態がともに低抵抗状態RLに設定される。この後、半導体回路1Mは、通常動作OP1(
図34A)を行う。
【0155】
[変形例8]
上記実施の形態では、磁気トンネル接合素子を用いて記憶素子33,34を構成したが、これに限定されるものではなく、
図35に示すメモリセル30Nのように、抵抗状態が可逆的に変化する様々な記憶素子33N,34Nを用いることができる。記憶素子33N,34Nは、例えば、2つの端子間に流れる電流の向きに応じて抵抗状態が変化するものであってもよいし、2つの端子に印加された電圧の極性に応じて抵抗状態が変化するものであってもよい。記憶素子33N,34Nは、ユニポーラ型の素子であってもよいし、バイポーラ型の素子であってもよい。具体的には、記憶素子33N,34Nは、例えば、抵抗変化型記憶素子、相変化型記憶素子、強誘電体記憶素子、およびカーボンナノチューブ記憶素子などを使用することができる。
【0156】
[変形例9]
上記実施の形態では、P型のMOSトランジスタを用いて電源トランジスタ12を構成したが、これに限定されるものではなく、これに代えて、例えば、
図36に示す半導体回路1Pのように、N型のMOSトランジスタを用いて電源トランジスタを構成してもよい。半導体回路1Pは、制御部11Pと、電源トランジスタ12Pと、メモリ回路20Pとを備えている。電源トランジスタ12Pは、この例では、N型のMOSトランジスタであり、ゲートには電源制御信号が供給され、ドレインはメモリ回路20Pに接続され、ソースには接地電圧VSS1が供給されている。この構成により、半導体回路1Pでは、メモリ回路20Pを使用する場合には、電源トランジスタ12Pをオン状態にして、接地電圧VSS1を、メモリ回路20Pに、接地電圧VSSとして供給する。また、半導体回路1Pでは、メモリ回路20Pを使用しない場合には、電源トランジスタ12Pをオフ状態にする。
【0157】
[変形例10]
上記実施の形態では、本技術をSRAM回路に適用したが、これに限定されるものではない。例えば、本技術を、例えば、フリップフロップ回路に適用してもよい。以下に、いくつかの例を挙げて、本変形例について詳細に説明する。
【0158】
図37は、本応用例に係るフリップフロップ回路101の一構成例である。フリップフロップ回路101は、マスタラッチ回路101Mと、スレーブラッチ回路101Sとを有している。このスレーブラッチ回路101Sには、上記実施の形態に係るメモリセル30(
図2)と同様の技術が適用されている。スレーブラッチ回路101Sは、インバータIV13,IV14と、トランスミッションゲートTG2と、トランジスタTR2と、トランジスタ31,32,51~58と、記憶素子33,34とを有している。インバータIV13は、上記実施の形態におけるインバータIV1に対応するものであり、入力端子はノードN14に接続され、出力端子はノードN15に接続されている。インバータIV14は、上記実施の形態におけるインバータIV2に対応するものであり、入力端子はノードN15に接続され、出力端子はノードN16に接続されている。トランスミッションゲートTG2の一端はノードN16に接続され、他端はノードN14に接続されている。トランジスタTR2は、この例ではN型のMOSトランジスタであり、ゲートには信号SRSTRLが供給され、ソースはノードN16に接続され、ドレインはノードN14に接続されている。ノードN16は、上記実施の形態におけるノードN1に対応し、ノードN15は、上記実施の形態におけるノードN2に対応する。トランジスタ31のドレインはノードN16に接続され、トランジスタ32のドレインはノードN15に接続される。
【0159】
なお、このフリップフロップ回路101では、トランジスタ31のドレインおよびトランジスタ53,56のゲートをノードN16に接続したが、これに限定されるものではなく、これに代えて、例えば、
図38に示すフリップフロップ回路102のスレーブラッチ回路102Sのように、トランジスタ31のドレインおよびトランジスタ53,56のゲートをノードN14に接続してもよい。
【0160】
図39は、本応用例に係るフリップフロップ回路103の一構成例である。フリップフロップ回路103は、マスタラッチ回路103Mと、スレーブラッチ回路103Sとを有している。このマスタラッチ回路103Mには、上記実施の形態に係るメモリセル30(
図2)と同様の技術が適用されている。マスタラッチ回路103Mは、インバータIV11,IV12と、トランスミッションゲートTG1と、トランジスタTR1と、トランジスタ31,32,51~58と、記憶素子33,34とを有している。インバータIV11は、上記実施の形態におけるインバータIV1に対応するものであり、入力端子はノードN11に接続され、出力端子はノードN12に接続されている。インバータIV12は、上記実施の形態におけるインバータIV2に対応するものであり、入力端子はノードN12に接続され、出力端子はノードN13に接続されている。トランスミッションゲートTG1の一端はノードN13に接続され、他端はノードN11に接続されている。トランジスタTR1は、この例ではN型のMOSトランジスタであり、ゲートには信号SRSTRLが供給され、ソースはノードN13に接続され、ドレインはノードN11に接続されている。ノードN13は、上記実施の形態におけるノードN1に対応し、ノードN12は、上記実施の形態におけるノードN2に対応する。トランジスタ31のドレインはノードN13に接続され、トランジスタ32のドレインはノードN12に接続される。
【0161】
なお、このフリップフロップ回路103では、トランジスタ31のドレインおよびトランジスタ53,56のゲートをノードN13に接続したが、これに限定されるものではなく、これに代えて、例えば、
図40に示すフリップフロップ回路104のマスタラッチ回路104Mのように、トランジスタ31のドレインおよびトランジスタ53,56のゲートをノードN11に接続してもよい。
【0162】
なお、これらのフリップフロップ回路101~104には、上記実施の形態に係るメモリセル30(
図2)と同様の技術を適用したが、これに限定されるものではなく、上記変形例に係る様々なメモリセルと同様の技術を適用することができる。
【0163】
[その他の変形例]
また、これらの変形例のうちの2以上を組み合わせてもよい。
【0164】
<2.応用例>
次に、上記実施の形態および変形例で説明した技術の応用例について説明する。
【0165】
図41は、本応用例に係る情報処理装置300の一例を表すものである。この情報処理装置300は、いわゆるマルチコアプロセッサであり、この例では、2つのプロセッサコア部310,320と、2次キャッシュメモリ部330と、電源制御部301とを備えている。なお、この例では、2つのプロセッサコア部310,320を設けたが、これに限定されるものではなく、3つ以上のプロセッサコア部を設けてもよい。情報処理装置300は、1つの半導体チップで実現してもよいし、複数の半導体チップを用いて実現してもよい。
【0166】
プロセッサコア部310は、電源トランジスタ311と、プロセッサコア312とを有している。電源トランジスタ311は、この例では、P型のMOSトランジスタであり、ゲートには電源制御信号が供給され、ソースには電源電圧VDD1が供給され、ドレインはプロセッサコア312に接続されている。プロセッサコア312は、フリップフロップ回路313と、1次キャッシュメモリ314とを有している。フリップフロップ回路313は、例えば、フリップフロップ回路101~104(
図37~40)を用いることができる。1次キャッシュメモリ314は、上記実施の形態で説明した様々なメモリセルを用いることができる。プロセッサコア312は、電源制御部301から供給された制御信号に基づいて、通常動作OP1、ストア動作OP2、スタンバイ動作OP3、リストア動作OP4、およびリセット動作OP5を行うことができるようになっている。
【0167】
プロセッサコア部320は、プロセッサコア部310と同様の構成を有するものである。プロセッサコア部320の電源トランジスタ321、プロセッサコア322、フリップフロップ回路323、および1次キャッシュメモリ324は、プロセッサコア部310の電源トランジスタ311、プロセッサコア312、フリップフロップ回路313、および1次キャッシュメモリ314にそれぞれ対応している。
【0168】
2次キャッシュメモリ部330は、電源トランジスタ331と、2次キャッシュメモリ332とを有している。電源トランジスタ331は、この例では、P型のMOSトランジスタであり、ゲートには電源制御信号が供給され、ソースには電源電圧VDD1が供給され、ドレインは2次キャッシュメモリ332に接続されている。2次キャッシュメモリ332は、上記実施の形態で説明した様々なメモリセルを用いることができる。2次キャッシュメモリ332は、電源制御部301から供給された制御信号に基づいて、通常動作OP1、ストア動作OP2、スタンバイ動作OP3、リストア動作OP4、およびリセット動作OP5を行うことができるようになっている。
【0169】
電源制御部301は、情報処理装置300で行うべき処理の負荷や、情報処理装置300への電源供給方法(例えばバッテリから供給されているかどうか)などに基づいて、プロセッサコア部310,320のうち、動作させるプロセッサコア部を決定し、その決定結果に基づいて、プロセッサコア部310,320および2次キャッシュメモリ部330の動作を制御する。
【0170】
具体的には、電源制御部301は、例えば、プロセッサコア部310を動作させるとともに、プロセッサコア部320を動作させない場合には、プロセッサコア部310の電源トランジスタ311、および2次キャッシュメモリ部330の電源トランジスタ331をオン状態にするとともに、プロセッサコア部320の電源トランジスタ321をオフ状態にする。また、電源制御部301は、例えば、プロセッサコア部310,320を動作させる場合には、プロセッサコア部310の電源トランジスタ311、プロセッサコア部320の電源トランジスタ321、および2次キャッシュメモリ部330の電源トランジスタ331をオン状態にする。また、電源制御部301は、例えば、プロセッサコア部310,320を動作させない場合には、プロセッサコア部310の電源トランジスタ311、プロセッサコア部320の電源トランジスタ321、および2次キャッシュメモリ部330の電源トランジスタ331をオフ状態にする。
【0171】
また、電源制御部301は、プロセッサコア部310の動作を停止させたい場合には、例えば、プロセッサコア部310の電源トランジスタ311をオフ状態にする直前に、プロセッサコア部310に対してストア動作OP2を行うように指示する。また、電源制御部301は、プロセッサコア部310の動作を開始させたい場合には、例えば、プロセッサコア部310の電源トランジスタ311をオン状態にした直後に、プロセッサコア部310に対してリストア動作OP4を行うように指示する。プロセッサコア部320および2次キャッシュメモリ部330についても同様である。
【0172】
この情報処理装置300では、プロセッサコア部310,320および2次キャッシュメモリ部330に電源トランジスタをそれぞれ設けたが、これに限定されるものではない。これに代えて、例えば、
図42に示す情報処理装置300Aのように、電源制御部に電源トランジスタを設けてもよい。この情報処理装置300Aは、プロセッサコア312,322と、2次キャッシュメモリ332と、電源制御部340とを備えている。電源制御部340は、電源トランジスタ341~343を有している。電源トランジスタ341~343は、この例では、P型のMOSトランジスタである。電源トランジスタ341のソースには電源電圧VDD1が供給され、ドレインはプロセッサコア312に接続されている。電源トランジスタ342のソースには電源電圧VDD1が供給され、ドレインはプロセッサコア322に接続されている。電源トランジスタ343のソースには電源電圧VDD1が供給され、ドレインは2次キャッシュメモリ332に接続されている。
【0173】
以上、実施の形態およびいくつかの変形例、ならびにそれらの応用例を挙げて本技術を説明したが、本技術はこれらの実施の形態等には限定されず、種々の変形が可能である。
【0174】
例えば、上記実施の形態等では、本技術をSRAM回路およびD型フリップフロップ回路に適用したが、これに限定されるものではない。具体的には、例えば、他のフリップフロップ回路に適用してもよいし、ラッチ回路に適用してもよい。
【0175】
なお、本明細書に記載された効果はあくまで例示であって限定されるものでは無く、また他の効果があってもよい。
【0176】
なお、本技術は以下のような構成とすることができる。
【0177】
(1)第1のノードにおける電圧の反転電圧を生成しその反転電圧を第2のノードに印加することが可能な第1の回路と、
前記第2のノードにおける電圧の反転電圧を生成しその反転電圧を前記第1のノードに印加することが可能な第2の回路と、
オン状態になることにより前記第1のノードを第3のノードに接続可能な第1のトランジスタと、
前記第3のノードに接続された第1の端子と、制御電圧が印加される第2の端子とを有し、第1の抵抗状態または第2の抵抗状態をとりうる第1の記憶素子と、
第1の電圧が印加されるソースと、前記第3のノードに接続されたドレインと、前記第1のノードおよび前記第2のノードのうちの一方である第1の所定ノードに接続されたゲートとを有する第2のトランジスタと、
第2の電圧が印加されるソースと、前記第3のノードに接続されたドレインと、前記第1のノードおよび前記第2のノードのうちの他方である第2の所定ノードに接続されたゲートとを有する第3のトランジスタと、
オン状態になることにより前記第2のノードを第4のノードに接続可能な第4のトランジスタと、
前記第4のノードに接続された第1の端子と、前記制御電圧が印加される第2の端子とを有し、前記第1の抵抗状態または前記第2の抵抗状態をとりうる第2の記憶素子と、
前記第1の電圧が印加されるソースと、前記第4のノードに接続されたドレインと、前記第2の所定ノードに接続されたゲートとを有する第5のトランジスタと、
前記第2の電圧が印加されるソースと、前記第4のノードに接続されたドレインと、前記第1の所定ノードに接続されたゲートとを有する第6のトランジスタと、
前記第1のトランジスタおよび前記第4のトランジスタの動作を制御し前記制御電圧を設定することが可能な駆動部と
を備えた半導体回路。
(2)前記第1の電圧が印加されたソースと、前記第2のトランジスタのソースに接続されたドレインとを有する第7のトランジスタと、
前記第2の電圧が印加されたソースと、前記第3のトランジスタのソースに接続されたドレインとを有する第8のトランジスタと、
前記第1の電圧が印加されたソースと、前記第5のトランジスタのソースに接続されたドレインとを有する第9のトランジスタと、
前記第2の電圧が印加されたソースと、前記第6のトランジスタのソースに接続されたドレインとを有する第10のトランジスタと
をさらに備え、
前記駆動部は、さらに、前記第7のトランジスタ、前記第8のトランジスタ、前記第9のトランジスタ、および前記第10のトランジスタの動作を制御可能な
前記(1)に記載の半導体回路。
(3)前記駆動部は、第1の期間において、前記第1のトランジスタ、前記第4のトランジスタ、前記第8のトランジスタ、および前記第10のトランジスタをオフ状態にし、前記第7のトランジスタおよび前記第9のトランジスタをオン状態にし、前記制御電圧を第3の電圧に設定することが可能な
前記(2)に記載の半導体回路。
(4)前記駆動部は、前記第1の期間の後の第2の期間において、前記第1のトランジスタおよび前記第4のトランジスタをオン状態にし、前記第7のトランジスタ、前記第8のトランジスタ、前記第9のトランジスタ、および前記第10のトランジスタをオフ状態にすることが可能な
前記(3)に記載の半導体回路。
(5)前記駆動部は、前記第2の期間の後の、前記第1のノードにおける電圧が変化する前の第3の期間において、前記第1のトランジスタ、前記第4のトランジスタ、前記第7のトランジスタ、および前記第9のトランジスタをオフ状態にし、前記第8のトランジスタおよび前記第10のトランジスタをオン状態にし、前記制御電圧を第4の電圧に設定することが可能な
前記(4)に記載の半導体回路。
(6)前記第1の回路および前記第2の回路への電源供給を制御可能であり、前記第1の期間および前記第2の期間の間の第4の期間において、前記第1の回路および前記第2の回路への電源供給を停止することが可能な制御部をさらに備えた
前記(4)または(5)に記載の半導体回路。
(7)前記第1の電圧が印加されるソースと、前記第2のトランジスタのソースおよび前記第5のトランジスタのソースに接続されたドレインとを有する第11のトランジスタと、
前記第2の電圧が印加されるソースと、前記第3のトランジスタのソースおよび前記第6のトランジスタのソースに接続されたドレインとを有する第12のトランジスタと
をさらに備えた
前記(1)に記載の半導体回路。
(8)前記第2のトランジスタのソースおよび前記第5のトランジスタのソースに接続された第1の制御線と、
前記第3のトランジスタのソースおよび前記第6のトランジスタのソースに接続された第2の制御線と
をさらに備え、
前記駆動部は、さらに、前記第1の制御線および前記第2の制御線を駆動可能な
前記(1)に記載の半導体回路。
(9)第5のノードにおける電圧の反転電圧を生成しその反転電圧を第6のノードに印加することが可能な第3の回路と、
前記第6のノードにおける電圧の反転電圧を生成しその反転電圧を前記第5のノードに印加することが可能な第4の回路と、
オン状態になることにより前記第5のノードを第7のノードに接続可能な第13のトランジスタと、
前記第7のノードに接続された第1の端子と、前記制御電圧が印加される第2の端子とを有し、前記第1の抵抗状態または前記第2の抵抗状態をとりうる第3の記憶素子と、
前記第1の制御線に接続されたソースと、前記第7のノードに接続されたドレインと、前記第5のノードおよび前記第6のノードのうちの一方である第3の所定ノードに接続されたゲートとを有する第14のトランジスタと、
前記第2の制御線に接続されたソースと、前記第7のノードに接続されたドレインと、前記第5のノードおよび前記第6のノードのうちの他方である第4の所定ノードに接続されたゲートとを有する第15のトランジスタと、
オン状態になることにより前記第6のノードを第8のノードに接続可能な第16のトランジスタと、
前記第8のノードに接続された第1の端子と、前記制御電圧が印加される第2の端子とを有し、前記第1の抵抗状態または前記第2の抵抗状態をとりうる第4の記憶素子と、
前記第1の制御線に接続されたソースと、前記第8のノードに接続されたドレインと、前記第2の所定ノードに接続されたゲートとを有する第17のトランジスタと、
前記第2の制御線に接続されたソースと、前記第8のノードに接続されたドレインと、前記第1の所定ノードに接続されたゲートとを有する第18のトランジスタと
をさらに備えた
前記(8)に記載の半導体回路。
(10)前記駆動部は、前記制御電圧を生成可能である
前記(1)から(9)のいずれかに記載の半導体回路。
(11)前記第1の電圧が印加されるソースと、前記第1の記憶素子の前記第2の端子および前記第2の記憶素子の前記第2の端子に接続されたドレインとを有する第19のトランジスタと、
前記第2の電圧が印加されるソースと、前記第1の記憶素子の前記第2の端子および前記第2の記憶素子の前記第2の端子に接続されたドレインとを有する第20のトランジスタと
をさらに備え、
前記駆動部は、前記第19のトランジスタおよび前記第20のトランジスタの動作を制御することにより、前記制御電圧を設定可能な
前記(1)から(9)のいずれかに記載の半導体回路。
(12)オン状態になることにより、前記第1の回路および前記第2の回路に対して電源供給を行うことが可能な電源トランジスタをさらに備えた
前記(1)から(11)のいずれかに記載の半導体回路。
(13)前記第1の記憶素子および前記第2の記憶素子のそれぞれは、前記第1の端子および前記第2の端子の間に流れる電流の向きに応じて可逆的に抵抗状態が変化することを利用して情報を記憶することが可能な
前記(1)から(12)のいずれかに記載の半導体回路。
(14)前記第1の記憶素子および前記第2の記憶素子のそれぞれは、ユニポーラ型またはバイポーラ型の素子である
前記(1)から(13)のいずれかに記載の半導体回路。
(15)前記第1の記憶素子および前記第2の記憶素子のそれぞれは、磁気トンネル接合記憶素子、抵抗変化型記憶素子、相変化型記憶素子、強誘電体記憶素子、ナノチューブ記憶素子のうちのいずれかである
前記(1)から(14)のいずれかに記載の半導体回路。
(16)前記第1の記憶素子および前記第2の記憶素子のそれぞれは、前記第1の端子および前記第2の端子の間に印加された電圧の極性に応じて可逆的に抵抗状態が変化することを利用して情報を記憶することが可能な
前記(1)から(12)のいずれかに記載の半導体回路。
(17)前記第1の回路および前記第2の回路は、SRAM回路を構成する
前記(1)から(16)のいずれかに記載の半導体回路。
(18)前記第1の回路および前記第2の回路は、ラッチ回路を構成する
前記(1)から(16)のいずれかに記載の半導体回路。
(19)記憶部と、
前記記憶部への電源供給を制御する制御部と
を備え、
前記記憶部は、
第1のノードにおける電圧の反転電圧を生成しその反転電圧を第2のノードに印加することが可能な第1の回路と、
前記第2のノードにおける電圧の反転電圧を生成しその反転電圧を前記第1のノードに印加することが可能な第2の回路と、
オン状態になることにより前記第1のノードを第3のノードに接続可能な第1のトランジスタと、
前記第3のノードに接続された第1の端子と、制御電圧が印加される第2の端子とを有し、第1の抵抗状態または第2の抵抗状態をとりうる第1の記憶素子と、
第1の電圧が印加されるソースと、前記第3のノードに接続されたドレインと、前記第1のノードおよび前記第2のノードのうちの一方である第1の所定ノードに接続されたゲートとを有する第2のトランジスタと、
第2の電圧が印加されるソースと、前記第3のノードに接続されたドレインと、前記第1のノードおよび前記第2のノードのうちの他方である第2の所定ノードに接続されたゲートとを有する第3のトランジスタと、
オン状態になることにより前記第2のノードを第4のノードに接続可能な第4のトランジスタと、
前記第4のノードに接続された第1の端子と、前記制御電圧が印加される第2の端子とを有し、前記第1の抵抗状態または前記第2の抵抗状態をとりうる第2の記憶素子と、
前記第1の電圧が印加されるソースと、前記第4のノードに接続されたドレインと、前記第2の所定ノードに接続されたゲートとを有する第5のトランジスタと、
前記第2の電圧が印加されるソースと、前記第4のノードに接続されたドレインと、前記第1の所定ノードに接続されたゲートとを有する第6のトランジスタと、
前記第1のトランジスタおよび前記第4のトランジスタの動作を制御し前記制御電圧を設定することが可能な駆動部と
を有する
半導体回路システム。
【0178】
本出願は、日本国特許庁において2017年12月12日に出願された日本特許出願番号2017-237979号を基礎として優先権を主張するものであり、この出願のすべての内容を参照によって本出願に援用する。
【0179】
当業者であれば、設計上の要件や他の要因に応じて、種々の修正、コンビネーション、サブコンビネーション、および変更を想到し得るが、それらは添付の請求の範囲やその均等物の範囲に含まれるものであることが理解される。