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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-07
(45)【発行日】2022-10-18
(54)【発明の名称】配出機構およびゲーム装置
(51)【国際特許分類】
   A63F 13/90 20140101AFI20221011BHJP
   A63F 13/95 20140101ALI20221011BHJP
   A63F 9/00 20060101ALI20221011BHJP
【FI】
A63F13/90
A63F13/95 A
A63F9/00 512B
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2020009430
(22)【出願日】2020-01-23
(65)【公開番号】P2021115172
(43)【公開日】2021-08-10
【審査請求日】2021-07-20
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】511242904
【氏名又は名称】株式会社マーベラス
(74)【代理人】
【識別番号】100137095
【弁理士】
【氏名又は名称】江部 武史
(74)【代理人】
【識別番号】100091627
【弁理士】
【氏名又は名称】朝比 一夫
(72)【発明者】
【氏名】土手 真悟
(72)【発明者】
【氏名】大林 武尊
【審査官】岸 智史
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-157605(JP,A)
【文献】特開2007-179158(JP,A)
【文献】特開平07-289731(JP,A)
【文献】特開平8-131649(JP,A)
【文献】特開2004-248741(JP,A)
【文献】実開昭54-180798(JP,U)
【文献】特開2008-194340(JP,A)
【文献】特開平9-10428(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2012/0052958(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 9/00-9/34、13/00-13/98
G07F 11/54、11/58
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゲームに関連する配出物を配出するための配出機構であって、
前記配出物を収容する収容部と、
前記収容部を設け、動作可能に構成された第1の動作部と、
前記収容部から押し出される配出物を保持し、動作可能に構成された第2の動作部と、
前記第1の動作部に設けられ、前記配出物を押し出すための押出機構と、を含み、
前記押出機構は、前記配出物を前記収容部から前記第2の動作部に押し出す第1の押出部と、前記配出物を前記第2の動作部から前記第2の動作部の外部へ押し出す第2の押出部とを含み
前記第1の動作部は、前記第2の動作部に対して動作することを特徴とする配出機構。
【請求項2】
前記第1の動作部は、円盤状に形成されている請求項1に記載の配出機構。
【請求項3】
前記第1の動作部は、回転するように構成されている請求項1または2に記載の配出機構。
【請求項4】
前記収容部は、複数の収容部を含む請求項1ないし3のいずれかに記載の配出機構。
【請求項5】
前記複数の収容部は、前記第1の動作部上に円環状に設けられている請求項4に記載の配出機構。
【請求項6】
前記収容部の底板部は、前記第1の動作部に対して角度付けされている請求項1ないし5のいずれかに記載の配出機構。
【請求項7】
前記第2の動作部は、前記第1の動作部を囲むように設けられている請求項1ないし6のいずれかに記載の配出機構。
【請求項8】
前記第2の動作部は、前記配出物を保持するための配出候補保持部を含む請求項6に記載の配出機構。
【請求項9】
前記配出候補保持部は、複数の保持板を含み、
前記複数の保持板のそれぞれは、前記底板部の前記角度に対応するように角度付けされている請求項8に記載の配出機構。
【請求項10】
前記押出機構の一部は、前記複数の収容部の間に設けられている請求項4または5に記載の配出機構。
【請求項11】
前記第2の押出部は、前記第1の動作部において互いに離間して設けられた一対の押出部であり、前記第1の押出部は、前記一対の押出部の間に設けられる請求項1ないし10のいずれかに記載の配出機構。
【請求項12】
ゲームに関連する所定の画像を表示する表示部と、
ユーザーから操作入力を受ける操作部と、
前記操作入力に基づいて、前記ゲームに関連する前記配出物を配出する請求項1ないし11のいずれかに記載の前記配出機構と、を備えることを特徴とするゲーム装置。
【請求項13】
ゲームに関連する所定の画像を表示する表示部と、
ユーザーから操作入力を受ける操作部と、
前記操作入力に基づいて、前記ゲームに関連する配出物を配出する配出機構と、を含み、
前記配出機構は、
前記ゲームに関連する前記配出物を収容する収容部と、
前記収容部を設け、動作可能に構成された第1の動作部と、
前記収容部から押し出される前記配出物を保持し、動作可能に構成された第2の動作部と、
前記第1の動作部に設けられ、前記配出物を押し出すための押出機構と、を含み、
前記押出機構は、前記配出物を前記収容部から前記第2の動作部に押し出す第1の押出部と、前記配出物を前記第2の動作部から前記第2の動作部の外部へ押し出す第2の押出部とを含み
前記第1の動作部は、前記第2の動作部に対して動作するように構成されており、
前記配出物は、前記ユーザーに関連する情報を記憶する配出物を含むことを特徴とするゲーム装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、配出機構およびゲーム装置に関し、特に、ゲームに関連する配出物を配出するための配出機構およびその配出機構を備えるゲーム装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ゲームの結果に応じて、異なる配出物を配出するゲーム装置が知られている(例えば、特許文献1)。特許文献1に記載されるゲーム装置は、複数の配出物を収容する収容手段と、収容手段から送り出される配出物を配出候補として複数保持する配出候補保持手段と、配出物の識別情報を読み取る識別情報読取手段とを備えている。そして、識別情報読取手段は、収容手段から送り出される配出物の識別情報を読み取り、この読み取った識別情報に基づいて、配出候補保持手段に保持された複数の配出物から配出対象が決定される。これにより、ゲームの結果に応じて、異なる配出物が配出される。
【0003】
上記ゲーム装置の収容手段は、配出候補保持手段に対して固定されており、配出物を収容するという機能を有するのみであった。そして、ゲームの結果に応じて異なる配出物を配出することは、配出候補保持手段に依拠していた。そのため、ゲームの結果に応じた配出物を効率的に配出することが困難な場合があった。そこで、このような問題を改善するゲーム装置が求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2012-157605号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、ゲームの結果に応じて、配出物を効率的に配出することができる配出機構およびそのような配出機構を備えるゲーム装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
このような目的は、下記(1)~(14)の本発明により達成される。
(1) ゲームに関連する配出物を配出するための配出機構であって、
前記配出物を収容する収容部と、
前記収容部を設け、動作可能に構成された第1の動作部と、
前記収容部から配出される配出物を保持し、動作可能に構成された第2の動作部と、を含み、
前記第1の動作部は、前記第2の動作部に対して動作することを特徴とする配出機構。
【0007】
(2) 前記第1の動作部は、円盤状に形成されている上記(1)に記載の配出機構。
【0008】
(3) 前記第1の動作部は、回転するように構成されている上記(1)または(2)に記載の配出機構。
【0009】
(4) 前記収容部は、複数の収容部を含む上記(1)ないし(3)のいずれかに記載の配出機構。
【0010】
(5) 前記複数の収容部は、前記第1の動作部上に円環状に設けられている上記(4)に記載の配出機構。
【0011】
(6) 前記収容部の底板部は、前記第1の動作部に対して角度付けされている上記(1)ないし(5)のいずれかに記載の配出機構。
【0012】
(7) 前記第2の動作部は、前記第1の動作部を囲むように設けられている上記(1)ないし(6)のいずれかに記載の配出機構。
【0013】
(8) 前記第2の動作部は、前記配出物を保持するための配出候補保持部を含む上記(6)に記載の配出機構。
【0014】
(9) 前記配出候補保持部は、複数の保持板を含み、
前記複数の保持板のそれぞれは、前記底板部の前記角度に対応するように角度付けされている上記(8)に記載の配出機構。
【0015】
(10) さらに、前記第1の動作部に設けられ、前記配出物を押し出すための押出機構を含む上記(1)ないし(9)のいずれかに記載の配出機構。
【0016】
(11) 前記押出機構は、前記収容部に収容された前記配出物を前記第2の動作部に押し出すための第1の押出部と、前記第2の動作部に保持された前記配出物を押し出すための第2の押出部とを含む上記(10)に記載の配出機構。
【0017】
(12) 前記第2の押出部は、前記第1の動作部において互いに離間して設けられた一対の押出部であり、前記第1の押出部は、前記一対の押出部の間に設けられる上記(11)に記載の配出機構。
【0018】
(13) ゲームに関連する所定の画像を表示する表示部と、
ユーザーから操作入力を受ける操作部と、
前記操作入力に基づいて、前記ゲームに関連する前記配出物を配出する上記(1)ないし(12)のいずれかに記載の前記配出機構と、を備えることを特徴とするゲーム装置。
【0019】
(14) ゲームに関連する所定の画像を表示する表示部と、
ユーザーから操作入力を受ける操作部と、
前記操作入力に基づいて、前記ゲームに関連する配出物を配出する配出機構と、を含み、
前記配出機構は、
前記ゲームに関連する前記配出物を収容する収容部と、
前記収容部を設け、動作可能に構成された第1の動作部と、
前記収容部から配出される前記配出物を保持し、動作可能に構成された第2の動作部と、を含み、
前記第1の動作部は、前記第2の動作部に対して動作するように構成されており、
前記配出物は、前記ユーザーに関連する情報を記憶する配出物を含むことを特徴とするゲーム装置。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、ゲームの結果に応じて、配出物を効率的に配出することができる配出機構およびそのような配出機構を備えるゲーム装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1図1は、本発明の第1実施形態にかかるゲーム装置を模式的に示す斜視図である。
図2図2は、本発明の第1実施形態にかかるゲーム装置に用いられる記録媒体を示す図である。
図3図3は、本発明の第1実施形態にかかるゲーム装置の構成を示すブロック図である。
図4図4は、本発明の第1実施形態にかかるゲーム装置の表示部の構成を示す拡大図である。
図5図5は、本発明の第1実施形態にかかるゲーム装置の表示部の構成を示す拡大図である。
図6図6は、本発明の第1実施形態にかかるゲーム装置の表示部の構成を示す拡大図である。
図7図7は、本発明の第1実施形態にかかるゲーム装置の内部構成を模式的に示す図である。
図8図8は、本発明の第1実施形態にかかるゲーム装置に設けられた配出機構を後方から見たときの部分分解斜視図である。
図9図9は、本発明の第1実施形態にかかるゲーム装置に設けられた配出機構が備える収容部のストッカーを示す部分分解斜視図である。
図10図10(a)は、本発明の第1実施形態にかかるゲーム装置に設けられた配出機構が備える収容部の足部の正面図である。図10(b)は、本発明の第1実施形態にかかるゲーム装置に設けられた配出機構が備える収容部の足部の側面図である。図10(c)は、本発明の第1実施形態にかかるゲーム装置に設けられた配出機構が備える収容部の足部の斜視図である。
図11図11は、本発明の第1実施形態にかかるゲーム装置に設けられた配出機構が備える第1の動作部、収容部および押出機構の部分分解斜視図である。
図12図12は、本発明の第1実施形態にかかるゲーム装置に設けられた配出機構が備える第2の動作部の部分分解斜視図である。
図13図13は、本発明の第1実施形態にかかるゲーム装置に設けられた配出機構が備える押出機構の主要部の斜視図である。
図14図14は、本発明の第1実施形態にかかるゲーム装置における配出物の配置方法を示すフローチャートである。
図15図15は、本発明の第1実施形態にかかるゲーム装置の処理を示すフローチャートである。
図16図16は、本発明の第1実施形態にかかるゲーム装置における配出物の補充方法を示すフローチャートである。
図17図17は、本発明の第1実施形態にかかるゲーム装置に設けられた配出機構が備える押出部、収容部および配出候補保持部を模式的に示す平面図である。
図18図18は、本発明の第1実施形態にかかるゲーム装置に設けられた配出機構が備える押出部、収容部、配出候補保持部および配出路を模式的に示す平面図である。
図19図19は、本発明の第2実施形態にかかる配出機構が備える収容部および配出候補保持部を模式的に示す平面図である。
図20図20は、本発明の第4実施形態にかかる配出機構を示す斜視図である。
図21図21は、本発明の第4実施形態にかかる配出機構を示す部分分解斜視図である。
図22図22は、本発明の第4実施形態にかかる配出機構が備える収容部のストッカーを示す部分分解斜視図である。
図23図23は、本発明の第4実施形態にかかる配出機構が備える第1の動作部、収容部および押出機構の部分分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下では、本発明の配出機構の説明に先立って、本発明のゲーム装置、ゲーム装置で実行されるゲームの概要、およびゲーム装置に用いられる配出物を、添付図面に示す好適な実施形態に基づいて詳細に説明する。説明の都合上、図中の上側を「上」、下側を「下」、左側を「左」、右側を「右」、紙面手前側を「前」、紙面奥側を「後」として説明する。
【0023】
<<第1実施形態>>
【0024】
図1は、本発明の第1実施形態にかかるゲーム装置を模式的に示す斜視図である。図2は、本発明の第1実施形態にかかるゲーム装置に用いられる配出物を示す図である。図3は、本発明の第1実施形態にかかるゲーム装置の構成を示すブロック図である。図4図6は、本発明の第1実施形態にかかるゲーム装置の表示部の構成を示す拡大図である。
【0025】
1.ゲームの概要
まず、本実施形態のゲーム装置1で実行されるゲームの一例を説明する。ゲーム装置1は、ゲームに関連する配出物(以下、「記録媒体」ということもある)100を用いて、例えば、対戦ゲームを実行することができる。具体的に、ゲーム装置1は、記録媒体100をスキャンすることで、記録媒体100に記録されているキャラクタの情報(以下、「キャラクタ情報」という)を取得する。その後、ゲーム装置1は、表示部6にキャラクタの画像を表示する。これにより、ゲーム装置1は、当該キャラクタと相手キャラクタとを対戦させる対戦ゲームを実行することができる。ゲーム終了後、新しい記録媒体100がゲーム装置1から配出される。なお、本ゲーム装置1で実行されるゲームは、上記のような対戦ゲームに限定されず、ロールプレイングゲームや、ボードゲーム、シュミレーションゲーム等であってもよい。
【0026】
2.記録媒体(配出物)
本実施形態のゲーム装置1に用いられる配出物(記録媒体)100は、キャラクタ情報等の識別情報を記憶できるように構成されている。このような配出物100は、例えば、図2に示すように、オーバル型に形成されている。この配出物100は、表面に2次元コード101を有する。この2次元コード101に、キャラクタ情報やアイテム情報等の識別情報が記録されている。2次元コード101は、QRコード(登録商標)やZcode(登録商標)等が挙げられる。Zcodeの場合、識別情報は、不可視光(赤外線)下で識別できるように記録されている。なお、配出物100は、キャラクタ用配出物として、キャラクタ情報に応じて、レア配出物(例えば所定のレベル以上のレアリティを有するキャラクタが記録された配出物)と、ノーマル配出物(例えば所定のレベル未満のレアリティを有するキャラクタが記録された配出物)とが区別されていてもよい。また、配出物100は、キャラクタ用配出物とは別に、プレイヤ(ユーザー)情報やキャラクタ情報を記憶したメモリ用配出物(ユーザーに関連する情報を記憶する配出物)、すなわちICカードを含んでいてもよい。
【0027】
3.ゲーム装置
次に、ゲーム装置を説明する。本実施形態のゲーム装置1は、図1に示すように、互いに隣接して設けられた2つのゲーム装置(第1のサブゲーム装置1A、第2のサブゲーム装置1B)を含む。このゲーム装置1は、1つの表示部6を有し、1つの制御部8で制御される。そのため、ゲーム装置1全体の大きさを小型化することができる。これにより、ゲーム装置1全体にかかるコストを低減することができる。本実施形態のゲーム装置1は、2つのゲーム装置が隣接して設けられている構成(2イン1構成)に限定されず、3つ以上の複数のゲーム装置が隣接して設けられたような構成であっていてもよい。また、本発明のゲーム装置1は、単一のゲーム装置で構成されていてもよい。
【0028】
本実施形態のゲーム装置1は、一見、2つのゲーム装置が隣接して配置されているように見える。しかし、ゲーム装置1は、これらの2つのゲーム装置がつながり、1つのゲーム装置1を構成している。そのため、各プレイヤ(ユーザー)は、それぞれのサブゲーム装置でプレイを実行することができるし、協力して1つのゲームプレイ(協力プレイ)を実行することもできる。このようなゲーム装置1は、図1図3図7に示すように、筐体2と、操作部3と、読取り部4と、スピーカ5と、表示部6と、記憶部7と、制御部8と、通信部9と、配出機構10と、を有する。以下、各部の構成を説明する。
【0029】
なお、ゲーム装置1の筐体2、操作部3、読取り部4およびスピーカ5は、第1のサブゲーム装置1A用のサブ筐体2A、第1のサブ操作部3A、サブ読取り部4Aおよびサブスピーカ5A、並びに、第2のサブゲーム装置1B用のサブ筐体2B、第2のサブ操作部3B、サブ読取り部4Bおよびサブスピーカ5Bと同じである。そのため、以下では、ゲーム装置1の各部のみを代表して説明する。
【0030】
<筐体>
筐体2は、ゲーム装置1の各部材を設置または収納する機能を有する。図1に示すように、筐体2は、略直方体状に形成されているが、これに限定されない。筐体2は、1つの筐体で構成されていても(ツイン筐体)、各サブゲーム装置用のサブ筐体を連結して構成されていてもよい。また、筐体2の正面には、配出物100の配出口21、コイン投入口22、コイン返却口23が設けられている。配出口21から、後述の配出機構10で配出された配出物100が配出される。
【0031】
<操作部>
操作部3は、プレイヤがゲームを実行するために行う操作入力を受ける機能を有する。操作部3は、4つの押しボタン31と、長方形の2つの操作フィールド32とで構成されている。押しボタン31は、筐体2の上面の正面側に左右対称に設けられている。操作フィールド32は、筐体2の上面で、押しボタン31の奥側に設けられている。操作フィールド32の形状や位置は特に限定されず、それぞれ、棒状や円状、押しボタン31の間の位置や押しボタン31の手前の位置であってもよい。このような操作フィールド32は、プレイヤが配出物100を設置して、移動させることができるフィールドである。操作フィールド32は、後述する読取り部4が配出物100を読み取ることができるように構成されている。
【0032】
操作部3は、第1のサブゲーム装置1A用の第1のサブ操作部(第1の操作部)3Aと、第2のサブゲーム装置1B用の第2のサブ操作部(第2の操作部)3Bと、を含む。第1のサブ操作部3Aおよび第2のサブ操作部3Bは、独立して操作可能であり、同時に異なる操作入力を受けることができる。これにより、第1のサブゲーム装置1Aと、第2のサブゲーム装置1Bとで、別々の操作を実行することができる。
【0033】
<読取り部>
読取り部4は、操作フィールド32上に設置された配出物100の情報を読み取る機能を有する。読取り部4は、筐体2の内部で、操作フィールド32の下部に設けられている。このような読取り部4は、例えば、撮像装置(カメラ)と、赤外線光源とで構成されている。読取り部4の赤外線光源は、操作フィールド32の下側から配出物100の2次元コード101に赤外線を照射する。この状態で、撮像装置が配出物100の2次元コード101を撮像することにより、当該配出物100の2次元コード101に記録された情報を読み取ることができる。なお、読取り部4は、撮像装置が操作フィールド32を撮像できる限り、筐体2内のどこに配置されていてもよい。また、読取り部4は、撮像装置のみで構成されていてもよい。
【0034】
<スピーカ>
スピーカ5は、種々の音を出力する機能を有する。スピーカ5は、筐体2の上面奥部で、表示部6の下に設けられている。スピーカ5の数は、特に限定されず、1つでも2つ以上の複数であってもよい。本実施形態では、2つのスピーカ5が、各サブゲーム装置に対応する筐体2の上面奥部の両サイドに設けられている。スピーカ5が出力する音は、記憶部7に保存されている楽曲や効果音等を含む。
【0035】
<表示部>
表示部6は、ゲーム画像(所定の画像)を表示する機能を有する。表示部6は、図1に示すように、筐体2の上面上のスピーカ5上に設けられている。表示部6は、1枚の表示パネルで構成されているが、タッチパネルであってもよい。また、表示部6は、図1に示すように、四角形状に形成されているが、これに限定されず、円形状や三角形状に形成されていてもよい。
【0036】
表示部6は、ゲーム画像を表示する全画面領域61と、全画面領域61を囲む枠体62とを有する。全画面領域61は、個別領域611と、仕切領域612と、を含む。全画面領域61は、図5に示すように、表示部6全体にゲーム画像を表示する機能を有する。第1のサブゲーム装置1Aのプレイヤと、第2のサブゲーム装置1Bのプレイヤとが協力プレイまたは対戦プレイをするとき等に、ゲーム画像が全画面領域61に表示される。
【0037】
個別領域611は、第1のサブゲーム装置1A用のゲーム画像を表示する領域(第1の領域)611Aと、第2のサブゲーム装置1B用のゲーム画像を表示する領域(第2の領域)611Bとを含む。これらの領域611A、611Bは、図4、6に示すように、仕切領域612を介して、互いに同じ面積で構成される。これにより、プレイヤに一見して2つのゲーム装置があるように見せることができる。しかし、いずれか一方の領域の面積が他の領域の面積よりも小さく構成されていてもよい。例えば、対戦ゲームが実行されている場合、第1のサブゲーム装置1A用の領域611Aの面積が大きいと、第1のサブゲーム装置1A用のゲーム画像が大きく表示される。そのため、第1のサブゲーム装置1Aのプレイヤが優勢である印象をプレイヤに与えることができる。
【0038】
第1の領域611Aは、第1のサブゲーム装置1Aの第1のサブ操作部3Aに対応して設けられている。第1の領域611Aは長方形状に形成されているが、これに限定されない。第2の領域611Bは、第2のサブゲーム装置1Bの第2のサブ操作部3Bに対応して設けられている。第2の領域611Bは長方形状に形成されているが、これに限定されない。第1の領域611Aは、第2の領域611Bに表示される画像と同じ画像を表示しても、異なる画像を表示してもよい。また、第1の領域611Aと、第2の領域611Bとは、それぞれ独立して画像を表示することができる。
【0039】
仕切領域(第3の領域)612は、第1の領域611Aと、第2の領域611Bとを仕切る機能を有する。そのため、仕切領域612は、第1の領域611Aと、第2の領域611Bとの間に設けられている。仕切領域612の形状は特に限定されず、長尺状(図4)、矩形状、略台形状(図6)等であってもよい。仕切領域612の面積は、特に限定されず、第1の領域611Aや第2の領域611Bの面積よりも大きくても、小さくてもよい。仕切領域612は、複数の領域にさらに分割されていてもよい。
【0040】
例えば、図4に示すように、仕切領域612は、その短手方向に沿って分割されて、2つの仕切領域を有していてもよい。すなわち、仕切領域612は、第1の領域611A用の第1の仕切領域612Aと、第2の領域611B用の第2の仕切領域612Bとを有していてもよい。また、図6に示すように、仕切領域612は、その長手方向に沿って分割された2つの仕切領域を有していてもよい。すなわち、仕切領域612は、ゲーム画像用の第3の仕切領域612Cと、文字画像用の第4の仕切領域612Dとを有していてもよい。このようにすることで、仕切領域612に複数の画像、互いに異なる画像を表示させることができる。
【0041】
枠体62は、スピーカ5上に設けられている。枠体62は、矩形状に形成されているが、これに限定されない。例えば、枠体62は、円形状や楕円形状等のいかなる形状に形成されていてもよい。枠体62は、長辺の中央に、内側に凹没するように形成された接合部621を有する。この接合部621により、枠体が左右対称に形成される。したがって、第1のサブゲーム装置1A用のサブ表示部6Aと、第2のサブゲーム装置1B用のサブ表示部6Bのように、表示部6を2つの表示部に見せることができる。
【0042】
枠体62は、第1のサブゲーム装置1A用の第1枠部材62Aと、第2のサブゲーム装置1B用の第2枠部材62Bとを含んでもよい。図4~6に示されるように、第1枠部材62Aおよび第2枠部材62Bは、略「C」字状に形成されている。そして、第1枠部材62Aの一端および他端は、それぞれ、第2枠部材62Bの一端および他端と接して、接合部621を形成している。このような構成により、第1枠部材62Aと第2枠部材62Bとが接合部621を中心に左右対称に配置される。したがって、表示部6を2つの表示部に見せることができる。
【0043】
図4に示されるように、第1枠部材62Aの一端および他端は、互いに対向して設けられている。そのため、その一端から他端に向けて、第1の仕切領域612Aに枠体62の短辺の外観と同じ画像(仕切画像)を表示することができる。これにより、第1枠部材62Aと、仕切画像とで環状の枠部材(第1枠部材62A)を形成することができる。すなわち、仕切画像は、第1枠部材62Aと一体的に形成されているように見える。したがって、表示部6に個別のサブ表示部6Aがあることをプレイヤに認識させることができる。
【0044】
一方、第2枠部材62Bの一端および他端は、互いに対向して設けられている。そのため、その一端から他端に向けて、第2の仕切領域612Bに枠体62の短辺の外観と同じ画像(仕切画像)を表示することができる。これにより、第2枠部材62Bと、仕切画像とで環状の枠部材(第2枠部材62B)を形成することができる。すなわち、仕切画像は、第2枠部材62Bと一体的に形成されているように見える。したがって、表示部6に個別のサブ表示部6Bがあることをプレイヤに認識させることができる。
【0045】
このように、第1枠部材62Aと仕切画像とで、第1のサブゲーム装置1A用の枠体62を構成する。また、第2枠部材62Bと仕切画像とで、第2のサブゲーム装置1B用の枠体62を構成する。これにより、1つの枠体62を2つの枠部材62A、62Bに分けることができ、1つのゲーム装置1であるが、2つのゲーム装置がある印象をプレイヤに与えることができる。そして、第1枠部材62A(第1の領域611A)および第1のサブ操作部3Aと、第2枠部材62B(第2の領域611B)および第2のサブ操作部3Bは、仕切画像を中心軸に左右対称に配置されている。そのため、2つのゲーム装置がある印象をプレイヤにより与えることができる。
【0046】
<記憶部>
次に、記憶部7を説明する。記憶部7は、ゲームプログラムと、ゲームデータとを記憶する。ゲームプログラムは、ゲーム装置1にゲームを実行させるためのプログラムであり、ハードウェアとの協働によって実現される。また、ゲームデータは、ゲームに関連するデータであり、キャラクタデータ、音楽データ、画像データ、効果音データ等を含む。
【0047】
キャラクタデータは、キャラクタの名前、必殺技、武器、強さ、レアリティ、画像等のデータである。すなわち、キャラクタデータは、前述のキャラクタ情報に対応し、各キャラクタを互いに識別する識別情報である。音楽データは、スピーカ5から流れる楽曲データである。音楽データは、例えば、歌手の楽曲やゲームの楽曲等、複数の楽曲データを含んでいる。画像データは、ゲーム画像データである。ゲーム画像データは、例えば、キャラクタ画像、背景画像、各種エフェクト画像等のデータを含む。効果音データは、ゲームプレイ中に再生される音データであり、音楽データとは異なる。効果音データは、例えば、プレイヤの操作結果に応じて流れる評価音データを含む。
【0048】
記憶部7は、所定のイベントを記憶していてもよい。所定のイベントは、ボスキャラ登場イベント、ボーナスイベント、乱入バトルイベント等を含む。このような所定のイベントは、ゲーム画像を表示すべき表示領域と、表示領域を仕切る仕切画像と対応付けて記憶されている。例えば、ボスキャラ登場イベントAは、表示領域が全画面領域61のみであり、仕切画像がないように対応付けられている。また、ボスキャラ登場イベントBは、表示領域が個別領域611および仕切領域612であり、仕切画像がボスキャラBの画像と、「パワー20%」なる文字画像であるように対応付けられている。この時、仕切領域612は、図6に示すように、仕切画像を表示する。
【0049】
さらに、例えば、一のプレイヤが全画面領域61で第1のサブゲーム装置1Aでプレイしているときに、他のプレイヤが第2のサブゲーム装置1Bでプレイする場合、イベントが発動される。すなわち、第2のサブゲーム装置1Bの第2のサブ操作部3Bが他のプレイヤによる乱入バトルの操作入力を受けることにより、乱入バトルBのイベントが発動される。この時、乱入バトルBは、表示領域が個別領域611および仕切領域612であり、仕切画像がバー画像であるように対応付けられている。この時、仕切領域612は、図4に示すように、仕切画像を表示する。
【0050】
また、本実施形態では、後述する配出機構10の収容部11は、複数のストッカー111を有するため、記憶部7は、複数のストッカー111に関する情報(以下、「ストッカー情報」という)を記憶しておいてもよい。ストッカー情報としては、例えば、どのような種類の配出物100がストッカー111に収容されているかという情報や、ストッカー111に配出物100が無くなった情報等が挙げられる。ストッカー情報の具体例としては、例えば、下記表1~表3に示すものが挙げられる。
【0051】
表1
【0052】
上記表1では、第1~第2のストッカー111は、それぞれ、所定の枚数(例えば50枚)のメモリ用配出物100のみを収容するメモリ専用として機能する。また、第3~第5のストッカー111は、それぞれ、所定の枚数(例えば50枚)のレア配出物100のみを収容するレア配出物専用として機能する。また、第6~第10のストッカー111は、それぞれ、所定の枚数(例えば50枚)のノーマル配出物100のみを収容するノーマル配出物専用として機能する。また、上記表1では、第1のストッカー111には、50枚のメモリ用配出物100が残っており、第2のストッカー111には、50枚のメモリ用配出物100が残っている。また、第3~第5のストッカー111には、それぞれ50枚のレア配出物100が残っている。また、第6~第10のストッカー111には、それぞれ50枚のノーマル配出物100が残っている。
【0053】
表2

【0054】
上記表2では、第1~第2のストッカー111は、それぞれ、所定の枚数(例えば50枚)のメモリ用配出物100のみを収容するメモリ専用として機能する。また、第3~第10のストッカー111は、それぞれ、レア配出物100とノーマル配出物100とを所定の比率(表2ではレア配出物:ノーマル配出物=20:30)で収容するマルチストッカーとして機能する。この収容に関し、ストッカー111には、下から順番に、20枚のレア配出物100のセットに続いて、30枚のノーマル配出物100のセットが束になったシュリンクが収容されていてもよい。この場合、配出物100の残量によって、各ストッカー111が、どの種類の配出物100を収容しているかという情報を後述する制御部8の取得手段81が取得することができる。例えば、上記表2では、第4のストッカー111の配出物100の残量は30枚であるため、第4のストッカー111は、下から順番にセットされていた20枚のレア配出物100が無くなった状態であることを取得手段81が取得することができる。すなわち、第4のストッカー111は、ノーマル配出物100が30枚残った状態であり、ノーマル配出物専用になった状態であることを取得手段81が取得することができる。また、第5~第10のストッカー111の配出物100の残量は、50枚であるため、これらのストッカー111は、下から20枚のレア配出物100に続いて30枚のノーマル配出物100がある状態であることを取得手段81が取得することができる。すなわち、これらのストッカー111は、20枚のレア配出物100が無くなるまでは、レア配出物100専用である状態であることを取得手段81が取得することができる。
【0055】
表3
【0056】
上記表3では、第1~第2のストッカー111は、それぞれ、所定の枚数(例えば50枚)のメモリ用配出物100のみを収容するメモリ専用として機能する。また、第3~第8のストッカー111は、それぞれ、レア配出物100とノーマル配出物100とをランダムで収容するランダムストッカーとして機能する。また、第9のストッカー111は、所定の枚数(例えば50枚)のノーマル配出物100のみを収容するノーマル配出物専用として機能する。また、第10のストッカー111は、所定の枚数(例えば50枚)のレア配出物100のみを収容するレア配出物専用として機能する。また、上記表3の例は、各ストッカー111における配出物100の有無のみが記憶部7に記憶されている。このようなストッカー情報によっても、どのストッカー111が空の状態であるかという情報を取得手段81が取得することができる。
【0057】
上記表1~表3に示すストッカー情報は一例であり、ストッカー情報は、上述したものに限定されない。例えば、メモリ専用のストッカー111が無く、第1~第10のすべてのストッカー111に、レア配出物100およびノーマル配出物100がランダムにセットされたシュリンクが収容されていてもよい。なお、記憶部7がストッカー情報を記憶していない場合であっても、ゲーム装置1が設置された店舗従業員等が、ストッカー情報のように、実際のストッカー111に、各種の配出物100を収容することができる。
【0058】
また、後述する配出機構10の配出候補保持部131は、複数(本実施形態では第1~第50)の保持板1311を有するため、記憶部7は、複数の保持板1311に、メモリ用配出物100、レア配出物100またはノーマル配出物100をどのような割合で配置するかという情報(以下、「保持板割合情報」という)を記憶しておいてもよい。保持板割合情報としては、例えば、下記表4に示すものが挙げられる。
【0059】
表4
【0060】
上記表4に示す保持板割合情報は一例であり、保持板割合情報は、上述したものに限定されない。例えば、各保持板1311には、ノーマル配出物100のみが配置されていてもよく、レア配出物100のみが配置されていてもよい。
【0061】
<制御部>
次に、制御部8を説明する。制御部8は、ゲームの実行にかかる全ての機能を制御する。このような制御部8は、図3に示すように、取得手段81と、ゲーム処理手段82と、表示制御手段83と、音出力制御手段84と、動作制御手段85と、を有する。
【0062】
(取得手段)
取得手段81は、プレイヤによる操作入力の情報、配出物100のキャラクタ情報やゲーム情報等を取得する機能を有する。取得手段81は、プレイヤによる押しボタン31の押圧により、操作入力の情報を取得する。これは、第1のサブ操作部3Aと、第2のサブ操作部3Bとから操作入力の情報を同時に受けることができる。そのような操作入力の情報は、例えば、割り込みプレイに関する情報やキャラクタ選択に関する情報等を含む。また、取得手段81は、読取り部4が読み取ったキャラクタ情報等を取得する。その他、後述する通信部9を介して取得した種々の情報を取得する。
【0063】
また、取得手段81は、後述する検出部17によって検出された配出機構10の各部の位置情報等を取得する機能を有する。例えば、取得手段81は、複数のストッカー111のそれぞれの位置情報、複数の保持板1311のそれぞれの位置情報等を検出することができる。
【0064】
(ゲーム処理手段)
ゲーム処理手段82は、取得手段81が取得した情報やゲームの進行を処理する機能を有する。例えば、ゲーム処理手段82は、記憶部7に記憶されているゲーム画像の情報を決定し、表示制御手段83に提供する。ゲーム処理手段82は、音情報を決定し、音出力制御手段84に提供する。また、ゲーム処理手段82は、所定のイベントを決定し、発動する。このように、ゲーム処理手段82は、ゲーム全体の進行を処理する。
【0065】
ここで、ゲーム処理手段82による所定のイベントの決定は、ランダムに行われても、定期的に行われても、プレイヤによる操作入力を受けることにより行われてもよい。また、ゲーム処理手段82は、所定のイベントに対応する特定の仕切画像を特定することができ、当該仕切画像以外にも所定の画像を表示するよう決定することができる。
【0066】
また、ゲーム処理手段82は、プレイヤ情報(プレイヤの人数、各プレイヤに紐付けられたキャラクタ情報等)に応じて、配出候補となる配出物100を仮選択または選択することができる。また、ゲーム処理手段82は、どのような種類の配出物100が配出されたかを確認することができる。ゲーム処理手段82は、後述する配出候補保持部131に所定の枚数の配出物100があるかを確認することができる。さらに、ゲーム処理手段82は、配出候補保持部131に配置されている配出物100の枚数若しくは種類に基づいて、および/または配出された配出物100の種類に基づいて、ゲームの進行を処理してもよい。
【0067】
(表示制御手段)
表示制御手段83は、ゲームに関連する全ての画像の表示を制御する機能を有する。すなわち、表示制御手段83は、ゲーム処理手段82により提供されたゲーム画像情報の表示や仕切画像の表示を制御する。例えば、表示制御手段83は、図4に示すように、表示部6の第1の領域611Aと、第2の領域611Bとの両方に、独立してゲーム画像の表示を制御する。また、表示制御手段83は、図5に示すように、全画面領域61にゲーム画像の表示を制御する。また、表示制御手段83は、仕切領域612に、直線状の仕切画像(図4)、ゲーム画像や文字画像等の仕切画像(図6)の表示を制御する。このように、表示制御手段83は、表示部6の各領域に所定の画像を別々に表示するように、画像の表示を制御することができる。
【0068】
(音出力制御手段)
音出力制御手段84は、ゲームに関連する全ての音、楽曲の出力を制御する。具体的に、音出力制御手段84は、ゲーム処理手段82により決定された楽曲や音の出力を制御する。音出力制御手段84がスピーカ5に音や楽曲情報を提供することにより、スピーカ5が音や楽曲を出力することができる。
【0069】
(動作制御手段)
動作制御手段85は、配出機構の各部の動作を制御する機能を有する。例えば、動作制御手段85は、後述する第1の動作部12、第2の動作部13および押出機構14を、それぞれ独立して制御することができる。例えば、第1の動作部12および第2の動作部13が回転するように構成されている場合、動作制御手段85は、第1の動作部12および第2の動作部13を、同時にまたは別々に、回転させることができる。なお、回転方向は、時計周りまたは反時計周りのどちらの方向であってもよい。また、動作制御手段85は、これらの回転速度を自在に変更可能であってもよい。
【0070】
また、動作制御手段85は、後述する配出機構10の配出物100の配出に関する処理を制御する機能を有する。例えば、動作制御手段85は、保持板割合情報(例えば上述した表4に示した割合)に基づいて、後述する第1~第50の保持板1311に、各種の配出物100を配置するように、第1の動作部12、第2の動作部13および押出機構14を、それぞれ独立して制御することができる。
【0071】
<通信部>
通信部9は、有線または無線を介して、外部のネットワーク(LAN、WAN、インターネット等)またはデバイスと通信を行う機能を有する。本発明のゲーム装置1は、通信部9を介して、他のゲーム装置や情報端末等の他の装置とデータ通信してもよい。例えば、通信部9は、他の装置と通信を行い、音楽データやゲームプログラムを入手することができる。これにより、ゲームプログラムがアップデートされ、最新のゲームを提供することができる。なお、ゲーム装置1は、通信部9を有していなくてもよい。
【0072】
<配出機構>
さて、本発明のゲーム装置1は、ゲームの結果に応じて、配出物100を効率的に配出することができる配出機構10を有する。配出機構10は、本発明の配出機構の一例である。以下、配出機構10の構成を、添付図面に示す好適な実施形態に基づいて詳細に説明する。
【0073】
A.配出機構の構成
図7は、本発明の第1実施形態にかかるゲーム装置の内部構成を模式的に示す図である。図8は、本発明の第1実施形態にかかるゲーム装置に設けられた配出機構を後方(その背面)から見たときの部分分解斜視図である。図9は、本発明の第1実施形態にかかるゲーム装置に設けられた配出機構が備える収容部のストッカーを示す部分分解斜視図である。図10(a)は、本発明の第1実施形態にかかるゲーム装置に設けられた配出機構が備える収容部の足部の正面図であり、図10(b)は、本発明の第1実施形態にかかるゲーム装置に設けられた配出機構が備える収容部の足部の側面図であり、図10(c)は、本発明の第1実施形態にかかるゲーム装置に設けられた配出機構が備える収容部の足部の斜視図である。図11は、本発明の第1実施形態にかかるゲーム装置に設けられた配出機構が備える第1の動作部、収容部および押出機構の部分分解斜視図である。図12は、本発明の第1実施形態にかかるゲーム装置に設けられた配出機構が備える第2の動作部の部分分解斜視図である。図13は、本発明の第1実施形態にかかるゲーム装置に設けられた配出機構が備える押出機構の主要部の斜視図である。
【0074】
図7では、筐体2の前扉が開いており、筐体2の内部に配置されていた配出機構10を左前方に移動させた状態が示されている。なお、筐体2の内部には、例えば、コインを収容するケースや、ゲーム装置1のCPU等が収容されるが、説明の都合上、省略している。
【0075】
図7および図8に示すように、配出機構10は、収容部11と、第1の動作部12と、第2の動作部13と、押出機構14と、配出誘導部15と、撮像部16と、検出部17と、台座部18と、を有する。
【0076】
(収容部)
収容部11は、複数の配出物100を収容する機能を有する。本実施形態では、図7に示すように、収容部11は、複数のストッカー111、すなわち、第1~第10のストッカー111を備えている。ストッカー111は、タワー状をなし、複数の配出物100を収容可能に構成されている。収容部11が複数の収容部として複数のストッカー111を備えていることにより、複数のストッカー111ごとに、各種の配出物100を所定の割合で収容することもできる。このため、後述する配出候補保持部131に配置する配出物100の種類の割合を調整することができ、ゲームの結果に応じて、配出物100を効率的に配出することができる。
【0077】
なお、ストッカー111の数は、本実施形態では10個であるが、これに限定されない。ストッカー111の数は、2個以上であることが好ましく、3個以上であることがより好ましい。また、各ストッカー111に収容可能な配出物100の枚数は特に限定されず、例えば、50枚とすることができる。複数のストッカー111は、それぞれ、例えば前述したストッカー情報で説明したように、異なる種類の配出物100を収容していてもよい。
【0078】
図9に示すように、各ストッカー111は、本体部112と、足部113と、を備えている。本体部112は、配出物100の形状に対応するように、丸角の筒状をなしている。また、本体部112は、その1つの側面に、切欠き部112Aを有する。切欠き部112Aを介して、例えば手の一部(指)が本体部112の内部に挿入可能である。これにより、複数の配出物100を、手で支持しつつストッカー111に容易に収容することができる。また、例えば、筐体2の前扉を開けた時に、収容された配出物100を目視することもできるため、ゲーム装置1の管理を行い易いという利点もある。これにより、ストッカー111に配出物100が全く収容されていない状態を回避することができ、ゲームの結果に応じて、配出物100を効率的に配出することをより確実に行うことができる。
【0079】
本体部112は、その長手方向に沿った外周面の各辺に、4つの梁部1121を有する。梁部1121は本体部112の長手方向全体にわたって形成されており、梁部1121の下端部は、足部113と篏合するように構成されている。
【0080】
図9および図10に示すように、足部113は、基部1131と、基部1131の上側に設けられた枠状部1132と、基部1131の内側で支持されるように設けられた底板部1133と、を有する。
【0081】
基部1131は、上開放の箱状をなし、前面1131a、後面1131a’、右側面1131bおよび左側面1131b’を有する(図10(a)および図10(b))。前面1131aおよび後面1131a’に対応する基部1131の上端は、枠状部1132を支持するように、形成されている。一方、右側面1131bおよび左側面1131b’に対応する基部1131の上端は、底板部1133が傾斜して突出可能に、形成されている。
【0082】
また、基部1131は、後面1131a’の内側上方に、溝部113Aを有する。溝部113Aは、配出物100の側部や、底板部1133の側部と接触する部分であり、これらとの摩擦を低減する機能を有する。このように、溝部113Aは、配出物100を効率よく配出候補保持部131に送り出すことに寄与する。
【0083】
枠状部1132は、本体部112の梁部1121の下端部と篏合するように、基部1131から張り出すように形成されている。また、枠状部1132は、本体部112の切欠き部112Aと対応するスリット部113Dを有する(図9)。図9および図10(c)に示されるように、スリット部113Dは、底板部1133に隣接して設けられている。このため、スリット部113Dを介して、底板部1133に接する配出物100の位置ずれを直すこと等を行うことができ、ゲーム装置1の管理を容易にすることができる。これにより、収容部11での配出物100の目詰まりを抑制または防止することができ、ゲームの結果に応じて、配出物100を効率的に配出することをより確実に行うことができる。このようなスリット部113Dの位置は、切欠き部112Aと対応するように設けられていればよい。このため、ストッカー111が第1の動作部12に設けられた状態で、切欠き部112Aおよびスリット部113Dが、外側(基部1131の左側面1131b’に対応する位置側)に設けられていてもよい。これにより、複数のストッカー111が併設されている場合であっても、上述した効果をより顕著に発揮することができる。
【0084】
さらに、枠状部1132は、左右の辺に対応して設けられた長スカート部1132aおよび短スカート部1132a’を有している。すなわち、枠状部1132は、基部1131の右側面1131bに対応する一辺から下方に向かって設けられた長スカート部1132aと、基部1131の左側面1132b’に対応する一辺から下方に向かって設けられた短スカート部1132a’と、を有している。
【0085】
長スカート部1132aの下端は、後述の底板部1133の傾斜に対応するように、ストッカー111が第1の動作部12に垂直に設けられた状態で、第1の動作部12に対して角度付けされている(図10(b))。また、図10(b)に示されるように、長スカート部1132aの下端と、底板部1133との間に、間隙113Bが形成されている。間隙113Bを介して、後述する第1の押出部(配置用押出部材)144が、底板部1133上に設けられた配出物100を、後述する配出候補保持部131に向けて押し出すことができる。
【0086】
一方、短スカート部1132a’の下端も、後述の底板部1133の傾斜に対応するように、第1の動作部12に対して角度付けされている。また、短スカート部1132a’の下端と、底板部1133との間に、間隙113Cが形成されている。間隙113Cは、間隙113Bよりも大きく、押し出された配出物100を配出候補保持部131に確実に送り出すことができる。
【0087】
底板部1133は、配出物100を支える機能を有する。底板部1133は、基部1131の前面1131aの上端部から、後面1131a’の中段付近に向かって傾斜して形成されている。すなわち、ストッカー111が第1の動作部12に垂直に設けられた状態で、底板部1133は、第1の動作部12に対して角度付けされている。この傾斜角度は、第1の動作部12の載置部121の上面に対して、例えば10°~45°の範囲であることが好ましく、15°~30°の範囲であることがより好ましい。この傾斜角度は、後述する保持板1311の傾斜角度と対応(好ましくは一致)するように設定されている。これにより、押し出された配出物100を配出候補保持部131に確実に送り出すことができる。また、このような構成の底板部1133は、配出物100を傾斜した状態で支えることができ、その傾斜した分、ストッカー111の幅を小さくすることができる。その結果、機構自体を小型化することができる。これにより、装置に必要なコストを低減することができる。なお、各部材の傾斜角度が対応または一致するとは、各部材同士が、配出機構10として組み合わされた状態における角度を意味する。また、各部材の傾斜角度が対応または一致するとは、ゲーム装置1を設置面(例えば地面、床面)に設置した状態において、当該設置面に対する各部材の傾斜角度がそれぞれ対応または一致することを意味していてもよい。対応または一致する傾斜角度を有する各部材は、対応する傾斜構造を有するということもできる。
【0088】
なお、底板部1133は、ストッカー111が第1の動作部12に垂直に設けられた状態で、かつ配出物100を支えていない状態において、第1の動作部12に対して平行に設けられ、配出物100の重みで下方向に所定の角度だけ可動するように構成されていてもよい。つまり、底板部1133は、バネ等により弾性的に付勢され、傾動するように構成されていてもよい。このように、底板部1133が傾動するように構成されている場合、各ストッカー111自体を、第1の動作部12の載置部121の上面に対して一定の角度(例えば45°~80°)で、角度付けるように設置することが好ましい。当該角度は、ストッカー111が第1の動作部12に設置された状態において、載置部121の上面と、この上面に対向するストッカー111(本体部112)の側面とによって形成される角度を意味する。これにより、配出物100自体の重みによって底板部1133(および底板部1133に接する配出物100)にかかる力が軽減される。このため、配出物100を支えた状態の底板部1133を、第1の動作部12の載置部121の上面に対して所定の角度(例えば10°~45°)で傾斜させつつ、底板部1133に接する配出物100を配出候補保持部131へ円滑に送り出すことができる。
【0089】
また、底板部1133は、基部1131の右側面1131bおよび左側面1132b’を越えて、足部113の左右方向に突出している(図10(a))。そして、右側面1131b側で突出している底板部1133の端部は、その厚みが漸減する漸減部1133aを有している。これにより、第1の押出部144を円滑に底板部1133の上面へ導くことができ、底板部1133上に設けられた配出物100を確実に押し出すことができる。
【0090】
このように、収容部11の各ストッカー111に収容された配出物100は、底板部1133に接する配出物100から順次、第1の押出部144を足部113に間隙113Bを介して挿入することにより、押し出され、配出候補保持部131へと送り出される。足部113は、図11に示すように、その底面を介して、第1の動作部12に接続されている。
【0091】
(第1の動作部)
第1の動作部12は、収容部11が設けられた状態で、後述する第2の動作部13に対して動作する機能を有する。本実施形態では、第1の動作部12は、円盤状に形成された載置部121と、載置部121を駆動させるための第1のモーター(図中では、説明の都合上、モーターの一部である第1の固定子および第1の軸受が記載されている)122とを備えている。
【0092】
載置部121は、各種部材を載置する機能を有し、その外周端部には、周方向に沿って各ストッカー111が載置されている。換言すれば、複数の収容部として複数のストッカー111が、第1の動作部12上に円環状に設けられている。さらに、載置部121の外周端部には、後述する第2の押出部(一対の押出部)145が設けられているが、これらの説明は、後述する。また、載置部121は、その中心部を介して、第1のモーター122の軸を挿通可能に構成されている。これにより、第1の動作部12は、第1のモーター122の駆動力により、回転することができる。したがって、第1の動作部12は、載置部121に円環状に設けられた収容部11を周方向に沿って効率よく移動させることができる。これにより、ゲームの結果に応じて、配出物100を効率的に配出することができる。また、載置部121が円盤状に形成されているため、第1の動作部12の動作(回転)を効率よく行うことができる。このように、載置部121は、第1の動作部12の動作に対応して形成されていることが好ましい。例えば、第1の動作部12が直線的に動作する場合、載置部121は、長方形状に形成されてもよい。
【0093】
なお、複数のストッカー111への配出物100の収容、補充は、基本的には、配出機構10が筐体2の内部に配置された状態で行われる。この状態で、筐体2の内部の奥にあるストッカー111に配出物100を補充することは困難であるが、収容部11が設けられた第1の動作部12が回転するので、配出物100の補充を容易に行うことができる。かかる第1の動作部12の回転を自動で行うための動作ボタンが、配出機構10の台座部18等に別途設けられてもよい。これにより、より容易に配出物100の補充を行うことができる。なお、ストッカー111が、取り外し可能に、載置部121に設けられていてもよい。これにより、収容部11への配出物100の補充をさらに容易に行うことができる。
【0094】
(第2の動作部)
第2の動作部13は、収容部11から送り出された配出候補となる複数の配出物100を保持した状態で動作する機能を有する。図12に示されるように、第2の動作部13は、配出候補保持部131と、配列部132と、アーム状支持部133と、第2のモーター(図中では、説明の都合上、モーターの一部である第2の固定子および第2の軸受が記載されている)134と、を備えている。
【0095】
配出候補保持部131は、配出候補となる複数の配出物100を保持する機能を有する。配出候補保持部131は、複数(本実施形態では50個)の配出候補を保持する保持板1311を含んでいる。すなわち、複数の保持板1311のそれぞれが、配出候補となる配出物100を保持する。配出候補保持部131によって、保持される配出候補となる配出物100の数が多いほど、配出機構10が、オンデマンドのように配出物100を配出する効果を高めることができる。
【0096】
各保持板1311は、配出物100を配置する、鍬状の配置面1311aを有する。配置面1311aは、その中心部を介して、一方の側に延在する3つの配置領域1311aと、他方の側に延在する2つの配置領域1311aとを有する。このような配置領域を有する構成により、配置面1311aと配出物100の表面との接触面積が低減され、保持板1311への配出物100の配置、および保持板1311からの配出物100の配出(払出)を円滑に行うことができる。
【0097】
また、このように反対方向に延在している5つの配置領域1311aのそれぞれの先端には、上方に向かって屈曲している屈曲部1311bが設けられている。このような屈曲部1311bを保持板1311が有することにより、保持板1311が傾斜した状態であっても、配出物100を屈曲部1311bで支持することができる。このため、保持板1311は、傾斜した状態で、配出物100を確実に保持することができる。各保持板1311は、配列部132に設けられている。
【0098】
配列部132は、保持板1311を配列し、載置する機能を有する。配列部132は、円環状をなし、その内径は、第1の動作部12を囲むように、第1の動作部12の載置部121の内径よりも大きい。複数の保持板1311は、隣接する保持板1311同士が互いに一部重なるように、配列部132の上面に配列している。この配列した状態において、複数の保持板1311は、配列部132の上面に対して、所定の角度だけ傾斜している。この傾斜角度は、配列部132の上面に対して、例えば10°~45°の範囲であることが好ましく、15°~30°の範囲であることがより好ましい。これにより、配列部132の上面に配出物100を平置きする場合(該上面に対する角度が無い場合)に対して、より多くの保持板1311を設けることができる。このようにより多くの配出候補を保持しておくことにより、配出機構10が、オンデマンドのように配出物100を配出する効果を高めることができ、ゲームの結果に応じて、配出物100を効率的に配出することができる。
【0099】
この配列部132の上面に対する保持板1311の傾斜角度と、前述した第1の動作部12の載置部121の上面に対する底板部1133の傾斜角度とは、対応(好ましくは一致)している。このように、複数の保持板1311のそれぞれは、底板部1133の傾斜角度に対応するように角度付けされている。これにより、第1の動作部12に設けられたストッカー111から、保持板1311へ配出物100を円滑かつ確実に送り出すことができる。
【0100】
アーム状支持部133は、配列部132を支持する機能を有する。アーム状支持部133は、5本のアーム1331を備え、各アームの先端に、支持板1332が設けられている。各支持板1332の上面に、配列部132の底面が当接することにより、配列部132がアーム状支持部133に支持される。アーム状支持部133を介して、第2のモーター134の駆動力が配列部132に伝わり、配出候補保持部131が動作(本実施形態では回転)する。
【0101】
本実施形態では、第2の動作部13は、第1の動作部12を囲むように設けられている。このため、第1の動作部12と第2の動作部13とが、互いに隣接して回転することができる。これにより、第1の動作部12に設けられた複数のストッカー111の所定のストッカー111と、複数の保持板1311の所定の保持板1311とを、効率よく対応させることができ、所定のストッカー111の配出物100を、所定の保持板へと円滑かつ確実に送り出すことができる。このように、第1の動作部12が、第2の動作部13に対して、効率よく動作することができるので、ゲームの結果に応じて、配出物を効率的に配出することができる。
【0102】
(押出機構)
押出機構14は、配出物100を押し出す機能を有する。具体的には、収容部11に収容された配出物100を配出候補保持部131へ押し出す機能と、配出候補保持部131に保持された配出物100を配出誘導部15へ押し出す機能とを有する。このように、押出機構14は、配出物100を、収容部11から配出候補保持部131へ、さらに、配出候補保持部131から配出誘導部15へと送り出すように構成されている。このように、各部間で配出物100を送り出す機能を発揮できる限り、押出機構14の構成は特に限定されない。すなわち、押出機構14は、配出物送出部として機能する構成を有していればよい。このような押出機構14は、第3の動作部ということもできる。
【0103】
図13に示すように、押出機構14は、搭載板141と、第3のモーター142と、弾性ベルト部材143と、第1の押出部(配置用押出部材)144と、を備えている。さらに、押出機構14は、第2の押出部(一対の押出部)145を有している(図11)。
【0104】
搭載板141は、小型の円盤状をなし、各種の部材を載置する機能を有する。搭載板141の直径は、第1の動作部12の載置部121の直径よりも小さく、搭載板141は、第1の動作部12の軸とは別の軸によって支持されるように、載置部121の中央部に設置されている。これにより、搭載板141は、第1の動作部12が動作する時も固定された状態である。このため、搭載板141上の各部材は、第1の動作部12の動作に影響されない。このように、本実施形態では、押出機構14の搭載板141は、固定されているが、動作可能、例えば、回転可能であってもよい。
【0105】
第3のモーター142は、張架された弾性ベルト部材143を介して、第1の押出部144を駆動する機能を有する。第3のモーター142の駆動力で弾性ベルト部材143が回動するように動作すると、第1の押出部144を左右、すなわち直線上の2方向に動作させることができる。本実施形態では、第1の押出部144は、一斉に動作するが、第1の押出部144が、その両端部ごとに独立して動作するように構成されていてもよい。例えば、第1の押出部144の一端部が動作する時、他端部が停止していてもよく、これらが、同時に、別々の方向に動作してもよい。
【0106】
弾性ベルト部材143は、第3のモーター142の駆動力を、第1の押出部144に伝達する機能を有する。弾性ベルト部材143の構成は、このような機能を発揮できる限り、特に限定されない。例えば、弾性ベルト部材143は、その内側面が平面で構成されていてもよく、所定のピッチで配設された複数の凸部を有していてもよい。
【0107】
第1の押出部144は、収容部11に収容された配出物100が、配出候補保持部131へ配置されるように、配出物100を押し出す機能を有する。第1の押出部144の両端部は、配出物100を押し出すことが可能な寸法を有する2枚の板状部材144a、144bで構成されている。2枚の板状部材144a、144bは、竹とんぼの羽のごとく、共通の軸を有し、かつ互いに異なる方向を向いた状態で、搭載板141の上面に対して、所定の角度だけ傾斜して設けられている。この傾斜角度は、搭載板141の上面に対して、例えば10°~45°の範囲であることが好ましく、15°~30°の範囲であることがより好ましい。
【0108】
この第1の押出部144の傾斜角度と、前述した配列部132の上面に対する保持板1311の傾斜角度と、前述した第1の動作部12の載置部121の上面に対する底板部1133の傾斜角度とは、対応(好ましくは一致)している。これにより、第1の押出部144は、ストッカー111に収容された配出物100を押し出し、保持板1311に送り出すことを確実に行うことができる。
【0109】
次に、第2の押出部145について説明する。第2の押出部145は、第1の押出部144によって押し出されることにより、保持板1311に保持された配出物100を配出誘導部15へ押し出す機能を有する。第2の押出部145は、載置部121において、互いに離間して設けられている。より具体的には、第2の押出部145は、同一直線上に離間して設置されている。すなわち、第1の動作部12において、円盤状の載置部121の直径に沿って、第2の押出部145が2つ設置されている。また、これらの第2の押出部145は、周方向に沿って、複数のストッカー111と連続して設けられている。このような構成とすることにより、第1の動作部12の動作を制御すれば、第2の押出部145と複数のストッカー111との位置決めを行うことができる。このように、複数の部材の位置決めを効率的に行うことができる。
【0110】
第2の押出部145は、図11に示すように、レール部材1451と、当接部材1452と、配出用押出部材1453とを備えている。この配出用押出部材1453は、当接部材1452とともに、載置部121の中心に向かって付勢された状態で、レール部材1451上に設置されている。また、第1の押出部144は、第2の押出部(一対の押出部)145の間に設けられている。このため、第1の動作部12の載置部121が回転することにより、配出用押出部材1453が、第1の押出部144の板状部材144aまたは144bと隣接して位置する。この状態から、第1の押出部144が、当接部材1452に当接することにより、配出用押出部材1453が、保持板1311に向かって押し出される。
【0111】
このように、第2の押出部145は、第1の押出部144によって押し出されることにより、その機能を発揮する。この機構を確実に発揮させるように、第2の押出部145と、第1の押出部144とを対応(これらを同一直線上に位置)させることが好ましい。本実施形態では、2つの第2の押出部145が互いに離間して第1の動作部12に設けられ、さらに第1の押出部144が2つの第2の押出部145の間に設けられている。これにより、2つのうちのどちらか一方の第2の押出部145を、第1の押出部144に対応(これらを同一直線上に位置)させれば、その機能を確実に発揮させることができる。したがって、第2の押出部145の機能を効率的に発揮させることができる。なお、第2の押出部145は、自ら駆動するように、専用のモーターを備えていてもよい。この場合、第1の押出部144を第3の動作部といい、第2の押出部145を第4の動作部といってもよい。
【0112】
第2の押出部145の各配出用押出部材1453は、前述した第1の押出部144の2枚の板状部材144a、144bと同様に、載置部121の上面に対して、所定の角度だけ傾斜して設けられている。この傾斜角度は、載置部121の上面に対して、例えば10°~45°の範囲であることが好ましく、15°~30°の範囲であることがより好ましい。
【0113】
この配出用押出部材1453の傾斜角度と、前述した配列部132の上面に対する保持板1311の傾斜角度と、前述した載置部121の上面に対する第1の押出部144の傾斜角度および底板部1133の傾斜角度とは、対応(好ましくは一致)している。これにより、第1の押出部144によって、ストッカー111に収容された配出物100を押し出し、保持板1311に送り出すことに加え、第1の押出部144によって、第2の押出部145を介して、保持板1311に保持された配出物100を押し出し、配出誘導部15へ配出する(払い出す)ことを確実に行うことができる。このように、対応して動作する複数の動作部において、複数(少なくとも2つ)の部材同士の傾斜角度が対応(好ましくは一致)していることにより、配出物100を効率的に配出することができる。換言すれば、複数の部材同士が、対応する傾斜構造を有することにより、配出物100を効率的に配出することができる。
【0114】
(配出誘導部)
配出誘導部15は、保持板1311から押し出された配出物100を、配出口21に誘導する機能を有する。本実施形態では、ゲーム装置1が2イン1構成であるため、配出誘導部15は2つ設けられている。ゲーム装置1の構成に応じて、配出誘導部15の数は適宜選択され得る。本実施形態では、2つの配出誘導部15は、配出機構10の両側で、配出候補保持部131に隣接して設けられている。各配出誘導部15は、ゲート部151と、配出路152と、有している。
【0115】
ゲート部151は、配出候補保持部131から配出誘導部15へ押し出された配出物100を配出路152に確実に導く機能を有する。そのような機能を有する限り、その構成は特に限定されない。本実施形態では、ゲート部151は、図8に示されるように、配出候補保持部131に隣接して設けられているが、ゲート部151の一部が、配出候補保持部131の上方を覆うように構成されていてもよい。換言すれば、配出誘導部15が、配出候補保持部131の上方に、覆部を有していてもよい。これにより、保持板1311から押し出された配出物100が、配出路152以外の部分へ逃げ出すことを防止することができる。
【0116】
なお、ゲート部151には、配出物100がそこを通過したことを検知するゲートセンサが設けられていてもよい。これにより、検出部17が配出物100の配出の異常等を検出することができ、異常が発生した場合に、取得手段81により異常情報が取得され、ゲーム処理手段82がゲームを一時中断することもできる。その結果、配出物を効率的に配出することができる。
【0117】
配出路152は、ゲート部151を通過した配出物100を配出口21まで誘導する機能を有する。その機能を有する限り、配出路152の構成は特に限定されない。本実施形態では、配出路152は、配出物100が、その自重により配出口21まで滑り落ちるように傾斜する傾斜面を有するように構成されている。
【0118】
(撮像部)
撮像部16は、保持板1311に保持されている配出物100の識別情報を読み取る機能を有している。すなわち、撮像部16は、識別情報読取部として機能する。撮像部16は、配列部132の上方に設けられたカメラ161を有する。なお、保持板1311の配置面1311aに、識別コード(例えばマイクロQRコード)が付されている場合、撮像部16は、当該識別コードを読み取ることもできる。
【0119】
具体的には、配出物100がストッカー111から保持板1311へ送り出された後、当該保持板1311が撮像部16の下方に位置するように、第2の動作部13が回転する。これにより、カメラ161は、当該保持板1311の上方から、配出物100の識別情報を読み取ることができる。また、保持板1311の配出物100が払い出された後、当該保持板1311が撮像部16の下方に位置するように、第2の動作部13が回転する。これにより、カメラ161は、当該保持板1311(配置面1311a)の識別コードを読み取ることもできる。これに関し、撮像部16が、配出物100の識別情報および配置面1311aの識別コードのいずれも読み取ることができない場合、取得手段81により異常情報が取得され、ゲーム処理手段82がゲームを一時中断することもできる。
【0120】
カメラ161の種類は、特に限定されず、可視光カメラ、赤外線カメラ、フルスペクトルカメラ等が挙げられる。本実施形態では、カメラ161は赤外線カメラで構成されている。
【0121】
(検出部)
検出部17は、配出機構10の状態(例えば、各部の位置情報や、各ストッカー111に収容されている配出物100の枚数情報等)を検出、感知する機能を有する。例えば、検出部17は、第1の動作部12に設けられた各ストッカー111および第2の押出部145の位置情報、ならびに第2の動作部13に設けられた各保持板1311の位置情報を検出することができる。これらの位置情報を検出するために、本実施形態では、検出部17は、第1~第4のセンサ171~174を有する。
【0122】
具体的に、検出部17は、各ストッカー111のうち、基準となるストッカー111を検出するための第1のセンサ(インデックスセンサ)171と、基準となるストッカー111から順番に各ストッカー111の位置情報を検出するための第2のセンサ172とを有する(図8図13)。図8および図13に示されるように、第1のセンサ171および第2のセンサ172は、押出機構14の搭載板141に設けられている。
【0123】
また、検出部17は、各保持板1311のうち、基準となる保持板1311を検出するための第3のセンサ(インデックスセンサ)173と、基準となる保持板1311から順番に各保持板1311の位置情報を検出するための第4のセンサ174とを有する(図8)。図8では、第3のセンサ173および第4のセンサ174は、各保持板1311の下方から、各保持板1311の位置情報を検出可能に配置されている。
【0124】
第1~第4のセンサ171~174は、それぞれ、反射型の光電センサ、透過型の光電センサ、磁気センサ、赤外線センサ、近接センサ、機械式の接触センサ等のいずれのセンサであってもよい。なお、第1~第4のセンサ171~174の種類、個数、設置位置は、その機能を発揮できる限り、特に限定されない。また、検出部17は、ストッカー111に収容されている配出物100の数を検出するための第5のセンサを備えていてもよい。第5のセンサは、ストッカー111の本体部112の切欠き部112Aを介して、配出物100の数を検出するように構成され、例えば、ストッカー111に収容されている配出物100が、所定の数以上であるか、所定の数以下であるかを検出することができる。これにより、配出物100の補充(入替)が容易となる。このような第5のセンサの設置位置や数は、切欠き部112Aの位置に応じて調整すればよい。
【0125】
(台座部)
台座部18は、上述した収容部11と、第1の動作部12と、第2の動作部13と、押出機構14と、配出誘導部15と、撮像部16と、検出部17と、台座部18と、を支持する機能を有する。また、台座部18には、第1のモーター122、第2のモーター134、ゲーム装置1の記憶部7等を収納する機能を有していてもよい。台座部18は、このような機能を発揮できれば、どのような形状、構成であってもよい。
【0126】
B.配出機構の動作方法
次に、本発明の配出機構の動作方法を説明する。図14は、本発明の第1実施形態にかかるゲーム装置における配出物の配置方法を示すフローチャートである。図15は、本発明の第1実施形態にかかるゲーム装置の処理を示すフローチャートである。図16は、本発明の第1実施形態にかかるゲーム装置における配出物の補充方法を示すフローチャートである。図17は、本発明の第1実施形態にかかるゲーム装置に設けられた配出機構が備える押出部、収容部および配出候補保持部を模式的に示す平面図である。図18は、本発明の第1実施形態にかかるゲーム装置に設けられた配出機構が備える押出部、収容部、配出候補保持部および配出路を模式的に示す平面図である。なお、図17および図18中、説明を容易にするために、部材の一部(配出物100等)を省略している。
【0127】
(1)配出物の配置方法
表1、表4、図14および図17を参照して、配出候補保持部131に配出物100が全く配置されていない状態(初期状態)において、収容部11の第1~第10のストッカー111に収容されている配出物100を、配出候補保持部131の第1~第50の保持板1311に配置する制御の一例について説明する。なお、前述したように、記憶部7は、ストッカー情報および保持板割合情報を、記憶していてもよいし、記憶していなくてもよいが、以下の説明では、記憶部7がこれらの情報を記憶している場合について説明する。
【0128】
まず、初期状態において、配出物100の配置を開始する(S100)。この際、取得手段81は、記憶部7に記憶されているストッカー情報から、特定のストッカー情報(例えば表1に示すストッカー情報)を取得する。
【0129】
そして、検出部17は、第1~第10のストッカー111および第2の押出部145の位置情報を検出する(S101)。例えば、検出部17は、第1のセンサ171により、基準となるストッカー111の位置情報(インデックス情報)を検出するとともに、第2のセンサ172により、基準となるストッカー111から順番に、各ストッカー111の位置情報(インデックスに対する位置)および第2の押出部145の位置情報(インデックスに対する位置)を検出する。これにより、取得手段81は、第1~第10のストッカー111および第2の押出部(一対の押出部)145の位置情報を取得することができる。なお、各ストッカー111および第2の押出部145の位置情報の検出方法は、これに限定されない。また、検出された位置情報は、記憶部7に記憶される。
【0130】
同様に、検出部17は、第1~第50の保持板1311の位置情報を検出する(S102)。例えば、検出部17は、第3のセンサ173により、基準となる保持板1311の位置情報(インデックス情報)を検出するとともに、第4のセンサ174により、基準となる保持板1311から順番に、各保持板1311の位置情報(インデックスに対する位置)を検出する。これにより、取得手段81は、第1~第50の保持板1311の位置情報を取得することができる。各保持板1311の位置情報の検出方法は、これに限定されない。また、検出された位置情報は、記憶部7に記憶される。
【0131】
検出部17が各ストッカー111および第2の押出部145の位置情報ならびに各保持板1311の位置情報を検出した後、動作制御手段85は、保持板割合情報(例えば上述した表4に示した割合)に基づいて、第1~第50の保持板1311に、メモリ用配出物100、レア配出物100またはノーマル配出物100を配置する。
【0132】
このために、まず、動作制御手段85は、メモリ用配出物ストッカー(例えば表1中の第1のストッカー111)からメモリ用配出物100を押し出し(S103)、所定の保持板1311(例えば表4中の第1の保持板1311)に配置する。
【0133】
ステップ103について、図17を参照して具体的に説明する。動作制御手段85は、第1の動作部12および第2の動作部13の動作をそれぞれ独立して制御することにより、所定のストッカー111(例えば表1中の第1のストッカー111)と、所定の保持板1311(例えば表4における第1の保持板1311)とをそれぞれ、第1の押出部144の一方の端部である板状部材144aまたは144bに対応するように配置する。
【0134】
図17では、板状部材144aの長手方向に沿うように、第1のストッカー111と、第1の保持板1311とが配置されている。これにより、板状部材144aの長手方向と、板状部材144aに隣接する第1のストッカー111に設けられた底板部1133の長手方向と、第1のストッカー111に隣接する第1の保持板1311の長手方向とが一致する。換言すれば、第1のストッカー111を介して互いに隣接する、板状部材144a、第1のストッカー111の底板部1133および第1の保持板1311のそれぞれの長手方向を、一致させることができる。
【0135】
その結果、第1のストッカー111は、板状部材144aに対応する位置(板状部材144aが、第1のストッカー111に収容された配出物100を押出可能な位置)に移動した状態となる。また、第1の保持板1311は、第1のストッカー111から押し出された配出物100を受け取ることができる位置に移動した状態となる。
【0136】
この状態で、動作制御手段85が、押出機構14の動作を制御することにより、第1の押出部144の板状部材144aが第1のストッカー111に向かって押し出され、第1のストッカー111の最下部に収容されていた(すなわち底板部1133に接していた)メモリ用配出物100が、第1の保持板1311へ送り出される。
【0137】
このように、動作制御手段85が、第1の動作部12、第2の動作部13および押出機構14の動作をそれぞれ独立して制御する方法を、「保持板用配置方法」という。保持板用配置方法により、所定のストッカー111と、所定の保持板1311とがそれぞれ、第1の押出部144の板状部材144a(または板状部材144b)に対応し、所定のストッカー111の最下部に収容されていた配出物100が、所定の保持板1311へ送り出される。また、所定のストッカー111を介して互いに隣接する、第1の押出部144の板状部材144aまたは板状部材144b、所定のストッカー111の底板部1133、および所定の保持板1311のそれぞれの長手方向を、対応(一致)させることができる。なお、保持板用配置方法を行うに際して、動作制御手段85は、第1の動作部12および第2の動作部13のいずれか一方の動作を制御した後に、他方の動作を制御してもよく、第1の動作部12および第2の動作部13の動作を同時に制御してもよい。後者の場合、より迅速に、保持板用配置方法を行うことができる。
【0138】
この保持板用配置方法によるメモリ用配出物100の配置に続いて、動作制御手段85は、第2の動作部13の動作を制御して、第1の保持板1311を撮像部16の下方へ移動させる。そして、撮像部16のカメラ161は、第1の保持板1311に配置されたメモリ用配出物100の識別情報(2次元コード101)を撮影する。これにより、取得手段81は、第1の保持板1311にメモリ用配出物100が配置されたという情報(以下、「保持板情報」という)を取得する(S104)。
【0139】
さらに、ゲーム処理手段82は、既に取得された保持板情報に基づいて、配出候補保持部131に所定の枚数(表4では5枚)のメモリ用配出物100があるかを確認する(S105)。配出候補保持部131に所定の枚数のメモリ用配出物100がない場合、処理は、ステップ103に戻り、ステップ103~ステップ105が繰り返される。
【0140】
一方、配出候補保持部131に所定の枚数のメモリ用配出物100がある場合、すなわち、第1~第5の保持板1311にすべてメモリ用配出物100が配置された場合(表4)、処理は、ステップ106に進む。ここで、動作制御手段85は、前述した保持板用配置方法によって、レア配出物ストッカー(例えば表1中の第3のストッカー111)からレア配出物100を押し出し(S106)、所定の保持板1311(例えば表4中の第6の保持板1311)に配置する。
【0141】
具体的に、動作制御手段85は、第1の動作部12および第2の動作部13の動作をそれぞれ独立して制御することにより、レア配出物100が収容された第3のストッカー111と、第6の保持板1311とをそれぞれ、板状部材144aに対応するように配置する。その結果、第3のストッカー111は、板状部材144aに対応する位置(板状部材144aが、第3のストッカー111に収容された配出物100を押出可能な位置)に移動した状態となる。また、第6の保持板1311は、第3のストッカー111から押し出された配出物100を受け取れる位置に移動した状態となる。この状態で、動作制御手段85が、押出機構14の動作を制御することにより、板状部材144aが第3のストッカー111に向かって押し出され、第3のストッカー111の最下部に収容されていたレア配出物100が、第6の保持板1311へ送り出される。
【0142】
第6の保持板1311へのレア配出物100の配置に続いて、動作制御手段85は、第2の動作部13の動作を制御して、第6の保持板1311を撮像部16の下方へ移動させる。そして、撮像部16のカメラ161は、第6の保持板1311に配置されたレア配出物100の識別情報を撮影する。これにより、取得手段81は、第6の保持板1311にレア配出物100が配置されたという保持板情報(当該レア配出物100にかかるキャラクタ情報等を含む)を取得する(S107)。
【0143】
さらに、ゲーム処理手段82は、既に取得された保持板情報に基づいて、配出候補保持部131に所定の枚数(表4では20枚)のレア配出物100があるかを確認する(S108)。配出候補保持部131に所定の枚数のレア配出物100がない場合、処理は、ステップ106に戻り、ステップ106~ステップ108が繰り返される。
【0144】
一方、配出候補保持部131に所定の枚数のレア配出物100がある場合、すなわち、第6~第25の保持板1311にすべてレア配出物100が配置された場合(表4)、処理は、ステップ109に進む。ここで、動作制御手段85は、保持板用配置方法によって、ノーマル配出物ストッカー(例えば表1中の第6のストッカー111)からノーマル配出物100を押し出し(S109)、所定の保持板1311(例えば表4における第26の保持板1311)に配置する。
【0145】
具体的に、動作制御手段85は、第1の動作部12および第2の動作部13の動作をそれぞれ独立して制御することにより、ノーマル配出物100が収容された第6のストッカー111と、第26の保持板1311とをそれぞれ、板状部材144aに対応するように配置する。その結果、第6のストッカー111は、板状部材144aに対応する位置(板状部材144aが、第6のストッカー111に収容された配出物100を押出可能な位置)に移動した状態となる。また、第26の保持板1311は、第6のストッカー111から押し出された配出物100を受け取ることができる位置に移動した状態となる。この状態で、動作制御手段85が、押出機構14の動作を制御することにより、板状部材144aが第6のストッカー111に向かって押し出され、第6のストッカー111の最下部に収容されていたノーマル配出物100が、第26の保持板1311へ送り出される。
【0146】
第26の保持板1311へのノーマル配出物100の配置に続いて、動作制御手段85は、第2の動作部13の動作を制御して、第26の保持板1311を撮像部16の下方へ移動させる。そして、撮像部16のカメラ161は、第26の保持板1311に配置されたノーマル配出物100の識別情報を撮影する。これにより、取得手段81は、第26の保持板1311にノーマル配出物100が配置されたという保持板情報(当該ノーマル配出物100にかかるキャラクタ情報等を含む)を取得する(S110)。
【0147】
最後に、ゲーム処理手段82は、すべての保持板1311に配出物100が配置されたかどうか、すなわち、配出候補保持部131に所定の枚数(50枚)の配出物100があるかを確認する(S111)。配出候補保持部131に所定の枚数の配出物100がない場合、処理は、ステップ109に戻り、ステップ109~ステップ111が繰り返される。
【0148】
一方、配出候補保持部131に所定の枚数の配出物100がある場合、すなわち、第1~第5の保持板1311にメモリ用配出物100が配置され、第6~第25の保持板1311にレア配出物100が配置され、第26~第50の保持板1311にノーマル配出物100が配置された場合(表4)、配出物100の配置は終了となる(S112)。
【0149】
以上より、第1~第50の保持板1311に、上記表4に示す割合で、メモリ用配出物100、レア配出物100およびノーマル配出物100が配置される。配出物100が配置された第1~第50の保持板1311の情報(以下、「保持板テーブル情報」という)の一例を下記表5に示す。なお、表5中、第12~第22の保持板1311および第32~第44の保持板1311については、説明の都合上、省略している。保持板テーブル情報は、取得手段81によって取得され、記憶部7に記憶される。なお、記憶部7は、配出物100がストッカー111から保持板1311へ送り出されるごとに、取得手段81が取得した保持板情報を記憶することもできる。
【0150】

表5
【0151】
また、記憶部7がストッカー情報を記憶していない場合であっても、例えば、各ストッカー111に収容される配出物100の種類や割合を予め決めておけば、配出物100がストッカー111から保持板1311へ送り出されるごとに、撮像部16によって、保持板1311に配置される配出物100の識別情報を読み取ることで、メモリ用配出物100、レア配出物100およびノーマル配出物100を、所定の割合(例えば上記表4に示す割合)で、配出候補保持部131に配置することができる。
【0152】
(2)ゲームプレイにかかる配出処理方法
表5、図15図17および図18を参照して、ゲームプレイが開始されゲームプレイによって、第1~第50の保持板1311に保持された配出物100が、配出誘導部15を介して配出口21から配出されるまでの制御の一例について説明する。
【0153】
まず、ゲームをスタートする(S1)。この際、プレイヤが既にメモリ用配出物100を有している場合は、読取り部4からメモリ用配出物100の識別情報を読み取り、取得手段81が、読み取った識別情報に含まれるプレイヤ情報を取得することができる。なお、メモリ用配出物100を使用せず、ゲームをスタートさせることもできる。
【0154】
そして、ゲーム処理手段82は、プレイヤ情報(人数、各プレイヤに紐付けられたキャラクタ情報等)に基づいて、配出候補となる配出物100を仮選択する(S2)。本実施形態のゲーム装置1は、2イン1構成であるので、以下の説明では、2プレイヤでゲームを行う場合について説明する。2プレイヤの場合、ゲーム処理手段82は、保持板テーブル情報(例えば表5)に基づいて、各プレイヤに対して、6個の配出候補となる配出物100を仮選択する(下表6参照)。この仮選択した情報は、取得手段81により取得され、記憶部7に一時的に記憶される。なお、ゲームが1プレイヤで行われる場合、動作制御手段85は、例えば、配出候補となる配出物100を6個仮選択してもよい。
【0155】
表6
【0156】
その後、プレイヤによって、ゲームが行われる(S3)。ゲームの結果に応じて、ゲーム処理手段82は、各プレイヤに対して、仮選択した配出候補の一部または全部を選択する。ここでは、表6に示す配出候補の全部が、動作制御手段85によって選択されたものとする。そして、表示部6は、選択された配出候補を表示する(S4)。
【0157】
表示された配出候補から、各プレイヤは、配出する配出物100を選択、決定する(S5)。例えば、プレイヤ1が、レア配出物100A(第6の保持板1311)を選択し、プレイヤ2は、レア配出物100H(第24の保持板1311)を選択する。
【0158】
そして、動作制御手段85は、第1の動作部12、第2の動作部13および押出機構14の動作を、それぞれ独立して制御して、最終的に第2の押出部145が、第6の保持板1311からレア配出物100Aを配出し、第24の保持板1311からレア配出物100Hを配出する(S6~S8)。
【0159】
ステップ6~ステップ8について、図18を参照して具体的に説明する。まず、プレイヤ1によって選択されたレア配出物100Aを配出するために、動作制御手段85は、第1の動作部12および第2の動作部13の動作をそれぞれ独立して制御することにより(S6)、図18に示すように、第2の押出部145と、第6の保持板1311とを、それぞれ、第1の押出部144の板状部材144aに対応するように配置(図18中、板状部材144aの長手方向に沿うように、第2の押出部145の配出用押出部材1453と、第6の保持板1311とを配置)する。
【0160】
これにより、板状部材144aの長手方向と、板状部材144aに隣接する第2の押出部145の長手方向と、この第2の押出部145に隣接する第6の保持板1311の長手方向とが一致する。換言すれば、第2の押出部145を介して互いに隣接する、板状部材144a、第2の押出部145、および第6の保持板1311のそれぞれの長手方向を、対応(一致)させることができる。
【0161】
その結果、第2の押出部145は、板状部材144aに対応する位置(板状部材144aが、第2の押出部145の当接部材1452を押出可能な位置)に移動した状態となる。また、第6の保持板1311は、そこに配置されたレア配出物100Aが、第2の押出部145の配出用押出部材1453によって押し出される位置に移動した状態となる。
【0162】
この状態で、動作制御手段85が、押出機構14の動作を制御して(S7)、板状部材144aを当接部材1452に向かって押し出し、これにより、配出用押出部材1453が、第6の保持板1311に向かって押し出される。その結果、第6の保持板1311に配置されていたレア配出物100Aが、配出用押出部材1453によって、配出誘導部15へ送り出される。その後、レア配出物100Aは、その自重により、配出口21へと移動し、配出される(S8)。
【0163】
このように、動作制御手段85が、第1の動作部12、第2の動作部13および押出機構14の動作をそれぞれ独立して制御する方法を、「保持板用配出方法」という。保持板用配出方法により、第2の押出部145と、所定の保持板1311とをそれぞれ、第1の押出部144の板状部材144a(または板状部材144b)に対応させ、所定の保持板1311に配置された配出物100を配出することができる。また、第2の押出部145を介して互いに隣接する、板状部材144a、第2の押出部145、および所定の保持板1311のそれぞれの長手方向を、対応(一致)させることができる。なお、保持板用配出方法を行うに際して、動作制御手段85は、第1の動作部12および第2の動作部13のいずれか一方の動作を制御した後に、他方の動作を制御してもよく、第1の動作部12および第2の動作部13の動作を同時に制御してもよい。後者の場合、より迅速に、保持板用配出方法を行うことができる。
【0164】
このような保持板用配出方法によって、プレイヤ1によって選択されたレア配出物100Aを配出することができる。
【0165】
同様に、プレイヤ2によって選択されたレア配出物100Hを配出するために、動作制御手段85は、第1の動作部12、第2の動作部13および押出機構14の動作を、それぞれ独立して制御して(保持板用配出方法により)、第24の保持板1311からレア配出物100Hを配出する(S6~S8)。その後、ゲームが終了する(S9)。なお、ゲームの内容によっては、プレイヤは複数の配出物100を選択可能であってもよく、その場合、ステップ6~ステップ8が繰り返される。また、表6に示すように、プレイヤ1およびプレイヤ2に対して、同じ種類の配出物100が仮選択された場合(例えば、レア配出物100Aが1枚ずつ各プレイヤに対して仮選択された場合)、ゲーム処理手段82は、協力プレイを実行して、例えば、ゲーム画像が全画面領域61に表示されてもよい(図5)。また、プレイヤがメモリ用配出物100を有していない場合、プレイヤは、メモリ用配出物100の配出要求を行うことができる。かかる要求があれば、動作制御手段85は、保持板用配出方法により、メモリ用配出物100を配出することができる。
【0166】
以上より、第6の保持板1311からレア配出物100Aが配出され、第24の保持板1311からレア配出物100Hが配出された。このため、第6の保持板1311および第24の保持板1311は、配出物100が配置されていない状態(空き状態)となる。また、ゲーム開始時に、メモリ用配出物100が配出されている場合は、空き状態となった保持板1311がさらにある。この空き状態は、例えば、撮像部16が空き状態となった保持板1311を撮影することにより、取得手段81が取得することができる。これに関して、各保持板1311の配置面1311aに、識別コード(例えばマイクロQRコード)を付しておくことが好ましい。これにより、撮像部16の撮影によって、各保持板1311の識別が可能になり、どの保持板1311が空き状態であるかという情報(以下、「保持板空き情報」という)をより確実に管理することができる。取得手段81が取得した保持板空き情報は、記憶部7に記憶される。
【0167】
このような場合、ゲーム終了後毎に、配出物100を補充しておくことが好ましい。以下で、配出物100の補充方法について説明する。なお、配出物100の補充は、ゲーム終了後毎ではなく、配出候補保持部131に保持されている残りの配出物100の個数に応じて、適宜行われてもよい。例えば、配出候補保持部131に保持されている配出物100の数が、半分以下(25個以下)となった場合に、配出物100の補充が行われてもよい。
【0168】
(3)配出物の補充方法
表1、表4、表5および図16を参照して、配出物100の補充を開始する(S201)。まず、ゲーム処理手段82は、保持板テーブル情報および保持板空き情報に基づいて、メモリ用配出物100が配出されたかどうかを確認する(S202)。
【0169】
メモリ用配出物100が配出されていた場合、処理はステップ203に進み、動作制御手段85が保持板用配置方法を行うことにより、第1の押出部144が、メモリ用配出物ストッカー(例えば表1中の第1のストッカー111)から新たなメモリ用配出物100を押し出し(S203)、空き状態の保持板1311(例えば第1の保持板1311)に配置する。
【0170】
第1の保持板1311に新たなメモリ用配出物100が配置された後、動作制御手段85は、第2の動作部13の動作を制御して、第1の保持板1311を撮像部16の下方へ移動させる。その後、撮像部16のカメラ161は、第1の保持板1311に配置された新たなメモリ用配出物100の識別情報(2次元コード101)を撮影する。これにより、取得手段81は、第1の保持板1311に新たなメモリ用配出物100が配置されたという保持板情報を取得する(S204)。
【0171】
さらに、ゲーム処理手段82は、保持板テーブル情報および保持板空き情報に基づいて、配出候補保持部131に所定の枚数(表4では5枚)のメモリ用配出物100が配置されているどうかを確認する(S205)。配出候補保持部131に所定の枚数のメモリ用配出物100が配置されていない場合、処理はステップ203に戻り、ステップ203~ステップ205が繰り返される。
【0172】
一方、配出候補保持部131に所定の枚数のメモリ用配出物100が配置されている場合、処理はステップ206に進む。また、ステップ202に戻って、メモリ用配出物100が配出されていない場合も、処理はステップ206に進む。ここで、ゲーム処理手段82は、保持板テーブル情報および保持板空き情報に基づいて、レア配出物100が配出されたかどうかを確認する(S206)。
【0173】
レア配出物100が配出されていない場合、処理は、ステップ207に進み、動作制御手段85が保持板用配置方法を行うことにより、第1の押出部144が、ノーマル配出物ストッカー(例えば表1中の第6のストッカー111)から新たなノーマル配出物100を押し出し(S207)、空き状態の保持板1311(例えば第26の保持板1311)に配置する。
【0174】
このように、第26の保持板1311に新たなノーマル配出物100が配置された後、動作制御手段85は、第2の動作部13の動作を制御して、第26の保持板1311を撮像部16の下方へ移動させる。また、撮像部16のカメラ161は、第26の保持板1311に配置された新たなノーマル配出物100の識別情報(2次元コード101)を撮影する。これにより、取得手段81は、第26の保持板1311に新たなノーマル配出物100が配置されたという保持板情報を取得する(S209)。
【0175】
ステップ206に戻って、レア配出物100が配出された場合、処理は、ステップ208に進み、動作制御手段85は、保持板用配置方法によって、レア配出物ストッカー(例えば表1中の第3のストッカー111)から新たなレア配出物100を押し出し(S208)、空き状態の保持板1311(例えば第23の保持板1311)に配置する。
【0176】
第23の保持板1311に新たなレア配出物100が配置された後、動作制御手段85は、第2の動作部13の動作を制御して、第23の保持板1311を撮像部16の下方へ移動させ、撮像部16のカメラ161は、第23の保持板1311に配置された新たなレア配出物100の識別情報(2次元コード101)を撮影する。これにより、取得手段81は、第23の保持板1311に新たなレア配出物100が配置されたという保持板情報を取得する(S209)。
【0177】
次に、ゲーム処理手段82は、保持板テーブル情報および保持板空き情報に基づいて、配出候補保持部131に所定の枚数(表4では20枚)のレア配出物100が配置されているどうかを確認する(S210)。配出候補保持部131に所定の枚数のレア配出物100が配置されていない場合、処理はステップ208に戻り、ステップ208~ステップ210が繰り返される。
【0178】
一方、配出候補保持部131に所定の枚数のレア配出物100が配置されている場合、処理はステップ211に進み、ゲーム処理手段82は、保持板テーブル情報および保持板空き情報に基づいて、すべての保持板1311に配出物100が配置されているかどうかを確認する(S211)。
【0179】
すべての保持板1311に配出物100が配置されていない場合、処理は、ステップ207に戻る。一方、すべての保持板1311に配出物100が配置されている場合、補充は終了となる(S212)。
【0180】
なお、レア配出物100が配出された保持板1311に配出物100を補充する際、レア配出物100ではなく、ノーマル配出物100を補充するようにしてもよいが、レア配出物100を配出することが好ましい。これにより、複数の保持板1311、すなわち配出候補保持部131に一定数のレア配出物100を配置することができる。換言すれば、配出候補保持部131に配置される配出物100の種類の割合を制御することができる。その結果、ゲームの結果に応じて、配出物100を効率的に配出することができる。
【0181】
これに対して、従来のゲーム装置では、配出候補となる複数の配出物100の種類を制御していなかった。このため、ゲームの結果に応じた配出物100を配出することが困難になる場合があった。例えば、ゲームの結果に応じて、レア配出物100を配出しようとしても、配出候補となる複数の配出物100にレア配出物100が含まれていない場合もあった。
【0182】
以上、前述の処理方法は、コンピュータで実行されるプログラムで作成可能である。このようなプログラムは、CPU(Central Processing Unit)、マイクロプロセッサ(Micro Processor)、GPU(Graphic Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等によって実現される。
【0183】
<<第2実施形態>>
次に、本発明の配出機構の第2実施形態を添付図面に基づいて説明する。
【0184】
図19は、本発明の第2実施形態にかかる配出機構が備える収容部および配出候補保持部を模式的に示す平面図である。以下、第2実施形態について説明するが、前述した第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項についてはその説明を省略する。なお、前述した第1実施形態と同様の構成には、同一の符号を付してある。
【0185】
本実施形態の配出機構10Aは、押出機構を有していない点で、前記第1実施形態の配出機構10と異なる。具体的に、本実施形態の配出機構10Aでは、図19に示すように、収容部11は、各ストッカー111に設けられた底板部1133の上面に、スライダー部1133Aを備えるように構成されている。スライダー部1133Aは、配出物100の幅と同程度の幅を有する第1のスライダー部材1133bと、底板部1133に内設された、幅狭の第2のスライダー部材1133cと、を有している。第1のスライダー部材1133bおよび第2のスライダー部材1133cは、独立して動作可能に構成されている。
【0186】
第1のスライダー部材1133bは、配出候補保持部131に向かってスライドし、スライド後は元の位置に直ちに戻るように構成されている。これにより、底板部1133に接する配出物100を順次、配出候補保持部131へ送り出すことができる。
【0187】
また、第2のスライダー部材1133cは、第1のスライダー部材1133bとは別にスライド可能であり、配出候補保持部131に向かってスライドし、スライド後は元の位置に直ちに戻るように構成されている。第2のスライダー部材1133cは、底板部1133に接する配出物100がストッカー111に維持された状態で、スライド可能になるように、底板部1133に内設されている。これにより、第2のスライダー部材1133cがスライドすることにより、保持板1311に配置された配出物100を押し出し、配出誘導部15へ送り出すことができる。
【0188】
このように、本実施形態の配出機構10Aは、第1実施形態の配出機構10が有する効果と同様の効果を有する。換言すれば、収容部11が、第1実施形態の押出機構14の機能と同様の機能を備えている。なお、収容部11および配出候補保持部131が、第1実施形態の押出機構14の第1の押出部144および第2の押出部145の機能と同様の機能をそれぞれ備えていてもよい。
【0189】
本実施形態の配出機構10Aは、押出機構14を有していないため、機構自体を小型化することができる。これにより、装置に必要なコストを低減することができる。また、第1の動作部12および第2の動作部13が動作することで、保持板用配置方法および、保持板用配出方法を行うことができる。これにより、ゲームの結果に応じて、配出物を効率的に配出することができる。
【0190】
<<第3実施形態>>
次に、本発明の配出機構の第3実施形態について説明する。
【0191】
以下、第3実施形態について説明するが、前述した第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項についてはその説明を省略する。なお、前述した第1実施形態と同様の構成は、同一の符号を付して説明する。
【0192】
本実施形態の配出機構10Bは、第1の動作部12、第2の動作部13および押出機構14が直線的に動作し、これに合わせて各部材が構成されている(例えば、第1の動作部12の載置部121および第2の動作部13の配列部132は長尺状をなしている)点で、前記第1実施形態の配出機構10と異なる。特に、複数のストッカー111および第2の押出部145が直線的に整列して第1の動作部12に設けられている。また、第1の動作部12の一方の側に沿って第2の動作部13が併設されている。また、第1の動作部12の他方の側に、第1の押出部144が設けられている。これにより、第1の押出部144は、第1の動作部12および第2の押出部145に隣接して動作可能(平行に移動可能)となっている。このような本実施形態の配出機構10Bも、第1実施形態の配出機構10が有する効果と同様の効果を有する。
【0193】
<<第4実施形態>>
次に、本発明の配出機構の第4実施形態を添付図面に基づいて説明する。
【0194】
図20は、本発明の第4実施形態にかかる配出機構を示す斜視図である。図21は、本発明の第4実施形態にかかる配出機構を示す部分分解斜視図である。図22は、本発明の第4実施形態にかかる配出機構が備える収容部のストッカーを示す部分分解斜視図である。図23は、本発明の第4実施形態にかかる配出機構が備える第1の動作部、収容部および押出機構の部分分解斜視図である。以下、第4実施形態について説明するが、前述した第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項についてはその説明を省略する。なお、前述した第1実施形態と同様の構成には、同一、類似の符号を付してある。
【0195】
本実施形態の配出機構10Cは、主に、収容部11’の構成が、前記第1実施形態の配出機構10のものと異なる。また、本実施形態の配出機構10Cは、配出誘導部15が、配出候補保持部131の上方に、覆部153を有する点で、前記第1実施形態の配出機構10と異なる。また、本実施形態の配出機構10Cは、台座部18に設けられた動作ボタン19を備える点で、前記第1実施形態の配出機構10と異なる。また、本実施形態の配出機構10Cは、検出部17が、ストッカー111’に収容されている配出物100の枚数情報を検出するための第5のセンサ175を備える点で、前記第1実施形態の配出機構10と異なる。以下、これらの異なる点について、具体的に説明する。
【0196】
図20図21および図23に示すように、収容部11’の複数のストッカー111’、すなわち、第1~第10のストッカー111’のそれぞれは、第1の動作部12の載置部121の上面に対して、一定の角度(例えば45°~80°)で角度付けられて設置されている。当該角度は、ストッカー111’が第1の動作部12に設置された状態において、載置部121の上面と、この上面に対向するストッカー111’(本体部112’)の側面とによって形成される角度を意味する。このように設置されたストッカー111’は、本体部112’と、足部113’と、下駄部114とを備えている。
本体部112’は、切欠き部112Aの位置が、前記第1実施形態のものと異なる。すなわち、ストッカー111’が第1の動作部12に設けられた状態で、本体部112’の外側(配出候補保持部131側)の面に、切欠き部112Aが設けられている。切欠き部112Aの位置に対応するように、足部113’の枠状部1132に、スリット部113Eが形成されている(図22)。これにより、複数のストッカー111’が第1の動作部12上に円環状に設けられている場合であっても、収容部11’の外側から、各ストッカー111’に収容されている配出物100の枚数を容易に確認することができる。例えば、収容部11’の外周側に、後述する第5のセンサ175を設けることにより、各ストッカー111’に収容されている配出物100の枚数情報を検出することができる。
【0197】
また、前記第1実施形態の底板部1133は、基部1131の前面1131aの上端部から、後面1131a’の中段付近に向かって傾斜して形成されていたが、本実施形態の底板部1133’は、このような傾斜無しで、ストッカー111’の長手方向に直交する方向に沿って、足部113’の底面を構成するように形成されている(図22)。これに伴って、枠状部1132の長スカート部1132aおよび短スカート部1132a’が省略されているが、枠状部1132と底板部1133’との間には、第1の押出部144が挿通可能な間隙113Bと、第1の押出部144によって押し出される配出100が挿通可能な間隙113Cと、が形成されている。
このような足部113’の下側に、下駄部114が接続されている。下駄部114は、ストッカー111’(本体部112’および足部113’)を、第1の動作部12の載置部121の上面に対して、一定の角度(例えば45°~80°)で角度付けるように構成されている。かかる構成により、ストッカー111’が第1の動作部12に設けられた状態で、底板部1133’を、第1の動作部12の載置部121の上面に対して、所定の傾斜角度(例えば10°~45°)で角度付けることができる。
【0198】
このような本実施形態の配出機構10Cも、複数の部材同士が、対応する傾斜構造を有するので、第1実施形態の配出機構10が有する効果と同様の効果を有する。さらに、本実施形態の配出機構10Cによれば、配出物100自体の重みによって底板部1133’(および底板部1133’に接する配出物100)にかかる力が軽減される。このため、配出物100を支えた状態の底板部1133’を、第1の動作部12の載置部121の上面に対して所定の角度(例えば10°~45°)で傾斜させるとともに、底板部1133’に接する配出物100を配出候補保持部131へ円滑に送り出すことができる。
【0199】
加えて、本実施形態の配出機構10Cでは、配出誘導部15が、配出候補保持部131の上方に、覆部153を有する。覆部153は、配出候補保持部131の上側および外周側を覆うように形成されている。これにより、配出候補保持部131の保持板1311から配出誘導部15へ押し出された配出物100が、配出路152以外の部分へ逃げ出すことを防止することができる。
また、本実施形態の配出機構10Cは、台座部18に設けられた動作ボタン19を備えている。動作ボタン19は、配出物100を収容部11’に補充する際等に、第1の動作部12を自動で回転させるためのボタンである。かかる機能を発揮するための機能を割り振ることができるように、動作ボタン19は、第1の動作ボタン19aと、第2の動作ボタン19bと、第3の動作ボタン19cとを有している。例えば、第1の動作ボタン19aには、第1の動作部12を時計回りに回転させる機能を割り振り、第2の動作ボタン19bには、第1の動作部12を反時計回りに回転させる機能を割り振り、第3の動作ボタン19cには、第1の動作ボタン19aおよび第2の動作ボタン19bのロック機能/ロック解除機能を割り振ることができる。動作ボタン19が操作(押圧)されることによって、第1の動作部12を自動で回転させることができるため、筐体2の内部の奥にあるストッカー111’に配出物100を補充することがより容易になる。なお、動作ボタン19の構成は、上述したものに限定されず、例えば、ボタンの数は1つであってもよい。
また、本実施形態の配出機構10Cは、検出部17が、ストッカー111に収容されている配出物100の枚数情報を検出するための第5のセンサ175を備えている。第5のセンサ175は、ストッカー111’の本体部112’の切欠き部112Aを介して、配出物100の枚数情報を検出するように構成され、ストッカー111に収容されている配出物100が、所定の数以上であるか、所定の数以下であるかを検出することができる。これにより、配出物100の補充(入替)のタイミングを容易に検出することができる。本実施形態では、第5のセンサ175は、ゲート部151に併設されているが、設置位置や数は、これらに限定されない。
【0200】
以上、本発明のゲーム装置および配出機構を、好適な実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。各部の構成は、同様の機能を有する任意の構成のものに修正、置換することができる。また、本発明に、他の任意の手段または構成物が付加されていてもよい。また、本発明は、前記各実施形態のうちの、任意の2以上の構成(特徴)を組み合わせたものであってもよい。
【0201】
例えば、収容部の底板部が、バネ部材により、弾性的に付勢されているように構成されていると、収容部のストッカーに収容される配出物の数によっては、底板部が所定の角度に傾斜しない場合もあるため、ストッカーの上部に錘部材が設けられてもよい。また、各部の構成は、その機能を適切に発揮できる限り、特に限定されない。例えば、各部は、硬質樹脂材料、金属材料、セラミックス材料等により形成することができる。また、各モーターは、駆動部として、動作部とは別に定義することもできる。
【符号の説明】
【0202】
1 :ゲーム装置
1A :第1のサブゲーム装置
1B :第2のサブゲーム装置
2 :筐体
2A :サブ筐体
2B :サブ筐体
3 :操作部
3A :第1のサブ操作部
3B :第2のサブ操作部
4 :読取り部
4A :サブ読取り部
4B :サブ読取り部
5 :スピーカ
5A :サブスピーカ
5B :サブスピーカ
6 :表示部
6A :サブ表示部
6B :サブ表示部
7 :記憶部
8 :制御部
9 :通信部
10 :配出機構
10A :配出機構
10B :配出機構
10C :配出機構
11 :収容部
11’ :収容部
12 :第1の動作部
13 :第2の動作部
14 :押出機構
15 :配出誘導部
16 :撮像部
17 :検出部
18 :台座部
19 :動作ボタン
19a :第1の動作ボタン
19b :第2の動作ボタン
19c :第3の動作ボタン
21 :配出口
22 :コイン投入口
23 :コイン返却口
31 :押しボタン
32 :操作フィールド
61 :全画面領域
62 :枠体
62A :第1枠部材
62B :第2枠部材
81 :取得手段
82 :ゲーム処理手段
83 :表示制御手段
84 :音出力制御手段
85 :動作制御手段
100 :配出物(記録媒体)
101 :2次元コード
111 :ストッカー
111’ :ストッカー
112 :本体部
112’ :本体部
112A :切欠き部
113 :足部
113’ :足部
113A :溝部
113B :間隙
113C :間隙
113D :スリット部
113E :スリット部
114 :下駄部
121 :載置部
122 :第1のモーター
131 :配出候補保持部
132 :配列部
133 :アーム状支持部
134 :第2のモーター
141 :搭載板
142 :第3のモーター
143 :弾性ベルト部材
144 :第1の押出部(配置用押出部材)
144a :板状部材
144b :板状部材
145 :第2の押出部
151 :ゲート部
152 :配出路
153 :覆部
161 :カメラ
171 :第1のセンサ
172 :第2のセンサ
173 :第3のセンサ
174 :第4のセンサ
175 :第5のセンサ
611 :個別領域
611A :第1の領域
611B :第2の領域
612 :仕切領域
612A :第1の仕切領域
612B :第2の仕切領域
612C :第3の仕切領域
612D :第4の仕切領域
621 :接合部
1121 :梁部
1131 :基部
1131a :前面
1131a’ :後面
1131b :右側面
1131b’ :左側面
1132 :枠状部
1132a :長スカート部
1132a’ :短スカート部
1132b’ :左側面
1133 :底板部
1133A :スライダー部
1133a :漸減部
1133b :第1のスライダー部材
1133c :第2のスライダー部材
1311 :保持板
1311a :配置面
1311b :先端部
1331 :アーム
1332 :支持板
1451 :レール部材
1452 :当接部材
1453 :配出用押出部材
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23