(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-07
(45)【発行日】2022-10-18
(54)【発明の名称】選別装置、コンバイン
(51)【国際特許分類】
A01F 12/32 20060101AFI20221011BHJP
【FI】
A01F12/32 A
(21)【出願番号】P 2020032552
(22)【出願日】2020-02-28
【審査請求日】2022-02-25
(73)【特許権者】
【識別番号】000006781
【氏名又は名称】ヤンマーパワーテクノロジー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100167302
【氏名又は名称】種村 一幸
(74)【代理人】
【識別番号】100135817
【氏名又は名称】華山 浩伸
(74)【代理人】
【識別番号】100141298
【氏名又は名称】今村 文典
(74)【代理人】
【識別番号】100181869
【氏名又は名称】大久保 雄一
(74)【代理人】
【識別番号】100167830
【氏名又は名称】仲石 晴樹
(72)【発明者】
【氏名】佐村木 仁
【審査官】竹中 靖典
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-183655(JP,A)
【文献】特開2002-199810(JP,A)
【文献】特開平08-103151(JP,A)
【文献】特開2002-027823(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01F 12/30 - 12/54
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
脱穀物を予め定められた主方向へ搬送しつつふるいにかけるチャフシーブと、
前記チャフシーブの下方に配置され、前記チャフシーブからの落下物をふるいにかけるグレンシーブと、
前記チャフシーブに対し前記主方向の上流側に配置され、前記チャフシーブおよび前記グレンシーブへ向けて選別風を送る唐箕と、
前記唐箕と前記チャフシーブとの間に配置され、前記唐箕から送られる前記選別風の風路を、前記選別風の一部を前記グレンシーブの下方の空間および上方の空間の一方へ導く第一風路と他方へ導く第二風路とに仕切る風割体と、を備え、
前記風割体には、前記第一風路と前記第二風路における少なくとも前記主方向に交差する幅方向の端部とを連通する連通風路が設けられている、選別装置。
【請求項2】
前記風割体は、前記連通風路に対し前記主方向の上流側における前記幅方向の端部において前記第二風路へ突出して形成され、前記第二風路における前記幅方向の端部の領域を狭める絞り部をさらに有する、請求項1に記載の選別装置。
【請求項3】
前記連通風路における前記第一風路側の入口開口の面積は、前記第二風路側の出口開口の面積よりも大きい、請求項1または請求項2に記載の選別装置。
【請求項4】
前記風割体は、前記連通風路における前記第一風路側の入口開口における前記主方向の下流側の縁から前記第一風路へ突出して形成され、前記第一風路を通る風の一部を前記連通風路内へ導く案内部をさらに備える、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の選別装置。
【請求項5】
前記唐箕は、前記幅方向に沿って配置された回転軸および前記回転軸を中心に回転する複数のプレートを備え、前記プレートは前記回転軸に対し前記主方向の下流側において下から上へ向かう方向へ回転し、
前記連通風路は、前記チャフシーブに対し前記主方向の上流側に形成されている、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の選別装置。
【請求項6】
圃場の穀稈を刈り取る刈取装置と、
前記刈取装置により刈り取られた前記穀稈に対する脱穀処理を実行する脱穀装置と、
前記脱穀装置の下方に配置され、前記脱穀装置から落下する脱穀物から穀粒を選別する請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の選別装置と、を備えるコンバイン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、選別風の風路を仕切る風割体を備える選別装置およびその選別装置を備えるコンバインに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、コンバインは、刈取装置、脱穀装置および選別装置を備える。前記選別装置は、脱穀物をふるいにかけることにより前記脱穀物から穀粒を選別する揺動体と、前記揺動体に選別風を送る唐箕とを備える。
【0003】
また、前記選別装置が、前記唐箕から前記揺動体へ向かう前記選別風の風路を上下に仕切る部材を備えることが知られている(例えば、特許文献1参照)。以下、前記選別風の風路を仕切る部材のことを風割体と称する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、前記選別風の風路における前記唐箕に近い位置において、前記選別風の幅方向における風速分布が顕著に生じやすい。
【0006】
即ち、前記唐箕において、空気は、前記幅方向の両端部の給気開口から前記幅方向の中央部へ向かって流れ込む。その際、前記唐箕における前記給気開口に近い前記両端部は前記給気開口から空気が補充され、前記中央部は、前記唐箕におけるプレートファンの回転により前記選別風の風路に吐出されて不足した空気が、前記両端部より供給されるため、前記中央部における風量が前記両端部の風量よりも大きくなる。
【0007】
そのため、前記両端部では、圧力の低い前記中央部へ空気が流出することによって空気が不足し、前記給気開口以外の領域からも空気が流入する現象が発生する。この現象により、前記両端部近傍の前記選別風の風路において、前記選別風の前記唐箕側への逆流が生じ、さらに渦流が生じるおそれがある。前記渦流は、前記両端部の風量および風速をさらに低下させる。
【0008】
従って、前記風割体が前記唐箕に近い位置に配置される場合、前記風割体により仕切られた風路における前記幅方向の両端部において、前記選別風が前記唐箕側へ逆流するおそれがある。
【0009】
前記選別風の逆流は、夾雑物の選別不良または前記穀物の飛散などの不都合な事態を引き起こすおそれがある。
【0010】
本発明の目的は、風割体によって仕切られた選別風の風路における前記選別風の逆流を抑制できる選別装置およびコンバインを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の一の局面に係る選別装置は、チャフシーブと、グレンシーブと、唐箕と、風割体と、を備える。前記チャフシーブは、脱穀物を予め定められた主方向へ搬送しつつふる
いにかける。前記グレンシーブは、前記チャフシーブの下方に配置され、前記チャフシーブからの落下物をふるいにかける。前記唐箕は、前記チャフシーブに対し前記主方向の上流側に配置され、前記チャフシーブおよび前記グレンシーブへ向けて選別風を送る。前記風割体は、前記唐箕と前記チャフシーブとの間に配置され、前記唐箕から送られる前記選別風の風路を、前記選別風の一部を前記グレンシーブの下方の空間および上方の空間の一方へ導く第一風路と他方へ導く第二風路とに仕切る。前記風割体には、前記第一風路と前記第二風路における少なくとも前記主方向に交差する幅方向の端部とを連通する連通風路が設けられている。
【0012】
本発明の他の局面に係るコンバインは、刈取装置と、脱穀装置と、前記選別装置と、を備える。前記刈取装置は、圃場の穀稈を刈り取る。前記脱穀装置は、前記刈取装置により刈り取られた前記穀稈に対する脱穀処理を実行する。前記選別装置は、前記脱穀装置の下方に配置され、前記脱穀装置から落下する脱穀物から穀粒を選別する。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、風割体によって仕切られた選別風の風路における前記選別風の逆流を抑制できる選別装置およびコンバインを提供することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】
図1は、第1実施形態に係る選別装置を備えるコンバインの側面図である。
【
図2】
図2は、第1実施形態に係る選別装置を備えるコンバインの平面図である。
【
図3】
図3は、第1実施形態に係る選別装置とその周辺に配置される脱穀装置との構成図である。
【
図4】
図4は、第1実施形態に係る選別装置の構成図である。
【
図5】
図5は、第1実施形態に係る選別装置における風割体の斜視図である。
【
図6】
図6は、第1実施形態に係る選別装置における風割体の正面図である。
【
図7】
図7は、第2実施形態に係る選別装置の応用例の構成図である。
【
図8】
図8は、第1応用例に係る風割体の斜視図である。
【
図9】
図9は、第2応用例に係る風割体の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。なお、以下の実施形態は、本発明を具体化した一例であって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
【0016】
[コンバイン10の全体構成]
本発明の実施形態に係るコンバイン10は、圃場の穀稈を刈り取り、刈り取った前記穀稈に対して脱穀および穀粒の選別を行う装置である。
【0017】
図1はコンバイン10の左側面図であり、
図2はコンバイン10の平面図である。各図において、コンバイン10の前後方向、左右方向および上下方向が矢印で示されている。
【0018】
コンバイン10は、走行装置1、刈取装置2、脱穀装置3、選別装置4、貯留装置5、動力装置6および運転部7を備える。なお、コンバイン10が、前記穀稈に対する脱穀および前記穀粒の選別により残る残滓である排稈を細断し排出する細断装置を備える場合もある。
【0019】
走行装置1は、機体フレーム100の下方に設けられている。走行装置1は、コンバイン10を前後方向に走行させること、および、コンバイン10を左右方向に旋回させるこ
とができる。
図1は、クローラ式の走行装置1を示す。なお、タイヤ式の走行装置が採用されてもよい。
【0020】
刈取装置2は、機体フレーム100の前方に設けられている。刈取装置2は、前記圃場の前記穀稈を刈り取る。刈取装置2は、リール21、カッター22、オーガ23、搬送コンベア24およびロータ25などを備える。
【0021】
リール21は、回転することによって前記圃場の前記穀稈をカッター22へ搬送する。カッター22は、リール21によって搬送される前記穀稈を切断する。オーガ23は、カッター22によって切断された前記穀稈を所定の位置に集合させる横送りスクリューである。
【0022】
搬送コンベア24は、オーガ23によって集まった前記穀稈をロータ25まで搬送する。ロータ25は、搬送コンベア24により搬送されてくる前記穀稈を脱穀装置3へ送り込む。
【0023】
脱穀装置3および選別装置4は、機体フレーム100上における左右方向の一方の側の領域に設けられている。本実施形態において、脱穀装置3および選別装置4は、機体フレーム100上における左側の領域に設けられている。選別装置4は、脱穀装置3の下方に設けられている。
【0024】
脱穀装置3は、刈取装置2により刈り取られた前記穀稈に対する脱穀処理を実行する。前記脱穀処理は、前記穀稈から前記穀粒を含む脱穀物を分離する。前記脱穀物は脱穀装置3から下方の選別装置4へ落下する。
【0025】
選別装置4は、脱穀装置3から落下する前記脱穀物から前記穀粒を選別する選別処理を実行する。選別装置4は、前記脱穀物に対して斜め下方から風を当てつつ前記脱穀物をふるいにかけることにより、前記脱穀物から前記穀粒を選別する。
【0026】
脱穀装置3は、前記穀稈を脱穀装置3の前部から後方へ搬送しつつ前記穀稈に対する前記脱穀処理を実行する。同様に、選別装置4は、前記脱穀物を選別装置4の前部から後方へ搬送しつつ前記脱穀物に対する前記選別処理を実行する。選別装置4の前部から後部へ向かう方向は、主方向の一例である。
【0027】
貯留装置5は、機体フレーム100上における脱穀装置3および選別装置4の側方に設けられている。本実施形態において、貯留装置5は、機体フレーム100上における右側の領域に設けられている。
【0028】
貯留装置5は、縦搬送ダクト51、縦搬送コンベア52、グレンタンク53および排出オーガ54を備える。縦搬送ダクト51は、選別装置4とグレンタンク53の上部の入口とに連通するダクトである。縦搬送コンベア52は、縦搬送ダクト51内で回転することにより前記穀粒を選別装置4からグレンタンク53内へ搬送するスクリューコンベアである。排出オーガ54は、グレンタンク53内の前記穀粒をコンバイン10の周囲の任意の場所へ排出する。
【0029】
動力装置6は、機体フレーム100上における貯留装置5の前方に設けられている。動力装置6は、走行装置1、刈取装置2、脱穀装置3、選別装置4および貯留装置5の駆動源である。
【0030】
動力装置6は、動力源として例えばディーゼルエンジンなどの不図示のエンジンを備え
る。また、動力装置6が、前記動力源として電動モータを備えてもよい。また、動力装置6が、前記エンジンと前記電動モータとを含むハイブリッド式の駆動源を備えていてもよい。
【0031】
運転部7は、機体フレーム100上におけるグレンタンク53の前方に設けられている。運転部7には、オペレータが着席する運転座席と、前記オペレータにより操作されるハンドル、各種の操作レバーおよび各種の操作スイッチなどの操作装置が設けられている。
【0032】
[脱穀装置3]
図3に示されるように、脱穀装置3は、扱胴31および受網32を備える。受網32は、扱胴31を下方から覆う。
【0033】
扱胴31は、中空の基体310と、前後方向に沿って延びた扱胴軸311と、掻き込みスクリュー312と、複数の扱歯313とを有する。扱胴軸311は、回転可能に支持されている。
【0034】
扱胴軸311は、動力装置6によって回転駆動される入力ギヤ機構314によって回転駆動される。例えば、入力ギヤ機構314は、ベベルギヤを含む。
【0035】
基体310、掻き込みスクリュー312および複数の扱歯313は、扱胴軸311が回転駆動されることにより、扱胴軸311とともに回転する。即ち、扱胴31は、扱胴軸311を中心に回転する。
【0036】
掻き込みスクリュー312は、扱胴31の前部に形成され、螺旋状の羽根を有する。なお、扱胴31が、掻き込みスクリュー312の代わりに、複数のブレードを有する掻き込み部を有する場合もある。
【0037】
複数の扱歯313は、掻き込みスクリュー312の後方において、基体310の外周面から起立し、間隔を空けて形成されている。
【0038】
扱胴31が回転することにより、掻き込みスクリュー312は、ロータ25によって搬送されてくる前記穀稈を複数の扱歯313と受網32との間へ送り込む。さらに、複数の扱歯313が、前記穀稈を受網32との間で揉み込みつつ打撃する。これにより、前記脱穀物が前記穀稈から分離し、受網32の網目から選別装置4へ落下する。
【0039】
[選別装置4]
図3,4に示されるように、選別装置4は、揺動体41、揺動駆動機構410、主唐箕42、一番搬送部44および二番搬送部45を備える。さらに、
図3,4に示される選別装置4は、補助唐箕46も備える。
【0040】
揺動体41は、前後に揺動可能に支持されている。揺動駆動機構410は、揺動体41を前後に揺動させる。例えば、揺動駆動機構410は偏心カム機構を含む。揺動駆動機構410は、動力装置6によって駆動される。
【0041】
揺動体41は、グレンパン411、チャフシーブ412、ストローラック413およびグレンシーブ414を有する。グレンパン411、チャフシーブ412、ストローラック413およびグレンシーブ414は一体に構成されている。
【0042】
本実施形態において、チャフシーブ412がグレンパン411の後方に配置され、ストローラック413がチャフシーブ412の後方に配置されている。チャフシーブ412は
、グレンパン411よりも低い位置に配置されている。グレンシーブ414は、チャフシーブ412の下方に配置されている。
【0043】
なお、グレンパン411の後方は、グレンパン411に対し前記主方向の下流側を意味する。同様に、チャフシーブ412の後方は、チャフシーブ412に対し前記主方向の下流側を意味する。
【0044】
グレンパン411は、水平方向に沿う受け皿状の部材である。グレンパン411は、受網32を通過して落下してくる前記脱穀物を受ける。グレンパン411は、フィン4110を有する。フィン4110は、起立した板状であり、前後方向に対して斜めに沿って形成されている。なお、グレンパン411がフィードパンと称される場合もある。
【0045】
グレンパン411は、揺動駆動されることにより、受けた前記脱穀物をフィン4110の作用によって幅方向へ均しつつ後方のチャフシーブ412上へ搬送する。なお、前記幅方向は、コンバイン10の左右方向であり、前記主方向に交差する方向の一例である。本実施形態において、前記幅方向は、前記主方向に直交する方向である。
【0046】
チャフシーブ412は、間隔を空けて平行に配列された複数のシーブプレート4120を有する構造体である。シーブプレート4120の角度は変更可能に構成されている。チャフシーブ412は、前後に揺動駆動されることにより、前記脱穀物を後方へ搬送しつつふるいにかける。チャフシーブ412によってふるいにかけられる前記脱穀物は、グレンパン411から送られてくる前記脱穀物および受網32から直接落下してくる前記脱穀物を含む。
【0047】
チャフシーブ412は、前記脱穀物をふるいにかけることにより、前記脱穀物に混入している夾雑物をチャフシーブ412上に滞留させるとともに後方へ搬送する。また、前記脱穀物における前記穀粒は、チャフシーブ412の隙間を通過して落下する。
【0048】
但し、比較的小さな前記夾雑物は、前記穀粒とともにチャフシーブ412の隙間を通過して落下する場合がある。
【0049】
グレンシーブ414は、揺動駆動されることにより、チャフシーブ412からの落下物をさらにふるいにかける。これにより、前記穀粒が、グレンシーブ414から下方へ落下する。さらに、グレンシーブ414は、前記穀粒とともに落下してくる細かな前記夾雑物をグレンシーブ414上に滞留させるとともに後方へ搬送する。
【0050】
前記脱穀物から前記夾雑物が除去された残りの一番処理物は、チャフシーブ412およびグレンシーブ414を通過して落下する。前記一番処理物は、概ね前記穀粒のみを含む。
【0051】
さらに、チャフシーブ412は、前記脱穀物から分離した前記夾雑物を後方のストローラック413上へ搬送する。但し、チャフシーブ412によって分離しきれなかった一部の前記穀粒も、前記夾雑物とともにストローラック413上へ搬送される場合がある。
【0052】
ストローラック413は、それぞれ前後方向に延びて形成され、起立した板状の複数のラックプレートを有する構造体である。前記複数のラックプレートは、前記幅方向において間隔を空けて平行に配列され、それぞれの上縁部がノコギリ状に形成されている。
【0053】
ストローラック413は、前後に揺動駆動されることにより、チャフシーブ412から送られてくる前記脱穀物をさらにふるいにかける。ストローラック413は、受網32か
ら直接落下してくる前記脱穀物もふるいにかける。
【0054】
ストローラック413は、前記脱穀物をふるいにかけることにより、前記脱穀物に混入している比較的大きな前記夾雑物を前記排稈としてコンバイン10の後方へ排出する。また、一部の前記穀粒および小さな前記夾雑物を含む二番処理物が、ストローラック413の隙間を通過して落下する。
【0055】
以上に示されるように、揺動体41は、前後に揺動駆動されることにより、脱穀装置3から落下する前記脱穀物から前記穀粒を選別する。なお、グレンパン411、チャフシーブ412、ストローラック413およびグレンシーブ414のうちの一部が、他とは独立して構成される部材であってもよい。この場合、揺動駆動機構410は、独立した部材それぞれを揺動駆動する。
【0056】
なお、コンバイン10が前記細断装置を備える場合、ストローラック413は、前記排稈を前記細断装置へ搬送する。前記細断装置は、前記排稈を細断した後にコンバイン10の後方へ排出する。
【0057】
一番搬送部44は、グレンシーブ414の下方に設けられている。一番搬送部44は、グレンシーブ414から落下してくる前記一番処理物を予め定められた一番収集部へ搬送する装置である。一番搬送部44は、一番案内板441、一番樋442および一番コンベア443を備える。
【0058】
一番案内板441は、グレンシーブ414から落下してくる前記一番処理物を一番樋442へ案内する傾斜板である。一番樋442は、前記幅方向に沿う樋であり、一番樋442の一方の端部が前記一番収集部である。
【0059】
前記一番処理物は、グレンシーブ414から直接、または、グレンシーブ414から一番案内板441を経由して一番樋442へ落下する。
【0060】
一番コンベア443は、一番樋442内に配置されたスクリューコンベアである。一番コンベア443は、回転駆動されることにより、グレンシーブ414から落下してくる前記一番処理物を一番樋442の一端の前記一番収集部へ搬送する。
【0061】
前記一番処理物は、縦搬送コンベア52によって前記一番収集部からグレンタンク53内へ搬送される。
【0062】
二番搬送部45は、一番搬送部44の後方における、チャフシーブ412の後端部の下方に設けられている。二番搬送部45は、チャフシーブ412の後端部またはストローラック413から落下してくる前記二番処理物を予め定められた二番収集部へ搬送する装置である。二番搬送部45は、二番案内板451、二番樋452および二番コンベア453を備える。なお、前記二番処理物は、前記選別風によって一番案内板441上から後方へ吹き飛ばされる物も含む。
【0063】
二番案内板451は、チャフシーブ412またはストローラック413から落下してくる前記二番処理物を二番樋452へ案内する傾斜板である。二番樋452は、前記幅方向に沿う樋であり、二番樋452の一方の端部が前記二番収集部である。
【0064】
前記二番処理物は、主にチャフシーブ412もしくはストローラック413から直接、または、チャフシーブ412もしくはストローラック413から二番案内板451を経由して二番樋452へ落下する。また、前記二番処理物が一番案内板441上から飛ばされ
てくる場合もある。
【0065】
二番コンベア453は、二番樋452内に配置されたスクリューコンベアである。二番コンベア453は、回転駆動されることにより、前記二番処理物を二番樋452の一端の前記二番収集部へ搬送する。
【0066】
前記二番処理物は、不図示の循環搬送装置によって前記二番収集部から選別装置4の前端側へ搬送される。これにより、前記二番処理物は、再び選別装置4による選別処理の対象となる。また、前記二番処理物は、脱穀装置3の扱胴31と受網32との間に搬送される場合もある。この場合、前記二番処理物は脱粒処理の対象となる。
【0067】
主唐箕42は、チャフシーブ412よりも前方に配置されている。本実施形態において、主唐箕42は、グレンパン411の下方に配置されている。主唐箕42は、揺動体41へ向けて選別風を供給する送風機である。主唐箕42は、主にチャフシーブ412およびグレンシーブ414へ向けて前記選別風を送る。主唐箕42は、プレートファン421およびファンケース422を備える。
【0068】
プレートファン421は、回転軸4210および回転軸4210に連結された複数のプレート4211を有する。回転軸4210は、前記幅方向に沿って配置され、回転可能に支持されている。プレートファン421は、回転軸4210を中心に回転することにより、回転軸4210に交差する方向、即ち、回転軸4210から外側へ向かう方向へ送風する。
【0069】
本実施形態において、プレートファン421は、回転軸4210に対し後方においてプレート4211が下から上へ向かう方向へ回転する。換言すれば、プレートファン421は、選別装置4の前部から後部へ向かう方向に対し右側から見て反時計回りに回転する。以下、本実施形態におけるプレートファン421の回転方向のことを第一回転方向と称する。
【0070】
ファンケース422は、プレートファン421を、チャフシーブ412側に対し反対側および左右両側から覆う板金部材である。ファンケース422におけるプレートファン421を左右両側から覆う一対の側板4220には、給気開口422aが形成されている。
【0071】
主唐箕42は、給気開口422aから流入する空気を揺動体41に向けて前記選別風として送る。これにより、主唐箕42から送られる前記選別風は、前記夾雑物を後方へ吹き飛ばす。
【0072】
具体的には、主唐箕42から送られる前記選別風は、チャフシーブ412およびストローラック413上の藁屑、並びに、チャフシーブ412およびストローラック413から落下する藁屑などを後方へ吹き飛ばす。
【0073】
主唐箕42の作用により、藁屑などの小さく軽い前記夾雑物が、一番搬送部44または二番搬送部45へ落下して前記一次処理物または前記二次処理物に混入することを抑制できる。
【0074】
本実施形態において、選別装置4は、補助唐箕46をさらに備える。補助唐箕46は、揺動体41の下方における一番搬送部44と二番搬送部45との間に配置された送風機である。補助唐箕46は、チャフシーブ412の後端部およびストローラック413へ向けて補助選別風W2を送る。
【0075】
補助唐箕46は、後方かつ斜め上方へ向かう補助選別風W2を送ることにより、主唐箕42から送られる前記選別風とともに、前記藁屑などの前記夾雑物を後方へ吹き飛ばす。補助唐箕46の作用により、前記夾雑物が二番搬送部45へ落下して前記二次処理物に混入することがより確実に防がれる。
【0076】
選別装置4は、主唐箕42とチャフシーブ412との間に配置された風割体43をさらに備える。風割体43は、主唐箕42からチャフシーブ412およびグレンシーブ414へ向かう前記選別風の風路を上下に仕切る。
【0077】
ファンケース422および風割体43は、主唐箕42とチャフシーブ412との間において、風割体43により上下に区分される第一風路4221および第二風路4222を形成している。
【0078】
具体的には、第一風路4221は、プレートファン421の回転方向における上流側の風路であり、第二風路4222は、プレートファン421の回転方向における下流側の風路である。また、第一風路4221および第二風路4222の一方は、前記選別風の一部をグレンシーブ414の下方の空間へ導く風路であり、他方は、前記選別風の一部をグレンシーブ414の上方の空間へ導く風路である。
【0079】
本実施形態では、プレートファン421が前記第一回転方向へ回転する。この場合、第一風路4221は、風割体43よりも下側の風路であり、第二風路4222は風割体43よりも上側の風路である。
【0080】
即ち、本実施形態において、第一風路4221は、前記選別風の一部をグレンシーブ414の下方の空間へ導く風路である。第二風路4222は、前記選別風の他の一部をグレンシーブ414の上方の空間へ導く風路である。
【0081】
なお、第一風路4221および第二風路4222は、ファンケース422における主唐箕42の回転軸4210よりも後方の開口を入口とする風路である。回転軸4210よりも後方は、回転軸4210に対し前記主方向の下流側を意味する。
【0082】
換言すれば、風割体43は、主唐箕42からチャフシーブ412およびグレンシーブ414へ向かう前記選別風を、第一風W11と第二風W12とに分割する。第一風W11は、プレートファン421から第一風路4221を通ってグレンシーブ414の下方の空間へ向かう風である。第二風W12は、プレートファン421から第二風路4222を通ってグレンシーブ414の上方の空間へ向かう風である。
【0083】
本実施形態において、プレートファン421は前記第一回転方向へ回転し、第一風W11は前記第一回転方向の上流側の第一風路4221に流れ、第二風W12は前記第一回転方向の下流側の第二風路4222に流れる。第一風W11は、第二風W12よりも風量が多く、風速が速い。本実施形態において、第二風W12は、チャフシーブ412とグレンシーブ414との間の空間へ向かう風と、グレンパン411とチャフシーブ412との間を通過してチャフシーブ412の上方の空間へ向かう風とを含む。
【0084】
ところで、前記選別風の風路における主唐箕42に近い位置において、前記選別風の前記幅方向における風速分布が顕著に生じやすい。
【0085】
即ち、風割体43において、空気は、左右方向の両端部の給気開口422aから左右方向の中央部へ向かって流れ込む。その際、主唐箕42における給気開口422aに近い前記両端部は給気開口422aから空気が補充され、前記中央部は、主唐箕42におけるプレートファン421の回転により前記選別風の風路に吐出されて不足した空気が、前記両
端部から供給されるため、前記中央部における風量が前記両端部の風量よりも大きくなる。
【0086】
そのため、前記両端部では、圧力の低い前記中央部へ空気が流出することによって空気が不足し、給気開口422a以外の領域からも空気が流入する現象が発生する。この現象により、前記両端部近傍の前記選別風の風路において、前記選別風の主唐箕42側への逆流が生じ、さらに渦流が生じるおそれがある。前記渦流は、前記両端部の風量および風速をさらに低下させる。
【0087】
従って、風割体43が主唐箕42に近い位置に配置される場合、風割体43により仕切られた風路における左右方向の両端部において、前記選別風が主唐箕42側へ逆流するおそれがある。
【0088】
第二風W12の逆流は、前記夾雑物の選別不良または前記穀物の飛散などの不都合な事態を引き起こすおそれがある。前記選別不良により前記穀物に混入する前記夾雑物は、水分が多く粒形が前記穀物と異なる。そのため、前記穀物の乾燥工程において、工程時間が長くなる、または、前記夾雑物の詰まりなどの支障が生じ得る。なお、風量の多い第一風W11は、風割体43の前記幅方向の両端部にも充分な量で供給されるため、風割体43の前記幅方向の両端部における逆流は生じにくい。
【0089】
一方、風割体43は、風割体43によって仕切られた第二風路4222における第二風W12の逆流を抑制できる構造を有する。以下、その構造について説明する。
【0090】
[風割体43]
風割体43は、主唐箕42からチャフシーブ412の下方へ向かう風路における前記幅方向の全体に渡って形成されている。
【0091】
例えば、風割体43は、板金部材または樹脂部材である。風割体43は、ファンケース422における前記幅方向の両端の隔壁を成す一対の側板4220に固定されている(
図5参照)。
【0092】
図5に示される例では、風割体43は、それぞれ第一風路4221に対向する第一下面431および第二下面432と、第二風路4222に対向する上面433とを有する。第二下面432は、第一下面431の後方に位置する。
【0093】
風割体43は、風割体43における前記幅方向の両端部に独立して形成された一対の連通風路434を有する。一対の連通風路434は、風割体43の前記幅方向の両端部において、第一風路4221および第二風路4222に連通している。
【0094】
一対の連通風路434は、第一風路4221を通る第一風W11の一部を第二風路4222における少なくとも前記幅方向の両端部へ導く。これにより、第一風W11の一部であるバイパス風W111が、連通風路434の出口開口434bから吐出される。
【0095】
出口開口434bは、風割体43の上面433における前記幅方向の両端部に形成されている。一対の連通風路434は、第一風路4221を通る風の一部を第二風路4222における少なくとも前記幅方向の端部へ導く連通風路の一例である。
【0096】
バイパス風W111は、第二風路4222における一対の側板4220の近傍に流入し、前記幅方向の端部の空気をチャフシーブ412側へ押し込む。従って、バイパス風W111が一対の連通風路434の出口開口434bから吐出されることにより、第二風路4
222における一対の側板4220の近傍で第二風W12が逆流することが抑制される。
【0097】
図5,6に示されるように、風割体43は、第一風路4221を通る第一風W11の一部を一対の連通風路434内へ導く一対の導入板435を有する。一対の導入板435は案内部の一例である。一対の導入板435は、一対の連通風路434の入口開口434aにおける後方の縁から第一風路4221へ突出して形成されている。導入板435は、連通風路434の内壁面における後方側の面に対して主唐箕42側へ傾斜する状態で、第一風路4221へ突出している。
【0098】
風割体43は、一対の導入板435を有することにより、安定的にバイパス風W111を第二風路4222へ供給することができる。
【0099】
連通風路434各々は、第一風路4221側の入口開口434aから第二風路4222側の出口開口434bに向かって徐々に断面積が狭まるテーパ状に形成されている。
【0100】
従って、連通風路434各々における入口開口434aの面積は出口開口434bの面積よりも大きい。これにより、バイパス風W111が、入口開口434aへ流入するときの速度に対し加速されて出口開口434bから吐出される。
【0101】
バイパス風W111が加速されることにより、バイパス風W111が第二風路4222におけるよりチャフシーブ412に近い領域まで到達する。その結果、第二風路4222における第二風W12の逆流がより確実に抑制される。
【0102】
また、一対の連通風路434は、チャフシーブ412に対し前方に形成されている。即ち、一対の連通風路434の出口開口434bは、チャフシーブ412の前端部よりも前方に位置する。これにより、第二風W12がチャフシーブ412に到達する前に、第二風W12の逆流が抑制される。
【0103】
なお、チャフシーブ412に対する前方は、チャフシーブ412に対し前記主方向の上流側を意味する。
【0104】
[第2実施形態]
次に、
図7を参照しつつ、第2実施形態に係る選別装置4Xについて説明する。選別装置4Xは、コンバイン10において選別装置4の代わりに採用される。
【0105】
図7において、
図1~6に示される構成要素と同じ構成要素は、同じ参照符号が付されている。以下、選別装置4Xにおける選別装置4と異なる点について説明する。
【0106】
選別装置4Xは、選別装置4におけるチャフシーブ412およびストローラック413が、第一チャフシーブ412a、第二チャフシーブ412bおよびストローラック413aに置き換えられ、さらに、反転ダクト423が追加された構成を備える。
【0107】
第一チャフシーブ412aおよび第二チャフシーブ412bは、チャフシーブ412と同様に、平行に配列され、角度変更可能な複数のシーブプレート4120を有する。ストローラック413aは、ストローラック413と同様に前記複数のラックプレートを有する。
【0108】
選別装置4Xの揺動体41は、グレンパン411、第一チャフシーブ412a、ストローラック413a、第二チャフシーブ412bおよびグレンシーブ414を有する。グレンパン411、第一チャフシーブ412a、ストローラック413a、第二チャフシーブ
412bおよびグレンシーブ414は一体に構成されている。
【0109】
本実施形態において、第一チャフシーブ412aは、グレンパン411の後方に配置され、第二チャフシーブ412bが第一チャフシーブ412aの後方に配置されている。ストローラック413aは、前後方向において第一チャフシーブ412aの後端部と第二チャフシーブ412bの前端部とに渡る位置に配置されている。
【0110】
第一チャフシーブ412aは、グレンパン411よりも低い位置に配置されている。グレンシーブ414は、第一チャフシーブ412aの下方に配置されている。
【0111】
選別装置4Xの一番搬送部44は、グレンシーブ414の下方に配置されている。二番搬送部45は、ストローラック413aの下方に配置されている。選別装置4Xの補助唐箕46は、第一チャフシーブ412aの後端部、ストローラック413aおよび第二チャフシーブ412bへ向けて補助選別風W2を送る。
【0112】
選別装置4Xにおいて、前記脱穀物から前記夾雑物が除去された残りの前記一番処理物は、第一チャフシーブ412aおよびグレンシーブ414を通過して落下する。また、前記二番処理物が、ストローラック413aおよび第二チャフシーブ412bの隙間を通過して落下する。
【0113】
選別装置4Xも、選別装置4と同様に風割体43を備える。風割体43は、主唐箕42から第一チャフシーブ412aおよびグレンシーブ414へ向かう前記選別風の風路を、下側の第一風路4221と上側の第二風路4222とに仕切る。
【0114】
選別装置4Xにおいて、ファンケース422における主唐箕42の回転軸4210に対し前側の上部に、前開口4223が形成されている。さらに、主唐箕42の風を前開口4223から後方へ向けて反転させ、揺動体41へ導く反転ダクト423が、ファンケース422の上方に形成されている。
【0115】
以下の説明において、反転ダクト423を通る風のことを第三風W13と称する。反転ダクト423は、第三風W13を主にグレンパン411と第一チャフシーブ412aとの間へ導く。また、第三風W13の一部は、第二風路4222にも流入する。このような構造が採用されることにより、グレンパン411の前方にファンを設けることなく、選別装置4Xに満遍なく前記選別風を行きわたらせることができる。
【0116】
選別装置4Xがコンバイン10に採用される場合も、選別装置4がコンバイン10に採用される場合と同様の効果が得られる。
【0117】
[第1応用例]
以下、
図8を参照しつつ、風割体43の第1応用例である風割体43Aについて説明する。
図8において、
図1~7に示される構成要素と同じ構成要素は、同じ参照符号が付されている。
【0118】
風割体43Aは、風割体43に絞り部436が追加された構成を有する。絞り部436は、一対の連通風路434よりも前方において第二風路4222へ突出して形成されている。
【0119】
絞り部436は、第二風路4222を前記幅方向の全体に亘って狭める。絞り部436は、第二風W12の風速を上げる役割を果たす。第二風W12の風速が速まることにより、第二風路4222における前記幅方向の両端部において第二風W12の逆流がより確実
に抑制される。
【0120】
[第2応用例]
以下、
図9を参照しつつ、風割体43の第2応用例である風割体43Bについて説明する。
図9において、
図1~8に示される構成要素と同じ構成要素は、同じ参照符号が付されている。
【0121】
風割体43Bは、風割体43に一対の絞り部437が追加された構成を有する。一対の絞り部437は、一対の連通風路434よりも前方における前記幅方向の両端部において第二風路4222へ突出して形成されている。
【0122】
一対の絞り部437は、第二風路4222における前記幅方向の両端の領域を狭める。一対の絞り部437は、第二風路4222における逆流が生じやすい領域において第二風W12の風速を上げる役割を果たす。一対の絞り部437が設けられることにより、第二風路4222における前記幅方向の両端部において第二風W12の逆流がより確実に抑制される。
【0123】
[第3応用例]
図10に示されるように、第3応用例に係る風割体43Cが、風割体43,43A,43Bの代わりに採用されてもよい。風割体43Cは、一対の連通風路434の代わりに、前記幅方向の全体に亘って一連の連通風路434xを有する。
【0124】
本応用例における連通風路434xは、第二風路4222における前記幅方向の全体に亘る範囲へバイパス風W111を供給する。これにより、第二風W12全体の風量および風速が上昇するとともに、第二風路4222における前記幅方向の両端部において第二風W12の逆流が抑制される。
【0125】
本応用例に係る風割体43Cが採用される場合も、風割体43,43A,43Bが採用される場合と同様の効果が得られる。
【0126】
[第4応用例]
図11に示されるように、第4応用例に係る風割体43Dが、風割体43,43A,43B,43Cの代わりに採用されてもよい。風割体43Dは、風割体43Aに絞り部438が追加された構成を有する。絞り部438は、一対の連通風路434よりも前方において第一風路4221へ突出して形成されている。
【0127】
絞り部438は、第一風路4221を前記幅方向の全体に亘って狭める。絞り部438は、第一風W11を適切な風速に調整する役割を果たす。風割体43Dが採用される場合も、風割体43,43A,43B,43Cが採用される場合と同様の効果が得られる。
【0128】
[第5応用例]
選別装置4の応用例である第5応用例において、主唐箕42のプレートファン421が、前記第一回転方向に対し反対の第二回転方向へ回転することが考えられる。即ち、本応用例において、プレートファン421は、回転軸4210に対し後方においてプレート4211が上から下へ向かう方向へ回転する。換言すれば、本応用例におけるプレートファン421は、選別装置4の前部から後部へ向かう方向に対し右側から見て時計回りに回転する。
【0129】
前述したように、第一風路4221は、プレートファン421の回転方向における上流側の風路であり、第二風路4222は、プレートファン421の回転方向における下流側
の風路である。
【0130】
従って、本応用例において、第一風路4221は、前記選別風の一部をグレンシーブ414の上方の空間へ導く風路であり、第二風路4222は、前記選別風の他の一部をグレンシーブ414の下方の空間へ導く風路である。
【0131】
本応用例において、上側の第一風路4221を流れる第一風W11は、下側の第二風路4222を流れる第二風W12よりも風量が多く、風速が速い。
【0132】
本応用例における風割体は、風割体43,43A,43Bまたは43Cの構成を上下逆にした構成を備える。本応用例が採用される場合も、風割体43,43A,43Bまたは43Cが採用される場合と同様の効果が得られる。
【符号の説明】
【0133】
1 :走行装置
2 :刈取装置
3 :脱穀装置
4 :選別装置
4X :選別装置
5 :貯留装置
6 :動力装置
7 :運転部
10 :コンバイン
41 :揺動体
42 :主唐箕
43,43A,43B,43C,43D:風割体
410 :揺動駆動機構
411 :グレンパン
412 :チャフシーブ
413 :ストローラック
414 :グレンシーブ
434 :連通風路