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特許7155205三次元プリンティングのための装置、システムおよび方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-07
(45)【発行日】2022-10-18
(54)【発明の名称】三次元プリンティングのための装置、システムおよび方法
(51)【国際特許分類】
   B22F 10/36 20210101AFI20221011BHJP
   B22F 10/28 20210101ALI20221011BHJP
   B33Y 30/00 20150101ALI20221011BHJP
   B33Y 10/00 20150101ALI20221011BHJP
   B33Y 50/02 20150101ALI20221011BHJP
   H01S 3/30 20060101ALI20221011BHJP
   G02F 1/35 20060101ALI20221011BHJP
【FI】
B22F10/36
B22F10/28
B33Y30/00
B33Y10/00
B33Y50/02
H01S3/30
G02F1/35 502
【請求項の数】 24
(21)【出願番号】P 2020130547
(22)【出願日】2020-07-31
(62)【分割の表示】P 2018084877の分割
【原出願日】2014-04-29
(65)【公開番号】P2020196952
(43)【公開日】2020-12-10
【審査請求日】2020-08-27
(31)【優先権主張番号】61/817,311
(32)【優先日】2013-04-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】316003531
【氏名又は名称】ヌブル インク
(74)【代理人】
【識別番号】100083895
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 茂
(74)【代理人】
【識別番号】100175983
【弁理士】
【氏名又は名称】海老 裕介
(72)【発明者】
【氏名】ゼディカー, マーク, エス.
【審査官】松岡 徹
(56)【参考文献】
【文献】特表2016-531197(JP,A)
【文献】特開2003-080604(JP,A)
【文献】特開2003-340924(JP,A)
【文献】国際公開第2013/010870(WO,A1)
【文献】特開2009-084619(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B22F 1/00- 12/90
B33Y 30/00
H01S 3/30
G02F 1/35
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
部品を成形するシステムであって、
a.400nmより長く750nmより短い波長と少なくとも100Wの出力とを有する可視光のビームを発生するレーザー光源と、
b.前記ビームと光学連通している金属の固形基材を保持するための部位と、
c.前記レーザー光源の下流にあるスキャニングモジュールであって、前記ビームの前記部位に対するスキャニング動作を発生するように構成されており、前記スキャニング動作は前記部品のための予め定められたパターンに対応している、スキャニングモジュールと、
d.前記レーザー光源及び前記スキャニングモジュールと動作的に接続されたコンピューター制御システムであって、(i)前記スキャニング動作を制御し、(ii)前記部位における前記ビームの出力を制御するようにされたコンピューター制御システムと、
を備え、
e.当該システムは、前記部位における前記ビームが、70μm以下のスポットサイズの単一のスポットを形成して、前記金属の固形基材を熔解、軟化、又はその両方をして前記金属の固形基材から前記部品を形成するようにされた、システム。
【請求項2】
部品を形成するシステムであって、
a.複数のレーザービームレットを発生する複数のレーザーダイオード、及び前記複数のレーザービームレットを結合させて400nmより長く750nmより短い波長を有する可視光のビームを提供するための手段、を有するレーザー光源と、
b.前記ビームと光学連通している金属の固形基材を保持するための部位であって、前記ビームが当該部位において少なくとも100Wの出力を有する、部位と、
c.前記レーザー光源の下流にあるスキャニングモジュールであって、前記ビームの前記部位に対するスキャニング動作を発生するように構成されており、前記スキャニング動作は前記部品のための予め定められたパターンに対応している、スキャニングモジュールと、
d.前記レーザー光源及び前記スキャニングモジュールと動作的に接続されたコンピューター制御システムであって、(i)前記スキャニング動作を制御し、(ii)前記部位における前記ビームの出力を制御するようにされたコンピューター制御システムと、
を備え、
e.当該システムは、前記部位における前記ビームが、70μm以下のスポットサイズの単一のスポットを形成して、前記金属の固形基材を熔解、軟化、又はその両方をして前記金属の固形基材から前記部品を形成するようにされた、システム。
【請求項3】
前記金属の固形基材が、アルミニウム、鉄鋼、チタニウム、銅、青銅、金、及びこれら材料の合金からなる群から選択された、請求項1又は2に記載のシステム。
【請求項4】
前記波長が青色である、請求項1乃至3のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項5】
前記ビームの出力が200Wより大きい、請求項1乃至4のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項6】
前記ビームの出力が500Wより大きい、請求項1乃至4のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項7】
前記ビームの出力が1000Wより大きい、請求項1乃至4のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項8】
表面粗さが透過電子顕微鏡法で測定して0.1nmから50nmの前記部品を形成するようにされた、請求項1乃至7のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項9】
表面粗さが透過電子顕微鏡法で測定して0.1nmから10nmの前記部品を形成するようにされた、請求項1乃至7のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項10】
前記ビームが高輝度である、請求項1乃至9のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項11】
前記ビームが前記部位において高輝度である、請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
前記ビームが1.0より大きいMと単一横モードとを有する、請求項1乃至11のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項13】
前記ビームが1.1より大きいMと単一横モードとを有する、請求項1乃至11のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項14】
前記ビームがシングルモードである、請求項1乃至13のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項15】
前記ビームが前記部位においてシングルモードである、請求項14に記載のシステム。
【請求項16】
前記部位に焦平面を有する、請求項1乃至15のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項17】
前記部位における前記ビームが、35μm、70μm、及び1μm未満からなる群から選択されたスポットサイズを有するようにされた、請求項1乃至16のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項18】
前記コンピューター制御システムによる前記出力の制御が、前記ビームを変調することを含む、請求項1乃至17のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項19】
前記変調の速度が、50kHz、100kHz、200kHz、300kHz、400kHz、500kHz、1GHz、2GHz、3GHz、4GHz、5GHz、及び10GHzの群から選択された、請求項18に記載のシステム。
【請求項20】
前記部位がビルドボリュームを画定し、当該システムは、あるビルド速度を提供し、且つある表面粗さを有する前記部品を形成するようにされており、当該システムにおける前記可視光のビームに代えてIR波長のビームを有することを除いて当該システムと同一である別のシステムと比較したときに、(i)前記ビルド速度が前記別のシステムよりも2.5倍以上速い、(ii)前記ビルドボリュームが前記別のシステムよりも150倍以上大きい、及び(iii)前記表面粗さが前記別のシステムよりも2倍以上よい、ことのうちの少なくとも一つをなし得るようにされている、請求項1乃至19のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項21】
前記部位がビルドボリュームを画定し、当該システムは、あるビルド速度を提供し、且つある表面品質を有する前記部品を形成するようにされており、当該システムにおける前記可視光のビームに代えてIR波長のビームを有することを除いて当該システムと同一である別のシステムと比較したときに、(i)前記ビルド速度が前記別のシステムよりも速い、(ii)前記ビルドボリュームが前記別のシステムよりも大きい、及び(iii)前記表面品質が前記別のシステムよりもよい、ことのうちの少なくとも二つをなし得るようにされている、請求項1乃至19のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項22】
部品を形成するシステムであって:
a.青色の波長と少なくとも500Wの出力を有する青色のビームを発生するレーザー光源と、
b.前記ビームと光学連通している金属の固形基材を保持するための部位であって、前記金属の固形基材はアルミニウム、ニッケル、鉄鋼、チタニウム、銅、青銅、金、及びこれら材料の合金からなる群から選択されている、部位と、
c.前記レーザー光源の下流にあるスキャニングモジュールであって、前記ビームの前記部位に対するスキャニング動作を発生するように構成されており、前記スキャニング動作は予め定められたパターンに対応している、スキャニングモジュールと、
d.前記レーザー光源及び前記スキャニングモジュールと動作的に接続されたコンピューター制御システムであって、(i)前記スキャニング動作を制御し、(ii)前記部位における前記ビームを変調するするようにされたコンピューター制御システムと、
を備え、
e.当該システムは、前記部位における前記ビームが、70μm以下のスポットサイズの単一のスポットを形成して、前記金属の固形基材を溶解、軟化、又はその両方をして前記金属の固形基材から前記部品を形成するようにされ、
f.当該システムがビルドボリュームを画定し、当該システムは、あるビルド速度を提供し、且つある表面粗さを有する前記部品を形成するようにされており、当該システムにおける前記青色のビームに代えてIR波長のビームを有することを除いて当該システムと同一である別のシステムと比較したときに、(i)前記ビルド速度が前記別のシステムよりも速い、(ii)前記ビルドボリュームが前記別のシステムよりも大きい、及び(iii)前記表面粗さが前記別のシステムよりもよい、ことのうちの少なくとも二つをなし得るようにされている、システム。
【請求項23】
前記ビームの出力が1000Wより大きい、請求項22に記載のシステム。
【請求項24】
前記レーザー光源が、複数のレーザービームレットを発生させる複数のレーザーダイオードと、前記複数のレーザービームレットを結合させて前記青色のビームを提供するための手段とを備える、請求項22又は23に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
(関連出願の参照)
本出願は2013年4月29日に出願された米国仮出願第61/817,311号に基づく優先権を主張し、当該米国仮出願に記載された全ての記載内容を援用するものである。
【0002】
三次元(3D)プリンティングはデジタルモデルから三次元の中実物体(solid object)を作成する製造プロセスである。3Dプリンティングは概してアディティブ法で実現され、材料の連続する層が種々の形状で据え置かれる(laid down)。3Dプリンティングは、切削や削孔などの方法(削除法)により材料を除去することに依拠することのできる、従来の機械加工技術と異なる。
【0003】
さまざまなアディティブ法が現在は利用できる。それらは各部を作るための層を正確に置く方法および使用することのできる材料において相違する。幾つかの方法は当該層を作るために材料を溶融又は軟化する、例えば、選択的レーザー溶融(SLM:selective laser melting)または直接金属レーザー焼結(DMLS:direct metal laser sintering)、選択的レーザー焼結(SLS:selective laser sintering)、熱溶解積層法(fused deposition modeling)であり、一方、他の方法は種々の精緻な技術を用いて液状の材料を硬化させる、例えば光造形法(SLA:stereolithography)である。薄膜積層法(LOM:laminated object manufacturing)の場合、薄い層を、形づくるために切り取り、相互に接合する(例えば、紙、ポリマー、金属)。
【0004】
そのような手法は3D物体の形成を提供する一方、そのような手法と関連する制限がある。そのような手法は一般的に電磁波スペクトルの赤外線(IR)部分の波長、例えば1マイクロメートルより大きい波長のレーザー光線を利用する。このことはサブミクロンの分離度(resolution)の物体の形成を困難にする。更に、一般的な3Dプリンティングシステムは低速であり、表面粗さの小さい物体を生成することができず、そのような3Dプリントされた物体を多くの最終用途には不適当にする。
【発明の概要】
【0005】
本書で、改良された三次元(本書では“3D”又は“3-D”とも記す)プリンティングシステム及び方法の必要性が認められる。構成要素を層ごとに製作するために赤外線(IR)レーザーを用いる場合に当てはまるであろうが、特に、製造速度の遅さ、フィーチャーの分離度の低さ及びその部分の表面粗さの大きさに対処する必要性がある。本発明は、これら及び他の必要性に対して、本書で教示する製造、機器及びプロセスを提供することによって対処する。
【0006】
この開示は、材料の層を可視レーザーシステムを使って溶融して、部品又は構成要素を製造することにより、高い分離度で高い体積製造速度を実現する方法、機器及びシステムを提供する。本書で開示する機器及びシステムは可視レーザーの使用を三次元プリンティングの適用に採用する。ここに提供される機器及びシステムは、レーザーを利用した3Dプリンターを製造に使用するときに要求される分離度と製造速度とを、同時に又は実質的に同時に実現することができる。
【0007】
この開示は、所与の最終集束光学系に関して実質的に小さいスポットサイズを生じさせるために可視レーザー光源を使用する三次元プリンティングシステムを提供する。
【0008】
3-Dレーザー焼結システム即ち3-Dレーザープリンティングシステムは一対のスキャナーを使用し、この一対のスキャナーは前記対物レンズの焦平面内でのレーザービームの移動を生じさせるために、最終集束対物レンズへの入射角度をスキャンするための機械的なステッピング形の装置、ガルバノメーター又は同様の機構であってもよい。前記対物レンズは、プリント平面の全てにわたり終始一貫したレーザースポットサイズ生じさせることのできるf-θレンズ又は同様の多素子レンズデザインであってもよい。前記プリント平面上のスポットサイズは、平行レーザービームの直径、対物レンズの焦点距離及びレーザー光源の波長によって決定される。従って、レーザー光源の波長は、最終的に最小スポットサイズ及びスキャンすることのできる体積を画定するので、前記システムにおいて重要なパラメーターである。
【0009】
前記プリント平面は粉末金属の層、硬化させることのできる感光性樹脂、又は加熱することによって流すかまたは硬化させることのできる高分子化合物であってもよい。粉末の層は、ローラー又はブレード形のシステム、又はレーザービームと同軸で但しビームの周辺にだけ送る粉末吐出ノズルを用いた直接堆積の手段で予めセットすることができる。
【0010】
可視領域で動作する高出力、高輝度のレーザー光源を発生させるのに、少なくとも2つの方法がある: 1)赤外レーザー光源のチタンリン酸カリウム(KTP:potassium titanyl phosphate)又は周期的分極反転ニオブ酸リチウム(LiNbO3)などの非線形結晶の中での周波数倍加、又は 2)ファイバーレーザーのアップコンバージョン作用であり、そこで赤外多光子がエルビウム(Er)又はツリウム(Tm)などの希土類イオンに吸収され、高エネルギー状態が生成されてエルビウムの場合は緑、ツリウムの場合は青などの可視波長での振動に至る。倍加プロセスに用いられるKTP又はニオブ酸リチウム結晶の損傷閾値が低いために、赤外レーザーの周波数倍加を高出力レベルにスケールアップすることが困難である虞がある。それ故に、倍加技術に基づいているレーザーはシングルモード出力の場合は200ワット未満に制限される虞がある。前記第2の技術、即ちファイバーレーザーの中でのアップコンバージョンも同様に、ドープされたファイバー中に存在する高エネルギーの光子に起因する、前記ファイバーがカラーセンターの形成を受ける傾向があることによって、出力が制限される虞がある。更に、生成されてUV光子を生じさせることのできるこれらのアップコンバージョン層の中に、より高位の状態があり、これが、さらにいっそう速くカラーセンターを形成する原因となり、当該センターは光子の高エネルギーによってファイバーの中に形成された広帯域吸収のセンターであって、前記アップコンバージョンプロセスで生じる潜在的な利得を上回る損失の生成という結果となり、レーザーの作動を妨げる。
【0011】
この開示は高出力、高輝度の可視レーザー放射を発生させるための装置、システム及び方法を提供する。そのような装置及びシステムは複数のモジュールを含むことができ、それぞれのモジュールは所与の機能を実行するように構成される。いくつかの実施形態では、可視レーザー放射を生成するための装置は可視レーザーダイオードのアレイと、ビーム形成システム及び個別のレーザーダイオードの出力をシングルモードの出力に結合するための誘導ラマン散乱(SRS)を用いるビームコンバーターを含む。可視レーザーダイオードの出力は、1次のラマンシフトした波長のレーザー作用を可能にするために、SRSプロセスによって利得を生じさせるのに十分に直径が小さいファイバーに集中させることができる。
【0012】
更に、各レーザーダイオードがTO56ケースに実装され、コリメート光学系、平行光源の発散を対称的にする円形化光学系、ビームレットのアレイを圧縮して個々のレーザー源それぞれの間のデッドスペースを取り除くビーム整形光学システム、及び、モジュラープレートからの各ビームをインターレースするためのモジュールを備えるモジュラープレート構造の可視ダイオードレーザーシステムが示される。レーザーダイオードが1本の軸内でコリメートされている場合、他の軸について、最終合焦光学系によって生成する必要のあるスポットに応じて、両方の軸の発散が等しいようにも異なるようにもコリメートするために、シリンドリカルレンズを使用することができる。
【0013】
それぞれのレーザーダイオードのプレートからのレーザービームは、最終のビーム合焦光学系に向けて出射されるのに先立って、システムの機械的属性に伴う隙間を埋めるために垂直方向にインターレースされる。本書で使用されるように、特に指定がない限り、インターレースとは、異なる光源からのビームであって、前記二つの光源が、垂直又は水平のどちらであっても平行に並べられたとき、システムの下流にある(ある場合には最終の)光学系に出射されるのに先だって、前記ビームの間のデッドスペースを除去するように現れるように、前記ビームを互いに隣接して交互(alternating)となるように配置することである。場合によっては、ビームを集束(合焦)させる光学系は、光ファイバーの中に集束させるための大きな収集開口を有効にするために、最適形状のレンズ、球面収差を補正したマルチエレメントレンズ、任意の色収差を補正するための色消しレンズ、又はF値(又は焦点比)の低い非球面レンズであってもよい。本書で使用されるように、特に指定がない限り、非球面レンズは前記レンズの開口を通過する全ての光線の経路長を、前記開口の場所に依らずに均等にするために、ゼルニケ近似多項式によって画定された球面でない断面を有するレンズである。
【0014】
更に、前記レーザーダイオードアレイからのポンピング光を収集するための三重のクラッディングと、可視レーザーダイオードからの非干渉性のポンピング光を伝搬する低損失(例えば50デシベル/キロメーター(db/km)、40db/km、30db/km、20db/km又は10db/km未満)のクラッディング及び低損失のシングルモードコア(例えば、50db/km、40db/km、30db/km、20db/km又は10db/km未満)を備えた光ファイバーが提供される。可視レーザーダイオードの放射光は外側クラッディングの中に閉じ込めることができるが、中心コアをランダムに横断してSRSプロセスによって前記コアの中で利得を生じさせる。可視レーザーダイオードにとって十分な強度においては、利得はファイバーの中での損失を上回ることができて、外部反射鏡、組み込まれた格子又は外付け格子のいずれかからでものフィードバックと合成されたとき、多軸又は単軸モードの動作を伴う単一横モードで発信するようにすることができる。この技術は、大部分の光ファイバー特有の損失の大きさ(例えば、約50dB/km以上)のためにこれまで実現されたことはなかったであろう。この開示の光ファイバーは当該ファイバー中でのレイリー散乱(Rayleigh scattering)を有利に極小化し、SRSの利得を当該ファイバー中の損失を上回るようにすることができる。
【0015】
更にこの開示は、ターゲット材料の上で、当該材料を融合させ、当該材料を硬化させ又は当該材料を切除するために高出力レーザー動作を実行する方法を提供しており、この方法は重層的な3D物体の形成に使用することができる。当該材料は、金属材料、絶縁材料、半導体材料、高分子材料、複合材又はそれらの組み合わせなどの多数の何れかであってもよい。材料例には鉄鋼、チタニウム、銅、青銅、金、及びこれらの材料の合金を含むがこれに限定されるものではない。
【0016】
材料の吸収特性は波長の低減に伴って向上することができる。結果として、青色レーザーの波長を用いた場合はIRレーザーに比べて処理速度が顕著に向上することができる(下の表1を参照)。
【表1】
【0017】
この開示の一つの実施形態は、三次元物体を形成するための、誘導ラマン散乱による可視光の可干渉性ビームを発生するレーザー光源、前記レーザー光源と光学連通している基材、及び前記レーザー光源の下流のスキャニングモジュールを含むプリンティングシステムを提供する。前記スキャニングモジュールは、前記可干渉性の可視光ビームの前記基材に対するスキャニング動作を発生するように構成することができ、このスキャニング動作は前記三次元物体の予め定められた形状に対応する。前記プリンティングシステムは、更に前記レーザー光源及び前記スキャニングモジュールと動作的に接続されたコンピューター制御システムを含む。前記コンピューター制御システムは、(i)予め定められた方法で前記スキャニング動作を制御し、及び(ii)前記物体を形成するために前記基材に対して前記レーザー光源の出力を変調する、ようにプログラムすることができる。
【0018】
この開示の他の実施形態は、三次元物体を形成するためのプリンティングシステムを提供し、このプリンティングシステムはレイリー損失が約50デシベル毎キロメートル(db/km)未満の光ファイバーの中に可視光の可干渉性ビームを出力する少なくとも1本の光ファイバーと、前記レーザー光源と光学連通している基材(例えば粉末)及び前記レーザー光源の下流のスキャニングモジュールを更に含み、前記スキャニングモジュールは可視光ビームの前記基材に対する予め定められたスキャニング動作を発生するように構成されている。前記予め定められたスキャニング動作は、前記三次元物体の形状に対応することができる。前記プリンティングシステムは、更に前記レーザー光源及び前記スキャニングモジュールと動作的に接続されたコンピューター制御システムを含んでもよい。前記コンピューター制御システムは、(i)予め定められた方法で前記スキャニング動作を制御し、及び(ii)前記物体を形成するために前記基材に対して前記レーザー光源の出力を変調する、ようにプログラムすることができる。
【0019】
この開示のもう一つの実施形態は、レーザー光源及び前記レーザー光源の光学的下流のスキャニングモジュールの提供と、誘導ラマン散乱による可視光の可干渉性ビームを発生する前記レーザー光源の使用を含む、三次元物体を形成する方法を提供する。次に、前記可視光の可干渉性ビームは、前記レーザー光源と光学連通している基材に向けられる。その結果、前記基材の中に又は前記基材から形体(feature)が形成される。当該形体は少なくとも前記三次元物体の予め定められた形の一部に対応することができる。次に、前記スキャニングモジュールが前記基材に対する前記可視光の可干渉性ビームのスキャニング動作を発生させるために使用される。前記スキャニング動作は、前記三次元物体の予め定められた形に形状に対応することができる。次に、前記基材は、一般的に前記可視光の可干渉性ビームに平行な方向に沿って前記レーザー光源と相対的に移動される。
【0020】
この開示のもう一つの実施形態は、一つ又は複数のコンピュータープロセッサーで実行されると、上記の及び本書の何れかに記載された方法の何れかを実行する、機械で実行可能なコードを含んでいるコンピューター可読媒体(例えば、メモリー)を提供する。
【0021】
この開示のもう一つの実施形態は、一つ又は複数のコンピュータープロセッサー及びそれに接続されたメモリーを含むコンピューターシステムを提供する。前記メモリーは、一つ又は複数のコンピュータープロセッサーで実行されると上記の及び本書の何れかに記載された方法の何れかを実行する、機械で実行可能なコードを含んでいる。
【0022】
この開示の更なる実施形態更には有効性は、以下の詳細な説明から当業者には直ちに明らかとなるであろうが、以下の詳細な説明ではこの開示の具体例のみが示され、説明されている。理解されるであろう通り、この開示は他の実施形態及び異なる実施形態が可能であり、この開示のそれぞれの詳細は種々の明らかな点でこの開示から逸脱することなく改良することができる。従って、図面及び記載は事実上説明のためであり、制限しようとするものではない。
【0023】
(参照による組み込み)
本書で言及されている全ての出版物、特許、及び特許出願は、各個別の出版物、特許、又は特許出願が特定的に且つ個別に、参照することによって組み込まれると記載されているのと同じ程度まで、参照することによってここに組み込まれる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
発明の新規特徴は添付の特許請求の範囲の中で詳細に記載される。本発明の前記特徴及び長所は、実施形態を記載した以下の詳細な説明を参照することによってより良く理解されるであろうが、前記実施形態においては当該発明の原理が利用され、それに付随する図面(本書では「図」(”figure”及び”FIG.”)とも記す)は以下のとおりである。
【0025】
図1図1は可視レーザー光源を用いるスキャナーとf-θレンズに基づく三次元(本書では“3-D”及び“3D”とも記す)プリンティングシステムの実施形態を示す概略図である。
【0026】
図2図2は可視レーザー光源を備える直線移動ステージを用いる3-Dプリンティングシステムの実施形態を示す概略図である。
【0027】
図3図3は可視レーザー光源の実施形態を示す概略図である。
【0028】
図4図4はTO56パッケージにパッケージ化された複数のレーザーダイオード光源を用いるモジュール式レーザープレートの実施形態を示す図である。
【0029】
図5図5はレーザー光源の二次元アレイを形成するために積層された複合的なモジュール式レーザープレートの実施形態を示す図である。
【0030】
図6A図6A図6Bと合わせて、ポンプ出力をシングルモード出力にすることの進化を図式化して示す図である。
図6B図6B図6Aと合わせて、ポンプ出力をシングルモード出力にすることの進化を図式化して示す図である。
【0031】
図7図7はこの開示の方法を実行するようにプログラムされているか又はそうでなければ実行するように構成されているコンピューターシステムを図式化して示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
発明の種々の実施形態が本書に示され記載されているが、当該の実施形態は当業者には例示のみとして提供されることが明らかであろう。多くのバリエーション、変更及び置換が、当業者には本発明から逸脱することなく思い浮かべることができる。本書に記載された発明の実施形態の種々の代替手段を採用してもよいことを理解されたい。
【0033】
「可視光」という用語は、本書では概して波長が約380ナノメートル(nm)から760nm(400~790テラヘルツ)の間の電磁放射線(光)を指す。可視光は人間の目で見える。可視レーザー光は約380nmから760nmの間の波長を持っている。
【0034】
「高出力レーザーエネルギー」という用語は、本書では概して少なくとも約200ワット(W)の出力を有するレーザービームを指す。
【0035】
「大量出力損失」という用語は、本書では概して可視波長について約10dB/km(デシベル/キロメートル)より大きい出力損失を指す。
【0036】
「可視波長」という用語は、本書では概して400nmより長く750nmより短い波長のレーザービームを指す。
【0037】
「高輝度」という用語は、本書では概して回折限界性能又は近回折限界性能を備えるシングルモードレーザー動作を指す。
【0038】
「ビームレット」という用語は、本書では概して1本の軸又は2本の直交する軸内でコリメートすることのできる単一のレーザーダイオード光源からの電磁放射線のビームを指す。
【0039】
「インターレース」という用語は、本書では概して異なる光源からのビームであって、前記二つの光源が、垂直又は水平のどちらであっても平行に並べられたとき、システムの下流にある(ある場合には最終の)光学系に出射されるのに先だって、前記ビームの間のデッドスペースを除去するように現れるように、前記ビームを互いに隣接して交互(alternating)となるように配置することを指す。
【0040】
「F値」(焦点比、F比、Fストップ、及び口径比とも記す)という用語は、本書では概して光学システムのレンズの焦点距離の瞳孔中心の直径に対する比を指す。
【0041】
「非球面レンズ」という用語は、本書では概して前記レンズの開口を通過する全ての光線の経路長を、前記開口の場所に依らずに均等にするために、ゼルニケ近似多項式によって画定された球面でない断面を有するレンズを指す。ゼルニケ近似多項式は単位円板に直交する一連の多項式である。
【0042】
「ビルドボリューム(最大プリント可能スペース)」という用語は、本書では概して3Dプリントされた物体などの製作中の物体の体積を指し、当該物体は例えば横方向の範囲“x”、横断方向の範囲“y”及び垂直方向の範囲“z”のレーザービームでスキャンすることができる。垂直方向の範囲は、各層が加工された後にプリントされた物体を“z”方向に徐々に平行移動させるエレベーターによって画定することができる。
【0043】
「シングルモード」という用語は、本書では概して低M値のレーザーシステムの近回折限界性能に関連し、ここでMはレーザーコースティック(laser caustic)及び前記レーザービームがどれだけ回折限界性能に近づいているかを定義する。本書で使用されるように、特に指定がない限り、Mはビームの回折限界に対する倍数として定義され、約1以上であってもよく、約1.1以上でそれでもなお単一横モード、又は約1.3以上でそれでもなお単一横モードであってもよい。
【0044】
「誘導ラマン散乱」という用語は、本書では概して、光学材料の中で利得を生じるようにファイバーの分子から光子が低エネルギー状態に(ストークスシフト)又は高エネルギー状態に(反ストークスシフト)散乱する。光子のレーザービームの中で、いくつかのストークス光子が自発ラマン散乱によって既に生成されていてもよく(そして前記材料中に残存してもよく)、又はいくつかのストークス光子(“シグナル光”)がオリジナル光(“ポンピング光”)と一緒に意図的に注入されていてもよい。概して、光子が原子又は分子から散乱されるとき、ほとんどの光子は散乱された光子が入射光子と等しいエネルギー(周波数及び波長)を持つように弾性的に散乱される(レイリー散乱)。ごくわずかの、入射光子と異なる、通常はより低い周波数の散乱光子(例えば、大凡一千万中1個)が励起によって散乱される。気体中では、ラマン散乱は、一つのエネルギー状態から他のエネルギー状態への遷移に起因する分子のエネルギー変化を伴って起こり得る。ラマン散乱過程は自発的に、即ち無作為の時間間隔で発生することができて、多くの入射光子のうちの1つが前記材料によって散乱される。この過程は“自発ラマン散乱”と呼ぶことができる。“誘導ラマン散乱”(本書では“SRS”とも記す)においては合計のラマン散乱率自発ラマン散乱の比率を超えて増加することができる:ポンピング光子は追加のストークス光子により速やかに変換することができる。ストークス光子がより多く既に存在していればいるほど、より速やかに追加される。このことによりポンピング光の中に存在するストークス光を効率的に増幅することができ、これをラマン増幅及びラマンレーザーに利用することができる。
【0045】
(三次元プリンティング装置、システム及び方法)
この開示は、物体(又は部分)のコンピューターデザインからの直接的作成において、材料を溶融又は除去するために方向づけられたエネルギーを材料の層に当てるための装置、システム及び方法を提供する。これは、三次元物体を層ごとのやりかたで作成即ちプリントすることに使用することができる。本書で提供される方法は粉末材料の機構部品としての硬化を完遂させたり、硬化を完遂するために後処理が必要な部品として結合剤を融解したりすることに使用することができる。
【0046】
この開示の装置、システム及び方法は、消費者向け又は産業用途の物体など種々の物体又は部品を形成することに使用することができる。当該物体はコンピューターシステムの上でデジタル処理によって設計することができ、本書で提供される装置及びシステムで組み立てることができる。いくつかの例によれば、この開示の装置、システム及び方法は消費者向け部品(例えば、玩具)、電子部品、医療機器、又は産業用又は軍事用設備の構成要素の形成に使用することができる。この開示の装置、システム及び方法は消費者向け、教育用、医療用及び軍事用の応用など、種々の応用を利かせることができる。産業用の場合は、本書で提供された装置、システム及び方法は材料加工に使用することができる。
【0047】
この開示の装置、システム及び方法は、他のシステムが現在利用できるよりも高精度かつはるかに短い時間スケールで物体を形成することに可視レーザーの使用を採用することができる。ある場合には、前記のことは誘導ラマン散乱(SRS)が可視レーザー光の高干渉性ビームをシングルモード出力で発生することに使用することができるという予想外の認識に基づく。当該レーザーは高解像度レーザープロジェクター又はスーパーコンティニウムレーザーとして動作させることができる。
【0048】
図1は高出力可視光レーザーシステムに基づく3-Dレーザープリンティングシステムの概略図である。当該システムはシングルモード可視レーザー光源(1001)を含む。前記可視レーザー光源(1001)は1個又は複数のレーザーダイオードを含むことができる。前記可視レーザー(1001)の出力(1002)はビームを直交方向にスキャンする一対のスキャナー(1003)に向けることができる。前記スキャナー(1003)は前記レーザービームを、X-Yラスターパターン又はベクタースキャニングパターンで焦点面と交わるようにスキャンする一対のガルバノメーターをであってもよい。前記スキャナーは直交からの角度偏移を生じることができ、焦点面内のレーザースポットの移動を生じることができる。前記スキャナー(1003)で反射されたレーザー放射(1004)は対物レンズ(1005)に向けられることができ、当該対物レンズは粉末など基材(1007)に向けることができる集束ビーム(1006)を生じることができる。いくつかの例によれば、前記基材(1007)は粉末層の中の粉末である。これにより、レーザービームの焦点にある前記基材(1007)を融解させ、又は溶解させることができる。
【0049】
前記スキャナー(1003)は、前記レーザー放射(1004)製作中の三次元物体の二次元形状及び三次元形状を画定する形で粉末(1007)の全てにわたりラスタースキャンすることに使用することができる。これは層ごとの方法で実行することができる。所定の層で、当該における前記物体の前記二次元形状が前記レーザー放射(1004)を用いて画定される。一連の層における前記二次元形状は前記物体全体を形成するために前記レーザー放射(1004)を用いて画定することができる。
【0050】
前記レーザー放射(1004)の種々のパラメーターを前記物体の所望の形状を提供するために選択することができる。当該パラメーターは、制限なく、露光時間及びレーザー出力を含む。例えば、前記基材(1007)が前記レーザー放射(1004)に露出される時間は前記基材(1007)の材料の融解又は溶解速度に基づいて選択することができる。
【0051】
前記基材(1007)は基材ホルダーによって、又は基材ホルダーの中に支持することができる。前記基材ホルダーは、前記物体を垂直方向に(即ち、レーザー光の全体的な伝搬方向に平行に)前記物体の層ごとの製作、又は成長の間移動するために、垂直移動機構(図1に示すように“Z軸移動機構”)(1008)を含んでもよい。前記垂直移動機構は、ステップモーターなどのモーターであってもよい。前記垂直移動機構(又はエレベーター)は前記物体の製作の間ずっと、少なくとも約5ナノメートル(nm)、10nm、20nm、30nm、40nm、50nm、100nm、200nm、500nm、1マイクロメートル(μm)、2μm、3μm、4μm、5μm、10μm、20μm、30μm、40μm又は50μmの刻みで前記基材を歩進させることができる。
【0052】
代案として、又は追加案として、可視レーザー(1001)、スキャナー(1003)及び対物レンズ(1005)を含む組立体(例えばTO56ケース)が前記基材(1007)に対して垂直に移動してもよい。前記組立体は前記物体の製作の間ずっと、少なくとも約5ナノメートル(nm)、10nm、20nm、30nm、40nm、50nm、100nm、200nm、500nm、1マイクロメートル(μm)、2μm、3μm、4μm、5μm、10μm、20μm、30μm、40μm又は50μmの刻みで前記組立体を歩進させることのできる垂直移動機構を含んでもよい。
【0053】
図1において形成される前記レーザースポットの直径は前記対物レンズ(1005)の前記焦点距離、前記対物レンズ(1005)の上でのビームサイズ、及び前記レーザービームの波長によって決定することができる。ビルドボリュームは前記対物レンズの直径及び前記スキャナーに起因する変換を含む前記対物レンズ上のビームの直径で限定することができる。IRに基づくシステムにおける前記スポットサイズは大凡70マイクロメートル(μm)であり、ビルドボリュームは前記対物レンズ上のビームの限界サイズに起因して、9.6”(24.4cm)×9.6”(24.4cm)×11”(27.9cm)(表2参照)である。波長が459nmの青色レーザーシステムは有利には、ある場合にはIRシステムと同じ光学システムで約35μm以下のスポットサイズを生成することができる。前記光学システムが同じであるので、前記ビルドボリュームは変わらずそのままで、解像度及び表面品質が1、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、2、3、4、5、6,7、8、9、又は10倍以上に向上される。前記青色レーザーシステムに基づく3-Dプリンターの最終集束レンズが70μmのスポットを生成するように変更されると、前記IRシステムと同等の解像度が実現される一方でビルドボリュームは150倍という倍率に向上することができる。
【表2】
【0054】
別報として図2を参照すると、この実施形態の3-Dプリンターは、パターンのプリントに対してスキャナーではなくて一対の直線移動ステージに基づいている。当該直線移動ステージはスポットサイズ及び書き込み速度を支配する基本的な幾何学的配置を変更し、スポットサイズが1000ナノメートル(nm)、900nm、800nm、700nm、600nm、又は500nm未満であるように十分に短い焦点距離のレンズの使用の可能性を広げる。このサブミクロンのスポットサイズは、微小電気機械(MEMS)機器の直接製作に適切な可能性がある。前記レーザービーム(2002、2004及び2006)は、パターンを基材の中に描くか、又は同軸ノズルを用いて前記ビームの中に基材の直接噴射することによって描くかのいずれかのために移動ステージ(2007)を使用して、基材(例えば粉末)の表面全体にわたって移動することができる。部分の解像度は小直径のビーム、及び当該部分の直接描き込みに使用されるナノメートルスケールの粉末など(例えば50nm)の基材のサイズの賜物であってもよい。
【0055】
前記移動ステージ(2007)は前記基材を(レーザー光の大凡の出射方向に直交する)X-Y平面内で、及び/又はZ軸に沿って移動させることができ、当該Z軸はレーザー光の大凡の出射方向に平行であってもよい。前記移動ステージ(2007)は2つの直線運動サブステージをふくむことができる。前記移動ステージ(2007)は基材ホルダーの一部であってもよく、前記基材を前記物体を製作する間ずっと支持するように構成されることができる。移動ステージはステップモーターなどのモーターを含むことができる。前記移動ステージ(2007)は、当該ステージを製作の間にZ軸に沿って移動させることのできる垂直移動機構(2008)を含むことができる。前記垂直移動機構(又はエレベーター)は前記基材を少なくとも5ナノメートル(nm)、10nm、20nm、30nm、40nm、50nm、100nm、200nm、300nm、400nm、500nm、1マイクロメートル(μm)2μm、3μm、4μm、5μm、10μm、20μm、30μm、40μm、又は50μm刻みで製作の間に歩進させることができる。
【0056】
代案として、又は追加案として、可視レーザー(2001)、x-y整列システム(2003)及び対物レンズ(2005)を備える組立体は、前記基材に対して垂直に移動することができ、前記基材は前記ステージ(2007)に置くことができる。前記組立体は少なくとも5ナノメートル(nm)、10nm、20nm、30nm、40nm、50nm、100nm、200nm、300nm、400nm、500nm、1マイクロメートル(μm)2μm、3μm、4μm、5μm,10μm、20μm、30μm、40μm、又は50μm刻みで前記組立体を製作の間に歩進させることができる垂直移動機構を含むことができる。
【0057】
ある実施形態では、前記レーザー(2001)及び対物レンズ(2002~2005)は、サブシステムとして、前記ビームの出力が変調されて部分が層ごとに画定されるのに伴って、前記基材の全面にわたって移動される。前記レーザーはシングルモードの可視レーザーであってもよい。当該レーザー(2001)は1つ又は複数の可視レーザーダイオードを含んでもよい。例えば、ビームの出力は製作中の部分の(又は物体の)形状に基づいて予め定められた方法で、レーザー出力をオンにしたりオフにしたり、又はレーザー出力を徐々に増加させたり減少させたりして変調される。代替案として、前記レーザーは静止していてもよく、このときは、レーザービームが高度に平行になっている性質を利用して、光学ヘッドが部分全体にわたって移動される。そのような浮動光学ヘッド技術は、現在CO平面シートカッターに用いられている構成要素を含むことができる。例えば、Todd,Robert H.;Allen, Dell K.; Alting, Leo (1994). Manufacturing Processes Reference Guide. Industrial Press Inc. ISBN 0-8311-3049-0を参照されたく、その全体を参照することによってここに組み込まれる。
【0058】
製作又は製造のスピードは、今日のファイバーレーザーよりも遥かに高い速度で変調することができるレーザーを用いて、今日の多くのシステムで改善することができる。物体(又は部分)を描くとき、スキャニングスピード及びレーザー出力が、所与の材料に対してどれだけ早くビームを移動させることができるかを決定することができる。しかしながら、前記レーザービームが基材(例えば粉末層のなかの粉末)を横切って移動するにつれて、プリント中の層の中の特定の点における前記部分に何も構造が無いと推定されるとき、前記レーザーを止める必要があるかもしれない。前記基材の表面を横切って前記ビームがスキャンされる速さが速ければ早いほど、特徴形状のサイズは小さくなり前記レーザービームのオンとオフの切り換えも速くしなければならない。本出願に記載されたレーザーは実質的に高い変調速度で変調することができる。当該実質的に高い変調速度は製造中の部分の表面特性(例えば粗さ)を向上させることができるのと同様に非常に高い空間分解能の構成要素を製造することができるようにする。
【0059】
今日用いられている赤外線(IR)レーザーは50kHz(1kHz=1000サイクル毎秒)の変調速度に限定されているかもしれない。しかしながら、この開示の可視レーザー(例えば青色レーザー)に基づく装置及びシステムは、約50kHz、100kHz、200kHz、300kHz、400kHz、500kHz、1GHz(1GHz=1000kHz)、2GHz、3GHz、4GHz、5GHz、又は10GHz以上の変調速度であることを可能にする。このタイプのシステムで製造速度を実現するために、高速のビーム共有スイッチを用いる同じレーザーシステム又はモーションシステムと同期した並列レーザーシステムと同時に複合の装置を処理することができる。例示のスイッチは、例えば2、3、4、5、又は6チャンネルのマルチポートスイッチなどのマルチポートビームスイッチである。
【0060】
この開示の可視レーザーに基づく装置及びシステムは、実質的に滑らかな表面を持つ物体(又は部分)を形成することに用いることができる。ある場合には、この開示の装置及びシステムを用いて形成された物体(又は部分)の表面粗さは、透過電子顕微鏡法(TEM)で測定して約0.1nmから50nmの間、又は1nmから20nmの間、又は1nmから10nmの間であることができる。
【0061】
この開示の可視レーザーに基づく装置及びシステムは、実質的に高いアスペクト比(例えば、幅で割った長さ)の物体(又は部分)を形成することに用いることができる。ある場合には、この開示の装置及びシステムを用いて形成された物体(又は部分)のアスペクト比は、少なくとも1.1:1、1.2:1、1.3:1、1.4:1、1.5:1、又は2:1、又は5:1、又は10:1、又は20:1、50:1、100:1あるいはそれ以上であってもよい。
【0062】
この開示の装置及びシステムは、高出力且つ高輝度に拡大した可視レーザー光源を用いることができる。高出力のレーザー光源は約100ワット以上、又は約200ワット以上、又は約300ワット以上、又は約400ワット以上、又は約500以上、又は約1,000、又は約2、000ワット以上の出力を持っていることができる。この開示のレーザー光源は、シングルモードで動作することができ、シングルモードは低M値のレーザーシステムからの近回折限界性能を含むことができ、ここでMはビームコースティック(beam caustic)及び前記レーザービームがどれだけ回折限界性能に近づいているかを定義する。本書で使用されるように、特に指定がない限り、Mはビームの回折限界に対する倍数として定義され、約1以上であってもよく、約1.1以上でそれでもなお単一横モード、又は約1.3以上でそれでもなお単一横モードであってもよい。
【0063】
図3は高出力、シングルモードの可視レーザー光源(3000)を、本発明のある実施形態に従って示す。レーザー(3000)は、高出力高輝度の可視レーザーダイオード(3001)のアレイを含む。前記ダイオード(3001)からの可視レーザー光は、ラマン変換ファイバー又は共鳴装置の開口数に適合するようにコリメートされてビーム結合整形光学組立体(3002)によって1つのビームとして成形され、当該ラマン変換ファイバー又は共鳴装置は高反射率(HR:high reflectivity)のレーザー後側反射鏡(back mirror)(3003)、低損失光ファイバー(3004)及び低反射率の出力結合器(3005)を含む。前記ラマン変換器(3010)は直線状又は二次元アレイに配列された複数の可視レーザーダイオードからの出力を、誘導ラマン散乱(SRS)などの非線形手法を用いて、単一の可干渉性レーザービーム(3006)に変換する。
【0064】
一つの例では、前記後側反射鏡(3003)は高反射率の光学素子であってもよく、前記出力結合器(3005)は適切な誘電体コーティングを施した劈開されたか又は研磨されたファセットであってもよい。もう一つの例では、前記後側反射鏡(3003)は高反射率の素子であり、前記出力結合器(3005)は格子である。他の例では、前記後側反射鏡(3003)は高反射率の素子であり、前記出力結合器(3005)は埋め込み型のファイバーブラッググレーティング(FBG)である。他の例では、前記後側反射鏡(3003)は最低次のTEM00モードに対して高反射率を有するように設計された埋め込み型のFBGであり、前記出力結合器(3005)は適切な誘電体コーティングを施した劈開されたか又は研磨されたファセットである。他の例では、前記後側反射鏡(3003)は最低次のTEM00モードに対して高反射率を有するように設計された埋め込み型のFBGであり、前記出力結合器(3005)は格子である。他の例では、前記後側反射鏡(3003)は外部共振型ブラッググレーティング(external Volume Bragg Grating)(VBG)であり、前記出力結合器(3005)は適切な誘電体コーティングを施した劈開されたか又は研磨されたファセットである。他の例では、前記後側反射鏡(3003)は高反射率の素子であり、前記出力結合器(3005)は相対的に低反射率の埋め込み型のFBGである。他の例では、前記後側反射鏡(3003)は埋め込み型のFBGであり、前記出力結合器(3005)は低反射率の反射鏡である。他の例では、前記後側反射鏡(3003)はVBGであり、前記出力結合器(3005)は適切な誘電体コーティングを施した劈開されたか又は研磨されたファセットである。他の例では、前記後側反射鏡(3003)は高反射率の反射鏡であり、前記出力結合器(3005)は低反射率のVBGである。
【0065】
前記ファイバー(3010)は前記光学組立体(3002)と光学連通していてもよい。前記ファイバー(3010)はシングルモード又は近シングルモードの中心コア、当該中心コアよりも直径が大きく、前記可視ダイオードレーザのアレイの出力を捕獲するクラッディング及び、前記ダイオードレーザのアレイからの光を前記ファイバーに沿って導く外側クラッディングをふくむことができる。前記中心コアは約3μm以上、約5μm以上、約15μm以上、又は約25μm以上の直径を有していてもよい。第1のクラッディング領域は約50μm以上、約80μm以上、又は約100μm以上の直径を有していてもよい。外側クラッディング領域は内側のクラッディングの直径よりも約1.1、1.2、1.3、1.4,1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2、3、4、5、又は10倍以上大きくてもよい。いくつかの例によれば、前記外側クラッディングは約55μm以上、約90μm以上、約110μm以上の直径を有している。場合によっては、強度と耐久性を提供するために、前記外側クラッディングは約125μm以上の直径を有していてもよい。
【0066】
前記第1のクラッディング領域の直径は、可視レーザーの作動において、当該可視レーザー(例えば、青色レーザー)ダイオード光の強度がSRSプロセスによって発生させることのできる利得を決めるため、重要なパラメーターである可能性がある。ラマンファイバーの利得は当該ファイバーにおけるポンプ能力の総計によって決定される可能性がある。ラマン利得を発生する能力は中心コアの直ぐ外側のクラッディングに存在することができる。当該クラッディングは直径において前記コアよりも大きいので、出力が全て当該コアに閉じ込められたときに発生する利得よりも著しく小さい。例えば、200ワットの可視ラマンレーザーは、効率の良い動作のために十分な利得を得るために約60μmである必要のある内側クラッディングの中に送り出すことができるために、前記レーザーダイオードのアレイからのポンプ能力を必要とする。もう一つの例として、2,000ワットの可視ラマンレーザーは効率の良い動作を得るために85~100μmのクラッディングの直径を必要とし、この可視ラマンレーザーはポンプダイオードとして外側クラッドの中に送り出されるレーザーダイオードによって駆動される。
【0067】
この開示の可視レーザーダイオードは、100μmよりも小さい直径のファイバーの中に複数のレーザーダイオードを送り出すのに適した狭いストライプからの約1ワットの出力より大きい能力があるかもしれない。レーザーダイオードの輝度は、出力、ストライプの幅及び発散角の積として定義される。細いストライプの幅は、約5μm以上、約15μm以上、約15μm以上、但しある場合には約35μmより大きくない幅であってもよい。速軸の上記発散角は、レーザーダイオードから約20度以上、約40度以上、約90度以上であってもよい。遅軸の上記発散角は、約1度以上、約10度以上、約20度以上であってもよい。レーザーダイオードは約18ないし25度の半値全幅(FWHM)の速軸発散角及び12ないし15度のFWHMを有してもよい。例えば、レーザーダイオードは25度のFWHMの速軸発散角及び15度のFWHMの遅軸発散角を有し、これは20MW/cm-ステラジアンの光源輝度である。前記光源輝度は、1本の光ファイバーに結合することのできる素子の最大数を決定し、輝度数値が高ければ高いほど結合することのできる素子の数が大きくなる。
【0068】
前記光ファイバーは、上述の通り可視光波長領域では中央のシングルモードコアと第1のクラッディングの両方で、レイリー散乱に起因して実施的に低損失である3重クラッド設計であってもよい。いくつかの場合には、前記レーザーダイオードは450nmで動作し、前記光ファイバーの固有散乱損失に依存して451nmないし461nmの間の10nmの範囲に亘って利得を生じる。前記ファイバーは459nmにおいて、50デシベル/km(dB/km)以上有してもよい純シリカコアファイバーよりも実質的に低い、10dB/km未満のレイリー散乱損失を有してもよい。発生されるラマン利得は前記ファイバー中の損失が約50dB/km未満、40dB/km未満、30dB/km未満、20dB/km未満、10dB/km未満、5dB/km未満、又は1dB/km未満の場合、ファイバー中の前記レイリー損失を乗り越えるのに十分な可能性がある。損失が低ければ低いほどレーザーの総合的な効率は高くなる。
【0069】
前記レーザーダイオードのアレイは、レーザーダイオードの直線状アレイの出力を結合し、調整する基板に基づくモジュール式組立品設計であってもよい。図4は高出力の可視レーザーダイオード(4001)であり、各レーザーダイオードがコリメート光源(4004)を提供することと関連する平行光学系及びビーム整形光学系(4003)、及び1本の軸内の平行レーザー光源の間の空間を取り除くための一連の圧縮光学要素(4004)(“ビーム圧縮器”とも記す)を備える可視レーザーダイオードの直線状アレイを含むレーザー基板を示す。
【0070】
一つの例では、前記平行光学系は1本の軸に沿う非球面のシリンドリカルレンズであり、ビーム整形光学系(4003)は他の軸にあるシリンドリカルレンズである。もう一つの例では前記ビーム整形光学系(4003)は前記ビームレットの1つの軸のサイズを変更するためのシリンドリカルテレスコープを構成する2つの光学素子を含む。
【0071】
いくつかの例によれば、ビーム圧縮器(4004)は転向反射鏡又はプリズムである。一つの例では各ビーム圧縮器は少なくとも1つの転向反射鏡を含む。転向反射鏡は全反射(TIR)モードで動作するプリズムであってもよい。いくつかの場合には、転向反射鏡は、例えば459nmの非偏光に対して99%の反射率であることができる溶融シリカ基板などの基板に施した誘電体コーティングなどの高反射率の誘電体コーティングを施した基板、又は459nmの非偏光に対して最大92%の反射率を可能とする強化反射率のアルミニウム蒸着反射鏡である。
【0072】
一つの例では、各基板のビーム圧縮器(4004)は、高反射率/低反射率コーティング交互の、各基板又は各基板のビームの経路からのビームを反射するためのプレートを含む。他の例では、各基板のビーム圧縮器(4004)は、各レーザー基板からのビームを、各レーザー基板からのビームの間のデッドスペースを最小化しつつ平行にするために案内するように方向づけられた多数のプリズムを含む。他の例では、各基板のビーム圧縮器(4004)は、高反射率/プレートに開けた穴交互の、各基板又は各基板のビームの経路からのビームを反射するためのプレートを含む。
【0073】
いくつかの例によれば、前記ビーム整形光学系(4003)は1つまたは複数のアナモフィックプリズムを含む。一つの例では、前記ビーム整形光学系(4003)は一対のアナモフィックプリズムを含む。
【0074】
圧縮されたビームレットはインターレースする光学系(4005)から、レーザー出力をポンプファイバー(4007)に供給するための合焦光学系(4006)又は直接レーザーファイバー(4007)に向かって反射する複合ビームに作り上げることができる。当該レーザーファイバー(4007)はシングルモードコア又は近シングルモードの中心コアを有する3重クラッドファイバーであってもよい。レーザーキャビティーは、外部反射鏡、格子又は中心コアに埋め込まれたファイバーブラッググレーティング(FBG)のいずれかで形成することができる。ある実施形態では、格子がスペクトルとモードの両方の選択性を有しており、このことでファイバーコアがマルチモードであったとしてもラマンレーザーがシングルモードで動作することを可能にするため、レーザー共振器は埋め込み型FBGに基づいている。
【0075】
前記中央コアは、ゲルマニウムでドープしたコア又はリンでドープしたコアと比較したとき最低のラマン利得係数を有する、溶融シリカコアであってもよい。溶融シリカ及びゲルマニウムでドープしたコアのラマンシフトは同等で、450nmにおいて12nm未満であるが、リンでドープしたコアのシフトは450nmにおいて約75nmに及び、実質的により大きい。中央コアは、ファイバー中のカラーセンター形成の可能性を最小にするために溶融シリカコアであってもよい。ドーパントは、光黒化効果を更に抑圧するためにコアに加えてもよく、光黒化は、レーザーキャビティーの中であらゆる紫外(UV)成分が生成されるのを避けることにより最小化することができる。レーザー放射がストークス散乱成分に制限される限り、波長はポンプ波長よりも大きくてもよく、UV放射の生成は無いであろう。ストークス波の利得は実質的に反ストークス波の利得より大きく、反ストークス散乱現象によってより短じかい波長が発生する可能性を小さくする。
【0076】
水酸基(OH)を持つ金属などのドーパントが、可視状態におけるレイリー散乱損失を抑圧するためにコア及び第1のファイバークラッドに加えられてもよい。任意のレーザーシステムの基本的な要求は、システムの利得がシステムの損失を上回ることである。誘導ラマン散乱は標準的な光ファイバーで50dB/kmを上回るのに十分な利得を提供することができ、レイリー散乱と関連している損失が50dB/km以下、40dB/km以下、30dB/km以下、20dB/km以下、10dB/km以下、5dB/km以下、又は1dB/km以下のとき高効率のレーザー動作ができる。
【0077】
前記レーザーシステムの出力の拡大は図4に示すレーザー基板を、二次元のレーザーダイオードビームのアレイを形成するように積層することにより達成することができる。例えば、レーザーをレーザーダイオード出力の二次元光源を形成するために積層することのできる1枚の冷却されたプレートの上に搭載することができる。前記プレートは水などの冷却液で冷却することができる。ある場合には、ファン、放熱フィン及び/又は冷却液を用いる熱交換器を使って冷却することができる。
【0078】
ある場合には前記レーザープレートは各プレートそれぞれで発生されるビームそれぞれの間の間隔を最小にして積層される。前記レーザープレートは、プレートによって放射されるレーザービームの高さと等しいデッドスペースで積層することができる。
【0079】
図5を参照すると、レーザーシステムは複数のプレートを有するように示されている。各プレートは平坦性と各プレート(5006)の間隔を確立するために精密な基台設置点を有している。前記プレートはプレートの積層体を形成するために物理的に纏められてもよい。複数のプレートが、機械的な締結部材(例えば、ねじ)又は化学的締結部材(例えば、接着剤)を用いて纏められてもよい。プレートの各ビームは、前記レンズ(4006)に向けて出射されるビームの間のデッドスペースを最小化するための他のビームがインターレースされる(5002、5003)ことができるギャップを形成するために、精密に間隔を空けることができる。相補的な間隔(5001、5007)を有する2つのレーザーアレイが、各ビームプレートからのビームが他のプレートのビームの間にインターレースされて使用される。各アレイは、複数の可視レーザーダイオードを含むことができる。前記レーザープレートは、システム全体で共通のプラットフォームを可能にするために、設計が同一で反対の向きに装着されてもよい。ビーム結合手段(5004、505)は、前記ビームそれぞれを交互に伝達するか又は反射する、プリズムの積層体又はプレートのいずれかであってもよい。前記プレートの伝達部分(5005)は、当該プレート溶融シリカ又は金属などの材料である場合、当該プレートの穴部又は反射防止コート領域の何れかであってもよい。当該プレートの反射領域(5004)は誘電体コーティング又は強化反射率の金属のいずれかであってもよい。代替的に、プリズムの積層体などの結合手段は、各レーザープレートからのビームを交互に結合するために、屈折形態又は全反射(TIR)形態の何れかで使用することができる。
【0080】
前記プレートの二次元アレイで発生するビームは、高度にコリメートすることができ、更にポンプ輝度を向上させるために波長又は変更の何れかを用いて、プレートの他の二次元アレイと更に結合することできる。図6A及び6Bを参照すると、波長バンド幅が最大で5nm(6011、6012)又は(6021、6022)以下の複数の光源が溶融シリカファイバー(6001、6002)でSRSプロセスによって利得を生じるために使用することができる。複数の光源に対する波長ポンプのスペクトルバンド幅は約4nm未満、3nm未満、2nm未満、又は1nm未満であってもよい。レーザーダイオードに対する実質的により広いスペクトルのポンプバンド幅は、ファイバーのより広い利得プロファイルのために、リンでドープしたファイバーとともに使用することができる。リンでドープしたファイバーの場合、複数のレーザー光源に対するスペクトルのポンプバンド幅は約35nm未満、25nm未満、15nm未満、5nm未満、又は1nm未満であってもよい。
(制御システム)
【0081】
この開示の装置、システム及び方法は、コンピューター制御システムを用いて実行することができる。図7は、この開示の3Dプリンティング装置、システム及び方法を調整するためにプログラムされた、又は他のやり方で構成されたコンピューターシステム701を示す。前記コンピューターシステム701は中央処理装置(CPU、ここでは”プロセッサー“又は”コンピュータープロセッサー“とも記す)705を含み、中央処理装置はシングルコア又はマルチコアのプロセッサー、又は並行処理のための複数のプロセッサーを含む。前記コンピューターシステム701は、メモリー又は記憶場所710(例えば、ランダムアクセスメモリー、リードオンリーメモリー、フラッシュメモリー)、電子的記憶装置(例えば、ハードディスク)、1つ又は複数の他のシステムと通信するための通信インターフェース720(例えばネットワークアダプター)、及び、キャッシュなどの周辺装置725、他のメモリー、データストレージ及び/又はディスプレイアダプターも含む。前記メモリー710、ストレージユニット715、インターフェース720及び周辺装置725はマザーボードなどコミュニケーションバス(実線)を経由してCPU705と通信する。前記ストレージユニット715はデータを格納するためのデータストレージユニット(又はデータリポジトリー)であってもよい。前記コンピューターシステム701は、前記コミュニケーションインターフェース720を用いてコンピューターネットワーク(“ネットワーク”)と動作可能に結合されている。前記ネットワーク730は、インターネット、インターネット及び/又はエクストラネット、又はインターネットと通信しているインターネット及び/又はエクストラネットであってもよい。前記ネットワーク730は、場合によっては遠隔通信及び/又はデータネットワークであってもよい。前記ネットワーク730は、1つ又は複数のコンピューターサーバーを含んでもよく、これによりクラウドコンピューティングなどの分散コンピューティングを可能にする。前記ネットワーク730は、場合によっては前記コンピューターシステム701を用いて、ピアツーピアネットワークを実行することができ、これにより前記コンピューターシステム701と結合している装置がクライアント又はサーバーとして機能することを可能にする。
【0082】
前記CPU705は一連の機械可読な命令を実行することができ、当該命令はプログラム又はソフトウェアとして具体化することができる。前記命令は前記メモリー710などの記憶場所に保存することができる。前記CPUによって実行される操作の例はフェッチ、デコード、実行及び書き戻しを含むことができる。
【0083】
前記CPU705は、集積回路などの回路の一部であってもよい。前記システム701の1つ又は複数の他の構成要素は前記回路に含まれてもよい。一部の例では、前記回路は特定用途向け集積回路(ASIC:application specific integrated circuit)である。
【0084】
前記ストレージユニット715はドライバー、リブラリー及び保存されたプログラムなどのファイルを保存することができる。前記ストレージユニット715は、例えばユーザー選択及びユーザープログラムなどのユーザーデータを保存することができる。前記コンピューターシステム701は、一部の例では、イントラネット又はインターネットを通して前記コンピューターシステム701と通信しているリモートサーバーなどの、当該コンピューターシステム701の外部にある1つ又は複数の追加のデータストレージユニットを含んでもよい。
【0085】
前記コンピューターシステム701は、前記ネットワーク730を通して1つ又は複数のリモートコンピューターシステムと通信することができる。例えば、前記コンピューターシステム701は、ユーザーのリモートコンピューターシステムと通信することができる。パーソナルコンピューター(例えば、ポータブルPC)、スレート又はタブレットPC(例えば、アップル(登録商標)のiPad(登録商標)、サムスン(登録商標)のGalaxy Tab、電話、スマートフォン(例えば、アップル(登録商標)のiPhone(登録商標)、アンドロイド(登録商標)利用可能な装置、ブラックベリー(登録商標)、又はパーソナルデジタルアシスタントを含む。ユーザーは前記ネットワーク730経由で前記コンピューターシステム701にアクセスすることができる。
【0086】
前記コンピューターシステム701は、3-Dプリンティング装置又はシステム735と通信することができる。前記コンピューターシステム701は、3-Dプリンティング装置又はシステム735と、直接(例えば、有線又は無線接続によって)又は前記ネットワーク730を通して通信することができる。前記3-Dプリンティング装置又はシステム735は、上記及び本書の他の場所に記載された、例えば図1の3-Dプリンティングレーザーシステムなど、任意の装置であってもよい。
【0087】
本書で記載したように、方法は機械(例えば、コンピュータープロセッサー)で実行可能な、前記コンピューターシステム701の、例えばメモリー710又は電子的ストレージユニット715などの電子的保存場所に保存されたコードを手段として実行することができる。前記機械で実行可能な又は機械可読なコードはソフトウェアの形で提供することができる。使用する間、前記コードは前記プロセッサー705で実行することができる。一部の例では、前記コードは、前記プロセッサーによる即時アクセスのために、前記ストレージユニット715から読み出してメモリー710に保存することができる。場合によっては、前記電子的ストレージユニット715は排除することができ、機械実行可能な命令はメモリー710に保存される。
【0088】
前記コードは、プロセッサーを有して当該コードを実行することに適合した機械での使用のため予めコンパイルされて構成されていてもよく、又は実行時間の間にコンパイルすることもできる。前記コードは、事前コンパイルの形態か又はコンパイルしたままの形態で実行することを可能とするため、選択することが可能なプログラム言語で供給すことができる。
【0089】
前記コンピューターシステム710などの、本書で提供される本発明の前記システム及び方法の態様は、プログラミングに具体化される。技術の種々の態様が、機械可読媒体のタイプで実行されるか又は実施される“製品”又は“製造品目”特に機械(又はプロセッサー)実行可能コード及び/又は付随するデータとして評価することができる。機械実行可能なコードは電子的ストレージユニット、上述のメモリー(例えば、リードオンリーメモリー、ランダムアクセスメモリー、フラッシュメモリー)又はハードディスクに保存することができる。“ストレージ”タイプの媒体は、任意の又はすべての有形のコンピューターメモリ、プロセッサー又は類似のもの、又は種々の半導体メモリー、テープ駆動装置、ディスク駆動装置、及び類似のものなど、それに付随するモジュールを含んでもよく、いつでもソフトウェアのプログラミングのために持続性ストレージを提供することができる。ソフトウェアの全て又は部分は、時としてインターネット又は種々の他の通信ネットワークを通して通信することができる。そのような通信は、例えば、1台のコンピューター又はプロセッサーから他のコンピューター又はプロセッサーへ、例えば管理サーバー又はホストコンピューターからアプリケーションサーバーのプラットフォームへローディングすることを可能にするかもしれない。こうして、ソフトウェアの要素を担持することのできる他のタイプの媒体は光、電気的及び電磁波、ローカルデバイスの間の物理的インターフェースを横断して使用されるような、有線及び光地上ネットワーク及び種々のエアリンクを含む。そのような波を担持する要素、例えば有線又は無線のリンク、光リンク又は類似のものもまたソフトウェアを担持する媒体として考慮することができる。ここで使用している通り、特に指定がない限り、有形の“ストレージ”媒体、コンピューター又は機械“可読媒体”は、プロセッサーが実行するために命令を提供することに参加する任意の媒体を指す。
【0090】
コンピューターで実行可能などの機械可読媒体は、有形のストレージ媒体、搬送波媒体又は物理的な伝送媒体を含むがこれに限定されるものではない。不揮発性のストレージ媒体は、例えば、光媒体又は磁気ディスク、任意のコンピューター又は類似のものの中の任意のストレージ媒体、データベースを実装するために使用されるものなど、その他図に示されるものを含む。揮発性のストレージ媒体は、コンピュータープラットフォームのようなもののメインメモリーなどのダイナミックメモリーを含む。有形の伝達媒体は、コンピューターシステムの中のバスを含む同軸ケーブル、銅のワイヤ及びファイバー光学系を含む。搬送波伝送媒体は電子的又は電磁信号、又はラジオ周波数(RF)及び赤外(IR)データ通信の間に生成されるような音響又は光波の形態をとってもよい。コンピューター可読媒体の共通の形態は、従って例えば:フロッピー(登録商標)ディスク、フレキシブルディスク、ハードディスク、磁気テープ、任意の他の磁気媒体、CD-ROM、DVD又はDVD-ROM、任意の他の光媒体、パンチカード、紙テープ、アナのパターンを持つ任意の他の物理的ストレージ媒体、RAM、ROM、PROM、EPROM、フラッシュEPROM、任意の他のメモリーチップ又はカートリッジ、データ又は命令を搬送する搬送波、搬送波などのケーブル又はリンク型伝送、又は、コンピューターがプログラムコード及び/又はデータを読むことのできる任意の他の媒体を含む。これらの形態のコンピューター可読媒体の多くは、1つ又は複数の一連の1つ又は複数の命令をプロセッサーに実行のために搬送することに関わる。
(実施例)
【0091】
以下の例は、3-Dプリンティングシステムで高出力可視レーザー光源を用いて実行されうる種々のプロセス、構成及びシステムを説明するために提供される。これらの例は説明の目的のみであって本発明の範囲に限定するものではない。
【0092】
図1を参照すると、3-Dプリンティングシステムが概略的に図示され、ソリッドモデルを直接的に中実部品に、粉末基材をレイヤーごとに溶融するレーザー焼結レーザーコンピューターシステム及びソフトウェアが含まれる。この例における可視レーザー(1001)は、可視レーザーダイオード(4001)は高出力、高輝度のレーザーダイオードである図4(4000)のレーザー及びレーザープレート(4000)を含み、約450nmの波長のレーザー光を出力する。非球面レンズ(4002)が各レーザー光源をコリメートするのに使用され、製作中ずっとレーザープレート上の各レーザーの出力を整列するのに使用されている。前記レーザーが、シリンドリカルテレスコープ(4003)が、レーザーダイオードの遅速軸に整列されて遅速軸と速軸の両方のビームレットの発散をサーキュラライズするために、前記レーザープレートに垂直な遅速軸に整列される。前記シリンドリカルテレスコープ(4003)要素が、製造プロセス中にピックアンドプレース機械(例えば、ロボットを用いて配置され、当該機械はカスタムメード又はそのような機械のいくつかの会社のうちの一つから提供される。ピックアンドプレースロボットは、光学系を配置して6軸に沿って方向づけ、同時に当該光学系を所定の位置に固定するためにUV硬化接着剤又は熱硬化エポキシを提供することができる。配置の後、紫外線(UV)硬化樹脂でプレートに貼られた後はシステムは更なる整列を必要としない。転向反射鏡又はプリズム(4004)も同様に製造中にピックアンドプレース機械で所定の位置に置かれ、UV硬化樹脂でプレートに貼られた後は更なる整列を必要としない。レーザープレートからの出力ビームは、製造中にコリメート非球面光学系の位置を調整することによって、平行に且つ高度に整列されたビームレットに関連するファーフィールドに、単一のスポットを形成するように整列される。場合によって、最終合焦光学系は、レーザースポットを最小化し前記レンズの有効開口を最大化するために、非球面である。
【0093】
レーザープレートは図5(5000)に示すように二次元ビームを形成し、シングルビームを形成するために積層することができる。前記二次元のインターレースされたアレイからのシングルビームは、次いで2μm話された2つの異なるセットの波長の干渉フィルター又は格子を用いて結合される。前記2組のアレイが干渉フィルターで結合された後、変更が第1の組と直交する同様の組のアレイを結合するために変更器が使用されてもよく、これにより4つのアレイが他の4つのアレイと、波長及び変更の組み合わせを利用して結合され、光源の8倍のビームを形成するために結合される。この手法はZediker等に与えられた特許番号第5,715,270号(“高効率、高出力直接ダイオードレーザーシステム及びその方法”)に記載されたのと同様の特徴を有する可能性があり、参照することによって全ての記載内容を援用するものである。偏光結合は複合ビーム(波長結合)の形成前又は後のいずれでも実行することができる。複合ビームは次いで溶融シリカコアの3重クラッドのファイバー(4007、図4参照)のポンプコアに出射される。ポンプコアの中での高輝度ビームはSRSプロセスによりクラッディングとコアの両方で利得を生じる。しかしながら、前記コアはそれに付随するレーザーキャビティーを有し(3003及び3005、図3参照)コアの中での振動につながる。誘導ラマン散乱の方程式を使用するレーザーの完全なモデルが、可視レーザーダイオードでポンプされたラマンレーザーの性質のモデルを作ることに使用される。誘導ラマン散乱の例示的方程式はRini, et al., "Numerical modeling and optimization of Cascaded Raman fiber Lasers," IEEE Journal of Quantum Electron, vol. 36, pp. 117-1122 (2000),に見ることができ、それに記載された全ての記載内容を援用するものである。
【0094】
この場合のシングルモードの出力へのポンプ出力の放出は図6A及び6Bに示される。図6Aは前方(6001)伝播及び後方(6002)伝播の10μmコアにおけるシングルモード出力を、460nmで振動している共振器ファイバーの中での位置の関数として示す。図6Bは直径85μmのクラッドにおけるポンプ信号の前方伝播(6011、6012)及び後方伝播(6021、6022)を、共振器ファイバーの中での位置の関数として示す。前方伝播のポンプ信号は450nm(6011)と452nm(6012)の2つに分かれた波長を含む。同様に、後方伝播のポンプ信号は450nm(6021)と452nm(6022)の2つに分かれた波長を含む。ポンプクラッドの開口数0.49を設定する外側クラッドは直径125μmである。この例の単一横モード出力は、反射率30%の出力結合器(3005)を使用して2kWより大きい。
【0095】
レーザーの出力はポンプダイオードを変調することによって直接制御することができるが、さもなければレーザーをマスターオシレーター-パワーアンプのように構成することができ、当該マスターオシレーターは高い速度で変調することができる。図1を参照すると、レーザービームは、レーザービームを基材(1007)の最上部の全域で移動させるために一対のx-yスキャナ(1003)を通り、該基材は粉末の層である。前記x-yスキャナーは前記合焦対物レンズ(1005)の前にでも後にでも、当該レンズの焦点距離に依存して配置することができる。当該形成されるスポット(1006)の直径はコリメートされたビーム(1004)の直径及び対物レンズの焦点距離の関数である。70μmの直径のスポットは、入射するレーザービームの発散が44μradの場合、158.4cm(62.4“)の焦点距離のレンズで形成することができる。ビームの発散が44μradということは波長459nmに対して入射ビームの直径(1004)が1.3cmであることに対応する。このビーム直径はレーザーから出射するモード直径が10μmのレーザー(1001)のシングルモード出力をコリメートする、焦点距離が22.6cmのレンズの結果である。この結果は、53“×53”(134.6cm×134.6cm)の基材(1007)の面全体に亘ってスキャンすることのできるシステムである。これを大きな変位のエレベーター(1008)と組み合わせると、53”×53”×55”(134.6cm×134.6cm×139.7cm)のビルドボリュームが可能にされる。
【0096】
前記レーザーは粉末の層全体に亘ってスキャンして、部分を画定することができる。前記粉末の層は、各レイヤーがスキャンされ、エレベーターが100nmだけ下げられた後に前記部分を超えて転がされる。前記粉末は10nmより直径が大きく、50nmよりも直径が大きいが100nmを超えない。粉末の直径は表面粗さ及び部分のビルド速度に影響を及ぼす虞がある。図2に示すように、459nmで1kWのレーザーを使用すると、部分のビルド速度は約50立方センチメートル毎時以上の可能性がある。これは2.5倍を上回る因数でIRレーザーよりも速く、現状技術を超える実質的な改良に相当する150倍の因数のビルドボリュームである。
【0097】
本発明の好適な実施形態を示し、説明してきたが、当技術分野の技術者にはそのような実施形態は例示としてのみ提供されていることが明らかであろう。本発明は明細書中に示した具体例に限定されるものではない。上述の明細書を参照して本発明を記載してきたが、本書の記載及び実施形態の説明は限定する趣旨と解釈されるつもりのものではない。当技術分野の技術者であれば、本発明を逸脱しない範囲で、多くの変形、変形形態及び置換を直ちに想到するであろう。更に、本発明の全ての態様は特定の表現、構成又は相対的な割合は多様な条件と変数に依存し、限定されるものではないと理解されるべきである。本書に記載した本発明の実施形態に対する種々の変形は発明の実行に使用されるであろうことが理解されるべきである。従って、本発明は任意のそのような代替物、変更形態、変形形態又は等価物もまた含むものとする。以下の請求項は本発明の範囲を定義すること、及び、当該請求項及びその等価物の範囲に含まれる方法及び構造がそれによって保護されることを意図している。
図1
図2
図3
図4
図5
図6A
図6B
図7