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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-07
(45)【発行日】2022-10-18
(54)【発明の名称】マルチポート手術ロボットシステム構造
(51)【国際特許分類】
   A61B 34/30 20160101AFI20221011BHJP
【FI】
A61B34/30
【請求項の数】 19
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2020177204
(22)【出願日】2020-10-22
(62)【分割の表示】P 2019148758の分割
【原出願日】2013-05-31
(65)【公開番号】P2021037301
(43)【公開日】2021-03-11
【審査請求日】2020-11-20
(31)【優先権主張番号】61/654,367
(32)【優先日】2012-06-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】510253996
【氏名又は名称】インテュイティブ サージカル オペレーションズ, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100091214
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 進介
(72)【発明者】
【氏名】シェナ,ブルース マイケル
(72)【発明者】
【氏名】デヴェンジェンゾ,ローマン エル
(72)【発明者】
【氏名】ルーク,スコット
(72)【発明者】
【氏名】マーティン,デイヴィッド
(72)【発明者】
【氏名】クーパー,トーマス ジー
(72)【発明者】
【氏名】ブラウン,トーマス ダブリュ
【審査官】木村 立人
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2010/068005(WO,A2)
【文献】国際公開第2004/035270(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2007/0138992(US,A1)
【文献】特表2011-520489(JP,A)
【文献】特表2008-528130(JP,A)
【文献】特表2009-512473(JP,A)
【文献】特表2010-524547(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 34/00 ― 90/98
B25J 1/00 ― 21/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
取付ベースと;
配向プラットフォームと;
支持リンク機構であって、前記支持リンク機構によって前記配向プラットフォームは前記取付ベースと結合され、前記支持リンク機構は、前記取付ベースに対して前記配向プラットフォームを選択的に配向するように動作可能なショルダジョイントを有し、前記ショルダジョイントは、前記取付ベースの所定の安定限度を超えることを防ぐように前記支持リンク機構の回転を制限するように構成される、支持リンク機構と;
第1の器具ホルダに取り付けられる第1の手術器具を支持するように構成される前記第1の器具ホルダを有する第1のマニピュレータであって、前記第1のマニピュレータは、前記第1の手術器具を第1のマニピュレータ挿入軸に沿って患者の中に第1の操作のリモートセンタ(RC)を通って挿入し、前記第1のRCと交差する第1のマニピュレータ第1軸周りに前記第1の器具ホルダを回転させ、前記第1のRCと交差する第1のマニピュレータ第2軸周りに前記第1の器具ホルダを回転させるように動作可能であり、前記第1のマニピュレータ第1軸及び前記第1のマニピュレータ第2軸の各々は、前記第1のマニピュレータ挿入軸を横切り、前記第1のマニピュレータ第2軸は前記第1のマニピュレータ第1軸を横切る、第1のマニピュレータと;
前記配向プラットフォームによって支持される第2のマニピュレータであって、前記第2のマニピュレータは、第2の器具ホルダに取り付けられる第2の手術器具を支持するように構成される前記第2の器具ホルダを有し、前記第2のマニピュレータは、前記第2の手術器具を第2のマニピュレータ挿入軸に沿って前記患者の中に第2の操作のリモートセンタ(RC)を通って挿入し、前記第2のRCと交差する第2のマニピュレータ第1軸周りに前記第2の器具ホルダを回転させ、前記第2のRCと交差する第2のマニピュレータ第2軸周りに前記第2の器具ホルダを回転させるように動作可能であり、前記第2のマニピュレータ第1軸及び前記第2のマニピュレータ第2軸の各々は、前記第2のマニピュレータ挿入軸を横切り、前記第2のマニピュレータ第2軸は前記第2のマニピュレータ第1軸を横切る、第2のマニピュレータと;
第1のセットアップリンク機構であって、それによって前記第1のマニピュレータは、前記配向プラットフォームに結合されるとともに前記配向プラットフォームによって支持され、前記第1のセットアップリンク機構は、前記配向プラットフォームに対して前記第1のマニピュレータを選択的に再位置決めするように動作可能である、第1のセットアップリンク機構と;
を有する、
ロボット手術システム。
【請求項2】
前記第1のセットアップリンク機構は、前記配向プラットフォームに対して前記第1のマニピュレータを並進移動させるように動作可能である、
請求項1に記載のロボット手術システム。
【請求項3】
第2のセットアップリンク機構であって、それによって前記第2のマニピュレータは、前記配向プラットフォームに結合されるとともに前記配向プラットフォームによって支持され、前記第2のセットアップリンク機構は、前記配向プラットフォームに対して前記第2のマニピュレータを選択的に再位置決めするように動作可能である、第2のセットアップリンク機構をさらに有する、
請求項1に記載のロボット手術システム。
【請求項4】
前記第2のセットアップリンク機構は、前記配向プラットフォームに対して前記第2のマニピュレータを並進移動させるように動作可能である、
請求項3に記載のロボット手術システム。
【請求項5】
前記取付ベースは移動可能且つ床に支持される、
請求項1に記載のロボット手術システム。
【請求項6】
前記取付ベースは操舵可能な車輪組立体を有する、
請求項5に記載のロボット手術システム。
【請求項7】
前記支持リンク機構は、前記配向プラットフォームを前記取付ベースに対して再配向するように動作可能であるリストジョイントを有する、
請求項1に記載のロボット手術システム。
【請求項8】
1つ又は複数の入力制御装置を有する外科医のコンソールをさらに有し、前記1つ又は複数の入力制御装置の操作は、前記第1のマニピュレータによる前記第1の手術器具の対応する操作及び/又は前記第2のマニピュレータによる前記第2の手術器具の対応する操作を引き起こす、
請求項1に記載のロボット手術システム。
【請求項9】
前記配向プラットフォームによって支持される第3のマニピュレータであって、前記第3のマニピュレータは、第3の器具ホルダに取り付けられる第3の手術器具を支持するように構成される前記第3の器具ホルダを有し、前記第3のマニピュレータは、前記第3の手術器具を第3のマニピュレータ挿入軸に沿って前記患者の中に第3のRCを通って挿入し、前記第3のRCと交差する第3のマニピュレータ第1軸周りに前記第3の器具ホルダを回転させ、前記第3のRCと交差する第3のマニピュレータ第2軸周りに前記第3の器具ホルダを回転させるように動作可能であり、前記第3のマニピュレータ第1軸及び前記第3のマニピュレータ第2軸の各々は、前記第3のマニピュレータ挿入軸を横切り、前記第3のマニピュレータ第2軸は前記第3のマニピュレータ第1軸を横切る、第3のマニピュレータと;
前記配向プラットフォームによって支持される第4のマニピュレータであって、前記第4のマニピュレータは、第4の器具ホルダに取り付けられる第4の手術器具を支持するように構成される前記第4の器具ホルダを有し、前記第4のマニピュレータは、前記第4の手術器具を第4のマニピュレータ挿入軸に沿って前記患者の中に第4のRCを通って挿入し、前記第4のRCと交差する第4のマニピュレータ第1軸周りに前記第4の器具ホルダを回転させ、前記第4のRCと交差する第4のマニピュレータ第2軸周りに前記第4の器具ホルダを回転させるように動作可能であり、前記第4のマニピュレータ第1軸及び前記第4のマニピュレータ第2軸の各々は、前記第4のマニピュレータ挿入軸を横切り、前記第4のマニピュレータ第2軸は前記第4のマニピュレータ第1軸を横切る、第4のマニピュレータと;
をさらに有する、
請求項1に記載のロボット手術システム。
【請求項10】
取付ベースと;
配向プラットフォームと;
支持リンク機構であって、前記支持リンク機構によって前記配向プラットフォームは前記取付ベースと結合され、前記支持リンク機構は、前記取付ベースに対して前記配向プラットフォームを再配向するように動作可能であるリストジョイントと、前記取付ベースに対して前記配向プラットフォームを選択的に配向するように動作可能なショルダジョイントとを有し、前記ショルダジョイントは、前記取付ベースの所定の安定限度を超えることを防ぐように前記支持リンク機構の回転を制限するように構成され、前記支持リンク機構は、選択的に再位置決め可能なブーム部材を有する、支持リンク機構と;
前記配向プラットフォームによって支持される第1のマニピュレータであって、前記第1のマニピュレータは、第1の器具ホルダに取り付けられる第1の手術器具を支持するように構成される前記第1の器具ホルダを有し、前記第1のマニピュレータは、前記第1の手術器具を第1のマニピュレータ挿入軸に沿って患者の中に第1の操作のリモートセンタ(RC)を通って挿入し、前記第1のRCと交差する第1のマニピュレータ第1軸周りに前記第1の器具ホルダを回転させ、前記第1のRCと交差する第1のマニピュレータ第2軸周りに前記第1の器具ホルダを回転させるように動作可能であり、前記第1のマニピュレータ第1軸及び前記第1のマニピュレータ第2軸の各々は、前記第1のマニピュレータ挿入軸を横切り、前記第1のマニピュレータ第2軸は前記第1のマニピュレータ第1軸を横切る、第1のマニピュレータと;
前記配向プラットフォームによって支持される第2のマニピュレータであって、前記第2のマニピュレータは、第2の器具ホルダに取り付けられる第2の手術器具を支持するように構成される前記第2の器具ホルダを有し、前記第2のマニピュレータは、前記第2の手術器具を第2のマニピュレータ挿入軸に沿って前記患者の中に第2の操作のリモートセンタ(RC)を通って挿入し、前記第2のRCと交差する第2のマニピュレータ第1軸周りに前記第2の器具ホルダを回転させ、前記第2のRCと交差する第2のマニピュレータ第2軸周りに前記第2の器具ホルダを回転させるように動作可能であり、前記第2のマニピュレータ第1軸及び前記第2のマニピュレータ第2軸の各々は、前記第2のマニピュレータ挿入軸を横切り、前記第2のマニピュレータ第2軸は前記第2のマニピュレータ第1軸を横切る、第2のマニピュレータと;
を有する、
ロボット手術システム。
【請求項11】
第1のセットアップリンク機構であって、それによって前記第1のマニピュレータは、前記配向プラットフォームに結合されるとともに前記配向プラットフォームによって支持され、前記第1のセットアップリンク機構は、前記配向プラットフォームに対して前記第1のマニピュレータを選択的に再位置決めするように動作可能である、第1のセットアップリンク機構をさらに有する、
請求項10に記載のロボット手術システム。
【請求項12】
前記第1のセットアップリンク機構は、前記配向プラットフォームに対して前記第1のマニピュレータを並進移動させるように動作可能である、
請求項11に記載のロボット手術システム。
【請求項13】
第2のセットアップリンク機構であって、それによって前記第2のマニピュレータは、前記配向プラットフォームに結合されるとともに前記配向プラットフォームによって支持され、前記第2のセットアップリンク機構は、前記配向プラットフォームに対して前記第2のマニピュレータを選択的に再位置決めするように動作可能である、第2のセットアップリンク機構をさらに有する、
請求項11に記載のロボット手術システム。
【請求項14】
前記第2のセットアップリンク機構は、前記配向プラットフォームに対して前記第2のマニピュレータを並進移動させるように動作可能である、
請求項13に記載のロボット手術システム。
【請求項15】
前記支持リンク機構は、前記取付ベースに対して前記配向プラットフォームを再位置決めするように動作可能である、
請求項10に記載のロボット手術システム。
【請求項16】
前記取付ベースは移動可能且つ床に支持される、
請求項10に記載のロボット手術システム。
【請求項17】
前記取付ベースは操舵可能な車輪組立体を有する、
請求項16に記載のロボット手術システム。
【請求項18】
1つ又は複数の入力制御装置を有する外科医のコンソールをさらに有し、前記1つ又は複数の入力制御装置の操作は、前記第1のマニピュレータによる前記第1の手術器具の対応する操作及び/又は前記第2のマニピュレータによる前記第2の手術器具の対応する操作を引き起こす、
請求項10に記載のロボット手術システム。
【請求項19】
前記配向プラットフォームによって支持される第3のマニピュレータであって、前記第3のマニピュレータは、第3の器具ホルダに取り付けられる第3の手術器具を支持するように構成される前記第3の器具ホルダを有し、前記第3のマニピュレータは、前記第3の手術器具を第3のマニピュレータ挿入軸に沿って前記患者の中に第3のRCを通って挿入し、前記第3のRCと交差する第3のマニピュレータ第1軸周りに前記第3の器具ホルダを回転させ、前記第3のRCと交差する第3のマニピュレータ第2軸周りに前記第3の器具ホルダを回転させるように動作可能であり、前記第3のマニピュレータ第1軸及び前記第3のマニピュレータ第2軸の各々は、前記第3のマニピュレータ挿入軸を横切り、前記第3のマニピュレータ第2軸は前記第3のマニピュレータ第1軸を横切る、第3のマニピュレータと;
前記配向プラットフォームによって支持される第4のマニピュレータであって、前記第4のマニピュレータは、第4の器具ホルダに取り付けられる第4の手術器具を支持するように構成される前記第4の器具ホルダを有し、前記第4のマニピュレータは、前記第4の手術器具を第4のマニピュレータ挿入軸に沿って前記患者の中に第4のRCを通って挿入し、前記第4のRCと交差する第4のマニピュレータ第1軸周りに前記第4の器具ホルダを回転させ、前記第4のRCと交差する第4のマニピュレータ第2軸周りに前記第4の器具ホルダを回転させるように動作可能であり、前記第4のマニピュレータ第1軸及び前記第4のマニピュレータ第2軸の各々は、前記第4のマニピュレータ挿入軸を横切り、前記第4のマニピュレータ第2軸は前記第4のマニピュレータ第1軸を横切る、第4のマニピュレータと;
をさらに有する、
請求項10に記載のロボット手術システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2012年6月1日に出願された米国特許出願第61/654,367号の優先権を主張し、その全体は参照により本出願に援用される。
【背景技術】
【0002】
低侵襲医療技術は、診断又は外科手術中に損傷を受ける無関係な組織の量を低減することを目的としており、それによって患者の回復時間、不快感、及び有害な副作用を低減させる。例えば、低侵襲手術の1つの効果は、低減した手術後病院回復時間である。標準的な外科手術に対する平均入院期間は、類似の低侵襲手術に対する平均入院期間より長いので、低侵襲技術の利用増加は、毎年の病院費を何百万ドル節約することができる。米国で毎年行われる手術の多くが潜在的に低侵襲な方法で実行されることができるが、低侵襲手術器具の及びそれらを使いこなすことに関わる追加的な手術トレーニングの制限ために、現在の手術の一部しかこれらの有利な技術を使用していない。
【0003】
低侵襲ロボット手術又は遠隔手術システムは、外科医の器用さを増大させるように及び従来の低侵襲技術の制限の幾つかを避けるように、開発されている。遠隔手術では、外科医は、手で手術器具を直接握るとともに動かすのではなく、手術器具の動きを操作するために何らかの遠隔制御(例えば、サーボ機構、等)を使用する。遠隔手術では、外科医は、手術ワークステーションにおいて手術部位の画像を提供され得る。ディスプレイで手術部位の2又は3次元画像を見ながら、外科医は、マスタ制御デバイスを操作することによって、患者に外科手術を行い、このマスタ制御デバイスは、サーボ機構的に操作される器具の動きを制御する。
【0004】
遠隔手術に使用されるサーボ機構はしばしば、(外科医の手のそれぞれに対する)2つのマスタコントローラからの入力を受け取るとともに、手術器具が取付けられる2以上のロボットアームを含み得る。マスタコントローラと、関連付けられるロボットアーム及び器具組立体との間の動作通信は、典型的には、制御システムによって達成される。制御システムは典型的には、少なくとも1つのプロセッサを含み、このプロセッサは、入力コマンドを、マスタコントローラから関連付けられるロボットアーム及び器具組立体に、並びに、例えば、フォースフィードバック等の場合に、器具及びアーム組立体から関連付けられるマスタコントローラに戻って中継する。ロボット手術システムの一例は、California州SunnyvaleのIntuitive Surgical, Inc.から市販されているDA VINCI(登録商標)システムである。
【0005】
種々の構造配置が、ロボット手術中に手術部位に手術器具を支持するために使用されることができる。駆動されるリンク機構又は「スレーブ」は、しばしば、ロボット手術マニピュレータと呼ばれ、低侵襲ロボット手術の間にロボット手術マニピュレータとして使用するための例示のリンク機構配置は、特許文献1、特許文献2、特許文献3及び特許文献4に記載され、これらの全体の開示は本出願に参照によって援用される。これらのリンク機構はしばしば、シャフトを有する器具を保持するために平行四辺形装置を使用する。このようなマニピュレータ構造は、器具が剛性軸の長さに沿った空間内に位置決めされる操作のリモートセンタ周りに枢動するように、器具の運動を拘束することができる。操作のリモートセンタを、(例えば、腹腔鏡手術の間の腹壁でのトロカールまたはカニューレを用いて)内部手術部位への切開点と位置合わせすることにより、手術器具のエンドエフェクタが、腹壁に対して潜在的に危険な力をかけることなしに、マニピュレータリンク機構を用いてシャフトの近位端部を動かすことによって安全に位置決めされることができる。代替のマニピュレータ構造は、例えば、特許文献5、特許文献6、特許文献7、特許文献8、特許文献9、特許文献10、及び特許文献11に記載され、これらの全体の開示は本出願に参照によって援用される。
【0006】
種々の構造配置もまた、ロボット手術中、手術部位にロボット手術マニピュレータ及び手術器具を支持及び位置決めするために使用されることができる。セットアップジョイント、又はセットアップジョイントアームと呼ばれることもある、支持リンク機構は、しばしば、各マニピュレータを患者の体のそれぞれの切開ポイントに位置決めするとともに位置合わせするために使用される。支持リンク機構は、所望の手術切開ポイント及び目標とされる解剖学的構造への手術マニピュレータの位置合わせを容易にする。例示的な支持リンク機構は、特許文献3及び特許文献12に記載され、これらの全体の開示は本出願に参照によって援用される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】米国特許第7,594,912号
【文献】米国特許第6,758,843号
【文献】米国特許第6,246,200号
【文献】米国特許第5,800,423号
【文献】米国特許第7,763,015号
【文献】米国特許第6,702,805号
【文献】米国特許第6,676,669号
【文献】米国特許第5,855,583号
【文献】米国特許第5,808,665号
【文献】米国特許第5,445,166号
【文献】米国特許第5,184,601号
【文献】米国特許第6,788,018号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
新しい遠隔手術システム及び装置は非常に効果的且つ有利であることが証明されているが、なお更なる改良が望まれる。一般に、改良された低侵襲ロボット手術システムが望まれる。これらの改良された技術がロボット手術システムの効率及び使いやすさを高める場合、特に有益である。例えば、操作性を高めること、手術室のスペース利用を改良すること、より早く且つ簡単なセットアップを提供すること、使用中のロボット装置間の衝突を妨げること、及び/又はこれらの新しい手術システムの機械的な複雑さ及びサイズを減少させることは特に有益である。
【課題を解決するための手段】
【0009】
以下は、本発明の基本的な理解を提供するために本発明の幾つかの実施形態の簡略化された概要を提供する。この概要は、本発明の広範囲にわたる概要ではない。本発明の鍵となる/重要な要素を識別することを又は本発明の範囲を説明することを意図するものではない。その唯一の目的は、本発明の幾つかの実施形態を、後述されるより詳細な説明への前置きとして簡略化された形態で提供することである。
【0010】
改良されたロボット手術システム及びロボット手術システムでの使用のためのモジュール式マニピュレータ支持部が開示される。改良されたロボット手術システムは、複数のセットアップリンク機構を支持するために使用される配向プラットフォームを含み、この複数のセットアップリンク機構のそれぞれは、関連付けられる手術器具マニピュレータ、又は複数のマニピュレータを支持する。支持リンク機構は、配向プラットフォームを移動可能に支持するために使用される。支持リンク機構の1又は複数は、関連付けられる操作のリモートセンタ(RC)を固定位置に保持する動きによってマニピュレータを再位置決めするよう動作可能である再配向機構を含むことができ、それによって支持されるマニピュレータが切開場所において患者に潜在的に危険な力を生じさせることなしに再位置決めされることを可能にする。支持リンク機構の1又は複数はまた、再配向プラットフォームに回転結合される第1のリンク、第1のリンクに対して水平にスライドするように第1のリンクにスライド可能に取り付けられる第2のリンク、第2のリンクに対して垂直にスライドするように第2のリンクに対してスライド可能に取り付けられる第3のリンク、及び第3のリンクに対して垂直軸周りに回転するように第3のリンクに回転結合される第4のリンクを含むことができる。支持リンク機構は、移動可能なフロア支持される取付ベース、及び取付ベースに結合されるとともに配向プラットフォームを移動可能に支持する調整可能なリンク機構を含むことができる。取付ベースはまた、例えば、フロア又は他の固定された構造に直接取付けられることによって、不動であることができる。開示されるロボット手術システム及びモジュール式マニピュレータ支持部は、操作性を高め、手術室のスペース利用を改良し、より早く且つ簡単なセットアップを提供し、使用中のロボット装置間の衝突を妨げ、及び同等の能力を有する既存のシステム及び支持部に対して減少した機械的な複雑さを有する。
【0011】
したがって、1つの態様では、配向プラットフォーム、配向プラットフォームを移動可能に支持する支持リンク機構、複数のマニピュレータ、及び複数のセットアップリンク機構を含むロボット手術システムが開示される。マニピュレータのそれぞれは器具ホルダを含むことができる。マニピュレータのそれぞれは、器具ホルダに取り付けられる関連付けられる手術器具を支持し、関連付けられる手術器具を挿入軸に沿って患者の中に関連付けられる操作のリモートセンタ(RC)を通って挿入し、関連付けられるRCと交差する第1のマニピュレータ軸周りに器具ホルダを回転させ、及び関連付けられるRCと交差する第2のマニピュレータ軸周りに器具ホルダを回転させるように構成されることができる。第1及び第2のマニピュレータ軸のそれぞれは、挿入軸に対して直角である。第2のマニピュレータ軸は、第1のマニピュレータ軸に対して直角である。セットアップリンク機構のそれぞれは、マニピュレータの1つを配向プラットフォームに結合するとともに、配向プラットフォームに対して関連付けられるマニピュレータを再配向するように及び配向プラットフォームに対して選択された位置に関連付けられるマニピュレータを固定して支持するように動作可能である。セットアップリンク機構のそれぞれは、配向プラットフォームに結合される近位リンク及び関連付けられるマニピュレータに結合される遠位リンクを含む。セットアップリンク機構の少なくとも1つは、作動されるとき、近位リンクに対して固定位置に関連付けられるRCを保持する運動を通じて近位リンクに対して遠位リンクを動かす再配向機構を含む。
【0012】
多くの実施形態では、再配向機構は、トルネード(tornado)回転ジョイント及びトルネードリンクを含む。トルネードリンクは、トルネード回転ジョイントに結合されるトルネードリンク近位端部及び関連付けられるマニピュレータに結合されるトルネードリンク遠位端部を有する。トルネード回転ジョイントの作動は、RCと交差するとともに第1及び第2のマニピュレータ軸のいずれとも一致しないトルネード軸周りにトルネードリンクを回転させる。トルネードリンクは、トルネード軸周りのトルネードリンクの全ての配向に対して関連付けられるRCを近位リンクに対して固定位置に保持するように構成される。
【0013】
多くの実施形態では、マニピュレータの少なくとも1つは、第1のマニピュレータ軸周りの器具ホルダの回転中及び第2のマニピュレータ軸周りの器具ホルダの回転中、遠位リンクに対して関連付けられるRCの固定位置を保持するように機械的に拘束される。例えば、マニピュレータの少なくとも1つは、第1のマニピュレータ軸周りの回転に機械的に制限される第1の運動を通じてマニピュレータの第1のジョイントの作動に応じて器具ホルダを動かすように及び第2のマニピュレータ軸周りの回転に機械的に制限される第2の運動を通じてマニピュレータの第2のジョイントの作動に応じて器具ホルダを動かすように機械的に構成されることができる。
【0014】
多くの実施形態では、支持リンク機構は、移動可能にフロア支持される取付ベース、取付ベースにスライド可能に取り付けられるコラム、ショルダジョイントを通じてコラムに回転結合されるブームベース部材、及びブームジョイントを通じてブームベース部材とスライド可能に結合される延長可能なブーム部材を含む。コラムは、垂直に配向される第1の支持軸に沿って、取付けベースに対して選択的に位置決め可能である。ショルダジョイントは、垂直に配向される第2の支持軸の周りにコラムに対してブームベース部材を選択的に配向するよう動作可能である。ブームジョイントは、水平に配向される第3の支持軸に沿ってブームベース部材に対して延長可能なブーム部材を選択的に位置決めするよう動作可能である。配向プラットフォームは、延長可能なブーム部材に回転結合される。
【0015】
他の態様では、配向プラットフォーム、配向プラットフォームを移動可能に支持する支持リンク機構、複数のマニピュレータ、及び複数のセットアップリンク機構を含むロボット手術システムが開示される。マニピュレータのそれぞれは、患者に挿入可能な関連付けられる手術器具を移動可能に支持する。セットアップリンク機構のそれぞれは、マニピュレータの1つを配向プラットフォームに結合するとともに、配向プラットフォームに対して関連付けられるリンク機構を再位置決めするように及び配向プラットフォームに対して関連付けられるマニピュレータを固定して支持するように動作可能である。セットアップリンク機構の少なくとも1つは、第1のリンク、第2のリンク、第3のリンク、及び第4のリンクを含む。第1のリンクは、第1のリンクを配向プラットフォームに対して第1のセットアップリンク機構軸周りに選択的に配向するように動作可能である第1のセットアップリンク機構ジョイントを通じて配向プラットフォームに回転結合される第1のリンク近位端部を有する。第2のリンクは、第2のリンクを第1のリンクに対して水平に配向される第2のセットアップリンク機構軸に沿って選択的に再位置決めするように動作可能である第2のセットアップリンク機構ジョイントを通じて第1のリンクにスライド可能に取り付けられる。第3のリンクは、第3のリンクを第2のリンクに対して垂直に配向される第3のセットアップリンク機構軸に沿って選択的に再位置決めするように動作可能である第3のセットアップリンク機構ジョイントを通じて第2のリンクにスライド可能に取り付けられる。第4のリンクは、第4のリンクを第3のリンクに対して実質的に垂直に配向される第4のセットアップリンク機構軸の周りに選択的に配向するように動作可能である第4のセットアップリンク機構ジョイントを通じて第3のリンクに回転結合される。関連付けられるマニピュレータは第4のリンクの遠位にあるとともに第4のリンクによって支持される。
【0016】
多くの実施形態では、マニピュレータの少なくとも1つは、関連付けられる手術器具を支持するように構成される器具ホルダを含むことができる。マニピュレータの少なくとも1つは、関連付けられる手術器具を患者の中に関連付けられる操作のリモートセンタ(RC)を通って挿入し、関連付けられるRCと交差する第1のマニピュレータ軸周りに器具ホルダを回転させ、及び関連付けられるRCと交差する第2のマニピュレータ軸周りに器具ホルダを回転させるように構成されることができる。第2のマニピュレータ軸は、第1のマニピュレータ軸に対して直角である。
【0017】
多くの実施形態では、セットアップリンク機構の少なくとも1つは、第4のリンクに結合される再配向機構を含む。再配向機構の作動は、関連付けられるRCを第4のリンクに対して固定位置に保持する運動を通じて第4のリンクに対して関連付けられるマニピュレータを動かす。
【0018】
多くの実施形態では、再配向機構は、トルネード回転ジョイント及びトルネードリンクを含む。トルネードリンクは、トルネード回転ジョイントに結合されるトルネードリンク近位端部及び関連付けられるマニピュレータに結合されるトルネードリンク遠位端部を有する。トルネード回転ジョイントの作動は、RCと交差するとともに第1及び第2のマニピュレータ軸のいずれとも一致しないトルネード軸周りにトルネードリンクを回転させる。トルネードリンクは、トルネード軸周りのトルネードリンクの全ての配向に対して関連付けられるRCを第4のリンクに対して固定位置に保持するように構成される。
【0019】
他の態様では、ロボット手術システムでの使用のためのモジュール式マニピュレータ支持部が開示される。ロボット手術システムは、関連付けられる手術器具を動かすための従動リンク及びジョイントを含む複数のマニピュレータを含む。モジュール式マニピュレータ支持部は、移動可能にフロア支持される取付ベース、取付ベースにスライド可能に取り付けられるコラム、ショルダジョイントを通じてコラムに回転結合されるブームベース部材、ブームジョイントを通じてブームベース部材にスライド可能に結合される延長可能なブーム部材、リストジョイントを通じて延長可能なブーム部材に回転結合される配向プラットフォーム、及び複数のセットアップリンク機構を含む。コラムは、垂直に配向される第1の支持軸に沿って、取付けベースに対して選択的に位置決め可能である。ショルダジョイントは、ブームベース部材をコラムに対して垂直に配向される第2の支持軸の周りに選択的に配向するよう動作可能である。ブームジョイントは、延長可能なブーム部材をブームベース部材に対して水平に配向される第3の支持軸に沿って選択的に位置決めするよう動作可能である。リストジョイントは、配向プラットフォームを延長可能なブーム部材に対して垂直に配向される第4の支持軸周りに選択的に配向するよう動作可能である。セットアップリンク機構のそれぞれは、マニピュレータの1つを配向プラットフォームに結合するとともに、配向プラットフォームに対して関連付けられるマニピュレータを選択的に位置決めするように及び配向プラットフォームに対して関連付けられるマニピュレータを固定して支持するように動作可能である。多くの実施形態では、ショルダジョイントの角度配向は、取付ベースの所定の安定限度を超えることを防ぐように制限される。
【0020】
多くの実施形態では、セットアップリンク機構の少なくとも1つは、第1のリンク、第2のリンク、第3のリンク、及び第4のリンクを含む。第1のリンクは、第1のリンクを配向プラットフォームに対して第1のセットアップリンク機構軸周りに選択的に配向するように動作可能である第1のセットアップリンク機構ジョイントを通じて配向プラットフォームに回転結合される第1のリンク近位端部を有する。第2のリンクは、第2のリンクを第1のリンクに対して水平に配向される第2のセットアップリンク機構軸に沿って選択的に再位置決めするように動作可能である第2のセットアップリンク機構ジョイントを通じて第1のリンクにスライド可能に取り付けられる。第3のリンクは、第3のリンクを第2のリンクに対して垂直に配向される第3のセットアップリンク機構軸に沿って選択的に再位置決めするように動作可能である第3のセットアップリンク機構ジョイントを通じて第2のリンクにスライド可能に取り付けられる。第4のリンクは、第4のリンクを第3のリンクに対して垂直に配向される第4のセットアップリンク機構軸の周りに選択的に配向するように動作可能である第4のセットアップリンク機構ジョイントを通じて第3のリンクに回転結合される。関連付けられるマニピュレータは第4のリンクの遠位にあるとともに第4のリンクによって支持される。多くの実施形態では、第1のリンクは、水平方向に第1のセットアップリンク機構ジョイントから片持ちにされる。
【0021】
多くの実施形態では、セットアップリンク機構の少なくとも1つは、第4のリンクと関連付けられるマニピュレータとの間に結合される再配向機構を含む。再配向機構の作動は、関連付けられる操作のリモートセンタ(RC)を第4のリンクに対して固定位置に保持する運動を通じて第4のリンクに対して関連付けられるマニピュレータを動かす。
【0022】
多くの実施形態では、再配向機構は、トルネード回転ジョイント及びトルネードリンクを含む。トルネードリンクは、トルネード回転ジョイントに結合されるトルネードリンク近位端部及び関連付けられるマニピュレータに結合されるトルネードリンク遠位端部を有する。トルネード回転ジョイントの作動は、RCと交差するとともに第1及び第2のマニピュレータ軸のいずれとも一致しないトルネード軸周りにトルネードリンクを回転させる。トルネードリンクは、トルネード軸周りのトルネードリンクの全ての配向に対して関連付けられるRCを第4のリンクに対して固定位置に保持するように構成される。
【0023】
本発明の性質及び利点のより完全な理解のために、次の説明及び添付の図面への参照がなされるべきである。本発明の他の態様、目的及び利点は、以下の図面及び詳細な説明から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】多くの実施形態による、手術を行うために使用される低侵襲性ロボット手術システムの平面図である。
図2】多くの実施形態による、ロボット手術システムのための外科医の制御コンソールの斜視図である。
図3】多くの実施形態による、ロボット手術システム電子装置カートの斜視図である。
図4】多くの実施形態による、ロボット手術システムを概略的に描く。
図5A】多くの実施形態による、ロボット手術システムの患者側カート(手術ロボット)の部分図である。
図5B】多くの実施形態による、ロボット手術ツールの正面図である。
図6】多くの実施形態による、ロボット手術システムの斜視概略図である。
図7】多くの実施形態による、他のロボット手術システムの斜視概略図である。
図8図7の概略図に一致する、多くの実施形態による、ロボット手術システムを示す。
図9図8のロボット手術システムの配向プラットフォームに対するセットアップリンク機構の回転配向限度を示す。
図10】多くの実施形態による、ロボット手術システム用ブーム組立体の回転限度に関連付けられる重心図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下の説明では、本発明の様々な実施形態が説明される。説明の目的で、実施形態の完全な理解を提供するために、特定の構成及び詳細が記載される。しかし、本発明が特定の詳細なしで実施され得ることは、当業者にもまた明白となるであろう。さらに、記載されている実施形態を曖昧にしないために、良く知られた特徴は省略又は簡略化され得る。
【0026】
低侵襲ロボット手術
ここで図面を参照すると、図1は、典型的には手術台14に横たわっている患者12に低侵襲診断又は外科手術を行うために使用される、低侵襲ロボット手術(MIRS)システム10の平面図である。図面において、同様の参照番号は同様の部分を表す。システムは、手術中に外科医18による使用のための外科医用コンソール16を含む。1人又は複数の助手20も手術に参加し得る。MIRSシステム10は、患者側カート22(手術ロボット)及び電子装置カート24をさらに含み得る。患者側カート22は、外科医18がコンソール16を通して手術部位を視認している間、患者12の身体の低侵襲性切開部を通る少なくとも1つの取り外し可能に結合されたツール組立体26(以降、単に「ツール」と呼ばれる)を操作することができる。手術部位の画像は、内視鏡28を位置決めするとともに方向付けするように患者側カート22によって操作され得る、立体内視鏡等の内視鏡28によって取得されることができる。電子装置カート24は、外科医用コンソール16を通じた外科医18への続く表示のために手術部位の画像を処理するために、使用され得る。一度に使用される手術ツール26の数は、概して、診断又は外科手術及び他要因の中でも手術室内の空間的制約に依存する。手術中に使用されているツール26の1又は複数を交換することが必要な場合、助手20は、患者側カート22からツール26を取外し、それを手術室のトレイ30からの別のツール26に交換し得る。
【0027】
図2は、外科医用コンソール16の斜視図である。この外科医用コンソール16は、奥行き知覚を可能にする手術部位の協調立体視を外科医18に提示するために左眼用ディスプレイ32及び右眼用ディスプレイ34を含む。コンソール16は、1又は複数の入力制御装置36をさらに含み、この装置36は、患者側カート22(図1に示される)に1又は複数のツールを操作させる。入力制御装置36は、テレプレゼンス(telepresence)を外科医に提供するために、それらの関連ツール26(図1に示される)と同じ自由度を提供することができる、又は外科医がツール26を直接制御する強い感覚を有するように、入力制御装置36がツール26と一体となる知覚を提供することができる。この目的のために、位置、力、及び触覚フィードバックセンサ(図示せず)が、ツール26からの位置、力、及び触感を、入力制御装置36を通じて外科医の手に返送するために使用され得る。
【0028】
外科医用コンソール16は通常、外科医が、手術を直接監視し得るように、必要であれば物理的に存在し得るように、及び電話又は他の通信媒体ではなく直接助手に話し掛け得るように、患者と同じ部屋の中に配置される。しかし、外科医は、患者とは異なる部屋、全く異なる建物、又は遠隔手術を可能にする患者から離れた他の場所にいることができる。
【0029】
図3は、電子装置カート24の斜視図である。電子装置カート24は、内視鏡28と結合されることができ、外科医用コンソールで、或いは局所的に及び/又は遠隔に位置する別の適切なディスプレイで、外科医に等、その後の表示のために取り込まれた画像を処理するためのプロセッサを含み得る。例えば、立体内視鏡が使用される場合、電子装置カート24は、手術部位の協調立体画像を外科医に提示するために、取り込まれた画像を処理することができる。このような協調は、対向画像間の位置合わせを含み得るとともに、立体内視鏡の立体作動距離を調整することを含み得る。別の例として、画像処理は、光学収差等、画像取込装置の結像誤差を補償するために、以前に決定されたカメラ較正パラメータの使用を含み得る。
【0030】
図4は、ロボット手術システム50(図1のMIRSシステム10等)を図式的に示す。上述のように、外科医用コンソール52(図1の外科医用コンソール16等)が、低侵襲手術中に患者側カート(手術ロボット)54(図1の患者側カート22等)を制御するために外科医によって使用され得る。患者側カート54は、手術部位の画像を取込むとともに取込まれた画像を電子装置カート56(図1の電子装置カート24等)に出力するために、立体内視鏡等の撮像装置を使用することができる。上述のように、電子装置カート56は、後に続く表示の前に、種々の方法で取込まれた画像を処理することができる。例えば、電子装置カート56は、外科医用コンソール52を介して組み合わされた画像を外科医に表示する前に、取込まれた画像を仮想制御インターフェースと重ね合わせることができる。患者側カート54は、電子装置カート56の外部で処理するために取込まれた画像を出力することができる。例えば、患者側カート54は、取込まれた画像を処理するために使用され得る、プロセッサ58に取込まれた画像を出力することができる。画像はまた、共同して、連続して、及び/又はそれらの組み合わせで、取込まれた画像を処理するために一緒に結合され得る、電子装置カート56及びプロセッサ58の組み合わせによって処理されることもできる。1又は複数の別個のディスプレイ60も、手術部位の画像、又は他の関連画像等、画像の局所及び/又は遠隔表示のために、プロセッサ58及び/又は電子装置カート56と結合され得る。
【0031】
図5A及び5Bは、患者側カート22及び手術ツール26をそれぞれ示す。手術ツール26は、手術ツール26の例である。図示された患者側カート22は、3つの手術ツール26及び、手術野の画像を取得するために使用される立体内視鏡等、撮像装置28の操作を提供する。操作は、幾つかのロボットジョイントを有するロボット機構によって提供される。撮像装置28及び手術ツール26は、運動学的リモートセンタ(遠隔中心)が切開部のサイズを最小化するよう切開部に保持されるように、切開部を通って患者内で位置決めされるとともに操作されることができる。手術野の画像は、手術ツール26が撮像装置28の視野内に位置決めされるとき、手術ツール26の遠位端の画像を含むことができる。
【0032】
ロボット手術システム及びモジュール式マニピュレータ支持部
図6は、多くの実施形態による、ロボット手術システム70の斜視概略図である。手術システム70は、取付ベース72、支持リンク機構74、配向プラットフォーム76、複数の外側セットアップリンク機構78(2つが示される)、複数の内側セットアップリンク機構80(2つが示される)、及び複数の手術器具マニピュレータ82を含む。マニピュレータ82のそれぞれは、マニピュレータ82に取り付けられるとともに挿入軸に沿って患者に挿入可能である手術器具を選択的に関節運動させるように動作可能である。マニピュレータ82のそれぞれは、セットアップリンク機構78、80の1つに取付けられるとともに支持される。外側セットアップリンク機構78のそれぞれは、第1のセットアップリンク機構ジョイント84によって配向プラットフォーム76に回転結合されるとともに支持される。内側セットアップリンク機構80のそれぞれは、配向プラットフォーム76に固定して結合されるとともに支持される。配向プラットフォーム76は、支持リンク機構74に回転結合されるとともに支持される。そして、支持リンク機構74は、取付ベース72に固定して取付けられるとともに支持される。
【0033】
多くの実施形態では、取付けベース72は、移動可能であるとともに床に支持され、それによって、例えば手術室内で、手術システム70全体の選択的な再位置決めを可能にする。取付けベース72は、操舵可能な車輪組立体及び/又は選択的な再位置決めすること並びに選択された位置からの取付ベース72の移動を選択的に防ぐことの両方を提供する任意の他の適切な機能を含むことができる。取付ベース72はまた、例えば、天井マウント、固定フロア/台座マウント、壁マウント、又は任意の他の適切な取付面等、任意の他の適切な構成を有することができる。
【0034】
支持リンク機構74は、取付ベース72に対して配向プラットフォーム76を選択的に位置決めする及び/又は配向するよう動作可能である。支持リンク機構74は、コラムベース86、並進移動可能なコラム部材88、ショルダジョイント90、ブームベース部材92、ブーム第1段部材94、ブーム第2段部材96、及びリストジョイント98を含む。コラムベース86は、取付ベース72に固定して取付けられる。並進移動可能なコラム部材88は、コラムベース86に対する並進移動のためにコラムベース86にスライド可能に結合される。多くの実施形態では、並進移動可能なコラム部材88は、コラムベース86に対して垂直に配向された軸に沿って並進移動する。ブームベース部材92は、ショルダジョイント90によって並進移動可能なコラム部材88に回転結合される。ショルダジョイント90は、ブームベース部材92を水平面内で並進移動可能なコラム部材88に対して選択的に配向するように動作可能であり、この並進移動可能なコラム部材88はコラムベース86及び取付ベース72に対して固定角度配向を有する。ブーム第1段部材94は、ブームベース部材92に対して水平方向に選択的に並進移動可能であり、この水平方向は、多くの実施形態においてブームベース部材92及びブーム第1段部材94の両方と一直線になる。ブーム第2段部材96は同様に、ブーム第1段部材94に対して水平方向に選択的に並進移動可能であり、この水平方向は、多くの実施形態においてブーム第1段部材94及びブーム第2段部材96の両方と一直線になる。したがって、支持リンク機構74は、ショルダジョイント90とブーム第2段部材96の遠位端部との間の距離を選択的に設定するよう動作可能である。リストジョイント98は、ブーム第2段部材96の遠位端部を配向プラットフォーム76に回転結合する。リストジョイント98は、取付ベース72に対する配向プラットフォーム76の角度配向を選択的に設定するよう動作可能である。
【0035】
セットアップリンク機構78、80のそれぞれは、配向プラットフォーム76に対して関連付けられるマニピュレータ82を選択的に位置決めする及び/又は配向するよう動作可能である。セットアップリンク機構78、80のそれぞれは、セットアップリンク機構ベースリンク100、セットアップリンク機構延長リンク102、セットアップリンク機構平行四辺形リンク機構部分104、セットアップリンク機構垂直リンク106、第2のセットアップリンク機構ジョイント108、及びマニピュレータ支持リンク110を含む。外側セットアップリンク機構78のセットアップリンク機構ベースリンク100のそれぞれは、第1のセットアップリンク機構ジョイント84の動作を介して配向プラットフォーム76に対して選択的に配向されることができる。図示された実施形態では、内側セットアップリンク機構80のセットアップリンク機構ベースリンク100のそれぞれは、配向プラットフォーム76に固定して取付けられる。内側セットアップリンク機構80のそれぞれはまた、外側セットアップリンク機構と同様に、追加的な第1のセットアップリンク機構ジョイント84介して配向プラットフォーム76に回転取付けられることもできる。セットアップリンク機構延長リンク102のそれぞれは、関連付けられるセットアップリンク機構ベースリンク100に対して水平方向に並進移動可能である、この水平方向は、多くの実施形態において、関連付けられるセットアップリンク機構ベースリンク及びセットアップリンク機構延長リンク102と一直線になる。セットアップリンク機構平行四辺形リンク機構部分104のそれぞれは、セットアップリンク機構垂直リンク106を垂直に配向させたまま、セットアップリンク機構垂直リンク106を垂直方向に選択的に並進移動可能に構成されるとともに動作可能である。例示的な実施形態では、セットアップリンク機構平行四辺形リンク機構部分104のそれぞれは、第1の平行四辺形ジョイント112、結合リンク114、及び第2の平行四辺形ジョイント116を含む。第1の平行四辺形ジョイント112は、結合リンク114をセットアップリンク機構延長リンク102に回転結合する。第2の平行四辺形ジョイント116は、セットアップリンク機構垂直リンク106を結合リンク114に回転結合する。セットアップリンク機構延長リンク102に対する結合リンク114の回転が、セットアップリンク機構垂直リンク106が垂直に選択的に並進移動される間にセットアップリンク機構垂直リンク106が垂直に配向されて保持されるよう、結合リンク114に対するセットアップリンク機構垂直リンク106の相殺回転によって整合されるように、第1の平行四辺形ジョイント112は、第2の平行四辺形ジョイント116に回転が結び付けられる。第2のセットアップリンク機構ジョイント108は、セットアップリンク機構垂直リンク106に対してマニピュレータ支持リンク110を選択的に配向するように動作可能であり、それによって、セットアップリンク機構垂直リンク106に対して関連付けられる取り付けられたマニピュレータ82を選択的に配向する。
【0036】
図7は、多くの実施形態による、ロボット手術システム120の斜視概略図である。手術システム120は図6の手術システム70の構成要素と同様の構成要素を含むので、同じ参照数字が同様の構成要素に関して使用され、上述の同様の構成要素の対応する説明は、手術システム120に適用可能であるとともに繰り返しを避けるためにここでは省略される。手術システム120は、取付ベース72、支持リンク機構122、配向プラットフォーム124、複数のセットアップリンク機構126(4つが示される)、及び複数の手術器具マニピュレータ82を含む。マニピュレータ82のそれぞれは、マニピュレータ82に取り付けられるとともに挿入軸に沿って患者に挿入可能である手術器具を選択的に関節運動させるように動作可能である。マニピュレータ82のそれぞれは、セットアップリンク機構126の1つに取付けられるとともに支持される。セットアップリンク機構126のそれぞれは、第1のセットアップリンク機構ジョイント84によって配向プラットフォーム124に回転結合されるとともに支持される。配向プラットフォーム124は、支持リンク機構122に回転結合されるとともに支持される。そして、支持リンク機構122は、取付ベース72に固定して取付けられるとともに支持される。
【0037】
支持リンク機構122は、取付ベース72に対して配向プラットフォーム124を選択的に位置決めする及び/又は配向するよう動作可能である。支持リンク機構122は、コラムベース86、並進移動可能なコラム部材88、ショルダジョイント90、ブームベース部材92、ブーム第1段部材94、及びリストジョイント98を含む。支持リンク機構122は、ショルダジョイント90とブーム第1段部材94の遠位端部との間の距離を選択的に設定するよう動作可能である。リストジョイント98は、ブーム第1段部材94の遠位端部を配向プラットフォーム124に回転結合する。リストジョイント98は、取付ベース72に対する配向プラットフォーム124の角度配向を選択的に設定するよう動作可能である。
【0038】
セットアップリンク機構126のそれぞれは、配向プラットフォーム124に対して関連付けられるマニピュレータ82を選択的に位置決めする及び/又は配向するよう動作可能である。セットアップリンク機構126のそれぞれは、セットアップリンク機構ベースリンク100、セットアップリンク機構延長リンク102、セットアップリンク機構垂直リンク106、第2のセットアップリンク機構ジョイント108、トルネード機構支持リンク128、及びトルネード機構130を含む。セットアップリンク機構126のセットアップリンク機構ベースリンク100のそれぞれは、関連付けられる第1のセットアップリンク機構ジョイント84の動作を介して配向プラットフォーム124に対して選択的に配向されることができる。セットアップリンク機構垂直リンク106のそれぞれは、関連付けられるセットアップリンク機構延長リンク102に対して垂直方向に選択的に並進移動可能である。第2のセットアップリンク機構ジョイント108は、セットアップリンク機構垂直リンク106に対してトルネード機構支持リンク128を選択的に配向するように動作可能である。
【0039】
トルネード機構130のそれぞれは、トルネードジョイント132、結合リンク134、及びマニピュレータ支持部136を含む。結合リンク134は、マニピュレータ支持部136をトルネードジョイント132に固定して結合する。トルネードジョイント132は、トルネード機構支持リンク128に対してトルネード軸138周りにマニピュレータ支持部136を回転させるように動作可能である。トルネード機構130は、マニピュレータ82の操作のリモートセンタ(RC)がトルネード軸136と交差するようマニピュレータ支持部134を位置決めするとともに配向するように構成される。したがって、トルネードジョイント132の動作は、患者に対して関連付けられる操作のリモートセンタ(RC)を動かすことなしに、患者に対して関連付けられるマニピュレータ82を再配向するために使用されることができる。
【0040】
図8は、図7のロボット手術システム120の概略図に一致する、多くの実施形態による、ロボット手術システム140の簡略化された図である。手術システム140は、図7のロボット手術システム120に一致するので、同じ参照番号が類似の構成要素に関して使用され、上述の類似の構成要素の対応する説明は、手術システム140に適用可能であるとともに繰り返しを避けるためにここでは省略される。
【0041】
支持リンク機構122は、多数のセットアップ構造軸に沿って支持リンク機構122のリンク間の相対運動を介して取付ベース72に対して配向プラットフォーム124を選択的に位置決め及び配向するように構成される。並進移動可能なコラム部材88は、第1のセットアップ構造(SUS)軸142に沿ってコラムベース86に対して選択的に再位置決め可能であり、この第1のSUS軸142は、多くの実施形態において、垂直に配向される。ショルダジョイント90は、第2のSUS軸144周りに並進移動可能なコラム部材88に対してブームベース部材92を選択的に配向するよう動作可能であり、この第2のSUS軸144は、多くの実施形態において、垂直に配向される。ブーム第1段部材94は、第3のSUS軸146に沿ってブームベース部材92に対して選択的に再位置決め可能であり、この第3のSUS軸146は、多くの実施形態において、水平に配向される。そして、リストジョイント98は、第4のSUS軸148に沿ってブーム第1段部材94配向プラットフォーム124を選択的に配向するよう動作可能であり、この第4のSUS軸148は、多くの実施形態において、垂直に配向される。
【0042】
セットアップリンク機構126のそれぞれは、多数のセットアップジョイント(SUJ)軸に沿ってセットアップリンク機構126のリンク間の相対運動を介して配向プラットフォーム124に対して関連付けられるマニピュレータ82を選択的に位置決め及び配向するように構成される。第1のセットアップリンク機構ジョイント84のそれぞれは、第1のSUJ軸150周りに配向プラットフォーム124に対して関連付けられるセットアップリンク機構ベースリンク100を選択的に配向するよう動作可能であり、この第1のSUJ軸150は、多くの実施形態において、垂直に配向される。セットアップリンク機構延長リンク102のそれぞれは、第2のSUJ軸152に沿って関連付けられるセットアップベースリンク100に対して選択的に再位置決め可能であり、この第2のSUJ軸152は、多くの実施形態において、水平に配向される。セットアップリンク機構垂直リンク106のそれぞれは、第3のSUJ軸154に沿って関連付けられるセットアップリンク機構延長リンク102に対して選択的に再位置決めされることができ、この第3のSUJ軸154は、多くの実施形態において、垂直に配向される。第2のセットアップリンク機構ジョイント108のそれぞれは、第3のSUJ軸154周りにセットアップリンク機構垂直リンク106に対してトルネード機構支持リンク128を選択的に配向するように動作可能である。トルネードジョイント132のそれぞれは、関連付けられるトルネード軸138周りに関連付けられるマニピュレータ82を回転させるように動作可能である。
【0043】
図9は、多くの実施形態による、配向プラットフォーム124に対するセットアップリンク機構126の回転配向限度を示す。セットアップリンク機構126のそれぞれは、配向プラットフォーム124に対する時計回りの限度配向で示されている。対応する反時計回りの限度配向は、垂直に配向された鏡面に対する図9の鏡像によって示される。図示されるように、2つの内側セットアップリンク機構126のそれぞれは、垂直基準156から一方向に5度から垂直基準156から反対方向に75度まで配向されることができる。また、図示されるように、2つの外側セットアップリンク機構のそれぞれは、垂直基準156から対応する方向に15度から95度まで配向されることができる。
【0044】
図10は、多くの実施形態による、ロボット手術システム160のための支持リンク機構の回転限度に関連付けられる重心図を示す。ロボット手術システム160の重心162を手術システム160の支持リンク機構164に対して一側に最大の範囲まで移動させるようにロボット手術システム160の構成要素が位置決めされるとともに配向される状態では、支持リンク機構164のショルダジョイントは、取付ベースの所定の安定限度を超えることを防ぐようにセットアップ構造(SUS)ショルダジョイント軸166周りの支持構造164の回転を制限するように構成されることができる。
【0045】
他の変形形態は本発明の精神の中にある。したがって、本発明は、様々な変更形態及び代替構造が可能であるが、幾つかの説明された実施形態は図面に示されるとともに詳細に記載されている。しかし、本発明を特定の形態又は開示された形態に限定する意図はなく、それどころか、全ての修正、代替構造、及び添付の特許請求の範囲に定められるように、本発明の精神及び範囲内に属する均等物をカバーすることを意図していることが理解されるべきである。
【0046】
本発明を記載する文脈における(特に以下の請求項の範囲の文脈における)用語“a”、“an”、“the”(1つの、ある)、及び同様の指示対象の使用は、本願に示されない限り又は文脈によって明らかに否定されない限り、単数形及び複数形の両方を包含するように解釈されるべきである。用語「有する、含む、備える(“comprising”、“having”、“including”、及び“containing”)」は、記載されない限りオープンエンドタームとして(すなわち、「含んでいるが限定されない」ことを意味する)解釈されるべきである。用語「接続される」は、たとえ何かが介在していても、部分的に又は完全に中に含まれる、取り付けられる、又は一緒に結合されるとして解釈されるべきである。本願における値の範囲の列挙は、本願に明記しない限り、範囲に入るそれぞれの独立した値を個別に参照する省略表現方法として機能することが単に意図され、それぞれの独立した値は、それが本願に個別に参照されるように、明細書に組み込まれる。本願に記載された全ての方法は、本願に明記されない限り又は文脈によって明らかに否定されない限り、任意の適切な順番で実行され得る。任意の及び全ての例、又は本願に用いられる例示的な言語(例えば、「等」)の使用は、本発明の実施形態をより良く明らかにすることを単に意図し、特許請求の範囲に記載されない限り、本発明の範囲の限定をもたらさない。明細書の言語は、本発明の実施に必須であるような任意の請求項に記載されていない要素を示すものとして解釈されるべきではない。
【0047】
本発明を実施するために発明者に知られているベストモードを含む、本発明の好適な実施形態がここに記載されている。これらの好適な実施形態の変形形態は、前述の記載を読むことで当業者に明らかになり得る。発明者は、熟練した職人がこのような変形形態を適切に用いることを予期し、発明者は発明が、本願に具体的に記載されるものとは違う他の方法で実施されることを意図する。したがって、本発明は、全ての修正形態及び適用される法律によって許されるように添付された特許請求の範囲に記載された主題の均等物を含む。さらに、それらの全ての可能な変形形態の上述の構成要素の任意の組み合わせが、本願に明記されない限り又は文脈によって明らかに否定されない限り、本発明によって包含される。
【0048】
本願に引用された、出版物、特許出願、特許を含む全ての参考文献は、各参考文献が参照により組み込まれることが個々に且つ明確に示されるような、並びに且つ完全に本願に述べられているような、同じ程度まで、参照により本願に組み込まれる。
【0049】
次の付記を記す。
(付記1)
支持部と;
手術器具が取り付け可能であるマニピュレータであって、前記マニピュレータは、前記手術器具を挿入軸に沿って患者の中に操作のリモートセンタ(RC)を通って挿入するように、前記RCと交差するマニピュレータ第1軸周りに前記手術器具を回転させるように、並びに前記RCと交差するマニピュレータ第2軸周りに前記手術器具を回転させるように構成され、前記マニピュレータ第2軸は前記マニピュレータ第1軸を横断し、前記マニピュレータ第1軸及び前記マニピュレータ第2軸のそれぞれは前記挿入軸を横断する、マニピュレータと;
前記支持部に対して前記マニピュレータを再配向するように及び前記支持部に対して選択された位置に前記マニピュレータを固定して支持するように構成されるセットアップリンク機構であって、前記セットアップリンク機構は、前記支持部に結合される近位リンク、前記マニピュレータに結合される遠位リンク、及び前記近位リンクに対して固定位置に前記RCを保持する運動で前記近位リンクに対して前記遠位リンクを動かすように構成される再配向機構を含む、セットアップリンク機構と;を有する、
手術システム。
(付記2)
前記再配向機構は、再配向回転ジョイント及び再配向リンクを有し、
前記再配向リンクは、前記再配向回転ジョイントに結合される近位端部及び前記マニピュレータに結合される遠位端部を有し、
前記再配向回転ジョイントの作動は、前記RCと交差するとともに前記マニピュレータ第1軸又は前記マニピュレータ第2軸のいずれとも整列しない再配向軸周りに前記再配向リンクを回転させ、
前記再配向リンクは、前記再配向回転ジョイントの作動に応じて、前記RCを前記近位リンクに対して固定位置に保持するように構成される、
付記1に記載の手術システム。
(付記3)
前記マニピュレータは、前記マニピュレータが前記マニピュレータ第1軸周りに前記手術器具を回転させるとき及び前記マニピュレータが前記マニピュレータ第2軸周りに前記手術器具を回転させるとき、前記遠位リンクに対して前記RCの固定位置を保持するように機械的に拘束される、
付記1に記載の手術システム。
(付記4)
前記マニピュレータは、前記マニピュレータの第1のジョイントの作動に応じて前記マニピュレータ第1軸周りの回転に機械的に制限される第1の運動を通じて前記手術器具を動かすように及び前記マニピュレータの第2のジョイントの作動に応じて前記マニピュレータ第2軸周りの回転に機械的に制限される第2の運動を通じて前記手術器具を動かすように、機械的に構成される、
付記3に記載の手術システム。
(付記5)
前記近位リンクは、第1セットアップリンク機構軸周りに前記支持部に対して前記近位リンクを選択的に配向するように構成される近位セットアップリンク機構ジョイントを通じて前記支持部に結合される近位端部を有し、
前記遠位リンクは、前記マニピュレータに結合されるとともに少なくとも2方向に前記近位リンクに対して再位置決め可能である遠位端部を有する、
付記1に記載の手術システム。
(付記6)
第2手術器具が取り付け可能である第2マニピュレータであって、前記第2マニピュレータは、前記第2手術器具を第2挿入軸に沿って前記患者の中に操作の第2リモートセンタ(第2RC)を通って挿入するように、前記第2RCと交差する第2マニピュレータ第1軸周りに前記第2手術器具を回転させるように、並びに前記第2RCと交差する第2マニピュレータ第2軸周りに前記第2手術器具を回転させるように構成され、前記第2マニピュレータ第2軸は前記第2マニピュレータ第1軸を横断し、前記第2マニピュレータ第1軸及び前記第2マニピュレータ第2軸のそれぞれは前記第2挿入軸を横断する、第2マニピュレータと;
前記支持部に対して前記第2マニピュレータを再配向するように及び前記支持部に対して選択された位置に前記第2マニピュレータを固定して支持するように構成される第2セットアップリンク機構であって、前記第2セットアップリンク機構は、前記支持部に結合される第2近位リンク、前記第2マニピュレータに結合される第2遠位リンク、及び前記第2近位リンクに対して固定位置に前記第2RCを保持する運動で前記第2近位リンクに対して前記第2遠位リンクを動かすように構成される第2再配向機構を含む、第2セットアップリンク機構と;をさらに有する、
付記1に記載の手術システム。
(付記7)
前記第2再配向機構は、第2再配向回転ジョイント及び第2再配向リンクを含み、
前記第2再配向リンクは、前記第2再配向回転ジョイントに結合される近位端部及び前記第2マニピュレータに結合される遠位端部を有し、
前記第2再配向回転ジョイントの作動は、前記第2RCと交差するとともに前記第2マニピュレータ第1軸又は前記第2マニピュレータ第2軸のいずれとも整列しない第2再配向軸周りに前記第2再配向リンクを回転させ、
前記第2再配向リンクは、前記第2再配向回転ジョイントの作動に応じて、前記第2RCを前記第2近位リンクに対して固定位置に保持するように構成される、
付記6に記載の手術システム。
(付記8)
前記第2マニピュレータは、前記第2マニピュレータが前記第2マニピュレータ第1軸周りに前記第2手術器具を回転させるとき及び前記第2マニピュレータが前記第2マニピュレータ第2軸周りに前記第2手術器具を回転させるとき、前記第2遠位リンクに対して前記第2RCの固定位置を保持するように機械的に拘束される、
付記6に記載の手術システム。
(付記9)
前記第2マニピュレータは、前記第2マニピュレータの第1のジョイントの作動に応じて前記第2マニピュレータ第1軸周りの回転に機械的に制限される第1の運動を通じて前記第2手術器具を動かすように及び前記第2マニピュレータの第2のジョイントの作動に応じて前記第2マニピュレータ第2軸周りの回転に機械的に制限される第2の運動を通じて前記第2手術器具を動かすように、機械的に構成される、
付記8に記載の手術システム。
(付記10)
前記第2近位リンクは、第2セットアップリンク機構軸周りに前記支持部に対して前記第2近位リンクを選択的に配向するように構成される近位第2セットアップリンク機構ジョイントを通じて前記支持部に結合される近位端部を有し、
前記第2遠位リンクは、前記第2マニピュレータに結合されるとともに少なくとも2方向に前記第2近位リンクに対して再位置決め可能である遠位端部を有する、
付記6に記載の手術システム。
(付記11)
支持部と;
患者に挿入可能な手術器具を移動可能に支持するように構成される、手術器具マニピュレータと;

前記手術器具マニピュレータを前記支持部に結合するセットアップリンク機構と;を有し、
前記セットアップリンク機構は、前記支持部に対して前記手術器具マニピュレータを再位置決めするように及び前記支持部に対して前記手術器具マニピュレータを固定して支持するように動作可能であり、
前記セットアップリンク機構は:
ベースリンクと;
前記ベースリンクを前記支持部に回転可能に結合するとともに前記支持部に対して前記ベースリンクを選択的に配向するように動作可能である第1ジョイントと;
前記ベースリンクに対する水平方向の並進移動のために前記ベースリンクに対してスライド可能に結合される延長リンクと;
垂直リンクと;
前記垂直リンクと前記延長リンクに結合する平行四辺形リンク機構部分であって、前記平行四辺形リンク機構部分は、前記垂直リンクを配向されたままにしながら、前記延長リンクに対して前記垂直リンクを動かすように構成され且つ動作可能である、平行四辺形リンク機構部分と;
前記手術器具マニピュレータが取り付けられるマニピュレータ支持リンクと;
前記マニピュレータ支持リンクを前記垂直リンクに回転可能に結合するとともに前記垂直リンクに対して前記マニピュレータ支持リンクを選択的に配向するように動作可能である第2ジョイントと;
を有する、
ロボット手術システム。
(付記12)
前記患者に挿入可能な第2手術器具を移動可能に支持するように構成される、第2手術器具マニピュレータと;
前記第2手術器具マニピュレータを前記支持部に結合する第2セットアップリンク機構と;をさらに有し、
前記第2セットアップリンク機構は、前記支持部に対して前記第2手術器具マニピュレータを再位置決めするように及び前記支持部に対して前記第2手術器具マニピュレータを固定して支持するように動作可能である、
付記11に記載のロボット手術システム。
(付記13)
前記患者に挿入可能な第3手術器具を移動可能に支持するように構成される、第3手術器具マニピュレータと;
前記第3手術器具マニピュレータを前記支持部に結合するとともに、前記支持部に対して前記第3手術器具マニピュレータを再位置決めするように及び前記支持部に対して前記第3手術器具マニピュレータを固定して支持するように動作可能である、第3セットアップリンク機構と;をさらに有する、
付記12に記載のロボット手術システム。
(付記14)
取付ベースと;
前記支持部を前記取付ベースに結合する支持リンク機構と;をさらに有し;
前記支持リンク機構は、前記取付ベースに対して前記支持部を再位置決めするように及び前記取付ベースに対して前記支持部を固定して支持するように動作可能である、
付記11乃至13のいずれか1項に記載のロボット手術システム。
(付記15)
前記支持リンク機構は、コラムベース、並進移動可能なコラム部材、ショルダジョイント、ブームベース部材、ブーム第1段部材、ブーム第2段部材、及びリストジョイントを有し;
前記コラムベースは、前記取付ベースに固定して取り付けられ;
前記並進移動可能なコラム部材は、前記コラムベースに対して垂直に配向された軸に沿って並進移動するよう前記コラムベースにスライド可能に結合され;
前記ブームベース部材は、前記ショルダジョイントによって前記並進移動可能なコラム部材と回転可能に結合され;
前記ショルダジョイントは、前記並進移動可能なコラム部材に対して水平面内で前記ブームベース部材を選択的に配向するように動作可能であり;
前記ブーム第1段部材は、前記ブームベース部材に対して水平方向に選択的に並進移動可能であり;
前記ブーム第2段部材は、前記ブーム第1段部材に対して水平方向に選択的に並進移動可能であり;
前記リストジョイントは、前記ブーム第2段部材を前記支持部に回転可能に結合する
付記14に記載のロボット手術システム。
(付記16)
配向プラットフォームと;
前記配向プラットフォームを移動可能に支持する支持リンク機構と;
複数のマニピュレータであって、
前記マニピュレータの各々は、器具ホルダを含み、
前記マニピュレータの各々は、前記器具ホルダに取り付けられる関連付けられる手術器具を支持するように、前記関連付けられる手術器具を挿入軸に沿って患者の中に関連付けられる操作のリモートセンタ(RC)を通って挿入するように、前記関連付けられるRCと交差する第1マニピュレータ軸周りに前記器具ホルダを回転させるように、及び前記関連付けられるRCと交差する第2マニピュレータ軸周りに前記器具ホルダを回転させるように構成され、
前記第1マニピュレータ軸及び前記第2マニピュレータ軸の各々は、前記挿入軸を横断し、前記第2マニピュレータ軸は、前記第1マニピュレータ軸を横断する、
複数のマニピュレータと;
複数のセットアップリンク機構であって、
前記セットアップリンク機構の各々は、前記複数のマニピュレータのうちの関連付けられるマニピュレータを前記配向プラットフォームに結合し、
前記セットアップリンク機構の各々は、前記配向プラットフォームに対して前記関連付けられるマニピュレータを再位置決めするように動作可能であり、
前記セットアップリンク機構の各々は、前記配向プラットフォームに対して選択された位置に前記関連付けられるマニピュレータを固定して支持するように動作可能であり、
前記セットアップリンク機構の各々は、前記配向プラットフォームに結合される近位リンク及び前記関連付けられるマニピュレータに結合される遠位リンクを含み、
前記セットアップリンク機構の少なくとも1つは、作動されるとき、前記近位リンクに対して固定位置に前記関連付けられるマニピュレータの前記RCを保持する運動を通じて前記近位リンクに対して前記遠位リンクを動かす再配向機構を有する、
複数のセットアップリンク機構と;
を有する、
ロボット手術システム。
(付記17)
前記再配向機構は、トルネード回転ジョイント及びトルネードリンクを含み、前記トルネードリンクは、前記トルネード回転ジョイントに結合されるトルネードリンク近位端部及び前記関連付けられるマニピュレータに結合されるトルネードリンク遠位端部を有し;
前記トルネード回転ジョイントの作動は、前記関連付けられるマニピュレータの前記RCと交差するとともに前記第1マニピュレータ軸及び前記第2マニピュレータ軸のいずれとも整列しないトルネード軸周りに前記トルネードリンクを回転させ、
前記トルネードリンクは、前記トルネード回転ジョイントの作動に応じて、記関連付けられるマニピュレータの前記RCを前記近位リンクに対して固定位置に保持するように構成される、
付記16に記載のロボット手術システム。
(付記18)
前記マニピュレータの少なくとも1つは、前記第1マニピュレータ軸周りの前記器具ホルダの回転中及び前記第2マニピュレータ軸周りの前記器具ホルダの回転中、前記遠位リンクに対して前記関連付けられるマニピュレータの前記RCの固定位置を保持するように機械的に拘束される、
付記16に記載のロボット手術システム。
(付記19)
前記マニピュレータの各々は、前記第1マニピュレータ軸周りの前記器具ホルダの回転中及び前記第2マニピュレータ軸周りの前記器具ホルダの回転中、前記遠位リンクに対して前記関連付けられるマニピュレータの前記RCの固定位置を保持するように機械的に拘束される、
付記16に記載のロボット手術システム。
(付記20)
前記マニピュレータの少なくとも1つは、前記第1マニピュレータ軸周りの回転に機械的に制限される第1の運動を通じて前記マニピュレータの第1ジョイントの作動に応じて前記器具ホルダを動かすように及び前記第2マニピュレータ軸周りの回転に機械的に制限される第2の運動を通じて前記マニピュレータの第2ジョイントの作動に応じて前記器具ホルダを動かすように、機械的に構成される、
付記16又は18に記載のロボット手術システム。
(付記21)
前記マニピュレータの各々は、前記第1マニピュレータ軸周りの回転に機械的に制限される第1の運動を通じて前記マニピュレータの第1ジョイントの作動に応じて前記器具ホルダを動かすように及び前記第2マニピュレータ軸周りの回転に機械的に制限される第2の運動を通じて前記マニピュレータの第2ジョイントの作動に応じて前記器具ホルダを動かすように、機械的に構成される、
付記16又は19に記載のロボット手術システム。
(付記22)
前記支持リンク機構は:
取付ベースと;
前記取付ベースにスライド可能に取り付けられるとともに、垂直に配向される第1支持軸に沿って前記取付ベースに対して選択的に位置決め可能である、コラムと;
ブームベース部材であって、垂直に配向される第2支持軸の周りに前記コラムに対して前記ブームベース部材を選択的に配向するよう動作可能であるショルダジョイントを通じて前記コラムに回転結合される、ブームベース部材と;
延長可能なブーム部材であって、水平に配向される第3支持軸に沿って前記ブームベース部材に対して前記延長可能なブーム部材を選択的に位置決めするよう動作可能であるブームジョイントを通じて前記ブームベース部材とスライド可能に結合される、延長可能なブーム部材と;を有し、
前記配向プラットフォームは、前記延長可能なブーム部材に回転結合される、
付記16乃至21のいずれか1項に記載のロボット手術システム。
(付記23)
配向プラットフォームと;
前記配向プラットフォームを移動可能に支持する支持リンク機構と;
複数のマニピュレータであって、前記マニピュレータの各々は、患者に挿入可能な関連付けられる手術器具を移動可能に支持する、複数のマニピュレータと;
複数のセットアップリンク機構であって、前記セットアップリンク機構の各々は、前記複数のマニピュレータのうちの関連付けられるマニピュレータを前記配向プラットフォームに結合し、前記セットアップリンク機構の各々は、前記配向プラットフォームに対して前記関連付けられるマニピュレータを再位置決めするように動作可能であり、前記セットアップリンク機構の各々は、前記配向プラットフォームに対して前記関連付けられるマニピュレータを固定して支持するように動作可能である、複数のセットアップリンク機構と;
を有し、
前記複数のセットアップリンク機構のうちの少なくとも第1セットアップリンク機構は:
第1リンクであって、前記第1リンクを前記配向プラットフォームに対して第1セットアップリンク機構軸周りに選択的に配向するよう動作可能である第1セットアップリンク機構ジョイントを通じて前記配向プラットフォームに回転結合される第1リンク近位端部を有する、第1のリンクと、
第2リンクであって、前記第2リンクを前記第1リンクに対して水平に配向される第2セットアップリンク機構軸に沿って選択的に再位置決めするよう動作可能である第2セットアップリンク機構ジョイントを通じて前記第1リンクにスライド可能に取り付けられる、第2リンクと、
第3リンクであって、前記第3リンクを前記第2リンクに対して垂直に配向される第3セットアップリンク機構軸に沿って選択的に再位置決めするよう動作可能である第3セットアップリンク機構ジョイントを通じて前記第2リンクにスライド可能に取り付けられる、第3リンクと、
第4リンクであって、前記第4リンクを前記第3リンクに対して垂直に配向される第4セットアップリンク機構軸の周りに選択的に配向するよう動作可能である第4セットアップリンク機構ジョイントを通じて前記第のリンクに回転結合される、第4リンクと、
を有し、
前記複数のセットアップリンク機構のうちの1又は複数によって前記配向プラットフォームに結合される前記複数のマニピュレータのうちの対応する1又は複数のマニピュレータは、前記第4リンクの遠位にあるとともに前記第4リンクによって支持される、
ロボット手術システム。
(付記24)
前記複数のマニピュレータのうちの各マニピュレータは、前記関連付けられる手術器具を支持するように構成される器具ホルダを有し;
前記複数のマニピュレータのうちの各マニピュレータは、前記関連付けられる手術器具を患者の中に関連付けられる操作のリモートセンタ(RC)を通って挿入するように、前記関連付けられるRCと交差する第1マニピュレータ軸周りに前記器具ホルダを回転させるように、及び前記関連付けられるRCと交差する第2マニピュレータ軸周りに前記器具ホルダを回転させるように構成され、前記第2マニピュレータ軸は、前記第1マニピュレータ軸を横断する、
付記23に記載のロボット手術システム。
(付記25)
前記セットアップリンク機構の少なくとも第1セットアップリンク機構は、前記第4リンクに結合される再配向機構を含み、
前記再配向機構の作動は、前記関連付けられるRCを前記第4リンクに対して固定位置に保持する運動を通じて前記第4リンクに対して前記関連付けられるマニピュレータを動かす、
付記24に記載のロボット手術システム。
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図6
図7
図8
図9
図10