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特許7155222喫煙材を加熱するための装置とともに使用するためのカートリッジ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-07
(45)【発行日】2022-10-18
(54)【発明の名称】喫煙材を加熱するための装置とともに使用するためのカートリッジ
(51)【国際特許分類】
   A24F 40/465 20200101AFI20221011BHJP
   A24F 40/42 20200101ALI20221011BHJP
【FI】
A24F40/465
A24F40/42
【請求項の数】 19
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2020178056
(22)【出願日】2020-10-23
(62)【分割の表示】P 2018507621の分割
【原出願日】2016-08-26
(65)【公開番号】P2021048841
(43)【公開日】2021-04-01
【審査請求日】2020-11-18
(31)【優先権主張番号】14/840,897
(32)【優先日】2015-08-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】519138265
【氏名又は名称】ニコベンチャーズ トレーディング リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【弁理士】
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123995
【弁理士】
【氏名又は名称】野田 雅一
(72)【発明者】
【氏名】カウフマン, デュアン エー.
(72)【発明者】
【氏名】ロービー, レイモンド ジェイ.
(72)【発明者】
【氏名】パプロッキー, ベンジャミン ジェイ.
【審査官】杉浦 貴之
(56)【参考文献】
【文献】中国実用新案第203762288(CN,U)
【文献】国際公開第2014/048745(WO,A1)
【文献】特表平08-511175(JP,A)
【文献】国際公開第2015/101479(WO,A1)
【文献】国際公開第2015/198015(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24F 40/465
A24F 40/42
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
喫煙材を加熱し、以て前記喫煙材の少なくとも1つの成分を揮発させるように構成された装置とともに使用するためのカートリッジであって、
空洞を画定する容器であり、前記容器は、前記空洞内への開口を画定し、前記容器の全長にわたって一定である外形寸法を有し、円形の断面を有する容器と、
前記空洞内に配置された喫煙材であり、タバコ及び1つ以上の保湿剤を含む喫煙材と、
使用時、変動磁場の侵入によって加熱され、以て前記喫煙材を加熱し前記喫煙材の少なくとも1つの成分を揮発させるように構成された加熱可能なヒーター材であり、前記加熱可能なヒーター材は、前記喫煙材内に配置され、前記容器は、前記容器を貫通して延在する複数のアパーチャを有する、加熱可能なヒーター材
を備える、カートリッジ。
【請求項2】
前記ヒーター材が、導電性材料、磁性材料、及び非磁性材料からなる群から選択された1つ以上の材料を含む、請求項に記載のカートリッジ。
【請求項3】
前記ヒーター材が、金属又は金属合金を含む導電性材料を含む、請求項1又は2に記載のカートリッジ。
【請求項4】
前記ヒーター材が、アルミニウム、金、鉄、ニッケル、コバルト、導電性炭素、グラファイト、普通炭素鋼、ステンレス鋼、フェライトステンレス鋼、銅、及び青銅からなる群から選択された1つ以上の材料を含む導電性材料を含む、請求項1~のいずれか一項に記載のカートリッジ。
【請求項5】
前記容器が、前記容器を貫通して延在する空気流入口を画定し、前記空気流入口が、空気を前記容器の外部から前記空洞内に入れるように構成される、請求項1~のいずれか一項に記載のカートリッジ。
【請求項6】
前記カートリッジが、前記カートリッジの温度を検出するように構成された温度検出器を含む、請求項1~のいずれか一項に記載のカートリッジ。
【請求項7】
前記容器は、ライナを貫通して延在するアパーチャを有する前記ライナを備える、請求項1~のいずれか一項に記載のカートリッジ。
【請求項8】
前記容器は、導電性材料で作られるライナを備える、請求項1~のいずれか一項に記載のカートリッジ。
【請求項9】
前記容器は、通気性のない材料から作られ、前記容器を貫通して延在する前記複数のアパーチャを有する、請求項1~のいずれか一項に記載のカートリッジ。
【請求項10】
前記空洞は、1グラムまでの前記喫煙材を含む、請求項1~のいずれか一項に記載のカートリッジ。
【請求項11】
前記加熱可能なヒーター材は、その中に切れ目又は穴を備える、請求項1~10のいずれか一項に記載のカートリッジ。
【請求項12】
求項1~11のいずれか一項に記載のカートリッジと
前記カートリッジの前記喫煙材を加熱して前記喫煙材の少なくとも1つの成分を揮発させるように構成された装置と、
を備え
前記装置は、
前記カートリッジと協働するように構成された境界面と、
変動磁場を発生させるように構成された磁場発生器と、
を備える、システム。
【請求項13】
前記装置は、本体と、前記本体に対して移動可能な吸い口とをさらに備え、前記本体が前記境界面を含む、請求項12に記載のシステム
【請求項14】
前記装置は穴あけデバイスを備え、前記カートリッジが前記境界面と協働するとき、前記吸い口が前記本体に対して移動されると、前記穴あけデバイスが前記カートリッジに穴をあけるか又は前記カートリッジに侵入するように構成された、請求項13に記載のシステム
【請求項15】
使用時、揮発した材料が前記容器の前記空洞から前記装置の外部に流れることを可能にするように構成された通路の少なくとも一部分を前記装置が画定する、請求項12~14のいずれか一項に記載のシステム
【請求項16】
前記境界面は、棚、面、又は突起を備え、前記境界面は、前記カートリッジと機械的に接合するように構成される、請求項12~15のいずれか一項に記載のシステム
【請求項17】
前記境界面が、前記カートリッジの少なくとも一部分を受け入れるように構成された凹部を画定する、請求項12~16のいずれか一項に記載のシステム
【請求項18】
前記磁場発生器はコイルを備え、使用時に前記コイルによって生成される変動磁場が、前記ヒーター材が配置される個所で前記凹部に侵入するように、前記凹部及び前記コイルが相対的に配置される、請求項17に記載のシステム
【請求項19】
前記装置は、前記凹部の温度を検知するための温度センサを備える、請求項17又は18に記載のシステム
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、喫煙材を加熱して喫煙材の少なくとも1つの成分を揮発させるための装置と、このような装置とともに使用するためのカートリッジと、このようなカートリッジ及びこのような装置を備えるシステムとに関する。
【背景技術】
【0002】
紙巻タバコ、葉巻タバコなどの喫煙品は、使用の間、タバコを燃焼させてタバコ煙を発生させる。燃焼させずに化合物を放出する製品を創出することによってこれらの喫煙品に代わるものを提供する試みがなされている。そのような製品の例としては、いわゆる「非燃焼・加熱式(heat-not-burn)」製品、又はタバコ加熱装置もしくはタバコ加熱製品がある。これらは、材料を燃焼するのではなく加熱することで化合物を放出する。その材料は、例えば、タバコでもよいし、他の非タバコ製品でもよい。非タバコ製品は、ニコチンを含んでいてもよいし、含んでいなくてもよい。
【発明の概要】
【0003】
本発明の第1の態様は、喫煙材を加熱して喫煙材の少なくとも1つの成分を揮発させるための装置とともに使用するためのカートリッジを提供し、本カートリッジは、
空洞を画定する容器と、
空洞内に配置された喫煙材と
を備え、
本カートリッジは、喫煙材を加熱するために変動磁場の侵入によって加熱可能であるヒーター材又は加熱材を備える。
【0004】
例示的な実施形態では、容器は加熱材を備える。
【0005】
例示的な実施形態では、加熱材は、導電性材料、磁性材料、及び非磁性材料からなる群から選択された1つ以上の材料を含む。
【0006】
例示的な実施形態では、加熱材は、金属又は金属合金を含む。
【0007】
例示的な実施形態では、加熱材は、アルミニウム、金、鉄、ニッケル、コバルト、導電性炭素、グラファイト、普通炭素鋼、ステンレス鋼、フェライトステンレス鋼、銅、及び青銅からなる群から選択された1つ以上の材料を含む。
【0008】
例示的な実施形態では、容器は空洞内への開口を画定し、カートリッジは開口を封止するシールを備える。
【0009】
例示的な実施形態では、シールはフィルムシールである。
【0010】
例示的な実施形態では、シールは導電性材料の箔を備える。
【0011】
例示的な実施形態では、シールは、容器に永続的にはり付けられる。
【0012】
例示的な実施形態では、シールは容器に溶接される。
【0013】
例示的な実施形態では、シールは容器にくっつけられる。
【0014】
例示的な実施形態では、シールは容器に留められる。
【0015】
例示的な実施形態では、カートリッジは、装置の凹部内に少なくとも部分的に挿入するためのものであり、容器は、カートリッジを凹部に対して位置決めするために、空洞の周りに少なくとも部分的に延在する外側フランジを備える。
【0016】
例示的な実施形態では、容器の外形寸法は、開口からの距離とともに小さくなる。
【0017】
例示的な実施形態では、容器は、空気を容器の外部から空洞内に入れるために容器を貫通して延在する空気流入口を有する。
【0018】
例示的な実施形態では、容器は、空気を容器の外部から空洞内に入れるために多孔質の材料で作られる。
【0019】
例示的な実施形態では、喫煙材は、タバコ、及び/又は1つ以上の保湿剤を含む。
【0020】
例示的な実施形態では、カートリッジは、カートリッジの温度を検出するための温度検出器を備える。いくつかの実施形態では、カートリッジは、使用時に装置の温度モニタと接続させるために、温度検出器に接続された1つ以上の端子を備える。
【0021】
本発明の第2の態様は、喫煙材を加熱して喫煙材の少なくとも1つの成分を揮発させるための装置とともに使用するためのカートリッジを提供し、本カートリッジは、
空洞を画定する容器と、
空洞内に配置された喫煙材と、
空洞内の加熱材であって、喫煙材を加熱するために変動磁場の侵入によって加熱可能である加熱材と
を備える。
【0022】
それぞれの例示的な実施形態では、本カートリッジは、上記の本発明の第1の態様のカートリッジの例示的な実施形態の特徴のいずれかを有することができる。
【0023】
例示的な実施形態では、容器は、容器と喫煙材との間に配置されたボディを備え、ボディは加熱材を備える。
【0024】
例示的な実施形態では、容器は、空洞を画定する器を備え、器は非導電性材料で作られる。
【0025】
例示的な実施形態では、容器は、空洞を画定する器と、器の内面の少なくとも一部分にあるライナとを備え、ライナは加熱材を備える。
【0026】
例示的な実施形態では、ライナは、空気がライナを通過できるようになっている。
【0027】
例示的な実施形態では、カートリッジは、喫煙材内に配置されたボディを備え、ボディは加熱材を備える。
【0028】
本発明の第3の態様は、喫煙材を加熱して喫煙材の少なくとも1つの成分を揮発させるための装置とともに使用するためのカートリッジを提供し、本カートリッジは、
空洞、及び空洞内への開口を画定する容器と、
空洞内に配置された喫煙材と、
容器に永続的にはり付けられて、開口を封止するシールと
を備える。
【0029】
それぞれの例示的な実施形態では、本カートリッジは、上記の本発明の第1又は第2の態様のカートリッジの例示的な実施形態の特徴のいずれかを有することができる。
【0030】
本発明の第4の態様は、喫煙材を加熱して喫煙材の少なくとも1つの成分を揮発させるための装置の凹部内に挿入するためのカートリッジを提供し、本カートリッジは、
空洞、及び空洞内への開口を画定する容器と、
空洞内に配置された喫煙材と、
開口を封止するシールと
を備え、
容器は、カートリッジを凹部に対して位置決めするために、開口又は空洞の周りを少なくとも部分的に延在する外側フランジを備える。
【0031】
それぞれの例示的な実施形態では、本カートリッジは、上記の本発明の第1、第2、又は第3の態様のカートリッジの例示的な実施形態の特徴のいずれかを有することができる。
【0032】
本発明の第5の態様は、喫煙材を加熱して喫煙材の少なくとも1つの成分を揮発させるための装置を提供し、本装置は、
喫煙材を備える物品と協働するための境界面と、
境界面が物品と協働しているときに物品に侵入するための変動磁場を発生させるための磁場発生器と、
物品に穴をあけるためのデバイスと
を備える。
【0033】
例示的な実施形態では、本装置は、本体と、本体に対して移動可能な吸い口とを備え、本体は境界面を備え、吸い口はデバイスを備える。
【0034】
例示的な実施形態では、デバイスは、物品が境界面と協働しているとき、吸い口が本体に対して移動されると物品に穴をあけるためのものである。
【0035】
例示的な実施形態では、デバイスは、使用時、揮発した材料が容器の空洞から装置の外部に流れることを可能にするための通路の少なくとも一部分を形成する。
【0036】
例示的な実施形態では、境界面は、物品の少なくとも一部分を受け入れるための凹部を備える。
【0037】
本発明の第6の態様はシステムを提供し、本システムは、
空洞を画定する容器、及び空洞内に配置された喫煙材を備える熱伝導性のカートリッジと、
喫煙材を加熱して喫煙材の少なくとも1つの成分を揮発させるための装置であって、カートリッジと協働するための境界面と、変動磁場を発生させるための磁場発生器と、境界面がカートリッジと協働しているときにカートリッジを加熱するために変動磁場の侵入によって加熱可能である加熱材を備える加熱素子とを有する装置と
を備える。
【0038】
それぞれの例示的な実施形態では、本システムのカートリッジは、上記の本発明の第1、第2、第3又は第4の態様の物品の例示的な実施形態の特徴のいずれかを有することができる。
【0039】
本発明の第7の態様は、喫煙材を加熱して喫煙材の少なくとも1つの成分を揮発させるための装置を提供し、本装置は、
喫煙材を備える物品と協働するための境界面と、
変動磁場を発生させるための磁場発生器と、
境界面が物品と協働しているときに物品を加熱するために変動磁場の侵入によって加熱可能である加熱材を備える加熱素子と
を備える。
【0040】
次に、添付図面を参照して本発明の実施形態を単なる例として説明する。
【図面の簡単な説明】
【0041】
図1】喫煙材を加熱して喫煙材の少なくとも1つの成分を揮発させるための装置とともに使用するためのカートリッジの例の概略斜視図である。
図2図1のカートリッジの概略断面図である。
図3】喫煙材を加熱して喫煙材の少なくとも1つの成分を揮発させるための装置とともに使用するための別のカートリッジの例の概略断面図である。
図4】喫煙材を加熱して喫煙材の少なくとも1つの成分を揮発させるための装置とともに使用するための別のカートリッジの例の概略断面図である。
図5】喫煙材を加熱して喫煙材の少なくとも1つの成分を揮発させるための装置の例の概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0042】
本書では、用語「喫煙材」は、加熱されると揮発成分を、典型的には蒸気又はエアロゾルの形態で供する材料を含む。「喫煙材」は非タバコ含有材料であってもよいし、タバコ含有材料であってもよい。「喫煙材」は、例えば、タバコ自体、タバコ派生物、膨張タバコ、再生タバコ、タバコ抽出物、均質化タバコ、又はタバコ代替品のうちの1つ以上を含んでいてもよい。喫煙材は、挽きタバコ、刻みラグタバコ、押出タバコ、液体、ゲル、ゲル化シート、粉末、又は塊の形態とすることが可能である。「喫煙材」は、他に非タバコ製品を含んでいてもよい。この非タバコ製品は、製品によってニコチンを含んでもよいし、含まないでもよい。「喫煙材」は、1つ以上の保湿剤、例えばグリセロール又はプロピレングリコール、を含んでいてもよい。
【0043】
本明細書では、用語「加熱材」は、変動磁場の侵入によって加熱可能な材料を指す。
【0044】
本書では、用語「香料」及び「香味料」は、成人消費者用の製品において所望の味又は香りを生成するために(現地の規制によって許可される場合に)使用することができる材料を指す。これらの材料は、抽出物(例えば、カンゾウ、アジサイ、ホオノキの葉、カモミール、フェヌグリーク、クローブ、メンソール、ニホンハッカ、アニシード、シナモン、ハーブ、ウィンターグリーン、サクランボ、ベリー、モモ、リンゴ、ドランブイ、バーボン、スコッチ、ウイスキー、スペアミント、ペパーミント、ラベンダー、カルダモン、セロリ、カスカリラ、ナツメグ、ビャクダン、ベルガモット、ゼラニウム、はちみつエッセンス、ローズ油、バニラ、レモン油、オレンジ油、カシア、キャラウェイ、コニャック、ジャスミン、イランイラン、セージ、ウイキョウ、ピーマン、ショウガ、アニス、コリアンダー、コーヒー、又はハッカ属の任意の種からのハッカ油など)、香味強化剤、苦味受容体部位遮断剤、感覚受容体部位活性化剤もしくは感覚受容体部位刺激剤、糖及び/又は代替糖(例えば、スクラロース、アセスルファムカリウム、アスパルテーム、サッカリン、チクロ、ラクトース、スクロース、グルコース、フルクトース、ソルビトール、又はマンニトール)、並びに他の添加物(例えば、チャコール、クロロフィル、ミネラル、植物性物質、又は息清涼剤)を含んでいてもよい。これらは、模造品、合成材料又は天然材料、あるいはこれらの混合物であってもよい。これらは、油、液体、ゲル、粉末など、任意の適切な形態をとることができる。
【0045】
誘導加熱は、導電性物体に変動磁場を侵入させることによってその物体を加熱するプロセスである。このプロセスは、ファラデーの電磁誘導の法則及びオームの法則によって説明される。誘導ヒーターは、電磁石と、この電磁石に交流電流などの変動電流を流すための装置を備えることができる。加熱しようとする物体と電磁石が、電磁石によって生じた変動磁場がこの物体に侵入するような適切な相対位置に配置されると、この物体内に1つ以上の渦電流が発生する。この物体は電流の流れに対する抵抗を有する。したがって、この物体内にこのような渦電流が発生すると、渦電流が物体の電気抵抗に抗して流れ、それによってこの物体が加熱される。このプロセスは、ジュール加熱、オーム加熱、又は抵抗加熱と呼ばれる。誘導加熱することができる物体は、サセプタとして知られている。
【0046】
サセプタが閉回路の形態のときは、使用時におけるサセプタと電磁石との磁気結合が強くなり、その結果、ジュール加熱が増大し、又は改善されることが分かっている。
【0047】
磁気ヒステリシス加熱は、磁性材料からなる物体に変動磁場が侵入することによって物体を加熱するプロセスである。磁性材料は、原子スケールの磁石即ち磁気双極子を多く含んでいると考えることができる。磁場がこのような材料に侵入すると、磁気双極子は磁場に沿って整列する。したがって、交流磁場(例えば、電磁石によって生じたもの)などの変動磁場が磁性材料に侵入すると、磁気双極子の向きは、印加された変動磁場に応じて変化する。このような磁気双極子の再配向によって、磁性材料内に熱が発生する。
【0048】
物体が導電性及び磁性の両方を有するときは、その物体に変動磁場を侵入させると、物体にジュール加熱及び磁気ヒステリシス加熱の両方を生じさせることができる。さらに、磁性材料を使用すると、変動磁場を強めることができ、それによりジュール加熱を強めることができる。
【0049】
上記のプロセスのそれぞれにおいて、熱は、外部熱源によって熱伝導により発生するのではなく、物体自体の内部で発生するので、物体内の急速な温度上昇と、より均一な熱分布を達成することができる。これは、特に、物体の材料及び幾何形状を適切に選び、その物体に対して変動磁場の大きさ及び向きを適切に選ぶことによって達成することができる。さらに、誘導加熱及び磁気ヒステリシス加熱は、変動磁場の源と物体との間に物理的な接続部を設ける必要がないので、喫煙材の残渣物などの物体上の材料の堆積はさほど問題にならず、設計自由度が広がり得、加熱プロファイルをよりよく制御でき、コストをより低くすることができる。
【0050】
図1及び図2を参照すると、本発明の実施形態によるカートリッジの形態の物品の例の概略斜視図及び概略断面図が示されている。カートリッジ1は、空洞14、及び空洞14内への開口16を画定する容器10と、空洞14内に配置された喫煙材20と、開口16を封止するシール30とを備える。カートリッジ1は、喫煙材20を燃焼させることなく喫煙材20を加熱して喫煙材20の少なくとも1つの成分を揮発させるための装置、例えば、図5に示し下記で説明する装置100とともに使用するためのものである。
【0051】
この実施形態では、容器10は、加熱材がない器の形態をとる。この実施形態では、器は非導電性材料で作られる。この実施形態では、容器10は、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK:polyether ether ketone)又はウルテムが一例であるポリエーテルイミド(PEI:polyetherimide)などの耐高温プラスチック材料から作られる。しかしながら、他の実施形態では、容器10は、装置100の少なくとも作動時に生じる作動温度の予想範囲にわたって耐熱性のある異なる材料から作ることができ、その範囲は、例えば、摂氏180~220度である。下記で説明するように、カートリッジ1が使用可能な装置100は、変動磁場の侵入によって加熱可能である加熱素子115を備えて、容器10の空洞14内の喫煙材20を加熱する。したがって、この実施形態では、容器10は、熱伝導性の材料で作られて、容器10の外側から空洞14及び空洞14内の喫煙材20に熱を伝える。したがって、カートリッジ1は熱伝導性のカートリッジ1である。
【0052】
他の実施形態では、容器10は、変動磁場の侵入によって加熱可能な加熱材を備えてもよい。例えば、容器10の一部分又は複数の個別の部分又はすべては、このような加熱材から作ることができる。容器10の加熱材は、本明細書で説明する加熱材のいずれか1つ以上とすることができる。
【0053】
この実施形態では、容器10は、それを構成する材料を熱成形して作られている。熱成形のプロセスでは、材料のシートは、柔軟な成形温度に加熱され、型の中で特定の形状に成形され、次いで、冷却されて最終形状になる。材料のシートは、必要があれば、冷却前、冷却中、又は冷却後に余分なところを切り取ることができる。他の実施形態では、容器10は、射出成形などの異なるプロセスに従って作ることができる。
【0054】
この実施形態では、容器10は通気性がない。しかしながら、いくつかの実施形態では、容器10は、空気を容器10の外部から空洞14内に入れるために容器10を貫通して延在する空気流入口を有することができる。例えば、いくつかの実施形態では、容器10は、通気性のない材料から作られ、空気を容器10の外部から空洞14内に入れるための、容器10を貫通して延在する1つ以上のアパーチャを有することができる。他の実施形態では、容器10は、空気を容器10の外部から空洞14内に入れるために多孔質の材料で作ることができる。このような多孔質の容器10は、容器10を貫通して延在する1つ以上のアパーチャを有してもよいし、有さなくてもよい。
【0055】
この実施形態では、カートリッジ1は、装置100の凹部111内に少なくとも部分的に挿入するためのものであり、容器10は、カートリッジ1を凹部111に対して位置決めするために、空洞14の周りを完全に延在する外側フランジ18を備える。他の実施形態では、外側フランジ18が空洞14の周りに部分的にだけ延在することができるか、又は、周方向に間隔を置いて配置された複数の外側フランジ18を空洞14の周りに設けることができる。いくつかの実施形態では、(1つ以上の)外側フランジ18を省略することができる。
【0056】
この実施形態では、容器10の外形寸法は、開口16からの距離とともに小さくなる。これは、使用時、カートリッジ1を装置100の凹部111に入れたり取り外したりする助けとなる。より詳細には、この実施形態では、容器10の外側の幅又は外径は、開口16からの距離とともに先細となる。この実施形態では、先細形状は直線状、又は実質的に直線状であるが、他の実施形態では、先細形状は非直線状とすることができ、例えば、容器10の外面は凹状又は凸状とすることができる。いくつかの実施形態では、容器10の外形寸法は、階段状など、先細形状以外の態様で小さくすることができる。他の実施形態では、容器10の外形寸法は、容器10の全長にわたって一定、又は実質的に一定とすることができる。
【0057】
この実施形態では、容器10は円形の断面を有する。いくつかの実施形態では、容器10は回転対称であってもよく、楕円形、三角形、又は方形など、円形以外とすることができる。他の実施形態では、容器10は回転非対称とすることができる。この実施形態では、空洞14は断面が円形であり、開口16は円形である。他の実施形態では、空洞14及び/又は開口16は、円形以外の形状とすることができる。
【0058】
いくつかの実施形態では、空洞14は、1グラムまでの喫煙材20、例えば0.5グラムまでの喫煙材20を受け支えることができる。上記のように、カートリッジ1はまた、容器10の開口16を封止するシール30を備える。シール30は、穴をあける前、又は容器10から取り外す前、喫煙材20が空洞14からこぼれるのを防ぐように働き、また、喫煙材20を保護するように働く。
【0059】
この実施形態では、シール30はフィルムシールを備える。フィルムシールの厚さは、例えば、9ミクロンと25ミクロンとの間とすることができる。フィルムを使用すると、下記のように、使用時に穴あけによってシール30を破ることを容易にする。しかしながら、他の実施形態では、シール30はフィルム以外でもよい。この実施形態では、シール30は金属箔を備える。金属は、例えば、アルミニウムとすることができる。シール30は、金属箔より構成することができる、又は、その代わりに、1つの層が金属箔である複数の層を備えることができる。いくつかの実施形態では、シール30は積層体を備えることができる。金属箔は蒸気遮蔽物として働く。いくつかの実施形態では、シール30は、下記と同様に、喫煙材20を加熱するために変動磁場の侵入によって加熱可能である加熱材を備える。他の実施形態では、シール30には加熱材がなくてもよい。例えば、いくつかの実施形態では、シール30はプラスチック材料のフィルムから構成することができる。
【0060】
この実施形態では、シール30は、接着剤によって容器10に永続的にはり付けられる。食品用接着剤などの任意の適切な接着剤を使用することができる。他の実施形態では、シール30は、いくつかの他の方法、例えば、容器10に留めることによって、あるいは熱溶着又は音波接合など溶接によって容器10に永続的にはり付けることができる。「永続的にはり付ける」ことは、シール30を複数の部分に引き裂かなければ、又は破らなければ、シール30は、容器10から取り外すことができない、又は実質的に取り外すことができないことを意味する。他の実施形態では、シール30は、シール30の構造体を傷つけることなく容器10から剥離可能とすることができる。いくつかの実施形態では、シール30は、容器10から取外し可能で、その後に容器10に再び取り付けることができる。いくつかのこのような実施形態では、シール30は、シール30を取り外して容器10に再びくっつけることができる接着剤によって容器10にくっつけることができる。
【0061】
この実施形態では、シール30は、容器10のフランジ18にはり付けられる。しかしながら、フランジ18を省略する実施形態を含む他の実施形態では、シール30は、容器10のどこかほかに、例えば、開口16を画定する容器10のへりにはり付けられて開口16を封止することができる。
【0062】
この実施形態では、カートリッジ1の容器10には、変動磁場の侵入によって加熱可能である加熱材がない。しかしながら、他の実施形態では、容器10は、下記と同様に、喫煙材20を加熱するために変動磁場の侵入によって加熱可能である加熱材を備えることができる。
【0063】
図3を参照すると、本発明の実施形態によるカートリッジの形態の別の物品の例の概略断面図が示されている。図1及び図2のカートリッジ1と同様に、図3のカートリッジ2は、空洞14、及び空洞14内への開口16を画定する容器10と、空洞14内に配置された喫煙材20と、開口16を封止するシール30とを備える。カートリッジ2は、喫煙材20を加熱して喫煙材20の少なくとも1つの成分を揮発させるための装置、例えば、図5に示し下記で説明する装置100に対する変形例とともに使用するためのものである。
【0064】
この実施形態では、容器10は、空洞14を画定する器11を備える。空洞内には、喫煙材20と、喫煙材20を加熱するために変動磁場の侵入によって加熱可能である加熱材12とがある。この実施形態では、器11は、プラスチック材料又は紙などの非導電性材料で作られる。この実施形態では、加熱材は、器11の内面を覆うライナ12を備える。したがって、この実施形態では、ライナ12は、器11と喫煙材20との間に配置される。他の実施形態では、ライナ12は、器11の内面の一部分だけに、又はいくつかの部分だけにあってもよい。他の実施形態では、加熱材は、ライナ以外のボディ、例えば、喫煙材20内に配置されたボディ、喫煙材20とシール30との間に配置されたボディ、又は、容器10と喫煙材との間に配置されたボディの中に、例えば、開口16から最も遠い空洞14の端部で構成されてもよい。このようなボディは、例えば、網目の形態をとることができる。
【0065】
この実施形態では、加熱材はアルミニウムである。他の実施形態では、加熱材は、導電性材料、磁性材料、及び非磁性材料からなる群から選択された1つ以上の材料を含むことができる。いくつかの実施形態では、加熱材は、金属又は金属合金を含むことができる。いくつかの実施形態では、加熱材は、アルミニウム、金、鉄、ニッケル、コバルト、導電性炭素、グラファイト、普通炭素鋼、ステンレス鋼、フェライトステンレス鋼、銅、及び青銅からなる群から選択された1つ以上の材料を含むことができる。他の実施形態では、他の(1つ以上の)加熱材を使用することができる。いくつかの実施形態では、加熱材は磁性体とすることができる。加熱材として磁性導電材を用いると、使用時、この磁性導電材と装置の電磁石との間の磁気結合を強くすることができることもまた分かっている。これは、磁気ヒステリシス加熱を潜在的に可能にすることに加えて、加熱材のジュール加熱を増大させる、又は改善することができ、したがって、喫煙材20の加熱を増大させる、又は改善することができる。
【0066】
この実施形態では、容器10の器11及びシール30は、図1及び図2のカートリッジ1の容器10及びシール30とそれぞれ同じ形態をとっており、したがって、簡潔にするため、これらをさらに説明することはしない。しかしながら、この実施形態では、容器10のフランジ16は、器11及びライナ12の両方の部分を含み、シール30はライナ12にはり付けられることに留意されたい。しかしながら、他の実施形態では、フランジ16にはライナ12がなくてもよく、シール30は器11にはり付けられてもよい。
【0067】
図4を参照すると、本発明の実施形態によるカートリッジの形態の別の物品の例の概略断面図が示されている。図4のカートリッジ3は、器11を構成する材料、及びライナ12の形態以外は、図3を参照して上記で説明したカートリッジ2と同一である。図3のカートリッジ2に対する上記の可能な変形例のいずれも、図4のカートリッジ3に対して行って、個別の各実施形態を形成することができる。
【0068】
この実施形態では、器11は多孔質の材料で作られて、空気を容器10の外部から空洞14内に入れる。この実施形態では、材料は多孔質の紙であるが、この実施形態に対する変形例では、他の多孔質の材料を使用することができる。いくつかの実施形態では、このような多孔質の器11は、器11を貫通して延在する1つ以上のアパーチャを有して、空気が器11を通って容易に流れることができる。
【0069】
この実施形態では、ライナ12は、空気がライナ12を通過できるようになっている。より詳細には、この実施形態では、通気性はないが、ライナ12を貫通して延在する複数のアパーチャ12aを有する材料でライナ12は作られて、空気が、器11に面する、又は接触するライナ12の側から、喫煙材20に面する、又は接触するライナ12の反対側の面に入る。ライナ12は網目状のものとすることができる。この実施形態に対する変形例では、ライナ12は、ライナ12を貫通して延在するアパーチャ12aを1つだけ有することができる。この実施形態に対するさらなる変形例では、ライナ12は多孔質の材料で作ることができる。このような多孔質のライナ12は、ライナ12を貫通して延在する1つ以上のアパーチャ12aを有してもよいし、有さなくてもよい。ライナ12はさらに導電性材料で作られて、使用時、サセプタとして働くことができる。
【0070】
図5を参照すると、本発明の実施形態による、喫煙材を加熱して喫煙材の少なくとも1つの成分を揮発させるための装置の例の概略断面図が示されている。この実施形態の装置100は、図1及び図2を参照して上記で説明した物品1及びその変形例とともに使用可能である。概して、装置100は、カートリッジ1と協働するための境界面111と、境界面が物品1と協働しているときに物品1に侵入させるための変動磁場を発生させるためのコイル114を備えた磁場発生器112と、物品1に穴をあけるためのデバイス121とを備える。
【0071】
この実施形態の装置100は、本体110及び吸い口120を備える。この実施形態では、本体110は境界面111を備え、境界面111はカートリッジ1の少なくとも一部分を受け入れるための凹部111を備える。他の実施形態では、境界面111は、棚、面、又は突起など、凹部以外のものとすることができ、カートリッジ1と協働するためにカートリッジ1と機械的に接合することを必要としてもよい。
【0072】
この実施形態では、吸い口120は、本体110に吸い口120を接続するように、本体110と取外し可能に係合可能である。他の実施形態では、吸い口120と本体110とは、蝶番又は可撓性部材などによって永続的に接続することができる。
【0073】
この実施形態では、吸い口120は、カートリッジ1のシール30に穴をあけるためのデバイス121を備える。この実施形態では、シール30に穴をあけるためのデバイス121は第1の管121を備え、第1の管121は、尖った、又は角のある端部を有してシール30に容易に穴をあけることができる。吸い口120は、それを貫通して延在する第1の通路122を有し、第1の管121の内部通路は第1の通路122の一部分を形成する。吸い口120は、凹部111内への開口を覆うように、本体110に対して配置可能である。吸い口120が本体110に対してこのように配置されると、吸い口120の第1の通路122は凹部111と流体連通する。使用時、第1の通路122は、揮発した材料が、凹部111に挿入されたカートリッジ1の容器10の空洞14から装置100の外部に流れることを可能にする通路として働く。
【0074】
吸い口120は、香味料を備える、又は含浸することができる。香味料は、使用時、エアロゾルが吸い口120の第1の通路122を通過するときに高温のエアロゾルによって受け取られるように配置することができる。
【0075】
この実施形態では、吸い口120は、カートリッジ1のシール30に穴をあけるための第2のデバイス123を有する。この実施形態では、シール30に穴をあけるための第2のデバイス123は第2の管123を備え、第2の管123は、尖った、又は角のある端部を有してシール30に容易に穴をあけることができる。吸い口120はまた、第1の通路122と平行に吸い口120を貫通して延在する第2の通路124を有し、第2の管123の内部通路は第2の通路124の一部分を形成する。吸い口120が、凹部111内への開口を覆うように本体110に対して配置されると、第2の通路124は凹部111と流体連通する。したがって、使用時、第2の通路124は、空気が、装置100の外部から凹部111に挿入されたカートリッジ1の容器10の空洞14に流れることを可能にする通路として働く。したがって、吸い口120が本体110に接続されて装置100が組み立てられると、装置100の外部から、次いで、第2の通路124を通って、次いで、凹部111を通って、次いで、第1の通路122を通って装置100の外部に延在する流路全体が画定される。
【0076】
別の実施形態では、カートリッジ1のシール30に穴をあけるための第2のデバイス123、及び吸い口120の第2の通路124を省略することができる。このような実施形態では、本体110は、空気を装置100の外部から凹部111内に入れるための入口を有することができる。したがって、吸い口120が本体110に接続されて装置100が組み立てられると、装置100の外部から、次いで、入口を通って、次いで、凹部111を通って、次いで、第1の通路122を通って装置100の外部に延在する流路全体が画定される。このような構成は、例えば、空気を容器10の外部から容器10の空洞14内に入れるための容器10を有するカートリッジとともに使用可能である。
【0077】
この実施形態では、カートリッジ1が凹部111内に配置され、吸い口120が本体110に接続されると、デバイス121は、カートリッジ1のシール30に接触するまで凹部111内に十分突出するので、デバイス121は、カートリッジ1が境界面111と協働しているとき、吸い口120が本体110に対して移動されるとシール30に穴をあけるためのものとなる。他の実施形態ではその限りではない。いくつかの実施形態では、デバイス121は、本実施形態とは異なる吸い口120のどこかほかに配置することができる。いくつかの実施形態では、シール30に穴をあけるためのデバイス121は、異なる形態をとってもよく、通路部分を形成しなくてもよい。例えば、いくつかの実施形態では、デバイス121は、吸い口120から突出するスパイク、ピン、刃、又は他の突起とすることができる。いくつかの実施形態では、デバイス121は、吸い口120の一部ではなく、本体110の一部とすることができる。
【0078】
この実施形態では、本体110は磁場発生器112を備え、磁場発生器112は、電源113と、コイル114と、加熱素子115と、コイル114に交流電流などの変動電流を流すためのデバイス116と、制御器117と、制御器117を使用者が操作するためのユーザインターフェース118とを備える。
【0079】
この実施形態では、電源113は充電式電池である。他の実施形態では、電源113は、例えば、非充電式電池、キャパシタ、又は商用電源への接続部など、充電式電池以外とすることができる。
【0080】
コイル114は任意の適切な形態をとることができる。この実施形態では、コイル114は、銅などの導電性材料の螺旋コイルを備える。いくつかの実施形態では、電磁石114は、コイルが巻かれた透磁性コアを備える。このような透磁性コアは、コイルによって生成される磁束を集中させ、磁場をより強力にする。透磁性コアは、例えば鉄で作ることができる。いくつかの実施形態では、透磁性コアは、コイル114の長さに沿って部分的にだけ延在して、特定の領域のみに磁束を集中させることができる。
【0081】
この実施形態では、加熱素子115は、変動磁場の侵入によって加熱可能な加熱材で作られる。加熱材は、1つ以上の上記の加熱材を含むことができる。変動磁場の侵入によって加熱可能な他の(1つ以上の)加熱材は、他の実施形態の加熱素子115に使用することができる。
【0082】
この実施形態では、加熱素子115は円錐台形の本体を備え、コイル114は加熱素子115の半径方向外側に配置される。この実施形態では、コイル114は、円錐台形の加熱素子115の形状に従う形状であり、したがって、コイル114の直径は軸方向に大きくなっていく。
【0083】
この実施形態では、加熱素子115は凹部111を画定する。この実施形態では、凹部111は、加熱素子115の半径方向内側に配置される。この実施形態では、加熱素子115は、凹部111を取り囲んでコイル114の軸の周りを延在する加熱材の閉回路を画定する。加熱素子115が磁性材料で作られる実施形態などの他の実施形態では、加熱素子115が、閉回路ではなく開回路又は不完全回路を画定するように、加熱素子115には、軸方向に延在する隙間又は切れ目が形成されてもよい。
【0084】
この実施形態では、コイル114に交流変動電流を流すためのデバイス116は、電源113とコイル114との間に電気的に接続される。この実施形態では、制御器117もまた、電源113に電気的に接続され、デバイス116に通信可能に接続される。制御器117は、加熱素子115を加熱させ、且つ、その加熱を制御するためのものである。より詳細には、この実施形態では、制御器117はデバイス116を制御して、電源113からコイル114への電力の供給を制御するためのものである。この実施形態では、制御器117は、プリント回路基板(PCB:printed circuit board)上の集積回路(IC:integrated circuit)などのICを備えることができる。他の実施形態では、制御器117は異なる形態をとることができる。いくつかの実施形態では、本装置は、デバイス116及び制御器117を備える単一の電気又は電子構成部品を有することができる。この実施形態では、制御器117は、ユーザインターフェース118を使用者が操作することによって動作する。ユーザインターフェース118は、本体110の外側に配置される。ユーザインターフェース118は、押しボタン、トグルスイッチ、ダイヤル、タッチスクリーンなどを備えることができる。
【0085】
この実施形態では、使用者がユーザインターフェース118を操作すると、制御器117は、デバイス116に、コイル114に交流電流を印加させてコイル114に交流磁場を発生させる。コイル114及び加熱素子115は、コイル114によって生成された交流磁場が加熱素子115に侵入するように適切な相対位置に配置される。加熱素子115の加熱材が導電性材料のとき、加熱素子115内に1つ以上の渦電流を発生させることができる。渦電流が加熱素子115の電気抵抗に抗して加熱素子115内を流れると、加熱素子115はジュール加熱によって加熱される。上記のように、加熱素子115が磁性材料で作られているとき、加熱素子115内の磁気双極子の向きは印加された磁場の変化に応じて変化し、それによって、加熱素子115内に熱が生成される。
【0086】
この実施形態の装置100は、凹部111の温度を検知するための温度センサ119を含む。温度センサ119は、制御器117に通信可能に接続され、その結果、制御器117は凹部111の温度を監視することができる。いくつかの実施形態では、温度センサ119は、凹部、境界面、又はカートリッジ1、2、3を光学的に温度測定するように構成することができる。いくつかの実施形態では、カートリッジ1、2、3は、カートリッジ1、2、3の温度を検出するために抵抗温度検出器(RTD:resistance temperature detector)などの温度検出器を備えることができる。例えば、温度検出器は、カートリッジ1、2、3の容器10内又は容器10上に配置することができる。カートリッジ1、2、3は、温度検出器に電気接続などで接続された1つ以上の端子をさらに備えることができる。(1つ以上の)端子は、カートリッジ1、2、3が凹部111内にあるとき、又は境界面と協働しているとき、装置100の温度モニタとの電気接続などの接続のためのものとすることができる。制御器117は温度モニタを備えることができる。したがって、装置100の温度モニタは、装置100とともに使用中のカートリッジ1、2、3の温度を測定することができる。
【0087】
制御器117は、凹部111の温度を所定の温度範囲内に確実に維持するために、温度センサ119又は、温度検出器から受信された1つ以上の信号に基づいて、必要に応じてコイル114に流す変動電流又は交流電流の特性をデバイス116に調節させることができる。この特性は、例えば、振幅又は周波数とすることができる。使用時、凹部111に挿入されたカートリッジ1、2、3内の喫煙材20は、所定の温度範囲で、喫煙材20を燃焼させることなく喫煙材20の少なくとも1つの成分を揮発させるのに十分な加熱がなされる。したがって、制御器117、及び装置100は全体として、喫煙材20を燃焼させることなく喫煙材20を加熱して喫煙材20の少なくとも1つの成分を揮発させるように構成される。いくつかの実施形態では、温度範囲は、約50℃~約250℃、例えば、約50℃と約150℃との間、約50℃と約120℃との間、約50℃と約100℃との間、約50℃と約80℃との間、又は約60℃と約70℃との間である。いくつかの実施形態では、温度範囲は約170℃と約220℃との間である。他の実施形態では、温度範囲は、この範囲以外のことがある。
【0088】
使用者は、吸い口120の第1の通路122を通して(1つ以上の)揮発成分を引き込むことによって喫煙材20の(1つ以上の)揮発成分を吸入することができる。(1つ以上の)揮発成分がカートリッジ1の容器10の空洞14から出ると、空気は、吸い口120の第2の通路124を経て容器10の空洞14内に引き込まれ、第2のデバイス123によって空洞14の閉塞端に導かれる。次いで、使用者がもうひと吸いすると、この空気は喫煙材20にしみ渡って、吸い口120の第1の通路122を経てカートリッジ1を出る。
【0089】
いくつかの実施形態では、吸い口120は、カートリッジ1が凹部111内にあるとき、カートリッジ1を凹部111内に押し付けて、カートリッジ1が確実に加熱素子115に対して正しく配置される助けとなるようにカートリッジ1に接触する部材(図示せず)を含むことができる。この部材は弾力性のある部材とすることができる。
【0090】
装置のいくつかの実施形態では、加熱素子115は、装置100の本体110から、又は装置100全体から省略することができる。いくつかのこのような実施形態では、装置は、変動磁場を発生させるための磁場発生器をさらに備える。このような装置は、図3及び図4を参照して上記で説明したカートリッジ2、3、及びそれらの変形例などのカートリッジとともに使用可能とすることができ、これらのカートリッジは、使用時に加熱素子として働いて中にある喫煙材20を加熱することができる加熱材を備える。このような実施形態では、凹部111は、加熱材を備える加熱素子以外の本体110の1つ以上の部品によって画定することができる。このような実施形態では、カートリッジ2、3が境界面と協働しているとき、使用時にコイル114によって生成される変動磁場が、カートリッジ2、3の加熱材が配置される個所で凹部111に侵入するように、凹部111及びコイル114を相対的に配置することができる。カートリッジ2、3の加熱材が導電性材料のとき、これは、カートリッジ2、3の加熱材に渦電流を発生させることができる。このような渦電流が加熱材の電気抵抗に抗して流れると、加熱材はジュール加熱によって加熱される。カートリッジ2、3の加熱材が磁性材料で作られているとき、加熱材内の磁気双極子の向きは印加された磁場の変化に応じて変化し、それによって、加熱材内に熱が生成される。
【0091】
本装置は、使用者に触覚フィードバックを与えることができる。このフィードバックは、加熱材の加熱が生じていることを示すことができる、又は、カートリッジ1、2、3の喫煙材20の揮発可能な成分(複数可)が、元の量の所定の割合より多く消費されたことを示すようにタイマによってフィードバックを生じさせることができる、などである。この触覚フィードバックは、加熱材とコイルとの相互作用(即ち、磁気的な応答)によって、導電性素子とコイルとの相互作用によって、不平衡モータの回転によって、圧電素子に繰り返し電流を印加及び除去することなどによって生じさせることができる。
【0092】
本装置はコイルを2つ以上備えることができる。複数のコイルは、カートリッジ1、2、3の喫煙材20を漸進的に加熱し、以て、蒸気を漸進的に生成するように動作させることができる。例えば、1つのコイルは、加熱材の第1の領域を比較的急速に加熱して、喫煙材20の第1の領域で、喫煙材20の少なくとも1つの成分の揮発及び蒸気の形成を開始させることができる。別のコイルは、加熱材の第2の領域を比較的ゆっくり加熱して、喫煙材20の第2の領域で、喫煙材20の少なくとも1つの成分の揮発及び蒸気の形成を開始させることができる。したがって、蒸気は、使用者が吸入するために比較的迅速に形成することができ、喫煙材20の第1の領域が蒸気の生成を終えた後でさえ、使用者が引き続き吸入するためにその後も蒸気を形成し続けることができる。最初のうちは加熱されていない喫煙材20の第2の領域は、喫煙材20の第1の領域が加熱されている間、生成された蒸気の温度を下げるように、又は生成された蒸気の刺激を弱くするようにフィルタとして働くことができる。
【0093】
いくつかの実施形態では、装置の加熱素子15の加熱材、又は物品の加熱材は、その中に切れ目又は穴を備えていてもよい。このような切れ目又は穴は、使用時に喫煙材の異なる領域が加熱される度合いを制御するための熱断絶部として機能してもよい。加熱材のうち切れ目又は穴を有する領域は、切れ目又は穴のない領域よりも加熱される程度を低くすることができる。これは、喫煙材を漸進的に加熱し、したがって、蒸気を漸進的に生成する助けとなり得る。
【0094】
加熱材は、誘導電流のほとんどが生じる、及び/又は磁気双極子の再配向が誘導される外側の領域である表皮深さを有することができる。加熱材の厚さを比較的薄くすることによって、加熱材の他の寸法に比べて比較的長い奥行き又は厚さを有する加熱材と比べると、所与の変動磁場によって加熱材のより大きな割合を加熱可能にすることができる。したがって、材料をより効率的に使用することになる。それはコストを削減する。
【0095】
上記の実施形態のそれぞれでは、容器は空洞内への開口を画定し、カートリッジは開口を封止するシールを備える。しかしながら、上記の実施形態のそれぞれに対する各変形例である他の実施形態では、容器からシールを省略することができる、並びに/又は、容器からシール及び開口の両方を省略することができる。いくつかのこのような実施形態では、使用時、カートリッジの任意の部分に穴をあけることができる。上記の実施形態のそれぞれでは、装置は、カートリッジのシールに穴をあけるためのデバイスを備える。上記の実施形態のそれぞれに対する各変形例である他の実施形態では、デバイスは、カートリッジ、又は異なるタイプの物品の別の部分に穴をあけるためのものとすることができる。
【0096】
上記の実施形態の各々において、喫煙材20はタバコを含んでいる。しかしながら、これらの実施形態の各々の変形例では、喫煙材20は、タバコのみからなるものであってもよいし、ほぼ全体がタバコのみからなるものであってもよいし、タバコとタバコ以外の喫煙材とを含むものであってもよいし、タバコ以外の喫煙材を含むものであってもよいし、タバコを含まないものであってもよい。いくつかの実施形態では、喫煙材20は、蒸気又はエアロゾルの形成剤や、湿潤剤(例えば、グリセロール、プロピレングリコール、トリアセチン、又はジエチレングリコール)を含んでいてもよい。
【0097】
上記の実施形態のそれぞれでは、カートリッジ1、2、3は消耗品カートリッジである。カートリッジ1、2、3の喫煙材20の揮発可能な成分(複数可)のすべて又は実質的にすべてが消費されると、使用者は、本装置100からカートリッジ1、2、3を取り外して、カートリッジ1、2、3を処分することができる。使用者は、引き続き、カートリッジ1、2、3の別なもので本装置100を再使用することができる。しかしながら、他のそれぞれの実施形態では、カートリッジ1、2、3は消耗品でないものとすることができ、喫煙材20の揮発可能な成分(複数可)が消費されると、本装置100とカートリッジ1、2、3とを一緒に処分することができる。
【0098】
いくつかの実施形態では、上記の装置100は、本装置100とともに使用可能なカートリッジ1、2、3とは別個に販売され、供給され、又は別の方法で提供される。しかしながら、いくつかの実施形態では、装置100及び1つ以上の上記カートリッジ1、2、3を、キットや組立体などとして、場合によっては清掃器具などの追加の構成要素とともに一緒に提供してもよい。
【0099】
本発明は、本明細書で説明した物品のいずれか1つと、本明細書で説明した装置のいずれか1つとを備えるシステムとして実施することも可能である。ここで、装置及び物品の両方は、磁場発生器によって生成される変動磁場の侵入による加熱のための加熱材を有する。装置及び物品の両方の加熱材で発生した熱を喫煙材に伝達して、喫煙材を加熱することができる。
【0100】
様々な課題に対処し、技術を進歩させるため、本開示はその全体にわたって様々な実施形態を例示している。これらの実施形態は、特許請求された発明を実施することが可能なものであり、また、喫煙材を加熱して喫煙材の少なくとも1つの成分を揮発させるための優れた装置と、このような装置とともに使用するための優れた物品及びカートリッジと、このような物品及びこのような装置を備える優れたシステムとを提供するものである。本開示の利点及び特徴は、実施形態のうち代表的な例のものにすぎず、すべての利点や特徴を網羅したものでもなければ、他の利点や特徴を排除するものでもない。これらは、特許請求の範囲などに開示される特徴の理解と教示を助けるためだけに提示されている。本開示の利点、実施形態、例、機能、特徴、構造、及び/又は他の側面は、特許請求の範囲によって規定されたとおりに本開示を限定するもの、あるいは特許請求の範囲の均等物を制限するものと考えるべきではなく、本開示の範囲や趣旨から逸脱することなく他の実施形態を利用し、変形を施すことができることを理解されたい。様々な実施形態が、開示された要素、構成、特徴、部品、ステップ、手段などの様々な組合せを適切に備え、それらのみから構成され、あるいは実質的にそれらから構成されてもよい。本開示は、特許請求の範囲に現在は記載されていないが将来記載される可能性のある他の発明を含む可能性がある。
以下の実施形態が開示される。
(実施形態1)
喫煙材を加熱し、以て前記喫煙材の少なくとも1つの成分を揮発させるように構成された装置とともに使用するためのカートリッジであって、
空洞を画定する容器と、
前記空洞内に配置された喫煙材と、
使用時、変動磁場の侵入によって加熱され、以て前記喫煙材を加熱し前記喫煙材の少なくとも1つの成分を揮発させるように構成された加熱可能なヒーター材と
を備える、カートリッジ。
(実施形態2)
前記容器が前記ヒーター材を含む、実施形態1に記載のカートリッジ。
(実施形態3)
前記ヒーター材が、導電性材料、磁性材料、及び非磁性材料からなる群から選択された1つ以上の材料を含む、実施形態1に記載のカートリッジ。
(実施形態4)
前記ヒーター材が、金属又は金属合金を含む導電性材料を含む、実施形態1に記載のカートリッジ。
(実施形態5)
前記ヒーター材が、アルミニウム、金、鉄、ニッケル、コバルト、導電性炭素、グラファイト、普通炭素鋼、ステンレス鋼、フェライトステンレス鋼、銅、及び青銅からなる群から選択された1つ以上の材料を含む導電性材料を含む、実施形態1に記載のカートリッジ。
(実施形態6)
前記容器が、前記容器を貫通して延在する空気流入口を画定し、前記空気流入口が、空気を前記容器の外部から前記空洞内に入れるように構成される、実施形態1に記載のカートリッジ。
(実施形態7)
前記容器が、空気を前記容器の外部から前記空洞内に入れるように構成された多孔質の材料で作られる、実施形態1に記載のカートリッジ。
(実施形態8)
前記喫煙材が、タバコ、及び/又は1つ以上の保湿剤を含む、実施形態1に記載のカートリッジ。
(実施形態9)
前記カートリッジが、前記カートリッジの温度を検出するように構成された温度検出器を含む、実施形態1に記載のカートリッジ。
(実施形態10)
喫煙材を加熱して前記喫煙材の少なくとも1つの成分を揮発させるための装置とともに使用するためのカートリッジであって、
空洞を画定する容器と、
前記空洞内に配置された喫煙材と、
前記空洞内に配置された加熱可能なヒーター材であって、使用時、変動磁場の侵入によって加熱され、以て前記喫煙材を加熱するように構成された加熱可能なヒーター材と
を備える、カートリッジ。
(実施形態11)
前記容器と前記喫煙材との間に配置されたボディであって、前記ヒーター材を備えるボディをさらに備える、実施形態10に記載のカートリッジ。
(実施形態12)
前記容器が、前記空洞を画定する器を備え、前記器が非導電性材料から形成される、実施形態10に記載のカートリッジ。
(実施形態13)
前記容器が、前記空洞を画定する器と、前記器の内面の少なくとも一部分に配置されたライナとを備え、前記ライナが前記ヒーター材を含む、実施形態10に記載のカートリッジ。
(実施形態14)
空気が前記ライナを通過することができるように前記ライナが構成される、実施形態13に記載のカートリッジ。
(実施形態15)
前記喫煙材の中に配置され前記ヒーター材を備えるボディをさらに備える、実施形態10に記載のカートリッジ。
(実施形態16)
喫煙材を加熱して前記喫煙材の少なくとも1つの成分を揮発させるように構成された装置であって、
喫煙材を含む物品と協働するように構成された境界面と、
前記境界面が前記物品と協働するときに前記物品に侵入する変動磁場を発生させるように構成された磁場発生器と、
前記物品に穴をあけるように構成された穴あけデバイスと
を備える、装置。
(実施形態17)
本体と、前記本体に対して移動可能な吸い口とをさらに備え、前記本体が前記境界面を含み、前記吸い口が前記穴あけデバイスを含む、実施形態16に記載の装置。
(実施形態18)
前記物品が前記境界面と協働するとき、前記吸い口が前記本体に対して移動されると、前記穴あけデバイスが前記物品に穴をあけるように構成された、実施形態17に記載の装置。
(実施形態19)
容器をさらに備え、使用時、揮発した材料が前記容器の空洞から前記装置の外部に流れることを可能にするように構成された通路の少なくとも一部分を前記デバイスが画定する、実施形態17に記載の装置。
(実施形態20)
前記境界面が、前記物品の少なくとも一部分を受け入れるように構成された凹部を画定する、実施形態16に記載の装置。
(実施形態21)
空洞を画定する容器、及び前記空洞内に配置された喫煙材を備える熱伝導性のカートリッジと、
喫煙材を加熱して前記喫煙材の少なくとも1つの成分を揮発させるように構成された装置であって、前記カートリッジと協働するように構成された境界面と、使用時、変動磁場を発生させるように構成された磁場発生器と、使用時、前記境界面が前記カートリッジと協働するときに前記磁場発生器によって発生した前記変動磁場の侵入によって加熱され、以てカートリッジを加熱するように構成されたヒーター材を含む加熱可能なヒーター素子とを含む、装置と
を備える、システム。
(実施形態22)
喫煙材を加熱して前記喫煙材の少なくとも1つの成分を揮発させるように構成された装置であって、
喫煙材を含む物品と協働するように構成された境界面と、
変動磁場を発生させるように構成された磁場発生器と、
前記境界面が前記物品と協働しているときに前記物品を加熱するために前記変動磁場の侵入によって加熱可能であるヒーター材を含むヒーター素子と
を備える、装置。
図1
図2
図3
図4
図5