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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-07
(45)【発行日】2022-10-18
(54)【発明の名称】成形装置
(51)【国際特許分類】
   B21D 26/033 20110101AFI20221011BHJP
   B21D 26/045 20110101ALI20221011BHJP
【FI】
B21D26/033
B21D26/045
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2020502012
(86)(22)【出願日】2018-10-10
(86)【国際出願番号】 JP2018037754
(87)【国際公開番号】W WO2019163190
(87)【国際公開日】2019-08-29
【審査請求日】2021-06-16
(31)【優先権主張番号】P 2018030848
(32)【優先日】2018-02-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000002107
【氏名又は名称】住友重機械工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100162640
【弁理士】
【氏名又は名称】柳 康樹
(72)【発明者】
【氏名】山内 啓
【審査官】豊島 唯
(56)【参考文献】
【文献】特開平02-084219(JP,A)
【文献】特開平07-308722(JP,A)
【文献】特開2006-122943(JP,A)
【文献】特開2016-002587(JP,A)
【文献】米国特許第05233856(US,A)
【文献】米国特許第04751836(US,A)
【文献】韓国公開特許第10-2012-0067148(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B21D 26/045
B21D 26/033
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属パイプ材料の端部に配置され、前記端部の開口を介して第1流体を前記金属パイプ材料の内部に供給する流体供給部を備え、
前記流体供給部は、
前記端部の外周面を包囲し、前記外周面と対面する内周面に環状の溝部が形成された包囲部と、
前記溝部に配置された環状の封止部材と、
前記封止部材を前記外周面に向かって加圧する加圧力を発生させる作動部と、を有し、
前記溝部は、前記内周面の中心軸線に沿った方向における一方の側面である第1側面及び他方の側面である第2側面を有し、
前記封止部材は、前記第1側面及び前記第2側面のそれぞれと接するように配置され、前記包囲部に包囲される空間を、前記溝部のうち当該封止部材よりも前記内周面の径方向における外周側である外周側空間、及び、当該封止部材よりも前記内周面の径方向における内周側である内周側空間に隔て、
前記作動部は、第2流体を前記外周側空間に供給し、
前記溝部は、前記中心軸線から前記内周面の径方向に見て前記封止部材が前記外周側空間に露出する面積である外周側露出面積よりも、前記中心軸線から前記内周面の径方向に見て前記封止部材が前記内周側空間に露出する面積である内周側露出面積の方が小さくなるように形成されている、成形装置。
【請求項2】
前記第1側面及び前記第2側面の少なくともいずれかは、前記中心軸線を含む断面において、前記第1側面と前記第2側面との間の前記中心軸線に沿った方向の距離が前記内周面の径方向における外周側から内周側に向かって縮小するように傾斜する傾斜部を有している、請求項1に記載の成形装置。
【請求項3】
前記流体供給部は、共通の流体供給源から互いに同じ圧力の前記第1流体及び前記第2流体を供給される、請求項1又は2に記載の成形装置。
【請求項4】
前記第2流体の圧力は、前記第1流体の圧力よりも高い、請求項1~3のいずれか一項に記載の成形装置。
【請求項5】
前記流体供給部は、別個の流体供給源から、前記第1流体及び前記第2流体をそれぞれ供給される、請求項4に記載の成形装置。
【請求項6】
前記金属パイプ材料の内部に供給された前記第1流体により前記流体供給部が前記金属パイプ材料の延在方向に沿って前記金属パイプ材料から遠ざかる方向に押圧される押圧力を取得する押圧力取得部と、
前記流体供給部を前記金属パイプ材料の延在方向に沿って進退させる進退機構と、
前記進退機構を制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、前記押圧力取得部により取得された前記押圧力に応じた押付け力で前記流体供給部を前記金属パイプ材料に近づく方向に押し付けるように前記進退機構を制御する、請求項1~5のいずれか一項に記載の成形装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、成形装置に関する。
【背景技術】
【0002】
加熱した金属パイプ材料の内部に流体を供給して当該金属パイプ材料を膨張させることにより金属パイプを成形する成形装置が知られている。このような成形装置では、金属パイプ材料の内部に流体を供給する際に、流体を噴出するノズルと金属パイプ材料とをシールして流体の漏れを防止する必要がある。例えば、特許文献1には、先細り形状のノズルを金属パイプ材料の端部の開口に押し付け、金属パイプ材料の端部をノズルの形状に沿って漏斗状に変形させることで、ノズルと金属パイプ材料とをシールする成形装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2016-2578号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した成形装置では、金属パイプ材料の端部をノズルの形状に沿って変形させ得るような大きな押付け力でノズルが金属パイプ材料の端部に押し付けられるため、金属パイプ材料が座屈してしまうおそれがある。一方、金属パイプ材料が座屈しないようにするために、例えば金属パイプ材料へのノズルの押付け力を低減すると、ノズルと金属パイプ材料とを確実にシールすることができないおそれがある。
【0005】
そこで、本開示は、金属パイプ材料の座屈を抑制しつつノズルと金属パイプ材料とをシールすることができる成形装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様に係る成形装置は、金属パイプ材料の端部に配置され、端部の開口を介して第1流体を金属パイプ材料の内部に供給する流体供給部を備え、流体供給部は、端部の外周面を包囲し、外周面と対面する内周面に環状の溝部が形成された包囲部と、溝部に配置された環状の封止部材と、封止部材を外周面に向かって加圧する加圧力を発生させる作動部と、を有する。
【0007】
この成形装置によれば、流体供給部の封止部材は、環状を呈し、金属パイプ材料の端部の外周面を包囲する包囲部の内周面に形成された環状の溝部に配置されている。封止部材は、作動部により発生する加圧力によって金属パイプ材料の外周面に向かって加圧される。これにより、封止部材が金属パイプ材料の端部の外周面に対して全周にわたって押し付けられることで、流体供給部と金属パイプ材料とがシールされる。また、このとき、大きな押付け力で流体供給部を金属パイプ材料の端部に押し付ける必要がないため、金属パイプ材料が座屈しにくい。よって、この装置は、金属パイプ材料の座屈を抑制しつつノズルと金属パイプ材料とをシールすることができる。
【0008】
本開示の一態様に係る成形装置では、溝部は、内周面の中心軸線に沿った方向における一方の側面である第1側面及び他方の側面である第2側面を有し、封止部材は、第1側面及び第2側面のそれぞれと接するように配置され、包囲部に包囲される空間を、溝部のうち当該封止部材よりも内周面の径方向における外周側である外周側空間、及び、当該封止部材よりも内周面の径方向における内周側である内周側空間に隔て、作動部は、第2流体を外周側空間に供給してもよい。これによれば、第2流体が外周側空間に供給されることで、包囲部の内周面の径方向における内周側に向かって、外周側空間の内圧に起因して封止部材に働く力を、包囲部の内周面の径方向における外周側に向かって、内周側空間の内圧に起因して封止部材に働く力よりも大きくすることが可能となる。これにより、この装置は、封止部材を金属パイプ材料の端部の外周面に向かって加圧する加圧力を発生させることができる。
【0009】
本開示の一態様に係る成形装置では、溝部は、中心軸線から内周面の径方向に見て封止部材が外周側空間に露出する面積である外周側露出面積よりも、中心軸線から内周面の径方向に見て封止部材が内周側空間に露出する面積である内周側露出面積の方が小さくなるように形成されていてもよい。これによれば、外周側空間の内圧を受ける外周側露出面積よりも内周側空間の内圧を受ける内周側露出面積の方が小さくなるように溝部が形成されることで、包囲部の内周面の径方向における内周側に向かって、外周側空間の内圧に起因して封止部材に働く力を、包囲部の内周面の径方向における外周側に向かって、内周側空間の内圧に起因して封止部材に働く力よりも大きくすることが可能となる。これにより、この装置は、封止部材を金属パイプ材料の端部の外周面に向かって加圧する加圧力を発生させることができる。
【0010】
本開示の一態様に係る成形装置では、第1側面及び第2側面の少なくともいずれかは、中心軸線を含む断面において、第1側面と第2側面との間の中心軸線に沿った方向の距離が内周面の径方向における外周側から内周側に向かって縮小するように傾斜する傾斜部を有していてもよい。これによれば、外周面に向かって加圧する加圧力を受けて封止部材が包囲部の内周面の径方向における内周側に向かって移動した場合、当該封止部材は包囲部の内周面の径方向における外周側に向かって働く反力を傾斜部から受けることとなる。よって、この装置は、流体供給部と金属パイプ材料とのシールをより確実に解除することができる。
【0011】
本開示の一態様に係る成形装置では、流体供給部は、共通の流体供給源から互いに同じ圧力の第1流体及び第2流体を供給されてもよい。これによれば、加熱した金属パイプ材料を膨張させるための第1流体を供給する流体供給部が、封止部材を外周面に向かって加圧するための第2流体を供給する流体供給部を兼ねる。よって、この装置は、第2流体を供給する新たな流体供給部を設ける必要がないため、装置構成の複雑化を抑制することができる。
【0012】
本開示の一態様に係る成形装置では、第2流体の圧力は、第1流体の圧力よりも高くてもよい。これによれば、第1流体が供給される内周側空間の内圧よりも、第2流体が供給される外周側空間の内圧の方が高くなる。これにより、この装置は、封止部材を金属パイプ材料の端部の外周面に向かって加圧する加圧力をより確実に発生させることができる。
【0013】
本開示の一態様に係る成形装置では、流体供給部は、別個の流体供給源から、第1流体及び第2流体をそれぞれ供給されてもよい。これによれば、この装置は、第1流体の圧力及び第2流体の圧力をそれぞれ好適に調節することが可能となる。
【0014】
本開示の一態様に係る成形装置は、金属パイプ材料の内部に供給された第1流体により流体供給部が金属パイプ材料の延在方向に沿って金属パイプ材料から遠ざかる方向に押圧される押圧力を取得する押圧力取得部と、流体供給部を金属パイプ材料の延在方向に沿って進退させる進退機構と、進退機構を制御する制御部と、を備え、制御部は、押圧力取得部により取得された押圧力に応じた押付け力で流体供給部を金属パイプ材料に近づく方向に押し付けるように進退機構を制御してもよい。金属パイプ材料の内部に第1流体が供給されるにつれて、供給された第1流体により流体供給部が金属パイプ材料から遠ざかる方向に押圧される押圧力が増大する。このとき、押圧力取得部により押圧力が取得され、取得された押圧力に応じた押付け力で、進退機構により流体供給部が金属パイプ材料に近づく方向に押し付けられる。これにより、流体供給部が金属パイプ材料の延在方向に沿って移動することが抑制されるため、この装置では、より確実に流体供給部と金属パイプ材料とのシールを維持することができる。
【発明の効果】
【0015】
本開示の種々の態様によれば、金属パイプ材料の座屈を抑制しつつノズルと金属パイプ材料とをシールすることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1図1は、本実施形態に係る成形装置を示す図である。
図2図2は、金属パイプ材料の端部に配置されたノズルを示す断面図である。
図3図3は、初期配置状態における封止部材を示す断面図である。
図4図4は、初期配置状態から弾性変形して相対突出量を増大させた状態における封止部材を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を参照して、例示的な実施形態について説明する。なお、各図において同一又は相当部分には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
【0018】
〈成形装置の構成〉
図1は、本実施形態に係る成形装置10を示す図である。図2は、金属パイプ材料14の端部14aに配置されたノズル44を示す断面図である。図1及び図2に示されるように、金属パイプを成形する成形装置10は、上型12及び下型11からなるブロー成形金型13と、上型12及び下型11の少なくとも一方を移動させる駆動機構80と、上型12と下型11との間に配置される金属パイプ材料14を保持するパイプ保持機構30と、パイプ保持機構30で保持されている金属パイプ材料14に通電して加熱する加熱機構50と、上型12及び下型11の間に保持され加熱された金属パイプ材料14の端部14aの開口14bを介して当該金属パイプ材料14の内部14cに供給される第1高圧ガス(第1流体)G1を、気体供給機構40に供給するための気体供給源(流体供給源)60と、パイプ保持機構30で保持された金属パイプ材料14の内部14cに気体供給源60からの第1高圧ガスG1を供給するための一対の気体供給機構40,40と、一対の気体供給機構40,40に作動油を供給する作動油源45と、ブロー成形金型13を強制的に水冷する水循環機構72と、を備えると共に、上記駆動機構80の駆動、上記パイプ保持機構30の駆動、上記作動油源45の作動油供給、上記加熱機構50の駆動、上記気体供給源60の気体供給、及び上記一対の気体供給機構40,40の作動をそれぞれ制御する制御部70と、を備えて構成されている。なお、図2には図1における右側の気体供給機構40に含まれるノズル44が示されている。図1における左側の気体供給機構40に含まれるノズル44も図2と同様の構成を備えている。また、駆動機構80は、上型12又は下型11のいずれかを移動させなくてもよい。
【0019】
ブロー成形金型13の一方である下型11は、基台15に固定されている。下型11は、大きな鋼鉄製ブロックで構成され、その上面に例えば矩形状のキャビティ(凹部)16を備える。下型11には冷却水通路19が形成され、略中央に下から差し込まれた熱電対21を備えている。熱電対21は、金属パイプ材料14の温度を測定する。この熱電対21はスプリング22により上下移動自在に支持されている。なお、熱電対21に代えて又は熱電対21に加えて、例えば、非接触の温度計、電極間電圧による温度推定等を用いて金属パイプ材料14の温度が測定されてもよい。
【0020】
更に、下型11の左右端(図1における左右端)近傍にはスペース11aが設けられており、当該スペース11a内には、パイプ保持機構30の可動部である後述する電極17,18(下側電極)等が、上下に進退動可能に配置されている。そして、下側電極17,18上に金属パイプ材料14が載置されることで、下側電極17,18は、上型12と下型11との間に配置される金属パイプ材料14に接触する。これにより、下側電極17,18は金属パイプ材料14に電気的に接続される。
【0021】
下型11と下側電極17との間及び下側電極17の下部、並びに下型11と下側電極18との間及び下側電極18の下部には、通電を防ぐための絶縁材91がそれぞれ設けられている。それぞれの絶縁材91は、パイプ保持機構30を構成するアクチュエータ(不図示)の可動部である進退ロッド95に固定されている。このアクチュエータは、下側電極17,18等を上下動させるためのものであり、アクチュエータの固定部は、下型11と共に基台15側に保持されている。
【0022】
ブロー成形金型13の他方である上型12は、駆動機構80を構成する後述のスライド81に固定されている。上型12は、大きな鋼鉄製ブロックで構成され、内部に冷却水通路25が形成されると共に、その下面に例えば矩形状のキャビティ(凹部)24を備える。このキャビティ24は、下型11のキャビティ16に対向する位置に設けられる。
【0023】
上型12の左右端(図1における左右端)近傍には、下型11と同様に、スペース12aが設けられており、当該スペース12a内には、パイプ保持機構30の可動部である後述する電極17,18(上側電極)等が、上下に進退動可能に配置されている。そして、下側電極17,18上に金属パイプ材料14が載置された状態において、上側電極17,18は、下方に移動することで、上型12と下型11との間に配置された金属パイプ材料14に接触する。これにより、上側電極17,18は金属パイプ材料14に電気的に接続される。なお、上述したように本実施形態では上側電極17,18及び下側電極17,18の両方が上下に進退動可能とされているが、上側電極17,18又は下側電極17,18のいずれか一方のみが上下に進退動可能とされていてもよい。
【0024】
上型12と上側電極17との間及び上側電極17の上部、並びに上型12と上側電極18との間及び上側電極18の上部には、通電を防ぐための絶縁材101がそれぞれ設けられている。それぞれの絶縁材101は、パイプ保持機構30を構成するアクチュエータの可動部である進退ロッド96に固定されている。このアクチュエータは、上側電極17,18等を上下動させるためのものであり、アクチュエータの固定部は、上型12と共に駆動機構80のスライド81側に保持されている。
【0025】
パイプ保持機構30の右側部分において、電極18,18が互いに対向する面のそれぞれには、金属パイプ材料14の外周面に対応した半円弧状の凹溝18aが形成されていて、当該凹溝18aの部分に丁度金属パイプ材料14が嵌り込むように載置可能とされている。パイプ保持機構30の右側部分において、絶縁材91,101が互いに対向する露出面には、上記凹溝18aと同様に、金属パイプ材料14の外周面に対応した半円弧状の凹溝が形成されている。よって、パイプ保持機構30の右側部分で金属パイプ材料14を上下方向から挟持すると、丁度金属パイプ材料14の右側の端部14a付近の外周を全周に渡って密着するように取り囲むことができるように構成されている。
【0026】
パイプ保持機構30の左側部分において、電極17,17が互いに対向する面のそれぞれには、金属パイプ材料14の外周面に対応した半円弧状の凹溝17aが形成されていて、当該凹溝17aの部分に丁度金属パイプ材料14が嵌り込むように載置可能とされている。パイプ保持機構30の左側部分において、絶縁材91,101が互いに対向する露出面には、上記凹溝18aと同様に、金属パイプ材料14の外周面に対応した半円弧状の凹溝が形成されている。よって、パイプ保持機構30の左側部分で金属パイプ材料14を上下方向から挟持すると、丁度金属パイプ材料14の左側の端部14a付近の外周を全周に渡って密着するように取り囲むことができるように構成されている。
【0027】
金属パイプ材料14は、パイプ保持機構30の右側部分で挟持されたときに、当該パイプ保持機構30の右側部分の電極18の正面(金型の外側方向の面)よりも、その端部14aが突出するように載置される。金属パイプ材料14は、パイプ保持機構30の左側部分で挟持されたときに、当該パイプ保持機構30の左側部分の電極17の正面(金型の外側方向の面)よりも、その端部が突出するように載置される。
【0028】
駆動機構80は、上型12及び下型11同士が合わさるように上型12を移動させるスライド81と、上記スライド81を移動させるための駆動力を発生するシャフト82と、該シャフト82で発生した駆動力をスライド81に伝達するためのコネクティングロッド83とを備えている。シャフト82は、スライド81上方にて左右方向に延在していると共に回転自在に支持されており、その中心から離間した位置にて左右端から突出して延在する偏心クランク82aを有している。この偏心クランク82aと、スライド81の上部に設けられると共に左右方向に延在している回転軸81aとは、コネクティングロッド83によって連結されている。駆動機構80では、制御部70によってシャフト82の回転を制御することにより偏心クランク82aの上下方向の高さを変化させ、この偏心クランク82aの位置変化をコネクティングロッド83を介してスライド81に伝達することにより、スライド81の上下動(並進運動)を制御できる。ここで、偏心クランク82aの位置変化をスライド81に伝達する際に発生するコネクティングロッド83の揺動(回転運動)は、回転軸81aによって吸収される。シャフト82は、例えば制御部70によって制御されるモータ等の駆動に応じて回転又は停止する。なお、駆動機構80は、上述したようにシャフト82の回転による偏心クランク82aの位置変化をコネクティングロッド83及び回転軸81aを用いてスライド81の上下動に変換する機構に限定されず、例えば油圧シリンダを用いてスライド81を上下動させる機構であってもよい。
【0029】
加熱機構50は、電源51と、この電源51からそれぞれ延びて電極17,18に接続している導線52と、この導線52に介設されたスイッチ53とを有してなる。制御部70は、上記加熱機構50を制御することによって、金属パイプ材料14を焼入れ温度(AC3変態点温度以上)まで加熱することができる。
【0030】
各気体供給機構40,40は、押圧力取得部47と、進退機構48と、進退機構48に連結されたノズル(流体供給部)44とを有する。
【0031】
押圧力取得部47は、金属パイプ材料14の内部14cに供給された第1高圧ガスG1によりノズル44が金属パイプ材料14の延在方向に沿って金属パイプ材料14から遠ざかる方向に押圧される押圧力を取得する。押圧力取得部47は、例えば、ノズル44に対する押戻し荷重を押圧力として取得する。より詳細には、押圧力取得部47は、例えば、ノズル44から金属パイプ材料14の内部14cに供給される第1高圧ガスG1の圧力値を測定する圧力計を備え、測定された圧力値に基づいて押圧力を取得する。押圧力取得部47は、取得した押圧力に関する情報を制御部70に出力する。なお、押圧力取得部47は、例えば、金属パイプ材料14の内部14cにおける圧力を押圧力として取得してもよい。押圧力取得部47が配置される位置は、図1に示される位置に限定されず、押圧力取得部47の構成に応じて押圧力を好適に取得することができる位置に配置される。
【0032】
進退機構48は、ノズル44を金属パイプ材料14の延在方向に沿って進退させる。進退機構48は、制御部70によって制御される。例えば、進退機構48は、予め設定された押付け力でノズル44を金属パイプ材料14に近づく方向に押し付けるように、制御部70によって制御される。進退機構48は、ノズル44が金属パイプ材料14の延在方向に沿って移動しないように、押圧力取得部47により取得された押圧力に応じた押付け力でノズル44を金属パイプ材料14に近づく方向に押し付けることも可能である。進退機構48は、シリンダユニット42と、シリンダユニット42の作動に合わせて進退動するシリンダロッド43と、を有している。シリンダユニット42は、ブロック41上に載置固定されている。
【0033】
ノズル44は、金属パイプ材料14の端部14aに配置され、気体供給源60から供給される第1高圧ガスG1を金属パイプ材料14の端部14aの開口14bを介して金属パイプ材料14の内部14cに供給する。ノズル44は、シリンダロッド43におけるパイプ保持機構30側の先端に連結されている。
【0034】
ノズル44の具体的な構成について説明する。図3は、初期配置状態における封止部材97を示す断面図である。図4は、初期配置状態から弾性変形して相対突出量Hを増大させた状態における封止部材97を示す断面図である。図3及び図4は、図2における上側の封止部材97の周辺を示している。図2図4に示されるように、ノズル44は、基体部92、挿入部93、包囲部94、封止部材97、及び作動部98を含んでいる。基体部92、挿入部93、及び包囲部94は、1個又は複数個の部材により一体的に構成されたブロック体である。本実施形態では、封止部材97が初期配置状態において溝部99の内周面94aよりも当該内周面94aの径方向D2における外周側に配置されている(すなわち、溝部99からはみ出さずに配置されている)場合が例示されている。「初期配置状態」とは、封止部材97が後述する作動部98により金属パイプ材料14の外周面14fに向かって加圧力を受けていない状態を意味する。
【0035】
基体部92は、ノズル44において、金属パイプ材料14の端部14aの端面14dよりも外側に配置される部分である。図3においては、基体部92は、金属パイプ材料14の端面14dに沿って示されている2点鎖線よりも右側の部分である。
【0036】
挿入部93は、基体部92の側面から立設された略円筒形状の部分である。挿入部93の外径は、金属パイプ材料14の端部14aの内径よりも少しだけ小さくなるように形成されている。これにより、挿入部93が金属パイプ材料14の端部14aの開口14bを介して金属パイプ材料14の内部14cに進入及び退出可能とされるとともに、後述する第1補助シールが実現される。なお、挿入部93は、略円筒形状を呈していなくてもよく、他の形状(例えば、中心軸線Lに垂直な断面が矩形状を呈する矩形筒形状)であってもよい。
【0037】
基体部92及び挿入部93には、第1高圧ガスG1が流通する第1ガス流路46aが形成されている。第1ガス流路46aは、例えば、基体部92の外面92a及び挿入部93の先端面93aにおいて開口しており、これらの開口からそれぞれ延びる流路が基体部92内又は挿入部93内で接続するように形成されている。一例として、図2に示される第1ガス流路46aは、基体部92の外面92aから垂直に基体部92内に設けられた流路と、挿入部93の先端面93aから垂直に挿入部93内に設けられた流路とが、基体部92内で接続する形状とされている。これにより、第1高圧ガスG1は、基体部92の外面92aの開口を介して第1ガス流路46a内に流入し、基体部92内の第1ガス流路46aから挿入部93内の第1ガス流路46aに進行した後、挿入部93の先端面93aの開口を介して金属パイプ材料14の内部14cに供給される。
【0038】
包囲部94は、金属パイプ材料14の端部14aの外周面14fを包囲するように形成されている。したがって、金属パイプ材料14の端部14aが円筒形状を呈している場合、金属パイプ材料14の端部14aの外周面14fと対面する包囲部94の内周面94aは、断面円形状を呈している。包囲部94の内周面94aには、環状の溝部99が当該内周面94aを周回するように内周面94aの全周にわたって形成されている。
【0039】
溝部99は、包囲部94の内周面94aに沿った方向(周方向)に見て、包囲部94の内周面94aの中心軸線Lに沿った方向D1における一方の側面である第1側面99a及び他方の側面である第2側面99bを有している。すなわち、第2側面99bは、第1側面99aと対向した面である。ここでは、第1側面99aは、包囲部94の内周面94aの中心軸線Lに沿った方向D1における外側(金属パイプ材料14の延在方向における中央側とは反対側)の側面であり、第2側面99bは、包囲部94の内周面94aの中心軸線Lに沿った方向D1における内側(金属パイプ材料14延在方向における中央側)の側面である。
【0040】
溝部99の第1側面99aは、傾斜部99cを有している。また、溝部99の第2側面99bは、傾斜部99dを有している。傾斜部99c,99dは、包囲部94の内周面94aの中心軸線Lを含む断面において、第1側面99aと第2側面99bとの中心軸線Lに沿った方向D1の距離である溝部幅Wが、内周面94aの径方向D2における外周側から内周側に向かって縮小するように傾斜している。傾斜部99c,99dは、例えば、溝部99の内周面94aの径方向D2における内周側に寄った位置に設けられている。
【0041】
封止部材97は、溝部99に配置された環状の部材であり、一例として、Oリングであってもよい。封止部材97は、弾性変形可能な材質により構成されている。例えば、封止部材97は、硬度、耐熱性、圧縮永久歪等の観点からフッ素ゴムにより形成されていてもよく、特に、バイトン系耐摩耗材料により形成されていてもよい。或いは、封止部材97は、ニトリルゴムにより形成されていてもよい。封止部材97は、溝部99の第1側面99a及び第2側面99bのそれぞれと接するように配置されている。これにより、封止部材97は、包囲部94に包囲される空間を、溝部99のうち当該封止部材97よりも内周面94aの径方向D2における外周側である外周側空間S1、及び、当該封止部材97よりも内周面94aの径方向D2における内周側である内周側空間S2に隔てている。「包囲部94に包囲される空間」とは、溝部99と、内周面94aよりも当該内周面94aの径方向D2における内周側の空間と、を含む空間を意味する。
【0042】
なお、以下の説明では、包囲部94の内周面94aの中心軸線Lから内周面94aの径方向D2に見て封止部材97が外周側空間S1に露出する面積を外周側露出面積といい、包囲部94の内周面94aの中心軸線Lから内周面94aの径方向D2に見て封止部材97が内周側空間S2に露出する面積を内周側露出面積という。溝部99は、封止部材97が初期配置状態にある場合に、外周側露出面積よりも、内周側露出面積の方が小さくなるように形成されている。この場合、溝部99は、封止部材97が初期配置状態にある場合に、後述する外周側溝部幅Waよりも内周側溝部幅Wbの方が小さくなるように形成されていてもよい。
【0043】
換言すれば、溝部99の形状は以下のとおりである。すなわち、包囲部94の内周面94aの中心軸線Lを含む断面において、封止部材97が初期配置状態にある場合に、封止部材97と第1側面99aとが接する部分のうち内周面94aの径方向D2における最も外周側の位置(第1外周側位置)P1と、封止部材97と第2側面99bとが接する部分のうち内周面94aの径方向D2における最も外周側の位置(第2外周側位置)P2と、の中心軸線Lに沿った方向D1の距離(すなわち、溝部幅W)を外周側溝部幅Waとする。また、包囲部94の内周面94aの中心軸線Lを含む断面において、封止部材97が初期配置状態にある場合に、封止部材97と第1側面99aとが接する部分のうち内周面94aの径方向D2における最も内周側の位置(第1内周側位置)P3と、封止部材97と第2側面99bとが接する部分のうち内周面94aの径方向D2における最も内周側の位置(第2内周側位置)P4と、の中心軸線Lに沿った方向D1の距離(すなわち、溝部幅W)を内周側溝部幅Wbとする。このとき、溝部99は、封止部材97が初期配置状態にある場合に、外周側溝部幅Waよりも内周側溝部幅Wbの方が小さくなるように形成されている。
【0044】
封止部材97は、本実施形態においては、弾性変形することにより相対突出量Hを増減可能である。「相対突出量H」とは、封止部材97が溝部99から内周面94aの径方向D2における内周側に突出する高さであり、より具体的には、封止部材97が包囲部94の内周面94aから更に内周側に向かって突出する高さである。相対突出量Hは、封止部材97が包囲部94の内周面94aよりも内周側に突出している場合にはプラスの数値で表され、封止部材97が包囲部94の内周面94aよりも内周側に突出していない場合(すなわち、封止部材97の全体が溝部99の内部に収まっている場合)にはマイナスの数値で表される(図3参照)。
【0045】
すなわち、封止部材97は、溝部99における初期配置状態から弾性変形することにより、溝部99から内周面94aの径方向D2における内周側に突出する相対突出量Hを増大することが可能である。封止部材97は、初期配置状態において、溝部99から内周面94aの径方向D2における内周側に突出していてもよく(はみ出していてもよく)、突出していなくてもよい(はみ出していなくてもよい)。なお、本実施形態においては、封止部材97は、初期配置状態において金属パイプ材料14の外周面14fに当接していない。また、封止部材97は、作動部98により弾性変形させられて相対突出量Hを増大することで金属パイプ材料14の外周面14fに当接し得る。
【0046】
作動部98は、封止部材97を金属パイプ材料14の外周面14fに向かって加圧する加圧力を発生させる。ここでは、作動部98は、封止部材97を初期配置状態から弾性変形させて、封止部材97が金属パイプ材料14の外周面14fに当接するように、封止部材97の相対突出量Hを増大させる。作動部98は、例えば、外周側空間S1の内圧と外周側露出面積との積が内周側空間S2の内圧と内周側露出面積との積よりも大きくなるように、第2高圧ガス(第2流体)G2を外周側空間S1に供給する。第2高圧ガスG2とは、封止部材97を金属パイプ材料14の外周面14fに向かって加圧するために供給される気体であり、ここでは、溝部99内において封止部材97を弾性変形させるために供給される気体である。
【0047】
作動部98は、例えば、外周側空間S1に第2高圧ガスG2を供給する第2ガス流路46bである。第2ガス流路46bは、基体部92内の第1ガス流路46aから分岐して外周側空間S1に至る流路であってもよい。この場合、第2ガス流路46bを流通する第2高圧ガスG2は、第1ガス流路46aを流通する第1高圧ガスG1から分流した気体である。したがって、第1高圧ガスG1と第2高圧ガスG2とは、互いに同じ圧力となる。
【0048】
作動部98により第2高圧ガスG2を外周側空間S1に供給することで、以下の理由から、封止部材97を外周面14fに向かって加圧する(ここでは、より詳細には、封止部材97を初期配置状態から弾性変形させて相対突出量Hを増大させる)ことができる。すなわち、封止部材97に対して、外周側空間S1の内圧と外周側露出面積との積に相当する大きさの力が、内周面94aの径方向D2における内周側に向かって働く。一方、封止部材97に対して、内周側空間S2の内圧と内周側露出面積との積に相当する大きさの力が、内周面94aの径方向D2における外周側に向かって働く。したがって、作動部98が第2高圧ガスG2を外周側空間S1に供給して外周側空間S1の内圧を高くすることにより、外周側空間S1の内圧と外周側露出面積との積を、内周側空間S2の内圧と内周側露出面積との積よりも大きくし、封止部材97を外周面14fに向かって加圧する(ここでは、封止部材97を弾性変形させて内周面94aの径方向D2における内周側に移動させることで、相対突出量Hを増大させる)ことが可能である。
【0049】
ところで、上述したように挿入部93の外径は金属パイプ材料14の端部14aの内径よりも少しだけ小さくなるように形成されているため、金属パイプ材料14の内部14cに供給された第1高圧ガスG1は、挿入部93の外周面93bと金属パイプ材料14の内周面14eとの隙間を通過しにくい。このため、第1高圧ガスG1が金属パイプ材料14の内部14cから漏洩することが抑制される。つまり、挿入部93の外周面93bと金属パイプ材料14の内周面14eとの隙間が小さいという構成が、ノズル44と金属パイプ材料14との補助的なシール(第1補助シール)として機能する。
【0050】
また、金属パイプ材料14の端部14aにノズル44が配置される場合には、金属パイプ材料14の端部14aの端面14dが、基体部92の側面(より具体的には、基体部92の側面のうち挿入部93及び包囲部94に挟まれた突当面92b)に突き当たる。これにより、第1補助シールを通過した第1高圧ガスG1は、金属パイプ材料14の端部14aの端面14dと基体部92の突当面92bとの隙間を通過しにくい。このため、第1高圧ガスG1が金属パイプ材料14の内部14cから漏洩することが抑制される。つまり、金属パイプ材料14の端部14aの端面14dが基体部92の突当面92bに突き当てられているという構成が、ノズル44と金属パイプ材料14との補助的なシール(第2補助シール)として機能する。
【0051】
気体供給源60は、ガス源61と、このガス源61によって供給されたガスを溜めるアキュムレータ62と、アキュムレータ62からノズル44内に形成された第1ガス流路46aまで延びているチューブ67と、このチューブ67に介設されている圧力制御弁68及び逆止弁69と、を備えている。逆止弁69は、チューブ67内で高圧ガスが逆流することを防止する役割を果たす。チューブ67に介設されている圧力制御弁68は、制御部70の制御により、金属パイプ材料14を膨張させるための作動圧力を有する第1高圧ガスG1を、ノズル44の第1ガス流路46aに供給する役割を果たす。
【0052】
作動油源45は、ノズル44の金属パイプ材料14に対する押付け力に対応した作動圧力の作動油をシリンダユニット42に供給する。これにより、シリンダユニット42が作動してシリンダロッド43を進退させることで、ノズル44が金属パイプ材料14の延在方向に沿って進退する。なお、ノズル44は、作動油源45から供給される作動油に代えて、気体供給源60から供給されるガスによって進退してもよい。その場合、気体供給源60は、アキュムレータ62からシリンダユニット42まで延びているチューブと、このチューブに介設されている圧力制御弁及び切替弁とを更に備え、圧力制御弁は、ノズル44の金属パイプ材料14に対する押付け力に対応した作動圧力のガスをシリンダユニット42に供給してもよい。
【0053】
上述したように、第2ガス流路46bが基体部92内の第1ガス流路46aから分岐して外周側空間S1に至る流路であるため、気体供給源60は、第1高圧ガスG1及び第2高圧ガスG2の両方をノズル44に供給することとなる。換言すれば、ノズル44は、共通の気体供給源60から互いに同じ圧力の第1高圧ガスG1及び第2高圧ガスG2を供給される。
【0054】
制御部70は、気体供給源60の圧力制御弁68を制御することにより、金属パイプ材料14の内部14cに所望の作動圧力の第1高圧ガスG1を供給することができる。また、制御部70は、図1に示す(A)から情報が伝達されることによって、熱電対21から温度情報を取得し、駆動機構80及びスイッチ53等を制御する。また、制御部70は、図1に示す(B)から情報が伝達されることによって、押圧力取得部47により取得された押圧力に関する情報を取得し、取得された押圧力に応じた押付け力でノズル44を金属パイプ材料14に近づく方向に押し付けるように進退機構48を制御する。「取得された押圧力に応じた押付け力」とは、例えば、ノズル44が押圧力によって金属パイプ材料14の延在方向に沿って移動しないように当該ノズル44の位置を維持し得る押付け力であり、より具体的には、押圧力と釣り合う大きさの押付け力である。
【0055】
水循環機構72は、水を溜める水槽73と、この水槽73に溜まっている水を汲み上げ、加圧して下型11の冷却水通路19及び上型12の冷却水通路25へ送る水ポンプ74と、配管75とからなる。省略したが、水温を下げるクーリングタワーや水を浄化する濾過器を配管75に介在させることは差し支えない。
【0056】
〈成形装置を用いた金属パイプの成形方法〉
次に、図1図4を参照して、成形装置10を用いた金属パイプの成形方法について説明する。最初に、焼入れ可能な鋼種の金属パイプ材料14を準備する。この金属パイプ材料14を、例えばロボットアーム等を用いて、下型11側に備わる電極17,18上に載置(投入)する。電極17,18には凹溝17a,18aが形成されているので、当該凹溝17a,18aによって金属パイプ材料14が位置決めされる。
【0057】
次に、制御部70は、駆動機構80及びパイプ保持機構30を制御することによって、当該パイプ保持機構30に金属パイプ材料14を保持させる。具体的には、駆動機構80の駆動によりスライド81側に保持されている上型12及び上側電極17,18等が下型11側に移動すると共に、パイプ保持機構30に含まれる上側電極17,18等及び下側電極17,18等を進退動可能としているアクチュエータを作動させることによって、金属パイプ材料14の両方の端部付近を上下からパイプ保持機構30により挟持する。この挟持は電極17,18に形成される凹溝17a,18a、及び絶縁材91,101に形成される凹溝の存在によって、金属パイプ材料14の両端部付近の全周に渡って密着するような態様で挟持されることとなる。
【0058】
なお、このとき、金属パイプ材料14の電極18側の端部14aは、金属パイプ材料14の延在方向において、電極18よりもノズル44側に突出している。同様に、金属パイプ材料14の電極17側の端部14aは、金属パイプ材料14の延在方向において、電極17よりもノズル44側に突出している。また、上側電極17,18の下面と下側電極17,18の上面とは、それぞれ互いに接触している。ただし、金属パイプ材料14の両端部全周に渡って密着する構成に限られず、金属パイプ材料14の周方向における一部に電極17,18が当接するような構成であってもよい。
【0059】
続いて、制御部70は、加熱機構50を制御することによって、金属パイプ材料14を加熱する。具体的には、制御部70は、加熱機構50のスイッチ53をONにする。そうすると、電源51から下側電極17,18に伝達される電力が、金属パイプ材料14を挟持している上側電極17,18及び金属パイプ材料14に供給され、金属パイプ材料14に存在する抵抗により、金属パイプ材料14自体がジュール熱によって発熱する。また、電極17,18は、加熱された金属パイプ材料14からの熱伝導によっても加熱される。なお、熱電対21の測定値が常に監視され、この結果に基づいて通電が制御される。
【0060】
続いて、制御部70による駆動機構80の制御によって、加熱後の金属パイプ材料14に対してブロー成形金型13を閉じる。これにより、下型11のキャビティ16と上型12のキャビティ24とが組み合わされ、下型11と上型12との間のキャビティ部内に金属パイプ材料14が配置密閉される。
【0061】
その後、気体供給機構40のシリンダユニット42を作動させることによって各ノズル44を前進させて金属パイプ材料14の各端部14aに配置する。そして、ブロー成形金型13を閉じると共に、第1高圧ガスG1をノズル44に供給する。ノズル44に供給された第1高圧ガスG1は、第1ガス流路46aを流通して金属パイプ材料14の内部14cに吹き込まれる。
【0062】
ここで、ノズル44内において第1ガス流路46aと第2ガス流路46bとは接続しているため、第1ガス流路46aを流通する第1高圧ガスG1の一部は、第2ガス流路46bに分流する。第2ガス流路46bに分流した第1高圧ガスG1は、第2高圧ガスG2として、第2ガス流路46bを流通して溝部99の外周側空間S1に流入する。第2高圧ガスG2が外周側空間S1に供給されることで、外周側空間S1の内圧が増大する。その結果、封止部材97に対して内周面94aの径方向D2における内周側に向かって働く力が増大し、封止部材97に対して内周面94aの径方向D2における外周側に向かって働く力よりも大きくなりやすい。しかも、溝部99は、外周側露出面積よりも内周側露出面積の方が小さくなるように形成されている。このため、封止部材97に対して内周面94aの径方向D2における内周側に向かって働く力は、封止部材97に対して内周面94aの径方向D2における外周側に向かって働く力よりも一層大きくなりやすい。
【0063】
封止部材97に対して内周面94aの径方向D2における内周側に向かって働く力が外周側に向かって働く力よりも大きくなると、封止部材97は、金属パイプ材料14の外周面14fに向かって加圧され、初期配置状態から弾性変形することにより相対突出量Hを増大する。そして、封止部材97が金属パイプ材料14の端部14aの外周面14fに対して全周にわたって当接することで、ノズル44と金属パイプ材料14とがシールされる。なお、このとき、封止部材97は、初期配置状態から弾性変形することにより相対突出量Hを増大するように内周面94aの径方向D2における内周側に移動することで、溝部99の傾斜部99c,99dに乗り上げて溝部幅Wの狭い領域に押し込まれた状態となっている。
【0064】
このようにノズル44と金属パイプ材料14とがシールされると同時に、加熱により軟化した金属パイプ材料14が第1高圧ガスG1の内圧によりキャビティ部の形状に沿うように変形する(成形される)。金属パイプ材料14は高温(950℃前後)に加熱されているので、金属パイプ材料14の内部14cに供給された第1高圧ガスG1は、熱膨張する。このとき、金属パイプ材料14は加熱されることで軟化しているため、熱膨張した圧縮空気によって金属パイプ材料14を容易に膨張させることができる。
【0065】
このとき、金属パイプ材料14の内部14cの内圧が高まることで、その反力を受けてノズル44が金属パイプ材料14から遠ざかる方向に押圧される。押圧力取得部47は、ノズル44が受ける押圧力を取得して、その情報を制御部70に出力する。制御部70は、入力された情報に基づく押圧力に応じた押付け力でノズル44を金属パイプ材料14に近づく方向に押し付けるように、進退機構48を制御する。
【0066】
その後、金属パイプ材料14の内部14cへの第1高圧ガスG1の供給が停止し、同時に、溝部99の外周側空間S1への第2高圧ガスG2の供給が停止する。その結果、内周面94aの径方向D2における内周側に向かって、外周側空間S1の内圧に起因して封止部材97に働く力と、内周面94aの径方向D2における外周側に向かって、内周側空間S2の内圧に起因して封止部材97に働く力とが等しくなる。これにより、封止部材97は、初期配置状態から相対突出量を増大する弾性変形の復元力により、相対突出量を低減して初期配置状態に戻る。なお、封止部材97は、溝部99の傾斜部99c,99dに乗り上げて溝部幅Wの狭い領域に押し込まれた状態となっているため、傾斜部99c,99dの傾斜面に沿って滑らかに且つ確実に初期配置状態に戻ることができる。
【0067】
ブロー成形されて膨らんだ金属パイプ材料14の外周面14fが下型11のキャビティ16に接触して急冷されると同時に、上型12のキャビティ24に接触して急冷(上型12と下型11は熱容量が大きく且つ低温に管理されているため、金属パイプ材料14が接触すればパイプ表面の熱が一気に金型側へと奪われる。)されて焼き入れが行われる。このような冷却法は、金型接触冷却又は金型冷却と呼ばれる。急冷された直後はオーステナイトがマルテンサイトに変態する(以下、オーステナイトがマルテンサイトに変態することをマルテンサイト変態とする)。冷却の後半は冷却速度が小さくなったので、復熱によりマルテンサイトが別の組織(トルースタイト、ソルバイト等)に変態する。従って、別途焼戻し処理を行う必要がない。また、本実施形態においては、金型冷却に代えて、あるいは金型冷却に加えて、冷却媒体を例えばキャビティ24内に供給することによって冷却が行われてもよい。例えば、マルテンサイト変態が始まる温度までは金型(上型12及び下型11)に金属パイプ材料14を接触させて冷却を行い、その後型開きすると共に冷却媒体(冷却用気体)を金属パイプ材料14へ吹き付けることにより、マルテンサイト変態を発生させてもよい。
【0068】
上述のように金属パイプ材料14に対してブロー成形を行った後に冷却を行い、型開きを行うことにより、例えば略矩形筒状の本体部を有する金属パイプを得る。
【0069】
〈成形装置の作用効果〉
以上説明したように、成形装置10によれば、ノズル44の封止部材97は、環状を呈し、金属パイプ材料14の端部14aの外周面14fを包囲する包囲部94の内周面94aに形成された環状の溝部99に配置されている。封止部材97は、作動部98により発生する加圧力によって金属パイプ材料14の外周面14fに向かって加圧され、その結果、初期配置状態から弾性変形することにより相対突出量Hを増大する。これにより、封止部材97が、金属パイプ材料14の端部14aの外周面14fに対して全周にわたって当接し、押し付けられることで、ノズル44と金属パイプ材料14とがシールされる。また、このとき、大きな押付け力でノズル44を金属パイプ材料14の端部14aに押し付ける必要がないため、金属パイプ材料14が座屈しにくい。よって、この成形装置10は、金属パイプ材料14の座屈を抑制しつつノズル44と金属パイプ材料14とをシールすることができる。
【0070】
成形装置10では、溝部99は、包囲部94の内周面94aの中心軸線Lに沿った方向D1における一方の側面である第1側面99a及び他方の側面である第2側面99bを有し、封止部材97は、第1側面99a及び第2側面99bのそれぞれと接するように配置され、包囲部94に包囲される空間を、溝部のうち当該封止部材97よりも内周面94aの径方向D2における外周側である外周側空間S1、及び、当該封止部材97よりも内周面94aの径方向D2における内周側である内周側空間S2に隔て、作動部98は、第2高圧ガスG2を外周側空間S1に供給する。これにより、第2高圧ガスG2が外周側空間S1に供給されることで、内周面94aの径方向D2における内周側に向かって、外周側空間S1の内圧に起因して封止部材97に働く力を、内周面94aの径方向D2における外周側に向かって、内周側空間S2の内圧に起因して封止部材97に働く力よりも大きくすることが可能となる。これにより、成形装置10は、封止部材97を金属パイプ材料14の端部14aの外周面14fに向かって加圧する加圧力を発生させることができる。
【0071】
成形装置10では、溝部99は、中心軸線Lから包囲部94の内周面94aの径方向に見て封止部材97が外周側空間S1に露出する面積である外周側露出面積よりも、中心軸線Lから内周面94aの径方向D2に見て封止部材97が内周側空間S2に露出する面積である内周側露出面積の方が小さくなるように形成される。これにより、外周側空間S1の内圧を受ける外周側露出面積よりも内周側空間S2の内圧を受ける内周側露出面積の方が小さくなるように溝部が形成されることで、内周面94aの径方向D2における内周側に向かって、外周側空間S1の内圧に起因して封止部材97に働く力を、内周面94aの径方向D2における外周側に向かって、内周側空間S2の内圧に起因して封止部材97に働く力よりも大きくすることが可能となる。これにより、成形装置10は、封止部材97を金属パイプ材料14の端部14aの外周面14fに向かって加圧する加圧力を発生させることができる。
【0072】
成形装置10では、第1側面99a及び第2側面99bは、中心軸線Lを含む断面において、第1側面99aと第2側面99bとの間の中心軸線Lに沿った方向D1の距離が内周面94aの径方向D2における外周側から内周側に向かって縮小するように傾斜する傾斜部99c,99dを有している。これにより、金属パイプ材料14の外周面14fに向かって加圧する加圧力を受けて封止部材97が包囲部94の内周面94aの径方向D2における内周側に向かって移動した場合、当該封止部材97は内周面94aの径方向D2における外周側に向かって働く反力を傾斜部99c,99dから受けることとなる。よって、成形装置10は、ノズル44と金属パイプ材料14とのシールをより確実に解除することができる。
【0073】
成形装置10では、ノズル44は、共通の気体供給源60から互いに同じ圧力の第1高圧ガスG1及び第2高圧ガスG2を供給される。これにより、加熱した金属パイプ材料14を膨張させるための第1高圧ガスG1を供給するノズル44が、封止部材97を金属パイプ材料14の外周面14fに向かって加圧するための第2高圧ガスG2を供給するノズル44を兼ねる。よって、成形装置10は、第2高圧ガスG2を供給する新たなノズル44を設ける必要がないため、装置構成の複雑化を抑制することができる。
【0074】
成形装置10は、金属パイプ材料14の内部14cに供給された第1高圧ガスG1によりノズル44が金属パイプ材料14の延在方向に沿って金属パイプ材料14から遠ざかる方向に押圧される押圧力を取得する押圧力取得部47と、ノズル44を金属パイプ材料14の延在方向に沿って進退させる進退機構48と、進退機構48を制御する制御部70と、を備え、制御部70は、押圧力取得部47により取得された押圧力に応じた押付け力でノズル44を金属パイプ材料14に近づく方向に押し付けるように進退機構48を制御する。金属パイプ材料14の内部14cに第1高圧ガスG1が供給されるにつれて、供給された第1高圧ガスG1によりノズル44が金属パイプ材料14から遠ざかる方向に押圧される押圧力が増大する。このとき、押圧力取得部47により押圧力が取得され、取得された押圧力に応じた押付け力で、進退機構48によりノズル44が金属パイプ材料14に近づく方向に押し付けられる。これにより、ノズル44が金属パイプ材料14の延在方向に沿って移動することが抑制されるため、成形装置10では、より確実にノズル44と金属パイプ材料14とのシールを維持することができる。
【0075】
上述した実施形態は、当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を施した様々な形態で実施することができる。
【0076】
例えば、封止部材97は、初期配置状態において、溝部99の内周面94aよりも当該内周面94aの径方向D2における内周側に突出していてもよい(すなわち、溝部99からはみ出していてもよい)。また、封止部材97は、初期配置状態において、金属パイプ材料14の外周面14fに接していてもよい。
【0077】
また、封止部材97は、弾性変形可能でなくてもよい。例えば、封止部材97は、第2高圧ガスG2の圧力では略変形しない剛性を有していてもよい。この場合であっても、作動部98により封止部材97が弾性変形せずに金属パイプ材料14の外周面14fに押し付けられることで、ノズル44と金属パイプ材料14とをシールすることができる。
【0078】
また、金属パイプ材料14の端部14aの開口14bを介して金属パイプ材料14の内部14cに供給される流体(第1流体)は、気体でなくてもよく、例えば液体であってもよい。同様に、外周側空間S1に供給される流体(第2流体)は、気体でなくてもよく、例えば流体であってもよい。
【0079】
また、第2ガス流路46bの形状及び位置は特に限定されない。例えば、第2ガス流路46bは、基体部92を通らずに、包囲部94のみを通るように形成されていてもよい。第2ガス流路46bは、溝部99の外周側空間S1から、包囲部94の径方向D2における外周側において、径方向D2に沿って形成されていてもよい。
【0080】
第2ガス流路46bは、第1ガス流路46aから分岐していなくてもよい。すなわち、第2ガス流路46bを流通する第2高圧ガスG2は、第1ガス流路46aを流通する第1高圧ガスG1から分流した気体でなくてもよい。この場合、成形装置10は、第1高圧ガスG1を供給する気体供給源60のほかに、第2高圧ガスG2を供給する気体供給源を更に備えていてもよい。換言すれば、ノズル44は、共通の気体供給源60から互いに同じ圧力の第1高圧ガスG1及び第2高圧ガスG2を供給されなくてもよい。
【0081】
また、第2高圧ガスG2の圧力は、第1高圧ガスG1の圧力よりも高くてもよい。これによれば、第1高圧ガスG1が供給される内周側空間S2の内圧よりも、第2高圧ガスG2が供給される外周側空間S1の内圧の方が高くなる。これにより、成形装置10は、封止部材97を金属パイプ材料14の端部14aの外周面14fに向かって加圧する加圧力をより確実に発生させることができる。
【0082】
このような構成を実現するために、例えば、成形装置10は、第1高圧ガスG1を供給する気体供給源60のほかに、第2高圧ガスG2を供給する気体供給源(流体供給源)を更に備えていてもよい。つまり、ノズル44は、別個の気体供給源(流体供給源)から、第1高圧ガスG1及び第2高圧ガスG2をそれぞれ供給されてもよい。これによれば、成形装置10は、第1高圧ガスG1の圧力及び第2高圧ガスG2の圧力をそれぞれ好適に調節することが可能となる。或いは、成形装置10は、共通の気体供給源60からノズル44に第1高圧ガスG1及び第2高圧ガスG2を供給するまでの供給ライン上で、第2高圧ガスG2の圧力が第1高圧ガスG1の圧力よりも高くなるように圧力調整を行ってもよい。
【0083】
また、作動部98は、封止部材97を金属パイプ材料14の外周面14fに向かって加圧することができればよく、第2高圧ガスG2を外周側空間S1に供給する第2ガス流路46bとは異なる構成であってもよい。この場合、封止部材97は必ずしも第1側面99a及び第2側面99bのそれぞれと接するように配置されていなくてもよく、また、溝部99は外周側露出面積よりも内周側露出面積の方が小さくなるように形成されていなくてもよい。
【0084】
また、成形装置10では、溝部99の第1側面99aは傾斜部99cを有する一方で、溝部99の第2側面99bは傾斜部99dを有していなくてもよい。或いは、成形装置10では、溝部99の第1側面99aは傾斜部99cを有していない一方で、溝部99の第2側面99bは傾斜部99dを有していてもよい。或いは、成形装置10では、溝部99の第1側面99aは傾斜部99cを有しておらず、且つ、溝部99の第2側面99bは傾斜部99dを有していていなくてもよい。
【0085】
また、制御部70は、押圧力取得部47により取得された押圧力に応じた押付け力でノズル44を金属パイプ材料14に近づく方向に押し付けるように進退機構48を制御しなくてもよく、この場合、成形装置10は、押圧力取得部47を備えていなくてもよい。
【0086】
また、封止部材97は、初期配置状態において、溝部99の内面のうち包囲部94の径方向D2における外周側の外周側内面99eと接するように配置されていてもよい(図3参照)。この場合、封止部材97は、外周側空間S1を当該封止部材97よりも包囲部94の内周面94aの中心軸線Lに沿った方向D1における一方側と他方側とに隔てることとなる。このとき、第2高圧ガスG2が、封止部材97により隔てられた外周側空間S1の一方側及び他方側の両方に供給されるようにするため、溝部99には、外周側空間S1の一方側及び他方側を接続する連絡流路が形成されていてもよい。連絡通路は、例えば、溝部99の外周側内面99eの一部に溝状又は貫通孔状に形成されていてもよい。
【符号の説明】
【0087】
10…成形装置、14…金属パイプ材料、14a…端部、14b…開口、14c…内部、14f…外周面、44…ノズル、47…押圧力取得部、48…進退機構、60…気体供給源(流体供給源)、70…制御部、94…包囲部、94a…内周面、97…封止部材、98…作動部、99…溝部、99a…第1側面、99b…第2側面、99c,99d…傾斜部、G1…第1高圧ガス(第1流体)、G2…第2高圧ガス(第2流体)、L…中心軸線、S1…外周側空間、S2…内周側空間。
図1
図2
図3
図4