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特許7155254心臓弁の石灰沈着を破砕するための衝撃器及び安定器
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  • 特許-心臓弁の石灰沈着を破砕するための衝撃器及び安定器 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-07
(45)【発行日】2022-10-18
(54)【発明の名称】心臓弁の石灰沈着を破砕するための衝撃器及び安定器
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/22 20060101AFI20221011BHJP
【FI】
A61B17/22
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2020517864
(86)(22)【出願日】2018-10-03
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-12-10
(86)【国際出願番号】 IB2018057667
(87)【国際公開番号】W WO2019069242
(87)【国際公開日】2019-04-11
【審査請求日】2021-04-06
(31)【優先権主張番号】15/723,379
(32)【優先日】2017-10-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】515184662
【氏名又は名称】ピ-カーディア・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100120112
【氏名又は名称】中西 基晴
(74)【代理人】
【識別番号】100146710
【弁理士】
【氏名又は名称】鐘ヶ江 幸男
(74)【代理人】
【識別番号】100163061
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 祐樹
(72)【発明者】
【氏名】ゴラン,エレズ
(72)【発明者】
【氏名】ガル-オル,オフィル
(72)【発明者】
【氏名】メイリ,オデド
(72)【発明者】
【氏名】レビ,ロニー
(72)【発明者】
【氏名】カルニ,シャイ
【審査官】山口 賢一
(56)【参考文献】
【文献】特表2015-502809(JP,A)
【文献】国際公開第2013/085934(WO,A1)
【文献】国際公開第2016/049529(WO,A1)
【文献】特表2017-529222(JP,A)
【文献】特表2006-500967(JP,A)
【文献】特開2016-221081(JP,A)
【文献】特開2013-128789(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2005/0165442(US,A1)
【文献】特表平08-503154(JP,A)
【文献】国際公開第2011/069025(WO,A1)
【文献】米国特許第06306163(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 17/22
A61F 2/01
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
心臓弁の石灰沈着を破砕するためのデバイスであって、
互いに向けて移動可能な安定器(10)及び衝撃器(12)を含み、前記衝撃器(12)は、複数の衝撃器アーム(16)を含み、その各々が近位キャップ(24)から遠位に延び、
前記衝撃器(12)は、複数のレバーアーム(28)を更に含み、その各々が遠位においてレバーキャップ(30)に結合され、近位において前記複数の衝撃器アーム(16)のうちの対応する1つに結合され、
前記レバーキャップ(30)は、前記近位キャップ(24)に向けて延びるシャフト(34)上を摺動するために配置され、
前記近位キャップ(24)に向けた前記レバーキャップ(30)の近位移動は、前記複数のレバーアーム(28)が変形して前記複数の衝撃器アーム(16)を押圧するのを引き起こし、前記複数の衝撃器アーム(16)が変形するのを引き起こし、
前記安定器(10)及び前記衝撃器(12)の間に弁尖が挟まれ、
前記安定器(10)が拡張されることで、前記複数の衝撃器アーム(16)は展開され、
前記安定器(10)及び前記衝撃器(12)の互いに向けた移動によって、前記複数の衝撃器アーム(16)の内方に前記弁尖の石灰沈着が挟まれ、前記複数の衝撃器アーム(16)が内側に向かって閉じることで、前記弁尖の石灰沈着を破砕することができ、
前記複数の衝撃器アーム(16)の各々は、ピボット(26)が形成されたアーム部材(22)を含む、デバイス。
【請求項2】
前記複数のレバーアーム(28)の各々は、ピボット(32)が形成される、請求項1に記載のデバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、大動脈弁尖などの心臓弁の石灰沈着を破砕するためのデバイス及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
本譲受人に譲渡されたPCT特許出願であるPCT/US2010/058810及びPCT/US2012/067812は、心臓弁の石灰沈着(calcification)を破砕するためのデバイスを説明している。デバイスは、拡張可能な安定器、衝撃器シャフト及び内部シャフト(全て外部シャフトに配設される)を有するカテーテルを含む。拡張可能な衝撃器アームは、衝撃器シャフトに実装される。内部シャフトは、移動可能であり、衝撃器アームが外向きに拡張して拡張形状でロックされるのを引き起こす。衝撃要素は、移動可能であり、衝撃器アームに対する特定の位置で安定器によって固定される組織に位置する石灰沈着を破砕するように、衝撃器アームが、拡張形状である間、十分なエネルギで組織に向けて移動するのを引き起こす。内部シャフトは、衝撃器アームが固定されるように、衝撃器シャフトに対してロック可能であることがある。
【0003】
これらの従来技術のデバイスの使用についての簡単な説明は、次の通りである。カテーテルは、ガイドワイヤを介して、逆行性アプローチを用いて、抹消動脈などの血管を通り、大動脈弓を通って大動脈弁の直ぐ上の上行大動脈に送達されることがある。外部シャフトは、拡張可能な安定器が拡張して開くように、収縮される。安定器は、カテーテルの遠位部分を弁尖の直ぐ上の洞に案内、位置決め、及び係留するために使用される。衝撃器シャフトは、折り畳まれた衝撃器アームを含んでおり、その後に、弁の中心を通って左心室の中に前方(遠位)に押圧される。前方に押圧されると、衝撃器アームは、弁を容易に横切れるように折り畳まれる。内部シャフトは、その後に、衝撃器アームが外向きに横に開く(拡張)のを引き起こすために、また、拡張形状でそれらをロックするために、近位に引かれる。衝撃器及び内部シャフトは、弁尖が安定器(大動脈の側から弁尖と接触する可能性のある)及び衝撃器アーム(心室の側から弁尖と接触する可能性のある、又はその逆)で「サンドイッチにされる」ように操作される。弁尖の石灰沈着を破砕する目的で、衝撃器アームは、石灰沈着に衝撃を与えるために、弁尖の組織に向けて急激に引かれ、安定器は、アンビルとして機能する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】PCT/US2010/058810
【文献】PCT/US2012/067812
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、経カテーテル弁インプラントのためのスタンドアロン処置、ブリッジ処置、又は、「着地ゾーン」の準備のいずれかとして、弁尖の柔軟性及び可動性を高める目的で、大動脈弁の弁尖の石灰沈着を破砕するために使用され得る更なる衝撃器デバイスを提供することを探求する。
【0006】
用語「破砕」は、破砕、粉砕、破壊、細砕、チョッピング及び同様のもの(それらに限定されない)などの、サイズにおける任意の種類の減少、又は、形状若しくは形態における任意の修正を指す。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の実施形態に従って提供されるのは、心臓弁の石灰沈着を破砕するためのデバイスであって、必須ではないがガイドワイヤ上などで互いに向けて移動可能な安定器及び衝撃器を含み、衝撃器は、1つ又は複数の衝撃器アームを含み、その各々が近位キャップから遠位に延び、衝撃器は、1つ又は複数のレバーアームを更に含み、その各々が遠位においてレバーキャップに結合され、近位において1つ又は複数の衝撃器アームのうちの対応する1つに結合され、レバーキャップは、近位キャップに向けて延びるシャフト上を摺動するために配置され、近位キャップに向けたレバーキャップの近位移動は、1つ又は複数のレバーアームが変形して1つ又は複数の衝撃器アームを押圧するのを引き起こし、1つ又は複数の衝撃器アームが変形するのを引き起こす。
【0008】
本発明の非限定的な実施形態に従って、1つ又は複数のレバーアームの各々は、ピボットが形成される。
【0009】
本発明の非限定的な実施形態に従って、1つ又は複数の衝撃器アームの各々は、ピボットが形成されたアーム部材を含む。
【0010】
本発明の非限定的な実施形態に従って、制限器は、1つ又は複数の衝撃器アームの一部分(例えば、遠位)に結合され、制限器は、1つ又は複数の衝撃器アームの遠位部分の半径方向外向きの拡張の量を制御する。
【0011】
本発明の非限定的な実施形態に従って、1つ又は複数の衝撃器アームが、近位キャップに向けたレバーキャップの近位移動によって変形するとき、1つ又は複数の衝撃器アームの遠位部分は、半径方向外向きに拡張しない。
【0012】
本発明の非限定的な実施形態に従って、安定器は、衝撃器との係合のための嵌合構造(mating structure)を含む。
【0013】
本発明の非限定的な実施形態に従って、嵌合構造は、安定器の近位端部ピースから近位に突出する位置合わせ突起(registration lug)を含み、位置合わせ突起は、1つ又は複数のレバーアームに形成された溝に移動して入るために配置される。
【0014】
本発明の非限定的な実施形態に従って、1つ又は複数の衝撃器アームの各々は、丸みを帯びた合流部で合流する支柱を含む。
【0015】
本発明は、図面と併せて解釈される次の詳細な説明からより完全に理解され認識されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の非限定的な実施形態に従った、ガイドワイヤ上に送達された安定器及び衝撃器の単純化された絵のような図である。
図2】大動脈弁などの弁の弁尖上に位置決めされた衝撃器の単純化された絵のような図であって、このケースでは、安定器が、最初に逆行性送達で上行大動脈を通して大動脈起始部に、そして、大動脈輪を通して左心室に送達され、衝撃器が、安定器が弁尖の下方にあり、衝撃器が弁尖の上方にあるように、同じガイドワイヤの上で上行大動脈を通して大動脈起始部に送達された、図である。
図3】安定器及び衝撃器を互いに向けて移動させる、弁尖が安定器及び衝撃器でサンドイッチにされる、単純化された絵のような図である。
図4】衝撃器の衝撃器アームを展開させるために活動する安定器を拡張させる、単純化された絵のような図である。
図5A】拡張前(即ち、収縮配向)の衝撃器の単純化された絵のような図である。
図5B】拡張後(即ち、拡張配向)の衝撃器の単純化された絵のような図である。
図6】衝撃器との係合のための嵌合構造を示す安定器の単純化された絵のような図である。
図7A】嵌合構造が安定器を衝撃器に関してどのように位置合わせするかを示す、安定器の、衝撃器との係合の単純化された拡大図である。
図7B】嵌合構造が安定器を衝撃器に関してどのように位置合わせするかを示す、安定器の、衝撃器との係合の単純化された拡大図である。
図8】本発明の1つの非限定的な実施形態における衝撃器の衝撃器アームの構造の単純化された拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
先ず、本発明の安定器及び衝撃器並びに1つの可能的な引渡しについての全般的な説明は、図1から図4を参照して説明される。安定器及び衝撃器のより詳細な説明は、次いで、図5Aから図6を参照して続く。
【0018】
参照は、ここで図1から図4について行われ、それらは、本発明の非限定的な実施形態に従ってガイドワイヤ14を介して送達(図示しない送達カテーテルなどで)されることのある安定器(stabilizer)10及び衝撃器(impactor)12を示す。
【0019】
ガイドワイヤ14は、最初に、逆行性アプローチを用いて、末梢動脈などの血管を通り、大動脈弓を通って上行大動脈に、次いで、大動脈弁を通って左心室に移動される。送達カテーテルは、次いで、ガイドワイヤ14を介して移動し、安定器10を、上行大動脈を通して大動脈起始部に、そして、大動脈輪を通して(大動脈弁の下方の)左心室に送達する。衝撃器12は、同じガイドワイヤ14を介して上行大動脈を通して、次いで、洞上行大動脈移行部を通して、大動脈起始部の(大動脈弁のカスプの直ぐ上の)バルサルバ洞に送達されることがあり、したがって、衝撃器12は、弁尖の上方にあり、安定器10は、弁尖の下方にある(図2図4の位置)。
【0020】
図3では、安定器10及び衝撃器12は、互いに向かって移動される。例えば、安定器10は、衝撃器12に向けて近位に移動されることがある。衝撃器12は、安定器10に向けて遠位に移動されることがある。或いは、安定器10は、衝撃器12に向けて近位に移動されることがあり、衝撃器12は、安定器10に向けて遠位に移動されることがある。全ての場合に、弁尖(leaflet)は、安定器10及び衝撃器12でサンドイッチにされる。
【0021】
図4では、安定器10は、拡張されて、衝撃器12の衝撃器アームを展開するために活動する。安定器10及び衝撃器12の互いに向けた動きは、弁尖の石灰沈着を破砕する。弁尖の石灰沈着の破砕後に、安定器10及び衝撃器12は、ガイドワイヤ14を介してそれらを近位に動かして、その後に、ガイドワイヤ14を取り除くことによって、取り除かれることがある。
【0022】
参照は、ここで図5A及び図5Bについて行われ、それらは、本発明の非限定的な実施形態に従って衝撃器12を示す。
【0023】
衝撃器12は、1つ又は複数の衝撃器アーム16を含む。例示された実施形態では、3つの衝撃器アーム16が存在し、三尖弁(tricuspid valve)に適しているが、本発明は、他の数のアームで実行されることがある。各アーム16は、2つの支柱18から構成されることがあり、それらは、丸みを帯びた端部キャップなどの合流部(junction)20で合流し、それは、溶接、ろう付け、結合又は他の接合技術(それらに限定されない)などによって支柱18に固定されることがあり、或いは、支柱と共にワンピース(one piece)であることがある。合流部20の真円度は、デバイスの動作中に組織を貫通するのを防止するのに役立つことがある。
【0024】
各支柱18は、アーム部材22に結合されたワイヤ、ロッド、ストリップ、細いビーム及び同様のもの(それらに限定されない)などの細長い部材を含むことがある。アーム部材22は、支柱18の近位端部から近位キャップ24まで延び、また、支柱18の近位端部及び近位キャップ24の中間にピボット26が形成される。ピボット26は、スコアライン、薄めの部分、弱化した部分及び同様のものであることがあり、収縮配向から拡張配向まで拡張されたときに、アーム部材22が屈曲又は座屈するのを可能にする。図8は、ピボット26の1つの可能な構造を示し、アーム部材22の近位部分は、ピボット26として機能する薄めの部分を有し、アーム部材22の遠位部分に溶接又は別の方法で接合されるフラップ27で終端する。勿論、アーム部材22は、ワンピース構造又は他の構造であることがある。アーム部材22が、十分な長さと、それ自体が支柱になる(そして、合流部20で終わる)程度の剛性と、を有することがあり、また、支柱をアーム部材に結合する必要がないことに留意されたい。
【0025】
衝撃器12は、1つ又は複数のレバーアーム28を含む。例示された実施形態では、3つのレバーアーム28が存在するが、本発明は、他の数のレバーアームで実行されることがある。好ましくは、部材22に対するレバーアーム28が、1対1の関係である。レバーアーム28の遠位端部は、レバーキャップ30に結合されることがあり、レバーアーム28の近位端部の各々は、対応するアーム部材22の近位部分に結合されることがある。各レバーアーム28は、レバーアーム28の近位端部及び遠位端部の中間にピボット32が形成される。ピボット32は、スコアライン、薄めの部分、弱化した部分及び同様のものであることがあり、拡張中にレバーアーム28が屈曲又は座屈するのを可能にする。レバーキャップ30は、近位キャップ24に向けて(近位キャップ24に届くか又は届かないかのどちらかで)延びる(入れ子式であることがある)シャフト34上を摺動するために構成されることがある。知られているのは、衝撃器アーム16及びレバーアーム28が、それらの弾性又は可撓性のために、ピボットがなくても外向きに変形(制限なしに、屈曲、湾曲、又は座屈等々)することがある、ということである。ピボットは、それらが屈曲、湾曲又は座屈する場所を規定するのに役立つ。
【0026】
制限器(limiter)36は、取り付け穴に又は任意の他の適切な方法で組み立てることなどにより、アーム部材22の(例えば、遠位)部分に結合されることがある。制限器36、並びに、デバイスの任意の他の部分(衝撃器及び安定器の双方)は、ニチノール又はステンレス鋼或いは任意の他の適切な材料から作製されることがある。
【0027】
図5Aは、収縮配向の衝撃器12を示す。衝撃器アーム16を図5Bの拡張配向まで拡張する目的で、レバーキャップ30は、近位キャップ24に向けて近位に移動され、レバーアーム28が変形する(例えば、ピボット32で半径方向外向きに屈曲又は座屈する)。レバーアーム28の近位部分の外向きの動きは、アーム部材22の近位部分を外向き且つ近位に(図5A及び図5Bの意味で上向きに)押圧し、アーム部材22は、変形する(例えば、ピボット26で屈曲又は座屈する)。一実施形態では、アーム部材22の遠位部分は、半径方向外向きに拡張することがあるが、好適な実施形態では、アーム部材22の遠位部分は、半径方向外向きに拡張せず、寧ろ、略同じ半径方向位置のままであるか又は半径方向内向きに収縮するかである。アーム部材22の遠位部分の半径方向外向きの拡張の量は、制限器36によって制御される。制限器36は、中間屈曲部38が形成されることがあり、それは、衝撃器アーム16が拡張されるとき、伸展して真っ直ぐになる。
【0028】
ここで、安定器10を示す図6について参照する。安定器10は、複数の可撓性部材40で形成されてもよく、それらは、外向きに拡張され得るウェブ、メッシュトラス又は同様の構造を形成してもよい。可撓性部材40の遠位端部は、遠位端部ピース42に結合されてもよく、可撓性部材40の近位端部は、近位端部ピース44に結合されてもよい。安定器10は、近位端部ピース44から近位に突出する弾性フィンガなどの複数の位置合わせ突起46が形成されてもよい。近位端部ピース44及び位置合わせ突起46は、図7A及び図7Bの拡大図を参照してここで説明されるように、衝撃器12との係合のための嵌合構造を一緒に形成する。
【0029】
図7Aでは、安定器10及び衝撃器12は、互いに向けて移動された。位置合わせ突起46は、近位端部ピース44から近位に突出しており、レバーアーム28のレバーキャップ30の内側半径方向隙間を通過し、レバーアーム28の遠位部分に形成された溝48に受容される。溝48は、それらに限定されないが、ノッチ、アパーチャ、窪み、チャネル及び同様のものなどの、レバーアームの全厚を通るか又は全厚を通らない(即ち、隠れた)、任意の種類の切取り部であることがある。
【0030】
安定器10(位置合わせ突起46の、レバーキャップ30との係合を介して)は、レバーキャップ30が近位キャップ24に向けて近位に移動するのを引き起こし、それは、レバーアーム28が半径方向外向きに屈曲又は座屈するのを引き起こし、アーム部材22の近位部分を外向き且つ近位に押圧する。アーム部材22は、ピボット26で屈曲又は座屈する。衝撃器12は、ここに弁尖の石灰沈着を破砕する準備ができている。
【0031】
位置合わせ突起46及び溝48は、自己整列してもよい。即ち、位置合わせ突起46は、溝48に摺動して入るように、円周方向に幾らか回転してもよい。位置合わせ突起46の、溝48との位置合わせは、衝撃器アーム16が、石灰沈着の上に、それらを破壊する目的で、適切に配置されるように、衝撃器アーム16の、弁の弁尖との適切な位置合わせを達成するのに役立つことがある。
【0032】
用語「破砕」は、破砕、粉砕、スコーリング、破壊、細砕、チョッピング及び同様のもの(それらに限定されない)などの、サイズにおける任意の種類の減少、又は、形状若しくは形態における任意の修正を指す。
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図6
図7A
図7B
図8