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特許7155292高いアイソスタティック強度のハニカム構造およびハニカム構造用の押出ダイ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-07
(45)【発行日】2022-10-18
(54)【発明の名称】高いアイソスタティック強度のハニカム構造およびハニカム構造用の押出ダイ
(51)【国際特許分類】
   B28B 3/26 20060101AFI20221011BHJP
   B28B 3/20 20060101ALI20221011BHJP
   B01D 39/20 20060101ALI20221011BHJP
【FI】
B28B3/26 A
B28B3/20 E
B01D39/20 D
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2020561865
(86)(22)【出願日】2019-05-03
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-11-25
(86)【国際出願番号】 US2019030663
(87)【国際公開番号】W WO2019213569
(87)【国際公開日】2019-11-07
【審査請求日】2021-05-27
(31)【優先権主張番号】62/667,365
(32)【優先日】2018-05-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】397068274
【氏名又は名称】コーニング インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100073184
【弁理士】
【氏名又は名称】柳田 征史
(74)【代理人】
【識別番号】100123652
【弁理士】
【氏名又は名称】坂野 博行
(74)【代理人】
【識別番号】100175042
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 秀明
(72)【発明者】
【氏名】ブリュー,トーマス ウィリアム
(72)【発明者】
【氏名】ジャイン,プリヤンク パラス
(72)【発明者】
【氏名】コドセヴィッチ,コンスタンティン ウラジミロヴィッチ
(72)【発明者】
【氏名】ラーソン,ジョン エム
【審査官】末松 佳記
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2017/218478(WO,A1)
【文献】特開2010-227846(JP,A)
【文献】特開2005-270969(JP,A)
【文献】特開2012-210610(JP,A)
【文献】特表2007-519505(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B28B 3/00-3/26
B01D 39/20
B01D 46/00-46/90
F01N 3/022
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハニカム構造であって、
前記ハニカム構造の入口端と出口端との間に延在する交差した多孔質壁と、
前記交差した多孔質壁により形成される入口通路および出口通路であって、前記入口通路が入口水力直径HDiを含み、前記出口通路が出口水力直径HDoを含み、前記入口通路が、入口角隅半径Riを有する入口角隅を含み、前記出口通路が、出口角隅半径Roを有する出口角隅を含む、入口通路および出口通路と、
2つの前記入口通路の隣接する対向した入口角隅と、2つの前記出口通路の隣接する対向した出口角隅とにより画定されたセンタポストであって、
前記2つの出口通路の前記隣接する対向した出口角隅の間の最短距離である第1の対角線長さD1、
前記2つの入口通路の前記隣接する対向した入口角隅の間の最短距離である第2の対角線長さD2、
水力直径比HDi:HDoが1.4~1.6の範囲にある場合に、2.7未満であるアスペクト比D1:D2、ならびに
前記水力直径比HDi:HDoが1.2~1.4未満の範囲にある場合に、2.2未満である前記アスペクト比D1:D2および7ミル(0.18mm)未満である前記出口角隅半径Roを含む、センタポストと
を含
半径比Ri:Roが2.5~3.5の範囲にある、
ハニカム構造。
【請求項2】
ハニカム構造であって、
前記ハニカム構造の入口端と出口端との間に延在する交差した多孔質壁と、
前記交差した多孔質壁により形成される入口通路および出口通路であって、前記入口通路の入口水力直径が、前記出口通路の出口水力直径よりも大きく、前記入口通路が、10ミル(0.25mm)~14ミル(0.36mm)の範囲の入口角隅半径Riを有する入口角隅を含み、前記出口通路が、5ミル(0.13mm)~7ミル(0.18mm)の範囲の出口角隅半径Roを有する出口角隅を含む、入口通路および出口通路と、
2つの前記入口通路の隣接する対向した入口角隅と、2つの前記出口通路の隣接する対向した出口角隅とにより画定されたセンタポストと、
前記2つの出口通路の前記対向した出口角隅の間の最短距離である第1の対角線長さD1であって、D1が25ミル(0.64mm)~31ミル(0.79mm)の範囲にある、第1の対角線長さD1と、
前記2つの入口通路の前記対向した入口角隅の間の最短距離である第2の対角線長さD2であって、D2が12ミル(0.30mm)~18ミル(0.46mm)の範囲にある、第2の対角線長さD2と、
1.6~2.0の範囲の前記センタポストのアスペクト比D1:D2と、
250cpsi(39cpscm)~350cpsi(54cpscm)未満の範囲の通路密度と
を含
半径比Ri:Roが2.5~3.5の範囲にある、
ハニカム構造。
【請求項3】
ハニカム構造であって、
前記ハニカム構造の入口端と出口端との間に延在する交差した多孔質壁と、
前記交差した多孔質壁により形成される入口通路および出口通路であって、前記入口通路の入口水力直径が、前記出口通路の出口水力直径よりも大きく、前記入口通路が、16ミル(0.41mm)~20ミル(0.51mm)の範囲の入口角隅半径Riを有する入口角隅を含み、前記出口通路が、4ミル(0.10mm)~7ミル(0.18mm)の範囲の出口角隅半径Roを有する出口角隅を含む、入口通路および出口通路と、
2つの前記入口通路の隣接する対向した入口角隅と、2つの前記出口通路の隣接する対向した出口角隅とにより画定されたセンタポストと、
前記2つの出口通路の前記対向した出口角隅の間の最短距離である第1の対角線長さD1であって、D1が26ミル(0.66mm)~32ミル(0.81mm)の範囲にある、第1の対角線長さD1と、
前記2つの入口通路の前記対向した入口角隅の間の最短距離である第2の対角線長さD2であって、D2が10ミル(0.25mm)~16ミル(0.41mm)の範囲にある、第2の対角線長さD2と、
1.9~2.5の範囲の前記センタポストのアスペクト比D1:D2と、
350cpsi(54cpscm)~450cpsi(70cpscm)の範囲の通路密度と
を含
半径比Ri:Roが2.5~3.5の範囲にある、
ハニカム構造。
【請求項4】
ハニカム押出ダイであって、
交差したスロットを形成するように配置されたダイピンであって、前記ダイピンが、入口ピンおよび出口ピンを含み、前記入口ピンの断面積が、前記出口ピンの断面積よりも大きく、前記入口ピンが、10ミル(0.25mm)~14ミル(0.36mm)の範囲の入口角隅半径Riを含み、前記出口ピンが、5ミル(0.13mm)~7ミル(0.18mm)の範囲の出口角隅半径Roを含む、ダイピンと、
2つの前記入口ピンの対向した入口角隅の間および2つの前記出口ピンの対向した出口角隅の間に配置されたセンタポストスロットと、
前記2つの出口ピンの前記対向した出口角隅の間の最短距離である第1の対角スロット長さDS1であって、DS1が26ミル(0.66mm)~32ミル(0.81mm)の範囲にある、第1の対角スロット長さDS1と、
前記2つの入口ピンの前記対向した入口角隅の間の最短距離である第2の対角スロット長さDS2であって、DS2が12ミル(0.30mm)~18ミル(0.46mm)の範囲にある、第2の対角スロット長さDS2と、
1.6~2.0の範囲にある比DS1:DS2と、
250ダイピン/平方インチ(dppsi)(39ダイピン/平方センチメートル(dppscm))~350dppsi(54dppscm)未満の範囲のダイピン密度と
を含
半径比Ri:Roが2.5~3.5の範囲にある、
ハニカム押出ダイ。
【請求項5】
ハニカム押出ダイであって、
交差したスロットを形成するように配置されたダイピンであって、前記ダイピンが、入口ピンおよび出口ピンを含み、前記入口ピンの断面積が、前記出口ピンの断面積よりも大きく、前記出口ピンが、4ミル(0.10mm)~7ミル(0.18mm)の範囲の出口角隅半径Roを含み、前記入口ピンが、16ミル(0.41mm)~20ミル(0.51mm)の範囲の入口角隅半径Riを含む、ダイピンと、
2つの前記入口ピンの対向した入口角隅と2つの前記出口ピンの対向した出口角隅との間に配置されたセンタポストスロットと、
前記2つの出口ピンの前記対向した出口角隅の間の最短距離である第1の対角スロット長さDS1であって、DS1が26ミル(0.66mm)~32ミル(0.81mm)の範囲にある、第1の対角スロット長さDS1と、
前記2つの入口ピンの前記対向した入口角隅の間の最短距離である第2の対角スロット長さDS2であって、DS2が10ミル(0.25mm)~16ミル(0.41mm)の範囲にある、第2の対角スロット長さDS2と、
1.9~2.5の範囲にあるアスペクト比DS1:DS2と、
350ダイピン/平方インチ(dppsi)(54ダイピン/平方センチメートル(dppscm))~450dppsi(70dppscm)の範囲のダイピン密度と
を含
半径比Ri:Roが2.5~3.5の範囲にある、
ハニカム押出ダイ。
【発明の詳細な説明】
【関連出願】
【0001】
本願は、2018年5月4日に出願された「High Isostatic Strength Honeycomb Structures And Extrusion Dies Therefor」(整理番号SP18-145PZ)という発明の名称の米国仮特許出願第62/667,365号明細書からの優先権を主張し、これにより、同号は、あらゆる目的のために、その内容全体を参照により本明細書に援用するものとする。
【技術分野】
【0002】
本開示の実施形態は、ハニカム本体およびハニカム構造、より具体的には、高いアイソスタティック(ISO)強度を有するセラミックハニカム本体に関する。
【背景技術】
【0003】
比較的薄い壁厚を有する設計のセラミックハニカム本体は、排気後処理システムにおいて利用することができる。
【発明の概要】
【0004】
本開示の実施形態は、ハニカム構造およびハニカム本体を提供する。
【0005】
別の実施形態では、本開示は、ハニカム構造およびハニカム本体を製造する方法も提供する。
【0006】
更なる実施形態では、本開示は、本明細書に記載したハニカム構造およびハニカム本体の製造に適した押出ダイも提供する。
【0007】
本開示の実施形態は、増大させられたISO強度を有しかつ非対称セル通路、つまり、相対的に大きな水力直径を含むセル通路と相対的に小さな水力直径を含むセル通路とを含むハニカム構造およびハニカム本体をさらに提供する。
【0008】
本開示の幾つかの実施形態は、入口通路および出口通路を含むハニカム構造を提供する。ハニカム構造は、ハニカム構造の入口端と出口端との間に延在する交差した多孔質壁と、交差した多孔質壁により形成される入口通路および出口通路であって、入口通路が入口水力直径HDiを含み、出口通路が出口水力直径HDoを含む、入口通路および出口通路とを含む。入口通路は、入口角隅半径Riを有する入口角隅を含み、出口通路は、出口角隅半径Roを有する出口角隅を含む。2つの入口通路の隣接する対向した入口角隅と、2つの出口通路の隣接する対向した出口角隅とにより、センタポスト(centerpost)が画定され、センタポストは、2つの出口通路の隣接する対向した出口角隅の間の最短距離である第1の対角線長さD1と、2つの入口通路の隣接する対向した入口角隅の間の最短距離である第2の対角線長さD2とを含む。ハニカム構造は、水力直径比HDi:HDoが1.4~1.6の範囲にある場合に、2.7未満であるアスペクト比D1:D2と、水力直径比HDi:HDoが1.2~1.4未満の範囲にある場合に、2.0未満であるアスペクト比D1:D2および7ミル(0.18mm)未満である出口角隅半径Roとをさらに含む。
【0009】
本開示の別の実施形態は、250cpsi(39cpscm)~350cpsi(54cpscm)未満の範囲の通路密度を含むハニカム構造を提供する。ハニカム構造は、ハニカム構造の入口端と出口端との間に延在する交差した多孔質壁と、交差した多孔質壁により形成される入口通路および出口通路であって、入口通路の入口水力直径が、出口通路の出口水力直径よりも大きく、入口通路が、10ミル(0.25mm)~14ミル(0.36mm)の範囲の入口角隅半径Riを有する入口角隅を含み、出口通路が、5ミル(0.13mm)~7ミル(0.18mm)の範囲の出口角隅半径Roを有する出口角隅を含む、入口通路および出口通路と、2つの入口通路の隣接する対向した入口角隅と、2つの出口通路の隣接する対向した出口角隅とにより画定されたセンタポストと、2つの出口通路の対向した出口角隅の間の最短距離であるセンタポストの第1の対角線長さD1であって、D1が25ミル(0.64mm)~31ミル(0.79mm)の範囲にある、第1の対角線長さD1と、2つの入口通路の対向した入口角隅の間の最短距離である第2の対角線長さD2であって、D2が12ミル(0.30mm)~18ミル(0.46mm)の範囲にある、第2の対角線長さD2と、1.6~2.0の範囲のセンタポストのアスペクト比D1:D2と、250cpsi(39cpscm)~350cpsi(54cpscm)未満の範囲の通路密度とを含む。
【0010】
本開示の別の実施形態は、350cpsi(54cpscm)~450cpsi(70cpscm)の範囲の通路密度を含むハニカム構造を提供する。ハニカム構造は、ハニカム構造の入口端と出口端との間に延在する交差した多孔質壁と、交差した多孔質壁により形成される入口通路および出口通路であって、入口通路の入口水力直径が、出口通路の出口水力直径よりも大きく、入口通路が、16ミル(0.41mm)~20ミル(0.51mm)の範囲の入口角隅半径Riを有する入口角隅を含み、出口通路が、4ミル(0.10mm)~7ミル(0.18mm)の範囲の出口角隅半径Roを有する出口角隅を含む、入口通路および出口通路と、2つの入口通路の隣接する対向した入口角隅と、2つの出口通路の隣接する対向した出口角隅とにより画定されたセンタポストと、2つの出口通路の対向した出口角隅の間の最短距離である第1の対角線長さD1であって、D1が26ミル(0.66mm)~32ミル(0.81mm)の範囲にある、第1の対角線長さD1と、2つの入口通路の対向した入口角隅の間の最短距離である第2の対角線長さD2であって、D2が10ミル(0.25mm)~16ミル(0.41mm)の範囲にある、第2の対角線長さD2と、1.9~2.5の範囲のセンタポストのアスペクト比D1:D2と、350cpsi(54cpscm)~450cpsi(70cpscm)の範囲の通路密度とを含む。
【0011】
別の実施形態では、ハニカム押出ダイが提供される。ハニカム押出ダイは、交差したスロットを形成するように配置されたダイピンであって、ダイピンが、入口ピンおよび出口ピンを含み、入口ピンの断面積が、出口ピンの断面積よりも大きく、入口ピンが、10ミル(0.25mm)~14ミル(0.36mm)の範囲の入口角隅半径Riを含み、出口ピンが、5ミル(0.13mm)~7ミル(0.18mm)の範囲の出口角隅半径Roを含む、ダイピンと、2つの入口ピンの対向した入口角隅の間および2つの出口ピンの対向した出口角隅の間に配置されたセンタポストスロットと、2つの出口ピンの対向した出口角隅の間の最短距離である第1の対角スロット長さDS1であって、DS1が26ミル(0.66mm)~32ミル(0.81mm)の範囲にある、第1の対角スロット長さDS1と、2つの入口ピンの対向した入口角隅の間の最短距離である第2の対角スロット長さDS2であって、DS2が12ミル(0.30mm)~18ミル(0.46mm)の範囲にある、第2の対角スロット長さDS2と、1.6~2.0の範囲にあるアスペクト比DS1:DS2と、250ダイピン/平方インチ(dppsi)(39ダイピン/平方センチメートル(dppscm))~350dppsi(54dppscm)未満の範囲のダイピン密度と含む。
【0012】
ハニカム押出ダイの別の実施形態は、交差したスロットを形成するように配置されたダイピンであって、ダイピンが、入口ピンおよび出口ピンを含み、入口ピンの断面積が、出口ピンの断面積よりも大きく、出口ピンが、4ミル(0.10mm)~7ミル(0.18mm)の範囲の出口角隅半径Roを含み、入口ピンが、16ミル(0.41mm)~20ミル(0.51mm)の範囲の入口角隅半径Riを含む、ダイピンと、2つの入口ピンの対向した入口角隅の間および2つの出口ピンの対向した出口角隅の間に配置されたセンタポストスロットと、2つの出口ピンの対向した出口角隅の間の最短距離である第1の対角スロット長さDS1であって、DS1が26ミル(0.66mm)~32ミル(0.81mm)の範囲にある、第1の対角スロット長さDS1と、2つの入口ピンの対向した入口角隅の間の最短距離である第2の対角スロット長さDS2であって、DS2が10ミル(0.25mm)~16ミル(0.41mm)の範囲にある、第2の対角スロット長さDS2と、1.9~2.5の範囲にあるアスペクト比DS1:DS2と、350dppsi(54ダイピン/平方センチメートル(dppscm))~450dppsi(70dppscm)の範囲のダイピン密度と含む。
【0013】
本開示の別の実施形態は、ハニカム構造を含むハニカム本体を提供する。ハニカム構造は、ハニカム構造の入口端と出口端との間に延在する交差した多孔質壁と、交差した多孔質壁により形成される入口通路および出口通路であって、入口通路が入口水力直径HDiを含み、出口通路が出口水力直径HDoを含み、入口通路が、入口角隅半径Riを有する入口角隅を含み、出口通路が、出口角隅半径Roを有する出口角隅を含む、入口通路および出口通路と、2つの入口通路の隣接する対向した入口角隅と、2つの出口通路の隣接する対向した出口角隅とにより画定されたセンタポストであって、隣接する対向した出口角隅の間の最短距離である第1の対角線長さD1、隣接する対向した入口角隅の間の最短距離である第2の対角線長さD2、水力直径比HDi:HDoが1.4~1.6の範囲にあり、かつ通路密度が350cpsi(54cpscm)~450cpsi(70cpscm)の範囲にある場合に、2.7未満のアスペクト比D1:D2、ならびに水力直径比HDi:HDoが1.2~1.4未満の範囲にあり、かつ通路密度が250cpsi(39cpscm)~350cpsi(54cpscm)未満の範囲にある場合に、2.0未満のアスペクト比D1:D2および7ミル未満の出口角隅半径Roを含む、センタポストとを含む。
【0014】
本開示の付加的な特徴は、以下の説明に記載してあり、その説明から部分的に明らかであるかまたは本開示の実施により教示されてよい。
【図面の簡単な説明】
【0015】
本開示の更なる理解をもたらすために含めるとともに、本明細書に組み込んでその一部を構成する添付の図面は、本開示の実施形態を示しており、明細書とともに、本開示を説明するのに役立つ。図面に使用してある参照符号が同じであることにより、幾つかの図面全体を通じて、要素が類似しているまたは同一であることが判る。図面は、必ずしも縮尺通りに示していない。
図1A】本明細書に開示される実施形態によるハニカム構造を含むハニカム本体の概略的な斜視図である。
図1B】本明細書に開示される実施形態による図1Aのハニカム本体の入口端の一部の概略的な拡大端面図である。
図2】2つの隣接する入口通路および2つの隣接する出口通路を含む、ハニカム構造の4つの隣接する通路の概略的な拡大端面図であり、本明細書に開示される実施形態によるセンタポストの寸法および構成を示している。
図3】本明細書に開示される実施形態によるハニカム本体の外周面に近接した、ハニカム本体の入口端の一部の概略的な拡大端面図である。
図4】本明細書に開示される実施形態による押出機の実施形態の概略的な断面側面図である。
図5】本明細書に開示される実施形態による押出機の端部と、そこから押し出されるグリーンハニカム本体(押出物)との概略的な斜視図である。
図6A】本明細書に開示される実施形態によるハニカム構造またはハニカム本体を押し出すように構成された押出ダイの出口端の概略的な平面図である。
図6B】本明細書に開示される実施形態による断面線6B~6Bに沿った図6Aの押出ダイの概略的な部分断面側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
これより、目封止された多孔質セラミックハニカム本体およびそのハニカム構造などの、ハニカム構造およびハニカム本体の実施形態を詳細に参照し、その実施形態を添付の図面に示す。可能な限り、図面全体で同じ参照符号を使用して、同じまたは類似した部分を指す。
【0017】
内燃機関からの排気ガスの後処理では、すす粒子を除去するための、触媒を有するまたは触媒を有さないフィルタが使用されてよい。この用途のフィルタは、耐火性であり、耐熱衝撃性であり、pO条件の範囲で安定であり、(存在する場合)触媒系と非反応性であり、かつ排気ガス流に対して低い抵抗をもたらしてよいハニカム本体を含んでよい。この用途には、本明細書において「目封止されたハニカム本体」と呼ぶ、ウォールフローハニカム構造を含む多孔質セラミックハニカム本体が使用されてよい。ハニカム本体は、ハニカム構造、つまり、本明細書に記載のように、通路を形成する交差した多孔質壁を有する構造を含んでよい。
【0018】
ハニカム本体は、セラミックバッチ混合物が押出ダイから押し出されてグリーン形態になり、乾燥させられ、焼成されて、ハニカム構造を含む最終的なセラミックハニカム本体が形成される押出プロセスにより形成されてよい。押出は、以下で詳細に説明するように、水撃ポンプ押出プレス(hydraulic ram extrusion press)、二段式脱気シングルオーガ押出機(two stage de-airing single auger extruder)、または排出端に取り付けられたダイアセンブリのダイを有する二軸押出機を使用して実施されてよい。他の適切な装置を使用して、本明細書に記載のハニカム構造および本体を形成してよい。以下に説明するように、焼成および/または他のプロセスが行われると、従来のハニカム本体に亀裂が生じる可能性がある。したがって、亀裂は低コスト製造を大幅に損なう可能性があるので、ISO強度の上昇と亀裂の低減とを可能にするプロセスまたは構造上の改善が大きな進歩であると考えられるだろう。
【0019】
この構造および本体を形成するために使用されるセラミック形成バッチ混合物は、例えば、無機粒子もしくはセラミック粒子またはその双方を含んでよいセラミック形成バッチ材料と、任意選択的に、1つ以上の造孔剤、レオロジー調整剤、液体ビヒクルなど、およびそれらの組み合わせとを含むセラミック形成混合物であってよい。バッチ混合物は、焼成されると、例えば排気処理目的に適した多孔質セラミック構造を含む多孔質セラミック材料へと変換または焼結される。形成されるセラミックは、コーディエライト、チタン酸アルミニウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素、アルミナ、ムライトなど、およびそれらの組み合わせであってよい。セラミック形成バッチ混合物および形成される最終的なセラミック材料は、他の適切な材料を含んでいてもよい。
【0020】
幾つかの実施形態では、そのようなハニカム構造およびハニカム本体を製造するために使用されるハニカム押出ダイは、例えば、スキン形成マスクを含んでよい壁形成ダイ本体を含むマルチコンポーネントアセンブリであってよい。例えば、米国特許第4,349,329号明細書および米国特許第4,298,328号明細書には、スキン形成マスクを含むダイ構造が開示されている。ダイ本体には、ダイ出口面に形成された排出スロットのアレイに繋がり、これと交差するフィードホールを組み込むことができ、これを通じて、セラミック形成バッチ混合物が押し出される。幾つかの実施形態では、マスクを用いて、外周面スキンを形成することができる。マスクは、カラーの形状などの環状の周囲構造であってよく、ハニカム本体の外周面スキンの外周面形状を画定する。ハニカム本体の外周面スキンは、以下に説明するように、マスクとダイ本体との間にセラミック形成バッチ混合物を押し出すことにより形成されてよい。他の実施形態、特に大型のハニカム本体では、スキンは、焼成後にハニカム本体の周面に備えられるセメント材料として後被着されてよい。後被着されたスキンを形成するために、任意の適切な方法を使用してよい。
【0021】
ハニカム本体の特定の通路は、ガス流がハニカム本体の多孔質壁に通されることにより排気ガスが濾過されるフィルタに使用するために、目封止されていてもよい。したがって、多孔質壁は、ハニカム本体内の成分(例えばすす)を濾過することができる。さらに、ハニカム本体の多孔質壁の一部または全ては、低減すべきNox、Sox、COまたは他の種などに対する適切な触媒を含有するウォッシュコートとしてこの多孔質壁上またはその内部に配置されたオンウォール触媒またはインウォール触媒を含んでよい。本明細書に記載の幾つかの実施形態では、通路のうちの幾つか(例えば出口通路)は、ハニカム本体の入口端で目封止されており、他の通路(例えば入口通路)は、ハニカム本体の出口端で目封止されている。そのような目封止の配置により、ガスは、入口通路のうちの少なくとも幾つかに押し込まれて、ガスを濾過して粒子を除去する多孔質壁に通され、それから出口通路に押し込まれて、濾過されたガスがハニカム本体から出る。幾つかの実施形態では、通路は、入口端から見て、入口端で目封止された通路(例えば出口通路)と、入口端で目封止されておらず出口端で目封止されている通路(例えば入口通路)との間で、例えば市松模様または他のパターンで交互になるように配置されてよい。
【0022】
幾つかの目封止されたハニカム本体は入口容積を増加させ、ここで、入口通路のうちの少なくとも幾つかのもののサイズ(例えば断面積)は、出口通路のうちの少なくとも幾つかのもののサイズ(例えば断面積)に比べて大きく、そのため、比較的大きな入口通路における灰貯蔵が増加する。本明細書において、そのようなハニカム本体は、非対称通路を含むもの、または非対称通路サイズを有するもの、または非対称通路設計を有するものと呼ぶ。そのような非対称通路設計によりフィルタ再生間隔の頻度が低下される一方で、水力直径比が増加可能な度合いは、出口通路のサイズ(例えば出口通路の水力直径)が減少することで生じる圧力降下の増加により制限されてしまう。入口と出口との通路サイズ比が特定のレベルを上回って増加した場合、出口通路のサイズが小さいほど、ハニカム本体全体の圧力降下について、非常に大きな不利益が生じる可能性がある。さらに、ダイの設計およびダイの製造は、出口通路が小さくなるほど困難かつ高コストになる。
【0023】
前述の内容に加えて、そのような非対称通路設計では、1組目の入口通路と出口通路とを互いに分離する第1の壁の位置は、隣接する2組目の入口通路と出口通路とを分離する第2の壁から相対的にオフセットされている。この壁のオフセットは、入口通路と出口通路との間の水力直径比が増加するにつれて、直接的な関係で増加する。そのようにオフセットがより大きくなると、互いにオフセットされていない壁を含むハニカム本体に比べて、ハニカム本体の負荷容量が低下してしまう。さらに、これらのオフセットされた壁を含むハニカム本体の押出および他の処理中にも、複雑化が生じる可能性がある。例えば、ハニカム本体は、そのグリーン体状態で変形およびスランプし易くなる可能性がある。
【0024】
上記のように、幾つかの実施形態では、通路は、入口通路が出口通路よりも大きな断面積および水力直径を有する非対称通路パターンで配置されてよい。非対称通路パターンは、焼成および/または他の製造プロセス中に、また、場合によっては使用中に、セル通路交点の多孔質壁に対して特有の応力をかけてしまう。これらの応力は、多孔質壁の望ましくない亀裂を引き起こす可能性がある。例えば、焼成中、他の製造プロセス中、また、フィルタ用の目封止されたハニカム本体における使用中にハニカム本体に亀裂が生じる可能性を大幅に低減する、ハニカム本体内のハニカム構造における特定の壁寸法、通路寸法、比および/または他の基準が本明細書に記載してある。
【0025】
本開示によるハニカム本体およびハニカム構造(例えば、ハニカム本体内のハニカム構造)、ならびにハニカム押出ダイのこれらの実施形態および他の実施形態を、図1A図6Bを参照して以下に記載する。
【0026】
図1Aは、ハニカム本体100の斜視図を概略的に示しており、図1Bは、ハニカム本体100の入口端102の一部の拡大正面図を概略的に示している。入口端102は、図示の円筒形の外周面などの外周面103により画定されてよい。しかしながら、他の外周面形状も可能である。ハニカム本体100は、入口端102と出口端104との間に延在する長さLを含んでよく、入口端102は、ガス(例えば排気ガス)を取り込むように構成されてよく、出口端104は、ガスを排出するように構成されてよい。長さLに沿って延在する周面スキン105は、後被着スキンとして周面に被着されてもよいし、ハニカム本体100のマトリックスとともに押し出されてもよく、その外側部分は、周面103を画定してよい。
【0027】
ハニカム本体100は、ハニカム構造110およびハニカム本体100の長さLに沿って入口端102から出口端104まで延在してよい通路108を形成する交差した多孔質壁106のマトリックスを含むハニカム構造110を含んでよい。多孔質壁106は、ハニカム本体100内のハニカム構造110を形成する。図1Bに一部を示したハニカム構造110は、X方向に延在する水平方向に延在する壁106hと、Y方向に延在する垂直方向に延在する壁106vとを含んでよく、Y方向は、図示のように、X方向に対して垂直である。X方向およびY方向は、本明細書においてのみ、参照のために使用される。
【0028】
ハニカム本体100は、少なくとも2つのタイプの通路108、つまり、入口通路108iおよび出口通路108oをさらに含んでよい。入口通路108iは、断面積Aiおよび水力直径HDiが、出口通路の断面積Aoおよび水力直径HDoよりも大きくてよい。図示の実施形態では、出口通路108oは、入口端102に近接して目封止されてよく、図1Aおよび図1Bに影付きで示してある。入口通路108iは、出口端104(図1Bには示していない)に近接して目封止されてよい。図1Aおよび1Bに示した実施形態では、各入口通路108iに対して、およそ1つの出口通路108oがあってよい。通路108は、図示のように、X方向およびY方向の双方において入口通路108iおよび出口通路108oが交互になった市松模様で配置されてよい。他の実施形態では、出口通路108oよりも多くの入口通路108iがあってよい。更なる他の実施形態では、幾つかの通路は、パススルー(いずれかの端部でも目封止されていない)通路であってよい。
【0029】
図示の実施形態では、出口通路108oの出口水力直径HDoよりも入口断面積および入口水力直径HDiが大きいと、再生過程が実施される前により多くのすすが蓄積されること、より低い背圧上昇率がもたらされることなどにより、ハニカム本体100の濾過特性が改善される。通路が異なるサイズを有するそのような通路パターンは、非対称通路パターンと称される。入口水力直径と出口水力直径との比(例えばHDi:HDo)は、約1.1~1.6の範囲にあってよい。他の実施形態では、入口水力直径と出口水力直径との比は、1.2~1.6、1.2~1.4、または1.4~1.6の範囲にあってよい。他の水力直径比が使用されてよい。
【0030】
これより、ここで図1および図2を参照して、多孔質壁の交差領域の構造について説明する。図2は、2つの隣接する入口通路108iおよび2つの隣接する出口通路108oを含む4つの通路108の拡大端面図を概略的に示している。出口通路108oの栓を示す陰影は、説明目的から、図2には含まれていない。上記のように、幾つかの実施形態では、入口通路108iのうちの少なくとも幾つかのものの断面積Aiおよび入口水力直径HDiは、出口通路108oのうちの少なくとも幾つかのものの断面積および出口水力直径HDoよりも大きくてよい。通路108の断面形状は、正方形および/または長方形であってよく、隅肉部を形成する曲線が、正方形および/または長方形の各頂点にある。
【0031】
例えば、入口通路108iは、湾曲した入口角隅220iを形成する入口隅肉部218iを含んでよい。出口通路108oは、湾曲した出口角隅220oを形成する出口隅肉部218oを含んでよい。入口通路108iは、入口角隅220iを少なくとも部分的に画定する入口半径Riを含んでよく、出口通路108oは、出口角隅220oを少なくとも部分的に画定する出口半径Roを含んでよい。
【0032】
入口半径Riおよび出口半径Roのサイズは、以下でより詳細に説明するように、入口通路108iおよび出口通路108oの水力直径HDi,HDo、通路密度(CD)、ならびに壁厚Tkを含む要素に応じて異なってよい。幾つかの実施形態では、入口半径Riは、出口半径Roよりも大きくてよい。幾つかの実施形態では、入口半径Riは、10ミル(0.25mm)~20ミル(0.51mm)の範囲にあってよく、出口半径Roは、4ミル(0.10mm)~8ミル(0.20mm)の範囲にあってよい。他の実施形態では、入口半径Riは、10ミル(0.25mm)~14ミル(0.35mm)の範囲にあってよく、出口半径Roは、5ミル(0.13mm)~7ミル(0.18mm)の範囲にあってよい。幾つかの実施形態では、出口半径Roは、7ミル(0.18mm)以下であってよいので、背圧が低減されてよい。入口半径Riおよび出口半径Roは、他の寸法を含んでよい。
【0033】
幾つかの実施形態では、入口半径Riおよび出口半径Roは、入口半径Riと出口半径との半径比(例えば、半径比Ri:Ro)として表されてよい。幾つかの実施形態では、半径比Ri:Roは、例えば、1.5~4.0、2.0~4.0、2.0~3.5、2.0~3.5、3.1~3.5、2.9~3.3、3.2~3.4の範囲、または3.5以下であってよい。他の実施形態では、半径比Ri:Roは、2.0~2.5の範囲、2.0~2.2の範囲、または2.2以下であってよい。ハニカム本体100では、入口半径Riと出口半径Roとの他の半径比Ri:Roが使用されてよい。選択される水力直径、半径および半径比Ri:Roは、交差領域にかかる応力を制御するように選択されてよい。
【0034】
交差した多孔質壁106は、通路108を画定し、壁厚Tkを含む(図2)。壁厚Tkは、入口角隅220iまたは出口角隅220oを含まないように、隣接する入口通路108iおよび出口通路108oの平行部分の間に延在してよい。壁厚Tkは、2ミル(0.05mm)~20ミル(0.51mm)、2ミル(0.05mm)~15ミル(0.38mm)、2ミル(0.05)~13ミル(0.33mm)、4ミル(0.10mm)~10ミル(0.25mm)、5ミル(0.13mm)~10ミル(0.25mm)、7ミル(0.18mm)~10ミル(0.25mm)の範囲にあってよい。他の実施形態では、壁厚Tkは、5ミル(0.13mm)~8ミル(0.20mm)の範囲にあってよい。他の実施形態では、壁厚Tkは、8ミル(0.13mm)以下であってよいか、または7ミル(0.20mm)以下でさえあってよい。壁厚Tkは、他の寸法を有していてよい。より薄い壁は、より低い背圧をもたらし、交差領域の寸法の適切な選択により適切な応力が提供され得る限り望ましい。
【0035】
図1A図2に示した通路は、正方形または実質的に正方形であってよい。入口通路108iは、入口角隅220iを含まないように、入口通路108iの平行な壁106の間に延在する長さLiおよび幅Wiを含んでよい。出口通路108oは、出口角隅220oを含まないように、出口通路108oの平行な壁106の間に延在する長さLoおよび幅Woを含んでよい。長さLiおよび幅Wiは、40ミル(1.0mm)~70ミル(1.8mm)の範囲にあってよく、他の実施形態では、長さLiおよび幅Wiは、58ミル(1.5mm)~65ミル(1.7mm)の範囲にある。長さLoおよび幅Woは、38ミル(0.97mm)~54ミル(1.4mm)の範囲にあってよく、他の実施形態では、長さLoおよび幅Woは、43ミル(1.1mm)~49ミル(1.2mm)の範囲にあってよい。入口通路108iおよび出口通路108oの長さLi,Loおよび幅Wi,Woは、長方形の寸法を含む他の寸法を含んでよい。幾つかの実施形態では、Li=WiおよびLo=Woである。
【0036】
ハニカム本体100のハニカム構造110は、垂直方向に延在する壁106vと水平方向に延在する壁106hとの交点に配置されたセンタポスト124(幾つかに印が付けられている)を含んでよい。センタポスト124は、2つの入口通路108iの対向した入口角隅220iおよび2つの出口通路108oの対向した出口角隅220oによっても画定されてよい。例えば、センタポスト124は、一方の区域(例えば狭幅の区域)については、隣接する入口通路108iの入口角隅220iにより部分的に画定されてよく、他方の区域(例えば最長の区域)については、出口通路108oの隣接する出口角隅220oにより部分的に画定されてよい。
【0037】
図2を参照すると、センタポスト124の第1の対角線長さD1は、センタポスト124に直接隣接して配置されかつセンタポスト124を少なくとも部分的に形成する出口通路108oの2つの対向した出口角隅220oの間に延在してよい。幾つかの実施形態では、第1の対角線長さD1は、対向した出口通路108oの2つの対向した出口角隅220oの間の最短距離である。第2の対角線長さD2は、センタポスト124に直接隣接して配置されかつセンタポスト124を少なくとも部分的に形成する対向した入口通路108iの2つの対向した入口角隅220iの間に延在してよい。幾つかの実施形態では、第2の対角線長さD2は、対向した入口通路108iの2つの対向した入口角隅220iの間の最短距離である。幾つかの実施形態では、第1の対角線長さD1は、26ミル(0.66mm)~32ミル(0.81mm)の範囲にあってよく、第2の対角線長さD2は、10ミル(0.25mm)~18ミル(0.46mm)の範囲にあってよい。さらに、幾つかの実施形態では、第2の対角線長さD2は、12ミル(0.30mm)~15ミル(0.38mm)の範囲にあってよい。
【0038】
第1の対角線長さD1および第2の対角線長さD2の前述の例は、ハニカム構造であってよい。ハニカム構造は、1.4~1.6の範囲の水力直径比HDi:HDoを含んでよい。幾つかの実施形態では、第2の対角線長さD2は、例えばHDi:HDoが1.2~1.4の範囲にある場合、14ミル(0.36mm)~17ミル(0.43mm)の範囲にあってよい。
【0039】
他の実施形態では、幾つかの実施形態において、第1の対角線長さD1は、27ミル(0.63mm)~30ミル(0.76mm)であってよい。幾つかの実施形態では、第2の対角線D2は、12ミル(0.30mm)~18ミル(0.46mm)、10ミル(0.25mm)~16ミル(0.41)、または12ミル(0.30mm)~15ミル(0.38)の範囲にあってよい。
【0040】
幾つかの従来のハニカム構造は、入口通路の湾曲した角隅の半径を減少させることを含む技術により、それらの入口水力直径を増加させてきた。そのようにすることで、等価対角線長さD2が減少し、それにより、アスペクト比D1:D2が増加した。以下に説明するように、アスペクト比D1:D2が高いと、従来のハニカム構造を弱化させる可能性がある。例えば、アスペクト比D1:D2が高いと、製造中に従来のハニカム構造に適用される焼成および/または他のプロセス中に、センタポストに近接した従来のハニカム構造の亀裂の可能性が上昇することがある。従来のハニカム構造に関連する問題は、非対称通路により悪化し、それにより、センタポストを形成する壁に更なる応力が生じる可能性がある。例えば、水平壁および垂直壁が、センタポストに近接した屈曲部を含んでしまい、それにより、ハニカム構造の強度が低下する。
【0041】
本明細書に開示されるハニカム本体100は、比較的小さなアスペクト比D1:D2を含んでよく、それにより、従来のハニカム本体に比べて、ハニカム本体100の強度が改善される。例えば、アスペクト比D1:D2が小さいと、ハニカム本体100が熱応力を受ける製造における焼成に耐えるハニカム本体100の能力が改善される。幾つかの実施形態では、アスペクト比D1:D2が2.7未満などの所定値未満である場合、センタポスト124に近接した破損は起こりにくくなる。他の実施形態では、アスペクト比D1:D2は、2.0未満である。幾つかの実施形態では、アスペクト比D1:D2は、水力直径比HDi:HDoに少なくとも部分的に左右される。幾つかの実施形態では、アスペクト比D1:D2は、以下の範囲、つまり、1.5~2.0、1.6~2.0、1.0~1.9、1.5~1.8、1.5~1.85、または1.7~1.9の範囲にあってよい。他の実施形態では、アスペクト比D1:D2は、以下の範囲、つまり、1.5~2.5、1.9~2.5、1.5~2.3、2.1~2.3、1.5~2.25にあってよい。ハニカム本体100は、他の値のアスペクト比D1:D2を含んでよい。
【0042】
アスペクト比D1:D2は、入口隅肉部218iおよび出口隅肉部218oの半径を変えることにより調整または設定されてよい。例えば、入口半径Riのわずかな増加により、入口隅肉部218iが増大してよく、それにより、第2の対角線D2が増大し、アスペクト比D1:D2が低下する。ある時点で、入口半径Riは、入口通路108iを通るガス流が大幅に減少されてよい箇所に到達してよい。そのような状況では、出口半径Roが減少してよく、それにより、対角線D1およびアスペクト比D1:D2が減少する。
【0043】
上記のアスペクト比D1:D2および他の寸法は、ハニカム本体100の入口端102または出口端104のいずれかの周面103に隣接して配置された通路108およびセンタポスト124に近接しては適用できない場合がある。
【0044】
図3は、周面103に隣接する、ハニカム本体100の入口端102の一部を概略的に示している。図示のように、周面103に隣接する通路108は、不規則な形状であってよいので、これらの不完全かつ不規則な形状の通路108に隣接する柱のうちの幾つかは、上記のような第1の対角線長さD1および/または第2の対角線長さD2を含まない場合がある。例えば、図3に示した実施形態では、柱326は、少なくとも一方が不規則な形状をした2つの入口通路108iにより少なくとも部分的に形成される。他の実施形態では、柱326は、少なくとも一方が不規則な形状をしている入口通路108iおよび出口通路108oにより形成されてよい(図示せず)。したがって、対角線長さD1に対する等価長さは、柱326において存在し得ない。前述の内容に基づいて、上記の対角線長さD1およびD2は、周面103から離れて位置しているセンタポスト124にのみ存在してよい。
【0045】
以下の表1には、センタポスト124を含むハニカム本体100の例示的な寸法が記載してある。ハニカム構造は、cpsiでの通路密度(CD)、ミルでの壁厚Tk、インチでのRo、インチでのRi、無次元半径比Ri:Ro、アスペクト比D1:D2、入口水力直径HDiおよび出口水力面積HDo、ならびにハニカム本体100の水力直径比HDi:HDoを含む。参考として、例#1では、400/7ハニカム構造100は、約400通路/平方インチ(cpsi)(62通路/平方センチメートル(cpscm))の通路密度CD、約7.3ミル(0.19mm)の壁厚Tk、5.5ミル(0.14mm)のRo、18ミル(0.46mm)のRi、3.25のRi:Ro、2.2のD1:D2、および1.5の水力直径比HDi:HDoを含んでよい。300/9ハニカム構造は、約300cpsi(47cpscm)のCDおよび約9ミル(0.23mm)の壁厚Tkを含んでよい。
【0046】
【表1】
【0047】
図4は、ハニカム構造を含むハニカム本体100(図1)を押し出すために使用されてよい押出機400(例えば、連続二軸押出機)の実施形態の断面側面図を示す。押出機400は、その内部に形成されてかつ互いに連通している第1のチャンバ部分404および第2のチャンバ部分406を含むバレル402を含んでよい。バレル402は、モノリス型であってもよいし、長手方向(例えば、軸線方向)に連続的に接続された複数のバレル区分から形成されてもよい。第1のチャンバ部分404および第2のチャンバ部分406は、バレル402全体にわたり、上流側408と下流側410との間で長手方向に延在する。バレル402の上流側408には、ホッパまたは他の材料供給構造を含んでよい材料供給ポート414が、バッチ混合物416を押出機400に供給するために設けられてよい。バッチ混合物は、予め温められて可塑化されたバッチのパグ(pugs)として、または他のサイズの小球体として供給されてよく、これらは、連続的または断続的に供給されてよい。バッチ混合物416を押し出してグリーンハニカム本体100Gなどの所望の形状にするために、バレル402の下流側410の排出ポート422にハニカム押出ダイ420が設けられている。ハニカム押出ダイ420は、バレル402の端部などで、バレル402の排出ポート422に対して結合されていてもよい。バッチ混合物416がハニカム押出ダイ420に到達する前に安定したプラグ型のフローフロントが形成されることを容易にするために、ハニカム押出ダイ420に対して、全体的に開いたキャビティ、スクリーン/ホモジナイザ(図示せず)などの他の構造が先行していてよい。
【0048】
図4に示したように、一対の押出機用スクリュがバレル402に取り付けられてよい。第1のスクリュ430は、第1のチャンバ部分404内で少なくとも部分的に回転可能なように取り付けることができ、第2のスクリュ432は、第2のチャンバ部分406内で少なくとも部分的に回転可能なように取り付けることができる。第1のスクリュ430および第2のスクリュ432は、図示のように、互いに平行に配置されてよいが、これらは、互いに様々な角度で配置されてもよい。また、第1のスクリュ430および第2のスクリュ432は、同じ方向または異なる方向に回転するために、バレル402の外側にある駆動機構に結合されてもよい。第1のスクリュ430および第2のスクリュ432のどちらも、ただ1つの駆動機構(図示せず)に結合されてよいか、または図示のように、それぞれの駆動機構436に結合されてよいと理解されるべきである。第1のスクリュ430および第2のスクリュ432は、軸線方向440への圧送作用および混合作用により、バレル402を通してバッチ混合物416を移動させる。第1のスクリュ430および第2のスクリュ432をそれらの長さに沿って支持するために、更なる支持構造(点線で示した)が設けられてよい。そのような支持構造は、バッチ混合物416が支持構造を通って流れることを可能にするために、その内部にパーフォレーション穴または穴を含んでよい。
【0049】
図5は、押出機400の端部と、そこから押し出されるグリーンハニカム本体100G(例えば押出物)とを示す斜視図である。押出機400は、バッチ混合物416がグリーンハニカム本体100Gとして押出機400から進出する場所である押出機前端部552でもって示してある。押出機前端部552に近接して配置された押出機用カートリッジ554は、ハニカム押出ダイ420(図4)およびスキン形成マスク556などの押出用金属製品を含んでよい。グリーンハニカム本体100Gは、グリーンハニカム本体100Gが加工された後に入口端102(図1)となる第1の端面502を含む。
【0050】
グリーンハニカム本体100Gは、複数の通路508と、外周表面505とを含んでよい。通路508は、説明目的から、縮尺通りには描かれていない場合がある。複数の交差した壁506は、軸線方向440に延在する通路508を形成してよい。例えば、軸線方向440に延在する通路562を形成する交差した壁506は、説明のために破線で示してある。交差した壁506は、グリーンハニカム本体100G内のハニカム構造510を形成してよい。図5に示したグリーンハニカム本体550の第1の端面502の断面は円形であるが、これは、長方形、楕円形、レーストラック形(race-track shape)、正方形、三角形もしくは三葉形、六角形、八角形、非対称、対称、または他の所望の形状、および前述のものの組み合わせなどの他の形状を有してよい。
【0051】
図6Aは、ハニカム押出ダイ420の正面図を示しており、図6Bは、ハニカム押出ダイ420の部分的な切取図を示している。ハニカム押出ダイ420は、グリーンハニカム本体100Gを製造するように構成されてよく、このグリーンハニカム本体100Gからハニカム本体100が製造されてよい。ハニカム本体は、例えば、米国特許第3,885,977号明細書、米国特許第5,332,703号明細書、米国特許第6,391,813号明細書、米国特許第7,017,278号明細書、米国特許第8,974,724号明細書、国際公開第2014/046912号および国際公開第2008/066765号に記載されているバッチ混合物416を、ハニカム押出ダイ420を通して押し出し、グリーンハニカム本体100Gを製造することにより形成されてよい(図5)。次いで、グリーンハニカム本体100Gは、例えば、米国特許第9,038,284号明細書、米国特許第9,335,093号明細書、米国特許第7,596,885号明細書および米国特許第6,259,078号明細書などに記載のように乾燥させられてよい。他の乾燥プロセスが使用されてもよい。次いで、グリーンハニカム本体100Gは、米国特許第9,452,578号明細書、米国特許第9,446,560号明細書、米国特許第9,005,517号明細書、米国特許第8,974,724号明細書、米国特許第6,541,407号明細書または米国特許第6,221,308号明細書に記載のように、定尺切断されて焼成され、本明細書に記載のハニカム本体100(図1)または他のハニカム構造が形成されてよい。任意の適切な切断、成形、乾燥および/または焼成の方法が使用されてもよい。
【0052】
ハニカム押出ダイ420は、金属ディスクなどのダイ本体664と、押出機400からバッチ混合物416を受け入れるように構成されたダイ入口面668と、ダイ入口面668の反対側にある、可塑化されたバッチをグリーンハニカム本体100G(押出物)の形態で排出するように構成されたダイ出口面670とを含んでよい。ハニカム押出ダイ420は、バッチ混合物416を圧力下でハニカム押出ダイ420に通す押出機400に結合されてよい。
【0053】
ハニカム押出ダイ420は、ダイ入口面668からダイ本体664内へと延在する複数のフィードホール672(幾つかに印が付けられている)を含んでよい。複数のフィードホール672は、ダイ出口面670からダイ本体664内へと延在するスロット676(幾つかに印が付けられている)のアレイと交差する。複数のスロット676は、スロット676を横切って横方向に測定されるスロット厚Skを含んでよい。スロット厚Skは、焼成されたハニカム本体100(図1)が、本明細書に記載のような交差した多孔質壁106の横断壁厚Tk(図2)を含むように、使用されるバッチ混合物416(図4)の総収縮(例えば、押出から焼成を通じた収縮)に基づいて選択されてよい。例えば、押出から焼成までの公称収縮が12%である場合、スロット厚Skは、交差した多孔質壁106の横断壁厚Tk(図2)よりも12%まで大きくなるように選択されてよい。本明細書に開示されるダイ寸法は、押出ダイ420が減摩性コーティングでコーティングされていない場合、機械加工されたままでの寸法であってよく、または押出ダイ420がコーティングされている場合、コーティングされたままでの寸法を含んでよい。
【0054】
複数のフィードホール672は、スロット676のアレイに接続しており、これにバッチ混合物を供給するように構成されてよい。スロット676のアレイは、図6Aに示したように、互いに交差している。スロット676のアレイは、ダイ出口面670にわたりダイピン構造内に配置されたダイピン678(幾つかに印ラベルが付けられている)のアレイを形成する。ダイピン678は、出口通路108o(図2)を形成する小さい方のピン678oおよび入口通路108i(図2)を形成する大きい方のピン678iを含んでよい。ダイピン678の密度は、ハニカム本体100の通路108(図2)の通路密度と同じであってもよいし、収縮のためにわずかに調整されてもよい。
【0055】
図示の実施形態では、スロット676は、例えば、プランジ放電加工(EDM)プロセスにより形成されてよい。他の適切なダイ製造法が使用されてよい。幾つかの実施形態では、入口隅肉部218i(図2)および出口隅肉部218oは、プランジEDMまたはダイピン678の頂点を丸み付けることが可能な他の適切な方法により形成されてよい。各ダイピン678は、横断面形状において隅肉部を含む正方形または長方形であり、ハニカム本体100内の通路108(図2)を形成してよい。ハニカム押出ダイ420は、押出法中に形成されたグリーンハニカム本体100G上に、押し出されたスキン105を形成するために、スキン形成フィードホール672Sからのバッチ混合物416と接触するスキン形成マスク680(例えば環状の物品)と、ダイ出口面670の外側の凹型スキン形成領域とを含むスキン形成部分620Sを含んでよい。
【0056】
ハニカム本体100(図1)は、適用可能な寸法のハニカム押出ダイ420を実現すべく、収縮に対して調整可能な異なる寸法を含んでよい。これらの寸法の多くを以下に説明する。
【0057】
通路密度(CD)
幾つかの実施形態では、通路密度(CD)は、250通路/平方インチ(cpsi)(39通路/平方センチメートル(cpscm))~450cpsi(70cpscm)の範囲にあってよい。CDは、275cpsi(43cpscm)~425cpsi(66cpscm)の範囲または290cpsi(45cpscm)~410cpsi(64cpscm)の範囲にあってよい。他の実施形態では、CDは、250cpsi(39cpscm)~350cpsi(54cpscm)未満であってよい。更なる他の実施形態では、CDは、350cpsi(54cpscm)~450cpsi(70cpscm)であってよい。
【0058】
壁厚(Tk)
多孔質壁106は、2ミル(0.05mm)~20ミル(0.51mm)の範囲、2ミル(0.05mm)~15ミル(0.38mm)の範囲、2ミル(0.05mm)~13ミル(0.33mm)の範囲、4ミル(0.10mm)~10ミル(0.25mm)の範囲、5ミル(0.13mm)~10ミル(0.25mm)の範囲および7ミル(0.18mm)~10ミル(0.25mm)の範囲の横断壁厚Tkを含む。薄壁の更なる実施形態では、多孔質壁106は、8ミル(0.20mm)以下の横断壁厚Tk、7ミル(0.18mm)以下のTk、または5ミル(0.13mm)~8ミル(0.20mm)でさえあるTkを含む。多孔質壁106がより薄くなるにつれて、アスペクト比D1:D2および/または半径比Ri:Roを制御することが、十分なISO強度をもたらすとともに壁交点における亀裂を最小限に抑えるのに特に有益である。
【0059】
Ri、Roおよび半径比(Ri/Ro)
幾つかの実施形態では、Riの値は、10ミル(0.25mm)~20ミル(0.51mm)、12ミル(0.30mm)~20ミル(0.51mm)および10ミル(0.25mm)~14ミル(0.36mm)の範囲にあってよい。他の実施形態では、Riの値は、16ミル(0.41mm)~20ミル(0.51mm)または12ミル(0.30mm)~16ミル(0.40mm)であってよい。
【0060】
幾つかの実施形態では、Roの値は、5ミル(0.13mm)~10ミル(0.25mm)の範囲、5ミル(0.13mm)~8ミル(0.20mm)の範囲、もしくは5ミル(0.13mm)~7ミル(0.18mm)でさえある範囲、または7ミル(0.18mm)未満であってよい。
【0061】
半径比Ri:Roは、1.5~4.0、1.5~3.5、2.0~3.5、2.0~2.5、2.0~2.2の範囲にあってよく、幾つかの実施形態では、3.5以下であってよいか、または2.2以下でさえあってよい。更なる実施形態では、半径比Ri:Roは、2.5~3.5、3.1~3.5、または2.9~3.3の範囲にあってよい。幾つかの実施形態では、半径比Ri:Roは、3.2~3.4の範囲にあってよい。
【0062】
幾つかの実施形態では、半径比Ri:Roは、2.2以下であってよい。例えば、Ri:Roは、250cpsi(39cpscm)~350cpsi(54cpscm)未満のCDを有するハニカム本体100の場合などでは、1.6~2.2の範囲にあってよい。
【0063】
幾つかの実施形態では、Ri:Roは、2.1以上であってよいか、または2.1~3.5であってよいか、または2.1~3.4でさえあってよい。他の実施形態では、Ri:Roは、350cpsi(54cpscm)~450cpsi(70cpscm)のCDの場合などでは、2.9~3.5または3.1~3.5であってよい。他の実施形態では、Ri:Roは、350cpsi(54cpscm)~450cpsi(70cpscm)のCDの場合などでは、3.2~3.4または2.9~3.3であってよい。
【0064】
D1、D2およびアスペクト比(D1:D2)
D1の値は、25ミル(0.64mm)~32ミル(0.82mm)の範囲にあってよい。D2の値は、10ミル(0.25mm)~20ミル(0.51mm)の範囲または10ミル(0.25mm)~18ミル(0.46mm)でさえある範囲にあってよい。
【0065】
幾つかの実施形態では、アスペクト比D1:D2の値は、2.7未満であってよいか、2.3未満であってよいか、または2.0未満でさえあってよい。他の実施形態では、アスペクト比D1:D2は、1.5~2.5、1.5~2.3、1.5~2.25、1.5~2.0、1.5~1.9、1.5~1.85、または1.5~1.8の範囲にあってよい。他の実施形態では、アスペクト比D1:D2は、1.9~2.5および2.1~2.3の範囲にあってよい。D1:D2の値が小さすぎると、ハニカム本体100は、大きすぎる質量を有し、開放正面面積(OFA)が減少させられる。比D1:D2が大きすぎると、ハニカム本体100は、亀裂する傾向を有する可能性がある。
【0066】
HDi:HDoとD1:D2との組み合わせ
幾つかの実施形態では、水力直径比HDi:HDoが1.4~1.6の範囲にある場合、ハニカム本体100は2.7未満のアスペクト比D1:D2を含んでよい。他の実施形態では、水力直径比HDi:HDoが1.2~1.4未満の範囲にある場合、アスペクト比D1:D2は2.0未満であってよく、出口角隅半径Roは7ミル(0.18mm)未満であってよい。
【0067】
前述の寸法に加えて、ハニカム構造は、以下の寸法を含んでよい。アスペクト比D1:D2は1.5~2.3の範囲にあってよく、水力直径比HDi:HDoは1.4~1.6の範囲にあってよい。アスペクト比D1:D2は1.5~2.25の範囲にあってよく、水力直径比HDi:HDoは1.4~1.6の範囲にあってよい。さらに、幾つかの実施形態では、アスペクト比D1:D2は2.7未満であり、水力直径比HDi:HDoは1.4~1.6であってよく、半径比Ri:Roは2.5以上であってよい。
【0068】
アスペクト比D1:D2は1.5~1.9の範囲にあってよく、水力直径比HDi:HDoは1.2~1.4未満の範囲にあってよい。アスペクト比D1:D2は1.5~1.85の範囲にあってよく、水力直径比HDi:HDoは1.2~1.4未満の範囲にあってよい。
【0069】
更なる組み合わせ
前述の寸法に加えて、ハニカム本体100は、通路密度が350cpsi(54cpscm)~450cpsi(70cpscm)の範囲にあってよく、多孔質壁が5ミル(0.13mm)~10ミル(0.25mm)の範囲の壁厚Tkを含み、水力直径比HDi:HDoが1.4~1.6の範囲にあり、かつアスペクト比D1:D2が2.0~2.3の範囲にあってよい寸法を含んでよい。さらに、半径比Ri:Roは、例えば、2.5~3.5の範囲、2.9~3.5の範囲、または3.1~3.5でさえある範囲にあってよい。
【0070】
前述の寸法に加えて、ハニカム本体100は、通路密度(CD)が250cpsi(39cpscm)~350cpsi(54cpscm)未満の範囲にあってよく、多孔質壁106が7ミル(0.18mm)~10ミル(0.25mm)の範囲の横断壁厚Tkを含み、アスペクト比D1:D2が1.6~2.0の範囲にあってよく、かつ水力直径比HDi:HDoが1.2~1.4の範囲にあってよい寸法を含んでよい。さらに、半径比Ri:Roは、2.0~2.2の範囲または2.1~2.2でさえある範囲にあってよい。
【0071】
幾つかの実施形態では、前述の寸法に加えて、ハニカム本体100は250cpsi(39cpscm)~350cpsi(54cpscm)未満の範囲のCDを含んでよく、多孔質壁106は7ミル(0.18mm)~10ミル(0.25mm)の範囲の壁厚Tkを含んでよく、アスペクト比D1:D2は1.7~1.9の範囲にあってよく、水力直径比HDi:HDoは1.2~1.4の範囲にあってよい。さらに、半径比Ri:Roは2.0~2.2の範囲にあってよい。
【0072】
他の実施形態では、ハニカム本体100は、10ミル(0.25mm)~14ミル(0.36mm)の範囲の入口半径Riおよび5ミル(0.13mm)~7ミル(0.18mm)の範囲の出口半径Ro、25ミル(0.64mm)~31ミル(0.79mm)の範囲の第1の対角線長さD1、12ミル(0.30mm)~18ミル(0.46mm)の範囲の第2の対角線長さD2、1.6~2.0の範囲のアスペクト比D1:D2、ならびに250cpsi(39cpscm)~350cpsi(54cpscm)未満の範囲の通路密度(CD)を含んでよい。
【0073】
他の実施形態では、ハニカム本体100は、16ミル(0.41mm)~20ミル(0.51mm)の範囲の入口半径Ri、4ミル(0.10mm)~7ミル(0.18mm)の範囲の出口半径Ro、26ミル(0.66mm)~32ミル(0.81mm)の範囲の第1の対角線長さD1、10ミル(0.25mm)~16ミル(0.41mm)の範囲の第2の対角線長さD2、1.9~2.5の範囲のアスペクト比D1:D2、および350cpsi(54cpscm)~450cpsi(70cpscm)の範囲の通路密度(CD)を含んでよい。
【0074】
他の実施形態では、押出ダイ420は、本明細書に記載のようなハニカム本体100を製造する寸法を含んでよい。押出ダイ420の文脈で使用する場合のD1、D2、Ri、Ro、Li、Lo、WiおよびWoという用語は、図2に示したようなセンタポスト124を形成する押出ダイ420の領域のスロット寸法、ダイピン寸法およびダイピン半径をそれぞれ示す。ハニカム押出ダイ420は、入口ピン678iが10ミル(0.25mm)~14ミル(0.36mm)の範囲の入口角隅半径Riを含んでよく、かつ出口ピン678oが5ミル(0.13mm)~7ミル(0.18mm)の範囲の出口角隅半径Roを含んでよい寸法を含んでよい。2つの出口ピン678oの対向した出口角隅の間の最短距離である第1の対角スロット長さD1は、26ミル(0.66mm)~32ミル(0.81mm)の範囲にあってよい。2つの入口ピン678iの対向した入口角隅の間の最短距離である第2の対角スロット長さD2は、13ミル(0.33mm)~18ミル(0.46mm)の範囲にあってよい。アスペクト比D1:D2は1.6~2.0の範囲にあってよく、ダイピン密度は250ダイピン/平方インチ(dppsi)(39ダイピン/平方センチメートル(dppscm))~350dppsi(54dppscm)未満の範囲にあってよい。
【0075】
ハニカム押出ダイ420の別の実施形態は、出口半径Roが4ミル(0.10mm)~7ミル(0.18mm)の範囲にあってよく、かつ入口半径Riが16ミル(0.41mm)~20ミル(0.51mm)の範囲にあってよい寸法を含んでよい。第1の対角スロット長さD1は、26ミル(0.66mm)~32ミル(0.81mm)の範囲にあってよく、第2の対角スロット長さD2は、10ミル(0.25mm)~16ミル(0.41mm)の範囲にあってよい。比D1:D2は1.9~2.5の範囲にあってよく、ダイピン密度は350ダイピン/平方インチ(dppsi)(54ダイピン/平方センチメートル(dppscm))~450dppsi(70dppscm)の範囲にあってよい。
【0076】
ハニカム押出ダイ420は、275ダイピン/平方インチ(dppsi)(43ダイピン/平方センチメートル(dppscm))~450dppsi(70dppscm)のダイピン密度(DPD)を含んでよい。他の実施形態では、ハニカム押出ダイ420は、275dppsi(43dppscm)~410dppsi(66dppscm)のDPDを含んでよい。他の実施形態では、ハニカム押出ダイ420は、290dppsi(43dppscm)~425dppsi(64dppscm)のDPDを含んでよい。他の実施形態では、ハニカム押出ダイ420は、350ダイピン/平方インチ(dppsi)(54ダイピン/平方センチメートル(dppscm))~450dppsi(70dppscm)のダイピン密度(DPD)を含んでよい。他の実施形態では、ハニカム押出ダイ420は、250dppsi(39dppscm)~350dppsi(54dppscm)未満のDPDを含んでよい。これはそれぞれ、350cpsi(54cpscm)~450cpsi(70cpscm)および250cpsi(39cpscm)~350cpsi(54cpscm)未満の範囲のハニカム本体100に相当する。
【0077】
前述の説明では、本開示の例示的な実施形態のみを開示している。本開示の範囲内の先に開示されているハニカム本体、ハニカム構造、押出ダイおよび方法の変形は、当業者には容易に明らかとなろう。したがって、本開示を、その例示的な実施形態の関連で説明してきたが、他の実施形態は、特許請求の範囲により定義されているように、本開示の範囲内にあってよいと理解されたい。
【0078】
以下、本発明の好ましい実施形態を項分け記載する。
【0079】
実施形態1
ハニカム構造であって、
前記ハニカム構造の入口端と出口端との間に延在する交差した多孔質壁と、
前記交差した多孔質壁により形成される入口通路および出口通路であって、前記入口通路が入口水力直径HDiを含み、前記出口通路が出口水力直径HDoを含み、前記入口通路が、入口角隅半径Riを有する入口角隅を含み、前記出口通路が、出口角隅半径Roを有する出口角隅を含む、入口通路および出口通路と、
2つの前記入口通路の隣接する対向した入口角隅と、2つの前記出口通路の隣接する対向した出口角隅とにより画定されたセンタポストであって、
前記2つの出口通路の前記隣接する対向した出口角隅の間の最短距離である第1の対角線長さD1、
前記2つの入口通路の前記隣接する対向した入口角隅の間の最短距離である第2の対角線長さD2、
水力直径比HDi:HDoが1.4~1.6の範囲にある場合に、2.7未満であるアスペクト比D1:D2、ならびに
前記水力直径比HDi:HDoが1.2~1.4未満の範囲にある場合に、2.2未満である前記アスペクト比D1:D2および7ミル(0.18mm)未満である前記出口角隅半径Ro
を含む、センタポストと
を含む、ハニカム構造。
【0080】
実施形態2
前記アスペクト比D1:D2が2.7未満であり、前記水力直径比HDi:HDoが1.4~1.6であり、Ri:Roが2.5以上である、実施形態1記載のハニカム構造。
【0081】
実施形態3
前記アスペクト比D1:D2が1.5~2.3の範囲にあり、前記水力直径比HDi:HDoが1.4~1.6の範囲にある、実施形態1記載のハニカム構造。
【0082】
実施形態4
前記アスペクト比D1:D2が1.5~2.25の範囲にあり、前記水力直径比HDi:HDoが1.4~1.6の範囲にある、実施形態1記載のハニカム構造。
【0083】
実施形態5
前記アスペクト比D1:D2が1.5~1.9の範囲にあり、前記水力直径比HDi:HDoが1.2~1.4未満の範囲にある、実施形態1記載のハニカム構造。
【0084】
実施形態6
前記アスペクト比D1:D2が1.5~1.85の範囲にあり、前記水力直径比HDi:HDoが1.2~1.4未満の範囲にある、実施形態1記載のハニカム構造。
【0085】
実施形態7
半径比Ri:Roが2.0~3.5の範囲にある、実施形態1記載のハニカム構造。
【0086】
実施形態8
半径比Ri:Roが2.5~3.5の範囲にある、実施形態1記載のハニカム構造。
【0087】
実施形態9
半径比Ri:Roが3.2~3.4の範囲にある、実施形態1記載のハニカム構造。
【0088】
実施形態10
半径比Ri:Roが3.5以下である、実施形態1記載のハニカム構造。
【0089】
実施形態11
比Ri:Roが2.2以下である、実施形態1記載のハニカム構造。
【0090】
実施形態12
比Ri:Roが2.1以下である、実施形態1記載のハニカム構造。
【0091】
実施形態13
通路密度が275cpsi(43cpscm)~425cpsi(66cpscm)の範囲にある、実施形態1記載のハニカム構造。
【0092】
実施形態14
通路密度が290cpsi(45cpscm)~410cpsi(64cpscm)の範囲にある、実施形態1記載のハニカム構造。
【0093】
実施形態15
前記多孔質壁が、2ミル(0.05mm)~13ミル(0.33mm)の範囲の横断壁厚を含む、実施形態1記載のハニカム構造。
【0094】
実施形態16
前記多孔質壁が、4ミル(0.10mm)~10ミル(0.25mm)の範囲の横断壁厚を含む、実施形態15記載のハニカム構造。
【0095】
実施形態17
前記多孔質壁が、5ミル(0.13mm)~10ミル(0.25mm)の範囲の横断壁厚を含む、実施形態16記載のハニカム構造。
【0096】
実施形態18
前記多孔質壁が、7ミル(0.18mm)~10ミル(0.25mm)の範囲の壁厚を含む、実施形態17記載のハニカム構造。
【0097】
実施形態19
前記多孔質壁が、8ミル(0.20mm)以下の壁厚を含む、実施形態15記載のハニカム構造。
【0098】
実施形態20
前記多孔質壁が、7ミル(0.18mm)以下の壁厚を含む、実施形態19記載のハニカム構造。
【0099】
実施形態21
前記多孔質壁が、5ミル(0.13mm)~8ミル(0.20mm)の範囲の壁厚を含む、実施形態19記載のハニカム構造。
【0100】
実施形態22
350cpsi(54cpscm)~450cpsi(70cpscm)の範囲の通路密度を含み、
前記多孔質壁が、5ミル(0.13mm)~10ミル(0.25mm)の範囲の壁厚を含み、
前記水力直径比HDi:HDoが1.4~1.6の範囲にあり、
前記アスペクト比D1:D2が2.0~2.3の範囲にある、
実施形態1記載のハニカム構造。
【0101】
実施形態23
半径比Ri:Roが2.5~3.5の範囲にある、実施形態21記載のハニカム構造。
【0102】
実施形態24
半径比Ri:Roが2.9~3.3の範囲にある、実施形態23記載のハニカム構造。
【0103】
実施形態25
通路密度が250cpsi(39cpscm)~350cpsi(54cpscm)未満の範囲にあり、
前記多孔質壁が、7ミル(0.18mm)~10ミル(0.25mm)の範囲の壁厚を含み、
前記アスペクト比D1:D2が1.6~2.0の範囲にあり、
前記水力直径比HDi:HDoが1.2~1.4の範囲にある、
実施形態1記載のハニカム構造。
【0104】
実施形態26
半径比Ri:Roが2.0~2.2の範囲にある、実施形態25記載のハニカム構造。
【0105】
実施形態27
通路密度が250cpsi(39cpscm)~350cpsi(54cpscm)未満の範囲にあり、
前記多孔質壁が、7ミル(0.18mm)~10ミル(0.25mm)の範囲の壁厚を含み、
前記アスペクト比D1:D2が1.7~1.9の範囲にあり、
前記水力直径比HDi:HDoが1.2~1.4の範囲にある、
実施形態1記載のハニカム構造。
【0106】
実施形態28
半径比Ri:Roが2.0~2.2の範囲にある、実施形態27記載のハニカム構造。
【0107】
実施形態29
前記出口角隅半径Roが4ミル(0.10mm)~7ミル(0.18mm)の範囲にある、実施形態1記載のハニカム構造。
【0108】
実施形態30
前記入口角隅半径Riが10ミル(0.25mm)~20ミル(0.51mm)の範囲にある、実施形態1記載のハニカム構造。
【0109】
実施形態31
前記第1の対角線長さD1が26ミル(0.66mm)~32ミル(0.81mm)の範囲にある、実施形態1記載のハニカム構造。
【0110】
実施形態32
前記第2の対角線長さD2が12ミル(0.30mm)~18ミル(0.46mm)の範囲にある、実施形態1記載のハニカム構造。
【0111】
実施形態33
ハニカム構造であって、
前記ハニカム構造の入口端と出口端との間に延在する交差した多孔質壁と、
前記交差した多孔質壁により形成される入口通路および出口通路であって、前記入口通路の入口水力直径が、前記出口通路の出口水力直径よりも大きく、前記入口通路が、10ミル(0.25mm)~14ミル(0.36mm)の範囲の入口角隅半径Riを有する入口角隅を含み、前記出口通路が、5ミル(0.13mm)~7ミル(0.18mm)の範囲の出口角隅半径Roを有する出口角隅を含む、入口通路および出口通路と、
2つの前記入口通路の隣接する対向した入口角隅と、2つの前記出口通路の隣接する対向した出口角隅とにより画定されたセンタポストと、
前記2つの出口通路の前記対向した出口角隅の間の最短距離である第1の対角線長さD1であって、D1が25ミル(0.64mm)~31ミル(0.79mm)の範囲にある、第1の対角線長さD1と、
前記2つの入口通路の前記対向した入口角隅の間の最短距離である第2の対角線長さD2であって、D2が12ミル(0.30mm)~18ミル(0.46mm)の範囲にある、第2の対角線長さD2と、
1.6~2.0の範囲の前記センタポストのアスペクト比D1:D2と、
250cpsi(39cpscm)~350cpsi(54cpscm)未満の範囲の通路密度と
を含む、ハニカム構造。
【0112】
実施形態34
ハニカム構造であって、
前記ハニカム構造の入口端と出口端との間に延在する交差した多孔質壁と、
前記交差した多孔質壁により形成される入口通路および出口通路であって、前記入口通路の入口水力直径が、前記出口通路の出口水力直径よりも大きく、前記入口通路が、16ミル(0.41mm)~20ミル(0.51mm)の範囲の入口角隅半径Riを有する入口角隅を含み、前記出口通路が、4ミル(0.10mm)~7ミル(0.18mm)の範囲の出口角隅半径Roを有する出口角隅を含む、入口通路および出口通路と、
2つの前記入口通路の隣接する対向した入口角隅と、2つの前記出口通路の隣接する対向した出口角隅とにより画定されたセンタポストと、
前記2つの出口通路の前記対向した出口角隅の間の最短距離である第1の対角線長さD1であって、D1が26ミル(0.66mm)~32ミル(0.81mm)の範囲にある、第1の対角線長さD1と、
前記2つの入口通路の前記対向した入口角隅の間の最短距離である第2の対角線長さD2であって、D2が10ミル(0.25mm)~16ミル(0.41mm)の範囲にある、第2の対角線長さD2と、
1.9~2.5の範囲の前記センタポストのアスペクト比D1:D2と、
350cpsi(54cpscm)~450cpsi(70cpscm)の範囲の通路密度と
を含む、ハニカム構造。
【0113】
実施形態35
ハニカム押出ダイであって、
交差したスロットを形成するように配置されたダイピンであって、前記ダイピンが、入口ピンおよび出口ピンを含み、前記入口ピンの断面積が、前記出口ピンの断面積よりも大きく、前記入口ピンが、10ミル(0.25mm)~14ミル(0.36mm)の範囲の入口角隅半径Riを含み、前記出口ピンが、5ミル(0.13mm)~7ミル(0.18mm)の範囲の出口角隅半径Roを含む、ダイピンと、
2つの前記入口ピンの対向した入口角隅の間および2つの前記出口ピンの対向した出口角隅の間に配置されたセンタポストスロットと、
前記2つの出口ピンの前記対向した出口角隅の間の最短距離である第1の対角スロット長さDS1であって、DS1が26ミル(0.66mm)~32ミル(0.81mm)の範囲にある、第1の対角スロット長さDS1と、
前記2つの入口ピンの前記対向した入口角隅の間の最短距離である第2の対角スロット長さDS2であって、DS2が12ミル(0.30mm)~18ミル(0.46mm)の範囲にある、第2の対角スロット長さDS2と、
1.6~2.0の範囲にある比DS1:DS2と、
250ダイピン/平方インチ(dppsi)(39ダイピン/平方センチメートル(dppscm))~350dppsi(54dppscm)未満の範囲のダイピン密度と
を含む、ハニカム押出ダイ。
【0114】
実施形態36
ハニカム押出ダイであって、
交差したスロットを形成するように配置されたダイピンであって、前記ダイピンが、入口ピンおよび出口ピンを含み、前記入口ピンの断面積が、前記出口ピンの断面積よりも大きく、前記出口ピンが、4ミル(0.10mm)~7ミル(0.18mm)の範囲の出口角隅半径Roを含み、前記入口ピンが、16ミル(0.41mm)~20ミル(0.51mm)の範囲の入口角隅半径Riを含む、ダイピンと、
2つの前記入口ピンの対向した入口角隅と2つの前記出口ピンの対向した出口角隅との間に配置されたセンタポストスロットと、
前記2つの出口ピンの前記対向した出口角隅の間の最短距離である第1の対角スロット長さDS1であって、DS1が26ミル(0.66mm)~32ミル(0.81mm)の範囲にある、第1の対角スロット長さDS1と、
前記2つの入口ピンの前記対向した入口角隅の間の最短距離である第2の対角スロット長さDS2であって、DS2が10ミル(0.25mm)~16ミル(0.41mm)の範囲にある、第2の対角スロット長さDS2と、
1.9~2.5の範囲にあるアスペクト比DS1:DS2と、
350ダイピン/平方インチ(dppsi)(54ダイピン/平方センチメートル(dppscm))~450dppsi(70dppscm)の範囲のダイピン密度と
を含む、ハニカム押出ダイ。
【0115】
実施形態37
ハニカム構造を含むハニカム本体であって、
前記ハニカム構造の入口端と出口端との間に延在する交差した多孔質壁と、
前記交差した多孔質壁により形成される入口通路および出口通路であって、前記入口通路が入口水力直径HDiを含み、前記出口通路が出口水力直径HDoを含み、前記入口通路が、入口角隅半径Riを有する入口角隅を含み、前記出口通路が、出口角隅半径Roを有する出口角隅を含む、入口通路および出口通路と、
2つの前記入口通路の隣接する対向した入口角隅と、2つの前記出口通路の隣接する対向した出口角隅とにより画定されたセンタポストであって、
前記隣接する対向した出口角隅の間の最短距離である第1の対角線長さD1、
前記隣接する対向した入口角隅の間の最短距離である第2の対角線長さD2、
水力直径比HDi:HDoが1.4~1.6の範囲にあり、かつ通路密度が350cpsi(54cpscm)~450cpsi(70cpscm)の範囲にある場合に、2.7未満のアスペクト比D1:D2、ならびに
前記水力直径比HDi:HDoが1.2~1.4未満の範囲にあり、かつ前記通路密度が250cpsi(39cpscm)~350cpsi(54cpscm)未満の範囲にある場合に、2.0未満の前記アスペクト比D1:D2および7ミル未満の前記出口角隅半径Ro
を含む、センタポストと
を含むハニカム構造を含むハニカム本体。
図1A
図1B
図2
図3
図4
図5
図6A
図6B