IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ユリウス ブルム ゲー エム ベー ハーの特許一覧

<>
  • 特許-家具部分のための作動駆動装置 図1
  • 特許-家具部分のための作動駆動装置 図2a
  • 特許-家具部分のための作動駆動装置 図2b
  • 特許-家具部分のための作動駆動装置 図3
  • 特許-家具部分のための作動駆動装置 図4
  • 特許-家具部分のための作動駆動装置 図5
  • 特許-家具部分のための作動駆動装置 図6
  • 特許-家具部分のための作動駆動装置 図7
  • 特許-家具部分のための作動駆動装置 図8
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-07
(45)【発行日】2022-10-18
(54)【発明の名称】家具部分のための作動駆動装置
(51)【国際特許分類】
   E05F 3/22 20060101AFI20221011BHJP
   E05F 1/14 20060101ALI20221011BHJP
   E05F 1/12 20060101ALI20221011BHJP
【FI】
E05F3/22 D
E05F1/14 A
E05F1/12
【請求項の数】 14
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021008107
(22)【出願日】2021-01-21
(62)【分割の表示】P 2018567198の分割
【原出願日】2017-04-13
(65)【公開番号】P2021063432
(43)【公開日】2021-04-22
【審査請求日】2021-02-19
(31)【優先権主張番号】A50564/2016
(32)【優先日】2016-06-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】AT
(73)【特許権者】
【識別番号】597140501
【氏名又は名称】ユリウス ブルーム ゲー・エム・ベー・ハー
【氏名又は名称原語表記】Julius Blum GmbH
【住所又は居所原語表記】Industriestrasse 1, 6973 Hoechst, Austria
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【弁理士】
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100135633
【弁理士】
【氏名又は名称】二宮 浩康
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】マルテ シュミート
【審査官】野尻 悠平
(56)【参考文献】
【文献】特表2013-500411(JP,A)
【文献】登録実用新案第3001891(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2012/0060323(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E05F 1/00 - 13/04
17/00
E05D 15/00 - 15/58
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
家具外枠(2)に対して運動可能に支承された家具部分(3)を運動させるための作動駆動装置(4)であって、
前記運動可能な家具部分(3)を運動させるための、旋回可能に支承された少なくとも1つの作動アーム(6)と、
前記作動アーム(6)に力を加えるためのばね装置(7)と、
前記作動アーム(6)を解除可能にロックするためのロック装置(17)と、
を備え、前記ロック装置(17)は、運動可能に支承された少なくとも1つのロックエレメント(20)を有しており、該ロックエレメント(20)は、前記作動アーム(6)をロックする位置において少なくとも1つの係止凹部(28a)と協働
前記ロック装置(17)は、手動で操作すべき切換エレメント(18)により、かつ前記作動アーム(6)における前記運動可能な家具部分(3)の組付けによって負荷を加えることができる、前記作動アーム(6)に支承された制御部分(19)により、前記少なくとも1つの係止凹部(28a)からロック解除可能である、作動駆動装置(4)において、
前記ロックエレメント(20)は、円筒形のピンとして形成されていることを特徴とする、作動駆動装置(4)。
【請求項2】
前記作動アーム(6)は、前記少なくとも1つの係止凹部(28a)と前記ロックエレメント(20)との協働により、閉鎖位置にロック可能である、請求項1記載の作動駆動装置。
【請求項3】
少なくとも1つの第2の係止凹部(28b)が設けられており、該第2の係止凹部(28b)と前記ロックエレメント(20)との協働により、前記作動アーム(6)が開放位置にロック可能である、請求項1または2記載の作動駆動装置。
【請求項4】
少なくとも1つの第3の係止凹部(28c)が設けられており、該第3の係止凹部(28c)と前記ロックエレメント(20)との協働により、前記作動アーム(6)が、前記開放位置と閉鎖位置との間に位置する中間位置にロック可能である、請求項3記載の作動駆動装置。
【請求項5】
前記中間位置が、前記作動アーム(6)の半分開放した位置に相当する、請求項4記載の作動駆動装置。
【請求項6】
前記切換エレメント(18)は、第1の切換位置と第2の切換位置との間で運動可能に支承されており、前記第1の切換位置において、前記ロックエレメント(20)が前記少なくとも1つの係止凹部(28a)にロック可能であり、前記第2の切換位置において、前記ロックエレメント(20)が前記少なくとも1つの係止凹部(28a)からロック解除可能である、請求項1からまでのいずれか1項記載の作動駆動装置。
【請求項7】
前記切換エレメント(18)は、前記作動アーム(6)に可動に配置されている、請求項1からまでのいずれか1項記載の作動駆動装置。
【請求項8】
前記切換エレメント(18)は、少なくとも1つの第1のガイド軌道(25)を有しており、前記ロックエレメント(20)は、前記切換エレメント(18)の手動の操作により、または前記制御部分(19)に負荷を加えることにより、前記少なくとも1つのガイド軌道(25)内で、または前記少なくとも1つのガイド軌道(25)に沿って運動可能に支承されている、請求項1からまでのいずれか1項記載の作動駆動装置。
【請求項9】
前記切換エレメント(18)は第2のガイド軌道(26)を有しており、前記作動アーム(6)の枢着軸(I)は、前記切換エレメント(18)の手動の操作により、または前記制御部分(19)に負荷を加えることにより、前記第2のガイド軌道(26)内で、または前記第2のガイド軌道(26)に沿って運動可能に支承されている、請求項記載の作動駆動装置。
【請求項10】
前記制御部分(19)は、回動軸線(30)の周りに回動可能に支承された、2つのレバー端部を備えるレバーとして形成されており、該レバーの第1のレバー端部には、前記作動アーム(6)における前記運動可能な家具部分(3)の組付けにより、前記運動可能な家具部分(3)に取り付けるべき金具部分(22)によって負荷を加えることができ、前記レバーの第2のレバー端部はガイド部(31)を有しており、該ガイド部内に、または該ガイド部に沿って、前記ロックエレメント(20)が摺動可能に支承されている、請求項1からまでのいずれか1項記載の作動駆動装置。
【請求項11】
前記作動アーム(6)は、係止装置(23)により、前記運動可能な家具部分(3)に取り付けるべき前記金具部分(22)に解除可能に係止することができる、請求項10記載の作動駆動装置。
【請求項12】
前記作動アーム(6)は、枢着軸(I)を介してレバー(8)に旋回可能に結合されており、前記ロック装置(17)は、前記作動アーム(6)と前記レバー(8)との間でロック効果を発揮する、請求項1から11までのいずれか1項記載の作動駆動装置。
【請求項13】
前記少なくとも1つの係止凹部(28a)は、前記レバー(8)に配置されているか、または形成されている、請求項12記載の作動駆動装置。
【請求項14】
前記切換エレメント(18)および/または前記制御部分(19)には、ばねエレメント(33)によりロック位置の方向に向かって予荷重が加えられている、請求項1から13までのいずれか1項記載の作動駆動装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、家具外枠に対して運動可能に支承された家具部分を運動させるための作動駆動装置であって、
運動可能な家具部分を運動させるための、旋回可能に支承された少なくとも1つの作動アームと、
作動アームに力を加えるためのばね装置と、
作動アームを解除可能にロックするためのロック装置と、を備え、ロック装置は、運動可能に支承された少なくとも1つのロックエレメントを有しており、ロックエレメントは、作動アームをロックする位置において、少なくとも1つの係止凹部と協働する、作動駆動装置に関する。
【背景技術】
【0002】
作動アームの旋回位置を固定するためのロック装置を備える作動駆動装置は、特に家具外枠に対して高さ方向に運動可能に支承されている家具フラップの運動のために使用される。ばね装置により、家具フラップの重量を少なくとも部分的に補償可能であるので、家具フラップの運動はばね装置により支援され、したがってユーザにとっても操作が容易になる。家具フラップがまだ作動アームに結合されていない場合に、危機的な状況が生じてしまう。そのような場合、ばね装置にカウンタウェイトが作用しないので、フラップを有しない作動アームは、負荷を加えるばね装置の力によって制御されずに振れて、その際に組立て作業員に重傷を負わせるか、または物の破損を引き起こしてしまう。
【0003】
作動アームの旋回位置を解除可能に固定するためのロック装置を備える作動駆動装置は、たとえば国際公開第2007/041736号および国際公開第2011/011800号に示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の課題は、冒頭で述べた作動駆動装置を改良して、より快適なロック解除性を有するようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この課題は、本発明によれば、請求項1に記載の特徴によって解決される。本発明の別の有利な構成は従属請求項に記載されている。
【0006】
本発明によれば、手動で操作すべき切換エレメントにより、かつ作動アームにおける運動可能な家具部分の組付けによって負荷を加えることができる、作動アームに支承された制御部分により、ロックエレメントが、少なくとも1つの係止凹部からロック解除可能であることが規定される。
【0007】
言い換えると、運動可能に支承されたロックエレメントを備えるロック装置が設けられており、ロックエレメントは、切換エレメントの手動の操作により、かつ作動アームにおける運動可能な家具部分の組付けにより、作動アームをロックする位置からロック解除可能である。これにより、現場の組立て作業員にとって、作動アームが、選択的に手動の操作により、または作動アームにおける家具フラップの組付けにより、ロック位置から解除可能であるという利点が生じる。このとき、切換エレメントおよび制御部分は、それぞれ同一のロックエレメントと協働する。切換エレメントと制御部分とは、好適にはこのロックエレメントにより、互いに連動式に結合されているので、切換エレメントの運動時には、制御部分も一緒に運動し、制御部分の運動時には、切換エレメントも一緒に運動する。
【0008】
切換エレメントは、第1の切換位置と第2の切換位置との間で運動可能に支承されていてよく、第1の切換位置ではロックエレメントが少なくとも1つの係止凹部にロックされており、第2の切換位置ではロックエレメントが係止凹部からロック解除可能である。切換エレメントは、手動操作のために形成されているか、または工具を収容するためのアダプタを有していてよい。ロックエレメントと少なくとも1つの係止凹部との間のロックは、切換エレメントに力を加えることにより解除可能である。
【0009】
切換エレメントへの力作用が解消されるか、または運動可能な家具部分と作動アームとの間の結合が解除されると、ロックエレメントはばねエレメントの力によって再びロック位置へと移動するので、作動アームはその旋回位置にロックされ、したがって再び開放位置の方向に振れることができない。
【0010】
実施例によれば、作動アームはロックエレメントと少なくとも1つの係止凹部との協働により、閉鎖位置においてロック可能である。この形式により、運動可能な家具部分は、閉鎖位置に位置している作動アームに結合可能である。しかし、少なくとも1つの第2の係止凹部が設けられていてもよく、この場合、作動アームは、第2の係止凹部とロックエレメントとの協働により開放位置にロック可能である。有利である場合には、第3の係止凹部が設けられていてもよく、この場合、作動アームは、第3の係止凹部とロックエレメントとの協働により、好適には作動アームが半分開放した位置に相当する、開放位置と閉鎖位置との間に位置する中間位置においてロック可能である。
【0011】
全体的に、作動アームの、異なる少なくとも3つの係止位置(つまり、作動アームの閉鎖位置、開放位置および半分開放した位置)が生じるので、作動アームは予め規定されたこれら3つの旋回位置において家具フラップに結合可能である。
【0012】
本発明の別の詳細および利点は、図面に示された実施例から明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1図1aおよび図1bは、家具外枠に対して運動可能に支承された家具部分と、運動可能な家具部分を運動させるための作動駆動装置とを備える家具を示す図である。
図2a図2aは、ロックされた作動アームを備える作動駆動装置の横断面である。
図2b図2bは、図2aの拡大詳細図である。
図3図3aおよび図3bは、ロック解除された作動アームを備える作動駆動装置の横断面と、その拡大詳細図である。
図4図4aおよび図4bは、作動駆動装置の開放位置における作動駆動装置の横断面と、その拡大詳細図である。
図5図5aおよび図5bは、作動駆動装置の横断面と、その拡大詳細図であり、作動アームは開放位置において運動可能な家具部分に結合されている。
図6図6aおよび図6bは、作動駆動装置の横断面と、その拡大詳細図であり、作動アームは閉鎖位置において運動可能な家具部分に結合されている。
図7図7aおよび図7bは、作動駆動装置の横断面と、その拡大詳細図であり、作動アームは半分開放した位置において運動可能な家具部分に結合されている。
図8図8aおよび図8bは、作動駆動装置を示す部分的に開放された斜視図と、その拡大詳細図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1aは、家具1の斜視図を示している。ここでは、運動可能な家具部分3が作動駆動装置4によって、水平方向に延びる回動軸線の周りに、家具外枠2に対して旋回可能に支承されている。作動駆動装置4により、運動可能な家具部分3は、垂直方向の閉鎖位置を起点として、家具外枠2に対して持ち上げられた位置へと(かつ反対の方向へと)運動可能である。作動駆動装置4は、家具外枠2に取り付けるべきケーシング5と、ケーシング5に対して旋回可能に支承された、運動可能な家具部分3を運動させるための少なくとも1つの作動アーム6とを有している。作動アーム6に力を加えるために、ばね装置7が設けられているので、運動可能な家具部分3の操作がユーザにとって容易になる。作動アーム6は、係止装置23により、運動可能な家具部分3に取り付けられるべき金具部分22に、解除可能に係止することができる。
【0015】
図1bは、可能な実施例による作動駆動装置4を示している。ケーシング5には、ばね装置7(たとえばコイルばねとして形成された少なくとも1つの圧縮ばね)が支承されている。このばね装置7は、定置の枢着軸Aにおいて支持されており、枢着軸Bを押圧する。枢着軸Bは、2つのアームを有する変向レバー9の第1のレバー端部に支承されている。この変向レバー9は、枢着軸Cの周りに回動可能に支承されている。変向レバー9の第2のレバー端部は、枢着軸Dを介して押圧レバー10に接続している。押圧レバー10は、ピン11を介して、回動軸線Eの周りに回動可能なレバー12に枢着結合されている。調節装置13により、レバー12のガイド部に沿った、枢着軸Eに対するピン11の間隔、ひいてはピン11と枢着軸Eとの間の有効なレバーアームが変更可能であるので、ばね装置7の、作動アーム6に作用する回動モーメントを、運動可能な家具部分3のそれぞれの重量に対応して調節することができる。レバー12は、枢着軸F,Gを介してレバー8,14に枢着結合されている。この場合、レバー8,14は、枢着軸H,Iを介して、作動アーム6に旋回可能に結合されている。作動駆動装置4は、さらにハイドロリック式の流体ダンパの形の緩衝装置15を有している。流体ダンパは、図示の実施例では、ピストン-シリンダユニットとして実施されている。作動アーム6の閉鎖運動時に、枢着軸Eの周りに旋回可能なレバー12が、ピストン-シリンダユニットのプランジャに衝突し、次いで緩衝行程の実施のために緩衝装置15のシリンダとピストンとの間の相対運動が行われ、これにより、レバー12の運動(ひいては運動可能な家具部分3の運動)が、完全な閉鎖位置に至るまでの閉鎖運動の終わりごろに制動される。
【0016】
家具金具4は、作動アーム6とケーシング5との相対的な旋回運動の開放角度を制限するための制限装置16を有しているので、作動アーム6の最大の旋回経路(ひいては運動可能な家具部分3の最大の旋回経路)を制限可能である。制限装置16は、レバー8において運動可能に支承された操作エレメント16aを有している。操作エレメント16aの、手動または工具によって行われる操作により、作動アーム6の最大の開放角度を調節可能に制限することができる。この制限装置16は、たとえば、運動可能な家具部分3が組付け位置において天井のすぐ下側に位置しており、開放時にこの天井と運動可能な家具部分3との衝突が阻止されることが望ましい場合に有利である。図示の実施例では、レバー8,14が、枢着軸F,G,H,Iと一緒に四節回転機構を形成する。この場合、制限装置16によって、レバー8,14の間の間隔が制限可能である。
【0017】
作動駆動装置4はさらに、作動アーム6の旋回位置をロックするためのロック装置17を有している。このロック装置17は、運動可能な家具部分3がまだ作動アーム6に結合されていない場合に、ばね装置7により作動アーム6に作用する回動モーメントに基づいて、フラップを有しない作動アーム6が、開放方向に制御されずに振れることが回避されるという利点を有している。ロック装置17は、手動で操作すべき切換エレメント18と、作動アーム6に運動可能に支承された制御部分19とを有している。この制御部分19には、作動アーム6における運動可能な家具部分3の組付けにより(つまり、運動可能な家具部分3に取り付けられるべき金具部分22により)負荷を加えることができる。切換エレメント18への力作用により、かつ制御部分19への力作用により(すなわち運動可能な家具部分3の組付けによる作動アーム6と金具部分22との結合の形成により)、ロックエレメント20が、作動アーム6に設けられた長孔21に沿って、作動アーム6をロックする位置を起点として、作動アーム6を解放する位置へと運動可能に支承されている。ロック装置20は、図示の実施例では円筒形のピンとして形成されている。作動アーム6には、ばね弾性的な係止レバーを備える係止装置23が支承されている。この係止レバーにより、作動アーム6は、運動可能な家具部分3に取り付けられるべき金具部分22に解除可能に係止することができる。作動アーム6には、調節ホイールを備える少なくとも1つの調節装置27が設けられている。調節ホイールの回動により、金具部分22に対する作動アーム6の位置が調節可能である。
【0018】
図2aは、図1bに示した作動駆動装置4を横断面で示している。作動アーム6の開放角度を制限するための制限装置16は、ストッパ24を有している。この場合、操作エレメント16aの操作により、ストッパ24の位置が好適には無段階に調節可能である。操作エレメント16aは、レバー8に支承されている。ストッパ24は、開放角度を制限する位置において、レバー14と、好適にはレバー14の材料増厚部と協働する。図2aでは、作動アーム6がロック装置17によりロックされているので、作動アーム6の意図しない開放または振れが、ばね装置7が作動アーム6に開放方向で負荷を加えている旋回領域において、阻止される。
【0019】
ロック装置17は、ロックエレメント20を有している。ロックエレメント20により、作動アーム6をロックする位置で、枢着軸Iと、切換エレメント18と、制御部分19とが互いに対してロック可能である。このとき、作動アーム6は、閉鎖位置に固定されており、ロックエレメント20は、レバー8に設けられた第1の係止凹部28a内に収容されている。作動アーム6を開放位置にロックするために、第2の係止凹部28bが設けられている。作動アーム6は、開放位置において第2の係止凹部28b内に収容可能である。切換エレメント18は、図示の図面では、作動アーム6において、矢印29の方向(図2b)に運動可能に支承されており、少なくとも、ロックエレメント20の摺動可能な支承のための第1のガイド軌道25と、枢着軸Iの摺動可能な支承のための第2のガイド軌道26とを有している。切換エレメント18の手動の操作により、または制御部分19に負荷を加えることにより、ロックエレメント20は、第1のガイド軌道25内で、または第1のガイド軌道25に沿って運動可能に支承されており、かつ枢着軸Iは、第2のガイド軌道26内で、または第2のガイド軌道26に沿って運動可能に支承されている。制御部分19は、回動軸線30の周りに旋回可能に支承されたレバーとして形成されていてよい。このレバーの第1のレバー端部(符号19)には、運動可能な家具部分3の組付け時に金具部分22よって負荷を加えることができ、制御部分19の第2のレバー端部は、ロックエレメント20を摺動可能に支承するためのガイド部31を有している。運動可能な家具部分3の組付け時に、まず、運動可能な家具部分3に予め組み付けられた金具部分22が作動アーム6の軸受32に掛けられる。続く旋回により、金具部分22(ひいては運動可能な家具部分3)が係止装置23の係止レバーに係止することができる。図2bは、図2aに円で示された領域を拡大して示している。
【0020】
図3aは、図2aおよび図2bによる作動駆動装置4を、作動アーム6がロック解除された位置で示している。切換エレメント18が、図2bを起点として、手動で力を加えることにより、図示された矢印29の方向に移動されると、ロックエレメント20は、係止凹部28aから出るように移動して、切換エレメント18の第1のガイド軌道25に沿って摺動する。枢着軸Iは、切換エレメント18の第2のガイド軌道26に沿って移動し、制御部分19は、回動軸線30の周りに旋回し、ロックエレメント20は、制御部分19のガイド部31に沿って摺動する。作動アーム6における運動可能な家具部分3の組付け時に、この他のことは行われない。このとき、運動可能な家具部分3に取り付けられるべき金具部分22は、制御部分のレバーアーム(符号19)に時計回り方向に負荷を加えるので、係止凹部28aからのロックエレメント20のロック解除と、上述の運動の流れとが、同一の形式で行われる。切換エレメント18は、作動アーム6における金具部分22の組付けにより、自動的に図示の矢印29(図2b)の方向に移動する。したがって、ユーザにとって、矢印29の方向への切換エレメント18の手動の操作により、または選択的に作動アーム6への金具部分22の組付けにより、作動アーム6のロック解除を引き起こすことが可能である。ロック解除が行われた後に、作動アーム6は、切換エレメント18への矢印29の方向での力作用により、再び開放位置の方向へと運動することができる。
【0021】
図4aは、作動アーム6を備える作動駆動装置4の横断面を開放位置で示している。図4bは、図4aにおいて円で囲んだ領域を拡大して示している。作動アーム6は、切換エレメント18への矢印29の方向での押圧作用を維持しながら、制御されて開放位置へと運動することができる。切換エレメント18への手動の押圧作用が解消されると、ロックエレメント20は、ばねエレメント33(図8b)の力によりレバー8の第2の係止凹部28bに自動的に係止可能であるので、作動アーム6は、開放位置でロックされる。
【0022】
図5aは、作動駆動装置4の横断面を作動アーム6に組み付けられた家具部分3と共に示している。家具部分3に取り付けられた金具部分22は、組付け時に、まず、その端部領域で作動アーム6の軸受32に掛けられ、この軸受32の周りに、金具部分22の第2の端部領域が係止装置23のばね弾性的な係止レバーに解除可能に係止することができるまで、旋回する。この組付けにより、制御部分19が、金具部分22により、回動軸線30を中心として時計回り方向に押圧されるので、ロックエレメント20がレバー8の第2の係止凹部28bから出てロック解除されて、作動アーム6は旋回運動のために解放される。図5bは、図5aにおいて円で囲まれた領域を拡大して示している。
【0023】
図6aは、作動駆動装置4を横断面で示している。ここでは、閉鎖位置にある作動アーム6は、運動可能な家具部分3に結合されている。作動アーム6が閉鎖位置においてロックエレメント20によりロックされている図2aに示した位置を起点として、運動可能な家具部分3に取り付けられた金具部分22が作動アーム6の軸受32に掛けられ、この軸受32の周りに、金具部分22の第2の端部領域が係止装置23の係止レバーに解除可能に係止することができるまで、旋回される。この組付けにより、制御部分19は、金具部分22により、回動軸線30を中心として時計回り方向に押圧されるので、ロックエレメント20は、レバー8の第1の係止凹部28aから出てロック解除されて、作動アーム6は、旋回運動のために解放される。図6bは、図6aにおいて円で囲まれた領域を拡大して示している。
【0024】
図7aは、作動駆動装置4の横断面を示している。作動アーム6は、半分開放した位置で運動可能な家具部分3に結合可能である。ロック装置17は、このために第3の係止凹部28cを有している。この第3の係止凹部28c内には、ロックエレメント20が収容されている。第1の係止凹部28a、第2の係止凹部28bおよび第3の係止凹部28cは、それぞれレバー8の周縁部に形成されていてよい。ロックされた作動アーム6は、ほぼ45°の開放位置に位置しており、切換エレメント18への力作用により、または作動アーム6における運動可能な家具部分3の組付けにより、ロック解除可能である。切換エレメント18の直線のガイド軌道25,26を確認可能であり、ガイド軌道25,26の主長手方向は、互いに対して直交して延びている。制御部分19のガイド部31も確認可能であり、このガイド部31に沿ってロックエレメント20が摺動可能である。
【0025】
図8aは、作動駆動装置4を、部分的に開放された斜視図で示している。作動アーム6は、レバー8,12,14を介して、ケーシング5に対して旋回可能に支承されている。作動アーム6の閉鎖運動は、緩衝装置15により緩衝可能である。制限装置16の、レバー8に支承された操作エレメント16aが確認可能である。この制限装置16により、作動アーム6の最大の開放角度が制限可能である。図8bは、図8aにおいて円で囲まれた領域を拡大して示している。ロックエレメント20は、切換エレメント18により、かつ制御部分19により、選択式に異なる3つの係止凹部28a,28b,28cからロック解除可能である。切換エレメント18および/または制御部分19には、ばねエレメント33により、ロック位置の方向に向かって予荷重が加えられている。このばねエレメント33は、ロックエレメント20を、切換エレメント18の非操作時に、または作動アーム6からの金具部分22の分離により、再びロック位置に運動させるように作用するので、作動アーム6は、ばねエレメント33の力によって自動的にその旋回位置にロック可能である。ばねエレメント33は、図示の実施例では、回動軸線30に配置されたねじりばねとして形成されている。このねじりばねの第1の端部は作動アーム6の対向ストッパ34を押圧し、ねじりばねの第2の端部は、制御部分19を押圧するので、ロックエレメント20には係止凹部28a,28b,28cの方向に作用する力が常に加えられる。
図1
図2a
図2b
図3
図4
図5
図6
図7
図8