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特許7155326天然産生物増殖媒体を用いた汚染流体中の物質の低減
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-07
(45)【発行日】2022-10-18
(54)【発明の名称】天然産生物増殖媒体を用いた汚染流体中の物質の低減
(51)【国際特許分類】
   C02F 3/08 20060101AFI20221011BHJP
   C02F 3/10 20060101ALI20221011BHJP
   C02F 3/00 20060101ALI20221011BHJP
【FI】
C02F3/08 B
C02F3/10 A
C02F3/00 G
【請求項の数】 18
(21)【出願番号】P 2021071872
(22)【出願日】2021-04-21
(62)【分割の表示】P 2019060791の分割
【原出願日】2014-10-21
(65)【公開番号】P2021107082
(43)【公開日】2021-07-29
【審査請求日】2021-05-10
(31)【優先権主張番号】61/894,232
(32)【優先日】2013-10-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】516116482
【氏名又は名称】ヌヴォダ エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】110001416
【氏名又は名称】特許業務法人 信栄特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】カルホーン,ジェイソン
【審査官】富永 正史
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第07481934(US,B1)
【文献】米国特許出願公開第2007/0209999(US,A1)
【文献】特開昭62-057661(JP,A)
【文献】特開平02-218496(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C02F 3/00-3/34
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
1つ以上の物質を第1の濃度で含む流体を処理するためのシステムであって、該システムが:
(a)コンタクタであって:
(i)1つ以上の物質を第1の濃度で含む流体を受取るための、少なくとも1つの入口接続部;
(ii)生物増殖媒体を受取るための、少なくとも1つの入口接続部;
(iii)微生物増殖物を含む生物学的汚泥を受取るための、少なくとも1つの入口接続部;及び
(iv)流体、生物増殖媒体、及び微生物増殖物を含む混合物を排出するための、少なくとも1つの出口接続部、を含む該コンタクタと;
(b)エアレータであって:
(i)少なくとも1つのコンタクタ出口接続部へ流体連結された少なくとも1つの入口接続部であり、前記流体、前記生物増殖媒体、及び前記微生物増殖物を含む前記混合物のいくらか又は全てを受取るための少なくとも1つのコンタクタ出口接続部へ流体連結された少なくとも1つの該入口接続部;
(ii)酸素含有ガスを受取るための、少なくとも1つの入口接続部;
(iii)前記混合物中に酸素含有ガスを分散して、エアレータ内の微生物増殖物の少なくとも一部による1つ以上の物質の少なくとも一部の生理的消費により、少なくとも微生物増殖物と生物増殖媒体とを含む生物汚泥の形成を好気的に刺激するための、少なくとも1つのガス分散システム;及び
(iv)前記流体、前記生物増殖媒体、及び前記微生物増殖物を含む前記混合物であって、前記流体は1つ以上の物質の一部又は全てを第2の濃度で含み、第2の濃度は第1の濃度よりも低い、混合物を排出するための少なくとも1つの出口接続部であり、該出口接続部、を含む該エアレータと;並びに
(c)前記流体、前記生物増殖媒体、及び前記微生物増殖物を含む前記混合物であって、前記流体は1つ以上の物質の一部又は全てを第2の濃度で含み、第2の濃度は第1の濃度よりも低い、混合物を少なくとも50重量%の生物増殖媒体を含んでなる分離された生物増殖媒体リッチ成分と、微生物増殖リッチ生体成分とに配分するための、セパレータであって:
(i)前記エアレータにより排出された前記流体、前記生物増殖媒体、及び前記微生物増殖物を含む前記混合物であって、前記流体は1つ以上の物質の一部又は全てを第2の濃度で含み、第2の濃度は第1の濃度よりも低い、混合物を受取るための、前記エアレータに連結された、少なくとも1つの入口接続部を含む液体/固体分離段階であって、前記液体/固体分離段階は、前記エアレータにより排出された前記流体、前記生物増殖媒体、及び前記微生物増殖物を含む前記混合物であって、前記流体は1つ以上の物質の一部又は全てを第2の濃度で含み、第2の濃度は第1の濃度よりも低い、混合物を流体リッチ部分と生物汚泥リッチ部分とに配分するように構成されている、少なくとも1つの液体/固体分離段階;
(ii)前記生物汚泥リッチ部分の少なくともいくらかを、分離された生物増殖媒体リッチ成分と前記微生物増殖物リッチ生体成分とに配分するための、少なくとも1つの固体/固体分離段階;
(iii)前記流体リッチ成分の一部を排出するための、少なくとも1つの排出接続部
(iv)前記システムから前記微生物増殖物リッチ生体成分を排出するための、少なくとも1つの排出接続部;及び
(v)分離された生物増殖媒体リッチ成分の少なくとも一部を前記コンタクタへ排出するための、少なくとも1つの排出接続部、を含む該セパレータと、
を含んでなる、該システム。
【請求項2】
生物増殖媒体が粉末天然リグノセルロース材料(PNLM)を含んでなる、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
流体が、水と、炭化水素およびフェノール化合物から選択される1つ以上の化合物を含んでなる前記1つ以上の物質とを含んでなる、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記1つ以上の炭化水素が:ベンゼン化合物、トルエン化合物、エチルベンゼン化合物、キシレン化合のうちの1つ以上を含む、請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記1つ以上の物質がさらに:アンモニア及び硫化水素のうちの1つ以上を含んでなる、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
水と前記1つ以上の物質とを含んでなる流体が、1つ以上の第四級アミン化合物を含んでなる、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
液体/固体分離段階が:重力沈降池、遠心分離機、又はフィルタ、の少なくとも1つを含んでなる、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記固体/固体分離段階が:1つ以上の遠心分離機、1つ以上の液体サイクロン、又は1つ以上のドラムセパレータのうちの少なくとも1つを含んでなる、請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
前記コンタクタがさらに、少なくとも1つの表面固体除去システムを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
前記コンタクタがさらに、少なくとも1つの底部固体除去システムを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項11】
前記コンタクタが好気的コンタクタを含んでなり、これにおいて流体、生物増殖媒体、及び微生物増殖物が、好気条件下に維持される、請求項1に記載のシステム。
【請求項12】
流体中に存在する1つ以上の物質の濃度を、第1の濃度から、第1の濃度より低い第2の濃度へ低減する方法であって:
微生物増殖物をコンタクタ内で、1つ以上の物質を第1の濃度で含有する流体を含む環境に順応させて、順化微生物増殖物を提供すること;
前記順化微生物増殖物の少なくとも一部と、1つ以上の物質を第1の濃度で含有する流体と、及び生物増殖媒体とを、エアレータに投入すること;
前記エアレータ内で、生物増殖媒体濃度を、1リットルの流体当たり1ミリグラムの生物増殖媒体(mg/l)から5,000mg/lに維持すること;
酸素含有ガスを流体中に分散させることにより、前記エアレータ内で、溶解酸素濃度を、1リットルの流体当たり0.1ミリグラムの酸素(mg/l)から5mg/lに維持すること;
前記エアレータ内で、微生物増殖物と生物増殖媒体とを含む生物汚泥の形成を促進すること;
前記エアレータ内の前記微生物増殖物の少なくとも一部による、流体中に存在する1つ以上の物質の少なくとも一部の生理的消費により、流体中の1つ以上の物質の濃度を、第1の濃度から第2の濃度へ低減すること;
前記流体、前記生物増殖媒体、及び前記微生物増殖物を含む混合物であって、前記流体は1つ以上の物質の一部又は全てを第2の濃度で含み、第2の濃度は第1の濃度よりも低い、混合物を前記エアレータから排出すること;
少なくとも1つの液体/固体分離段階において、前記エアレータにより排出された前記流体、前記生物増殖媒体、及び前記微生物増殖物を含む前記混合物を、流体リッチ部分と生物汚泥リッチ部分とに分離すること;
少なくとも1つの固体/固体分離段階で、生物汚泥リッチ部分の少なくともいくらかを、微生物増殖物を含んでなる少なくとも一つの分離された生物増殖媒体リッチ成分と、少なくとも50重量%の分離された生物増殖媒体を含んでなる生物増殖媒体成分とに分離すること;及び
分離された生物増殖媒体リッチ成分の少なくとも一部を前記コンタクタへ投入して、前記生物増殖媒体の少なくとも一部を提供すること、
を含んでなる該方法。
【請求項13】
コンタクタ内で、1つ以上の物質を第1の濃度で含有する流体を含む環境に微生物増殖物を順化させることが:
好気条件下に、1つ以上の物質を第1の濃度で含有する流体の少なくとも一部を、1つ以上の粉末天然リグノセルロース材料(PNLM)を含む生物増殖媒体と、及び微生物増殖物の少なくとも一部を含む生体成分と組合せること、
を含んでなる、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
1つ以上の物質を第1の濃度で含有する流体の少なくとも一部を、1つ以上の粉末天然リグノセルロース材料(PNLM)を含む生物増殖媒体と組合せることが:
1つ以上の物質を第1の濃度で含有する流体の少なくとも一部を、ケナフを含む生物増殖媒体と組合せること、
を含んでなる、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
1つ以上の物質を第1の濃度で含有する流体を含む環境に微生物増殖物を順化させることが:
1つ以上の炭化水素を500重量百万分率(ppm)以上の第1の濃度で含んでなる、1つ以上の物質を含有する水を含んでなる流体を含む環境に、微生物増殖物を順化させること、
を含んでなる、請求項12に記載の方法。
【請求項16】
1つ以上の物質を第1の濃度で含有する流体を含む環境に微生物増殖物を順化させることが:
アンモニア化合物又は硫化水素化合物、の少なくとも1つを20重量百万分率(ppm)以上の第1の濃度で含んでなる、1つ以上の物質を含有する水を含んでなる流体を含む環境に、微生物増殖物を順化させること、
を含んでなる、請求項12に記載の方法。
【請求項17】
1つ以上の物質を第1の濃度で含有する流体を含む環境に微生物増殖物を順化させることが:
第四級アミンを50重量百万分率(ppm)以上の第1の濃度で含んでなる、1つ以上の物質を含有する水を含んでなる流体を含む環境に、微生物増殖物を順化させること、
を含んでなる、請求項12に記載の方法。
【請求項18】
前記エアレータが、前記1つ以上の物質を前記第1の濃度で含有する前記流体の一部を受取るための、少なくとも1つの入口接続部をさらに含む、請求項1に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は全般的に、1つ以上の汚染物質を含有する流体の微生物学的処理、より特定的には粉末天然リグノセルロース材料(「PNLM」)を用いた微生物学的処理システム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
生物学的処理システムは、地方自治体、工業、及び商業の水処理分野のいたるところに見いだされる。生物学的処理システムは、微生物の発生に好適な条件(例えば、pH、溶存酸素、栄養分、及び温度)を維持して、システム中に存在する生物が、水中に存在する汚染物質又は他の物質の少なくとも一部を生物学的増殖(すなわち、バイオマスの増加)へ、また水、二酸化炭素、及びメタンなどの1つ以上の好ましい副産物へ、変換させるようにする。伝統的には、生物学的処理システムは、住宅、社会事業、商業、及び工業用の施設から収集された下水などの飲用水排水を処理した。時には生物学的処理システムは、工業及び商業からの追加の廃棄物を受入れることがある。またある時には、生物学的処理システムはまた、特に工業及び商業的状況において、大量の雨水を受入れることもある。廃水発生源の全く異なる性質を考慮すれば、生物学的処理施設は、下水廃棄物、泥、がれき、油、及びグリースのいかなる組合せも受入れることがある。
【0003】
変わりやすい廃水状況に対処するため、生物学的処理システムは一般に、しばしば一次処理、二次処理、及び三次処理と称される3つの段階を含んでなる。流入廃水は、多数のスクリーン、フィルタ、又は篩を通過して、大きい及び/又は高密度のがれき(例えば、砂、岩、布くず、棒切れ、ビニール袋、及び他の「くず」)を除去する。スクリーンされた廃水は、一次処理段階へ流れる。一次処理段階はしばしば、流入廃水を受入れるための、静止した沈殿池又は沈砂池の使用を含む。廃水中に存在する重い固体は、沈砂池中で沈下する傾向があり、ドラグ、スクレーパ、又は類似の装置を用いて除去される。油及びグリースなどの軽い物質、並びに浮遊性固体は、沈砂池中で浮かぶ傾向があり、スキマー又は類似の装置を用いて除去される。少なくともいくつかの例では、より高密度の、より沈降しやすい固体の形成を促進するため、1つ以上の凝集剤が沈砂池に投入され得る。少なくともいくつかの例では、廃水中に存在する油及びグリースの少なくとも一部を含有する、よりスキムされやすい泡又はフロスの形成を促進するため、溶解空気が沈砂池に投入され得る。清澄水は、この時点で、沈砂池において除去された重い及び軽い固体がなく、一次処理段階から二次処理段階へ流れる。
【0004】
二次処理は、し尿、食品廃棄物、石鹸、洗剤、動物加工、有機及び無機流出化学肥料などに由来する下水を分解する。二次処理段階はまた、廃水中に見られる汚染物質、例えば炭化水素加工操作中に生じた廃水、又は路上/駐車場雨水中に存在し得る炭化水素を分解するべく使用される、1つ以上の物質特異な微生物も含み得る。二次処理工程は、典型的には好気生物学的工程を含み、これにおいて、エアレータ内の細菌及び原生動物は、糖、脂肪、有機短鎖炭素分子などといった、生分解性の可溶性有機汚染物質を消費し、かつ他の低可溶性分画をまとめて凝集塊とする。
【0005】
二次処理システムは、固定フィルム又は付着増殖システムを含み得、これにおいて、微生物増殖は、廃水と連続するか又は断続的に接触する表面上で起こる。典型例は、散水ろ過機、バイオタワー、及び回転式生物学的コンタクタを含む。二次処理システムは、活性汚泥処理システムを含み得、これはエアレータを通して酸素含有ガスを押込み、生物フロックの増殖を促進して、廃水から有機物質を除去する。二次処理の別の形態は、好気性グラニュール汚泥、表面曝気池、ろ床、人工湿地、曝気生物濾過池、回転式生物学的コンタクタ、及び膜リアクタを含む。
【0006】
二次処理システムにおいて形成された汚泥は、クラリファイヤ-セトラなどのセパレータにおいて浄化及び沈降される。いくつかの例では、汚泥の一部は、特定の成分、汚染物質、又は流入廃水中に存在する物質に順化された、微生物集団を一貫して維持するべく、施設流入水へリサイクルされ得る。沈降汚泥の少なくとも一部は、廃棄に先立ち、例えば1つ以上の遠心分離機又はフィルタにより、余分の水を除去するべくさらに加工され得る。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
都市、工業、商業、及び社会事業セクターによって発生される廃棄物は、典型的には1つ以上の懸濁物質及び/又は1つ以上の溶解物質を運ぶ、水などの流体を含む。これらの物質は、下水などの炭素含有物質、及び1つ以上の微生物により生分解可能な炭化水素を含み得る。物質は、窒素及びリン含有化合物などの無機化合物を含み得、これは1つ以上の微生物により形態が変換され得(例えば、硝酸塩は窒素ガスへ変換され得る)、及び/又は1つ以上の微生物の構造内へ吸収され得る(例えば、リンは、ある種の微生物の細胞構造内に貯蔵され得る)。全ての生物学的処理システムは、そこで微生物が物質を分解するか又は別の方法で吸収可能な環境において、1つ以上の物質を含有する流体を微生物と接触させることに依拠している。
【0008】
流体を微生物と接触させるための1つの確立された方法は、確立された微生物増殖物を含む固定フィルムを横切って流体を通過させることによる。かかる固定フィルム処理システムはしばしば、プラスチック又は他の非生分解性の生物学的支持媒体を用い、これは、時間とともに劣化し得、かつ定期的で費用のかかる浄化及び/又は交換を必要とし得る。処理における新たな開発は、懸濁増殖システムの使用を含み、これにおいて、微生物は機械的及び/又は空気攪拌を用いて流体全体に分散される。
【0009】
活性汚泥システムは、生物汚泥の形成を最小化しながらリアクタ内の高いバイオマス濃度を達成するべく、高い生物汚泥リサイクル率で動作され得る。かかる高リサイクル率は、しかしながらクラリファイヤ内の汚泥令を高める傾向がある。クラリファイヤ内の汚泥令を高めることは、結果として糸状細菌などの生物の集積並びに生物学的阻害化合物の集積をもたらし得、その双方ともが、クラリファイヤ内に汚泥を沈降させる能力を妨害し得る。
【0010】
流動式又は充填式の汚泥床システムなどの、先進の固定フィルムリアクタ設計は、効率及び安定性を、特に高度の分解が所望される場合に実証してきた。かかる固定フィルムシステムの1つの重要な成分は、微生物増殖を確立するために用いる媒体である。媒体は、微生物の付着及び増殖を可能にする大量の表面積をもたねばならない。加えて、媒体は安価かつ頑丈でなければならない。粉末ケナフなどの、粉末化された天然リグノセルロース材料(「PNLM」)は、かかる支持媒体を提供し得る。懸濁増殖処理工程に加えた場合、PNLMは、相当な数の有益微生物を含む頑丈なバイオフィルムの発生を支持する、吸着剤並びに生物増殖媒体の双方として作用する。
【0011】
支持媒体としてのPNLMの使用は、処理工程内で沈降及びバイオマス保持を改善し得、それにより生物汚泥のリサイクル能を改善し、生物汚泥令を高め、かつ全体的な生物汚泥生産量を低減する。PNLMの支持性、並びにPNLMが流体により運ばれる物質を吸収する能力は、クラリファイヤへの衝撃負荷を和らげる傾向があり、かつ処理工程における乱れ(upsets)の可能性を低減する。非生分解性支持フィルムとは異なり、PNLMは生分解性であり、かつその有効寿命後に効率的に廃棄され得る。
【0012】
例証となる生物学的処理システムは、コンタクタを含み、これにおいて、1つ以上の物質を第1の濃度で含む流体は、粉末ケナフなどのPNLM生物増殖媒体と、及びPNLM生物増殖媒体上の確立された順化微生物を含有する生物汚泥の接種材料と混合される。コンタクタ内の条件は、確立された順化微生物が、添加されたPNLM生物増殖媒体の少なくとも一部上にバイオフィルムを形成するように維持される。
【0013】
エアレータは、コンタクタから不連続、周期、又は連続ベースで排出された、順化微生物増殖物を受取る。いくつかの例では、エアレータは1つ以上の物質を第1の濃度において含む追加の流体を受取り得る。空気などの酸素含有ガスが、1つ以上の分配器又は類似のものにより、エアレータに添加される。エアレータ内の条件は、さらなる微生物が、エアレータの底部に集まる懸濁生物汚泥の形態で発生するのに有利である。コンタクタ及びエアレータ内に存在するPNLM生物増殖媒体は、流体中の1つ以上の物質の少なくともいくらかを吸収する。PNLM生物増殖媒体によって担持される微生物増殖物はまた、流体中の1つ以上の物質の少なくともいくらかを分解又は消費する。流体はここで、1つ以上の物質の少なくともいくらかが第2の濃度に低減され、エアレータの上部に集まる。1つ以上の物質を第2の濃度で含む流体の少なくとも一部は、エアレータを出る。
【0014】
エアレータの生物汚泥の少なくとも一部は、PNLM生物増殖媒体上の確立された順化微生物を含有する生物汚泥の接種材料を提供するべく、コンタクタへリサイクルされる。エアレータ内の生物汚泥の残余部分の少なくともいくらかは、セパレータへ排出される。セパレータは、PNLM生物増殖媒体の少なくとも一部を生物汚泥から分離する。分離されたPNLM生物増殖媒体の少なくとも一部は、コンタクタへリサイクルされる。PNLM生物増殖媒体から分離された微生物バイオマスは、セパレータを出る。
【0015】
1つ以上の物質を第1の濃度で含む流体を処理するためのシステムは、以下を含むがごとく要約される:(a)以下を含むコンタクタ:(i)1つ以上の物質を第1の濃度で含む流体の第1の部分を受取るための、少なくとも1つの入口接続部;(ii)少なくとも1つの粉末天然リグノセルロース材料(「PNLM」)を含む生物増殖媒体を受取るための、少なくとも1つの入口接続部;(iii)微生物増殖物を含む生物学的汚泥(「生物汚泥」)を受取るための、少なくとも1つの入口接続部;及び(iv)流体、生物増殖媒体、及び微生物増殖物を含む混合物を排出するための、少なくとも1つの出口接続部;(b)以下を含むエアレータ;(i)1つ以上の物質を第1の濃度で含有する流体の残余部分を受取るための、少なくとも1つの入口接続部;(ii)少なくとも1つのコンタクタ出口接続部へ流体連結された、少なくとも1つの入口接続部であり、該混合物のいくらか又は全てを受取るための少なくとも1つの入口接続部;(iii)酸素含有ガスを受取るための、少なくとも1つの入口接続部;(iv)該混合物中に酸素含有ガスを分散して、微生物増殖物の少なくとも一部による1つ以上の物質の少なくとも一部の生理的消費により、少なくとも微生物増殖物と生物増殖媒体とを含む生物汚泥の形成を好気的に刺激するための、少なくとも1つのガス分散システム;(v)1つ以上の物質の一部又は全てを第2の濃度で含む流体を排出するための、少なくとも1つの出口接続部であり、第2の濃度は第1の濃度よりも低い、該出口接続部;及び(vi)生物汚泥の第1の部分をコンタクタへ排出するための、少なくとも1つの出口接続部;及び(c)生物汚泥の残余部分を、少なくとも約60重量%の生物増殖媒体を含んでなる分離された生物増殖媒体成分と、生体成分とに配分するためのセパレータであり、以下を含むセパレータ:(i)エアレータにより排出された生物汚泥の残余部分を受取るための、少なくとも1つのエアレータ出口接続部に流体連結された、少なくとも1つの入口接続部;(ii)生物汚泥を流体リッチ部分と生物汚泥リッチ部分とに配分するための、少なくとも1つの液体/固体分離段階;(iii)生物汚泥リッチ部分の少なくともいくらかを、分離された生物増殖媒体成分と生体成分とに配分するための、少なくとも1つの固体/固体分離段階;(iv)流体リッチ部分の一部を排出するための、少なくとも1つの排出接続部;(v)生体成分を排出するための、少なくとも1つの排出接続部;及び(vi)分離された生物増殖媒体成分の少なくとも一部をコンタクタへ排出するための、少なくとも1つの排出接続部。
【0016】
PNLMは、粉末ケナフを含み得る。流体は、水を含み得、また1つ以上の物質は、1つ以上の炭化水素を含み得る。1つ以上の炭化水素は:ベンゼン化合物、トルエン化合物、エチルベンゼン化合物、キシレン化合物、及びフェノール化合物、の1つ以上を含み得る。第1の濃度は、約400重量百万分率を超え得る。第2の濃度は、20重量百万分率未満であり得る。1つ以上の物質はさらに:アンモニア及び硫化水素、の1つ以上を含み得る。第1の濃度は、約20重量百万分率を超え得る。第2の濃度は、5重量百万分率未満であり得る。流体は、水を含み得、また1つ以上の物質は、1つ以上の第四級アミン化合物を含み得る。液体/固体分離段階は:重力沈降池、遠心分離機、又はフィルタ、の少なくとも1つを含み得る。固体/固体分離段階は:1つ以上の遠心分離機、1つ以上の液体サイクロン、及び1つ以上のドラムセパレータ、の少なくとも1つを含み得る。コンタクタはさらに、少なくとも1つの表面固体除去システムを含み得る。コンタクタはさらに、少なくとも1つの底部固体除去システムを含み得る。コンタクタは、好気的コンタクタを含み得、これにおいて流体、生物増殖媒体、及び微生物増殖物は、好気条件下に維持される。
【0017】
流体中に存在する1つ以上の物質の濃度を、第1の濃度から、第1の濃度より低い第2の濃度へ低減する方法は、以下を含むがごとく要約され得る:微生物増殖物をコンタクタ内で、1つ以上の物質を第1の濃度で含有する流体を含む環境に順応させて、順化微生物増殖物を提供すること;順化微生物増殖物の少なくとも一部と、1つ以上の物質を第1の濃度で含有する流体と、及び1つ以上の粉末天然リグノセルロース材料(「PNLM」)を含む生物学的支持媒体とを、エアレータに投入すること;エアレータ内で生物学的支持媒体濃度を、1リットルの流体当たり約1ミリグラムの生物学的支持媒体(mg/l)から約5,000mg/lに維持すること;酸素含有ガスを流体中に分散させることにより、エアレータ内で溶解酸素濃度を、1リットルの流体当たり約0.1ミリグラムの酸素(mg/l)から約5mg/lに維持すること;エアレータ内で、微生物増殖物と生物増殖媒体とを含む生物汚泥の形成を促進すること;微生物増殖物の少なくとも一部による、流体中に存在する1つ以上の物質の少なくとも一部の生理的消費により、流体中の1つ以上の物質の濃度を、第1の濃度から第2の濃度へ低減すること;一部又は全ての物質を第2の濃度で含有する流体を、エアレータから排出すること;及び生物学的汚泥の第1の部分をエアレータから除去すること;エアレータからの生物汚泥の第1の部分をコンタクタに投入して、微生物増殖物の少なくとも一部を含む生体成分の少なくとも一部を提供すること;生物汚泥の残余部分をエアレータから除去すること;セパレータ内で、生物汚泥の残余部分を、微生物増殖物を含んでなる少なくとも1つの生体成分と、少なくとも約50重量%の分離されたPNLMを含んでなるPNLM成分とに分離すること;及び、分離されたPNLM成分の少なくとも一部をコンタクタへ投入して、少なくとも1つのPNLMの少なくとも一部を提供すること。
【0018】
コンタクタ内で、1つ以上の物質を第1の濃度で含有する流体を含む環境に微生物増殖物を順化させることは、好気条件下に、1つ以上の物質を第1の濃度で含有する流体の少なくとも一部を、1つ以上の粉末天然リグノセルロース材料(「PNLM」)含む生物学的支持媒体と、及び微生物増殖物の少なくとも一部を含む生体成分と組合せることを含み得る。1つ以上の物質を第1の濃度で含有する流体の少なくとも一部を、1つ以上の粉末天然リグノセルロース材料(「PNLM」)を含む生物学的支持媒体と組合せることは、1つ以上の物質を第1の濃度で含有する流体の少なくとも一部を、ケナフを含む1つ以上のPNLMを含む生物学的支持媒体と組合せることを含み得る。1つ以上の物質を第1の濃度で含有する流体を含む環境に微生物増殖物を順化させることは、1つ以上の炭化水素を約500重量百万分率(ppm)以上の第1の濃度で含んでなる、1つ以上の物質を含有する水を含んでなる流体を含む環境に、微生物増殖物を順化させることを含み得る。1つ以上の炭化水素を含んでなる、1つ以上の物質を含有する水を含んでなる流体を含む環境に微生物増殖物を順化させることは:ベンゼン化合物、トルエン化合物、エチルベンゼン化合物、又はキシレン化合物、の少なくとも1つを含む1つ以上の炭化水素を含んでなる、1つ以上の物質を含有する水を含んでなる流体を含む環境に、微生物増殖物を順化させることを含み得る。流体中の1つ以上の物質の濃度を第1の濃度から第2の濃度へ低減することは、流体中の1つ以上の物質の濃度を、第1の濃度から、20重量百万分率(ppm)以下の第2の濃度へ低減することを含み得る。1つ以上の物質を第1の濃度で含有する流体を含む環境に微生物増殖物を順化させることは:アンモニア化合物又は硫化水素化合物、の少なくとも1つを約20重量百万分率(ppm)以上の第1の濃度で含んでなる、1つ以上の物質を含有する水を含んでなる流体を含む環境に、微生物増殖物を順化させることを含み得る。流体中の1つ以上の物質の濃度を第1の濃度から第2の濃度へ低減することは、流体中の1つ以上の物質の濃度を、第1の濃度から、2重量百万分率(ppm)以下の第2の濃度へ低減することを含み得る。1つ以上の物質を第1の濃度で含有する流体を含む環境に微生物増殖物を順化させることは、第四級アミンを約50重量百万分率(ppm)以上の第1の濃度で含んでなる、1つ以上の物質を含有する水を含んでなる流体を含む環境に、微生物増殖物を順化させることを含み得る。流体中の1つ以上の物質の濃度を第1の濃度から第2の濃度へ低減することは、流体中の1つ以上の物質の濃度を、第1の濃度から、2重量百万分率(ppm)以下の第2の濃度へ低減することを含み得る。
【0019】
粉末天然リグノセルロース材料(「PNLM」)とバイオマスとを含む生物汚泥を、少なくとも50重量パーセント(wt%)のPNLMを含んでなる分離されたPNLM成分と生体成分とに分離するためのセパレータは、以下を含むがごとく要約され得る:流体によって運ばれる生物汚泥を受取るための、少なくとも1つの入口接続部;生物汚泥を流体リッチ部分と生物固体リッチ部分とに配分するための、少なくとも1つの液体/固体分離段階;生物固体リッチ部分を、生体成分とPNLM成分とに配分するための、少なくとも1つの固体/固体分離段階;流体リッチ部分を排出するための、少なくとも1つの排出接続部;生物汚泥から分離された、生体成分を排出するための、少なくとも1つの排出接続部;及び、少なくとも約50重量%のPNLMを含んでなる混合物としてPNLM成分を排出するための、少なくとも1つの排出接続部。
【0020】
PNLMは、粉末ケナフを含み得る。液体/固体分離段階は:重力沈降池、遠心分離機、又はフィルタ、の少なくとも1つを含み得る。固体/固体分離段階は:1つ以上の遠心分離機、1つ以上の液体サイクロン、及び1つ以上のドラムセパレータ、の少なくとも1つを含み得る。
【0021】
粉末天然リグノセルロース材料(「PNLM」)とバイオマスとを含む生物汚泥を、少なくとも50重量%のPNLMを含んでなる分離されたPNLM成分と生体成分とに分離するためのセパレータは、さらに、PNLMにより微生物増殖を支持して、PNLM成分と生体成分とを含む生物汚泥の少なくとも一部を提供する、少なくとも1つのエアレータを含み得、該エアレータは以下を含む:1つ以上の物質を第1の濃度で含む流体の少なくとも一部を受取るための、少なくとも1つの入口接続部;PNLMを受取るための、少なくとも1つの入口接続部であり、PNLMの少なくとも一部は、1つ以上の微生物の微生物増殖物を含んでなる確立された生体成分を含む、該入力接続部;酸素含有ガスを受取るための、少なくとも1つの入口接続部;少なくとも1つのエアレータ第3入口接続部において受取られた酸素含有ガスを分配して、流体中に酸素含有ガスを分散させ、流体により運ばれる1つ以上の物質の少なくとも一部の、微生物増殖の少なくとも一部による生理的消費により、微生物増殖を好気的に刺激するための、少なくとも1つのガス分配アセンブリ;1つ以上の物質の一部又は全てを第2の濃度で含む流体を排出するための、少なくとも1つの出口接続部であり、第2の濃度は、第1の濃度より低い、該出口接続部;及び、少なくとも1つのセパレータ流体入口接続部に流体連結された、少なくとも1つの出口接続部であって、流体により運ばれる生物汚泥を排出するための少なくとも1つの第2出口接続部であり、生物汚泥は、生体成分とPNLM成分とを含んでなる、該出口接続部。
【0022】
粉末天然リグノセルロース材料(「PNLM」)とバイオマスとを含む生物汚泥を、少なくとも50重量%(wt%)のPNLMを含んでなる分離されたPNLM成分と生体成分とに分離するためのセパレータは、さらに、1つ以上の微生物の微生物増殖物を含んでなる確立された生体成分を含むPNLMの、全て又は一部をエアレータに提供するための、少なくとも1つのコンタクタを含み得、該コンタクタは以下を含む;1つ以上の物質を第1の濃度で含む流体の、少なくとも一部を受取るための、少なくとも1つの入口接続部;PNLMを受取るための、少なくとも1つの入口接続部;少なくとも1つのエアレータ流体出口接続部から流体により運ばれる、生体成分とPNLM成分とを含んでなる生物汚泥の少なくとも一部を受取るための、少なくとも1つの入口接続部;及び、少なくとも1つのエアレータ入口に流体連結された、少なくとも1つの出口接続部であって、PNLMを排出するための少なくとも1つの出口であり、その少なくとも一部は、1つ以上の微生物の微生物増殖物を含んでなる確立された生体成分を含む、該出口接続部。
【0023】
流体は、水を含み得、また1つ以上の物質は、1つ以上の炭化水素を含み得る。1つ以上の炭化水素は:ベンゼン化合物、トルエン化合物、エチルベンゼン化合物、キシレン化合物、及びフェノール化合物、の1つ以上を含み得る。1つ以上の物質はさらに:アンモニア及び硫化水素、の1つ以上を含み得る。流体は、水を含み得、また1つ以上の物質は、1つ以上の第四級アミン化合物を含み得る。
【0024】
図面において、同一の参照番号は同様の要素又は作用を特定する。図面における要素のサイズ及び相対的状態は、必ずしも正確な縮尺率ではない。例えば、種々の要素及び角度は正確な縮尺率ではなく、またこれらの要素のいくつかは図面の可読性を改善するため、任意に拡大されかつ位置づけられる。さらに、描かれたような要素の特定の形状は、特定の要素の正確な形状についていかなる情報をも伝えることを意図したものではなく、ただ単に図面において認識しやすいように選択されたものである。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】非限定的に例証された1つの実施形態による、処理プロセスを強化するものであり、かつ生物汚泥から分離されて処理工程へリサイクルバックされる、粉末天然リグノセルロース材料(「PNLM」)を用いて、流体中の1つ以上の物質の濃度を低減するための、例示的な処理システムのブロック図である。
図2】非限定的に例証された1つの実施形態による、処理プロセスを強化するものであり、かつ生物汚泥から分離されて処理工程へリサイクルバックされる、粉末天然リグノセルロース材料(「PNLM」)を用いて、流体中の1つ以上の物質の濃度を低減するための例示的な処理システムの概略図である。
図3】処理工程を強化するための、かつ生物汚泥から分離されて処理過程へリサイクルバックされる、粉末天然リグノセルロース材料(「PNLM」)を用いて、流体中の1つ以上の物質の濃度を低減するための例示的方法のフローダイアグラムである。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下の記載において、ある特定の詳細は、開示された様々な実施形態の完全な理解を提供する目的で示されている。しかしながら当業者には、実施形態が、これらの特定の詳細の1つ以上がなくても、又は他の方法、成分、材料その他を用いて実施され得ることが認識されるであろう。別の例では、通気池、散水ろ過機、送風機、ポンプ、フィルタ、ストレーナ、インスツルメンテーション、及び制御装置などの、生物学的処理システムに関連した周知の構造物は、実施形態の不要な不明瞭な記載を避けるため、詳細には表示又は記載されていない。
【0027】
文脈が他に必要としない限り、明細書及び以下の特許請求の範囲全体を通して、用語「comprise(含んでなる)」と、「comprises」及び「comprising」などのその変形とは、開いた包括的な意味において、即ち「含んでいるがしかしそれに限定されない」として解釈されるべきである。
【0028】
本明細書全体を通して「one embodidment(一実施形態)」又は「an
embodiment」というときは、実施形態に関連して記載された特定の性質、構造、又は特徴が、少なくとも1つの実施形態に含まれていることを意味する。したがって、本明細書全体を通した様々な場所での「in one embodiment(一実施形態では)」又は「in an embodiment」という語句の出現は、必ずしも全てが同じ実施形態を指しているのではない。さらに、特定の性質、構造、又は特徴は、1つ以上の実施形態において、任意の適当な様式で組合されていてもよい。
【0029】
本明細書及び添付の特許請求の範囲において使用される場合、単数形「a」、「an」、及び「the」は、内容が明らかにそうでないことを示さない限り、複数のものを含む。また、用語「or(又は)」は、一般に、内容が明らかにそうでないことを示さない限り、「and/or(及び/又は)」の意味で用いられる。
【0030】
本明細書に提供された見出し及び開示の要約は、単に便宜上のものであって、実施形態の範囲及び意味を説明するものではない。
【0031】
図1は、1つ以上の実施形態による、1つ以上の物質を含有する流体102のための、一例の処理システム100を示す。処理システム100は、流体102中に存在する固体及び/又は粒子状物質の少なくとも一部を除去する、任意選択的な前処理段階10を含む。1つ以上の物質を第1の濃度で含む流体102は、前処理段階10から1つ以上のコンタクタ120へ流れる。1つ以上のコンタクタ120においては、少なくとも1つの粉末天然リグノセルロース材料(「PNLM」)106とリサイクルされた生物汚泥108とを含む生物増殖媒体104が、流体102中に分散する。1つ以上のコンタクタ120においては、流体102中に存在する栄養分及び/又は物質と、生物汚泥108とともにリサイクルされた微生物とが、生物増殖媒体104上での微生物増殖を促進する。少なくともいくつかの例では、生物増殖媒体104は、1つ以上の粉末天然リグノセルロース材料(「PNLM」)を含み得る。1つ以上のコンタクタ120は、流体102中に存在する1つ以上の物質の組成及び/又は第1の濃度における変化に対し、微生物を徐々に順化させる機会を与える。1つ以上のコンタクタ120はまた、流れの急変又は流体102中に存在する物質の第1の濃度における急変の影響が、1つ以上のコンタクタ120の下流のバイオマスに乱れを与える(upsetting)こと及び/又は悪影響を及ぼすことを、最小化するか又はさもなければ和らげるための、急増及び/又は乱れ(upset)の平衡化能も提供する。
【0032】
順化微生物増殖物110を含有する流体は、1つ以上のコンタクタ120を出て、1つ以上のエアレータ140に入る。1つ以上のエアレータ140においては、流体及び順化微生物増殖物110は、追加の、確立された、微生物増殖物(即ち、汚泥又は生物汚泥)、生物増殖媒体、及び好気性の微生物活性を維持するのに充分なレベルの溶解酸素を含有する環境中に分散する。1つ以上のエアレータ140に供給された、空気などの酸素含有ガス114は、微生物の代謝的酸素要求量に少なくとも合致するべく充分なレベルの溶解酸素を提供する。1つ以上のエアレータ140内では、条件は、他の栄養分とともに流体中に存在する1つ以上の物質の少なくとも一部の生理的消費を介して、微生物の増殖及び繁殖に有利に働くか又はさもなければ刺激する。エアレータ140に添加された生物増殖媒体106は、さらなる生物汚泥増殖及び発生(例えば、「バイオフィルム」)を、物理的(例えば、非常に大きい、単位体積当たりの表面積を提供することにより)及び生理的(例えば、デンプン及び糖を、時間をかけて徐々に分解して流体中に放出すること)の双方で支持する。流体によりエアレータ140内へ運ばれる物質の少なくとも一部の消費は、エアレータ140内で起こる生物学的及び化学的分解により、時間をかけて低減される。したがって、エアレータを出る流体112中の1つ以上の物質の少なくともいくらかは、第1の濃度よりも低い第2の濃度にある。
【0033】
例えば、流入流体102は、少なくとも一部は、化学的工程又は可溶性炭化水素などの1つ以上の物質を第1の濃度で含有する流出流から供給され得る。可溶性炭化水素の少なくともいくらかは、生物増殖媒体に物理的又は化学的に結合し、流体中のかかる炭化水素の濃度を低減する。Alcanivorax、Marinobacter、Pseudomonas、及びAcinetobacter属由来の既知の炭化水素分解細菌などの、生物増殖媒体106により担持された微生物集団により、さらなる量の可溶性炭化水素が生理的に消費される。したがって、エアレータ140を出る流体112は、少なくとも1つの物質(即ち、可溶性炭化水素)の少なくともいくらかを、第1の濃度より低い第2の濃度で含む。
【0034】
別の例では、流入流体102は、少なくとも一部は、アンモニア、硝酸塩、及び亜硝酸塩などの1つ以上の物質を第1の濃度で含有する、食品加工又は肥料流出物などの窒素廃棄物の1つ以上の供給源に起源し得る。典型的には、かかる窒素廃棄物は、アンモニアを亜硝酸塩に変換するNitrosomonoas、及び亜硝酸塩を硝酸塩に変換するNitrobacterなどの細菌を用いる、硝化/脱窒処置を用いて、窒素へ変換されることとなる。Pseudomonas及びClostridiumなどの細菌は、嫌気又は無酸素条件下に硝酸塩を元素窒素に変換する。窒素廃棄物の少なくともいくらかは、生物増殖材料106へ物理的又は化学的に結合され得て、流体中のかかる廃棄物の濃度を低減する。したがって、エアレータ140を出る流体112は、1つ以上の物質(即ち、窒素廃棄物)の少なくともいくらかを第1の濃度より低い第2の濃度で含む。
【0035】
別の例では、流入流体102は、少なくとも一部は、リン酸塩などの1つ以上のリン化合物を第1の濃度で含有する肥料流出物などの、1つ以上の廃棄物供給源に由来し得る。典型的には、かかるリン含有廃棄物は、嫌気条件下で、ポリリン酸蓄積細菌(「PAO」)と呼ばれる従属栄養細菌の細胞構造内に、ポリリン酸塩として蓄積されることとなる。少なくともいくつかのリン化合物は、生物増殖材料106に物理的又は化学的に結合し得て、流体中のかかる廃棄物の濃度を低減する。したがって、エアレータ140を出る流体112は、1つ以上の物質(即ち、リン化合物)の少なくとも一部を第1の濃度より低い第2の濃度で含む。
【0036】
別の実施形態では、流入流体102は、少なくとも一部は、有機物、朽葉、肥料、下水、食品廃棄物の供給源などの、高い生物化学的酸素要求量(「BOD」)を示す1つ以上の廃棄物供給源に由来し得る。流入流体は、少なくとも一部は、1つ以上の無機廃棄物(例えば、硫化水素、硫酸塩、及びリン酸塩)の供給源などの、高い化学的酸素要求量(「COD」)を示す1つ以上の供給源に由来し得る。典型的には、かかる高BOD及びCOD廃棄物は、エアレータ140内の微生物増殖を害することなく、或いはエアレータ140内に酸素欠乏環境を引き起すことなく、BOD及び/又はCOD要求量を満たすために微生物増殖を維持するのに一般に必要なレベルより上のレベルで、さらなる酸素の供給を要することとなる。高いBOD及び/又はCODレベルを引き起す物質の少なくともいくらかは、生物増殖材料106に物理的又は化学的に結合し得て、流体中のかかる廃棄物の濃度を低減する。加えて、高いBOD及び/又はCODレベルを引き起す物質の少なくともいくらかは、生物増殖媒体106により担持される微生物集団によって生理的に消費される。したがって、エアレータ140を出る流体112は、1つ以上の物質の少なくともいくらか(即ち、BOD及びCOD)を、第1の濃度よりも低い第2の濃度で含む。
【0037】
PNLMなどの生物増殖媒体の使用は、エアレータ140において生物汚泥を維持することに、さらなる利益を提供する。微生物増殖を物理的及び化学的に支持する増殖表面を提供することに加えて、増殖媒体はまた、流体102中に存在する物質の少なくともいくらかを物理的又は化学的結合によって吸収する。少なくともいくつかの例では、生物増殖媒体106を処理工程に加えることは、その後の処理工程において生物汚泥の沈降性を改善し、それによりクラリファイヤ及び/又は汚泥セパレータなどの下流の装置のサイズを有利に低減する。少なくともいくつかの例では、処理工程への生物増殖媒体106の添加は、エアレータ及びその後の汚泥セパレータ内に、Nocardia及びSphaerotilus Natansなどの、汚泥の沈降性を妨害する傾向のある糸状真菌及び細菌の過剰な増殖を嫌う条件を作り出す。
【0038】
エアレータ140内の生物汚泥の体積は、エアレータ140中に含有される生物汚泥の微生物増殖の結果として、連続的に増大する。多くの例で、エアレータ140において所望の汚泥熟成を維持することは、生物汚泥116の少なくとも一部をエアレータ140から連続又は断続ベースで排出することを必要とする。エアレータ140から排出される生物汚泥116は、微生物増殖物及び生物学的支持媒体106の双方を含有する。エアレータ140から除去された生物汚泥116の一部は、コンタクタ120へ投入される増殖支持媒体106において微生物増殖を確立するための、接種材料として投入するための生物汚泥108として、連続又は断続ベースでリサイクルされる。生物汚泥116の残余部分は、セパレータ160へ流れる。
【0039】
セパレータ160は、生物汚泥116を3つの主成分に分離し、流体の第1の部分は、液体-固体分離段階170において、生物汚泥116から分離及び除去され得る。残りの濃化された生物汚泥は、次に、生物増殖媒体リッチな分離された生物増殖媒体成分142からなる第2の部分と、及び生物増殖媒体成分142から除去又はさもなければ分離された微生物増殖物を含む、微生物増殖物リッチな生体成分144からなる第3の部分とに分離される。生物増殖媒体リッチな分離された生物増殖媒体成分142の少なくとも一部は、エアレータ140への再投入に向けてコンタクタへリサイクルされる。生物学的微生物増殖物リッチな生体成分144の少なくとも一部は、その後の後処理(例えば、脱水及び/又は廃棄)に利用可能である。
【0040】
図2は、1つ以上の実施形態による、1つ以上の物質を第1の濃度で含有する流体102のための、一例の処理システム200を示す。少なくともいくつかの実施においては、流体102は、主として都市、商業、工業、又は社会事業の廃水を含有する水性流である。かかる廃水は、下水及び他の家庭廃棄物の形態の都市廃棄物;食品加工、農業、又は類似の廃棄物の形態の商業廃棄物;化学汚染物質、脂肪、油、及びグリースの形態の工業廃棄物;又は、下水と、学校、病院、及び類似の公共施設などの社会事業により発生する他の廃棄物との組合せの形態の、社会事業廃棄物を含み得る。
【0041】
所与の廃水中に検出される物質の第1の濃度は、主として供給源に依存して広範に変化し得る。典型的な都市廃水102は、以下の物質のいくつか又は全てを、以下の濃度で含み得る:1リットル当たり約1500ミリグラム(mg/l)以下の全固体;約1000mg/l以下の全溶解固体;500mg/l以下の懸濁固体;約100mg/l以下の窒素(Nとして);約50mg/l以下のリン(Pとして);約125mg/l以下の塩化物;約250mg/l以下のアルカリ度(CaCO3として);約200mg/l以下の油及びグリース;及び約500mg/l以下のBOD5(20℃で5日間の生物化学的酸素要求量-廃水中の生分解性有機物の単位)。
【0042】
工業廃水の組成もまた、工業及び一次処理のタイプにより広範に変化する。精製所廃水102は、典型的には、廃水の化学的酸素要求量及び生物学的酸素要求量の双方を増大し得る炭化水素を含有する。例えば、例証となる精製所廃棄物は、約1000mg/l以下の遊離炭化水素;約500mg/l以下の懸濁固体;約700mg/l以下の溶解固体;約150mg/l以下の硫化物(Sとして);約150mg/l以下のアンモニアなどの、1つ以上の物質を含有する水などの流体を含み得る。かかる精製所廃棄物はまた、約1500mg/l以下の化学的酸素要求度(「COD」)及び約600mg/l以下の生物学的酸素要求度も有する。炭化水素物質は、アルカン、アルケン、環式化合物、及び芳香族化合物を含み得る。
【0043】
別の実施形態では、例証となる家禽加工廃水は、約500mg/l以下の全懸濁固体;約700mg/l以下の脂肪/油/グリース(「FOG」);約1000mg/l以下の全ケルダール(Kjeldahl)窒素(「TKN」);及び約100mg/l以下の全リン化合物などの、1つ以上の物質を含有する水などの流体を含み得る。かかる家禽加工廃水は、約2,500mg/l以下のBOD5;及び約3,500mg/l以下のCODを有し得る。
【0044】
流入流体102は、二つの部分に配分され、第1の、一般にはより小さい、流体部分202は、1つ以上の入口接続部を介してコンタクタ120に投入される。第2の、一般にはより大きい、流体部分204は、1つ以上の入口接続部を介してエアレータ140に投入される。コンタクタ120は、エアレータ140への投入に先立ち、システム200に、生物増殖媒体の存在下に微生物バイオフィルムの増殖及び発生を促進する能力を提供する。温度、pH、及び汚染物質濃度、並びに必要であれば栄養分は、コンタクタ120において、微生物バイオフィルムの増殖及び発生に好適な範囲内に維持される。コンタクタ120における生物増殖媒体106の存在は、微生物バイオフィルムの微生物増殖及び付着のための大量の表面積を提供する。
【0045】
コンタクタ120は、生物増殖媒体206を、乾燥形態又は汚泥(例えば、水中に分散された生物増殖媒体)としてのいずれかで受取る。いくつかの例では、生物増殖媒体リッチな分離された生物増殖媒体成分142と、新たな生物増殖媒体106とが、全体的に又は部分的に組合されて、コンタクタ120へ送達される生物増殖媒体206を提供し得る。いくつかの例では、生物増殖媒体リッチな分離された生物増殖媒体成分142は、新たな生物増殖媒体106の全て又は一部とは別に添加され得る。合わされた生物増殖媒体成分142及び新たな生物増殖媒体106は、コンタクタ120内で生物増殖媒体の所望の濃度を維持するのに充分な割合で添加される。コンタクタ120における生物増殖媒体の濃度は、約10,000百万分率(ppm)以下;約5,000ppm以下;約4,000ppm以下;約3,000ppm以下;約2,000ppm以下;約1,000ppm以下;又は約500ppm以下に維持され得る。生物増殖媒体106は、1つ以上の粉末天然リグノセルロース材料(PNLM)を含み得る。1つ以上の例において、生物増殖媒体106は、粉末ケナフ(Hibiscus cannabinus、アオイ科の植物)を含み得る。
【0046】
図2には示されていないが、当業者には、微生物増殖に好適な条件を維持するために、追加の材料がコンタクタ120に添加され得ることが理解されよう。例えば、コンタクタ内容物のpHを規定範囲内(例えば、6.5~8.0)に維持するため、pH調節システムがコンタクタ120に連結され得る。また、コンタクタ120における微生物増殖に好適な1つ以上の好ましい栄養分(例えば、メタノール)の規定濃度を維持するため、栄養分供給システムもコンタクタ120に連結され得る。
【0047】
コンタクタ120は、流体部分202、生物増殖媒体206、及びエアレータ140からリサイクルされた生物汚泥108の混合を促進する、任意の数の装置、成分、システム、及びそれらの組合せを含み得る。少なくともいくつかの例では、コンタクタ120は任意の数の撹拌容器を含み得る。少なくともいくつかの例では、コンタクタ120は、1つ以上の温度調節された容器、例えば1つ以上のジャケット付き容器、又は、それを通して熱輸送媒体が循環される内部加熱/冷却コイルを備えた1つ以上の容器を含み得る。コンタクタ120の内容物の温度は、約5℃から約45℃まで;約10℃から約40℃まで;約10℃から約35℃まで;約10℃から約30℃まで;約15℃から約30℃まで;約15℃から約25℃までの温度に維持され得る。いくつかの例では、コンタクタ120は、コンタクタ120からの蓄積された順化バイオマス及び生物増殖媒体106の流れを補佐するか又はさもなければ誘導する、ドラグ又はスクレーパが具備され得る。いくつかの例では、コンタクタ120は、1つ以上の表面下ラグーン又は類似の構造物を含み得る。いくつかの例では、1つ以上のコンタクタ120が使用され得、例えば、いくつかのコンタクタ120が連続的に配列され得る。別の例では、1つ以上のコンタクタ120は、エアレータ140への添加に向けていくつかの異なる順化微生物を提供するために、並行に配列され得る。
【0048】
コンタクタ120の体積は、少なくとも一部は、流体202、生物増殖媒体206、及びリサイクルされた生物汚泥108の、所望の滞留時間に基づき決定される。コンタクタ内での所望の滞留時間は、少なくとも一部は、生物増殖媒体上に規定量の微生物バイオフィルムを発生するため、及び流体202中に存在する物質に微生物バイオフィルムを順化させるために、必要な時間に基づき得る。コンタクタ120は、流体202、生物増殖媒体206、及びリサイクルされた生物汚泥108を、少なくとも約4時間;少なくとも約12時間;少なくとも約24時間;少なくとも約48時間;少なくとも約72時間;少なくとも約96時間;又は少なくとも約144時間の最小時間にわたり含有するための大きさの、1つ以上の容器又は類似の格納構造物を含み得る。
【0049】
いくつかの例では、コンタクタ120は、常に好気的状態のままであり得る。コンタクタ120は、コンタクタ120における溶解酸素の規定レベルを維持するため、1つ以上のエアレータ210を含み得る。エアレータ210は、コンタクタ120内の溶解酸素レベルを、約0.1ppm以上;約0.5ppm以上;約1ppm以上;約2ppm以上;又は約5ppm以上に維持し得る。いくつかの例では、コンタクタ120は、好気条件と嫌気又は無酸素条件との間でサイクルされてもよく、或いは交互にされてもよい。
【0050】
いくつかの例では、コンタクタ120は、コンタクタ120の一部又は全てにおいて、流体202、生物増殖媒体206、及びリサイクルされた生物汚泥108の均一な、又はほぼ均一な分布を促進するための、1つ以上の装置又はシステムを含み得る。少なくともいくつかの例では、コンタクタ120の内容物の少なくとも一部を周期的、断続的、又は連続的に除去し、かつ除去された内容物をコンタクタ120の別のポイントにおいて再投入するために、1つ以上のポンプ212又は類似の流体循環器が使用され得る。別の例では、コンタクタ120の内容物の少なくとも一部を周期的、断続的、又は連続的に循環させるために、1つ以上の攪拌機又は流体ミキサ214が使用され得る。順化微生物バイオフィルム110を含む生物増殖媒体は、コンタクタ120から排出されて、エアレータ140に投入される。
【0051】
エアレータ140は、好気条件下に1つ以上の物質を第1の濃度で含む流体中に、生物増殖媒体と微生物増殖物とを含む生物汚泥を維持するのに適した、任意の数の成分、装置、システム、又はそれらの組合せを含み得る。少なくともいくつかの例では、エアレータ140は、その中で酸素含有ガス114が1つ以上の分配及び/又は拡散構造物246により供給される、固定フィルム型のエアレータを含み得る。少なくともいくつかの例では、酸素含有ガス114は、エアレータ140内の懸濁液において生物増殖媒体及び微生物増殖物を維持するために、周期的、断続的、又は連続的に供給される。少なくともいくつかの例では、エアレータ140は好気的状態に維持され得、これにおいて溶解酸素レベルは、少なくとも一部の時間、規定の範囲に維持される。いくつかの例では、酸素含有ガス114は、エアレータ140における溶解酸素レベルを、約0.5ppm以上;約1ppm以上;約2ppm以上;約3ppm以上;約4ppm以上;又は約5ppm以上のレベルに維持するための、分配又は拡散構造物に供給される。少なくともいくつかの例では、エアレータ140は、無酸素又は嫌気条件において、断続的、周期的、又は連続的に維持され得、ここで、エアレータにおける溶解酸素レベルは、約2ppm未満;約1ppm未満;約0.5ppm未満;又は約0.1ppm未満に維持される。エアレータ140が、時々で、好気状態及び無酸素若しくは嫌気状態に維持される場合、好気条件下で過ごす時間対無酸素若しくは嫌気条件下で過ごす時間の比率は、約1:1以下;約2:1以下;約3:1以下;又は約5:1以下であり得る。
【0052】
エアレータ140中に存在する流体及び生物増殖媒体と微生物増殖物との間の密接な接触は、流体中の1つ以上の物質のいくらか又は全ての濃度を、第1の濃度から第2のより低い濃度へ低減する。少なくともいくつかの例においては、流体中の1つ以上の物質の少なくとも一部分は、エアレータ140内で生物増殖媒体206と物理的に結合及び/又は化学的に結合する。少なくともいくつかの例では、エアレータ140内の微生物増殖物は、流体102中に存在する1つ以上の物質の少なくとも一部を生理的に消費する。したがって、生物増殖媒体206及び微生物増殖物は、エアレータ140内で相乗的に組合されて、流体中に存在する1つ以上の物質の濃度を、生物増殖媒体又は微生物増殖物のいずれかが単独で達成し得たよりも低い第2の濃度に低減する。
【0053】
いくつかの例では、懸濁された生物増殖媒体及び微生物増殖物は、エアレータ140内で断続的、周期的、又は連続的に沈降せられて、沈降された生物増殖媒体206とバイオマスとを含有する生物汚泥ブランケット242と、主として浄化された流体を含有する流体リッチな層244とを提供する。少なくともいくつかの例では、流体リッチな層244の一部は、エアレータ140から除去され得て、流体リッチな排水112を提供する。流体リッチな層244及び流体リッチな排水112においては、1つ以上の物質の少なくともいくらかは、流体102中の物質の第1の濃度よりも低い第2の濃度にある。
【0054】
例えば、流体102は、精製所廃水を含み得、そして物質は1つ以上の炭化水素を、約50ppm以上;約100ppm以上;約200ppm以上;約300ppm以上;約400ppm以上;約500ppm以上;又は約1000ppm以上の第1の濃度で含む。かかる例においては、流体リッチな排水112は、それにおいて1つ以上の炭化水素が、約400ppm以下;約300ppm以下;約200ppm以下;約100ppm以下;約50ppm以下;約25ppm以下;約10ppm以下;約5ppm以下;又は約1ppm以下の第2の濃度を有する、水を含み得る。
【0055】
別の実施形態では、流体102は、家禽加工流出廃水を含み得、そして物質は、約100ppm以上;約200ppm以上;約300ppm以上;約400ppm以上;又は約500ppm以上の濃度のFOG;約500ppm以上;約1000ppm以上;約1500ppm以上;又は約2000ppm以上のBOD5;約500ppm以上;約1000ppm以上;約1500ppm以上;又は約2000ppm以上のCOD;及び、約100ppm以上;約300ppm以上;約500ppm以上;又は約700ppm以上のTKNを含む。かかる例においては、流体リッチな排水112は、それにおいて、FOG濃度が約400ppm未満;約300ppm未満;約200ppm未満;約100ppm未満;約50ppm未満;又は約10ppm未満;BOD5が約1000ppm未満;約500ppm未満;約200ppm未満;約100ppm未満;約50ppm未満;又は約10ppm未満;CODが約2000ppm未満;約1000ppm未満;約500ppm未満;約500ppm未満;約100ppm未満;又は約50ppm未満;及び、TKNが約500ppm未満;約300ppm未満;約200ppm未満;約100ppm未満;約50ppm未満;又は約10ppm未満である、水を含み得る。
【0056】
エアレータ140の、流体102中に存在する1つ以上の物質の濃度を低減する能力は、少なくとも一部は、エアレータ140内での生物汚泥の滞留時間(又は汚泥令)に基づく。少なくともいくつかの例では、エアレータ140における汚泥令、即ち混合液浮遊物質(MLSS)を、エアレータ140により毎日生産される新たな生物汚泥242の質量で割ったものは、約30日以下;約25日以下;約20日以下;約15日以下;約10日以下;約5日以下;又は約2日以下であり得る。エアレータ140の性能は、少なくとも一部は、エアレータ140内に存在するMLSSと、その結果として生じる、流体102中の物質の餌(food)対生物量(mass)(「F/M」)比とに依存する。少なくともいくつかの例では、エアレータにおけるF/M比は、約0.5kg BOD/kg MLSS/日未満;約0.4kg BOD/kg MLSS/日未満;約0.3kg BOD/kg MLSS/日未満;約0.2kg BOD/kg MLSS/日未満;約0.1kg BOD/kg MLSS/日未満;約0.05kg BOD/kg MLSS/日未満;又は、約0.01kg BOD/kg MLSS/日未満に維持される。
【0057】
少なくともいくつかの例では、任意選択的に1つ以上の凝集剤248が、エアレータ140に投入され得る。かかる凝集剤は、限定するものではないが、1つ以上の有機ポリマー、塩化第二鉄、又はミョウバンを含み得る。
【0058】
エアレータ140は、規定の上昇率又は上向流速度に適合するのに充分な直径をもつ、垂直直線壁の容器などの、地上構造物を含み得る。少なくともいくつかの例では、エアレータ140内の上向流速度は、1時間当たり約0.1メートル(m/h)以上;約0.25m/h以上;約0.5m/h以上;約1m/h以上;約2m/h以上;又は、約3m/h以上であり得る。有利には、生物増殖媒体の使用は、結果としてエアレータ内でより迅速に沈降するより高密度の汚泥を生じ、それによって高い上昇率の使用が可能となり、結果的に同等の液圧に対し、より小さいエアレータを使用可能となる。エアレータ140における生物汚泥は、微生物増殖のため質量が増す。エアレータ140内の生物汚泥の規定体積を維持するため、生物汚泥116は断続的、周期的、又は連続的にエアレータ140から除去されて、セパレータ160へ投入される。エアレータ140から排出される生物汚泥116の固体含有量は、約2重量パーセント(wt%)以上の固体;約5重量パーセント(wt%)以上の固体;約7重量パーセント(wt%)以上の固体;約10重量パーセント(wt%)以上の固体;約12重量パーセント(wt%)以上の固体;又は、約15重量パーセント(wt%)以上の固体であり得る。少なくともいくつかの例では、エアレータ140は、エアレータ140からの生物汚泥116の流れを促進するため、円錐底を有し得る。
【0059】
セパレータ160は、エアレータ140から排出された生物汚泥116から、生物増殖媒体を分離可能な任意の成分、装置、システム、又はそれらの組合せを含み得る。少なくともいくつかの例では、生物汚泥116は分離されて、流体リッチな流体252、微生物増殖物リッチな生体成分144、及び生物増殖媒体142を一段階で提供する。別の実施においては、生物汚泥116は分離されて、流体リッチな流体252、微生物増殖物リッチな生体成分144、及び生物増殖媒体142を、第1の液体/固体分離段階260と、第2の固体/固体分離段階280との、二段階で提供する。
【0060】
液体/固体分離段階260は、生物汚泥116から少なくとも一部の流体を除去することにより、生物汚泥116を濃縮する。液体/固体分離段階260は、1つ以上の重力沈降槽、遠心分離機、液体サイクロン、傾斜プレートセパレータ、又はそれらの組合せを含み得る。少なくともいくつかの例では、液体固体分離段階260は、流入生物汚泥116を、流体リッチな流体252と、濃縮された生物汚泥とに分離する。いくつかの例では、流体リッチな流体252の少なくとも一部は、コンタクタ129へリサイクルされ得る。別の例では、流体リッチな流体252の少なくとも一部は、図2には示されていない外部の処理工程へ送られ得る。少なくともいくつかの実施において、液体/固体分離段階260は、液体/固体分離工程の間に、微生物増殖物の少なくとも一部を生物学的支持媒体から分離し得る。
【0061】
セパレータ160から排出された流体リッチな流体252は、約15wt%以下;約12wt%以下;約10wt%以下;約8wt%以下;約4wt%以下;約2wt%以下;約1wt%以下;又は、約0.5wt%以下の固体含有量を有し得る。液体/固体分離段階260により生産された濃縮された生物汚泥は、約4重量パーセント(wt%)以上の固体;約10wt%以上の固体;約14wt%以上の固体;約20wt%以上の固体;約24wt%以上の固体;又は、約30wt%以上の固体、の固体含有量を有し得る。
【0062】
濃縮された生物汚泥は、固体/固体分離段階280へ排出される。固体/固体分離段階280は、固体/固体分離工程の間に、微生物増殖物の少なくとも一部を生物学的支持媒体から分離し得る。固体/固体分離段階280は、1つ以上のフィルタ、スクリーン、又は、微生物増殖物から生物学的支持媒体の少なくとも一部を分離可能な他の分離装置を含み得、生物増殖媒体142及び微生物増殖物リッチな生体成分144を提供する。生物増殖媒体142の少なくとも一部は、コンタクタ120において生物増殖媒体の少なくとも一部を提供するべく、リサイクルされる。
【0063】
セパレータ160から排出された生物増殖媒体142は、生物増殖媒体及び微生物増殖物の双方を含み得る。セパレータ160から排出された生物増殖媒体142の固体(即ち、生物増殖媒体及び微生物増殖物)含有量は、約30wt%以上;約40wt%以上;約50wt%以上;約60wt%以上;約65wt%以上;約70wt%以上;又は、約75wt%以上であり得る。
【0064】
生物増殖媒体142は、約40wt%以上(ドライベース);約50wt%以上;約55wt%以上;約60wt%以上;約65wt%以上;又は、約70wt%以上の生物増殖媒体含有量を有し得る。セパレータ160から排出された微生物増殖物144は、約35wt%以上;約40wt%以上;約45wt%以上;約50wt%以上;約55wt%以上;又は、約60wt%以上の微生物増殖物含有量を有し得る。
【0065】
図3は、1つ以上の実施形態に従って、粉末天然リグノセルロース材料(「PNLM」)を含んでなる生物増殖物質上の微生物増殖を用いた活性化汚泥処理工程により、流体中の1つ以上の物質の濃度を、第1の濃度から、第2の、より低い濃度へ低減するための、例証となる処理方法を示す。少なくともいくつかの例では、処理工程は、上記で詳述されたように、1つ以上のコンタクタ120、1つ以上のエアレータ140、及び1つ以上のセパレータ160を含む。処理法は、302から開始される。
【0066】
304においては、ケナフを全体又は部分において含み得るPNLM生物増殖媒体106が、コンタクタ120内で、エアレータ140から除去された生物汚泥を含む接種材料、及び1つ以上の物質を第1の濃度で含有する流入流体102の少なくとも一部202と結合する。少なくともいくつかの例では、PNLM生物増殖媒体の少なくとも一部は、1つ以上のセパレータ160、例えば1つ以上の固体/固体セパレータ280において分離された生物増殖媒体を含み得る。少なくともいくつかの例では、コンタクタ120中の流体の少なくとも一部252は、1つ以上のセパレータ160、例えば1つ以上の液体/固体セパレータ260において分離された流体リッチな流体を含み得る。
【0067】
生物増殖媒体と、微生物増殖物と、及び流体との混合物110の、1つ以上のコンタクタ120における滞留時間は、少なくとも一部は、微生物増殖接種材料によって生物増殖媒体上にバイオフィルムを確立するための時間に基づき決定され得る。1つ以上のコンタクタ120における生物増殖媒体と、微生物増殖物と、及び流体との混合物の滞留時間は、少なくとも一部は、バイオフィルムを流体202中の1つ以上の物質の少なくともいくつかに順化するための時間に基づき決定され得る。かかる滞留時間は、数時間のような短さから、数日間のような長さまであり得る。
【0068】
1つ以上のコンタクタ120内の条件(温度、pH、栄養分、その他)は、PNLM生物増殖媒体上で順化されたバイオフィルムを確立するのに有利な規定範囲内に維持される。1つ以上のコンタクタ120は、好気条件、無酸素条件、嫌気条件、又はそれらのいくつかの組合せの下に動作される。
【0069】
306においては、1つ以上のコンタクタ120内に、順化され、確立された微生物増殖物、PNLM生物増殖媒体、及び流体を含有する全てあるいは一部の混合110が、1つ以上のエアレータ140に投入される。混合物110は、1つ以上のエアレータ140に断続的、周期的、又は連続的に投入され得る。1つ以上のコンタクタ120からの混合110に加えて、1つ以上の物質を第1の濃度で含む残余の流体204もまた、1つ以上のエアレータ140に投入される。混合物110及び流体204の残余部分に加えて、1つ以上の凝集剤248が、任意選択的に1つ以上のエアレータ140に添加され得る。混合物110及び流体204の残余部分に加えて、1つ以上の栄養分が任意選択的に1つ以上のエアレータ140に添加され得る。
【0070】
308においては、PNLM生物増殖媒体と微生物増殖物とを含む生物汚泥242の形成を、支持又はさもなければ促進する条件が、1つ以上のエアレータ140において維持される。空気などの酸素含有ガス114は、1つ以上の拡散器又は分配器246により、1つ以上のエアレータ140に添加されて、1つ以上のエアレータ140内に好気条件を作り出す。少なくともいくつかの例では、1つ以上のエアレータ140は、好気条件、無酸素条件、嫌気条件、又はそれらのいくつかの組合せの下にある。PNLM生物増殖媒体及び微生物増殖物は、少なくとも一部は、エアレータ140において、生物汚泥を通して酸素含有ガス114を通過させることにより懸濁される。生物汚泥を通した酸素含有ガス114の通過はまた、生物汚泥242内での無酸素又は嫌気的な「デッドゾーン」又は停滞域の形成を有利に低減する。
【0071】
310では、流体102中に存在する1つ以上の物質の濃度は、生物汚泥242中に存在する微生物による1つ以上の物質の少なくともいくらかの生理的取込みにより、低減される。1つ以上の物質の少なくともいくらかを第2の、より低い濃度で含む流体部分244が、かくて1つ以上のエアレータ140内に生じる。
【0072】
312では、少なくとも一つのエアレータ140において規定の動作レベルを維持するため、流体244の少なくとも一部は、流体112として、1つ以上のエアレータ140から断続的、周期的、又は連続的に排出される。例えば、都市廃棄物は、水などの流体及び、FOG及び窒素などの1つ以上の物質を第1の濃度で含み得る。1つ以上のエアレータ140内では、PNLM生物増殖媒体への物理的結合又は化学的結合が、FOG及び窒素の少なくとも一部を除去する。加えて、1つ以上のエアレータ140内に存在する微生物増殖物は、FOG及び窒素の少なくとも一部を消費する。それ故、1つ以上のエアレータ140から排出される流体112中の物質(即ち、FOG及び窒素)の第2の濃度は、流入流体102中の該物質の第1の濃度よりも低い。
【0073】
別の例では、食品加工廃棄物は、水などの流体及び、TKN及びFOGなどの1つ以上の物質を第1の濃度で含み得る。1つ以上のエアレータ140内では、PNLM生物増殖媒体への物理的結合又は化学的結合が、TKN及びFOGの少なくとも一部を除去し得る。加えて、TKN及びFOGの少なくとも一部は、1つ以上のエアレータ140内に存在する微生物増殖物により消費され得る。それ故、1つ以上のエアレータ140から排出される流体112中の物質(即ち、TKN及びFOG)の第2の濃度は、流入流体102中の該物質の第1の濃度よりも低い。
【0074】
なお別の例では、精製所廃棄物は、水などの流体及び、短鎖及び芳香族炭化水素などの1つ以上の物質を第1の濃度で含み得る。1つ以上のエアレータ140内では、PNLM生物増殖媒体への物理的結合又は化学的結合が、短鎖及び芳香族炭化水素の少なくとも一部を除去する。加えて、短鎖及び芳香族炭化水素の少なくとも一部は、1つ以上のエアレータ140内に存在する微生物増殖物により消費され得る。それ故、1つ以上のエアレータ140から排出される流体112中の物質(即ち、短鎖及び芳香族炭化水素)の第2の濃度は、流入流体102中の該物質の第1の濃度よりも低い。
【0075】
314では、1つ以上のエアレータ140内の生物汚泥242の少なくとも一部108が、断続、周期、又は連続ベースで、1つ以上のエアレータ140から1つ以上のコンタクタ120へ排出されて、1つ以上のコンタクタ120内に接種材料を提供する。生物汚泥108は、PNLM生物増殖媒体及び微生物増殖物の双方を含む。
【0076】
316では、少なくとも一つのエアレータ140において、規定の汚泥令及び/又は生物汚泥レベルを維持するため、生物汚泥242の少なくとも一部が、断続的、周期的、又は連続的に、1つ以上のエアレータ140から1つ以上のセパレータ160に、生物汚泥116として排出される。生物汚泥116は、PNLM生物増殖媒体及び微生物増殖物の双方を含む。1つ以上のセパレータ160においては、PNLM生物増殖媒体の少なくとも一部が生物汚泥116から分離されて、少なくとも50重量パーセント(ドライ固体ベース)のPNLM生物増殖媒体を含む、PNLM生物増殖媒体成分を提供する。少なくともいくつかの例では、分離されたPNLM生物増殖媒体成分142の全て又は一部は、1つ以上のコンタクタに排出されて、1つ以上のコンタクタ120におけるPNLM生物増殖媒体要求量の少なくとも一部を満たす。処理法は、320において終了する。
【0077】
上記に記載された種々の実施形態は、さらなる実施形態を提供するべく組合され得る。限定するものではないが:2013年10月22日出願の米国仮特許出願連続番号61/894,232;2006年1月20日出願及び2007年7月26日公開の米国特許出願公開第2007/0170115号明細書;2011年5月11日出願及び2011年11月17日公開の米国特許出願公開第2011/0281321号明細書;2010年5月7日出願及び2011年11月10日公開の米国特許出願公開第2011/0272350号明細書;及び2012年3月12日出願及び2013年9月12日公開の米国特許出願公開第2013/0233792号明細書を含む、米国特許、米国特許出願公開、米国特許出願、外国特許、外国特許出願、並びに、本明細書で参照された及び/又は出願データシートに列記された非特許刊行物の全ては、本明細書の特定の教示及び定義と矛盾しない限り、その記載全体が参考として本明細書に援用される。必要であれば、実施形態の態様は、プロセス、装置、生物増殖媒体、及び種々の特許、出願、及び刊行物の概念を用いて、さらなる実施形態を提供するべく修正され得る。
【0078】
これらの及び他の変更は、上記の詳細な記載を考慮して、実施形態に対し行なわれ得る。一般に、以下の特許請求の範囲においては、用いた用語は、明細書及び特許請求の範囲において開示された特定の実施形態に特許請求の範囲を限定するものと理解されるべきではなく、かかる特許請求の範囲がそれに対して権利付与される同等物の全範囲とともに、全ての可能な実施形態を含むものと理解されるべきである。それ故、特許請求の範囲は、本開示によって限定されない。


図1
図2
図3