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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-07
(45)【発行日】2022-10-18
(54)【発明の名称】燃料電池用気液分離器
(51)【国際特許分類】
   H01M 8/04 20160101AFI20221011BHJP
   H01M 8/10 20160101ALN20221011BHJP
【FI】
H01M8/04 N
H01M8/10 101
【請求項の数】 1
(21)【出願番号】P 2021136156
(22)【出願日】2021-08-24
(62)【分割の表示】P 2017123794の分割
【原出願日】2017-06-26
(65)【公開番号】P2021185577
(43)【公開日】2021-12-09
【審査請求日】2021-08-25
(73)【特許権者】
【識別番号】308013436
【氏名又は名称】小島プレス工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100083091
【弁理士】
【氏名又は名称】田渕 経雄
(74)【代理人】
【識別番号】100141416
【弁理士】
【氏名又は名称】田渕 智雄
(72)【発明者】
【氏名】松下 和哉
(72)【発明者】
【氏名】刑部 友敬
(72)【発明者】
【氏名】村山 僚悟
【審査官】加藤 昌人
(56)【参考文献】
【文献】実開昭62-114613(JP,U)
【文献】特開平04-290508(JP,A)
【文献】特開2007-042394(JP,A)
【文献】登録実用新案第3126585(JP,U)
【文献】特開2006-012715(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 8/04- 8/0668
B01D 45/00-45/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃料電池のオフガスから液体を分離する気液分離器であって、
前記オフガスから液体を分離する分離部と、
前記分離部に前記オフガスを導入するオフガス導入部と、
前記分離部によって液体が分離されたオフガスを該分離部から気液分離器の外部に排出するガス排出部と、
前記分離部より下方に設けられており、前記分離部によって分離された液体が流れ込むとともに気液分離器の外部に排出される排液部と、
を有し、
前記分離部は、前記ガス排出部より上方の位置に、前記オフガス導入部の対向位置に設けられ該オフガス導入部から導入された前記オフガスが直接衝突する衝突部を有しており、
前記衝突部より下方で前記ガス排出部より上方の位置に、前記衝突部によって分離された液体が自重で下方に流れて前記ガス排出部に流入することを抑制する傘部が設けられており、
前記傘部の幅は、前記ガス排出部の径よりも大とされており、
前記排液部と前記分離部との間には、一部に上下方向の孔が開いた仕切り板が設けられている、
燃料電池用気液分離器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、燃料電池用の気液分離器に関する。
【背景技術】
【0002】
特開2007-87718号公報は、燃料電池のオフガスから水を分離する分離部と、分離部によって水が分離されたオフガスを分離部から外部に排出するガス排出部と、を有する、燃料電池用気液分離器を開示している。
【0003】
しかし、上記公報開示の燃料電池用気液分離器には、つぎの問題点がある。
分離部の内面のうち、ガス排出部より上方にある側面部分に、分離された水がある場合、その水が自重で下方に流れると、ガス排出部を通るガス流れにより持ち去られて、ガス排出部から外部に流出してしまうおそれがある。そのため、気液分離器による気液分離性能を向上する点において改善の余地がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2007-87718号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、従来に比べて気液分離性能を向上できる燃料電池用気液分離器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成する本発明はつぎの通りである。
(1) 燃料電池のオフガスから液体を分離する気液分離器であって、
前記オフガスから液体を分離する分離部と、
前記分離部に前記オフガスを導入するオフガス導入部と、
前記分離部によって液体が分離されたオフガスを該分離部から気液分離器の外部に排出するガス排出部と、
前記分離部より下方に設けられており、前記分離部によって分離された液体が流れ込むとともに気液分離器の外部に排出される排液部と、
を有し、
前記分離部は、前記ガス排出部より上方の位置に、前記オフガス導入部の対向位置に設けられ該オフガス導入部から導入された前記オフガスが直接衝突する衝突部を有しており、
前記衝突部より下方で前記ガス排出部より上方の位置に、前記衝突部によって分離された液体が自重で下方に流れて前記ガス排出部に流入することを抑制する傘部が設けられている、
燃料電池用気液分離器。
(2) 前記傘部は、前記分離部の内面から該分離部内に突出して設けられている、(1)記載の燃料電池用気液分離器。
(3) 前記分離部の内面には、前記ガス排出部の上方にある部分を除いた側面部分の少なくとも一部に、上下方向に延びる溝が複数設けられている、(1)または(2)記載の燃料電池用気液分離器。
(4) 前記溝のうち、前記ガス排出部に最も近い位置に設けられる第1溝と、該第1溝の隣に設けられる第2溝との間隔は、その他の隣り合う2つの溝同士の間隔よりも小とされている、(3)記載の燃料電池用気液分離器。
【発明の効果】
【0007】
上記(1)の燃料電池用気液分離器によれば、つぎの効果を得ることができる。
傘部が設けられているため、分離部の衝突部で分離された液体が自重で下方に流れてガス排出部に流入することを抑制できる。そのため、傘部が設けられていない場合に比べて、分離部で分離された液体がガス排出部に流れ込んでしまうことを抑制でき、気液分離器による気液分離性能を高めることができる。
【0008】
上記(2)の燃料電池用気液分離器によれば、つぎの効果を得ることができる。
傘部が分離部の内面から分離部内に突出して設けられているため、簡易な構成で傘部を設けることができ、コスト上有利である。
【0009】
上記(3)の燃料電池用気液分離器によれば、つぎの効果を得ることができる。
分離部で分離された液体は溝に沿って流れる。そのため、溝が設けられていない場合に比べて、分離部の内面についている液体を効率よく排液部に導くことができる。よって、分離部で分離された液体がガス流れによって再飛散してガス排出部に流れ込んでしまうことを抑制できる。
【0010】
上記(4)の燃料電池用気液分離器によれば、つぎの効果を得ることができる。
第1溝と第2溝との間隔がその他の隣り合う2つの溝同士の間隔よりも小とされているため、第1溝と第2溝との間隔がその他の隣り合う2つの溝同士の間隔と同じである場合に比べて、第1溝をガス排出部から離して設けることができる。よって、第1溝に沿って流れる液体をガス排出部から離して流すことができ、第1溝に沿って流れる液体がガス排出部に流入してしまうことを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明実施例の燃料電池用気液分離器の模式断面図である。
図2】本発明実施例の燃料電池用気液分離器の、斜め上から見たときの分解斜視図である。
図3】本発明実施例の燃料電池用気液分離器の、斜め下から見たときの分解斜視図である。
図4】本発明実施例の燃料電池用気液分離器における、アッパ部材とストレーナのみの、下方から見たときの斜視図である。
図5】本発明実施例の燃料電池用気液分離器における、アッパ部材とストレーナのみの、断面図である。
図6図5のB-B線部分拡大断面図である。
図7】本発明実施例の燃料電池用気液分離器が設けられる燃料電池システムの系統図である。
図8】本発明実施例の燃料電池用気液分離器が設けられる燃料電池システムの、入側の酸化ガス配管に加湿器が設けられる場合の、系統図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に、図面を参照して、本発明実施例の燃料電池用気液分離器(以下、単に気液分離器ともいう)10を説明する。なお、図中UPは上方を示す。
【0013】
気液分離器10は、たとえば、燃料電池自動車に搭載される。ただし、自動車以外に搭載されていてもよい。燃料電池は、たとえば固体高分子電解質型燃料電池である。
【0014】
固体高分子型燃料電池は、膜―電極アッセンブリ(MEA:Membrane-Electrode Assembly)とセパレータとの積層体からなる。膜―電極アッセンブリは、イオン交換膜からなる電解質膜と、該電解質膜の一面に配置された触媒層を有する電極(アノード、燃料極)および電解質膜の他面に配置された触媒層を有する電極(カソード、空気極)からなる。セパレータには、アノードに燃料ガス(水素)を供給するための燃料ガス流路が形成され、カソードには酸化ガス(酸素、通常は空気)を供給するための酸化ガス流路が形成されている。膜-電極アッセンブリとセパレータを重ねてセルを構成し、少なくとも1つのセルからモジュールを構成し、モジュールを積層してセル積層体とし、セル積層体の外側でセル積層方向に延びる締結部材(たとえば、テンションプレート)、ボルト・ナットにて固定して、スタック100を構成する。
【0015】
図7は、燃料電池のガス系(燃料ガス、酸化ガス、ガス供給系、ガス排出系、ガス循環系を含む)の概略を示す。
燃料ガスは、燃料ガス源101(たとえば、高圧水素タンク)から入側の燃料ガス配管102を通してスタック100に供給され、一部が消費されて出側の燃料ガス配管103に流れ、大部分が燃料ガス循環配管104、循環ポンプ105を介して入側の燃料ガス配管102に循環され、残りは、出側の燃料ガス配管103から大気に排出される。
酸化ガスは、コンプレッサ106により大気から取り入れられ、エアクリーナ107等が設けられた、入側の酸化ガス配管109を通してスタック100に供給され、一部が消費されて出側の酸化ガス配管110に流れ、大気に排出される。なお、入側の酸化ガス配管109には、図8に示すように、加湿器108が設けられていてもよい。
【0016】
出側の燃料ガス配管103は燃料ガスのオフガス系を構成し、出側の酸化ガス配管110は酸化ガスのオフガス系を構成する。
出側の燃料ガス配管103には燃料ガス側の、出側の酸化ガス配管110には酸化ガス側の、気液分離器10が設けられており、それぞれ、燃料オフガス中の液体(水分等)が燃料オフガスから分離され、酸化オフガス中の液体(水分等)が酸化オフガスから分離される。
【0017】
気液分離器10は、図1に示すように、オフガス(燃料オフガスであってもよく、酸化オフガスであってもよい)から液体を分離する分離部12と、分離部12にオフガスを導入するオフガス導入部14と、分離部12によって液体が分離されたオフガスを分離部12から気液分離器10の外部に排出するガス排出部16と、分離部12より下方に設けられており分離部12によって分離された液体が流れ込むとともに気液分離器10の外部に排出される排液部18と、を有する。
【0018】
分離部12は、気液分離器10の上側部分に設けられており、オフガス導入部14から気液分離器10に導入されるオフガスから液体を分離する。分離部12による液体の分離方式は、たとえば慣性衝突式である。そのため、分離部12は、オフガス導入部14の対向位置に設けられオフガス導入部16から導入されたオフガスが直接衝突する衝突部12aを有する。オフガス導入部16から導入されたオフガスは、衝突部12aに衝突する。これにより、オフガス中の液体(水分等)が衝突部12aに付着し、オフガスから液体(水分等)が分離される。
【0019】
衝突部12aは、1個のみ設けられている。衝突部12aは、気液分離器10の上端部(その近傍を含む)に設けられており、ガス排出部16より上方の位置に設けられる。衝突部12aは、ガス排出部16を流れるガス流れ方向から見たとき(図1のA視)、ガス排出部16の真上にある。ガス排出部16と衝突部12aとの上下方向間には、少なくとも1段の段差部20が設けられている。ただし、段差部20は設けられていなくてもよい。ガス排出部16と衝突部12aとは、段差部20が設けられている場合には該段差部20を介して、気液分離器10の同じ側の側面10aに設けられる。
【0020】
オフガス導入部14は、管状であり、1個のみ設けられている。オフガス導入部14は、気液分離器10の上端部(その近傍を含む)に設けられている。オフガス導入部14は、気液分離器10の、衝突部12a及びガス排出部16が設けられる側の側面10aと反対側(対向する側)の側面10bに設けられる。
【0021】
ガス排出部16は、管状であり、1個のみ設けられている。ガス排出部16は、分離部12の下端部(その近傍を含む)に設けられている。
【0022】
排液部18は、分離部12より下方に設けられている。排液部18と分離部12との間には、一部に上下方向の孔42aが開いた仕切り板42が設けられている。仕切り板42が設けられているため、分離部12で分離され分離部12から排液部18に流れ込んだ液体が、再度分離部12に戻ってしまうことが抑制される。排液部18の底面18aには、液体が底面18aの一箇所(たとえば、中央)に集まるように、傾斜が設定されている。排液部18は、弁18bを有しており、弁18bの閉時には分離部12によって分離された液体が排液部18に貯留され、弁18bの開時には該液体が排液部18から気液分離器10の外部に排出される。弁18bは、排液部18の底面18aに設けられていてもよく、排液部18が底面18aに接続される排液管18cを有する場合には該排液管18cに設けられていてもよい。
【0023】
気液分離器10には、衝突部12aより下方でガス排出部16より上方の位置に、衝突部12によって分離された液体が自重で下方に流れてガス排出部16に最短距離を通って流入することを抑制する傘部(庇といってもよい)24が設けられている。傘部24は、後述するガス排出部上方部12bに設けられている。
【0024】
傘部24は、気液分離器10の側面のうち、衝突部12a及びガス排出部16が設けられる側の側面10a(分離部12の内面)から、分離部12内に、オフガス導入部14が設けられる側の側面10bに向って略水平方向に突出して設けられている。傘部24の突出方向先端は、オフガス導入部14が設けられる側面10bに達しておらず、側面10bから離れた位置にある。傘部24は、たとえば平板状である。ただし、傘部24の剛性および強度を確保するために、一部に凹部が形成されていてもよく、リブ等が設けられていてもよい。
【0025】
傘部24は、図1のA視で、図5に示すように、ガス排出部16の真上にあり衝突部12aの真下にある。また、図1のA視における傘部24の幅(A視における左右方向長さ)は、ガス排出部16の径(入口における径)より大とされている。
【0026】
気液分離器10には、分離部12の内面の側面部分に、上下方向に延びる溝26が複数形成されている。溝26は、分離部12の内面のうち、ガス排出部16の上方にある部分(以下、ガス排出部上方部という)12bを除いた側面部分の少なくとも一部に、形成されている。溝26は、分離部12の内面の側面部分の、ガス排出部上方部12bを除く全体に設けられていてもよい。溝26が設けられているため、分離部12で分離されて分離部12の側面に付着した液体は、自重で溝26に沿って下方に排液部18に流れる。
【0027】
各溝26のサイズは、特に限定されるものではないが、たとえば、図6に示すように、幅0.5mm、深さ1mmである。このサイズよりも小型化すると、溝26を成形するための成形金型の強度確保(製造要件確保)が困難になってしまう。また、このサイズよりも大型化すると、溝26の本数が減ってしまい、溝26による液体ガイド効果が低減してしまう。
【0028】
図5に示すように、複数の溝26のうち、ガス排出部16に最も近い位置に設けられる第1溝26aと、第1溝26aの隣に設けられる第2溝26bとの間隔は、その他の隣り合う2つの溝26同士の間隔よりも小とされている。特に限定されるものではないが、第1溝26aと第2溝26bとの間隔は、たとえば4.5mmであり、その他の溝26同士の間隔は、たとえば6.5mmである。
【0029】
ガス導入部14から気液分離器10内に導入されたオフガスは、ガス導入部14から分離部12に導入され、分離部12の衝突部12aに衝突する。このため、オフガス中の液体が衝突部12aに付着し、オフガスから液体が分離される。
液体が分離されたオフガスは、分離部12内を流れてガス排出部16に流入し、ガス排出部16を通って気液分離器10の外部に排出される。
【0030】
オフガスから分離された液体は、ガス排出部上方部12bを除く部分にあっては、溝26に沿って自重で下方に流れ、仕切り板42の孔42aを通って排液部18に流れる。一方、オフガスから分離された液体であってガス排出部上方部12bを下方に自重で流れる液体は、図5の矢印にて示すように、傘部24に当たり傘部24の上面に沿って傘部24の両側に流れて傘部24の両外側から下方に流れる。そのため、ガス排出部上方部12bを下方に流れる液体は、傘部24によりガス排出部16を避けて下方に流れ、仕切り板42の孔42aを通って排液部18に流れる。
【0031】
なお、ガス排出部上方部12bにおいても、傘部24の上方および/または下方に下方かつガス排出部16の外側に傾斜するたとえば逆V字状の補助溝28が設けられていてもよい。補助溝28が設けられることで、ガス排出部上方部12bを流れる液体をガス排出部16の両側に向けて流すことができ、分離部12で分離された液体のガス排出部16への流入をさらに抑制できる。
【0032】
排液部18に流れた液体は、弁18bの閉時には排液部18に貯留され、弁18bの開時には排液部18から気液分離器10の外部に排出される。
【0033】
上述した気液分離器10は、樹脂製であり、図2に示すように、アッパ部材40、ロア部材41、仕切り板42およびストレーナ43の4部品構造となっている。ただし、アッパ部材40、ロア部材41、仕切り板42、ストレーナ43の少なくともいずれか1つが複数部品からなることで、5部品以上の部品構造となっていてもよい。
【0034】
図3に示すように、アッパ部材40に、分離部12、オフガス導入部14、ガス排出部16が設けられている。また、アッパ部材40の内壁面に溝26と補助溝28が設けられている。図2に示すように、ロア部材41は、アッパ部材40の下方に配置されてアッパ部材40と溶着等で固定される。ロア部材41には、排液部18が設けられている。仕切り板42は、アッパ部材40とロア部材41とで挟持されており、分離部12と排液部18を仕切る。ストレーナ43には傘部24が設けられている。ストレーナ43は、傘部24に加えて、傘部24を支持する枠部43aを有しており、枠部43aにてアッパ部材40に設けられる座部40a(図5参照)に固定して取付けられている。
【0035】
つぎに、本発明実施例の作用、効果を説明する。
図5に示すように、傘部24が設けられているため、分離部12の衝突部12aで分離された液体が自重で下方に流れて(最短距離を通って)ガス排出部16に流入することを抑制できる。そのため、傘部24が設けられていない場合に比べて、分離部12で分離された液体がガス排出部16に流れ込んでしまうことを抑制でき、気液分離器10による気液分離性能を高めることができる。
【0036】
傘部24が分離部12の内面から分離部12内に突出して設けられているため、簡易な構成で傘部24を設けることができ、コスト上有利である。
【0037】
気液分離器10には、分離部12の内面の側面部分に、上下方向に延びる溝26が複数形成されているため、分離部12で分離された液体は溝26に沿って流れる。そのため、溝26が設けられていない場合に比べて、分離部12の内面についている液体を効率よく排液部18に導くことができる。よって、分離部12で分離された液体がガス流れによって再飛散してガス排出部16に流れ込んでしまうことを抑制できる。
【0038】
第1溝26aと第2溝26aとの間隔がその他の隣り合う2つの溝26同士の間隔よりも小とされているため、第1溝26aと第2溝26bとの間隔がその他の隣り合う2つの溝26同士の間隔と同じである場合に比べて、第1溝26aをガス排出部16から離して設けることができる。よって、第1溝26aに沿って流れる液体をガス排出部16から離して流すことができ、第1溝26aに沿って流れる液体がガス排出部16に流入してしまうことを抑制できる。
【符号の説明】
【0039】
10 気液分離器
12 分離部
12a 衝突部
12b ガス排出部上方部
14 オフガス導入部
16 ガス排出部
18 排液
18a 底面
18b 弁
18c 排液管
20 段差部
24 傘部
26 溝
26a 第1溝
26b 第2溝
28 補助溝
40 アッパ部材
40a 座部
41 ロア部材
42 仕切り板
42a 孔
43 ストレーナ
43a 枠部
100 スタック
101 燃料ガス源
102 入側の燃料ガス配管
103 出側の燃料ガス配管
104 燃料ガス循環配管
105 循環ポンプ
106 コンプレッサ
107 エアクリーナ
108 加湿器
109 入側の酸化ガス配管
110 出側の酸化ガス配管
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8