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特許7155411加熱要素を備える自動車両用の運転者支援システムのセンサ/エミッタを保護するためのアセンブリ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-07
(45)【発行日】2022-10-18
(54)【発明の名称】加熱要素を備える自動車両用の運転者支援システムのセンサ/エミッタを保護するためのアセンブリ
(51)【国際特許分類】
   B60S 1/62 20060101AFI20221011BHJP
【FI】
B60S1/62 120Z
B60S1/62 110A
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2021517221
(86)(22)【出願日】2019-09-24
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-11
(86)【国際出願番号】 EP2019075748
(87)【国際公開番号】W WO2020064760
(87)【国際公開日】2020-04-02
【審査請求日】2021-05-26
(31)【優先権主張番号】1858840
(32)【優先日】2018-09-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】512092737
【氏名又は名称】ヴァレオ システム デシュヤージュ
【氏名又は名称原語表記】VALEO SYSTEMES D’ESSUYAGE
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【弁理士】
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100127465
【弁理士】
【氏名又は名称】堀田 幸裕
(74)【代理人】
【識別番号】100164688
【弁理士】
【氏名又は名称】金川 良樹
(72)【発明者】
【氏名】フレデリック、ブルタグノル
(72)【発明者】
【氏名】マルセル、トレブー
【審査官】瀬戸 康平
(56)【参考文献】
【文献】特開昭54-029454(JP,A)
【文献】特開平06-258713(JP,A)
【文献】特開2011-155468(JP,A)
【文献】国際公開第2018/091641(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2012/0000024(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60S 1/00
H04N 5/222-5/257
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
センサ/エミッタ(13)を少なくとも部分的に囲む保護装置(3)を有する、自動車両(100)用の運転者支援システムのセンサ/エミッタ(13)を保護するためのアセンブリ(1)であって、前記保護装置(3)は、信号が通過する前記センサ/エミッタ(13)の表面(14)に面して配置された検出/放出要素(9)を有する第1サブアセンブリ(B)と、前記センサ/エミッタ(13)の放出-受信軸(15)の周りで前記第1サブアセンブリ(B)を回転駆動するように構成されたモータ(5)を有する第2サブアセンブリ(C)とを備える、アセンブリ(1)において、前記保護アセンブリ(1)が、前記検出/放出要素の近傍で前記自動車両の本体に固定された少なくとも1つの付属品(7)を加熱するために、制御ユニット(10)によって制御されるなくとも1つの加熱要素(12)を有し、前記加熱要素(12)が、前記保護装置(3)の外側および前記第1サブアセンブリ(B)の近傍に存在することを特徴とする、アセンブリ(1)。
【請求項2】
前記制御ユニット(10)が、前記センサ/エミッタ(13)の動作を同様に制御するように構成されていることを特徴とする、請求項1に記載の保護アセンブリ(1)。
【請求項3】
前記少なくとも1つの加熱要素(12)が、前記保護装置(3)から一定距離に設けられ、前記本体に固定された前記付属品の近傍に配置されることが可能な、少なくとも1つの固定部品を有し、前記固定部品には、前記制御ユニット(10)によって電流が供給されることを特徴とする、請求項1または2に記載の保護アセンブリ(1)。
【請求項4】
前記少なくとも1つの加熱要素(12)が、前記制御ユニット(10)を介して電気が供給される抵抗要素であり、前記抵抗要素は前記固定部品を形成することを特徴とする、請求項3に記載の保護アセンブリ(1)。
【請求項5】
前記少なくとも1つの加熱要素(12)が、前記保護装置(3)に締結されたホルダ(25)上に設けられていることを特徴とする、請求項4に記載の保護アセンブリ(1)。
【請求項6】
前記ホルダ(25)が、前記保護装置(3)に締結された固定フレーム(250、252)と、前記少なくとも1つの加熱要素(12)が固定され、前記放出-受信軸(15)に沿って摺動することが可能な可動アセンブリ(256、27)とを有することを特徴とする、請求項5に記載の保護アセンブリ(1)。
【請求項7】
前記少なくとも1つの加熱要素(12)が、前記固定部品を形成する電磁誘導源と、前記保護装置の外面に対して設けられた関連する誘導金属要素とを有することを特徴とする、請求項に記載の保護アセンブリ(1)。
【請求項8】
前記制御ユニット(10)が、運転者が前記自動車両(100)をスイッチオンまたは始動したとき、および/または前記制御ユニット(10)が前記第1サブアセンブリ(B)を回転駆動するための異常な抵抗を検出したときに、前記少なくとも1つの加熱要素(12)を起動するように構成されていることを特徴とする、請求項1から7のいずれか一項に記載の保護アセンブリ(1)。
【請求項9】
前記制御ユニット(10)が、前記自動車両(100)の外側の温度が2℃未満であるときに前記少なくとも1つの加熱要素(12)を起動するように構成されていることを特徴とする、請求項1から8のいずれか一項に記載の保護アセンブリ(1)。
【請求項10】
請求項1から9のいずれか一項に記載の、運転者支援システムのセンサ/エミッタ(13)を保護するためのアセンブリ(1)を備える自動車両(100)であって、前記センサ/エミッタ(13)が前記自動車両(100)内に存在すること、および記検出/放出要素(9)が前記自動車両の本体の壁(7)に形成された開口部(2)に存在すること、および前記少なくとも1つの加熱要素(12)が前記壁(7)に配置されていることを特徴とする、自動車両(100)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、運転者支援の分野に関し、具体的には、特定の車両に設置された運転者支援システムに関し、運転者支援システムは、センサ/エミッタ、たとえば対物レンズを備えるカメラを含むことができる。より具体的には、本発明は、センサ/エミッタの保護ケーシングに関する。
【背景技術】
【0002】
現在、多くの自動車両は、センサ/エミッタ、たとえばフロントビュー、リアビュー、またはサイドビューカメラさえ装備している。これらは、駐車支援システム、または車線逸脱を検出するためのシステムなど、特に運転者支援システムの一部を形成する。車両の周辺に位置する障害物を最適に検出するために、所望の用途に応じて、たとえば車両のリアまたはフロントバンパ内、サイドバンプストリップ内、もしくはリアまたはフロントナンバープレートの領域内に組み込まれるなど、異なる箇所で車両の周囲に運転支援システムのセンサ/エミッタを設置することが、既知の慣例である。
【0003】
この場合、センサ/エミッタは、有機または無機の泥の飛散に大いに曝されるが、これはセンサ/エミッタの信号が通過する表面上に堆積する可能性があり、したがって、画像取り込みに関して信号の放出または情報の検出の有効性を低減し、問題のセンサ/エミッタ、検出器、またはカメラを完全に動作不能にさえする可能性がある。特に、雨天の期間中は、雨および泥の飛散が観察され、これにより、このようなセンサ/エミッタを備える運転者支援システムの操作性に悪影響を及ぼす場合がある。
【0004】
したがって、センサ/エミッタの信号が通過する表面は、これらが適切な動作状態にあることを保証するために洗浄される必要があること、ならびにこの必要性は、センサ/エミッタによって放出および/または収集された情報に基づいて車両が操舵される自動運転車両においてますます重要であることが、理解されるだろう。
【0005】
センサ/エミッタは、たとえば、カメラなどの画像取り込み光センサの形態をとり得る。これは、小型フォトダイオードのマトリックスアレイを含む、CCD(電荷結合素子)またはCMOSセンサであり得る。
【0006】
センサ/エミッタは、たとえば、赤外線カメラなどの赤外線センサの形態をとり得る。
【0007】
センサ/エミッタは、たとえば、ヘッドランプなどの発光素子、LED(発光ダイオード)などの光電子デバイスの形態をとり得る。
【0008】
センサ/エミッタはまた、たとえば、電波の放出および受信のためのレーダ(無線検出および測距)など、またはLIDAR(光検出および測距)など、または赤外線波の放出および受信のための赤外線センサ/エミッタなどの、電磁放射トランシーバの形態もとり得る。
【0009】
センサ/エミッタはまた、たとえば、超音波の放出および受信のための音響放射トランシーバの形態もとり得る。
【0010】
したがって、予めその上に堆積されていた汚染要素を除去するために、信号が通過するセンサ/エミッタの表面を洗浄するための装置をこの表面の近傍に配置することが知られている。具体的には、洗浄装置は、洗浄流体が供給されるスプレーノズルからなり得る。必要であれば、これらのスプレーノズルは、格納された静止位置から延伸された洗浄位置まで通過するように構成された伸縮装置の末端に配置され得る。これらのスプレーノズルの使用は、センサ/エミッタの適切な洗浄を可能にする一方で、これは、比較的大量の洗浄流体およびスプレーノズルの高度な運動学的手段を提供する必要があるため、かなりの運用コストが発生する。
【0011】
あるいは、一方では、泥がセンサ/エミッタの表面に直接ではなくこの窓に堆積するように、信号が通過するセンサ/エミッタの表面に面して配置された保護窓を有し、他方では、保護窓から泥を落とすように保護窓を振動させるようになっている振動手段を有する、洗浄装置を提供することが知られている。しかしながら、保護窓の振動にもかかわらず、頑固で堅く覆った泥に対するこのような装置の有効性は限定され得ることが見出された。
【0012】
図1および図2に示されている別の解決策によれば、運転者支援システムのセンサ/エミッタ、および例示としてカメラ13は、センサ/エミッタ13を収容し、これを外部環境から保護する保護ケーシング6を備える、保護装置3に関連付けられている。保護ケーシング6は、データの取得を可能にするために、信号が通過する表面14に面して配置された透明な検出/放出要素9を有する。保護ケーシング6および関連する検出/放出要素9は、保護装置3の一部を形成するモータ5を介して回転駆動される。より具体的には、モータ5は、遠心効果によって、検出/放出要素9上に存在し得る泥または水を除去するのに十分な速度で、保護ケーシング6を回転駆動するように構成されている。この遠心効果洗浄解決策は、振動について上述された検出/放出要素9の設定よりもはるかに効果的である。
【0013】
センサ/エミッタ13は、図3に示されるように、自動車両100のグリル7の近傍に設けられている。データの取得を可能にするために、グリル内に開口部2が作られ、保護ケーシング6の前に配置された検出/放出要素9は、少なくとも部分的に開口部の中に設けられ、カメラの場合の画像取り込み角度などの検出/放出角度を改善するために、検出/放出要素9が可能な限り前方に設けられると理解される。検出/放出要素は回転することができるので、動作クリアランスは、検出/放出要素9と、開口部2を画定する縁部との間で径方向に形成される。
【0014】
寒さが厳しい場合、保護ケーシング6とグリル内の開口部2を画定する縁部との間に氷の層が形成される場合があるため、保護ケーシング6が所定位置に固定される場合がある。氷の層が最小の厚さを有する場合、洗浄動作向けに意図されるよりも速い速度でモータ5を回転させることによって、この氷の層を破壊することが可能である。しかしながら、氷の層の特定の厚さおよび密度を超えると、氷の層を破壊するためにモータを使用することでモータを過熱および故障させる可能性があり、モータは他の方法で保護ケーシングを確実に旋回させることができない。
【発明の概要】
【0015】
本発明は、冬の条件下で使用されることが可能な、上述のようなセンサ/エミッタ用の保護ケーシングの代替案を提示することによって、この技術的問題を解決することを提案する。
【0016】
この目的のために、本発明の主題は、センサ/エミッタを少なくとも部分的に囲む保護装置を有する、自動車両用の運転者支援システムのセンサ/エミッタを保護するためのアセンブリであって、保護装置は、信号が通過するセンサ/エミッタの表面に面して配置された検出/放出要素を有する第1サブアセンブリと、センサ/エミッタの放出-受信軸の周りで第1サブアセンブリを回転駆動するように構成されたモータを有する第2サブアセンブリとを備える、アセンブリである。
【0017】
本発明は、保護アセンブリが、検出/放出要素の近傍で自動車両の本体に固定された少なくとも1つの付属品を加熱するために、制御ユニットによって制御される少なくとも1つの加熱要素を有し、加熱要素が、保護装置の外側および第1サブアセンブリの近傍に存在することは、注目すべきである。
【0018】
「本体に固定された付属品」とは、グリル、バンパ、またはヘッドランプなど、直接または間接的に固定されることで本体に取り付けられた任意の要素であると理解される。
【0019】
「第1サブアセンブリの近傍」という表現は、保護アセンブリが面して配置された、その表面上に、または第1サブアセンブリの検出/放出要素と自動車両の本体に固定された付属品との間の動作クリアランスとして残された空間内に存在する雪および/または氷の層を急速に融解させるために第1サブアセンブリに十分に近くでありながら、第2サブアセンブリによって第1サブアセンブリの回転を妨害しないように第1サブアセンブリのとなりに少なくとも1つの加熱要素を配置することを意味する。当然ながら、加熱要素と検出/放出要素との間の距離は、加熱要素の出力に応じて変化し得る。
【0020】
したがって、有利には、本発明は、遠心効果による第1サブアセンブリの検出/放出要素上に存在する泥の除去を可能にするように冬の条件下でも第2サブアセンブリのモータを動作可能なままにするための、自動車両用の運転者支援システムのセンサ/エミッタ用の保護装置の外側に配置された加熱要素の使用を提案する。別の利点によれば、(1つまたは複数の)加熱要素は、その大きさを制限し、第1サブアセンブリの不均衡値を修正しないために、保護装置の外側に配置される。
【0021】
一態様によれば、保護装置は、検出/放出要素とは別の要素である。
【0022】
1つの代替案によれば、保護装置は検出/放出要素の一部である。
【0023】
本発明の様々な特徴によれば、単独でまたは組み合わせて、以下が提供され得る。
-制御ユニットは、センサ/エミッタの動作を同様に制御するように構成されている。
-少なくとも1つの加熱要素は、保護装置から一定距離に設けられ、本体に固定された付属品の近傍に配置されることが可能な、少なくとも1つの固定部品を有し、前記固定部品には、制御ユニットによって電流が供給される。
-少なくとも1つの加熱要素は、制御ユニットを介して電気が供給される抵抗要素であり、抵抗要素は前記固定部品を形成する。
-少なくとも1つの加熱要素は、保護装置に締結されたホルダ上に設けられている。
-ホルダは、保護装置に締結された固定フレームと、少なくとも1つの加熱要素が固定され、放出-受信軸に沿って摺動することが可能な可動アセンブリとを有する。言い換えると、少なくとも1つの加熱要素は、ホルダを介して第2サブアセンブリに直接接続されている。ホルダはまた、自動車両の構造上に保護装置を保持するための保持フレームとしても機能し得る。有利には、保持フレームは固定手段を有し得る。固定手段は、第1サブアセンブリの検出/放出要素を、自動車両の本体の近傍に、またはその一部の上に保持するように構成されている。
-ホルダは、固定フレームと可動部品との間に配置された弾性手段を有し、これらの弾性手段は、前記ホルダ上に存在する少なくとも1つの加熱要素を、自動車両の本体の部品に対して、たとえばグリルに対して圧縮することを可能にするように、構成および配置されている。
-少なくとも1つの加熱要素は、前記固定部品を形成する電磁誘導源と、保護装置の外面に対して設けられた関連する誘導金属要素とを有する。
【0024】
本発明の別の特徴のセットによれば、単独でまたは組み合わせて、以下が提供され得る。
-加熱ユニットは、運転者が自動車両のスイッチを入れるかまたは始動するときに、少なくとも1つの加熱要素を起動するように構成されている。当然ながら、制御ユニットは、上述の少なくとも1つのシナリオを検出するための手段を備える。非限定的な例として、制御ユニットは、このようにして前記車両のスイッチオンおよび/または始動を識別するために、自動車両の車載コンピュータに接続するように構成されている。
-制御ユニットは、制御ユニットが第1サブアセンブリを回転駆動するための異常な抵抗を検出したとき、自動車両の始動時に少なくとも1つの加熱要素を起動するように構成されている。言い換えると、制御ユニットは、センサ/エミッタの周りで第1サブアセンブリを回転駆動させるために必要な力を測定することができる。所定の力閾値を超えた場合、制御ユニットは、本発明による少なくとも1つの加熱要素を起動するように構成されている。このため、第1サブアセンブリに雪および/または氷の層が蓄積した場合、前記層を融解させるために、少なくとも1つの加熱要素が起動される。この実施形態は、自動車両が動いているときに保護ケーシング上に雪および/または氷が蓄積したときに、特に有利である。好ましくは、この条件は、車両の外側の温度が少なくとも2℃未満であるときに実施される。
-制御ユニットは、所与の時間間隔にわたって、好ましくは1分以上の時間間隔、または数秒から数十秒のより短い時間間隔にわたって、少なくとも1つの加熱要素を起動するように構成されている。当然ながら、加熱要素が起動している時間の長さは、その加熱電力に依存し、任意選択的に、外気温に依存する。言い換えると、制御ユニットは、保護装置を備える自動車両のスイッチオンまたは始動から少なくとも1つの加熱要素を起動するように構成されている。(1つまたは複数の)加熱要素は、第1サブアセンブリの表面上に存在する雪および/または氷の層の急速な融解を保証するように、所定の期間にわたって起動している。このため、モータは、遠心効果によって検出/放出要素上の泥の存在を除去するために、センサ/エミッタの周りで回転するように第1サブアセンブリを自由に設定することができる。
-制御ユニットは、車両の外側の温度が少なくとも2℃未満であるときに、少なくとも1つの加熱要素を起動するように構成されている。
-少なくとも1つの加熱要素は、上記の条件が集約されたとき、つまり同時に組み合わせられたときに、制御ユニットによって起動されることが可能である。
-少なくとも1つの加熱要素は、第1サブアセンブリの検出/放出要素を囲んでいる。非限定的な例として、加熱要素は、楕円形または多角形の形状を有し、第1サブアセンブリは、加熱要素の形状に内接している。
【0025】
本発明はまた、運転者支援システムのセンサ/エミッタを保護するためのアセンブリを備える自動車両にも関し、上記で定義されたように、センサ/エミッタは自動車両内に存在し、保護ケーシングの検出/放出要素は本体の壁に形成された開口部に存在し、少なくとも1つの加熱要素は壁に配置されている。壁は、たとえば、自動車両のグリル、バンパ、バックミラー、またはナンバープレートの要素に対応し得る。
【0026】
本発明のさらなる特徴および利点は、非限定的な実例によって与えられる以下の説明を読むことから、ならびに以下の添付図面から、より明確になるだろう。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】従来技術による、運転者支援システムのセンサ/エミッタ用の保護ケーシングの概略的な斜視図を示す。
図2図1に示される保護ハウジングの概略的な分解斜視図を示す。
図3】そのグリルに運転者支援システムを備える、自動車両の正面図を示す。
図4】たとえば、加熱要素が、本体に固定された付属品に、本体に固定されたこの付属品に形成された開口部の周りで締結されており、これを通じてセンサ/エミッタが信号を放出/検出することができる、本発明の第1の実施形態による、運転者支援システムのセンサ/エミッタ用の保護装置を組み込んだ、図3の車両などの、自動車両の部分縦断面図を概略的に示す。
図5】図示される保護装置が面して配置される、本体に固定された付属品に対して加熱要素を押圧することに関与するばねリンクを介して加熱要素が保護ケーシングに締結される、本発明の第2の実施形態による、運転者支援システムのセンサ/エミッタ用の保護装置の斜視図を示す。
図6】車両の本体に固定された付属品に作られた開口部の周りの加熱要素の可能な配置を概略的に示す。
図7】車両の本体に固定された付属品に作られた開口部の周りの加熱要素の可能な配置を概略的に示す。
図8】車両の本体に固定された付属品に作られた開口部の周りの加熱要素の可能な配置を概略的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0028】
第一に、図は、本発明を実施するために本発明を詳細に示しており、前記図が、当然ながら、必要に応じて本発明をより良く定義するのに役立つことができることに、留意すべきである。これらの図では、同一の要素は同じ参照符号を有している。様々な実施形態は、例である。説明は1つ以上の実施形態に言及するものの、これは必ずしも、各参照符号が同じ実施形態に関すること、または特徴が1つの実施形態のみに適用されることを意味するものではない。異なる実施形態の個々の特徴はまた、別の実施形態を作成するために、組み合わせられること、または交換されることが可能である。
【0029】
さらに、説明では、特定の要素が、たとえば第1の要素または第2の要素でインデックス付けされ得ることに留意すべきである。この場合、インデックスは単に、類似であるが同一ではない要素を区別して示すために使用される。このインデックス付けは、ある要素が別の要素よりも優先されることを暗示するものではなく、このような名称は、本説明の範囲から逸脱することなく容易に交換されることが可能である。
【0030】
本発明による運転者支援システムは、少なくとも1つのセンサ/エミッタ13およびこのセンサ/エミッタの周りに配置された保護装置3と、車両の本体に固定された付属品に対する保護装置の可動部品の相対的な運動を防止する氷の層またはその他の堆積物を除去または弱めるように構成された加熱要素とを有し、この近くに、センサ/エミッタおよび関連する保護装置が設けられている。
【0031】
センサ/エミッタ13は、たとえば、カメラなどの画像取り込み光センサである。これは、小型フォトダイオードのマトリックスアレイを含む、CCD(電荷結合素子)またはCMOSセンサであり得る。別の変形例によれば、このリストが別途網羅的でなくても、これは、赤外線カメラなどの赤外線センサ、ヘッドランプなどの発光素子、LED(発光ダイオード)などの光電子デバイス、LIDAR(レーザー画像検出および測距)またはレーダ(無線検出および測距)などの電磁放射センサ/エミッタであり得る。別の変形例によれば、これは超音波放射センサ/エミッタであり得る。
【0032】
図1から図4を参照して、本発明の第1の実施形態が最初に説明される。
【0033】
センサ/エミッタ13は、信号が通過する表面14と、放出-受信軸15とを有する。表面14は、たとえばカメラの対物レンズなどの光学表面であり、対物レンズは所望の視野および解像度に応じて、1つ以上のレンズを有し得る。
【0034】
センサ/エミッタ13は、保護装置3の第1サブアセンブリBを形成する保護ケーシング6内に、少なくとも部分的に実装される。この目的のために、保護ケーシング6は、壁21によって制限されたハウジングを有する。この壁21は、好ましくは、センサ/エミッタ13の放出-受信軸15を中心としている。図示される例では、壁21は、略円筒形の形状を有する。
【0035】
保護ケーシング6はまた、透明な壁によって形成され、信号が通過するセンサ/エミッタ13の表面14の下流に設けられた、検出/放出要素9も備える。この検出/放出要素9は、表面14全体を覆うように有利な寸法になっている。言い換えると、検出/放出要素9は、センサ/エミッタ13の放出検出フィールドに配置され、透明な壁は、センサ/エミッタ13の有効性が損なわれないことを可能にする。検出/放出要素9は、保護ケーシング6と一体に形成され得る。代替案として、保護ケーシング6および検出/放出要素9は、互いに締結される2つの別個の部品であってもよい。検出/放出要素9の全てまたは一部を形成する透明な壁は、ガラス、またはポリカーボネートなどのプラスチック材料で作られてもよい。保護ケーシング6は、当業者に知られている任意の適切な材料、好ましくは液密材料から作られてもよい。
【0036】
信号が通過する表面14の下流に設けられている検出/放出要素9が意味することは、この表面14を台無しにする可能性のある泥または固体破片の飛散から検出/放出要素9が表面14を保護するように、車両の外側とセンサ/エミッタ13の表面14との間に検出/放出要素9が設けられるということである。したがって、これはセンサ/エミッタ13を保護するための要素、より正確には保護するためのマスクであり、外部からの攻撃、すなわち水しぶき、汚染物質、小石、ならびに汚染物質の堆積物または水汚れに曝されるのは、この検出/放出要素9である。上記のように、検出/放出要素9の表面が遠心効果によって洗浄されることを可能にするために、保護装置3は、第2サブアセンブリCを形成するモータ5を有する。モータ5は、保護ケーシング6、したがって検出/放出要素9を、センサ/エミッタ13の放出-受信軸15と一致する回転軸A1の周りで回転駆動するように、保護ケーシング6に結合される。モータは、図1および図4に示される制御ユニット10によって制御される。
【0037】
2つのサブアセンブリBおよびCは、組み立てられると、泥がセンサ/エミッタ13に到達するのを防止する保護装置3を形成する。なお、保護装置3はまた、保護ケーシング6がモータによって旋回させられるときにセンサ/エミッタ13が動かないように、モータ5の固定部品に締結された、図2に見られる、支持要素17も有することに留意されたい。
【0038】
既知の方法で、上記の保護装置3は、保護装置3内に存在するセンサ/エミッタ13によって、運転者支援システムが道路シーンに関するデータを取得することを可能にするように、自動車両に実装される。美的理由から、保護装置3は、車両の本体に固定された付属品7の後で、自動車両の内部に配置されている。図3に示される非限定的な例によれば、本体に固定されたこの付属品7は、自動車両100のグリルからなる。
【0039】
具体的には、図4に示されるように、破線で示されるセンサ/エミッタ13,およびこのセンサ/エミッタの周りに設けられた保護装置3は、本体に固定された付属品の内面70に面して配置されており、前記面は、本体の内部に向けて配向されているという点で内側である。当然ながら、本体に固定された付属品7は開口部2を有し、その形状および寸法は、センサ/エミッタ13が道路に関するデータを取得することを可能にする。図4に示されるように、センサ/エミッタ13は、本体に固定された付属品の縁部がセンサ/エミッタ13の放出検出フィールドに現れないようにするのみならず、外観も良好にするために、本体に固定された付属品に可能な限り近づけて配置される。
【0040】
検出/放出要素9は、少なくとも部分的に、保護ケーシング6の開口部2の中に延在する。図示される例では、検出/放出要素9は、本体に固定された付属品7の内面70によって画定される平面内に設けられ、本体に固定された付属品を損なうことなく保護装置の回転を可能にする動作クリアランスを形成するために空間79が径方向に提供されるという条件で、この検出/放出要素9は、本発明の文脈から逸脱することなく、本体に固定された付属品の厚さ内に設けられることが可能であると理解される。
【0041】
図4は、見えるように誇張された空間79を有する、本発明による保護アセンブリを概略的に示すことが理解されるだろう。例として、開口部2は、5cm以下の直径を有する円形の形状を有してもよく、空間79は、0.3mmから0.5cmの間、好ましくは0.6から0.4mmの間の寸法である。
【0042】
上記で説明されたように、冬の条件で、外気温が氷点下になると、保護ケーシング6、特に検出/放出要素9と、本体に固定された付属品7、この場合はグリルとの間の開口部2に形成された空間内に、雪および/または氷の層が蓄積し得る。この層の存在は、モータ5による保護ケーシング6の旋回を妨害または防止さえする。したがって、上記のように、遠心効果によって検出/放出要素を効果的に洗浄することはもはや不可能である。このため、検出/放出要素9を洗浄するためのシステムは、無効または動作不能である。
【0043】
本発明によれば、保護装置3は、保護装置3の外側に、より具体的には、本体に固定されたこの付属品の内面70に当接して、本体に固定された付属品に形成された、開口部2の周りに配置された、少なくとも1つの加熱要素12に関連付けられている。有利には、図4に概略的に示されるように、加熱要素12は、開口部2を画定する縁部に可能な限り近づけて設けられている。その結果、加熱要素を始動することで、本体に固定された付属品を加熱し、熱の伝導および対流によって、本体に固定されたこの付属品および保護ケーシング6に付着することができた氷の層を融解することを可能にする。氷の少なくとも初期の亀裂は、本体に固定された付属品で発生し、その後これは、回転している保護ケーシング6の末端に提供された検出/放出要素9の回転によって、氷を破壊しやすくする。加熱要素によって生成された熱が、過剰な電力消費を必要とせずに氷の領域内に伝播できるようにするために、加熱要素は、保護ケーシングの外側に、および本体に固定された付属品と直接接触して、または少なくともこれと可能な限り近づけて設けられることが、特に有利である。
【0044】
保護装置3および加熱要素12はこのように、センサ/エミッタ13に関連付けられ、センサ/エミッタ13に面して位置する検出/放出要素の回転による遠心効果によって洗浄を保証するように、かつ遠心効果によるこの洗浄が、いかなる条件下でも、特に非常に寒い気象条件下でも動作可能であり得ることも保証するように構成された、保護アセンブリ1を形成する。
【0045】
このような保護アセンブリの第1の実施形態では、特に図4に示されるように、保護装置3および加熱要素12は、互いに別個の2つの要素であり、加熱要素12は、本体に固定された付属品7に締結されている。
【0046】
図4に示される例によれば、加熱要素12は、内面70の厚さ内に提供された空洞72の中で、開口部2に可能な限り近く、本体に固定された付属品のこの内面70に対抗して配置されている。グリルの内面70に加熱要素12を配置することで、その外観を維持するために、加熱要素12を自動車両100の外側から見えないようにできることが、理解されるだろう。
【0047】
図6から図8に示されるように、空洞72は、対応する形状を有する加熱要素が収容されることを可能にするために、異なる幾何学的形状を有し得る。空洞は、この場合、これが囲む開口部2と同心に作られた溝の形態であり、空洞と、開口部2を画定する本体に固定された付属品の縁部との間に、材料の小さいストリップが保持されている。さらに、空洞は、厚さ、つまりこの場合、センサ/エミッタの放出-受信軸と平行な寸法を有し、この寸法は、加熱要素の対応する寸法よりも小さく、したがって加熱要素は車両の内部に向かって突出する。この例示的な実施形態は修正可能であること、ならびに加熱要素は、本体に固定された付属品の厚さに埋め込まれるか、または開口部2を画定する縁部と同一平面になり得ることが、理解されるだろう。
【0048】
本体に固定された付属品7との加熱要素12の接触を保証し、したがって可能な限り最良の熱の伝導および対流を保証するために、加熱要素12は、好ましくは、適切な固定手段によって、本体に固定されたこの付属品の内面70に対して保持される。例として、加熱要素は、この内面に接着剤で接合されてもよく、または本体に固定された付属品の内面70に締結された留めクリップによって保持されてもよく、加熱要素は、スナップ留めによって空洞内にはめ込まれることが可能である。
【0049】
本発明による保護要素は、少なくとも1つの加熱要素12を有する。図6および図7に示されるように、グリル7内の開口部2を完全に囲む、単一の加熱要素12が提供されてもよい。したがって、加熱要素は環状リングの形態であり、図6にしたがって円形または楕円形であってもよく、もしくは図7にしたがって多角形であってもよい。好ましくは、図6の形態が選択され、開口部2の輪郭に最もよく従うことができるようにする。
【0050】
図8に示される別の変形例によれば、たとえば直線的な形状を有し、互いに対して垂直に配置された、複数の別個の加熱要素12が採用されることも可能である。
【0051】
本発明による加熱要素12は、特にフィルム状の、電気抵抗要素または正温度係数セラミックからなり得る。図示されるように、加熱要素はこの場合、本体に固定された付属品の内面と一体になっている。
【0052】
図示されない代替案では、加熱要素が、電流が供給されて電磁場を放出する誘導コイルを形成する本体に固定された付属品に締結された固定部品を有する電磁誘導システムからなることが提案され、電磁場には、保護ケーシング6の外周の回りに設けられた加熱要素の第2の部品を形成する1つ以上の金属要素が設けられている。この第2の金属部品は特に、検出/放出要素9の回りに設けられた銅リングから、または検出/放出要素9を形成する透明な層に設けられた、たとえばチタンおよびインジウムで作られた金属要素からなり得る。
【0053】
これらの代替案の各々において、加熱要素12、少なくとも本体に固定された付属品に締結された固定部品は、制御ユニット10に電気的に接続されている。
【0054】
制御ユニット10は、自動車両100の本体に固定された付属品7上に存在する(1つまたは複数の)加熱要素12の動作を制御するように、特にこの、またはこれらの加熱要素の電力供給を制御するように、構成されている。好ましくは、制御ユニット10は、(1つまたは複数の)加熱要素12が、保護ケーシング6の検出/放出要素9の領域で熱を放射するように、構成されている。したがって、有利には、(1つまたは複数の)加熱要素12はまた、検出/放出要素9を覆う、および/または保護ケーシング6と本体に固定された付属品7との間の径方向クリアランス内に設けられた、氷の層を急速に融解することも可能にする。
【0055】
この目的のために、制御ユニット10は、計算機18、以下に記載される少なくとも1つの制御プログラムを記憶するための手段22と、図4に示されるような通信インターフェース23とを備える。通信インターフェース23は、制御ユニット10が既知の手段によって自動車両100の車載コンピュータ24と対話することを可能にする。車載コンピュータ24は、自動車両、および運転者によって実行される運転行動の全ての情報を集中させる。車載コンピュータ24は、好ましくは、リアルタイムで自動車両の外側の温度を測定するための、図示されていない手段に接続されている。
【0056】
図示される例では、通信インターフェース23はまた、このモータの電力供給を制御するように、かつ保護ケーシング6を旋回させるためにモータ5によって消費される電力をリアルタイムで測定するように、モータ5にも接続されている。
【0057】
記憶手段22は、本発明による保護アセンブリの特定の動作モードを可能にする、以下の制御プログラムのうちの少なくとも1つを備える。
【0058】
本発明による制御プログラムの第1の例によれば、制御ユニット10は、自動車両のユーザが所定の行動を実行するときに、所定の加熱時間だけ少なくとも1つの加熱要素12を起動するように構成されている。非限定的な例として、所定の加熱時間は、所定の行動が行われてから、1分以上の時間間隔、または数秒から数十秒のより短い時間間隔に対応し得る。所定の行動は、たとえば、車両のユーザによる遠隔制御ボタンの作動、または自動車両の運転者のドアの解錠、または自動車両のスイッチオンまたは始動に対応し得る。この実施形態は、運転者が交通回廊に戻るのを支援するために通常は運転者支援システムが使用される、運転の最初の数分の間、雪および/または氷の層がケースの回転を防止できず、検出/放出要素の全てまたは一部を形成する透明な壁を覆わないことを保証することを可能にする。
【0059】
本発明による制御プログラムの第2の例によれば、制御ユニット10は、制御ユニットがモータ5による異常な電力消費を検出したときに、所定の加熱時間だけ少なくとも1つの加熱要素12を起動する。ここでも、所定の加熱時間は、この異常な消費が検出された瞬間から1分以上の時間間隔、または数秒から数十秒のより短い時間間隔に対応し得る。モータ5による異常な電力消費は、保護ケーシング6を旋回させるための通常の電力よりも大きい電力として定義される。非限定的な例として、電力は、モータ5の通常の電力を20%以上超えたときに、異常であると見なされ得る。制御プログラムのこの第2の例は、保護ケーシング6と本体に固定された付属品7との間に雪および/または氷の層が形成されたときに、少なくとも1つの加熱要素12の起動を有利に可能にし、自動車両10が動いている間、氷の層の存在は、保護ケーシングの回転を防止し、モータにより多くの動力を提供するように強制することが理解される。
【0060】
制御プログラムの第3の例によれば、加熱要素の作動、もしくは第1または第2の制御プログラムの実施は、自動車両100の外側の周囲温度の値を条件とする。周囲温度の値は、たとえば、車両100の車載コンピュータ24によって制御ユニット10に伝えられる。例として、第1の制御プログラムまたは第2の制御プログラムは、自動車両の外側の温度の値が、たとえば0℃に等しい、または少なくとも2℃未満の閾値以下である場合にのみ、実施される。この実施形態は、有利には、(1つまたは複数の)加熱要素12が冬の条件でのみ起動すると保証することを可能にする。
【0061】
図5は、本発明による保護ケーシングの第2の実施形態を示しており、これは、特に加熱要素12の配置によって、上記の保護アセンブリとは異なる。
【0062】
より具体的には、この場合、保護装置および関連する加熱要素によって形成された保護アセンブリが組み立てられ、その後全体が、自動車両の本体に固定された付属品7に単一の動作で実装されることが可能なように、加熱要素は保護装置3に締結される。
【0063】
この場合の保護装置3は、内部ロータモータ5、つまり固定外部部品およびホルダ25が締結されたモータ5を備える。このホルダ25は、モータの固定部品の外周全体の周りに設けられた環状ベース250を有し、保護装置に沿って、センサ/エミッタの放出-受信軸と平行に、検出/放出要素の方向にベースから突出している複数の支柱252を有する。図示される例では、2つの支柱があり、これらは互いに正反対であるが、有利には軸の周りに規則的に分布する、より多くの支柱があり得ることは、理解されるだろう。ベース250および支柱252はホルダ用の固定フレームを形成し、これは、固定フレームによって行われる案内により、放出-受信軸に沿って軸方向に移動するように構成された、ホルダの可動アセンブリと協働することができる。
【0064】
ホルダ25の可動アセンブリは、支柱252と同じ数の管254を有し、各管は、支柱のうちの1つの周りを摺動するために中空であり、自由端にカラー256を有している。
【0065】
弾性手段26は、ベース250と、支柱のうちの1つの周りを摺動することが可能な管254の一端に形成されたカラー256のうちの1つとの間で、支柱の各々の周りに設けられている。弾性手段26を形成するばねは、弾性手段が圧縮されたときに、対応するカラー256をホルダ25のベース250から突き放すように構成されている。
【0066】
管254の自由端は、ホルダの可動アセンブリの一部を形成するディスク27に締結されている。ディスク27は、検出/放出要素9の周りに配置されたリングを形成するように、その中心に穴を有する。図示されるように、ディスク27は中央開口部28を有し、その寸法は、その縁部がセンサ/エミッタ13の放出検出フィールドに現れないように設計されている。ディスク27の前面29、つまり、ホルダ25およびモータ5とは反対側を向き、本体に固定された付属品7の内面70に面して設けられることが可能な面は、加熱要素12で覆われている。
【0067】
この第2の実施形態では、検出/放出要素9を完全に囲むクラウンを形成する加熱要素12は、電力が供給されると加熱することが可能な抵抗膜で形成されている。加熱手段12は、支柱252に沿って弾性手段26内を通過することが可能な電気的接続手段を介して、制御ユニットに電気的に接続されている。
【0068】
上記のように、弾性手段は、保護装置3および加熱要素12によって形成された保護アセンブリ1が本体に固定された付属品7に接近するときに、自動車両の本体の壁、たとえば図4に示される本体に固定された付属品7の内面70に対してディスク27が加熱要素12を押圧することを可能にするように、圧縮下で実装されたばねを備える。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8