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特許7155412車両用ブレーキ装置のための電磁弁のための、プリント基板をコイル本体と電気的にコンタクトさせるためのコンタクト装置、コンタクト装置を有する電磁弁、およびコンタクト装置を製造するための方法
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  • 特許-車両用ブレーキ装置のための電磁弁のための、プリント基板をコイル本体と電気的にコンタクトさせるためのコンタクト装置、コンタクト装置を有する電磁弁、およびコンタクト装置を製造するための方法 図1
  • 特許-車両用ブレーキ装置のための電磁弁のための、プリント基板をコイル本体と電気的にコンタクトさせるためのコンタクト装置、コンタクト装置を有する電磁弁、およびコンタクト装置を製造するための方法 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-07
(45)【発行日】2022-10-18
(54)【発明の名称】車両用ブレーキ装置のための電磁弁のための、プリント基板をコイル本体と電気的にコンタクトさせるためのコンタクト装置、コンタクト装置を有する電磁弁、およびコンタクト装置を製造するための方法
(51)【国際特許分類】
   H01R 12/55 20110101AFI20221011BHJP
   B60T 8/34 20060101ALI20221011BHJP
【FI】
H01R12/55
B60T8/34
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2021517328
(86)(22)【出願日】2019-09-16
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-11
(86)【国際出願番号】 EP2019074620
(87)【国際公開番号】W WO2020064382
(87)【国際公開日】2020-04-02
【審査請求日】2021-04-23
(31)【優先権主張番号】102018123995.5
(32)【優先日】2018-09-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】597007363
【氏名又は名称】クノル-ブレムゼ ジステーメ フューア ヌッツファールツォイゲ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】Knorr-Bremse Systeme fuer Nutzfahrzeuge GmbH
【住所又は居所原語表記】Moosacher Strasse 80, D-80809 Muenchen, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【弁理士】
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100135633
【弁理士】
【氏名又は名称】二宮 浩康
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】ラドハクリシュナ ラオ
【審査官】高橋 学
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2009/0250998(US,A1)
【文献】実開平04-108868(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R 12/50-12/69
H01R 4/48
B60T 8/34
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両用ブレーキ装置のための電磁弁のための、プリント基板(105)をコイル本体(110)と電気的にコンタクトさせるためのコンタクト装置(100)であって、少なくとも、
当該コンタクト装置(100)は、螺旋形の導電性のコンタクトばね(115)を有し、前記コンタクトばね(115)は、前記プリント基板(105)と前記コイル本体(110)との間の弾性の電気的なコンタクトを可能にするために、第1のばね端部(122)では前記プリント基板(105)とコンタクトされているか、またはコンタクト可能であるように形成されており、前記第1のばね端部(122)とは反対側の第2のばね端部(125)では前記コイル本体(110)とコンタクトされているか、またはコンタクト可能であるように形成されており、
当該コンタクト装置(100)は、ピン(120)を有し、前記ピン(120)は、前記コンタクトばね(115)の内部空間(130)内に収容可能であるか、または収容されており、前記ピン(120)は、前記内部空間(130)内に収容された収容状態において前記コンタクトばね(115)を前記内部空間(130)から支持するように形成されており、
前記ピン(120)は、少なくとも1つの段部(135)を形成している、
コンタクト装置(100)。
【請求項2】
前記コンタクトばね(115)の第1のばね区分は、第1の半径を有し、
前記コンタクトばね(115)の第2のばね区分は、第2の半径を有し、
前記第1の半径と前記第2の半径とは、それぞれ異なるサイズを有する、
請求項1記載のコンタクト装置(100)。
【請求項3】
記段部(135)は、前記ピン(120)の周りを巡るように形成されている、
請求項1または2記載のコンタクト装置(100)。
【請求項4】
前記ピン(120)は、前記収容状態において、前記コンタクトばね(115)に張力が掛けられている状態で、前記プリント基板(105)と前記コイル本体(110)との間で前記コイル本体(110)および/または前記プリント基板(105)に力を伝達するように形成および/または配置されている、
請求項2または3記載のコンタクト装置(100)。
【請求項5】
前記ピン(120)は、電気絶縁性材料を有する、
請求項1から4までのいずれか1項記載のコンタクト装置(100)。
【請求項6】
前記コイル本体(110)の中または上に配置可能であるか、または配置されている導電性の溶接要素(140)を有する、
求項1から5までのいずれか1項記載のコンタクト装置(100)。
【請求項7】
前記コイル本体(110)および/または前記プリント基板(105)を有する、
請求項1から6までのいずれか1項記載のコンタクト装置(100)。
【請求項8】
前記コイル本体(110)は、凹部(145)を有し、
前記凹部(145)内に、前記第2のばね端部(125)および/または前記溶接要素(140)および/または前記ピン端部が配置されているか、または配置可能である、
請求項1から7までのいずれか1項記載のコンタクト装置(100)。
【請求項9】
請求項1から8までのいずれか1項記載のコンタクト装置(100)を有する、電磁弁。
【請求項10】
車両用ブレーキ装置のための電磁弁のための、プリント基板(105)をコイル本体(110)と電気的にコンタクトさせるためのコンタクト装置(100)を製造するための方法(200)であって、
当該方法(200)は、螺旋形の導電性のコンタクトばね(115)と、ピン(120)とを提供するステップ(205)を含み、
前記コンタクトばね(115)は、前記プリント基板(105)と前記コイル本体(110)との間の弾性の電気的なコンタクトを可能にするために、第1のばね端部(122)では前記プリント基板(105)とコンタクトされているか、またはコンタクト可能であるように形成されており、前記第1のばね端部(122)とは反対側の第2のばね端部(125)では前記コイル本体(110)とコンタクトされているか、またはコンタクト可能であるように形成されており、
前記ピン(120)は、前記コンタクトばね(115)の内部空間(130)内に収容可能であり、前記ピン(120)は、前記内部空間(130)内に収容された収容状態において前記コンタクトばね(115)を前記内部空間(130)から支持するように形成されており、前記ピン(120)は、少なくとも1つの段部(135)を形成しており、
当該方法(200)は、前記コンタクトばね(115)の前記内部空間(130)内に前記ピン(120)を収容するステップ(210)を含む、
方法(200)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本アプローチは、車両用ブレーキ装置のための電磁弁のための、プリント基板をコイル本体と電気的にコンタクトさせるためのコンタクト装置、コンタクト装置を有する電磁弁、およびコンタクト装置を製造するための方法に関する。
【0002】
磁気コイルに電流を供給できるようにするために、プリント基板とコイル本体またはコイルとの間の電気的なコンタクトを確立するための種々異なる構成要素が使用される。
【0003】
欧州特許出願公開第3109951号明細書は、絶縁性のハウジング内に収容されている導電性のコンタクトばねを有する電気アセンブリを記載している。
【0004】
このような背景を踏まえて、本アプローチの課題は、車両用ブレーキ装置のための電磁弁のための、プリント基板をコイル本体と電気的にコンタクトさせるための改善されたコンタクト装置、改善されたコンタクト装置を有する電磁弁、および改善されたコンタクト装置を製造するための方法を提供することである。
【0005】
上記の課題は、それぞれの主請求項に記載されている、車両用ブレーキ装置のための電磁弁のための、プリント基板をコイル本体と電気的にコンタクトさせるためのコンタクト装置、車両用ブレーキ装置のための電磁弁、およびコンタクト装置を製造するための方法によって解決される。
【0006】
提示されているアプローチによって達成することができる利点は、プリント基板と磁気コイルとの間に弾性の電気的なコンタクトを形成することが可能であり、この弾性の電気的なコンタクトが、非常に少ない材料を使用しているにもかかわらずなお非常に安定して支承またはガイドされているということにある。
【0007】
車両用ブレーキ装置のための電磁弁のための、プリント基板をコイル本体と電気的にコンタクトさせるためのコンタクト装置が提示される。コンタクト装置は、コンタクトばねと、ピンとを有する。コンタクトばねは、螺旋形かつ導電性に形成されていて、プリント基板とコイル本体との間の弾性の電気的なコンタクトを可能にするために、第1のばね端部ではプリント基板とコンタクトされているか、またはコンタクト可能であるように形成されており、第1のばね端部とは反対側の第2のばね端部ではコイル本体とコンタクトされているか、またはコンタクト可能であるように形成されている。ピンは、コンタクトばねの内部空間内に収容可能であるか、または収容されており、ピンは、内部空間内に収容された収容状態においてコンタクトばねを内部空間から支持するように形成されている。
【0008】
コイル本体とは、磁気コイルまたは磁気コイルの少なくとも1つの構成要素、例えば、コイルもしくは少なくとも1つのコイル区分、またはコイルハウジングもしくは少なくとも1つのコイルハウジング区分であると理解することができる。コンタクトばねは、少なくとも1つの区分において円筒形に形成可能または巻回可能である。ピンは、例えばコイル本体に挿入可能、押込可能、または螺入可能にするために、例えば自由端部において先端が先細るように形成可能な、いわゆる“ピン(pin)”であり得る。本明細書に提示されているコンタクト装置によれば、有利には、プリント基板とコイル本体との間の安定したコンタクトが可能となる。なぜなら、プリント基板とコイル本体との間に配置されているか、または配置可能であるコンタクトばねが、ピンによって安定されるからである。この場合、ピンは、コンタクトばねを内部空間から軸線方向および/または横方向または半径方向に支持するように形成可能である。例えば、ピンの外側面は、収容状態においてコンタクトばねとコンタクトすることができる。
【0009】
コンタクトばねの第1のばね区分が、第1の半径を有し、コンタクトばねの第2のばね区分が、第2の半径を有し、第1の半径と第2の半径とが、それぞれ異なるサイズを有すると、有利である。
【0010】
第1のばね区分は、コンタクトばねのうちの、第1のばね端部の方を向いている区分、および/または第1のばね端部を含んでいる区分であり得る。第2のばね区分は、コンタクトばねのうちの、第2のばね端部の方を向いている区分、および/または第2のばね端部を含んでいる区分であり得る。例えば、第1の半径を、第2の半径よりも大きくすることができる。一部の領域において比較的細くなっているそのようなコンタクトばねは、構造上のまたは空間上の理由から有利であり得る。
【0011】
ピンは、少なくとも1つの段部を形成することができ、とりわけ、段部は、ピンの周りを巡るように形成可能である。コンタクトばねが、上述したような複数の異なる半径を有している場合には、このようなピンを、有利には、コンタクトばねの内部空間に形状結合によって収容することができる。この場合、段部は、第1のばね区分と第2のばね区分との間の接続区分の領域に配置可能である。例えば、ピンは、段部の領域において軸線方向および半径方向の両方でコンタクトばねに接触するように、かつ/またはコンタクトばねを支持するように配置可能および/または形成可能である。
【0012】
ピンは、収容状態において、コンタクトばねに張力が掛けられている状態で、プリント基板とコイル本体との間でコイル本体および/またはプリント基板に力を伝達するように形成可能および/または配置可能である。この場合、段部は、第2の区分を例えば軸線方向に押圧することができるか、または第2の区分に例えば軸線方向に押し付けられることができる。このようにして、1つまたは複数の所要の力を、プリント基板および/またはコイル本体に対して作用させることができるか、またはもたらすことができる。
【0013】
ピンが、電気絶縁性材料、とりわけプラスチック材料を有すると、さらに有利である。例えば、少なくともコンタクトばねに面しているピンの外側面は、プラスチック材料を有することができる。このようにして、コンタクトばねをハウジングから絶縁させることができる。
【0014】
有利な実施形態によれば、コンタクト装置は、コイル本体の中または上に配置可能であるか、または配置されている導電性の溶接要素をさらに有し、とりわけ、溶接要素は、コンタクトばねの第2のばね端部のためのストッパとして配置されているか、または配置可能であり、かつ/またはピンのピン端部が挿入されるように形成されている。この溶接要素は、コイル本体に取り付けられた、または接続された電気線路に溶接可能であるか、または溶接されている溶接スリーブであり得る。溶接要素は、ピンのピン端部が軸線方向に挿入されているか、または挿入可能である貫通開口部を有することができる。
【0015】
1つの実施形態によれば、コンタクト装置は、コイル本体および/またはプリント基板を有することもできる。コイル本体は、凹部を有することができ、凹部内に、第2のばね端部および/または溶接要素および/またはピン端部が配置されているか、または配置可能である。このような凹部は、コイル本体における安定した形状結合による収容手段を提供することができる。凹部は、溶接要素を確実に保持するためのアンダーカット部を形成することができる。
【0016】
電磁弁は、上述した変形例のうちの1つに従って構成されたコンタクト装置を有する。このような電磁弁は、車両用ブレーキ装置において使用するために形成可能および/または構成可能である。そのような電磁弁、例えばブレーキ弁も、有利には、コンタクト装置のおかげで上述した利点を実現する。
【0017】
車両用ブレーキ装置のための電磁弁のための、プリント基板をコイル本体と電気的にコンタクトさせるためのコンタクト装置を製造するための方法は、提供するステップと、収容するステップとを含む。提供するステップでは、螺旋形の導電性のコンタクトばねと、ピンとが提供され、コンタクトばねは、プリント基板とコイル本体との間の弾性の電気的なコンタクトを可能にするために、第1のばね端部ではプリント基板とコンタクトされているか、またはコンタクト可能であるように形成されており、第1のばね端部とは反対側の第2のばね端部ではコイル本体とコンタクトされているか、またはコンタクト可能であるように形成されており、ピンは、コンタクトばねの内部空間内に収容可能であり、ピンは、内部空間内に収容された収容状態においてコンタクトばねを内部空間から支持するように形成されている。収容するステップでは、ピンは、コンタクトばねの内部空間内に収容される。
【0018】
収容するステップでは、ピンを内部空間内に挿入することができるか、またはコンタクトばねをピンの上から被せることができる。
【0019】
本方法は、電気的にコンタクトさせるステップをさらに有することができ、このステップでは、第1のばね端部がプリント基板と電気的にコンタクトされ、かつ/または第2のばね端部がコイル本体と電気的にコンタクトされる。電気的にコンタクトさせるステップは、収容するステップの前、および/または収容するステップの後に実施可能である。
【0020】
プログラムコードを有するコンピュータプログラム製品またはコンピュータプログラムも有利であり、このプログラムコードは、半導体メモリ、ハードディスクメモリ、または光メモリのような機械可読担体上または記憶媒体上に保存可能であり、とりわけ、プログラム製品またはプログラムがコンピュータ上またはデバイス上で実行されたときに、上述した実施形態のうちの1つによる方法のステップを実施、実行、および/または制御するために使用される。
【0021】
以下の記載では、本明細書に提示されているアプローチの実施例を、図面を参照しながらより詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】1つの実施例による車両用ブレーキ装置のための電磁弁のための、プリント基板をコイル本体と電気的にコンタクトさせるためのコンタクト装置の概略側断面図である。
図2】1つの実施例による車両用ブレーキ装置のための電磁弁のための、プリント基板をコイル本体と電気的にコンタクトさせるためのコンタクト装置を製造するための方法のフローチャートである。
【0023】
本アプローチの有利な実施例についての以下の説明では、複数の異なる図面に図示されていて、かつ同様に作用する要素には、同一または類似の参照符号を使用し、それらの要素について繰り返し説明することは省略する。
【0024】
ある1つの実施例が、第1の特徴と第2の特徴との間に「および/または」の接続詞を含んでいる場合には、このことは、当該実施例が、ある1つの実施形態では第1の特徴および第2の特徴の両方を有し、別の1つの実施形態では第1の特徴のみまたは第2の特徴のみを有するということであると読み取るべきである。
【0025】
図1は、1つの実施例による車両用ブレーキ装置のための電磁弁のための、プリント基板105をコイル本体110と電気的にコンタクトさせるためのコンタクト装置100の側断面図を示す。
【0026】
コンタクト装置100は、プリント基板105をコイル本体110と電気的にコンタクトさせ、車両用ブレーキ装置のための電磁弁のために使用されるように形成されている。コンタクト装置100は、コンタクトばね115と、ピン120とを有する。コンタクトばね115は、螺旋形かつ導電性に形成されていて、プリント基板105とコイル本体110との間の弾性の電気的なコンタクトを可能にするために、第1のばね端部122ではプリント基板105とコンタクトされているか、またはコンタクト可能であるように形成されており、第1のばね端部122とは反対側の第2のばね端部125ではコイル本体110とコンタクトされているか、またはコンタクト可能であるように形成されている。ピン120は、コンタクトばね115の内部空間130内に収容可能であるか、または収容されており、ピン120は、内部空間130内に収容された収容状態においてコンタクトばね115を内部空間130から支持するように形成されている。
【0027】
本実施例によれば、ピン120は、収容状態においてコンタクトばね115の内部空間130内に収容されており、第1のばね端部122は、プリント基板105とコンタクトされており、第2のばね端部125は、コイル本体110とコンタクトされている。
【0028】
本実施例によれば、コンタクトばね115の第1のばね区分は、第1の半径を有し、コンタクトばね115の第2のばね区分は、第2の半径を有し、第1の半径と第2の半径とは、それぞれ異なるサイズを有する。本実施例によれば、第1のばね区分は、第1のばね端部122を含み、第2のばね区分は、第2のばね端部125を含む。本実施例によれば、第1の半径は、第2の半径よりも大きい。
【0029】
本実施例によれば、ピン120は、段部135を形成しており、この段部135は、本実施例によれば、ピン120の周りを巡るように形成されている。本実施例によれば、段部135は、コンタクトばね115の第1のばね区分と第2のばね区分との間の接続区分の領域に配置されている。本実施例によれば、第1のばね区分内に収容されている第1のピン区分は、第2のばね区分内に収容されている第2のピン区分よりも大きな半径を有する。
【0030】
コンタクトばね115に張力が掛けられている状態で、ピン120は、収容状態において、プリント基板105とコイル本体110との間でコイル本体110および/またはプリント基板105に力を伝達するように形成および/または配置されている。本実施例によれば、ピン120は、電気絶縁性材料を有し、電気絶縁性材料は、本実施例によれば、プラスチック材料を有する。
【0031】
任意選択的に、本実施例によるコンタクト装置100は、コイル本体110の中または上に配置可能であるか、または配置されている導電性の溶接要素140をさらに有する。本実施例によれば、溶接要素140は、コンタクトばね115の第2のばね端部125のためのストッパとして配置されているか、または配置可能であり、かつ/またはピン120のピン端部が挿入されるように形成されている。
【0032】
本実施例によれば、溶接要素140は、コイル本体110の凹部145内に収容されている。本実施例によれば、この凹部145は、アンダーカット部150を形成しており、溶接要素140の端部は、このアンダーカット部150内に形状結合によって収容されている。溶接要素140の溶接要素長手軸線は、本実施例によれば、ピン120のピン長手軸線を横断する方向に凹部145内に延在している。本実施例によれば、ピン120は、溶接要素長手軸線を横断する方向に、溶接要素140の貫通開口部を通って溶接要素140を貫通するように配置されている。第2のばね端部125は、第2のばね端部125のストッパを形成している溶接要素140による限界まで凹部145内に収容されている。
【0033】
本実施例によれば、溶接要素140は、少なくとも一方の端部において、銅線を有する溶接された溶接接合部155を有し、この銅線は、コイル本体110内に収容されているか、またはコイル本体110上に配置されている。
【0034】
1つの実施例によれば、プリント基板105および/またはコイル本体110は、上述した変形例のうちの1つでは、コンタクト装置100の一部である。
【0035】
以下では、コンタクト装置100の既述の詳細について再び換言して説明する。
【0036】
本明細書に提示されているコンタクト装置100は、電磁弁のための電気的なコンタクトシステムまたはコンタクト支持システムを実現するものである。本実施例によれば、コンタクト装置100は、貨物自動車またはトラックのブレーキ装置のための電磁弁と共に使用するために形成されている。コンタクト装置100は、有利には、電流が供給されるとプリント基板105をコイル本体110の1つまたは複数の磁気コイルと電気的に接続させる低コストのコンタクトシステムを可能にする。この場合、コンタクト装置100の組み立ては、容易に実施可能である。プリント基板105の上またはプリント基板105の領域内にあるコンタクト装置100のおかげで、追加的なハウジング要素または特別なガイド要素または支持要素は必要なくなる。溶接要素140のおかげで、有利には、考えられるろう接プロセスと比較してより安定した接続を可能にする溶接プロセスが可能となる。なぜなら、溶接されるべき構成要素は、溶接時に非常に高い温度によって液化され、その後、ろう接の場合よりも堅固な素材結合による接続をもたらすからである。導電性のピンの周りに巻回された巻線領域における考えられるコイルのろう接と比較して、本明細書に提示されたコンタクト装置100によれば、より安定した接続がもたらされる。なぜなら、1つの実施例によれば、コンタクトばね115が、プリント基板105と溶接要素140との間でのみフレキシブルに張持されているからである。代替的な実施例によれば、第2のばね端部125は、溶接要素140と溶接されており、これによって非常に強固な接続が保証される。
【0037】
弾性のコンタクト装置100は、有利には、サイズの違いのような寸法偏差を補償するように構成されている。少なくとも1つの電気的なピンが使用されている場合には、比較的高度な位置管理または位置制御が必要になるので、このことが有用である。この場合、段部135および/または段付きのコンタクトばね115は、構造要件に適合し、有利には、空間要件の低減を可能にする。コンタクトばね115は、有利にはピン120によってガイドされ、ピン120はさらに、コンタクトばね115をハウジングから絶縁させる。本実施例によれば、ピン120は、コンタクトばね115を軸線方向および横方向または半径方向にガイドおよび支持する。コンタクト装置100のおかげで、プリント基板105とコイル本体110との間に必要とされる予備張力もさらに保証されている。
【0038】
本実施例によれば、階段状のコンタクトばね115は、プリント基板105と、コイル本体110の上または中に固定されている溶接要素140とを押圧するか、または引っ張る。本実施例によれば、溶接要素140は、溶接スリーブとして形成されている。プラスチック材料を有するピン120は、コンタクトばね115を軸線方向および横方向に支持する。この場合、ピン120は、コンタクトばね115を内側から支持するためにガイドピンの形状に形成されている。コンタクトばね115は段部を有しているので、ピン120がこの段部に押し付けられ、これにより、溶接要素140およびプリント基板105に対して十分な所要の力が作用する。ピン120をコンタクトばね115の内部に配置することにより、有利には、コンタクトばね115の周りに巡らされる考えられる外部のガイドハウジングに比べて、必要とされる構成材料がより少なくなる。このような外部のハウジングは必要ない。プリント基板105の上または上方のガイドレールも必要ない。要約すると、本明細書に提示されているコンタクト装置100は、簡単かつ安価に製造可能であり、かつ容易に組み立て可能である。この場合、コンタクト装置100は、有利には、非常にわずかな構成要素しか必要とせず、それでもなお、寸法偏差を補償することが可能である。コンタクトばね115は、ピン120によって保持されるので、搬送のために特別な構造体または補助手段は必要ない。有利には、コンタクト装置100を製造するためにろう接プロセスは必要ない。
【0039】
図2は、1つの実施例による車両用ブレーキ装置のための電磁弁のための、プリント基板をコイル本体と電気的にコンタクトさせるためのコンタクト装置を製造するための方法200のフローチャートを示す。このコンタクト装置は、図1で説明したコンタクト装置の変形例のうちの1つであり得る。
【0040】
方法200は、提供するステップ205と、収容するステップ210とを含む。任意選択的に、本実施例によれば、方法200は、電気的にコンタクトさせるステップ215をさらに含む。
【0041】
提供するステップ205では、螺旋形の導電性のコンタクトばねと、ピンとが提供され、コンタクトばねは、プリント基板とコイル本体との間の弾性の電気的なコンタクトを可能にするために、第1のばね端部ではプリント基板とコンタクトされているか、またはコンタクト可能であるように形成されており、第1のばね端部とは反対側の第2のばね端部ではコイル本体とコンタクトされているか、またはコンタクト可能であるように形成されており、ピンは、コンタクトばねの内部空間内に収容可能であり、ピンは、内部空間内に収容された収容状態においてコンタクトばねを内部空間から支持するように形成されている。収容するステップ210では、ピンは、コンタクトばねの内部空間内に収容される。収容するステップ210では、本実施例によれば、ピンが内部空間内に挿入されるか、または代替的な実施例によれば、コンタクトばねがピンの上から被せられる。
【0042】
方法200は、電気的にコンタクトさせるステップ215をさらに有し、このステップ215では、第1のばね端部がプリント基板と電気的にコンタクトされ、かつ/または第2のばね端部がコイル本体と電気的にコンタクトされる。電気的にコンタクトさせるステップ215は、本実施例によれば収容するステップ210の後、または代替的な実施例によれば収容するステップ210の前に実施される。
【0043】
本明細書に提示されている方法のステップは、繰り返し実施可能であり、かつ記載されている順序以外の順序で実施可能である。
【符号の説明】
【0044】
100 コンタクト装置
105 プリント基板
110 コイル本体
115 コンタクトばね
120 ピン
122 第1のばね端部
125 第2のばね端部
130 内部空間
135 段部
140 溶接要素
145 凹部
150 アンダーカット部
155 溶接接合部
200 コンタクト装置を製造するための方法
205 提供するステップ
210 収容するステップ
215 電気的にコンタクトさせるステップ
図1
図2