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▶ ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニーの特許一覧

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-07
(45)【発行日】2022-10-18
(54)【発明の名称】低PH洗剤組成物
(51)【国際特許分類】
   C11D 3/04 20060101AFI20221011BHJP
   C11D 3/20 20060101ALI20221011BHJP
   C11D 1/02 20060101ALI20221011BHJP
   C11D 1/66 20060101ALI20221011BHJP
   C11D 1/75 20060101ALI20221011BHJP
   C11D 3/43 20060101ALI20221011BHJP
   D06L 1/12 20060101ALI20221011BHJP
【FI】
C11D3/04
C11D3/20
C11D1/02
C11D1/66
C11D1/75
C11D3/43
D06L1/12
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2021522005
(86)(22)【出願日】2019-11-07
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-14
(86)【国際出願番号】 US2019060216
(87)【国際公開番号】W WO2020097297
(87)【国際公開日】2020-05-14
【審査請求日】2021-04-22
(31)【優先権主張番号】62/756,855
(32)【優先日】2018-11-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】590005058
【氏名又は名称】ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー
【氏名又は名称原語表記】THE PROCTER & GAMBLE COMPANY
【住所又は居所原語表記】One Procter & Gamble Plaza, Cincinnati, OH 45202,United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100110423
【弁理士】
【氏名又は名称】曾我 道治
(74)【代理人】
【識別番号】100111648
【弁理士】
【氏名又は名称】梶並 順
(74)【代理人】
【識別番号】100122437
【弁理士】
【氏名又は名称】大宅 一宏
(74)【代理人】
【識別番号】100209495
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 さおり
(72)【発明者】
【氏名】デラニー、サラ・アン
(72)【発明者】
【氏名】チャニー、ケヴィン・マイケル
【審査官】黒川 美陶
(56)【参考文献】
【文献】特表2016-520698(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0198237(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C11D
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
酸性洗濯洗剤組成物であって、前記洗剤の15重量%~20重量%の界面活性剤系、及び10重量%超の有機酸を含み、50%超の、生物を原料としたものの含有量を有し、前記洗剤の3重量%~20重量%の、1,2-プロパンジオール、再生可能1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、再生可能1,3-プロパンジオール、エタノール、セルロース系エタノール、又はこれらの混合物を含む溶媒を含む、酸性洗濯洗剤組成物。
【請求項2】
前記界面活性剤系が、アニオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、及びこれらの組み合わせを含む、請求項1に記載の酸性洗濯洗剤組成物。
【請求項3】
前記界面活性剤系が、アミンオキシドを含む、請求項1又は2に記載の酸性洗濯洗剤組成物。
【請求項4】
50%超の透過率を示す、請求項1~3のいずれか一項に記載の酸性洗濯洗剤組成物。
【請求項5】
前記溶媒が再生可能1,2-プロパンジオールである、請求項1~4のいずれか一項に記載の酸性洗濯洗剤組成物。
【請求項6】
精油由来の香料を更に含む、請求項1~5のいずれか一項に記載の酸性洗濯洗剤組成物。
【請求項7】
少なくとも3の予備酸性度を有する、請求項1~6のいずれか一項に記載の酸性洗濯洗剤組成物。
【請求項8】
2~3の未希釈pHを有する、請求項1~7のいずれか一項に記載の酸性洗濯洗剤組成物。
【請求項9】
10種以下の構成成分を含む、請求項1~8のいずれか一項に記載の酸性洗濯洗剤組成物。
【請求項10】
1%~20%の再生可能な溶媒を含む、請求項1~9のいずれか一項に記載の酸性洗濯洗剤組成物。
【請求項11】
前記洗剤の0.01重量%~0.1重量%の、2,3-ブタンジオール、2,3-ペンタンジオール、2,4-ペンタンジオール、1,2-ブタンジオール、2,3-ヘキサンジオール、1,5-ペンタンジオール、及びこれらの混合物からなる群から選択される多価アルコールを含む、請求項10に記載の酸性洗濯洗剤組成物。
【請求項12】
増白剤及び染料を含まない、請求項1~11のいずれか一項に記載の酸性洗濯洗剤組成物。
【請求項13】
界面活性剤系の有機酸に対する比が約3以下である、請求項1~12のいずれか一項に記載の酸性洗濯洗剤組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、洗剤組成物に関し、より具体的には、再生可能構成成分を含む低pH洗剤組成物に関し、非再生可能成分を含有する従来の洗剤処方物のいずれと比較しても良好な性能を呈する。
【背景技術】
【0002】
従来、洗剤組成物は、組成物のpHが約7超になるように処方されている。塩基性のpHは、界面活性剤系、酵素、又は他の有機溶媒が洗浄水中で確実に可溶化した状態を保つのに役立つ。これら現代の洗剤は、洗浄性能を改善するため及び消費者が許容可能な組成物を得るために、石油由来の合成界面活性剤と、ビルダー、水質調節剤、分散剤、汚れ放出ポリマー、洗浄酵素、及び漂白剤などの任意の数の追加成分とのブレンドを含む場合が多い。
【0003】
しかしながら、発展的な消費者は、最小数の成分を有し、天然原材料を基にしており、洗濯染み及び白色度に対して現在の天然洗剤以上の性能を発揮する製品を望んでいる。
【0004】
驚くべきことに、特定の酸性洗剤(すなわち、約7未満のpHを有する)は、天然の材料を使用して処方することを可能にすると同時に、布地からの残留物の除去の改善及びそれに伴う白色度の改善、漂白可能な染み除去の改善、並びに自己保存効果などの効果を提供し得ることが見出された。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、低pHでありかつ再生可能構成成分の濃度がより高い洗濯洗剤が必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
酸性洗濯洗剤組成物が開示される。酸性洗濯組成物は、洗剤の約2重量%~20重量%の界面活性剤系、及び10重量%超の有機酸を含む。組成物は、34%超の、生物を原料としたものの含有量を有する。
【0007】
更に、洗剤の約2重量%~20重量%の界面活性剤系、及び10重量%超の有機酸を含む酸性洗濯洗剤組成物が開示される。組成物は、少なくとも50%の、生物を原料としたものの含有量を有する。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本明細書では、全ての濃度及び比率は、特に指定しない限り、洗剤組成物の重量ベースである。窒素含有率(%N)など元素組成は、重量パーセントである。
【0009】
ポリマーの分子量は、別途具体的に指定のない限り、数平均分子量である。
【0010】
本明細書で使用するとき、特許請求の範囲で使用される際の冠詞「a」及び「an」は、特許請求又は記載されているもののうちの1つ以上を意味すると理解される。
【0011】
本明細書で使用するとき、用語「含む(include)」、「含む(includes)」、及び「含んでいる(including)」は、非限定的であることを意味する。
【0012】
用語「再生可能な」は、用語「生物を原料とした」、「持続可能な」、「持続可能な由来の」、又は「持続可能な供給源由来の」と同義であり、生物由来の(再生可能な供給源、例えば、植物に由来の)又は「非地質学的由来の」を意味する。「地質学的由来の」は、例えば、石油化学物質、天然ガス、又は石炭に由来することを意味する。「地質学的由来の」材料は、容易に補充又は再生することができない(例えば、植物又は藻類から製造する油とは対照的である)。
【0013】
本明細書で使用するとき、用語「再生可能構成成分」は、再生可能な原料に由来し、再生可能な炭素を含む構成成分を指す。再生可能な原料とは、再生可能な供給源、例えば、植物由来であり、非地質学的由来の原料である。材料は、部分的に再生可能(再生可能炭素含有量が100%未満、再生可能炭素含有量が約1%~約50%)であってもよく、又は100%再生可能(再生可能炭素含有量が100%)であってもよい。再生可能材料を、非再生可能材料と共に配合してもよい。
【0014】
「再生可能炭素」は、ASTM D6866の「材料の生物を原料としたものの含有量の評価」方法に従って評価されてもよい。
【0015】
本明細書で使用するとき、用語「天然油」は、植物又は藻類物質に由来する油を意味する(再生可能油とも呼ばれる)。天然油は、灯油又はその他の化石燃料に基づくものではない。用語「油」としては、油脂、脂肪酸、廃脂、油、又はこれらの混合物が挙げられる。天然油としては、ココナッツ油、ババス油、ヒマシ油、藻類副産物、牛脂油、ボラージ油、カメリナ油、キャノーラ(登録商標)油、上質ホワイトグリース、コーヒー油、コーン油、クフェアビスコシッシマ(Cuphea Viscosissima)油、月見草油、魚油、ヘンプ油、肝油、ジャトロファ油、レスケレラフェンドレリ(Lesquerella Fendleri)油、亜麻仁油、ワサビノキ(Moringa Oleifera)油、マスタード油、ニーム油、パーム油、エゴマ油、家禽油、米ぬか油、大豆油、烏臼油、ヒマワリ油、桐油、イエローグリース、調理油、及び他の植物油、堅果油、又は種子油が挙げられるが、これらに限定されない。天然油は、典型的には、トリグリセリド、遊離脂肪酸、又はトリグリセリドと遊離脂肪酸との組み合わせ、及びその他の微量化合物を含む。
【0016】
「実質的に含まない」又は「実質的にない」という用語は、本明細書で使用するとき、ある成分が完全に存在しないこと、又は単に不純物として若しくは別の成分の意図されない副産物として、その最少量であることのいずれかを指す。ある構成成分を「実質的に含まない」組成物とは、当該組成物が、当該組成物の約0.5重量%、0.25重量%、0.1重量%、0.05重量%、又は0.01重量%未満、又は更には0重量%しか当該構成成分を含まないことを意味する。
【0017】
本発明の組成物は、本開示の構成成分を含んでいてもよく、本質的になっていてもよく、又はからなっていてもよい。
【0018】
別途記載のない限り、全ての構成成分又は組成物の濃度は、当該構成成分又は組成物の活性部分に関するものであり、かかる構成成分又は組成物の市販の供給源に存在し得る不純物、例えば残留溶媒又は副生成物は除外される。
【0019】
本明細書の全体を通して与えられる全ての最大数値限定は、それよりも小さい全ての数値限定を、かかるより小さい数値限定があたかも本明細書に明確に記載されているかのように含むものと理解すべきである。本明細書の全体を通して与えられる全ての最小数値限定は、それよりも高い全ての数値限定を、かかるより高い数値限定があたかも本明細書に明確に記載されているかのように含む。本明細書の全体を通して与えられる全ての数値範囲は、かかるより広い数値範囲内に含まれる、より狭い全ての数値範囲を、かかるより狭い数値範囲があたかも全て本明細書に明確に記載されているかのように含む。
【0020】
洗剤組成物
本明細書で使用するとき、語句「洗剤組成物」は、汚れた材料を洗浄するために設計された組成物及び処方物を含む。かかる組成物としては、洗濯洗浄組成物及び洗剤、布地用柔軟化組成物、布地用強化組成物、布地用消臭組成物、予洗い用洗剤(laundry prewash)、洗濯前処理剤、洗濯添加剤、スプレー製品、ドライクリーニング剤若しくは組成物、洗濯すすぎ添加剤、洗浄添加剤、すすぎ後布地処理剤、アイロン助剤、食器洗浄組成物、硬質表面洗浄組成物、単位用量処方物、遅延送達処方物、多孔性基材若しくは不織シート上又は中に含有される洗剤、及び本明細書の教示を考慮すると当業者には明白であり得る他の好適な形態が挙げられるが、これらに限定されない。このような組成物を、洗濯前処理剤、洗濯後処理剤として使用してもよく、又は洗濯操作のすすぎ若しくは洗浄サイクル中に添加してもよい。洗浄組成物は、液体、単相若しくは多相の単位用量、パウチ、ゲル、又はペーストから選択される形態を有し得る。組成物が単位用量形態であるとき、組成物は水溶性のフィルム又はパウチに封入されていてよく、当該水溶性のフィルム又はパウチは、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、又はこれらの混合物を含んでいてよい。単位用量形態は、少なくとも2つの区画又は少なくとも3つの区画を含んでいてよい。少なくとも1つの区画は、別の区画と重なり合っていてもよい。
【0021】
いくつかの態様では、組成物は、当該組成物の約50重量%~約95重量%、又は約60重量%~約90重量%、又は約65重量%~約81重量%の水を含む。いくつかの態様では、組成物は、少なくとも約50%、又は少なくとも約60%、又は少なくとも約70%、又は少なくとも約75%、又は少なくとも約80%、又は少なくとも約85%の水を含む。組成物が濃縮又は単位用量形態であるとき、組成物は、約50%未満の水、又は約30%未満の水、又は約20%未満の水、又は約10%未満の水、又は約5%未満の水を含んでいてよい。
【0022】
本明細書に開示される洗剤組成物は、約1重量%の再生可能構成成分(生物を原料としたもの)、又は約5重量%の再生可能構成成分、又は約10重量%~約100重量%の再生可能構成成分、例えば、約20重量%~約100重量%、又は約30重量%~約100重量%、約40重量%~約100重量%、又は約34重量%~約100重量%、又は約40重量%~約100重量%、又は約50重量%~約100重量%、又は約60重量%~約100重量%、又は約70重量%~約100重量%、又は約80重量%~約100重量%、又は約90重量%~約100重量%の再生可能構成成分を含有していてよい。
【0023】
組成物は、染料を実質的に含まない場合、410~800ナノメートル又は570~690ナノメートルの波長で、1センチメートルのキュベットを使用して、少なくとも約50%の光透過率を有し得る。組成物は、染料を実質的に含まない場合、410~800ナノメートル又は570~690ナノメートルの波長で、1センチメートルのキュベットを使用して、50%超の光透過率、少なくとも約70%の光透過率、又は少なくとも約80%の光透過率を有し得る。
【0024】
あるいは、この組成物の透明度は、可視光波長(約410~800nm)で0.3未満の吸光率を有するとして測定される場合があり、この値は、上記のキュベット及び波長を用いたときの少なくとも約50%の透過率に相当する。本開示の目的において、可視光範囲内の一波長が、50%よりも高い透過率を有する限り、これは透明/半透明であるとみなされる。
【0025】
いくつかの態様では、組成物は、単相で存在する。いくつかの態様では、開示される組成物は、22℃で等方性である。本明細書で使用するとき、「等方性」は、染料及び/又は乳白剤の非存在下において、Beckman DU分光光度計を用いて標準的な路長10mmのキュベットを介して測定された、570nmの波長で50%超の透過率(%)を有する、透明な混合物を意味する。
【0026】
洗濯洗剤組成物は、再生可能な脂肪族アルコール由来の界面活性剤を含んでいてよい。組成物は、染料及び増白剤を実質的に含まない。この洗濯洗剤組成物(複数可)は液体であってもよい。
【0027】
界面活性剤
本明細書に記載の洗剤組成物は、当該洗剤組成物の約2重量%~約20重量%、又は約9重量%~約20重量%、又は約5重量%~約15重量%、又は約7重量%~約12重量%の界面活性剤系を含む。
【0028】
界面活性剤系は、非イオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、両性界面活性剤、双性イオン界面活性剤、カチオン性界面活性剤、又はこれらの混合物から選択される洗浄性界面活性剤を含んでいてよい。
【0029】
非イオン性界面活性剤
本組成物の界面活性剤系は、非イオン性界面活性剤を含む。いくつかの態様では、界面活性剤系は、2つ以下の非イオン性界面活性剤を含む。
【0030】
いくつかの態様では、洗剤組成物は、当該洗剤組成物の約0.1重量%~約20重量%、又は約2重量%~約15重量%、又は約5重量%~約12重量%の非イオン性界面活性剤を含む。
【0031】
本明細書で有用である好適な非イオン性界面活性剤は、洗剤製品で典型的に使用される従来の非イオン性界面活性剤のいずれかを含む。これらとしては、例えば、アルコキシル化脂肪族アルコール及びアミンオキシド界面活性剤が挙げられる。概して、本明細書で使用される非イオン性界面活性剤は、液体である。好ましくは、非イオン性界面活性剤は、ココナッツ油又はパーム種子油などの天然原材料を供給源とする。非イオン性界面活性剤は、種子油を供給源としていてよい。種子油は、ヒマシ油、大豆油、オリーブ油、パーム油、パーム核油、ピーナッツ油、菜種油、コーン油、ゴマ油、綿実油、キャノーラ油、ベニバナ油、亜麻仁油、ココナッツ油、若しくはヒマワリ油、又はこれらのブレンドのうちの少なくとも1つである。種子油は、水素添加又は部分的に水素添加されていてもよい。
【0032】
非イオン性界面活性剤は、アルキルポリグリコシド、ポリヒドロキシ脂肪酸アミド(「グルカミド」)、及びこれらの混合物からなる群から選択される炭水化物系糖界面活性剤であってよい。非イオン性は、アルケニルグリカスクシンイミドであってもよい。
【0033】
非イオン性界面活性剤は、エトキシル化非イオン性界面活性剤であってもよい。これらの材料は米国特許4,285,841号(Barratら、1981年8月25日発行)に記載されている。一態様では、非イオン性界面活性剤は、式R(OCOH(式中、Rは、約8個~約18個の炭素原子を含有する脂肪族炭化水素基、及びアルキル基が約8個~約12個の炭素原子を含有するアルキルフェニル基からなる群から選択され、nの平均値は、約5~約15である)のエトキシル化アルコール及びエトキシル化アルキルフェノールから選択される。これらの界面活性剤は、米国特許第4,284,532号(Leikhimら、1981年8月18日発行)でより充分に記載されている。一態様では、非イオン性界面活性剤は、アルコール中に平均約10~約16個の炭素原子及びアルコール1モル当たり約1~約12モルのエチレンオキシドの平均エトキシル化度を有する、エトキシル化アルコール(脂肪族アルコールエトキシレートとしても知られている)から選択される。
【0034】
いくつかの態様では、非イオン性界面活性剤は、C12~C18アルキルエトキシレートを含む。いくつかの態様では、C12~C18アルキルエトキシレートは、C12,14 EO9;C12,14 EO7;及びこれらの混合物からなる群から選択される。
【0035】
本明細書で有用な非イオン性界面活性剤の別の好適なタイプは、アミンオキシドである。アミンオキシドは、当該技術分野では「半極性」非イオン性物質と呼ばれることが多い物質である。アミンオキシドは、式:R(EO)(PO)(BO)N(O)(CHR’).qHOを有し得る。この式中、Rは、飽和又は不飽和、直鎖又は分枝状であり得る比較的長鎖のヒドロカルビル部分であり、8個~20個、一実施形態では10個~16個の炭素原子を含有していてよく、あるいはC12~C16一級アルキルである。R’は、短鎖部分であり、水素、メチル、及び-CHOHから選択され得る。x+y+zが0とは異なる場合、EOは、エチレンオキシ、POは、プロピレンオキシ(propyleneneoxy)、BOは、ブチレンオキシである。アミンオキシド界面活性剤は、C12~14アルキルジメチルアミンオキシドによって非限定的に例示される。いくつかの態様では、界面活性剤系は、半極性非イオン性界面活性剤、又はアミンオキシドを実質的に含まない。
【0036】
非イオン性界面活性剤は、再生可能界面活性剤であってもよい。好適な非イオン性界面活性剤としては、C~C18アルキルエトキシレート、例えば、アルコキシレート単位がエチレンオキシ単位、プロピレンオキシ単位、又はこれらの混合物であってよい、C~C12アルキルフェノールアルコキシレート;C12~C18アルコール、及びエチレンオキシド/プロピレンオキシドブロックポリマーとのC~C12アルキルフェノール縮合物、例えば、BASF製のPluronic(登録商標);C14~C22中鎖分枝状アルコール、BA;C14~C22中鎖分枝状アルキルアルコキシレートBAEx(式中、xは1~30である);及びエーテル保護ポリ(オキシアルキル化)アルコール界面活性剤が挙げられる。
【0037】
好適な再生可能非イオン性洗浄界面活性剤としては、アルキル多糖類、例えば、アルキルポリグリコシド、及びメチルエステルエトキシレートが挙げられる。
【0038】
典型的な非イオン性アルコールエトキシレート界面活性剤は、以下の式を有する:
C-(CH-(O-CH-CH-OH
式の(HC-(CH)部分は疎水性部分であり、((O-CH-CH-OH)部分は親水性部分である。疎水性CH-(CH部分(Mp)のモル質量は、式15+(m)×14(式中、m=平均鎖長-1である)を用いて計算される。親水性部分(Mh)のモル質量は、n×44+17(式中、nは、エトキシレート基(EO)の数である)によって計算することができる。
【0039】
以下の表1は、例示的な非イオン性界面活性剤及びその対応するHLB値の非限定的なリストを示す。HLB値は、上で参照した式を用いて計算される。市販の非イオン性界面活性剤は、典型的には、ある分布のアルコール鎖長からなる。モル質量を推定するためには、材料の仕様において別途記載のない限り、平均鎖長が使用される。
【0040】
【表1】
【0041】
C12,13 EO3(HLB=9.17)、平均12~13個(平均=12.5)の炭素を有する疎水性部分及び3つのエトキシレート基を有する親水性部分を含むアルコールエトキシレートについてのサンプル計算を以下に示す:
(Mp)=15+(12.5-1)×14=176
(Mh)=3×44+17=149
(M)=Mp+Mh=176+149=325
HLB=20×149/325=9.17
【0042】
本明細書の洗剤組成物において有用なアルコキシル化脂肪族アルコール材料は、典型的には、約10以上、例えば、10~約~約17、又は約11~約15、又は約12~約15の範囲のHLB値を有する。いくつかの態様では、非イオン界面活性剤は、C11,16 EO7;C12,14 EO7;C12,14 EO8;C12,14 EO9;C12,14 EO9;C14,18 EO9;C12 EO9;及びこれらの混合物からなる群から選択される脂肪族アルコールエトキシレートである。
【0043】
アニオン性界面活性剤
界面活性剤系は、アニオン性界面活性剤を含むことができる。アニオン性界面活性剤は、再生可能界面活性剤であってもよい。いくつかの態様では、組成物は、洗剤組成物の約1重量%~約25重量%、又は約2重量%~約20重量%、又は約5重量%~約15重量%のアニオン性界面活性剤を含む。
【0044】
好適なアニオン性界面活性剤としては、洗剤製品において使用される任意の従来のアニオン性界面活性剤が挙げられる。これらとしては、例えば、アルキルベンゼンスルホン酸及びその塩、アルコキシル化若しくは非アルコキシル化アルキルサルフェート材料、又は、例えばナトリウムラウリルサルフェート(SLS)などの特定の界面活性剤が挙げられる。アニオン性界面活性剤は、酸形態又は中和された(例えば、塩)形態で存在してもよい。アニオン性界面活性剤は、直鎖、分枝状、又はこれらの混合物であってよい。
【0045】
例示的なアニオン性界面活性剤は、C10~C18アルキルベンゼンスルホン酸又はC11~C14アルキルベンゼンスルホン酸のアルカリ金属塩である。いくつかの態様では、アルキル基は直鎖であり、このような直鎖アルキルベンゼンスルホネートは「LAS」として知られている。アルキルベンゼンスルホネート(特にLAS)は、当該技術分野においてよく知られている。このような界面活性剤及びその調製については、例えば、米国特許第2,220,099号及び同第2,477,383号に記載されている。特に有用なものは、アルキル基の平均炭素原子数が約11~14個である、ナトリウム及びカリウム線状直鎖アルキルベンゼンスルホネートである。C11~C14、例えば、C12のナトリウムLASは、このような界面活性剤の具体例である。
【0046】
組成物は、例えば、エトキシル化アルキルサルフェート界面活性剤、天然系アニオン性界面活性剤:APG、GSベース、Clariant製のglucotain clean(商標)、D-グルシトール、1-デオキシ-(メチルアミノ)-N-C12-14-アシル誘導体、又はこれらの組み合わせなどの他のアニオン性界面活性剤を更に含んでいてもよい。
【0047】
界面活性剤系は、アニオン性界面活性剤と非イオン性界面活性剤との混合物、例えば、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸とC12~18アルキルエトキシレートとの混合物を含んでいてよい。いくつかの態様では、アニオン性界面活性剤の非イオン性界面活性剤に対する重量比は、約0.1:100~約100:0.1、又は約1:100~約100:1、又は約1:100~約90:100、又は約40:100~約75:100である。
【0048】
有機酸
洗剤組成物は、酢酸、アジピン酸、アスパラギン酸、カルボキシメチルオキシマロン酸、カルボキシメチルオキシコハク酸、クエン酸、ギ酸、グルタル酸、ヒドロキシエチルイミノ二酢酸、イミノ二酢酸、乳酸、マレイン酸、リンゴ酸、マロン酸、オキシ二酢酸、オキシ二コハク酸、コハク酸、スルファミン酸、酒石酸、酒石酸二コハク酸、酒石酸-コハク酸、又はこれらの混合物からなる群から選択される1つ以上の有機酸を含む。好ましくは、洗剤組成物は、酢酸、乳酸、及びクエン酸からなる群から選択される有機酸を含んでいてよい。
【0049】
本発明の洗剤組成物は、1つ以上の追加の有機酸を含んでいてよい。追加の有機酸は、有機カルボン酸又はポリカルボン酸の形態であってよい。使用することができる有機酸の例としては、酢酸、アジピン酸、アスパラギン酸、カルボキシメチルオキシマロン酸、カルボキシメチルオキシコハク酸、クエン酸、ギ酸、グルタル酸、ヒドロキシエチルイミノ二酢酸、イミノ二酢酸、乳酸、マレイン酸、リンゴ酸、マロン酸、オキシ二酢酸、オキシ二コハク酸、コハク酸、スルファミン酸、酒石酸、酒石酸二コハク酸、酒石酸-コハク酸、又はこれらの混合物が挙げられる。いくつかの態様では、組成物は、クエン酸などの洗剤ビルダーとしても機能し得る有機酸を含む。
【0050】
有機酸は、水溶性又は水混和性の酸であってよい。いくつかの態様では、有機酸は、少なくとも約10gの酸/100mLの水、又は少なくとも約30gの酸/100mLの水、又は少なくとも約50gの酸/100mLの水、又は少なくとも約70gの酸/100mLの水、又は少なくとも約85g/100mLの水の、20℃の水への溶解度を有する。いくつかの態様では、組成物は、脂肪酸を実質的に含まない。
【0051】
有機酸は、低重量酸、例えば、210g/モル未満の分子量を有する酸であってよい。いくつかの態様では、有機酸は、9個以下の炭素原子、あるいは6個以下の炭素原子を有する。洗剤組成物中の有機酸は、4個以下の炭素原子、又は3個以下の炭素原子、又は3個未満の炭素原子を有していてよい。3個未満の炭素原子を有する有機酸の具体例としては、ギ酸及び酢酸が挙げられる。
【0052】
組成物は、組成物の約6重量%~約30重量%、又は約8重量%~約25重量%、又は約10重量%~約15重量%、又は約12重量%~約17重量%、例えば、13重量%、14重量%、15重量%、16重量%、17重量%、18重量%、19重量%、20重量%、21重量%、22重量%、23重量%、24重量%の有機酸を含んでいてよい。組成物は、組成物の10重量%超、例えば、15重量%超、20重量%超、又は25重量%超の有機酸を含んでいてよい。組成物は、約3以下、例えば、0.1~3、例えば、0.5、1、1.5、2、又は2.5の、界面活性剤系の有機酸に対する比を有し得る。
【0053】
組成物は、防腐剤を含んでいてよい。好適な防腐剤は、当業者によって選択されてよく、Proxel(商標)(Arch Chemicals/Lonzaから入手可能)を含んでいてよい。組成物は、組成物の約0.01重量%~約2.0重量%、又は約0.1重量%~約1.0重量%、又は約0.1重量%~約0.3重量%の防腐剤を含んでいてよい。いくつかの態様では、組成物は、0.01%未満の防腐剤を含む。いくつかの態様では、組成物は、防腐剤を実質的に含まないか、又は好ましくは防腐剤を含まない。
【0054】
いくつかの態様では、組成物の望ましい未希釈pHを得るために、アルカリ化剤を組成物に添加する。好適なアルカリ化剤としては、水酸化ナトリウムなどのアルカリ金属若しくはアルカリ土類金属の水酸化物、又はメタノールアミン(MEA)若しくはトリエタノールアミン(TEA)などのアルカノールアミン、又はこれらの混合物が挙げられる。いくつかの態様では、組成物は、組成物の約0.25重量%から、又は約0.3重量%から、又は約0.35重量%から、又は約0.4重量%から、約10重量%まで、又は約5重量%まで、又は約2重量%まで、又は約1重量%までのアルカリ化剤、好ましくは水酸化ナトリウム。組成物に緩衝能を提供するアルカリ化剤は、サルフェート化界面活性剤を安定化させるのを支援するのに特に有用であり得る。
【0055】
本明細書に記載の洗剤組成物は、組成物の約1重量%~約20重量%、又は約1重量%~約12重量%、又は約1重量%~約10重量%の1つ以上の溶媒を含んでいてよい。液体洗剤組成物、及び液体構成成分を含む洗剤組成物の他の形態(例えば、液体含有単位用量洗剤組成物)は、1つ以上の溶媒と、水とを含有してもよい。
【0056】
好適な溶媒としては、シロキサン、他のシリコーン、炭化水素、グリコールエーテル、グリセリンエーテルなどのグリセリン誘導体、ペルフッ素化アミン、ペルフッ素化及びヒドロフルオロエーテル溶媒、低揮発性非フッ素化有機溶媒、ジオール溶媒、及びこれらの混合物を含む、親油性流体が挙げられる。メタノール、エタノール、プロパノール、及びイソプロパノールによって例示される低分子量の一級又は二級アルコールも好適である。いくつかの例では、界面活性剤を可溶化するために一価アルコールが使用されてもよく、2~約6個の炭素原子と2~約6個のヒドロキシ基を含有するものなどのポリオール(例えば、エチレングリコール、グリセリン、及び1,2-プロパンジオール)もまた使用されてもよい。
【0057】
好適な溶媒としては、エタノール、ジエチレングリコール(DEG)、2-メチル-1,3-プロパンジオール(MPD)、ジプロピレングリコール(DPG)、オリガミン(例えば、ジエチレントリアミン(DETA)、テトラエチレンペンタミン(TEPA))、グリセリン、プロポキシル化グリセリン、エトキシル化グリセリン、エタノール、1,2-プロパンジオール(プロピレングリコールとも呼ばれる)、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3-プロパンジオール、2,3-ブタンジオール、セルロース系エタノール、再生可能プロピレングリコール、再生可能ジプロピレングリコール、再生可能1,3-プロパンジオール、洗剤処方に使用されるその他の溶媒、及びこれらの混合物が挙げられる。
【0058】
本明細書に記載の洗剤組成物は、約1重量%~約20重量%の、1,2-プロパンジオール、再生可能1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、再生可能1,3-プロパンジオール、エタノール、セルロース系エタノール、又はこれらの混合物を含む溶媒を含んでいてよい。本明細書に記載の洗剤組成物は、約1重量%~約18重量%の、1,2-プロパンジオール、再生可能1,2-プロパンジオール、エタノール、セルロース系エタノール、又はこれらの混合物を含む溶媒を含んでいてよい。本明細書に記載の洗剤組成物は、約2重量%~約16重量%、例えば、3重量%、4重量%、5重量%、6重量%、7重量%、8重量%、9重量%、10重量%、11重量%、12重量%、13重量%、14重量%又は15重量%などの、1,2-プロパンジオール、再生可能1,2-プロパンジオール、エタノール、セルロース系エタノール、又はこれらの混合物を含む溶媒を含んでいてよい。
【0059】
生物を原料としたプロピレングリコールは、米国特許第7,928,148号に記載されており、ADMから入手可能である。生物を原料とした1,3-プロパンジオールは、米国特許第8,436,046号に記載されており、DuPont Tate & Lyle Bio Products Company,LLCから入手可能である。
【0060】
生物を原料としたプロピレングリコールは、ポリオールの触媒水素化分解(水添分解)により製造されてもよい。触媒水素化分解は、糖、グリセロール、及び/又はグリコールなどのポリオール類を水素と反応させて他のポリオール類を製造するプロセスである。このようにして製造されたポリオールは、出発材料よりも平均分子量の低いいくつかのポリオールの混合物を含むことが多い。水素化分解又は水添分解による、ポリオール(糖及びグリセロールなど)の多価アルコール(プロピレングリコール及びエチレングリコールなど)への変換は、これらのアルコールだけでなく、1,2-ブタンジオール、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、2,3-ブタンジオール、及び2,4-ペンタンジオールなどのいくつかの他の生成物の形成をもたらす。これらの生成物は、プロピレングリコールとエチレングリコールとにより不純物として回収される。例えば、ソルビトールなどの高級炭水化物の水素化分解によりプロピレングリコールを製造する場合、典型的には、1,2-ブタンジオール、エチレングリコール、1,3-ブタンジオールに加えて、3~5重量%の2,3-ブタンジオールが生成される。米国特許第7,928,148号(米国特許第4,935,102号を引用)には、ソルビトールの水素化分解により生成されるポリオールのリストが開示されている(表2)。
【0061】
【表2】
【0062】
本明細書に記載の洗剤組成物は、約0.01%~約0.1%の多価アルコールを含んでもよい。本明細書に記載の洗剤組成物は、2,3-ブタンジオール、2,3-ペンタンジオール、2,4-ペンタンジオール、1,2-ブタンジオール、2,3-ヘキサンジオール、1,5-ペンタンジオール、及びこれらの混合物からなる群から選択される多価アルコールを含んでいてよく、本明細書に記載の洗剤組成物は、約.01%~約0.1%の2,3-ヘキサンジオールを含んでいてよい。
【0063】
いくつかの態様では、組成物は水を含み、有機溶媒を実質的に含まない。他の態様では、組成物は、有機溶媒を含んでいてよい。好ましい有機溶媒としては、1,2-プロパンジオール、メタノール、エタノール、グリセロール、ジプロピレングリコール、ジエチレングリコール(DEG)、メチルプロパンジオール、及びこれらの混合物が挙げられる。また、他の低級アルコール、このようなC1~C4アルカノールアミン、例えば、モノエタノールアミン及び/又はトリエタノールアミンを使用してもよい。
【0064】
いくつかの態様では、組成物は、組成物の約0.05重量%~約25重量%、又は約0.1重量%~約15重量%、又は約1重量%~約10重量%、又は約2重量%~約5重量%の有機溶媒を含む。いくつかの態様では、組成物は、5%未満又は1%未満の有機溶媒を含む。
【0065】
本開示の組成物は酸性であり、20±2℃の組成物の未希釈溶液中で測定したときに約7未満のpHを有する。いくつかの態様では、組成物のpHは、約2~約6.9、又は約2~約6、又は約2~約5、又は約2.1~約4、又は約2~約3、又は約2.4~約3である。
【0066】
いくつかの態様では、組成物の望ましい未希釈pHを得るために、アルカリ化剤を組成物に添加する。しかしながら、組成物がアルカリ化剤を含む場合であっても、最終生成物において酸性のpHを維持する必要がある。
【0067】
本明細書において特に明記しない限り、組成物のpHは、20±2℃の組成物の未希釈pHとして定義される。pHを±0.01pH単位まで測定することができる任意の計測器が好適である。Orion meters(Thermo Scientific,Clintinpark-Keppekouter,Ninovesteenweg 198,9320 Erembodegem-Aalst,Belgium)又は均等物が、許容可能な計器である。pH計は、カロメル又は銀/塩化銀基準を有する好適なガラス電極を備えている必要がある。例としては、Mettler DB 115が挙げられる。電極は、メーカーが推奨する電解質溶液中で保管する必要がある。pHは、pHメーター製造業者の標準的な手順に従って測定される。更に、pHアセンブリを設定し、較正するには製造業者の指示書に従う必要がある。
【0068】
いくつかの態様では、本発明の洗剤組成物は、少なくとも約1、又は少なくとも約3、又は少なくとも約5の、pH4.00に対する予備酸性度(reserve acidity)を有する。いくつかの態様では、本明細書の組成物は、約3~約10又は約4~約7の、pH4.00に対する予備酸性度を有する。本明細書で使用するとき、「予備酸性度」は、4.00のpHを得るのに必要な製品100g当たりのNaOHのグラムを指す。予備酸性度測定は、本明細書で使用するとき、標準化されたNaOH溶液を使用して、製品の1%蒸留水溶液のpH4.00の終点への滴定(標準的な温度及び圧力における)に基づく。理論に束縛されるものではないが、予備酸性度測定は、組成物の酸性化力、又は純水若しくは蒸留水とは対照的に、高希釈度で水道水に添加したときに、組成物が標的酸性洗浄pHを提供する能力の最良の尺度であることが判明している。予備酸性度は、未希釈製品pHに加えて、処方された有機酸の濃度、並びにいくつかの態様では、アルカリ化剤などの他の緩衝剤、例えばアルカノールアミンによって制御される。
【0069】
本明細書の洗剤組成物は、ヘビーデューティー液体(HDL)洗濯洗剤を含むゲル又は液体の形態であってもよい。いくつかの態様では、組成物は、21.1℃において20s-1で測定された約200cps未満の粘度を有する。いくつかの態様では、組成物は、約30cps~約500cps、又は約50cps~約150cps、又は50cps~約100cpsの粘度を有する。
【0070】
本明細書で使用するとき、特に具体的に反対の指定がない限り、全ての記述した粘度は、21.1℃の温度において20s-1の剪断速度で測定されるものである。本明細書における粘度は、任意の好適な粘度測定機器、例えば、Carrimed CSL2レオメータで測定することができる。
【0071】
本発明の組成物は、ビルダー、酵素、安定剤、香料、抑泡剤、汚れ懸濁ポリマー、汚れ放出ポリマー、移染防止剤、ハロゲン化物塩、及び/又は他の有益剤などの1つ以上の洗濯補助剤を含んでいてよい。いくつかの態様では、組成物は、約0.01%~約50%の洗濯補助剤を含む。以下の開示に加えて、好適な補助剤の更なる説明は、参照により本明細書に組み込まれる米国特許出願第公開20130072415(A1)号に見出すことができる。
【0072】
洗剤組成物は、ビルダーを含んでいてよい。本明細書で好適なビルダーは、リン酸塩及びポリリン酸塩、特にナトリウム塩;アルミノケイ酸塩及びケイ酸塩;炭酸塩、重炭酸塩、セスキ炭酸塩、及び炭酸ナトリウム又はセスキ炭酸塩以外の炭酸塩鉱物;有機モノ-、ジ-、トリ-、及びテトラカルボキシレート、特に、酸、ナトリウム、カリウム、又はアルカノールアンモニウム塩の形態の水溶性非界面活性剤カルボキシレート、並びに脂肪族及び芳香族のタイプを含むオリゴマー又は水溶性低分子量ポリマーカルボキシレート;並びにフィチン酸からなる群から選択され得る。これらは、例えば、pH緩衝目的のためのホウ酸塩によって、又は硫酸塩、特に硫酸ナトリウム、並びに安定な界面活性剤及び/又はビルダー含有洗剤組成物の工学技術にとって重要であり得る任意の他の充填剤又はキャリアによって補完され得る。
【0073】
いくつかの態様では、組成物は、低pH環境において安定かつ有効である約0.00001%~約0.01%の活性酵素を含む。好適な酵素としては、プロテアーゼ、リパーゼ、並びにアミラーゼ及びセルラーゼを含むカルボヒドラーゼを挙げることができる。
【0074】
組成物は、香料を含んでいてよく、例えば、組成物は、0.1重量%~5重量%の香料、例えば、5重量%、1重量%、1.5重量%、2重量%、2.5重量%、3重量%の香料を含んでいてよい。香料は、酸安定性香料であってよい。
【0075】
香料は、精油に由来していてもよく、又は精油を含んでいてもよい。精油としては、タイム、レモングラス、柑橘、レモン、オレンジ、アニス、クローブ、アニシード、シナモン、ゼラニウム、バラ、ミント、ラベンダー、シトロネラ、ユーカリ、ペパーミント、カンファー、サンダルウッド、及びヒマラヤスギが挙げられ、これらに限定されない。精油の活性物質としては、チモール、オイゲノール、メントール、ゲラニオール、ベルベノン、ユーカリプトール、及びピノカルボン、セドロール、アネトール、カルバクロール、ヒノキチオール、ベルベリン、テルピネオール、リモネンが挙げられ、これらに限定されない。
【0076】
いくつかの態様では、本明細書に開示される組成物は、香料送達系を含んでいてよい。好適な香料送達系、特定の香料送達系の製造方法、及びこのような香料送達系の使用は、米国特許出願公開第2007/0275866(A1)号に開示されている。このような香料送達系は、香料マイクロカプセルであってよい。香料マイクロカプセルは、香料を含むコア及びシェルを含んでいてよく、シェルがコアを封入している。シェルは、アミノ樹脂コポリマー、アクリル、アクリレート、及びこれらの混合物からなる群から選択される材料を含んでいてよい。アミノ樹脂コポリマーは、メラミン-ホルムアルデヒド、尿素ホルムアルデヒド、架橋メラミンホルムアルデヒド、又はこれらの混合物であってよい。香料マイクロカプセルのシェルは、本明細書に開示される組成物で処理される部位への香料マイクロカプセルの付着及び/又は保持に役立つ1つ以上の材料、例えばポリマーでコーティングされてもよい。ポリマーは、多糖類、カチオン変性デンプン、カチオン変性グアー、ポリシロキサン、ポリジアリルジメチルアンモニウムハライド、ポリジアリルジメチルアンモニウムクロリドとビニルピロリドンのコポリマー、アクリルアミド、イミダゾール、イミダゾリニウムハライド、イミダゾリウムハライド、ポリビニルアミン、ポリビニルアミンとN-ビニルホルムアミドとのコポリマー、及びこれらの混合物からなる群から選択されるカチオン性ポリマーであってよい。香料マイクロカプセルは、脆くてもよい、及び/又は約10マイクロメートル~約500マイクロメートル又は約20マイクロメートル~約200マイクロメートルの平均粒径を有し得る。いくつかの態様では、組成物は、総組成物重量に基づいて、約0.01%~約80%、又は約0.1%~約50%、又は約1.0%~約25%、又は約1.0%~約10%の香料マイクロカプセルを含む。好適なカプセルは、Appleton Papers Inc.(Appleton,Wisconsin USA)から入手することができる。ホルムアルデヒド捕捉剤は、こうした香料マイクロカプセルの中で用いることも、こうした香料マイクロカプセルと併せて用いることもできる。
【0077】
いくつかの態様では、組成物は、抑泡剤を本質的に含まない。いくつかの態様では、組成物は、約0.02%以下の抑泡剤を含む。本明細書で有用な抑泡剤の例としては、シリカ/シリコーンタイプ、シリコーン油、分枝状アルコール、又はこれらの混合物が挙げられる。いくつかの態様では、組成物は、約0.05%~約1%又は約0.1%~約0.4%の抑泡剤を含む。
【0078】
本開示の洗剤組成物は、汚れ懸濁ポリマーを含有していてよく;上記のように、いくつかのポリアミン汚れ懸濁ポリマーは、洗浄効果を提供することに加えて、組成物の化学的安定性又は泡立ち効果に寄与し得る。いくつかの態様では、汚れ懸濁ポリマーは、PEIエトキシレート、HMDAジ四級化エトキシレート、そのスルホン化誘導体、疎水変性アニオン性コポリマー、両親媒性グラフトポリマー、又はこれらの混合物から選択される。本明細書で有用な疎水変性アニオン性コポリマーの例としては、Rohm and Haasから市販されているAcusol 480(登録商標)、並びにAlco Chemicalから市販されているAlcosperse(登録商標)725及び747、並びにAlcogum L520が挙げられる。好適なポリマーは、例えば、参照により本明細書に組み込まれる米国特許第7951768号に記載されている。
【0079】
本開示の組成物は、汚れ放出ポリマーを含有していてよい。一態様では、汚れ放出ポリマーは、PETアルコキシレート短ブロックコポリマー、そのアニオン性誘導体、又はこれらの混合物である。
【0080】
本開示の組成物は、移染防止剤及び/又は染料固定剤を含有していてよい。本明細書で有用な移染防止剤の例としては、ポリビニルピロリドン、ポリ-4-ビニルピリジン-N-オキシド、N-ビニル-2-ピロリドンとN-ビニルイミダゾールとのコポリマー、又はこれらの混合物が挙げられる。有用な染料固定剤は、米国特許第6,753,307号に開示されている。
【0081】
無機塩
組成物は、無機塩を含んでいてよい。無機塩は、サルフェート化界面活性剤組成物に安定性効果を提供し得ることが判明している。特定の無機塩は、粘度を構築するのにも役立ち得る。無機塩は、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム、又はこれらの混合物を含んでいてよい。いくつかの態様では、無機塩は、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、アンモニウム、又はこれらの混合物を含む。無機塩は、ハロゲン化物、硫酸塩、炭酸塩、重炭酸塩、リン酸塩、硝酸塩、又はこれらの混合物を含んでいてよい。いくつかの態様では、無機塩は、塩化ナトリウム、塩化マグネシウム、塩化カルシウム、硫酸ナトリウム、硫酸マグネシウム、硫酸カルシウム、又はこれらの混合物であり;いくつかの態様では、無機塩は、塩化ナトリウム、硫酸ナトリウム、又はこれらの混合物である。組成物は、組成物の約0.1重量%から、又は約0.5重量%から約5重量%まで、又は約3重量%まで、又は約2重量%まで、又は約1重量%までの無機塩を含んでいてよい。
【0082】
以下の表3は、開示された発明を包含する処方物の例を示す。処方物は、例示目的のためのものであり、規定することを意味するものではない。
【0083】
【表3】
【0084】
表3に示す実施例は全て、ASTM D6866に従って50%超の生物を原料としたものの組成レベルを有する。出願人らは、従来の処方物と比較したとき、染み除去及び輝度の観点でいかなる負の消費者効果も呈さない、低pHで50%超の生物を原料としたものの処方を生み出すことができることを見出した。理論に束縛されるものではないが、高レベルの遊離酸性度を有すると同時にHLASのNIに対する比の平衡を保つことによって、草の染み、紅茶の染み、コーヒーの染み、及び赤ワインの染みに対して驚くほど良好に作用する処方物を生み出すことができると考えられる。加えて、既に開示したように、材料源を選択的に選ぶことによって、草の染み、紅茶の染み、コーヒーの染み、及び赤ワインの染みに対して、従来の非生物原料処方物と同等以上の性能を発揮する生物を原料とした処方物を生み出すことができる。具体的には、処方物は、35~60の草の染みSRI、及び/又は35~60の紅茶の染みSRI、及び/又は35~55のコーヒーの染みSRI、及び/又は30~50の赤ワインSRIを呈することができる。加えて、材料を選択的に選ぶことにより、30~60のSRIを呈することができる焦がしバター、及び/又は25~40の調理牛肉SRI、及び/又は40~60の青色に染色したベーコン(blue dyed bacon)SRIなどの食品脂染みを除去することができると同時に、低pHでもある処方物を生み出すことができる。
【0085】
比較染み除去
【0086】
【表4】
【0087】
草、Lipton紅茶、Nescafeコーヒー、焦がしバター、調理牛肉、染色された青色ベーコン、及び赤ワインを含有するCW120綿の染み技術見本は、Accurate Product Development(Fairfield,OH)から購入することができる。見本を7グレイン/ガロンの水硬度を用いてWhirlpool(登録商標)ドラム式洗濯機において洗浄し、華氏100度で洗浄してよい。試験で使用した液体洗剤の全量は49グラムであった。
【0088】
標準比色分析測定を使用して、洗浄前と後との各々の染みに対するL、a、及びb値を得る。L、a、及びb値から、染みレベルを計算する。
【0089】
見本からの染み除去は次のように測定された。
【0090】
【数1】
ΔEinitial=洗浄前の染みレベル
ΔEwashed=洗浄後の染みレベル
【0091】
各染みタイプの8つの反復試験片を調製しなければならない。以下に示すSRI値は、各タイプの染みに対する平均SRI値である。洗浄前の布地の染みレベル(ΔEinitial)は高く、洗浄のプロセス中に染みが除去されて、洗浄後の染みレベル(ΔEwashed)は下がっている。染みがより良好に除去されているほど、ΔEwashedの値がより小さくなり、ΔEinitialとΔEwashedとの間の差(ΔEinitial-ΔEwashed)がより大きくなる。したがって、染み除去指数の値は、洗浄性能がより良好になるとともに大きくなる。
【0092】
【表5】
【0093】
大文字は、95%信頼区間において、指定の処理に対して統計的に有意なwinを示す。理論に束縛されるものではないが、驚くべきことに、天然処方物の側面を併せ持ちながら、低pH処方を維持することによって、既知の低pHかつ天然系の製品よりも漂白可能な染みを良好に除去する天然系処方物を生み出すことができることが見出された。加えて、理論に束縛されるものではないが、界面活性剤及び界面活性剤比を選択的に選ぶことにより、焦がしバターなどの他の染みについて、低pH処方によって従来例示されているトレードオフを呈さない低pH天然系処方物を生み出すことができることが見出された。
【0094】
これらの結果は、市販されている及び市販されていない先行教示の処方物と比較して、本明細書に開示される組成物の驚くべき染み除去効果を示す。
【0095】
方法
実在の商品の白色度(Whiteness Real Item)試験は、3つの変色(dinge)レベル(低度の変色:WICIE>140の場合、中度の変色:WICIE>110であるが<140の場合、及び重度の変色:WICIE<110の場合)にわたって、消費者の白色綿100%Tシャツ(J&Rから供給)を使用して、北米ドラム式洗濯機で実施した。合計で2枚の低度、2枚の中度、及び2枚の重度のTシャツを選択し、正方形に切断し、しわ/曲がりを回避するために接着性裏材上にヒートプレスする。次いで、以下の測定方法で指定されるように、Tシャツ内の均質性を確保するために、全てのTシャツの接着された正方形をWICIEについて前読みする。次いで、処理間で全ての見本のWICIEが可能な限り同一であることを確保するために、Tシャツの正方形を1枚の同じTシャツ内で予め選択し、各洗濯処理に分ける。次いで、これらの正方形を、選択された洗濯処理で洗浄し、見本1つ当たりの前/後の白色度変化を捕捉するために、WICIEを後読みする。次いで、これらの結果を、各特定の洗濯処理の白色度回復グレードを提供するために、変色レベルによって平均化する。
【0096】
布地における測定方法:
本明細書で使用するとき、そして、当業者によく知られているように、「L色空間」は、染色された物品の色又は色の変化を測定するために、Hunter Associates Laboratoryにより開発され、国際照明委員会(Commission Internationale d'Eclairage(「CIE」))によって推奨されている3次元比色分析モデルである。CIE L色空間(「CIELAB」)は、3回転軸を有するスケールを有し、L軸は色空間の明度を表し(黒色でL=0、白色でL=100)、a軸は赤色から緑色までの色空間を表し(赤色でa>0、緑色でa<0)、b軸は、黄色から青色までの色空間を表す(黄色でb>0、青色でb<0)。用語の定義及び式の導出は、Hunter Associates Laboratory,Inc.から、及びwww.hunterlab.comから入手可能であり、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0097】
白色布地における変色除去の量は、例えば、分光光度計を介して(例えば、Hunter Laboratories,USA製造の分光光度計を介して)測定したときの布地の洗浄処理前後のCIE Lから導出される白色度指数の変化(dWI)の観点で記載することができ、dWI値として報告される。本明細書で使用するとき、dWI値は、(初期CIE L値と最終CIE L値との間のCIE L空間を介して導き出される)白色度指数空間における距離に関連するベクトルを含む。試験Tシャツの正方形1つ当たり平均2回のdWI測定を行い、各変色レベルで処理ごとに2つの正方形を測定する。
【0098】
相対的により高いdWI値は、より高い白色度回復に対応し、これは、対象の布地について相対的により多くの変色が除去されたことを示す。
【0099】
【表6】
95%信頼区間で統計的により高い白色度を示す。
【0100】
組成物の包装
本明細書に記載の洗剤組成物を、紙、厚紙、プラスチック材料、及び任意の好適な積層物から構築されるものを含む、任意の好適な容器内に包装することができる。
また、本明細書に記載の洗剤組成物は、多区画洗剤組成物として包装されてもよい。
【0101】
本開示はまた、透明ボトル入りの透明又は半透明の液体洗濯洗剤組成物であって、約1重量%~約20重量%の、式R-(OCHCH-O-SOM(式中、Rは、約C~約C20の偶数の炭素鎖長からなる非石油由来の直鎖又は分枝状の脂肪族アルコールであり、xは、約0.5~約8であり、Mは、アルカリ金属又はアンモニウムカチオンである)のアルキルエーテルサルフェートと、約1重量%~約15重量%の、式R-(OCHCH-OHの脂肪族アルコールエトキシレート(式中、Rは約C10~約C18の偶数の炭素鎖長からなる非石油由来の直鎖又は分枝状の脂肪族アルコールであり、yは約0.5~約15である)と、約0.1重量%~約5重量%のアミンオキシドと、約0.1%~約5%の洗浄ポリマーと、約1重量%~約15重量%の、1,2-プロパンジオールを含む溶媒と、水と、を含み、410~800ナノメートルの波長で1cmのキュベットを使用して約50%以上の光透過率を有し、当該透明ボトルが410~800nmの波長で25%超の光透過率を有する、液体洗濯洗剤組成物に関する。
【0102】
使用することができる透明ボトル材料としては、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、ポリカーボネート(PC)、ポリアミド(PA)及び/又はポリエチレンテレフタレート(PETE)、ポリ塩化ビニル(PVC)、並びにポリスチレン(PS)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0103】
透明ボトル又は容器は、スペクトルの可視部分(約410~800nm)において、約25%超、又は約30%超、又は約40%超、又は約50%超の透過率を有し得る。あるいは、ボトルの吸光率は、約0.6未満として測定され得、又は、約25%超の透過率を有することにより測定され得、透過率%は次の式に等しい:
【0104】
【数2】
本開示の目的において、可視光線範囲内の1つの波長が、約25%超の透過率を有する限り、これは透明/半透明であるとみなされる。
【0105】
容器又はボトルは、家庭用の液体を貯蔵及び包装するのに好適な任意の形状又はサイズであってよい。例えば、容器は任意のサイズを有していてよいが、通常、容器は、約0.05~約15L、又は約0.1~約5L、又は約0.2~約2.5Lの最大容量を有する。容器は、容易に取り扱うのに好適であり得る。例えば、容器は、容器を片手で容易に持ち上げたり運搬したりすることができるようなかかる寸法のハンドル又は部品を有してもよい。容器は、液体洗剤組成物を注ぐために好適な手段、及び容器の再閉鎖の手段を有してもよい。注ぐ手段は、任意のサイズ又は形状であってもよい。閉鎖手段は、任意の形態又はサイズ(例えば、容器を閉じるために容器に螺合又はクリックされる)であってもよい。閉鎖手段は、容器から取り外すことができるキャップであってもよい。あるいは、キャップは、容器が開いているか閉じているかを問わず、容器に取り付けられていてもよい。閉鎖手段も、容器に組み込まれていてもよい。
【0106】
本開示の組成物は、米国特許第4,990,280号、米国特許出願公開第20030087791(A1)号、米国特許出願公開第20030087790(A1)号、米国特許出願公開第20050003983(A1)号、米国特許出願公開第20040048764(A1)号、米国特許第4,762,636号、米国特許第6,291,412号、米国特許出願公開第20050227891(A1)号、欧州特許公開第1070115(A2)号、米国特許第5,879,584号米国特許第5,691,297号;米国特許第5,574,005号;米国特許第5,569,645号;米国特許第5,565,422号;米国特許第5,516,448号;米国特許第5,489,392号、及び米国特許第5,486,303号に記載されているものなどの従来の方法に従って処方することができ、これらは全て参照により本明細書に組み込まれる。
【0107】
本開示の洗剤組成物は、布地の洗浄、処理及び/又は前処理に使用することができる。いくつかの態様では、本開示は、表面を本発明の洗剤組成物と接触させる工程を含む、表面を処理する方法を提供する。典型的には、布地の少なくとも一部分を、未希釈形態で又は液、例えば、洗浄液で希釈して、前述の洗剤組成物と接触させ、次いで、任意選択で当該布地を洗浄及び/又はすすいでもよい。一態様では、任意選択で、布地を洗浄及び/又はすすぎ、前述の洗剤組成物と接触させ、次いで、任意選択で洗浄及び/又はすすぎを行う。別の態様では、洗剤組成物を汚れた布地上に適用し、布地に作用するように放置した後、布地を洗浄する。組成物は、乾燥するまで、又はより長時間にわたって、又は約1分間~約24時間、又は約1分間~約1時間、又は約5分間~約30分間にわたって布地と接触して留まり得る。本開示の目的において、洗浄としては、こすり洗い、ブラシ洗い、及び機械的攪拌が挙げられるが、これらに限定されない。典型的には、洗浄及び/又はすすぎの後に、布地を乾燥させる。布地は、洗濯又は処理できるほとんどあらゆる布地を含むことができる。洗浄は、例えば、従来の布地洗濯自動洗浄機又は手洗い方法で行ってよい。有効量の洗剤組成物を水に添加して、約200~約15,000ppm、又は更には約300~約7,000ppmの洗剤組成物を含んでいてよい水性洗濯溶液を形成してよい。
【0108】
A.酸性洗濯洗剤組成物であって、当該洗剤の約2重量%~20重量%の界面活性剤系、及び10重量%超の有機酸を含み、34%超の、生物を原料としたものの含有量を有する、酸性洗濯洗剤組成物。
【0109】
B.当該界面活性剤系が、アニオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、及びこれらの組み合わせを含む、段落Aに記載の酸性洗濯洗剤組成物。
【0110】
C.当該界面活性剤系が、アミンオキシドを含む、段落A又はBに記載の酸性洗濯洗剤組成物。
【0111】
D.50%超の透過率を示す、先行段落A~Cのいずれか1つに記載の酸性洗濯洗剤組成物。
【0112】
E.当該洗剤の約15重量%~20重量%の界面活性剤系を含む、先行段落A~Dのいずれか1つに記載の酸性洗濯洗剤組成物。
【0113】
F.精油由来の香料を更に含む、先行段落A~Eのいずれか1つに記載の酸性洗濯洗剤組成物。
【0114】
G.少なくとも3の予備酸性度を含む、先行段落A~Fのいずれか1つに記載の酸性洗濯洗剤組成物。
【0115】
H.2~3の未希釈pHを有する、先行段落A~Gのいずれか1つに記載の酸性洗濯洗剤組成物。
【0116】
I.10種以下の構成成分を含む、先行段落A~Hのいずれか1つに記載の酸性洗濯洗剤組成物。
【0117】
J.1%~20%の再生可能な溶媒を含む、先行段落A~Iのいずれか1つに記載の酸性洗濯洗剤組成物。
【0118】
K.2,3-ブタンジオール、2,3-ペンタンジオール、2,4-ペンタンジオール、1,2-ブタンジオール、2,3-ヘキサンジオール、1,5-ペンタンジオール、及びこれらの混合物からなる群から選択される多価アルコールを含む、段落Jに記載の酸性洗濯洗剤組成物。
【0119】
L.増白剤及び染料を含まない、先行段落A~Kのいずれか1つに記載の酸性洗濯洗剤組成物。
【0120】
M.界面活性剤系の有機酸に対する比が約3以下である、先行段落A~Lのいずれか1つに記載の酸性洗濯洗剤組成物。
【0121】
本明細書に開示される寸法及び値は、列挙された正確な数値に厳密に限定されるものとして理解されるべきではない。その代わりに、特に指示がない限り、そのような各寸法は、列挙された値とその値を囲む機能的に同等な範囲との両方を意味することが意図されている。例えば、「40mm」と開示された寸法は、「約40mm」を意味することが意図される。
【0122】
相互参照される文書又は関連特許若しくは出願を含めた、本明細書に引用される全ての文書は、明示的に除外されるか又は特に限定されない限り、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。いかなる文献の引用も、本明細書中で開示又は特許請求される任意の発明に対する先行技術であるとはみなされず、あるいはそれを単独で又は他の任意の参考文献(単数又は複数)と組み合わせたときに、そのようないかなる発明も教示、示唆又は開示するとはみなされない。更に、本文書における用語の任意の意味又は定義が、参照により組み込まれた文書内の同じ用語の任意の意味又は定義と矛盾する場合、本文書においてその用語に与えられた意味又は定義が適用されるものとする。
【0123】
以上、本開示の特定の実施形態について図示、説明したが、本開示の趣旨及び範囲から逸脱することなく他の様々な変更及び改変が可能である点は当業者には明白であろう。したがって、本開示の範囲内に属する全てのそのような変更及び修正は、添付の特許請求の範囲にて網羅することを意図したものである。