(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-07
(45)【発行日】2022-10-18
(54)【発明の名称】センサ‐レーザボアサイトのメンテナンスのためのアクティブ部分ビームアライメントシステム
(51)【国際特許分類】
F41G 3/16 20060101AFI20221011BHJP
【FI】
F41G3/16
(21)【出願番号】P 2021523786
(86)(22)【出願日】2019-06-26
(86)【国際出願番号】 US2019039175
(87)【国際公開番号】W WO2020096656
(87)【国際公開日】2020-05-14
【審査請求日】2021-06-08
(32)【優先日】2018-11-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】503455363
【氏名又は名称】レイセオン カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】ラヴィン,ジェイソン アール.
【審査官】林 政道
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2005/0024649(US,A1)
【文献】特表2006-510873(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2004/0208435(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2014/0060177(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2003/0174315(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F41G 3/14- 3/16
F41H 13/00
B23K 26/04
G01B 11/27
G01J 1/04, 1/42
G02B 5/12, 7/182
G02B 21/04,27/10,27/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
アライメントビームの光路に配置されるアパーチャを有するハウジングと、
前記ハウジングに回転可能に結合されており、1つ以上の反射面と開口とを有するリフレクタ
であって、前記リフレクタは、
前記回転によって前記アライメントビームの光路の内外に選択的に移動可能であり、
前記開口は三角形状の開口を含む、リフレクタと、
を備える装置であって、
前記リフレクタが前記アライメントビームの前記光路内に配置されている場合に、
(i) 前記1つ以上の反射面は、前記アライメントビームの第1部分を
前記アパーチャから離すように反射するように構成されており、かつ
(ii) 前記開口は、前記アライメントビームの第2部分が前記リフレクタ
を通過でき、かつ前記アパーチャを通過できるように構成されている、
装置。
【請求項2】
前記アライメントビームの前記光路の内外に前記リフレクタを動かすように構成されたアクチュエータと、
前記リフレクタに結合した可動アームと、を備え、
前記アクチュエータは、前記リフレクタを前記アライメントビームの前記光路の内外に動かすために前記可動アームの動きを生じさせるように構成されている、
請求項1記載の装置。
【請求項3】
前記アクチュエータ及び前記可動アームを結合するリンクをさらに備える、
請求項2記載の装置。
【請求項4】
前記アクチュエータは、線形アクチュエータを含み、
前記可動アームは、回転アームを含む、
請求項2記載の装置。
【請求項5】
前記アクチュエータは、前記ハウジングに取り付けられ、
前記可動アームは、前記ハウジングに対して枢動可能に結合した回転アームを含む、
請求項2記載の装置。
【請求項6】
前記リフレクタは、レトロリフレクタを含み、
前記リフレクタは、複数の反射面を含み、
前記複数の反射面は、前記開口の周囲に配置されている、
請求項1記載の装置。
【請求項7】
前記レトロリフレクタは、3つの反射面を含
む、
請求項6記載の装置。
【請求項8】
前記リフレクタは、第1位置と第2位置との間を物理的に移動可能であって、
前記第1位置において前記リフレクタは、前記アライメントビームの光路内に物理的に位置し、
前記第2位置において前記リフレクタは、前記アライメントビームの光路外に物理的に位置する、
請求項1記載の装置。
【請求項9】
場面に関連する測定値を捕捉するように構成された第1センサと、
アライメントビームと関連する測定値を捕捉するように構成された第2センサと、
リフレクタを含むアセンブリであって、前記リフレクタは、1つ以上の反射面と開口とを有し、前記リフレクタは、前記アライメントビームの光路の内外に選択的に移動可能である、アセンブリと、
を備え、
前記リフレクタが前記アライメントビームの前記光路外に配置されている場合に、
前記第2センサは前記アライメントビームを受光するように構成されており、
前記リフレクタが前記アライメントビームの前記光路内に配置されている場合に、
(i) 前記1つ以上の反射面は、前記アライメントビームの第1部分を前記第1センサに向けて反射するように構成されており、かつ
(ii) 前記開口は、前記アライメントビームの第2部分が前記リフレクタを通って前記第2センサに向かって通過できるように構成されている、
システム。
【請求項10】
前記第1センサによって捕捉される測定値に基づいて、表示部上に場面の1つ以上の画像を提示するように構成されているコントローラであって、前記コントローラは、前記1つ以上の画像内に可視のシースポットを提示するように構成されており、前記可視のシースポットの位置は、前記第2センサによって捕捉される前記測定値に基づく、コントローラをさらに備える、
請求項
9記載のシステム。
【請求項11】
前記第1センサ上の前記アライメントビームの前記第1部分の位置と、前記第2センサ上の前記アライメントビームの前記第2部分の位置とを比較するように構成されているコントローラをさらに備える、
請求項
9記載のシステム。
【請求項12】
前記コントローラは、
前記第1センサによって捕捉される前記測定値に基づいて、前記第1センサ上の前記アライメントビームの前記第1部分の位置を決定し、
前記第2センサによって捕捉される前記測定値に基づいて、前記第2センサ上の前記アライメントビームの前記第2部分の位置を決定する、
ようにさらに構成されている、
請求項
11記載のシステム。
【請求項13】
前記コントローラは、
前記
第1センサ上の前記アライメントビームの前記第1部分の位置と、前記第2センサ上の前記アライメントビームの
前記第2部分の位置
との
間の差異を特定し、
特定された前記差異に応答して補正措置を開始する、
ようにさらに構成されている、
請求項
11記載のシステム。
【請求項14】
前記補正措置は、少なくとも
前記場面の1つ以上の画像内に提示された可視のシースポットの位置を調整すること、
高速ステアリングミラーを制御して、前記アライメントビームの光路を変化させること、
を含む、
請求項
13記載のシステム。
【請求項15】
前記アライメントビーム及び高エネルギのレーザビームを反射するように構成されている第1ビームスプリッタと、
前記場面に向けて前記高エネルギのレーザビームを反射し、前記場面から前記第1センサに向けて信号を反射し、前記第2センサに向けて前記アライメントビームを送信する、第2ビームスプリッタと、をさらに備え、
前記第1ビームスプリッタは、前記場面から前記第1センサに向かって信号を送信するようにも構成されている、
請求項
9記載のシステム。
【請求項16】
前記アセンブリは、さらに、
前記アライメントビームの前記光路の内外に前記リフレクタを動かすように構成されたアクチュエータと、
前記リフレクタに結合した可動アームと、を備え、
前記アクチュエータは、前記リフレクタを前記アライメントビームの前記光路の内外に動かすために前記可動アームの動きを生じさせるように構成されている、
請求項
9記載のシステム。
【請求項17】
前記アクチュエータは、
ハウジングに取り付けられ、
前記可動アームは、前記ハウジングに対して枢動可能に結合した回転アームを含む、
請求項
16記載のシステム。
【請求項18】
前記リフレクタは、レトロリフレクタを含み、
前記リフレクタは、複数の反射面を含み、
前記複数の反射面は、前記開口の周囲に配置されている、
請求項
9記載のシステム。
【請求項19】
リフレクタがアライメントビームの光路外に選択的に移動する第1動作モードでレーザシステムが動作するステップであって、前記リフレクタは、1つ以上の反射面と開口とを有する、ステップと、
前記リフレクタが前記アライメントビームの前記光路外にある前記第1動作モードにおいて、
(i) 場面に関連する測定値を捕捉する第1センサを使用
し、
(ii) 前記アライメントビームに関連する測定値を捕捉する第2センサを使用するステップと、
前記リフレクタが前記アライメントビームの前記光路内に選択的に移動する第2動作モードでレーザシステムが動作するステップと、
前記第2動作モードにおいて、
(i)前記アライメントビームの第1部分が前記第1センサに向けて反射するように前記1つ以上の反射面を使用
し、
(ii)前記アライメントビームの第2部分が前記リフレクタの前記開口を
通って前記第2センサに向
かって通過することを可能にする
ステップと、
を含む、方法。
【請求項20】
前記場面の1つ以上の画像を生成するステップと、
前記1つ以上の画像内に可視のシースポットを提示するステップであって、前記可視のシースポットの位置は、前記第2センサによって捕捉される前記アライメントビームの前記測定値に基づく、ステップと、
を含む、請求項
19記載の方法。
【請求項21】
前記第2動作モードにおいて、
前記第1センサ上の前記アライメントビームの第1部分の位置を決定するステップと、
前記第2センサ上の前記アライメントビームの第2部分の位置を決定するステップと、
前記
第1センサ上の前記アライメントビームの前記第1部分の前記位置と、前記第2センサ上の前記アライメントビームの前記
第2部分の
位置
との間の差異を特定するステップと、
特定された前記差異に応答して補正措置を開始するステップと、
をさらに含む、請求項
19記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して、レーザシステムに関する。より具体的には、本開示は、センサ‐レーザのボアサイトのメンテナンスのためのアクティブ部分ビームアライメントシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
高エネルギレーザ(HEL)システムは、多くの商業的及び防衛関連用途のために開発されている。高エネルギレーザビームの照準を合わせる(aim)ために、高エネルギビーム及び低パワーアライメントビームは、いくつかのレーザシステムにおいて共通の光路をたどることができる。ある時点で、アライメントビームは、センサにリダイレクトされ、そこで、センサは、アライメントビームと同様に、ターゲット又はターゲットエリアの画像を捕捉するために使用される。したがって、アライメントビームは、ターゲット又はターゲットエリアの画像内に「シースポット」を生成するために使用される。このシースポットは、レーザシステムが発射されたときに高エネルギビームが照射される可能性のある位置を特定するのに役立つ。
【0003】
高エネルギレーザビームの照準を合わせる他のアプローチは、カメラを使用して、高エネルギビームが実際にどこに当たるかを観察し、したがって、必要に応じて高エネルギビームがリダイレクトされることができる。しかしながら、これらのアプローチは、高エネルギビームがどこに当たるかを見るために高エネルギレーザの発射を必要とし、これらのアプローチは、高エネルギビームの(複数の)波長からカメラを遮蔽するシステムでは使用されることができない。さらに他のアプローチは、高エネルギビームが照準システムに適切にアライメントされているかどうかを判断するのを助けるために外部リフレクタを利用する。しかしながら、これらのアプローチは、ビームが一時的に外部リフレクタにリダイレクトされるときに、全体のシステムがターゲット又はターゲットエリアの微細なトラッキングを失う原因となり得る。
【発明の概要】
【0004】
本開示は、センサ-レーザのボアサイトのメンテナンス(sensor-to-laser boresight maintenance)のためのアクティブ部分ビームアライメントシステムを提供する。
【0005】
第1実施形態では、装置は、1つ以上の反射面及び開口を有する反射器を備える。リフレクタは、アライメントビームの光路の内外に(into and out)選択的に移動可能であり、リフレクタがアライメントビームの光路内に配置されている場合に、(i)1つ以上の反射面は、アライメントビームの第1部分を反射するように構成されており、(ii)開口は、アライメントビームの第2部分がリフレクタを通過できるように構成されている。
【0006】
第2実施形態においては、システムは、場面に関連する測定値(measurements associated with a scene)を捕捉するように構成された第1センサと、アライメントビームと関連する測定値を捕捉するように構成された第2センサと、を含む。システムは、リフレクタを含むアセンブリも含む。リフレクタは、1つ以上の反射面と開口とを含む。リフレクタは、アライメントビームの光路の内外に選択的に移動可能である。リフレクタがアライメントビームの光路外に配置されている場合に、第2センサはアライメントビームを受光する(receive)ように構成されている。リフレクタがアライメントビームの光路内に配置されている場合に、(i)1つ以上の反射面は、アライメントビームの第1部分を第1センサに向けて反射するように構成されており、(ii)開口は、アライメントビームの第2部分がリフレクタを通って第2センサに向かって通過できるように構成されている。
【0007】
一実施形態において、方法は、リフレクタがアライメントビームの光路外に選択的に移動する第1動作モードでレーザシステムが動作するステップ(operating)であって、リフレクタは、1つ以上の反射面と開口とを有する、ステップと、を含む。方法は、第1動作モードにおいて、(i)場面に関連する測定値を捕捉する第1センサを使用し、(ii)アライメントビームに関連する測定値を捕捉する第2センサを使用する、ステップも含む。方法はさらに、リフレクタがアライメントビームの光路内に選択的に移動する第2動作モードでレーザシステムが動作するステップを含む。さらに、方法は、第2動作モードにおいて、(i)アライメントビームの第1部分を第1センサに向けて反射するように1つ以上の反射面を使用し、(ii)アライメントビームの第2部分がリフレクタの開口を介して第2センサに向かって通過すること(passage)を可能にする、ステップを含む。
【0008】
他の技術的特徴は、以下の図面、説明、及び特許請求の範囲から当業者には容易に明らかとなり得る。
【図面の簡単な説明】
【0009】
本開示をより完全に理解するために、添付の図面と併せて、以下の説明を参照する。
【
図1】
図1は、本開示によるセンサ-レーザのボアサイトメンテナンスのためにアクティブ部分ビームアライメントを使用する例示的システムを示す図である。
【
図2】
図2は、本開示によるセンサ-レーザのボアサイトメンテナンスのためのアクティブ部分ビームアライメントに使用する切り替え可能なレトロリフレクタの一例を示す図である。
【
図3A】
図3Aは、本開示によるアクティブ部分ビームアライメントシステムで使用するためのレトロリフレクタの一例を示す図である。
【
図3B】
図3Bは、本開示によるアクティブ部分ビームアライメントシステムで使用するためのレトロリフレクタの一例を示す図である。
【
図4】
図4は、本開示によるセンサ-レーザのボアサイトメンテナンスのためのアクティブ部分ビームアライメントを使用するための例示的な方法を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に説明される
図1乃至
図4、及び本出願において本発明の原理を説明するために使用される様々な実施形態は、例示のためのものに過ぎず、決して本発明の範囲を制限するものとして解釈されるべきではない。当業者であれば、本発明の原理は、任意のタイプの適切に配置されたデバイス又はシステムで実装され得ることを理解するであろう。
【0011】
上述したように、いくつかのレーザシステムでは、高エネルギビーム及び低パワーアライメントビームが共通の光路をたどることができる。ある時点で、アライメントビームは、センサにリダイレクトされ、アライメントビームを使用してターゲット又はターゲットエリアの画像内に「シースポット(see-spot)」を生成することを可能にする。このシースポットは、レーザシステムが発射されたときに高エネルギビームが照射される可能性のある位置を特定するために使用することができる。しかしながら、レーザシステムの異なるコンポーネント間の使用時の熱的差異は、アライメントビームの位置に誤差を生じさせ、本質的には、決定されるシースポットの位置に誤差を生じさせる。その結果、高エネルギビームの実際の照射点(strike point)は、決定されるシースポットから逸脱する可能性がある。これは、事前にレーザシステムを適切に較正しても、レーザシステムの動作を妨げる可能性がある。高エネルギビームが実際に当たる場所を表示するカメラや、外部リフレクタなどの他のアプローチには、他の欠点がある。
【0012】
本開示は、センサ-レーザボアサイトのメンテナンスをサポートするためのアクティブ部分ビームアライメントのためのメカニズムを提供する。これらのメカニズムは、場面の画像内に可視のシースポットを生成することを可能にすることに加えて、レーザシステム内に内部シースポットを生成することを可能にする。これは、アライメントビームの光路の内外に選択的に切り替えられることができるレトロリフレクタを利用して達成される。動作中、(ターゲット又はターゲットエリアを含むことができる)場面の1つ以上の画像は、第1焦点面アレイ又は他のセンサによって生成することができる。レトロリフレクタがアライメントビームの光路の外に切り替えられると、第2焦点面アレイ又は他のセンサがアライメントビームを受光する。1つ以上の画像内の可視のシースポットは、第2センサを使用して決定されることができ、可視のシースポットは、決定された位置の1つ以上画像の上に重畳されることができる。レトロリフレクタがアライメントビームの光路内に切り替えられると、レトロリフレクタはアライメントビームの第1部分を第1センサに向けて反射し、レトロリフレクタの通路又は他の開口は、アライメントビームの第2部分がレトロリフレクタを通過し第2センサで受光されることを可能にする。両方のセンサは、アライメントビームのそれぞれの部分の他の測定値又は1つ以上の画像を捕捉することができる。いくつかの実施例では、アライメントビームの第1部分が第1センサに向かって直接反射されるように、レトロリフレクタはセンサ間に物理的に配置されることができるが、これは必須ではない。
【0013】
このアレンジメントでは、レトロリフレクタがアライメントビームの光路内に切り替えられると、第1センサと第2センサの両方が、同じアライメントビームに関連する他の測定値又は画像を捕捉することができる。測定値は、第1センサ及び第2センサによってセンシングされたアライメントビームの位置の間に何らかの差異があるかどうかを検出するために、任意の適切な方法で処理されることができる。例えば、アライメントビームの受光部分の重心を計算することができ、計算された重心間の差異を(もしあれば)決定することができ、複数のセンサ上のアライメントビームの位置が一致しない場合を検出する。これは、アライメントビームの光路内にレトロリフレクタが配置されている間に、1回以上起こり得る。アライメントビームのセンシングされた位置にミスアライメントがある場合、ミスアライメントを補償するために、高速ステアリングミラー又は他の構造を変更すること、又はオペレータに提示されたシースポットの位置を変更することなどの、1つ以上の補正動作が発生し得る。
【0014】
このようにして、アライメントビームは、通常動作中に1つのセンサに供給されることができ、必要に応じて、同じアライメントビームの一部は、複数のセンサに選択的に供給されることができる。このように、複数のセンサが、同じ位置においてアライメントビームをセンシングしているのか、異なる位置においてアライメントビームをセンシングしているのかを決定することができる。事実上、これによりセンサ間の内部シースポットが提供され、高エネルギビームを照準合わせするときにエラーを引き起こす可能性のあるレーザシステムで発生する熱差やその他の問題を補正することを可能にする。これは、可視のシースポットに加えて、場面の画像内に作成されることができる。したがって、以下に説明するアクティブ部分ビームアライメント機構は、レーザシステムにおけるボアサイトチェック又はボアサイトアライメント等の機能をサポートするために使用されることができる。または、実施形態に応じて、レーザ発射の前、間、又は後(又はそれらの任意の組み合わせの間)に、内部シースポットを生成することができる。さらに、レーザシステムがターゲット又はターゲットエリアの微細なトラッキングを実行している間に、以下に説明するアクティブ部分ビームアライメント機構を使用することができ、微細トラッキング動作中であっても、ボアサイトチェック又はボアサイトアライメントを可能にする。
【0015】
図1は、本開示によるセンサ-レーザボアサイトのメンテナンスのためにアクティブ部分ビームアライメントを使用する例示的なシステム100を示す。
図1に示すように、システム100は、概して少なくとも1つの高エネルギレーザビーム104を生成するように動作する高エネルギレーザ102を含む。レーザ102は、少なくとも1つの高エネルギビーム104を生成するように構成された任意の好適な光源を表す。いくつかの実施形態では、例えば、レーザ102は、米国特許出願公開第2017/0353005号公報及び米国特許出願公開第2018/0013256号公報に記載されているように実施することができる(いずれもその全体を本明細書に参照援用する)。しかしながら、システム100では、他の任意の適切な(現在知られているか又は後に開発される)高エネルギレーザ102を使用することができる。ビーム104は、任意の適切な断面サイズ及びパワーレベルを有する任意の適切な高エネルギレーザビームを表す。一般に、「高エネルギ」ビームは、約10kW以上のパワーを有するビームを表すことができる。
【0016】
高エネルギレーザ102は、多くの商業的及び防衛関連用途に使用されることができる。例えば、高エネルギレーザ102は、ドリル動作、マイニング動作、又はコアリング動作等の商業的なマイニング用途での使用を見出すことができる。例えば、高エネルギレーザ102は、ドリルビットを使用して土床をドリルする前に、土床を軟化又は弱化するために使用されることができる。これは、ドリルビットの変更をより少なくし、ドリルビットの寿命と信頼性を延ばすことができる。ここで、レーザ102の出力ウィンドウからの高エネルギレーザビーム104の自由空間伝搬を使用することができ、従来のファイバーレーザと比較して、より遠い距離におけるより深い浸透を可能にする。
【0017】
また、高エネルギレーザ102は、遠隔レーザ溶接、切断、ドリル、又は産業的又は他の自動化設定等の熱処理動作における使用を見出すことができる。高パワーかつ高ビーム品質のシステム100を使用することにより、熱影響ゾーンを最小限に抑え、垂直又は他の切断ラインをメンテナンスしながら、システム100からより長い作業距離でより厚い材料の処理を行うことが可能になる。とりわけ、これは、溶接又は切断部位への接近が困難又は危険である、溶接又は切断動作をサポートするのに役立つ。また、システム100と、場合によっては人間のオペレータと、を煙、破片、又はその他の有害物質から保護するのにも役立つ。
【0018】
高エネルギレーザ102は、さらに、建設及び解体動作における用途を見出すことができる。例示的な動作には、金属の表面再建(metal resurfacing)又はスラグ除去、塗料の除去、及び産業解体動作が含まれる。高エネルギレーザ102は、従来の動作に比べて、材料をはるかに迅速かつ安全に除去するために使用することができる。この機能の特定の例として、高エネルギレーザ102を使用して、原子炉又は他の危険な構造物の解体をサポートすることができる。ここで、高エネルギレーザ102は、汚染されたコンクリート又は原子力格納容器又は原子炉等の汚染された構造物を長距離から切断するために使用されることができる。これは、汚染水等の有害廃棄物を発生させる、ウォータージェット切断又は他の技術の使用を回避するのに役立つ。また、人間のオペレータは、解体中の汚染された構造から離れたままでいることができるため、安全性も向上する。
【0019】
多くの追加の用途が可能である。例えば、高エネルギレーザ102は、高パワービーム102が再充電されるべきリモートデバイスの光起電性(ソーラ)セルに向けられる(targeted)パワービーム用途への使用を見出すことができる。また、高エネルギレーザ102は、危険な材料を加熱し、より有害でない又は有害でない材料に分解するためにレーザ102が使用される、危険な材料(HAZMAT) の用途にも使用できる。上記の用途の全ては、例示のためのものに過ぎず、この開示をシステム100の特定の適用に限定しないことに留意されたい。
【0020】
また、システム100は、概して少なくとも1つのアライメントビーム108を生成するように動作する自動アライメントレーザ106を含む。以下にさらに詳細に説明するように、アライメントビーム108が高エネルギビーム104から分離され、一人以上のオペレータ又は他の人物に提供されるべき可視のシースポットの位置を計算するために使用されるまで、アライメントビーム108は高エネルギビーム104として共通の光路をたどる。レーザ106は、少なくとも1つのアライメントビーム108を生成するように構成された任意の好適な光源を表す。ビーム108は、任意の適切な断面サイズ及びパワーレベルを有する任意の適切な低エネルギレーザビームを表す。一般に、「低エネルギ」アライメントビームは、高エネルギビーム104のエネルギ/パワーレベルよりもかなり小さいエネルギ/パワーレベルを有するビームを表すことができる。いくつかの実施形態では、アライメントビーム108は、約50mW以下の電力のビームを表すことができる。
【0021】
ビーム104及び108は、レーザ結合器110に供給され、レーザ結合器110は、ビーム104及び108を共通の光路112に結合する。したがって、システム100は、ビーム104及び108が共通光路112に沿ってシステム100を少なくとも部分的に通過するので、「共通光路」レーザシステムを表す。レーザ結合器110は、複数のレーザビームを受光し、共通の光路112に沿ってビームを出力するための任意の適切な構造を含む。
【0022】
レーザ光学系114を使用して、ビーム104及び108を所望の方向にシステム100の他のコンポーネントに方向づける。レーザ光学系114は、少なくとも1つの第1高速ステアリングミラー(FSM) 116を含むことができる。第1高速ステアリングミラー116は、典型的には、システム100に作用する振動又は他の力を補償するのを助けるように制御されることができる多軸マウント上に取り付けられたミラーを表す。レーザ光学系114は、一般に、レーザシステム100内の所望の位置に複数のビームを提供するように構成された1つ以上の任意の適切な光学デバイスを表す。第1高速ステアリングミラー116は、振動又は他の力を補償するために使用される任意の適切な制御可能なミラーを含む。レーザ光学系114は、ビーム104及び108を第1ビームスプリッタ118に方向づける。第1ビームスプリッタ118は、高エネルギビーム104の(複数の)波長において高反射性であり、ビーム104を第2ビームスプリッタ120に向けて反射する。また、第2ビームスプリッタ120は、高エネルギビーム104の(複数の)波長において高反射性であり、ビーム104をレーザ/結像光学系122に向けて反射する。レーザ/結像光学系122は、ビーム104を所望の方向でターゲット126に向けて方向づけるために使用される。レーザ/結像光学系122は、少なくとも1つの第2高速ステアリングミラー124を含むことができ、このミラーもまた、システム100に作用する振動又は他の力を補償するのを助けるように制御することができる多軸マウント上に取り付けられたミラーを含むことができる。レーザ/結像光学系122は、一般に、少なくとも1つのレーザビームを所望の方向に方向づけるように構成された(1つ以上の)任意の適切な光学デバイスを表す。第2高速ステアリングミラー124は、振動又は他の力を補償するために使用される任意の適切な制御可能なミラーを含む。
【0023】
ターゲット126は、一般に、高エネルギビーム104が照準合わせされている物体又はエリアを表す。上述のように、システム100を使用することができる様々な商業的及び防衛関連の用途があるため、用途に応じて様々な種類のターゲット126が存在することができる。
図1に示すように、ターゲット126に関連する信号128は、システム100に向けて方向づけられるか、又はシステム100において受光される。例えば、信号128は、可視放射、近赤外(NIR)放射及び/又は短波長赤外(SWIR)放射を表すことができる。近赤外放射は波長0.7μm~1.4μmの放射、短波長赤外放射は波長1.4μm~3.0μmの放射として定義されることができる。しかしながら、異なるスキームは、異なる波長レンジを使用して赤外放射を分類し、この開示は、赤外放射に対する任意の特定の分類スキームと共に使用することに限定されない。いくつかの実施形態では、信号128は、ターゲット126自体によって、又はターゲット126内又は周囲の物体又はエリアによって放出されることができる。
【0024】
信号128は、レーザ/結像光学系122によって第2ビームスプリッタ120に方向づけられる。第2ビームスプリッタ120は、信号128の(複数の)波長において高反射性であり、信号128を第1ビームスプリッタ118に向けて反射する。第1ビームスプリッタ118は、信号128の波長で高透過性であり、信号128が第1のビームスプリッタ118を通過して第1のセンサ130に達することを可能にする。
【0025】
第1センサ130は、ターゲット126から受信される信号128、又はターゲット126内又は周囲の物体又はエリアをセンシング/測定する。第1センサ130によって捕捉された測定値は、ターゲット126及び周囲エリアの静止画像又はビデオ画像を生成するなど、様々な機能に使用することができる。静止画像又はビデオ画像は、第1センサ130によって、又は第1センサ130によって出力されたデータを使用する別の構成要素によって生成することができる。その後、静止画像又はビデオ画像を、例えば、高エネルギビーム104の照準合わせを容易にするために、オペレータに提供することができる。第1センサ130は、ターゲット126に関連する信号128を受光し測定するための任意の適切なセンサ、例えばNIR及びSWIRセンサを含む。特定の実施形態では、第1センサ130は、センサ素子又は検出器素子のアレイを有する焦点面アレイを含む。また、第1センサ130は、ターゲット収集及びターゲット追跡機能等の、任意の数の追加の特徴を組み込むか、又はサポートすることができる。
【0026】
図1に示すように、第1ビームスプリッタ118の一部は、アライメントビーム108の(複数の)波長において高反射性であり、アライメントビーム108を第2ビームスプリッタ120に向けて反射する。第2ビームスプリッタ120は、アライメントビーム108の(複数の)波長において高透過性であり、アライメントビーム108が、第2ビームスプリッタ120を介して、切り替え可能なレトロリフレクタアセンブリ132及び第2センサ134に向けて通過できるようにする。
【0027】
切り替え可能なレトロリフレクタアセンブリ132は、アライメントビーム108の光路にレトロリフレクタを選択的に挿入することができる構造を表す。以下にさらに詳細に説明するように、切り替え可能なレトロリフレクタアセンブリ132が、アライメントビーム108の光路の外へレトロリフレクタを移動させると、第2センサ134はアライメントビーム108を受光することができる。切り替え可能なレトロリフレクタアセンブリ132が、レトロリフレクタをアライメントビーム108の光路内に移動させると、レトロリフレクタは、アライメントビーム108の第1部分を第1センサ130に向けて反射し、第2センサ134は、アライメントビーム108の第2部分をレトロリフレクタ内の通路又は他の開口部を介して受光することができる。切り替え可能なレトロリフレクタアセンブリ132は、アライメントビームの光路の内外に移動させるように構成された任意の適切な構造を含む。
【0028】
第2センサ134は、アライメントビーム108の少なくとも一部をセンシング/測定する。第2センサ134によって捕捉された測定値は、高エネルギビーム104がどこに照準合わせされているかを予測するために用いられることができる。例えば、第2センサ134は、アライメントビーム108に関連する画像又は他の測定値を捕捉することができ、これらの測定値は、第2のセンサ134上のアライメントビーム108の重心を特定するために使用することができる(重心は、高エネルギビーム104の照準点(the aim point)として使用される)。もちろん、第2センサ134によって捕捉された測定に基づいて、高エネルギビーム104の照準点を確認するために、他の分析を行うこともできる。第2センサ134は、コード光学位置センサ(Coude Optical Position Sensor (COPS))又は他の位置感知検出器(PSD)等の、アライメントビーム108の少なくとも一部を受光し測定するための任意の適切なセンサを含む。いくつかの実施形態において、第2センサ134は、以下により詳細に説明されるアライメントビーム108のセンシングされたアライメント位置における潜在的なミスアライメントの検出を容易にするために、高いデータレート(約3kHz以上など)で出力を生成することができる。
【0029】
通常動作の間に、切り替え可能なレトロリフレクタアセンブリ132が、アライメントビーム108の光路の外へレトロリフレクタを移動させ、第2センサ134は、アライメントビーム108の大部分又は全てを受光する。第2センサ134を使用してセンシングされるアライメントビーム108の推定位置は、第1センサ130を使用して生成されるターゲット126の1つ以上の画像上に重ね合わされる可視シースポットを生成するなど、様々な方法で使用することができる。これにより、オペレータは、システム100がどこに照準合わせされているかを視認することができ、必要に応じて、システム100の照準を調整することができる。理想的には、これにより、レーザ又は他の信号を最初にターゲット126に向けて送る必要なく、高エネルギレーザ102を正確に照準することができる。
【0030】
ボアサイト検査、ボアサイト整列、又はシステム100のボアサイトの照準の照明検査又は変更を含む他の動作(一般にボアサイトメンテナンス(boresight maintenance)と称される)の間、切り替え可能なレトロリフレクタアセンブリ132は、アライメントビーム108の光路内にレトロリフレクタを移動させる。その位置では、切り替え可能なレトロリフレクタアセンブリ132は、アライメントビーム108の第1部分を第1センサ130に向けて反射し、第1センサ130がアライメントビーム108の位置を検出するために使用されることを可能にする。また、第2センサ134は、レトロリフレクタの開口を通過するアライメントビーム108の第2部分を受光することができ、これにより、第2センサ134は、アライメントビーム108の位置も検出することができる。その後、センサ130及び134上のアライメントビーム108の部分の重心又は重心トラックを確認することによって、両センサ130及び134からの測定値の処理を行うことができる。センサ130及び134上のアライメントビーム108の複数の部分の位置に矛盾が検出されると、適切な補正措置がとられ得る。これは、効果的に、センサ130及び134がアライメントビーム108の異なる位置を特定する場合を検出するために使用することができる内部シースポットの生成を可能にする。
【0031】
この機能性をサポートするために、第1ビームスプリッタ118は、いくつかのエリアではアライメントビーム108の(複数の)波長において高反射性であり、他のエリアではアライメントビーム108の(複数の)波長において高透過性であることができる。これにより、アライメントビーム108は、第1ビームスプリッタ118から第2センサ134に向けて反射されることが可能になり、一方で、アライメントビーム108の第1の部分は、切り替え可能なレトロリフレクタアセンブリ132から反射され、第1ビームスプリッタ118を通って第1センサ130に向けて通過することができる。
【0032】
いくつかの実施形態では、システム100の様々なコンポーネントをタレット136内に含めることができる。タレット136は、概して、高エネルギビーム104が粗く照準合わせされる方向を変更するために、システム100のコンポーネントを回転させるか、又は、そうでなければ、再配置するように構成された任意の適切な構造を表す。例えば、タレット136は、陸上、航空、海洋、又は宇宙の輸送手段に取り付け可能な多軸ジンバルを表すことができる。この特定の実施例では、レーザ102、106及びレーザ結合器110は、タレット136の外部に配置されるが、これは必ずしもそうである必要はない。
【0033】
図1に示すように、システム100はまた、少なくとも1つのコントローラ138及び少なくとも1つの表示部140を含む。コントローラ138は、システム100内の種々の機能を実行するために使用することができる。例えば、いくつかの実施形態では、コントローラ138は、ターゲット126の静止画像又はビデオ画像など、第1センサ130によって収集されたデータを使用して生成される画像を提示することができる。上述のように、第1センサ130は、画像を生成することができ、あるいはコントローラ138は、第1センサ130からの出力を用いて画像を生成することができる。また、コントローラ138は、第2センサ134からの測定値によってセンシングされるか、又は第2センサ134からの測定値を用いて決定されるアライメントビーム108の位置に基づいて、可視シースポットを静止画像又はビデオ画像上に重ね合わせることができる。コントローラ138はさらに、ビーム104、108の生成を制御するか、ビーム104、108の照準又は方向を制御するように、レーザ102、106及び高速ステアリングミラー116、124の動作を制御することができる。
【0034】
さらに、コントローラ138は、計算を実行したり、補正措置(corrective action)を実行したり、ボアサイトメンテナンスに関連する他の機能を実行したりすることができる。例えば、いくつかの実施形態では、コントローラ138は、オペレータがボアサイトメンテナンス動作を開始することをセンシングすることができ、あるいはコントローラ138自体がボアサイトメンテナンス動作を開始することができる。いずれの場合にも、コントローラ138は、切り替え可能なレトロリフレクタアセンブリ132に、レトロリフレクタをアライメントビーム108の光路内に移動させることができる。また、コントローラ138は、センサ130及び134からアライメントビーム108の一部のセンシングされた位置を受信することができ、又は、コントローラ138は、センサ130及び134からの測定値に基づいて、センサ130及び134上のアライメントビーム108の部分の位置を特定することができる。コントローラ138は、例えばアライメントビーム108の複数の部分の重心又は重心トラックにおける差異を特定することによって、センサ130及び134上のアライメントビーム108の複数の部分のセンシングされた位置間の差異をさらに特定することができる。矛盾が検出される場合、コントローラ138は、補正措置を講じることができる。一つの例示的補正措置は、1人以上のオペレータに提示される画像内の可視シースポットの位置をアップデートすることを含む。別の例示的な修正動作は、アライメントビーム108が両センサ130及び134によって同じ位置においてセンシングされるように、複数の高速ステアリングミラー116及び124のうちの1つ以上を調整することを含む。
【0035】
コントローラ138は、システム100の1つ以上の動作を制御するための任意の適切な構造を含む。例えば、いくつかの実施形態において、コントローラ138は、少なくとも1つのマイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、又は個別回路などの1つ以上の処理デバイスを有するコンピュータ又は処理システムを表すことができる。必要又は所望に応じて、コントローラ138は、コントローラ138によって使用、生成、又は収集される命令又はデータを記憶するために使用されるメモリなどの少なくとも1つのメモリも含むことができる。メモリの例示的タイプは、ランダムアクセスメモリ、リードオンリーメモリ、ハードドライブ、フラッシュメモリ、光ディスク、又は任意の他の適切な揮発性又は不揮発性の(複数の)記憶デバイスを含む。コントローラ138は、レーザ102及び106、高速ステアリングミラー116及び124、又はセンサ130及び134(又はそれらの任意の組み合わせ)などの、1つ以上の外部デバイス又はシステムと通信するように構成された少なくとも1つのインタフェースをさらに含み得る。インタフェースの例示的タイプは、シリアル電気インタフェース又はパラレル電気インタフェース、光インタフェース、イーサネットインタフェース等の有線ネットワークインタフェース、及びWiFi又は他の無線周波数インタフェース(RF)等の無線ネットワークインタフェースを含む。
【0036】
表示部140は、種々の情報を一つ以上のオペレータに提示するために使用されることができる。例えば、表示部140は、第1センサ130によって捕捉された測定値に基づくか、又は生成されたターゲット126の静止画像又はビデオ画像を提示するために使用されることができる。表示部140はまた、静止画像又はビデオ画像の上に可視のシースポットを提示するために使用することができ、この場合、可視のシースポットの位置は、第2センサ134によって捕捉された測定値に基づくか又は決定される。表示部140は、さらに、ボアサイトメンテナンスに関する情報を1人以上のオペレータに提示するために使用されることができる。例えば、表示部140は、ボアサイトメンテナンスを開始するためのオプションを提示するために使用されることができ、いったん開始されると、ボアサイトメンテナンスの結果を表示することができる。また、表示部140は、アライメントビーム108のセンシングされた位置のミスアライメントを補正するための補正措置を開始するためのオプションを提示するために使用されることができる。表示部140は、液晶ディスプレイ(LCD),、発光ダイオード(LED)ディスプレイ、又はタッチスクリーン等の、1人以上のユーザに情報を提示し、任意に1人以上のユーザからの入力を受信するように構成された任意の適切なデバイスを表す。
【0037】
システム100が製造されると、工場出荷時の較正を行うことができ、センサ130及び134によってセンシングされたアライメントビーム108の位置のアライメントを行う。しかしながら、上述したように、使用時又は他の問題時のシステム100の異なるコンポーネント間の熱的差異(thermal differences)は、アライメントビーム108のセンシングされた位置のミスアライメントを引き起こし得る。これは、工場出荷時の較正が正常に(successfully)実行される場合、及び、使用前にアライメントビーム108のセンシングされた位置をアライメントするために、フィールド内で現場較正が実行される場合であっても起こり得る。したがって、システム100は、ここでは、切り替え可能なレトロリフレクタアセンブリ132の使用と、センサ130と134との間の内部シースポットを選択的に生成する能力とをサポートする。その結果、アライメントビーム108は、通常動作中に1つのセンサ(第2センサ134)に供給されることができ、同じアライメントビーム108の一部を複数のセンサ(センサ130及び134)に選択的に供給することができ、ボアサイトメンテナンスをサポートする。これは、高エネルギビーム104を照準合わせするとき(その際、システム100は工場で較正されているか、使用前又は使用後にフィールドで較正されているか、又は使用中にフィールドで較正されている)に、システム100が経験する、エラーを引き起こし得る熱的差異又は他の問題を補正することを可能にする。さらに、この機能は、システム100がターゲット126の微細トラッキングを実行している間に使用することができる。
【0038】
図1は、センサ-レーザのボアサイトメンテナンスのためにアクティブ部分ビームアライメントを使用するシステム100の一例を示しているが、
図1には様々な変更を加えることができる。例えば、
図1における種々の光学系(例えば、ミラー及びビームスプリッタ)及び他のデバイスの配置は、例示のみを目的としている。レーザシステムは、必要に応じてビーム及び他の信号をルーティングするために、種々の方法で構成されることができ、
図1は、本開示の範囲を特定の物理的構成に限定しない。また、
図1のレーザシステム100は、切り替え可能なレトロリフレクタを使用することができるシステムのタイプの一例を示す。しかしながら、切り替え可能なレトロリフレクタは、他の任意の適切なレーザシステムで使用することができる。
【0039】
図2は、本開示によるセンサ-レーザのボアサイトメンテナンスのためのアクティブ部分ビームアライメントに使用する切り替え可能なレトロリフレクタの一例を示す。説明を容易にするために、
図2に示される切り替え可能なレトロリフレクタアセンブリ132は、
図1に示されるシステム100で使用されるものとして説明される。しかし、切り替え可能なレトロリフレクタアセンブリ132は、他の任意の適切なシステムで使用することができる。
【0040】
図2に示すように、切り替え可能なレトロリフレクタアセンブリ132は、一般に切り替え可能なレトロリフレクタアセンブリ132の他のコンポーネントを担持するハウジング202を含む。また、ハウジング202は、支持構造又は他の構造に取り付けることもできる。この例におけるハウジング202は、特定の形状を有し、支持構造又は他の構造(すなわち、各々がアライメントピン及び穴を有する2つのフランジ)に結合するための特定の機構を含む。しかしながら、ハウジング202は、任意の適切なサイズ、形状、及び寸法を有することができ、ハウジング202は、任意の適切な方法で支持構造又は他の構造に結合することができる。また、ハウジング202は、金属等の任意の適切な材料から形成されることができる。さらに、ハウジング202は、任意の適切な方法で形成されることができる。
【0041】
この例では、ハウジング202の下部は、アライメントビーム108がハウジングを通って第2センサ134に到達することができる開口又はアパーチャを画定する。可動アーム204は、レトロリフレクタ206をアパーチャの前に又はアパーチャから離れて選択的に位置決めするためにハウジング202に枢着されている。例えば、
図2の可動アーム204を時計回りに回転させることにより、レトロリフレクタ206をハウジング202のアパーチャから離れるように移動させることができる。これにより、アライメントビーム108の全部又は実質的に全部が、ハウジング202のアパーチャを通過し、第2センサ134に到達することができる。
図2の可動アーム204を反時計回りに回転させることにより、レトロリフレクタ206をハウジング202のアパーチャの前に移動させることができる。これにより、レトロリフレクタ206は、アライメントビーム108の第1部分を第1センサ130に向けて反射させることができ、一方、レトロリフレクタ206の開口は、アライメントビーム108の第2部分をハウジング202のアパーチャを通過させ、第2センサ134に到達させることができる。
【0042】
可動アーム204は、レトロリフレクタ206を選択的に位置決めするために移動させるように構成された任意の好適な構造を含む。可動アーム204は、任意の適切なサイズ、形状、及び寸法を有することができる。また、可動アーム204は、金属などの任意の適切な材料から形成されることができる。さらに、可動アーム204は、任意の適切な方法で形成されることができる。レトロリフレクタ206は、一般に、アライメントビーム108の一部を反射ながら、アライメントビーム108の別の部分を通過させることができる任意の適切な構造を含む。種々のタイプのレトロリフレクタが当技術分野で公知であり、これらのレトロリフレクタのいずれかを切り替え可能なレトロリフレクタアセンブリ132に使用することができる(さらに、アライメントビーム108の部分がレトロリフレクタ206を通過できるように必要に応じて変更される)。
【0043】
この例では、レトロリフレクタ206は、可動アーム204の第1端部に位置し、アクチュエータ208は、リンク210によって可動アーム204の第2端部に結合する。アクチュエータ208を所定の位置に固定するために、アクチュエータ208をハウジング202に取り付けることができる。アクチュエータ208は、リンク210を介して可動アーム204の第2端部を押したり引っ張ったりするようにトリガされ得る。例えば、可動アーム204の第2端部を引っ張ることにより、可動アーム204が
図2において時計回りに回転し、可動アーム204の第2の端部を押すことにより、可動アーム204が
図2において反時計回りに回転することができる。したがって、アクチュエータ208は、可動アーム204及びレトロリフレクタ206の自動化された動きを生じさせるために使用されることができる。しかしながら、可動アーム204及びレトロリフレクタ206の手動による動きも付加的に又は代替的にサポートされることができることに留意されたい。
【0044】
アクチュエータ208は、レトロリフレクタ206に動きを与えるように構成された任意の適切な構造を含む。いくつかの実施形態では、アクチュエータ208は、線形アクチュエータを表し、アクチュエータ部材の線形運動は、リンク210を介した接続を経由して可動アーム204の回転を引き起こす。しかしながら、ここでは、ロータリーアクチュエータ等の任意の他の適切なタイプのアクチュエータ208を使用することができる。いくつかの実施形態では、アクチュエータ208は、システム100の動作モードに基づいてコントローラ138によって制御されることができ、アクチュエータ208はレトロリフレクタ206を、あるモードではアライメントビーム108の光路の外へ移動させ、別のモードではアライメントビーム108の光路内に移動させる。リンク210は、可動アーム204とアクチュエータ208とを連結する任意の適切な構造を表す。しかしながら、アクチュエータ208が可動アーム204に直接結合している場合等は、リンク210の使用は必要ではない。
【0045】
上述したように、切り替え可能なレトロリフレクタアセンブリ132は、レトロリフレクタ206をアライメントビーム108の光路の内外に選択的に切り替える能力をサポートする。これにより、レトロリフレクタ206が、所望により、アライメントビーム108の光路から取り除かれ、アライメントビーム108の大部分又は全部を(システム100の通常動作中のように)第2のセンサ134に供給することが可能になる。その結果、第2センサ134は、場面内のアライメントビーム108の位置を確認するために使用されることができ、可視のシースポットが、場面の1つ以上の画像内に確認された位置において形成されることができる。ボアサイトメンテナンスの間、レトロリフレクタ206は、アライメントビーム108の光路内に挿入され、アライメントビーム108の異なる部分が複数のセンサ130及び134に供給されることを可能にする。その結果、両センサ130、134を用いて場面内のアライメントビーム108の位置を確認することができ、これらの位置を比較してアライメントビーム108のセンシングされた位置に何らかのミスアライメントがあるかどうかを判断することができる。その場合は、補正措置が発生することができ、それによってシステム100の照準能力の改善が可能になる。
【0046】
図2は、センサ-レーザのボアサイトメンテナンスのためのアクティブ部分ビームアライメントに使用するための切り替え可能なレトロリフレクタアセンブリ132の一例を示しているが、
図2には様々な変更を加えることができる。例えば、他の実施形態では、レトロリフレクタ206は、レトロリフレクタ206を選択的に位置決めするために、(回転されるのではなく、むしろ)直線的に又は任意の他の適切な方法で移動させることができる。一般に、アライメントビーム108の光路に出入りするレトロリフレクタ206を動かす任意の適当な機構をここで使用することができる。
【0047】
図3A及び3Bは、本開示によるアクティブ部分ビームアライメントシステムで使用するためのレトロリフレクタの一例を示す図である。説明を容易にするために、
図3A及び3Bに示されるレトロリフレクタ206は、
図1に示されるシステム100内の、
図2に示される切り替え可能なレトロリフレクタアセンブリ132に使用されるものとして説明される。しかしながら、レトロリフレクタ206は、任意の他の適当な切換可能なレトロリフレクタ及び任意の他の適当なシステムで使用されることができる。
【0048】
図3Aに示すように、レトロリフレクタ206は、開口304の周囲に配置された複数の反射面(reflective faces)302を含む。反射面302は、集合的に動作して、アライメントビーム108の第1部分を受光し、アライメントビーム108の第1部分(典型的には、反対方向)を反射する。
図1に関して上述したように、アライメントビーム108の第1部分は、第1センサ130によって受光される前に、反射されて第1ビームスプリッタ118及び第2のビームスプリッタ120に向けて戻ることができる。この特定の例では、相互に垂直な(立方体のコーナーのような)3つの反射面302がある。しかしながら、上述のように、種々のタイプのレトロリフレクタが存在し、また、アライメントビーム108の一部分を反射し、同じアライメントビーム108の別の部分の通過させることができるように変更されることができる。
【0049】
図3A及び3Bに示すように、開口304は、レトロリフレクタ206を通って延在し、レトロリフレクタ206がアライメントビーム108の光路内に位置決めされたときに、アライメントビーム108の第2部分がトロリフレクタ206を通って第2センサ134に向けて通過することを可能にする。この例では、開口304は三角形であり、これにより、第2センサ134で受光されるアライメントビーム108の第2部分の重心又は中心の計算を容易にすることができる。しかしながら、開口304は、アライメントビーム108の中心又は他の位置を決定することを可能にする任意の規則的又は不規則な形状を含む任意の適切な形状を有することができる。
【0050】
図3Bに示すように、この例におけるレトロリフレクタ206の後部は、開口304の周囲に延在する凹部306を含む。凹部306は、レトロリフレクタ206を可動アーム204に取り付けるために、可動アーム204の開口部内に隆起リムを受け入れるように構成することができる。しかしながら、レトロリフレクタ206を可動アーム204に永久的又は一時的に取り付けるために、他の適当な機構を使用することができることに留意されたい。
【0051】
この例では、レトロリフレクタ206は、ほぼ円筒形の外面を有することに留意されたい。これにより、レトロリフレクタ206を可動アーム204の円筒状凹部に容易に挿入することができる。しかしながら、レトロリフレクタ206のこの設計は、例示のためのものに過ぎない。他の実施形態では、反射面302及び開口304は、正方形又は長方形の外面を有するレトロリフレクタ206内などの他の方法で形成することができる。
【0052】
図3A及び3Bは、アクティブ部分ビームアライメントシステムで使用するためのレトロリフレクタ206の一例を示しているが、
図3A及び3Bには様々な変更を加えることができる。例えば、任意の適切な数の反射面を有する任意の他の適切なリフレクタを使用して、アライメントビーム108の一部を第1センサ130に向けて反射させ、アライメントビーム108の別の一部を第2センサ134に向けて通過させることができる。
【0053】
図4は、本開示によるセンサ-レーザのボアサイトメンテナンスのためのアクティブ部分ビームアライメントを使用するための例示的な方法400を示す図である。説明を容易にするために、
図4に示された方法400は、
図1に示されたシステム100内に、
図3A及び3Bに示されたレトロリフレクタ206を含む、
図2に示された切り替え可能なレトロリフレクタアセンブリ132と共に使用されるものとして説明される。しかしながら、方法400は、任意の他の適当なレトロリフレクタ及び切り替え可能なレトロリフレクタアセンブリ、及び任意の他の適当なシステムで使用することができる。
【0054】
図4に示されるように、システムは、ステップ402において、レトロリフレクタがアライメントビームの光路外にある第1動作モードで動作する。これは、例えば、コントローラ138が、アクチュエータ208に可動アーム204を回転させ、レトロリフレクタ206をハウジング202のアパーチャから離れるように動かすようにすることを含むことができる。このモードの間、ステップ404において、場面の1つ以上の画像が第1センサを使用して生成される。これは、例えば、第1センサ130がターゲット126又は他の場面に関連付けられた信号128を受信すること、及び、第1センサ130又はコントローラ138が信号128の第1センサ130による測定に基づいて1つ以上の静止画像又はビデオ画像を生成することを含むことができる。また、第1動作モードの間、ステップ406においてアライメントビームが第2センサに向けて通過することができ、ステップ408において第2センサ上のアライメントビームの位置が決定される。これは、例えば、第2センサ134又はコントローラ138が、第2センサ134によって捕捉されたアライメントビーム108の測定値を用いて、アライメントビーム108の重心、重心トラック、又は他の位置を特定することを含むことができる。ステップ410において、決定された位置において、1つ以上の画像内に可視シースポットを生成することができる。これは、例えば、コントローラ138が、表示部140上に提示されている1つ以上の画像に、可視のシースポットを重ね合わせることを含むことができる。
【0055】
ステップ412において、ボアサイトメンテナンスが必要でないか又は望まれない場合、プロセスはステップ404に戻り、第1モードで動作を継続することができる。ある時点で、高エネルギレーザ102を発射して、高エネルギビーム104を、画像内の1つ以上のシースポットによって(理想的に)確認される位置に向けて方向づけることができる。ステップ412においてボアサイトメンテナンスが必要であるか又は望まれる場合、システムは、第2動作モードでの動作に入り、ステップ414において、レトロリフレクタがアライメントビームの光路に切り替えられる。これは、例えば、アクチュエータ208に可動アーム204を回転させ、ハウジング202の開口の前方でレトロリフレクタ206を移動させるコントローラ138を含むことができる。このモードの間、ステップ416においてアライメントビームの第1部分は第1センサに向けて反射され、ステップ418においてアライメントビームの第2部分は第2センサに向けて通過することができる。これは、例えば、レトロリフレクタ206の反射面302がアライメントビーム108の第1部分を第1センサ130に向けて反射することを含むことができる。これはまた、レトロリフレクタ206の第2部分が、レトロリフレクタ206の開口304を通って第2センサ134に向けて通過させることを含むことができる。
【0056】
ステップ420において、アライメントビームの部分の第1センサ及び第2センサ上の位置が決定される。これは、例えば、センサ130、134によって捕捉されたアライメントビーム108の測定値を用いてアライメントビーム108の部分の重心、重心トラック又は他の位置を特定する第1及び第2センサ130、134又はコントローラ138を含むことができる。ステップ422において、アライメントビームのセンシングされた位置間にミスアライメントがあるかどうかが決定される。これは、例えば、アライメントビーム108の部分の決定された位置が異なるか否かを(閾値量又は閾値パーセンテージなどによって)決定するコントローラ138を含むことができる。そうでない場合は、プロセスはステップ402に戻り、第1動作モードに再び入ることができる。さもなければ、ステップ424で1つ以上の補正措置を講じることができる。これは、例えば、コントローラ138が、1つ以上の画像内の可視のシースポットをより適切な位置にシフトさせることを含むことができる。これはまた、ビーム104、108の一方又は両方の照準合わせ又は方向を調整するように、1つ以上の高速ステアリングミラー116、124を調整するコントローラ138を含むこともできる。ここでは、他の又は追加の補正措置を講じることができ、理想的には、可視のシースポットの精度を向上させることができる。
【0057】
図4は、本開示によるセンサ-レーザのボアサイトメンテナンスのためのアクティブ部分ビームアライメントを使用するための例示的な方法400を示す図であり、
図4には様々な変更を加えることができる。例えば、一連のステップとして示されているが、
図4の様々なステップは、オーバーラップし、同時に起こり、異なる順序で起こり、又は任意の回数でおこることができる。
【0058】
いくつかの実施形態では、この特許文献に記載されている様々な機能は、コンピュータ読み取り可能プログラムコードから形成され、コンピュータ読み取り可能媒体に実装されたコンピュータプログラムによって実現又はサポートされている。「コンピュータ可読プログラムコード」という語句は、ソースコード、オブジェクトコード、及び実行可能コードを含む任意の種類のコンピュータコードを含み、「コンピュータ可読媒体」という語句は、読み出し専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、ハードディスクドライブ、コンパクトディスク(CD)、デジタルビデオディスク(DVD)、又はその他の種類のメモリなど、コンピュータによってアクセス可能な任意の種類の媒体を含む。「非一時的」コンピュータ可読媒体は、一時的な電気信号又はその他の信号を伝送する有線、無線、光、又はその他の通信リンクを除外する。非一時的コンピュータ読取り可能媒体は、データを永久的に記憶することができる媒体と、データを記憶し、後に上書きすることができる媒体、例えば書換え可能な光ディスク又は消去可能な記憶デバイスを含む。
【0059】
この特許文献を通して使用されている特定の単語及び語句の定義を示すことは有利であり得る。
「アプリケーション」及び「プログラム」という用語は、適切なコンピュータコード(ソースコード、オブジェクトコード、実行可能なコードを含む)の実装に適合させた1つ以上のコンピュータプログラム、ソフトウェア・コンポーネント、命令セット、手順、機能、オブジェクト、分類、インスタンス、関連データ、又はそれらの部分を指す。「通信(communicate)」という用語及びそれらの派生語は、直接的及び間接的通信の両方を包含する。「含む」及び「有する」という用語並びにそれらの派生語は、限定されることなく、包含することを意味する。「又は」という用語は、及び/又はを意味する。「関連する」という語句、及びその派生語は、含む、含まれる、~と相互接続する、格納する、~の中に格納される、接続する又は結合する、~と通信可能である、~と協働する、インターリーブする、並置する、~に近接する、~と又は~に結び付けられる、~に又は~と関係を有する、などを意味する。「少なくとも1つ」という語句は、アイテムのリストとともに使用される場合、リストされたアイテムの1つ以上の異なる組み合わせが使用され得、リスト内の1つのアイテムのみが必要とされ得ることを意味する。例えば、「A、B及びCのうちの少なくとも1つ」は、以下の組合せのいずれかを含む:Aのみ、Bのみ、Cのみ、A及びB、A及びC、B及びC、A及びB及びC。
【0060】
本願の明細書は、特定の要素、ステップ又は機能が、クレームの範囲に含まれなければならない必須又は重要な要素であることを意味するものとして解釈されるべきではない。特許された主題の範囲は、許可された請求項によってのみ定義される。さらに、いずれの請求項も、添付された1つ以上の請求項の要素に関して特許法第112条(f)を援用しない。ただし、その厳密な語句「のための手段」又は「ステップ」が特定のクレームにおいて明示的に使用され、続いて、機能を特定する特定の語句が使用される場合はこの限りではない。クレーム内の用語(ただし、これに限定されない)「機構」、「モジュール」、「装置」、「構成要素」、「要素」、「部材」、「装置」、「機械」、「システム」、「プロセッサ」又は「コントローラ」の使用は、請求項自体の特徴によってさらに修正又は強化されるように、当業者に知られた構造を指すことが理解され、意図されており、米国特許法第112条(f)を援用することが意図されていない。
【0061】
本開示は、特定の実施形態及び一般的に関連する方法を記載したが、これらの実施形態及び方法の変更及び順列は、当業者には明らかであろう。従って、例示的な実施形態の上述の説明は、本開示を定義したり、制約したりしない。以下の特許請求の範囲によって定義されるように、本開示の精神及び範囲から逸脱することなく、他の変更、置換、及び変更も可能である。