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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-07
(45)【発行日】2022-10-18
(54)【発明の名称】RFIDタグ
(51)【国際特許分類】
   B65G 1/04 20060101AFI20221011BHJP
   G06K 19/077 20060101ALI20221011BHJP
   B65G 1/02 20060101ALI20221011BHJP
   B65G 1/137 20060101ALI20221011BHJP
【FI】
B65G1/04
G06K19/077 220
G06K19/077 140
B65G1/02
B65G1/137 A
【請求項の数】 23
(21)【出願番号】P 2021541454
(86)(22)【出願日】2020-01-15
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-03-09
(86)【国際出願番号】 EP2020050877
(87)【国際公開番号】W WO2020148315
(87)【国際公開日】2020-07-23
【審査請求日】2021-08-23
(31)【優先権主張番号】1900653.5
(32)【優先日】2019-01-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】515134368
【氏名又は名称】オカド・イノベーション・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【弁理士】
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100199565
【弁理士】
【氏名又は名称】飯野 茂
(74)【代理人】
【識別番号】100219542
【弁理士】
【氏名又は名称】大宅 郁治
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100162570
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 早苗
(72)【発明者】
【氏名】クリステスク、オビディウ
(72)【発明者】
【氏名】パークス、イアン
【審査官】山▲崎▼ 歩美
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2017/150006(WO,A1)
【文献】特開2019-001655(JP,A)
【文献】特開2014-131933(JP,A)
【文献】特開平09-254983(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2002/0060629(US,A1)
【文献】特開2012-066756(JP,A)
【文献】特開2011-183937(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 1/00-1/133
B65G 1/14-1/20
G06K 19/077
B65G 1/137
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
保管格子(1)中の間隙(24)に半永久的に挿入するための無線周波数識別(RFID)タグ(61)であって、
RFIDアンテナと、
識別データを記憶するように構成された記憶媒体と、前記記憶媒体は前記RFIDアンテナに接続され、
前記RFIDアンテナと前記記憶媒体とを収容するケースように構成されたケースとを備え、前記ケースは、
前記RFIDアンテナおよび前記記憶媒体の一方または両方を支持するように構成された内面(43)と、
前記保管格子(1)中の前記間隙(24)への前記ケースの挿入を制限するように構成された1つ以上の脚部(45)と、
前記保管格子(1)中の前記間隙(24)に対して前記ケースの移動に抵抗を提供するように構成された1つ以上の突起(65)とを備える、RFIDタグ(61)。
【請求項2】
前記1つ以上の突起(65)は、弾性的に変形可能な突起(65)を備え、前記弾性的に変形可能な突起(65)は、前記ケースが前記保管格子(1)中の前記間隙(24)に挿入されることを可能にするように変形されるように構成され、前記ケースが前記間隙(24)中に挿入された後に前記間隙(24)から出る前記ケースの移動に抵抗を提供するように構成されている、請求項1に記載のRFIDタグ(61)。
【請求項3】
前記1つ以上の突起(65)のそれぞれは、前記保管格子(1)中の前記間隙(24)への前記ケースの挿入を容易にするように構成されたテーパ部分を含む、請求項1または2に記載のRFIDタグ(61)。
【請求項4】
各テーパ部分は、それぞれの突起(65)の長さに沿った経路の一部のみに伸長する、請求項3に記載のRFIDタグ(61)。
【請求項5】
前記1つ以上の脚部(45)は、前記1つ以上の脚部(45)の有効接触面と前記内面(43)との間に最小距離を提供するように構成された剛性脚部(45)を備える、請求項1から4のうちのいずれか一項に記載のRFIDタグ(61)。
【請求項6】
前記1つ以上の突起はポリカーボネート材料を含む、請求項1から5のいずれか一項に記載のRFIDタグ(61)。
【請求項7】
前記1つ以上の脚部は、熱可塑性材料を含む、請求項1から6のいずれか一項に記載のRFIDタグ(61)。
【請求項8】
前記RFIDアンテナおよび前記記憶媒体は、前記ケースの前記内面(43)によって支持される、プリント回路基板またはプラスチックインレー上に据え付けられる、請求項1から7のいずれか一項に記載のRFIDタグ(61)。
【請求項9】
前記内面(43)は、第1のケース部材(41)の一部である、請求項1から8のいずれかに記載のRFIDタグ(61)。
【請求項10】
前記第1のケース部材(41)は前記1つ以上の脚部(45)を備える、請求項9に記載のRFIDタグ(61)。
【請求項11】
前記ケースは、第2のケース部材(63)をさらに備え、前記第2のケース部材(63)は、前記1つ以上の突起(65)を含む、請求項9または10に記載のRFIDタグ(61)。
【請求項12】
前記第1のケース部材(41)はポリカーボネート材料を含み、前記第2のケース部材(63)は熱可塑性材料を含む、請求項11に記載のRFIDタグ(61)。
【請求項13】
前記第2のケース部材(63)は、前記第1のケース部材(41)上にオーバーモールドされる、請求項11または12に記載のRFIDタグ(61)。
【請求項14】
前記第1のケース部材(41)は、オーバーモールドプロセスの間に前記第1のケース部材(41)を支持すること、オーバーモールド装置を前記第1のケース部材(41)と位置合わせすること、および前記第2のケース部材(63)を前記第1のケース部材(41)と位置合わせすることのうちの1つ以上を容易にするように構成された1つ以上の追加の特徴(47、49、51)を含む、請求項13に記載のRFIDタグ(61)。
【請求項15】
前記間隙(24)は、1つ以上のコンテナ(10)を保管することができる3次元保管格子(1)上に据え付けられた、またはその一部を形成するレールまたは軌道(22)中のスロットであり、前記レールまたは軌道(22)は、1つ以上のロボット荷積み取り扱いデバイス(30)が前記保管格子(1)を横切って移動することを可能にする、請求項1から14のうちのいずれか一項に記載のRFIDタグ(61)。
【請求項16】
保管格子(1)中の間隙(24)に半永久的に挿入するための無線周波数識別(RFID)タグ(61)を製造する方法であって、
RFIDアンテナを提供するステップと、
識別データを記憶するように構成された記憶媒体を提供するステップと、前記記憶媒体は前記RFIDアンテナに接続可能であり、
前記RFIDアンテナと前記記憶媒体とを収容するケースを提供するように構成されたステップとを含み、前記ケースは、
前記RFIDアンテナおよび前記記憶媒体の一方または両方を支持するように構成された内面(43)と、
前記保管格子(1)中の前記間隙(24)への前記ケースの挿入を制限するように構成された1つ以上の脚部(45)と、
前記保管格子(1)中の前記間隙(24)に対する前記ケースの移動に抵抗を提供するように構成された1つ以上の突起(65)とを含む、方法。
【請求項17】
前記ケースを提供することは、
前記内面(43)および前記1つ以上の脚部(45)を備える第1のケース部材(41)を提供することと、
前記第1のケース部材(41)の上に第2のケース部材(63)をオーバーモールドすることとを含み、前記第2のケース部材(63)は前記1つ以上の突起(65)を含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記第1のケース部材(41)を提供することは、前記第1のケース部材(41)上に1つ以上の追加の特徴(47、49、51)を提供することを含み、
前記第2のケース部材(63)をオーバーモールドすることは、前記1つ以上の追加の特徴(47、49、51)を使用してオーバーモールド装置を前記第1のケース部材(41)と位置合わせすることを含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
命令を含むコンピュータプログラムであって、
前記命令がコンピュータによって実行されるとき、前記コンピュータに、請求項16から18のうちのいずれか一項に記載の方法を実行させる、コンピュータプログラム。
【請求項20】
保管格子(1)および複数の請求項1から15のうちのいずれか一項に記載のRFIDタグ(61)を備える、システム。
【請求項21】
前記RFIDタグ(61)は、前記保管格子(1)中の間隙(24)に挿入されている、請求項20に記載のシステム。
【請求項22】
さらに複数の荷積み取り扱いデバイス(30)を備える、請求項20または21に記載のシステム。
【請求項23】
前記さらに複数のロボット荷積み取り扱いデバイス(30)のそれぞれが、RFIDタグリーダを備える、請求項22に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2019年3月17日に出願された英国特許出願UK1900653.5からの優先権を主張するものであり、その内容は、参照によりここに組み込まれている。
【0002】
本発明は、無線周波数識別(RFID)タグに関する。
特に、本発明は、保管および取り出しシステムと共に使用するのに適したRFIDタグに関する。
【背景技術】
【0003】
RFIDタグは、RFIDタグが取り付けられた、またはRFIDタグが埋め込まれた製品またはデバイスに関する情報などのデータを記憶および送信するために使用されてもよい。RFIDタグは、例えば、タグ付けされた製品または装置を他の製品または装置から区別することを可能にする識別番号、名称または他の情報の形態で識別データを記憶するように構成されてもよい。データは、データを受信し、データを解釈し、および/または処理のためにデータをさらなるデバイスに転送するRFIDタグリーダまたはスキャナに送信されてもよい。
【0004】
請求項中に記載されているRFIDタグ、方法、コンピュータプログラムおよびシステムは、既知のタグ、方法、コンピュータプログラムおよびシステムに対して改善を提供することを意図している。
【発明の概要】
【0005】
実施形態によれば、請求項1に記載の無線周波数識別(RFID)タグが提供される。さらなる実施形態によれば、請求項16に記載の方法が提供される。別の実施形態によれば、請求項19に記載のコンピュータプログラムが提供される。さらに別の実施形態によれば、請求項20に記載のシステムが提供される。オプション的な特徴は、従属請求項に記載されている。
【0006】
請求項中に記載されているRFIDタグ、方法、コンピュータプログラムおよびシステムは、以下の例を参照して詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は、保管および取り出しシステムの保管格子を概略的に図示する。
図2図1の保管格子の軌道を概略的に図示する。
図3a図3aは、図1の保管格子と共に使用するためのロボット荷積み取り扱いデバイスを概略的に図示する。
図3b図3bは、ロボット荷積み取り扱いデバイスのコンテナ収容空間内にコンテナを有する図3aのロボット荷積み取り扱いデバイスを、切断図で概略的に図示する。
図3c図3cは、図3aのロボット荷積み取り扱いデバイスを切断図で概略的に図示しており、コンテナがロボット荷積み取り扱いデバイスのコンテナ収容空間から下げられている。
図4図4は、保管格子の軌道上に図3aから図3cに図示したような複数のロボット荷積み取り扱いデバイスを有する、保管および取り出しシステムの保管格子を概略的に図示する。
図5図5は、RFIDタグの第1のケース部材を上面斜視図で概略的に図示する。
図6図6は、RFIDタグを上面斜視図で概略的に示す。
図7図7は、RFIDタグを底面斜視図で概略的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本実施形態は、RFIDタグを実現する方法の出願人の好ましい例を表すが、それらは必ずしも達成するための唯一の例ではない。
【0009】
保管および取り出しシステムの保管格子1が図1に図示されている。図示した保管格子1は、水平の部材18、20を支持している複数の直立部材16を備えているフレーム構造14を含む。直立部材16によって支持されている複数の水平の格子構造を形成するために、平行な水平の部材18の第1のセットは、平行な水平の部材20の第2のセットに直角に配置されている。部材16、18、20は、典型的に、金属から製造される。コンテナ10は、フレーム構造14の部材16、18、20の間で実質的に垂直スタックにまたは列12に積み重ねられているので、フレーム構造14は、コンテナ10のスタック12の水平移動に対してガードし、コンテナ10の垂直の移動を誘導または制約する。
【0010】
図示する保管格子1はまた、コンテナ10のスタック12の上方に格子パターンで配置された複数のレールまたは軌道22を含み、格子パターンは複数の格子空間を含み、コンテナ10の各スタック12は単一の格子空間のみの専有面積内に位置付けられる。
【0011】
図2は、保管格子1の最上層上の部材16、18、20の配置の平面図を提供し、部材16、18、20の相対ポジションをより詳細に示す。図示された実施形態では、直立部材16は、水平部材18の平行で隣接する対と水平部材20の平行で隣接する対とによって形成される長方形の四隅に配置されている。各格子空間に対するコンテナ10の対応するスタックは、水平部材18、20によって規定される長方形内に位置付けられる。図示したパターンは、保管格子1のうちのいくつかまたは全部にわたって繰り返される。図示された実施形態では、保管格子1の最上部水平部材18は、第1の方向(図1および図2に図示するx軸に実質的に沿ってまたは平行)に伸長する軌道の第1のセット22aを提供し、最上部水平部材20は、第2の実質的に直交する方向(図1および図2に図示するy軸に実質的に沿ってまたは平行)に伸長する軌道の第2のセット22bを提供する。いくつかの例では、軌道22a、22bを提供するために、別個の構成要素が最上部の水平部材18、20の上に配置されてもよい。
【0012】
ホイールの第1のセット34および第2のセット36を有するロボット荷積み取り扱いデバイス(「ロボット」または「ボット」)30は、スタック12の上方のレールまたは軌道22上で横方向に移動し、ボットのホイール34および36と、少なくとも1つのコンテナ10をそれぞれのボット30の本体32内のコンテナ収容空間40内に持ち上げることを可能にするそれぞれのコンテナ持ち上げ機構とを使用して、保管格子1に対してコンテナ10を移動させるように構成される。コンテナ持ち上げ機構は、例えば、把持デバイス39を下降または上昇させるために、ボット30の本体32から離れる方向に伸長するかまたは本体32内に後退することができる1つ以上の伸長可能かつ後退可能な垂直支持体38を備えることができる。把持デバイス39は、少なくとも1つのコンテナ10と係合するように構成されてもよく、把持デバイス39が垂直支持体38によって下降または上昇されるとき、把持されたコンテナ10が対応して下降または上昇される。そのようなボット30の例が図3a中に図示されており、ボットのコンテナ持ち上げ機構は、伸長した構成で示され、コンテナ10と係合している。図3bおよび図3cは、コンテナ収容空間40を見せるために本体32の一部が切り取られた同じボット30を示しており、(図3bでは)対応するコンテナ持ち上げ機構が後退した構成にあり(対応するコンテナ10がボット30の本体32内のコンテナ収容空間40内の上昇したポジションにある)、(図3cでは)対応するコンテナ持ち上げ機構が伸長した構成にある(対応するコンテナ10がボット30の本体32に対して下降している)。
【0013】
図4に図示されるように、複数のボット30は、軌道22aおよび22bに沿って、保管格子1のフレーム構造14の上部を横切って移動するように構成されてもよい。複数のボット30の移動を調整するために、ボット30自体および/または複数のボット30のうちの1つ以上を制御するように構成された制御システムは、保管格子1の上部のボットのそれぞれのロケーションを知らなければならない。このロケーションまたはポジション情報は、ボット30が、特定のスタック12に移動し、特定のコンテナ10を取り出すこと;他のボットとの衝突を回避すること;および/または(例えば、空間、コストまたは他の制約のために、格子1の外周にバリアまたは他の同様の移動制約手段が設けられていない場合)保管格子1を越えて移動し、格子1から落下することを回避することを可能にしてもよい。
【0014】
ボット30が保管格子1上のどこにあるかを決定することができる機構を提供するために、各ボットに1つ以上のRFIDタグリーダまたはスキャナを設けることができ、複数のRFIDタグを保管格子1の上部にわたって設けることができる。以下でより詳細に説明するように、RFIDタグは、軌道22a、22b(図2参照)中に設けられた間隙24など、保管格子1中の適切なサイズの間隙に挿入することができる。
【0015】
ボット30が保管格子1を横切って移動すると、ボットのそれぞれのRFIDタグリーダは、ボットがRFIDタグを通過するとRFIDタグのうちの1つ以上から信号を読み取ることができる。RFIDタグのポジションが変化しないように、RFIDタグは、保管格子1に対して固定されてもよく、したがって、ボット30に一連の固定基準点を提供する。RFIDタグのポジションは、例えば、地図、データベース、またはプロセッサによって参照されてもよい他の記録に記録されてもよい。RFIDタグのポジションは、軌道22a、22bに沿った距離に関して、および/またはどの格子空間に一致するかまたは最も近いかに関してなど、様々な異なる方法で規定されてもよい。例えば、RFIDタグが軌道22aまたは22bの間の間隙24に位置付けられる場合、記録は、RFIDタグが間に位置付けられる2つの格子空間の一方または両方の識別データを含むことができる。別の例として、RFIDタグが保管格子1の外縁における格子空間の外縁に位置付けられる場合、記録は、RFIDタグが位置付けられるまたは隣接する単一の格子空間のみに関する識別データを含んでいてもよい。さらなる例として、RFIDタグが軌道22aと22bとの間の接合点もしくは交差点に、またはその付近に位置付けられる場合、記録は、接合点で交わる2つまたは4つの格子空間のうちの1つ以上についての識別データ、および/または対応する直立部材16についての識別データを含むことができる。またさらなる例として、RFIDタグのロケーションは、保管格子1の既知の「原点」(例えば、既知の隅、縁、または中心点)から取られた(例えば、メートル、ヤード、またはフィートの)1つ以上の測定値を用いて記録において識別することができる。
【0016】
説明されたように、保管格子1上のRFIDタグの特定のロケーションが記録されてもよい様々な方法が存在してもよい。いくつかの例では、(RFIDタグのロケーションを識別する)ロケーションデータは、RFIDタグの記憶媒体で符号化され、RFIDタグに十分に接近したRFIDタグリーダに送信可能であってもよい。他の例では、RFIDタグは、特定のRFIDタグが識別されることを可能にするデータ(例えば、そのRFIDタグに特有の文字列)を含んでもよく、ロケーションデータは、RFIDタグの識別データに対する記録中に記憶されてもよい。保管格子1上にRFIDタグを設置するプロセスは、(例えば、それらのポジションが既知であるときに)設置後にRFIDタグにロケーションデータを書き込むプロセスを含むことができる。他の例では、RFIDタグを設置するプロセスは、設置者が、特定のRFIDタグを特定の予め定められたロケーションに設置すること、および/または特定のRFIDタグが設置されたロケーションを記録することを必要とするかもしれない。いくつかの例では、RFIDタグの記憶媒体は、ロケーションデータと、特定のRFIDタグが識別されることを可能にするデータとの両方で符号化されてもよい。
【0017】
ボット30は、それらが格子1上のどこにあるかを決定するために、格子1を横切って移動する間に遭遇した1つ以上のRFIDタグから読み取られた情報を使用することができる。保管格子1にわたって提供されるRFIDタグの数は、ボット30がそれ自体を位置付けることができる精度、ならびに/またはそれらのロケーションおよび/もしくはそれらの移動方向を決定することができる速度を決定することができる。例えば、少なくとも1つのRFIDタグが保管格子1中の各格子空間に対して提供される場合、ボット30は、そのポジションを比較的迅速かつ正確に決定することが可能できるかもしれない一方で、RFIDタグが第2または第3の格子空間ごとにのみ提供される場合、ボット30は、それがどこに行くかを識別することが可能になる前に、いくつかの格子空間を移動する必要があるかもしれない。いくつかの例では、RFIDタグは、各四辺の格子空間の各辺に沿って提供されてもよい(場合によっては、より少ないRFIDタグを有しするかもしれない縁セルを除外する)。他の例では、RFIDタグは、各格子空間の1つ、2つもしくは3つの辺に沿ってのみ、および/または格子空間の隅もしくは接合点にのみ設けられてもよい。対応するボット30が軌道22a、22bの対応する部分に沿って移動すると、保管格子1上のRFIDタグがRFIDリーダによって読み取られることができるようなポジションで、1つ以上のRFIDタグリーダが各ボット30に据え付けられてもよい。例えば、ボットのRFIDタグリーダがボット30の右下隅に設けられる場合、RFIDタグはそれに対応して格子空間の右下隅に設けられてもよい。格子空間当たりのRFIDタグの数およびボット30当たりのRFIDタグリーダの数は、個々のタグおよび/もしくはリーダの信頼性、ならびに/または冗長性の必要性および/もしくはボット30がどの方向に移動しているかを迅速に識別する必要性に対して、追加のタグおよび/またはリーダのコストをバランスさせるように選ばれてもよい。
【0018】
図5から7は、RFIDタグ61の例を図示している。図5は、RFIDタグ61の第1のケース部材41を示している。第1のケース部材41は、RFIDタグ61のRFIDアンテナおよび記憶媒体の一方または両方を支持するように配置された面43を含む。RFIDアンテナおよび記憶媒体は、例えば、1つ以上のプリント回路基板(PCB)、1つ以上のプラスチックインレー、および/または表面43に据え付けられてもよい1つ以上の他の支持体に据え付けられてもよい。RFIDタグリーダが十分に近接した近傍内を通過するとき、および/または十分な期間にわたって十分に近接した近傍内に留まるとき、RFIDアンテナは、記憶媒体上に記憶された識別データを近くのRFIDタグリーダに送信することができる。RFIDアンテナおよび記憶媒体は、好ましくは受動構成であってもよく、すなわち、直接電源を必要とせず、代わりに、識別データの送信を引き起こすおよび/または容易にするために(例えば、近くのRFIDタグリーダから)アンテナで受信される電磁波に依存する。他の例では、RFIDアンテナおよび記憶媒体は、能動構成、すなわち、それ自体の直接電源を有するものであり得、直接電源は、識別データの送信に電力供給する。RFIDタグ61のために電力ケーブルまたはバッテリを設ける必要がないので、受動構成は、有利には、保管格子1上のRFIDタグ61のロケーションのより大きな自由および/またはRFIDタグ61の低減されたサイズを提供できる。RFIDタグ61は、保管格子1上の所望の点に配置されるだけでよく、さらなる機器または設置を伴わないので、受動構成はまた、RFIDタグ61の製造および/または進行中の使用のコストを有利に低減でき、および/またはRFIDタグ61の設置を簡略化できる。RFIDタグ61のアンテナは、受動構成のアンテナよりも識別データをさらに送信することができるので、能動構成は、各格子空間内のRFIDタグ61のポジションおよび/またはボット30上のRFIDタグリーダのポジションに関してより大きな柔軟性を有利に提供することができる。
【0019】
第1のケース部材41はまた、保管格子1中の間隙24へのRFIDタグ61の挿入を制限するように構成された複数の脚部45を含む。脚部45は、例えば、第1のケース部材41の底部の有効接触面(すなわち、脚部45の底部)とRFIDアンテナを支持するように構成された内面43との間に既知の最小距離を提供するように、特定の程度まで負のz方向に突出してもよい。これは、有利なことに、RFIDタグ61のRFIDアンテナによって送信されたデータをRFIDタグリーダが読み取ることができるように、RFIDアンテナが通過ボット30のRFIDタグリーダに十分に近接したままとなる可能性を改善することができる。これは、保管格子1中の間隙24が、RFIDアンテナによって送信されたRFID信号と干渉するかまたはRFID信号を減衰させるかもしれない金属材料を含む環境において特に有利であるかもしれず、RFIDタグ61が間隙24に押し込まれることは不利である。
【0020】
脚部45はまた、第1のケース部材41の底部の有効接触面(脚部45の底部)とRFIDタグ61の上面または最大z高さとの間の正のz方向における既知の距離を提供することができる。これにより、保管格子1へのRFIDタグの設置の容易性および速度とともに、ボット30のRFIDタグリーダにデータを通信することができるRFIDタグ61の信頼性を大幅に向上させることができる。なぜなら、RFIDタグ設置者は、脚部45が間隙24の底面に接触するまでRFIDタグ61を間隙24に押し込むことができるからである。設置者は、通過するRFIDタグリーダの読み取り距離内にRFIDタグ61があることを確実にするため、またはRFIDタグ61が(間隙24中に)位置付けられている軌道22aまたは22b上を通過するボット30のホイール34、36によってRFIDタグ61が衝突されて潜在的に損傷または動かされるほど十分に遠くにRFIDタグ61が突出しないことを確実にするために、いかなる測定または調整も行う必要がない。
【0021】
脚部45はさらに、RFIDタグ61およびその内部構成要素(例えばRFIDアンテナおよび記憶媒体)が通過ボット30のホイール34、36によって押し潰されるリスクを最小限に抑えるのに役立つ保護機能および/または補強機能を提供することができる。脚部45は、例えば、第1のケース部材41の底部から頂部までz方向に効果的に伸長して、第1のケース部材41のための比較的頑丈なおよび/または剛性の支持体を提供することができる。脚部45(および場合によっては第1のケース部材41も)は、比較的非可撓性の構造を提供するために、ポリカーボネート材料などの比較的剛性の材料で作られることが好ましい。脚部は、第1のケース部材41と一体的に形成されてもよく、または第1のケース部材41に取り付けられてもよい。脚部は、いくつかの実施形態では、内面43を越えてz方向に上方に伸長して、内面43および内面43に据え付けられた任意の構成要素に追加の保護を提供することができ、例えば、内面43に据え付けられた1つ以上の構成要素の前に、かつそれに優先して、ボット30のホイール34、36が接触してもよい1つ以上の特徴または表面を提供することによって、保護を提供することができる。
【0022】
図6は、第1のケース部材41の表面43によって支持されるRFIDアンテナおよび記憶媒体を実質的に取り囲むケースを作成するために、図5に図示した第1のケース部材41上にオーバーモールドされた第2のケース部材63を図示している。第2のケース部材63は、図6に図示する第2のケース部材63の2つの長辺から外側に突出する複数の突起65を含む。図示された突起65は、2つの長い側壁の垂直高さの大部分に沿って伸長し、下端でテーパ状になっている。下端のテーパは、RFIDタグ61の間隙24への挿入を容易にするのに役立つことができる。突起65は、間隙24内での第2のケース部材63(したがって、第2のケース部材63がオーバーモールドされる第1のケース部材41)の移動に抵抗を提供するように構成される。突起は、RFIDタグ61(第1および第2のケース部材41,63を含む)を間隙24に挿入するための力を加えることによって変形することができる比較的変形可能な材料を含んでもよい。突起65は、いったん上述のように間隙24の壁との接触によって変形すると、間隙24に沿った(すなわち、図1および図2に図示したx方向またはy方向への)および/または間隙24の内外への(すなわち、図1および図2に図示したz方向への)RFIDタグ61の移動に抵抗を提供することができる。突起65の変形は、隙間24の壁面との接触する第2のケース部材63の面積が大きくなり、したがって、第2のケース部材63と隙間24の壁面と間の摩擦が大きくなることにつながる。これは、有利なことに、例えばボット30がRFIDタグ61と直接接触した場合に通過するボット30によって、または保管格子1上に設けられた軌道22a、22bに沿った1つ以上のボット30の移動による格子1の振動によって、RFIDタグ61がその設置のポジションから動かされないことを確実にするのに役立つことができる。第2のケース部材63および突起は、第1のケース部材41の比較的剛性で非可撓性の構造の上に比較的変形可能な構造を提供するために、熱可塑性材料を含むことが好ましいかもしれない。
【0023】
第1のケース部材41および第2のケース部材63に対して、温度変化に対して大きく伸縮しない材料を選ぶことが好ましい。
【0024】
いくつかの実施形態では、例えば、RFIDタグ61が、図示された間隙24よりも多くの側で囲まれた空間に挿入される場合、1つ以上の突起が、第2のケース部材63の他の(より短い)側にも、または代替的に設けられてもよい。
【0025】
図5に図示される第1のケース部材41は、特徴47、49をさらに含む。特徴47、49は、1つ以上の目的を果たすことができる。例えば、特徴47、49のうちの1つ以上は、オーバーモールド装置と第1のケース部材41との位置合わせを容易にするように構成された位置合わせ特徴であってもよい。例えば、図示された特徴47は、オーバーモールド装置が第1のケース部材41上に第2のケース部材63をオーバーモールドすることができるように、オーバーモールド装置が特徴47を使用して第1のケース部材41を保持または支持することを可能にするように構成されてもよい。特徴47は、例えば、第2のケース部材63が第1のケース部材41の上にオーバーモールドされている間、オーバーモールド装置が第1のケース部材41に接触して支持し続けることができるように、特徴47のうちの1つ以上の少なくとも一部が直接オーバーモールドされないようなサイズおよび/または位置とすることができる。同様に、図示された特徴49は、第1のケース部材41とオーバーモールド装置との位置合わせに役立つように、および/または、オーバーモールドプロセスが完了した後に第1および第2のケース部材41、63が互いに対して移動できないことを確実にすることに役立つように設けられてもよい。例えば、特徴49は、第2のケース部材63に形成される対応する開口部内にまたは開口部を通って突出するように構成されてもよく、したがって、第1および第2のケース部材41、63の相対移動を制約する。第1および第2のケース部材41、63は共に、図示したRFIDタグ61のケースを形成し、ケースは内面43が位置付けられる内部を規定し、RFIDアンテナおよび記憶媒体は内面43によって支持される。
【0026】
図7は、オーバーモールドプロセスが完了した後のRFIDタグ61の下側を斜視図で示している。図示する例では、第1のケース部材41の脚部45の底部は、オーバーモールドされた第2のケース部材63の底部と同一平面である(すなわち、z方向に同一平面である)。他の例では、脚部45は、オーバーモールドされた第2のケース部材63の底部を越えて(すなわち、第2のケース部材63の底面を越えて、負のz方向に)突出してもよく、または、オーバーモールドされた第2のケース部材63の内側で(すなわち、オーバーモールドされた第2のケース部材63の底部の上方で、正のz方向に)わずかに凹んでいてもよい。全てのケースにおいて、間隙24の底面に比較的非圧縮性で隣接することによって間隙24へのさらなる挿入を制限または防止することができる比較的剛性で非圧縮性の構造を提供することによって、脚部45は、RFIDタグ61が間隙24に挿入されることができる範囲を制限する役割を果たす。脚部45がオーバーモールドされた第2のケース部材63の内側に凹んでおり、オーバーモールドされた第2のケース部材63が、RFIDタグ61に取り付け力が加えられると変形する弾性変形可能な材料を含む場合、脚部45は、表面43とRFIDタグ61の底部接触面との間の最小距離が維持されることを依然として確実にする。
【0027】
図7は、穴51の形態の特徴51のさらなるセットを示す。特徴47、49と同様に、穴51は、第1のケース部材41上への第2のケース部材63のオーバーモールドを容易にするために使用されてもよい。例えば、穴51は、第2のケース部材63および第1のケース部材41の底部を貫通して伸長することができ、オーバーモールドプロセスが完了すると、支持体が第1および第2のケース部材41、63に挿入され、ケース部材41、63の両方を支持することを可能にする。
【0028】
有利なことに、RFIDアンテナおよび記憶媒体をを支持し、間隙24の底面を超えてRFIDタグ61の力に抵抗するように構成された、比較的剛性のある非可撓性材料を備えるケースと、保管格子1中の間隙24に対してRFIDタグ61の移動に抵抗するために変形するように構成された突起を含む比較的変形可能な材料とを有するRFIDタグ61は、頑丈で設置が容易なRFIDタグ61を提供でき、これは、比較的剛性のある材料上の比較的変形的な材料(すなわち、図示した例では、オーバーモールドされた第2のケース部材63)の変形可能性による激しい力(例えば、ボット30のホイール34、36によって上を走られる場合)に耐えることができ、挿入(例えば、保管格子1上のボット30の移動による振動または激しい力)の後に間隙24内外にRFIDタグ61を移動させる力に抵抗することができ、それにより、移動ボット30に対する固定された基準点を提供するその意図された機能を確実に実行するように継続するRFIDタグ61を提供する。
【0029】
有利なことに、図示されたRFIDタグ61は、第1のケース部材41上への第2のケース部材63のオーバーモールドが自動化可能であるかもしれず、製造が比較的安価であるかもしれず、したがって、第1および第2のケース部材41、63によって形成されるケース全体内にRFIDアンテナおよび記憶媒体を固定するプロセスは、最小限の人間の入力を必要とするかもしれない。図示されたRFIDタグ61はさらに、RFIDアンテナおよび記憶媒体を、保管格子1中の間隙24の底部から一定の高さに維持し、したがって保管格子1の上部を移動するボット30から一定の距離に維持するのに役立つことによって、RFID信号が常にRFIDタグ61から受信できることを確実にするのに役立つことができる。さらに、変形可能な材料で形成された突起65が変形して、間隙24を規定する壁と接触するRFIDタグ61の表面積を増加させ、それによってRFIDタグ61と間隙24との間の摩擦を増加させ、RFIDタグ61を所定の位置に保持するので、図示したRFIDタグ61は、有利には、RFIDタグ61を保管格子1に対して所定の位置に固定するために接着剤を必要としない。RFIDタグ61はまた、保管格子1中の間隙24中にそれを設置するための設置ツールを必要とせず、RFIDタグ61は、手で間隙24内に押し込むことができる。
【0030】
上述したように、複数のRFIDタグ61を保管格子1のフレーム構造14にわたって分散させて、1つ以上のボット30に設けられたRFIDタグリーダと共に、ボット30および/または1つ以上のボット30のコントローラが保管格子1のフレーム構造14上のボット30のロケーションを決定することを可能にするシステムを提供することができる。
【0031】
いくつかの実施形態では、保管格子1上のRFIDタグ61および保管格子1を横切って移動するボット30に据え付けられたRFIDタグリーダの図示および説明されたシステムは、ボット30および/またはボット30のコントローラが保管格子1上のボット30のロケーションを決定するために使用することができるいくつかのシステムまたはデータソースのうちの1つであってもよい。例えば、保管格子1上の1つ以上のボット30のロケーションを決定するために、異なる機構(例えば、異なる送信機またはビーコンから受信された信号の三角測量を使用してポジションを決定するGPSのようなまたはメッシュネットワークのようなシステム)に依存するさらなるシステムが提供されてもよい。そのようなケースでは、RFIDタグ61およびRFIDタグリーダのシステムを使用して、ボットのロケーションの初期表示または確認表示を提供すること、および/または他のシステムがそれを行うことができない場合にロケーションを提供すること、および/またはボットのロケーションのより高速な、より信頼性の高い、またはより正確な表示を提供することができる。
【0032】
したがって、図示および説明されたRFIDタグ61は、それらの特徴(脚部45および突起65を含む)によって、保管格子1中の間隙24への半永久的な挿入に適しており、RFIDタグ61を使用して限定されない時間期間にわたってボット30の移動を監視することができる。RFIDタグ61は、それらの構造の頑丈性(脚部45の相対的な剛性および突起65の相対的な変形性を含む)により、RFIDタグ61が移動ボット30によって振動または衝突されるかもしれない保管格子1の環境において、比較的長いサービスを可能にすることができる。RFIDタグ61は、例えば、保管格子1の予想寿命のかなりの部分にわたってなど、数週間、数ヶ月または数年にわたって保管格子1の環境中で動作する(かつ実質的に空間的に固定されたままである)ことが可能であってもよい。これは、保管格子1上にRFIDタグを再設置するのに費やされる時間を有利に最小化することができ、これは、1つ以上のボット30が保管格子1の上で動作して、ロケーション間でコンテナを移動させて、保管格子1の「アップタイム」、すなわち保管格子1が使用されている間の時間を最大化するのに役立つことができる。
【0033】
図示した実施形態では、ケースは2つのケース部材41、63によって提供されているが、他の実施形態では、ケースは単一部材ケースであってもよい。さらなる実施形態では、集合的にケースを形成する2つより多くのケース部材があってもよい。さらに、2つ以上のケース部材は、1つ以上の異なる方法で互いに接続または取り付けられてもよく、それらは必ずしもオーバーモールドプロセスによって取り付けられる必要はない。
【0034】
図示した実施形態では、突起65は第2のケース部材63に設けられているが、他の実施形態では、突起65のうちの1つ以上が第1のケース部材41に(すなわち、脚部45と同じケース部材上に)設けられてもよい。そのような実施形態では、第2のケース部材63は、RFIDアンテナおよび/または記憶媒体を支持するように構成された内面を覆うかまたは囲むという主な目的を有することができる。逆に、いくつかの実施形態では、第2のケース部材63上に脚部45と突起65との両方を設けてもよい。他の実施形態では、ケースは単一の部材のみを備えてもよく、そのケースでは、脚部45および突起65の両方が、RFIDアンテナおよび/または記憶媒体を囲むためのさらなるケース部材なしで、同じ単一のケース部材上に設けられてもよく、単一のケース部材自体が、別のケース部材によって囲むこと必要とすることなく内面43を提供してもよい。さらなる実施形態では、ケースは、2つより多くの部材を備えてもよく、そのケースでは、脚部45および/または突起65は、異なるケース部材のうちの1つに設けられてもよい。
【0035】
図示した実施形態では、脚部45は丸みを帯びた長方形またはレクテリピカル(rectelliptical)の断面を有するが、他の実施形態では、脚部は異なる形状または構造をとってもよい。例えば、いくつかの実施形態では、脚部は、長方形、円形、楕円形、三角形、正方形、または任意の他の断面を有してもよい。さらに、異なる脚部の断面は互いに異なっていてもよい。さらに、図示された実施形態では、脚部45は断面中で中身が詰まっているが、他の実施形態では、例えば図7に図示される穴51などの穴を所定の脚部内に設けるために、脚部のうちの1つ以上が断面において少なくとも部分的に中空であってもよい。いくつかの実施形態では、脚部は、それらの全体のz長さに沿って一定の断面を有していなくてもよい。例えば、いくつかの実施形態では、脚部は、例えば間隙24の底部に接触するための特定の表面積を提供するために、下側(z方向)端部において意図的にテーパ状にされるか、または傾斜していてもよい。
【0036】
図示した実施形態では、3つの脚部45があり、1つはRFIDタグ61の(x軸に沿った)各端部またはその近くにあり、1つは(x軸に沿った)中央またはその近くにあるが、他の実施形態では、より多いまたはより少ない脚部が設けられてもよい。例えば、脚部の断面形状および/または他の特徴に基づいて、より多くのまたはより少ない脚部が提供されることが有利であるかもしれない。いくつかの実施形態では、例えば、脚部は、比較的狭い断面を有するロッド(例えば、円筒形、三角形、または正方形のロッド)の形態をとることができ、そのケースでは、より多くの脚部を設けることが好ましいかもしれない。第1のケース部材41のx軸およびy軸に沿った脚部のポジションおよび/またはz軸における脚部の長さは、脚部の所望の効果に基づいて決定されてもよい。例えば、所望の効果が、RFIDタグ61が間隙24内に直角に着座することであり、脚部の底部が互いに実質的に同じz軸高さにあり、RFIDタグ61の上部がRFIDタグ61のx軸およびy軸に沿って実質的に同じz軸高さにある場合、脚部がx軸およびy軸に沿って比較的均等に離間され、脚部がz軸に沿って実質的に同一の長さであることが好ましいかもしれない。他の例では、例えば、所望の効果がRFIDタグ61の第1のx方向端部がRFIDタグ61の反対側のx方向端部に対して相対的に大きいz軸高さを有することである場合、例えば、RFIDアンテナがRFIDタグ61の第1の端部に据え付けられ、RFIDアンテナが通過ボットのRFIDタグリーダの送受信距離内にある確率を増加させることが望ましい場合、脚部が異なる長さを有することが好ましいかもしれない。
【0037】
図示した実施形態では、RFIDタグ61の長辺の各々に5つの突起65があるが、他の実施形態では、より多くのまたはより少ない突起があってもよい。上述したように、いくつかの実施形態では、RFIDタグ61の短辺に1つ以上の突起をさらに設けることができる。突起の数および/または突起のx幅および/またはy幅は、間隙24へのRFIDタグ61の最初の挿入性を可能にしながら、間隙24内でのRFIDタグ61の移動への抵抗を最適化しようとするために選ばれてもよい。図示した突起は、実質的にz方向に(すなわち、RFIDタグ61の長辺に沿って垂直に)伸長するが、他の実施形態では、突起のうちの1つ以上は、異なる方向に少なくとも部分的に伸長してもよい。例えば、いくつかの実施形態では、突起のうちの1つ以上が、垂直に対してある角度で(すなわち、z軸に対してある角度で)伸長すること、および/または、例えば、角度を付けられる、もしくは湾曲されることによって、突起の長さに沿って伸長の方向を変化させることが有利であるかもしれない。
【0038】
図示した突起は、テーパ部分の上方に実質的に一定のy幅部分を含むが、他の実施形態では、突起のうちの1つ以上は、可変幅を有して、例えば、突起のリブ付きまたはそうでなければ可変外側プロファイルを作成してもよい。これは、例えば、間隙24の壁と突起との間の静止摩擦を増加させることによって、間隙24内のRFIDタグ61の移動に抵抗する突起の能力を増加させるのに役立つことができる。
【0039】
いくつかの実施形態では、突起は、間隙24の壁上の特定の特徴、例えば、対応する溝または凹部と係合するように構成されてもよい。これは、間隙24内でのRFIDタグ61の移動への抵抗を最適化するのに役立つことができる。
【0040】
前述の段落で説明したバリエーションのうちの任意の1つ以上は、RFIDタグの同じ実施形態で実現されてもよいことが想定される。
【0041】
本明細書において、用語「間隙に対する移動」は、間隙内の移動、例えば間隙に沿ったスライド、間隙内へのまたは間隙外への移動を含むことが意図される。
【0042】
本明細書において、nはx、yおよびzのうちの1つである、用語「n方向の移動」(および関連する表現)は、いずれかの方向(すなわち、n軸の正の端部に向かう方向またはn軸の負の端部に向かう方向)における、n軸に実質的に沿ったまたは平行な移動を意味することが意図される。
【0043】
本明細書では、「接続」という用語およびその派生語は、直接接続および間接接続の可能性を含むことを意図している。例えば、「xがyに接続される」は、xが介在する構成要素なしでyに直接接続される可能性、およびxが1つ以上の介在する構成要素を伴ってyに間接的に接続される可能性を含むことを意図する。直接接続が意図される場合、用語「直接接続された」、「直接接続」などが使用される。同様に、用語「支持」およびその派生語は、直接的および間接的接触の可能性を含むことが意図される。例えば、「xがyを支持する」は、xが介在する構成要素なしでyを直接支持し、yと直接接触する可能性、およびxがyを間接的に支持し、1つ以上の介在する構成要素がxおよび/またはyと接触する可能性を含むことを意図する。
【0044】
本明細書において、用語「備える(comprise)」およびその派生語は、排他的な意味よりもむしろ包含的な意味を有することが意図される。例えば、「xはyを備える」は、xが1つおよび1つのみのy、複数のy、または1つ以上のy、ならびに1つ以上の他の要素を含む可能性を含むことが意図される。排他的な意味が意図される場合、「xはyから成る」という言語が使用され、xがyのみを含み、他に何も含まないことを意味する。
図1
図2
図3a
図3band3c
図4
図5
図6
図7