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特許7155475指のタバコの臭い低減技術が適用されたチップペーパーとこれを含む喫煙物品、およびチップペーパーの製造方法
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  • 特許-指のタバコの臭い低減技術が適用されたチップペーパーとこれを含む喫煙物品、およびチップペーパーの製造方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-11
(45)【発行日】2022-10-19
(54)【発明の名称】指のタバコの臭い低減技術が適用されたチップペーパーとこれを含む喫煙物品、およびチップペーパーの製造方法
(51)【国際特許分類】
   A24D 1/02 20060101AFI20221012BHJP
【FI】
A24D1/02
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2020560764
(86)(22)【出願日】2020-08-27
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-28
(86)【国際出願番号】 KR2020011439
(87)【国際公開番号】W WO2021085827
(87)【国際公開日】2021-05-06
【審査請求日】2020-11-17
(31)【優先権主張番号】10-2019-0136080
(32)【優先日】2019-10-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】519217032
【氏名又は名称】ケーティー アンド ジー コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】セオ、マン ソク
(72)【発明者】
【氏名】キム、スー ホ
(72)【発明者】
【氏名】キム、ジョン ヨル
(72)【発明者】
【氏名】リー、ジェ ゴン
【審査官】川口 聖司
(56)【参考文献】
【文献】特表2012-507287(JP,A)
【文献】特開平05-146285(JP,A)
【文献】特開平04-290539(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2017-0000173(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24B 1/00-15/42
A24C 1/00- 5/60
A24D 1/00- 3/18
A24F 1/00-47/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
喫煙物質部と喫煙物品用フィルター部が結合されるように、前記喫煙物質部の少なくとも一部の領域と前記喫煙物品用フィルター部を包む喫煙物品用チップペーパーであって、
香料物質と前記香料物質を包接する担体物質とから構成された香り担体を含み、
前記担体物質に包接されている前記香料物質は、水分、唾液または摩擦に反応して前記喫煙物品用チップペーパーの外部に発現し、
前記担体物質は、2-ヒドロキシプロピル-ベータ-シクロデキストリン(2-hydroxypropyl-β-cyclodextrin)であり、
前記香料物質は、バニリン(vanillin)およびエチルバニリン(ethyl vanillin)のうち少なくとも一つ以上の物質を含み、
前記香料物質の総重量に対する前記バニリンの重量比は、15%~25%であり、前記エチルバニリンの重量比は、5%~15%である、 喫煙物品用チップペーパー。
【請求項2】
前記香り担体は、エタノール、前記香料物質および前記担体物質からなる香り担体インクを使用した香り担体印刷工程を通じて前記喫煙物品用チップペーパーに含まれる、請求項1に記載の喫煙物品用チップペーパー。
【請求項3】
前記香り担体インクの総重量に対する前記香料物質の重量比は、0%超過1.5%以下であり、前記担体物質の重量比は、0%超過15%以下である、請求項2に記載の喫煙物品用チップペーパー。
【請求項4】
前記香り担体インクは、バインダーをさらに含み、
前記香り担体インクの総重量に対する前記バインダーの重量比は、0%超過15%以下である、請求項2または3に記載の喫煙物品用チップペーパー。
【請求項5】
前記バインダーは、エタノールに溶解し、かつ、分子量が3,000~20,000であり、ガラス転移温度が60℃~90℃である高分子物質である、請求項4に記載の喫煙物品用チップペーパー。
【請求項6】
前記香り担体インクは、マイクロカプセルをさらに含み、
前記香り担体インクの総重量に対する前記マイクロカプセルの重量比は、0%超過25%以下である、請求項4または5に記載の喫煙物品用チップペーパー。
【請求項7】
前記香り担体インクの総重量に対する前記バインダーの重量比は、5%~10%であり、前記マイクロカプセルの重量比は、5%~20%である、請求項6に記載の喫煙物品用チップペーパー。
【請求項8】
前記マイクロカプセルは、1.5um~5.0umの直径を有し、
前記マイクロカプセルは、ポリビニルアルコール(polyvinyl alcohol;PVA)、香料および架橋剤を含み、
前記マイクロカプセル内に含まれる前記ポリビニルアルコールと前記香料の含量比は、1:3~1:7である、請求項6または7に記載の喫煙物品用チップペーパー。
【請求項9】
前記香り担体印刷工程は、前記喫煙物品用チップペーパーにOPV(Over print varnish)工程が適用された以後に行われる、請求項2から8のいずれか一項に記載の喫煙物品用チップペーパー。
【請求項10】
喫煙物質ラッパーで包まれた喫煙物質部と、
上流末端が前記喫煙物質部に結合され、フィルターラッパーで包まれたフィルター部と、
前記喫煙物質部と前記フィルター部が結合されるように、前記喫煙物質部の少なくとも一部の領域と前記フィルター部を包むチップペーパーと、を含み、
前記チップペーパーは、香料物質と前記香料物質を包接する担体物質とから構成された香り担体を含み、
前記担体物質に包接されている前記香料物質は、水分、唾液または摩擦に反応して前記チップペーパーの外部に発現し、
前記担体物質は、2-ヒドロキシプロピル-ベータ-シクロデキストリン(2-hydroxypropyl-β-cyclodextrin)であり、
前記香料物質は、バニリン(vanillin)およびエチルバニリン(ethyl vanillin)のうち少なくとも一つ以上の物質を含み、
前記香料物質の総重量に対する前記バニリンの重量比は、15%~25%であり、前記エチルバニリンの重量比は、5%~15%である、 喫煙物品。
【請求項11】
喫煙物質部と喫煙物品用フィルター部が結合されるように、前記喫煙物質部の少なくとも一部の領域と前記喫煙物品用フィルター部を包む、香料物質と前記香料物質を包接する担体物質が適用された喫煙物品用チップペーパーの製造方法であって、
エタノールに前記担体物質を添加して撹拌する段階と、
前記エタノールに前記担体物質が添加された溶液に前記香料物質を添加して撹拌する段階と、
前記エタノールに前記担体物質および前記香料物質が添加された溶液にバインダーを添加して撹拌する段階と、
前記エタノールに前記担体物質、前記香料物質および前記バインダーが添加された溶液を香り担体インクとして使用して前記喫煙物品用チップペーパーに印刷する印刷段階と、を含み、
前記担体物質は、2-ヒドロキシプロピル-ベータ-シクロデキストリン(2-hydroxypropyl-β-cyclodextrin)であり、
前記香料物質は、バニリン(vanillin)およびエチルバニリン(ethyl vanillin)のうち少なくとも一つ以上の物質を含み、
前記香料物質の総重量に対する前記バニリンの重量比は、15%~25%であり、前記エチルバニリンの重量比は、5%~15%である、 喫煙物品用チップペーパーの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、喫煙物品用チップペーパーに関し、より詳細には、喫煙者の指にしみこむタバコの臭いを低減させることができる技術が適用されたチップペーパーおよびこれを含む喫煙物品並びにチップペーパーの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
喫煙によって発生するタバコの臭いを、香料物質を用いてマスキングするための多様な試みが行われているが、喫煙中に喫煙者の指が直接触れる喫煙物品用チップペーパー(tipping paper)は、製造工程上、印刷および乾燥工程が必ず伴われるので、チップペーパーの変色イシュー、乾燥工程イシューおよびカール(curl)発生イシューを解消すると同時に、指のタバコの臭いをマスキングし得る喫煙物品用チップペーパーおよびこれを含む喫煙物品の開発が必要であるのが現状である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、上述した問題点を解決するために案出されたものであって、本発明の目的は、指のタバコの臭いを低減させることができるチップペーパーおよびこれを含む喫煙物品を提供することにある。
【0004】
本発明の技術的課題は、以上で言及した技術的課題に制限されず、言及されていない他の技術的課題は、下記の記載から本発明の属する技術分野における通常の技術者に明確に理解され得る。
【課題を解決するための手段】
【0005】
このような課題を解決するために、本発明の一部の実施例によれば、喫煙物質部と喫煙物品用フィルター部が結合されるように、喫煙物質部の少なくとも一部の領域と喫煙物品用フィルター部を包む喫煙物品用チップペーパーであって、香料物質と香料物質を包接する担体物質とから構成された香り担体を含み、担体物質に包接されている香料物質は、水分、唾液または摩擦に反応して喫煙物品用チップペーパーの外部に発現し、担体物質は、エタノールに溶解する物質であることを特徴とする喫煙物品用チップペーパーを提供する。
【0006】
担体物質は、2-ヒドロキシプロピル-ベータ-シクロデキストリン(2-hydroxypropyl-β-cyclodextrin)であり得、香料物質は、バニリン(vanillin)およびエチルバニリン(ethyl vanillin)のうち少なくとも一つ以上の物質を含む香料物質であり得る。
【0007】
香料物質の総重量に対するバニリンの重量比は、15%~25%であり、エチルバニリンの重量比は、5%~15%であり得る。
【0008】
香り担体は、エタノール、香料物質および担体物質からなる香り担体インクを使用した香り担体印刷工程を通じて喫煙物品用チップペーパーに含まれ得る。
【0009】
香り担体インクの総重量に対する香料物質の重量比は、0%超過1.5%以下であり、担体物質の重量比は、0%超過15%以下であり得る。
【0010】
一部の実施例において、香り担体インクは、バインダーをさらに含み、香り担体インクの総重量に対するバインダーの重量比は、0%超過15%以下であり得る。バインダーは、エタノールに溶解し、かつ、分子量が3,000~20,000であり、ガラス転移温度が60℃~90℃の高分子物質であり得る。
【0011】
一部の実施例において、香り担体インクは、マイクロカプセルをさらに含み、香り担体インクの総重量に対するマイクロカプセルの重量比は、0%超過25%以下であり得る。
【0012】
香り担体インクの総重量に対するバインダーの重量比は、5%~10%であり、マイクロカプセルの重量比は、5%~20%であり得る。マイクロカプセルは、1.5um~5.0umの直径を有し、マイクロカプセルは、ポリビニルアルコール(polyvinyl alcohol;PVA)、香料および架橋剤を含み、マイクロカプセル内ポリビニルアルコールと香料の含量比は、1:3~1:7であり得る。
【0013】
香り担体印刷工程は、喫煙物品用チップペーパーにOPV(Over print varnish)工程が適用された後に行われ得る。
【0014】
本発明の一部の実施例によれば、喫煙物質ラッパーで包まれた喫煙物質部と、上流末端が喫煙物質部に結合され、フィルターラッパーで包まれたフィルター部と、喫煙物質部とフィルター部が結合されるように、喫煙物質部の少なくとも一部の領域とフィルター部を包むチップペーパーと、を含み、チップペーパーは、香料物質と該香料物質を包接する担体物質とから構成された香り担体を含み、担体物質に包接されている香料物質は、水分、唾液または摩擦に反応してチップペーパーの外部に発現し、担体物質は、エタノールに溶解する物質である喫煙物品が提供される。
【0015】
本発明の一部の実施例によれば、喫煙物質部と喫煙物品用フィルター部が結合されるように、喫煙物質部の少なくとも一部の領域と喫煙物品用フィルター部を包む、香料物質と香料物質を包接する担体物質が適用された喫煙物品用チップペーパーの製造方法であって、エタノールに担体物質を添加して撹拌する段階と、エタノールに担体物質が添加された溶液に香料物質を添加して撹拌する段階と、エタノールに担体物質および香料物質が添加された溶液にバインダーを添加して撹拌する段階と、エタノールに担体物質、香料物質およびバインダーが添加された溶液を香り担体インクとして使用して喫煙物品用チップペーパーに印刷する印刷段階と、を含む喫煙物品用チップペーパーの製造方法が提供される。
【0016】
一部の実施例において、印刷段階の前に、香り担体インクにマイクロカプセルを添加して撹拌する段階をさらに含み、マイクロカプセルのコア(core)は、エタノールベース香料であり、シェル(shell)は、ポリビニルアルコールであり、マイクロカプセルは、エタノールベース香料およびポリビニルアルコールを常温で撹拌する段階と、エタノールベース香料およびポリビニルアルコールが撹拌された溶液に架橋剤を添加して60℃以上100℃以下の温度で撹拌する段階と、エタノールベース香料、ポリビニルアルコールおよび架橋剤が撹拌された溶液を冷却させる段階と、を含むことができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明の実施例によれば、香料物質を香り担体物質に包接後、チップペーパーへの香り担体印刷工程を適用することによって、喫煙による指の臭いを効果的に低減させると同時に、印刷工程の適用によるチップペーパーのカールイシュー、チップペーパーの表面汚染問題を解消することができる。
【0018】
また、香料物質を担体化して印刷することによって、喫煙物品の単純保管時の香り発現量を減らすと同時に、喫煙時の香り発現量を増加させることができることとなる。
【0019】
さらには、香り担体印刷工程に使用されるインク溶媒としてエタノールを使用して、香り担体印刷工程が適用されない場合に比べて同等水準のインク乾燥程度およびチップペーパーのカール発生程度を確保することによって、香り担体の印刷作業性も確保することができることとなる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明の一部の実施例によるチップペーパーが適用された喫煙物品の概略的な構成を示す図である。
図2】実施例1、比較例1および比較例4によって製造された後2週が経過した喫煙物品に対する喫煙官能評価結果である。
図3】実施例1、比較例1および比較例4によって製造された後2ヶ月が経過した喫煙物品に対する喫煙官能評価結果である。
図4】実施例10~12、比較例1によって製造された後2週が経過した喫煙物品に対する喫煙官能評価結果である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、添付の図面を参照して本発明の好ましい実施例を詳細に説明する。本発明の利点および特徴、そしてそれらを達成する方法は、添付の図面と共に詳細に後述している実施例を参照すると明確になるだろう。しかしながら、本発明は、以下で掲示される実施例に限定されるものではなく、互いに異なる多様な形態に具現され得、単に本実施例は、本発明の掲示が完全になるようにし、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者に発明の範疇を完全に知らせるために提供されるものであり、本発明は、請求項の範疇によって定義されるのみである。明細書全般において同一の参照符号は、同一の構成要素を指す。
【0022】
別途の定義がない限り、本明細書で使用される全ての用語(技術および科学的用語を含む)は、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者に共通して理解され得る意味として使用され得る。また、一般的に使用される辞書に定義されている用語は、明白に特に定義されていない限り、理想的にまたは過度に解析されない。
【0023】
また、本明細書において単数型は、文章において特に言及しない限り、複数型も含まれ得る。明細書で使用される「含む(comprises)」および/または「含む(comprising)」は、言及された構成要素、段階、動作および/または素子は、一つ以上の他の構成要素、段階、動作および/または素子の存在または追加を排除しない。
【0024】
本明細書で使用される「第1」または「第2」等のように序数を含む用語は、多様な構成要素を説明するのに使用できるが、構成要素は、用語により限定されるべきものではない。用語は、一つの構成要素を他の構成要素から区別する目的だけで使用される。
【0025】
明細書全般において、「喫煙物品」は、タバコ(巻きタバコ)、シガレット等のように、エアロゾルを発生させることができる物を意味する。喫煙物品は、エアロゾル発生物質またはエアロゾル形成基質を含むことができる。また、喫煙物品は、板状葉タバコ、刻みたばこ、再構成タバコなどタバコ原料を基礎とする固体物質を含むことができる。喫煙物質は、揮発性化合物を含むことができる。
【0026】
また、明細書全般において「上流」または「上流方向」は、喫煙物品100を喫煙するユーザの口部から遠ざかる方向を意味し、「下流」または「下流方向」は、喫煙物品100を喫煙するユーザの口部から近づく方向を意味する。例えば、図1に示された喫煙物品100において、喫煙物質部120は、喫煙物品用フィルター110の上流または上流方向に位置する。
【0027】
ひいては、本明細書では、喫煙物品100が燃焼型巻きタバコである場合を例にあげて説明したが、これに限定されず、喫煙物品100は、電子タバコ機器等のエアロゾル生成装置(不図示)とともに使用される加熱式巻きタバコ等であってもよいことはもちろんである。
【0028】
図1は、本発明の一部の実施例によるチップペーパーが適用された喫煙物品の概略的な構成を示す図である。
【0029】
図1を参照すると、喫煙物品100は、フィルターラッパー110aで包まれたフィルター部110と、喫煙物質ラッパー120aで包まれた喫煙物質部120と、フィルター部110および喫煙物質部120を結合させるチップペーパー130とを含むことができる。
【0030】
フィルター部110は、喫煙物質部120の下流に配置されて、喫煙物質部120で発生したエアロゾル物質をユーザが吸入する直前に通過する領域であり得る。
【0031】
フィルター部110は、多様な材質から形成され得るが、例えばフィルター部110は、セルロースアセテートフィルターであり得る。
【0032】
一部の実施例において、フィルター部110は、香料物質が加香処理されないセルロースアセテートフィルターであり得るが、これに制限されず、フィルター部110は、香料物質が加香処理されたTJNS(transfer jet nozzle system)フィルターであり得る。
【0033】
一部の実施例において、フィルター部110は、内部に中空を含むチューブ形態の構造物であってもよい。また、フィルター部110は、内部(例えば、中空)に同一あるいは異形の材質のフィルム、チューブ等の構造物を挿入して製造されることもできる。
【0034】
なお、フィルター部110の製造時に可塑剤の含量を調節することによって、フィルター部110の硬度が調整され得る。可塑剤としては、トリアセチン(triacetin)が適用され得、トリアセチンは、フィルター部110の総重量に対して5~15%含まれ得るが、可塑剤の種類および含量は、これに限定されず、必要に応じて適切に調節され得る。
【0035】
本実施例のフィルター部110は、単一フィルターからなるモノフィルターとして図示されたが、これに限定されない。例えば、フィルター部110は、フィルター効率を高めるために2つのアセテートフィルターを具備したデュアルフィルターまたは三重フィルター等で設けられてもよいことは当然である。
【0036】
さらには、図示してはいないが、フィルター部110の内部には、カプセル(不図示)が含まれ得る。カプセルは、香料を含む内容液を被膜で包む構造であってもよく、例えば、カプセルは、球形または円筒形の形状を有し得る。カプセルの直径は、略2.6mm~3.5mmであり得るが、これに限定されず、カプセルの直径は、喫煙物品100の規格によって変わり得る。
【0037】
カプセルの被膜を形成する材料は、天然素材、デンプンおよび/またはゲル化剤であり得る。例えば、天然素材の被膜の場合、寒天、ペクチン、ソジウムアルギネートおよびグリセリン等で組成され得る。ゲル化剤としては、ジェランガムやゼラチンが使用され得る。また、カプセルの被膜を形成する材料としてゲル化助剤がさらに利用されることもできる。ここで、ゲル化助剤としては、例えば、塩化カルシウムが使用され得る。また、カプセルの被膜を形成する材料として可塑剤がさらに利用されることもできる。ここで、可塑剤としては、グリセリンおよび/またはソルビトールが利用され得る。また、カプセルの被膜を形成する材料として着色料がさらに利用されることもできる。
【0038】
一部の実施例において、カプセルの内容液に含まれる香料の溶媒としては、例えば、中鎖脂肪酸トリグリセリド(medium chain fatty acid triglyceride;MCTG)が利用され得る。また、内容液は、色素、乳化剤、増粘剤等の他の添加剤を含有することもできる。
【0039】
カプセルの内容液には、メントール、植物の精油等の香料が含まれ得るが、これに制限されない。
【0040】
フィルター部110は、フィルターラッパー110aにより包装され得る。一部の実施例において、フィルターラッパー110aは、耐油性を有する巻紙で製作され得る。フィルターラッパー110aは、喫煙者によりフィルター部110に含まれたカプセルが破砕されることによって、カプセルの外部に放出されるカプセル内容液がフィルターラッパー110aを通過しないようにするために、耐油巻紙で製作され得る。一部の実施例において、フィルターラッパー110aの内側面には、アルミホイルがさらに含まれることもできる。
【0041】
上述したフィルター部110は、喫煙物質部120の下流に配置されて、喫煙物質部120で発生したエアロゾル物質をユーザが吸入する直前に通過するフィルターとしての役割を行うこととなる。
【0042】
喫煙物質部120は、エアロゾル発生物質を含有し得る。例えば、喫煙物質部120は、タバコストランドを含むことができる。喫煙物質部120は、長く延びたロッド形態を有することができ、その長さ、周りおよび直径は、多様になり得る。
【0043】
一部の実施例において、エアロゾル発生物質は、グリセリン、プロピレングリコール、エチレングリコール、ジプロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコールおよびオレイルアルコールのうち少なくとも一つを含むことができる。
【0044】
一部の実施例において、喫煙物質部120は、風味剤、湿潤剤および/またはアセテート化合物のような他の添加物質を含有し得る。例えば、風味剤は、甘草、ショ糖、果糖シロップ、イソ甘味剤(isosweet)、ココア、ラベンダー、シナモン、カルダモン、セロリ、コロハ、カスカリラ、ビャクダン、ベルガモット、ゼラニウム、蜂蜜エッセンス、バラオイル、バニラ、レモンオイル、オレンジオイル、ミントオイル、ケイヒ、キャラウェイ、コニャック、ジャスミン、カモミール、メントール、ケイヒ、イランイラン、サルビア、スペアミント、ショウガ、コエンドロまたはコーヒー等を含むことができる。また、湿潤剤は、グリセリンまたはプロピレングリコール等を含むことができる。
【0045】
一部の実施例において、喫煙物質部120は、タバコ原料を粉砕した後、溶媒および多様な添加物を混合してスラリー形態に製造した後、乾燥させて、シートを形成した後、このようなシートを加工して棒等のような断片形態に形成された再構成タバコ物質を含むことができる。例えば、喫煙物質部120は、複数個のタバコ物質ストランドを含み、このようなストランド1個は、長さが略10mm~14mm(例えば、12mm)、幅が略0.8mm~1.2mm(例えば、1mm)および厚みが略0.08mm~0.12mm(例えば、0.1mm)であり得るが、これに制限されない。
【0046】
喫煙物質部120が広いタバコシート形態を加工した複数のストランド物質を含むようにすることによって、喫煙物質部120に充填されたタバコ物質の密度が増加し、これに伴い、エアロゾル発生量が増加することができ、喫煙物質部120の喫煙特性が向上することができる。
【0047】
喫煙物質部120は、喫煙物質ラッパー120aにより包装され得る。
【0048】
一部の実施例において、喫煙物質ラッパー120aには、充填剤(filler)が含まれ得、これに伴い、喫煙物質ラッパー120aの不透明度を高めたり気孔度を付与したりすることができ、巻きタバコ紙の平滑度および灰固結性が改善され得、巻きタバコ紙の白色度を増加させることができる。充填剤としては、炭酸カルシウム、二酸化チタン、酸化マグネシウム等の物質が使用され得るが、これに制限されない。
【0049】
また、図示してはいないが、喫煙物質ラッパー120aは、二重巻紙構造を有してもよい。具体的に、喫煙物質ラッパー120aは、喫煙物質部120に接し、喫煙物質部120を包むインナーラッパー(inner wrapper)(不図示)と、インナーラッパーに接し、インナーラッパーの外部を包むアウターラッパー(outer wrapper)とを含むことができる。
【0050】
フィルターラッパー110aにより包装されたフィルター部110および喫煙物質ラッパー120aにより包装された喫煙物質部120は、チップペーパー130により結合包装され得る。すなわち、チップペーパー130は、喫煙物質ラッパー120aの少なくとも一部分(例えば、下流の一部領域)およびフィルターラッパー110aの外郭に取り囲まれる。換言すれば、喫煙物質部120の少なくとも一部分およびフィルター部110は、チップペーパー130によりさらに包装され、物理的に結合され得る。
【0051】
一部の実施例において、チップペーパー130は、耐油処理されない非多孔性巻紙で製作され得るが、これに制限されない。
【0052】
チップペーパー130には、スクラロース、クエン酸等の甘味料がコーティングされていてもよい。また、チップペーパー130には、所定の物質が内添され得る。所定の物質の例としては、シリコンが該当し得るが、これに限定されない。例えば、シリコンは、温度による変化が少ない耐熱性、酸化されない耐酸化性、各種薬品に対する抵抗性、水に対する撥水性、または電気絶縁性等の特性を有する。ただし、シリコンでなくても、上述した特性を有する物質であれば、制限なしにチップペーパー130に塗布またはコーティングされ得る。
【0053】
チップペーパー130は、フィルター部110が燃焼する現象を防止することもできる。例えば、喫煙物質部120がフィルター部110に隣接する部分まで燃焼していく場合、フィルター部110まで燃焼する可能性がある。このような場合にも、チップペーパー130は、不燃性物質を含むので、フィルター部110が燃焼する現象が防止され得る。
【0054】
なお、喫煙物質ラッパー120aの製造時に、喫煙によって発生する煙によるタバコの臭いを低減するために、上述したように喫煙物質ラッパー120aに多様な組成および方式により充填剤を含ませたり、二重巻紙構造を形成したり、香料を包接する水溶性香り担体を適用させる等の多様な試みがあった。ただし、上記した多様な試みの副流煙低減効果等は別論とし、喫煙中に喫煙者の指が直接触れる部分は、喫煙物質ラッパー120aでなく、チップペーパー130であるから、指のタバコの臭いを効果的に低減させるためには、喫煙物質ラッパー120aでなく、チップペーパー130に直接適用され得る指のタバコの臭い低減技術が必要である。
【0055】
これより、本発明のチップペーパー130には、タバコの臭いをマスキングするための香料物質と香料物質を包接するための担体物質とから構成された香り担体が含まれている。香り担体は、エタノール、香料物質および担体物質からなる香り担体インクを使用した香り担体印刷工程を通じて喫煙物品用チップペーパーに含まれ得る。
【0056】
香り担体インクは、エタノールに担体物質、香料物質およびバインダーを順次に添加および撹拌して製造され得る。具体的に、香り担体インクは、 i)エタノールに担体物質を添加して略30分~60分間撹拌する段階;ii)担体物質が添加されたエタノール溶液に香料物質を添加して略15分~45分間撹拌する段階;およびiii)担体物質および香料物質が添加されたエタノール溶液にバインダーを添加して略15分~45分間撹拌する段階を通じて製造され得る。
【0057】
香り担体インクに後述するマイクロカプセルが含まれる場合、iii)段階以後にiv)担体物質、香料物質およびバインダーが添加されたエタノール溶液にマイクロカプセルを添加して略15分~45分間撹拌する段階がさらに含まれることもできる。
【0058】
香り担体印刷工程は、チップペーパーに行われるOPV(Over print varnish)工程に使用されるインクに香り担体を混合して行われることもできるが、好ましくは、チップペーパーに伝達される香り担持量を最大化するために、OPV工程以後にOPV工程と別個の印刷工程で行われることもできる。
【0059】
一部の実施例において、香り担体インクは、バインダーおよび/またはマイクロカプセルをさらに含むことができ、バインダーおよびマイクロカプセルに関する詳細な内容は後述することとする。
【0060】
本発明における担体物質は、水、イソプロピルアルコール等には溶解せず、エタノールに溶解する物質であることを特徴とする。例えば、担体物質は、2-ヒドロキシプロピル-ベータ-シクロデキストリン(2-hydroxypropyl-β-cyclodextrin)であり得る。
【0061】
これは、上述した喫煙物質ラッパー120aに香料物質を包接する水溶性香り担体物質(例えば、ベータ-シクロデキストリン(β-cyclodextrin))を適用させる方式を印刷および乾燥工程が必ず伴われるチップペーパー130にそのまま適用することが現実的に不可能なためである。具体的に、水溶性香り担体方式をチップペーパー130に適用するとき、インク溶媒として水を使用しなければならず、この場合、インクの表面エネルギーが略70mN/m~75mN/m程度に高くなって、チップペーパー130の印刷以後の乾燥工程に困難が生じ、チップペーパーの汚染、印刷されたインクおよびチップペーパーの結合力の弱化によるインク剥かれ現象等の問題が発生し得る。さらには、このように表面エネルギーが高くなったインクの乾燥のために乾燥温度を高めたり乾燥時間を増加させたりする場合、チップペーパーのカールが増加することとなる。これとは異なって、の担体方式を適用せず、チップペーパーに香料物質を印刷する場合、喫煙物品の最外郭に配置されるチップペーパーの特性上、香料物質がチップペーパーの保管期間の間喫煙物品の外部に消失したり、光/湿度等の保管条件によってチップペーパーの変色問題を引き起こしたりすることとなる。
【0062】
これとは異なって、本発明のように、チップペーパーに適用される担体物質を疎水性の香料物質を包接すると同時に、エタノールに溶解可能な、2-ヒドロキシプロピル-ベータ-シクロデキストリンのような高分子物質に適用する場合、インク溶媒としてエタノールを使用することができて、略20mN/m~50mN/m程度の表面エネルギーを有するインクを使用することができることとなり、これに伴い、チップペーパーの印刷および乾燥工程の適用が可能であり、喫煙物品の製造作業性だけでなく、変色イシューがないので、貯蔵安定性も確保することができることとなる。
【0063】
なお、担体物質に包接されている香料物質は、水分、唾液(saliva)または摩擦に反応してチップペーパー130の外部(すなわち、喫煙物品100の外部)に発現し、発現した香料物質は、チップペーパー部分を把持する喫煙者の指に転移されることによって、指のタバコの臭いのマスキング役割を行うことができることとなる。
【0064】
さらには、香料物質は、チップペーパーに喫煙者から水分または唾液(例えば、唾液)が転移されたり摩擦(例えば、喫煙者がチップペーパーを把持したりこする等)が伝達される前には、担体物質に包接されたまま発現しないので、保管期間の経過につれて香りが消失する問題または喫煙者が単純に喫煙物質を保管しているだけの状態で不要な香りが発生する問題を解消することができることとなる。
【0065】
担体物質に包接される香料物質は、バニリン(vanillin)およびエチルバニリン(ethyl vanillin)のうち少なくとも一つ以上の物質を含むことができる。
【0066】
なお、表7および表8を参照して後述するように、チップペーパーの変色イシューを考慮したバニリンおよびエチルバニリンの合算重量比は、香料物質の総重量に対して0%超過50%以下であり得る。好ましくは、香料物質の総重量に対するバニリンの重量比は、0%超過30%以下であり、エチルバニリンの重量比は、0%超過20%以下であり得る。より好ましくは、香料物質の総重量に対するバニリンの重量比は、略15%~25%であり、エチルバニリンの重量比は、略5%~15%であり得る。
【0067】
香料物質は、バニリンおよびエチルバニリンの他に多様な成分を含むことができ、表1は、上記した指のタバコの臭い低減効果が最大化されることが確認された香料物質の成分を示す。
【0068】
【表1】
【0069】
一部の実施例において、香料物質は、ローズマリーオイル(ROSEMARY OIL)、バニリン、発酵酒精、ラバンジンオイル(LAVANDIN OIL)、エチルバニリン、ユーカリプトール(EUCALYPTOL)の順の構成比を有し得る.香料物質に含有されたバニリンとユカルリプトンの含量比は、略2.5:1~3.5:1(好ましくは、約3:1)であり、香料物質に含有されたエチルバニリンとラバンジンオイルの含量比は、略0.5:1~1.5:1(好ましくは、約1:1)であり得るが、これに制限されない。
【0070】
なお、香り担体インクに香料物質が必要以上に多く含有される場合、量産工程時に本発明のチップペーパーでなく、香りが適用されてはならない他のチップペーパーにまで香りが転移される問題が発生し得、チップペーパーの製造以後の保管中に変色が発生する問題も発生し得る。
【0071】
このような問題を解消するために、香り担体インクの総重量に対する香料物質の重量比は、略0%超過3%以下であり、担体物質の重量比は、略0%超過30%以下であり得る。好ましくは、香り担体インクの総重量に対する香料物質の重量比は、略0%超過1.5%以下であり、担体物質の重量比は、略0%超過15%以下であり得る。より好ましくは、香り担体インクの総重量に対する香料物質の重量比は、略0.4%~1.3%であり、担体物質の重量比は、略5%~10%であり得る。
【0072】
香り担体インクに含まれ得るバインダーは、エタノールに溶解可能なアクリルおよびデンプン系の高分子であり得る。香り担体インクに含まれ得るバインダーが含まれることによって、香り担体に包接された香料物質のチップペーパーの残留量を増加させることができる。すなわち、バインダーを通じて喫煙物品の製造以後、保管期間の間消失し得る香料物質または香り担体をチップペーパーにさらに良好に保存させることができることとなる。
【0073】
なお、バインダーが上述した香料物質の保存役割を行うと同時に、印刷作業性も確保するためには、バインダーの適切な粘度が必要であり、このために、バインダーは、分子量が略1,000~30,000であり、ガラス転移温度(glass transition temperature)が略50℃~100℃である高分子物質であり得る。好ましくは、バインダーは、分子量が略3,000~20,000であり、ガラス転移温度が略60℃~90℃である高分子物質であり得る。バインダーの粘度があまりにも低くなると、インクが流下し、粘度があまりにも高ければ、インクが固くなって作業性が落ちると同時に、バインダー固有の性能も減少し得るためである。
【0074】
また、表4を参照して後述するように、バインダー適用量が増大するにしたがって香り保存力が増大する傾向があるが、バインダー適用量があまりにも多くなる場合、チップペーパーのカールが増加して、喫煙物品の製造に困難が生じることがある。
【0075】
このような困難を解消するために、香り担体インクの総重量に対するバインダーの重量比は、略0%超過15%以下であり得る。好ましくは、香り担体インクの総重量に対するバインダーの重量比は、略5%~10%であり得る。
【0076】
香り担体インクに含まれ得るマイクロカプセルは、ポリビニルアルコール(polyvinyl alcohol;PVA)、香料および架橋剤を含むことができる。具体的に、マイクロカプセルのコア(core)は、エタノールベース香料であり、シェル(shell)は、ポリビニルアルコールであり、架橋剤としては、硫酸ナトリウム(NaSO)が使用され得る。香料は、エタノールベース香料であり得る。マイクロカプセルは、略1.5um~5.0umの直径を有し得る。
【0077】
一部の実施例において、香料は、上述した香り担体物質に包接される香料物質と同じ組成を有してもよい。
【0078】
一部の実施例において、マイクロカプセル内ポリビニルアルコールと香料の含量比は、略1:3~1:7であり得る。好ましくは、マイクロカプセル内ポリビニルアルコールと香料の含量比は、約1:5であり得る。例えば、マイクロカプセルは、ポリビニルアルコール約5%、香料約25%および架橋剤約1.5%を撹拌することによって製造され得る。
【0079】
一部の実施例において、香り担体インクの総重量に対するマイクロカプセルの重量比は、略0%超過25%以下、好ましくは、略5%~20%であり得る。これを通じて、マイクロカプセルが過多含有されることによって発生しうる、マイクロカプセルの破れによる喫煙前の香り過多発現問題および/またはチップペーパーの表面がカプセル殻により汚染されて荒くなる問題を解消することができることとなる。
【0080】
一部の実施例において、香り担体インクの総重量に対するバインダーの重量比は、略5%~10%であり、マイクロカプセルの重量比は、略5%~20%であり得る。好ましくは、香り担体インクの総重量に対するバインダーおよびマイクロカプセルそれぞれの重量比は、略5%であり得る。
【0081】
マイクロカプセルは、i)エタノールベース香料およびポリビニルアルコールを常温で略15分~45分間撹拌する段階;ii)エタノールベース香料およびポリビニルアルコールが撹拌された溶液に架橋剤をポリビニルアルコール対比で、約30%水準で添加して略60℃以上100℃以下の温度下で、略5時間~10時間の間撹拌する段階;iii)エタノールベース香料、ポリビニルアルコールおよび架橋剤が撹拌された溶液を常温で略30分~2時間の間冷却させる段階を通じて製造され得る。
【0082】
以下、実施例と比較例を通じて本発明の構成およびそれによる効果をより詳細に説明する。しかしながら、本実施例は、本発明をより具体的に説明するためのものであり、本発明の範囲がこれらの実施例に限定されるものではない。
【0083】
[比較例1]
実施例のために試験用で製造された、1次意匠印刷および1次意匠と異なる意匠の2次意匠印刷工程が完了したチップペーパー材料にOPV印刷工程を進行した後、約15前記0m/minの乾燥速度で乾燥工程を進行した。
【0084】
[比較例2]
OPV印刷工程および乾燥工程が完了した比較例1のチップペーパー材料に香料物質が包接された水溶性香り担体を含むインクを使用した印刷工程を進行した後、約150m/minの乾燥速度で乾燥工程を進行した。水溶性香り担体印刷工程には、溶媒として水が使用され、表1の香料物質が約1.25%、β-cyclodextrinが約9%および水溶性バインダー約5%が含有された香り担体インクが使用された。
【0085】
[比較例3]
水溶性香り担体を含むインクを使用した印刷工程が完了した比較例2のチップペーパー材料に約10m/minの乾燥速度で乾燥工程を進行した。
【0086】
[実施例1]
OPV印刷工程および乾燥工程が完了した比較例1のチップペーパー材料に本発明の香り担体印刷工程を進行した後、約150m/minの乾燥速度で乾燥工程を進行した。香り担体印刷工程には、溶媒としてエタノールが使用され、表1の香料物質が約1.25%、2-hydroxypropyl-β-cyclodextrinが約9%およびバインダー約5%が含有された香り担体インクが使用された。
【0087】
[実験例1:チップペーパーの印刷後、乾燥およびカール特性の評価]
本発明の実施例によって製造されたチップペーパーの印刷後、乾燥およびカール(curl)特性を確認するために、実施例および比較例別に印刷に適用されたインクの表面エネルギー、香り担体溶解程度、インク乾燥程度およびチップペーパーのカールを分析し、その結果を表2に示した。
【0088】
【表2】
【0089】
表2に示されたように、実施例1、比較例2および3の全てにおいて、香り担体溶解程度は、いずれも良好なものと示された。ただし、水溶性香り担体の印刷が適用された比較例2におけるチップペーパーは、印刷および乾燥工程以後にインクが不完全に乾燥したことを確認し、これは、水溶性香り担体の印刷時にインク溶媒として水が使用されてインクの表面エネルギーが72.4mN/mの高い数値を有することによるものと判断される。溶媒として水が使用されたインクの完全乾燥のために乾燥速度を10m/minに下げた比較例3では、良好なインク乾燥程度を示したが、約12mmの高い数値のチップペーパーのカールが発生して、比較例3におけるチップペーパーは、巻きタバコの量産工程に適用が不可能であることを確認した。
【0090】
これとは異なって、インク溶媒としてエタノールが使用され、香り担体およびバインダーが適用された実施例1のチップペーパーは、インク乾燥程度が良好であると同時に、チップペーパーのカールも、香り担体印刷工程が適用されない比較例1の数値に比べて有意な差異が示されないので、実施例1におけるチップペーパーは、巻きタバコの量産工程への適用に全く無理がないことを確認した。
【0091】
[実施例2]
実施例のために試験用で製造された巻きタバコのチップペーパーを除去して媒質部およびフィルター部を分離した。分離した媒質部およびフィルター部を、OPV工程および香料物質が0.4%含有されたエタノールベース香り担体インクを使用して香り担体印刷工程を適用して製造した、気孔度が約100CUのチップペーパーで結合させた喫煙物品を製造した。
【0092】
[実施例3]
エタノールベース香り担体インクに香料物質が0.7%含有されたことを除いて、実施例2と同じ方式で喫煙物品を製造した。
【0093】
[実施例4]
エタノールベース香り担体インクに香料物質が1.25%含有されたことを除いて、実施例2と同じ方式で喫煙物品を製造した。
【0094】
[実施例5]
エタノールベース香り担体インクに香料物質が1.5%含有されたことを除いて、実施例2と同じ方式で喫煙物品を製造した。
【0095】
[比較例4]
実施例2~5とは異なって、香料物質を担体化せず、インクに撹拌して香り印刷工程を行ったことを除いて、実施例2と同じ方式で喫煙物品を製造した。
【0096】
[実験例2:チップペーパーの指の臭い低減指標物質の評価-バインダー未適用]
実施例および比較例による巻きタバコを喫煙したときの指の臭い低減効果を測定するために、チップペーパーで捕集された煙のバニリンおよびエチルバニリン含量の変化を分析して、表3に示した。
【0097】
実施例および比較例による喫煙物品は、いずれも、製造後2週が経過した状態で喫煙され、喫煙条件は、パフボリューム55ml、パフ時間2秒、パフ周期20秒およびパフ回数12回に設定し、バニリンおよびエチルバニリン含量の分析は、チップペーパー130にCFP(Cambridge filter pad)を包んで捕集された煙をGC(Gas chromatography)分析して行われた。
【0098】
【表3】
【0099】
表3に示されたように、全ての実施例においてバニリンおよびエチルバニリン成分が検出され、これを通じて、検出されたバニリンおよびエニルバニリン成分が指と接触して臭いをマスキングする役割を行うことができることを確認した。なお、実施例4および比較例4における分析結果をみると、インク内香料物質の含量が同一であっても、香料物質を担体化せず、香り印刷を行った場合(比較例4)より、香料物質を担体物質に包接して香り担体の印刷を行った場合(実施例4)においてさらに多くのバニリンおよびエチルバニリン成分が検出されたことを確認することができる。
【0100】
さらには、実施例2~実施例5における分析結果をみると、香り担体インク内香料物質の含量が増加するにしだかってチップペーパーで発現するバニリンおよびエチルバニリン成分量が増加する傾向を示した。ただし、担体化した香料物質の含量が1.5%である実施例5の場合、量産工程時に、本発明のチップペーパーでなく、香りが適用されてならない他のチップペーパーにまで香りが転移される問題が発生して、担体化した香料物質の含量が1.25%である実施例4において喫煙による指の臭い低減の効果に優れていると同時に、巻きタバコの量産可能範囲内にあることを確認した。
【0101】
[実施例6]
エタノールベース香り担体インクにバインダーが1.0%含有されたことを除いて、表3を参照して説明した実施例4と同じ方式で喫煙物品を製造した。バインダーは、分子量が約18,000であり、ガラス転移温度が約80℃である高分子物質が使用された。
【0102】
[実施例7]
エタノールベース香り担体インクにバインダーが3.0%含有されたことを除いて、実施例6と同じ方式で喫煙物品を製造した。
【0103】
[実施例8]
エタノールベース香り担体インクにバインダーが5.0%含有されたことを除いて、実施例6と同じ方式で喫煙物品を製造した。
【0104】
[実施例9]
エタノールベース香り担体インクにバインダーが15.0%含有されたことを除いて、実施例6と同じ方式で喫煙物品を製造した。
【0105】
[実験例3:チップペーパーの指の臭い低減指標物質の評価-バインダー適用]
実施例および比較例による巻きタバコを喫煙したときの指の臭い低減効果を測定するために、チップペーパーで捕集された煙のバニリンおよびエチルバニリン含量の変化を分析して、表4に示した。
【0106】
【表4】
【0107】
表4に示されたように、香り担体インク内バインダーの含量が増加するにしたがってチップペーパーで発現するバニリンおよびエチルバニリン成分量が増加する傾向が示された。ただし、バインダー含量が15%である実施例9の場合、チップペーパーのカールが過多に増加する問題が発生して、バインダーの含量が5%~10%になるとき、喫煙による指の臭い低減の効果に優れていると同時に、チップペーパーのカールイシューも解消され得ることを確認した。
【0108】
[実施例10]
エタノールベース香り担体インクにマイクロカプセルが5.0%含有されたことを除いて、表4を参照して説明した実施例8と同じ方式で喫煙物品を製造した。マイクロカプセルは、コアがエタノールベース香料であり、シェルがポリビニルアルコールから構成され、硫酸ナトリウムが架橋剤として使用された、略1.5um~5.0umの直径を有するマイクロカプセルが使用された。
【0109】
[実施例11]
エタノールベース香り担体インクにバインダーが10.0%含有されたことを除いて、実施例10と同じ方式で喫煙物品を製造した。
【0110】
[実施例12]
エタノールベース香り担体インクにマイクロカプセルが15.0%含有されたことを除いて、実施例11と同じ方式で喫煙物品を製造した。
【0111】
[実施例13]
エタノールベース香り担体インクにマイクロカプセルが25.0%含有されたことを除いて、実施例12と同じ方式で喫煙物品を製造した。
【0112】
[実験例4:チップペーパーの指の臭い低減指標物質の評価-バインダー適用およびマイクロカプセル適用]
実施例および比較例による巻きタバコを喫煙したときの指の臭い低減効果を測定するために、チップペーパーで捕集された煙のバニリンおよびエチルバニリン含量の変化を分析して、表5に示した。
【0113】
【表5】
【0114】
表5に示されたように、香り担体インク内マイクロカプセルの含量が増加するにしたがってチップペーパーで発現するバニリンおよびエチルバニリン成分量が増加する傾向が示された。ただし、マイクロカプセル含量が25%である実施例13の場合、喫煙前に巻きタバコの保管状態で発生する外香強度が過多に増加し、マイクロカプセルの破れによるチップペーパーの表面汚染が発生して、マイクロカプセルの含量が10%~20%になるとき、喫煙による指の臭い低減の効果に優れていると同時に、外香強度およびチップペーパーの表面汚染問題が解消され得ることを確認した。
【0115】
[実験例5:チップペーパーの印刷作業性/後続工程作業性の評価]
本発明の実施例によって製造されたチップペーパーの印刷作業性および印刷後に巻きタバコ製造のための後続工程の作業性特性を確認するために、チップペーパーの物理的特性を分析し、その結果を表6に示した。実験例5におけるチップペーパーの物理的特性の分析は、実施例8および実施例10~12それぞれの喫煙物品に組み立てられる以前のチップペーパーを評価対象とした。
【0116】
【表6】
【0117】
表6に示されたように、実施例8および実施例10~12の全てにおいてチップペーパーの印刷作業性が良好であり、インクが不十分に乾燥されたままペーパーが巻かれて裏面に転移されて発生しうるチップペーパーの表裏面の接着問題が発生せず、チップペーパーの表面がすべりやすくてスリップがひどいか、表面が非常に荒くなる問題なく、スリップ性が良好であり、チップペーパーのカールも、適正数値の範囲内にあることが分かる。これに伴い、実施例の範囲内香料物質、バインダーおよびマイクロカプセルを含む香り担体インクを使用した香り担体の印刷作業性に問題がないことを確認した。
【0118】
[実施例14]
実施例のために試験用で製造された巻きタバコのチップペーパーを除去して媒質部およびフィルター部を分離した。分離した媒質部およびフィルター部を、OPV工程および香料物質が1.25%含有されたエタノールベース香り担体インクを使用して香り担体印刷工程を適用して製造した、気孔度が約100CUのチップペーパーで結合させた喫煙物品を製造した。ここで、香料物質には、バニリンが5%、エチルバニリンが10%含有された。
【0119】
[実施例15]
香料物質にバニリンが10%含有されたことを除いて、実施例14と同じ方式で喫煙物品を製造した。
【0120】
[実施例16]
香料物質にバニリンが20%含有されたことを除いて、実施例14と同じ方式で喫煙物品を製造した。
【0121】
[実施例17]
香料物質にバニリンが30%含有されたことを除いて、実施例14と同じ方式で喫煙物品を製造した。
【0122】
[実施例18]
香料物質にバニリンが40%含有されたことを除いて、実施例14と同じ方式で喫煙物品を製造した。
【0123】
[比較例5]
実施例13~17とは異なって、香料物質を担体化せず、インクに撹拌して香り印刷工程を行ったことを除いて、実施例15と同じ方式で喫煙物品を製造した。
【0124】
[実験例6:香料物質内バニリン含量の変化による色安定性の評価]
香料物質内バニリン含量の変化によるチップペーパーの色安定性を評価するために、製造直後の巻きタバコと製造後2ヶ月が経過した巻きタバコの色変化程度をCIELAB色空間における色差△Eで数値化して表7に示した。巻きタバコは、2ヶ月間、温度が約40℃であり、相対湿度が約60%である条件で保管された。
【0125】
【表7】
【0126】
実施例14~実施例18における分析結果をみると、香料物質内バニリン含量が増加するにしたがって(エチルバニリンの含量は10%に固定)、チップペーパーの変色程度が増加することを確認することができる。特に、バニリン含量が30%以上である実施例17および18において変色が肉眼で観察されることもできる数値で変色程度が急激に増加したことが分かり、バニリン含量が5%~20%である実施例14~16においては、チップペーパーの変色程度が極僅かであることが分かる。また、実施例16および比較例5における分析結果をみると、香料物質内バニリン、エチルバニリン含量が同一であっても、香料物質を担体化せず、香り印刷を行った場合(比較例5)より、香料物質を担体物質に包接して香り担体印刷を行った場合(実施例16)において変色程度が小さいことを確認することができた。
【0127】
[実施例19]
香料物質にバニリンが20%、エチルバニリンが5%含有されたことを除いて、表7を参照して説明した実施例14と同じ方式で喫煙物品を製造した。
【0128】
[実施例20]
香料物質にエチルバニリンが20%含有されたことを除いて、実施例19と同じ方式で喫煙物品を製造した。
【0129】
[実施例21]
香料物質にエチルバニリンが30%含有されたことを除いて、実施例19と同じ方式で喫煙物品を製造した。
【0130】
[実施例22]
香料物質にエチルバニリンが40%含有されたことを除いて、実施例19と同じ方式で喫煙物品を製造した。
【0131】
[実験例7:香料物質内エチルバニリン含量の変化による色安定性の評価]
香料物質内エチルバニリン含量の変化によるチップペーパーの色安定性を評価するために、製造直後の巻きタバコと製造後2ヶ月が経過した巻きタバコの色変化程度をCIELAB色空間での色差で数値化して表8に示した。巻きタバコは、2ヶ月間、温度が約40℃であり、相対湿度が約60%である条件で保管された。
【0132】
【表8】
【0133】
実験例6と同様に、実施例19~実施例22における分析結果をみると、香料物質内エチルバニリン含量が増加するにしたがって(バニリンの含量は20%に固定)、チップペーパーの変色程度が増加することを確認することができる。特に、エチルバニリン含量が20%以上である実施例20~22において変色が肉眼で観察されることもできる数値で変色程度が急激に増加したことが分かり、エチルバニリン含量が5%~10%である実施例16および19においては、チップペーパーの変色程度が極僅かであることが分かる。
【0134】
[実験例8:香り担体適用チップペーパーの喫煙官能評価]
本発明の香り担体適用チップペーパーの官能特性を確認するために、実施例1、比較例1および比較例4による喫煙物品の外香強度、タバコの味強度、喫煙後の指のタバコの臭い強度、喫煙後の指に残った香り強度および指に残った香り満足度に対する官能評価を実施した。
【0135】
官能特性の評価は、実施例1、比較例1および比較例4の喫煙物品を利用して20人の評価パネルを対象として実施し、合計8点満点を基準とした。
【0136】
図2は、実施例1、比較例1および比較例4によって製造された後、常温で2週間保管された喫煙物品に対する喫煙官能評価結果であり、図3は、実施例1、比較例1および比較例4によって製造された後、常温で2ヶ月間保管された喫煙物品に対する喫煙官能評価結果である。
【0137】
図2および図3を参照すると、香り印刷が適用されない比較例1の巻きタバコに比べて香り印刷が適用された比較例4の巻きタバコにおける外香強度(すなわち、喫煙者の指によるチップペーパーのこすりがなく、喫煙者の口から唾液が伝達される前の状態における香り強度)が顕著に増加したことを確認することができる。これとは異なって、香り担体印刷が適用された実施例1の巻きタバコでは、比較例1の巻きタバコに比べて外香強度が多少増加したが、比較例4と比較するときは、格別に低い数値の外香強度を有することが分かる。
【0138】
喫煙後の指に残った香り強度は、比較例1に比べて比較例4および実施例1において大きく増加し、実施例1が比較例4に比べて若干増加したことを確認することができる。喫煙後の指のタバコの臭い強度は、比較例1に比べて比較例4および実施例1において減少し、実施例1が比較例4に比べて減少したことを確認することができる。
【0139】
外香強度が比較例4に比べて実施例1においてさらに低い数値が示された点および喫煙後の指に残った香り強度が比較例4に比べて実施例1においてさらに高い数値が示された点を共に考慮するとき、香料物質を担体化して印刷する場合(実施例1)、担体化を適用しない場合(比較例4)より、喫煙前の香り発現量が相対的に減少し、喫煙時の香り発現量が相対的に大きくなることを確認することができる。
【0140】
タバコの味強度は、実施例1、比較例1および比較例4の全てにおいて大きな差異を示されないので、香り印刷の適用による喫味感の低下は発生しないものと予想される。
【0141】
[実験例9:マイクロカプセル追加適用の有無による喫煙官能評価]
マイクロカプセル追加適用の有無による官能特性の変化を確認するために、実施例10~12および比較例1による喫煙物品の外香強度、タバコの味強度、喫煙後に指のタバコの臭い強度、喫煙後の指に残った香り強度および指に残った香り満足度に対する官能評価を実施した。官能特性の評価は、実施例10~12および比較例1の喫煙物品を用いて20人の評価パネルを対象として実施し、合計8点満点を基準とした。
【0142】
図4は、実施例10~12、比較例1によって製造された後2週が経過した喫煙物品に対する喫煙官能評価結果である。
【0143】
図4を参照すると、香り担体インク内バインダーおよび/またはマイクロカプセル含量が増加するにしたがって、概して外香強度、喫煙後の指に残った香り強度および指に残った香り満足度が増加し、喫煙後の指のタバコの臭い強度は減少する傾向が示された。
【0144】
実施例10~12の全てにおいて、比較例1対比の外香強度の増加値より、比較例1対比の喫煙後の指に残った香り強度の増加値がさらに大きいことを確認することができて、実施例10~12の全てにおいて巻きタバコの保管時には、香りが実質的に発現しないが、喫煙者の喫煙行為により実質的に香りが発現することが分かる。
【0145】
本実施例と関連した技術分野における通常の知識を有するは、上記した記載の本質的な特性を逸脱しない範囲で変形された形態で具現され得ることを理解することができる。したがって、開示された方法は、限定的な観点でなく、説明的な観点で考慮されなければならない。本発明の範囲は、前述した説明でなく、特許請求範囲に示されており、それと同等な範囲内にある全ての差異点は、本発明に含まれたものと解すべきである。
図1
図2
図3
図4