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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-11
(45)【発行日】2022-10-19
(54)【発明の名称】半導体装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/338 20060101AFI20221012BHJP
   H01L 29/812 20060101ALI20221012BHJP
   H01L 29/778 20060101ALI20221012BHJP
   H01L 29/47 20060101ALI20221012BHJP
   H01L 29/872 20060101ALI20221012BHJP
   H01L 29/41 20060101ALI20221012BHJP
【FI】
H01L29/80 L
H01L29/80 H
H01L29/80 E
H01L29/48 D
H01L29/48 M
H01L29/44 P
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2018171589
(22)【出願日】2018-09-13
(65)【公開番号】P2020043295
(43)【公開日】2020-03-19
【審査請求日】2021-06-21
(73)【特許権者】
【識別番号】000154325
【氏名又は名称】住友電工デバイス・イノベーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100136722
【弁理士】
【氏名又は名称】▲高▼木 邦夫
(74)【代理人】
【識別番号】100186761
【弁理士】
【氏名又は名称】上村 勇太
(72)【発明者】
【氏名】水江 千帆子
【審査官】岩本 勉
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-159157(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2008/0073671(US,A1)
【文献】特開2008-034406(JP,A)
【文献】特開2012-119586(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2012/0138956(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第102569378(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 29/812
H01L 29/778
H01L 21/338
H01L 29/47
H01L 29/41
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
活性領域及び当該活性領域を囲む外領域と、
前記活性領域上で第1の方向に沿って延在するゲート電極、ドレイン電極及びソース電極と、
前記ドレイン電極の平面形状に沿った形状を有するドレインフィンガ、及び、前記外領域にて前記第1の方向に直交する第2の方向に沿って延在し、当該ドレインフィンガに接続されるドレインバーを含むドレイン配線と、
前記ソース電極の平面形状に沿った形状を有するソースフィンガ、及び、前記外領域において前記第2の方向に沿って延在し、当該ソースフィンガに接続するソースバーを含むソース配線と、
を備え、
前記ソースバーは、前記活性領域を挟んで前記ドレインバーとは反対側に位置し、
前記ソース電極及び前記ソースフィンガのそれぞれにおいて、前記ドレインバーに対向する第1の辺の中央部には、当該第1の辺と前記ドレインバーとの間隔以上に当該第1の辺の両側部に対して窪む第1の凹部が設けられる、半導体装置。
【請求項2】
前記ソースバーと前記活性領域との間に位置すると共に前記第2の方向に沿って延在し、前記ゲート電極に接続されるゲート配線をさらに備え、
前記ソース電極において前記ゲート配線に対向する第2の辺の中央部には、当該第2の辺と前記ゲート配線との間隔以上に当該第2の辺の両側部に対して窪む第2の凹部が設けられる、請求項1に記載の半導体装置。
【請求項3】
前記ソースフィンガは、前記第2の凹部に重なる開口を有する、請求項2に記載の半導体装置。
【請求項4】
前記第1の凹部と前記第2の凹部との前記第1の方向に沿った間隔は、前記第1の方向に沿った前記ソース電極の長さの150/350以下である、請求項2又は3に記載の半導体装置。
【請求項5】
前記活性領域において前記ドレインバーに対向する第3の辺には、前記第1の凹部に沿って窪む第3の凹部が設けられる、請求項1~4のいずれか一項に記載の半導体装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体装置として、例えば下記特許文献1に記載される高周波用の電界効果トランジスタ(FET:Field Effect Transistor)が挙げられる。下記特許文献1におけるFETは、ソースオーミック電極及びドレインオーミック電極を備える。ソースオーミック電極は、ソースフィンガを介してソース引出し電極に接続される。ドレインオーミック電極は、ドレインフィンガを介してドレイン引出し電極に接続される。また、ソースオーミック電極に比較してソースフィンガの先端が後退し、且つ、ドレインオーミック電極に比較してドレインフィンガの先端が後退している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2001-284367号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1に示されるようなFETの高周波特性を向上するためには、局所的な発熱の抑制、及び寄生容量の低減が効果的である。ここで、上記特許文献1のFETの抵抗値は、後退したソースフィンガ及びドレインフィンガによって上昇する傾向にある。この抵抗値上昇に起因して、FETに局所的な発熱が生じやすくなってしまう。局所的な発熱を抑制するため、ソースフィンガの先端をソースオーミック電極に合わせ、ドレインフィンガの先端をドレインオーミック電極に合わせることが考えられる。この場合、例えばドレインフィンガとソース引き出し電極との寄生容量が増加してしまう。
【0005】
本発明の一側面は、局所的な発熱と寄生容量の上昇とを抑制できる半導体装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一側面に係る半導体装置は、活性領域及び当該活性領域を囲む外領域と、活性領域上で第1の方向に沿って延在するゲート電極、ドレイン電極及びソース電極と、ドレイン電極の平面形状に沿った形状を有するドレインフィンガ、及び、外領域にて第1の方向に直交する第2の方向に沿って延在し、当該ドレインフィンガに接続されるドレインバーを含むドレイン配線と、ソース電極の平面形状に沿った形状を有するソースフィンガ、及び、外領域において第2の方向に沿って延在し、当該ソースフィンガに接続するソースバーを含むソース配線と、を備える。ソースバーは、活性領域を挟んでドレインバーとは反対側に位置し、ソース電極及びソースフィンガのそれぞれにおいて、ドレインバーに対向する第1の辺の中央部には、当該第1の辺とドレインバーとの間隔以上に当該第1の辺の両側部に対して窪む第1の凹部が設けられる。
【発明の効果】
【0007】
本発明の一側面によれば、局所的な発熱と寄生容量の上昇とを抑制できる半導体装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、本実施形態に係る半導体装置の一例を示す概略平面図である。
図2図2は、図1のII-II線に沿った断面図である。
図3図3(a)~(c)は、実施形態に係るトランジスタの製造方法を説明する図である。
図4図4(a)~(c)は、実施形態に係るトランジスタの製造方法を説明する図である。
図5図5は、実施形態に係るトランジスタの製造方法を説明する図であって、ゲート電極が形成されたときの概略平面図である。
図6図6は、実施形態に係るトランジスタの製造方法を説明する図であって、絶縁膜に各開口が形成されたときの概略平面図である。
図7図7は、実施形態に係るトランジスタの製造方法を説明する図であって、図6のVII-VII線に沿った断面図である。
図8図8(a),(b)は、実施形態に係るトランジスタの製造方法を説明する図であって、ソースフィンガ付近の製造方法を拡大した図である。
図9図9(a),(b)は、実施形態に係るトランジスタの製造方法を説明する図であって、ソースフィンガ付近の製造方法を拡大した図である。
図10図10は、従来のトランジスタを示す概略平面図である。
図11図11は、変形例に係るトランジスタの概略平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の実施形態に係る半導体装置の具体例を、以下に図面を参照しつつ説明する。なお、本発明はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。以下の説明では、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0010】
図1は、本実施形態に係る半導体装置の一例を示す概略平面図である。図1に示される半導体装置であるトランジスタ1は、互いに並列接続される複数のトランジスタを有するマルチフィンガートランジスタであり、例えばパワーデバイスとして利用される。トランジスタ1は、活性領域2に設けられており、複数のゲート電極3、複数のドレイン電極4及び複数のソース電極5を有する。活性領域2は、平面視にて不活性領域(外領域)6に囲まれる半導体領域である。活性領域2及び不活性領域6のそれぞれは、後述する基板101上に設けられる。
【0011】
複数のゲート電極3は、活性領域2上で一方向に沿って延在する導電体である。以下では、ゲート電極3が延在する方向を第1の方向D1とし、平面視にて第1の方向D1に直交する方向を第2の方向D2とする。各ゲート電極3の一部は、活性領域2上だけでなく不活性領域6上にも延在する。当該一部同士は、ゲート配線7を介して互いに接続される。ゲート配線7は、第2の方向D2に沿って延在するゲートバー11と、ゲートバー11に接続されるゲートパッド12とを有する。ゲートバー11は、不活性領域6上に位置している。ゲートパッド12は、ゲートバー11を介してゲート電極3の反対側に位置する。ゲート電極3とゲート配線7とは、同時に形成される。
【0012】
複数のドレイン電極4は、ゲート電極3と同様に、活性領域2上で第1の方向D1に沿って延在する導電体である。第1の方向D1に沿ったドレイン電極4の長さd1は、例えば350μmである。この長さd1は、第1の方向D1に沿った活性領域2の長さと略同一である。また、第2の方向D2に沿ったドレイン電極4の長さd2は、例えば20μm以上40μm以下である。なお、第2の方向D2においてドレイン電極4を挟む2つのゲート電極3の間隔は、例えば25μm以上45μm以下である。ドレイン電極4を構成する材料等の説明は、後述する。
【0013】
各ドレイン電極4上にはドレイン配線8が位置している。ドレイン配線8は、ドレイン電極4に接続される導電体であり、ドレイン電極4の平面形状に沿った形状を有するドレインフィンガ21と、ドレインフィンガ21に接続されるドレインバー22とを有する。ドレインフィンガ21の一部は、活性領域2上だけでなく不活性領域6上にも延在する。このため、ドレインフィンガ21は、活性領域2上に位置すると共にドレイン電極4の平面形状に沿った形状を有する領域と、不活性領域6上に位置する領域とを含む。ドレインフィンガ21は、ドレイン電極4を覆う第2のSiN膜112の開口112bと、絶縁膜113の開口113aとを介して、ドレイン電極4に接続される(後述する図2を参照)。ドレインバー22は、ドレインフィンガ21同士を接続するための導電体であり、不活性領域6上にて第2の方向D2に沿って延在する。ドレインバー22は、ドレインフィンガ21において不活性領域6上に位置する領域に接続される。ドレインフィンガ21とドレインバー22とは、同時に形成される。
【0014】
複数のソース電極5は、ゲート電極3及びドレイン電極4と同様に、活性領域2上で第1の方向に沿って延在する導電体である。第1の方向D1に沿ったソース電極5の長さd3は、例えば350μmである。また、第2の方向D2に沿ったソース電極5の長さd4は、例えば25μm以上80μm以下である。第2の方向D2の方向においてゲート電極3、ソース電極5、ゲート電極3、ドレイン電極4の順になるように、活性領域2上に設けられる。ソース電極5を構成する材料等の説明は、後述する。
【0015】
各ソース電極5上にはソース配線9が位置している。ソース配線9は、ソース電極5に接続される導電体であり、ソース電極5の平面形状に沿った形状を有するソースフィンガ31と、ソースフィンガ31に接続されるソースバー32と、ソースバー32に接続されるソースパッド33とを有する。ソースフィンガ31の一部は、活性領域2上だけでなく不活性領域6上にも延在する。このため、ソースフィンガ31は、活性領域2上に位置すると共にソース電極5の平面形状に沿った形状を有する領域と、不活性領域6上に位置する領域とを含む。ソースフィンガ31は、ソース電極5を覆う第2のSiN膜112の開口112cと、絶縁膜113の開口113bとを介して、ソース電極5に接続される(後述する図2を参照)。ソースバー32は、ソースフィンガ31同士を接続するための導電体であり、不活性領域6上にて第2の方向D2に沿って延在する。ソースバー32は、平面視にて活性領域2を挟んでドレインバー22の反対側に位置する。また、ソースバー32は、平面視にてゲートバー11を介して活性領域2の反対側に位置する。換言すると、ゲートバー11は、平面視にてソースバー32と活性領域2との間に位置する。ソースバー32は、ソースフィンガ31において不活性領域6上に位置する領域と接続する。ソースパッド33は、ソースバー32を挟んでソースフィンガ31の反対側に位置する。本実施形態ではソース配線9は複数のソースパッド33を有しているが、これに限られない。ソースフィンガ31と、ソースバー32と、ソースパッド33とは、同時に形成される。
【0016】
次に、平面視におけるソース電極5及びソースフィンガ31の具体的な形状について説明する。まず、平面視におけるソース電極5の形状について説明する。ソース電極5は、第1の方向D1においてドレインバー22に対向する辺5a(第1の辺)と、第1の方向D1においてゲートバー11に対向する辺5b(第2の辺)とを有する。辺5aは、第2の方向D2に沿って延在しており、中央部と、当該中央部を挟む両側部とを有する。第2の方向D2における当該中央部の長さは長いほどよく、例えば辺5bに対する当該中央部の長さは、40%以上90%以下である。一実施例では、第2の方向D2に沿った当該中央部の長さW1は、例えば15μm以上60μm以下であり、第2の方向D2に沿った各側部の長さW2は、例えば5μm以上10μm以下である。辺5aの上記中央部には、辺5aの両側部に対して窪む凹部5c(第1の凹部)が設けられる。よって、辺5aの中央部は、辺5aの両側部よりもソース電極5の中心側に位置する。第1の方向D1に沿った辺5aの両側部とドレインバー22との間隔S1は、例えば15μm以上30μm以下である。一方、第1の方向D1に沿った凹部5cの深さd5は、間隔S1以上であり、例えば15μm以上100μm以下である。
【0017】
辺5bは、辺5aと同様に第2の方向D2に沿って延在しており、且つ、中央部と、当該中央部を挟む両側部とを有する。第2の方向D2における当該中央部の長さは長いほどよい。一実施例では、辺5bの中央部の長さは、辺5aの中央部の長さW1と同一である。辺5bの中央部には、辺5bの両側部に対して窪む凹部5d(第2の凹部)が設けられる。ここで、第1の方向D1に沿った辺5bの両側部とゲートバー11との間隔S2は、例えば15μm以上30μm以下である。一方、第1の方向D1に沿った凹部5dの深さd6は、間隔S2以上であり、例えば15μm以上100μm以下である。このため、ソース電極5は、平面視にて略H型形状を呈する。また、第1の方向D1に沿った凹部5c,5dの間隔S3は、ソース電極5の長さd3の150/350以下である。
【0018】
続いて、平面視におけるソースフィンガ31の形状について説明する。上述したように、ソース配線9のソースフィンガ31は、ソース電極5の平面形状に沿った形状を有する領域を含む。ソースフィンガ31は、第1の方向D1においてドレインバー22に対向する辺31a(第1の辺)を有する。辺31aは、辺5aに沿って設けられており、中央部と、当該中央部を挟む両側部とを有する。第2の方向D2に沿った辺31aの中央部の長さは、辺5aの中央部の長さW1と同程度である。辺31aの中央部には、辺31aの両側部に対して窪む凹部31b(第1の凹部)が設けられる。第1の方向D1に沿った凹部31bの深さは、ソース電極5の凹部5cの深さd5と同程度である。加えて、ソースフィンガ31は、凹部5dに重なる開口31cを有する。開口31cは、活性領域2上及び不活性領域6上に設けられる。平面視にて、第1の方向D1における開口31cは、ソースバー32から辺5bまで延在している。このため、ソースフィンガ31は、平面視にて略H型形状を呈する。加えて、開口31cはゲートバー11にも重なっている。第1の方向D1に沿った凹部31bと開口31cとの間隔S4は、第1の方向D1に沿った凹部5c,5dの間隔S3と略同一である。
【0019】
次に、図2を参照しながらトランジスタ1に含まれる一つの電界効果トランジスタ(FET)の構成を説明する。図2は、図1のII-II線に沿った断面図である。図2に示されるように、FET100は、基板101、半導体積層体102、第1のSiN膜1111、第2のSiN膜112、ゲート電極3、ドレイン電極4、ソース電極5、絶縁膜113、ドレインフィンガ21、及びソースフィンガ31を備える。半導体積層体102は、基板101から順に、バッファ層103、チャネル層104、バリア層105、及びキャップ層106を含む半導体層である。FET100は、高電子移動度トランジスタ(HEMT)である。チャネル層104内であってチャネル層104とバリア層105との界面近傍には、2次元電子ガス(2 Dimensional Electron Gas;2DEG)が生じる。これにより、チャネル層104内にチャネル領域が形成される。
【0020】
基板101は、結晶成長用の基板である。基板101として、例えばSiC基板、GaN基板、又はサファイア(Al)基板が挙げられる。バッファ層103は、チャネル層104及びバリア層105を基板101上にエピタキシャル成長するための緩衝層である。バッファ層103は、窒化物半導体から構成され、例えばAlN層である。チャネル層104は、バッファ層103上にエピタキシャル成長した半導体層である。チャネル層104は、窒化物半導体から構成され、例えばGaN層である。バリア層105は、チャネル層104上にエピタキシャル成長した半導体層である。バリア層105は、チャネル層104よりも電子親和力が大きい窒化物半導体から構成され、例えばAlGaN層、InAlN層、あるいはInAlGaN層を含む。バリア層105はn型の導電性を示してもよい。キャップ層106は、バリア層105上にエピタキシャル成長した半導体層である。キャップ層106は、窒化物半導体から構成され、例えばGaN層である。キャップ層106も不純物を含んでもよい。
【0021】
第1のSiN膜111は、キャップ層106上に設けられた絶縁性の保護膜である。第1のSiN膜111は、半導体積層体102の表面を保護するために設けられる。後述するように、第2のSiN膜112よりもエッチング耐性を高めるために、第1のSiN膜111は減圧CVD法(Low Pressure Chemical Vapor Deposition;LPCVD)、もしくはプラズマCVD法によって形成される。LPCVD法は、成膜圧力を下げ、成膜温度を高くすることによって、緻密な膜を形成する方法である。
【0022】
第1のSiN膜111には、ゲート開口111aと、ドレイン開口111bと、ソース開口111cとが形成されている。ゲート開口111aは、ドレイン開口111bとソース開口111cとの間に位置する。ゲート開口111a内では、キャップ層106が露出している。ゲート開口111aの開口幅は、例えば50nm以上600nm以下である。ドレイン開口111b及びソース開口111c内ではキャップ層106が除去されており、バリア層105が露出している。
【0023】
ゲート電極3は、半導体積層体102においてドレイン電極4とソース電極5との間に位置する領域上に設けられ、ゲート開口111aを介してキャップ層106に接している。具体的には、ゲート電極3は、少なくともゲート開口111aを埋め込んでいる。また、ゲート電極3の一部は、第2のSiN膜112上に位置する。ゲート電極3は、キャップ層106とショットキ接触する材料を含み、例えばニッケル(Ni)層と金(Au)層との積層構造を有する。この場合、Ni層がキャップ層106にショットキ接触する。なお、キャップ層106とショットキ接触できる材料としては、Niの他にPt(白金)等が挙げられる。ゲート電極3の厚さは、例えば0.3μm以上1μm以下である。
【0024】
ドレイン電極4は、ドレイン開口111bを塞ぎ、かつ、半導体積層体102上に設けられる。ドレイン電極4は、ドレイン開口111bを介してバリア層105と接している。ソース電極5は、ソース開口111cを塞ぎ、かつ、半導体積層体102上に設けられる。ソース電極5は、ソース開口111cを介してバリア層105と接している。ドレイン電極4及びソース電極5は、オーミック電極であり、例えば互いに重なるタンタル(Ta)層とアルミニウム(Al)層との合金である。ドレイン電極4及びソース電極5は、Ta層、Al層、及びAl層の上に位置する他のTa層との合金でもよい。ドレイン電極4及びソース電極5の厚さは、例えば0.3μm以上1μmである。Ta層の代わりにチタン(Ti)層が用いられてもよい。
【0025】
第2のSiN膜112は、第1のSiN膜111上に設けられる。第2のSiN膜112は、例えばプラズマCVD法によって形成される。プラズマCVD法では成膜温度が比較的低温(例えば300℃~350℃)に設定される。プラズマCVD法によって形成されるSiN膜の膜質は、LPCVD法によって形成されるSiN膜よりも疎である。第2のSiN膜112の厚さは、例えば30nm以上200nm以下である。
【0026】
第2のSiN膜112には、開口112a,112b及び112cが形成されている。開口112aは、第1のSiN膜111のゲート開口111a上に位置し、第1のSiN膜111のうちゲート開口111a及びその周辺部を露出させる。開口112aの開口幅は、ゲート開口111aの開口幅よりも広い。開口112bは、第2のSiN膜112のうちドレイン電極4を覆う部分に形成されており、ドレイン電極4の上面を露出する。開口112cは、第2のSiN膜112のうちソース電極5を覆う部分に形成されており、ソース電極5の上面を露出する。
【0027】
絶縁膜113は、ゲート電極3、ドレイン電極4及びソース電極5上に設けられた保護膜である。絶縁膜113は、例えばプラズマCVD法によって形成されるSiN膜である。絶縁膜113の厚さは、例えばゲート電極3の厚さよりも大きく、0.5μm以上5μm以下である。この場合、ゲート電極3を良好に保護できる。絶縁膜113には、開口113a及び113bが形成されている。開口113aは、開口112bに重なって設けられ、ドレイン電極4の上面を露出する。開口113aにはドレインフィンガ21を構成する導電体が充填される。このためドレイン電極4は、開口112b,113aを介してドレインフィンガ21に接続される。開口113bは、開口112cに重なって設けられ、ソース電極5の上面を露出する。開口113bにはソースフィンガ31を構成する導電体が充填される。このためソース電極5は、開口112c,113bを介してソースフィンガ31に接続される。
【0028】
次に、図3図9を参照しながらトランジスタ1の製造方法を説明する。図3(a)~(c)、図4(a)~(c)、図5図7図8(a),(b)及び図9(a),(b)は、本実施形態に係るトランジスタ1の製造方法を説明する図である。なお、図5は、ゲート電極3が形成されたときの概略平面図である。図6は、絶縁膜113に各開口が形成されたときの概略平面図であり、図7は、図6のVII-VII線に沿った断面図である。図8(a),(b)及び図9(a),(b)は、トランジスタ1のうちソースフィンガ31付近の製造方法を拡大した図である。
【0029】
まず、図3(a)に示されるように、バッファ層103、チャネル層104、バリア層105、及びキャップ層106を含む半導体積層体102を基板101上に形成する。例えば、バッファ層103として機能するAlN層、チャネル層104として機能するGaN層、バリア層105として機能するAlGaN層、及びキャップ層106として機能するGaN層を、SiC基板上に順にエピタキシャル成長する。例えば、有機金属気相成長法(Metal Organic Chemical Vapor Deposition;MOCVD)によって、半導体積層体102を形成する。そして、半導体積層体102の一部を不活性化する。これにより、活性領域2及び不活性領域6(図1を参照)を基板101上に形成する。例えば半導体積層体102の一部にイオン注入することによって、当該一部に不活性領域6が形成される。もしくは、半導体積層体102において活性領域2を除く部分を除去することによって、基板101上に不活性領域6が形成されてもよい。この場合、活性領域2はメサ構造を有する。
【0030】
続いて、図3(b)に示されるように、半導体積層体102の表面(キャップ層106の表面106a)を覆う第1のSiN膜111を成膜する。この工程では、例えばジクロロシランガス及びアンモニアガスを原料とするLPCVD法により、第1のSiN膜111をキャップ層106上に形成する。第1のSiN膜111の成膜温度の下限値は例えば800℃であり、その上限値は例えば900℃である。これは、プラズマCVD法における成膜温度よりも極めて高い温度である。但し、この温度は、半導体積層体102の成長温度よりも低い。
【0031】
続いて、図3(c)に示されるように、第1のSiN膜111の一部を選択的にエッチングし、ドレイン開口111b及びソース開口111cを形成する。例えば、レジストマスクを用いたドライエッチングにより、第1のSiN膜111にドレイン開口111b及びソース開口111cを形成する。さらに、ドレイン開口111b及びソース開口111c内のキャップ層106を、塩素系ガスを反応ガスとするドライエッチングにより除去する。これにより、ドレイン開口111b及びソース開口111c内においてバリア層105が露出する。その後、ドレイン開口111b内にドレイン電極4を形成し、ソース開口111c内にソース電極5を形成する。この工程では、ドレイン電極4及びソース電極5のための金属(例えば、Ti層及びAl層)を、例えば真空蒸着法等の物理気相成長法(Physical Vapor Deposition;PVD)及びリフトオフにより形成する。その後、これらをオーミック電極とするため、例えば500℃~600℃の熱処理によって上記金属を合金化する。
【0032】
続いて、図4(a)に示されるように、第1のSiN膜111上に第2のSiN膜112を成膜する。第2のSiN膜112は、第1のSiN膜111、ドレイン電極4及びソース電極5を覆う。この工程では、例えばシランガス及びアンモニアガスを原料とするプラズマCVD法により、第2のSiN膜112を形成する。
【0033】
続いて、図4(b)に示されるように、第2のSiN膜112に開口112aを形成すると共に、第1のSiN膜111にゲート開口111aを形成する。この工程では、例えば第2のSiN膜112上に形成したレジストを用いて、開口112a及びゲート開口111aをプラズマエッチングによって連続形成する。第1のSiN膜111に対するエッチング条件は、第2のSiN膜112に対しても適用される。これにより、第2のSiN膜112に有意なサイドエッチが生ずるので、第2のSiN膜112に設けられる開口112aの開口幅は、ゲート開口111aの開口幅よりも大きくなる。プラズマエッチングは、例えば反応性イオンエッチング(ReactiveIon Etching;RIE)である。エッチングガスとしては、例えばフッ素系ガスが用いられる。フッ素系ガスとしては、例えば、SF,CF,CHF,C,及びCからなる群から1つ以上が選択される。フッ素系ガスを用いる場合のエッチング条件としては、例えば、エッチングガスがSF、反応圧力が2.0Pa、RFパワーが100Wにそれぞれ設定される。
【0034】
続いて、図4(c)に示されるように、ゲート開口111a及び開口112aに充填されるゲート電極3を形成する。ゲート電極3は、例えばPVD法及びリフトオフにより形成される。図5は、ゲート電極3が形成されたときの概略平面図である。図5に示されるように、ゲート電極3は、ゲートバー11及びゲートパッド12を有するゲート配線7と同時に形成される。すなわち、同一の導電体によってゲート電極3、ゲートバー11及びゲートパッド12が形成される。図5に示されるように、平面視にて略I型形状を呈するドレイン電極4と、略H型形状を呈するソース電極5とが、第1の方向D1に沿って延在している。
【0035】
続いて、図6及び図7に示されるように、ドレイン電極4及びソース電極5上に、開口113a,113bを有する絶縁膜113を形成する。この工程では、まずプラズマCVD法によって、ゲート電極3及び第2のSiN膜112上に絶縁膜113を形成する。そして種々のエッチングによって、ドレイン電極4及びソース電極5を露出するための開口113a,113bを絶縁膜113にそれぞれ形成する。このとき、第2のSiN膜112において開口113a,113bに重なる部分もエッチングする。これにより、開口113aに重なる開口112bと、開口113bに重なる開口112cとを第2のSiN膜112に形成する。加えて、ゲートパッド12を露出するための開口113cを絶縁膜113に形成する。
【0036】
ここで図8及び図9を参照しながら、ドレイン配線8及びソース配線9の形成方法を説明する。以下では、主にソース配線9の形成方法を説明する。まず、図8(a)に示されるように、絶縁膜113上にレジスト121を形成する。レジスト121は、後に形成されるドレイン配線8及びソース配線9を選択的に形成するために設けられる。レジスト121には、開口121aが形成される。開口121aは、後に形成されるソース配線9の形状に沿って形成される。このため開口121aは、少なくとも開口112c,113bに重なる。レジスト121には、開口121aとは異なる開口が形成される。この開口は、後に形成されるドレイン配線8の形状に沿って形成される。このため図示はしないが、当該開口は、少なくとも開口112b,113aに重なる。レジスト121の厚さは、例えば0.5μm以上2μm以下である。
【0037】
続いて、図8(b)に示されるように、シード層131を形成する。シード層131は、例えばスパッタリング等のPVD法によって形成される導電層である。シード層131は、レジスト121の表面上に加えて、第2のSiN膜112及び絶縁膜113の露出面上に形成される。このため、開口112b,112c,113a,113bの縁がシード層131によって覆われる。シード層131は、例えばTi層とAu層との積層構造を有する。Ti層は、第2のSiN膜112及び絶縁膜113の露出面等に対して良好な密着性を示す。Au層は、後に説明するメッキ工程におけるシードメタルとして機能する。シード層131の厚さは、例えば100nm以上300nm以下である。
【0038】
続いて、図9(a)に示されるように、シード層131上にレジスト141を形成する。レジスト141は、シード層131を用いたメッキを選択的に実施するために形成される。レジスト141には、開口141aが形成される。開口141aは、レジスト121の開口121aと同様に、後に形成されるソース配線9の形状に沿って形成される。開口141aの開口幅は、レジスト121の開口121aの開口幅よりも大きい。レジスト141には、開口141aとは異なる開口が形成される。この開口は、後に形成されるドレイン配線8の形状に沿って形成され、少なくとも開口112b,113aに重なる。レジスト141の厚さは、例えば3μm以上6μm以下である。
【0039】
続いて、図9(b)に示されるように、シード層131を用いたメッキを実施する。これにより、レジスト141から露出したシード層131上にメッキ層151が形成される。メッキ層151は、例えば電解メッキによって形成されるAu層である。メッキ層151の厚さは、シード層131と比較して十分に厚く、例えば2μm以上5μm以下である。一実施例では、メッキ液の温度を60℃以上85℃以下とし、メッキ液の流量を12リットル/分以上25リットル/分とし、メッキ時の電流密度を0.1A/dm以上0.2A/dm以下とした条件にて、上記電解メッキが実施される。メッキ液は、例えばシアン系溶液である。
【0040】
メッキ層151を形成後、レジスト141を除去する。レジスト141を除去した後、メッキ層151から露出するシード層131を除去する。例えば、シード層131が設けられる表面全体をエッチングする。上述したようにメッキ層151はシード層131と比較して十分に厚い。このため上記エッチングを実施したとしても、レジスト141から露出したシード層131のみを除去できる。そして、レジスト121を除去する。これにより、ソース配線9が形成される。また、ソース配線9の形成と同時にドレイン配線8も形成される。以上の工程を経て、図1に示されるトランジスタ1が形成される。
【0041】
以上に説明した本実施形態に係るトランジスタ1によって得られる作用効果について、図10を参照しながら説明する。図10は、従来のトランジスタを示す概略平面図である。図10に示されるように、従来のトランジスタ200のソース配線209は、平面視にて略I型形状を呈するソースフィンガ231と、ソースフィンガ231に接続されるソースバー232とを有する。すなわち、従来のソースフィンガ231には、凹部が設けられない。図示はしないが、ソースフィンガ231は、ソース電極の平面形状に沿った形状を有している。ここで、一般に、マルチフィンガートランジスタにおいては、隣り合うゲート電極同士の間隔(Lgg)が、少なくとも100μm以上に設定される。加えて、Lggが長いほど、局所的な発熱が抑制される傾向にある。一方、Lggを長くするほど、平面視にてドレインバー22に対向するソースフィンガ231の辺231aは、長くなる。この場合、辺231aとドレインバー22との寄生容量Cが大きくなる。例えば辺231aの長さが2倍になると、寄生容量Cは約30%増加する。したがって、Lggを長くするほど、局所的な発熱は抑制される一方で、寄生容量Cが増加する傾向にある。
【0042】
これに対して、本実施形態に係るトランジスタ1は、ドレイン電極4の平面形状に沿った形状を有するドレインフィンガ21と、ソース電極5の平面形状に沿った形状を有するソースフィンガ31とを備える。このため、例えば上記特許文献1等と比較して、ドレインフィンガ21及びソースフィンガ31に起因したトランジスタ1の抵抗値上昇を抑制できる。よって、トランジスタ1における局所的な発熱を抑制できる。加えて、ソースフィンガ31はドレインバー22に対向する辺31aを有し、且つ、辺31aの中央部には辺31aの両側部に対して辺31aとドレインバー22との間隔以上に窪む31bが設けられる。これにより、辺31aの中心部とドレインバー22との寄生容量は、辺31aの側部とドレインバー22との寄生容量に比べて顕著に小さくなる。このため、Lggを長くしたとしても、ソースフィンガ31とドレインバー22との寄生容量の上昇を抑制できる。したがって本実施形態に係るトランジスタ1によれば、局所的な発熱と寄生容量の上昇とを抑制できる。
【0043】
さらには、ソース電極5はドレインバー22に対向する辺5aを有し、且つ、辺5aの中央部には辺5aの両側部に対して辺5aとドレインバー22との間隔S1以上に窪む5cが設けられる。これにより、辺5aの中心部とドレインバー22との寄生容量もまた、辺5aの側部とドレインバー22との寄生容量に比べて顕著に小さくなる。このため、Lggを長くしたとしても、ソースフィンガ31とドレインバー22との寄生容量の上昇だけでなく、ソース電極5とドレインバー22との寄生容量の上昇も抑制できる。
【0044】
また本実施形態のように、ドレイン配線8及びソース配線9の主部であるメッキ層151は、メッキ液の温度を60℃以上85℃以下とし、メッキ液の流量を12リットル/分以上25リットル/分とし、メッキ時の電流密度を0.1A/dm以上0.2A/dm以下とした条件にて形成されてもよい。本実施形態では、レジスト121,141に影響しない範囲でメッキ液の温度を一般よりも上昇している。加えて、メッキ液の流量を一般よりも増加させ、且つ、電流密度を一般よりも低下させている。このため本実施形態では、微細パターンに対してもメッキ層151を良好に形成できる。
【0045】
本実施形態のトランジスタ1は、ソースバー32と活性領域2との間に位置すると共に第2の方向D2に沿って延在し、ゲート電極3に接続されるゲート配線7を備え、ソース電極5においてゲート配線7に対向する辺5bの中央部には、辺5bとゲート配線7との間隔S2以上に辺5bの両側部に対して窪む凹部5dが設けられてもよい。この場合、辺5bの中心部とゲート配線7との寄生容量もまた、辺5bの側部とゲート配線7との寄生容量に比べて顕著に小さくなる。このため、Lggを長くしたとしても、ソースフィンガ31とドレインバー22との寄生容量の上昇だけでなく、ソース電極5とゲート配線7との寄生容量の上昇も抑制できる。
【0046】
本実施形態のように、ソースフィンガ31は、凹部5dに重なる開口31cを有してもよい。この場合、ソースフィンガ31とゲート配線7との寄生容量を低減できる。
【0047】
本実施形態では、凹部5cと凹部5dとの第1の方向D1に沿った間隔S3は、第1の方向D1に沿ったソース電極5の長さd3の150/350以下であってもよい。この場合、ソース電極5とドレインバー22との寄生容量、及び、ソース電極5とゲート配線7との寄生容量の合計値を良好に抑制できる。
【0048】
次に、図11を用いながら上記実施形態の変形例を説明する。図11は、変形例に係るトランジスタの概略平面図である。図11に示されるトランジスタ1Aは、実施形態のトランジスタ1と異なる形状の活性領域2Aを有している。活性領域2Aはメサ構造を有しており、活性領域2Aの一部には、凹部41,51が設けられる。具体的には、活性領域2Aにおいてドレインバー22に対向する辺2a(第3の辺)には、凹部5cに沿って窪む凹部41(第3の凹部)が設けられる。このため、凹部5cの少なくとも一部は、不活性領域6に重なる。また、活性領域2Aにおいてゲートバー11に対向する辺2bには、凹部5dに沿って窪む凹部51が設けられる。このため、凹部5dの少なくとも一部もまた、不活性領域6に重なる。このような変形例であっても、上記実施形態と同様の作用効果が奏される。加えて、トランジスタ1Aの寄生容量をより良好に低減できる。
【0049】
本発明による半導体装置は、上述した実施形態及び変形例に限られるものではなく、他に様々な変形が可能である。例えば、上記実施形態及び上記変形例では、ソース電極とソースフィンガとの両方に凹部が設けられたが、これに限られない。また、ドレイン電極においてゲートバーに対向する辺の中央部には、凹部が設けられてもよい。もしくは、ソース電極においてゲートバーに対向する辺の中央部には、凹部が設けられてもよい。これらの場合、トランジスタの寄生容量の上昇をさらに抑制できる。
【符号の説明】
【0050】
1,1A…トランジスタ、2,2A…活性領域、2a…辺(第3の辺)、3…ゲート電極、4…ドレイン電極、5…ソース電極、5a…辺(第1の辺)、5b…辺(第2の辺)、5c…凹部(第1の凹部)、5d…凹部(第2の凹部)、6…不活性領域、7…ゲート配線、8…ドレイン配線、9…ソース配線、11…ゲートバー、12…ゲートパッド、21…ドレインフィンガ、22…ドレインバー、31…ソースフィンガ、31a…辺(第1の辺)、31b…凹部(第1の凹部)、31c…開口、32…ソースバー、33…ソースパッド、41,51…凹部、102…半導体積層体、111…第1のSiN膜、112…第2のSiN膜、113…絶縁膜、113a,113b…開口、121,141…レジスト、131…シード層、151…メッキ層。
図1
図2
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図7
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図11