(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-11
(45)【発行日】2022-10-19
(54)【発明の名称】据置台及び組立体
(51)【国際特許分類】
F16M 13/00 20060101AFI20221012BHJP
F24H 9/06 20060101ALI20221012BHJP
F16M 13/02 20060101ALI20221012BHJP
F16M 3/00 20060101ALI20221012BHJP
【FI】
F16M13/00 S
F24H9/06 301B
F16M13/02 E
F16M13/02 R
F16M3/00 M
(21)【出願番号】P 2018100472
(22)【出願日】2018-05-25
【審査請求日】2021-04-22
(73)【特許権者】
【識別番号】000004709
【氏名又は名称】株式会社ノーリツ
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】河内 敏弘
【審査官】結城 健太郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-68367(JP,A)
【文献】実開平1-118205(JP,U)
【文献】特開昭60-240958(JP,A)
【文献】実開昭59-14758(JP,U)
【文献】実開昭48-113846(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16M 3/00,13/00-13/02,
F24H 9/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
下部部材と、前記下部部材の上方に位置する上部部材とを有する側部枠体と、
前記側部枠体に取り付けられるカバー体とを備え、
前記下部部材及び前記上部部材の一方には、第1取り付け片が設けられており、
前記カバー体には、前記第1取り付け片が挿入されている第1取り付け孔が設けられており、
前記第1取り付け孔は、前記第1取り付け片の厚さ方向に交差する第1方向に沿って配置される第1領域及び第2領域を有し、
前記第1領域は、前記第1取り付け片の厚さ方向に沿う第2方向において互いに対向する第1辺及び第2辺を含んでおり、
前記第2領域は、前記第2方向において互いに対向する第3辺及び第4辺を含み、
前記第2辺は、前記第2方向において前記第3辺と前記第4辺との間にあり、
前記第3辺は、前記第2方向において前記第1辺と前記第2辺との間にあ
り、
前記第1領域は、前記第1方向において互いに対向する第5辺及び第6辺をさらに含んでおり、
前記第2領域は、前記第1方向において互いに対向する第7辺及び第8辺をさらに含んでおり、
前記第6辺は、前記第1方向において前記第7辺と前記第8辺との間にあり、
前記第7辺は、前記第1方向において前記第5辺と前記第6辺との間にある、据置台。
【請求項2】
前記第1取り付け片が設けられた前記下部部材又は前記上部部材には、第2取り付け片がさらに設けられており、
前記カバー体には、前記第2取り付け片が挿入される第2取り付け孔がさらに設けられており、
前記第2取り付け孔は、前記第1取り付け孔と前記第2取り付け孔の間を通り、かつ前記第2方向に沿う直線に関して前記第1取り付け孔と対称な形状を有する、請求項
1に記載の据置台。
【請求項3】
前記第2方向における前記第1辺と前記第2辺との距離及び前記第2方向における前記第3辺と前記第4辺との距離は、3mm以上であり、
前記第2方向における前記第2辺と前記第3辺との距離は、2mm以下である、請求項1
又は請求項
2に記載の据置台。
【請求項4】
前記第1取り付け孔は、前記第1方向において前記第1領域との間で前記第2領域を挟み込むように配置される第3領域をさらに有しており、
前記第3領域は、前記第2方向において互いに対向する第9辺及び第10辺を含み、
前記第10辺は、前記第2方向において前記第3辺と前記第4辺との間にあり、
前記第3辺は、前記第2方向において前記第9辺と前記第10辺との間にある、請求項
1に記載の据置台。
【請求項5】
前記第3領域は、前記第1方向において互いに対向する第11辺と第12辺とをさらに含んでおり、
前記第8辺は、前記第1方向において前記第11辺と前記第12辺との間にあり、
前記第11辺は、前記第1方向において前記第7辺と前記第8辺との間にある、請求項
4に記載の据置台。
【請求項6】
請求項1~請求項
5のいずれか1項に記載の前記据置台と、前記据置台の上に載置される温水装置とを備える、組立体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、据置台及び組立体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、特開昭60-240958号公報(特許文献1)に記載の据置装置が知られている。特許文献1に記載の据置装置の上には、温水装置が載置される。
【0003】
特許文献1に記載の据置装置は、前面底ハリと、前面上ハリと、前板とを有している。前面底ハリには突起部が設けられており、前面上ハリには凹部が設けられている。前板の底面には角穴が設けられており、前板の上面には凸部が設けられている。前板は、底面の角穴が前面底ハリの突起部に挿入されるとともに、上面の凸部が前面上ハリの凹部に挿入されることにより、前面底ハリ及び前面上ハリに取り付けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1においては、前板の底面に設けられた角穴の形状に関して、特段の言及がなされていない。特許文献1に記載の据置装置において、角穴の幅が広すぎる場合、前板が前面底ハリ及び全面上ハリに対して、ガタついてしまうおそれがある。
【0006】
本発明は、上記のような従来技術の問題点に鑑みてなされたものである。より具体的には、本発明は、カバー体の側部枠体に対するガタつきを抑制することができる据置台を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(1)本発明の一態様に係る据置台は、下部部材と、下部部材の上方に位置する上部部材とを有する側部枠体と、側部枠体に取り付けられるカバー体とを備える。下部部材及び上部部材の一方には、第1取り付け片が設けられている。カバー体には、第1取り付け片が挿入されている第1取り付け孔が設けられている。第1取り付け孔は、第1取り付け片の厚さ方向に交差する第1方向に沿って配置される第1領域及び第2領域を有している。第1領域は、第1取り付け片の厚さ方向に沿う第2方向において互いに対向する第1辺及び第2辺を含んでいる。第2領域は、第2方向において互いに対向する第3辺及び第4辺を含んでいる。第2辺は、第2方向において第3辺と第4辺との間にある。第3辺は、第2方向において第1辺と第2辺との間にある。
【0008】
本発明の一態様に係る据置台によると、カバー体の側部枠体に対するガタつきを抑制することができる。また、本発明の一態様に係る据置台によると、第1取り付け孔を抜き打ち加工で形成するための金型の耐久性を確保することができる。
【0009】
上記(1)の据置台において、第1領域は、第1方向において互いに対向する第5辺及び第6辺をさらに含んでいてもよい。第2領域は、第1方向において互いに対向する第7辺及び第8辺をさらに含んでいてもよい。第6辺は、第1方向において、第7辺と第8辺との間にあってもよい。第7辺は、第1方向において、第5辺と第6辺との間にあってもよい。
【0010】
この場合には、第1取り付け孔を抜き打ち加工で形成するための金型の耐久性を確保しながら、第1取り付け孔を1回の抜き打ち加工で形成することができる。
【0011】
上記(1)の据置台において、第1取り付け片が設けられた下部部材又は上部部材には第2取り付け片がさらに設けられていてもよい。カバー体には第2取り付け片が挿入される第2取り付け孔がさらに設けられていてもよい。第2取り付け孔は、第1取り付け孔と第2取り付け孔の間を通り、かつ第2方向に沿う直線に関して第1取り付け孔と対称な形状を有していてもよい。
【0012】
この場合には、カバー体が側部枠体に対して回転することに伴うガタつきを抑制することができる。
【0013】
上記(1)の据置台において、第2方向における第1辺と第2辺との距離及び第2方向における第3辺と第4辺との距離は3mm以上であってもよい。第2方向における第2辺と第3辺との距離は2mm以下であってもよい。
【0014】
この場合には、第1取り付け孔を抜き打ち加工で形成するための金型の耐久性を確保しながら、カバー体の側部枠体に対するガタつきを抑制することができる。
【0015】
上記(1)の据置台において、第1取り付け孔は、第1方向において第1領域との間で第2領域を挟み込むように配置される第3領域をさらに有していてもよい。第3領域は、第2方向において互いに対向する第9辺及び第10辺を含んでいてもよい。第10辺は、第2方向において第3辺と第4辺との間にあってもよい。第3辺は、第2方向において第9辺と第10辺との間にあってもよい。
【0016】
この場合には、取り付け孔及び取り付け片の数がそれぞれ1個であっても、カバー体が側部枠体に対して回転することに伴うガタつきを抑制することができる。
【0017】
上記(1)の据置台において、第3領域は、第1方向において互いに対向する第11辺と第12辺とをさらに含んでいてもよい。第8辺は、第1方向において、第11辺と第12辺との間にあってもよい。第11辺は、第1方向において、第7辺と第8辺との間にあってもよい。
【0018】
この場合には、第1取り付け孔を抜き打ち加工で形成するための金型の耐久性を確保しながら、第1取り付け孔を1回の抜き打ち加工で形成することができる。
【0019】
(2)本発明の他の態様に係る据置台は、下部部材と、下部部材の上方に位置する上部部材とを有する側部枠体と、側部枠体に取り付けられるカバー体とを備える。下部部材及び上部部材の一方には、第1取り付け片が設けられている。カバー体には、第1取り付け片が挿入されている第1取り付け孔が設けられている。第1取り付け孔は、第1取り付け片の厚さ方向に交差する第1方向に沿って配置される第1領域及び第2領域と、第1方向において第1領域及び第2領域に挟み込まれるように配置される第3領域とを有する。第1取り付け片の厚さ方向に沿う第2方向における第1領域及び第2領域の幅は、第2方向における第3領域の幅よりも大きい。
【0020】
本発明の他の態様に係る据置台によると、カバー体の側部枠体に対するガタつきを抑制することができる。また、本発明の他の態様に係る据置台によると、第1取り付け孔に対する第1取り付け片の挿入を容易に行うことができる。
【0021】
上記(2)の据置台において、第1方向における第3領域の幅を第1方向における第1領域の幅及び第1方向における第2領域の幅の合計で除した値は、0.01以上0.99以下であってもよい。
【0022】
この場合には、カバー体の側部枠体に対するガタつきを抑制しつつ、第1取り付け孔に対する第1取り付け片の挿入をさらに容易に行うことができる。
【0023】
(3)本発明の一態様に係る組立体は、上記(1)又は上記(2)の据置台と、据置台の上に載置される温水装置とを備える。
【発明の効果】
【0024】
本発明の一態様に係る据置台及び本発明の他の態様に係る据置台によると、カバー体の側部枠体に対するガタつきを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図2】第1実施形態に係る組立体における据置台2の分解斜視図である。
【
図4】第1実施形態に係る組立体におけるカバー体21bの側面図である。
【
図5】第1実施形態に係る組立体におけるカバー体21bの上面図である。
【
図6】第1実施形態に係る組立体におけるカバー体21bの第1変形例の上面図である。
【
図7】第1実施形態に係る組立体におけるカバー体21bの第2変形例の上面図である。
【
図8】第1実施形態に係る組立体における温水装置1の概略図である。
【
図9】比較例に係るカバー体21bの上面図である。
【
図10】第2実施形態に係る組立体におけるカバー体21bの上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
実施形態の詳細を、図面を参照して説明する。以下の図面においては、同一又は相当する部分に同一の参照符号を付し、重複する説明は繰り返さない。
【0027】
(第1実施形態)
以下に、第1実施形態に係る組立体の構成を説明する。
【0028】
図1に示されるように、第1実施形態に係る組立体は、温水装置1と、据置台2とを有している。温水装置1は、据置台2の上に載置されている。
【0029】
以下に、第1実施形態に係る据置台2の構成を説明する。
図2に示されるように、据置台2は、側部枠体21aと、カバー体21bと、側部枠体22aと、カバー体22bと、側部枠体23aと、カバー体23bと、側部枠体24と、上部枠体25と、下部枠体26とを有している。側部枠体21a、カバー体21b、側部枠体22a、カバー体22b、側部枠体23a、カバー体23b、側部枠体24、上部枠体25及び下部枠体26は、例えば炭素鋼で形成されている。温水装置1は、上部枠体25上に載置され、温水装置1の下部から出ている温水配管(図示せず)を据置台2が隠蔽している。
【0030】
側部枠体21aと側部枠体23aとは、方向DR1において、互いに対向している。方向DR1は、側部枠体21aから側部枠体23aに向かう方向である。側部枠体22aと側部枠体24とは、方向DR2において、互いに対向している。方向DR2は、側部枠体22aから側部枠体24に向かう方向である。方向DR1及び方向DR2は、互いに交差している。方向DR1と方向DR2とは、互いに直交していることが好ましい。
【0031】
側部枠体21aは、下部部材21aaと、上部部材21abと、連結部材21acと、連結部材21adとを有している。上部部材21abは、下部部材21aaの上方に位置している。下部部材21aaは、一方端と他方端とを有している。
【0032】
上部部材21abは、一方端と他方端とを有している。下部部材21aaの一方端及び上部部材21abの一方端は、同一の側に位置している。下部部材21aaの他方端及び上部部材21abの他方端は、同一の側に位置している。連結部材21acは、下部部材21aaの一方端と上部部材21abの一方端とを連結している。連結部材21adは、下部部材21aaの他方端と上部部材21abの他方端とを連結している。
【0033】
側部枠体21aは、下部部材21aa、上部部材21ab、連結部材21ac及び連結部材21adで画される開口を有している。カバー体21bは、この開口を塞ぐように側部枠体21aに取り付けられている。
【0034】
図3に示されるように、取り付け片21ae(第1取り付け片)と、取り付け片21af(第2取り付け片)とが、下部部材21aaに設けられている。取り付け片21ae及び取り付け片21afは、上方に向かって下部部材21aaから突出している。取り付け片21ae及び取り付け片21afは、好ましくは、同一の形状を有している。
【0035】
図4及び5に示されるように、カバー体21bには、取り付け孔21ba(第1取り付け孔)と、取り付け孔21bb(第2取り付け孔)とが設けられている。カバー体21bの下端側は、方向DR1に沿って折り曲げられている。この折り曲げられているカバー体21bの部分に、取り付け孔21ba及び取り付け孔21bbが設けられている。取り付け孔21baには、取り付け片21aeが挿入され、取り付け孔21bbには、取り付け片21afが挿入されている。これにより、カバー体21bの下端側は、下部部材21aaに取り付けられている。なお、カバー体21bの上端側は、例えばネジにより、上部部材21abに取り付けられている。
【0036】
取り付け孔21baは、平面視において、第1領域R1と、第2領域R2とを有している。第1領域R1及び第2領域R2は、矩形形状を有している。第1領域R1及び第2領域R2は、取り付け片21aeの厚さ方向に交差する方向である方向DR3(第1方向)に沿って並んでいる。方向DR3は、取り付け片21aeの厚さ方向に直交していることが好ましい。
【0037】
第1領域R1は、辺R1a(第1辺)と辺R1b(第2辺)とをさらに有している。辺R1aと辺R1bとは、取り付け片21aeの厚さ方向に沿う方向である方向DR4(第2方向)において、互いに対向している。第1領域R1は、辺R1c(第5辺)と辺R1d(第6辺)とをさらに有している。辺R1c及び辺R1dとは、方向DR3において、互いに対向している。なお、辺R1a、辺R1b、辺R1c及び辺R1dは、直線でなくてもよい。すなわち、第1領域R1は、完全な矩形形状でなくてもよい。
【0038】
第2領域R2は、辺R2a(第3辺)と辺R2b(第4辺)とをさらに有している。辺R2aと辺R2bとは、方向DR4において、互いに対向している。第2領域R2は、辺R2c(第7辺)と辺R2d(第8辺)とをさらに有している。辺R2c及び辺R2dとは、方向DR3において、互いに対向している。なお、辺R2a、辺R2b、辺R2c及び辺R2dは、直線でなくてもよい。すなわち、第2領域R2は、完全な矩形形状でなくてもよい。
【0039】
辺R1bは、方向DR4において、辺R2aと辺R2bとの間にある。辺R2aは、方向DR4において、辺R1aと辺R1bとの間にある。
【0040】
辺R1dは、方向DR3において、辺R2cと辺R2dとの間にあることが好ましい。辺R2cは、方向DR3において、辺R1cと辺R1dとの間にあることが好ましい。すなわち、第1領域R1と第2領域R2とは、部分的に重なり合って形成されていることが好ましい。
【0041】
図6に示されるように、第1領域R1と第2領域R2とは、互いに重なり合っていなくてもよい。すなわち、辺R1dの方向DR3における位置と辺R2cの方向DR3における位置とが、一致していてもよい。
【0042】
図5に示されるように、方向DR4における辺R1aと辺R1bとの距離(方向DR4における辺R2aと辺R2bとの距離)である幅W1は、方向DR4における辺R1bと辺R2aとの距離である幅W2よりも大きい。幅W2は、取り付け片21aeの厚さである厚さTよりも大きい。厚さTは、例えば、1.2mm以上1.6mm以下である。幅W1は、好ましくは、3mm以上である。幅W2は、好ましくは2mm以下である。
【0043】
図7に示されるように、取り付け孔21baは、第3領域R3をさらに有していてもよい。第3領域R3は、矩形形状を有している。第3領域R3は、辺R3a(第9辺)と、辺R3b(第10辺)と、辺R3c(第11辺)と、辺R3d(第12辺)とを有している。辺R3aと辺R3bとは、方向DR3において互いに対向しており、辺R3cと辺R3dとは、方向DR4において互いに対向している。なお、辺R3a、辺R3b、辺R3c及び辺R3dは、直線でなくてもよい。すなわち、第3領域R3は、完全な矩形形状でなくてもよい。
【0044】
辺R3bは、方向DR4において、辺R2aと辺R2bとの間にある。辺R2aは、方向DR4において、辺R3aと辺R3bとの間にある。辺R3cは、方向DR3において辺R2cと辺R2dとの間にあることが好ましく、辺R2dは、方向DR3において辺R3cと辺R3dとの間にあることが好ましい(第2領域R2と第3領域R3とが部分的に重なり合って形成されていることが好ましい)。
【0045】
なお、この場合(取り付け孔21baが第3領域R3を有している場合)には、取り付け孔21bb及び取り付け片21afは、必ずしも設けられる必要はない。
【0046】
図5に示されるように、取り付け孔21bbは、取り付け孔21baと取り付け孔21bbとの間を通り、かつ方向DR4に沿う直線Lに関して、対称な形状を有していることが好ましい。
【0047】
上記においては、カバー体21bの下端側に取り付け孔21ba及び取り付け孔21bbを設けるとともに、下部部材21aaに取り付け片21ae及び取り付け片21afを設ける例を示した。しかしながら、取り付け孔21ba及び取り付け孔21bbをカバー体21bの上端側に設けるとともに、取り付け片21ae及び取り付け片21afを上部部材21abに設けてもよい。この場合、カバー体21bの下端側が、ネジにより下部部材21aaに取り付けられる。
【0048】
取り付け孔21ba及び取り付け孔21bbは、好ましくは、金型を用いた打ち抜き加工で形成される。この金型の形状は、取り付け孔21ba及び取り付け孔21bbの形状に一致している。なお、
図6のような形状の取り付け孔21ba(取り付け孔21bb)は、第1領域R1(第2領域R2)の形状に一致する金型を用いて2回の打ち抜き加工を行うことにより形成される。
【0049】
側部枠体22a及びカバー体22bは、取り付け片及び取り付け孔に関して、側部枠体21a及びカバー体21bとそれぞれ同一の構造を有していてもよい。側部枠体23a及びカバー体23bは、取り付け片及び取り付け孔に関して、側部枠体21a及びカバー体21bとそれぞれ同一の構造を有していてもよい。
【0050】
側部枠体21a及び側部枠体23aは、側部枠体22a、側部枠体24、上部枠体25及び下部枠体26により、互いに接続されている。
【0051】
以下に、第1実施形態に係る温水装置1の構成を説明する。
図8に示されるように、温水装置1は、例えば温水暖房装置である。但し、温水装置1は、これに限られるものではない。
【0052】
温水装置1は、シスターン11と、燃焼ユニット12とを有している。温水装置1は、さらに配管13a、配管13b、配管13c、配管13d、配管13e、配管13f、配管13g及び配管13hと、ポンプ14とを有している。シスターン11、燃焼ユニット12、配管13a~配管13g及びポンプ14は、筐体10に収納されている。
【0053】
燃焼ユニット12は、一次熱交換器12aと、二次熱交換器12bと、バーナ12cとを有している。ポンプ14は、シスターン11に貯留されている水を、配管13b~配管13gに沿って、
図8中の矢印の方向に循環させる。
【0054】
配管13aの一方端にはシスターン11が接続されており、配管13aの他方端には上水道が接続されている。配管13bの一方端には、シスターン11が接続されている。配管13bの他方端には、配管13cの一方端及び配管13dの一方端が接続されている。配管13bの経路上には、ポンプ14が配置されている。
【0055】
配管13cの他方端は一次熱交換器12aが接続されており、配管13dの他方端は低温暖房端末15aに接続されている。配管13eの一方端は、一次熱交換器12aに接続されている。配管13eの他方端は、高温暖房端末15bに接続されている。
【0056】
配管13fの一方端は、分岐している。一方端において分岐している配管13fの一方は、低温暖房端末15aに接続されている。一方端において分岐している配管13fの他方は、高温暖房端末15bに接続されている。配管13fの他方端は、二次熱交換器12bに接続されている。配管13gの一方端は、二次熱交換器12bに接続されている。配管13gの他方端は、シスターン11に接続されている。
【0057】
シスターン11には、配管13aを介して水が供給される。シスターン11に貯留されている水は、配管13b及び配管13cを介して一次熱交換器12aに供給される。一次熱交換器12aに供給された水は、バーナ12cからの燃焼ガスとの間で熱交換を行うことにより昇温される。一次熱交換器12aを通過した水は、配管13eを介して、高温暖房端末15bに供給される。高温暖房端末15bに供給された水は、暖房動作を行うことにより、温度が低下する。
【0058】
高温暖房端末15bを通過した水は、配管13fを介して二次熱交換器12bに供給される。二次熱交換器12bに供給された水は、一次熱交換器12aと熱交換を行った後のバーナ12cからの燃焼ガスとの間で熱交換を行うことにより昇温される。二次熱交換器12bを通過した水は、配管13gを介してシスターン11に戻る。
【0059】
シスターン11に戻った水は、配管13b及び配管13dを介して、低温暖房端末15aに供給される。低温暖房端末15aに供給された水は、暖房動作を行うことにより、温度が低下する。低温暖房端末15aを通過した水は、配管13fを介して、二次熱交換器12bに供給される。二次熱交換器12bを通過した水は、配管13gを介して、再びシスターン11に戻る。
【0060】
シスターン11に貯留されている水の量が過剰となった場合、シスターン11に貯留されている水は、配管13hを介して外部に排出される。
【0061】
以下に、第1実施形態に係る据置台2の効果を比較例と対比しながら説明する。
比較例に係る据置台においては、
図9に示されるように、取り付け孔21ba及び取り付け孔21bbが、矩形形状を有している。比較例に係る据置台は、その余の点に関して据置台2と同様の構成を有している。
【0062】
比較例に係る据置台において、方向DR4における取り付け孔21ba(取り付け孔21bb)と取り付け片21ae(取り付け片21af)とのクリアランスが大きい場合、カバー体21bの側部枠体21aに対するガタつきが生じやすい。
【0063】
他方で、比較例に係る据置台において、方向DR4における取り付け孔21ba(取り付け孔21bb)と取り付け片21ae(取り付け片21af)とのクリアランスを小さくしていくと、取り付け孔21ba(取り付け孔21bb)を形成するための金型の幅が狭くなり、金型に加わる応力が大きくなるため、金型の耐久性が低くなる。
【0064】
すなわち、比較例に係る据置台においては、カバー体21bの側部枠体21aに対するガタつきと、取り付け孔21ba(取り付け孔21bb)を形成するための金型の耐久性とを、両立することが困難である。
【0065】
第1実施形態に係る据置台2では、方向DR4において、辺R1bが辺R2aと辺R2bとの間にあり、辺R2aが辺R1aと辺R1bとの間にある。方向DR4における取り付け孔21ba(取り付け孔21bb)と取り付け片21ae(取り付け片21af)とのクリアランスは、辺R1bと辺R2aとの間の距離で決まり、辺R1bと辺R2aとの間の距離は、辺R1aと辺R1bとの間の距離及び辺R2aと辺R2bとの間の距離よりも小さい。
【0066】
そのため、据置台2では、方向DR4における取り付け孔21ba(取り付け孔21bb)と取り付け片21ae(取り付け片21af)とのクリアランスが、取り付け孔21ba(取り付け孔21bb)が矩形形状を有している場合と比較して、相対的に小さくなる。すなわち、据置台2では、カバー体21bの側部枠体21aに対するガタつきを抑制することができる。
【0067】
図5及び7に示される形状の取り付け孔21ba(取り付け孔21bb)は、当該形状と一致する形状の金型を用いて抜き打ち加工で形成することができる。この金型は、辺R1bと辺R2aとの間の距離よりも幅が狭い部分を有していない。また、
図6に示される形状の取り付け孔21ba(取り付け孔21bb)は、第1領域R1(第2領域R2)の形状に一致する形状の金型を用いて、抜き打ち加工を2回行うことで形成することができる。この金型も、辺R1bと辺R2aとの間の距離よりも幅が狭い部分を有していない。
【0068】
このように、据置台2においては、辺R1bと辺R2aとの間の距離よりも幅が広い金型を用いて、取り付け孔21ba(取り付け孔21bb)を抜き打ち加工で形成することができる。そのため、金型の耐久性を確保することが可能となる。
【0069】
取り付け片21aeは、
図5に示される形状の取り付け孔21baに挿入された場合、取り付け孔21ba内で回転するおそれがある。より具体的には、
図5中において、取り付け片21aeが、時計回り方向に回転するおそれがある。しかしながら、取り付け孔21bbが直線Lに関して取り付け孔21baと対称な形状を有している場合、取り付け片21afは、取り付け孔21bb内において時計回り方向に回転することが抑止される。そのため、この場合には、カバー体21bが側部枠体21aに対して回転することに伴うガタつきを抑制することができる。
【0070】
取り付け片21aeが
図7に示される形状の取り付け孔21baに挿入された場合、取り付け片21aeは、辺R1b及び辺R2aと当接することにより、
図7中における時計回り方向に回転し難い。また、取り付け片21aeは、辺R3b及び辺R2aと当接することにより、
図7中における反時計回り方向にも回転し難い。この場合には、カバー体21bが側部枠体21aに対して回転することに伴うガタつきを抑制することができる。
【0071】
抜き打ち加工においては、金型の耐久性の観点から、加工が行われる部分の幅が2mm以上であることが推奨される。特に、加工が行われる部分の幅は、3mm以上であることが好ましいとされる。他方で、カバー体21bの側部枠体21aに対するガタつきを抑制する観点からは、加工が行われる部分の幅は、2mm以下であることが好ましい。据置台2において、幅W1が3mm以上であり、かつ幅W2が2mm以下である場合には、金型の耐久性を確保しつつ、カバー体21bの側部枠体21aに対するガタつきをさらに抑制することができる。
【0072】
(第2実施形態)
第2実施形態に係る組立体は、温水装置1と据置台2とを有している。しかしながら、第2実施形態に係る据置台2は、取り付け孔21ba及び取り付け孔21bbの詳細に関して、第1実施形態に係る据置台2と異なっている。第2実施形態に係る据置台2は、その余の点に関して、第1実施形態に係る据置台2と共通している。以下においては、この相違点を主に説明する。
【0073】
図10に示されるように、取り付け孔21baは、第1領域R1と、第2領域R2と、第3領域R3とを有している。第1領域R1及び第2領域R2は、取り付け片21aeの厚さ方向と交差する方向DR3(第1方向)に沿って並んでいる。第3領域R3は、方向DR3において、第1領域R1及び第2領域R2に挟み込まれている。第3領域R3は、方向DR3において、第1領域R1及び第2領域R2の双方とつながっている。
【0074】
取り付け片21aeの厚さ方向に沿う方向DR4(第2方向)において、第1領域R1は、幅W3を有している。方向DR4において、第2領域R2は、幅W4を有している。方向DR4において、第3領域R3は、幅W5を有している。幅W5は、幅W3及び幅W4よりも小さい。
【0075】
第1領域R1は、方向DR3において、幅W6を有している。第2領域R2は、方向DR3において、幅W7を有している。第3領域R3は、方向DR3において、幅W8を有している。幅W8を幅W6及び幅W7の合計で除した値は、0.01以上0.99以下であることが好ましい。
【0076】
なお、取り付け孔21bbは、取り付け孔21baと同一の形状を有していることが好ましい。
【0077】
上記のとおり、第2実施形態に係る据置台2においては、幅W5が幅W3及び幅W4よりも小さいため、取り付け孔21ba(取り付け孔21bb)が矩形形状を有している場合と比較して、方向DR4における取り付け孔21ba(取り付け孔21bb)と取り付け片21ae(取り付け片21af)とのクリアランスを小さくすることができる。すなわち、第2実施形態に係る据置台2によると、カバー体21bの側部枠体21aに対するガタつきを抑制することができる。
【0078】
第2実施形態に係る据置台2においては、取り付け片21ae(取り付け片21af)が取り付け孔21ba(取り付け孔21bb)に対して若干傾いたとしても、取り付け片21ae(取り付け片21af)を取り付け孔21ba(取り付け孔21bb)に対して挿入することができる。幅W8を幅W6及び幅W7の合計で除した値が0.01以上0.99以下である場合には、カバー体21bの側部枠体21aに対するガタつきを抑制しつつ、取り付け片21ae(取り付け片21af)を取り付け孔21ba(取り付け孔21bb)に対して挿入することができる。
【0079】
今回開示された実施形態は全ての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施の形態ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味、及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
【産業上の利用可能性】
【0080】
上記の実施形態は、温水装置を載置するための据置台及び温水装置と据置台とを有する組立体に特に有利に適用される。
【符号の説明】
【0081】
1 温水装置、10 筐体、11 シスターン、12 燃焼ユニット、12a 一次熱交換器、12b 二次熱交換器、12c バーナ、13a,13b,13c,13d,13e,13f,13g,13h 配管、14 ポンプ、15a 低温暖房端末、15b 高温暖房端末、2 据置台、21a,22a,23a,24 側部枠体、21aa 下部部材、21ab 上部部材、21ad 連結部材、21ae,21af 取り付け片、21b,22b,23b カバー体、21ba,21bb 取り付け孔、25 上部枠体、26 下部枠体、DR1,DR2,DR3,DR4 方向、L 直線、R1d,R1c,R1b,R1a,R2c,R2d,R2a,R2b,R3d,R3a,R3c,R3b 辺、R1 第1領域、R2 第2領域、R3 第3領域、T 厚さ、W1,W2,W3,W4,W5,W6,W7,W8 幅。