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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-11
(45)【発行日】2022-10-19
(54)【発明の名称】高所作業車用の管理システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/06 20120101AFI20221012BHJP
【FI】
G06Q10/06
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2018102749
(22)【出願日】2018-05-29
(65)【公開番号】P2019207567
(43)【公開日】2019-12-05
【審査請求日】2021-03-04
(73)【特許権者】
【識別番号】000148759
【氏名又は名称】株式会社タダノ
(74)【代理人】
【識別番号】110002217
【氏名又は名称】弁理士法人矢野内外国特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】河合 清孝
(72)【発明者】
【氏名】三木 俊彦
(72)【発明者】
【氏名】麻生 芳成
(72)【発明者】
【氏名】松本 拓也
(72)【発明者】
【氏名】小倉 俊二
(72)【発明者】
【氏名】草薙 直人
(72)【発明者】
【氏名】青木 俊久
【審査官】青柳 光代
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-044570(JP,A)
【文献】特開2006-178845(JP,A)
【文献】特開2017-097566(JP,A)
【文献】特開平05-312660(JP,A)
【文献】特開2018-044659(JP,A)
【文献】特開2017-008524(JP,A)
【文献】特開2002-295662(JP,A)
【文献】特開2001-306135(JP,A)
【文献】特開2010-106580(JP,A)
【文献】特開2010-247996(JP,A)
【文献】特開2006-107161(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
G16H 10/00 - 80/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
稼動情報を検出するセンサーと、前記センサーから前記稼動情報を取得する制御装置と、を有する高所作業車と、
前記制御装置とネットワークを介して接続され当該制御装置から前記稼動情報を取得可能である、又は/及び、メディアを介して前記制御装置から前記稼動情報を取得可能である情報通信機器と、で構成される高所作業車用の管理システムであって、
前記高所作業車に増圧装置を具備し、
前記増圧装置から圧送された作動油が油圧ホースを経て油圧工具へ供給されており、
前記稼動情報には前記油圧工具の識別情報が含まれており、
前記情報通信機器は、施工計画に対応する前記油圧工具が登録され、前記油圧工具の識別情報に基づいて、前記施工計画に対して前記油圧工具が適切であるか否かを判定する、ことを特徴とする高所作業車用の管理システム。
【請求項2】
前記センサーには、読取装置が含まれ、
前記制御装置に前記読取装置が接続されており、
前記油圧工具の識別部に前記読取装置をかざすと当該油圧工具の識別情報を取得できる、ことを特徴とする請求項1に記載の高所作業車用の管理システム。
【請求項3】
前記情報通信機器は、前記油圧工具ごとに定めた前記増圧装置の動作指令である特定情報を有し、
前記制御装置が、前記ネットワーク又は/及び前記メディアを介して前記情報通信機器から前記特定情報を取得すると、
前記制御装置は前記特定情報に基づいて前記増圧装置から圧送される作動油の圧力値を調節する、ことを特徴とする請求項1に記載の高所作業車用の管理システム。
【請求項4】
前記センサーには、前記増圧装置から圧送される作動油の圧力値を検出する圧力センサーが含まれ、
前記稼動情報には、前記増圧装置から圧送される作動油の圧力値に基づく前記油圧工具の作動回数が含まれ、
前記油圧工具の識別情報と、前記油圧工具の作動回数と、の対応に基づいて、前記情報通信機器は前記油圧工具の識別情報に前記油圧工具の作動回数を結びつけて記憶する、
又は/及び、
前記センサーには、前記油圧工具を使用する前後に操作される切替装置が含まれ、
前記稼動情報には、前記切替装置が操作された時間に基づく累積使用時間が含まれ、
前記油圧工具の識別情報と、前記油圧工具の累積使用時間と、の対応に基づいて、前記情報通信機器は前記油圧工具の識別情報に前記油圧工具の累積使用時間を結びつけて記憶する、ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の高所作業車用の管理システム。
【請求項5】
前記稼動情報には前記油圧ホースの識別情報が含まれており、
前記施工計画に対応する前記油圧ホースが登録され、前記油圧ホースの識別情報に基づいて、前記施工計画に対して前記油圧ホースが適切であるか否かを判定する、ことを特徴とする請求項1に記載の高所作業車用の管理システム。
【請求項6】
前記センサーには、読取装置が含まれ、
前記制御装置に前記読取装置が接続されており、
前記油圧ホースの識別部に前記読取装置をかざすと当該油圧ホースの識別情報を取得できる、ことを特徴とする請求項5に記載の高所作業車用の管理システム。
【請求項7】
前記情報通信機器は、前記油圧ホースごとに定めた前記増圧装置の動作指令である特定情報を有し、
前記制御装置が、前記ネットワーク又は前記メディアを介して前記情報通信機器から前記油圧工具と前記油圧ホースの組み合わせに対応する前記特定情報を取得すると、
前記制御装置は前記特定情報に基づいて前記増圧装置から圧送される作動油の圧力値を調節する、ことを特徴とする請求項5に記載の高所作業車用の管理システム。
【請求項8】
前記センサーには、前記増圧装置から圧送される作動油の圧力値を検出する圧力センサーが含まれ、
前記稼動情報には、前記増圧装置から圧送される作動油の圧力値に基づく前記油圧ホースの作動回数が含まれ、
前記油圧ホースの識別情報と、前記油圧ホースの作動回数と、の対応に基づいて、前記情報通信機器は前記油圧ホースの識別情報に前記油圧ホースの作動回数を結びつけて記憶する、
又は/及び、
前記センサーには、前記油圧工具を使用する前後に操作される切替装置が含まれ、
前記稼動情報には、前記切替装置が操作された時間に基づく累積使用時間が含まれ、
前記油圧ホースの識別情報と、前記油圧ホースの累積使用時間と、の対応に基づいて、前記情報通信機器は前記油圧ホースの識別情報に前記油圧ホースの累積使用時間を結びつけて記憶する、ことを特徴とする請求項5から請求項7のいずれか一項に記載の高所作業車用の管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高所作業車用の管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、ブームの先端にバケットを備えた高所作業車が知られている(特許文献1参照)。このような高所作業車は、バケットまで作動油が導かれており、作業者が持つ油圧工具に対して作動油を供給可能としている。なお、高所作業車は、バケットまで作動油を圧送すべく、増圧装置を具備している。増圧装置から圧送された作動油は、バケット内の吐出口から油圧ホースを経て油圧工具へ供給される。
【0003】
ところで、稼動情報を検出するクレーン車と、クレーン車から稼動情報を取得する情報通信機器と、で構成されるクレーン車用の管理システムが知られている(特許文献2参照)。このような管理システムは、クレーン車の稼動情報に基づいて異常診断や整備時期の策定を実現している。しかし、このような管理システムは、高所作業車用として適用された事例が少なく、油圧工具の種類や型式等を管理するものについては存在しない。そこで、油圧工具の種類や型式等を管理できる高所作業車用の管理システムが求められていた。また、施工計画に対して油圧工具が適切であるか否かを判定できる高所作業車用の管理システムが求められていたのである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2018-44570号公報
【文献】特開2016-141479号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
油圧工具の種類や型式等を管理できる高所作業車用の管理システムを提供する。また、施工計画に対して油圧工具が適切であるか否かを判定できる高所作業車用の管理システムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
【0007】
第一の発明は、
稼動情報を検出するセンサーと、前記センサーから前記稼動情報を取得する制御装置と、を有する高所作業車と、
前記制御装置とネットワークを介して接続され当該制御装置から前記稼動情報を取得可能である、又は/及び、メディアを介して前記制御装置から前記稼動情報を取得可能である情報通信機器と、で構成される高所作業車用の管理システムであって、
前記高所作業車に増圧装置を具備し、
前記増圧装置から圧送された作動油が油圧ホースを経て油圧工具へ供給されており、
前記稼動情報には前記油圧工具の識別情報が含まれており、
前記情報通信機器は、施工計画に対応する前記油圧工具が登録され、前記油圧工具の識別情報に基づいて、前記施工計画に対して前記油圧工具が適切であるか否かを判定する、ものである。
【0008】
第二の発明は、第一の発明に係る高所作業車用の管理システムにおいて、
前記センサーには、読取装置が含まれ、
前記制御装置に前記読取装置が接続されており、
前記油圧工具の識別部に前記読取装置をかざすと当該油圧工具の識別情報を取得できる、ものである。
【0009】
第三の発明は、第一の発明に係る高所作業車用の管理システムにおいて、
前記情報通信機器は、前記油圧工具ごとに定めた前記増圧装置の動作指令である特定情報を有し、
前記高所作業車に制御装置を具備し、
前記制御装置が、前記ネットワーク又は/及び前記メディアを介して前記情報通信機器から前記油圧工具に対応する前記特定情報を取得すると、
前記制御装置は前記特定情報に基づいて前記増圧装置から圧送される作動油の圧力値を調節する、ものである。
【0010】
第四の発明は、第一から第三の発明に係る高所作業車用の管理システムにおいて、
前記センサーには、前記増圧装置から圧送される作動油の圧力値を検出する圧力センサーが含まれ、
前記稼動情報には、前記増圧装置から圧送される作動油の圧力値に基づく前記油圧工具の作動回数が含まれ、
前記油圧工具の識別情報と、前記油圧工具の作動回数と、の対応に基づいて、前記情報通信機器は前記油圧工具の識別情報に前記油圧工具の作動回数を結びつけて記憶する、
又は/及び、
前記センサーには、前記油圧工具を使用する前後に操作される切替装置が含まれ、
前記稼動情報には、前記切替装置が操作された時間に基づく累積使用時間が含まれ、
前記油圧工具の識別情報と、前記油圧工具の累積使用時間と、の対応に基づいて、前記情報通信機器は前記油圧工具の識別情報に前記油圧工具の累積使用時間を結びつけて記憶する、ものである。
【0011】
第五の発明は、第一の発明に係る高所作業車用の管理システムにおいて、
前記稼動情報には前記油圧ホースの識別情報が含まれており、
前記施工計画に対応する前記油圧ホースが登録され、前記油圧ホースの識別情報に基づいて、前記施工計画に対して前記油圧ホースが適切であるか否かを判定する、ものである。
【0012】
第六の発明は、第五の発明に係る高所作業車用の管理システムにおいて、
前記センサーには、読取装置が含まれ、
前記制御装置に読取装置が接続されており、
前記油圧ホースの識別部に前記読取装置をかざすと当該油圧ホースの識別情報を取得できる、ものである。
【0013】
第七の発明は、第五の発明に係る高所作業車用の管理システムにおいて、
前記情報通信機器は、前記油圧工具ごとに定めた前記増圧装置の動作指令である特定情報を有し、
前記高所作業車に制御装置を具備し、
前記制御装置が、前記ネットワーク又は前記メディアを介して前記情報通信機器から前記油圧工具と前記油圧ホースの組み合わせに対応する特定情報を取得すると、
前記制御装置は前記特定情報に基づいて前記増圧装置から圧送される作動油の圧力値を調節する、ものである。
【0014】
第八の発明は、第五から第七の発明に係る高所作業車用の管理システムにおいて、
前記センサーには、前記増圧装置から圧送される作動油の圧力値を検出する圧力センサーが含まれ、
前記稼動情報には、前記増圧装置から圧送される作動油の圧力値に基づく前記油圧ホースの作動回数が含まれ、
前記油圧ホースの識別情報と、前記油圧ホースの作動回数と、の対応に基づいて、前記情報通信機器は前記油圧ホースの識別情報に前記油圧ホースの作動回数を結びつけて記憶する、
又は/及び、
前記センサーには、前記油圧工具を使用する前後に操作される切替装置が含まれ、
前記稼動情報には、前記切替装置が操作された時間に基づく累積使用時間が含まれ、
前記油圧ホースの識別情報と、前記油圧ホースの累積使用時間と、の対応に基づいて、前記情報通信機器は前記油圧ホースの識別情報に前記油圧ホースの累積使用時間を結びつけて記憶する、ものである。
【発明の効果】
【0015】
第一の発明に係る高所作業車用の管理システムにおいて、稼動情報には油圧工具の識別情報が含まれており、油圧工具情報通信機器は、施工計画に対応する油圧工具油圧工具が登録され、油圧工具の識別情報に基づいて、油圧工具施工計画に対して油圧工具油圧工具が適切であるか否かを判定する。かかる高所作業車用の管理システムによれば、識別情報に基づいて油圧工具の種類や型式等を管理できる。また、施工計画に対応する油圧工具を登録しておけば、施工計画に対して油圧工具が適切であるか否かを判定できる。
【0016】
第二の発明に係る高所作業車用の管理システムにおいて、油圧工具の識別部に読取装置をかざすと油圧工具の識別情報を取得できる。かかる高所作業車用の管理システムによれば、簡素な構成でありながらも確実に油圧工具の識別情報を取得することが可能となる。
【0017】
第三の発明に係る高所作業車用の管理システムにおいて、制御装置は特定情報に基づいて増圧装置から圧送される作動油の圧力値を調節する。かかる高所作業車用の管理システムによれば、油圧工具に対応する最適な圧力値となるように自動調節を行うことが可能となる。
【0018】
第四の発明に係る高所作業車用の管理システムにおいて、情報通信機器は油圧工具の識別情報に油圧工具の作動回数又は/及び累積使用時間を結びつけて記憶する。かかる高所作業車用の管理システムによれば、油圧工具の整備時期を予測することができる。
【0019】
第五の発明に係る高所作業車用の管理システムにおいて、稼動情報には油圧ホースの識別情報が含まれており、施工計画に対応する油圧ホースが登録され、油圧ホースの識別情報に基づいて、施工計画に対して油圧ホースが適切であるか否かを判定する。かかる高所作業車用の管理システムによれば、識別情報に基づいて油圧ホースの内径や長さ等を管理できる。また、施工計画に対応する油圧ホースを登録しておけば、施工計画に対して油圧ホースが適切であるか否かを判定できる。
【0020】
第六の発明に係る高所作業車用の管理システムにおいて、油圧ホースの識別部に読取装置をかざすと油圧ホースの識別情報を取得できる。かかる高所作業車用の管理システムによれば、簡素な構成でありながらも確実に油圧ホースの識別情報を取得することが可能となる。
【0021】
第七の発明に係る高所作業車用の管理システムにおいて、制御装置は特定情報に基づいて増圧装置から圧送される作動油の圧力値を調節する。かかる高所作業車用の管理システムによれば、油圧工具と油圧ホースの組み合わせに対応する最適な圧力値となるように自動調節を行うことが可能となる。
【0022】
第八の発明に係る高所作業車用の管理システムにおいて、情報通信機器は油圧ホースの識別情報に油圧ホースの作動回数又は/及び累積使用時間を結びつけて記憶する。かかる高所作業車用の管理システムによれば、油圧ホースの整備時期を予測することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】高所作業車用の管理システムを示す図。
図2】高所作業車を示す図。
図3】増圧装置の構成を示す図。
図4】油圧工具の動作態様を示す図。
図5】増圧装置から圧送される作動油の圧力波形を示す図。
図6】稼動情報の表示態様を示す図。
図7】稼動情報の表示態様を示す図。
図8】油圧工具の識別情報を取得している状況を示す図。
図9】油圧ホースの識別情報を取得している状況を示す図。
図10】増圧装置から圧送される作動油の圧力値を調節する方法を示す図。
図11】油圧工具と油圧ホースの組み合わせを示す図。
図12】工程管理レポートの一部を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0024】
まず、図1を用いて、高所作業車用の管理システム100について説明する。
【0025】
高所作業車用の管理システム100は、主に高所作業車1と情報通信機器2で構成されている。
【0026】
高所作業車1は、人工衛星3が発する信号に基づいて位置情報を検出できる。また、高所作業車1は、後述の圧力センサー19によって作動油の圧力情報を検出することもできる。そして、高所作業車1は、ネットワーク4を介して位置情報や圧力情報等からなる稼動情報を情報通信機器2へ送信する。
【0027】
情報通信機器2は、高所作業車1の稼動情報を取得できる。情報通信機器2には、ネットワーク4を介して情報端末(パーソナルコンピュータやスマートフォン等)5を接続できる。そのため、ユーザーは、自らが所持する情報端末5によって稼動情報を確認することができる。また、ユーザーは、異常診断や整備時期の策定についてのアラートを確認することもできる。なお、本管理システム100において、情報通信機器2は、いわゆるサーバコンピュータである。但し、情報通信機器2が情報端末5そのものであってもよい。更に、ネットワーク4を介することなく、SDカード等のメディア6を介して稼動情報を取得するとしてもよい。また、WiFi等を利用して稼動情報を取得するとしてもよい。
【0028】
次に、図2を用いて、高所作業車1について説明する。
【0029】
高所作業車1は、主に車両7と作業装置8で構成されている。
【0030】
車両7は、左右一対の前輪9と後輪10を備えている。また、車両7は、高所作業を行う際に接地させて安定を図るアウトリガ11を備えている。なお、車両7は、アクチュエータによって、その上部に支持する作業装置8を旋回自在としている。
【0031】
作業装置8は、その後部から前方へ突き出すようにブーム12を備えている。そのため、ブーム12は、アクチュエータによって旋回自在となっている(矢印A参照)。また、ブーム12は、アクチュエータによって伸縮自在となっている(矢印B参照)。更に、ブーム12は、アクチュエータによって起伏自在となっている(矢印C参照)。なお、ブーム12は、その先端部分にバケット13を備えている。バケット13は、パン・チルト動作を可能としている。バケット13には、作動油の吐出口14が設けられている。作動油は、吐出口14から油圧ホース33を経て油圧工具30へ送られる(図3参照)。
【0032】
次に、図3を用いて、増圧装置15について説明する。
【0033】
増圧装置15は、主に予圧用切換弁16と本圧用切換弁17と増圧シリンダ18と圧力センサー19で構成されている。
【0034】
予圧用切換弁16は、低圧油路22又は予圧油路23へ作動油を案内するものである。予圧用切換弁16は、図示しないスプールの摺動により、供給ポートにつながる排出ポートを切り換えることができる。供給ポートは、供給油路20を介してポンプ21に接続されている。一方の排出ポートは、低圧油路22を介して油圧工具30に接続されている。他方の排出ポートは、予圧油路23を介して油圧工具30に接続されている。更に、低圧油路22と予圧油路23は、充填油路24を介して増圧シリンダ18の増圧室18cに接続されている。
【0035】
本圧用切換弁17は、増圧油路25又は減圧油路26へ作動油を案内するものである。本圧用切換弁17は、図示しないスプールの摺動により、供給ポートにつながる排出ポートを切り換えることができる。供給ポートは、供給油路20を介してポンプ21に接続されている。一方の排出ポートは、増圧油路25を介して増圧シリンダ18の第一室18aに接続されている。他方の排出ポートは、減圧油路26を介して増圧シリンダ18の第二室18bに接続されている。なお、減圧油路26には、充填油路24に配置されたリリーフ弁のパイロット油路が接続されている。
【0036】
増圧シリンダ18は、油圧工具30へ送られる作動油を増圧するものである。増圧シリンダ18の大径部には、大径ピストンが収容されている。このため、大径ピストンの一方に第一室18aが形成され、大径ピストンの他方に第二室18bが形成されている。また、増圧シリンダ18の小径部には、小径ピストンが収容されている。このため、小径ピストンの一方に増圧室18cが形成されている。更に、大径ピストンと小径ピストンは、ロッドによって連結されている。従って、第一室18aに作動油が供給されると、大径ピストンに掛かる力が小径ピストンに伝達される。これにより、増圧シリンダ18は、増圧室18cの作動油を押し出し、油圧工具30へ送られる作動油を増圧することができるのである。
【0037】
圧力センサー19は、油圧工具30へ送られる作動油の油圧値を検出するものである。圧力センサー19は、増圧シリンダ18の増圧室18cに取り付けられている。但し、圧力センサー19は、充填油路24の適宜な位置に取り付けられるとしてもよい。或いは、充填油路24に接続される取出油路27の適宜な位置に取り付けられるとしてもよい。なお、圧力センサー19は、制御装置28に電気信号を伝達する。そのため、制御装置28は、増圧装置15から圧送される作動油の油圧情報を取得することができる。更に、制御装置28は、詳細な圧力情報を含む稼動情報を情報通信機器2へ送信することもできる。こうして、情報通信機器2は、高所作業車1の稼動情報を取得することができるのである。
【0038】
次に、図4及び図5を用いて、油圧工具30の動作態様と増圧装置15から圧送される作動油の圧力波形Wについて説明する。ここでは、油圧工具30が油圧式圧着工具30であるとして説明する。
【0039】
油圧式圧着工具30は、電力線の接続作業に用いられる。油圧式圧着工具30の動作態様は、可動部31と受止部32でスリーブSをつかむ仮保持動作と、可動部31と受止部32でスリーブSをかしめる本圧縮動作と、に分けられる。更に、本圧縮動作は、スリーブSに与圧荷重を掛ける予圧段階と、スリーブSに本圧荷重を掛ける本圧段階と、に分けられる。ここでは、初期状態をs0、仮保持動作をs1、本圧縮動作時における予圧段階をs2、本圧縮動作時における本圧段階s3、スリーブSを解放する戻し動作をs4として説明する。
【0040】
初期状態s0を実現する場合、制御装置28が予圧用切換弁16のスプールを摺動させ、供給油路20から低圧油路22及び予圧油路23を遮断する(図3参照)。同時に、本圧用切換弁17のスプールを摺動させ、供給油路20から増圧油路25及び減圧油路26を遮断する(図3参照)。これにより、油圧式圧着工具30は、可動部31がスリーブSから離れた状態を保つこととなる。初期状態s0においては、圧力センサー19によって検出される圧力値がP0となる。この圧力値P0が本願における「最低圧力」である。
【0041】
仮保持動作s1を実現する場合、制御装置28が予圧用切換弁16のスプールを摺動させ、供給油路20に低圧油路22を接続する(図3参照)。このとき、予圧油路23を作動油が逆流しないよう逆止弁が作動する。そして、本圧用切換弁17については、スプールを摺動させず、供給油路20から増圧油路25及び減圧油路26が遮断した状態を維持する(図3参照)。これにより、油圧式圧着工具30は、可動部31が低圧の作動油によって移動するため、可動部31と受止部32でスリーブSをつかむことができる。仮保持動作s1においては、圧力センサー19によって検出される圧力値がP1となる。この圧力値P1が本願における「仮保持圧力」である。
【0042】
本圧縮動作時における予圧段階s2を実現する場合、制御装置28が予圧用切換弁16のスプールを摺動させ、供給油路20に予圧油路23を接続する(図3参照)。このとき、低圧油路22を作動油が逆流しないよう逆止弁が作動する。そして、本圧用切換弁17については、スプールを摺動させず、供給油路20から増圧油路25及び減圧油路26が遮断した状態を維持する(図3参照)。これにより、油圧式圧着工具30は、可動部31が予圧の作動油によって移動するため、可動部31と受止部32でスリーブSに予圧荷重を掛けることができる。本圧縮動作時における予圧段階s2においては、圧力センサー19によって検出される圧力値がP2となる。この圧力値P2が本願における「動作切換圧力」である。
【0043】
本圧縮動作時における本圧段階s3を実現する場合、制御装置28が予圧用切換弁16のスプールを摺動させ、供給油路20から低圧油路22及び予圧油路23を遮断する(図3参照)。同時に、本圧用切換弁17のスプールを摺動させ、供給油路20に増圧油路25を接続する(図3参照)。このとき、増圧シリンダ18の第一室18aに作動油が供給されて各ピストンが動くので、増圧室18cから作動油が押し出されることとなる。これにより、油圧式圧着工具30は、可動部31が本圧の作動油によって移動するため、可動部31と受止部32でスリーブSに本圧荷重を掛けることができる。本圧縮動作時における本圧段階s3においては、圧力センサー19によって検出される圧力値がP3となる。この圧力値P3が本願における「最高圧力」である。
【0044】
戻し動作s4を実現する場合、制御装置28が予圧用切換弁16のスプールを摺動させず、供給油路20から低圧油路22及び予圧油路23が遮断した状態を維持する(図3参照)。同時に、本圧用切換弁17のスプールを摺動させ、供給油路20に減圧油路26を接続する(図3参照)。このとき、増圧シリンダ18の第二室18bに作動油が供給されて各ピストンが動くので、増圧室18cに作動油が吸い込まれることとなる。これにより、油圧式圧着工具30は、可動部31がスリーブSから離れるように移動するので、スリーブSを開放することができる。戻し動作s4においては、圧力センサー19によって検出される圧力値が再びP0となる。
【0045】
次に、図6又は図7を用いて、稼動情報Iの表示態様について説明する。また、図8から図12を用いて、その他の特徴点と工程管理レポートについて説明する。
【0046】
稼動情報Iは、情報端末5の表示装置50に表示される。稼動情報Iは、「高所作業車の位置情報I1」に加え、「接続作業の時間情報I2」、「作動油の圧力情報I3」、「油圧工具の識別情報I4」を含んでいる。本願の稼動情報Iは、電柱一本分ごとに分けられた上、時系列順に並べられた一覧表となっている。但し、表示態様については、これに限定するものではない。
【0047】
「高所作業車の位置情報I1」は、緯度及び経度で表される。具体的に説明すると、接続作業の終了後に切替装置(油圧工具を使用する前後に操作する切替装置である)がOFFになったときの緯度及び経度で表される。例えば、緯度が「34°20′0.08″N」、経度が「134°5′59.95″E」などと表される。但し、切替装置がOFFになったときの緯度及び経度ではなく、電柱の緯度及び経度であってもよい。
【0048】
「接続作業の時間情報I2」は、接続作業の開始時間と終了時間並びに接続作業の作業時間で表される。具体的に説明すると、接続作業の開始前に切替装置がONになったときの時間と接続作業の終了後に切替装置がOFFになったときの時間で表される。また、それら時間の差で表される。例えば、開始時間が「2018/03/13/09:36:38」、終了時間が「2018/03/13/09:41:38」、作業時間が「00:05:00」などと表される。
【0049】
「作動油の圧力情報I3」は、仮保持圧力(P1)の平均値並びに最高圧力(P3)の平均値並びに作動回数で表される。具体的に説明すると、仮保持圧力(P1)の全ての平均値で表される。また、最高圧力(P3)の全ての平均値で表される。更に、最高圧力(P3)に至った回数で表される。例えば、仮保持圧力(P1)の平均値が「100」、最高圧力(P3)の平均値が「743」、作動回数が「20」などと表される。なお、仮保持圧力(P1)の平均値は、20回分の仮保持圧力(P1)を平均したものである。最高圧力(P3)の平均値は、20回分の最高圧力(P3)を平均したものである。
【0050】
「油圧工具の識別情報I4」は、油圧式圧着工具30の種類や型式並びに備考で表される。具体的に説明すると、情報通信機器2に格納されている油圧式圧着工具30の種類や型式が呼び出されて表される。また、情報通信機器2に格納されている油圧式圧着工具30の備考が呼び出されて表される。例えば、油圧式圧着工具30の種類や型式が「油圧式圧着工具:ダイス径16.5mm」、油圧式圧着工具30の備考が「電力線の接続:××電力株式会社」などと表される。加えて、ケーブル径やスリーブ径が表されてもよい。なお、油圧式圧着工具30の種類や型式は、ユーザーが情報端末5を用いて入力することができる。油圧式圧着工具30の備考も、ユーザーが情報端末5を用いて入力することができる。油圧式圧着工具30の識別情報I4は、油圧式圧着工具30に設けられた識別部34に読取装置36をかざすと取得できる(図8参照)。識別部34とは、一次元コードや二次元コード、ICタグ等が想定される。
【0051】
ところで、本願に開示する高所作業車1においては、切替装置をOFFにすると稼動情報I(この段階では数値データそのものである)を送信するよう設定されている。しかし、油圧式圧着工具30が作動するたびに稼動情報I(数値データそのもの)を送信するとしてもよい。このようにすれば、油圧式圧着工具30の作動ごとの圧力情報I3を表示することが可能となる。また、高所作業車1と情報通信機器2を常時接続して連続的に稼動情報I(数値データそのもの)を送信するとしてもよい。このようにすれば、作動油の圧力波形Wでさえ表示することが可能となる。但し、制御装置28が蓄積した数値データをまとめて送信し、このような表示態様を実現してもよい。
【0052】
こうして、ユーザーは、圧力情報I3に基づいてかしめ荷重(最高圧力(P3))を把握・確認することができる。なお、稼動情報Iにおいては、圧力情報I3が位置情報I1及び時間情報I2に結びついている。そのため、かしめ荷重(最高圧力(P3))が不足していたときの場所と時間を把握・確認することが可能となる。そして、情報通信機器25は、閾値を設けることにより、かしめ荷重(最高圧力(P3))が不足しているか否かを自動的に判定することも可能となる。この場合、電子メール等のコミュニケーション手段を利用して積極的にアラートを発信することが考えられる。また、工程管理レポートにおける地図M上にかしめ荷重(最高圧力(P3))が不足していたときの場所を強調表示することも考えられる(図12におけるD部参照)。
【0053】
加えて、ユーザーは、識別情報I4に基づいて油圧式圧着工具(使用していた油圧式圧着工具或いはこれから使用する油圧式圧着工具)30の種類や型式等を把握・確認することができる。なお、稼動情報Iにおいては、識別情報I4が位置情報I1及び時間情報I2に結びついている。そのため、油圧式圧着工具30の種類や型式等に関して使用していた場所と時間を把握・確認することが可能となる。同様に、これから使用する予定の場所と時間を把握・確認することも可能となる。そして、情報通信機器2は、施工計画に対応する油圧式圧着工具30を登録しておくことにより、施工計画に対して油圧式圧着工具30が適切であるか否かを自動的に判定することも可能となる。この場合、電子メール等のコミュニケーション手段を利用して積極的にアラートを発信することが考えられる。また、適否に応じて一覧表に着色することも考えられる(図6におけるE部参照)。更に、工程管理レポートにおける地図M上に使用していた油圧式圧着工具30或いはこれから使用する油圧式圧着工具30を追加表示することも考えられる(図12におけるF部参照)。
【0054】
このように、情報通信機器2を用いて、油圧式圧着工具30の種類や型式等を管理する管理システム100にあっては、油圧式圧着工具30に応じて増圧装置15から圧送される作動油の圧力値を調節することも可能である。これは、制御装置28が情報通信機器2から油圧式圧着工具30に対応する特定情報を取得することで実現できる。つまり、油圧式圧着工具30に対応する特定情報を取得することで、仮保持圧力(P1)から動作切換圧力(P2)或いは最高圧力(P3)に至るまでの時間tを適宜に変更し、結果として最高圧力(P3)の値を調節するのである(図10の(A)及び(B)参照)。但し、最高圧力(P3)の値を調節する方法について限定するものではない。ここで、特定情報とは、油圧式圧着工具30ごとに定めた増圧装置15の動作指令といえる。
【0055】
以上のように、高所作業車用の管理システム100において、稼動情報Iには油圧工具(油圧式圧着工具30)の識別情報I4が含まれている。かかる高所作業車用の管理システム100によれば、識別情報I4に基づいて油圧工具(油圧式圧着工具30)の種類や型式等を管理できる。また、施工計画に対応する油圧工具(油圧式圧着工具30)を登録しておけば、施工計画に対して油圧工具(油圧式圧着工具30)が適切であるか否かを判定できる。
【0056】
また、高所作業車用の管理システム100において、油圧工具(油圧式圧着工具30)の識別部34に読取装置36をかざすと油圧工具(油圧式圧着工具30)の識別情報I4を取得できる。かかる高所作業車用の管理システム100によれば、簡素な構成でありながらも確実に油圧工具(油圧式圧着工具30)の識別情報I4を取得することが可能となる。
【0057】
更に、高所作業車用の管理システム100において、制御装置28は特定情報に基づいて増圧装置15から圧送される作動油の圧力値(最高圧力(P3)の値)を調節する。かかる高所作業車用の管理システム100によれば、油圧工具(油圧式圧着工具30)に対応する最適な圧力値(最高圧力(P3)の値)となるように自動調節を行うことが可能となる。
【0058】
加えて、情報通信機器2は、油圧式圧着工具30の識別情報に油圧式圧着工具30の作動回数を結びつけて記憶するとしてもよい。この点、作業時間を累積することによって油圧式圧着工具30ごとの累積使用時間として記憶してもよい。或いは、作動回数と累積使用時間の両方を記憶するとしてもよい。こうすることで、油圧式圧着工具30の整備時期(交換時期)を予測することができる。この場合であっても、電子メール等のコミュニケーション手段を利用して積極的にアラートを発信することが考えられる。
【0059】
その他、識別情報I4には、油圧ホース33の内径や長さが含まれることが好ましい(図7参照)。油圧ホース33の内径や長さによって圧力波形Wが変わるからである。具体的に説明すると、油圧ホース33の内径が大きく且つ長さが長い場合、即ち内部容積が大きい場合は、最高圧力(P3)が低くなり、油圧ホース33の内径が小さく且つ長さが短い場合、即ち内部容積が小さい場合は、最高圧力(P3)が高くなるからである。例えば、油圧ホース33の内径や長さが「内径9.5mm:長さ2000mm」などと表される。なお、油圧ホース33の内径や長さは、ユーザーが情報端末5を用いて入力することができる。油圧ホース33の識別情報I4は、油圧ホース33に設けられた識別部35に読取装置36をかざすと取得できる(図9参照)。識別部35とは、一次元コードや二次元コード、ICタグ等が想定される。
【0060】
こうすることで、ユーザーは、識別情報I4に基づいて油圧ホース(使用していた油圧ホース或いはこれから使用する油圧ホース)33の内径や長さ等を把握・確認することができる。なお、稼動情報Iにおいては、識別情報I4が位置情報I1及び時間情報I2に結びついている。そのため、油圧ホース33の内径や長さ等に関して使用していた場所と時間を把握・確認することが可能となる。同様に、これから使用する予定の場所と時間を把握・確認することも可能となる。そして、情報通信機器2は、施工計画に対応する油圧ホース33を登録しておくことにより、施工計画に対して油圧ホース33が適切であるか否かを自動的に判定することも可能となる。この場合、電子メール等のコミュニケーション手段を利用して積極的にアラートを発信することが考えられる。また、適否に応じて一覧表に着色することも考えられる(図7におけるG部参照)。更に、工程管理レポートにおける地図M上に使用していた油圧ホース33或いはこれから使用する油圧ホース33を追加表示することも考えられる(図12におけるH部参照)。
【0061】
このように、情報通信機器2を用いて、油圧式圧着工具30の種類や型式等及び油圧ホース33の内径や長さ等を管理する管理システム100にあっては、油圧式圧着工具30と油圧ホース33の組み合わせに応じて増圧装置15から圧送される作動油の圧力値を調節することも可能である。これは、制御装置28が情報通信機器2から油圧式圧着工具30と油圧ホース33の組み合わせに対応する特定情報を取得することで実現できる。つまり、油圧式圧着工具30と油圧ホース33の組み合わせに対応する特定情報を取得することで、仮保持圧力(P1)から動作切換圧力(P2)或いは最高圧力(P3)に至るまでの時間tを適宜に変更し、結果として最高圧力(P3)の値を調節するのである(図10の(A)及び(B)参照)。但し、最高圧力(P3)の値を調節する方法について限定するものではない。ここで、特定情報とは、油圧式圧着工具30と油圧ホース33の組み合わせごとに定めた増圧装置15の動作指令といえる(図11参照)。
【0062】
以上のように、高所作業車用の管理システム100において、稼動情報I4には油圧ホース33の識別情報I4が含まれている。かかる高所作業車用の管理システム100によれば、識別情報I4に基づいて油圧ホース33の内径や長さ等を管理できる。また、施工計画に対応する油圧ホース33を登録しておけば、施工計画に対して油圧ホース33が適切であるか否かを判定できる。
【0063】
また、高所作業車用の管理システム100において、油圧ホース33の識別部35に読取装置36をかざすと油圧ホース33の識別情報I4を取得できる。かかる高所作業車用の管理システム100によれば、簡素な構成でありながらも確実に油圧ホース33の識別情報I4を取得することが可能となる。
【0064】
更に、高所作業車用の管理システム100において、制御装置28は特定情報に基づいて増圧装置15から圧送される作動油の圧力値(最高圧力(P3)の値)を調節する。かかる高所作業車用の管理システム100によれば、油圧工具(油圧式圧着工具30)と油圧ホース33の組み合わせに対応する最適な圧力値(最高圧力(P3)の値)となるように自動調節を行うことが可能となる。
【0065】
加えて、情報通信機器2は、油圧ホース33の識別情報に油圧ホース33の作動回数(油圧ホース33ごとの油圧工具の作動回数)を結びつけて記憶する。この点、作業時間を累積することによって油圧ホース33ごとの累積使用時間として記憶してもよい。或いは、作動回数と累積使用時間の両方を記憶するとしてもよい。こうすることで、油圧ホース33の整備時期(交換時期)を予測することができる。この場合であっても、電子メール等のコミュニケーション手段を利用して積極的にアラートを発信することが考えられる。
【0066】
最後に、本願においては、油圧工具30の一例として油圧式圧着工具30を用いて説明したが、これに限定するものではない。例えば、油圧工具30がカッター(油圧式切断工具)等であってもよい。即ち、本願に開示する技術的思想は、油圧工具30の種類に関わらず適用できる。
【符号の説明】
【0067】
1 高所作業車
2 情報通信機器
15 増圧装置
28 制御装置
30 油圧工具(油圧式圧着工具)
33 油圧ホース
100 高所作業車用の管理システム
I 稼動情報
I1 高所作業車の位置情報
I2 接続作業の時間情報
I3 作動油の圧力情報
I4 油圧工具の識別情報
P0 最低圧力
P1 仮保持圧力
P2 動作切換圧力
P3 最高圧力
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12