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特許7155698情報処理装置、情報処理方法及び情報処理のためのプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-11
(45)【発行日】2022-10-19
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法及び情報処理のためのプログラム
(51)【国際特許分類】
   G16H 20/00 20180101AFI20221012BHJP
   G06Q 50/10 20120101ALI20221012BHJP
【FI】
G16H20/00
G06Q50/10
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2018134894
(22)【出願日】2018-07-18
(65)【公開番号】P2020013309
(43)【公開日】2020-01-23
【審査請求日】2021-07-01
(73)【特許権者】
【識別番号】503246015
【氏名又は名称】オムロンヘルスケア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【弁理士】
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100189913
【氏名又は名称】鵜飼 健
(74)【代理人】
【識別番号】100199565
【弁理士】
【氏名又は名称】飯野 茂
(72)【発明者】
【氏名】出野 徹
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 博則
(72)【発明者】
【氏名】濱口 貴広
(72)【発明者】
【氏名】山内 隆伸
(72)【発明者】
【氏名】松岡 和
【審査官】宮地 匡人
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-176242(JP,A)
【文献】特開2007-226611(JP,A)
【文献】特開2017-138880(JP,A)
【文献】特開2005-031733(JP,A)
【文献】特開2002-342640(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G16H 10/00-80/00
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象者と関連付けられている端末に接続される健康に関する機器の数を示す情報を含む前記対象者の健康に対する関心を示す第1の情報を取得する取得部と、
前記健康に関する機器の数に基づいて、前記対象者の健康に対する関心度を推定する推定部と、
前記関心度に基づいて、前記対象者へ提供する健康に関する第2の情報を選択する選択部と、
前記第2の情報を出力する出力部と、
を備える情報処理装置。
【請求項2】
前記第1の情報は、前記端末から健康に関するウェブページへのアクセス回数またはアクセス頻度を示す情報を含み、
前記推定部は、前記アクセス回数または前記アクセス頻度に基づいて前記関心度を推定する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記第1の情報は、前記端末に登録されている健康に関するウェブページまたはアプリケーションの数を示す情報を含み、
前記推定部は、前記ウェブページまたは前記アプリケーションの数に基づいて前記関心度を推定する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記推定部は、前記健康に関する機器の数に基づく前記関心度の推定に応じて前記関心度の推移を示す履歴を作成し、
前記選択部は、前記健康に関する機器の数に基づく前記関心度の推定に応じて前記履歴で示される前記関心度の最高レベルを検出し、前記関心度の前記最高レベルに対応するレベルの前記第2の情報を選択する、
請求項2または3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記推定部は、前記健康に関する機器の数に基づく前記関心度の推定に応じて前記関心度の推移を示す履歴を作成し、
前記選択部は、前記健康に関する機器の数に基づく前記関心度の推定に応じて前記端末と関連付けられている前記対象者の変更の有無を判断し、前記対象者の変更なしを示す判断結果に応じて、前記履歴で示される前記関心度の最高レベルを検出し、前記関心度の前記最高レベルに対応するレベルの前記第2の情報を選択し、前記対象者の変更ありを示す判断結果に応じて、前記健康に関する機器の数に基づいて推定された前記関心度に対応するレベル以下の前記第2の情報を選択する、
請求項2または3に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記取得部は、第1の外部機器から前記第1の情報を取得し、
前記出力部は、前記第2の情報を前記第1の外部機器とは異なる第2の外部機器へ出力する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記選択部は、前記関心度に応じて詳細度の異なる前記第2の情報を選択する、
請求項1から6のうちの何れか1項に記載の情報処理装置。
【請求項8】
情報処理装置が実行する情報処理方法であって、
対象者と関連付けられている端末に接続される健康に関する機器の数を示す情報を含む前記対象者の健康に対する関心を示す第1の情報を取得する取得過程と、
前記健康に関する機器の数に基づいて、前記対象者の健康に対する関心度を推定する推定過程と、
前記関心度に基づいて、前記対象者へ提供する健康に関する第2の情報を選択する選択過程と、
前記第2の情報を出力する出力過程と、
を備える情報処理方法。
【請求項9】
請求項1から7のうちの何れか1項に記載の情報処理装置が備える各部の処理をコンピュータに実行させる情報処理のためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、情報処理装置、情報処理方法及び情報処理のためのプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、人々の健康志向の高まりにより、健康に関する種々の技術が開発されている。
【0003】
特許文献1は、ユーザの健康状態を分析し、現在のユーザの健康状態分析結果と健康指導情報をユーザに通知する技術を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2002-63279号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に開示されている健康指導情報は、同じ健康状態の複数のユーザに対して同一の内容になっている。そのため、健康指導情報は、誰でも理解できるような内容になっており、人によっては物足りない内容となっていることがある。
【0006】
本発明は、上記事情に着目してなされたもので、本発明の目的は、対象者に応じた健康に関する情報を提供する技術を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の第1の態様は、対象者の健康に対する関心を示す第1の情報を取得する取得部と、前記第1の情報に基づいて、前記対象者の健康に対する関心度を推定する推定部と、前記関心度に基づいて、前記対象者へ提供する健康に関する第2の情報を選択する選択部と、前記第2の情報を出力する出力部と、を備える情報処理装置である。
健康に対する関心度の高い人と健康に対する関心度の低い人とでは、希望する健康情報の内容は異なる。情報処理装置は、対象者の関心度に基づいて、対象者に適した健康情報を提供することができる。対象者は、自身に適した健康情報を有効活用することができる。
【0008】
本開示の第2の態様は、上記第1の態様において、前記第1の情報が、前記対象者と関連付けられている端末の健康に関する利用を示す情報を含み、前記推定部が、前記健康に関する利用に基づいて前記関心度を推定するようにしたものである。
健康に対する関心度の高い人は、健康を目的として種々の用途で端末を利用する傾向にある。他方、健康に対する関心度の低い人は、健康を目的として端末をほとんど利用しない傾向にある。情報処理装置は、端末の健康に関する利用の実態を参照することで、健康に対する関心度の推定精度を向上させることができる。
【0009】
本開示の第3の態様は、上記第2の態様において、前記健康に関する利用を示す情報が、前記端末から健康に関するウェブページへのアクセス回数またはアクセス頻度を示す情報を含み、前記推定部が、前記アクセス回数または前記アクセス頻度に基づいて前記関心度を推定するようにしたものである。
健康に対する関心度の高い人は、端末を利用して健康に関するウェブページへ多くアクセスする傾向にある。他方、健康に対する関心度の低い人は、端末を利用して健康に関するウェブページへほとんどアクセスしない傾向にある。情報処理装置は、端末から健康に関するウェブページへのアクセス回数またはアクセス頻度を参照することで、健康に対する関心度の推定精度を向上させることができる。
【0010】
本開示の第4の態様は、上記第2の態様において、前記健康に関する利用を示す情報が、前記端末に登録されている健康に関するウェブページまたはアプリケーションの数を示す情報を含み、前記推定部が、前記ウェブページまたは前記アプリケーションの数に基づいて前記関心度を推定するようにしたものである。
健康に対する関心度の高い人は、端末で用いられているブラウザに多くの健康に関するウェブページのURLを登録する傾向にある。同様に、健康に対する関心度の高い人は、端末に健康に関するアプリケーションを多くインストールする傾向にある。他方、健康に対する関心度の低い人は、端末で用いられているブラウザにほとんど健康に関するウェブページのURLを登録しない傾向にある。同様に、健康に対する関心度の低い人は、端末に健康に関するアプリケーションをほとんどインストールしない傾向にある。情報処理装置は、端末に登録されている健康に関するウェブページまたはアプリケーションの数を参照することで、健康に対する関心度の推定精度を向上させることができる。
【0011】
本開示の第5の態様は、上記第2の態様において、前記健康に関する利用を示す情報が、前記端末に接続される健康に関する機器の数または種類を示す情報を含み、前記推定部が、前記健康に関する機器の数または種類に基づいて前記関心度を推定するようにしたものである。
健康に対する関心度の高い人は、多くの健康に関する機器を端末に接続する傾向にある。同様に、健康に対する関心度の高い人は、体重計などの家庭に普及している健康に関する機器だけでなく、血圧計などの医療的な健康に関する機器を端末に接続する傾向にある。血圧計などの医療的な健康に関する機器は、体重計などの家庭に普及している健康に関する機器よりも、健康に対する関心度の高い人向けの機器といえる。他方、健康に対する関心度の低い人は、ほとんど健康に関する機器を端末に接続しない傾向にある。同様に、健康に対する関心度の低い人は、体重計などの家庭に普及している健康に関する機器を端末に接続しても、血圧計などの医療的な健康に関する機器を端末に接続しない傾向にある。情報処理装置は、端末に接続される健康に関する機器の数または種類を参照することで、健康に対する関心度の推定精度を向上させることができる。
【0012】
本開示の第6の態様は、上記第2の態様から第5の態様のうちの何れかの態様において、前記推定部が、前記健康に関する利用に基づく前記関心度の推定に応じて前記関心度の推移を示す履歴を作成し、前記選択部が、前記健康に関する利用に基づく前記関心度の推定に応じて前記履歴で示される前記関心度の最高レベルを検出し、前記関心度の前記最高レベルに対応するレベルの前記第2の情報を選択するようにしたものである。
対象者の健康に対する関心度が以前よりも低くなったとしても、対象者の健康に関する知識レベルは高いままである。情報処理装置は、関心度の推移を示す履歴を参照することで、過去に対象者に提供した健康情報と比べて質を落とすことなく、対象者に適した詳細度の健康情報を提供することができる。対象者は、自身の理解可能なレベルの健康情報を受けるので、健康情報を有効活用することができる。
【0013】
本開示の第7の態様は、上記第2の態様から第5の態様のうちの何れかの態様において、前記推定部が、前記健康に関する利用に基づく前記関心度の推定に応じて前記関心度の推移を示す履歴を作成し、前記選択部が、前記健康に関する利用に基づく前記関心度の推定に応じて前記端末と関連付けられている前記対象者の変更の有無を判断し、前記対象者の変更なしを示す判断結果に応じて、前記履歴で示される前記関心度の最高レベルを検出し、前記関心度の前記最高レベルに対応するレベルの前記第2の情報を選択し、前記対象者の変更ありを示す判断結果に応じて、前記健康に関する利用に基づいて推定された前記関心度に対応するレベル以下の前記第2の情報を選択するようにしたものである。
端末と関連付けられている対象者(所有者)は、端末の譲渡などにより変わることがある。端末と関連付けられている現在の対象者の知識レベルは、以前に端末と関連付けられていた別の対象者の知識レベルよりも低いことがある。そのため、端末と関連付けられている現在の対象者は、以前の別の対象者に提供されたレベルと同じレベルの健康情報を受けても理解することができない可能性がある。端末と関連付けられている現在の対象者は、現在の自身の関心度に対応するレベル以下の健康情報を受ける方が好ましい。情報処理装置は、端末と関連付けられている対象者の変更の有無に応じて対象者に提供する健康情報のレベルを変更することで、対象者に適した詳細度の健康情報を提供することができる。
【0014】
本開示の第8の態様は、上記第1の態様において、前記取得部が、第1の外部機器から前記第1の情報を取得し、前記出力部が、前記第2の情報を前記第1の外部機器とは異なる第2の外部機器へ出力するようにしたものである。
例えば、対象者は、AI(Artificial Intelligence)スピーカまたはスマートスピーカなどの第1の外部機器に健康に関する内容を発声により入力し、自身の携帯端末などの第2の外部機器で健康情報を確認したいことがある。対象者は、健康に関する内容の入力と健康情報の確認を異なる機器で行うことができるので、対象者の利便性は向上する。
【0015】
本開示の第9の態様は、上記第1の態様から第8の態様のうちの何れかの態様において、前記選択部が、前記関心度に応じて詳細度の異なる前記第2の情報を選択するようにしたものである。
対象者の健康に対する関心度が高くなればなるほど、対象者は、より詳細な健康に関する情報を望む傾向にある。情報処理装置は、対象者の関心度に基づいて、対象者に適した詳細度の健康情報を提供することができる。対象者は、自身に適した健康情報を有効活用することができる。
【0016】
本開示の第10の態様は、対象者の健康に対する関心を示す第1の情報を取得する取得過程と、前記第1の情報に基づいて、前記対象者の健康に対する関心度を推定する推定過程と、前記関心度に基づいて、前記対象者へ提供する健康に関する第2の情報を選択する選択過程と、前記第2の情報を出力する出力過程と、を備える情報処理方法である。
第10の態様によれば、情報処理方法は、上述の第1の態様と同様の効果を得ることができる。
【0017】
本開示の第11の態様は、第1の態様から第9の態様のうちの何れかの情報処理装置が備える各部の処理をコンピュータに実行させる情報処理のためのプログラムである。
第11の態様によれば、情報処理のためのプログラムは、上述の第1の態様と同様の効果を得ることができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、対象者に応じた健康に関する情報を提供する技術を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本実施形態に係るサーバの適用例を模式的に示す図。
図2】本実施形態に係る情報配信システムの全体構成を例示する図。
図3】本実施形態に係るサーバのハードウェア構成を例示するブロック図。
図4】本実施形態に係るサーバのソフトウェア構成を例示するブロック図。
図5】本実施形態に係る携帯端末のハードウェア構成を例示するブロック図。
図6】本実施形態に係るサーバにおける情報出力動作を例示するフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本開示に係る実施の形態(以下、「本実施形態」とも表記する)を、図面に基づいて説明する。ただし、以下で説明する本実施形態は、あらゆる点において例示に過ぎない。なお、以降、説明済みの要素と同一または類似の要素には同一または類似の符号を付し、重複する説明については基本的に省略する。
【0021】
§1 適用例
本実施形態は、各人の健康に対する関心を示す関心情報に基づいて、各人に応じた健康に関する健康情報を配信する技術である。
【0022】
図1は、サーバA1の適用例を模式的に示す図である。
サーバA1は、ネットワークを介して、携帯端末A2から、携帯端末A2と関連付けられている対象者の関心情報を受信する。サーバA1は、関心情報に基づいて、対象者の健康に対する関心度を推定する。サーバA1は、関心度に基づいて、対象者へ提供する健康情報を選択する。サーバA1は、健康情報を携帯端末A2へ送信する。対象者は、携帯端末A2で自身に適した健康情報を確認することができる。
【0023】
このように、サーバA1は、各人に応じた健康情報を提供することができる。
【0024】
§2 構成例
<情報配信システム>
図2は、情報配信システム100の全体構成を例示する図である。情報配信システム100は、各人の健康に対する関心を示す情報に基づいて、各人に応じた健康に関する情報を配信するためのシステムである。健康に対する関心を示す情報は、関心情報ともいう。関心情報は、第1の情報ともいう。関心情報の例については後述する。健康に関する情報は、健康情報ともいう。健康情報は、第2の情報ともいう。健康情報の例については後述する。
【0025】
情報配信システム100は、サーバ1及び携帯端末2を備える。サーバ1及び携帯端末2は、互いにネットワークを介して通信可能である。例えば、ネットワークは、インターネットである。
【0026】
サーバ1は、各人の関心度に基づいて各人に応じた健康情報を配信する装置である。サーバ1は、各人の関心情報に基づいて各人の健康に関する関心度を推定することができる。
【0027】
携帯端末2は、携帯端末2と関連付けられている対象者の関心情報をサーバ1へ送信する装置である。携帯端末2と関連付けられている対象者は、携帯端末2の所有者ともいえる。例えば、携帯端末2は、スマートフォンまたはタブレットであるが、これらに限定されない。携帯端末2は、血圧計3と直接的に通信し、血圧データを受信する。血圧計3は、携帯端末2に接続される機器である。同様に、携帯端末2は、体重計4と直接的に通信し、体重データを受信する。体重計4は、携帯端末2に接続される機器である。血圧計3及び体重計4は、健康に関する機器の例である。健康に関する機器は、後述するように、対象者の関心情報に関連する。
【0028】
<サーバ>
[ハードウェア構成]
図3は、サーバ1のハードウェア構成を例示するブロック図である。
サーバ1は、プロセッサ101、ROM(Read Only Memory)102、RAM(Random Access Memory)103、記憶装置104及び通信インタフェース105を備える。各要素は、互いに電気的に接続されている。なお、図3では、通信インタフェースを、「通信I/F」と記載している。
【0029】
プロセッサ101は、サーバ1の各要素を制御する。例えば、プロセッサ101は、CPU(Central Processing Unit)であるが、これに限定されない。プロセッサ101は、記憶装置104に格納されたサーバ1を実行させるためのプログラムをRAM103に展開する。そして、プロセッサ101がRAM103に展開されたプログラムを解釈及び実行することで、プロセッサ101は、各種動作を実行可能である。
【0030】
記憶装置104は、いわゆる補助記憶装置である。例えば、記憶装置104は、HDD(Hard Disk Drive)であるが、これに限定されない。記憶装置104は、プロセッサ101で実行されるプログラムを記憶する。なお、プログラムは、予め記憶装置104に記憶されていてもよい。プログラムは、ネットワークを介してサーバ1にダウンロードされてもよい。プログラムは、非一時的なコンピュータ可読媒体に記憶され、流通していてもよい。
【0031】
記憶装置104は、サーバ1が各人の携帯端末2から受信した関心情報を記憶する。サーバ1は、各人の携帯端末2が自律的に送信する関心情報の受信に基づいて、関心情報を記憶装置104に保存してもよい。これに代えて、サーバ1は、各人の携帯端末2に対して関心情報の要求を送信し、携帯端末2からの関心情報の受信に基づいて、関心情報を記憶装置104に保存してもよい。
【0032】
関心情報の例について説明する。例えば、関心情報は、各人と関連付けられている携帯端末2の健康に関する利用を示す情報を含む。携帯端末2の健康に関する利用を示す情報は、利用情報ともいう。利用情報は、携帯端末2における健康に関する利用に基づく値を示す情報である。なお、関心情報は、各人の健康に対する関心を示す情報であればよく、利用情報に限定されるものではない。
【0033】
利用情報について以下に例示するが、利用情報は、以下の例に限定されるものではない。
一例では、利用情報は、携帯端末2から健康に関するウェブページへのアクセス回数またはアクセス頻度を示す情報を含む。健康に関するウェブページは、健康に結びつく可能性のあるウェブページであればよい。健康に関するウェブページに含まれる範囲は、任意に設定可能である。健康に関するウェブページは、医療についてのウェブページを含んでいてもよい。健康に関するウェブページは、薬剤についてのウェブページを含んでいてもよい。健康に関するウェブページは、病気についてのウェブページを含んでいてもよい。健康に関するウェブページは、運動についてのウェブページを含んでいてもよい。健康に関するウェブページは、血圧計または体重計などの健康に関する機器についてのウェブページを含んでいてもよい。アクセス回数は、予め決められた所定期間内におけるアクセス回数であってもよい。アクセス回数は、携帯端末2の動作開始時から現在までの間のアクセス回数であってもよい。アクセス回数は、複数回の同じウェブページへのアクセスを1回とカウントしてもよい。アクセス回数は、同じウェブページへの複数回のアクセスであっても延べ回数をカウントしてもよい。アクセス頻度は、予め決められた所定期間内におけるアクセス頻度であっても、携帯端末2の動作開始時から現在までの間のアクセス頻度であってもよい。アクセス頻度は、健康に関するウェブページへアクセスする平均の時間間隔であってもよい。アクセス頻度は、各人がアクセスした全てのウェブページに占める健康に関するウェブページの割合であってもよい。
【0034】
別の例では、利用情報は、携帯端末2に登録されている健康に関するウェブページまたはアプリケーションの数を示す情報を含む。例えば、携帯端末2に登録されている健康に関するウェブページの数は、携帯端末2で用いられているブラウザに登録されている健康に関するウェブページのURL(Uniform Resource Locator)の数に相当する。例えば、携帯端末2に登録されている健康に関するアプリケーションの数は、携帯端末2にインストールされている健康に関するアプリケーションの数に相当する。
【0035】
さらに別の例では、利用情報は、携帯端末2に接続される健康に関する機器の数または種類を示す情報を含む。例えば、携帯端末2に接続される健康に関する機器の数は、携帯端末2と健康に関する機器との間の通信を可能にするために携帯端末2にインストールされているアプリケーションの数に相当する。血圧計3との通信を可能にするためのアプリケーション及び体重計4との通信を可能にするためのアプリケーションが携帯端末2にインストールされている場合、携帯端末2に接続される健康に関する機器の数は、2である。例えば、携帯端末2に接続される健康に関する機器の種類は、携帯端末2と健康に関する機器との間の通信を可能にするために携帯端末2にインストールされているアプリケーションの種類に相当する。血圧計3との通信を可能にするためのアプリケーションが携帯端末2にインストールされている場合、携帯端末2に接続される健康に関する機器の種類は、血圧計を含む。体重計4との通信を可能にするためのアプリケーションが携帯端末2にインストールされている場合、携帯端末2に接続される健康に関する機器の種類は、体重計を含む。
【0036】
記憶装置104は、健康情報を記憶する。例えば、記憶装置104は、詳細度の異なる健康情報を記憶する。詳細度は、難易度または専門度にも相当する。例えば、詳細度は3段階である。詳細度が高の健康情報は、一定以上の知識を有する人が理解することができるレベルの情報である。例えば、詳細度が高の健康情報は、高血圧に効果を発揮する薬剤の成分及び薬剤の作用メカニズムなどの詳細な情報であってもよい。詳細度が中の健康情報は、ある程度の人が理解することができるレベルの情報である。例えば、詳細度が中の健康情報は、高血圧を予防するための日常生活の健康法などの情報であってもよい。詳細度が低の健康情報は、大多数の人が理解することができるレベルの情報である。例えば、詳細度が低の健康情報は、高血圧とは何かを説明する概略的な情報であってもよい。なお、詳細度は、2段階または4段階以上であってもよい。
【0037】
通信インタフェース105は、サーバ1を他の装置と通信可能に接続するためのインタフェースである。通信インタフェース105は、有線通信のためのインタフェースを含んでいても、移動通信(3G、4Gなど)及びWLANなどの無線通信のためのインタフェースを含んでいてもよい。
【0038】
なお、サーバ1の具体的なハードウェア構成に関して、実施形態に応じて、適宜、構成要素の省略、置換及び追加が可能である。例えば、サーバ1は、複数のプロセッサを含んでもよい。
【0039】
[ソフトウェア構成]
図4は、サーバ1のソフトウェア構成を例示するブロック図である。
プロセッサ101は、取得部1011、推定部1012、選択部1013及び出力部1014を実装する。
【0040】
取得部1011について説明する。取得部1011は、以下に例示するように、対象者の関心情報を取得する。取得部1011は、記憶装置104に記憶されている対象者の関心情報を取得する。取得部1011は、対象者の関心情報を推定部1012へ出力する。記憶装置104に記憶されている各人の関心情報を推定部1012へ順次出力する。取得部1011は、任意のタイミングで関心情報の取得処理を実行してもよい。取得部1011は、一定期間毎に関心情報の取得処理を実行してもよい。
【0041】
推定部1012について説明する。推定部1012は、以下に例示するように、対象者の関心情報に基づいて、対象者の健康に対する関心度を推定する。まず、推定部1012は、取得部1011から対象者の関心情報を受ける。次に、推定部1012は、対象者の関心情報を参照する。例えば、推定部1012は、関心情報に含まれる1以上の情報に基づく値を用いて、関心度を推定することができる。推定部1012は、関心情報に含まれる1以上の情報に基づく値を予め決められた算出式に入れて関心度を推定してもよい。推定部1012は、関心情報に含まれる1以上の情報に基づく値に予め決められた規則に従って重み係数を与えてもよい。
【0042】
推定部1012は、対象者の関心情報に含まれる利用情報を参照してもよい。推定部1012は、利用情報によって示される携帯端末2の健康に関する利用に基づいて、対象者の健康に対する関心度を推定することができる。対象者による携帯端末2の健康に関する利用が多くなるに応じて、推定部1012は、より高い関心度を推定する。例えば、推定部1012は、利用情報に含まれる1以上の情報に基づく値を用いて、関心度を推定することができる。推定部1012は、利用情報に含まれる1以上の情報に基づく値を予め決められた算出式に入れて関心度を推定してもよい。推定部1012は、利用情報に含まれる1以上の情報に基づく値に予め決められた規則に従って重み係数を与えてもよい。
【0043】
推定部1012は、利用情報に含まれる携帯端末2から健康に関するウェブページへのアクセス回数またはアクセス頻度を示す情報を参照してもよい。推定部1012は、携帯端末2から健康に関するウェブページへのアクセス回数またはアクセス頻度に基づいて、対象者の健康に対する関心度を推定することができる。携帯端末2から健康に関するウェブページへのアクセス回数またはアクセス頻度が多くなるに応じて、推定部1012は、より高い関心度を推定する。一例では、推定部1012は、アクセス回数またはアクセス頻度を予め決められた算出式に入れて関心度を推定してもよい。別の例では、推定部1012は、予め決められたアクセス回数と関心度とを対応付けたテーブルを参照し、アクセス回数に基づいて関心度を推定してもよい。同様に、推定部1012は、予め決められたアクセス頻度と関心度とを対応付けたテーブルを参照し、アクセス頻度に基づいて関心度を推定してもよい。これらのテーブルは、記憶装置104に記憶されている。
【0044】
推定部1012は、利用情報に含まれる携帯端末2に登録されている健康に関するウェブページまたはアプリケーションの数を示す情報を参照してもよい。推定部1012は、携帯端末2に登録されている健康に関するウェブページまたはアプリケーションの数に基づいて、対象者の健康に対する関心度を推定することができる。携帯端末2に登録されている健康に関するウェブページまたはアプリケーションの数が多くなるに応じて、推定部1012は、より高い関心度を推定する。一例では、推定部1012は、ウェブページまたはアプリケーションの数を予め決められた算出式に入れて関心度を推定してもよい。別の例では、推定部1012は、予め決められたウェブページの数と関心度とを対応付けたテーブルを参照し、ウェブページの数に基づいて関心度を推定してもよい。同様に、推定部1012は、予め決められたアプリケーションの数と関心度とを対応付けたテーブルを参照し、アプリケーションの数に基づいて関心度を推定してもよい。これらのテーブルは、記憶装置104に記憶されている。
【0045】
推定部1012は、利用情報に含まれる携帯端末2に接続される健康に関する機器の数または種類を示す情報を参照してもよい。推定部1012は、携帯端末2に接続される健康に関する機器の数または種類に基づいて、対象者の健康に対する関心度を推定することができる。携帯端末2に接続される健康に関する機器の数が多くなるに応じて、推定部1012は、より高い関心度を推定する。携帯端末2に接続される健康に関する機器の種類が特定の種類(例えば、血圧計などの医療的な健康に関する機器)を含む場合、推定部1012は、より高い関心度を推定する。一例では、推定部1012は、健康に関する機器の数または種類を予め決められた算出式に入れて関心度を推定してもよい。別の例では、推定部1012は、予め決められた健康に関する機器の数と関心度とを対応付けたテーブルを参照し、健康に関する機器の数に基づいて関心度を推定してもよい。同様に、推定部1012は、予め決められた健康に関する機器の種類と関心度とを対応付けたテーブルを参照し、健康に関する機器の種類に基づいて関心度を推定してもよい。これらのテーブルは、記憶装置104に記憶されている。
【0046】
推定部1012は、対象者の関心度を示す情報を選択部1013へ出力する。
【0047】
選択部1013について説明する。選択部1013は、以下に例示するように、対象者の関心度に基づいて、対象者へ提供する健康情報を選択する。まず、選択部1013は、推定部1012から対象者の関心度を示す情報を受ける。次に、選択部1013は、対象者の関心度に基づいて、記憶装置104から健康情報を選択する。選択部1013は、記憶装置104から対象者の関心度に対応する健康情報を選択する。選択部1013は、対象者の関心度に応じて詳細度の異なる健康情報を選択してもよい。例えば、選択部1013は、予め決められた関心度と健康情報とを対応付けたテーブルを参照し、健康情報の選択処理を実行することができる。このテーブルは、記憶装置104に記憶されている。選択部1013は、このテーブルを参照し、記憶装置104から対象者の関心度に対応するレベルの健康情報を選択する。選択部1013は、対象者の健康情報を出力部1014へ出力する。
【0048】
出力部1014について説明する。出力部1014は、以下に例示するように、対象者の健康情報を出力する。まず、出力部1014は、選択部1013から対象者の健康情報を受ける。次に、出力部1014は、通信インタフェース105を介して、対象者へ提供する健康情報を、対象者と関連付けられている携帯端末2へ出力する。これにより、携帯端末2は、表示部207に健康情報を表示することができる。対象者は、携帯端末2で自身に適した健康情報を確認することができる。
【0049】
<携帯端末>
[ハードウェア構成]
図5は、携帯端末2のハードウェア構成を例示するブロック図である。
携帯端末2は、プロセッサ201、ROM202、RAM203、記憶装置204、通信インタフェース205、入力部206、表示部207及び音声出力部208を備える。各要素は、互いに電気的に接続されている。なお、図5では、通信インタフェースを、「通信I/F」と記載している。
【0050】
プロセッサ201は、携帯端末2の各要素を制御する。例えば、プロセッサ201は、CPUであるが、これに限定されない。プロセッサ01は、記憶装置204に格納された携帯端末2を実行させるためのプログラムをRAM203に展開する。そして、プロセッサ201がRAM203に展開されたプログラムを解釈及び実行することで、プロセッサ201は、各種動作を実行可能である。
【0051】
記憶装置204は、いわゆる補助記憶装置である。例えば、記憶装置204は、内蔵または外付けのフラッシュメモリなどの半導体メモリであるが、これらに限定されない。記憶装置204は、プロセッサ201で実行されるプログラムを記憶する。なお、プログラムは、予め記憶装置204に記憶されていてもよい。プログラムは、ネットワークを介して携帯端末2にダウンロードされてもよい。プログラムは、非一時的なコンピュータ可読媒体に記憶され、流通していてもよい。
記憶装置204は、関心情報を記憶する。関心情報は、プロセッサ201の処理によって導き出される。例えば、プロセッサ201は、ウェブページへのアクセス履歴を参照して健康に関するウェブページへのアクセス回数またはアクセス頻度を導き出す。プロセッサ201は、健康に関するウェブページへのアクセス回数またはアクセス頻度を示す情報を記憶装置204に保存する。例えば、プロセッサ201は、ブラウザに登録されているウェブページのURLを参照して携帯端末2に登録されている健康に関するウェブページまたはアプリケーションの数を導き出す。プロセッサ201は、携帯端末2に登録されている健康に関するウェブページまたはアプリケーションの数を示す情報を記憶装置204に保存する。例えば、プロセッサ201は、携帯端末2にインストールされているアプリケーションの数を参照して携帯端末2に接続される健康に関する機器の数を導き出す。プロセッサ201は、携帯端末2にインストールされているアプリケーションの種類を参照して携帯端末2に接続される健康に関する機器の種類を導き出す。プロセッサ201は、携帯端末2に接続される健康に関する機器の数または種類を示す情報を記憶装置204に保存する。
【0052】
通信インタフェース205は、携帯端末2を他の装置と通信可能に接続するためのインタフェースである。通信インタフェース205は、近距離無線通信方式用のモジュールを含む。近距離無線通信方式は、例えばブルートゥース(登録商標)による通信方式であるが、これに限定されない。通信インタフェース205は、近距離無線通信方式を用いて、血圧計3及び体重計4と直接的に通信することができる。さらに、通信インタフェース205は、移動通信(3G、4Gなど)及びWLANなどのための各種無線通信方式用のモジュールを含む。この場合、通信インタフェース205は、各種無線通信方式を用いて、サーバ1と通信することができる。
【0053】
入力部206は、対象者の入力による指示を受け付ける装置である。例えば、入力部206は、タッチパネル及び操作キーを含むが、これらに限定されない。入力部206は、対象者の入力による指示に応じた信号をプロセッサ201へ出力する。なお、入力部206は、対象者の操作に基づく入力による指示を受け付ける装置に限定されるものではなく、
対象者の音声に基づく入力による指示を受け付ける装置であってもよい。
【0054】
表示部207は、情報を表示する装置である。例えば、表示部207は、液晶ディスプレイであるが、これに限定されない。
【0055】
音声出力部208は、音声を出力する装置である。例えば、音声出力部208は、スピーカであるが、これに限定されない。
【0056】
なお、携帯端末2の具体的なハードウェア構成に関して、実施形態に応じて、適宜、構成要素の省略、置換及び追加が可能である。例えば、携帯端末2は、複数のプロセッサを含んでもよい。
【0057】
§3 動作例
<サーバ>
[情報出力動作]
図6は、サーバ1における情報出力動作を例示するフローチャートである。なお、以下で説明する処理手順は一例に過ぎず、各処理は可能な限り変更されてよい。また、以下で説明する処理手順については、適宜、ステップの省略、置換及び追加が可能である。
【0058】
取得部1011は、関心情報を取得する(ステップS101)。ステップS101では、取得部1011は、例示したように、記憶装置104から対象者の関心情報を取得する。取得部1011は、関心情報を推定部1012へ出力する。
【0059】
推定部1012は、関心度を推定する(ステップS102)。ステップS102では、推定部1012は、例示したように、関心情報に基づいて、対象者の健康に対する関心度を推定する。推定部1012は、関心度を示す情報を選択部1013へ出力する。
【0060】
選択部1013は、健康情報を選択する(ステップS103)。ステップS103では、選択部1013は、例示したように、対象者の関心度に基づいて、対象者へ提供する健康情報を選択する。例えば、選択部1013は、関心度に応じて詳細度の異なる健康情報を選択する。選択部1013は、健康情報を出力部1014へ出力する。
【0061】
出力部1014は、健康情報を出力する(ステップS104)。ステップS104では、出力部1014は、例示したように、通信インタフェース105を介して、対象者へ提供する健康情報を、対象者と関連付けられている携帯端末2へ出力する。
【0062】
プロセッサ101は、記憶装置104から各人の関心情報を取得する毎に、上述の情報出力動作を繰り返し実行することができる。
【0063】
なお、ステップS102において、推定部1012は、上述のように、対象者と関連付けられている携帯端末2の健康に関する利用に基づいて対象者の関心度を推定してもよい。この例では、関心情報は、利用情報を含む。
【0064】
なお、ステップS102において、推定部1012は、上述のように、携帯端末2から健康に関するウェブページへのアクセス回数またはアクセス頻度に基づいて健康に対する関心度を推定してもよい。この例では、利用情報は、携帯端末2から健康に関するウェブページへのアクセス回数またはアクセス頻度を示す情報を含む。
【0065】
なお、ステップS102において、推定部1012は、上述のように、携帯端末2に登録されている健康に関するウェブページまたはアプリケーションの数に基づいて健康に対する関心度を推定してもよい。この例では、利用情報は、携帯端末2に登録されている健康に関するウェブページまたはアプリケーションの数を示す情報を含む。
【0066】
なお、ステップS102において、推定部1012は、上述のように、携帯端末2に接続される健康に関する機器の数または種類に基づいて健康に対する関心度を推定してもよい。この例では、利用情報は、携帯端末2に接続される健康に関する機器の数または種類を示す情報を含む。
【0067】
なお、ステップS102において、推定部1012は、対象者と関連付けられている携帯端末2の健康に関する利用に基づく関心度の推定に応じて、関心度の推移を示す履歴を作成してもよい。履歴は、関心度の推定日時と関心度のレベルを関連付けている。履歴は、この履歴と関連付けられている携帯端末2の識別情報を含んでいてもよい。履歴は、この履歴と関連付けられている対象者の識別情報を含んでいてもよい。携帯端末2の識別情報及び対象者の識別情報は、サーバ1が携帯端末2から受信する関心情報に含まれていてもよい。推定部1012は、履歴を記憶装置104に保存してもよい。推定部1012が履歴を作成する場合、ステップS103において、選択部1013は、以下のように健康情報を選択する。
【0068】
一例では、選択部1013は、対象者と関連付けられている携帯端末2の健康に関する利用に基づく関心度の推定に応じて、履歴で示される関心度の最高レベルを検出する。例えば、選択部1013は、履歴に含まれる複数の関心度のレベルの中から、関心度の最高レベルを検出する。次に、選択部1013は、関心度の最高レベルに対応するレベルの健康情報を選択する。例えば、選択部1013は、記憶装置104に記憶されている予め決められた関心度と健康情報とを対応付けたテーブルを参照し、関心度の最高レベルに対応するレベルの健康情報を選択する。
【0069】
別の例では、選択部1013は、対象者と関連付けられている携帯端末2の健康に関する利用に基づく関心度の推定に応じて、携帯端末2と関連付けられている対象者の変更の有無を判断する。例えば、選択部1013は、関心度の推定の基となる関心情報に含まれる携帯端末2の識別情報及び対象者の識別情報を参照する。選択部1013は、記憶装置104から関心情報に含まれる携帯端末2の識別情報と関連付けられている履歴を取得する。選択部1013は、関心情報に含まれる対象者の識別情報を履歴に含まれる対象者の識別情報と比較する。関心情報に含まれる対象者の識別情報が履歴に含まれる対象者の識別情報に対応する場合、選択部1013は、携帯端末2と関連付けられている対象者の変更なしと判断する。他方、関心情報に含まれる対象者の識別情報が履歴に含まれる対象者の識別情報に対応しない場合、選択部1013は、携帯端末2と関連付けられている対象者の変更ありと判断する。これにより、選択部1013は、対象者の変更なし、または、対象者の変更ありの何れかを判断することができる。次に、選択部1013は、対象者の変更なしを示す判断結果に応じて、履歴で示される関心度の最高レベルを検出する。例えば、選択部1013は、履歴に含まれる複数の関心度のレベルの中から、関心度の最高レベルを検出する。次に、選択部1013は、関心度の最高レベルに対応するレベルの健康情報を選択する。他方、選択部1013は、対象者の変更ありを示す判断結果に応じて、推定部1012によって健康に関する利用に基づいて推定された関心度に対応するレベル以下の健康情報を選択する。例えば、選択部1013は、記憶装置104に記憶されている予め決められた関心度と健康情報とを対応付けたテーブルを参照し、推定部1012によって推定された関心度に対応するレベル以下の健康情報を選択する。なお、選択部1013は、関心度に対応するレベルの健康情報または関心度に対応するレベル未満の健康情報の何れを選択してもよい。選択する基準は、任意に設定可能である。
【0070】
なお、上述したように、サーバ1は、携帯端末2から対象者の関心情報を取得し、健康情報を携帯端末2へ出力しているが、これに限定されない。サーバ1は、第1の外部機器から対象者の関心情報を取得し、健康情報を第1の外部機器とは異なる第2の外部機器へ出力してもよい。そのため、取得部1011は、第1の外部機器から関心情報を取得する。出力部1014は、健康情報を第2の外部機器へ出力する。第1の外部機器は、対象者が発した健康に関する内容を受け付け、対象者が発した健康に関する内容に基づいて関心情報を生成する。第1の外部機器は、関心情報をサーバ1へ送信する。例えば、第1の外部機器は、AIスピーカまたはスマートスピーカなどの機器であるが、これらに限定されない。例えば、第2の外部機器は、携帯端末2などであるが、これに限定されない。
【0071】
§4 作用・効果
以上説明したように、本実施形態では、サーバ1は、対象者の関心情報に基づいて健康に対する関心度を推定し、関心度に基づく健康情報を出力することができる。
健康に対する関心度の高い人と健康に対する関心度の低い人とでは、希望する健康情報の内容は異なる。サーバ1は、対象者の関心度に基づいて、対象者に適した健康情報を提供することができる。対象者は、自身に適した健康情報を有効活用することができる。
【0072】
さらに、本実施形態では、サーバ1は、対象者と関連付けられている携帯端末2の健康に関する利用に基づいて、健康に対する関心度を推定することができる。
健康に対する関心度の高い人は、健康を目的として種々の用途で携帯端末2を利用する傾向にある。他方、健康に対する関心度の低い人は、健康を目的として携帯端末2をほとんど利用しない傾向にある。サーバ1は、携帯端末2の健康に関する利用の実態を参照することで、健康に対する関心度の推定精度を向上させることができる。
【0073】
さらに、本実施形態では、サーバ1は、携帯端末2から健康に関するウェブページへのアクセス回数またはアクセス頻度に基づいて健康に対する関心度を推定することができる。
健康に対する関心度の高い人は、携帯端末2を利用して健康に関するウェブページへ多くアクセスする傾向にある。他方、健康に対する関心度の低い人は、携帯端末2を利用して健康に関するウェブページへほとんどアクセスしない傾向にある。サーバ1は、携帯端末2から健康に関するウェブページへのアクセス回数またはアクセス頻度を参照することで、健康に対する関心度の推定精度を向上させることができる。
【0074】
さらに、本実施形態では、サーバ1は、携帯端末2に登録されている健康に関するウェブページまたはアプリケーションの数に基づいて健康に対する関心度を推定することができる。
健康に対する関心度の高い人は、携帯端末2で用いられているブラウザに多くの健康に関するウェブページのURLを登録する傾向にある。同様に、健康に対する関心度の高い人は、携帯端末2に健康に関するアプリケーションを多くインストールする傾向にある。他方、健康に対する関心度の低い人は、携帯端末2で用いられているブラウザにほとんど健康に関するウェブページのURLを登録しない傾向にある。同様に、健康に対する関心度の低い人は、携帯端末2に健康に関するアプリケーションをほとんどインストールしない傾向にある。サーバ1は、携帯端末2に登録されている健康に関するウェブページまたはアプリケーションの数を参照することで、健康に対する関心度の推定精度を向上させることができる。
【0075】
さらに、本実施形態では、サーバ1は、携帯端末2に接続される健康に関する機器の数または種類に基づいて健康に対する関心度を推定することができる。
健康に対する関心度の高い人は、多くの健康に関する機器を携帯端末2に接続する傾向にある。同様に、健康に対する関心度の高い人は、体重計4などの家庭に普及している健康に関する機器だけでなく、血圧計3などの医療的な健康に関する機器を携帯端末2に接続する傾向にある。血圧計3などの医療的な健康に関する機器は、体重計4などの家庭に普及している健康に関する機器よりも、健康に対する関心度の高い機器といえる。他方、健康に対する関心度の低い人は、ほとんど健康に関する機器を携帯端末2に接続しない傾向にある。同様に、健康に対する関心度の低い人は、体重計4などの家庭に普及している健康に関する機器を携帯端末2に接続しても、血圧計3などの医療的な健康に関する機器を携帯端末2に接続しない傾向にある。サーバ1は、携帯端末2に接続される健康に関する機器の数または種類を参照することで、健康に対する関心度の推定精度を向上させることができる。
【0076】
さらに、本実施形態では、サーバ1は、履歴から関心度の最高レベルを検出し、関心度の最高レベルに対応するレベルの健康情報を選択することができる。
対象者の健康に対する関心度が以前よりも低くなったとしても、対象者の健康に関する知識レベルは高いままである。サーバ1は、関心度の推移を示す履歴を参照することで、過去に対象者に提供した健康情報と比べて質を落とすことなく、対象者に適した詳細度の健康情報を提供することができる。対象者は、自身の理解可能なレベルの健康情報を受けるので、健康情報を有効活用することができる。
【0077】
さらに、本実施形態では、サーバ1は、携帯端末2と関連付けられている対象者の変更なしを示す判断結果に応じて、履歴から関心度の最高レベルを検出し、関心度の最高レベルに対応するレベルの健康情報を選択することができる。サーバ1は、携帯端末2と関連付けられている対象者の変更ありを示す判断結果に応じて、推定された関心度に対応するレベル以下の健康情報を選択することができる。
携帯端末2と関連付けられている対象者(所有者)は、携帯端末2の譲渡などにより変わることがある。携帯端末2と関連付けられている現在の対象者の知識レベルは、以前に携帯端末2と関連付けられていた別の対象者の知識レベルよりも低いことがある。そのため、携帯端末2と関連付けられている現在の対象者は、以前の別の対象者に提供されたレベルと同じレベルの健康情報を受けても理解することができない可能性がある。携帯端末2と関連付けられている現在の対象者は、現在の自身の関心度に対応するレベル以下の健康情報を受ける方が好ましい。サーバ1は、携帯端末2と関連付けられている対象者の変更の有無に応じて対象者に提供する健康情報のレベルを変更することで、対象者に適した詳細度の健康情報を提供することができる。
【0078】
さらに、本実施形態では、サーバ1は、第1の外部機器から関心情報を取得し、健康情報を第1の外部機器とは異なる第2の外部機器へ出力することができる。
例えば、対象者は、AIスピーカまたはスマートスピーカなどの第1の外部機器に健康に関する内容を発声により入力し、自身の携帯端末2などの第2の外部機器で健康情報を確認したいことがある。対象者は、健康に関する内容の入力と健康情報の確認を異なる機器で行うことができるので、対象者の利便性は向上する。
【0079】
さらに、本実施形態では、サーバ1は、健康に対する関心度に応じて詳細度の異なる健康情報を選択することができる。
対象者の健康に対する関心度が高くなればなるほど、対象者は、より詳細な健康に関する情報を望む傾向にある。サーバ1は、対象者の関心度に基づいて、対象者に適した詳細度の健康情報を提供することができる。対象者は、自身に適した健康情報を有効活用することができる。
【0080】
§5 変形例
(5-1 変形例1)
本実施形態では、サーバ1が関心情報を取得し、関心情報に基づいて関心度を推定する例について説明したが、これに限定されない。携帯端末2のプロセッサ201は、関心情報に基づいて関心度を推定してもよい。この例では、携帯端末2のプロセッサ201は、サーバ1に実装される取得部1011に相当する取得部及び推定部1012に相当する推定部を実装する。携帯端末2は、健康情報の要求をサーバ1へ送信する。健康情報の要求は、関心度を示す情報を含む。サーバ1は、健康情報の要求を携帯端末2から受信する。サーバ1は、健康情報の要求に含まれる関心度を示す情報を参照する。サーバ1は、健康情報の要求に対する応答として、関心度に基づく健康情報を携帯端末2へ送信する。
【0081】
(5-2 変形例2)
要するにこの発明は、本実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、本実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合せにより種々の発明を形成できる。例えば、本実施形態に示される全構成要素からいくつかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態に亘る構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【0082】
§6 付記
本実施形態の一部または全部は、特許請求の範囲のほか以下の付記に示すように記載することも可能であるが、これに限定されない。
(付記)
対象者の健康に対する関心を示す第1の情報を取得する取得部(1011)と、
前記第1の情報に基づいて、前記対象者の健康に対する関心度を推定する推定部(1012)と、
前記関心度に基づいて、前記対象者へ提供する健康に関する第2の情報を選択する選択部(1013)と、
前記第2の情報を出力する出力部(1014)と、
を備えるサーバ(1)。
以下に本願の出願当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[C1] 対象者の健康に対する関心を示す第1の情報を取得する取得部と、
前記第1の情報に基づいて、前記対象者の健康に対する関心度を推定する推定部と、 前記関心度に基づいて、前記対象者へ提供する健康に関する第2の情報を選択する選択部と、
前記第2の情報を出力する出力部と、
を備える情報処理装置。
[C2] 前記第1の情報は、前記対象者と関連付けられている端末の健康に関する利用を示す情報を含み、
前記推定部は、前記健康に関する利用に基づいて前記関心度を推定する、
C1に記載の情報処理装置。
[C3] 前記健康に関する利用を示す情報は、前記端末から健康に関するウェブページへのアクセス回数またはアクセス頻度を示す情報を含み、
前記推定部は、前記アクセス回数または前記アクセス頻度に基づいて前記関心度を推定する、
C2に記載の情報処理装置。
[C4] 前記健康に関する利用を示す情報は、前記端末に登録されている健康に関するウェブページまたはアプリケーションの数を示す情報を含み、
前記推定部は、前記ウェブページまたは前記アプリケーションの数に基づいて前記関心度を推定する、
C2に記載の情報処理装置。
[C5] 前記健康に関する利用を示す情報は、前記端末に接続される健康に関する機器の数を示す情報を含み、
前記推定部は、前記健康に関する機器の数に基づいて前記関心度を推定する、
C2に記載の情報処理装置。
[C6] 前記推定部は、前記健康に関する利用に基づく前記関心度の推定に応じて前記関心度の推移を示す履歴を作成し、
前記選択部は、前記健康に関する利用に基づく前記関心度の推定に応じて前記履歴で示される前記関心度の最高レベルを検出し、前記関心度の前記最高レベルに対応するレベルの前記第2の情報を選択する、
C2から5のうちの何れか1項に記載の情報処理装置。
[C7] 前記推定部は、前記健康に関する利用に基づく前記関心度の推定に応じて前記関心度の推移を示す履歴を作成し、
前記選択部は、前記健康に関する利用に基づく前記関心度の推定に応じて前記端末と関連付けられている前記対象者の変更の有無を判断し、前記対象者の変更なしを示す判断結果に応じて、前記履歴で示される前記関心度の最高レベルを検出し、前記関心度の前記最高レベルに対応するレベルの前記第2の情報を選択し、前記対象者の変更ありを示す判断結果に応じて、前記健康に関する利用に基づいて推定された前記関心度に対応するレベル以下の前記第2の情報を選択する、
C2から5のうちの何れか1項に記載の情報処理装置。
[C8] 前記取得部は、第1の外部機器から前記第1の情報を取得し、
前記出力部は、前記第2の情報を前記第1の外部機器とは異なる第2の外部機器へ出力する、
C1に記載の情報処理装置。
[C9] 前記選択部は、前記関心度に応じて詳細度の異なる前記第2の情報を選択する、
C1から8のうちの何れか1項に記載の情報処理装置。
[C10] 対象者の健康に対する関心を示す第1の情報を取得する取得過程と、
前記第1の情報に基づいて、前記対象者の健康に対する関心度を推定する推定過程と、 前記関心度に基づいて、前記対象者へ提供する健康に関する第2の情報を選択する選択過程と、
前記第2の情報を出力する出力過程と、
を備える情報処理方法。
[C11] C1から9のうちの何れか1項に記載の情報処理装置が備える各部の処理をコンピュータに実行させる情報処理のためのプログラム。
【符号の説明】
【0083】
1…サーバ、2…携帯端末、3…血圧計、4…体重計、100…情報配信システム、101…プロセッサ、102…ROM、103…RAM、104…記憶装置、105…通信インタフェース、201…プロセッサ、202…ROM、203…RAM、204…記憶装置、205…通信インタフェース、206…入力部、207…表示部、208…音声出力部、1011…取得部、1012…推定部、1013…選択部、1014…出力部、A1…サーバ、A2…携帯端末。
図1
図2
図3
図4
図5
図6