(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-11
(45)【発行日】2022-10-19
(54)【発明の名称】仕切板
(51)【国際特許分類】
A47B 96/04 20060101AFI20221012BHJP
A47B 57/58 20060101ALN20221012BHJP
【FI】
A47B96/04 B
A47B57/58 E
(21)【出願番号】P 2018186061
(22)【出願日】2018-09-28
【審査請求日】2021-05-20
(73)【特許権者】
【識別番号】000198787
【氏名又は名称】積水ハウス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】大畠 幸二
【審査官】七字 ひろみ
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-192506(JP,A)
【文献】特開平10-165235(JP,A)
【文献】実開昭54-053913(JP,U)
【文献】実開昭53-006320(JP,U)
【文献】実開平01-179534(JP,U)
【文献】実開平04-034938(JP,U)
【文献】特開2004-223227(JP,A)
【文献】米国特許第05740926(US,A)
【文献】中国実用新案第211582141(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47B 96/04
A47B 47/00
A47B 57/58
A47F 5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
収納棚の収納空間を仕切る仕切部と、
前記仕切部に設けられ、前記収納棚に設けられる穴に挿入される被挿入部を前記仕切部の外郭から突出しない第1位置と、前記仕切部の外郭から突出する第2位置とに切り換える切換部とを備
え、
前記切換部は複数の前記被挿入部の前記第1位置と前記第2位置とを一括して切り替える
仕切板。
【請求項2】
前記切換部は前記被挿入部を支持する支持部と、
前記支持部に挿入されるボルトと、
前記ボルトに挿入され、前記ボルトが回転したときに前記ボルトの軸方向に移動することによって、前記被挿入部の前記第1位置と前記第2位置とが切り替えられるように前記支持部を移動させる移動部とを備える
請求項1に記載の仕切板。
【請求項3】
収納棚の収納空間を仕切る仕切部と、
前記仕切部に設けられ、前記収納棚に設けられる穴に挿入される被挿入部を前記仕切部の外郭から突出しない第1位置と、前記仕切部の外郭から突出する第2位置とに切り換える切換部とを備
え、
前記切換部は前記被挿入部を支持する支持部と、
前記支持部に挿入されるボルトと、
前記ボルトに挿入され、前記ボルトが回転したときに前記ボルトの軸方向に移動することによって、前記被挿入部の前記第1位置と前記第2位置とが切り替えられるように前記支持部を移動させる移動部とを備える
仕切板。
【請求項4】
前記ボルトに設けられ、前記ボルトを回転させるための操作部をさらに備える
請求項2または3に記載の仕切板。
【請求項5】
前記切換部は前記被挿入部を前記第2位置に付勢する付勢部材を含む
請求項1~4のいずれか一項に記載の仕切板。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は仕切板に関する。
【背景技術】
【0002】
収納棚の収納空間を用途に応じて区画する仕切板が知られている。その一例である特許文献1に記載の仕切用板は定着穴(8)、および、定着穴(8)に挿入されるダボ(9)を備える。仕切用板は定着穴(8)に挿入されたダボ(9)が例えば棚装置の天枠板(2)の通孔(11)に挿入されることによって、棚装置に固定される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の仕切用板では、仕切用板を棚装置から取り外す場合、天枠板(2)を取り外したあと、仕切用板を取り外す。一方、棚装置が組み立てられた状態で仕切用板を棚装置に設置する場合、天板枠(2)を取り外したあと、仕切用板を設置する。このため、仕切用板の設置および取り外しに関する作業が煩雑である。
【課題を解決するための手段】
【0005】
(1)本発明に関する仕切板は収納棚の収納空間を仕切る仕切部と、前記仕切部に設けられ、前記収納棚に設けられる穴に挿入される被挿入部を前記仕切部の外郭から突出しない第1位置と、前記仕切部の外郭から突出する第2位置とに切り換える切換部とを備える。
上記仕切板によれば、被挿入部が第1位置の状態で仕切板を収納棚の収容空間に配置し、切換部によって被挿入部の位置を第2位置に切り替えることによって、被挿入部が収納棚の穴に挿入される。このため、収納棚を分解することなく、仕切板を設置できる。被挿入部が第2位置の状態で切換部によって被挿入部を第1位置に切り替えることによって、被挿入部が収納棚の穴から抜かれる。このため、収納棚を分解することなく、仕切板を収納棚から取り外すことができる。このように、上記仕切板によれば、設置および取り外しを容易に行なうことができる。
【0006】
(2)好ましい例では(1)に記載の仕切板において、前記切換部は前記被挿入部を前記第2位置に付勢する付勢部材を含む。
被挿入部が第2位置の状態を容易に維持できるため、仕切板が収納棚から外れにくい。
【0007】
(3)好ましい例では(1)または(2)に記載の仕切板において、前記切換部は複数の前記被挿入部の前記第1位置と前記第2位置とを一括して切り替える。
このため、利便性が高められる。
【0008】
(4)好ましい例では(1)~(3)のいずれか一項に記載の仕切板において、前記切換部は前記被挿入部を支持する支持部と、前記支持部に挿入されるボルトと、前記ボルトに挿入され、前記ボルトが回転したときに前記ボルトの軸方向に移動することによって、前記被挿入部の前記第1位置と前記第2位置とが切り替えられるように前記支持部を移動させる移動部とを備える。
このため、仕切板の構成を簡素化できる。
【0009】
(5)好ましい例では(4)に記載の仕切板において、前記ボルトに設けられ、前記ボルトを回転させるための操作部をさらに備える。
ボルトを容易に回転させることができるため、被挿入部の第1位置と第2位置とを容易に切り替えることができる。
【発明の効果】
【0010】
本発明に関する仕切板によれば、設置および取り外しを容易に行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】実施形態の仕切板を備える収納システムの第1形態の正面図。
【
図4】
図1の収納部に収納される間仕切収納部材の斜視図。
【
図7】
図2の収納システムの組立手順の一例を示す断面図。
【
図8】
図7の収納システムの組立手順の一例を示す断面図。
【
図9】
図8の収納システムの組立手順の一例を示す断面図。
【
図10】第1被挿入部および第2被挿入部が第1位置のときの第2種仕切板およびその周辺の図。
【
図11】第1被挿入部が第1位置であり、第2被挿入部が第2位置のときの第2種仕切板およびその周辺の図。
【
図12】第1被挿入部および第2被挿入部が第2位置のときの第2種仕切板およびその周辺の図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
(実施形態)
図1を参照して、実施形態の仕切板80を含む収納システム1について説明する。収納システム1は建築物200の屋内、または、屋外の床、壁、天井等を有する場所に設置される。建築物200の一例は個別住宅、集合住宅、蔵、納屋、および、車庫である。収納システム1が建築物200に設けられる室210の中間部に設置される場合、間仕切収納の機能によって室210が区画され、さらには、間仕切収納の壁厚を利用した収納の機能を利用できる。収納システム1が建築物200に設けられる室210の壁際に設置される場合、間仕切収納の壁厚を利用した収納の機能のみを利用できる。室210の一例はリビング、ダイニング、リビングダイニング、寝室、応接室、書斎、玄関、廊下、階段室、トイレ、洗面所、脱衣所、浴室、物置、および、納戸である。
【0013】
近年では、ユーザの生活スタイルの変化に応じて室210の利用形態を多様に変更できることが望まれている。ユーザの生活スタイルの変化の一例はユーザの家族構成の変化である。収納システム1は室210の利用形態を多様に変更できるように構成されている。収納システム1の形態は室210の利用形態に応じてユーザに選択される第1形態(
図1参照)、および、第2形態(
図2参照)を含む。第1形態は室210を第1空間310および第2空間320(いずれも
図3参照)に区画する形態である。第2形態は室210を区画しない形態である。
【0014】
図1に示されるように、収納システム1を構成する主な要素は収納棚10および収納部150である。収納棚10は一対の縦枠20および間仕切収納部材30を備える。一対の縦枠20は収納部150を支持する。一対の縦枠20は建築物200の壁220に固定される。一対の縦枠20を構成する材料は任意に選択できる。一例では、一対の縦枠20を構成する材料は木である。
【0015】
間仕切収納部材30は収納システム1が第1形態の場合に一対の縦枠20、収納部150、および、室210の床230によって囲まれる開口部400に配置される。間仕切収納部材30を構成する材料は任意に選択できる。好ましい例では、間仕切収納部材30はユーザが容易に持ち運べるように軽量な材料によって構成される。その一例は木である。間仕切収納部材30の種類は多種多様である。一例では、間仕切収納部材30は複数の基礎棚板40、複数の非開口パネル50、複数の開口パネル60、複数の引出ユニット70、複数の仕切板80、および、複数の小棚板90を含む。
【0016】
図4に示される基礎棚板40は一対の縦枠20に接続される。このため、収納システム1の水平方向、換言すれば、基礎棚板40の短手方向の強度が高められる。基礎棚板40は支持部41、凸部42、および、複数の溝43を備える。支持部41は非開口パネル50、開口パネル60、引出ユニット70、および、仕切板80を支持する。凸部42は支持部41の長手方向の端面41Aから突出する。凸部42は一対の縦枠20の凹部21(
図8参照)に挿入される。このため、縦枠20と基礎棚板40との位置決めを容易に実施できる。凸部42が凹部21に挿入されることによって、一対の縦枠20に対する基礎棚板40の短手方向の移動が規制される。複数の溝43は非開口パネル50、開口パネル60のフレーム61、および、引出ユニット70のフレーム72(
図4参照)が嵌めこまれる。複数の溝43は支持部41の長手方向に沿って設けられる。基礎棚板40に設けられる溝43の数は1または複数である。一例では、1枚の基礎棚板40には、4つの溝43が設けられる。
【0017】
非開口パネル50は収納システム1が第1形態の場合に溝43に嵌め込まれることによって、第1空間310および第2空間320の一方から他方を視認できないように開口部400を遮蔽する。非開口パネル50の溝43への嵌め込み方式はケンドン式である。このため、非開口パネル50を容易に設置できる。
【0018】
開口パネル60は基礎棚板40または小棚板90に置かれた物体を出し入れするために利用される。開口パネル60は基礎棚板40の溝43に嵌め込まれるフレーム61、フレーム61に取り付けられる建具62、および、建具62に取り付けられる取手63を備える。フレーム61の溝43への嵌め込み方式はケンドン式である。このため、開口パネル60を容易に設置できる。建具62は例えば、戸である。戸の種類は例えば、両開きの開き戸、片引きの引戸、引違の引戸、引分の引戸、片引きの吊戸、引違の吊戸、引分の吊戸、上開き戸、下開き戸、および、折戸等である。
図4等に示される例では、建具62は上開き戸、両開きの開き戸、および、引違の引戸である。取手63は建具62に着脱可能である。取手63は建具62に設けられる穴62A(
図4参照)に取り付けられる。
【0019】
引出ユニット70は基礎棚板40に載せられる。引出ユニット70は物品を収納可能であるユニット本体71、ユニット本体71が一対の縦枠20から飛び出すことを抑制するフレーム72、および、ユニット本体71に取り付けられる取手73を備える。フレーム72は基礎棚板40の溝43にはめ込まれる。フレーム72の溝43への嵌め込み方式はケンドン式である。このため、フレーム72を容易に設置できる。取手73はユニット本体71に着脱可能である。取手73はユニット本体71に設けられる穴71A(
図4参照)に取り付けられる。
【0020】
複数の仕切板80は一対の縦枠20の長手方向に並べられた基礎棚板40の間の領域を区画する。複数の仕切板80にはそれぞれ被挿入部110(
図8参照)が取り付けられる。被挿入部110の一例はダボである。仕切板80に取り付けられた被挿入部110が基礎棚板40の支持部41に設けられる穴41B(
図4参照)に挿入されることによって、基礎棚板40と仕切板80とが連結される。
【0021】
複数の仕切板80は第1種仕切板81および第2種仕切板82を含む。第1種仕切板81は取り付けられた被挿入部110の位置が変化しないように構成される。第2種仕切板82は収納棚10への設置、および、収納棚10からの取り外しを容易に行なうことができるように、取り付けられた被挿入部110の位置が変化するように構成される。
【0022】
図5に示される第2種仕切板82を構成する主な要素は仕切部130および切換部140(
図6参照)である。仕切部130は収納棚10の収納空間を仕切る。仕切部130は切換部140を収容する凹部130Aを含む基礎部131、および、凹部130Aを閉鎖するように基礎部131に取り付けられる一対の側板132を備える。一対の側板132のうちの一方には、切換部140の操作部145を操作するための小窓132Aが設けられる。
【0023】
図6は基礎部131および切換部140の構造の説明のために、第2種仕切板82から小窓132Aが設けられる側板132を省略した斜視図である。基礎部131は一対の側壁133、および、一対の側壁133の下部を接続する底壁134を備える。一対の側壁133は長手方向の中央において内側に突出した突出部135を備える。
【0024】
切換部140は被挿入部110を仕切部130の外郭から突出しない第1位置と仕切部130の外郭から突出する第2位置とに切り換える。切換部140を構成する主な要素は第1支持部141、第2支持部142、ボルト143、移動部144、操作部145、および、付勢部材146である。第1支持部141および第2支持部142は被挿入部110を支持する。第1支持部141および第2支持部142の形状は例えば直方体である。第1支持部141は凹部130Aにおいて、突出部135の上面135Aよりも上側に配置される。第2支持部142は凹部130Aにおいて、突出部135の下面135Bと底壁134との間に配置される。
【0025】
第1支持部141および第2支持部142はそれぞれ、1または複数の被挿入部110を支持する。
図6等で示される例では、第1支持部141および第2支持部142はそれぞれ、2つの被挿入部110を支持する。このため、第1支持部141および第2支持部142は複数の被挿入部110の第1位置と第2位置とを一括して切り替える。被挿入部110は第1支持部141に設けられる穴141A、および、第2支持部142に設けられる穴142Aに挿入される。このため、被挿入部110は第1支持部141および第2支持部142に対して着脱可能である。別の例では、被挿入部110は第1支持部141および第2支持部142に固定される。以下では、第1支持部141に支持される被挿入部110を第1被挿入部111と称し、第2支持部142に支持される被挿入部110を第2被挿入部112と称することがある。第1被挿入部111は第1位置において、第1支持部141から突出する。第2被挿入部112は第1位置において、第2支持部142から突出し、先端が底壁134の穴134A内に位置する。
【0026】
ボルト143は第1支持部141に設けられる貫通孔141B、第2支持部142に設けられる貫通孔142B、および、底壁134に設けられる貫通孔134Bに挿入される。貫通孔141B、142B、134Bの内径はボルト143の外径よりも大きい。
【0027】
移動部144はボルト143に挿入され、ボルト143が回転したときにボルト143の軸方向に移動することによって、被挿入部110の第1位置と第2位置とが切り替えられるように第2支持部142を移動させる。移動部144は例えば高ナットである。移動部144は第2支持部142の貫通孔142Bに配置される。ボルト143が第1方向に回転した場合、移動部144は第2支持部142とともに被挿入部110が第2位置に向かうようにボルト143の軸方向に移動する。ボルト143が第2方向に回転した場合、移動部144は第2支持部142とともに被挿入部110が第1位置に向かうようにボルト143の軸方向に移動する。
【0028】
操作部145はボルト143を第1方向または第2方向に回転させるときにユーザによって操作される。ボルト143を容易に回転させることができるため、被挿入部110の第1位置と第2位置とを容易に切り替えることができる。操作部145は例えばナットである。操作部145はボルト143と一体的に回転できるようにボルト143に結合される。操作部145はボルト143のうちの第1支持部141の底面141Cと接触する位置に設けられる。操作部145は被挿入部110が第1位置および第2位置において、小窓132A(
図5参照)と面する位置に設けられる。
【0029】
付勢部材146は被挿入部110を第2位置に付勢する。被挿入部110が第2位置の状態を容易に維持できるため、第2種仕切板82が収納棚10から外れにくい。付勢部材146は例えば、圧縮ばねである。付勢部材146は被挿入部110が第2位置(
図12参照)のときに第1支持部141と第2支持部142とが互いに接近しないように、操作部145と移動部144とが離間するように付勢する。
【0030】
図3に示される複数の小棚板90は基礎棚板40の長手方向に沿って並べられた仕切板80のうちの隣り合う仕切板80の間の領域を区画する。小棚板90は仕切板80に取り付けられる支持ダボ120(
図3参照)に支持される。
【0031】
収納部150は室210の壁220および天井240に固定される。収納部150は一対の縦枠20と天井240との間に設けられ、一対の縦枠20の端部に支持される。換言すれば、収納部150は一対の縦枠20の上方に設置される。このため、収納システム1が第2形態のときに、一対の縦枠20の間をユーザが容易に通過できる。収納部150は第2形態の収納システム1において、間仕切収納部材30を収納できるように構成された箱である。収納部150を構成する主な要素は一対の側壁151(
図1参照)、上壁152、底壁153、背壁154、補強部155、および、扉156である。間仕切収納部材30を収納する収納空間150Aを形成する箱が構成されるように、各側壁151、上壁152、底壁153、背壁154、および、補強部155が結合手段により結合されている。結合手段の一例はねじ、接着剤、および、凹凸により構成される嵌合構造である。各壁151~154により構成される箱の開口部150Bの一部を閉鎖するように、補強部155が底壁153に連結されている。このため、収納部150のうちの扉156側についても剛性が高められる。開口部150Bを開閉できるように補強部155に扉156が連結されている。扉156の種類は任意に選択可能である。
図3等に示される例では、扉156は例えば下開き扉である。扉156が開口部150Bを開放している状態において扉156が自重で閉じないため、開口部150Bを介して間仕切収納部材30を容易に出し入れできる。補強部155と扉156とを連結する手段の一例はヒンジである。上壁152は天井240の桟、合板、または、梁等(いずれも図示略)に任意の結合手段により結合されている。
【0032】
収納部150の容積は任意に選択できる。好ましい例では、収納部150の容積は間仕切収納部材30の全体の体積に基づいて決められる。このため、間仕切収納部材30を収納部150に容易に収納できる。一例では、収納部150の容積は間仕切収納部材30の全体が収納できるように決められる。別の例では、収納部150の容積に応じて間仕切収納部材30の全体の体積が調整される。収納部150における間仕切収納部材30の収納方法は任意に選択できる。一例では、底壁153に複数の基礎棚板40が重ねて収納される。複数の基礎棚板40の上には、
図4に示されるように、非開口パネル50、開口パネル60、引出ユニット70、仕切板80、小棚板90、および、その他の部品等が載せられる。収納部150に収納された基礎棚板40が収納部150の剛性に寄与するため、収納部150の剛性が一層高められる。好ましい例では、非開口パネル50、開口パネル60、引出ユニット70、仕切板80、小棚板90、および、その他の部品等はそれぞれ、専用のボックス31に収納された状態で基礎棚板40に載せられる。このため、収納部150に収納可能である非開口パネル50、開口パネル60、引出ユニット70、仕切板80、小棚板90、および、その他の部品等の種類および数を容易に把握できる。その他の部品の一例は取手63、73、被挿入部110、支持ダボ120、および、収納システム1の取扱説明書32である。
【0033】
収納システム1の使用方法の一例について説明する。なお、
図10~
図12においては、第2種仕切板82から小窓132Aが設けられる側板132を省略している。
収納システム1の形態を第2形態から第1形態に変更する場合、収納部150に収納されている間仕切収納部材30が収納部150から取り出される。次に、
図7に示されるように、収納システム1の高さ方向において最も下方に配置される基礎棚板40の凸部42が一対の縦枠20の凹部21に挿入される。以降は、第1工程と第2工程とが繰り返し実施される。第1工程は複数の第1種仕切板81に取り付けられた被挿入部110を基礎棚板40の穴41Bに挿入することによって、複数の第1種仕切板81と基礎棚板40とを連結する工程である。第2工程は、
図8に示されるように、基礎棚板40と連結されている複数の第1種仕切板81の被挿入部110と別の基礎棚板40とが連結されるように、かつ、基礎棚板40の凸部42が一対の縦枠20の凹部21に挿入されるように基礎棚板40を配置する工程である。第1工程および第2工程は収納システム1の高さ方向において最も上方に配置される基礎棚板40(以下「最も上の基礎棚板40」という)の配置が完了するまで繰り返し実施される。その後、ユーザの好みに応じて、非開口パネル50、開口パネル60、引出ユニット70、および、小棚板90が配置される。
【0034】
図9に示されるように、収納システム1の高さ方向において最も上方に配置される基礎棚板40の配置が完了したとき、被挿入部110が取り付けられた第1種仕切板81を最も上の基礎棚板40と収納部150の底壁153との間に配置しようとしても、被挿入部110が最も上の基礎棚板40および底壁153と干渉する。このため、第1種仕切板81を容易に配置できない。収納システム1ではこのような事情を考慮し、最も上の基礎棚板40と収納部150との間に第2種仕切板82を配置するようにしている。
【0035】
図10に示されるように、最も上の基礎棚板40と収納部150の底壁153との間に第2種仕切板82を配置する場合、被挿入部110が第1位置の状態で第2種仕切板82を最も上の基礎棚板40と底壁153との間に挿入する。次に、ボルト143が第1方向に回転するように操作部145を操作する。ボルト143が第1方向に回転することによって、移動部144および第2支持部142がボルト143の軸方向に沿って底壁134に接近する。
図11に示されるように、第2支持部142が底壁134に接触したとき、第2被挿入部112の先端が底壁134から突出し、第2位置となり、最も上の基礎棚板40の穴41Bに挿入される。
【0036】
第2支持部142が底壁134に接触した状態では、移動部144の底壁134に接近する方向の移動が規制される。この状態で、ボルト143が第1方向に回転するように操作部145にさらに力が加えられた場合、ボルト143および操作部145が底壁153に接近する。第1支持部141の底面141Cは操作部145と接触しているため、操作部145の移動にともない、第1支持部141が底壁153に接近する。
図12に示されるように、第1支持部141が底壁153に接触したとき、第1被挿入部111が第2位置となり、第1被挿入部111の先端が底壁153の穴153Aに挿入される。
【0037】
第2種仕切板82を収納棚10から取り外す場合、ボルト143が第2方向に回転するように操作部145を操作する。ボルト143が第2方向に回転することによって、第1支持部141および操作部145が底壁153から離間する方向、すなわち、突出部135の上面135Aに接近する方向に移動する。このため、底壁153の穴153Aから第1被挿入部111が抜かれる。第1支持部141が突出部135の上面135Aに接触したとき、第1支持部141および操作部145の底壁153から離間する方向の移動が規制される。この状態で、ボルト143が第2方向に回転するように操作部145にさらに力が加えられた場合、移動部144および第2支持部142が底壁134から離間する。このため、最も上の基礎棚板40の穴41Bから第2被挿入部112が抜かれる。第2支持部142が突出部135の下面135Bに接触したとき、第2被挿入部112の先端が底壁134の穴134Aに収容され、第1位置となる。
【0038】
仕切板80の作用および効果について説明する。
第2種仕切板82によれば、被挿入部110が第1位置の状態で第2種仕切板82を収納棚10の収容空間に配置し、切換部140によって被挿入部110の位置を第2位置に切り替えることによって、被挿入部110が収納棚10の穴41B、153Aに挿入される。このため、収納棚10を分解することなく、第2種仕切板82を設置できる。被挿入部110が第2位置の状態で切換部140によって被挿入部110を第1位置に切り替えることによって、被挿入部110が収納棚10の穴41B、153Aから抜かれる。このため、収納棚10を分解することなく、第2種仕切板82を収納棚10から取り外すことができる。このように、第2種仕切板82によれば、設置および取り外しを容易に行なうことができる。
【0039】
(変形例)
上記実施形態は本発明に関する仕切板が取り得る形態の例示であり、その形態を制限することを意図していない。本発明に関する仕切板は実施形態に例示された形態とは異なる形態を取り得る。その一例は、実施形態の構成の一部を置換、変更、もしくは、省略した形態、または、実施形態に新たな構成を付加した形態である。以下に実施形態の変形例の一例を示す。
【0040】
・切換部140の構成は任意に変更可能である。変形例の第2種仕切板82では、被挿入部110が第2位置のとき、第1支持部141が仕切部130の外郭から突出しないように構成される。
【符号の説明】
【0041】
10 :収納棚
82 :第2種仕切板(仕切板)
110:被挿入部
130:仕切部
140:切換部
144:移動部
145:操作部
146:付勢部材