(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-11
(45)【発行日】2022-10-19
(54)【発明の名称】電極ユニットおよび電極ユニットの製造方法
(51)【国際特許分類】
H01M 50/184 20210101AFI20221012BHJP
H01M 50/186 20210101ALI20221012BHJP
H01M 10/04 20060101ALI20221012BHJP
H01G 11/78 20130101ALI20221012BHJP
H01G 11/80 20130101ALI20221012BHJP
H01G 11/84 20130101ALI20221012BHJP
【FI】
H01M50/184 A
H01M50/186
H01M10/04 Z
H01G11/78
H01G11/80
H01G11/84
(21)【出願番号】P 2019023394
(22)【出願日】2019-02-13
【審査請求日】2021-06-18
(73)【特許権者】
【識別番号】000003218
【氏名又は名称】株式会社豊田自動織機
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100124062
【氏名又は名称】三上 敬史
(74)【代理人】
【識別番号】100148013
【氏名又は名称】中山 浩光
(74)【代理人】
【識別番号】100140682
【氏名又は名称】妙摩 貞茂
(72)【発明者】
【氏名】川畑 佑太朗
(72)【発明者】
【氏名】弘瀬 貴之
(72)【発明者】
【氏名】中村 知広
(72)【発明者】
【氏名】西原 寛恭
(72)【発明者】
【氏名】織田 恭平
【審査官】井原 純
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2018/055858(WO,A1)
【文献】特開2018-101599(JP,A)
【文献】特開2019-016459(JP,A)
【文献】特開2019-021636(JP,A)
【文献】国際公開第2019/031087(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 50/10-50/198
H01M 10/04
H01G 11/78
H01G 11/80
H01G 11/84
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
矩形をなす
バイポーラ電極と、前記
バイポーラ電極の縁部に接合された枠状の封止体と、を備える電極ユニットであって、
前記封止体は、前記
バイポーラ電極が形成する前記矩形の各辺に対応して配置された複数のシート体によって構成され、
前記シート体は、前記
バイポーラ電極に接合された部分を含む第1部分と、前記第1部分に向かって折り返された第2部分とを含み、
隣り合って配置された前記シート体同士では、前記第1部分の端部同士が互いに重複した重複部が形成され、
前記第2部分は、前記重複部を避けて前記第1部分に折り返され、
対応する辺の方向に交差する幅方向において、前記第1部分の長さは前記第2部分の長さよりも大きい、電極ユニット。
【請求項2】
前記第2部分を折り返すための折り線の位置は、前記
バイポーラ電極の外縁よりも外側である、請求項1に記載の電極ユニット。
【請求項3】
前記第1部分及び前記第2部分は、いずれも矩形状をなしており、
対応する辺の方向において、前記第1部分の長さは前記第2部分の長さよりも大きい、請求項1又は2に記載の電極ユニット。
【請求項4】
前記重複部は、平面視において正方形状をなしている、請求項3に記載の電極ユニット。
【請求項5】
前記シート体では、台形状をなす前記第1部分の下底と台形状をなす前記第2部分の下底とが互いに接続されており、
前記第1部分における下底と脚とのなす内角は45度より大きく、
前記第1部分における下底と脚とのなす内角と前記第2部分における下底と脚とのなす内角との和は90度である、請求項1又は2に記載の電極ユニット。
【請求項6】
前記シート体は、台形部分の下底と矩形部分の一方の長辺とが互いに接続された第1部分と、前記第1部分における前記矩形部分の他方の長辺に接続された下底を有する台形状の第2部分とを有し、
前記第1部分における前記台形部分の下底と脚とのなす内角、及び、前記第2部分における下底と脚とのなす内角は、いずれも45度である、請求項1又は2に記載の電極ユニット。
【請求項7】
隣り合う辺に対応する前記シート体同士において、一方の前記シート体における前記矩形部分の短辺の中点の位置と、他方の前記シート体における前記矩形部分の短辺の中点の位置とは重なり合っている、請求項6に記載の電極ユニット。
【請求項8】
電極ユニットの製造方法であって、
矩形をなす
バイポーラ電極の各辺に対応する複数のシート体を対応する各辺上に配置する工程と、 配置された前記シート体を前記
バイポーラ電極に接合する工程と、
接合された前記シート体のうちの前記
バイポーラ電極に接合される部分を含む第1部分に向かって、前記第1部分に連続して形成される第2部分を折り返す工程
と、を備え、
前記配置する工程では、隣り合う辺に対応する前記シート体同士における互いの第1部分の端部同士を重複させて、重複部を形成し、
前記折り返す工程では、前記重複部を避けて前記第2部分を前記第1部分に折り返すとともに、対応する辺の方向に交差する幅方向において、前記第2部分の縁部が前記第1部分の縁部よりも前記シート体の内側に位置するように前記第2部分を折り返す、電極ユニットの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の一側面は、電極ユニットおよび電極ユニットの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
二次電池として、特許文献1に記載されたバイポーラ電池が知られている。このバイポーラ電池では、集電体の一方の面に正極が形成され、他方の面に負極が形成されたバイポーラ電極が、電解質層を介して積層されている。集電体同士の間には、絶縁性のシール層が設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
電解質層に含まれるセパレータは、電解液を透過させ得る一方、隣り合う集電体(電極板)同士の間に配置されて、これらの短絡を防止する。セパレータと樹脂製のシール層(枠体)との間には、積層方向に交差する方向において、隙間が存在し得る。この場合、隙間を通じて、隣り合う電極板の短絡が発生する虞がある。そのため、上記のようなバイポーラ電池においては、電極板同士の間にセパレータを適切に配置することが求められる。
【0005】
本発明の一側面は、電極板同士の間にセパレータを適切に配置できる電極ユニットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一側面に係る電極ユニットは、矩形をなす電極と、電極の縁部に接合された封止体と、を備える電極ユニットであって、封止体は、電極が形成する矩形の各辺に対応する複数のシート体によって構成され、シート体は、電極に接合された部分を含む第1部分と、第1部分に向かって折り返された第2部分とを含み、隣り合って配置されたシート体同士では、第1部分の端部同士が互いに重複した重複部が形成され、第2部分は、重複部を避けて第1部分に折り返され、対応する辺の方向に交差する幅方向において、第1部分の長さは第2部分の長さよりも大きい。
【0007】
上記の電極ユニットでは、複数のシート体のうち、隣り合うシート体同士には重複部が形成されている。そして、第2部分が重複部を避けて第1部分に折り返されているので、第1部分と第2部分とが積層された領域によって厚さが略均等な枠状の領域が形成され得る。そして、対応する辺に沿った方向に交差する幅方向において、第1部分の長さは、第2部分の長さよりも大きい。すなわち、第2部分の縁部は、幅方向において、第1部分の縁部よりもシート体の内側に位置する。このような構成では、第2部分の縁部から第1部分の縁部までの間において、第1部分と重複するようにセパレータを配置することができる。この場合、隣り合う電極板の短絡の発生が効果的に抑制される。
【0008】
また、第2部分を折り返すための折り線の位置は、電極の外縁よりも外側であってよい。この構成では、電極の外縁が封止体の外側に露出することが抑制される。
【0009】
また、第1部分及び第2部分は、いずれも矩形状をなしており、対応する辺の方向において、第1部分の長さは第2部分の長さよりも大きくてもよい。また、重複部は、平面視において正方形状をなしていてもよい。このような構成では、4つのシート体によって、矩形枠状の封止体を容易に構成することができる。
【0010】
また、シート体では、台形状をなす第1部分の下底と台形状をなす第2部分の下底とが互いに接続されており、第1部分における下底と脚とのなす内角は45度より大きく、第1部分における下底と脚とのなす内角と第2部分における下底と脚とのなす内角との和は90度であってよい。この構成では、第1部分における下底と脚とのなす内角が45度より大きくなっているため、複数のシート体を矩形枠状に配置した際に、隣り合ったシート体の端部同士が重なり合う。そして、第1部分における下底と脚とのなす内角と第2部分における下底と脚とのなす内角との和が90度であるため、第2部分を折り返した際に、第2部分が重複部を避け得る。
【0011】
また、シート体は、台形部分の下底と矩形部分の一方の長辺とが互いに接続された第1部分と、第1部分における矩形部分の他方の長辺に接続された下底を有する台形状の第2部分とを有し、第1部分における台形部分の下底と脚とのなす内角、及び、第2部分における下底と脚とのなす内角は、いずれも45度であってよい。この場合、折り返された第2部分の脚と隣り合うシート体の第1部分の脚とが平行となり得る。
【0012】
隣り合う辺に対応するシート体同士において、一方のシート体における矩形部分の短辺の中点の位置と、他方のシート体における矩形部分の短辺の中点の位置とは重なり合っていてよい。この構成では、折り返された第2部分の脚の位置と隣り合うシート体の第1部分の脚の位置とが一致し得る。
【0013】
本発明の一側面に係る電極ユニット製造方法は、矩形をなす電極の各辺に対応する複数のシート体を対応する各辺上に配置する工程と、配置されたシート体を電極に接合する工程と、接合されたシート体のうちの電極に接合される部分を含む第1部分に向かって、第1部分に連続して形成される第2部分を折り返す工程、とを備え、配置する工程では、隣り合う辺に対応するシート体同士における互いの第1部分の端部同士を重複させて、重複部を形成し、折り返す工程では、重複部を避けて第2部分を第1部分に折り返すとともに、対応する辺の方向に交差する幅方向において、第2部分の縁部が第1部分の縁部よりもシート体の内側に位置するように第2部分を折り返す。
【発明の効果】
【0014】
本発明の一側面によれば、電極板同士の間にセパレータを適切に配置できる電極ユニットが提供され得る。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】蓄電モジュールを備える蓄電装置の一例を示す概略断面図である。
【
図2】
図1の蓄電装置を構成する蓄電モジュールを示す概略断面図である。
【
図4】電極ユニットを説明するための平面図である。
【
図5】電極ユニットを説明するための平面図である。
【
図8】電極ユニットの製造方法を示すフロー図である。
【
図9】他の例に係る電極ユニットを説明するための平面図である。
【
図10】
図9の例の電極ユニットを説明するための平面図である。
【
図11】
図9の例の電極ユニットを示す平面図である。
【
図12】さらに他の例に係る電極ユニットを説明するための平面図である。
【
図13】
図12の例の電極ユニットを説明するための平面図である。
【
図15】さらに他の例に係る電極ユニットを説明するための平面図である。
【
図16】
図15の例の電極ユニットを説明するための平面図である。
【
図18】
図15の例の電極ユニットの製造工程の一例を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、添付図面を参照しながら本発明の実施形態が詳細に説明される。図面の説明において、同一又は同等の要素には同一符号が用いられ、重複する説明は省略される。
【0017】
[第1実施形態]
図1を参照して、蓄電モジュールを備える蓄電装置の一例について説明する。
図1は、蓄電装置の一実施形態を示す概略断面図である。
図1に示される蓄電装置1は、例えばフォークリフト、ハイブリッド自動車、電気自動車等の各種車両のバッテリとして用いられる。蓄電装置1は、積層された複数の蓄電モジュール4を含むモジュール積層体2と、モジュール積層体2に対してモジュール積層体2の積層方向に拘束荷重を負荷する拘束部材3とを備えている。
【0018】
モジュール積層体2は、複数(ここでは3つ)の蓄電モジュール4と、複数(ここでは4つ)の導電板5とを含む。蓄電モジュール4は、バイポーラ電池であり、積層方向から見て矩形状をなしている。蓄電モジュール4は、例えばニッケル水素二次電池、リチウムイオン二次電池等の二次電池、又は電気二重層キャパシタである。以下の説明では、ニッケル水素二次電池を例示する。
【0019】
積層方向に互いに隣り合う蓄電モジュール4同士は、導電板5を介して電気的に接続されている。導電板5は、積層方向に互いに隣り合う蓄電モジュール4間と、積層端に位置する蓄電モジュール4の外側とにそれぞれ配置されている。積層端に位置する蓄電モジュール4の外側に配置された一方の導電板5には、正極端子6が接続されている。積層端に位置する蓄電モジュール4の外側に配置された他方の導電板5には、負極端子7が接続されている。正極端子6及び負極端子7は、例えば導電板5の縁部から積層方向に交差する方向に引き出されている。正極端子6及び負極端子7により、蓄電装置1の充放電が実施される。
【0020】
なお、積層端に位置する蓄電モジュール4の積層方向の外側には、導電板5が配置されていなくてもよい。この場合、蓄電モジュール4が、蓄電装置1における蓄電モジュール4と導電板5との積層体の最外層(スタック最外層)となっていてよい。蓄電モジュール4がスタック最外層を構成する場合、正極端子6は、積層端に位置する一方の蓄電モジュール4に接続され、負極端子7は、積層端に位置する他方の蓄電モジュール4に接続されることとなる。
【0021】
導電板5の内部には、空気等の冷媒を流通させる複数の流路5aが設けられている。流路5aは、例えば積層方向と、正極端子6及び負極端子7の引き出し方向と、にそれぞれ交差(直交)する方向に沿って延在している。導電板5は、蓄電モジュール4同士を電気的に接続する接続部材としての機能のほか、これらの流路5aに冷媒を流通させることにより、蓄電モジュール4で発生した熱を放熱する放熱板としての機能を併せ持っている。なお、
図1の例では、積層方向から見た導電板5の面積は、蓄電モジュール4の面積よりも小さくなっているが、放熱性の向上の観点から、導電板5の面積は、蓄電モジュール4の面積と同じであってもよく、蓄電モジュール4の面積よりも大きくなっていてもよい。
【0022】
拘束部材3は、モジュール積層体2を積層方向に挟む一対のエンドプレート8と、エンドプレート8同士を締結する締結ボルト9及びナット10とによって構成されている。エンドプレート8は、積層方向から見た蓄電モジュール4及び導電板5の面積よりも一回り大きい面積を有する矩形の金属板である。エンドプレート8におけるモジュール積層体2側の面には、電気絶縁性を有するフィルムFが設けられている。フィルムFにより、エンドプレート8と導電板5との間が絶縁されている。なお、蓄電モジュール4がスタック最外層を構成する場合には、フィルムFにより、エンドプレート8と蓄電モジュール4との間が絶縁されることとなる。
【0023】
エンドプレート8の縁部には、モジュール積層体2よりも外側となる位置に挿通孔8aが設けられている。締結ボルト9は、一方のエンドプレート8の挿通孔8aから他方のエンドプレート8の挿通孔8aに向かって通され、他方のエンドプレート8の挿通孔8aから突出した締結ボルト9の先端部分には、ナット10が螺合されている。これにより、蓄電モジュール4及び導電板5がエンドプレート8によって挟持されてモジュール積層体2としてユニット化されると共に、モジュール積層体2に対して積層方向に拘束荷重が付加される。
【0024】
次に、蓄電モジュール4の構成について詳細に説明する。
図2は、
図1に示された蓄電モジュールの内部構成を示す概略断面図である。
図2に示されるように、蓄電モジュール4は、電極積層体11と、電極積層体11を封止する樹脂製の封止体12とを備えている。電極積層体11は、セパレータ13を介して蓄電モジュール4の積層方向D1に沿って積層された複数の電極によって構成されている。これらの電極は、複数のバイポーラ電極14の積層体と、負極終端電極18と、正極終端電極19とを含む。
【0025】
バイポーラ電極14は、一方面15a及び一方面15aの反対側の他方面15bを含む電極板15と、一方面15aに設けられた正極16と、他方面15bに設けられた負極17とを有している。正極16は、正極活物質が電極板15に塗工されることにより形成される正極活物質層である。負極17は、負極活物質が電極板15に塗工されることにより形成される負極活物質層である。電極積層体11において、一のバイポーラ電極14の正極16は、セパレータ13を挟んで積層方向D1の一方に隣り合う別のバイポーラ電極14の負極17と対向している。電極積層体11において、一のバイポーラ電極14の負極17は、セパレータ13を挟んで積層方向D1の他方に隣り合う別のバイポーラ電極14の正極16と対向している。
【0026】
負極終端電極18は、電極板15と、電極板15の他方面15bに設けられた負極17とを有している。負極終端電極18は、他方面15bが電極積層体11における積層方向D1の中央側を向くように、積層方向D1の一端に配置されている。負極終端電極18の電極板15の一方面15aは、電極積層体11の積層方向における一方の外側面を構成し、蓄電モジュール4に隣接する一方の導電板5(
図1参照)と電気的に接続されている。負極終端電極18の電極板15の他方面15bに設けられた負極17は、セパレータ13を介して、積層方向D1の一端のバイポーラ電極14の正極16と対向している。
【0027】
正極終端電極19は、電極板15と、電極板15の一方面15aに設けられた正極16とを有している。正極終端電極19は、一方面15aが電極積層体11における積層方向D1の中央側を向くように、積層方向D1の他端に配置されている。正極終端電極19の一方面15aに設けられた正極16は、セパレータ13を介して、積層方向D1の他端のバイポーラ電極14の負極17と対向している。正極終端電極19の電極板15の他方面15bは、電極積層体11の積層方向における他方の外側面を構成し、蓄電モジュール4に隣接する他方の導電板5(
図1参照)と電気的に接続されている。
【0028】
電極板15は、例えば、ニッケル又はニッケルメッキ鋼板といった金属からなる。一例として、電極板15は、ニッケルからなる矩形の金属箔である。電極板15の縁部15cは、矩形枠状をなし、正極活物質及び負極活物質が塗工されない未塗工領域となっている。正極16を構成する正極活物質としては、例えば水酸化ニッケルが挙げられる。負極17を構成する負極活物質としては、例えば水素吸蔵合金が挙げられる。本実施形態では、電極板15の他方面15bにおける負極17の形成領域は、電極板15の一方面15aにおける正極16の形成領域に対して一回り大きくなっている。
【0029】
セパレータ13は、例えばシート状に形成されている。セパレータ13としては、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)等のポリオレフィン系樹脂からなる多孔質フィルム、ポリプロピレン、メチルセルロース等からなる織布又は不織布等が例示される。セパレータ13は、フッ化ビニリデン樹脂化合物で補強されたものであってもよい。なお、セパレータ13は、シート状に限られず、袋状のものを用いてもよい。
【0030】
封止体12は、例えば絶縁性の樹脂によって、全体として矩形の筒状に形成されている。封止体12は、電極板15の縁部15cを包囲するように電極積層体11の側面11aに設けられている。封止体12は、側面11aにおいて縁部15cを保持している。封止体12は、電極板15の縁部15cに接合された複数の第1封止部21と、側面11aに沿って第1封止部21を外側から包囲し、第1封止部21のそれぞれに接合された第2封止部22とを有している。第1封止部21及び第2封止部22は、例えば、耐アルカリ性を有する絶縁性の樹脂である。第1封止部21及び第2封止部22の構成材料としては、例えばポリプロピレン(PP)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、変性ポリフェニレンエーテル(変性PPE)などが挙げられる。
【0031】
第1封止部21は、電極板15の一方面15aにおいて縁部15cの全周にわたって連続的に設けられ、積層方向D1から見て矩形枠状をなしている。後述のように、第1封止部21は、矩形枠状をなすように配置された4つのシート体121によって形成されている。本実施形態では、バイポーラ電極14の電極板15のみならず、負極終端電極18の電極板15及び正極終端電極19の電極板15に対しても第1封止部21が設けられている。負極終端電極18では、電極板15の一方面15aの縁部15cに第1封止部21が設けられ、正極終端電極19では、電極板15の一方面15a及び他方面15bの双方の縁部15cに第1封止部21が設けられている。
【0032】
第1封止部21は、例えば超音波又は熱によって電極板15の一方面15aに溶着され、気密に接合されている。第1封止部21は、例えば積層方向D1に所定の厚さを有するフィルムである。第1封止部21の内側は、積層方向D1に互いに隣り合う電極板15の縁部15c同士の間に位置している。第1封止部21の外側は、電極板15の縁よりも外側に張り出しており、その先端部分は、第2封止部22に埋設されている。積層方向D1に沿って互いに隣り合う第1封止部21同士は、互いに離間していてもよく、接していてもよい。また、第1封止部21の外縁部分同士は、例えば熱板溶着などによって互いに接合していてもよい。
【0033】
電極板15と第1封止部21とが重なる領域は、電極板15と第1封止部21との接合領域Kとなっている。接合領域Kにおいて、電極板15の表面は、粗面化されている。粗面化された領域は、接合領域Kのみでもよいが、本実施形態では電極板15の全面が粗面化されている。粗面化は、例えば電解メッキによる複数の突起の形成により実現し得る。複数の突起が形成されることにより、電極板15と第1封止部21との接合界面では、溶融状態の樹脂が粗面化により形成された複数の突起間に入り込み、アンカー効果が発揮される。これにより、電極板15と第1封止部21との間に接合強度を向上させることができる。粗面化の際に形成される突起は、例えば基端側から先端側に向かって先太りとなる形状を有している。これにより、隣り合う突起の間の断面形状がアンダーカット形状となり、アンカー効果を高めることが可能となる。
【0034】
第2封止部22は、電極積層体11及び第1封止部21の外側に設けられ、蓄電モジュール4の外壁(筐体)を構成している。第2封止部22は、例えば樹脂の射出成形によって形成され、積層方向D1に沿って電極積層体11の全長にわたって延在している。第2封止部22は、積層方向D1を軸方向として延在する矩形の枠状を呈している。第2封止部22は、例えば射出成形時の熱によって第1封止部21の外表面に溶着されている。
【0035】
第1封止部21及び第2封止部22は、隣り合う電極の間に内部空間Vを形成すると共に内部空間Vを封止する。より具体的には、第2封止部22は、第1封止部21と共に、積層方向D1に沿って互いに隣り合うバイポーラ電極14の間、積層方向D1に沿って互いに隣り合う負極終端電極18とバイポーラ電極14との間、及び積層方向D1に沿って互いに隣り合う正極終端電極19とバイポーラ電極14との間をそれぞれ封止している。これにより、隣り合うバイポーラ電極14の間、負極終端電極18とバイポーラ電極14との間、及び正極終端電極19とバイポーラ電極14との間には、それぞれ気密に仕切られた内部空間Vが形成されている。この内部空間Vには、例えば水酸化カリウム水溶液等のアルカリ溶液を含む電解液(不図示)が収容されている。電解液は、セパレータ13、正極16、及び負極17内に含浸されている。封止体12の側面には、内部空間Vに電解液を注入するための注液口が設けられている。
【0036】
次に、上述した蓄電装置1の製造工程について説明する。
【0037】
図3は、蓄電装置1の製造工程の一例を示すフローチャートである。
図3に示されるように、蓄電装置1の製造工程は、電極ユニット製造工程(S01)と、積層工程(S02)と、封止体形成工程(S03)と、注入工程(S04)と、組立工程(S05)とを含んでいる。
【0038】
電極ユニット製造工程S01では、後述する電極ユニット製造方法によって電極ユニット30が製造される。電極ユニット30は、バイポーラ電極14と、バイポーラ電極14の縁部15cに接合された矩形枠状の第1封止部21とを含む。
【0039】
積層工程S02では、セパレータ13を介して電極ユニット30を積層し、積層体を得る。また、電極ユニット30の積層体の積層端に負極終端電極18及び正極終端電極19を更に積層することにより、電極積層体11を得る。積層にあたり、負極終端電極18、及び正極終端電極19のそれぞれの電極板15の縁部15cには、矩形枠状の第1封止部21が溶着等によって接合されている。
【0040】
封止体形成工程S03では、例えば射出成形によって電極積層体11に対して第2封止部22を形成し、封止体12を形成する。具体的には、積層工程S02で得られた電極積層体11を金型内に配置し、流動性を有する樹脂材料を金型内に流し込むことによって、電極積層体11の側面に第2封止部22を形成する。第2封止部22によって電極積層体11の第1封止部21同士が接合され、封止体12が得られる。このとき、封止体12の側面に、内部空間Vに電解液を注入するための注液口が形成される。
【0041】
注入工程S04では、電極積層体11の内部空間Vのそれぞれに電解液の注入を行う。ここでは、封止体12の側面に設けられた注液口を介して内部空間Vへの電解液の注入を実施する。電解液の注入後、注液口をシール材等によって封止し、蓄電モジュール4を得る。なお、シール材に変えて、注液口に圧力調整弁等を設けてもよい。
【0042】
組立工程S05では、まず、導電板5を介して複数の蓄電モジュール4を積層する。このとき、積層方向の一方側に配置する導電板5には正極端子6を予め接続し、他方側に配置する導電板5には負極端子7を予め接続しておくことが好適である。次に、電気絶縁性を有するフィルムFを介して蓄電モジュール4の積層方向の両端に一対のエンドプレート8,8を配置する。そして、エンドプレート8の挿通孔8aに締結ボルト9を挿通させると共に、エンドプレート8から突出した締結ボルト9の先端にナット10を螺合する。これにより、複数の蓄電モジュール4をユニット化し、蓄電装置1を得る。
【0043】
続いて、電極ユニット30の構成について説明する。
図4は電極ユニットを説明するための平面図であり、バイポーラ電極14の各辺とシート体121との対応関係を示す。
図5は、電極ユニットを説明するための平面図であり、バイポーラ電極14に接合されたシート体121が展開されている状態を示す。
図6は、電極ユニットを示す平面図である。
図7は、電極ユニットを示す断面図である。なお、
図4~
図6では、正極16及び負極17の図示を省略している。
【0044】
本実施形態における電極ユニット30は、バイポーラ電極14と、バイポーラ電極14の縁部15cに接合される第1封止部(封止体)21とによって構成されている。
図4に示すように、一例の第1封止部21は、4つのシート体121によって構成されている。この4つのシート体121は、バイポーラ電極14が形成する矩形の各辺に対応している。すなわち、4つのシート体121は、バイポーラ電極14の長辺に対応する2つのシート体121Lと、バイポーラ電極14の短辺に対応する2つのシート体121Sとによって構成されている。
【0045】
シート体121Lは、第1部分122Lと第2部分123Lとを含む。第1部分122Lは、バイポーラ電極14の縁部15cに接合される部分を含む。第2部分123Lは、第1部分122Lに向かって折り返される部分である。図示例では、第1部分122Lと第2部分123Lとの境界が二点鎖線によって示されている。第2部分123Lは、この二点鎖線(折り線121a)に沿って第1部分122L側に折り返される。
【0046】
図示例の第1部分122L及び第2部分123Lは、いずれも矩形状をなしている。対応する辺に沿った方向に交差する方向(幅方向)において、第1部分122Lの長さは第2部分123Lの長さよりも大きい。すなわち、バイポーラ電極14の短辺に沿った方向において、第1部分122Lの長さL1は、第2部分123Lの長さL2よりも大きい。
【0047】
また、対応する辺に沿った方向において、第1部分122Lの長さは第2部分123Lの長さよりも大きい。すなわち、バイポーラ電極14の長辺に沿った方向において、第1部分122Lの長さL3は、第2部分123Lの長さL4よりも大きい。一例として、第1部分122Lの長さL3はバイポーラ電極14の長辺の長さよりも大きく、第2部分123Lの長さL4はバイポーラ電極14の長辺の長さよりも小さい。また、図示例では、対応する辺に沿った方向において、第1部分122Lの中心位置と第2部分132Lの中心位置とが一致している。すなわち、バイポーラ電極14の長辺方向において、第1部分122Lの両端は、第2部分123Lよりも突出している。一例として、第1部分122Lの突出量は、バイポーラ電極14の短辺に沿った方向における第1部分122Lの長さL1と同じあってよい。また、第1部分122Lの突出量は、長さL1より大きくてもよい。
【0048】
シート体121Sは、第1部分122Sと第2部分123Sとを含む。第1部分122Sは、バイポーラ電極14の縁部15cに接合される部分を含む。第2部分123Sは、第1部分122Sに向かって折り返される部分である。図示例では、第1部分122Sと第2部分123Sとの境界が二点鎖線によって示されている。第2部分123Sは、この二点鎖線(折り線121a)に沿って第1部分122S側に折り返される。
【0049】
図示例の第1部分122S及び第2部分123Sは、いずれも矩形状をなしている。対応する辺に沿った方向に交差する方向(幅方向)において、第1部分122Sの長さは第2部分123Sの長さよりも大きい。すなわち、バイポーラ電極14の長辺に沿った方向において、第1部分122Sの長さL5は、第2部分123Sの長さL6よりも大きい。
【0050】
また、対応する辺に沿った方向において、第1部分122Sの長さは第2部分123Sの長さよりも大きい。すなわち、バイポーラ電極14の短辺に沿った方向において、第1部分122Sの長さL7は、第2部分123Sの長さL8よりも大きい。一例として、第1部分122Sの長さL7はバイポーラ電極14の短辺の長さよりも大きく、第2部分123Sの長さL8はバイポーラ電極14の短辺の長さよりも小さい。また、図示例では、対応する辺に沿った方向において、第1部分122Sの中心位置と第2部分123Sの中心位置とは一致している。すなわち、バイポーラ電極14の短辺に沿った方向において、第1部分122Sの両端は、第2部分123Sよりも突出している。一例として、第1部分122Sの突出量は、バイポーラ電極14の長辺に沿った方向における第1部分122Sの長さL5と同じあってよい。また、第1部分122Sの突出量は、長さL5より大きくてもよい。
【0051】
なお、本実施形態では、シート体121Lの第1部分122Lの幅方向の長さL1と、シート体121Sの第1部分122Sの幅方向の長さL5とが同じとなっている。また、シート体121Lの第2部分123Lの幅方向の長さL2と、シート体121Sの第2部分123Sの幅方向の長さL6とが同じとなっている。
【0052】
上述の4つのシート体121は、バイポーラ電極14におけるそれぞれの対応する辺の縁部15cに接合されている。
図5に示すように、本実施形態では、バイポーラ電極14の長辺の縁部15cに沿ってシート体121Lの第1部分122Lの一部が接合される。シート体121Lの第2部分123Lは、バイポーラ電極14と重複しない。すなわち、二点鎖線で示される第1部分122Lと第2部分123Lとの境界は、バイポーラ電極14の外側に位置している。
【0053】
また、バイポーラ電極14の短辺の縁部15cに沿ってシート体121Sの第1部分122Sの一部が接合される。シート体121Sの第2部分123Sは、バイポーラ電極14と重複しない。すなわち、二点鎖線で示される第1部分122Sと第2部分123Sとの境界は、バイポーラ電極14の外側に位置している。
【0054】
バイポーラ電極14における隣り合う辺に対応するシート体121Lとシート体121Sとは、第1部分122Lの端部と第1部分122Sの端部とが互いに重複した重複部125を形成する。図示例では、シート体121Sの第1部分122Sの端部がシート体121Lの第1部分122Lの端部に重ねられている。重複部125では、シート体121Sの第1部分122Sの角と、シート体121Lの第1部分122Lの角とが一致している。この場合、重複部125は平面視において正方形状をなしている。
【0055】
図6、
図7に示すように、電極ユニット30では、シート体121Sの第2部分123Sが重複部125を避けて第1部分122Sに向かって折り返されている。同様に、シート体121Lの第2部分123Lが重複部125を避けて第1部分122Lに向かって折り返されている。折り返された第2部分123S及び第2部分123Lは、重複部125に接していてもよいし、重複部125から離間していてもよい。
【0056】
4つのシート体121によって構成される第1封止部21は、平面視において矩形枠状をなしている。第1封止部21は、電極板15の縁部15cを囲み、当該縁部15cに対して接合されている。第1封止部21の内縁25sは電極板15の周縁15dよりも内側に位置している。第1封止部21は、電極板15の周縁15dよりも外側の位置でシート体121が折り返されることによって、部分的に2層になっている。すなわち、第1封止部21は、バイポーラ電極14に接合された第1部分122L,122Sによって形成される第1層25と、第1層25側に折り返されて積層された第2部分123L,123Sによって形成される第2層27と、を含んでいる。第2層27は、第1層25におけるバイポーラ電極14との接合面の反対側の面25aに設けられる。第1層25の内周端(すなわち第1封止部21の内縁25s)は、第2層27の内縁27sよりも内側に位置している。第1層25における内縁25sを含む内周縁部25bには、セパレータ13が接合され得る。すなわち、第2層27は、積層される電極ユニット30間にセパレータ13を配置するためのスペーサ層として機能する。電極ユニット30では、第1封止部21の内縁25sから電極板15の周縁15dまでの領域において、第1封止部21と電極板15との接合領域が形成されている。
【0057】
続いて、電極ユニット製造工程S01による電極ユニット製造方法について説明する。
図8は、電極ユニット製造工程の一例を示すフローチャートである。本実施形態における電極ユニット製造工程S01は、配置工程S11、接合工程S12及び折り返し工程S13を含む。
【0058】
配置工程S11では、矩形をなすバイポーラ電極14の各辺に対応する4つのシート体121を対応する各辺上に配置する。この工程では、隣り合う辺に対応するシート体121同士における互いの第1部分122S,122Lの端部同士を重複させて、重複部125を形成する。
【0059】
接合工程S12では、配置されたシート体121をバイポーラ電極14に接合する。第1封止部21とバイポーラ電極14とを接合する方法としては、例えば超音波又は熱による溶着が挙げられる。なお、負極終端電極18及び正極終端電極19にも、同様に第1封止部21を接合する。
【0060】
折り返し工程S13では、接合されたシート体121のうちのバイポーラ電極14に接合される部分を含む第1部分122L,122Sに向かって、第2部分123L,123Sを折り返す。この工程では、重複部125を避けて第2部分123L,123Sを第1部分122L,122Sに折り返す。この場合、対応する辺の方向に交差する幅方向において、第2部分123L,123Sの縁部(すなわち内縁27s)が第1部分122L,122Sの縁部(すなわち内縁25s)よりもシート体121の内側に位置するように第2部分を折り返す。これにより、シート体121の第1部分122L,122Sによって第1層25が形成され、第2部分123L,123Sによって第2層27が形成される。
【0061】
以上説明した電極ユニット30では、4つのシート体121のうち、隣り合うシート体121同士によって重複部125が形成されている。そして、第2部分123L,123Sが重複部125を避けて第1部分122L,122Sに折り返されている。これにより、第1部分122L,122S及び第2部分123L,123Sが積層された領域と、重複部125とによって、厚さが略均等な枠状の領域が形成され得る。そして、第1部分122L,122Sの幅方向の長さL1,L5は、第2部分123L,123Sの幅方向の長さL2,L6よりも大きい。そのため、第2部分123L,123Sが折り返されることによって段部が形成される。このような構成では、第2部分123L,123Sの縁部(すなわち内縁27s)から第1部分122L,122Sの縁部(すなわち内縁25s)までの間において、セパレータ13を配置することができる。この場合、隣り合うバイポーラ電極14の短絡の発生が効果的に抑制される。
【0062】
また、第2部分を折り返すための折り線121aの位置は、バイポーラ電極14の周縁15dよりも外側であってよい。この構成では、バイポーラ電極14の周縁15dが第1封止部21の外側に露出することが抑制される。
【0063】
また、第1部分122L,122S及び第2部分123L,123Sは、いずれも矩形状をなしている。そして、対応する辺に沿った方向において、第1部分122L,122Sの長さは、第2部分123L,123Sの長さよりも大きい。また、重複部125は、平面視において正方形状をなしている。そのため、4つのシート体121によって、矩形枠状の第1封止部21を容易に構成できる。
【0064】
また、第1封止部21を形成する他の方法としては、例えば、シート状の母材を枠状に切り出すことが考えられる。この場合、母材から切り出された枠状の部分が第1封止部として使用される一方で、枠状の部分に囲まれた中央部分は廃棄される。本実施形態では、矩形枠状をなす第1封止部21を略短冊状の4つのシート体によって形成している。そのため、シート状の母材から効率的にシート体121を切り出すことができ、母材の廃棄量を低減することができる。
【0065】
以上、本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されない。例えば、以下のように、第1実施形態のシート体と異なる形状を有するシート体によって第1封止部21が形成されてもよい。
【0066】
[第2実施形態]
図9は、他の例に係る電極ユニットを説明するための平面図であり、バイポーラ電極14とシート体221との対応関係を示す。
図10は、
図9の例の電極ユニットを説明するための平面図であり、バイポーラ電極14に接合されたシート体221が展開されている状態を示す。
図11は、
図9の例の電極ユニット230を示す平面図である。製造方法については、第1実施形態と同様であるため、説明を省略する。
【0067】
4つのシート体221は、バイポーラ電極14の長辺に対応する2つのシート体221Lと、短辺に対応する2つのシート体221Sとによって構成されている。シート体221Lは、第1部分222Lと第2部分223Lとを含む。第1部分222Lは、バイポーラ電極14の縁部15cに接合される部分を含む。第2部分223Lは、第1部分222Lに向かって折り返される部分である。図示例では、第1部分222Lと第2部分223Lとの境界が二点鎖線によって示されている。第2部分223Lは、この二点鎖線(折り線221a)に沿って第1部分222L側に折り返される。
【0068】
図示例の第1部分222L及び第2部分223Lは、いずれも台形状をなしている。すなわち、第1部分222L及び第2部分223Lは、底辺を構成する上底及び下底と、上底と下底とを接続する一対の脚と、を含む。なお、本明細書では、底辺のうち長い方の辺を下底とする。シート体221は、第1部分222Lにおける台形の下底に相当する辺と、第2部分223Lにおける台形の下底に相当する辺とが互いに接続された六角形状をなしている。なお、図示例では、第1部分222L及び第2部分223Lは等脚台形となっている。対応する辺の方向に交差する幅方向において、第1部分222Lの長さは第2部分223Lの長さよりも大きい。すなわち、バイポーラ電極14の短辺に沿った方向において、第1部分222Lの長さL21は、第2部分223Lの長さL22よりも大きい。
【0069】
第1部分222Lにおける下底と脚とのなす内角θ1は45度より大きくなっている。また、第1部分222Lにおける下底と脚とのなす内角θ1と第2部分223Lにおける下底と脚とのなす内角θ2との和は90度である。
【0070】
シート体221Sは、第1部分222Sと第2部分223Sとを含む。第1部分222Sは、バイポーラ電極14の縁部15cに接合される部分を含む。第2部分223Sは、第1部分222Sに向かって折り返される部分である。図示例では、第1部分222Sと第2部分223Sとの境界が二点鎖線によって示されている。第2部分223Sは、この二点鎖線(折り線221a)に沿って第1部分222S側に折り返される。
【0071】
第1部分222S及び第2部分223Sは、いずれも台形状をなしている。すなわち、第1部分222S及び第2部分223Sは、底辺を構成する上底及び下底と、上底と下底とを接続する一対の脚と、を含む。シート体221は、第1部分222Sにおける台形の下底に相当する辺と、第2部分223Sにおける台形の下底に相当する辺とが互いに接続された六角形状をなしている。なお、図示例では、第1部分222S及び第2部分223Sは等脚台形となっている。対応する辺に沿った方向に交差する幅方向において、第1部分222Sの長さは、第2部分223Sの長さよりも大きい。すなわち、バイポーラ電極14の長辺に沿った方向において、第1部分222Sの長さL23は、第2部分223Sの長さL24よりも大きい。本実施形態では、シート体221Lの第1部分222Lの幅方向の長さL21と、シート体221Sの第1部分222Sの幅方向の長さL23とが同じとなっている。また、シート体221Lの第2部分223Lの幅方向の長さL22と、シート体221Sの第2部分223Sの幅方向の長さL24とが同じとなっている。
【0072】
第1部分222Sにおける下底と脚とのなす内角θ3は45度より大きくなっている。また、第1部分222Sにおける下底と脚とのなす内角θ3と第2部分223Sにおける下底と脚とのなす内角θ4との和は90度である。また、シート体221Sの第1部分222Sにおける内角θ3は、シート体221Lの第1部分222Lにおける内角θ1と等しい。そのため、図示例では、シート体221Sの第2部分223Sにおける内角θ4も、シート体221Lの第2部分223Lにおける内角θ2と等しくなっている。
【0073】
図10に示すように、本実施形態では、バイポーラ電極14の長辺の縁部15cに沿ってシート体221Lの第1部分222Lの一部が接合される。シート体221Lの第2部分223Lは、バイポーラ電極14と重複しない。すなわち、二点鎖線で示される第1部分222Lと第2部分223Lとの境界(折り線221a)は、バイポーラ電極14の外側に位置している。
【0074】
また、バイポーラ電極14の短辺の縁部15cに沿ってシート体221Sの第1部分222Sの一部が接合される。シート体221Sの第2部分223Sは、バイポーラ電極14と重複しない。すなわち、二点鎖線で示される第1部分222Sと第2部分223Sとの境界(折り線221a)は、バイポーラ電極14の外側に位置している。
【0075】
バイポーラ電極14における隣り合う辺に対応するシート体221Lとシート体221Sとは、第1部分222Lの端部と第1部分222Sの端部とが互いに重複した重複部125を形成する。図示例では、シート体221Sの第1部分222Sの端部がシート体221Lの第1部分222Lの端部に重ねられている。隣り合うシート体221同士では、下底を含む角が互いに一致するように、互いに重ねられている。そのため、重複部225は、シート体221Lの第1部分222Lの脚とシート体221Sの第1部分222Sの脚とを含む四角形状をなしている。
図10において、重複部225は、実線及び破線によって囲まれた領域として示されている。
【0076】
図11に示すように、電極ユニット230では、シート体221Sの第2部分223Sが重複部225を避けて第1部分222Sに向かって折り返されている。同様に、シート体221Lの第2部分223Lが重複部225を避けて第1部分222Lに向かって折り返されている。折り返された第2部分223S及び第2部分223Lは、理想的には重複部225に接していてよいが、重複部225から離間していてもよい。例えば、図示例では、折り返された第2部分223Lの脚は、重複部225の輪郭の一部である第1部分222Sの脚から離間していてもよい。
【0077】
4つのシート体221によって構成される第1封止部21は、平面視において矩形枠状をなしている。第1封止部21は、電極板15の縁部15cを囲み、当該縁部15cに対して接合されている。第1封止部21の内縁25sは電極板15の周縁15dよりも内側に位置している。第1封止部21は、シート体221の折り線221aが折り返されることによって、部分的に2層になっている。すなわち、第1封止部21は、バイポーラ電極14に接合された第1部分222L,222Sによって形成される第1層25と、第1層25側に折り返されて積層された第2部分223L,223Sによって形成される第2層27と、を含んでいる。第1層25における内縁25sを含む内周縁部25bには、セパレータ13が接合され得る。
【0078】
上記の電極ユニット230では、第1部分222L,222Sにおける下底と脚とのなす内角θ1、θ3が45度より大きくなっている。そのため、4つのシート体221を矩形枠状に配置した際に、隣り合ったシート体221の端部同士が重なり合った重複部225が形成される。第1部分222Lの内角θ1と第2部分223Lの内角θ2との和が90度であり、第1部分222Sの内角θ3と第2部分223Sの内角θ4との和が90度であるため、第2部分223L,223Sを折り返した際に、第2部分223L,223Sが重複部225を避け得る。なお、より確実に、第2部分223L,223Sが重複部225を避けるためには、上記の内角の和を90度よりも小さくすればよい。
【0079】
[第3実施形態]
図12は、さらに他の例に係る電極ユニットを説明するための平面図であり、バイポーラ電極14とシート体321との対応関係を示す。
図13は、
図12の例の電極ユニットを説明するための平面図であり、バイポーラ電極14に接合されたシート体321が展開されている状態を示す。
図14は、
図12の例の電極ユニット330を示す平面図である。製造方法については、第1実施形態と同様であるため、説明を省略する。
【0080】
4つのシート体321は、バイポーラ電極14の長辺に対応する2つのシート体321Lと、短辺に対応する2つのシート体321Sとによって構成されている。シート体321Lは、第1部分322Lと第2部分323Lとを含む。第1部分322Lは、バイポーラ電極14の縁部15cに接合される部分を含む。第2部分323Lは、第1部分322Lに向かって折り返される部分である。図示例では、第1部分322Lと第2部分323Lとの境界が二点鎖線によって示されている。第2部分323Lは、この二点鎖線(折り線321a)に沿って第1部分322L側に折り返される。
【0081】
第1部分322Lは、台形状部分と矩形状部分とが接続された形状を有する。図示例では、台形状部分と矩形状部分との境界が一点鎖線で示されている。図示の通り、第1部分322Lでは、台形状部分の下底と矩形状部分の長辺の一方とが接続されている。台形状部分は、等脚台形状をなしている。第2部分323Lは、等脚の台形状をなしている。シート体321では、第1部分322Lの矩形状部分における他方の長辺と第2部分323Lの台形の下底とが互いに接続されている。これにより、シート体321は、八角形状をなしている。対応する辺に沿った方向に交差する幅方向において、第1部分322Lの長さは、第2部分323Lの長さよりも大きい。すなわち、バイポーラ電極14の短辺に沿った方向において、第1部分322Lの長さL31は、第2部分323Lの長さL32よりも大きい。
【0082】
第1部分322Lにおける台形状部分の下底と脚とのなす内角θ31、及び、第2部分323Lにおける下底と脚とのなす内角θ32は、いずれも45度である。
【0083】
シート体321Sは、第1部分322Sと第2部分323Sとを含む。第1部分322Sは、バイポーラ電極14の縁部15cに接合される部分を含む。第2部分323Sは、第1部分322Sに向かって折り返される部分である。図示例では、第1部分322Sと第2部分323Sとの境界が二点鎖線によって示されている。第2部分323Sは、この二点鎖線(折り線321a)に沿って第1部分322S側に折り返される。
【0084】
第1部分322Sは、台形状部分と矩形状部分とが接続された形状を有する。図示例では、台形状部分と矩形状部分との境界が一点鎖線で示されている。図示の通り、第1部分322Sでは、台形状部分の下底と矩形状部分の長辺の一方とが接続されている。台形状部分は、等脚台形状をなしている。また、第2部分323Sは、等脚台形状をなしている。シート体321では、第1部分322Sの矩形状部分における他方の長辺と第2部分323Sの台形の下底とが互いに接続されている。これにより、シート体321は、八角形状をなしている。対応する辺に沿った方向に交差する幅方向において、第1部分322Sの長さは、第2部分323Sの長さよりも大きい。すなわち、バイポーラ電極14の長辺に沿った方向において、第1部分322Sの長さL33は、第2部分323Sの長さL34よりも大きい。本実施形態では、シート体321Lの第1部分322Lの幅方向の長さL31と、シート体321Sの第1部分322Sの幅方向の長さL33とが同じとなっている。また、シート体321Lの第2部分323Lの幅方向の長さL32と、シート体321Sの第2部分323Sの幅方向の長さL34とが同じとなっている。
【0085】
第1部分322における台形状部分の下底と脚とのなす内角θ33、及び、第2部分323における下底と脚とのなす内角θ34は、いずれも45度である。
【0086】
図13に示すように、本実施形態では、バイポーラ電極14の長辺の縁部15cに沿ってシート体321Lの第1部分322Lの一部が接合される。シート体321Lの第2部分323Lは、バイポーラ電極14と重複しない。すなわち、二点鎖線で示される第1部分322Lと第2部分323Lとの境界(折り線321a)は、バイポーラ電極14の外側に位置している。
【0087】
また、バイポーラ電極14の短辺の縁部15cに沿ってシート体321Sの第1部分322Sの一部が接合される。シート体321Sの第2部分323Sは、バイポーラ電極14と重複しない。すなわち、二点鎖線で示される第1部分322Sと第2部分323Sとの境界(折り線321a)は、バイポーラ電極14の外側に位置している。
【0088】
バイポーラ電極14における隣り合う辺に対応するシート体321Lとシート体321Sとは、第1部分322Lの端部と第1部分322Sの端部とが互いに重複した重複部325を形成する。図示例では、シート体321Lにおける矩形状部分の短辺の中点の位置C1と、シート体321Sにおける矩形状部分の短辺の中点の位置C2とが重なり合っている。そのため、重複部325は、シート体321Lの第1部分322Lにおける台形状部分の脚とシート体321Sの第1部分322Sにおける台形状部分の脚とを含む六角形状をなしている。
図13において、重複部325は、実践及び破線によって囲まれた領域として示されている。
【0089】
図14に示すように、電極ユニット330では、シート体321Sの第2部分323Sが重複部325を避けて第1部分322Sに向かって折り返されている。同様に、シート体321Lの第2部分323Lが重複部325を避けて第1部分322Lに向かって折り返されている。折り返された第2部分323S及び第2部分323Lは、理想的には重複部325に接していてもよいが、重複部325から離間していてもよい。例えば、図示例では、折り返された第2部分323Lの脚と第1部分322Sにおける台形状部分の脚とが互いに離間していてもよい。
【0090】
4つのシート体321によって構成される第1封止部21は、平面視において略矩形枠状をなしている。第1封止部21は、電極板15の縁部15cを囲み、当該縁部15cに対して接合されている。第1封止部21の内縁25sは電極板15の周縁15dよりも内側に位置している。第1封止部21は、電極板15の周縁15dよりも外側の位置で折り線321aが折り返されることによって、部分的に2層になっている。すなわち、第1封止部21は、バイポーラ電極14に接合された第1部分322L,322Sによって形成される第1層25と、第1層25側に折り返されて積層された第2部分323L,323Sによって形成される第2層27と、を含んでいる。第1層25における内縁25sを含む内周縁部25bには、セパレータ13が接合され得る。
【0091】
上記のシート体321では、第1部分322L,322Sにおける台形状部分の下底と脚とのなす内角θ31,θ33、及び、第2部分323L,323Sにおける下底と脚とのなす内角θ32,θ34が、いずれも45度となっている。この構成では、折り返された第2部分323L,323Sの脚と隣り合うシート体321の第1部分322S,322Lの脚とが平行となる。隣り合うシート体321同士の位置を調整することによって、折り返された第2部分323L,323Sの脚と隣り合うシート体321の第1部分322S,322Lの脚との位置関係を容易に制御することができる。上記実施形態では、シート体321Lにおける矩形部分の短辺の中点の位置C1と、シート体321Sにおける矩形部分の短辺の中点の位置C2とが重なり合っている。この構成では、折り返された第2部分323L,323Sの脚の位置と隣り合うシート体321の第1部分322S,322Lの脚の位置とが一致し得る。
【0092】
[第4実施形態]
図15は、他の例に係る電極ユニットを説明するための平面図であり、バイポーラ電極14とシート体421との対応関係を示す。
図16は、
図15の例の電極ユニットを説明するための平面図であり、バイポーラ電極14に接合されたシート体421が展開されている状態を示す。
図17は、
図15の例の電極ユニット430を示す平面図である。
【0093】
4つのシート体421は、バイポーラ電極14の長辺に対応する2つのシート体421Lと、短辺に対応する2つのシート体421Sとによって構成されている。シート体421Lは、第1部分422Lと第2部分423Lとを含む。第1部分422Lは、バイポーラ電極14の縁部15cに接合される部分を含む。第2部分423Lは、第1部分422Lに向かって折り返される部分である。図示例では、第1部分422Lと第2部分423Lとの境界が二点鎖線によって示されている。第2部分423Lは、この二点鎖線(折り線421a)に沿って第1部分422L側に折り返される。
【0094】
シート体421Lは、2つの台形の下底に相当する辺同士が互いに接続された六角形状をなしている。図示例では、2つの台形同士の境界が一点鎖線で示されている。シート体421Lの2つの台形部分は、いずれも下底と脚とのなす内角θ41,θ42が45°である等脚台形となっている。
【0095】
第1部分422Lは、シート体421Lの一方の台形部分を完全に包含するとともに、他方の台形部分の一部を含む。すなわち、第1部分422Lは、2つの台形の下底に相当する辺同士が互いに接続された六角形状をなしている。第2部分423Lは、シート体421Lの他方の台形部分の一部であり、台形状をなしている。対応する辺の方向に交差する幅方向において、第1部分422Lの長さは第2部分423Lの長さよりも大きい。すなわち、バイポーラ電極14の短辺に沿った方向において、第1部分422LのL41は、第2部分423Lの長さL42よりも大きい。
【0096】
シート体421Sは、第1部分422Sと第2部分423Sとを含む。第1部分422Sは、バイポーラ電極14の縁部15cに接合される部分を含む。第2部分423Sは、第1部分422Sに向かって折り返される部分である。図示例では、第1部分422Sと第2部分423Sとの境界が二点鎖線によって示されている。第2部分423Sは、この二点鎖線(折り線421a)に沿って第1部分422S側に折り返される。
【0097】
シート体421Sは、2つの台形の下底に相当する辺同士が互いに接続された六角形状をなしている。図示例では、2つの台形同士の境界が一点鎖線で示されている。シート体421Sの2つの台形部分は、いずれも下底と脚とのなす内角θ43,θ44が45°である等脚台形となっている。
【0098】
第1部分422Sは、シート体421Sの一方の台形部分を完全に包含するとともに、他方の台形部分の一部を含む。すなわち、第1部分422Sは、2つの台形の下底に相当する辺同士が互いに接続された六角形状をなしている。第2部分423Sは、シート体421Sの他方の台形部分の一部であり、台形状をなしている。対応する辺の方向に交差する幅方向において、第1部分422Sの長さは第2部分423Sの長さよりも大きい。すなわち、バイポーラ電極14の長辺に沿った方向において、第1部分422Sの長さL43は、第2部分423Sの長さL44よりも大きい。
【0099】
本実施形態では、シート体421Lの第1部分422Lの幅方向の長さL41と、シート体421Sの第1部分422Sの幅方向の長さL43とが同じとなっている。また、シート体421Lの第2部分423Lの幅方向の長さL42と、シート体421Sの第2部分423Sの幅方向の長さL44とが同じとなっている。
【0100】
図16に示すように、本実施形態では、バイポーラ電極14の長辺の縁部15cに沿ってシート体421Lの第1部分422Lの一部が接合される。シート体421Lの第2部分423Lは、バイポーラ電極14と重複しない。すなわち、二点鎖線で示される第1部分422Lと第2部分423Lとの境界(折り線421a)は、バイポーラ電極14の外側に位置している。
【0101】
また、バイポーラ電極14の短辺の縁部15cに沿ってシート体421Sの第1部分422Sの一部が接合される。シート体421Sの第2部分423Sは、バイポーラ電極14と重複しない。すなわち、二点鎖線で示される第1部分422Sと第2部分423Sとの境界(折り線421a)は、バイポーラ電極14の外側に位置している。
【0102】
バイポーラ電極14における隣り合う辺に対応するシート体421Lとシート体421Sとは、第1部分422Lの端部と第1部分422Sの端部とが互いに重複した重複部425を形成する。図示例では、シート体421Sの第1部分422Sの端部がシート体421Lの第1部分422Lの端部に重ねられている。隣り合うシート体421同士は、第2部分423Lの脚と第2部分423Sの脚とが直線上に配置されるように、互いに重ねられている。そのため、重複部425は、シート体421Lの第1部分422Lにおける内側の台形の脚とシート体421Sの第1部分422Sにおける内側の台形の脚とを含む四角形状をなしている。
図16において、重複部425は、実線及び破線によって囲まれた領域として示されている。
【0103】
図17に示すように、電極ユニット430では、シート体421Sの第2部分423Sが重複部425を避けて第1部分422Sに向かって折り返されている。同様に、シート体421Lの第2部分423Lが重複部425を避けて第1部分422Lに向かって折り返されている。折り返された第2部分423S及び第2部分423Lは、理想的には重複部425に接していてよいが、重複部425から離間していてもよい。例えば、図示例では、折り返された第2部分423Lの脚は、重複部425の輪郭の一部である第1部分422Sの内側の台形の脚から離間していてもよい。
【0104】
4つのシート体421によって構成される第1封止部21は、平面視において矩形枠状をなしている。第1封止部21は、電極板15の縁部15cを囲み、当該縁部15cに対して接合されている。第1封止部21の内縁25sは電極板15の周縁15dよりも内側に位置している。第1封止部21は、シート体421の折り線421aが折り返されることによって、部分的に2層になっている。すなわち、第1封止部21は、バイポーラ電極14に接合された第1部分422L,422Sによって形成される第1層25と、第1層25側に折り返されて積層された第2部分423L,423Sによって形成される第2層27と、を含んでいる。第1層25における内縁25sを含む内周縁部25bには、セパレータ13が接合され得る。
【0105】
上記の電極ユニット430では、隣り合うシート体421同士において、第2部分423Lの脚と第2部分423Sの脚とが直線上に配置されている。一例では、
図15に示すように、2つの台形を接続した形状のシート体421を準備することによって、電極ユニット430を製造することができる。また、他の形状をなすシート体を用いて、電極ユニット430を製造してもよい。
図18は、電極ユニットの製造工程の他の例を説明するための図である。電極ユニット430の製造にあたっては、
図18に示すように、台形状のシート体429S,429Lを準備してもよい。このシート体429S,429Lは、等脚台形状をなしている。下底と脚とのなす内角θ45は45°である。例えば、4枚のシート体429S,429Lをバイポーラ電極14に接合した後に、脚に直交する方向に沿って隣り合うシート体429S,429Lを切断する。二点鎖線で示される切断された位置は、第2部分423Lの脚と第2部分423Sの脚とを形成する。これにより、シート体429S,429Lは、シート体421S,421Lと同様の形状になる。
【符号の説明】
【0106】
14…バイポーラ電極、15c…縁部、21…第1封止部(封止体)、30…電極ユニット、121,121L,121S…シート体、122L,122S…第1部分、123L,123S…第2部分、125…重複部。