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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-11
(45)【発行日】2022-10-19
(54)【発明の名称】画像記録装置
(51)【国際特許分類】
   B41J 29/42 20060101AFI20221012BHJP
   B41J 29/38 20060101ALI20221012BHJP
   G03G 21/00 20060101ALI20221012BHJP
   H04N 1/00 20060101ALI20221012BHJP
   G06F 3/12 20060101ALI20221012BHJP
【FI】
B41J29/42 F
B41J29/38 204
G03G21/00 386
G03G21/00 388
G03G21/00 512
H04N1/00 127Z
H04N1/00 C
G06F3/12 310
G06F3/12 335
G06F3/12 385
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2019063839
(22)【出願日】2019-03-28
(65)【公開番号】P2020163595
(43)【公開日】2020-10-08
【審査請求日】2022-03-11
(73)【特許権者】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100117101
【弁理士】
【氏名又は名称】西木 信夫
(74)【代理人】
【識別番号】100120318
【弁理士】
【氏名又は名称】松田 朋浩
(72)【発明者】
【氏名】疇地 悠
(72)【発明者】
【氏名】南川 俊輔
(72)【発明者】
【氏名】江▲崎▼ 信也
(72)【発明者】
【氏名】出浦 祐視
(72)【発明者】
【氏名】奥野 哲也
(72)【発明者】
【氏名】李 トニー
【審査官】牧島 元
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-193592(JP,A)
【文献】特開2018-136639(JP,A)
【文献】特開2001-331069(JP,A)
【文献】特開2016-186512(JP,A)
【文献】特開2013-101437(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2010/0241484(US,A1)
【文献】特開2017-215691(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41J 29/42
B41J 29/38
G03G 21/00
H04N 1/00
G06F 3/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示パネルと、カートリッジが装着される装着部と、情報入力インタフェースと、メモリと、コントローラと、を備えており、
前記コントローラは、
サービス提供者に関するサービス提供者情報を前記情報入力インタフェースを通じて取得し、
取得した前記サービス提供者情報を前記メモリに記憶させ、
前記装着部に装着されるカートリッジに関する第1特定情報及び第2特定情報のいずれかを取得し、
前記第1特定情報を取得したことに応じて、動作モードを第1モードに決定し、
前記第2特定情報を取得したことに応じて、動作モードを第2モードに決定し、
動作モードを前記第1モードに決定したことを条件として、前記カートリッジの種別を示すカートリッジ種別オブジェクトを前記表示パネルに表示させ、
動作モードを前記第2モードに決定し、かつ前記サービス提供者情報が前記メモリに記憶されていることを条件として、前記サービス提供者情報を示す提供者情報オブジェクトを前記表示パネルに表示させる
画像記録装置。
【請求項2】
前記情報入力インタフェースは、前記装着部に位置するカートリッジインタフェースを含んでおり、
前記コントローラは、
前記情報入力インタフェースを通じて準備情報を取得し、
前記準備情報を取得したことに応じて、前記第1特定情報及び前記第2特定情報のいずれかを取得可能な取得可能状態に遷移し、
前記コントローラは、前記取得可能状態において、前記カートリッジインタフェースを通じて、前記カートリッジが有するカートリッジメモリから、前記第2特定情報を取得したことに応じて、動作モードを前記第2モードに決定する
請求項1に記載の画像記録装置。
【請求項3】
前記情報入力インタフェースは、前記装着部に位置するカートリッジインタフェースを含んでおり、
前記コントローラは、動作モードを前記第2モードに決定した後、
前記カートリッジインタフェースを通じて、前記カートリッジが有するカートリッジメモリから前記第2特定情報を取得したことに応じて、前記第2モードを維持し、
前記第1特定情報を取得しなかったことに応じて、前記第2モードから前記第1モードに動作モードを変更する
請求項1または2に記載の画像記録装置。
【請求項4】
前記装着部に装着されたカートリッジから供給された消耗品を消費する消費部をさらに備えており、
前記コントローラは、
前記消費部が消費したことに応じて、前記カートリッジ内の消耗品の量を特定可能な値をカウントし、
カウントした前記値が閾値に達したか否かを判断し、
前記第1モードに決定し、かつ、カウントした前記値が閾値に達したと判断したことを条件として、前記消耗品の残量が少ないことと、前記カートリッジの交換との少なくとも一方を示す報知オブジェクトを前記表示パネルに表示させ、
前記第2モードに決定し、かつ、カウントした前記値が閾値に達したと判断したことを条件として、前記サービス提供者情報を前記表示パネルに表示させる
請求項1から3のいずれかに記載の画像記録装置。
【請求項5】
前記装着部に装着された前記カートリッジから供給された消耗品を消費する消費部と、
前記装着部に装着された前記カートリッジが貯留する消耗品が所定量未満である場合に、検出信号を出力するセンサと、をさらに備えており、
前記コントローラは、
前記第1モードに決定し、かつ、前記センサが出力する前記検出信号を取得したことを条件として、インクが少ないことと、前記カートリッジの交換との少なくとも一方を示す報知オブジェクトを前記表示パネルに表示させ、
前記第2モードに決定し、かつ、前記センサが出力する前記検出信号を取得したことを条件として、前記サービス提供者を前記表示パネルに表示させる
請求項1から3のいずれかに記載の画像記録装置。
【請求項6】
前記コントローラは、
カウントした前記値が前記メモリに記憶された禁止閾値に達したか否かを判断し、
カウントした前記値が前記禁止閾値に達したと判断したことを条件として、動作モードが前記第1モードであるか前記第2モードであるかに拘わらず、前記消費部が消耗品を消費する動作を禁止し、かつ、前記カートリッジの交換を示す交換オブジェクトを前記表示パネルに表示させる
請求項4に記載の画像記録装置。
【請求項7】
前記情報入力インタフェースは、通信インタフェースを含んでおり、
前記コントローラは、
前記通信インタフェースが通信回線に接続されているか否かを判断し、
前記第2モードに決定し、且つ前記通信インタフェースが通信回線に接続されていないと判断したことを条件として、通信回線に接続することと、サービスの提供を受けることができないこととの少なくとも一方を示す案内オブジェクトを前記表示パネルに表示させる
請求項1から6のいずれかに記載の画像記録装置。
【請求項8】
前記装着部に装着された前記カートリッジから供給された消耗品を消費する消費部をさらに備えており、
前記コントローラは、
前記消費部が消費したことに応じて、前記カートリッジ内の消耗品の量を特定可能な値をカウントし、
カウントした前記値に基づいて、前記装着部に装着された前記カートリッジに貯留されている消耗品の残量を示す残量値を算出し、
算出した前記残量値を示す残量オブジェクトを、動作モードが前記第1モードであるか前記第2モードであるかに拘わらず前記表示パネルに表示させる
請求項1から7のいずれかに記載の画像記録装置。
【請求項9】
前記情報入力インタフェースは、通信インタフェースと、ユーザインタフェースと、を含んでおり、
前記コントローラは、
前記ユーザインタフェースを通じて連絡指示を取得したことに応じて、前記通信インタフェース及び通信回線を通じて、前記サービス提供者情報に含まれる連絡先と通信可能に接続状態にする
請求項1から8のいずれかに記載の画像記録装置。
【請求項10】
前記情報入力インタフェースは、前記装着部に位置するカートリッジインタフェースを含んでおり、
前記コントローラは、
前記取得可能状態に遷移していない状態において、前記カートリッジインタフェースを通じて前記カートリッジメモリから前記第2特定情報を取得したことに応じて、エラーを示すエラーオブジェクトを前記表示パネルに表示させる
請求項2に記載の画像記録装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、異なる態様で使用される画像記録装置に関する。
【背景技術】
【0002】
画像記録装置が使用される態様として、画像記録装置のユーザがサービス提供者と契約を締結して画像記録装置を使用する態様と、ユーザがサービス提供者と契約を締結せずに画像記録装置を使用する態様とがある。サービス提供者は、ユーザとの契約に基づいて、画像記録装置のトナーカートリッジやインクカートリッジなどの消耗品をユーザに提供する。
【0003】
特許文献1は、ICカードを有するカートリッジが装着される画像形成装置を開示する。ICカードのメモリは、カートリッジの型番等を記憶する。画像形成装置は、カートリッジが貯留するトナーの残量を検出し、カートリッジの交換時期が接近したことに応じて、ICカードのメモリに記憶された型番等を含む発注書を送信する。本従来技術の内容は、上記複数の態様のうち、前者の態様に関するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2001-331069号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ユーザがサービス提供者と契約を締結して画像記録装置を使用する態様では、ユーザには、カートリッジなどの消耗品を特定する型番などの情報を認識させない方が好ましい。これは、ユーザが、サービス提供者以外のルートで消耗品を入手してしまい、この入手によって当該態様ではユーザに不必要な費用を発生させてしまうことを防止するためである。一方、ユーザがサービス提供者と契約を締結せずに画像記録装置を使用する態様では、ユーザには、消耗品を特定する型番などの情報を認識させた方が好ましい。当然ながら、当該態様においては、ユーザに入手すべき消耗品を特定させないことになってしまうと、ユーザは消耗品を手に入れられない可能性があるためである。
【0006】
本発明は、画像記録装置の使用の態様に応じて、画像記録装置の表示パネルに表示される内容を変更する技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本明細書では様々な開示を行う。開示例の画像記録装置は、表示パネルと、カートリッジが装着される装着部と、情報入力インタフェースと、メモリと、コントローラと、を備える。前記コントローラは、サービス提供者に関するサービス提供者情報を前記情報入力インタフェースを通じて取得し、取得した前記サービス提供者情報を前記メモリに記憶させ、前記装着部に装着されるカートリッジに関する第1特定情報及び第2特定情報のいずれかを取得し、前記第1特定情報を取得したことに応じて、動作モードを第1モードに決定し、前記第2特定情報を取得したことに応じて、動作モードを第2モードに決定し、動作モードを前記第1モードに決定したことを条件として、前記カートリッジの種別を示すカートリッジ種別オブジェクトを前記表示パネルに表示させ、動作モードを前記第2モードに決定し、かつ前記サービス提供者情報が前記メモリに記憶されていることを条件として、前記サービス提供者情報を示す提供者情報オブジェクトを前記表示パネルに表示させる。
【0008】
コントローラは、第1特定情報を取得したことに応じて、動作モードを第1モードに決定する。コントローラは、動作モードを第1モードに決定したことを条件として、カートリッジの種別を示すカートリッジ種別オブジェクトを表示パネルに表示させる。したがって、コントローラは、画像記録装置のユーザがサービス提供者と契約を締結せずに画像記録装置を使用する態様において、交換すべきカートリッジの種別をユーザに認識させることができる。また、コントローラは、第2特定情報を取得したことに応じて、動作モードを第2モードに決定する。コントローラは、動作モードを第2モードに決定したことを条件として、サービス提供者情報を示す提供者情報オブジェクトを表示パネルに表示させる。したがって、コントローラは、画像記録装置のユーザがサービス提供者と契約を締結して画像記録装置を使用する態様において、サービス提供者に関する情報をユーザに認識させることができる。すなわち、開示例の画像記録装置は、使用の態様に応じて、表示パネルに表示する内容を変更することができる。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、画像記録装置の使用の態様に応じて、画像記録装置の表示パネルに表示される内容を変更することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、プリンタ10及び情報処理装置11の機能ブロック図である。
図2図2(A)は、カバー22が閉じられた状態のプリンタ10の斜視図であり、図2(B)は、カバー22が開かれた状態のプリンタ10の斜視図である。
図3図3は、プリンタ10の模式的な断面図である。
図4図4は、動作モード決定処理のフローチャートの一部である。
図5図5(A)は、動作モード決定処理のフローチャートの他の一部であり、図5(B)は、第2モード画面表示処理のフローチャートである。
図6図6は、第1モード画面表示処理のフローチャートである。
図7図7は、データ送信処理のフローチャートである。
図8図8(A)は、第1待機画面を示す図であり、図8(B)は、第2待機画面を示す図である。
図9図9(A)は、第3待機画面を示す図であり、図9(B)は、第1インク残量画面を示す図である。
図10図10(A)は、第2インク残量画面を示す図であり、図10(B)は、第3インク残量画面を示す図である。
図11図11(A)は、型番表示画面を示す図であり、図11(B)は、第4待機画面を示す図である。
図12図12(A)は、提供者情報表示画面を示す図であり、図12(B)は、接続指示画面を示す図である。
図13図13は、第5待機画面を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態について説明する。なお、以下に説明される実施形態は本発明の一例にすぎず、本発明の要旨を変更しない範囲で、本発明の実施形態を適宜変更できることは言うまでもない。
【0012】
本実施形態では、図1に示されるように、インターネット12と接続されるプリンタ10を説明する。プリンタ10は、LAN(Local Area Networkの略)(登録商標)などのローカルネットワーク及びルータ16を介してインターネット12と接続される。或いは、プリンタ10は、不図示のパーソナルコンピュータ及びルータ16を介してインターネット12と接続される。プリンタ10は、USBケーブルなどの通信ケーブルによって、パーソナルコンピュータと接続される。プリンタ10は、画像記録装置の一例である。通信ケーブルやLANは、通信回線の一例である。
【0013】
また、プリンタ10は、インターネット12に対して音声信号や画像データを送信してもよい。すなわち、プリンタ10は、インターネット12を通じて通話機能やFAX機能を使用可能な複合機であってもよい。なお、プリンタ10は、インターネット12と電話回線とにそれぞれ接続されていてもよい。
【0014】
プリンタ10は、HTTPやHTTPsなどの通信プロトコルを用いて、EメールやHTTPリクエストなどの情報を、インターネット12に対して送信する。プリンタ10が送信したEメールは、メールサーバを通じて情報処理装置11に受信される。プリンタ10が送信したHTTPリクエストは、情報処理装置11に受信される。
【0015】
情報処理装置11は、パーソナルコンピュータや、タブレットや、携帯端末や、サーバなどである。プリンタ10は、情報処理装置11がパーソナルコンピュータやタブレットや携帯端末などであって、インターネット12上に公開されたURLなどの公開アドレスを有さない場合、Eメールを送信する。プリンタ10は、情報処理装置11がサーバであって、インターネット12上に公開されたURLなどの公開アドレスを有する場合、EメールやHTTPリクエストを送信する。なお、プリンタ10が情報処理装置11に対して情報を送信する方法であるEメールやHTTPリクエストは一例であって、インターネット12や電話回線を通じて情報処理装置11に情報を送信可能であれば、他の方法が用いられてもよい。
【0016】
情報処理装置11は、プリンタ10のユーザに対してサービスを提供するサービス提供者が所有する装置であり、或いは、サービス提供者が使用権限を有する装置である。サービス提供者は、情報処理装置11を用いて、プリンタ10のユーザに対してサービスを提供する。例えば、サービス提供者は、情報処理装置11を用いて、プリンタ10に装着された後述のカートリッジ13が貯留するインクやトナーなどの消耗品の残量を監視する。そして、サービス提供者は、消耗品が無くなる前に、新しいカートリッジ13をユーザ宛てに発送し、或いは発送の手配をする。ユーザは、配達された新しいカートリッジ13を、消耗品が使い切られた古いカートリッジ13と交換する。
【0017】
プリンタ10は、ユーザがサービス提供者と契約を締結して使用する態様(以下、契約使用態様とも記載する)に用いられ、かつ、ユーザがサービス提供者と契約を締結せずに使用する態様(以下、通常使用態様とも記載する)にも用いられる。すなわち、プリンタ10は、契約使用態様及び通常使用態様において使用可能なプリンタである。プリンタ10は、契約使用態様において用いられるか、通常使用態様において用いられるかを判断し、判断結果にしたがって、表示パネル43に表示させる内容を変更する。
【0018】
情報処理装置11は、コントローラ61と、ディスプレイ62と、ユーザI/F63と、通信I/F64と、を備える。「I/F」は、インタフェースの略である。ユーザI/F63は、マウスやキーボードなどである。
【0019】
コントローラ61は、中央演算処理装置であるCPU65と、メモリ66と、不図示の通信バスとを主に備える。CPU65、メモリ66、ディスプレイ62、ユーザI/F63、及び通信I/F64は、通信バスに接続されている。すなわち、CPU65は、通信バスを通じて、メモリ66、ディスプレイ62、ユーザI/F63、及び通信I/F64と情報やデータを受け渡し可能に接続されている。
【0020】
メモリ66は、ROMやRAMやハードディスクなどである。ハードディスクは、オペレーティングシステムであるOSと、装置プログラムと、メーラーとを記憶する。OS、装置プログラム、及びメーラーに記述された命令は、CPU65によって実行される。すなわち、OS、装置プログラム、及びメーラーは、CPU65によって実行される。CPU65によって実行されるOS、装置プログラム、及びメーラーは、ディスプレイ62に画像を表示させ、ユーザI/F63を通じてユーザの入力を受け付け、通信I/F64を通じて情報やデータを送受信し、受信した情報やデータをメモリ66に記憶させる。
【0021】
プリンタ10は、図2に示されるように、筐体20と、筐体20に保持されるパネルユニット21、カバー22、給紙トレイ23、及び排紙トレイ24と、を備える。
【0022】
パネルユニット21は、パネル本体41と、パネル本体41に保持されたタッチパネル42及び複数の操作スイッチ45とを備える。パネル本体41は、矩形板状であり、筐体20の一面に取り付けられている。以下では、プリンタ10が水平面に載置された状態において、パネル本体41が位置する筐体20の一面を前面として前後方向8を定義し、鉛直方向に沿う方向を上下方向7として説明する。また、プリンタ10を前方から見た場合の左右を左右方向9として定義して説明する。前後方向8及び左右方向9は、水平面と平行であって、かつ上下方向7とそれぞれ直交しており、さらにかつ、互いに直交している。
【0023】
タッチパネル42は、図1に示されるように、画像を表示する表示パネル43と、表示パネル43に重畳された透明な膜状のタッチセンサ44と、を有する。タッチセンサ44は、ユーザがタッチした表示パネル43における位置を示す位置情報を出力する。位置情報は、例えば、表示パネル43の左上端を原点とし、右向きをx軸の正の向き、下向きをy軸の正の向きとした場合のx-y平面上の座標(x,y)である。
【0024】
タッチパネル42の表示パネル43及びタッチセンサ44は、ケーブルなどによって、後述のコントローラ51と接続されている。コントローラ51は、表示パネル43に画像データを出力して表示パネル43に画像を表示させる。また、コントローラ51は、タッチセンサ44が出力した位置情報を受け付ける。コントローラ51は、タッチセンサ44から入力された位置情報が示す位置に表示させているアイコンなどのオブジェクトを、ユーザが選択したオブジェクトと判断する。
【0025】
操作スイッチ45は、ユーザ操作に応じて開閉される接点を有する。操作スイッチ45は、接点が開かれた場合と、閉じられた場合とで、異なる電圧値の検出信号を出力する。操作スイッチ45は、ケーブルなどによって、コントローラ51と接続されている。コントローラ51は、操作スイッチ45から入力された検出信号の電圧値によって、操作スイッチ45がユーザによって操作されたか否かを判断する。タッチセンサ44及び操作スイッチ45は、ユーザインタフェース及び情報入力インタフェースの一例である。なお、タッチセンサ44と操作スイッチ45との一方のみがパネルユニット21に設けられていてもよい。
【0026】
給紙トレイ23は、図2に示されるように筐体20の下部に位置しており、着脱可能に筐体20に保持されている。排紙トレイ24は、筐体20の下部であって、給紙トレイ23の上に位置しており、給紙トレイ23或いは筐体20に保持されている。カバー22は、筐体20の前面の右部に位置しており、回動可能に筐体20に保持されている。カバー22は、筐体20の右部に設けられた開口30を閉塞する閉塞位置と、開口30を開放する開放位置との間で回動する。装着ケース32が、開口30の奥に配置されており、筐体20に保持されている。装着ケース32は、カートリッジ13を着脱可能に保持する構成を有する。当該構成は周知であるので、詳しい説明は省略する。装着ケース32は、装着部の一例である。
【0027】
装着ケース32は、複数のカートリッジ13を着脱可能に保持する。図示例では、装着ケース32は、4つのカートリッジ13を着脱可能に保持している。4つのカートリッジ13は、例えば、マゼンタ、シアン、イエロー、ブラックの色のインクのうちの1つの色のインクをそれぞれ貯留する。すなわち、プリンタ10は、いわゆるインクジェットプリンタ、かつ、カラープリンタである。ただし、装着ケース32は、ブラックの色のインクを貯留する1つのカートリッジ13のみを着脱可能に保持してもよい。すなわち、プリンタ10は、いわゆるモノクロプリンタであってもよい。また、装着ケース32は、インクではなく、トナーを収容する一乃至複数のカートリッジ13を着脱可能に保持してもよい。すなわち、プリンタ10は、いわゆるレーザプリンタであってもよい。インク及びトナーは、消耗品の一例である。
【0028】
装着ケース32は、図2に示されるカートリッジI/F49を有する。カートリッジI/F49は、例えば端子である。カートリッジI/F49は、装着ケース32に装着されたカートリッジ13が有するICチップ14の不図示の電極と当接する位置に位置する。カートリッジI/F49は、不図示のケーブルによって、後述のコントローラ51と接続されている。カートリッジI/F49は、カートリッジインタフェース及び情報入力インタフェースの一例である。
【0029】
なお、カートリッジI/F49は、アンテナであってもよい。例えば、カートリッジI/F49として、パターンアンテナを有する基板が装着ケース32に位置する。ICチップ14は、同様のアンテナを有する。カートリッジI/F49は、ICチップ14のアンテナに受信される電波を出力し、ICチップ14のアンテナが出力した電波を受信する。すなわち、カートリッジI/F49は、電波によって、ICチップ14から情報やデータを受信し、ICチップ14に対して情報やデータを送信する。
【0030】
また、カートリッジI/F49は、発光ダイオード及びフォトダイオードであってもよい。例えば、カートリッジI/F49として、発光ダイオード及びフォトダイオードを有する基板が装着ケース32に位置する。ICチップ14は、同様の発光ダイオード及びフォトダイオードを有する。カートリッジI/F49は、ICチップ14のフォトダイオードに受光される光を出射し、ICチップ14の発光ダイオードが出射した光を受信する。すなわち、カートリッジI/F49は、光によって、ICチップ14から情報やデータを受信し、ICチップ14に対して情報やデータを送信してもよい。
【0031】
液面センサ38が、装着ケース32に設けられている。液面センサ38は、例えば、発光ダイオードとフォトダイオードとを有するフォトインタラプタである。液面センサ38は、発光ダイオードとフォトダイオードとの光路上に、装着ケース32に装着されたカートリッジ13が位置するように設けられている。カートリッジ13は、上述の光路上に位置する部分において、透光性を有する。例えば、カートリッジ13は、透光性を有する樹脂成型品を少なくとも一部に用いて製造される。
【0032】
液面センサ38は、その上記光路が上下方向7におけるカートリッジ13の上端と下端との間となるように位置している。図示例では、液面センサ38の光路は、上下方向7におけるカートリッジ13の上端と下端との中間となる位置よりも下方に位置している。液面センサ38は、上述の光路上にインクが有る場合に第1検出信号を出力し、光路上にインクがない場合に、第1検出信号とは異なる第2検出信号を出力する。なお、以下では、液面センサ38の光路の位置を「検出位置」と記載して説明する。
【0033】
液面センサ38は、不図示のケーブルなどを用いて、コントローラ51と接続されている。すなわち、液面センサ38が出力する第1検出信号及び第2検出信号は、コントローラ51に入力される。コントローラ51は、液面センサ38から入力された信号が第1検出信号と第2検出信号のいずれかによって、装着ケース32に装着されたカートリッジ13が貯留するインクの液面が検出位置に到達したか否かを判断する。詳しくは後述する。液面センサ38は、センサの一例である。液面の位置が検出位置と一致するときにカートリッジ13に貯留されているインクの量は、所定量の一例である。
【0034】
カートリッジ13は、インクを貯留する内部空間を有する箱状である。カートリッジ13の基本的な構成は周知であるので、詳しい説明は省略する。カートリッジ13は、ICチップ14を備える。図示例では、ICチップ14は、カートリッジ13の上面に取り付けられている。ICチップ14は、端子であるカートリッジI/F49と当接する不図示の電極と、当該電極と電気的に接続されたICメモリ15と、を有する。或いは、ICチップ14は、電極に代えて、パターンアンテナなどのアンテナ、或いは発光ダイオード及びフォトダイオードを有する。ICメモリ15は、カートリッジメモリの一例である。ICメモリ15は、種々の情報を記憶する。具体的には、ICメモリ15は、型番、種別情報、初期貯留量値、及びシリアル番号を少なくとも記憶する。
【0035】
型番は、カートリッジ13が貯留するインクの色や、染料や顔料などのインクの種別に応じてカートリッジ13に付与される識別情報である。種別情報は、カートリッジ13が契約使用態様で使用されるカートリッジであるか、通常使用態様で使用されるカートリッジであるかを示す情報である。例えば、種別情報は、ICメモリ15の所定のアドレスに記憶された「0」又は「1」を示す1ビットのデータである。例えば、「1」は、契約使用態様で使用されるカートリッジであることを示し、「0」は、通常使用態様で使用されるカートリッジであることを示す。ただし、種別情報は、型番に含まれていてもよい。すなわち、一の型番は、一のインクの色及び種別と、通常使用態様で使用されるか契約使用態様で使用されるかを示していてもよい。「0」の種別情報は、第1特定情報の一例である。「1」の種別情報は、第2特定情報の一例である。通常使用態様で使用されるカートリッジ13に付与される型番は、第1特定情報の一例である。契約使用態様で使用されるカートリッジ13に付与される型番は、第2特定情報の一例である。
【0036】
初期貯留量値は、カートリッジ13が貯留する初期のインクの量を示す。初期貯留量値は、コントローラ51におけるカートリッジ13内のインクの残量の算出等に使用される。シリアル番号は、カートリッジ13を個々に識別する番号である。また、シリアル番号は、コントローラ51が、カートリッジ13が交換されたか否かの判断をするために用いられる。例えば、後述のコントローラ51は、ICメモリ15から取得したシリアル番号が、メモリ53に記憶されたシリアル番号と一致しないことに応じて、カートリッジ13が交換されたと判断する。詳しくは後述する。
【0037】
筐体20は、印刷エンジン40を内部に保持する。印刷エンジン40は、給紙ローラ25、搬送ローラ26、排紙ローラ27、プラテン28、及び記録ユニット29を主に備える。印刷エンジン40は、印刷部の一例であり、当該印刷部は、少なくとも記録ユニット29を備える。給紙ローラ25は、給紙トレイ23に載置されたシート6に当接可能に、筐体20内に設けられた不図示のフレームに保持されている。給紙ローラ25は、不図示のモータによって回転される。回転する給紙ローラ25は、シート6を搬送路37に送り出す。搬送路37は、不図示のガイド部材によって区画された空間である。図示例では、搬送路37は、給紙トレイ23の後端から給紙トレイ23の上方となる位置まで湾曲して延びており、次いで、前方に向かって延びている。
【0038】
搬送ローラ26は、シート6の搬送向きにおける給紙トレイ23の下流に位置している。搬送ローラ26は、従動ローラ35とともに、ローラ対を構成している。搬送ローラ26は、不図示のモータによって回転される。回転する搬送ローラ26及び従動ローラ35は、給紙ローラ25によって搬送路37に送り出されたシート6を挟持しつつ搬送する。排紙ローラ27は、シート6の搬送向きにおける搬送ローラ26の下流に位置している。排紙ローラ27は、従動ローラ36とともに、ローラ対を構成している。排紙ローラ27は、不図示のモータによって回転される。回転する排紙ローラ27及び従動ローラ36は、シート6を挟持しつつ搬送し、排紙トレイ24に排出する。プラテン28は、前後方向8における搬送ローラ26と排紙ローラ27との間であって、シート6の搬送向きにおける搬送ローラ26の下流、かつ排紙ローラ27の上流に位置している。
【0039】
記録ユニット29は、プラテン28の上方に位置している。記録ユニット29は、フレームの一部であるガイドレールによって左右方向9(図3)に移動可能に保持されていてもよいし、フレームに固定されていてもよい。すなわち、プリンタは、いわゆるシリアルプリンタであってもよいし、いわゆるラインプリンタであってもよい。記録ユニット29は、ヘッド34を有する。ヘッド34は、インクが流通する流路を内部に有する。当該流路は、チューブ31によって、装着ケース32に装着されたカートリッジ13の内部空間と連通されている。すなわち、チューブ31を通じて、カートリッジ13が貯留するインクがヘッド34に供給される。ヘッド34は、消費部の一例である。
【0040】
ヘッド34は、図1に示されるように、駆動素子50を有している。駆動素子50の一部は、ヘッド34内の流路を構成する。駆動素子50は、不図示のケーブルなどによってコントローラ51と電気的に接続されている。駆動素子50は、圧電素子やヒータである。圧電素子である駆動素子50は、直流電圧を供給されることによって変形し、流路内のインクに圧力を加え、流路の開口であるノズルからインク滴を吐出させる。ヒータである駆動素子50は、直流電圧を供給されることによって発熱し、流路内のインクを突沸させて、ノズルからインク滴を吐出させる。
【0041】
駆動素子50への直流電圧又は直流電流の供給回数から、ノズルから吐出されたインクの滴数が特定可能である。すなわち、コントローラ51は、上記供給回数をカウントすることで、インク滴の吐出回数のカウント値として算出する。カウント値は、インクの残量の算出などに使用される。詳しくは後述する。
【0042】
プリンタ10は、図1に示されるコントローラ51と、クロックモジュール46と、通信I/F47と、をさらに備える。クロックモジュール46は、例えば、日時を示す日時情報を出力するICである。
【0043】
コントローラ51は、中央演算処理装置であるCPU52と、メモリ53と、通信バス54と、を有する。CPU52、メモリ53、タッチパネル42、操作スイッチ45、通信I/F47、及びカートリッジI/F49は、通信バス54と接続されている。すなわち、CPU52は、通信バス54を通じて、メモリ53、タッチパネル42、操作スイッチ45、通信I/F47、及びカートリッジI/F49と情報やデータを受け渡し可能に接続されている。通信I/F47は、情報入力インタフェースの一例である。
【0044】
メモリ53は、ROM55と、RAM56と、EEPROM57と、を有する。ROM55は、オペレーティングシステムであるOS58と、制御プログラム59と、を予め記憶する。OS58及び制御プログラム59に記述された命令は、CPU52によって実行される。すなわち、OS58及び制御プログラム59は、CPU52によって実行される。CPU52によって実行されるOS58及び制御プログラム59は、表示パネル43に画像を表示させ、タッチセンサ44や操作スイッチ45を通じてユーザの入力を受け付ける。また、CPU52によって実行されるOS58及び制御プログラム59は、通信I/F47やカートリッジI/F49を通じて情報やデータを送受信し、受信した情報やデータをメモリ53に記憶させる。
【0045】
制御プログラム59は、単一のプログラムであってもよいし、複数のモジュールからなるプログラムであってもよい。制御プログラム59は、例えば、UI(User Interfaceの略)モジュール、通信モジュール、及び印刷制御モジュールを有する。各モジュールは、いわゆるマルチタスク処理により、疑似的に並行して実行される。
【0046】
UIモジュールは、画像データを表示パネル43に入力して、アイコンなどのオブジェクトを含む画像を表示パネル43に表示させ、タッチセンサ44や操作スイッチ45が出力する信号を受け付けるプログラムである。
【0047】
通信モジュールは、通信I/F47が接続される通信回線の通信プロトコルにしたがって情報やデータを送受信するプログラムである。例えば、通信モジュールは、通信I/F47がUSBケーブルと接続される場合、RS232Cなどの通信プロトコルを用いて情報やデータを送受信する。通信モジュールは、通信I/F47がLANケーブルと接続される場合、或いは無線LANで接続される場合、TCP/IPなどの通信プロトコルを用いて情報やデータを送受信する。
【0048】
印刷制御モジュールは、印刷データに基づいて、上述のモータの駆動回路や駆動素子50の駆動回路に入力する駆動信号を生成して出力するプログラムである。
【0049】
また、ROM55は、後述の種々の画面を示す画像データを記憶する。詳しくは後述する。RAM56は、OS58及び制御プログラム59の実行に用いられ、また、OS58及び制御プログラム59の実行において、情報やデータを一時的に記憶する。EEPROM57は、第1閾値及び第2閾値を予め記憶し、また、通信I/F47を通じて入力されたサービス提供者情報等を記憶する。詳しくは後述する。なお、第1閾値及び第2閾値は、ROM55に記憶されていてもよい。第1閾値は、閾値の一例である。第2閾値は、禁止閾値の一例である。
【0050】
以下、制御プログラム59が実行する処理について、図4から図13までを参照して説明する。なお、以下では、制御プログラム59が実行する処理は、コントローラ51(特にCPU52)が実行する処理として説明する。
【0051】
コントローラ51は、電源が投入されたことに応じて、或いは、タッチセンサ44や操作スイッチ45から特定の操作信号が入力されたことに応じて、図4に示される動作モード決定処理を実行する。動作モード決定処理は、プリンタ10が、通常使用態様で使用される第1モード或いは契約使用態様で使用される第2モードに決定する処理である。
【0052】
詳しく説明すると、まず、コントローラ51は、装着ケース32にカートリッジ13が装着されているか否かの判断に相当する処理を実行する(S11)。具体的には、コントローラ51は、カートリッジI/F49を通じてICチップ14と通信可能か否かを判断する。コントローラ51は、カートリッジI/F49を通じてICチップ14と通信可能であることにより、カートリッジ13が装着ケース32に装着されていると判断する(S11:Yes)。コントローラ51は、カートリッジI/F49を通じてICチップ14と通信できないことにより、カートリッジ13が装着ケース32に装着されていないと判断する(S11:No)。
【0053】
なお、装着ケース32にカートリッジ13が装着されているか否かの判断に相当する処理であれば、コントローラ51は、上述の処理以外の処理を実行してもよい。例えば、装着センサが、装着ケース32に設けられていてもよい。装着センサは、装着ケース32に装着されたカートリッジ13が光路上に位置するように設けられたフォトインタラプタである。装着センサは、カートリッジ13が装着ケース32に装着されている場合に、第1検出信号を出力する。一方で、装着センサは、カートリッジ13が装着ケース32に装着されていない場合に、第1検出信号とは異なる第2検出信号を出力する。コントローラ51は、装着センサから第1検出信号が入力されたか、第2検出信号が入力されたかを判断する(S11)。コントローラ51は、装着センサから第1検出信号が入力されたことに応じて、カートリッジ13が装着ケース32に装着されていると判断する(S11:Yes)。コントローラ51は、装着センサから第2検出信号が入力されたこと応じて、カートリッジ13が装着ケース32に装着されていないと判断する(S11:No)。
【0054】
コントローラ51は、ステップS11の判断を、装着ケース32に装着された全てのカートリッジ13に対して実行する。コントローラ51は、1つでもカートリッジ13が装着ケース32に装着されていないと判断すると(S11:No)、カートリッジ装着指示画面を表示パネル43に表示させる(S12)。具体的には、コントローラ51は、メモリ53のROM55に予め記憶されたカートリッジ装着指示画面を示す画像データを読み出して、表示パネル43に対して出力する。カートリッジ装着指示画面は、例えば、カバー22を開いてカートリッジ13を装着ケース32に装着することを示す文字を含む画面である。例えば、プリンタ10を設置する作業者がプリンタ10を設置した後、プリンタ10に電源を投入すると、カートリッジ装着指示画面が表示パネル43に表示される。
【0055】
コントローラ51は、全てのカートリッジ13が装着ケース32に装着されたと判断するまで、カートリッジ装着指示画面を表示パネル43に表示させる。コントローラ51は、全てのカートリッジ13が装着ケース32に装着されていると判断すると(S11:Yes)、準備情報が入力されたか否かを判断する(S13)。
【0056】
準備情報は、作業者によって操作されたタッチセンサ44や操作スイッチ45からコントローラ51に入力される。或いは、準備情報は、通信I/F47とUSBケーブルなどによって接続されたタブレットやパーソナルコンピュータ、或いは携帯端末から、通信I/F47を通じてコントローラ51に入力される。或いは、準備情報は、情報処理装置11から、インターネット12及び通信I/F47を通じてコントローラ51に入力される。さらに或いは、準備情報は、プリンタ10に装着されたUSBメモリなどの可搬記憶媒体からコントローラ51に入力される。なお、準備情報がタッチセンサ44や操作スイッチ45からコントローラ51に入力される場合、準備情報をプリンタ10に入力する手順は、取扱説明書などによって一般のユーザに公開されず、サービス提供者にのみ公開される。
【0057】
コントローラ51は、例えば、カートリッジ13が装着ケース32に装着されるまでの間、準備情報の入力を受け付ける(S13:No)。或いは、コントローラ51は、準備情報を受け付ける受付画面を表示パネル43に表示させ、受付画面を表示パネル43に表示させている間、準備情報の入力を受け付けてもよい。コントローラ51は、準備情報が入力されたと判断すると(S13:Yes)、図5(A)に示されるように、サービス提供者情報をメモリ53のEEPROM57に記憶させる(S30)。サービス提供者情報は、作業者がタッチセンサ44や操作スイッチ45を操作することにより、コントローラ51に入力される。或いは、サービス提供者情報は、タブレットやパーソナルコンピュータや携帯端末から、通信I/F47を通じてコントローラ51に入力される。或いは、サービス提供者情報は、情報処理装置11から、インターネット12及び通信I/F47を通じてコントローラ51に入力される。或いは、サービス提供者情報は、ICチップ14のICメモリ15に予め記憶されており、カートリッジI/F49を通じてコントローラ51に入力される。さらに或いは、サービス提供者情報は、プリンタ10に装着されたUSBメモリなどの可搬記憶媒体からコントローラ51に入力される。コントローラ51は、入力されたサービス提供者情報をEEPROM57に記憶させる。なお、サービス提供者情報は、準備情報とセットでコントローラ51に入力されてもよいし、準備情報とは別でコントローラ51に入力されてもよい。
【0058】
次に、コントローラ51は、レディモードに遷移する(S31)。レディモードは、コントローラ51が第2モードにすることを決定可能なモードである。すなわち、コントローラ51は、レディモード以外の状態において、契約使用態様を示す第2モードになることを決定することはない。コントローラ51は、例えば、レディモードを示す「ON」のレディモードフラグをEEPROM57の予め決められた記憶領域に記憶させることにより、レディモードに遷移する。レディモードフラグの初期値は「OFF」である。コントローラ51は、後述のステップS35やS37において第1モードや第2モードに決定したことに応じて、「OFF」のレディモードフラグをEEPROM57に記憶させる。レディモードは、取得可能状態の一例である。
【0059】
コントローラ51は、レディモードに遷移した後(S31)、カートリッジI/F49を通じて、種別情報をICチップ14のICメモリ15から取得する(S32)。そして、コントローラ51は、取得した種別情報が契約使用態様で使用されるカートリッジであることを示すか、通常使用態様で使用されるカートリッジであることを示すかの判断に相当する処理を実行する(S33)。具体的には、コントローラ51は、取得した種別情報が、契約使用態様を示す「1」であるか、通常使用態様を示す「0」であるかを判断する。
【0060】
コントローラ51は、取得した種別情報が契約使用態様を示す「1」であると判断すると(S33:契約使用態様)、第2モードに決定し(S37)、第2モードに決定したことを示す第2モード決定情報をメモリ53のEEPROM57に記憶させる(S38)。例えば、第2モードに決定したことを示す「ON」の第2モードフラグをEEPROM57の予め決められた記憶領域に記憶させる。なお、第2モードフラグの初期値は「OFF」である。
【0061】
一方、コントローラ51は、取得した種別情報が通常使用態様を示す「0」であると判断すると(S33:通常使用態様)、第1エラー画面を表示パネル43に表示させるエラー表示を行う(S34)。すなわち、プリンタ10を第2モードにして使用するためにプリンタ10に準備情報やサービス提供者情報を入力したにも拘わらず、プリンタ10の装着ケース32に通常使用態様のカートリッジ13が装着されると、第1エラー画面が表示パネル43に表示される。
【0062】
具体的には、コントローラ51は、メモリ53のROM55に予め記憶された第1エラー画面を示す画像データを読み出して、表示パネル43に対して出力する。第1エラー画面は、例えば、「適正なカートリッジが装着されていません。適正なカートリッジを装着してください」などの文字や「OK」アイコンを含む。
【0063】
なお、コントローラ51は、種別情報に代えて、カートリッジ13の型番によって、装着ケース32に装着されたカートリッジ13が通常使用態様で使用されるカートリッジ13であるか、契約使用態様で使用されるカートリッジ13であるかを判断してもよい。その場合、メモリ53のROM55或いはEEPROM57は、カートリッジ13の型番と、通常使用態様及び契約使用態様とを対応付けたテーブルを予め記憶する。
【0064】
また、フローチャートには示されていないが、コントローラ51は、例えば、作業者が適正なカートリッジ13を装着ケース32に装着し直して「OK」アイコンを選択したことに応じて、ステップS37以降の処理を実行する。コントローラ51は、例えば、作業者が適正なカートリッジ13を装着ケース32に装着することなく「OK」アイコンを選択したことに応じて、ステップS35以降の処理を実行する。或いは、コントローラ51は、第1エラー画面を表示パネル43に表示させた後、カウントダウンタイマのカウントを開始し、カウントダウンタイマがタイムアップしたことに応じて、ステップS35以降の処理を実行する。
【0065】
また、コントローラ51は、ステップS33における判断において、装着ケース32に装着された全てのカートリッジ13から取得した全ての種別情報が、契約使用態様を示す「1」であると判断した場合に、第2モードに決定する(S37)。そして、コントローラ51は、全てのカートリッジ13から取得した全ての種別情報のうち1つでも、通常使用態様を示す「0」であると判断した場合に、第1エラー画面を表示パネル43に表示させる(S34)。
【0066】
コントローラ51は、第1エラー画面を表示パネル43に表示させた後(S34)、第1モードに決定し(S35)、第1モードに決定したことを示す第1モード決定情報をメモリ53のEEPROM57に記憶させる。例えば、第1モードに決定したことを示す「ON」の第1モードフラグをEEPROM57の予め決められた記憶領域に記憶させる(S36)。なお、第1モードフラグの初期値は「OFF」である。
【0067】
なお、コントローラ51がカートリッジI/F49を通じて種別情報を取得できないカートリッジ13が装着ケース32に装着されることもある。フローチャートには示されていないが、コントローラ51は、ステップS32の処理の実行前に、カートリッジI/F49を通じて種別情報を取得できたか否かを判断してもよい。コントローラ51は、種別情報を取得できたと判断したことに応じて、ステップS33の処理を実行し、種別情報を取得できなかったと判断したことに応じて、ステップS34以降の処理を実行する。コントローラ51は、ステップS38或いはステップS36の処理の実行後、図4に示されるように、動作モード決定処理を終了する。
【0068】
なお、第1モードフラグと第2モードフラグとが別個にEEPROM57に記憶される例を説明したが、「OFF」が第1モードを示し、「ON」が第2モードを示すフラグがEEPROM57に記憶されてもよい。その場合、当該フラグの初期値は、第1モードを示す「OFF」とされる。
【0069】
コントローラ51は、ステップS13において、準備情報が入力されていないと判断すると(S13:No)、モードが既に決定されているか否かの判断に相当する処理を実行する(S14)。具体的には、コントローラ51は、第1モードフラグ或いは第2モードフラグの値が「ON」であるか「OFF」であるかを判断する。
【0070】
コントローラ51は、モードが決定されておらず、第1モードフラグ及び第2モードフラグの値がともに「OFF」であると判断すると(S14:No)、カートリッジI/F49を通じて、種別情報をICチップ14のICメモリ15から取得する(S16)。そして、コントローラ51は、ステップS33と同様にして、取得した種別情報が契約使用態様を示すか通常使用態様を示すかを判断する(S17)。
【0071】
コントローラ51は、取得した種別情報が契約使用態様を示すと判断したことに応じて(S17:契約使用態様)、第2エラー画面を表示パネル43に表示させるエラー表示を行う(S18)。すなわち、準備情報やサービス提供者情報がプリンタ10に入力されることなく、契約使用態様のカートリッジ13が装着ケース32に装着されると、第2エラー画面が表示パネル43に表示される。
【0072】
具体的には、コントローラ51は、第2エラー画面を示す画像データをメモリ53のROM55から読み出して、表示パネル43に対して出力する。第2エラー画面は、例えば、「エラー」の文字や、「適正な手順でカートリッジが装着されていません。適正な手順でカートリッジを装着してください」などの文字や、「OK」アイコンを含む。すなわち、第2エラー画面は、準備情報やサービス提供者情報をプリンタ10に入力する適正な手順を行うことを作業者に促す画面である。「エラー」の文字や、「適正な手順でカートリッジが装着されていません。適正な手順でカートリッジを装着してください」などの文字は、エラーオブジェクトの一例である。
【0073】
フローチャートには示されていないが、コントローラ51は、例えば、第2エラー画面を表示パネル43に表示させている間において、上述の準備情報及びサービス提供者情報の入力を受け付ける。そして、コントローラ51は、準備情報及びサービス提供者情報が入力されたことに応じて、ステップS30及びステップS37以降の処理を実行する。
【0074】
コントローラ51は、例えば、準備情報が入力されずに「OK」アイコンが選択されたことに応じて、ステップS19以降の処理を実行する。或いは、コントローラ51は、第2エラー画面を表示パネル43に表示させた後、カウントダウンタイマのカウントを開始させ、カウントダウンタイマがタイムアップしたことに応じて、ステップS19以降の処理を実行する。一方、コントローラ51は、ステップS17において、取得した種別情報が通常使用態様を示すと判断したことに応じて(S17:通常使用態様)、ステップS18の処理をスキップし、ステップS19以降の処理を実行する。
【0075】
コントローラ51は、取得した種別情報が通常使用態様を示すと判断したことに応じて(S17:通常使用態様)、或いはステップS18のエラー表示の実行後、第1モードに決定する(S19)。すなわち、準備情報がプリンタ10に入力されない限り、契約使用態様のカートリッジ13が装着ケース32に装着されたとしても、契約使用態様を示す第2モードに決定されることはない。コントローラ51は、第1モードに決定した後(S19)、ステップS36と同様にして、第1モード決定情報をEEPROM57に記憶させ(S20)、動作モード決定処理を終了する。
【0076】
コントローラ51は、ステップS14において、モードが既に決定されており、第1モードフラグ或いは第2モードフラグの値が「ON」であると判断すると(S14:Yes)、動作モードの種類を判断する(S15)。具体的には、コントローラ51は、第1モードフラグの値が「ON」であるか、第2モードフラグの値が「ON」であるかを判断する。
【0077】
コントローラ51は、第1モードフラグの値が「ON」であると判断すると(S15:第1モード)、ステップS16以降の処理を実行する。コントローラ51は、第2モードフラグの値が「ON」であると判断すると(S15:第2モード)、カートリッジI/F49を通じて、種別情報をICチップ14のICメモリ15から取得する(S21)。そして、コントローラ51は、ステップS33と同様にして、取得した種別情報が契約使用態様を示すか通常使用態様を示すかを判断する(S22)。
【0078】
コントローラ51は、取得した種別情報が通常使用態様を示すと判断したことに応じて(S22:通常使用態様)、ステップS18以降の処理を実行する。この場合、ステップS20の処理において、「ON」の値の第1モードフラグがEEPROM57に記憶され、「OFF」の値の第2モードフラグがEEPROM57に記憶される。すなわち、第2モードで動作するプリンタ10において、契約使用態様のカートリッジ13が、通常使用態様のカートリッジ13に交換された場合、動作モードは、第2モードから第1モードに変更される。
【0079】
コントローラ51は、取得した種別情報が契約使用態様を示すと判断したことに応じて(S22:契約使用態様)、第2モードを維持することに決定し(S23)、動作モード決定処理を終了する。すなわち、第2モードで動作するプリンタ10において、契約使用態様で使用されるカートリッジ13が、同じく契約使用態様で使用されるカートリッジ13に交換された場合、動作モードは第2モードで維持される。
【0080】
コントローラ51は、動作モード決定処理で決定した動作モードにしたがって、図6に示される第1モード画面表示処理或いは図5(B)に示される第2モード画面表示処理を実行する。まず、図6を参照して、第1モード画面表示処理について説明する。コントローラ51は、第1モードフラグの値が「ON」であり、第2モードフラグの値が「OFF」であることに応じて、第1モード画面表示処理を実行する。
【0081】
まず、コントローラ51は、EEPROM57に記憶されたセンサフラグの値が「ON」であるか「OFF」であるかを判断する(S41)。センサフラグについて説明すると、センサフラグの初期値は「OFF」である。コントローラ51は、液面センサ38が出力する検出信号が第2検出信号から第1検出信号に変化したことに応じて、「ON」の値のセンサフラグをEEPROM57に記憶させる。そして、コントローラ51は、カートリッジ13が交換されたと判断したことに応じて、「OFF」の値のセンサフラグをEEPROM57に記憶させる。すなわち、ステップS41では、装着ケース32に装着されたカートリッジ13が貯留する液面の高さ位置が、検出位置以下まで低下しているか否かの判断に相当する処理が実行される。
【0082】
なお、カートリッジ13の交換の判断の一例について説明する。コントローラ51は、カートリッジ13が装着ケース32に装着されると、カートリッジI/F49を通じてシリアル番号をICメモリ15から取得する。そして、コントローラ51は、メモリ53のEEPROM57に記憶されたシリアル番号と、ICメモリ15から取得したシリアル番号とが一致するか否かを判断する。コントローラ51は、メモリ53のEEPROM57に記憶されたシリアル番号と、ICメモリ15から取得したシリアル番号とが一致しないと判断したことに応じて、カートリッジ13が交換されたと判断する。また、コントローラ51は、カートリッジ13が交換されたと判断したことに応じて、メモリ53のEEPROM57に記憶されたシリアル番号を、ICメモリ15から取得したシリアル番号で上書きする。
【0083】
コントローラ51は、センサフラグの値が「OFF」であると判断すると(S41:OFF)、EEPROM57に記憶されたカウント値を取得する(S42)。カウント値は、コントローラ51がヘッド34からインクを流出させるごとに積算してカウントする値である。詳しく説明すると、コントローラ51は、シートへの印刷を実行すると、印刷データに基づいて、インク滴を吐出した回数をカウント値として算出する。そして、コントローラ51は、前回の印刷までのカウント値に、新たなカウント値を加えて、EEPROM57に記憶させる。
【0084】
不図示のメンテナンス機構が有するポンプによって、ヘッド34のノズルからインクが吸引される場合は、コントローラ51は、ポンプによってヘッド34から吸引されたインクの量を、例えば所定量のインク滴の吐出の回数に換算してカウント値に加えてもよい。また、コントローラ51は、印刷の実行以外に、駆動素子50を駆動させてノズルからインク滴を吐出させた場合も、カウント値を算出して、カウント値を積算してもよい。すなわち、コントローラ51は、ヘッド34から流出したインクの量をインク滴の吐出回数としてカウントする。コントローラ51がカウントするカウント値は、ヘッド34から流出したインク滴の総数を示す。すなわち、カウント値は、ヘッド34にから流出したインクの量、換言すると、プリンタ10において消費されたインクの量を示す。ヘッド34からのインク滴の吐出、ヘッド34からのインクの吸引など、ヘッド34からのインクの流出は、消耗品の消費の一例である。なお、カウント値は、装着ケース32に装着された全てのカートリッジ13についてカウントされる。また、カウント値は、カートリッジ13が交換されるとリセットされる。
【0085】
コントローラ51は、ステップS42で取得したカウント値に基づいて、装着ケース32に装着されたカートリッジ13が貯留するインクの残量を算出する。詳しく説明すると、コントローラ51は、カートリッジI/F49を通じて、ICチップ14のICメモリ15に記憶された初期貯留量値を取得する。なお、コントローラ51は、ICチップ14のICメモリ15に記憶された初期貯留量値をメモリ53のEEPROM57に記憶させている場合は、EEPROM57に記憶されている初期貯留量値を取得してもよい。コントローラ51は、取得した初期貯留値からカウント値を減算して、残量値を算出する(S43)。
【0086】
なお、コントローラ51は、装着ケース32が複数のカートリッジ13を保持可能である場合、装着ケース32に装着された全てのカートリッジ13に対して、カウント値を取得して残量値を算出する。
【0087】
コントローラ51は、ステップS43で算出した残量値を用いて、図8(A)に示される第1待機画面を表示パネル43に表示させる(S44)。具体的には、コントローラ51は、残量値を用いて「インク」アイコン71を生成する。そして、コントローラ51は、生成した「インク」アイコン71と、ROM55に記憶された画像データとに基づいて、第1待機画面を示す画像データを生成し、生成した画像データを表示パネル43に入力する。
【0088】
「インク」アイコン71は、算出した残量値に応じた長さのバーである。図示例では、「インク」アイコン71は、マゼンタのインクの残量を示すバーと、シアンのインクの残量を示す残量表示バーと、イエローのインクの残量を示す残量表示バーと、ブラックのインクの残量を示す残量表示バーとで構成されている。「インク」アイコン71が有する残量表示バーは、残量オブジェクトの一例である。
【0089】
第1待機画面は、センサフラグの値が「OFF」である場合に表示パネル43に表示される画面である。すなわち、第1待機画面は、装着ケース32に装着されたカートリッジ13が貯留するインクの液面が検出位置以上である場合に表示パネル43に表示される。また、第1待機画面は、「インク」アイコン71の他、「ファックス」アイコンや、「コピー」アイコンや、「スキャン」アイコンなどの種々のアイコンを含む。但し、第1待機画面は、後述の「サービス提供者」アイコン73を含まない。
【0090】
コントローラ51は、図6に示されるように、第1待機画面において、「インク」アイコン71が選択されたか否かの判断に相当する処理を実行する(S45)。具体的には、コントローラ51は、タッチセンサ44から、「インク」アイコン71を示す位置情報が入力したか否かを判断する(S45)。以下では、アイコンを示す位置情報がコントローラ51に入力されたことを、単に、「アイコンが選択された」と記載して説明する。
【0091】
コントローラ51は、第1待機画面において、「インク」アイコン71が選択されていないと判断すると(S45:No)、第1待機画面を表示パネル43に継続して表示させる(S44)。コントローラ51は、第1待機画面において、「インク」アイコン71が選択されたと判断すると(S45:Yes)、図9(B)に示される第1インク残量画面を表示パネル43に表示させる。具体的には、コントローラ51は、ステップS43で算出した残量値に基づいて、各色の残量表示バーを生成し、生成した残量表示バーと、ROM55から取得した画像データとに基づいて第1インク残量画面を示す画像データを生成する。そして、コントローラ51は、生成した画像データを表示パネル43に入力する。
【0092】
第1インク残量画面は、インクの色を示す「M」、「C」、「Y」、「Bk」の文字と、4つの残量表示バーとを含む。4つの残量表示バーは、「インク」アイコン71が有する4つの残量表示バーを拡大した形状を有する。残量表示バーは、残量オブジェクトの一例である。
【0093】
フローチャートには示されていないが、コントローラ51は、第1インク残量画面から第1待機画面に画面表示を切り替える条件が成立したか否かを判断する。例えば、コントローラ51は、第1インク残量画面から第1待機画面に画面表示を切り換えるホームボタンなどの特定の操作スイッチ45から、操作されたことを示す操作信号が入力したことにより、第1待機画面に画面表示を切り替える条件が成立したと判断する。或いは、コントローラ51は、第1インク残量画面を表示させた後、カウントダウンタイマのカウントを開始させ、カウントダウンタイマがタイムアップしたことに応じて、第1待機画面に画面表示を切り替える条件が成立したと判断する。
【0094】
コントローラ51は、第1インク残量画面から第1待機画面に画面表示を切り替える条件が成立したと判断すると、第1インク残量画面から第1待機画面に画面表示を切り替える。また、フローチャートには示されていないが、コントローラ51は、第1待機画面において、「ファックス」アイコン等の他のアイコンが選択されたことに応じて、選択されたアイコンに応じた画面を表示パネル43に表示させる。
【0095】
コントローラ51は、ステップS41において、センサフラグの値が「ON」であると判断すると(S41:ON)、EEPROM57に記憶されたカウント値を取得する(S47)。なお、フローチャートには示されていないが、コントローラ51は、液面センサ38が出力する検出信号が第2検出信号から第1検出信号に変化したことに応じて、「ON」の値のセンサフラグをEEPROM57に記憶させる。そして、コントローラ51は、「ON」の値のセンサフラグをEEPROM57に記憶させたことに応じて、カウント値をリセットして、カウント値の積算を行う。すなわち、コントローラ51がステップS47においてEEPROM57から取得するカウント値は、装着ケース32に装着されたカートリッジ13が貯留するインクの液面が検出位置に到達した後にヘッドから流出したインクの量を示す。
【0096】
コントローラ51は、ステップS47で取得したカウント値に基づいて、残量値を算出する(S48)。詳しく説明すると、コントローラ51は、ROM55から固定初期値を取得する。固定初期値は、装着ケース32に装着されたカートリッジ13が貯留するインクの液面が検出位置に到達したときにカートリッジ13が貯留するインクの残量を示す値であって、ROM55に予め記憶される値である。コントローラ51は、取得した固定初期値から、ステップS47で取得したカウント値を減算して、残量値を算出する(S48)。なお、コントローラ51は、装着ケース32に装着された全てのカートリッジ13に対して、カウント値を取得して残量値を算出する。
【0097】
次に、コントローラ51は、ステップS47で取得したカウント値が、EEPROM57に記憶された第2閾値以上であるか否かを判断する。第2閾値は、これ以上ヘッド34からインクが流出されるとプリンタ10に不具合が生じる値として、EEPROM57に予め記憶される値である。
【0098】
コントローラ51は、ステップS47で取得したカウント値が第2閾値以上であると判断すると(S49:Yes)、駆動素子50や上述のメンテナンス機構が有するポンプの駆動を禁止する(S50)。すなわち、コントローラ51は、ヘッド34からのインクの流出を禁止する。具体的には、コントローラ51は、「ON」の値のエンプティフラグをEEPROM57に記憶させる。コントローラ51は、駆動素子50や上述のポンプを駆動させる前に、エンプティフラグの値を確認し、エンプティフラグの値が「OFF」である場合に、駆動素子50や上述のポンプを駆動させる。コントローラ51は、エンプティフラグの値が「ON」である場合、駆動素子50や上述のポンプを駆動させない。
【0099】
次に、コントローラ51は、第3待機画面を表示パネル43に表示させる(S51)。具体的には、コントローラ51は、ステップS49で算出した残量値を用いて、第1待機画面に含まれる「インク」アイコン71と同様にして、「インク」アイコン71(図9(A))を生成する。そして、コントローラ51は、生成した「インク」アイコン71と、ROM55に記憶された画像データと、に基づいて、第3待機画面を示す画像データを生成し、生成した画像データを表示パネル43に入力する。
【0100】
図9(A)に示される第3待機画面は、「インク」アイコン71、「×」オブジェクト、及び「報知」アイコン74の他、第1待機画面と同様に、「ファックス」アイコンや、「コピー」アイコンや「スキャン」アイコンなどの種々のアイコンを含む。但し、第3待機画面は、後述の「サービス提供者」アイコン73を含まない。
【0101】
「×」オブジェクトは、「インク」アイコン71に重ねて表示されている。具体的には。「×」オブジェクトは、カウント値が第2閾値以上であるカートリッジ13が貯留するインクの残量を示す残量表示バーに重ねて表示される。図示例では、「×」オブジェクトは、シアンの色のインクの残量を表示する一番左の残量表示バーと、イエローの色のインクの残量を表示する右から2番目の残量表示バーとに重ねて表示されている。「×」オブジェクトは、交換オブジェクトの一例である。
【0102】
「報知」アイコン74は、「!」の記号と、インクの色を示す文字と、「カートリッジ」の文字とを含む。図示例では、「報知」アイコン74は、マゼンタの色を示す「M」の文字と、イエローの文字を示す「Y」の文字と、を含んでいる。「報知」アイコン74は、交換が必要なカートリッジ13をユーザに認識させる。
【0103】
コントローラ51は、図6に示されるように、第3待機画面において、「インク」アイコン71或いは「報知」アイコン74が選択されたか否かを判断する(S52)。コントローラ51は、第3待機画面において、「インク」アイコン71或いは「報知」アイコン74が選択されていないと判断すると(S52:No)、第3待機画面を表示パネル43に継続して表示させる(S51)。
【0104】
コントローラ51は、第3待機画面において、「インク」アイコン71が選択されたと判断すると(S52:Yes)、表示画面を切り換え(S53)、図10(B)に示される第3インク残量画面を表示パネル43に表示させる。具体的には、コントローラ51は、ステップS48で算出した残量値に基づいて、各色の残量表示バーを生成する。そして、コントローラ51は、生成した残量表示バーと、ROM55から取得した画像データとに基づいて、第3インク残量画面を示す画像データを生成する。コントローラ51は、生成した画像データを表示パネル43に入力する。第3インク残量画面は、インクの色を示す「M」、「C」、「Y」、「Bk」の文字と、4つの残量表示バーとを含む。4つの残量表示バーは、「インク」アイコン71が有する4つの残量表示バーを拡大した形状を有する。
【0105】
「×」オブジェクトは、交換が必要なカートリッジ13の残量表示バーに重ねて表示される。図示例では、「×」オブジェクトは、マゼンタの色のインクを貯留するカートリッジ13に対応する左端の残量表示バーと、イエローの色のインクを貯留するカートリッジ13に対応する右から2番目の残量表示バーとに重ねて表示されている。「×」オブジェクトは、交換オブジェクトの一例である。
【0106】
一方、コントローラ51は、第3待機画面において、「報知」アイコン74が選択されたと判断すると(S52:Yes)、表示画面を切り換え(S53)、図11(A)に示される型番表示画面を表示パネル43に表示させる。具体的には、コントローラ51は、メモリ53のROM55に予め記憶された型番表示画面を示す画像データをROM55から読み出して、表示パネル43に対して出力する。
【0107】
型番表示画面は、インクの色を示す文字と、型番とを含む。図示例では、型番表示画面は、マゼンタを示す「M」の文字と、マゼンタの色のインクを貯留するカートリッジ13の型番を示す「M01234」の文字とを含む。また、型番表示画面は、イエローを示す「Y」の文字と、イエローの色のインクを貯留するカートリッジ13の型番を示す「Y56789」の文字とを含む。カートリッジ13の型番を示す「M01234」の文字及びイエローの色のインクを貯留するカートリッジ13の型番を示す「Y56789」の文字は、カートリッジ種別オブジェクトの一例である。なお、フローチャートには示されていないが、コントローラ51は、図10(B)に示される第3インク残量画面において、「!」アイコン72が選択されたことに応じて、図11(A)に示される型番表示画面を表示パネル43に表示させてもよい。
【0108】
また、図6に示されるフローチャートには示されていないが、コントローラ51は、第3インク残量画面や型番表示画面から第3待機画面に画面表示を切り替える条件が成立したか否かを判断する。例えば、コントローラ51は、上述のホームボタンなどの特定の操作スイッチ45から、操作されたことを示す操作信号が入力したことにより、第3待機画面に画面表示を切り替える条件が成立したと判断する。或いは、コントローラ51は、第3インク残量画面や型番表示画面を表示させた後、カウントダウンタイマのカウントを開始させ、カウントダウンタイマがタイムアップしたことに応じて、第3待機画面に画面表示を切り替える条件が成立したと判断する。
【0109】
コントローラ51は、第3インク残量画面や型番表示画面から第3待機画面に画面表示を切り替える条件が成立したと判断すると、第3インク残量画面や型番表示画面から第3待機画面に画面表示を切り替える。コントローラ51は、ステップS47において、カウント値が第2閾値以上でないと判断すると(S49:No)、ステップS47で取得したカウント値が第1閾値以上か否かを判断する(S54)。第1閾値は、第2閾値よりも小さな値であって、EEPROM57に予め記憶される値である。
【0110】
コントローラ51は、ステップS47で取得したカウント値が第1閾値以上でないと判断すると(S54:No)、上述したステップS44以降の処理を実行する。コントローラ51は、ステップS47で取得したカウント値が第1閾値以上であると判断すると(S54:Yes)、第2待機画面を表示パネル43に表示させる(S55)。具体的には、コントローラ51は、ステップS48で算出した残量値を用いて、第1待機画面に含まれる「インク」アイコン71と同様にして、「インク」アイコン71(図8(B))を生成する。そして、コントローラ51は、生成した「インク」アイコン71と、ROM55に記憶された画像データと、に基づいて、第2待機画面を示す画像データを生成し、生成した画像データを表示パネル43に入力する。
【0111】
図8(B)に示される第2待機画面は、「インク」アイコン71、「!」オブジェクト、及び「報知」アイコン74の他、第1待機画面と同様に、「ファックス」アイコンや、「コピー」アイコンや、「スキャン」アイコンなどの種々のアイコンを含む。但し、第2待機画面は、後述の「サービス提供者」アイコン73を含まない。
【0112】
「!」オブジェクトは、「インク」アイコン71に重ねて表示されている。具体的には。「!」オブジェクトは、カウント値が第1閾値以上第2閾値未満であるカートリッジ13が貯留するインクの残量を示す残量表示バーに重ねて表示される。図示例では、「!」オブジェクトは、シアンの色のインクの残量を表示する一番左の残量表示バーと、イエローの色のインクの残量を表示する右から2番目の残量表示バーとに重ねて表示されている。
【0113】
「報知」アイコン74は、第3待機画面が含む「報知」アイコン74と同じであって、「!」の記号と、インクの色を示す文字と、「カートリッジ」の文字とを含む。「!」オブジェクト及び「報知」アイコン74は、報知オブジェクトの一例である。
【0114】
コントローラ51は、図6に示されるように、第2待機画面において、「インク」アイコン71或いは「報知」アイコン74が選択されたか否かを判断する(S56)。コントローラ51は、第2待機画面において、「インク」アイコン71及び「報知」アイコン74が選択されていないと判断すると(S56:No)、第2待機画面を表示パネル43に継続して表示させる(S55)。
【0115】
コントローラ51は、第2待機画面において、「インク」アイコン71が選択されたと判断すると(S56:Yes)、表示画面を切り換え(S57)、図10(A)に示される第2インク残量画面を表示パネル43に表示させる。具体的には、コントローラ51は、ステップS48で算出した残量値に基づいて、各色の残量表示バーを生成する。そして、コントローラ51は、生成した残量表示バーと、ROM55から取得した画像データとに基づいて、第2インク残量画面を示す画像データを生成する。コントローラ51は、生成した画像データを表示パネル43に入力する。
【0116】
第2インク残量画面は、インクの色を示す「M」、「C」、「Y」、「Bk」の文字と、4つの残量表示バーとを含む。4つの残量表示バーは、「インク」アイコン71が有する4つの残量表示バーを拡大した形状を有する。
【0117】
「!」オブジェクトは、購入すべきカートリッジ13に対応する残量表示バーに重ねて表示される。図示例では、「!」オブジェクトは、マゼンタの色のインクを貯留するカートリッジ13に対応する左端の残量表示バーと、イエローの色のインクを貯留するカートリッジ13に対応する右から2番目の残量表示バーとに重ねて表示されている。
【0118】
一方、コントローラ51は、第2待機画面において、「報知」アイコン74が選択されたと判断すると(S56:Yes)、表示画面を切り換え(S57)、図11(A)に示される型番表示画面を表示パネル43に表示させる。具体的には、コントローラ51は、メモリ53のROM55に予め記憶された型番表示画面を示す画像データを読み出して、表示パネル43に対して出力する。
【0119】
なお、フローチャートには示されていないが、コントローラ51は、図10(B)に示される第2インク残量画面において、「!」アイコン72が選択されたことに応じて、図11(A)に示される型番表示画面を表示パネル43に表示させてもよい。
【0120】
また、図6に示されるフローチャートには示されていないが、コントローラ51は、第2インク残量画面や型番表示画面から第2待機画面に画面表示を切り替える条件が成立したか否かを判断する。例えば、コントローラ51は、上述のホームボタンなどの特定の操作スイッチ45から、操作されたことを示す操作信号が入力したことにより、第2待機画面に画面表示を切り替える条件が成立したと判断する。或いは、コントローラ51は、第2インク残量画面や型番表示画面を表示させた後、カウントダウンタイマのカウントを開始させ、カウントダウンタイマがタイムアップしたことに応じて、第2待機画面に画面表示を切り替える条件が成立したと判断する。
【0121】
コントローラ51は、第2インク残量画面や型番表示画面から第2待機画面に画面表示を切り替える条件が成立したと判断すると、第2インク残量画面や型番表示画面から第2待機画面に画面表示を切り替える。
【0122】
フローチャートには示されていないが、コントローラ51は、電源がオフにされるまで、第1画面表示処理を継続して実行し、電源がオフされたことに応じて、第1画面表示処理を終了する。
【0123】
次に、図5(B)を参照して、第2モード画面表示処理について説明する。なお、第1モード画面表示処理と同様の処理については、第1モード画面表示処理と同じステップ番号を付して説明を省略する。コントローラ51は、第1モードフラグの値が「OFF」であり、第2モードフラグの値が「ON」であることに応じて、第2モード画面表示処理を実行する。
【0124】
まず、コントローラ51は、第1モード画面表示処理と同様にして、ステップS41からステップS43までの処理を実行し、第4待機画面を表示パネル43に表示させる(S61)。具体的には、コントローラ51は、ステップS43で算出した残量値に基づいて、各色の残量表示バーを生成し、生成した残量表示バーと、ROM55から取得した画像データとに基づいて第4待機画面を示す画像データを生成する。そして、コントローラ51は、生成した画像データを表示パネル43に入力する。
【0125】
第4待機画面は、「インク」アイコン71、「ファックス」アイコン、「コピー」アイコン、「スキャン」アイコン、「USB」アイコン、及び「2in1」アイコンの他、「サービス提供者」アイコン73を含む。「サービス提供者」アイコン73は、上述の第1モード画面表示処理においては、待機画面に含まれないアイコンである。
【0126】
コントローラ51は、第4待機画面において、「インク」アイコン71或いは「サービス提供者」アイコン73が選択されたか否かを判断する(S62)。具体的には、コントローラ51は、第4待機画面において、「インク」アイコン71が選択されか否か、及び「サービス提供者」アイコン73が選択されたか否かを判断する。
【0127】
コントローラ51は、「インク」アイコン71が選択されたと判断すると、画面表示を切り換え(S63)、第1モード画面表示処理と同様にして、図9(B)に示される第1インク残量画面を表示パネル43に表示させる。コントローラ51は、「サービス提供者」アイコン73が選択されたと判断すると、画面表示を切り換え(S63)、図12(A)に示される提供者情報表示画面を表示パネル43に表示させる。具体的には、コントローラ51は、ステップS30においてEEPROM57に記憶させたサービス提供者情報と、ROM55に記憶された画像データとに基づいて、提供者情報表示画面を示す画面データを生成し、生成した画像データを表示パネル43に入力する。
【0128】
提供者情報表示画面は、「サービス提供者名:事業者A」の文字と、「TEL:987654321」の文字と、「FAX:123456789」の文字と、「E-mail:abcd@efgh.ij」の文字と、「URL:https:www.klmn.pq.rs」の文字と、を含む。また、提供者情報表示画面は、「連絡」アイコン75及び「キャンセル」アイコン76をさらに含む。
【0129】
「事業者A」、「987654321」、「123456789」、「abcd@efgh.ij」、「https:www.klmn.pq.rs」の文字は、コントローラ51がステップS30においてEEPROM57に記憶させたサービス提供者情報である。「サービス提供者名」、「TEL」、「FAX」、「E-mail:」、「URL」の文字と、「連絡」アイコン75と、「キャンセル」アイコン76とは、ROM55に予め記憶された画像データである。
【0130】
提供者情報表示画面は、ユーザが契約したサービス提供者の名称、電話番号、ファックス番号、Eメールアドレス、及びURLをユーザに認識させる。なお、サービス提供者が、情報処理装置11やサーバなどを用いてインターネット上にURLを公開していない場合、コントローラ51は、「URL:https:なし」などの文字を提供者情報表示画面において表示パネル43に表示させる。或いは、コントローラ51は、URLに関する文字や図形を、提供者情報表示画面において表示パネル43に表示させない。
【0131】
フローチャートには示されていないが、コントローラ51は、「連絡」アイコン75が選択されたと判断すると、サービス提供者情報に含まれる電話番号宛てに電話をかける。或いは、コントローラ51は、サービス提供者情報に含まれるファックス番号宛てに、画像データを送信する。或いは、コントローラ51は、サービス提供者情報に含まれるEメールアドレス宛てにEメールを送信する。或いは、コントローラ51は、サービス提供者情報に含まれるURLに対して、HTTPリクエストを送信する。
【0132】
上記ファックス番号宛てに送信される画像データは、ユーザの氏名や電話番号やEメールアドレスなどのデータを含む。ユーザの氏名や電話番号やEメールアドレスは、ユーザや作業者によって、予めプリンタ10に入力される。コントローラ51は、タッチセンサ44や操作スイッチ45や通信I/F47から入力されたユーザの氏名や電話番号やEメールアドレスをEEPROM57に記憶させる。コントローラ51が、「連絡」アイコン75を示す位置情報をタッチセンサ44から取得することは、連絡指示を取得することの一例である。
【0133】
フローチャートには示されていないが、コントローラ51は、「キャンセル」アイコン76が選択されたと判断すると、第4待機画面などの他の画面に表示を切り替える。また、フローチャートには示されていないが、コントローラ51は、第1インク残量画面或いは提供者情報表示画面から第4待機画面に画面表示を切り替える条件が成立したか否かを判断する。例えば、コントローラ51は、上述のホームボタンなどの特定の操作スイッチ45から、操作されたことを示す操作信号が入力したことにより、第4待機画面に画面表示を切り替える条件が成立したと判断する。或いは、コントローラ51は、第1インク残量画面或いは提供者情報表示画面を表示パネル43に表示させた後、カウントダウンタイマのカウントを開始させる。そして、コントローラ51は、カウントダウンタイマがタイムアップしたことに応じて、第4待機画面に画面表示を切り替える条件が成立したと判断する。
【0134】
コントローラ51は、第1インク残量画面或いは提供者情報表示画面から第4待機画面に画面表示を切り替える条件が成立したと判断すると、第1インク残量画面或いは提供者情報表示画面から第4待機画面に画面表示を切り替える。また、フローチャートには示されていないが、コントローラ51は、第4待機画面において、「ファックス」アイコン等の他のアイコンが選択されたことに応じて、選択されたアイコンに応じた画面を表示パネル43に表示させる。
【0135】
コントローラ51は、ステップS41において、センサフラグの値が「ON」であると判断すると(S41:ON)、ステップS47、S48の処理を実行した後、ステップS49の処理を実行する。コントローラ51は、ステップS49において、ステップS47で取得したカウント値が第2閾値以上でないと判断すると、ステップS61以降の処理を実行する。すなわち、コントローラ51は、第1モード画面表示処理では表示パネル43に表示させた「!」オブジェクト(図8(B))や型番表示画面(図11(A))を、第2モード画面表示処理では表示パネル43に表示させない。
【0136】
コントローラ51は、ステップS49において、ステップS47で取得したカウント値が第2閾値以上であると判断すると、第1モード画面表示処理と同様に、ステップS50の処理を実行する。すなわち、コントローラ51は、第1モード画面表示処理であるか第2モード画面表示処理であるかに拘わらず、ヘッド34からのインクの流出を禁止する。
【0137】
次に、コントローラ51は、第5待機画面を表示パネル43に表示させる(S64)。第5待機画面は、図13に示されるように、第4待機画面に含まれる「サービス提供者」アイコン73等に加え、第1モード画面表示処理で説明した「×」オブジェクト及び「報知」アイコン74をさらに含む画面である。
【0138】
コントローラ51は、図5(B)に示されるように、第5待機画面において、「インク」アイコン71、或いは「報知」アイコン74、或いは「サービス提供者」アイコン73が選択されたか否かを判断する(S65)。コントローラ51は、第5待機画面において、「インク」アイコン71、「報知」アイコン74、及び「サービス提供者」アイコン73が選択されていないと判断すると(S65:No)、第5待機画面を表示パネル43に継続して表示させる。
【0139】
コントローラ51は、第5待機画面において、「報知」アイコン74或いは「サービス提供者」アイコン73が選択されたと判断すると(S65:Yes)、画面表示を切り換える(S66)。そして、コントローラ51は、ステップS63と同様にして、図12(A)に示される提供者情報表示画面を表示パネル43に表示させる。すなわち、第2モード画面表示処理では、「報知」アイコン74が選択された場合に、型番表示画面(図11(A))ではなく、提供者情報表示画面が表示パネル43に表示される。
【0140】
コントローラ51は、第5待機画面において、「インク」アイコン71が選択されたと判断すると(S65:Yes)、画面表示を切り換える(S66)。そして、コントローラ51は、第1モード画面表示処理と同様にして、図10(B)に示される第3インク残量画面を表示パネル43に表示させる。
【0141】
フローチャートには示されていないが、コントローラ51は、第3インク残量画面において、「!」アイコン72が選択されると、型番表示画面(図11(A))ではなく、提供者情報表示画面を表示パネル43に表示させる。なお、第3インク残量画面において、「!」アイコン72は、表示されなくてもよい。また、フローチャートには示されていないが、コントローラ51は、電源がオフにされるまで、第2モード画面表示処理を継続して実行し、電源がオフされたことに応じて、第2モード画面表示処理を終了する。
【0142】
次に、コントローラ51が、残量値などの状態情報を含むEメール或いはHTTPリクエストを送信するデータ送信処理について、図7を参照して説明する。コントローラ51は、例えば、印刷やメンテナンスを実行して、ヘッド34からインクを流出させたことに応じて、及び送信タイミングなったことに応じて、データ送信処理を実行する。すなわち、カートリッジ13が貯留するインクの量が変化すると、及び送信タイミングになると、データ送信処理が実行される。送信タイミングは、例えば定刻であり、或いは、所定時間ごとである。送信タイミングは、情報処理装置11やパーソナルコンピュータやタブレットや携帯端末を用いて作業者やユーザやサービス提供者によってプリンタ10に入力される情報である。コントローラ51は、タッチセンサ44や操作スイッチ45や通信I/F47を通じて入力された送信タイミングをEEPROM57に記憶させる。コントローラ51は、クロックモジュール46が出力した日時情報が示す日時が、送信タイミングが示す日時になったことに応じて、送信タイミングになったと判断する。
【0143】
まず、コントローラ51は、通信I/F47がLANなどのローカルネットワークやパーソナルコンピュータと接続されているか否かの判断に相当する処理を実行する(S71)。例えば、コントローラ51は、PINGコマンドを通信I/F47を通じて出力する。そして、コントローラ51は、ACK(acknowledgement)を受信したことに応じて、通信I/F47がローカルネットワークやパーソナルコンピュータと接続されていると判断する。コントローラ51は、所定回数のリトライを実行してもACKを受信しないことに応じて、通信I/F47がローカルネットワークやパーソナルコンピュータと接続されていないと判断する。
【0144】
なお、コントローラ51は、通信I/F47がLANなどのローカルネットワークやパーソナルコンピュータと接続されているか否かの判断に代えて、情報処理装置11とインターネット12を通じて通信可能であるか否かを判断してもよい。コントローラ51は、返信要求を含むHTTPリクエストを、情報処理装置11が公開するURL宛てに、通信I/F47を通じて送信する。そして、コントローラ51は、ACKを含むHTTPレスポンスを受信したことに応じて、情報処理装置11と通信可能と判断する。コントローラ51は、所定回数のリトライを実行してもACKを受信できなかったことに応じて、情報処理装置11と通信できないと判断する。或いは、コントローラ51は、情報処理装置11が送信した情報を所定期間内に受信できたか否かによって、情報処理装置11とインターネット12を通じて通信可能であるか否かを判断してもよい。コントローラ51は、情報処理装置11から所定期間内に情報を受信できたことに応じて、情報処理装置11と通信可能と判断し、情報処理装置11から所定期間内に情報を取得できないことに応じて、情報処理装置11と通信できないと判断する。
【0145】
コントローラ51は、通信I/F47がローカルネットワークやパーソナルコンピュータと接続されていないと判断すると(S71:No)、接続指示画面を表示パネル43に表示させる(S72)。具体的には、コントローラ51は、接続指示画面を示す画像データをROM55から読み出し、読み出した画像データを表示パネル43に入力する。
【0146】
接続指示画面は、図12(B)に示すように、「インターネットに接続されていません。」の文字と、「インターネットに接続しない場合、サービスを受けることができません。インターネットに接続してください。」の文字とを含む。また、接続指示画面は、「OK」アイコン77及び「詳細」アイコン78をさらに含む。「インターネットに接続されていません。」の文字、或いは「インターネットに接続しない場合、サービスを受けることができません。インターネットに接続してください。」の文字は、案内オブジェクトの一例である。
【0147】
フローチャートには示されていないが、コントローラ51は、「詳細」アイコン78が選択されたことに応じて、例えば、インターネットに接続するための詳細な情報を表示する画面を表示パネル43に表示させる。当該画面を示す画面データは、ROM55に予め記憶される。そして、コントローラ51は、接続指示画面において「OK」アイコン77が選択されたことに応じて、ステップS61の処理を再度実行する。
【0148】
コントローラ51は、ステップS71において、通信I/F47がローカルネットワークやPCと接続されていると判断すると(S71:Yes)、第1モード画面表示処理のS41、S42、S47と同様の処理を実行して、カウント値を取得する。そして、コントローラ51は、取得したカウント値が第2閾値以上か否かを判断する(S73)。
【0149】
コントローラ51は、取得したカウント値が第2閾値以上であると判断すると(S73:Yes)、第3送信データを生成する(S78)。具体的には、コントローラ51は、カートリッジ13が貯留するインクが使い切られたことを示すエンプティ情報をROM55或いはEEPROM57から取得して第3送信データに含める。また、コントローラ51は、インクが使い切られたカートリッジ13の型番を、EEPROM57から取得し、或いはカートリッジI/F49を通じてICメモリ15から取得して第3送信データに含める。また、コントローラ51は、プリンタ10或いはユーザを識別する識別情報をEEPROM57から取得して第3送信データに含める。プリンタ10を識別する情報は、例えば、プリンタ10のシリアル番号やMACアドレスなどである。ユーザを識別する識別情報は、例えばユーザIDであり、作業者やユーザによってプリンタ10に入力される情報である。コントローラ51は、タッチセンサ44や操作スイッチ45や通信I/F47を通じて入力された識別情報をEEPROM57に記憶させる。
【0150】
コントローラ51は、取得したカウント値が第2閾値以上でないと判断すると(S73:No)、カウント値が第1閾値以上か否かを判断する(S74)。コントローラ51は、取得したカウント値が第1閾値以上であると判断すると(S74:Yes)、第1送信データを生成する(S75)。具体的には、コントローラ51は、カートリッジ13の手配が必要であることを示す交換情報をROM55或いはEEPROM57から取得して第1送信データに含める。また、コントローラ51は、手配が必要なカートリッジ13の型番を、EEPROM57から取得し、或いはカートリッジI/F49を通じてICメモリ15から取得して第1送信データに含める。また、コントローラ51は、プリンタ10或いはユーザを識別する識別情報をEEPROM57から取得して第1送信データに含める。
【0151】
コントローラ51は、取得したカウント値が第1閾値以上でないと判断すると(S74:No)、送信タイミングになったことに応じてデータ送信処理を実行したか否かを判断する(S76)。コントローラ51は、送信タイミングになったことに応じてデータ送信処理を実行したと判断すると(S76:Yes)、第2送信データを生成する(S77)。具体的には、コントローラ51は、上述のステップS43、S48と同様にして、装着ケース32に装着された全てのカートリッジ13の残量値を算出し、算出した残量値と、カートリッジ13の型番とを対応付けて第2送信データに含める。また、コントローラ51は、プリンタ10或いはユーザを識別する識別情報をEEPROM57から取得して第2送信データに含める。
【0152】
コントローラ51は、印刷を実行したなど、送信タイミングになったこと以外の条件によってデータ送信処理を実行したと判断すると(S76:No)、ステップS77、S79の処理をスキップして、データ送信処理を終了する。
【0153】
コントローラ51は、ステップS75、S77、S78の処理の実行後、生成した送信データを含むEメールを、サービス提供者情報に含まれるEメールアドレス宛に、通信I/F47を通じて送信する(S79)。或いは、コントローラ51は、生成した送信データを含むHTTPリクエストを、サービス提供者情報に含まれるURL宛に、通信I/F47を通じて送信する。
【0154】
送信されたEメールは、メールサーバを通じて、情報処理装置11に受信される。或いは、送信されたHTTPリクエストは、情報処理装置11に受信される。情報処理装置11は、受信した送信データを、メモリ66に記憶させる。サービス提供者は、情報処理装置11が受信した送信データに基づいて、プリンタ10におけるインクの残量を監視し、或いは、新しいカートリッジ13の発送を手配する。
【0155】
なお、コントローラ51は、上述の第1送信データや第2送信データや第3送信データの他、故障情報を含む送信データなどを生成してEメールやHTTPリクエストで送信してもよい。
【0156】
また、コントローラ51は、上述のエンプティ情報や交換情報や残量情報以外の情報を第1送信データや第2送信データや第3送信データに含めてEメールやHTTPリクエストで送信してもよい。
【0157】
[実施形態の作用効果]
上述のように、カートリッジ13が有するICチップ14のICメモリ15は、通常使用態様を示す「0」の第1特定情報或いは契約使用態様を示す「1」の第2特定情報を記憶する。そして、コントローラ51は、ICメモリ15から第1特定情報を取得したことに応じて第1モードに決定し、第2特定情報を取得したことに応じて第2モードに決定する。そして、コントローラ51は、第1モードに決定したことに応じて第1モード画面表示処理を実行し、第2モードに決定したことに応じて第2モード画面表示処理を実行する。したがって、プリンタ10は、使用態様に応じて異なる画面を表示パネル43に表示させることができる。
【0158】
また、コントローラ51は、ユーザがサービス提供者と契約を締結せずにプリンタ10を使用する通常使用態様においては、購入すべきカートリッジ13の型番を表示パネル43に表示させる。一方、コントローラ51は、ユーザがサービス提供者と契約を締結してプリンタ10を使用する契約使用態様においては、カートリッジ13の型番ではなく、サービス提供者情報を表示パネル43に表示させる。したがって、プリンタ10は、通常使用態様においては、購入すべきカートリッジ13の型番をユーザに認識させることができる。そして、プリンタ10は、契約使用態様においては、連絡すべきサービス提供者の名称や連絡先などのサービス提供者に関する情報をユーザに認識させることができる。すなわち、プリンタ10は、使用態様に応じて適切な情報をユーザに認識させることができる。
【0159】
上述のように、コントローラ51は、準備情報の入力を受け付け(S13:Yes)、かつ、契約使用態様で使用されるカートリッジ13が装着ケース32に装着された場合(S33:契約使用態様)にのみ、第2モードに決定する。すなわち、コントローラ51は、契約使用態様で使用されるカートリッジ13が装着ケース32に装着されただけでは、第2モードに決定しない。したがって、プリンタ10は、サービス提供者に関する情報が誤って表示パネル43に表示されたり、表示されるべきカートリッジ13の型番が誤って表示パネル43に表示されなくなることを抑制することができる。
【0160】
上述のように、コントローラ51は、第2モードに決定した場合であっても(S15:第2モード)、通常使用態様で使用されるカートリッジ13が装着ケース32に装着されたと判断すると、第1モードに動作モードを変更する(S19)。したがって、サービス提供者は、ユーザとの契約の終了後もプリンタ10を継続してユーザに使用させたい場合、通常使用態様のカートリッジ13を装着ケース32に装着するだけで、プリンタ10の動作モードを第2モードから第1モードに変更することができる。すなわち、プリンタ10は、動作モードを第2モードから第1モードに変更するサービス提供者の手間を低減することができる。
【0161】
上述のように、コントローラ51は、第1モード画面表示処理において、カートリッジ13が貯留するインクの残量が少なくなったと判断すると、「報知」アイコン74及び「!」オブジェクトを含む第2待機画面を表示パネル43に表示させる(S55)。そして、コントローラ51は、「報知」アイコン74が選択されたことに応じて、購入すべきカートリッジ13の型番を表示パネル43に表示させる(図11(A))。一方、コントローラ51は、第2モード画面表示処理において、「サービス提供者」アイコン73を含む第4待機画面(図11(B))を表示パネル43に表示させる(S61)。そして、コントローラ51は、「サービス提供者」アイコン73が選択されたことに応じて、提供者情報表示画面(図12(A))を表示パネル43に表示させる。したがって、コントローラ51は、カートリッジ13が貯留するインクの残量が少なくなった場合において、通常使用態様では、カートリッジ13の型番をユーザに認識させることができ、契約使用態様では、サービス提供者と連絡をとることをユーザに促すことができる。
【0162】
カウント値が示すインクの量と、ヘッド34から実際に流出したインクの量との間には、差が生じることがある。当該差は、カウント値が大きくなるなるほど大きくなる場合がある。本実施形態では、上述のように、コントローラ51は、カートリッジ13が貯留するインクの液面が検出位置に到達すると、カウント値をリセットし、当該液面が検出位置に到達したときを起点としてカウント値の積算を行う(S47)。したがって、プリンタ10は、上記液面の位置が検出位置より下方となる場合に、カウント値が示すインクの量と、ヘッド34から実際に流出したインクの量との間の差を、液面センサ38を用いてカウント値をリセットしない場合よりも低減することができる。すなわち、コントローラ51は、上記液面の位置が検出位置より下方となる状態において、ヘッド34から流出したインクの量を、液面センサ38を用いない場合よりも、正確に決定することができる。
【0163】
上述のように、コントローラ51は、動作モードが第1モードであるか第2モードであるか拘わらず、カウント値が第2閾値以上であると判断すると(S49:Yes)、ヘッド34からのインクの流出を禁止する(S50)。そして、第2閾値は、これ以上ヘッド34からインクが流出されるとプリンタ10に不具合が生じる値として、EEPROM57に予め記憶される値である。したがって、プリンタ10は、通常使用態様で使用されるか、契約使用態様で使用されるかに拘わらず、プリンタ10に不具合が生じることを抑制することができる。
【0164】
また、コントローラ51は、カウント値が第2閾値以上であると判断すると(S49:Yes)、動作モードに拘わらず、待機画面において、「×」オブジェクトを「インク」アイコン71に重ねて表示させる。したがって、プリンタ10は、通常使用態様で使用されるか、契約使用態様で使用されるかに拘わらず、カートリッジ13の交換をユーザに促すことができる。
【0165】
また、コントローラ51は、カウント値が第2閾値以上であると判断した場合であって(S49:Yes)、かつ、第1モードに決定している場合に、「報知」アイコン74が選択されると、カートリッジ13の型番を表示パネル43に表示する。一方、コントローラ51は、カウント値が第2閾値以上であると判断した場合であって(S49:Yes)、かつ、第2モードに決定している場合に、「報知」アイコン74が選択されると、サービス提供者に関する情報を表示パネル43に表示する。すなわち、プリンタ10は、カートリッジ13の交換が必要な場合において、通常使用態様で使用される場合ではカートリッジ13の型番を表示パネル43に表示し、契約使用態様で使用される場合では、サービス提供者に関する情報を表示パネル43に表示する。したがって、プリンタ10は、通常使用態様でプリンタ10を使用するユーザに対しては、カートリッジ13の購入を促すことができ、契約使用態様でプリンタ10を使用するユーザに対しては、サービス提供者に連絡することを促すことができる。
【0166】
上述のように、コントローラ51は、通信I/F47がパーソナルコンピュータやLANと接続されていないと判断すると(S71:No)、接続指示画面(図12(B))を表示パネル43に表示させる(S72)。したがって、プリンタ10は、プリンタ10をパーソナルコンピュータやLANなどの通信回線に接続することをユーザに促すことができる。
【0167】
上述のように、コントローラ51は、第1モードであるか第2モードであるかに拘わらず、「インク」アイコン71を待機画面において表示パネル43に表示させる。そして、コントローラ51は、「インク」アイコン71が選択されたことに応じて、インク残量画面を表示パネル43に表示させる。したがって、プリンタ10は、第1モードであるか第2モードであるかに拘わらず、装着ケース32に装着されたカートリッジ13が貯留するインクの残量をユーザに認識させることができる。
【0168】
上述のように、コントローラ51は、「連絡」アイコン75が選択されたと判断すると、サービス提供者情報に含まれる電話番号宛てに電話をかけ、或いはサービス提供者情報に含まれるファックス番号宛てに画像データを送信する、或いは、コントローラ51は、サービス提供者情報に含まれるEメールアドレス宛てにEメールを送信し、或いはサービス提供者情報に含まれるURLに対してHTTPリクエストを送信する。したがって、プリンタ10は、サービス提供者の連絡先を確認して回線を繋げるユーザの手間を省くことができる。
【0169】
上述のように、コントローラ51は、レディモードでない状態において(S13:No)、契約使用態様を示す種別情報をカートリッジI/F49を通じてICメモリ15から取得したことに応じて、第2エラー画面を表示パネル43に表示させる(S18)。第2エラー画面は、「エラー」の文字や、「適正な手順でカートリッジが装着されていません。適正な手順でカートリッジを装着してください」などの文字を含む。したがって、プリンタ10は、作業者が準備情報をプリンタ10に入力するという正規の手順を経ずに第2モードになることを抑制することができる。
【0170】
[変形例]
上述の実施形態では、カートリッジ13が貯留するインクの液面の位置を検出する液面センサ38をセンサの一例として説明した。しかしながら、センサは、カートリッジ13が貯留するインクの液面の位置に応じて変化する値を検出可能であれば、どのようなセンサであってもよい。例えば、液面センサ38の光路上には、カートリッジ13の液面が来るようにするのではなく、例えば、液面位置に応じて移動するアクチュエータや液面位置に応じて屈折率が変化するプリズムが位置していてもよい。
【0171】
上述の実施形態では、カウント値が第1閾値や第2閾値以上であるか否かにより、待機画面やインク残量画面に表示させるアイコンやオブジェクトを決定する例を説明した。しかしながら、カウント値に代えて、残量値が用いられてもよい。例えば、コントローラ51は、算出した残量値が閾値未満か否かに応じて、待機画面やインク残量画面に表示させるアイコンやオブジェクトを決定してもよい。
【符号の説明】
【0172】
10・・・プリンタ
13・・・カートリッジ
32・・・装着ケース
40・・・印刷エンジン
43・・・表示パネル
44・・・タッチセンサ
45・・・操作スイッチ
47・・・通信I/F
49・・・カートリッジI/F
51・・・コントローラ
53・・・メモリ
図1
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図4
図5
図6
図7
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