(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-11
(45)【発行日】2022-10-19
(54)【発明の名称】半導体装置とその製造方法
(51)【国際特許分類】
H01L 29/78 20060101AFI20221012BHJP
H01L 21/336 20060101ALI20221012BHJP
【FI】
H01L29/78 652J
H01L29/78 652D
H01L29/78 652E
H01L29/78 652H
H01L29/78 652K
H01L29/78 653A
H01L29/78 658A
(21)【出願番号】P 2019094483
(22)【出願日】2019-05-20
【審査請求日】2021-06-08
(73)【特許権者】
【識別番号】000003609
【氏名又は名称】株式会社豊田中央研究所
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】弁理士法人 快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 隆司
(72)【発明者】
【氏名】山田 明
(72)【発明者】
【氏名】合田 健太
【審査官】上田 智志
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-072482(JP,A)
【文献】特開2007-294759(JP,A)
【文献】特開2008-108962(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 29/78
H01L 21/336
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体基板と、
前記半導体基板の一方の主面に形成されたゲート用トレンチ内に設けられているトレンチゲート部と、
前記半導体基板の前記一方の主面に形成されたコンタクト用トレンチ内に設けられている表面電極と、を備えており、
前記半導体基板は、
前記トレンチゲート部の底面及び側面に接する第1導電型の第1半導体領域と、
前記第1半導体領域上に設けられており、前記トレンチゲート部の前記側面に接しており、前記表面電極に接している第2導電型の第2半導体領域と、
前記第2半導体領域上に設けられており、前記半導体基板の前記一方の主面に露出する位置に配置されており、前記トレンチゲート部の前記側面に接しており、前記表面電極に接している第1導電型の第3半導体領域と、
前記コンタクト用トレンチの下方であって、前記第1半導体領域と前記第2半導体領域の間に設けられており、前記第1半導体領域よりも第1導電型のキャリア濃度が高い高濃度半導体領域と、
前記コンタクト用トレンチの下方であって、前記第1半導体領域に囲まれる位置に設けられている第2導電型のSJ用半導体領域と、を有しており、
前記トレンチゲート部は、
前記第1半導体領域と前記第3半導体領域を隔てる位置にある前記第2半導体領域にゲート絶縁膜を介して対向するゲート電極と、
前記ゲート電極下に設けられており、前記ゲート絶縁膜よりも膜厚の大きい底部絶縁膜と、を有している、半導体装置。
【請求項2】
前記トレンチゲート部はさらに、
前記ゲート電極下に設けられており、前記底部絶縁膜を介して前記第1半導体領域に対向する下部電極、を有している、請求項1に記載の半導体装置。
【請求項3】
前記下部電極が前記ゲート電極に電気的に接続されている、請求項2に記載の半導体装置。
【請求項4】
前記半導体基板はさらに、
前記コンタクト用トレンチの下方であって、前記SJ用半導体領域と前記高濃度半導体領域の間に設けられており、前記第1半導体領域よりも第1導電型のキャリア濃度が低い低濃度半導体領域、を有している、
請求項1~3のいずれか一項に記載の半導体装置。
【請求項5】
第1導電型の第1半導体領域上に第2導電型の第2半導体領域が設けられた半導体基板を形成する工程であって、第1導電型の前記半導体基板の一方の主面に第2導電型の不純物を導入し、前記第1半導体領域上に前記第2半導体領域を形成する、第2半導体領域工程と、
前記半導体基板の前記一方の主面から前記第2半導体領域を貫通して前記第1半導体領域に達するゲート用トレンチを形成するゲート用トレンチ形成工程と、
熱酸化技術を利用して、前記ゲート用トレンチの底部に底部絶縁膜を成膜する底部絶縁膜成膜工程と、
前記底部絶縁膜上の前記ゲート用トレンチの側面に前記底部絶縁膜よりも膜厚が薄いゲート絶縁膜を成膜するゲート絶縁膜成膜工程と、
前記ゲート用トレンチ内に前記ゲート絶縁膜を介して前記半導体基板に対向するゲート電極を形成するゲート電極形成工程と、
前記半導体基板の前記一方の主面に第1導電型の不純物を導入し、前記第2半導体領域上に第1導電型の第3半導体領域を形成する第3半導体領域形成工程と、
前記半導体基板の前記一方の主面から前記第3半導体領域を貫通して前記第2半導体領域に達するコンタクト用トレンチを形成するコンタクト用トレンチ形成工程と、
前記コンタクト用トレンチを介して第1導電型の不純物を導入し、前記第1半導体領域と前記第2半導体領域の間に第1導電型の高濃度半導体領域を形成する高濃度半導体領域形成工程と、
アニール処理によって前記高濃度半導体領域を活性化させる活性化工程と、を備えている、半導体装置の製造方法。
【請求項6】
前記ゲート用トレンチ内の前記ゲート電極下に下部電極を形成する工程であって、前記下部電極は前記底部絶縁膜を介して前記第1半導体領域に対向する、下部電極形成工程、をさらに備えている、
請求項5に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項7】
前記下部電極が前記ゲート電極に電気的に接続されている、
請求項6に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項8】
前記コンタクト用トレンチを介して第2導電型の不純物を導入し、前記第1半導体領域に囲まれる位置に第2導電型のSJ用半導体領域を形成するSJ用半導体領域形成工程、をさらに備えている、
請求項5~7のいずれか一項に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項9】
前記コンタクト用トレンチを介して第2導電型の不純物を導入し、前記SJ用半導体領域と前記高濃度半導体領域の間に前記第1半導体領域よりも第1導電型のキャリア濃度が低い第1導電型の低濃度半導体領域を形成する低濃度半導体領域形成工程、をさらに備えている、
請求項8に記載の半導体装置の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書が開示する技術は、半導体装置とその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1及び特許文献2は、ゲート用トレンチの底部に膜厚の大きい底部絶縁膜が設けられた半導体装置を開示する。このような膜厚の大きい底部絶縁膜が設けられていると、トレンチゲート部の底部の絶縁破壊が抑えられ、半導体装置の耐圧が向上する。また、特許文献1及び特許文献2に開示されるように、このような底部絶縁膜内に下部電極を設けることにより、半導体装置の電気的特性を改善する技術も提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2011-199109号公報
【文献】特開2016-181618号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような底部絶縁膜は、ゲート用トレンチを形成した後に、熱酸化技術を利用してゲート用トレンチの底部に成膜される。この熱酸化を実施したときに、p型ボディ領域に含まれるp型不純物が拡散し、p型ボディ領域が深く形成されてしまう。このため、チャネル抵抗が大きくなるという問題がある。
【0005】
本明細書は、膜厚の大きい底部絶縁膜を有するトレンチゲート部を備えた半導体装置において、低いチャネル抵抗を実現する技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本明細書が開示する半導体装置は、その種類は特に限定されず、例えばMOSFET又はIGBTである。また、本明細書が開示する半導体装置の半導体材料は、特に限定されるものではなく、例えばワイドバンドギャップ半導体である。ワイドバンドギャップ半導体は、例えば窒化物半導体、炭化珪素又は酸化ガリウムであってもよい。
【0007】
本明細書が開示する半導体装置は、半導体基板と、前記半導体基板の一方の主面に形成されたゲート用トレンチ内に設けられているトレンチゲート部と、前記半導体基板の前記一方の主面に形成されたコンタクト用トレンチ内に設けられている表面電極と、を備えることができる。前記半導体基板は、前記トレンチゲート部の底面及び側面に接する第1導電型の第1半導体領域と、前記第1半導体領域上に設けられており、前記トレンチゲート部の前記側面に接しており、前記表面電極に接している第2導電型の第2半導体領域と、前記第2半導体領域上に設けられており、前記半導体基板の前記一方の主面に露出する位置に配置されており、前記トレンチゲート部の前記側面に接しており、前記表面電極に接している第1導電型の第3半導体領域と、前記コンタクト用トレンチの下方であって、前記第1半導体領域と前記第2半導体領域の間に設けられており、前記第1半導体領域よりも第1導電型のキャリア濃度が高い高濃度半導体領域と、を有することができる。前記トレンチゲート部は、前記第1半導体領域と前記第3半導体領域を隔てる位置にある前記第2半導体領域にゲート絶縁膜を介して対向するゲート電極と、前記ゲート電極下に設けられており、前記ゲート絶縁膜よりも膜厚の大きい底部絶縁膜と、を有することができる。上記半導体装置は、低いオン抵抗という特性を有することができる。
【0008】
上記半導体装置では、前記トレンチゲート部はさらに、前記ゲート電極下に設けられており、前記底部絶縁膜を介して前記第1半導体領域に対向する下部電極、を有していてもよい。このような下部電極が設けられていると、半導体装置の電気的特性を改善することができる。例えば、前記下部電極が前記ゲート電極に電気的に接続されていてもよい。この場合、前記下部電極が対向する前記第1半導体領域において、キャリアの蓄積効果が発揮される。これにより、半導体装置のオン抵抗が低下し、半導体装置の定常損失が低減され得る。
【0009】
上記半導体装置では、前記半導体基板はさらに、前記コンタクト用トレンチの下方であって、前記第1半導体領域に囲まれる位置に設けられている第2導電型のSJ用半導体領域、を有していてもよい。このようなSJ用半導体領域が設けられていると、半導体装置の耐圧を向上させることができる。
【0010】
上記半導体装置では、前記半導体基板はさらに、前記コンタクト用トレンチの下方であって、前記SJ用半導体領域と前記高濃度半導体領域の間に設けられており、前記第1半導体領域よりも第1導電型のキャリア濃度が低い低濃度半導体領域、を有していてもよい。このような低濃度半導体領域が設けられていると、その部分の電界集中が緩和される。これにより、半導体装置が高いオン耐量という特性を有することができる。
【0011】
本明細書が開示する半導体装置の製造方法は、第2半導体領域形成工程と、ゲート用トレンチ形成工程と、底部絶縁膜成膜工程と、ゲート絶縁膜成膜工程と、ゲート電極形成工程と、第3半導体領域形成工程と、コンタクト用トレンチ形成工程と、高濃度半導体領域形成工程と、活性化工程と、を備えることができる。前記第2半導体領域形成工程は、第1導電型の第1半導体領域上に第2導電型の第2半導体領域が設けられた半導体基板を形成する工程である。前記第2半導体領域形成工程では、第1導電型の前記半導体基板の一方の主面に第2導電型の不純物を導入し、前記第1半導体領域上に前記第2半導体領域を形成する。前記ゲート用トレンチ形成工程では、前記半導体基板の前記一方の主面から前記第2半導体領域を貫通して前記第1半導体領域に達するゲート用トレンチを形成する。前記底部絶縁膜成膜工程では、熱酸化技術を利用して、前記ゲート用トレンチの底部に底部絶縁膜を成膜する。前記ゲート絶縁膜成膜工程では、前記底部絶縁膜上の前記ゲート用トレンチの側面に前記底部絶縁膜よりも膜厚が薄いゲート絶縁膜を成膜する。前記ゲート電極形成工程では、前記ゲート用トレンチ内に前記ゲート絶縁膜を介して前記半導体基板に対向するゲート電極を形成する。前記第3半導体領域形成工程では、前記半導体基板の前記一方の主面に第1導電型の不純物を導入し、前記第2半導体領域上に第1導電型の第3半導体領域を形成する。前記コンタクト用トレンチ形成工程では、前記半導体基板の前記一方の主面から前記第3半導体領域を貫通して前記第2半導体領域に達するコンタクト用トレンチを形成する。前記高濃度半導体領域形成工程では、前記コンタクト用トレンチを介して第1導電型の不純物を導入し、前記第1半導体領域と前記第2半導体領域の間に第1導電型の高濃度半導体領域を形成する。前記活性化工程では、アニール処理によって前記高濃度半導体領域を活性化させる。上記製造方法によると、前記活性化工程において、前記高濃度半導体領域に含まれる第1導電型不純物が横方向に拡散し、前記第2半導体領域のうちの下側部分のチャネルを実質的に消失させることができる。これにより、前記第2半導体領域の実質的なチャネル長が短くなるので、チャネル抵抗を低下させることができる。
【0012】
上記製造方法はさらに、下部電極形成工程を備えていてもよい。前記下部電極形成工程では、前記ゲート用トレンチ内の前記ゲート電極下に下部電極を形成する。前記下部電極は、前記底部絶縁膜を介して前記第1半導体領域に対向する。このような下部電極が設けられていると、半導体装置の電気的特性を改善することができる。例えば、前記下部電極が前記ゲート電極に電気的に接続されていてもよい。この場合、前記下部電極が対向する前記第1半導体領域において、キャリアの蓄積効果が発揮される。これにより、半導体装置のオン抵抗が低下し、半導体装置の定常損失が低減され得る。
【0013】
上記製造方法はさらに、SJ用半導体領域形成工程を備えていてもよい。前記SJ用半導体領域形成工程では、前記コンタクト用トレンチを介して第2導電型の不純物を導入し、前記第1半導体領域に囲まれる位置に第2導電型のSJ用半導体領域を形成する。このようなSJ用半導体領域が設けられていると、半導体装置の耐圧を向上させることができる。
【0014】
上記製造方法はさらに、低濃度半導体領域形成工程を備えていてもよい。前記低濃度半導体領域形成工程では、前記コンタクト用トレンチを介して第2導電型の不純物を導入し、前記SJ用半導体領域と前記高濃度半導体領域の間に前記第1半導体領域よりも第1導電型のキャリア濃度が低い第1導電型の低濃度半導体領域を形成する。このような低濃度半導体領域が設けられていると、その部分の電界集中が緩和される。これにより、半導体装置が高いオン耐量という特性を有することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】第1実施形態の半導体装置の単位セルに対応した要部断面図を模式的に示す。
【
図2】第1実施形態の半導体装置の製造過程中の要部断面図を模式的に示す。
【
図3】第1実施形態の半導体装置の製造過程中の要部断面図を模式的に示す。
【
図4】第1実施形態の半導体装置の製造過程中の要部断面図を模式的に示す。
【
図5】第1実施形態の半導体装置の製造過程中の要部断面図を模式的に示す。
【
図6】第1実施形態の半導体装置の製造過程中の要部断面図を模式的に示す。
【
図7】第1実施形態の半導体装置の製造過程中の要部断面図を模式的に示す。
【
図8】第1実施形態の半導体装置の製造過程中の要部断面図を模式的に示す。
【
図9】第1実施形態の半導体装置の製造過程中の要部断面図を模式的に示す。
【
図10】第1実施形態の半導体装置の製造過程中の要部断面図を模式的に示す。
【
図11】第1実施形態の半導体装置の製造過程中の要部断面図を模式的に示す。
【
図12】第1実施形態の半導体装置の製造過程中の要部断面図を模式的に示す。
【
図13】第1実施形態の半導体装置の製造過程中の要部断面図を模式的に示す。
【
図14】第1実施形態の半導体装置の製造過程中の要部断面図を模式的に示す。
【
図15】第1実施形態の半導体装置の製造過程中の要部断面図を模式的に示す。
【
図16】第2実施形態の半導体装置の単位セルに対応した要部断面図を模式的に示す。
【
図17】第2実施形態の半導体装置の製造過程中の要部断面図を模式的に示す。
【
図18】第2実施形態の半導体装置の製造過程中の要部断面図を模式的に示す。
【
図19】第2実施形態の半導体装置の製造過程中の要部断面図を模式的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0016】
(第1実施形態)
図1に示されるように、第1実施形態の半導体装置1は、縦型のMOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)であり、半導体基板10、半導体基板10の裏面10Aを被覆するように設けられているドレイン電極22、半導体基板10の表面10Bの一部に設けられているソース電極24、及び、半導体基板10の表面10Bの一部に設けられているトレンチゲート部30を備えている。半導体基板10の材質は、シリコンである。この例に代えて、半導体基板10の材質は、例えば窒化物半導体、炭化珪素又は酸化ガリウムであってもよい。半導体基板10は、n
+型のドレイン領域11、n
-型のドリフト領域12、p型のボディ領域13、n
+型のソース領域14、n
+型の高濃度半導体領域15、n
-型の低濃度半導体領域16及びp型のSJ用半導体領域17を有している。
【0017】
半導体基板10の表面10Bからソース領域14及びボディ領域13を貫通してドリフト領域12の一部に侵入するようにゲート用トレンチTR1が形成されており、そのゲート用トレンチTR1内にトレンチゲート部30が設けられている。さらに、半導体基板10の表面10Bからソース領域14を貫通してボディ領域13の一部に侵入するようにコンタクト用トレンチTR2が形成されており、そのコンタクト用トレンチTR2内にソース電極24の一部が充填されている。コンタクト用トレンチTR2は、隣り合うゲート用トレンチTR1の間に配置されている。ソース電極24は、表面電極の一例である。
【0018】
トレンチゲート部30は、上下に2段のゲート部を備えたダブルゲート構造で構成されており、ゲート用トレンチTR1内の相対的に下側に配置された下側ゲート部32、及び、ゲート用トレンチTR1内の相対的に上側に配置された上側ゲート部34を有している。
【0019】
下側ゲート部32は、ゲート用トレンチTR1の底部に設けられた底部絶縁膜32a、及び、その底部絶縁膜32aを介してドリフト領域12に対向するように設けられている下部電極32bを有している。底部絶縁膜32aは、後述するように、熱酸化技術を利用して成膜されており、酸化シリコンで構成されている。下部電極32bは、底部絶縁膜32a内に埋設されており、ポリシリコンで構成されている。この例では、下部電極32bがソース電極24と同電位に固定されている。これにより、寄生容量Cgdを低下させることができる。
【0020】
上側ゲート部34は、ゲート用トレンチTR1の側面を被膜するように設けられているゲート絶縁膜34a、及び、そのゲート絶縁膜34aを介してドリフト領域12とソース領域14を隔てる位置にあるボディ領域13に対向するゲート電極34bを有している。これにより、半導体装置1がオンするときには、ドリフト領域12とソース領域14を隔てる位置にあるボディ領域13にチャネル(反転層)が形成される。ゲート絶縁膜34aは、酸化シリコンで構成されている。ゲート電極34bは、ポリシリコンで構成されている。
【0021】
ここで、底部絶縁膜32aの膜厚32Tは、下部電極32bの底面からゲート用トレンチTR1の底面までの長さとして定義される。なお、下部電極32bが設けられていない場合、底部絶縁膜32aの膜厚32Tは、ゲート電極34bの底面からゲート用トレンチTR1の底面までの長さとして定義される。ゲート絶縁膜34aの膜厚34Tは、ゲート電極34bの側面からゲート用トレンチTR1の側面までの長さとして定義される。半導体装置1では、膜厚32T>膜厚34Tの関係が成立している。このように、ゲート用トレンチTR1の底部、即ち、ゲート電極34b下に膜厚の厚い底部絶縁膜32aが設けられていると、トレンチゲート部30の絶縁破壊が抑えられ、半導体装置1の耐圧が向上する。
【0022】
なお、この例では、ゲート用トレンチTR1の幅が深さ方向に一定の形態を例示しているが、ゲート用トレンチTR1の幅は深さ方向に変わってもよい。ゲート用トレンチTR1の幅は、深部に向けて先細りのテーパであってもよく、下側ゲート部32と上側ゲート部34の間に段差が形成されていてもよい。
【0023】
ドレイン領域11は、半導体基板10の裏層部に設けられており、半導体基板10の裏面10Aに露出する位置に配置されている。ドレイン領域11は、ドレイン電極22に接しており、ドレイン電極22にオーミック接触している。
【0024】
ドリフト領域12は、ドレイン領域11上に設けられており、ドレイン領域11とボディ領域13の間に配置されており、ドレイン領域11とボディ領域13の双方に接している。ドリフト領域12は、トレンチゲート部30の底面及び側面の一部に接している。より詳細には、ドリフト領域12は、下側ゲート部32の底面及び側面に接するとともに、上側ゲート部34の側面の一部にも接している。ドリフト領域12の不純物濃度は、厚み方向の略一定となっている。また、ドリフト領域12の不純物濃度は、後述するように、SJ用半導体領域17との間でスーパージャンクション構造を構成するように調整されている。ドリフト領域12は、第1半導体領域の一例である。
【0025】
ボディ領域13は、ドリフト領域12上に設けられており、ドリフト領域12とソース領域14の間に配置されており、ドリフト領域12とソース領域14の双方に接している。ボディ領域13は、トレンチゲート部30の側面に接している。より詳細には、ボディ領域13は、上側ゲート部34の側面の一部に接している。
【0026】
ボディ領域13は、メインボディ領域13aとボディコンタクト領域13bを有している。メインボディ領域13aは、上側ゲート部34の側面の一部に接するように構成されている。メインボディ領域13aの不純物濃度は、半導体基板10の表面10B側から深部に向けて減少している。半導体基板10の表面10B側のメインボディ領域13aの不純物濃度は、閾値電圧を考慮して設計されている。この例では、閾値電圧が3V以上となるように、半導体基板10の表面10B側のメインボディ領域13aの不純物濃度は、1×1017cm-3以上となるように調整されている。ボディコンタクト領域13bは、コンタクト用トレンチTR2の底面に接するように設けられている。ボディコンタクト領域13bは、メインボディ領域13aよりもp型不純物を高濃度に含んでおり、ソース電極24にオーミック接触している。ボディ領域13は、第2半導体領域の一例である。
【0027】
ソース領域14は、ボディ領域13上に設けられており、半導体基板10の表面10Bに露出する位置に配置されている。ソース領域14は、トレンチゲート部30の側面に接している。より詳細には、ソース領域14は、上側ゲート部34の側面の一部に接している。ソース領域14はまた、ソース電極24の側面にも接しており、ソース電極24にオーミック接触している。ソース領域14は、第3半導体領域の一例である。
【0028】
上記したように、コンタクト用トレンチTR2内に充填されているソース電極24は、その底面でボディコンタクト領域13bに接しており、その側面でソース領域14に接している。このようなコンタクト用トレンチTR2が設けられていると、ボディコンタクト領域13b及びソース領域14のソース電極24に対する接触面積を広く確保することができる。このため、半導体装置1では、隣り合うゲート用トレンチTR1の間隔(ゲートピッチ)を短くすることができる。なお、この例では、コンタクト用トレンチTR2の幅が深さ方向に一定の形態を例示しているが、コンタクト用トレンチTR2の幅は深さ方向に変わってもよい。コンタクト用トレンチTR2の幅は、深部に向けて先細りのテーパであってもよい。
【0029】
高濃度半導体領域15は、コンタクト用トレンチTR2の下方に設けられており、ドリフト領域12とボディ領域13の間に配置されており、ドリフト領域12とボディ領域13の双方に接している。この例では、高濃度半導体領域15は、ドリフト領域12とボディ領域13の接合深さに対して3μm以下の範囲内に配置されている。高濃度半導体領域15のn型のキャリア濃度は、ドリフト領域12のn型のキャリア濃度よりも高い。後述するように、高濃度半導体領域15は、コンタクト用トレンチTR2を介してn型不純物をイオン注入することで形成される。イオン注入で導入されたn型不純物の一部は、その後の活性化工程において横方向に拡散し、メインボディ領域13aのうちの下側部分のp型のキャリア濃度を低下させる。
【0030】
低濃度半導体領域16は、コンタクト用トレンチTR2の下方に設けられており、SJ用半導体領域17と高濃度半導体領域15の間に配置されており、SJ用半導体領域17と高濃度半導体領域15の双方に接している。この例では、低濃度半導体領域16は、ゲート電極34bの底面よりも上側に配置されている。低濃度半導体領域16のn型のキャリア濃度は、ドリフト領域12のn型のキャリア濃度よりも低い。後述するように、低濃度半導体領域16は、コンタクト用トレンチTR2を介してドリフト領域12の一部にp型不純物をイオン注入し、ドリフト領域12の一部のn型のキャリア濃度を低下させること(カウンタードーピング)で形成される。
【0031】
SJ用半導体領域17は、コンタクト用トレンチTR2の下方であって、低濃度半導体領域16の下方に配置されている。SJ用半導体領域17は、ドリフト領域12及び低濃度半導体領域16によって囲まれており、電位はフローティングである。この例では、SJ用半導体領域17は、ゲート電極34bの底面と概ね同等の深さに配置されている。SJ用半導体領域17は隣り合うゲート用トレンチTR1の間に配置されており、これらゲート用トレンチTR1とSJ用半導体領域17の間に一対のドリフト領域12の一部が配置されている。SJ用半導体領域17と一対のドリフト領域12の一部は、隣り合うゲート用トレンチTR1の間において、スーパージャンクション構造となるように構成されている。
【0032】
次に、半導体装置1の動作を説明する。ソース電極24よりも高い電圧がドレイン電極22に印加され、ゲート電極34bに閾値電圧よりも高い電圧が印加されると、半導体装置1はオンとなる。このとき、上側ゲート部34の側面に接するメインボディ領域13a内にチャネル(反転層)が形成される。ソース領域14から注入された電子は、メインボディ領域13a内に形成されたチャネルを介してドリフト領域12に移動し、半導体装置1がオンする。上記したように、半導体装置1では、SJ用半導体領域17と一対のドリフト領域12の一部がスーパージャンクション構造となるように構成されている。このため、ドリフト領域12の不純物濃度は比較的に濃く調整されており、ドリフト抵抗は低い。半導体装置1は、低オン抵抗という特性を有することができる。
【0033】
ゲート電極34bに印加される電圧が閾値電圧を下回ると、メインボディ領域13a内のチャネルが消失し、半導体装置1がオフとなる。上記したように、SJ用半導体領域17と一対のドリフト領域12の一部がスーパージャンクション構造となるように構成されているので、このスーパージャンクション構造において電界強度が深さ方向に一様となり、半導体装置1は高い耐圧を有することができる。
【0034】
また、半導体装置1がオンしているときに負荷短絡等が発生すると、ドレイン電極22とソース電極24の間に電源電圧に相当する高い電圧が印加される。このとき、ドリフト領域12とボディ領域13の間のpn接合近傍が高電界領域となり、この部分でアバランシェ降伏が発生することが懸念される。半導体装置1では、ドリフト領域12のn型のキャリア濃度よりも低い低濃度半導体領域16がpn接合近傍に設けられているので、ドリフト領域12とボディ領域13の間のpn接合近傍の電界が緩和される。これにより、半導体装置1は、高いオン耐量という特性を有することができる。
【0035】
次に、
図2~
図15を参照して、第1実施形態の半導体装置1の製造方法を説明する。まず、
図2に示されるように、n型のシリコン基板である半導体基板10を準備する。次に、
図3に示されるように、イオン注入技術を利用して、半導体基板10の表面10Bにp型不純物を導入し、半導体基板10の表層部にボディ領域13を形成する。これにより、ドリフト領域12上にボディ領域13が積層した半導体基板10が形成される(積層工程)。なお、後述するように、このボディ領域13は、底部絶縁膜を成膜するときの熱酸化工程において拡散する。したがって、このボディ領域13は、最終的な形態の上側部分に相当する。このボディ領域13の上側部分の不純物濃度は、高い閾値電圧となるように高濃度に調整されている。
【0036】
次に、
図4に示されるように、半導体基板10の表面10B上にマスク52をパターニングした後に、ドライエッチング技術を利用して、半導体基板10の表面10Bからボディ領域13を貫通してドリフト領域12に達するゲート用トレンチTR1を形成する(ゲート用トレンチ形成工程)。
【0037】
次に、
図5に示されるように、マスク52を除去した後に、熱酸化技術を利用して、ゲート用トレンチTR1の内壁面及び半導体基板10の表面10B上に熱酸化膜62を成膜する(底部絶縁膜成膜工程)。ゲート用トレンチTR1の底部に成膜された熱酸化膜62の一部が底部絶縁膜32aとなる。この熱酸化工程では、ボディ領域13に含まれていたp型不純物が拡散し、ボディ領域13が深く形成される。
【0038】
次に、
図6に示されるように、CVD技術を利用して、熱酸化膜62上にポリシリコン膜64を成膜する。ポリシリコン膜64の一部は、ゲート用トレンチTR1内に充填される。
【0039】
次に、
図7に示されるように、エッチング技術を利用して、ポリシリコン膜64の一部、すなわち、下部電極32bに相当する部分がゲート用トレンチTR1内に残存するように、ポリシリコン膜64を除去する(下部電極形成工程)。
【0040】
次に、
図8に示されるように、エッチング技術を利用して、熱酸化膜62の一部、すなわち、底部絶縁膜32aに相当する部分がゲート用トレンチTR1内に残存するように、熱酸化膜62を除去する。これにより、底部絶縁膜32aと下部電極32bで構成される下側ゲート部32が形成される。
【0041】
次に、
図9に示されるように、熱酸化技術を利用して、底部絶縁膜32a上のゲート用トレンチTR1の側面及び半導体基板10の表面10B上に熱酸化膜66を成膜する(ゲート絶縁膜成膜工程)。ゲート用トレンチTR1の側面に成膜された熱酸化膜66の一部がゲート絶縁膜34aとなる。
【0042】
次に、
図10に示されるように、CVD技術を利用して、熱酸化膜66上にポリシリコン膜68を成膜する。ポリシリコン膜68の一部は、ゲート用トレンチTR1内に充填される。
【0043】
次に、
図11に示されるように、エッチング技術を利用して、ポリシリコン膜68の一部、すなわち、ゲート電極34bに相当する部分がゲート用トレンチTR1内に残存するように、ポリシリコン膜68を除去する(ゲート電極形成工程)。さらに、エッチング技術を利用して、熱酸化膜66の一部、すなわち、ゲート絶縁膜34aに相当する部分がゲート用トレンチTR1内に残存するように、熱酸化膜66を除去する。これにより、ゲート絶縁膜34aとゲート電極34bで構成される上側ゲート部34が形成される。さらに、上側ゲート部34を形成した後に、イオン注入技術を利用して、半導体基板10の表面10Bにn型不純物を導入し、ボディ領域13上にソース領域14を形成する(ソース領域形成工程)。
【0044】
次に、
図12に示されるように、CVD技術を利用して、半導体基板10の表面10B上に層間絶縁膜40を成膜する。
【0045】
次に、
図13に示されるように、ドライエッチング技術を利用して、層間絶縁膜40を貫通するとともに、半導体基板10の表面10Bからソース領域14を貫通してボディ領域13に達するコンタクト用トレンチTR2を形成する(コンタクト用トレンチ形成工程)。
【0046】
次に、
図14に示されるように、イオン注入技術を利用して、コンタクト用トレンチTR2を介してn型不純物及びp型不純物を導入する(高濃度半導体領域形成工程、低濃度半導体領域形成工程及びSJ用半導体領域形成工程)。ドリフト領域12とボディ領域13の間の位置に対応した領域115にn型不純物が導入される。ゲート電極34bの底面に概ね対応した深さのドリフト領域12の一部の領域117にp型不純物が導入される。領域115と領域117の間であって、ドリフト領域12の一部の領域116にp型不純物が導入される。ただし、領域116に導入されるp型不純物の濃度はドリフト領域12のn型不純物の濃度よりも低い。コンタクト用トレンチTR2の底面に接する領域113bにp型不純物が導入される。このように、コンタクト用トレンチTR2を形成するためのマスクと各領域113b,115,116,117に不純物を導入するためのマスクを兼用することができる。
【0047】
次に、
図15に示されるように、アニール技術を利用して、各領域113b,115,116,117に導入された不純物を活性化し、ボディコンタクト領域13b、高濃度半導体領域15、低濃度半導体領域16、及び、SJ用半導体領域17を形成する(活性化工程)。この活性化工程において、高濃度半導体領域15に含まれるn型不純物が横方向に拡散し、トレンチゲート部30の側面にまで達する。このため、メインボディ領域13aのうちの下側部分のp型のキャリア濃度が低下する。これにより、トレンチゲート部30の側面に接する位置のメインボディ領域13aのキャリア濃度については、上側部分で濃く、下側部分で薄く調整される。メインボディ領域13aのキャリア濃度が上側部分で濃く調整されているので、半導体装置1は3V以上の閾値電圧という特性を有することができる。メインボディ領域13aのキャリア濃度が下側部分で薄く調整されているので、その部分のチャネルが実質的に消失することができる。これにより、メインボディ領域13aの実質的なチャネル長が短くなるので、半導体装置1は低いチャネル抵抗という特性を有することができる。
【0048】
次に、コンタクト用トレンチTR2内にソース電極24を形成し、半導体基板10の裏層部にドレイン領域11を形成し、半導体基板10の裏面10A上にドレイン電極22を形成する。これらの工程を経て半導体装置1が完成する。
【0049】
半導体装置1が高い閾値電圧(例えば3V以上)を有するためには、ボディ領域13を形成するために導入するp型不純物の濃度を高くしなければならない。しかしながら、このような高濃度のボディ領域13が形成されていると、熱酸化技術を利用して底部絶縁膜32aを成膜するときに、ボディ領域13に含まれるp型不純物が拡散し、ボディ領域13が深く形成される。このため、チャネル長が長くなり、半導体装置1のオン抵抗が増加することが懸念される。しかしながら、上記製造方法では、高濃度半導体領域15を活性化させるときに、高濃度半導体領域15に含まれるn型不純物が横方向に拡散することにより、ボディ領域13の実質的なチャネル長が短くなる。このように、上記製造方法は、高い閾値電圧と低いチャネル抵抗を両立させることができる。
【0050】
(第2実施形態)
図16に示されるように、第2実施形態の半導体装置2は、下部電極32bとゲート電極34bが接触しており、下部電極32bとゲート電極34bが電気的に接続されていることを特徴としている。下部電極32bがゲート電極34bに電気的に接続されていると、半導体装置2がオンしたときに、下部電極32bが対向するドリフト領域12において、キャリアの蓄積効果が発揮される。これにより、半導体装置2のオン抵抗が低下し、半導体装置2の定常損失が低減され得る。
【0051】
次に、
図17~
図19を参照して、第2実施形態の半導体装置2の製造方法を説明する。なお、
図7に示す工程までは、第1実施形態の半導体装置1の製造方法と同一である。
【0052】
次に、
図17に示されるように、エッチング技術を利用して、熱酸化膜62の一部、すなわち、ゲート用トレンチTR1の側面にゲート絶縁膜34aに相当する部分が残存するように、熱酸化膜62を除去する(ゲート絶縁膜成膜工程)。
【0053】
次に、
図18に示されるように、CVD技術を利用して、熱酸化膜62上にポリシリコン膜69を成膜する。ポリシリコン膜69の一部は、ゲート用トレンチTR1内に充填される。
【0054】
次に、
図19に示されるように、エッチング技術を利用して、ポリシリコン膜69の一部、すなわち、ゲート電極34bに相当する部分がゲート用トレンチTR1内に残存するように、ポリシリコン膜69を除去する(ゲート電極形成工程)。さらに、エッチング技術を利用して、熱酸化膜62の一部、すなわち、ゲート絶縁膜34aに相当する部分がゲート用トレンチTR1内に残存するように、熱酸化膜62を除去する。これにより、ゲート絶縁膜34aとゲート電極34bで構成される上側ゲート部34が形成される。さらに、上側ゲート部34を形成した後に、イオン注入技術を利用して、半導体基板10の表面10Bにn型不純物を導入し、ボディ領域13上にソース領域14を形成する(ソース領域形成工程)。
【0055】
この後の工程は第1実施形態の半導体装置1の製造方法と同一である。これらの工程を経て半導体装置2が完成する。
【0056】
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。また、本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成し得るものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
【符号の説明】
【0057】
1:半導体装置、 10:半導体基板、 11:ドレイン領域、 12:ドリフト領域、 13:ボディ領域、 14:ソース領域、 15:高濃度半導体領域、 16:低濃度半導体領域、 17:SJ用半導体領域、 22:ドレイン電極、 24:ソース電極、 30:トレンチゲート部、 32:下側ゲート部、 32a:底部絶縁膜、 32b:下部電極、 34:上側ゲート部、 34a:ゲート絶縁膜、 34b:ゲート電極、 40:層間絶縁膜、 TR1:ゲート用トレンチ、 TR2:コンタクト用トレンチ