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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-11
(45)【発行日】2022-10-19
(54)【発明の名称】織機の緯糸欠点判定装置
(51)【国際特許分類】
   D03D 47/30 20060101AFI20221012BHJP
【FI】
D03D47/30
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2019139310
(22)【出願日】2019-07-30
(65)【公開番号】P2021021166
(43)【公開日】2021-02-18
【審査請求日】2021-10-15
(73)【特許権者】
【識別番号】000003218
【氏名又は名称】株式会社豊田自動織機
(72)【発明者】
【氏名】濱口 真崇
【審査官】▲桑▼原 恭雄
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-115495(JP,A)
【文献】特開2019-105017(JP,A)
【文献】特開2017-75409(JP,A)
【文献】特開2017-145537(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
D03D 47/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
緯糸を緯糸飛走経路に緯入れする緯入れノズルと、
前記緯糸の緯糸測長貯留装置からの解舒を検出するバルーンセンサと、
前記緯糸飛走経路における前記緯入れノズルとは反対側で前記緯糸の到達を検出する緯糸到達センサと、
前記バルーンセンサおよび前記緯糸到達センサの検出信号の検出タイミングをそれぞれ検出する織機回転角度検出センサと、を備えた織機の緯糸欠点判定装置であって、
前記バルーンセンサにより検出される複数の解舒信号と前記緯糸到達センサにより検出される到達信号とを含む複数のセンサ信号のうち、
前記バルーンセンサにより検出されるいずれかの解舒信号を第1のセンサ信号とし、
前記第1のセンサ信号の検出タイミングに対して第1範囲が設定されるとともに、
前記第1のセンサ信号よりも後に検出される第2のセンサ信号の検出タイミングに対して第2範囲が設定され、
前記第2範囲は前記第1範囲より大きく設定され、
前記第1のセンサ信号の検出タイミングと前記第2のセンサ信号の検出タイミングとがそれぞれ対応する前記第1範囲および前記第2範囲を超えたとき、緯糸欠点が発生したと判定する判定部を備えることを特徴とする織機の緯糸欠点判定装置。
【請求項2】
前記第1のセンサ信号および前記第2のセンサ信号は、いずれも前記バルーンセンサにより検出される解舒信号であり、
前記第2のセンサ信号よりも後に検出され、前記緯糸到達センサが検出する到達信号を第3のセンサ信号とし、
前記第3のセンサ信号の検出タイミングに対して第3範囲が設定され、
前記第3範囲は、前記第2範囲より大きく設定され、
前記判定部は、前記第1のセンサ信号の検出タイミングおよび前記第2のセンサ信号の検出タイミング並びに前記第3のセンサ信号の検出タイミングのすべてがそれぞれ対応する前記第1範囲、前記第2範囲および前記第3範囲を超える場合、緯糸欠点が発生したと判定することを特徴とする請求項1記載の織機の緯糸欠点判定装置。
【請求項3】
前記第1のセンサ信号は、前記バルーンセンサにより検出される複数の解舒信号のうちの最後の解舒信号であり、
前記第2のセンサ信号は、前記緯糸到達センサが検出する到達信号であることを特徴とする請求項1記載の織機の緯糸欠点判定装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、織機の緯糸欠点判定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
織機では、緯糸の飛走ミスによる通常の緯入れミスが発生することがある。また、緯入れミスのほか、緯入れされる緯糸の太さや緯糸本数が規定値とは異なることに起因する緯糸欠点により織物欠点が生じる場合がある。
【0003】
従来では、緯糸欠点を検出するため、緯糸貯蔵装置の上流側に緯糸の太さ等を検出するためのセンサを設けていた(例えば、特許文献1を参照)。このセンサが緯糸欠点を検出すると製織を停止する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特表2014-500915号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1では、緯糸の太さ等を検出する専用のセンサを必要とするという問題がある。専用のセンサを設けると、織機の製造コストが増大するほか保守点検箇所が増加する。また、専用のセンサを設ける場合、専用のセンサに対して緯糸を正しく通す必要があるが、緯糸が正しく通されないと緯糸センサは正常に緯糸を検出しない。
【0006】
本発明は上記の問題点に鑑みてなされたもので、本発明の目的は、緯糸欠点の検出専用のセンサを必要とすることなく、緯糸欠点を判定することができる織機の緯糸欠点判定装置の提供にある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するために、本発明は、緯糸を緯糸飛走経路に緯入れする緯入れノズルと、前記緯糸の緯糸測長貯留装置からの解舒を検出するバルーンセンサと、前記緯糸飛走経路における前記緯入れノズルとは反対側で前記緯糸の到達を検出する緯糸到達センサと、前記バルーンセンサおよび前記緯糸到達センサの検出信号の検出タイミングをそれぞれ検出する織機回転角度検出センサと、を備えた織機の緯糸欠点判定装置であって、前記バルーンセンサにより検出される複数の解舒信号と前記緯糸到達センサにより検出される到達信号とを含む複数のセンサ信号のうち、前記バルーンセンサにより検出されるいずれかの解舒信号を第1のセンサ信号とし、前記第1のセンサ信号の検出タイミングに対して第1範囲が設定されるとともに、前記第1のセンサ信号よりも後に検出される第2のセンサ信号の検出タイミングに対して第2範囲が設定され、前記第2範囲は前記第1範囲より大きく設定され、前記第1のセンサ信号の検出タイミングと前記第2のセンサ信号の検出タイミングとがそれぞれ対応する前記第1範囲および前記第2範囲を超えたとき、緯糸欠点が発生したと判定する判定部を備えることを特徴とする。
【0008】
本発明では、第1のセンサ信号の検出タイミングと第2のセンサ信号の検出タイミングがそれぞれ対応する第1範囲および第2範囲を超えることは、緯糸の飛走期間における特定の期間では緯糸の遅着又は早着を示す。判定部は、第1のセンサ信号の検出タイミングと第2のセンサ信号の検出タイミングがそれぞれ対応する第1範囲および第2範囲を超えたとき、緯糸欠点が生じていると判定する。また、判定部は、第1のセンサ信号の検出タイミングと第2のセンサ信号の検出タイミングがそれぞれ対応する第1範囲および第2範囲のいずれかを超えない場合、緯糸欠点が生じていないと判定する。その結果、緯糸欠点を検出する専用のセンサを追加することなく、緯糸欠点が生じている否かを判定することができる。緯糸欠点とは、緯入れされた緯糸が規定の太さとは異なる緯糸であることや、緯入れされる緯糸の本数の過不足等により生じる欠点を意味する。
【0009】
また、上記の織機の緯糸欠点判定装置において、前記第1のセンサ信号および前記第2のセンサ信号は、いずれも前記バルーンセンサにより検出される解舒信号であり、前記第2のセンサ信号よりも後に検出され、前記緯糸到達センサが検出する到達信号を第3のセンサ信号とし、前記第3のセンサ信号の検出タイミングに対して第3範囲が設定され、前記第3範囲は、前記第2範囲より大きく設定され、前記判定部は、前記第1のセンサ信号の検出タイミングおよび前記第2のセンサ信号の検出タイミング並びに前記第3のセンサ信号の検出タイミングのすべてがそれぞれ対応する前記第1範囲、前記第2範囲および前記第3範囲を超える場合、緯糸欠点が発生したと判定する構成としてもよい。
この場合、第1のセンサ信号の検出タイミングおよび第2のセンサ信号の検出タイミング並びに第3のセンサ信号の検出タイミングのすべてがそれぞれ対応する第1範囲、第2範囲および第3範囲を超えることは、緯糸の飛走期間の殆どにおける緯糸の遅着又は早着を示す。したがって、判定部は、第1のセンサ信号の検出タイミングおよび第2のセンサ信号の検出タイミング並びに第3のセンサ信号の検出タイミングのすべてがそれぞれ対応する第1範囲および第2範囲だけでなく第3範囲を超える場合に、緯糸欠点が生じていると判定する。このため、緯糸欠点が生じている否かを確実に判定することができる。
【0010】
また、上記の織機の緯糸欠点判定装置において、前記第1のセンサ信号は、前記バルーンセンサにより検出される複数の解舒信号のうちの最後の解舒信号であり、前記第2のセンサ信号は、前記緯糸到達センサが検出する到達信号である構成としてもよい。
この場合、第1のセンサ信号は、バルーンセンサにより検出される複数の解舒信号のうちの最後の解舒信号であり、第2のセンサ信号は、緯糸到達センサが検出する到達信号である。このため、第1のセンサ信号の検出タイミングおよび第2のセンサ信号の検出タイミングがそれぞれに対応する第1範囲および第2範囲を超えることは、緯糸の飛走期間の後半以降における緯糸の遅着又は早着を示す。したがって、判定部は、第1のセンサ信号の検出タイミングおよび第2のセンサ信号の検出タイミングがそれぞれに対応する第21範囲および第2範囲のみ超える場合、緯糸欠点が生じていると判定する。例えば、2本の緯糸を緯入れして製織するとき、飛走中に1本の緯糸のみが切断すると、緯糸の飛走期間の後半以降において緯糸の早着が生じるから、判定部は、糸切れによる緯糸欠点が生じていると判定できる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、緯糸欠点の検出専用のセンサを必要とすることなく、緯糸欠点を判定することができる織機の緯糸欠点判定装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】第1の実施形態に係るエアジェット織機の緯入れ装置を示す概略図である。
図2】第1の実施形態に係るエアジェット織機における緯糸の飛走曲線を示す図である。
図3】第1の実施形態に係るエアジェット織機の緯糸欠点判定装置によって設定される範囲を示す図である。
図4】第1の実施形態に係るエアジェット織機の緯糸欠点判定装置による緯糸欠点の判定処理を示すフロー図である。
図5】変形例に係るエアジェット織機の緯糸欠点判定装置によって設定される範囲を示す図である。
図6】第2の実施形態に係るエアジェット織機における緯糸の飛走曲線を示す図である。
図7】第2の実施形態に係るエアジェット織機の緯糸欠点判定装置によって設定される範囲を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
(第1の実施形態)
以下、第1の実施形態に係る織機の緯糸欠点判定装置について図面を参照して説明する。本実施形態の織機は緯糸を圧縮空気の噴射により飛走させるエアジェット織機である。本実施形態では、緯糸を経糸開口内に緯入れして緯糸を搬送する緯入れ方向に対し、緯入れ方向とは反対側を上流、緯入れ方向側を下流とする。
【0014】
図1に示すように、エアジェット織機が備える緯入れ装置10は、緯入れノズル11、給糸部12と、緯糸測長貯留装置13と、筬14と、複数のサブノズル15と、制御装置16と、表示装置17と、を備える。
【0015】
給糸部12は、緯入れノズル11の上流側に配設されている。給糸部12は、具体的には、コーンに緯糸が巻かれた緯糸チーズであり、緯糸チーズは機台の傍らに設けたチーズスタンド(図示せず)に支持される。給糸部12の緯糸Yは、緯糸測長貯留装置13の巻付けアーム(図示せず)の回転により引き出され、緯糸測長貯留装置13に貯留される。
【0016】
緯糸測長貯留装置13は、機台の傍らにて床面に取り付けられたブラケット(図示せず)に固定されている。緯糸測長貯留装置13は、貯留ドラム18と、緯糸係止ピン19と、バルーンセンサ20と、を備えている。貯留ドラム18は緯糸Yを巻き付け状態で貯留する。緯糸係止ピン19およびバルーンセンサ20は、貯留ドラム18の周囲に配設されている。緯糸係止ピン19は、緯糸Yを貯留ドラム18に係止する進退可能なピンであり、制御装置16と電気的に接続されている。緯糸係止ピン19は、制御装置16に予め設定された織機回転角度において前進状態から後退し、貯留ドラム18に貯留された緯糸Yを解舒する。緯糸係止ピン19による緯糸Yの解舒が行われるタイミングは、緯入れ開始タイミングである。
【0017】
バルーンセンサ20は、緯糸Yの緯糸測長貯留装置13からの解舒を検出するセンサであり、制御装置16と電気的に接続されている。バルーンセンサ20は、緯入れ中に貯留ドラム18から解舒される緯糸Yを検出し、制御装置16に緯糸解舒信号を発信する。制御装置16は、予め設定された回数の緯糸解舒信号を受信すると、緯糸係止ピン19を作動する。緯糸係止ピン19は、貯留ドラム18から解舒される緯糸Yを係止し、緯入れを終了させる。なお、本実施形態では、1回の緯入れに対応する緯糸Yの巻量が3巻であるので、1回の緯入れ中に3回の緯糸解舒信号が発信される。
【0018】
なお、緯糸係止ピン19が緯糸Yを係止するための作動タイミングは、織幅TLに相当する長さの緯糸Yを貯留ドラム18に貯留するために要する巻き付け回数に応じて設定されている。本実施形態では、制御装置16は、バルーンセンサ20の緯糸解舒信号を3回受信すると、緯糸Yを係止する動作信号が緯糸係止ピン19に発信されるように設定されている。したがって、本実施形態の緯入れ装置10では、貯留ドラム18の3巻分の緯糸貯留長さに相当する緯糸Yが緯入れされる。
【0019】
ところで、エアジェット織機には、主軸の回転角度(織機回転角度)を検出するエンコーダ21を備えている。エンコーダ21は制御装置16に接続されている。バルーンセンサ20の緯糸検出信号は、制御装置16においてエンコーダ21から得られる織機回転角度信号に基づき緯糸解舒タイミングとして認識される。エンコーダ21は、バルーンセンサ20の検出信号の検出タイミングにおける織機回転角度をそれぞれ検出する織機回転角度検出センサに相当する。
【0020】
緯入れノズル11は、貯留ドラム18の緯糸Yを引き出すタンデムノズル22と、緯糸Yを緯入れするメインノズル23と、を有する。タンデムノズル22の上流側には、緯入れ終了前に、飛走する緯糸Yを制動するブレーキ24が設けられている。
【0021】
スレイ(図示せず)上には、メインノズル23、サブノズル15および筬14が配設されている。スレイはエアジェット織機の前後方向に往復揺動可能である。このため、メインノズル23、サブノズル15および筬14はスレイと共にエアジェット織機の前後方向に往復揺動する。タンデムノズル22およびブレーキ24は、エアジェット織機の機台(図示せず)に取り付けられたブラケット(図示せず)等に固定されている。
【0022】
筬14には緯糸Yが飛走する経路である緯糸飛走経路25が形成されている。緯糸飛走経路25の下流側には緯糸到達センサとしてのエンドセンサ26が備えられている。エンドセンサ26は織幅TLよりも下流側に配置されている。よって、エンドセンサ26は、緯糸飛走経路25におけるメインノズル23とは反対側の織幅TLの外に配置されている。エンドセンサ26は、緯糸Yが正常に緯入れされた状態で、貯留ドラム18の3巻分の緯糸貯留長さに相当する緯糸Yの先端位置が、エンドセンサ26の検出位置となるように、織幅TLの外に配置されている。
【0023】
図1に示すように、エンドセンサ26は、制御装置16と電気的に接続されている。また、エンドセンサ26の緯糸検出信号は、緯糸Yの到達信号であり、制御装置16において、エンコーダ21から得られる織機回転角度信号に基づき、緯入れされた緯糸Yの先端がエンドセンサ26の検出位置に到達した緯糸先端到達タイミングTWとして認識される。
【0024】
エンドセンサ26よりも上流側の織幅TL内の緯糸飛走経路25には、緯糸到達センサとしての織幅内センサ27が備えられている。織幅内センサ27は、緯糸飛走経路25における織幅TLの中央よりもメインノズル23とは反対側に位置する。したがって、織幅内センサ27はエンドセンサ26に近い位置に備えられている。織幅内センサ27は、緯糸Yが正常に緯入れされた状態で、緯糸Yの先端を検出できるように織幅TL内に備えられている。織幅内センサ27は制御装置16と電気的に接続されている。織幅内センサ27による緯糸検出信号は、制御装置16において、エンコーダ21から得られる織機回転角度信号に基づき、緯入れされた緯糸Yの先端が織幅内センサ27の検出位置に到達した緯糸中間到達タイミングとして認識される。
【0025】
メインノズル23は、配管32を介してメインバルブ31に接続されている。メインバルブ31は、メインノズル23への圧縮エアの供給、停止を行うバルブである。メインバルブ31は、配管34を介してメインエアタンク33に接続されている。タンデムノズル22は、配管36を介してタンデムバルブ35に接続されている。タンデムバルブ35は、タンデムノズル22への圧縮エアの供給、停止を行うバルブである。タンデムバルブ35は、配管38を介してメインバルブ31と共通のメインエアタンク33に接続されている。
【0026】
メインエアタンク33は、メイン圧力計39、メインレギュレータ40、元圧力計41およびエアフィルタ42を介して、織布工場に設置された共通のエアコンプレッサ43に接続されている。メインエアタンク33は、エアコンプレッサ43から供給され、メインレギュレータ40により設定圧力に調整された圧縮エアを貯蔵する。メイン圧力計39はメインエアタンク33に供給される圧縮エアの圧力を常時検出する。
【0027】
サブノズル15は複数のサブノズル群に分けられるが、本実施形態では、6個のサブノズル群に分けられている。各サブノズル群は4本のサブノズル15を有している。各サブノズル群に対応して6個のサブバルブ44が配設されている。サブバルブ44は各サブバルブ群のサブノズル15に圧縮エアを供給するバルブである。各群のサブノズル15は、それぞれ配管45を介して各サブバルブ44に接続されている。各サブバルブ44は、共通のサブエアタンク46に接続されている。
【0028】
サブエアタンク46は、サブ圧力計47を介してサブレギュレータ48に接続されている。また、サブレギュレータ48は、配管49により、メイン圧力計39とメインレギュレータ40とを接続している配管50に接続されている。サブエアタンク46は、エアコンプレッサ43から供給され、サブレギュレータ48により設定圧力に調整された圧縮エアを貯蔵する。また、サブ圧力計47は、サブエアタンク46に供給される圧縮エアの圧力を常時検出する。
【0029】
メインバルブ31、タンデムバルブ35、サブバルブ44、元圧力計41、メイン圧力計39、サブ圧力計47およびブレーキ24は、制御装置16と電気的に接続されている。制御装置16には、メインバルブ31、タンデムバルブ35、サブバルブ44およびブレーキ24を作動するための作動タイミングや作動期間が予め設定されている。また、制御装置16は、元圧力計41、メイン圧力計39およびサブ圧力計47の検出信号を受信する。
【0030】
メインバルブ31およびタンデムバルブ35には、緯糸係止ピン19が作動する緯入れ開始タイミングよりも早いタイミングで制御装置16から作動指令信号が出力され、メインノズル23およびタンデムノズル22から圧縮エアが噴射される。ブレーキ24には、緯糸係止ピン19が作動して貯留ドラム18の緯糸Yを係止する緯糸先端到達タイミングTWよりも早い時期に制御装置16から作動指令信号が出力される。ブレーキ24は、高速で飛走する緯糸Yを制動して緯糸Yの飛走速度を低下させ、緯糸先端到達タイミングTWにおける緯糸Yの衝撃を緩和する。
【0031】
制御装置16には、各種の織物条件および製織条件が登録され、記憶されている。織物条件としては、例えば、緯糸Yに使用する糸の材質、番手等の緯糸種類、緯糸密度、経糸に使用する糸の材質、番手等の経糸種類、経糸密度、織幅、織物組織等が含まれている。製織条件としては、例えば、エアジェット織機の回転数、メインエアタンク33およびサブエアタンク46の圧縮エアの圧力、メインバルブ31およびタンデムバルブ35の開度、緯入れ開始タイミング、目標緯糸先端到達タイミング等が含まれる。
【0032】
表示装置17は表示機能および入力を有しており、例えば、各種の織物条件および製織条件を表示するほか、これらの条件を入力操作により設定したり、変更したりすることが可能である。また、表示装置17は、製織中に異常が発生すると警告を表示することも可能である。
【0033】
ところで、本実施形態では、貯留ドラム18から緯糸Yが解舒されるとき、バルーンセンサ20は3回の緯糸解舒信号を発信する。このため、制御装置16において、1回目の緯糸解舒信号の検出時にエンコーダ21から得られる織機回転角度信号に基づき、1回目の緯糸解舒時のタイミングTb1が認識されている。同様に、制御装置16において、2回目、3回目の緯糸解舒信号の検出時にエンコーダ21から得られる織機回転角度信号に基づき、2回目の緯糸解舒時のタイミングTb2と3回目の緯糸解舒時のタイミングTb3が認識されている。本実施形態では、バルーンセンサ20による2回目の緯糸解舒信号は第1のセンサ信号に相当し、バルーンセンサ20による3回目の緯糸解舒信号は第2のセンサ信号に相当する。
【0034】
また、制御装置16において、エンコーダ21から得られる織機回転角度信号に基づき、緯入れされた緯糸Yの先端がエンドセンサ26の検出位置に到達した緯糸先端到達タイミングTWが認識されている。本実施形態では、エンドセンサ26による緯糸検出信号は第3のセンサ信号に相当する。
【0035】
緯入れされた緯糸Yが緯糸の太さや緯糸本数に起因する緯糸欠点を生じるような異常緯糸でない場合、緯糸の飛走曲線は、例えば、図2に示す実線の飛走曲線M1となる。緯入れされた緯糸Yが異常緯糸であると、例えば、図2に示す一点鎖線の飛走曲線M2又は二点鎖線に示す飛走曲線M3となる。なお、緯糸欠点とは、緯入れされた緯糸Yが規定の太さとは異なる緯糸であることや、緯入れされる緯糸Yの本数の過不足等により生じる欠点を意味する。
【0036】
図2における一点鎖線の飛走曲線M2は、緯糸Yが規定値より太いか若しくは緯糸Yの本数が多い場合の飛走曲線の例であり、太さや緯糸本数に異常が生じていない緯糸Yの飛走曲線M1と比べて、緯糸Yの飛走は飛走期間において全体的に遅れている。図2における二点鎖線の飛走曲線M3は、緯糸Yが規定値より細いか緯糸Yの本数が少ない場合の飛走曲線の例であり、太さや緯糸本数に異常が生じていない緯糸Yの飛走曲線M1と比べて、飛走期間において全体的に早まっている。つまり、緯糸の早着が生じている。
【0037】
本実施形態の制御装置16は、緯糸欠点が生じているか否かを判定する。図3に示すように、制御装置16は、タイミングTb2に対する第1範囲(±α)と、タイミングTb3に対する第2範囲(±β)と、タイミングTWに対する第3範囲(±γ)と、を設定している。つまり、制御装置16では、バルーンセンサ20により検出される複数の解舒信号とエンドセンサ26により検出される到達信号とを含む複数のセンサ信号のうち、第1のセンサ信号の検出タイミング(タイミングTb2)に対する第1範囲と、第1のセンサ信号よりも後に検出される第2のセンサ信号の検出タイミング(タイミングTb3)に対する第2範囲と、第2のセンサ信号よりも後に検出される第3のセンサ信号の検出タイミング(タイミングTW)に対する第3範囲が設定されている。
【0038】
本実施形態では、第1範囲、第2範囲および第3範囲はいずれも織機回転角度で設定される。第1範囲、第2範囲および第3範囲は、過去の製織データ等によって経験的に設定される。なお、タイミングTb1は1回目の緯糸解舒時のタイミングであるため、範囲を設定する対象のタイミングとしていない。
【0039】
第2範囲(±β)は、第1範囲(±α)より大きく、第3範囲(±γ)は、第2範囲(±β)よりも大きく設定されている(α<β<γ)。この条件に基づき、制御装置16は、緯糸欠点生じているか否かを判定する。
【0040】
制御装置16は、図4のフロー図に示す一連のステップ(S01~S07)を処理する。制御装置16は、タイミングTb2が第1範囲を超えるとともに、タイミングTb3が第2範囲を超え、さらに、タイミングTWが第3範囲を超えるとき、緯糸欠点が生じていると判定する(ステップS01~S04を参照)。制御装置16は、タイミングTb2、Tb3、TWのいずれか一つがでもそれぞれ対応する第1範囲、第2範囲又は第3範囲を超えない場合には、緯糸欠点が生じていないと判定する(ステップS07を参照)。
【0041】
緯糸欠点が生じていると判定したとき、制御装置16は緯糸欠点が生じている旨の警告を表示装置17に表示させる(ステップS05を参照)。さらに、制御装置16はエアジェット織機の運転を停止する(ステップS06を参照)。制御装置16は、緯糸欠点の緯糸が生じていないと判定したときは処理を終了する。
【0042】
因みに、緯糸Yの先端の緩みによる飛走ミスの場合、タイミングTWは第3範囲を超えるが、タイミングTb2は第1範囲を超えず、タイミングTb3も第2範囲を超えない。この場合、タイミングTb2、Tb3では緯糸Yは遅れなく解舒されているが、緯糸Yの先端の緩みによってエンドセンサ26に検出されるタイミングTWのみ遅れる。このため、範囲逸脱がタイミングTb2、Tb3でも生じる緯糸欠点との区別が可能である。
【0043】
このように、本実施形態のエアジェット織機の緯糸欠点判定装置は、緯入れノズル11と、バルーンセンサ20と、エンドセンサ26と、を備えている。そして、エアジェット織機の緯糸欠点判定装置では、バルーンセンサ20により検出される複数の解舒信号とエンドセンサ26により検出される到達信号とを含む複数のセンサ信号のうち、第1範囲(±α)、第2範囲(±β)および第3範囲(±γ)が設定されている。そして、第2範囲(±β)は第1範囲(±α)より大きく設定されるとともに、第3範囲(±γ)は第2範囲より大きく設定されている。さらに、エアジェット織機の緯糸欠点判定装置は、タイミングTb2、Tb3、TWのすべてがそれぞれ対応する第1範囲、第2範囲および第3範囲を超える場合、緯糸欠点が生じていると判定する制御装置16を備える。
【0044】
次に、本実施形態のエアジェット織機の緯糸欠点判定装置について説明する。緯糸欠点が生じていない場合、図2に示すように、タイミングTb2は、第1範囲を超えることはない。そして、タイミングTb3は第2範囲を超えない。また、先端の緩み等の飛走ミスがなければタイミングTWは第3範囲を超えない。
【0045】
次に、緯糸欠点が生じている場合について説明する。例えば、給糸部12としての緯糸チーズの取違い等により、緯入れすべき緯糸よりも太い緯糸Yが緯入れされると、タイミングTb2が第1範囲(±α)を超える。そして、タイミングTb3が第2範囲(±β)を超え、さらに、タイミングTWが第3範囲(±γ)を超える。
【0046】
このため、図2の一点鎖線により示す飛走曲線M2のように、緯入れされる緯糸Yは、飛走曲線M1の緯糸と比較すると飛走期間において全体的に遅れる。つまり、緯糸の遅着が生じている。この場合、制御装置16は、緯糸欠点が生じていると判定し、緯糸欠点が生じている旨の警告を表示装置17に表示させるとともにエアジェット織機の運転を停止する。なお、1本緯入れすべき緯糸Yが何らかの理由で2本緯入れされた場合も、緯糸Yが太い場合の飛走曲線M2と同様の飛走曲線となり、制御装置16は、緯糸欠点が生じていると判定する。
【0047】
次に、例えば、緯入れすべき緯糸Yよりも細い緯糸が緯入れされる場合について説明する。緯入れすべき緯糸Yよりも細い緯糸が緯入れされると、タイミングTb2が第1範囲(±α)を超える。そして、タイミングTb3が第2範囲(±β)を超え、さらに、タイミングTWが第3範囲(±γ)を超える。
【0048】
このため、図2の二点鎖線に示す飛走曲線M3のように、緯入れされる緯糸Yは、飛走曲線M1の緯糸と比較すると飛走期間において全体的に早まる。つまり、緯糸の早着が生じている。この場合、制御装置16は、緯糸欠点が発生していると判定し、緯糸欠点が発生している旨の警告を表示装置17に表示させるとともにエアジェット織機の運転を停止する。
【0049】
本実施形態に係るエアジェット織機の緯糸欠点判定装置は、以下の作用効果を奏する。
(1)タイミングTb2、Tb3、TWがそれぞれ第1範囲(±α)、第2範囲(±β)および第3範囲(±γ)を超えることは、緯糸の飛走期間全体における緯糸Yの遅着又は早着を示す。判定部としての制御装置16は、タイミングTb2、Tb3、TWがそれぞれ第1範囲(±α)、第2範囲(±β)および第3範囲(±γ)を超える場合、緯糸欠点が発生していると判定する。また、制御装置16は、タイミングTb2、Tb3、TWのいずれか一つが対応する第1範囲、第2範囲または第3範囲を超えない場合、緯糸欠点が生じていないと判定する。その結果、緯糸欠点を検出する専用のセンサを追加することなく、緯糸欠点生じているか否かを判定することができる。
【0050】
(2)制御装置16は、タイミングTb2、Tb3、TWがそれぞれ対応する第1範囲(±α)、第2範囲(±β)および第3範囲(±γ)を超える場合、緯糸欠点が発生していると判定するので、緯糸Yの飛走ミスによる緯入れ異常や緯糸の先端緩みによる先端部の遅れによる異常と区別することができる。このため、緯糸欠点が生じているか否かをより確実に判定することができる。
【0051】
(3)制御装置16は、タイミングTb2、Tb3、TWがそれぞれ対応する第1範囲(±α)、第2範囲(±β)および第3範囲(±γ)を超える場合に、緯糸欠点が生じていると判定する。このため、タイミングTb2、Tb3、TWのいずれか2つのみで緯糸欠点が発生していると制御装置16が判定するようにした場合と比べると、各検出タイミングの誤差による誤判定を抑制しやすい。
【0052】
(変形例)
第1の実施形態では、第1範囲(±α)、第2範囲(±β)および第3範囲(±γ)は、織機回転角度で設定したが、本変形例では、図5に示すように、緯入れされた緯糸の検出タイミングの過去データを母集団とし、標準偏差σnを用いて各範囲を設定する。本変形例では、タイミングTb2に対して第1範囲(±5σ1)が設定される。同様に、タイミングTb3に対して第2範囲(±5σ2)が設定され、タイミングTWに対して第3範囲(±5σ3)が設定される。
【0053】
経験的に、緯入れが進むにつれて検出タイミングの標準偏差σnの値が大きくなることが知られており、第2範囲(±5σ2)は、第1範囲(±5σ1)より大きく、第3範囲(±5σ3)は、第2範囲(±5σ2)よりも大きい。制御装置16は、タイミングTb2、Tb3、TWがそれぞれ第1範囲(±5σ1)、第2範囲(±5σ2)および第3範囲(±5σ3)を超える場合、緯糸欠点が生じていると判定する。変形例によれば、織機回転角度で範囲を設定することなく、緯糸欠点が生じているか否かを判定することができる。なお、いずれの範囲も標準偏差σnに乗ずる定数を5としたが、定数は諸条件に応じて変更してもよい。
【0054】
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態に係るエアジェット織機の緯糸欠点判定装置について説明する。本実施形態では、緯糸を2本同時に緯入する点で第1の実施形態と相違する。本実施形態における各部の構成は、第1の実施形態と同じ構成であるため第1の実施形態の説明を援用し、共通の符号を用いる。
【0055】
本実施形態のエアジェット織機は2本の緯糸Yを同時に緯入れする構成である。図示はしないが、一対の給糸部12と、一対の給糸部12に対応して2本の緯糸を測長して貯留する1台の緯糸測長貯留装置13と、を備える。したがって、本実施形態の緯入れ装置10は、互いにタイミングを合わせて緯糸測長貯留装置13に貯留し、2本の緯糸Yを同時に解舒して緯入れする。
【0056】
この場合、同時に緯入れされる2本の緯糸Yの飛走曲線は、図6の実線に示すように、第1の実施形態の飛走曲線M1と同様の飛走曲線M4となる。2本の緯糸Yを緯入れするエアジェット織機では、2本の緯糸Yの飛走中にいずれか1本の緯糸Yが切断されてしまう場合がある。2本の緯糸Yの飛走中にいずれか1本の緯糸Yが切断されたときの飛走曲線は、例えば、図6の点線にて示す飛走曲線M5となる。この場合、タイミングTb2付近までは2本の緯糸Yが飛走している状態であるため、タイミングTb2付近までは実線の飛走曲線M4と同じであり、タイミングTb2付近から緯糸Yの早まりが示される。つまり、飛走期間の特定の期間(主に後半)にて緯糸Yの早着が生じている。なお、次の緯入れでは2本の緯糸Yが正常に緯入れされる確率が高い。
【0057】
図6の二点鎖線にて示す飛走曲線M6は、例えば、何らかの理由によって2本の緯糸Yの緯入れの途中で緯糸が3本となって緯入れされる飛走曲線の例である。この場合、タイミングTb2付近までは2本の緯糸Yが飛走している状態であるため、タイミングTb2付近までは実線の飛走曲線M4と同じであり、タイミングTb2付近から緯糸の遅れが示される。つまり、飛走期間の特定の期間(主に後半)にて検出タイミングの遅れが生じている。
【0058】
本実施形態では、図7に示すように、制御装置16は、タイミングTb3に対する第1範囲(±α)と、タイミングTWに対する第2範囲(±β)と、を設定している。本実施形態では、タイミングTb2を除くタイミングTb3(最後の解舒信号の検出タイミング)およびタイミングTWを判定のための材料としている。つまり、タイミングTb2は緯糸欠点が生じているか否かの判定には用いられない。
【0059】
タイミングTb3、TWは、飛走期間の後半に相当するので、タイミングTb3に対する第1範囲(±α)と、タイミングTWに対する第2範囲(±β)と、を用いて判定することは、飛走途中の緯糸の糸切れを検出する上で有効である。また、太さが異なる緯糸が緯入れされる場合と違って、次の緯入れでは2本の緯糸が正常に緯入れされる確率が高い。このため、糸切れによる緯糸欠点が生じていることを確実かつ速やかに判定する必要があり、本実施形態では、糸切れによる緯糸欠点が生じていることを確実かつ速やかに判定できる。
【0060】
なお、2本の緯糸Yの緯入れであっても、緯入れされるべき緯糸Yよりも太い緯糸が緯入れされるか、あるいは、緯糸本数が、例えば、緯入れ当初から緯糸Yが3本である場合には、例えば、第1の実施形態と同様に、図2の一点鎖線に示す飛走曲線M2のように緯糸Yは飛走期間において全体的に遅れる。逆に、緯入れされるべき緯糸Yよりも細い緯糸が緯入れされたり、あるいは、緯糸本数が、例えば、緯入れ当初から緯糸Yが1本であったりする場合には、第1の実施形態と同様に、図2の二点鎖線に示す飛走曲線M3のように緯糸は飛走期間において全体的に早まる。
【0061】
本実施形態によれば、2本の緯糸Yを緯入れして製織するとき、飛走中に1本の緯糸Yのみが切断すると、緯糸Yの飛走期間の後半以降において緯糸Yの早着が生じる。このため、制御装置16は、飛走中の糸切れによる緯糸欠点が生じていることを確実かつ速やかに判定できる。
【0062】
なお、上記の実施形態(変形例を含む)は、本発明の一実施形態を示すものであり、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、下記のように発明の趣旨の範囲内で種々の変更が可能である。
【0063】
○ 上記の実施形態では、エンドセンサ26の到達信号に基づき緯糸欠点を判定したが、エンドセンサ26に代えて織幅内センサ27の信号に基づき緯糸欠点を判定してもよい。この場合、織幅内センサ27の信号はバルーンセンサ20の最後の解舒信号よりも後に発信されるように織幅内センサ27はエンドセンサ26に近い位置が好ましい。
○ 上記の実施形態(変形例を含む)では、バルーンセンサ20が検出する緯糸解舒回数を3回としたが、バルーンセンサ20が検出する緯糸解舒回数は3回に限定されない。バルーンセンサ20が検出する緯糸解舒回数は織幅に応じて3~6回としてもよい。この場合、第1の解舒信号~第3の解舒信号だけでなく、第4の解舒信号以降の解舒信号に基づき緯糸欠点を判定してもよい。
○ 上記の第1の実施形態(変形例を含む)では、飛走期間において緯糸が全体的に遅れた例や早まった例を説明したが、これに限らない。例えば、飛走期間の途中から緯糸が2本になって緯入れされる場合もあり得る。飛走期間の途中から緯糸が2本になって緯入れされる場合、図6の二点鎖線にて示す飛走曲線M6と同様の飛走曲線となり、判定部は、緯糸欠点を判定することができる。
○ 上記の第1の実施形態(変形例を含む)では、第1のセンサ信号としてタイミングTb2におけるバルーンセンサ20の解舒信号とし、第2のセンサ信号としてタイミングTb3におけるバルーンセンサ20の解舒信号とし、第3のセンサ信号としてタイミングTWにおけるエンドセンサ26の到達信号としたがこの限りではない。例えば、第1のセンサ信号と第2のセンサ信号のみ基づき緯糸欠点を判定してもよく、また、その場合に、第2のセンサ信号として緯糸検出センサ(タイミングTWにおけるエンドセンサ26又は緯糸中間到達タイミングの織幅内センサ27)の到達信号を用いてよい。
【符号の説明】
【0064】
10 緯入れ装置
11 緯入れノズル
12 給糸部
13 緯糸測長貯留装置
14 筬
15 サブノズル
16 制御装置
17 表示装置
18 貯留ドラム
20 バルーンセンサ
21 エンコーダ
25 緯糸飛走経路
26 エンドセンサ
27 織幅内センサ
Y 緯糸
TL 織幅
Tb1、Tb2、Tb3 緯糸解舒タイミング
TW 緯糸先端到達タイミング
M1、M2、M3、M4、M5、M6 飛走曲線
S01、S02、S03、S04、S05、S06、S07 ステップ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7