(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-11
(45)【発行日】2022-10-19
(54)【発明の名称】電子部品連および電子部品連の製造方法
(51)【国際特許分類】
B65D 85/90 20060101AFI20221012BHJP
B65D 85/86 20060101ALI20221012BHJP
B65D 73/02 20060101ALI20221012BHJP
【FI】
B65D85/90 300
B65D85/86 300
B65D73/02 H
(21)【出願番号】P 2019184235
(22)【出願日】2019-10-07
【審査請求日】2021-04-30
(73)【特許権者】
【識別番号】000006231
【氏名又は名称】株式会社村田製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100079577
【氏名又は名称】岡田 全啓
(74)【代理人】
【識別番号】100167966
【氏名又は名称】扇谷 一
(72)【発明者】
【氏名】清水 保弘
【審査官】佐藤 正宗
(56)【参考文献】
【文献】実開昭60-151199(JP,U)
【文献】特開2012-136273(JP,A)
【文献】特開2000-281013(JP,A)
【文献】特開2014-205511(JP,A)
【文献】実開平06-034249(JP,U)
【文献】中国実用新案第202923906(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 85/90
B65D 85/86
B65D 73/02
H01K 13/02
B65B 15/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の収納凹部が長手方向に沿って形成された平面形状が長尺状の紙製のベーステープと、
複数の電子部品と、
カバーテープと、
を備えた電子部品連において、
前記電子部品連は、
前記収納凹部に前記電子部品を収納して、前記収納凹部の開口部を前記カバーテープにより覆うように接着した第1接着部と、
前記収納凹部に前記電子部品を収納
していない前記収納凹部の開口部
の一部を前記カバーテープにより覆うように接着した第2接着部と、
前記収納凹部に前記電子部品を収納していない前記収納凹部の開口部の他の部分を前記カバーテープにより覆うように接着していない非接着部と、
を備え、
前記第1接着部のピール強度は、0.2N以上0.5N以下であり、
前記第2接着部のピール強度は、
0.02N以上0.35N以下ある、電子部品連。
【請求項2】
前記第2接着部の長さは、
100mm以上120mm
以下である、請求項
1に記載の電子部品連。
【請求項3】
前記ベーステープの長さ方向において、前記第2接着部の単位長さ当たりの接着面積は、前記第1接着部の単位長さ当たりの接着面
積より小さい、請求項1
または請求項
2に記載の電子部品連。
【請求項4】
複数の収納凹部が長軸方向に沿って形成された平面形状が長尺状の紙製のベーステープと、
複数の電子部品と、
カバーテープと、
を備えた電子部品連の製造方法であって、
前記電子部品連の製造方法は、
前記収納凹部に前記電子部品を収納した前記収納凹部の開口部を前記カバーテープにより覆う第1工程と、
前記第1工程で覆った前記カバーテープを
前記ベーステープ
の第1接着部に接着する第2工程と、
前記収納凹部に前記電子部品を収納
していない前記収納凹部の開口部を前記カバーテープにより覆う第3工程と、
前記第3工程で覆った前記カバーテープを
前記ベーステープ
の第2接着部に接着する第4工程と、
を有し、
前記ベーステープの長さ方向において、前記第2接着部の単位長さ当たりの接着面積は、前記第1接着部の単位長さ当たりの接着面積より小さく、
前記第4工程
において接着される前記第2接着部のピール強度は、前記第2工程
において接着される前記第1接着部のピール強度よりも小さい、電子部品連の製造方法。
【請求項5】
第2工程、および第4工程における接着は
コテを用いた熱処理により行われ、
前記第2工程における前記コテによる前記熱処理の時間をt
1
としたとき、前記第2工程における前記熱処理の時間t
1
は、1ms≦t
1
≦5msであり、
前記第4工程における前記コテによる前記熱処理の時間をt
2
としたとき、前記第4工程における前記熱処理の時間t2は、0.1×t
1
≦t
2
≦0.7×t
1
である、請求項
4に記載の電子部品連の製造方法。
【請求項6】
第2工程、および第4工程における接着は
コテを用いた熱処理により行われ、
前記第2工程における前記コテによる押圧をPF1としたとき、前記押圧PF1は、20N≦PF1≦40Nであり、
前記第4工程における前記コテによる押圧をPF2としたとき、前記押圧PF2は、0.1×PF1≦PF2≦0.7×PF1である、請求項
4に記載の電子部品連の製造方法。
【請求項7】
第2工程、および第4工程における接着は
コテを用いた熱処理により行われ、
前記第2工程における前記コテによる前記熱処理の温度をT1としたとき、前記熱処理の温度T1は、160℃≦T1≦230℃であり、
前記第4工程における前記コテによる前記熱処理温度をT2としたとき、前記熱処理の温度T2は、T1≧T2である、請求項
4に記載の電子部品連の製造方法。
【請求項8】
第2工程、および第4工程における接着は
コテを用いた熱処理により行われ、
前記第4工程
における熱処理時の
前記コテによる押圧面積は、前記第2工程
における熱処理時の
前記コテによる押圧面積
より小さい、請求項
4に記載の電子部品連の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、電子部品を収納した電子部品連および電子部品連の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、各種の電子機器の製造工程において、回路基板に対して各種の電子部品を実装するために実装機が使用されている。この実装機には、電子部品が収納された電子部品連が巻き回されたリールの状態でセットされる。この電子部品連は、電子部品を収納するための収納凹部が形成されたベーステープとその収納凹部を覆うためのカバーテープにより構成される。ベーステープには、木材パルプを主原料とする紙製のものがあり、このベーステープは、多層に構成されている。
【0003】
このような電子部品連が巻き回されたリールを実装機のテープフィーダーにセットする際に、作業者は、電子部品連の先端に位置しており電子部品が収納凹部に収納されているリーダー部の位置まで、カバーテープを手作業で剥離する必要がある。このリーダー部は、リール巻回状態では、最外周に位置しているため、外部環境(温度、湿度)や取扱い作業(応力)による影響を受けやすく、他の箇所よりもピール強度が経時的に上昇しやすい傾向がある。
このため、このような作業者の手作業において、カバーテープのピール角度やピール速度によっては、カバーテープのリーダー部における剥離時にベーステープの上層部ごと剥離してしまうトラブルが生じてしまう。そうすると、実装機はエラー状態となり、もはや電子部品を実装することができず、再度、新たなリールをセットしなければならなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
一般に、実装機に対してこのようなエラーを生じさせるベーステープの上層部の剥離は、カバーテープの剥離時の毛羽が起点となると考えられている。そこで、このようなベーステープの上層部の剥離を抑制するために、特許文献1に記載されるような紙製のキャリアテープが提案されている(特許文献1を参照)。
【0006】
特許文献1に記載のキャリアテープ紙は、紙テープ材料の「広葉樹パルプ(L材)と針葉樹パルプ(N材)の配合」等を調整して、毛羽立ち抑制とカバーテープの安定した接着性の両立を図っている。そして、広葉樹パルプ/針葉樹パルプ原料の比率が80/20~100/0とすることによって、毛羽立ちおよびカバーテープの安定した接着性を得ている。このように、ベーステープの上層部の剥離を抑制するためには、N材の比率が比較的低くなるように、ベーステープのパルプ配合比率を管理する必要があった。
【0007】
それゆえに、この発明の主たる目的は、N/L材の配合比率に依存することなく、カバーテープをベーステープから剥離しても、ベーステープの上層部の剥離を抑制しうる電子部品連および電子部品連の製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明に係る電子部品連は、複数の収納凹部が長手方向に沿って形成された平面形状が略長尺状の紙製のベーステープと、複数の電子部品と、カバーテープと、を備え、電子部品連は、収納凹部に電子部品を収納して、収納凹部の開口部をカバーテープにより覆うように接着した第1接着部と、収納凹部に電子部品を収納していない収納凹部の開口部の一部をカバーテープにより覆うように接着した第2接着部と、収納凹部に電子部品を収納していない収納凹部の開口部の他の部分をカバーテープにより覆うように接着していない非接着部と、を備え、第1接着部のピール強度は、0.2N以上0.5N以下であり、第2接着部のピール強度は、0.02N以上0.35N以下である。
【0009】
この発明に係る電子部品連によれば、第1接着部のピール強度は、0.2N以上0.5N以下であり、第2接着部のピール強度は、0.02N以上0.35N以下であるので、カバーテープを剥離しても上層部が剥離しにくい。
【0010】
この発明に係る電子部品連の製造方法は、複数の収納凹部が長軸方向に沿って形成された平面形状が略長尺状の紙製のベーステープと、複数の電子部品と、カバーテープと、を備え、電子部品連の製造方法は、収納凹部に電子部品を収納した収納凹部の開口部をカバーテープにより覆う第1工程と、第1工程で覆ったカバーテープをベーステープの第1接着部に接着する第2工程と、収納凹部に電子部品を収納せず収納凹部の開口部をカバーテープにより覆う第3工程と、第3工程で覆ったカバーテープをベーステープの第2接着部に接着する第4工程と、を有し、ベーステープの長さ方向において、第2接着部の単位長さ当たりの接着面積は、第1接着部の単位長さ当たりの接着面積より小さく、第4工程において接着される第2接着部のピール強度は、第2工程において接着される第1接着部のピール強度よりも小さい。
【0011】
この発明に係る電子部品連の製造方法によれば、ベーステープの長さ方向において、第2接着部の単位長さ当たりの接着面積は、第1接着部の単位長さ当たりの接着面積より小さく、第4工程において接着される第2接着部のピール強度は、第2工程において接着される第1接着部のピール強度よりも小さいので、カバーテープを剥離しても上層部が剥離しにくい電子部品連を製造することができる。
【発明の効果】
【0012】
この発明によれば、N/L材の配合比率に依存することなく、カバーテープをベーステープから剥離しても、ベーステープの上層部の剥離を抑制しうる電子部品連および電子部品連の製造方法が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】第1の実施の形態にかかる電子部品連を示す平面図である。
【
図2】
図1に示す電子部品連の線II-IIにおける断面図である。
【
図3】(a)は、第1の実施の形態にかかる電子部品連の一部を拡大した平面図であり、(b)は、その透視側面図である。
【
図4】
図3に示す電子部品連の線IV-IVにおける断面図である。
【
図5】
図3に示す電子部品連の線V-Vにおける断面図である。
【
図6】
図3に示す電子部品連の線VI-VIにおける断面図である。
【
図7】第2の実施の形態にかかる電子部品連を示す平面図である。
【
図8】第1の実施の形態にかかる電子部品連の製造方法の工程を示すフローチャート図である。
【
図9】第1の実施の形態にかかる電子部品連の製造工程において、カバーシートにコテを押し当てている状態を示す平面図である。
【
図10】
図9に示す電子部品連の製造工程において、カバーシートにコテを押し当てている状態を示す図の線X-Xにおける断面図である。
【
図11】(a)ないし(d)は、第1の実施の形態にかかる電子部品連の製造方法の各工程を説明するための説明図である。
【
図12】第2の実施の形態にかかる電子部品連の製造工程において、カバーシートに第1のコテおよび第2のコテを押し当てている状態を示す平面図である。
【
図13】
図12に示す電子部品連の製造工程において、カバーシートに第1のコテを押し当てている状態を示す図の線XIII-XIIIにおける断面図である。
【
図14】
図12に示す電子部品連の製造工程において、カバーシートに第2のコテを押し当てている状態を示す図の線XIV-XIVにおける断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
1.電子部品連
(a)第1の実施の形態
図1は、第1の実施の形態にかかる電子部品連を示す平面図である。
図2は、
図1に示す電子部品連の線II-IIにおける断面図である。
図3(a)は、第1の実施の形態にかかる電子部品連の一部を拡大した平面図であり、(b)は、その透視側面図である。
図4は、
図3に示す電子部品連の線IV-IVにおける断面図である。
図5は、
図3に示す電子部品連の線V-Vにおける断面図である。
図6は、
図3に示す電子部品連の線VI-VIにおける断面図である。
【0015】
第1の実施形態の電子部品連10は、
図1および
図2に示すように、電子部品包装体12と、電子部品14と、を含む。
この電子部品連10は、図示しないリールに巻き回されている。そして、リールに巻き回された電子部品連10において、そのリールの最外周側に位置する先端部分(以下、電子部品連の先端部分ともいう)の構成について、以下、説明する。
【0016】
電子部品包装体12は、電子部品14を内部に充填するベーステープ16と、ベーステープ16の上面の少なくとも大部分と接着するカバーテープ18と、を備える。
【0017】
ここで、ベーステープ16の長尺状に延びる方向を長さ方向とし、短手方向を幅方向とする。また、長さ方向と幅方向とに直交する方向を上下方向とする。
【0018】
ベーステープ16は、表面層、裏面層および表面層と裏面層との間に位置する中間層の3層以上の層による多層構造である。各層は、木材パルプを主原料とする多層板紙である。そして、広葉樹パルプ(L材)と針葉樹パルプ(N材)との配合比率(N/L材比率)として、N材の配合比率は、10%以上20%以下が好ましいが、10%以下でもよい。
【0019】
ベーステープ16は、平面形状が略長尺状である。ベーステープ16の内部には、断面形状が略凹形状である収納凹部20が複数設けられる。収納凹部20は、ベーステープ16の長さ方向において、所定の間隔を置いて、一列に並ぶように設けられている。収納凹部20は、ベーステープ16の幅方向において一方側に偏って配置されている。収納凹部20の内部には、略直方体状の空間が形成されている。収納凹部20は、平面形状が略長方形状であり、複数の収納凹部20の開口部34が設けられる。
【0020】
ベーステープ16には、その長さ方向において、所定の間隔を置いて、一列に並ぶように送り孔22が設けられている。送り孔22は、ベーステープ16の幅方向において他方側に偏って配置されている。送り孔22は、電子部品連10をリールから引き出すスプロケットの歯と係合する。
【0021】
電子部品連10の先端部分に配置される複数の収納凹部20は、電子部品を内部に装填するための部品装填部24、および電子部品を内部に装填しない非部品装填部26により構成される。
【0022】
カバーテープ18は、ベーステープ16に設けられる複数の収納凹部20の各開口部34を覆うように、ベーステープの一方の面上に貼り付けられる。カバーテープ18は、平面形状が略長尺状であり、側面の厚さが薄いテープである。カバーテープ18は、送り孔22を塞がないように、ベーステープ16の幅方向において一方側に偏って配置されている。
【0023】
図1に示すように、ベーステープ16の部品装填部24を構成する複数の収納凹部20の各開口部34の幅方向における両外側には、その長さ方向に沿って、部品装填部24を構成する複数の収納凹部20の各開口部34をカバーテープ18により覆い、熱処理により接着される第1の接着部30が設けられる。すなわち、ベーステープ16の部品装填部24を構成する複数の収納凹部20の各開口部34は、第1の接着部30によりカバーテープ18と接着される。
【0024】
また、ベーステープ16の非部品装填部26を構成する複数の収納凹部20の各開口部34の幅方向における両外側には、その長さ方向に沿って、長さ方向の中間部まで非部品装填部26を構成する複数の収納凹部20の各開口部34をカバーテープ18により覆い、熱処理により接着される第2の接着部32が設けられる。すなわち、ベーステープ16の非部品装填部26を構成する複数の収納凹部20の各開口部34の一部は、第2の接着部32によりカバーテープ18と接着される。
また、第2の接着部32の長さ方向の長さは、JIS C0806-3:2014には、100mm以上と規定されているところ、120mm以上であることがより好ましい。これにより、手作業により、カバーテープ18をベーステープ16から剥離するときに、ベーステープ16の上層部の剥がれをより抑制することができる。
【0025】
第1の接着部30において、ベーステープ16とカバーテープ18とを接着すると、その境界面には、部品装填部24を構成する複数の収納凹部20の各開口部34の近傍に、長さ方向と略平行に、平面形状が略長方形状である第1の接着面40が形成される。
第2の接着部32において、ベーステープ16とカバーテープ18とを接着すると、その境界面には、非部品装填部26を構成する収納凹部20の開口部34の近傍に、長さ方向と略平行に、平面形状が略長方形状である第2の接着面42が形成される。
【0026】
第1の接着部30におけるベーステープ16とカバーテープ18との接着力は、ピール強度F1により表される。第1の接着部30のピール強度F1は、たとえば、0.2N以上0.5N以下の接着力を有する。
第2の接着部32におけるベーステープ16とカバーテープ18との接着力は、ピール強度F2により表される。第2の接着部32のピール強度F2は、たとえば、0.02N以上0.35N以下である。第2の接着部32のピール強度F2は、第1の接着部30のピール強度F1よりも小さい。また、第2の接着部32のピール強度F2は、第1の接着部30のピール強度F1の10%以上70%以下である。好ましくは、第2の接着部32のピール強度F2は、第1のピール強度F1の10%以上50%以下である。第2の接着部32のピール強度F2をこの範囲とすることにより、手作業により、カバーテープ18をベーステープ16から剥離するときに、ベーステープ16の上層部の剥がれをより抑制することができる。
【0027】
また、
図1ないし
図3に示すように、電子部品連10の先端部分は、第1のシール部50と、第2のシール部52、アンシール部54およびカバーテープ部56を含むリーダー部58とにより構成される。さらに、カバーテープ部56には、その先端部において、長尺状のエンドテープ60が貼着されている。
【0028】
電子部品連10における第1のシール部50は、
図4に示すように、ベーステープ16の部品装填部24を構成する収納凹部20に電子部品14が装填されていており、カバーテープ18がベーステープ16と第1の接着部30により接着される部分である。
【0029】
電子部品連10における第2のシール部52は、
図5に示すように、ベーステープ16の非部品装填部26を構成する収納凹部20に電子部品14が装填されておらず、かつ、カバーテープ18がベーステープ16と第2の接着部32により接着される部分である。
【0030】
電子部品連10におけるアンシール部54は、
図6に示すように、ベーステープ16の非部品装填部26を構成する収納凹部20に電子部品14が装填されておらず、かつ、カバーテープ18がベーステープ16と接着されない部分である。
【0031】
電子部品連10におけるカバーテープ部56は、ベーステープ16を覆わず、ベーステープ16の先端部から、その外側に向けて長さ方向に突出するように配置される部分である。
【0032】
そして、電子部品連10の先端部分は、その先端に向かって、第1のシール部50、第2のシール部52、アンシール部54、カバーテープ部56の順に配置される。
【0033】
電子部品連10が巻回されたリールを実装機に実装する際には、カバーテープ18をベーステープ16の上層部が剥離しないように剥離しなければならない。
本実施の形態にかかる電子部品連10によれば、第1の接着部30におけるベーステープ16とカバーテープ18との接着力をピール強度F1とし、第2の接着部32におけるベーステープ16とカバーテープ18との接着力をピール強度F2としたとき、第2の接着部32のピール強度F2は、第1の接着部30のピール強度F1よりも小さい。これにより、手作業により、カバーテープ18をベーステープ16から剥離するときに、ベーステープ16の上層部の剥がれを抑制することができる。
【0034】
(b)第2の実施の形態
次に、第2の実施の形態に係る電子部品連について説明する。
第2の実施の形態の電子部品連110は、第1の接着部130および第2の接着部132の構成が、第1の実施の形態の電子部品連10の第1の接着部30および第2の接着部32の構成と異なる点を除いて、電子部品連10の構成と同様のものである。従って、電子部品連10と同一の部分には同一の符号を付してその説明は省略する。
【0035】
図7は、第2の実施の形態にかかる電子部品連を示す平面図である。
【0036】
電子部品連110は、電子部品包装体12と、電子部品14と、を含む。
電子部品包装体12は、電子部品14を内部に充填するベーステープ16と、ベーステープ16の上面の少なくとも大部分と接着するカバーテープ18と、を備える。
【0037】
図7に示すように、ベーステープ16の部品装填部24を構成する複数の収納凹部20の各開口部34の幅方向における両外側には、その長さ方向に沿って、部品装填部24を構成する複数の収納凹部20の各開口部34をカバーテープ18により覆い、熱処理により接着される第1の接着部130が設けられる。すなわち、ベーステープ16の部品装填部24を構成する複数の収納凹部20の各開口部34は、第1の接着部130によりカバーテープ18と接着される。
【0038】
また、ベーステープ16の非部品装填部26を構成する複数の収納凹部20の各開口部34の幅方向における両外側には、その長さ方向に沿って、長さ方向の中間部まで非部品装填部26を構成する複数の収納凹部20の各開口部34をカバーテープ18により覆い、熱処理により接着される第2の接着部132が設けられる。すなわち、ベーステープ16の非部品装填部26を構成する収納凹部20の開口部34の一部は、第2の接着部132によりカバーテープ18と接着される。
【0039】
第1の接着部130において、ベーステープ16とカバーテープ16とを接着すると、その境界面には、部品装填部24を構成する収納凹部20の開口部34の近傍に、長さ方向と略平行に、平面形状が略長方形状である第1の接着面140が形成される。
第2の接着部132において、ベーステープ16とカバーテープ16とを接着すると、その境界面には、非部品装填部26を構成する収納凹部20の開口部34の近傍に、長さ方向と略平行に、平面形状が略長方形状である第2の接着面142が形成される。
【0040】
そして、第1の接着面140の幅方向の大きさは、第2の接着面142の幅方向の大きさよりも大きい。
換言すると、第1の接着部130における第1の接着面140の単位長さ当たりの面積は、第2の接着部132の第2の接着面142の単位長さ当たりの面積よりも大きい。これにより、第1の接着部130におけるベーステープ16とカバーテープ18との接着力であるピール強度F1は、第2の接着部132におけるベーステープ16とカバーテープ18との接着力であるピール強度F2より大きくすることができる。
【0041】
具体的には、第2の接着部132のピール強度F2は、第1の接着部130のピール強度F1の10%以上70%以下である。好ましくは、第2の接着部132のピール強度F2は、第1の接着部130の第1のピール強度F1の10%以上50%以下である。
なお、第1の接着部130のピール強度F1は、たとえば、0.2N以上0.5N以下の接着力を有する。
また、第2の接着部132のピール強度F2は、たとえば、0.02N以上0.35N以下である。
【0042】
第2の実施の形態にかかる電子部品連110では、第1の実施の形態にかかる電子部品連10と同様の効果を奏するとともに、以下の効果を奏する。
すなわち、第2の実施の形態にかかる電子部品連110では、第2の接着部132における第2の接着面142の単位長さ当たりの面積は、第1の接着部132における第1の接着面140の単位長さ当たりの面積よりも小さいので、第1の接着部130におけるベーステープ16とカバーテープ18との接着力であるピール強度F1は、第2の接着部132におけるベーステープ16とカバーテープ18との接着力であるピール強度F2より大きくすることができる。これにより、手作業により、カバーテープ18をベーステープ16から剥離するときに、ベーステープ16の上層部の剥がれを抑制することができる。
【0043】
2.電子部品連の製造方法
(a)第1の実施の形態
次に、上述した構成からなる電子部品連の製造方法の実施の形態について説明する。
図8は、第1の実施の形態にかかる電子部品連の製造方法の工程を示すフローチャート図である。
図9は、第1の実施の形態にかかる電子部品連の製造工程において、カバーシートにコテを押し当てている状態を示す平面図である。
図10は、
図9に示す電子部品連の製造工程において、カバーシートにコテを押し当てている状態を示す図の線X-Xにおける断面図である。
図11は、(a)ないし(d)は、第1の実施の形態にかかる電子部品連の製造方法の各工程を説明するための説明図である。
【0044】
まず、第1工程S1において、
図11(a)に示すように、部品装填部24を構成する収納凹部20に電子部品14を装填して、その収納凹部20の開口部34をカバーテープ18により覆う。
【0045】
次に、第2工程S2において、
図11(b)に示すように、第1工程S1で覆ったカバーテープ18をベーステープ16の第1の接着部30にコテ70を用いて接着する。コテ70は、ヒータにより所定温度に加熱されている。コテ70は、ベーステープ16の幅方向において、収納凹部20と送り孔22とを除く上面の各幅より小さい一対の押圧部70aを有している。そして、押圧部70aがカバーテープ18を上方から押圧することにより、ベーステープ16上にカバーテープ18が熱圧着される。このコテ70による熱圧着はベーステープ16の移動ピッチに合わせて繰り返し行われ、ベーステープ16とカバーテープ18との接着が連続的に行われる。このとき、第1の接着部30におけるベーステープ16とカバーテープ18との接着力であるピール強度F
1は、たとえば、0.2N以上0.5N以下の接着力となるように調整される。
【0046】
次に、第3工程S3において、
図11(c)に示すように、非部品装填部26を構成する収納凹部20の開口部34をカバーテープ18により覆う。
【0047】
その後、第4工程S4において、
図11(d)に示すように、第3工程S3で覆ったカバーテープ18をベーステープ16の第2の接着部32にコテ70を用いて接着する。接着方法は、第2工程S2における接着方法と同一である。なお、このとき、第2の接着部32におけるベーステープ16とカバーテープ18との接着力であるピール強度F
2は、たとえば、0.02N以上0.35N以下である。また、第2の接着部32のピール強度F
2は、第1の接着部30のピール強度F
1よりも小さい。さらに、第2の接着部32のピール強度F
2は、第1の接着部30のピール強度F
1の10%以上70%以下である。好ましくは、第2の接着部32のピール強度F
2は、第1のピール強度F
1の10%以上50%以下である。
【0048】
上述したように、第1の接着部30のピール強度F1となるように接着し、第2の接着部32のピール強度F2となるように接着するために、以下に説明するようにコテが制御される。
すなわち、第2工程S2におけるコテ70による熱処理時間をt1とし、第4工程S4におけるコテ70による熱処理時間をt2としたとき、第2工程S2における熱処理時間t1は、
1(ms)≦t1≦5(ms)
とし、
第4工程S4の熱処理時間t2は、
0.1×t1≦t2≦0.7×t1
とされる。
このとき、第2工程S2のコテ70と第4工程S4コテ70とは、異なるコテを用いてもよい。
【0049】
また、第1の接着部30のピール強度F1となるように接着し、第2の接着部32のピール強度F2となるように接着するために、以下に説明するようにコテを制御してもよい。
すなわち、第2工程S2の押圧をPF1とし、第4工程S4の押圧をPF2としたとき、第2工程S2の押圧PF1は、
20(N)≦PF1≦40(N)
とし、
第4工程S4の押圧PF2は、
0.1×PF1≦PF2≦0.7×PF1
とされる。
このとき、第2工程S2のコテ70と第4工程S4コテ70とは、異なるコテを用いてもよい。
【0050】
さらに、第1の接着部30のピール強度F1となるように接着し、第2の接着部32のピール強度F2となるように接着するために、以下に説明するようにコテを制御してもよい。
すなわち、第2工程S2の熱処理温度をT1とし、第4工程S4の熱処理温度をT2としたとき、第2工程S2の熱処理温度T1は、
160(℃)≦T1≦230(℃)
とし、
第4工程S4の熱処理温度T2は、
T1≧T2
とされる。また、熱処理温度T2は、熱処理温度T1の温度より、20℃以上30℃以下の範囲で低くなるように設定される。
このとき、第2工程S2のコテ70と第4工程S4コテ70とは、異なるコテを用いることが好ましい。たとえば、第2工程S2用のコテ70は、熱処理温度T1に設定し、第4工程S4用のコテ70は、熱処理温度T2に設定した、2種類のコテを準備される。
【0051】
なお、第2工程S2では、第1工程S1で覆ったカバーテープ18の第1のシール部50は、熱処理だけではなく、非熱処理である感圧式でベーステープ16の第1の接着部30に接着されてもよい。
第4工程S4では、第3工程S3で覆ったカバーテープ18の第2のシール部52は、熱処理だけではなく、非熱処理である感圧式でベーステープ16の第2の接着部32に接着されてもよい。
【0052】
第1の実施形態の電子部品連10の製造方法では、第1工程S1ないし第4工程S4を経ており、また、第2の接着部32のピール強度F2が、第1の接着部30のピール強度F1よりも小さくすることによって、手作業により、カバーテープ18をベーステープ16から剥離するときに、ベーステープ16の上層部の剥がれを抑制することができる電子部品連10を製造することができる。
【0053】
(b)第2の実施の形態
本発明の第2の実施の形態に係る電子部品連の製造方法について説明する。
第2の実施の形態にかかる電子部品連の製造方法は、電子部品連110を製造する方法である。従って、第1の実施の形態にかかる電子部品連の製造方法とは、第2工程S2のコテと第4工程S4コテとは、異なるコテを用いる点が異なる点を除いて、それ以外の電子部品連の製造方法における工程は同一である。従って、第1の実施の形態に係る電子部品連の製造方法と同一の工程は、その説明を省略する。
【0054】
図12は、第2の実施の形態にかかる電子部品連の製造工程において、カバーシートに第1のコテおよび第2のコテを押し当てている状態を示す平面図である。
図13は、
図12に示す電子部品連の製造工程において、カバーシートに第1のコテを押し当てている状態を示す図の線XIII-XIIIにおける断面図である。
図14は、
図12に示す電子部品連の製造工程において、カバーシートに第2のコテを押し当てている状態を示す図の線XIV-XIVにおける断面図である。
【0055】
まず、第2工程S2において、第1工程S1で覆ったカバーテープ18をベーステープ16の第1の接着部130に第1のコテ72を用いて接着する。第1のコテ72は、ヒータにより所定温度に加熱されている。第1のコテ72は、ベーステープ16の幅方向において、収納凹部20と送り孔22とを除く上面の各幅より小さい一対の押圧部72a,72aを有している。そして、押圧部72a,72aがカバーテープ18を上方から押圧することにより、ベーステープ16上にカバーテープ18が熱圧着される。この第1のコテ72による熱圧着はベーステープ16の移動ピッチに合わせて繰り返し行われ、ベーステープ16とカバーテープ18との接着が連続的に行われる。このとき、第1の接着部130におけるベーステープ16とカバーテープ18との接着力であるピール強度F1は、たとえば、0.2N以上0.5N以下の接着力となるように調整される。
【0056】
また、第4工程S4において、第3工程S3で覆ったカバーテープ18をベーステープ16の第2の接着部132に第2のコテ74を用いて接着する。第2のコテ74は、ヒータにより所定温度に加熱されている。第2のコテ74は、ベーステープ16の幅方向において、収納凹部20と送り孔22とを除く上面の各幅より小さい一対の押圧部74a,74aを有している。そして、押圧部74a,74aがカバーテープ18を上方から押圧することにより、ベーステープ16上にカバーテープ18が熱圧着される。この第2のコテ74による熱圧着はベーステープ16の移動ピッチに合わせて繰り返し行われ、ベーステープ16とカバーテープ18との接着が連続的に行われる。第2のコテ74の押圧部74a,74aのそれぞれの幅方向の大きさは、第1のコテ72の押圧部72a,72aのそれぞれの幅方向の大きさよりも小さい。これにより、第1の接着部130における第1の接着面140の単位長さ当たりの面積を、第2の接着部132における第2の接着面142の単位長さ当たりの面積よりも大きくすることができる。このとき、第2の接着部132におけるベーステープ16とカバーテープ18との接着力であるピール強度F2は、たとえば、0.02N以上0.35N以下である。また、第2の接着部132のピール強度F2は、第1の接着部130のピール強度F1よりも小さい。さらに、第2の接着部132のピール強度F2は、第1の接着部130のピール強度F1の10%以上70%以下である。好ましくは、第2の接着部132のピール強度F2は、第1のピール強度F1の10%以上50%以下である。
【0057】
第2の実施の形態にかかる電子部品連の製造方法は、第1の実施の形態にかかる電子部品の製造方法と同様の効果を奏する。
【0058】
3.実験例
以下、この発明の効果を確認するために発明者らが行った実験例について説明する。この実験では、第1の実施の形態にかかる電子部品連10に対して、ベーステープ16からカバーテープ18を剥がしたときのベーステープ16における上層部の剥離の抑制効果について、実験を行った。なお、ベーステープ16は、5~6層の多層板紙により構成されている。また、広葉樹パルプ(L材)と針葉樹パルプ(N材)との配合比率(N/L材比率)として、N材の配合比率は、10%以上20%以下とした。
【0059】
(a)実験例1
実験例1では、第1の接着部30におけるピール強度F1を固定し、第2の接着部32における第2のピール強度F2を変化させた試料を準備して実験を行った。各実施例および比較例の仕様は以下のとおりである。
【0060】
実施例1の電子部品連のサンプルは、第1の接着部30におけるピール強度F1を0.2N以上0.5N以下の範囲とし、第1の接着部30におけるピール強度F1の平均値は0.35Nとした。そして、第2の接着部32におけるピール強度F2は、
0.1×F1≦F2≦0.7×F1
とした。
また、第2の接着部の長さ方向の長さは、100mmとした。
【0061】
実施例2の電子部品連のサンプルは、第1の接着部30におけるピール強度F1を0.2N以上0.5N以下の範囲とし、第1の接着部30におけるピール強度F1の平均値は0.35Nとした。そして、第2の接着部32におけるピール強度F2は、
0.1×F1≦F2≦0.5×F1
とした。
また、第2の接着部の長さ方向の長さは、100mmとした。
【0062】
比較例の電子部品連のサンプルは、第1の接着部30におけるピール強度F1を0.2N以上0.5N以下の範囲とし、ピール強度F1の平均値は0.35Nとした。そして、第2の接着部32におけるピール強度F2は、第1の接着部30におけるピール強度F1と同一(F1=F2)とした。
また、第2の接着部の長さ方向の長さは、100mmとした。
【0063】
実験例1では、実施例1、実施例2および比較例におけるサンプル数を1000リールとし、1000リール当たりの不良数(リールの数)により評価した。
【0064】
表1は、実施例1、実施例2および比較例のそれぞれに対する評価結果を以下に示す。
【0065】
【0066】
表1によれば、実施例1の電子部品連のサンプルは、第2の接着部32におけるピール強度F2は、第1の接着部30のピール強度F1より小さく、第2の接着部32におけるピール強度F2は、0.1×F1≦F2≦0.7×F1であるので、1000リール当たりの不良数は5であった。
また、実施例2の電子部品連のサンプルは、第2の接着部32におけるピール強度F2は、0.1×F1≦F2≦0.5×F1であるので、1000リール当たりの不良数は2であった。
【0067】
一方、比較例の電子部品連のサンプルは、第2の接着部32におけるピール強度F2は、第1の接着部30におけるピール強度F1と同一(F1=F2)であるので、1000リール当たりの不良数が12と、実施例1および実施例2の結果と対比すると、比較的多くの不良数が生じた。
【0068】
以上より、本発明にかかる電子部品連10では、第2の接着部32における第2のピール強度F2を第1の接着部30における第1のピール強度F1よりも小さくすることにより、手作業により、カバーテープ18をベーステープ16から剥離するときに、ベーステープ16の上層部の剥がれを抑制することができることが認められた。
また、第2の接着部32におけるピール強度F2は、0.1×F1≦F2≦0.5×F1であると、手作業により、カバーテープ18をベーステープ16から剥離するときに、ベーステープ16の上層部の剥がれをより抑制することができることが認められた。
【0069】
(b)実験例2
実験例2では、第2の接着部の長さ方向の長さを変化させた試料を準備して実験を行った。各実験例および比較例の仕様は以下のとおりである。なお、実施例1、実施例2および比較例は、実験例1と共通であるので、その説明を省略する。
【0070】
実施例3の電子部品連のサンプルは、第1の接着部30におけるピール強度F1を0.2N以上0.5N以下の範囲とし、ピール強度F1の平均値は0.35Nとした。そして、第2の接着部32におけるピール強度F2は、
0.1×F1≦F2≦0.7×F1
とした。
また、第2の接着部の長さ方向の長さは、120mmとした。
【0071】
実施例4の電子部品連のサンプルは、第1の接着部30におけるピール強度F1を0.2N以上0.5N以下の範囲とし、第1の接着部30におけるピール強度F1の平均値は0.35Nとした。そして、第2の接着部32のピール強度F2は、
0.1×F1≦F2≦0.5×F1
とした。
また、第2の接着部の長さ方向の長さは、120mmとした。
【0072】
実験例2では、実施例1ないし実施例4、および比較例におけるサンプル数を1000リールとし、1000リール当たりの不良数(リールの数)により評価した。
【0073】
表2は、実施例1ないし実施例4、および比較例のそれぞれに対する評価結果を以下に示す。
【0074】
【0075】
表2によれば、実施例1の電子部品連のサンプルは、第2の接着部におけるピール強度F2は、第1の接着部のピール強度F1より小さく、第2の接着部におけるピール強度F2は、0.1×F1≦F2≦0.7×F1であり、第2の接着部の長さ方向の長さは、100mmであるので、1000リール当たりの不良数は5であった。
また、実施例3の電子部品連のサンプルは、第2の接着部におけるピール強度F2は、第1の接着部30のピール強度F1より小さく、第2の接着部におけるピール強度F2は、0.1×F1≦F2≦0.7×F1であり、第2の接着部の長さ方向の長さは、120mmであるので、1000リール当たりの不良数は4あり、第2の接着部の長さ方向の長さを長くすることで、実施例1の不良数よりも減少した。
【0076】
また、実施例2の電子部品連のサンプルは、第2の接着部におけるピール強度F2は、0.1×F1≦F2≦0.5×F1であり、第2の接着部の長さ方向の長さは、100mmであるので、1000リール当たりの不良数は2であった。
また、実施例4の電子部品連のサンプルは、第2の接着部におけるピール強度F2は、0.1×F1≦F2≦0.5×F1であり、第2の接着部の長さ方向の長さは、120mmであるので、1000リール当たりの不良数は1であり、第2の接着部の長さ方向の長さを長くすることで、実施例1の不良数よりも減少した。
【0077】
一方、比較例の電子部品連のサンプルは、第2の接着部におけるピール強度F2は、第1の接着部30におけるピール強度F1と同一(F1=F2)であるので、1000リール当たりの不良数が12と、実施例1ないし実施例4の結果と対比すると、比較的多くの不良数が生じた。
【0078】
以上より、本発明にかかる電子部品連10では、第2の接着部の長さ方向の長さを100mm以上にすることによって、手作業により、カバーテープ18をベーステープ16から剥離するときに、ベーステープ16の上層部の剥がれを抑制することができることが認められ、さらに、第2の接着部の長さ方向の長さを120mm以上とすることによって、手作業により、カバーテープ18をベーステープ16から剥離するときに、ベーステープ16の上層部の剥がれをより抑制できることが認められた。
【符号の説明】
【0079】
10、110 電子部品連
12 電子部品包装体
14 電子部品
16 ベーステープ
18 カバーテープ
20 収納凹部
22 送り孔
24 部品装填部
26 非部品装填部
30、130 第1の接着部
32、132 第2の接着部
34 開口部
40、140 第1の接着面
42、142 第2の接着面
50 第1のシール部
52 第2のシール部
54 アンシール部
56 カバーテープ部
58 リーダー部
60 エンドテープ
70 コテ
70a、72a、74a 押圧部
72 第1のコテ
74 第2のコテ