(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-11
(45)【発行日】2022-10-19
(54)【発明の名称】車両盗難防止装置および車両盗難防止方法、ならびにコンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
B60R 25/24 20130101AFI20221012BHJP
E05B 49/00 20060101ALI20221012BHJP
【FI】
B60R25/24
E05B49/00 K
(21)【出願番号】P 2019570729
(86)(22)【出願日】2019-02-04
(86)【国際出願番号】 JP2019003811
(87)【国際公開番号】W WO2019156015
(87)【国際公開日】2019-08-15
【審査請求日】2021-12-23
(31)【優先権主張番号】P 2018022159
(32)【優先日】2018-02-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】308036402
【氏名又は名称】株式会社JVCケンウッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000121
【氏名又は名称】IAT弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】関根 隆文
(72)【発明者】
【氏名】横山 博亮
【審査官】川口 真一
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-76899(JP,A)
【文献】特開2017-222299(JP,A)
【文献】特開2013-166447(JP,A)
【文献】特開2011-255731(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60R 25/24
E05B 49/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に搭載され、
携帯機器から無線で送信されるその携帯機器のIDを含む情報を受信する無線受信器と、
前記無線受信器が携帯機器から受信する電波の強度を測定する電波強度測定器と、
所定の手順で前記無線受信器により受信された第1のIDを、所有者グループに属する携帯機器のIDとして登録する第1の登録処理部と、
前記第1の登録処理部に登録されたIDと共に第2のIDが前記無線受信器で受信されたときには、その第2のIDを関係者グループに属する携帯機器のIDとして登録する第2の登録処理部と、
前記第1の登録処理部に登録されたIDと前記第2の登録処理部に登録されたIDとのいずれもその時点で受信されていない状態で前記車両の移動が検出されたときには、前記車両が盗難状態であると判定する盗難判定処理部と、
を備え、
前記第2の登録処理部は、前記第2のIDを有する携帯機器からの受信電波強度の変化度合いが、前記第1の登録処理部に登録されたIDを有する携帯機器からの受信電波強度の変化度合いと類似するとき、前記第2のIDを関係者グループに属する携帯機器のIDとして登録する、
ことを特徴とする車両盗難防止装置。
【請求項2】
請求項
1に記載の車両盗難防止装置において、
前記第2の登録処理部は、前記第2のIDを有する携帯機器からの受信電波強度の変化度合いが、前記第1の登録処理部に登録されたIDを有する携帯機器からの受信電波強度の変化度合いと類似する回数が所定の回数を上回ったとき、前記第2のIDを関係者グループに属する携帯機器のIDとして登録する、
ことを特徴とする車両盗難防止装置。
【請求項3】
請求項1に記載の車両盗難防止装置において、
前記第2の登録処理部は、前記車両の移動が検出されており、かつ前記第1の登録処理部に登録されたIDを有する携帯機器からの受信電波強度の変化度合いと前記第2のIDを有する携帯機器からの受信電波強度の変化度合いとが共に所定の値より小さい場合、前記第2のIDを関係者グループに属する携帯機器のIDとして登録する、
ことを特徴とする車両盗難防止装置。
【請求項4】
所定の携帯機器から無線で送信されたその携帯機器のIDを含む情報を無線受信器により受信してそのIDを登録しておく登録ステップと、
前記無線受信器が携帯機器から受信する電波の強度を測定する電波強度測定ステップと、
登録されているIDを含む情報がその時点で受信されていない状態で車両の移動が検出されたときには、前記車両が盗難状態であると判定する盗難判定ステップと、
を含む車両盗難防止方法であって、
前記登録ステップは、
所定の手順で前記無線受信器により受信された第1のIDを、所有者グループに属する携帯機器のIDとして登録する第1の登録処理ステップと、
前記第1の登録処理により登録された前記所有者グループに属する携帯機器のIDと共に第2のIDが前記無線受信器で受信されたときには、その第2のIDを関係者グループに属する携帯機器のIDとして登録する第2の登録処理ステップと、を含み、
前記第2の登録処理ステップは、前記第2のIDを有する携帯機器からの受信電波強度の変化度合いが、前記第1の登録処理ステップに登録されたIDを有する携帯機器からの受信電波強度の変化度合いと類似するとき、前記第2のIDを関係者グループに属する携帯機器のIDとして登録し、
前記盗難判定ステップは、前記第1の登録処理で登録された前記所有者グループに属する携帯機器のIDと前記第2の登録処理で登録された前記関係者グループに属する携帯機器のIDとのいずれも受信されていないことを条件として行う、
車両盗難防止方法。
【請求項5】
車両に搭載される車両盗難防止装置のプロセッサに、
所定の携帯機器から無線で送信されたその携帯機器のIDを含む情報を無線受信器により受信してそのIDを登録する登録ステップと、
前記無線受信器が携帯機器から受信する電波の強度を測定する電波強度測定ステップと、
登録されているIDを含む情報がその時点で受信されていない状態で車両の移動が検出されたときには、前記車両が盗難状態であると判定する盗難判定ステップと、
を実行させるコンピュータプログラムであって、
前記登録するステップは、
所定の手順で前記無線受信器により受信された第1のIDを、所有者グループに属する携帯機器のIDとして登録する第1の登録処理ステップと、
前記第1の登録処理により登録された前記所有者グループに属する携帯機器のIDと共に第2のIDが前記無線受信器で受信されたときには、その第2のIDを関係者グループに属する携帯機器のIDとして登録する第2の登録処理ステップと、を含み、
前記第2の登録処理ステップは、前記第2のIDを有する携帯機器からの受信電波強度の変化度合いが、前記第1の登録処理ステップに登録されたIDを有する携帯機器からの受信電波強度の変化度合いと類似するとき、前記第2のIDを関係者グループに属する携帯機器のIDとして登録し、
前記盗難判定ステップは、前記第1の登録処理で登録された前記所有者グループに属する携帯機器のIDと前記第2の登録処理で登録された前記関係者グループに属する携帯機器のIDとのいずれも受信されていないことを条件として行う、
コンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両盗難防止装置および車両盗難防止方法、ならびにコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車両の盗難防止対策として、イモビライザが広く用いられている。通常、車両のエンジンを始動する場合、キーシリンダー内部とキーの鍵山が機械的に一致すればエンジンを始動することができる。それに対して、イモビライザとは、専用キーに埋め込まれた電子チップが持つ固有のIDコードと車両側のIDコードが電子的に照合できた場合にのみ、エンジンを始動することができるものである。
【0003】
また、車両の盗難防止対策として、監視装置から送信される起動信号に応答して、車載装置が返答信号を出力するようになされており、その返答信号を監視装置が受信しているか否かに基づいて、車両を駐車するためのスペースとして予め規定された駐車エリアに駐車された車両が盗まれたか否かを判定し、判定の結果、車両が盗まれたものと判定された場合、その旨を報知する技術がある(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
車両の盗難防止対策のイモビライザは、専用キーを有するもの以外にエンジンを始動することを防止するものであるので、例えば、レッカー車などを用いた車両の盗難に対しての対策にはならない。また、車両を使用するユーザが複数である場合、車両の盗難防止対策として、イモビライザを用いるためには、使用者の数だけ専用キーを用意する必要がある。
【0006】
また、特許文献1に記載の技術は、レッカー車などを用いた車両の盗難を防止することが可能である。しかしながら、特許文献1に記載の技術においては、監視装置が備え付けられている駐車位置からの車両の移動のみしか防止することはできない。
【0007】
そこで、本発明は、上記課題を解決すること、すなわち、車両の盗難を防止することができる、車両盗難防止装置および車両盗難防止方法、ならびにコンピュータプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため、本発明の一側面によると、車両に搭載され、携帯機器から無線で送信されるその携帯機器のIDを含む情報を受信する無線受信器と、無線受信器が携帯機器から受信する電波の強度を測定する電波強度測定器と、所定の手順で無線受信器により受信された第1のIDを、所有者グループに属する携帯機器のIDとして登録する第1の登録処理部と、第1の登録処理部に登録されたIDと共に第2のIDが無線受信器で受信されたときには、その第2のIDを関係者グループに属する携帯機器のIDとして登録する第2の登録処理部と、第1の登録処理部に登録されたIDと第2の登録処理部に登録されたIDとのいずれもその時点で受信されていない状態で車両の移動が検出されたときには、車両が盗難状態であると判定する盗難判定処理部とを備え、第2の登録処理部は、第2のIDを有する携帯機器からの受信電波強度の変化度合いが、第1の登録処理部に登録されたIDを有する携帯機器からの受信電波強度の変化度合いと類似するとき、第2のIDを関係者グループに属する携帯機器のIDとして登録することを特徴とする車両盗難防止装置が提供される。
【0009】
本発明の別の側面によると、所定の携帯機器から無線で送信されたその携帯機器のIDを含む情報を無線受信器により受信してそのIDを登録しておく登録ステップと、無線受信器が携帯機器から受信する電波の強度を測定する電波強度測定ステップと、登録されているIDを含む情報がその時点で受信されていない状態で車両の移動が検出されたときには、車両が盗難状態であると判定する盗難判定ステップとを含む車両盗難防止方法であって、登録ステップは、所定の手順で無線受信器により受信された第1のIDを、所有者グループに属する携帯機器のIDとして登録する第1の登録処理ステップと、第1の登録処理により登録された所有者グループに属する携帯機器のIDと共に第2のIDが無線受信器で受信されたときには、その第2のIDを関係者グループに属する携帯機器のIDとして登録する第2の登録処理ステップと、を含み、第2の登録処理ステップは、第2のIDを有する携帯機器からの受信電波強度の変化度合いが、第1の登録処理ステップに登録されたIDを有する携帯機器からの受信電波強度の変化度合いと類似するとき、第2のIDを関係者グループに属する携帯機器のIDとして登録し、盗難判定ステップは、第1の登録処理で登録された所有者グループに属する携帯機器のIDと第2の登録処理で登録された関係者グループに属する携帯機器のIDとのいずれも受信されていないことを条件として行う車両盗難防止方法が提供される。
【0010】
本発明の別の側面によると、車両に搭載される車両盗難防止装置のプロセッサに、所定の携帯機器から無線で送信されたその携帯機器のIDを含む情報を無線受信器により受信してそのIDを登録する登録ステップと、無線受信器が携帯機器から受信する電波の強度を測定する電波強度測定ステップと、登録されているIDを含む情報がその時点で受信されていない状態で車両の移動が検出されたときには、車両が盗難状態であると判定する盗難判定ステップとを実行させるコンピュータプログラムであって、登録するステップは、所定の手順で無線受信器により受信された第1のIDを、所有者グループに属する携帯機器のIDとして登録する第1の登録処理ステップと、第1の登録処理により登録された所有者グループに属する携帯機器のIDと共に第2のIDが無線受信器で受信されたときには、その第2のIDを関係者グループに属する携帯機器のIDとして登録する第2の登録処理ステップとを含み、第2の登録処理ステップは、第2のIDを有する携帯機器からの受信電波強度の変化度合いが、第1の登録処理ステップに登録されたIDを有する携帯機器からの受信電波強度の変化度合いと類似するとき、第2のIDを関係者グループに属する携帯機器のIDとして登録し、盗難判定ステップは、第1の登録処理で登録された所有者グループに属する携帯機器のIDと第2の登録処理で登録された関係者グループに属する携帯機器のIDとのいずれも受信されていないことを条件として行うコンピュータプログラムが提供される。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、車両の保有者または関係者が車両近傍に居ない場合の車両の移動を検出して報知することで、車両の盗難を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】車両内に設けられた車両盗難防止装置の機能ブロック図である。
【
図3】所有者グループ機器登録処理について説明するためのフローチャートである。
【
図4】関係者グループ機器登録処理について説明するためのフローチャートである。
【
図5】盗難検出処理について説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の一実施の形態の車両盗難防止装置について、
図1~
図5を参照しながら説明する。
【0014】
図1を参照して、本発明の一実施例である車両盗難防止装置11について説明する。この車両盗難防止装置11は、車両1内に設けられる。
図1は、車両盗難防止装置11が有する機能を、その機能に関連する車両1内の構成と共に説明するための機能ブロック図である。
【0015】
図1には、車両1の近傍の携帯機器2-1~2-3と、車両1に搭載された車両盗難防止装置11と、車両1内に設けられた警音器12、ドライブレコーダー13、各種センサ14、および測位システム15を示す。携帯機器2-1~2-3は、ここでは3つ示しているが、この数はそのときの状況により変化し、より多数の携帯機器が存在する場合もあれば、ひとつも存在しない場合もある。携帯機器2-1~2-3としては、例えば、スマートフォン、携帯型電話機、モバイル機器など、機器固有のIDを有し、無線通信機能を有する装置が用いられる。以下、携帯機器2-1~2-3を特に区別する必要がない場合、これらを携帯機器2と総称する。機器固有のIDとしては、車両盗難防止装置11との間で通信を行うための通信方式におけるアドレス、例えばBluetooth(登録商標)におけるBDアドレス(Bluetooth Device Address)や、その通信方式で車両盗難防止装置11に通知することのできるID、例えば電話番号やMAC(Media Access Control)アドレスなどを用いることができる。各種センサ14には、例えば、加速度センサや車軸センサなど、車両1が移動したことを検出する機能を有するセンサが含まれる。測位システム15は、例えば、GPS装置など、車両1の現在位置を測定する機能を有するものである。なお、車両1が移動したことを検出することが可能であれば、車両1には、各種センサ14または測位システム15のうちの少なくとも1つが備えられていればよい。移動が検出されたときには、その情報が車両盗難防止装置11に通知される。また、車両1内のCAN(Controller Area Network)を介して、車両速度などの情報を車両盗難防止装置11に通知し、車両盗難防止装置11で車両の移動を検出することもできる。
【0016】
車両盗難防止装置11は、車両1の所有者(車両1を主に使用する者)が保有する1または複数の携帯機器2を登録するとともに、車両1の所有者の関係者を推定してその者が保有する携帯機器2を自動的に登録する。そして、車両盗難防止装置11は、各種センサ14および測位システム15により車両1の移動が検出された場合、登録されている携帯機器2が車両1内部または車両1近傍に存在するか否かを判断する。存在しないと判断された場合、車両盗難防止装置11は、車両1が盗難されたと判定し、車両1内のCANを介して、あるいは直接制御が可能な場合には直接の指示により、警音器12により警音を発生させ、ドライブレコーダー13による録画を開始させる。また、Bluetooth以外の通信方式で携帯機器2へのメッセージ送信が可能な場合には、その機能を利用して、登録されている携帯機器2に対し、警告メッセージを送信することもできる。
【0017】
携帯機器2は、車両盗難防止装置11と無線で通信することが可能である。携帯機器2には、例えば、スマートフォン、携帯型電話機、モバイル機器など、機器固有のIDを有し、無線通信機能を有する装置が用いられる。無線通信は、IDによる認証を行うものであれば任意のものでよく、例えばBluetoothなどが利用可能である。以下、携帯機器2として、スマートフォンを利用し、車両盗難防止装置11とBluetoothを用いて通信する場合について説明する。Bluetoothを用いて通信可能なスマートフォンには、Bluetooth対応デバイスを識別するために使われる48ビットの一意のアドレスであるBDアドレスが対応付けられている。Bluetoothでの通信においては、無関係の機器と通信をしないよう、セキュリティー維持のために互いを認証する作業を実行する。携帯機器2は、他のBluetooth対応デバイスとの通信のために、BDアドレスを発信する。車両盗難防止装置11は、発信されたBDアドレスの認証を行い、携帯機器2と接続する。
【0018】
このシステムにおいては、まず、車両1の所有者の携帯機器2と車両盗難防止装置11とが通信により認証されて接続されたとき、携帯機器2を車両の所有者が保有するものと判断し、後述する処理により、携帯機器2のBDアドレスが、車両盗難防止装置11に登録される。車両1の所有者が保有する携帯機器2は、1台、または複数登録可能であり、後述する登録テーブルにおいて、所有者グループとして登録される。
【0019】
車両盗難防止装置11により、車両1の所有者が保有する携帯機器2として登録された携帯機器2-1の接続と同時に、他の携帯機器2-2および携帯機器2-3から発信されたBDアドレスが検出された場合、後述する処理により、車両盗難防止装置11は、携帯機器2-2および携帯機器2-3のBDアドレスを、車両1の所有者の関係者が保有する携帯機器2のBDアドレスとして登録する。車両1の所有者の関係者が保有する携帯機器2は、1台、または複数登録可能であり、後述する登録テーブルにおいて、関係者グループとして登録される。
【0020】
車両盗難防止装置11は、操作入力部21、操作入力取得制御部22、無線送受信器23、通信制御部24、電波強度測定部25、ID抽出部26、所有者グループ機器登録処理部27、関係者グループ機器登録処理部28、記録制御部29、記録部30、グループ判別部31、盗難判定処理部32、および、車両連携部33の機能を含んで構成されている。所有者グループ機器登録処理部27、関係者グループ機器登録処理部28、記録制御部29、グループ判別部31、盗難判定処理部32、および車両連携部33の各機能は、1または複数のプロセッサにより実現される。各プロセッサは、ソフトウェアにより各機能を実現する汎用のマイクロプロセッサでもよく、あるいは、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やPLD(Programmable Logic Device)などを用いたものでもよい。操作入力取得制御部22の少なくとも一部の機能についても、前記のプロセッサにより実現可能である。通信制御部24、電波強度測定部25およびID抽出部26の各機能は、前記のプロセッサにより、あるいは別個のディジタル信号プロセッサにより実現される。
【0021】
操作入力部21は、例えば、ボタン、キー、タッチパネルなどの入力デバイスにより構成され、操作入力取得制御部22による操作入力を促す画面表示にしたがってユーザが操作した入力を受け取り、その入力情報を操作入力取得制御部22に供給する。
【0022】
無線送受信器23は、通信制御部24の制御に基づいて、携帯機器2との無線信号の送受信を実行する。無線送受信器23は、携帯機器2から受信した信号を、通信制御部24に供給する。
【0023】
通信制御部24は、無線送受信器23による携帯機器2との無線通信を制御する。通信制御部24は、無線送受信器23から供給された情報が、ユーザによる車両盗難防止装置11への操作入力である場合、供給された情報を操作入力取得制御部22に供給する。また、通信制御部24は、無線送受信器23から供給された携帯機器2のBDアドレスを、グループ判別部31、ならびに、所有者グループ機器登録処理部27および関係者グループ機器登録処理部28に供給する。
【0024】
操作入力取得制御部22は、操作入力部21または通信制御部24から、ユーザの操作入力を受け取る。ユーザの操作入力として、所有者グループの携帯機器2の登録処理開始の指令を受けた場合、操作入力取得制御部22は、所有者グループの携帯機器2の登録処理開始を、通信制御部24、および、所有者グループ機器登録処理部27に通知する。
【0025】
電波強度測定部25は、無線送受信器23により実行される携帯機器2との無線通信における携帯機器2の電波強度を測定し、関係者グループ機器登録処理部28に供給する。
【0026】
ID抽出部26は、無線送受信器23が携帯機器2から受信した信号に含まれる携帯機器2のIDを抽出する。ここでは、ID抽出部26は、携帯機器2のBDアドレスを抽出する。携帯機器2は車両盗難防止11と通信接続されている必要はなく、車両盗難防止装置11の近傍に存在する携帯機器2から発信されるBDアドレスをすべて抽出してよい。ID抽出部26は、抽出したBDアドレスを、所有者グループ機器登録処理部27および関係者グループ機器登録処理部28、ならびに、グループ判別部31に供給する。
【0027】
所有者グループ機器登録処理部27は、所有者グループの携帯機器2の登録に関する処理を実行する。所有者グループ機器登録処理部27は、操作入力取得制御部22から携帯機器2の登録処理開始の通知を受けた場合、ID抽出部26から、認証され接続中である携帯機器2のBDアドレスを取得し、記録制御部29に供給して、記録部30に記録されている登録テーブルに登録させる。登録テーブルについては、
図2を用いて後述する。
【0028】
関係者グループ機器登録処理部28は、関係者グループの携帯機器2の登録に関する処理を実行する。関係者グループ機器登録処理部28は、ID抽出部26から携帯機器2のBDアドレスを取得するとともに、電波強度測定部25から無線送受信器23により実行される携帯機器2との無線送受信における携帯機器2の電波強度の測定結果の供給を受ける。そして、関係者グループ機器登録処理部28は、ID抽出部26から供給されたBDアドレスが複数であり、所有者グループに登録され接続中である携帯機器2-1と、所有者グループに登録されていない携帯機器2-2であった場合、換言すると、所有者グループに登録された携帯機器2-1のBDアドレスを受信している間に別の携帯機器2-2のBDアドレスを受信した場合、電波強度測定部25から供給される無線受信における携帯機器2-1および2-2の電波強度をモニタリングし、所有者グループに登録されていない携帯機器2-2が、所有者の関係者が保有している携帯機器2であるか否かを判別する。具体的には、関係者グループ機器登録処理部28は、登録されていない携帯機器2-2から受信した電波の電波強度の変化度合いが、所有者グループに登録されている携帯機器2-1から受信した電波の電波強度の変化度合いと類似した場合、その携帯機器2-2の保有者は、所有者グループに登録されている携帯機器2-1の保有者と、一緒に歩いて車両1に近づき、一緒に車両1に乗り込んだと推定可能である。したがって、この場合、所有者グループに登録されていない携帯機器2-2の保有者は、所有者の関係者であると推定可能である。
【0029】
電波強度の類似に関しては、携帯機器2-1の保有者と、携帯機器2-2の保有者が時間差を置いて車両1に乗り込む場合を考慮して、時間に関して許容度を大きく取ってもよい。車両1からの降車時についても同様である。また、測位システム15などにより車両の移動が検出されている間に、所有者グループに登録されている携帯機器2-1および所有者グループに登録されていない携帯機器2-2の電波強度の変化度合いがともに所定の値より少ない場合、携帯機器2-2の保有者は、車両1に所有者と同乗していると判断して、所有者グループに登録されていない携帯機器2-2の保有者は、所有者の関係者であると推定してもよい。
【0030】
関係者グループ機器登録処理部28は、その携帯機器2-2を所有者の関係者が保有していると判別した時、その携帯機器2-2のBDアドレスを、関係者グループの携帯機器2-2として、記録部30に記録されている登録テーブルに登録する。登録テーブルについては、
図2を用いて後述する。
【0031】
関係者グループの登録処理においては、電波強度による判定の条件が厳しいほど、また、関係者と判別される回数の設定が多いほど、セキュリティーは高くなるが、実際に所有者の家族や同僚などの関係者が保有する携帯機器2-2が、関係者グループの携帯機器2として登録されにくくなり、実用性には劣ってしまう。これに対して、電波強度による判定の条件が緩やかなほど、また、関係者と判別される回数の設定が少ないほど、早く自動的に登録され、実用性が高くなるが、セキュリティーは低くなってしまう。すなわち、電波強度による判定の条件や関係者として登録されるために必要な推定回数に関しては、実用性とセキュリティーの観点から、最も適した値を設定可能としてもよい。また、電波強度による判定を行わず、所有者グループの携帯機器2-1のBDアドレスが受信されている間に別の携帯機器2のBDアドレスの受信を検出した場合、BDアドレスが検出された回数のみで関係者グループの携帯機器2-2と判定してもよい。この場合、関係者と判断される回数の設定を多くし、たとえば10回以上とすることが好ましい。
【0032】
記録制御部29は、所有者グループ機器登録処理部27および関係者グループ機器登録処理部28から供給された情報に基づいて、記録部30に記録されている登録テーブルへの情報の登録、または、情報の更新を制御する。
【0033】
記録部30は、記録制御部29の制御に基づいて、登録テーブルを記録する。記録部30に記録されている登録テーブルには、例えば、
図2に示されるように、所有者グループとして登録された携帯機器2のBDアドレスと、所有者の関係者であると判定されたユーザが保持する携帯機器2のBDアドレスおよび推定回数が登録される。記録部30としては、たとえばHDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)などの、書き込み可能不揮発性メモリが用いられる。
【0034】
グループ判別部31は、記録部30に記録されている登録テーブルを参照し、ID抽出部26が抽出したBDアドレスを有する携帯機器2が、所有者グループとして登録されているか、関係者グループとして登録されているか、または、いずれのグループにも登録されていないかを判別し、判別結果を、盗難判定処理部32に供給する。
【0035】
盗難判定処理部32は、各種センサ14および測位システム15から供給される情報に基づいて、車両1の移動を検出する。そして、盗難判定処理部32は、車両1の移動が検出された場合、グループ判別部31から、所有者グループまたは関係者グループとして登録されている携帯機器2のBDアドレスが受信されているという判別結果を取得していなければ、車両1が盗難状態であると判定する。盗難判定処理部32は、車両1が盗難状態であると判定した場合、車両連携部33に対して、車両1が盗難状態であることを通知する。
【0036】
車両連携部33は、盗難判定処理部32から、車両が盗難状態であることの通知を受けた場合、車両1内のCANを介して、あるいは直接制御が可能な場合には直接の指示により、警音器12およびドライブレコーダー13を制御して、盗難状態における所定の動作を実行させる。すなわち、警音器12を制御して警音を発生させたり、ドライブレコーダー13を制御して録画を開始させる。また、盗難状態であることを通知された車両1内のECU(Electronic Control Unit)の制御により、ウィンカーやハザードランプなど動作させ、異常状態であることを車外に向けて報知することもできる。また、車両連携部33は、無線送受信器23を制御して、所有者の携帯機器2または警察などの所定の報知対象にメール送信や電話発信などの報知を行ってもよい。この場合、報知対象は予め設定されていてもよく、また、盗難と判定してからの通過時間などにより、報知対象を変えてもよい。
【0037】
このように、車両盗難防止装置11は、車両に搭載され、携帯機器2から無線で送信されるその携帯機器のIDを含む情報を受信する無線受信器としての無線送受信器23と、所定の手順で無線送受信器11により受信された第1のID(通信制御部24の制御によりID抽出部26で抽出される)を、所有者グループに属する携帯機器2のIDとして(記録制御部29を介して記録部30に)登録する第1の登録処理部としての所有者グループ機器登録処理部27、この所有者グループ機器登録処理部27に登録されたIDと共に第2のIDが無線送受信器23で受信されたときには、その第2のIDを関係者グループに属する携帯機器のIDとして(記録制御部29を介して記録部30に)登録する第2の登録処理部としての関係者グループ機器登録処理部28と、所有者グループ機器登録処理部27に登録されたIDと関係者グループ機器登録処理部28に登録されたIDとのいずれもその時点で受信されていない状態(グールプ判別部29により判別される)で車両1の移動が検出されたときには、車両1が盗難状態であると判定する盗難判定処理部32とを備える。
【0038】
これにより、車両盗難防止装置11は、車両1の所有者が保有する携帯機器2を登録することにより、所有者の関係者が保有する携帯機器2を自動的に検出し、車両を使用するユーザが複数であっても、専用の装置を用いることなく、車両の盗難を防止することができる。
【0039】
次に、
図3のフローチャートを参照し、車両盗難防止装置11で実行される、所有者グループ機器登録処理について説明する。
【0040】
ステップS1において、操作入力取得制御部22は、操作入力部21または通信制御部24から、所有者グループの携帯機器2の登録処理開始の指令を受けたか否かを判断する。ステップS1において、所有者グループの携帯機器2の登録処理開始の指令を受けていないと判断された場合、登録処理開始の指令を受けたと判断されるまで、ステップS1の処理が繰り返される。
【0041】
ステップS1において、所有者グループの携帯機器2の登録処理開始の指令を受けたと判断された場合、ステップS2において、操作入力取得制御部22は、所有者グループの携帯機器2の登録処理開始を、通信制御部24、および、所有者グループ機器登録処理部27に通知する。通信制御部24は、無線送受信器23を制御して、登録される携帯機器2のBDアドレスを取得し、所有者グループ機器登録処理部27に供給する。
【0042】
ステップS3において、所有者グループ機器登録処理部27は、ID抽出部26から、登録される携帯機器2のBDアドレスを取得し、記録制御部29に供給して、記録部30に記録されている登録テーブルに登録させる。記録制御部29は、取得されたBDアドレスを、所有者グループの携帯機器2の固有のIDとして、記録部30に記録されている登録テーブルへ登録し、処理が終了される。
【0043】
このような処理により、車両盗難防止装置11において、所有者グループの携帯機器2のBDアドレスが登録される。ここでは所有者グループ機器登録処理が他の処理と並列処理で行われるものとし、登録処理の開始の指令があるまでループすることとしたが、ステップS1を上位の処理とし、所有者グループ機器登録処理の指令を受けた後に、
図3の処理がステップS2から開始されるようにすることもできる。
【0044】
次に、
図4のフローチャートを参照し、車両盗難防止装置11が実行する、関係者グループ機器登録処理について説明する。
【0045】
ステップS11において、通信制御部24は、無線送受信器23により、携帯機器2の電波が受信されたか否かを判断する。ステップS11において、携帯機器2の電波が受信されていないと判断された場合、携帯機器2の電波が受信されたと判断されるまで、ステップS11の処理が繰り返される。
【0046】
ステップS11において、携帯機器2の電波が受信されたと判断された場合、ステップS12において、ID抽出部26は、通信制御部24の制御により、無線送受信器23と携帯機器2とが通信した場合に受信される携帯機器2のIDであるBDアドレスを抽出し、関係者グループ機器登録処理部28およびグループ判別部31に供給する。
【0047】
ステップS13において、関係者グループ機器登録処理部28は、ID抽出部26から供給されたBDアドレスに基づいて、所有者グループとして登録されている携帯機器2のBDアドレスとともに、他の携帯機器2のBDアドレスが受信されたか否かを判断する。ステップS13において、所有者グループとして登録されている携帯機器2のBDアドレスとともに、他の携帯機器2のBDアドレスが受信されていないと判断された場合、処理は、ステップS11に戻り、それ以降の処理が繰り返される。
【0048】
ステップS13において、所有者グループとして登録されている携帯機器2のBDアドレスとともに、他の携帯機器2のBDアドレスが受信されたと判断された場合、ステップS14において、関係者グループ機器登録処理部28は、電波強度測定部25から供給される、無線送受信器23により実行される携帯機器2との無線通信における携帯機器2の電波強度に基づいて、所有者グループとして登録されている携帯機器2と、他の携帯機器2との電波の受信強度をモニタリングする。
【0049】
ステップS15において、関係者グループ機器登録処理部28は、所有者グループとして登録されている携帯機器2と、他の携帯機器2との電波の受信強度の変化が、ほぼ同一であるか否かに基づいて、他の携帯機器2の保有者は、所有者グループとして登録されている携帯機器2の保有者の関係者と推定可能とされたか否かを判断する。ステップS15において、他の携帯機器2の保有者は、所有者グループとして登録されている携帯機器2の保有者の関係者と推定できないと判断された場合、処理は、ステップS11に戻り、それ以降の処理が繰り返される。
【0050】
ここで、電波強度による判定の条件が厳しいほど、セキュリティーは高くなるが、実際に所有者の関係者が保有する携帯機器2のBDアドレスが、関係者グループの携帯機器2のBDアドレスとして登録されにくくなり、実用性には劣ってしまう。したがって、電波強度による判定の条件は、ユーザから求められるセキュリティーと実用性との兼ね合いによって適宜設定可能であるものとしてもよい。
【0051】
ステップS15において、他の携帯機器2の保有者は、所有者グループとして登録されている携帯機器2の保有者の関係者と推定可能であると判断された場合、ステップS16において、関係者グループ機器登録処理部28は、関係者が保有しているとみなされた携帯機器2のBDアドレスに基づいて、記録制御部29を制御して、記録部30に記録されている登録テーブルを更新させる。
【0052】
ステップS17において、関係者グループ機器登録処理部28は、記録部30に記録されている登録テーブルを、記録制御部29を介して参照し、対応するBDアドレスは、関係者グループに登録されるための1回以上の所定の回数以上関係者が保有している携帯機器2のBDアドレスとみなされたか否かを判断する。ステップS17において、所定の回数以上関係者が保有している携帯機器2のBDアドレスとみなされていないと判断された場合、処理は、ステップS11に戻り、それ以降の処理が繰り返される。
【0053】
ここで、該当する携帯機器2を、車両1の所有者の関係者が保有する携帯機器2であると判定するための所定の回数が大きいほど、セキュリティーは高くなるが、実際に所有者の関係者が保有する携帯機器2のBDアドレスが、関係者グループの携帯機器2のBDアドレスとして登録されにくくなり、実用性には劣ってしまう。したがって、この回数は、ユーザから求められるセキュリティーと実用性との兼ね合いによって適宜設定可能であるものとしてもよい。
【0054】
ステップS17において、所定の回数以上関係者が保有している携帯機器2のBDアドレスとみなされたと判断された場合、ステップS18において、関係者グループ機器登録処理部28は、対応するBDアドレスを、関係者グループの携帯機器2のIDとして新たに登録するか、または、すでに関係者グループであると登録されている場合は、対応するBDアドレスの登録内容、すなわち、関係者が保有している携帯機器2のBDアドレスとみなされた回数を変更して、処理が終了される。
【0055】
このような処理により、車両盗難防止装置11においては、登録されていない携帯機器2から受信した電波の電波強度の変化度合いが、所有者グループに登録されている携帯機器2から受信した電波の電波強度の変化度合いと類似しているか否かに基づいて、車両1の所有者の関係者が保有する携帯機器2のBDアドレスが自動的に検出されて記録される。そして、その検出回数に基づいて、車両1の所有者の関係者の携帯機器2のBDアドレスが自動的に登録される。また、この時、電波強度による判定の条件の厳しさ、および、登録に必要な推定回数は、ユーザから求められるセキュリティーと実用性との兼ね合いによって適宜設定可能であるものとしてもよい。また、この例では関係者グループ機器登録処理が他の処理と並列処理で行われるものとし、携帯機器の電波が受信されるまでループすることとしたが、ステップS11を上位の処理とし、電波が受信されたときに、
図4の処理がステップS12から開始されるようにすることもできる。
【0056】
次に、
図5のフローチャートを参照して、盗難判定処理について説明する。
【0057】
ステップS31において、盗難判定処理部32は、各種センサ14および測位システム15から供給される情報に基づいて、車両1の移動が検出されたか否かを判断する。ステップS31において、車両1の移動が検出されていないと判断された場合、車両1の移動が検出されたと判断されるまで、ステップS31の処理が繰り返される。
【0058】
ステップS31において、車両1の移動が検出されたと判断された場合、ステップS32において、通信制御部24は、無線送受信器23により、携帯機器2の電波が受信されたか否かを判断する。ステップS32において、携帯機器2の電波が受信されていないと判断された場合、処理は、後述するステップS35に進む。
【0059】
ステップS32において、携帯機器2の電波が受信されたと判断された場合、ステップS33において、ID抽出部26は、通信制御部24の制御により、無線送受信器23と携帯機器2とが通信した場合に受信される携帯機器2のIDであるBDアドレスを抽出し、関係者グループ機器登録処理部28およびグループ判別部31に供給する。ここで、ID抽出部26により抽出されるBDアドレスは、1つだけではなく、複数である場合もある。
【0060】
ステップS34において、グループ判別部31は、記録部30に記録されている登録テーブルを、記録制御部29を介して参照し、ステップS33において取得されたBDアドレス(取得されたBDアドレスが複数である場合は、そのうちのいずれか)を有する携帯機器2は所有者グループ、または、関係者グループとして登録されている携帯機器2であるか否かを判断する。ステップS34において、所有者グループ、または、関係者グループとして登録されている携帯機器2であると判断された場合、処理は、ステップS31に戻り、それ以降の処理が繰り返される。
【0061】
ステップS32において、携帯機器2の電波が受信されていないと判断された場合、または、ステップS34において、所有者グループ、または、関係者グループとして登録されている携帯機器2ではないと判断された場合、ステップS35において、盗難判定処理部32は、車両1が盗難状態であると判定し、車両連携部33に対して、車両1が盗難状態であることを通知する。車両連携部33は、盗難検出時の処理として、警音器12を制御して警器を発生させたり、ドライブレコーダー13を制御して録画を開始させる。
【0062】
このような処理により、車両盗難防止装置11においては、車両1の移動が検出された場合、登録されている携帯機器2が車両1内部または祖の近傍に存在するか否かを判断し、存在しない場合、車両1が盗難されたと判定して、盗難検出時の処理を実行させることができる。したがって、車両1を使用するユーザが複数であっても、車両の所有者が保有する携帯機器2を登録することにより、所有者の関係者が保有する携帯機器2を自動的に検出し、専用の装置を用いることなく、車両1の盗難を防止することができる。この例では盗難判定処理が他の処理と並列処理で行われるものとし、車両の移動が検出されるまでループすることとしたが、ステップS31を上位の処理とし、車両の移動が検出されたときに、
図5の処理がステップS32から開始されるようにすることもできる。
【0063】
また、本発明の実施の形態は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
【符号の説明】
【0064】
1…車両、 2…携帯機器、 11…車両盗難防止装置、 12…警音器、 13…ドライブレコーダー、 14…各種センサ、 15…測位システム、 21…操作入力部、 22…操作入力取得制御部、 23…無線送受信器、 24…通信制御部、 25…電波強度測定部、 26…ID取得部、 27…所有者グループ機器登録処理部、 28…関係者グループ機器登録処理部、 29…記録制御部、 30…記録部、 31…グループ判別部、 32…盗難判定処理部、 33…車両連携部