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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-11
(45)【発行日】2022-10-19
(54)【発明の名称】タイヤ
(51)【国際特許分類】
   B60C 11/13 20060101AFI20221012BHJP
   B60C 5/00 20060101ALI20221012BHJP
   B60C 11/03 20060101ALI20221012BHJP
【FI】
B60C11/13 B
B60C5/00 H
B60C11/03 300D
B60C11/13 C
B60C11/03 B
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2020103862
(22)【出願日】2020-06-16
(65)【公開番号】P2021195049
(43)【公開日】2021-12-27
【審査請求日】2021-01-08
(73)【特許権者】
【識別番号】000183233
【氏名又は名称】住友ゴム工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104134
【弁理士】
【氏名又は名称】住友 慎太郎
(74)【代理人】
【識別番号】100156225
【弁理士】
【氏名又は名称】浦 重剛
(74)【代理人】
【識別番号】100168549
【弁理士】
【氏名又は名称】苗村 潤
(74)【代理人】
【識別番号】100200403
【弁理士】
【氏名又は名称】石原 幸信
(74)【代理人】
【識別番号】100206586
【弁理士】
【氏名又は名称】市田 哲
(72)【発明者】
【氏名】中島 翔
(72)【発明者】
【氏名】中島 幸一
【審査官】増田 亮子
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-193679(JP,A)
【文献】特開2019-127104(JP,A)
【文献】特開2013-039899(JP,A)
【文献】特開2016-117306(JP,A)
【文献】特開平04-228307(JP,A)
【文献】特開2019-064512(JP,A)
【文献】特開2005-067407(JP,A)
【文献】特開2018-065517(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0160884(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60C 11/13
B60C 5/00
B60C 11/03
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
トレッド部を有するタイヤであって、
前記トレッド部は、タイヤ周方向に連続して延びる第1周方向溝と、前記第1周方向溝のタイヤ軸方向の第1の側で隣接する第1陸部とを含み、
前記第1周方向溝の溝底部は、溝底基準面と、溝底基準面よりもタイヤ半径方向外側に突出する複数の突起とを含み、
前記第1陸部には、前記第1周方向溝から延び、かつ、前記第1陸部内で途切れる少なくとも1本の第1横溝が設けられ、
トレッド平面視において、前記第1横溝の前記第1周方向溝での接続部をタイヤ軸方向に平行に前記第1周方向溝の前記溝底部に延長した第1横溝延長領域の全域は、前記溝底基準面で形成されており、
前記第1横溝は、一方の溝縁及び他方の溝縁を含み、
前記一方の溝縁は、その全体がタイヤ軸方向に対して同一方向に傾斜しており、
前記他方の溝縁は、その全体がタイヤ軸方向に対して前記一方の溝縁とは逆向きに傾斜しており、
前記第1周方向溝は、タイヤ周方向に対して傾斜した第1傾斜部と、タイヤ周方向に対して前記第1傾斜部よりも大きい角度で傾斜した第2傾斜部とをタイヤ周方向に交互に含み、
前記第1横溝は、前記第2傾斜部に連通している、
タイヤ。
【請求項2】
トレッド部を有するタイヤであって、
前記トレッド部は、タイヤ周方向に連続して延びる第1周方向溝と、前記第1周方向溝のタイヤ軸方向の第1の側で隣接する第1陸部と、前記第1陸部の前記第1の側に隣接してタイヤ周方向に延びる第2周方向溝とを含み、
前記第1周方向溝の溝底部及び前記第2周方向溝の溝底部は、それぞれ、溝底基準面と、溝底基準面よりもタイヤ半径方向外側に突出する複数の突起とを含み、
前記第1陸部には、前記第1周方向溝から延び、かつ、前記第1陸部内で途切れる少なくとも1本の第1横溝が設けられ、
トレッド平面視において、前記第1横溝の前記第1周方向溝での接続部をタイヤ軸方向に平行に前記第1周方向溝の前記溝底部に延長した第1横溝延長領域の全域は、前記溝底基準面で形成されており、
前記第1周方向溝の前記突起及び前記第2周方向溝の前記突起は、それぞれ、前記第1周方向溝又は前記第2周方向溝の長さ方向に沿った断面において、タイヤ半径方向に延びる第1面と、タイヤ半径方向に対して前記第1面よりも大きい角度で延びる第2面とを含み、
前記第1周方向溝の前記突起の前記第1面は、タイヤ周方向の第1の側を向いており、
前記第2周方向溝の前記突起の前記第1面は、タイヤ周方向の第2の側を向いている、
タイヤ。
【請求項3】
トレッド部を有するタイヤであって、
前記トレッド部は、タイヤ周方向に連続して延びる第1周方向溝と、前記第1周方向溝のタイヤ軸方向の第1の側で隣接する第1陸部とを含み、
前記第1周方向溝の溝底部は、溝底基準面と、溝底基準面よりもタイヤ半径方向外側に突出する複数の突起とを含み、
前記第1陸部には、前記第1周方向溝から延び、かつ、前記第1陸部内で途切れる少なくとも1本の第1横溝と、前記第1陸部を完全に横断する少なくとも1本の第2横溝とが設けられ、
トレッド平面視において、前記第1横溝の前記第1周方向溝での接続部をタイヤ軸方向に平行に前記第1周方向溝の前記溝底部に延長した第1横溝延長領域の全域は、前記溝底基準面で形成されており、
前記第1横溝は、一方の溝縁及び他方の溝縁を含み、
前記一方の溝縁は、その全体がタイヤ軸方向に対して同一方向に傾斜しており、
前記他方の溝縁は、その全体がタイヤ軸方向に対して前記一方の溝縁とは逆向きに傾斜しており、
トレッド平面視において、前記第2横溝の前記第1周方向溝での接続部をタイヤ軸方向に平行に前記第1周方向溝の前記溝底部に延長した第2横溝延長領域には、前記突起の少なくとも一部が重複している、
タイヤ。
【請求項4】
トレッド部を有するタイヤであって、
前記トレッド部は、タイヤ周方向に連続して延びる第1周方向溝と、前記第1周方向溝のタイヤ軸方向の第1の側で隣接する第1陸部とを含み、
前記第1周方向溝の溝底部は、溝底基準面と、溝底基準面よりもタイヤ半径方向外側に突出する複数の突起とを含み、
前記第1陸部には、前記第1周方向溝から延び、かつ、前記第1陸部内で途切れる少なくとも1本の第1横溝が設けられ、
トレッド平面視において、前記第1横溝の前記第1周方向溝での接続部をタイヤ軸方向に平行に前記第1周方向溝の前記溝底部に延長した第1横溝延長領域の全域は、前記溝底基準面で形成されており、
前記第1横溝は、一方の溝縁及び他方の溝縁を含み、
前記一方の溝縁は、その全体がタイヤ軸方向に対して同一方向に傾斜しており、
前記他方の溝縁は、その全体がタイヤ軸方向に対して前記一方の溝縁とは逆向きに傾斜しており、
前記突起は、前記第1周方向溝の長さ方向に沿った断面において、タイヤ半径方向に延びる第1面と、タイヤ半径方向に対して前記第1面よりも大きい角度で延びる第2面とを含む、
タイヤ。
【請求項5】
トレッド部を有するタイヤであって、
前記トレッド部は、タイヤ周方向に連続して延びる第1周方向溝と、前記第1周方向溝のタイヤ軸方向の第1の側で隣接する第1陸部と、前記第1周方向溝のタイヤ軸方向の第2の側に隣接する第2陸部とを含み、
前記第1周方向溝の溝底部は、溝底基準面と、溝底基準面よりもタイヤ半径方向外側に突出する複数の突起とを含み、
前記第1陸部には、前記第1周方向溝から延び、かつ、前記第1陸部内で途切れる少なくとも1本の第1横溝が設けられ、
トレッド平面視において、前記第1横溝の前記第1周方向溝での接続部をタイヤ軸方向に平行に前記第1周方向溝の前記溝底部に延長した第1横溝延長領域の全域は、前記溝底基準面で形成されており、
前記第1横溝は、一方の溝縁及び他方の溝縁を含み、
前記一方の溝縁は、その全体がタイヤ軸方向に対して同一方向に傾斜しており、
前記他方の溝縁は、その全体がタイヤ軸方向に対して前記一方の溝縁とは逆向きに傾斜しており、
前記第2陸部には、前記第2陸部を完全に横断する複数の第3横溝が設けられており、
前記第1周方向溝は、タイヤ周方向に対して傾斜した第1傾斜部と、タイヤ周方向に対して前記第1傾斜部よりも大きい角度で傾斜した第2傾斜部とをタイヤ周方向に交互に含み、
前記第3横溝は、前記第2傾斜部に連通している、
タイヤ。
【請求項6】
前記第3横溝は、前記第1周方向溝を介して前記第1横溝と向き合っている、請求項5に記載のタイヤ。
【請求項7】
前記第1横溝は、その溝幅が前記タイヤ軸方向の第1の側に向かって連続的に小さくなっており、
前記第1横溝の2つの溝縁の間の角度は、30~50°である、請求項1ないし6のいずれか1項に記載のタイヤ。
【請求項8】
前記第1横溝のタイヤ軸方向の長さは、前記第1陸部のタイヤ軸方向の最大の幅の15%~30%である、請求項1ないし7のいずれか1項に記載のタイヤ。
【請求項9】
前記トレッド部は、前記第1周方向溝のタイヤ軸方向の第2の側に隣接する第2陸部を含み、
前記第2陸部には、前記第1周方向溝に連なり前記第2陸部内で途切れる複数の第4横溝が設けられている、請求項1ないし8のいずれか1項に記載のタイヤ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タイヤに関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1には、トレッド部に設けられた主溝や横溝に配置等を改善することにより、雪上性能を向上させたタイヤが提案されている。また、下記特許文献2には、周方向溝の溝底に複数の溝底隆起部が設けられたタイヤが提案されている。特許文献2のタイヤは、前記溝底隆起部を雪に食い込ませることにより、雪上性能を向上させることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2017-210105号公報
【文献】特開2019-127104号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、タイヤには、雪上性能のより一層の向上が求められている。周方向溝及び横溝を備えたタイヤにおいて、雪上性能を向上させるためには、周方向溝の溝底部に複数の突起を設けることが考えられるが、突起の配置によっては、溝内の雪柱を脆くするおそれがあった。
【0005】
本発明は、以上のような実情に鑑み案出なされたもので、周方向溝の溝底部に複数の突起が設けられたタイヤにおいて、雪上性能をより一層向上させることを主たる課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、トレッド部を有するタイヤであって、前記トレッド部は、タイヤ周方向に連続して延びる第1周方向溝と、前記第1周方向溝のタイヤ軸方向の第1の側で隣接する第1陸部とを含み、前記第1周方向溝の溝底部は、溝底基準面と、溝底基準面よりもタイヤ半径方向外側に突出する複数の突起とを含み、前記第1陸部には、前記第1周方向溝から延び、かつ、前記第1陸部内で途切れる少なくとも1本の第1横溝が設けられ、トレッド平面視において、前記第1横溝の前記第1周方向溝での接続部をタイヤ軸方向に平行に前記第1周方向溝の前記溝底部に延長した第1横溝延長領域の全域は、前記溝底基準面で形成されている。
【0007】
本発明のタイヤにおいて、前記第1周方向溝は、タイヤ周方向に対して傾斜した第1傾斜部と、タイヤ周方向に対して前記第1傾斜部よりも大きい角度で傾斜した第2傾斜部とをタイヤ周方向に交互に含むのが望ましい。
【0008】
本発明のタイヤにおいて、前記第1横溝は、前記第2傾斜部に連通しているのが望ましい。
【0009】
本発明のタイヤにおいて、前記第1陸部には、前記第1陸部を完全に横断する少なくとも1本の第2横溝が設けられているのが望ましい。
【0010】
本発明のタイヤにおいて、トレッド平面視において、前記第2横溝の前記第1周方向溝での接続部をタイヤ軸方向に平行に前記第1周方向溝の前記溝底部に延長した第2横溝延長領域には、前記突起の少なくとも一部が重複しているのが望ましい。
【0011】
本発明のタイヤにおいて、前記トレッド部は、前記第1周方向溝のタイヤ軸方向の第2の側に隣接する第2陸部を含み、前記第2陸部には、前記第2陸部を完全に横断する複数の第3横溝が設けられているのが望ましい。
【0012】
本発明のタイヤにおいて、前記第3横溝は、前記第1周方向溝を介して前記第1横溝と向き合っているのが望ましい。
【0013】
本発明のタイヤにおいて、前記第1周方向溝は、タイヤ周方向に対して傾斜した第1傾斜部と、タイヤ周方向に対して前記第1傾斜部よりも大きい角度で傾斜した第2傾斜部とをタイヤ周方向に交互に含み、前記第3横溝は、前記第2傾斜部に連通しているのが望ましい。
【0014】
本発明のタイヤにおいて、前記第1横溝は、その溝幅が前記タイヤ軸方向の第1の側に向かって連続的に小さくなっており、前記第1横溝の2つの溝縁の間の角度は、30~50°であるのが望ましい。
【0015】
本発明のタイヤにおいて、前記第1横溝のタイヤ軸方向の長さは、前記第1陸部のタイヤ軸方向の最大の幅の15%~30%であるのが望ましい。
【0016】
本発明のタイヤにおいて、前記トレッド部は、前記第1周方向溝のタイヤ軸方向の第2の側に隣接する第2陸部を含み、前記第2陸部には、前記第1周方向溝に連なり前記第2陸部内で途切れる複数の第4横溝が設けられているのが望ましい。
【0017】
本発明のタイヤにおいて、前記突起は、前記第1周方向溝の長さ方向に沿った断面において、タイヤ半径方向に延びる第1面と、タイヤ半径方向に対して前記第1面よりも大きい角度で延びる第2面とを含むのが望ましい。
【0018】
本発明のタイヤにおいて、前記トレッド部は、前記第1陸部の前記第1の側に隣接してタイヤ周方向に延びる第2周方向溝を含み、前記第2周方向溝の溝底部は、溝底基準面と、溝底基準面よりもタイヤ半径方向外側に突出する複数の突起とを含むのが望ましい。
【0019】
本発明のタイヤにおいて、前記第1周方向溝の前記突起及び前記第2周方向溝の前記突起は、それぞれ、前記第1周方向溝又は前記第2周方向溝の長さ方向に沿った断面において、タイヤ半径方向に延びる第1面と、タイヤ半径方向に対して前記第1面よりも大きい角度で延びる第2面とを含むのが望ましい。
【0020】
本発明のタイヤにおいて、前記第1周方向溝の前記突起の前記第1面は、タイヤ周方向の第1の側を向いており、前記第2周方向溝の前記突起の前記第1面は、タイヤ周方向の第2の側を向いているのが望ましい。
【発明の効果】
【0021】
本発明のタイヤは、上記の構成を採用したことによって、優れた雪上性能を発揮することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本発明の一実施形態のタイヤのトレッド部の展開図である。
図2図1の第1周方向溝並びに第1陸部及び第2陸部の拡大図である。
図3図2の第1周方向溝の長さ方向に沿った断面図である。
図4図2の第1周方向溝の輪郭を示す拡大図である。
図5】比較例の第1周方向溝の拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の実施の一形態が図面に基づき説明される。
図1は、本実施形態のタイヤ1のトレッド部2の展開図である。図1に示されるように、本実施形態のタイヤ1は、例えば、冬期での使用を前提とした乗用車用の空気入りタイヤとして用いられる。但し、本発明のタイヤ1は、このような態様に限定されるものではない。
【0024】
本実施形態のタイヤ1は、例えば、車両への装着の向きが指定されたトレッド部2を有する。車両への装着の向きは、例えば、サイドウォール部等に文字やマークで表示されている(図示省略)。
【0025】
トレッド部2は、外側トレッド端Toとの内側トレッド端Tiとの間でタイヤ周方向に連続して延びる4本の周方向溝3と、前記周方向溝3に区分された5つの陸部4とで構成されている。すなわち、本発明のタイヤ1は、所謂5リブタイヤとして構成されている。但し、本発明のタイヤ1は、このような態様に限定されるものではなく、例えば、3本の周方向溝3と4つの陸部4とで構成された所謂4リブタイヤでも良い。
【0026】
外側トレッド端Toは、車両装着時に車両外側に位置することが意図されたトレッド端であり、内側トレッド端Tiは、車両装着時に車両内側に位置することが意図されたトレッド端である。外側トレッド端To及び内側トレッド端Tiは、それぞれ、正規状態のタイヤ1に正規荷重が負荷されキャンバー角0°で平面に接地したときの最もタイヤ軸方向外側の接地位置に相当する。
【0027】
「正規状態」とは、各種の規格が定められた空気入りタイヤの場合、タイヤが正規リムにリム組みされかつ正規内圧が充填され、しかも、無負荷の状態である。各種の規格が定められていないタイヤや、非空気式タイヤの場合、前記正規状態は、タイヤの使用目的に応じた標準的な使用状態であって無負荷の状態を意味する。本明細書において、特に断りがない場合、タイヤ各部の寸法等は、前記正規状態で測定された値である。
【0028】
「正規リム」は、タイヤが基づいている規格を含む規格体系において、当該規格がタイヤ毎に定めているリムであり、例えばJATMAであれば "標準リム" 、TRAであれば "Design Rim" 、ETRTOであれば"Measuring Rim" である。
【0029】
「正規内圧」は、タイヤが基づいている規格を含む規格体系において、各規格がタイヤ毎に定めている空気圧であり、JATMAであれば "最高空気圧" 、TRAであれば表 "TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES" に記載の最大値、ETRTOであれば "INFLATION PRESSURE" である。
【0030】
「正規荷重」は、各種の規格が定められた空気入りタイヤの場合、タイヤが基づいている規格を含む規格体系において、各規格がタイヤ毎に定めている荷重であり、JATMAであれば "最大負荷能力" 、TRAであれば表 "TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES" に記載の最大値、ETRTOであれば "LOAD CAPACITY" である。また、各種の規格が定められていないタイヤや、非空気式タイヤの場合、「正規荷重」は、タイヤの標準使用状態において、1つのタイヤに作用する荷重を指す。前記「標準使用状態」とは、タイヤの使用目的に応じた標準的な車両にタイヤが装着され、かつ、前記車両が走行可能な状態で平坦な路面上に静止している状態を指す。
【0031】
周方向溝3は、例えば、第1周方向溝5、第2周方向溝6、第3周方向溝7及び第4周方向溝8を含む。第1周方向溝5は、タイヤ赤道Cと外側トレッド端Toとの間に設けられている。第2周方向溝6は、第1周方向溝5のタイヤ軸方向の第1の側(本明細書の各図では、右側である。)に設けられ、本実施形態では、タイヤ赤道Cと内側トレッド端Tiとの間に設けられている。第3周方向溝7は、第1周方向溝5と外側トレッド端Toとの間に設けられている。第4周方向溝8は、第2周方向溝6と内側トレッド端Tiとの間に設けられている。
【0032】
周方向溝3は、タイヤ周方向に直線状に延びるものや、ジグザグ状に延びるもの等、種々の態様を採用し得る。本実施形態では、第1周方向溝5は、ジグザグ状に延びている。一方、第2周方向溝6、第3周方向溝7及び第4周方向溝8は、タイヤ周方向に平行に直線状に延びている。但し、本発明のタイヤ1は、このような態様に限定されるものではない。
【0033】
第1周方向溝5又は第2周方向溝6の溝中心線からタイヤ赤道Cまでのタイヤ軸方向の距離L1は、例えば、トレッド幅TWの3%~15%である。望ましい態様では、第2周方向溝6の溝中心線からタイヤ赤道Cまでのタイヤ軸方向の距離は、第1周方向溝5の溝中心線からタイヤ赤道Cまでのタイヤ軸方向の距離よりも大きい。また、第3周方向溝7又は第4周方向溝8の溝中心線からタイヤ赤道Cまでのタイヤ軸方向の距離L2は、例えば、トレッド幅TWの20%~35%である。なお、トレッド幅TWは、前記正規状態における外側トレッド端Toから内側トレッド端Tiまでのタイヤ軸方向の距離である。
【0034】
周方向溝3の溝幅W1は、少なくとも3mm以上であるのが望ましい。望ましい態様では、周方向溝3の溝幅W1は、トレッド幅TWの2.0%~5.0%である。本実施形態では、4本の周方向溝3の内、第2周方向溝6が最も大きい溝幅を有している。
【0035】
陸部4は、第1陸部11を含む。第1陸部11は、第1周方向溝5のタイヤ軸方向の第1の側で隣接しており、本実施形態では第1周方向溝5と第2周方向溝6との間に区分されている。また、陸部4は、第2陸部12を含む。第2陸部12は、第1周方向溝5のタイヤ軸方向の第2の側(前記第1の側の反対側であり、本明細書の各図では左側である。)に隣接しており、本実施形態では第1周方向溝5と第3周方向溝7との間に区分されている。
【0036】
図2には、第1周方向溝5並びに第1陸部11及び第2陸部12の拡大図が示されている。図3には、第1周方向溝5の長さ方向に沿った断面図が示されている。図2及び図3に示されるように、第1周方向溝5の溝底部5dは、溝底基準面13と、溝底基準面13よりもタイヤ半径方向外側に突出する複数の突起14とを含んでいる。なお、図2において、上述の突起14は、着色されている。
【0037】
図2に示されるように、第1陸部11には、第1周方向溝5から延び、かつ、第1陸部11内で途切れる少なくとも1本の第1横溝16が設けられている。
【0038】
図4には、第1周方向溝5の輪郭を示す拡大図が示されている。なお、図4において、陸部に配されたサイプは省略されている。図4に示されるように、トレッド平面視において、第1横溝16の第1周方向溝5での接続部をタイヤ軸方向に平行に第1周方向溝5の溝底部5dに延長した第1横溝延長領域21(図4では、傾斜細線が付されている。)の全域は、溝底基準面13で形成されている。換言すれば、第1横溝延長領域21には、突起14(図4では、図2と同様に着色されている。)が形成されていない。本発明のタイヤ1は、上記の構成を採用したことによって、優れた雪上性能を発揮することができる。その理由としては、以下のメカニズムが推察される。
【0039】
本発明のタイヤは、雪上走行時、第1周方向溝5の溝底部に設けられた突起14が、第1周方向溝5内で押し固められた雪柱を押し退けることにより、タイヤ周方向に大きな反力を発生し、優れた雪上性能を発揮できる。
【0040】
一方、雪上走行時、第1横溝延長領域21では、他の部分と比較して固い雪柱が生成される傾向がある。本発明では、第1横溝延長領域21の全域が溝底基準面13で構成されているため、第1横溝延長領域21内に多くの雪が入り易くなり、ひいてはより大きな雪柱せん断力が発生し得る。このような作用により、優れた雪上性能が発揮される。また、このような構成によって、第1周方向溝5から第1横溝16への水の移動が突起14に阻害されず、ウェット性能が維持される。
【0041】
以下、本実施形態のさらに詳細な構成が説明される。なお、以下で説明される各構成は、本実施形態の具体的態様を示すものである。したがって、本発明は、以下で説明される構成を具えないものであっても、上述の効果を発揮し得るのは言うまでもない。また、上述の特徴を具えた本発明のタイヤに、以下で説明される各構成のいずれか1つが単独で適用されても、各構成に応じた性能の向上は期待できる。さらに、以下で説明される各構成のいくつかが複合して適用された場合、各構成に応じた複合的な性能の向上が期待できる。
【0042】
図2に示されるように、第1周方向溝5は、タイヤ周方向に対して傾斜した第1傾斜部26と、タイヤ周方向に対して第1傾斜部26よりも大きい角度で傾斜した第2傾斜部27とをタイヤ周方向に交互に含む。
【0043】
第1傾斜部26のタイヤ周方向に対する角度は、例えば、10°以下である。第2傾斜部27のタイヤ周方向に対する角度は、例えば、60~80°である。第1傾斜部26と第2傾斜部27とは、タイヤ周方向に対して互いに逆向きに傾斜している。第1傾斜部26と第2傾斜部27との間の角度は、例えば、100~120°である。第2傾斜部27の長さは、第1傾斜部26の長さよりも小さい。これにより、雪上走行時、第2傾斜部27で固い雪柱が生成され、雪上性能が向上する。なお、本明細書において、溝の角度や溝の長さは、溝中心線で測定されるものとする。
【0044】
図3に示されるように、第1周方向溝5の溝底部5dに設けられた突起14は、第1周方向溝5の長さ方向に沿った断面において、タイヤ半径方向に延びる第1面28と、タイヤ半径方向に対して第1面28よりも大きい角度で延びる第2面29とを含む。本実施形態では、第1面28は、タイヤ周方向と直交する領域を少なくとも一部に含む。第1周方向溝5の突起14の第1面28は、タイヤ周方向の第1の側(図3では右側である。)を向いている。また、第1面28と第2面29とは、タイヤ軸方向に延びる稜線部30を介して連なっている。稜線部30は、第1周方向溝5の溝底部において、その溝幅の全域に亘って延びている。このような突起14は、雪上でのトラクション性能又はブレーキ性能を効果的に向上させる。
【0045】
第1面28と第2面29との間の角度θ1は、例えば、80~110°である。突起14の最大の高さh1は、例えば、第1周方向溝5の最大の深さの5%~15%である。このような突起14は、第1周方向溝5の排水性を維持しつつ、雪上性能を高めることができる。
【0046】
図2に示されるように、突起14は、第1傾斜部26に設けられており、かつ、第2傾斜部27には設けられていない。また、1つの第1傾斜部26に設けられる突起14の個数は、例えば、2~6個であり、望ましくは3~5個である。また、タイヤ周方向で隣り合う突起14の配置ピッチP1(図3に示す)は、第1傾斜部26のタイヤ周方向の長さの20%~30%である。このような突起14の配置は、ウェット性能と雪上性能とをバランス良く向上させるのに役立つ。
【0047】
第1横溝16の少なくとも1つは、第1周方向溝5の第2傾斜部27に連通している。具体的には、図4に示されるように、第1横溝延長領域21が、第2傾斜部27の少なくとも一部と重複している。これにより、第2傾斜部27と第1横溝16とが協働してより固い雪柱を生成し、雪上性能が向上する。本実施形態では、第2傾斜部27に連通する第1横溝16と、第1傾斜部26に連通する第1横溝16とがタイヤ周方向に交互に設けられている。
【0048】
図2に示されるように、第1横溝16は、例えば、第1陸部11のタイヤ軸方向の中心位置よりも第1周方向溝5側で途切れている。第1横溝16のタイヤ軸方向の長さL3は、例えば、第1陸部11のタイヤ軸方向の最大の幅W2の15%~30%である。このような第1横溝16は、第1陸部11の剛性を維持しつつ、雪上性能を高めることができる。
【0049】
第1横溝16は、例えば、溝幅がタイヤ軸方向の第1の側に向かって小さくなっている。本実施形態では、第1横溝16の2つの溝縁が非平行とされており、第1横溝16の溝幅がタイヤ軸方向の第1の側に向かって連続的に小さくなっている。第1横溝16の一方の溝縁は、タイヤ軸方向に対して第1横溝16の第2傾斜部27と同じ向きに傾斜しており、第1横溝16の他方の溝縁は、タイヤ軸方向に対して前記一方の溝縁とは逆向きに傾斜している。第1横溝16の2つの溝縁の間の角度は、例えば、30~50°である。このような第1横溝16は、第2傾斜部27側から雪が圧縮されることにより、その内部で雪を強く押し固めることができる。
【0050】
第1陸部11には、前記第1陸部11を完全に横断する少なくとも1本の第2横溝17が設けられている。本実施形態では、第1陸部11に複数の第2横溝17が設けられている。これにより、第1陸部11は、複数の第2横溝17で区分された第1ブロック31を含んでいる。
【0051】
第2横溝17は、例えば、タイヤ軸方向に対して第1周方向溝5の第2傾斜部27とは逆向きに傾斜している。第2横溝17のタイヤ軸方向に対する角度θ2は、例えば、10~30°である。
【0052】
第2横溝17の第1周方向溝5での接続部は、第1周方向溝5側に向かって溝幅が大きくなっているのが望ましい。これにより、第2横溝17と第1周方向溝5とが協働して固い雪柱を生成できる。また、ウェット走行時、第1周方向溝5内の水が第2横溝17側に移動し易くなり、ウェット性能が向上する。
【0053】
図4に示されるように、第2横溝17の第1周方向溝5での接続部をタイヤ軸方向に平行に第1周方向溝5の溝底部に延長した第2横溝延長領域22(図4では、傾斜細線が付されている。)には、突起14の少なくとも一部が重複しているのが望ましい。これにより、第2横溝17の前記接続部に雪が詰まるを抑制でき、優れた雪上性能が持続して発揮される。
【0054】
図2に示されるように、第1ブロック31には、第2周方向溝6から延びかつ第1ブロック31内で途切れる途切れ短溝32が設けられている。途切れ短溝32は、第1陸部11のタイヤ軸方向の中心位置よりも第2周方向溝6側で途切れている。途切れ短溝32のタイヤ軸方向の長さL4は、例えば、第1陸部11のタイヤ軸方向の最大の幅W2の15%~30%である。このような途切れ短溝32は、第1陸部11の剛性を維持しつつ、雪上性能を高めることができる。
【0055】
途切れ短溝32は、例えば、タイヤ軸方向に対して傾斜している。本実施形態の途切れ短溝32は、第1周方向溝5の第2傾斜部27と同じ向きに傾斜しており、これらの溝の角度差は、例えば、10°以下である。また、途切れ短溝32のタイヤ軸方向に対する角度は、例えば、10~30°である。このような途切れ短溝32は、雪上でのトラクション性能と旋回性能とをバランス良く向上させる。
【0056】
第1ブロック31には、複数のサイプ33が設けられている。本明細書において、「サイプ」とは、微小な幅を有する切れ込み要素であって、互いに向き合う2つのサイプ壁の間の幅が1.5mm以下のものを指す。サイプの前記幅は、望ましくは0.1~1.0mmであり、より望ましくは0.2~0.4mmである。本実施形態のサイプは、その全深さに亘って、前記幅が上述の範囲とされている。なお、本明細書では、ある切れ込み要素の横断面において、幅が1.5mm以下の領域をその全深さの50%以上含むものは、幅が1.5mmを超える領域を一部に含むものであっても、サイプ(溝要素を含むサイプ)として扱うものとする。また、ある切れ込み要素の横断面において、幅が1.5mmよりも大きい領域をその全深さの50%以上含むものは、幅が1.5mm以下の領域を一部に含むものであっても、溝(サイプ要素を含む溝)として扱うものとする。
【0057】
サイプ33は、例えば、タイヤ軸方向に対して第2傾斜部27と同じ向きに傾斜している。また、本実施形態のサイプ33は、トレッド平面視においてジグザグ状に延びている。サイプ33は、例えば、その長さ方向及び深さ方向にジグザグ状に延びる所謂3Dサイプとして構成されても良い。このようなサイプ33は、第1陸部11の剛性を維持しつつ、氷上性能を高めることができる。
【0058】
第2陸部12には、第2陸部12を完全に横断する複数の第3横溝18と、第1周方向溝5に連なり第2陸部12内で途切れる複数の第4横溝19とが設けられている。
【0059】
第3横溝18は、例えば、タイヤ軸方向に対して傾斜している。第3横溝18は、タイヤ軸方向に対して第1周方向溝5の第2傾斜部27と同じ向きに傾斜している。これにより、第2横溝17と第3横溝18とは、タイヤ軸方向に対して互いに逆向きに傾斜している。第3横溝18のタイヤ軸方向に対する角度θ3は、例えば、15~30°である。このような第3横溝18は、雪上でのトラクション性能と旋回性能とをバランス良く向上させる。
【0060】
第3横溝18の少なくとも1本は、例えば、第2傾斜部27に連通している。本実施形態では、第2傾斜部27に連通する第3横溝18と、第1傾斜部26に連通する第3横溝18とが、タイヤ周方向に交互に設けられている。
【0061】
第3横溝18は、第1周方向溝5を介して前記第1横溝16と向き合っている。なお、この構成は、第3横溝18をその長さ方向に沿って第1陸部11側に延長した仮想領域が、第1横溝16の少なくとも一部と重複する態様を意味する。これにより、第3横溝18、第1周方向溝5及び第1横溝16が協働して固い雪柱を形成でき、ひいては雪上性能がより一層向上する。
【0062】
第4横溝19は、例えば、タイヤ軸方向に対して傾斜している。第4横溝19は、タイヤ軸方向に対して第1周方向溝5の第2傾斜部27と同じ向きに傾斜している。これにより、第4横溝19は、タイヤ軸方向に対して第3横溝18と同じ向きに傾斜している。第4横溝19のタイヤ軸方向に対する角度θ4は、例えば、15~30°である。
【0063】
第4横溝19のタイヤ軸方向の長さL5は、例えば、第2陸部12のタイヤ軸方向の最大の幅W3の40%~60%である。また、第4横溝19の最大の溝幅は、第3横溝18の最大の溝幅よりも小さい。このような第4横溝19は、第2陸部12の剛性を維持しつつ、雪上性能を高めることができる。
【0064】
図4に示されるように、トレッド平面視において、第4横溝19の第1周方向溝5での接続部をタイヤ軸方向に平行に第1周方向溝5の溝底部5dに延長した第4横溝延長領域24(図4では、傾斜細線が付されている。)の全域は、溝底基準面13で形成されているのが望ましい。これにより、第4横溝延長領域24内で固い雪柱が生成できる。また、上記構成は、第1周方向溝5から第4横溝19側に水を移動し易くし、ウェット性能を高めるのにも役立つ。
【0065】
図2に示されるように、第2陸部12は、複数の第3横溝18で区分された複数の第2ブロック34を含んでいる。第2ブロック34には、複数のサイプ35が設けられている。第2ブロック34に設けられたサイプ35は、タイヤ軸方向に対して第2傾斜部27とは逆向きに傾斜している。これ以外の構成について、第2ブロック34に設けられたサイプ35には、上述した第1ブロック31に設けられたサイプ33の構成を適用することができる。
【0066】
第2周方向溝6の溝幅は、第1周方向溝5の溝幅よりも大きい。第2周方向溝6の溝幅は、第1周方向溝5の溝幅の1.5~2.0倍であるのが望ましい。このような第2周方向溝6は、雪上性能及びウェット性能を高めるのに役立つ。
【0067】
第2周方向溝6の溝底部6dは、溝底基準面38と、溝底基準面38よりもタイヤ半径方向外側に突出する複数の突起39とを含む。第2周方向溝6の突起39には、上述の第1周方向溝5の突起14の構成を適用することができる。このような突起39を有する第2周方向溝6は、雪上でのトラクション性能又はブレーキ性能を高めることができる。
【0068】
より望ましい態様では、第1周方向溝5の突起14の第1面28は、タイヤ周方向の第1の側を向いており、第2周方向溝6の突起39の第1面は、前記第1の側とは逆向きであるタイヤ周方向の第2の側を向いている。これにより、雪上でのトラクション性能及びブレーキ性能がバランス良く向上する。
【0069】
第2周方向溝6の突起39は、第2横溝17又は途切れ短溝32の第2周方向溝6での接続部をタイヤ軸方向に平行に第2周方向溝の前記溝底部に延長した領域の少なくとも一部と重複しているのが望ましい。このような突起39の配置は、第2横溝17及び途切れ短溝32に雪が詰まるのを抑制でき、優れた雪上性能が持続して発揮される。
【0070】
以上、本発明の一実施形態のタイヤが詳細に説明されたが、本発明は、上記の具体的な実施形態に限定されることなく、種々の態様に変更して実施され得る。
【実施例
【0071】
図1の基本トレッドパターンを有するサイズ195/65R15のタイヤが、表1の仕様に基づき試作された。比較例として、図5に示される第1周方向溝aを有するタイヤが試作された。図5に示されるように、比較例の第1横溝cをタイヤ軸方向に平行に第1周方向溝aの溝底部に延長した第1横溝延長領域には、第1周方向溝aの突起bが重複している。比較例のタイヤは、上述の構成を除き、図1に示されるものと実質的に同じパターンを有している。各テストタイヤについて、雪上性能及びウェット性能がテストされた。各テストタイヤの共通仕様やテスト方法は、以下の通りである。
装着リム:15×6.0JJ
タイヤ内圧:前輪230kPa、後輪230kPa
テスト車両:排気量1500cc、前輪駆動車
タイヤ装着位置:全輪
【0072】
<雪上性能>
上記テスト車両で雪上を走行したときの雪上性能が、運転者の官能により評価された。結果は、比較例を100とする評点であり、数値が大きい程、雪上性能が優れていることを示す。
【0073】
<ウェット性能>
上記テスト車両を用いて、ウェット路面を走行したときのウェット性能が、運転者の官能により評価された。結果は、比較例を100とする評点であり、数値が大きい程、ウェット性能が優れていることを示す。
テストの結果が表1に示される。
【0074】
【表1】
【0075】
表1に示されるように、実施例のタイヤは、優れた雪上性能を発揮していることが確認できた。また、実施例のタイヤは、ウェット性能を維持していることも確認できた。
【符号の説明】
【0076】
2 トレッド部
5 第1周方向溝
5d 溝底部
11 第1陸部
13 溝底基準面
14 突起
16 第1横溝
21 溝底基準面
図1
図2
図3
図4
図5