(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-11
(45)【発行日】2022-10-19
(54)【発明の名称】移植機
(51)【国際特許分類】
A01C 11/02 20060101AFI20221012BHJP
【FI】
A01C11/02 302C
A01C11/02 301C
(21)【出願番号】P 2020180543
(22)【出願日】2020-10-28
【審査請求日】2021-07-29
(73)【特許権者】
【識別番号】000000125
【氏名又は名称】井関農機株式会社
(72)【発明者】
【氏名】村並 昌実
(72)【発明者】
【氏名】大久保 嘉彦
(72)【発明者】
【氏名】山根 暢宏
(72)【発明者】
【氏名】東 幸太
(72)【発明者】
【氏名】田▲崎▼ 昭雄
(72)【発明者】
【氏名】中島 弘喜
【審査官】星野 浩一
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-142516(JP,A)
【文献】特開2002-360015(JP,A)
【文献】特開2001-028912(JP,A)
【文献】実開昭63-020714(JP,U)
【文献】特開平10-248320(JP,A)
【文献】特開2015-139418(JP,A)
【文献】特開2012-115188(JP,A)
【文献】特開2004-008087(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01C 11/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
圃場に種球を植え付ける植付装置(14)と、該植付装置(14)を上下動させると共に植付動作させる上下動機構(141,142)を備える移植機において、
該植付装置(14)は、該上下動機構(141,142)に連動して開閉する開閉ホッパと、開閉せず植付前の種球を保持する固定ホッパ(202)で構成
し、
前記固定ホッパ(202)は筒状とし、対称となる面に尖頭状の凸部(202a)を各々形成し、
前記開閉ホッパは、開閉プレート(209,209)を前記固定ホッパ(202)の対称となる面に各々回動可能に設け、該開閉プレート(209,209)同士を連結すると共に閉じた状態で種球を受ける受け部材(210)を設けて構成し、該受け部材(210)は、開閉ホッパの下部側が尖頭状となる傾斜姿勢で配置され、
前記開閉プレート(209,209)は、機体上側の装着部と機体下部側の前記受け部材(210)の幅よりも狭い狭隘部(211)を、機体上下方向に亘って形成したことを特徴とする移植機。
【請求項2】
投入された種球を前記植付装置(14)に供給する供給装置(15)を設け、該供給装置(15)は、種球が投入される複数の供給カップ(154)を無端状に連結して構成し、
該供給カップ(154)に定位置で開いて種球を前記植付装置(14)に落下させる蓋部(154a)を設け、該蓋部(154a)には、種球の張り付きを防止する張り付き防止体(154b,154c)を設けることを特徴とする請求項1に記載の移植機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ジャガイモ等の種球を移植する移植機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、複数の供給カップが周回する苗供給装置と、苗供給装置から一株ずつ落下供給される苗や種球を圃場に植え付ける植付ホッパを備え、植付ホッパは前後または左右方向に開閉回動して移動中の苗や種球の保持、及び圃場への植付を行う移植機が知られている。
(特許文献1、2)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2012-223136号公報
【文献】特開2013‐172691号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の移植機では、苗や種球を植え付ける際、土中に大部分が入り込んだ状態で半円錐形状のホッパ構成体を開くので、接触面積の大きさから開く際に植え付けホッパに加わる抵抗が大きく、負荷により植付ホッパが破損することや、土中で十分に開くことができず苗を植え付け損なう問題がある。
【0005】
本発明は、従来の課題を考慮して、苗や種球を圃場に植え付ける際に確実に開閉ができると共に、耐久性の高い植付ホッパを備える移植機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、次のような技術的手段を講じた。
【0007】
請求項1に係る発明は、圃場に種球を植え付ける植付装置(14)と、該植付装置(14)を上下動させると共に植付動作させる上下動機構(141,142)を備える移植機において、該植付装置(14)は、該上下動機構(141,142)に連動して開閉する開閉ホッパと、開閉せず植付前の種球を保持する固定ホッパ(202)で構成し、前記固定ホッパ(202)は筒状とし、対称となる面に尖頭状の凸部(202a)を各々形成し、前記開閉ホッパは、開閉プレート(209,209)を前記固定ホッパ(202)の対称となる面に各々回動可能に設け、該開閉プレート(209,209)同士を連結すると共に閉じた状態で種球を受ける受け部材(210)を設けて構成し、該受け部材(210)は、開閉ホッパの下部側が尖頭状となる傾斜姿勢で配置され、前記開閉プレート(209,209)は、機体上側の装着部と機体下部側の前記受け部材(210)の幅よりも狭い狭隘部(211)を、機体上下方向に亘って形成したことを特徴とする移植機とした。
【0008】
請求項2に係る発明は、投入された種球を前記植付装置(14)に供給する供給装置(15)を設け、該供給装置(15)は、種球が投入される複数の供給カップ(154)を無端状に連結して構成し、該供給カップ(154)に定位置で開いて種球を前記植付装置(14)に落下させる蓋部(154a)を設け、該蓋部(154a)には、種球の張り付きを防止する張り付き防止体(154b,154c)を設けることを特徴とする請求項1に記載の移植機とした。
【0009】
また、補正後の請求項1に関連する、第1の関連発明は、前記固定ホッパ(202)のうち、開閉ホッパと接する面には、前記凸部(202a)を含む上下方向の切欠部(203)を形成し、該切欠部(203)は、前記開閉ホッパが閉じると覆われ、開くと開放される幅で形成されることを特徴とする移植機とした。
【0010】
また、補正後の請求項1、ならびに第1の関連発明に係る第2の関連発明は、前記開閉プレート(209,209)は、機体上側の装着部と機体下部側の前記受け部材(210)の幅よりも狭い狭隘部(211)を、機体上下方向に亘って形成したことを特徴とする移植機とした。
【0011】
また、補正後の請求項1、ならびに第2の関連発明に係る第3の関連発明は、前記狭隘部(211)の上下方向において最も細い部分の下端部に、幅が広くなる方向で且つ機体下方に向かう広幅傾斜部(214)を形成し、該広幅傾斜部(214)の下部に前記受け部材(210)を、広幅傾斜部(214)の傾斜姿勢とは反対方向の傾斜姿勢で設けることを特徴とする移植機とした。
【0012】
(削除)
【発明の効果】
【0013】
請求項1に係る発明により、植付装置(14)を開閉ホッパと固定ホッパ(202)に分けて構成したことにより、開閉ホッパの面積及び重量が抑えられ、開閉動作に要する抵抗や負荷の軽減が図られる。
【0014】
また、固定ホッパ(202)を筒状に形成することにより強度を確保できるので、種球の植付時に土中に嵌入する際に生じる抵抗力で破損しにくくなる。
また、固定ホッパ(202)の対称となる面に尖頭形状の凸部(202a)を各々設けると共に、開閉ホッパを受け部材(210)の配置により尖頭形状とすることにより、土中に入る際の抵抗を軽減できるので、種球を設定どおりの深さに植え付けることができる。
また、対称となる面に配置される開閉プレート(209,209)同士を受け部材(210)で連結して開閉ホッパを構成することにより、開閉ホッパの強度の向上が図られる。
また、開閉プレート(209,209)の上下間に狭隘部(211)を形成したことにより、開閉プレート(209,209)が開く際に植付位置の土を過度に押し退けにくくなるので、植付穴が大きくなり過ぎて種球が十分に埋没しなくなり、食害や外気の影響による生育不良の発生が防止される。
【0015】
請求項2に係る発明により、請求項1に係る発明の効果に加えて、供給カップ(154)の蓋部(154a)に張り付き防止体(154b,154c)を設けたことにより、粘液や水気により種球が供給カップ(154)から落下しなくなることを防止できるので、種球が植え付けられない箇所の発生が防止される。これにより、種球を手作業で植え直す作業が不要となり、作業に要する時間と労力の軽減が図られる。
【0016】
(削除)
【0017】
そして、第1の関連発明により、請求項1に係る発明の効果に加えて、固定ホッパ(202)に、凸部(202a)を含む上下方向の切欠部(203)を形成したことにより、開閉ホッパが開閉するときに内側に付着した土を擦り落とすことができるので、開閉ホッパ内に蓄積することが防止される。これにより、付着した土に種球が張り付いて植え付けられなくなることが防止されると共に、内側に付着した土の除去作業が不要となる。
【0018】
また、切欠部(203)は、種球の植付時に開閉ホッパが開くと開放される位置に形成されているので、種球を土中に放出したタイミングで植付時に押し退けられた土を種球付近に戻すことができるので、種球を土中に十分埋没できず、鳥獣による食害を受けることや、外気の影響による生育不良が発生することが防止される。
【0019】
また、第2の関連発明に係る発明により、請求項1及び第1の関連発明に係る発明の効果に加えて、開閉プレート(209,209)の上下間に狭隘部(211)を形成したことにより、開閉プレート(209,209)が開く際に植付位置の土を過度に押し退けにくくなるので、植付穴が大きくなり過ぎて種球が十分に埋没しなくなり、食害や外気の影響による生育不良の発生が防止される。
【0020】
また、第3の関連発明に係る発明により、第2の関連発明に係る発明の効果に加えて、狭隘部(211)の最も細い部分の下端部に広幅傾斜部(214)を形成したことにより、開閉プレート(209,209)が開くと固定ホッパ(202)との間に空間部が生じるので、種球の植付時に盛り上げられた土を植付により生じた穴に入り込ませ、種球を十分に埋没させることができる。
【0021】
また、圃場にマルチフィルムを敷設している場合、開閉プレート(209,209)が開く際に広幅傾斜部(214)がマルチフィルムを押し広げるので、植付装置(14)が上昇する際にマルチフィルムが引っ掛かりにくくなるので、植付作業時にマルチフィルムを引き剥がしてしまうことが防止される。
【0022】
また、受け部材(210)を広幅傾斜部(214)とは反対方向に傾斜させて配置することにより、下部側が尖頭形状になるので土が固くても進入が妨げられにくく、また、植付後の上昇時には土を切り上げて離脱できるので、植付装置(14)の植付動作に乱れが生じにくく、植付精度が向上する。
【0023】
(削除)
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図5】油圧部材及びセンサ類のつながりを示すブロック図
【
図6】畝ガイドローラを用いた畝端への到達時の報知装置と走行停止機構の作動制御を示すフローチャート
【
図7】畝ガイドローラを用いた畝端への到達時の報知装置と走行停止機構の別例の作動制御を示すフローチャート
【
図8】走行車体の前進に合わせて植付のタイミングを変化させる制御を示すフローチャート
【
図9】固定ホッパと開閉ホッパからなる植付ホッパの正面図
【
図10】固定ホッパと開閉ホッパからなる植付ホッパの閉状態を示す側面図
【
図11】固定ホッパと開閉ホッパからなる植付ホッパの開状態を示す側面模式図
【
図12】(a)苗搬送ポットを示す側面図、(b)張り付き防止網を備える底蓋を示す模式図、(c)張り付き防止スリットを備える底蓋を示す模式図
【
図13】別構成例の供給装置と種球載置台を示す平面図
【
図14】別構成例の供給装置と種球載置台を示す背面図
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、図面に基づき、本発明の好ましい実施の形態について説明する。
【0026】
図1は、本発明の実施の形態の移植機の一例として苗を移植する移植機10を示す左側面図であり、
図2は平面図である。
【0027】
なお、以下の説明では、操縦ハンドル13を配置した側を後とし、その反対側、即ちエンジン12を配置した側を前とする。そして、機体前側に向かって右手側を右とし、左手側を左とする。
【0028】
本件の移植機10は、
図1、
図2に示すとおり、機体を前進走行可能とする走行車体11と、走行車体11の後部に設ける歩行操縦用の操縦ハンドル13と、圃場にジャガイモ等の種球を植え付ける植付装置14と、植付装置14に種球を供給する苗供給装置15を備える。
【0029】
走行車体11は、機体前部にミッションケース16を設け、ミッションケース16の前側に駆動装置であるエンジン12を設ける。前記ミッションケース16の左右両側には、
後輪となる走行輪17に駆動力を伝動する走行伝動ケース18を各々上下回動可能に装着する。
【0030】
なお、
図1及び
図2に示すとおり、左右の走行輪17は、走行伝動ケース18の機体後側で外側に向けて伝動車軸17aを突出させて装着しているが、この伝動車軸17aは組み換え作業により、機体内側に向けて突出させることも可能であり、走行車体11と走行伝動ケース18の左右間に走行輪17が配置される構成とすることも可能である。
【0031】
走行輪17の配置変更は、移植する作物の種類、植付作業を行う圃場の土質、あるいは作業地域の慣行により畝幅が異なる際に行う。これにより、移植機10を畝の左右に形成される畝溝を安定して走行でき、種球を畝の左右中央に揃えて植え付けることが可能になる。
【0032】
なお、作物の種類によっては、畝高さが低い、あるいは畝を作らない、所謂平畝に植え付けるものもある。平畝に種球を植え付けるとき、移植機10が種球の植付位置付近を踏みながら走行すると土が固められると共に、移植機10の重量により窪みができて水が溜まりやすくなり、種球が溜まった水を過剰に吸水してしまうことで、生育不良が生じるおそれがある。
【0033】
したがって、平畝での作業時においても、種球の植付位置に対して左右の走行輪17の左右間隔を適切に確保することで、種球の生育の安定化が図られる。
【0034】
左右の走行伝動ケース18は、後述する昇降シリンダ62やローリングシリンダ63の伸縮により回動し、これにより走行輪17の接地面から走行車体11までの高さが変動し、車高が調節される。
【0035】
この車高調節は、畝の高さに合わせて植付深さを設定するときだけでなく、旋回走行前に作業者が操縦ハンドル13を押し下げて機体前側を持ち上げやすくするときや、種球を植え付けない移動時に植付装置14等が地面に接触することを防止する際にも行われる。
【0036】
そして、
図1及び
図2に示すとおり、前記ミッションケース16から伝動されて植付装置14及び苗供給装置15に駆動力を分岐供給する伝動ケース19を走行車体11の後部に設ける。具体的には、該伝動ケース19の左右一側に植付装置14を設け、機体上側に苗供給装置15を設ける。
【0037】
さらに、
図2に示すとおり、前記伝動ケース19の左右他側には、操縦ハンドル13と走行車体11を連結するハンドルフレーム20の機体前側端部を連結する。該ハンドルフレーム20は平面視でL字形状に見える捻じり加工をしており、機体後側端部を操縦ハンドル13の機体前側に位置するハンドルシャフト13aの左右中央部付近に連結する。なお、操縦ハンドル13は、機体左右方向の該ハンドルシャフト13aと、ハンドルシャフト13aの左右両側に各々設けられて機体後側に突出するハンドルアーム13bで構成する。
【0038】
そして、前記ハンドルシャフト13aの機体後側で、且つ左右のハンドルアーム13bの基部側寄りの左右間には、昇降シリンダ62を伸縮させて車高を調節する車高調節レバー21、ミッションケース16に内装する主クラッチを入切して左右の走行伝動ケース18及び伝動ケース19への伝動を入切する主クラッチレバー22、及び走行車体11の走行伝動を移動速、植付作業速、走行中立及び後進のいずれかに切り替える主変速レバー23を備える、操縦パネル24を設ける。
【0039】
また、前記左右のハンドルアーム13bには、左右の走行伝動ケース18に内装され、
走行輪17への駆動の入切を切り替えるサイドクラッチを操作するサイドクラッチレバー28を各々装着する。該サイドクラッチレバー28は、作業者が旋回操作や移動操作をする際に操縦ハンドル13の左右のハンドルアーム13bを把持する際、握りやすい位置に配置するものとする。
【0040】
これにより、苗の植付作業を行わない旋回走行や移動走行の際、作業者は機体後側の操縦ハンドル13及び操縦パネル24を操作しやすい位置に立って作業することになり、状況に合わせた操作を適切に行いやすく、作業能率が向上する。
【0041】
また、走行車体11に作業者が搭乗する苗の植付作業時には、作業者と操縦ハンドル13及び操縦パネル24が離間し合うので、作業者の身体が触れて各操縦部材が動くことが防止され、種球が植え付け不良の発生、あるいは走行の停止による作業能率の低下等が防止される。
【0042】
なお、搭乗時に進行方向のズレを修正する必要や、作業の中断等主クラッチの入切操作が必要になることがあるので、走行車体11のうち、例えば苗供給装置15の下方にサイドクラッチ操作ペダルを左右各々設けると共に、別の主クラッチ操作用のレバーを配置しておくとよい。
【0043】
そして、走行車体11の機体前側の左右両側には、前輪でもある、地面との接地抵抗により回転する接地転輪25を各々設ける。該接地転輪25は、機体左右方向に位置を変更可能とし、走行輪17と共に畝の幅、あるいは植付条の幅に合わせて適切な位置に調節するものとする。
【0044】
次に、伝動ケース19の左右一側に設ける植付装置14について、具体的に説明する。
【0045】
前記伝動ケース19の左右一側には、走行車体11の車速、ならびに設定した苗の前後方向の植付間隔、所謂株間に合わせて上下回動する上側リンクアーム141と、該上側リンクアーム141に連動して上下回動する、側面視で円弧形状の下側リンクアーム142を、回動軸を介して装着する。該下側リンクアーム142の円弧は機体後側下方に向かって突出するものとし、これにより後述する植付ホッパ145が昇降される際、前後方向に揺動される構成となる。
【0046】
前記上側リンクアーム141と下側リンクアーム142の後側端部はリンクステー143の上下方向に各々装着し、該リンクステー143の機体後側に機体左右一側から機体左右他側に向かうホッパ支持アームを装着し、該ホッパ支持アームの後部で且つ機体内側端部に植付ホッパ145を装着する。該植付ホッパ145は左右一対のホッパ構成体を各々回動可能に設けて構成するものであり、前記上側リンクアーム141と下側リンクアーム142の上下回動に合わせて回動して開閉する構成とする。
【0047】
なお、該植付ホッパ145の取付位置は、走行車体11の機体左右方向、より具体的には、左右の走行輪17及び接地転輪25の左右方向の中間位置とし、畝または苗の植付位置に合わせて適切に左右の走行輪17及び接地転輪25の左右幅が調節されると、苗の植付位置が左右の中央位置付近に自動的に合わせられる構成とする。
【0048】
上記により、種球の植付位置が畝や植付条の左右中央位置から大幅にズレることを防止できるので、畝溝に落ちた種球が走行輪17や接地転輪25に踏み潰されることが防止される。
【0049】
また、伝動ケース19の左右一側に植付ホッパ145を昇降させる上側リンクアーム141と下側リンクアーム142を設け、左右他側にハンドルフレーム20の機体前側端部を連結したことにより、伝動ケース19を支持部材として有効に活用できる。
【0050】
なお、伝動ケース19は植付装置14や苗供給装置15、操縦ハンドル13を支持するものであるので、外装部分は特に強度を高く設計しており、複数の重量物の加重や駆動負荷を受けても、破損や作動不良が生じにくい。
【0051】
さらに、種球の植付位置が機体の左右中央に配置されていることにより、機体の左右方向の重量バランスが安定し、進行方向のズレや左右傾斜が生じにくくなり、種球の植付精度の安定化が図られる。
【0052】
上記の植付ホッパ145は、閉じた状態で種球を受けて、土中に進入しながら開くことで植付穴を形成し、この植付穴の内部に種球を放出することで植え付けるものである。
【0053】
植付ホッパ145は一般的に、開閉回動可能に装着されるホッパ構成体を一対、クチバシ状に配置するものであり、ホッパ構成体の外側面は円弧形状に構成されている。したがって、ホッパ構成体が開閉回動する際、外側面の大部分が圃場の土と接触する、即ち、接触面積が広く受ける圧力が大きくなる状態で、土を押し退けることになる。圃場の土質が軟らかい場合はそれほど問題にはならないが、圃場の土質が固い場合、ホッパ構成体が開くことが妨げられ、種球が植付穴内に放出されなくなることがある。また、ホッパ構成体に加わる圧力が非常に高くホッパ構成体が曲がったり歪んだりすると、種球の植付に適さない状態となるおそれがある。
【0054】
上記の問題を防止し得る植付ホッパ145の構成について、下記のとおり説明する。
【0055】
図9及び
図10に示すとおり、平面視で枠形状のホッパステー201の内側に、角筒形状であり内側を種球が通過する固定ホッパ202の上部取付部を位置させ、ボルト等の固定部材を介して装着する。この固定ホッパ202の機体下部側で、且つ機体前後または左右のどちらかの対称となる面には、機体下側に向かう尖頭形状の嵌入凸部202aを形成する。この嵌入凸部202aを作成する板体は、前後または左右方向の中央部付近が最も下方に位置する三角形状とする。
【0056】
そして、嵌入凸部202aを形成した固定ホッパ202の対称となる面には、嵌入凸部202aの下端部から固定ホッパ202の上下方向の中央部付近に亘って、土通過スリット203を形成する。土通過スリット203はある程度の左右幅を有すると共に、上端部は円弧を描く形状とする。
【0057】
土通過スリット203の上下長さについては、上記の長さであることで、土質や植付深さ等の条件に汎用的に対応することができるが、特化された植付作業条件に対応する機体においては、上下方向の中央部を越えてさらに上側まで伸ばしてもよく、逆に中央部に到達しない長さに留めるものとしてもよい。これにより、汎用性が低下する代わりに、対応する作業条件においては作業能率や種球の植付精度を向上させることが可能になる。
【0058】
なお、土通過スリット203を形成すると、嵌入凸部202aの下部側は分断された尖頭形状の分断凸部202bが一対形成される。これにより、分断凸部202b一つ当たりの接地面積が小さくなるので、土中への進入抵抗が小さくなり、設定された植付深さが維持されると共に、抵抗による破損が防止される。
【0059】
上記の固定ホッパ202は、素材の金属板からプレスやレーザーカットで切り出したものを曲げ加工するか、あるいは切り出した四枚の板体を溶接するかして、四角柱状の筒体として形成する。このとき、嵌入凸部202aや土通過スリット203を切り出す際に形成しておくと、後から加工を施す必要が無く、製造作業の能率が向上する。
【0060】
前記ホッパステー201における固定ホッパ202の取付位置の機体下側で、且つ固定ホッパ202の土通過スリット203が形成された面には、開閉アーム205,205を一対、回動可能に装着する。該開閉アーム205,205同士が接し合う点には、一方の回動を他方の回動に連動させるギア歯が相互に噛み合わせられている。
【0061】
そして、開閉アーム205,205の一方の回動支点の上部には、前記上下動機構21の上下動に連動して引かれたり戻されたりするホッパ開閉ワイヤ206のケーブルアウタを装着する、アウタ受けアーム207を設け、他方の回動支点の上部には、ホッパ開閉ワイヤ206の端部を装着するワイヤ受けアーム208を設ける。また、開閉アーム205,205の下部側には開閉プレート209が各々装着される。
【0062】
なお、上記の開閉アーム205,205等の部材は、土通過スリット203が形成された二つの面に各々配置される構成である。例えば、一対の開閉アーム205,205は前後または左右の反対の面にも同様に開閉回動可能に装着されるので、本件では一つの植付ホッパ145につき、四つの開閉アーム205が用いられる。
【0063】
上記の開閉プレート209も同様に四つ用いられ、これらは板体であり、固定ホッパ202の外周からごく僅かに離間した位置に配置される。対称となる面に配置されており、且つ前後または左右の同じ側に位置する開閉プレート209,209同士の下部を、開閉プレート209,209が閉状態であるときには投入された種球を保持し、開閉プレート209,209が開状態であるときには種球を保持せず植付穴に放出する受けプレート210で連結する。
【0064】
上記の開閉プレート209,209は、下部側が尖頭形状に形成されており、受けプレート210は開閉プレート209の下端部の尖頭形状に対応する傾斜姿勢で配置されるものとする。なお、開閉プレート209の下端部の尖頭形状、及び受けプレート210の姿勢は、土通過スリット203が形成されている側ほど低位置となる傾斜姿勢である。
【0065】
上記の構成は、例えば一対の開閉アーム205,205の開閉回動方向が機体左右方向であるときには、植付ホッパ145の左右両外側から左右方向中央で且つ下方に向かう傾斜姿勢であり、開閉回動方向が機体前後方向であるときには、植付ホッパ145の前後両側から前後方向中央で且つ下方に向かう傾斜姿勢であると言える。
【0066】
上記の一対の開閉プレート209,209は板体であり、種球の植付時に土中で開く際、接触面積が小さいので土からの抵抗はあまり大きくはないが、加わる負荷をより軽減すべく、一対の開閉アーム205,205と開閉プレート209,209の連結部の下側から、
図10に示す土通過スリット203の上部付近に亘って、開閉プレート209,209の前後または左右の幅よりも狭くなる縊れ部211を形成する。
【0067】
この縊れ部211は、機体下側ほど土通過スリット203に近付く傾斜姿勢の漸狭傾斜部212と、上下中央部付近で最も前後または左右の幅が狭く上下方向に伸びる狭隘部213と、機体下側ほど土通過スリット203から遠ざかる漸広傾斜部214で構成される。
【0068】
なお、縊れ部211の前後または左右の幅は、一対の開閉プレート209,209が閉じた状態で土通過スリット203の前後または左右の幅よりも広いものとし、一対の開閉プレート209,209が閉じた状態では土通過スリット203への土の流入が阻止される構成である。これにより、種球を植え付ける際に土が植付ホッパ145内に入り込み、植付深さが設定よりも浅くなることが防止される。
【0069】
また、一対の開閉プレート209,209が種球を植付穴内に供給すべく開く際、
図11に示すとおり、漸狭傾斜部212と狭隘部213の外側端部は、固定ホッパ202の前後または左右の端部から突出しない、あるいは僅かに突出する位置にあるので、土と殆ど接触せず、接触抵抗の低減が図られる。
【0070】
一方、漸広傾斜部214、及び受けプレート210については、固定ホッパ202の機体前後または左右の端部から大幅に突出し、接触抵抗を抑えつつ土を押し出すことができる。
【0071】
これにより、植付穴を種球の植え付けに適した大きさで形成できると共に、畝上または圃場面にマルチフィルムを敷設している場合でも、植付ホッパ145が上方に移動する際、漸広傾斜部214に接触したマルチフィルムを傾斜面に沿って落下させることができるので、マルチフィルムが地面から引き剥がされてしまい、マルチフィルムを敷設し直す作業や、苗を植え付け直すといった余分な作業の発生が防止される。これにより、作業に要する時間や労力、員数の削減が図られる。
【0072】
また、上記構成の一対の開閉プレート209,209が開く際、漸広傾斜部214の上端部付近と受けプレート210の機体外側端部付近に土通過連通孔215が形成される。土通過連通孔215は、一対の開閉プレート209,209が開くほど幅が大きくなり、種球を放出した植付穴内に埋め立て用の土砂を移動させることができる。
【0073】
これにより、植付穴に移動させた種球が露出しにくくなるので、鳥獣や虫等により種球が食害を受けにくくなると共に、高温または低温、あるいは乾燥、多湿等の外気の影響を受けにくくなり、植え付けた種球の生育が安定する。
【0074】
また、漸広傾斜部214と受けプレート210の上端部付近が固定ホッパ202の端部から突出することにより、土が固くても切り上げながら上昇できるので、接触抵抗により植付周期が乱れて植付位置のズレが生じることや、接触抵抗により植付ホッパ145が破損することが防止される。
【0075】
上記構成では、固定ホッパ202に土通過スリット203を形成した面に開閉プレート209,209を設けたことにより、固定ホッパ202や開閉プレート209,209に付着した土を、開閉プレート209,209の開閉動作によって擦り落とさせることができる。
【0076】
したがって、植付ホッパ145内に溜まった土に種球が張り付き、種球が植え付けられなくなることを防止できるので、植付精度が向上すると共に、作業者が後から種球を植え付ける作業が不要となる。
【0077】
特に、土中に植え付ける段階では、地上に茎葉部が露出しないジャガイモ等の種球は、植付位置の外見からでは適切に植付が行われているかどうかを判別し辛いので、後から種球の植付作業をする際に要する時間と労力を大幅に軽減することが可能となる。
【0078】
次に、供給装置15について説明する。
【0079】
図1及び
図2に示すとおり、伝動ケース19から上方に突出する供給伝動軸151の上端部を供給伝動ケース152に装着し、該供給伝動ケース152から伝動される駆動力により、作業者が苗を投入する苗搬送ポット154…を複数連結して無端状としたチェーンポット153を周回駆動可能に配置する。なお、該チェーンポット153は機体左右方向に長い楕円形状とし、同一形状の供給フレーム155により供給伝動ケース152及びチェーンポット153を支持するものとする。
【0080】
前記苗搬送ポット154は、
図12(a)に示すとおり、底蓋154aを回動可能に構成し、この底蓋154aはトルク・スプリング等の付勢力により開く方向に付勢する。そして、該供給フレーム155には、底蓋154aに接触する規制レールを設けるが、該規制レールは、苗供給装置15の機体後側で、且つ左右方向の中央部付近、より具体的には植付ホッパ145の上方で分断される形状とし、植付ホッパ145の上方で底蓋154aが下方回動して開き、投入された種球を落下供給する構成とする。このとき、種球の投入位置は、供給装置15の機体前側で、且つ左右方向の中央部付近とし、投入された種球は苗搬送ポット154が所定距離移動してから落下供給されるものとする。
【0081】
なお、植付ホッパ145は、落下供給される種球を受ける際、上下回動軌跡における上端部(上死点)、乃至上端部付近に位置するものとし、落下中の種球が風等の影響で植付ホッパ145の投入口から離れた位置に落下することを防止するものとする。
【0082】
これにより、作業者が苗搬送ポット154に投入した種球は、植付ホッパ145への落下供給位置まで自動搬送されるので、複数の種球を連続的に植え付けることが可能になる。
【0083】
また、作業者が種球を投入してから苗搬送ポット154が所定距離移動してから落下供給される構成により、投入ミスがあっても作業者が投入し直す猶予があるので、種球が供給されず、作業者が手作業で植え直す必要が無くなる。
【0084】
上記の苗搬送ポット154は、底蓋154aが所定位置で開くことにより、確実に種球が植付ホッパ145に落下移動することが前提である。比較的細長い茎葉部を有する移植用の苗においては、蓋部154aが開いている間に苗が十分に落下移動しておらず、茎葉部を閉じた蓋部154aが挟み込んでしまい、苗の植付が行われないことがある。
【0085】
本件で植付作業を行う種球は、苗の茎葉部と比べると非常に丈が短く、蓋部154aが閉じる際に挟み込まれることはまず生じ得ない。しかしながら、例えば植え付ける種球が植付に適した大きさに切り分けられたジャガイモであれば、切断面からデンプン質を含んだ粘りのある水気が出ているので、この水気の粘性によりジャガイモの種球が蓋部154aから離れなくなり、ジャガイモの種球が落下すべき位置で落下供給されなくなる恐れがある。
【0086】
植え付ける種球がサトイモ等である場合も、微細な傷等から粘液が漏れ出していると、種球が蓋部154aに張り付いて離れなくおそれがある。
【0087】
こうした種球の蓋部154aへの張り付きを防止すべく、
図12(b)に示すとおり、蓋部154aのうち、苗搬送ポット154内に位置する上面側に、金網材を凸状に形成した張り付き防止網154bを設ける。
【0088】
これにより、水気や粘液が張り付き防止網154bの網目から抜け落ちるので、種球が蓋部154aに張り付いて外れなくなることが防止され、種球の植付が行われない箇所の発生が防止される。
【0089】
あるいは、
図12(c)に示すとおり、種球との接触面に複数の張り付き防止スリット154cを形成した部材を、蓋部154aの上面に設けても、同様の効果が得られる。
【0090】
図1から
図4における供給装置15は、複数の苗搬送ポット154を鎖状に配置することで、平面視で長楕円形状として構成されている。この構成では、一周当たりの周回距離が長く、植付までに作業者が種球を投入する機会が多く、あるいは猶予が長く、種球の投入漏れにより植付の行われない箇所の発生を防止しやすい。
【0091】
一方、伝動機構の構成部品数や、フレーム等の大型化により、メンテナンス性の低下やコストの増大といった問題がある。これに加えて、作業者が種球を手に取って各苗搬送ポット154に投入することが前提の構成であるので、植付作業を高速で行う設定とすると、種球の投入ペースを上げねばならず、種球の投入漏れに気付かないまま作業を進めてしまい、結局植付の行われない箇所が発生する問題がある。
【0092】
この問題に対応すべく、
図13及び
図14に示すとおり、供給伝動軸151の上部にユニバーサルジョイント251を設け、このユニバーサルジョイント251を通過させて落下供給孔253を形成した固定プレート252を設けると共に、固定プレート252の上部に複数の苗搬送ポット154を円周上に配置した回転ディスク254を設け、この回転ディスク254の中心部にユニバーサルジョイント251の上端部を連結し、供給ディスクを構成する。
【0093】
上記の固定プレート252の前後端部は下方に向けて折り曲げ、折り曲げ部分の左右両側には、固定プレート252を左右方向の傾斜姿勢で装着する、ボルト等の固定部材の取付孔部252aが形成されている。これらの取付孔部252aは上下方向の長孔とし、固定プレート252の傾斜角度をある程度変更可能に構成する。
【0094】
また、前記固定プレート252の機体前側部分に形成する落下供給孔253は、平面視でU字形状の切欠き、あるいは円形とし、回転ディスク254の回転によりこの落下供給孔253の上方に到達した苗搬送ポット154から、種球が植付ホッパ145の内部に投入される構成とする。
【0095】
そして、上記の回転ディスク254の左右一側には、種球載置台255を、機体左右一側に突出させて配置する。この種球載置台255は、底板255aを回転ディスク254に向かい種球を流下させる傾斜面255dと、機体前側(または後側)寄りに移動した種球を回転ディスク254に向かわせる折り曲げ傾斜面255dが生じるよう形成されていると共に、種球が零れ落ちることを防止する外壁255bで回転ディスク254に接する面以外を覆う構造である。
【0096】
なお、種球載置台255の回転ディスク254寄りとなる側は、回転ディスク254に設ける苗搬送ポット154よりも上方、あるいは苗搬送ポット154の上端面と同じ高さに位置し、種球を投入する際に苗搬送ポット154の上端部付近が投入の妨げとならない構成とする。
【0097】
また、外壁255bのうち、機体前側(または後側)の端部は、機体後側(または前側)に屈曲させて回転ディスク254の上方に臨ませる構成として、種球が回転ディスク254に設けられる苗搬送ポット154に案内される構成とする。
【0098】
これにより、種球載置台255に載置された種球は、傾斜面255c及び折り曲げ傾斜面255d、及び外壁255bの傾斜部によって回転ディスク254に向かって移動させられるので、多数の種球を種球載置台255に載置しておくことで作業者は種球を回転ディスク254に移動させるだけで投入できるので、種球の投入ミスによる植付不良が防止される。
【0099】
また、種球載置台255の回転ディスク254側が、苗搬送ポット154よりも上方、あるいは苗搬送ポット154の上端部と同じ高さに位置することにより、作業者は種球を持ち上げず、手で払うなどして苗搬送ポット154に投入することができるので、種球の投入ミスを防止しつつ、作業能率の向上が図られる。
【0100】
あるいは、傾斜面255cを傾斜移動させ、そのまま苗搬送ポット154に投入させることができるので、能率よく種球の投入を行うことができる。なお、この場合は複数の種球が同じ苗搬送ポット154に入り込むことを防止すべく、種球一つ分だけが通過できる出口通路を、外壁255bの屈曲部分と対になる別の壁部材(図示省略)を設けて形成することが望ましい。
【0101】
上記の種球載置台255を設けることで、多数の種球を貯留しておき、作業者が種球を持ち上げることなく苗搬送ポット154に投入できる構成となるが、この種球が無くなった場合に、種球載置台255に近い場所に補充用の種球があると、補充用の種球を取りに行くために植付作業を中断する時間が短縮され、作業能率の低下を防止できる。
【0102】
前記種球載置台255を設ける側とは左右反対側に、補充用の種球の入った箱、あるいは直接補充用の種球を投入する、予備種球載置台256を設ける。この予備種球載置台256は、種球や箱が安定して積載されるべく平坦な底板256aと、底板256aの前後及び機体左右他側を覆う外壁256bで構成する。底板256aのうち、機体左右一側(回転ディスク254側)については、傾斜姿勢で配置される回転ディスク254のうち、機体上側に位置する面を臨ませることで壁面とする。
【0103】
なお、外壁256bについては、種球載置台255の外壁255bを機体左右他側に延長し、折り曲げて予備種球載置台256の底板256aと連結させる構成としてもよい。
【0104】
上記により、補充用の種球を回転ディスク254を隔てた位置に載置することができるので、種球載置台255の種球が無くなった、あるいは少なくなったときに作業者はほぼ移動することなく種球を補充することができるので、植付作業を中断する必要が無く、作業時間の短縮が図られる。
【0105】
上述する植付装置14による苗の植付深さは、畝への進入時に走行車体11の車高を変更することにより設定されるが、畝は必ずしも平坦ではなく、また、走行車体11が移動する畝溝も平坦ではないので、上下方向の機体の揺れ等により、植付深さが設定と異なるものとなることがある。
【0106】
畝面や畝溝に合わせて車高を変更し、苗の植付深さをほぼ一定に保つべく、伝動ケース19の下部には畝面を検出する畝面センサ26を上下回動可能に装着する。この畝面センサ26には昇降シリンダ62を伸縮させる油圧バルブ(図示省略)に連結される連動ワイヤ(図示省略)の一側部を装着し、回動量の変化があると油圧バルブの開度が変更されて昇降シリンダ62が伸縮して走行車体11の車高が自動的に上昇または下降する構成となる。
【0107】
なお、畝面センサ26の機体後部側の接地部分は、検出精度を高めるべく前後方向に長く構成し、後端部側は植付ホッパ145の下方に臨ませる。当然、このままでは植付ホッパ145が苗を植え付けるべく下降した際に畝面センサ26が干渉するので、畝面センサ26の接地部分には、植付ホッパ145を畝へ進入させる進入切溝27を形成する。
【0108】
この進入切溝27は、例えばU字形状とし、その端面をゴム板等の弾性部材で覆い、植付ホッパ145の外周面に弾性変形しながら接触して付着した土を除去する、スクレーパとして作用させてもよい。
【0109】
また、畝面センサ26は、付勢力を調節可能な荷重調節スプリング(図示省略)により機体下側、即ち畝面への接地方向に付勢し、この荷重調節スプリングの付勢力を調節することにより、畝面の高さの変化の検出感度、及び畝に敷設したマルチフィルムを押圧する力を変更可能に構成してもよい。
【0110】
僅かな凹凸であっても車高が自動調節される感度に設定したとき、頻繁に車高が変更されると、車高が変更・BR>ウれている間に植付動作が行われ、かえって植付深さが設定と異なることがあるので、付勢力を強めて僅かな凹凸であれば畝面センサ26で凹凸を押し均し、車高の変更の発生を防止することができる。
【0111】
また、マルチフィルムを押圧する力を変更することにより、マルチフィルムを破ってしまうことや、マルチフィルムの弛みが取れず、苗の植付姿勢が乱れることを防止できる。
【0112】
また、畝面センサ26を植付ホッパ145を避け、畝の左右どちらかの一側に寄せて配置する必要がなくなり、苗の植付位置である畝の左右中央部付近の畝の高さ、及び凹凸を検知できるので、苗の植付位置に合わせた植付深さの自動調節が行われ、苗の植付精度が向上する。
【0113】
そして、苗供給装置15の機体前側で、且つ走行車体11の上面には、作業者が移動するフロアステップ30を設ける。該フロアステップ30の機体前側の左右中央部付近は、エンジン12及びミッションケース16を回避する切欠部が形成されている。この切欠部の上部には、エンジン12やミッションケース16を覆うボンネットカバー31を着脱自在に設けるものとする。なお、エンジン12やミッションケース16の側部等は、冷却や排気を効率よく行うべく、ボンネットカバー31で覆わず、外気に晒される構成である。
【0114】
前記ミッションケース16には、前記植付ホッパ145の株間を変更する際に伝動速度を変速する株間伝動ケース(図示省略)が連結されており、この株間伝動ケース内のギア機構を切り替える株間主変速レバー32と株間副変速レバー33が、フロアステップ30の機体前側の左右どちらか一方に配置される。株間主変速レバー32と株間副変速レバー33は上下に並べて配置されると共に、フロアステップ30に形成された左右方向のレバー操作孔から機体前側に向かって突出しており、作業者は走行車体11に乗ったままでも、走行車体11の車外からでも操作可能に構成している。
【0115】
そして、フロアステップ30の機体前側には、ボンネットカバー31の上方を跨ぐ座席フレーム34を設け、該座席フレーム34の上部には、苗搬送装置15に苗を投入する作業者が搭乗する作業座席35を設ける。この作業座席35は、背もたれ側が機体前側に位置し、着座した作業者は機体後側を向くことになる。
【0116】
上記の作業座席35に搭乗した作業者は、苗供給装置15に対面して苗を供給できるので、苗を投入しやすく、また投入ミスが生じたかどうかを視覚的に確認できる。また、走行車体11の後部側に視線が向くので、植え付けられる苗の姿勢の適否や、植え付けの有無も見ることができ、植付姿勢の異常や欠株の発生に速やかに対処でき、植え直しに要する時間と労力が軽減される。
【0117】
一方、走行車体11の進行方向に対して背を向けた状態であるので、走行車体11が畝に沿って正しく走行しているかどうかの確認は振り返る必要があるが、このとき苗の投入作業に集中しにくくなる問題がある。
【0118】
作業前に走行輪17及び接地転輪25の左右幅を畝幅に適切に合わせていれば、走行車体11は畝に沿って直進し得る構成ではあるが、実際の圃場では畝の崩れや畝溝の凹凸等、走行輪17及び接地転輪25が接触した際に僅かに進行方向を直進からズレさせる要因があるので、移動距離が長くなるにつれて植付位置が畝の左右中心からズレた位置となる可能性がある。
【0119】
この問題に対応すべく、走行車体11の前側に、畝ガイドローラ機構40を設けることが考えられる。畝ガイドローラ機構40は、
図1、
図2に示すとおり、走行車体11の前側において、畝ガイドフレーム41を機体左右方向に向けて装着し、畝ガイドフレーム41の左右両側にサイドボス42を各々左右方向に摺動可能に装着する。そして、これら左右のサイドボス42に畝の法面に接触する法面ローラ44を回転可能に支持する法面ローラアーム43の基部側を各々装着する。
【0120】
なお、法面ローラ44は、平面視でコの字形状である法面ローラアーム43の前側端部に装着するものとし、法面ローラ44を法面にほぼ水平姿勢で接触させるべく、下端部が上端部よりも機体外側に位置する傾斜姿勢で装着するものとすることが望ましい。さらに言えば、法面ローラアーム43の基部側、あるいは法面ローラ44を装着する前側端部を回転可能に構成し、任意に角度調節できるものとして、法面の角度に自在に対応できるものとすることが望ましい。
【0121】
そして、左右のサイドボス42の左右間には、走行車体11の機体左右方向中央部に向かう姿勢で左右の中央ローラアーム45の基部を各々上下回動可能に設け、左右の中央ローラアーム45の前側端部に畝面に接触する畝面ローラ46を回転可能に装着する。より具体的には、左右の中央ローラアーム45で平面視でコの字形状の畝面ローラステー47を支持し、この畝面ローラステー47に畝面ローラ46を回転可能に装着する。
【0122】
上記の畝面ローラ46は、付勢スプリング(図示省略)を設けて下方に押し下げられる構成とし、この付勢力を強いものとして、苗の植付前の畝面を踏み均す構成としてもよい。一方、マルチフィルムを敷設した畝においては、付勢力を下げ、マルチフィルムの剥離を防止すると共に、法面ローラ44と共にマルチフィルムを伸ばして弛みによる苗の植付不良の発生を防止する構成としてもよい。
【0123】
なお、畝面ローラ46は左右の法面ローラ44よりも機体後側よりに配置し、且つ左右の中央ローラアーム45の上下回動により前後位置を変更することにより、マルチフィルムを押圧する力を調節できる構成となる。
【0124】
この構成では、使用するマルチフィルムや畝に合わせて付勢スプリングを付け替える作業が不要であると共に、左右の中央ローラアーム45に伸縮機構をつける必要がないので、構成の簡潔化が図られる。また、マルチフィルムを押圧する力は大幅に変化させる必要はないので、左右の中央ローラアーム45の回動のみで対応することにより、構成の簡潔化が図られる。
【0125】
これにより、畝ガイドローラ機構40が構成される。
【0126】
この構成では、畝の幅に合わせてサイドボス42を各々左右方向に摺動させ、左右の法面ローラ44の接地位置を変更することができるので、畝と左右の法面ローラ44の間に空間が生じることが防止され、走行車体11が畝からズレた方向に移動することが防止される。
【0127】
また、畝面ローラ46は左右方向中央位置付近に配置され、左右に移動しないことにより、苗が植え付けられる苗の中央位置付近を均すことや、マルチフィルムを適度に張らせることができるので、苗の植付姿勢が適切になり、生育の安定化が図られると共に、姿勢の乱れた苗を植え直す作業が不要になる。
【0128】
また、畝面ローラ46と左右の法面ローラ44の前後間隔を付け、且つ畝面ローラ46の前後位置が変更可能であることにより、使用するマルチフィルムや、マルチフィルムを敷設する畝に合わせて適切な押圧力を設定できるので、マルチフィルムが破れることが防止されると共に、マルチフィルムが弛んで植付不良の原因となることが防止される。
【0129】
なお、畝ガイドローラ機構40は、畝に苗を植え付ける際には畝に接触するべくなるべく下方位置にあることが望ましいが、移動時等には地面と接触することを防止すべく、上方に退避することが望ましい。したがって、畝ガイドフレーム41を回動軸とその外周の回動パイプで構成し、この外周パイプと昇降シリンダ62の伸縮側をワイヤ等で連結し、走行車体11の車高を所定高さ以上まで高くすると、畝ガイドローラ機構40が前上がり傾斜姿勢となるように上方回動させられ、地面からの離間距離が大きくなる構成としてもよい。
【0130】
図1及び
図2に示すとおり、走行車体11の左右両側には、補充用の苗が入った苗箱を積載する予備苗枠50を設ける。この予備苗枠50は、走行車体11のうち、作業座席35の左右両側に苗枠支柱51の基部を装着し、苗枠支柱51の上部側に苗載せ台52を少なくとも一つ、あるいは上下方向に一定の間隔を空けて複数配置する。
【0131】
なお、苗載せ台52は走行車体11側、即ち機体内側と、機体前側及び後側を開放状態として装着することにより、作業座席35あるいはフロアステップ30に位置する作業者がほぼ移動することなく苗箱を取り出すことができるので、作業能率が向上すると共に、作業者の労力が軽減される。
【0132】
また、苗箱の移動中の落下を防止すべく、苗箱よりも上下長さが短い受け部を苗載せ台52の機体前後及び内側に上方を向けて配置または形成すると、落下した苗箱を回収する作業が不要であると共に、苗箱の取り出しの際に持ち上げる高さが抑えられ、作業者の労力が軽減される。
【0133】
上記の構成にて畝ガイドローラ機構40を備える例を説明したが、この畝ガイドローラ機構40を活用した機能を追加し、苗の植付作業の能率をより向上させる構成について説明する。
【0134】
図5に示すとおり、前記左右の法面ローラ44の少なくとも一方に第1回転センサ48を設けると共に、畝面ローラ46に第2回転センサ49を設け、第1回転センサ48及び第2回転センサ49の回転の有無、及び回転数を受信して記録する制御ユニット50を走行車体11に設ける。また、制御ユニット50には、所定の条件で作動するブザー、ランプ等の報知装置51を設けると共に、別の所定の条件で作動するエンジン停止装置57を設ける。
【0135】
これに加えて、伝動ケース19またはミッションケース16には、上側リンクアーム141及び供給伝動軸151を一定間隔で駆動させるステッピングモータ53を設け、制御ユニット50は、第1回転センサ48または第2回転センサ49の回転数に基づきステッピングモータ53の作動タイミングを変更する制御を行う構成とする。
【0136】
上述のとおり、作業者は作業座席35に搭乗する際、進行方向に対して背を向けているので、振り返らなければ畝の植付作業終了側の端部を確認できない。しかしながら、苗の投入作業は畝端の直前まで行う必要があるので、畝端への接近を作業者が認識できず、畝端を越えるまで植付走行が停止されないことが想定される。
【0137】
畝端を越えて走行することにより、苗が植付ホッパ145から空中で解放され、植え付けられずに地面に落ち、作業者が拾い上げてどこか別の場所に手作業で植え付ける必要が生じる。また、隣接するか近傍に位置する次の植付作業条に移動すべく走行車体11を旋回操作する際、適切な位置まで後進させる等の余分な作業が必要になるので、作業能率が低下する問題がある。一方、畝端を気にして振り向く頻度が増えると、苗を苗供給装置15に投入する作業に集中できず、欠株等が発生しやすくなる問題がある。
【0138】
本願の構成では、
図5及び
図6より、畝端付近に走行車体11が到達すると、畝面ローラ46よりも機体前側に位置する法面ローラ44が先行して畝から離間して、法面ローラ44の回転を第1回転センサ48が検知しなくなる。すると、制御ユニット50は報知装置51を作動させ、作業者に畝端、即ち苗の植付作業を行う範囲の終端に近づいたことを認識させる。
【0139】
このとき、苗が空中で解放され、地面に落ちることを確実に防止したいときは、作業者はいったん植付作業走行を停止させ、移植機10を畝端まで移動させ、植付作業が行われていない畝の空きスペースには、作業者が手作業で苗を植え付ける。
【0140】
一方、報知装置51の作動に気づかない、あるいは畝端まで移植機10で苗を植え付ける場合には、植付作業走行を停止させず、そのまま走行車体11を前進させる。すると、畝面ローラ46が畝の端部から離間し、接地抵抗を受けなくなるので回転が停止するので、制御ユニット50はエンジン停止装置57を作動させ、エンジンを停止させてそれ以上の前進及び植付動作を停止させるものとする。
【0141】
即ち、報知装置51の作動条件は法面ローラ44の少なくとも一方が畝端に到達することであり、エンジン停止装置57の作動条件は報知装置51が作動する条件が成立した上で、畝面ローラ46が畝端へ到達することである。
【0142】
これにより、作業者が苗の投入作業に停止していても、走行車体11が畝端付近に到達すると自動的に走行及び植付が停止されるので、地面に植え付けられずに落ちた苗を拾って他の場所に植え付ける作業に要する時間と労力の軽減が図られる。
【0143】
また、旋回前に旋回開始位置まで走行車体11を移動させる作業が不要となるので、作業能率が向上すると共に、燃料の消費が抑えられる。
【0144】
なお、
図5に示すとおり、エンジン停止装置57によりエンジン12が停止する構成では、エンジン12を再始動操作する必要があり、エンジン12の始動時の機体各部への負荷の発生や燃料消費量の増加といった問題が生じるので、ミッションケース16内の主クラッチを入切する主クラッチアクチュエータ55を設け、エンジン停止装置57に代えて主クラッチ停止機構56を設けてもよい。
【0145】
これにより、畝端に到達するたびにエンジン12を再始動させる必要がなく、機体に累積的にかかる負荷を抑えられると共に、始動時の燃料消費を抑えることができる。
【0146】
また、
図7に示すとおり、左右の法面ローラ44に各々第1回転センサ48を設け、左右の第1回転センサ48の回転がどちらも検知されない状態になると報知装置51が作動する構成とすると、畝の一部の崩れにより片方だけ法面が検知されないときに報知装置51が作動することが防止されるので、不必要な報知により作業者の苗の投入作業への集中を欠くことが防止される。
【0147】
なお、
図6に示すとおり、第1回転センサ48が法面ローラ44の回転を検知しており、且つ第2回転センサ49が畝面ローラ46の回転を検知しない状態は、畝の中央部のみが著しく抉れて窪んでいる、苗の植付に適さない状況であると考えられるので、エンジン停止装置57あるいは主クラッチ停止機構56を作動させて植付作業走行を停止させることが望ましい。もっとも、その状態の畝に法面ローラ44が接触すると、法面が崩れて法面ローラ44が接地しなくなり、非検知状態になることが正常であるので、センサ系統の異常と判定し、何らかの手段で報知することが望ましい。
【0148】
畝面センサ46に設ける第2回転センサ49が検出する回転からは、走行車体11が一定速度で前進しているかどうかが判定可能である。例えば、一回転に要する時間が同じであれば、スリップや接地抵抗による影響をほぼ受けずに一定距離を一定の速度で走行しているとみなすことができる。一方、一回転に要する時間が早いと、何らかの影響で走行車体が加速されて他の場所よりも短時間で前進したことになり、一回転に要する時間が遅いと、何らかの影響で前進が抑制されており、他の場所より長時間かけて前進したことになる。
【0149】
作業前に設定する株間は、走行車体11の前進速度が一定であることで等間隔になるものであり、前進速度に差異が生じると、その分株間が設定よりも狭く、あるいは広くなることになり、間隔によっては苗同士が土中の養分、及び周囲のスペースを取り合い生育不良を起こすことや、風通しが悪くなることにより病害虫が発生しやすくなる問題を生じさせることがある。
【0150】
この問題の発生を防止すべく、
図8に示すとおり、制御ユニット50は、設定された株間に対応する畝面ローラ46の理論上の一回転に要する時間と、第2回転センサ49が実際に検出した畝面ローラ46の一回転に要する時間を比較しており、時間が許容範囲よりも短いとき、あるいは許容範囲よりも長いときには、ステッピングモータ53への作動信号を発信するタイミングを変更する。
【0151】
これにより、走行車体11の実際の前進速度になるべく近いタイミングで植付装置14及び苗供給装置15を作動させることができるので、苗同士の株間が設定どおりになるので、生育が良好になると共に、病害虫が発生しにくくなる。
【0152】
上述のとおり、移植機10を次の植付作業条に移動させるときは、車高を高くし、走行車体11の後部に設ける操縦ハンドル13を作業者が押し下げ、走行車体11の前側を上方に持ち上げ、左右の走行輪17のうち旋回内側となる側を支点として約180度回転させる。このとき、作業者の操縦ハンドル13を押し下げる力が十分であれば、機体前側が地面から十分に離間するので、機体前側に配置された部材が旋回時に地面と接触して抵抗になることはない。
【0153】
しかしながら、押し下げる力が不十分であると、走行車体11の前側に位置する部材のうち、特に接地転輪25が地面から離間できず、接触により旋回走行の抵抗になる問題がある。
【0154】
また、接地転輪25の上下位置は、回動自在な走行伝動ケース18に装着された走行輪17とは異なり、接地転輪25を装着する縦軸25aを作業者が上下方向に移動させ、その後固定する作業が必要であるので、旋回走行の度に上下動させることは作業能率を低下させることにつながる。特に本願は1条植えであるので、圃場の広さによっては旋回走行の頻度が高く、旋回の度に接地転輪25の上下高さを変更すると、時間と労力を大きく費やすことになる。
【0155】
図3及び
図4に示すとおり、縦軸25aの上部を接地転輪25の昇降機構、例えば転輪昇降シリンダ60に連結し、この転輪昇降シリンダ60の伸縮により接地転輪25の上下位置を変更可能に構成する。上述のとおり、接地転輪25は左右一対設けられるので、転輪昇降シリンダ60も左右各々設けることが望ましいが、片側にのみ転輪昇降シリンダ60を設けてもう片方をワイヤ等で連動して上下動させる構成としてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0156】
本発明に係る移植機は、植付位置の土質に開閉が影響されにくい植付ホッパにより、苗の植付精度を確保できるので、産業上の利用可能性が高い。
【符号の説明】
【0157】
14 植付装置
15 供給装置
141 上側リンクアーム(上下動機構)
142 下側リンクアーム(上下動機構)
154 苗搬送ポット(供給カップ)
154a 底蓋(蓋部)
154b 張り付き防止網(張り付き防止体)
154c 張り付き防止スリット(張り付き防止体)
202 固定ホッパ
202a 嵌入凸部(凸部)
203 土通過スリット(切欠部)
209 開閉プレート
210 受けプレート(受け部材)
211 縊れ部(狭隘部)
214 漸広傾斜部(広幅傾斜部)