(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-11
(45)【発行日】2022-10-19
(54)【発明の名称】基板搬送容器および基板搬送容器スタック
(51)【国際特許分類】
H01L 21/673 20060101AFI20221012BHJP
B65G 49/07 20060101ALI20221012BHJP
B65G 57/26 20060101ALI20221012BHJP
【FI】
H01L21/68 V
B65G49/07 L
B65G57/26
(21)【出願番号】P 2020568721
(86)(22)【出願日】2019-06-17
(86)【国際出願番号】 US2019037449
(87)【国際公開番号】W WO2020005609
(87)【国際公開日】2020-01-02
【審査請求日】2020-12-10
(31)【優先権主張番号】202018103662.9
(32)【優先日】2018-06-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(32)【優先日】2018-11-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】202019101794.5
(32)【優先日】2019-03-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】000006297
【氏名又は名称】村田機械株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100176245
【氏名又は名称】安田 亮輔
(72)【発明者】
【氏名】ショーバー トーマス
(72)【発明者】
【氏名】ラールバッハ ベルンド
(72)【発明者】
【氏名】ヴォハンカ クリスチャン
(72)【発明者】
【氏名】フェナー イヴ
(72)【発明者】
【氏名】ドヴィズ ゲルハルド
(72)【発明者】
【氏名】フィデス ジョン
【審査官】内田 正和
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2017/0372930(US,A1)
【文献】特開2007-157998(JP,A)
【文献】特開2017-069444(JP,A)
【文献】特開2011-243449(JP,A)
【文献】国際公開第2015/001906(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/673
B65G 49/07
B65G 57/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の基板搬送容器が積み重ねられた基板搬送容器スタックであって、垂直方向に隣接する前記基板搬送容器の各々一組のペアは、下部基板搬送容器が上部基板搬送容器を支持するように垂直方向に積み重ねて配置され、
前記複数の基板搬送容器の各々は、内部開口を有する内部ゾーン回りの周辺の水平なフレーム面内方向に伸びる搬送容器外部フレームを備え、
前記複数の基板搬送容器の各々は、前記基板搬送容器スタックの内部収容空間中に、基板を収容し搬送するための基板台座を備え、前記内部収容空間は、前記複数の基板搬送容器の前記内部開口によって区分けされ、
前記複数の基板搬送容器の各々は、前記搬送容器外部フレームに、上部支持構造と、下部支持構造を備え、前記下部基板搬送容器の前記上部支持構造は、前記上部基板搬送容器の前記下部支持構造を支持し、
前記複数の基板搬送容器の各々の前記搬送容器外部フレームは、第1フレームウェブの軸に沿って伸びる第1フレームウェブと、第2フレームウェブの軸に沿って伸びる第2フレームウェブと、第3フレームウェブの軸に沿って伸びる第3フレームウェブと、第4フレームウェブの軸に沿って伸びる第4フレームウェブを含み、
前記第1フレームウェブの軸は、前記第1フレームウェブと前記第4フレームウェブからなる第1頂点で、前記第4フレームウェブの軸と直角に交差し、さらに前記第1フレームウェブと前記第4フレームウェブは前記搬送容器外部フレームの第1フレーム頂点領域で接続され、
前記第1フレームウェブの軸は、前記第1フレームウェブと前記第2フレームウェブからなる第2頂点で、前記第2フレームウェブの軸と直角に交差し、さらに前記第1フレームウェブと前記第2フレームウェブは、前記搬送容器外部フレームの第2フレーム頂点領域で接続され、
前記第3フレームウェブの軸は、前記第3フレームウェブと前記第4フレームウェブからなる第4頂点で、前記第4フレームウェブの軸と直角に交差し、さらに前記第3フレームウェブと前記第4フレームウェブは、前記搬送容器外部フレームの第4フレーム頂点領域で接続され、
前記第3フレームウェブの軸は、前記第3フレームウェブと前記第2フレームウェブからなる第3頂点で前記第2フレームウェブの軸と交差し、さらに前記第3フレームウェブと前記第2フレームウェブは、前記搬送容器外部フレームの第3フレーム頂点領域で接続され、
前記複数の基板搬送容器の各々は、前記搬送容器外部フレームから内側方向であって、かつ上部方向に伸びる基板保持アームを備え、前記基板保持アームは、前記内部ゾーンにオーバーラップすることで、前記基板台座を構成し、
前記基板台座は、垂直方向であって、前記搬送容器外部フレームの上部に、ある距離をおいて位置し、
前記複数の基板搬送容器の各々は、前記搬送容器外部フレームから前記内部ゾーンを経由して、前記内部開口と前記内部ゾーンの2つの補助開口を区分けするために伸びる複数の間仕切りウェブを含み、
前記複数の間仕切りウェブの第1円弧形状部は、前記2つの補助開口
のうちの第1補助開口を区分けするために、前記第4フレームウェブと前記内部開口との間の第1空間に伸び、
前記複数の間仕切りウェブの第2円弧形状部は、前記2つの補助開口
のうちの第2補助開口を区分けするために、前記第2フレームウェブと前記内部開口との間の第2空間に伸び、
前記複数の基板搬送容器の前記内部ゾーンの前記第1補助開口と前記第2補助開口は、それぞれ第1パージチャネルと第2パージチャネルに区分けされ、さらに、前記第1パージチャネルと前記第2パージチャネルは、垂直方向で、かつ前記内部収容空間に対して平行方向または実質的に平行方向であって、前記内部収容空間の両側に伸び、
前記複数の基板搬送容器が、前記基板搬送容器スタック中で、前記複数の基板搬送容器の前記基板台座によって保持された複数の基板の間の空間を通して、水平方向のパージング流を生成するパージ構造を備え
、
前記パージ構造はパージ経路を規定し、前記垂直方向に隣接する基板搬送容器の各々一組のペアが、前記パージ経路を備え、該パージ経路は、前記複数の基板搬送容器の前記間仕切りウェブの前記第1円弧形状部と前記第2円弧形状部を経由して貫通し、
前記内部収容空間の第1部分が、第1パージ経路を経由して、前記第1パージチャネルに接続されることで、パージガスが、前記第1パージチャネルと前記内部収容空間の前記第1部分の間を流れ、
前記内部収容空間の第2部分が、第2パージ経路を経由して前記第2パージチャネルに接続されることにより、前記パージガスが、前記第2パージチャネルと前記内部収容空間の前記第2部分の間を流れ、
前記パージ経路が、前記下部基板搬送容器の前記第1円弧形状部か、または前記第2円弧形状部のいずれかの上面と、前記上部基板搬送容器の前記第1円弧形状部か、または前記第2円弧形状部のいずれかの下面により規定され、
前記第1円弧形状部および前記第2円弧形状部の前記垂直方向の断面において前記上面および前記下面のうちいずれか一面にテーパリング形状または突出形状を設けることにより、前記パージ経路が垂直方向に開口幅を有する細長いノズル開口によって規定され、該開口幅が、前記内部収容空間に向かって細くなるか、または前記内部収容空間に近い内部エッジにおいて最も小さくなる、基板搬送容器スタック。
【請求項2】
請求項1に記載の基板搬送容器スタックにおいて、
さらに、前記複数の基板搬送容器に積み重ねられ、前記複数の基板搬送容器の最上段の基板搬送容器に支持されるカバーと、
前記複数の基板搬送容器が積み重ねられるベースを備え、前記ベースが前記複数の基板搬送容器の最下段の基板搬送容器を支持する、基板搬送容器スタック。
【請求項3】
前記上部支持構造は、上部シール構造を備え、前記下部支持構造は、下部シール構造を備え、
前記複数の基板搬送容器の前記最上段の基板搬送容器の前記上部シール構造は、前記カバーのシール構造と係合し、
前記複数の基板搬送容器の前記最下段の基板搬送容器の前記下部シール構造は、前記ベースのシール構造と係合して前記内部収容空間と前記第1パージチャネルと前記第2パージチャネルを前記基板搬送容器スタックの周辺環境から密封する、請求項2に記載の基板搬送容器スタック。
【請求項4】
前記カバーと前記ベースのどちらか一方は、前記第1パージチャネルに接続される第1ポートを備え、
前記カバーと前記ベースのどちらか一方は、前記第2パージチャネルに接続される第2ポートを備え、さらに、
パージガスが、供給ポートを規定する前記第1ポートと前記第2ポートのどちらか一方を経由して、前記基板搬送容器スタックに供給され、かつ、排出ポートを規定する前記第1ポートと第2ポートのどちらか他のもう一方を経由して、前記基板搬送容器スタックから排出されることにより、前記パージガスが、前記パージ構造で規定されたパージ経路と、前記第1パージチャネルと、前記第2パージチャネルを経由して、前記内部収容空間中に流れる、請求項2または3に記載の基板搬送容器スタック。
【請求項5】
前記第1ポートは、前記第1ポートを備える前記カバーおよび前記ベースのどちらか一方に備えられる第1層流化器を介して、前記第1パージチャネルに接続され、
前記第2ポートは、前記第2ポートを備える前記カバーおよび前記ベースのどちらか他のもう一方に備えられる第2層流化器を介して、前記第2パージチャネルに接続され、
前記第1層流化器と前記第2層流化器の各々は、パージガス流の乱れを抑制するガスろ過媒体か、またはガス分配マニホールドか、またはその両方を備える、請求項4に記載の基板搬送容器スタック。
【請求項6】
前記カバーは前記第1パージチャネルと前記第2パージチャネルに接続されたパージ構造を備え、さらに、前記カバーはパージ経路を設け、該パージ経路の中を、パージガスが前記最上段の基板搬送容器の前記
基板台座か、または前記複数の基板搬送容器のあらかじめ定められた数の前記最上段の基板搬送容器の前記基板台座に向かって流れ、
前記パージ構造により設けられた該パージ経路が、前記内部収容空間の一部を前記第1パージチャネルと前記第2パージチャネルに接続する、請求項2に記載の基板搬送容器スタック。
【請求項7】
前記基板搬送容器スタックの前記パージ経路の各々が、垂直方向であって、かつ等距離の位置に、前記基板搬送容器スタック内で取り付けられた、請求項
1から
6のいずれかに記載の基板搬送容器スタック。
【請求項8】
前記上部支持構造は、上部シール構造を備え、前記下部支持構造は下部シール構造を備え、
前記上部シール構造と前記下部シール構造の第1シール構造は、前記内部ゾーン周辺に連続して
延びる連続シールリップを備え、前記上部シール構造と前記下部シール構造の第2シール構造は、前記内部ゾーン周辺に連続して
延びる連続シール表面ストリップを備え、
垂直方向に隣接する前記基板搬送容器の各々一組のペアに対して、前記上部基板搬送容器の前記下部シール構造が、前記下部基板搬送容器の前記上部シール構造と係合することで、前記内部収容空間と前記第1パージチャネルと前記第2パージチャネルを前記基板搬送容器スタックの周辺領域から密封する、請求項1から
7のいずれかに記載の基板搬送容器スタック。
【請求項9】
前記複数の基板搬送容器の各々が、第1位置決め構造と第2位置決め構造を備え、垂直方向に隣接する前記基板搬送容器の各々一組のペアに対して、前記下部基板搬送容器の前記第1位置決め構造が、前記上部基板搬送容器の前記第2位置決め構造と係合し、
前記複数の基板搬送容器の各々が、前記第1位置決め構造と前記第2位置決め構造の第1位置決定構造を規定する垂直方向の突起と、前記第1位置決め構造と前記第2位置決め構造の第2位置決定構造を規定する凹部または開口を備える、請求項1から
8のいずれかに記載の基板搬送容器スタック。
【請求項10】
前記複数の基板搬送容器のすべてが、同一か、または実質的に同一な構造を有し、
前記垂直方向に隣接する基板搬送容器の各々一組のペアの前記基板搬送容器が積み重ねられることで、前記下部基板搬送容器の前記第1フレームウェブが前記上部基板搬送容器の前記第3フレームウェブを支持し、前記下部基板搬送容器の前記第2フレームウェブが、前記上部基板搬送容器の前記第4フレームウェブを支持し、前記下部基板搬送容器の前記第3フレームウェブが、前記上部基板搬送容器の前記第1フレームウェブを支持し、前記下部基板搬送容器の前記第4フレームウェブが、前記上部基板搬送容器の前記第2フレームウェブを支持する、請求項1から
9のいずれかに記載の基板搬送容器スタック。
【請求項11】
前記複数の基板搬送容器の各々が、前記搬送容器外部フレームの外部周辺面から水平方向に
延びる拡張部を備える、請求項1から
10のいずれかに記載の基板搬送容器スタック。
【請求項12】
前記複数の基板搬送容器の各々が、前記搬送容器外部フレームの外部周辺面から第1の水平方向に
延びる一組の第1拡張部ペアと、前記搬送容器外部フレームの前記外部周辺面から、前記第1の水平方向とは異なる第2の水平方向に
延びる一組の第2拡張部ペアを備える、請求項1から
11のいずれかに記載の基板搬送容器スタック。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001]本出願は、2018年6月27日に出願されたドイツ国特許出願第20 2018 103 662.9号と2018年11月9日に出願された米国仮特許出願第16/185、541号と2019年3月29日に出願されたドイツ国特許出願第20 2019 101 794.5号に対する優先権を主張し、これらの各々の出願は、その全体が参照によって本明細書に組み込まれる。
【0002】
[0002]本明細書の開示は、一般的には、半導体製造における基板の搬送、保管、処理、および加工等に関係するものである。本明細書の開示は、未処理、前処理済み、または処理済みの半導体ウェハである基板の搬送、保管、処理、および加工等に特に関係するものである。しかし、取り扱われる、または保管される基板は、マスク基板またはレチクル、その他の半導体または半導体回路を製造するための半導体ウェハ上にパターンを形成するために必要な基板パターン情報を含む同様のものであっても良い。
【0003】
[0003]半導体材料である300ミリウェハが導入されて以来、フロント・オープニング・ユニファイド・ポッド、または「FOUP」が、基板とその同様の材料の標準的な保管および搬送方法になった。FOUPは、半導体の製造に使用されるシリコンウェハを隔離および保持するために使用されている。デジタル回路やマイクロプロセッサやトランジスタ等の設計に必要不可欠な半導体は、これらのウェハが可能な限り清浄な状態の保管ユニットに置かれることを要求する。そうすることで、FOUPが、ウェハの加工および測定に使用される他の機械間でウェハを搬送することが可能となる。
【背景技術】
【0004】
[0004]従来のFOUPは、一般に周囲のクリーンルーム環境からウェハを保護する働きをする。従来の半導体プロジェクトにおいては、FOUPを使用することでロードポートおよび前面開口ドアを経由してウェハを装置内に入れることができる。しばしば、ロボットハンドリング機構がウェハをFOUP内に配置し、ウェハはその中で、フィンで決まった位置に固定され、後の使用のために保持される。現在の既存のFOUPは多くの異なる要素で構成されるため、その内容物を汚染及びウェハを摩擦し、さらには基板ウェハの内容物のロード及びアンロードを遅延させるかもしれない方法およびシステム設計が障害になっている。そのため、FOUPに求められる課題をより効率よく正確に達成する必要がある。
【0005】
[0005]半導体基板は、少なくともあるプロセスにおいて、比較的長い時間処理されるとガスを放出することで知られている。前記の結果生じる気体成分は、周囲に排出される。これらのガスは周囲の空気との反応、特に、空気湿度中の水分に含まれる酸素または水素またはその両方との反応により化合物を形成し、それらは再び基板の表面に不純物として、または表層として沈殿する。両者はともに不純物であり、これらの汚染物を取り除くために後処理が必要となるか、もしくは基板が将来、製造に完全に使用できなくなる(「歩留まり損失」ともいう)。そのため、半導体ウェハをパージ処理に出すこと、すなわち処理または各処理工程の後に、半導体ウェハをパージガス流、例えば窒素ガス流またはドライクリーンエア流の中で洗浄することが長年実施されてきた。パージガス流は、使用されるパージガスによるが、ガスの動きを利用して固体および気体の不純物を取り除き、放出されたガスが周囲の空気と反応することを回避する。これを達成するために、窒素は、基板を取り巻く空気がほんの少しの割合の酸素と水素しか含まないので、パージガスとして好ましい。窒素は通常、工場で保管されるガスコンテナーから得られ、半導体ウェハが各処理段階の後、および次の処理工程へ出される前に、保管される保管装置の中へ入れられる。
【0006】
[0006]しかしこれまでのところ、これらの方法にもかかわらず、前述された不要な反応および基板表面上の沈殿は確実かつ十分には回避されていない。そのため、電子部品の製造においては、いまだに一般的な過大な時間と費用を必要とする方法で、基板を定期的にスクラップとして取り除くか、またはそのような不純物あるいは不要な層がない状態にしなければならない。本工程は、処理されたウェハに多大な影響を与えるので、たくさんの費用が発生する。
【0007】
[0007]TEC-SEM AG, Tagerwilen (CH)は、半導体ウェハの形態の基板を保管、搬送、処理、および運搬する新種の装置を提案した。
【0008】
[0008]2014年7月17日にTEC-SEM AGにより公表された公開米国出願2014年107818 A2号は、基板搬送容器および複数の基板搬送容器からなる基板搬送容器スタックを提案した。提案された基板搬送容器スタックは、垂直方向に積み重ねられた複数の基板搬送容器を備え、基板搬送容器スタックの垂直方向に隣接する各1組の基板搬送容器において、それぞれの下部基板搬送容器が、それぞれの上部基板搬送容器を支持することを特徴とし、各基板搬送容器は、内部開口を含む内部ゾーン周辺の水平フレーム面に伸長する搬送容器外部フレームを備え、さらに基板搬送容器スタックの内部収容空間内にプレート状の基板を収容および搬送するための基板台座を備え、その内部収容空間または内部収容部分は、基板搬送容器スタックの基板搬送容器の内部開口により規定される。
【0009】
[0009]提案された基板搬送容器スタックの各基板搬送容器は、その搬送容器外部フレームに、少なくとも1つの上部支持構造と少なくとも1つの下部支持構造を有し、基板搬送容器スタックの垂直方向に隣接するそれぞれ各1組の基板搬送容器の下部基板搬送容器が、下部基板搬送容器の少なくとも1つの上部支持構造を用いて、垂直方向に隣接する1組の基板搬送容器の上部基板搬送容器を、上部基板搬送容器の少なくとも1つの下部支持構造の位置で支持することを特徴とする。
【0010】
[0010]提案された基板搬送容器スタックの各基板搬送容器は、さらに以下の特徴を備える:
搬送容器外部フレームが第1フレームウェブ軸に沿って伸長する第1フレームウェブと、第2フレームウェブ軸に沿って伸長する第2フレームウェブと、第3フレームウェブ軸に沿って伸長する第3フレームウェブと、第4フレームウェブ軸に沿って伸びる第4フレームウェブを備え、
第1フレームウェブ軸は、第1フレームウェブおよび第4フレームウェブと関連する第1頂点において、第4フレームウェブ軸と直交し、さらに第1フレームウェブおよび第4フレームウェブが一体的に接続されている搬送容器外部フレームの第1フレーム頂点領域と交差し、
第1フレームウェブ軸は、第1フレームウェブおよび第2フレームウェブと関連する第2頂点において、第2フレームウェブ軸と直交し、さらに第1フレームウェブおよび第2フレームウェブが一体的に接続されている搬送容器外部フレームの第2フレーム頂点領域と交差し、
第3フレームウェブ軸は、第3フレームウェブおよび第4フレームウェブと関連する第4頂点において、第4フレームウェブ軸と直交し、さらに第3フレームウェブおよび第4フレームウェブが一体的に接続されている搬送容器外部フレームの第4フレーム頂点領域と交差し、
第3フレームウェブ軸は、第3フレームウェブおよび第2フレームウェブと関連する第3頂点において、第2フレームウェブ軸と直交し、さらに第3フレームウェブおよび第2フレームウェブが一体的に接続されている搬送容器外部フレームの第3フレーム頂点領域と交差し、
複数の基板保持アームは、搬送容器外部フレームから内方向かつ上方向に伸長し、複数の基板保持アームは内部ゾーンとオーバーラップし、かつ基板台座を形成し、搬送容器フレームの垂直方向範囲の上方に、ある距離を隔てて配置され、さらに、円周と、あらかじめ定められた許容される直径か、またはあらかじめ定められた許容される最小の直径と最大の直径の範囲内の直径に対応する直径を有するプレート状の基板を搬送するように構成され、
基板台座は、水平方向の搬送プレーンを規定し、水平方向の搬送プレーンは、円周と、あらかじめ定められた許容される直径、またはあらかじめ定められた許容される最大の直径に相当する直径を有するプレート状の基板搬送容器が基板台座によって水平方向に支持され、かつ保持された場合に、プレート状の基板の下面と同一平面にある。
【0011】
[0011]これにより、基板搬送容器の搬送容器外部フレームは、前述されたフレームウェブとフレーム軸の配置の観点から、一般的に、または少なくともおおよそ正方形または長方形の形状を有する。
【0012】
[0012]WO2014/107818 A2号の開示内容は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0013】
[0013]TEC-SEMがオリジナルであり2017年12月28日に公開された、公開米国出願2017年0372930 A1号が、追加の特徴を有するこの種の基板搬送容器と、この種の基板搬送容器スタックを開示する。公開米国出願2017年0372930 A1号で提案されたのと同様に、本明細書で提案された基板搬送容器スタックの各々の基板搬送容器は、前述された特徴に加えて、同じく以下の特徴を有する:
複数のパーティションウェブが、搬送容器外部フレームから内部ゾーンを通り伸長し、パーティションウェブは内部ゾーンの内部開口および少なくとも2つの補助開口を区分けし、内部開口および基板台座は、基板台座に支持され、かつ、あらかじめ定められた直径に相当するか、あらかじめ定められた直径範囲内の直径、および円周を有するプレート状の基板が、パーティションウェブのどの部分ともオーバーラップしないように必要な寸法に形作られ、配置され、
パーティションウェブの少なくとも1つの第1円弧部分は、少なくとも1つの第1補助開口を区分けする第4フレームウェブと内部開口の間の空間に伸長し、
パーティションウェブの少なくとも1つの第2円弧部分は、少なくとも1つの第2補助開口を区分けする第2フレームウェブと内部開口の間の空間に伸長し、
円弧部分は、あらかじめ定められた直径、またはあらかじめ定められた直径範囲に対応する曲率半径を有し、
基板搬送容器スタックの基板搬送容器のパーティションウェブの円弧部分は、少なくとも基板搬送容器のスタックの第1水平軸に平行方向に、基板搬送容器スタックの内部収容空間を制限し、第1水平軸は基板搬送容器の第1および第3ウェブフレーム軸と平行であり、
基板搬送容器スタックの基板搬送容器の内部ゾーンの第1補助開口と第2補助開口は、基板搬送容器スタックの少なくとも1つの第1パージチャネルおよび少なくとも1つの第2パージチャネルを形成し、第1パージチャネルおよび第2パージチャネルは、内部収容空間に対して垂直方向に互いに平行に、その対向する両サイドに伸長し、
さらに、基板搬送容器スタックは、パージ構造を備え、パージ構造によって、パージ流が基板搬送容器の基板台座に保持される基板間の空間を通って基板搬送容器内を水平方向に流れる。
【0014】
[0014]公開米国出願2014年107818 A2号で提案されるように、フレームウェブを通って伸長する垂直方向のパージチャネルを形成するために、搬送容器外部フレームの対向する両サイドのフレームウェブに開口を備える代わりに、公開米国出願2017年0372930 A1号により大幅に改善された解決策は、内部ゾーン内にパーティションウェブにより区分けされるパージチャネルを備える。これにより、垂直方向のパージチャネルのためにより大きな開口断面を設けることができる。この開口断面は、基板搬送容器の基板台座により保持される基板間の空間を通って、基板搬送容器スタック内を流れる垂直方向のパージ流を提供する。垂直方向のパージチャネル間を、水平方向のパージ流が流れるようにするために、すなわち、垂直方向のパージチャネルの1つから発生して別のパージチャネルへ入るようにするために、基板搬送容器スタックは、垂直方向のパージチャネルと連携する適切なパージ構造を有しても良い。
【0015】
[0015]公開米国出願2017年0372930 A1号に提案される基板搬送容器は、2つの第1位置決め構造と2つの第2位置決め構造を有し、位置決め構造は、2つの突起と2つの凹部または開口の形で備えられる。第1の突起と隣接する凹部のペア、および第2の突起と隣接する凹部のペアは、搬送容器外部フレームの正反対に位置するフレーム頂点領域に配置される。それぞれの突起は、スタック内のそれぞれの基板搬送容器の上または下に位置する隣り合う基板搬送容器の対応する凹部の中に突き出る。したがって、垂直方向に隣接する各1組の基板搬送容器において、1組の基板搬送容器の下部基板搬送容器の2つの第1位置決め構造は、1組の基板搬送容器の上部基板搬送容器の2つの第2位置決め構造のうち関連する特定の1つと係合しているか、または係合可能である。これにより、この垂直方向に隣接する1組の基板搬送容器の2つの基板搬送容器の適切な相対的位置決めを確保することができる。
【0016】
[0016]公開米国出願2017年0372930 A1号の開示内容、すなわち公開米国出願2017年0372930 A1号に示される基板搬送容器上の突起および凹部の関連付けられた配置を考慮すると、これらの基板搬送容器には2つのサブタイプが必要であり、2つのサブタイプの基板搬送容器は、ある1つの基板搬送容器のそれぞれの突起が、基板搬送容器スタックの中で上部または下部に位置する垂直方向に隣接する別の基板搬送容器のそれぞれの凹部の中に突き出るように、基板搬送容器スタックの中で互いに交互に積み重ねられる。
【0017】
[0017]TEC-SEM AGが開発した基板搬送容器および基板搬送容器スタック、およびTEC-SEM AGが開発した改善された類のこのような基板搬送容器および基板搬送容器スタックの追加の構造詳細とともに、公開米国出願2017年0372930 A1号に既に開示されている基板搬送容器および基板搬送容器スタックの構造詳細がここに開示され、詳述される。公開米国出願2017年0372930 A1号はその全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0018】
[0018]旧タイプの、概して、またはおおよそ円形の基板搬送容器と、このような基板搬送容器を備える基板搬送容器スタック、並びに、関連する保管および開口装置は、TEC-SEM AGの公開米国出願2005年006407 A1号および公開米国出願2007年006166 A2号からも知られる。公開米国出願2005年006407 A1号または対応する公開米国出願2006年0151404-A1号、および公開米国出願2007年006166 A2号または対応する公開米国出願2010年0179681 A1号の開示は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【発明の概要】
【0019】
[0019]本発明の好ましい実施形態は、基板搬送容器、および基板搬送容器を備える基板搬送容器スタックを提供し、基板搬送容器および基板搬送容器スタックは、半導体製造などのプロセスにおける基板の搬送、保管、処理、および加工に有利に使用できる。
【0020】
[0020]本発明の好ましい実施形態はまた、基板搬送容器、および基板搬送容器を備える基板搬送容器スタックを提供し、基板搬送容器および基板搬送容器スタックは、基板をパージ処理に出すために有利に使用される。
【0021】
[0021]本発明の好ましい実施形態は、さらに、複数の基板搬送容器、および以下の特徴を備える複数の基板搬送容器を含む基板搬送容器スタックを提供する。複数の基板搬送容器は、基板搬送容器スタック内で基板搬送容器が適切な相対位置にあるように保護するか、または寄与する構造を備える。
【0022】
[0022]本発明の好ましい実施形態は、複数の基板搬送容器、および以下の特徴を備える複数の基板搬送容器を含む基板搬送容器スタックを提供する。複数の基板搬送容器は、基板搬送容器スタック内の複数の基板搬送容器の適切な相対的位置決めに基づいて、基板搬送容器スタックとその複数の基板搬送容器の搬送、基板の保管、基板の処理、および基板の加工のうち少なくとも1つにおいて更なる利点を達成する。
【0023】
[0023]本発明の好ましい実施形態の1つは、垂直方向に積み重ねられた複数の基板搬送容器を備える基板搬送容器スタックを提供し、複数の基板搬送容器は、基板搬送容器スタックの垂直方向に隣接する各1組の基板搬送容器において、それぞれの下部基板搬送容器がそれぞれの上部基板搬送容器を支持するように積み重ねられ、各々の基板搬送容器が搬送容器外部フレームを備え、搬送容器外部フレームは、内部開口を含む内部ゾーン周辺の水平方向のフレーム面に伸長し、かつ基板搬送容器スタックの基板搬送容器の内部開口により区分けされる内部収容空間内にプレート状の基板を収容および支持するための基板台座を備え、内部収容空間または内部収容空間の一部は、基板搬送容器スタックの基板搬送容器の内部開口によって規定される。
【0024】
[0024]各々の基板搬送容器は、基板搬送容器の搬送容器外部フレームに少なくとも1つの上部支持構造と少なくとも1つの下部支持構造を備え、その目的は、基板搬送容器スタックの垂直方向に隣接するそれぞれの1組の基板搬送容器の下部基板搬送容器が、その少なくとも1つの上部支持構造によって、垂直方向に隣接する1組の基板搬送容器の上部基板搬送容器を、その少なくとも1つの下部支持構造の位置で支持するためである。
【0025】
[0025]基板搬送容器スタックの各々の基板搬送容器は、さらに以下の特徴を備える:
搬送容器外部フレームが、第1フレームウェブ軸に沿って伸長する第1フレームウェブと、第2フレームウェブ軸に沿って伸長する第2フレームウェブと、第3フレームウェブ軸に沿って伸長する第3フレームウェブと、第4フレームウェブ軸に沿って伸びる第4フレームウェブを備え、
第1フレームウェブ軸は、第1フレームウェブおよび第4フレームウェブと関連する第1頂点において、第4フレームウェブ軸と直交し、さらに第1フレームウェブおよび第4フレームウェブが一体的に接続されている搬送容器外部フレームの第1フレーム頂点領域と交差し、
第1フレームウェブ軸は、第1フレームウェブおよび第2フレームウェブと関連する第2頂点において、第2フレームウェブ軸と直交し、さらに第1フレームウェブおよび第2フレームウェブが一体的に接続されている搬送容器外部フレームの第2フレーム頂点領域と交差し、
第3フレームウェブ軸は、第3フレームウェブおよび第4フレームウェブと関連する第4頂点において、第4フレームウェブ軸と直交し、さらに第3フレームウェブおよび第4フレームウェブが一体的に接続されている搬送容器外部フレームの第4フレーム頂点領域と交差し、
第3フレームウェブ軸は、第3フレームウェブおよび第2フレームウェブと関連する第3頂点において、第2フレームウェブ軸と直交し、さらに第3フレームウェブおよび第2フレームウェブが一体的に接続されている搬送容器外部フレームの第3フレーム頂点領域と交差し、さらに、
複数の基板保持アームが、搬送容器外部フレームから内向きかつ上向きに伸長し、複数の基板保持アームは内部ゾーンとオーバーラップし、かつ基板台座を形成し、基板台座は搬送容器外部フレームの垂直方向範囲の上方にある距離を隔てて配置され、円周と、あらかじめ定められ、許容される直径か、またはあらかじめ定められ、許容される最小の直径および最大の直径で示される直径範囲内の直径に相当する直径を有するプレート状の基板を搬送するように構成され、
基板台座は、水平方向の搬送プレーンを規定し、水平方向の搬送プレーンは、円周と、あらかじめ定められた許容される直径、またはあらかじめ定められた許容される最大の直径に相当する直径を有するプレート状の基板搬送容器が基板台座によって水平方向に支持され、かつ保持された場合に、プレート状の基板の下面と同一平面にあり、
複数のパーティションウェブが、搬送容器外部フレームから内部ゾーンを通り伸長し、パーティションウェブは内部ゾーンの内部開口および少なくとも2つの補助開口を区分けし、内部開口および基板台座は、基板台座に支持され、かつ、あらかじめ定められた直径に相当するか、あらかじめ定められた直径範囲内の直径、および円周を有するプレート状の基板が、パーティションウェブのどの部分ともオーバーラップしないように必要な寸法に形作られ、配置され、
パーティションウェブの少なくとも1つの第1円弧部分は、少なくとも1つの第1補助開口を区分けする第4フレームウェブと内部開口の間の空間に伸長し、
パーティションウェブの少なくとも1つの第2円弧部分は、少なくとも1つの第2補助開口を区分けする第2フレームウェブと内部開口の間の空間に伸長し、
円弧部分は、あらかじめ定められた直径、またはあらかじめ定められた直径範囲に対応する曲率半径を有し、
基板搬送容器スタックの基板搬送容器のパーティションウェブの円弧部分は、少なくとも基板搬送容器のスタックの第1水平軸に平行方向に、基板搬送容器スタックの内部収容空間を制限し、第1水平軸は基板搬送容器の第1および第3ウェブフレーム軸と平行である。
【0026】
[0026]基板搬送容器により保持された基板を望ましい方法でパージ処理工程に送り出すことを可能にするために、基板搬送容器スタックの基板搬送容器の内部ゾーンの第1補助開口と第2補助開口は、内部収容空間に対して垂直方向であってかつ平行か、または実質的に平行に、その対向する両サイドに伸長する、基板搬送容器スタックの少なくとも1つの第1パージチャネルと、少なくとも1つの第2パージチャネルを形成する。基板搬送容器は、水平方向のパージ流が基板搬送容器の基盤台座に保持される基板の間の空間を通って基板搬送容器スタック内を流れるパージ構造を備えても良い。
【0027】
[0027]先行技術のアプローチを超える、実質的な改良が実現されている。本発明の好ましい実施形態によると、例えば半導体ウェハのような基板の効率的なパージ処理が要求される基板搬送容器スタックにおいて、第1および第2パージチャネルがかなり大きな開口断面を有することが可能となるので、その開口断面が基板搬送容器スタック内の層流パージガスを実現することができる。
【0028】
[0028]本発明の好ましい実施形態により提供される基板搬送容器の上記解説において、基板搬送容器スタックは、水平なサポート(または一般的に水平基準面)上に適切に水平方向に位置決めされるものとする。これは、典型的には、または好ましくは、基板搬送容器スタックが、それぞれの基板搬送容器に支持される半導体ウェハのような基板の保管、運搬、搬送、および処理の目的で使用されるときに適用される位置決めである。基板搬送容器スタックが異なって位置決めされる場合、例えば斜面上や90度回転させて位置決めされる場合、それぞれの基板搬送容器の搬送容器外部フレームのフレーム面は、厳密には「水平」面ではなく、さらに、「水平な」または「水平方向に」および「垂直な」または「垂直方向に」のような用語に関連するその他の指標もまた、厳密には適用しない。これらを考慮して、これらの指標は、1つの垂直軸および2つの水平軸を有する基板搬送容器スタックの固有の直交座標軸に暗に関連していると理解されるべきであり、水平基準面に対する基板搬送容器スタックの実際の方向とは無関係である。
【0029】
[0029]フレームウェブ軸および頂点については、以下のことが注目される。つまり、フレームウェブ軸は、好ましくはそれぞれの関連するフレームウェブ内に少なくとも部分的に伸長するものと仮定されるが、これは必須ではない。さらに、それぞれの頂点が、必ずしもそれぞれのフレーム頂点領域内に配置されると仮定する必要はない。このような仮定が合理的であるかどうか、またどの程度合理的であるかは、フレームウェブおよびフレーム頂点領域の正確なジオメトリと共に、搬送容器外部フレーム、例えば、おおよそ正方形または長方形の搬送容器外部フレームに依存する。一般的には、フレームウェブ軸は、それぞれのフレームウェブのまっすぐな重心線と一致するとされる。フレームウェブの形、およびフレームウェブの垂直方向範囲によるが、この仮定では、頂点が外部フレームウェブのそれぞれの関連するフレーム頂点領域の上に配置されるという結果になるだろう。
【0030】
[0030]他の好ましい実施形態によると、フレーム頂点領域は、互いに垂直方向に整列されて、それぞれの基板搬送容器の最下部で合致する。この場合には、例えば、フレーム頂点領域の重心で合致するために、それぞれに対応するフレーム頂点領域内に、複数の頂点を配置することは、代替案として、意味を持つ。本好ましい実施形態によると、フレームウェブは関連するフレーム頂点領域から上方向に伸長する。この場合、フレームウェブは、関連するフレームウェブ軸から距離を隔てた位置で、フレーム頂点領域間の距離の相当な部分に沿って伸長する。その結果、フレームウェブはボトム側、またはボトムエッジが凸面形状を有していることが好ましい。
【0031】
[0031]例えば、他の好ましい実施形態によると、基板搬送容器の搬送容器外部フレームのフレーム頂点領域が、平面状の、または実質的に平面状の外部頂点部分と、湾曲した、または傾斜した内部頂点部分を備え、内部頂点部分は、外部頂点部分と一体的に接続され、上方向に、かつ内部ゾーン方向に伸長するように立ち上がる。平面状の、または実質的に平面状の外部頂点部分は、互いに、垂直方向に配置され、それぞれの基板搬送容器の最下部で合致する。基板搬送容器の搬送容器外部フレームのフレームウェブの各々は、それぞれ、湾曲した、または傾斜したウェブ部分を備え、ウェブ部分は、それぞれのフレームウェブに沿って伸長し、それぞれの外部頂点部分か、またはそれぞれの下部ウェブエッジか、または、少なくとも一部が対応するフレームウェブに沿って伸長する実質的に平面状の外部ウェブ部分のいずれかの位置から上方向に、かつ内部ゾーン方向に伸長するように、立ち上がる。湾曲した、または傾斜したウェブ部分と内部頂点領域が、連続したキャリアフレームプロファイルが内部ゾーン周りに伸長し、かつ上部および内部エッジを閉じ込めるように形成されていて、ウェブ部分が、各々内部頂点部分の対応する1組のペア間に伸長し、それぞれのペアの内部頂点部分にマージする。例えば、本好ましい実施形態のある変形例によると、フレームウェブは、関連する複数のフレーム頂点領域間の距離の実質的な部分を超えるように、外部頂点領域の垂直レベルとその間に伸長する、それぞれのフレームウェブの下部ウェブエッジとの間に、垂直ギャップがある凸面形状を有する。
【0032】
[0032]上述した通り、第1および第2パージチャネルとパージ構造が、それぞれの処理工程の後に、半導体ウェハの形式の基板のパージ処理を可能にする。このようなパージ処理は、半導体ウェハの処理と半導体装置の製造において重要な工程である。本発明の好ましい実施形態の記載によると、この基板搬送容器と基板搬送容器スタックは、基板搬送容器の台座に保持されたウェハを適切なパージ処理状況下に置くために好んで使用されるので、本ウェハは、そのパージ処理において、パージガス流、例えば窒素ガス流やドライクリーンエア流の中で洗浄され、その結果、気体または固体の汚染物質、特に前述の処理ステップによるウェハのアウトガスが、基板搬送容器スタックから外に排出される。
【0033】
[0033]基板搬送容器は、水平方向のパージ流が基板搬送容器の基盤台座に保持される基板の間の空間を通って基板搬送容器スタック内を流れるパージ構造を備えても良い。それと共に、水平方向のパージ流に到達するための、基板搬送容器に含まれる追加的要素を避けることができる。
【0034】
[0034]他の好ましい実施形態によると、各々の基板搬送容器は、第1パーティションウェブを備え、第1パーティションウェブは第1フレームウェブと第3フレームウェブの間に伸長し、かつ第4ウェブフレームと内部開口の間の空間に伸長して第1フレームウェブと第3フレームウェブの間の間隔の相当な部分、好ましくはほとんどの部分に橋架する1つの第1円弧部分を備える。さらに、各々の基板搬送容器は、第2パーティションウェブを備え、第2パーティションウェブは第1フレームウェブと第3フレームウェブの間に伸長し、かつ第2フレームウェブと内部開口の間の空間に伸長して第1フレームウェブと第3フレームウェブの間の間隔の相当な部分、好ましくはほとんどの部分に橋架する1つの第2円弧部分を備える。
【0035】
[0035]第1パーティションウェブは、一端で第1円弧部分と結合し、もう一端で第1フレーム頂点領域に近い第1フレームウェブとマージする第1連結部と、一端で第1円弧部分と結合し、もう一端で第4フレーム頂点領域に近い第3フレームウェブとマージする第2連結部を備え、さらに、第2パーティションウェブは、一端で第2円弧部分と結合し、もう一端で第2フレーム頂点領域に近い第1フレームウェブとマージする第1連結部と、一端で第2円弧部分と結合し、もう一端で第3フレーム頂点領域に近い第3フレームウェブとマージする第2連結部を備える。さらに、第1パーティションウェブは、第1円弧部分を第4フレームウェブと連結する第3連結領域を備えることができ、それによって類似の、または同じサイズの2つの第1補助開口を区分けし、さらに、第2パーティションウェブは、第2円弧部分を第2フレームウェブと連結する第3連結領域を備えることができ、それによって類似の、または同じサイズの2つの第2補助開口を区分けする。
【0036】
[0036]好ましい実施形態によると、基板搬送容器スタックは、さらに複数の基板搬送容器の上に積み重ねられたカバーを備え、これら基板搬送容器中の最上部の基板搬送容器がそのカバーを支持する。これは、望ましくは、基板搬送容器スタック内の基板のパージ処理の場合であるが、カバーは、実現可能な全ての使用シナリオに必要だと限らない。
【0037】
[0037]好ましい実施形態によると、基板搬送容器スタックは、さらに複数の基板搬送容器が上に積み重ねられたベースを備え、このベースが複数の基板搬送容器の最下部の基板搬送容器を支持する。これは、望ましくは、基板搬送容器スタック内の基板のパージ処理の場合であるが、ベースは、実現可能な全ての使用シナリオに必要だと限らない。
【0038】
[0038]本明細書中で使用される用語に関しては、カバー(もし備えられる場合)とベース(もし備えられる場合)は、基板搬送容器スタックに属する。このカバーとベースを備えた基板搬送容器スタックは、1つのユニットか単一構造として集合的に取り扱われ、基板搬送容器スタックは、それぞれの基板搬送容器に保持された基板を保管、運搬、搬送、および処理する目的を提供することができる。この結果、本ユニットまたは本基板搬送容器スタックは、基板ホルダー、基板保管部と搬送装置と表現しても良く、またはそれは別のモジュールを備えるので、モジュール化された基板処理装置と表現することもできる。すなわち、このモジュール化された基板処理装置とは、基板搬送容器と、もしカバーを備えるなら、そのカバーと、もしベースを備えるなら、そのベースを備えたものである。それぞれの基板を基板台座上にロードするか、またはそれぞれの基板を基板台座からアンロードするための、それぞれの基板搬送容器の台座にアクセスするために、開口装置が使用される。この開口装置は、移動機構を備え、移動機構は、基板搬送容器スタックの垂直方向に隣接するそれぞれ1組のペアの基板搬送容器の上部基板搬送容器と下部基板搬送容器を垂直方向に移動させることで、上部基板搬送容器と下部基板搬送容器の間にギャップが開口され広がるので、それにより下部基板搬送容器の基板台座が、例えば、ロボットアームによりローディング動作か、またはアンローディング動作のために、水平方向からアクセスされることを可能にする。この点に関して、PCT公開出願WO2014/107818 A2に記載された従来の開口装置を、本発明の好ましい実施形態に記載されている種類の基板搬送容器スタック上での操作に適用するのは容易である。
【0039】
[0039]また、パージ構造がパージ経路の形で備えられることが提案され、基板搬送容器スタックの垂直方向に隣接するそれぞれの1組の基板搬送容器がパージ経路を備える。パージ経路は、内部収容空間のそれぞれの部分が、少なくとも1つの第1パージ経路を通ってそれぞれの第1パージチャネルと接続されて、第1パージチャネルから内部収容空間の部分へ、または内部収容空間の部分から第1パージチャネルへパージガスが流れ、また、内部収容空間の部分が少なくとも1つの第2パージ経路を通ってそれぞれの第2パージチャネルと接続されて、内部収容空間の部分から第2パージチャネルへ、または第2パージチャネルから内部収容空間へパージガスが流れるように、垂直方向に隣接するこの1組の基板搬送容器のパーティションウェブの円弧部分を通っている。
【0040】
[0040]少なくとも1つの第1パージチャネルおよび少なくとも1つの第1パージ経路は、供給用パージチャネルおよび供給用パージ経路として使用可能であり、少なくとも1つの第2パージチャネルおよび少なくとも1つの第2パージ経路は、排出用パージチャネルおよび排出用パージ経路として使用可能である。別の方法として、少なくとも1つの第2パージチャネルおよび少なくとも1つの第2パージ経路は供給用パージチャネルおよび供給用パージ経路として使用可能であり、少なくとも1つの第1パージチャネルおよび少なくとも1つの第1パージ経路は、排出用パージチャネルおよび排出用パージ経路として使用可能である。配置は、適切には以下のようである。少なくとも1つの供給用パージチャネルに供給されるパージガスは、少なくとも1つの供給用パージ経路を経由して、隣接するそれぞれの1組の基板、すなわち上部基板搬送容器の基盤台座によって支持される基板と、下部基板搬送容器の台座によって支持される基板の間のクリアランススペースへ供給され、少なくとも1つの排出用パージ経路を経由して、このクリアランススペースからパージガスを排出する少なくとも1つの排出用パージチャネルへ排出される。基板搬送容器スタックに属する大多数の基板搬送容器について、垂直方向に隣接するそれぞれの1組の基板搬送容器の円弧部分を通る提案されたパージ経路は、供給用パージ経路および排出用パージ経路の機能を果たすのに適し、適切なパージガス流を達成するのに十分である。ここで、すべての基板搬送容器がそれぞれの基板を運搬し(必ずしもそうではない)、基盤は、あらかじめ定められた許容可能な基板の厚さと一致するか、または基板搬送容器と基板搬送容器スタックが設計された基板の厚さ範囲と一致していると想定されても良く、その結果、それぞれの1組の隣接する基板の間に適切なクリアランススペースができる。
【0041】
[0041]基板搬送容器スタックには、少なくとも1つの供給ポートが備えられていて、供給ポートには、外部のパージガス供給源からパージガスを供給するための少なくとも1つの供給用パージチャネルが備えられ、基板搬送容器スタックには、さらに少なくとも1つの排出ポートが備えられていて、排出ポートには、基板搬送容器スタックから外部のパージガスドレインへ、パージガスを排出するための少なくとも1つの排出用チャネルが備えられている。
【0042】
[0042]パージ経路は、垂直方向に隣接するそれぞれ1組の基板搬送容器の下部基板搬送容器のパーティションウェブのそれぞれの円弧部分の上面領域と、垂直方向に隣接するそれぞれ1組の基板搬送容器の上部基板搬送容器のパーティションウェブのそれぞれの円弧部分の下面領域によって規定される。
【0043】
[0043]それぞれの第1パージ経路は、第1および第2円弧部分と、それぞれの第1および第2パーティションウェブの第1および第2接続部分の少なくとも相当な部分に完全に沿うように伸長し、垂直方向に隣接するそれぞれ1組の基板搬送容器の下部基板搬送容器のそれぞれのパーティションウェブの上面と、垂直方向に隣接するそれぞれ1組の基板搬送容器の上部基板搬送容器のそれぞれのパーティションウェブの下面によって規定され、それぞれの第2パージ経路は、第2および第1円弧部分と、それぞれの第2および第1パーティションウェブの第1および第2接続部分の少なくとも相当な部分に完全に沿うように伸長し、垂直方向に隣接するそれぞれ1組の基板搬送容器の下部基板搬送容器のそれぞれのパーティションウェブの上面と、垂直方向に隣接するそれぞれ1組の基板搬送容器の上部基板搬送容器のそれぞれのパーティションウェブの下面によって規定され、さらに、第1および第2パージ経路は、内部収容空間の対向する両サイドに配置される。
【0044】
[0044]好ましくは、パージ経路は、縦長の開口幅を含む細長いノズル開口であり、開口は内部収容空間のそれぞれの部分に向かって先細りになっている。これが好ましくは水平方向のパージガス流を促進させ、基板に効果的にパージ処理を施す助けとなる。
【0045】
[0045]好ましい実施形態によると、ほとんどのパージ経路は、垂直方向に隣接する他の1組の基板搬送容器の上部基板搬送容器の基盤台座によって規定された上部搬送プレーンと、垂直方向に隣接する他の1組の基板搬送容器の下部基板搬送容器の基板台座によって規定された下部搬送プレーンの間で、内部収容空間のそれぞれの部分とそれぞれの第1チャネルまたはそれぞれの第2チャネルに繋がる。パージ経路は、それぞれの上段の搬送プレーンとそれぞれの下段の搬送プレーンの間でそれぞれの内部収容空間のそれぞれの部分に繋がっていて、例えば、好ましい実施形態として、基板搬送容器スタックが設計されるための基準となったプレート形状の基板のあらかじめ定められた許容され得る厚さまたはある範囲の厚さ、又はある範囲の厚さを超える下段の搬送プレーンからある垂直な距離を隔てたところと、上段搬送プレーンから同様にある垂直な距離を隔てたところで、パージ経路は内部収容空間のそれぞれ対応する部分の周りに円周方向に延びる縦長の湾曲したパージ経路として形成される。
【0046】
[0046]好ましい実施形態によると、基板搬送容器スタックの基板搬送容器の大多数は、基板搬送容器スタックの関連する下部基板搬送容器の基板台座の搬送プレーンが、基板搬送容器の大多数のそれぞれの基板搬送容器の円弧部分を横切るように、基板搬送容器内のそれぞれの基板搬送容器の下に位置する1つの特定の関連する下部基板搬送容器に対して相対的な位置に、それぞれの円弧部分を含む。
【0047】
[0047]1つの最下部の基板搬送容器、または好ましくは、あらかじめ定められた数の最下部の基板搬送容器を除くすべての基板搬送容器は、一般的に、基板搬送容器スタックのある特定の関連する下部基板搬送容器に相対的に配置されるそれぞれの円弧部分を前述された方法で備え、内部収容空間のそれぞれの部分をそれぞれの第1経路およびそれぞれの第2経路と接続する。
【0048】
[0048]最下部の基板搬送容器、またはあらかじめ定められた複数の最下部の基板搬送容器は、内部収容空間中に上方向に伸長するベースの円筒形突起の垂直方向の伸長範囲の位置に、それぞれの円弧部分を備えることができる。円筒形突起は、平面状の上面と、あらかじめ定められた許容可能な直径に相当する直径か、またはあらかじめ定められた許容可能な基板の直径範囲内の直径を備える。平面状の上面は、ある垂直方向の距離を隔てて、基板搬送容器の最下部の基板搬送容器の搬送プレーンの下に配置される。垂直方向の距離とは、垂直方向に隣接するそれぞれの1組の基板搬送容器の基板台座によって規定される搬送プレーン間の距離と同じである。この垂直方向の距離は、そのような垂直方向に隣接する1組の基板搬送容器の上部基板搬送容器の基板台座に支持される上部の基板の下面と、1組の基板搬送容器の下部基板搬送容器の基板台座によって支持される下部の基板の上面の間の垂直方向の距離に対応する。
【0049】
[0049]それぞれの基板台座により 基板搬送容器スタックの大多数の基板搬送容器のために規定された搬送プレーンは、基板搬送容器スタック中のそれぞれの基板搬送容器の上方に配置された垂直方向に隣接する1組の基板搬送容器ペアを構成する基板搬送容器の間仕切りウェブの円弧部分を通過するパージ経路の下方に配置される。
【0050】
[0050]1つの最上段の基板搬送容器を除いて、又はあらかじめ定められた数の複数の最上段の基板搬送容器を除いて、一般的には基板搬送容器スタックのすべての基板搬送容器は、基板搬送容器スタックのそれぞれの基板搬送容器の上方に配置された基板搬送容器に備えられたこのようなパージ経路の下方に配置された基板搬送容器のそれぞれの基板台座により規定される搬送プレーンを有することが好ましい。
【0051】
[0051]前述したカバーが、少なくとも1つの第1パージチャネルと少なくとも1つの第2パージチャネルと協同し、かつ最上段の1つの基板搬送容器の基板台座に関連するか、または最上段のあらかじめ定められた複数の基板搬送容器のそれぞれの基板台座に関連するパージ経路を備えたパージ構造を備え、さらにパージ構造に備えられたパージ経路は、それぞれの基板台座に関連した内部収容空間のある一部に、それぞれの第1パージチャネルとそれぞれの第2パージチャネルと直接または間接的に繋がることが提案される。好ましい実施形態として、パージ構造によって提供されるパージ経路は、カバーの平面状の下面領域と、最上部の基板搬送容器の台座によって規定された搬送プレーンの間か、もしくは、それぞれの上部搬送プレーンと、垂直方向に隣接するそれぞれの1組の基板搬送容器の台座によって規定されるそれぞれの下部搬送プレーンの間の内部収容空間のそれぞれの部分を、それぞれの第1パージチャネルとそれぞれの第2パージチャネルと接続し、さらにパージ構造により備えられたパージ経路は、好ましくは、基板搬送容器スタックが設計されるための基準となった、プレート形状の基板のあらかじめ定められ許容され得る厚み又はある範囲の厚みを超える下段の搬送プレーンからの垂直距離を隔てたところと、上段の搬送プレーン又は平面エリアから同様に垂直距離を隔てたところに、パージ経路が内部収容空間のそれぞれ対応する部分の周りに円周方向に延びる縦長の湾曲したパージ経路であることを特徴とするパージ経路である。
【0052】
[0052]好ましくは、パージ構造は、第1円弧状領域を有する第1パーティションリッジと、第2円弧状領域を有する第2パーティションリッジを備え、第1及び第2パーティションリッジは、基板搬送容器の第1及び第2間仕切りウェブのそれぞれの第1および第2円弧部分に沿って伸長し、さらに、第1パーティションリッジは、第1円弧部分のそれぞれの一端で接続する第1及び第2延長部分を有し、かつ第2パーティションリッジは、第2円弧部分のそれぞれの一端で接続する第1および第2延長部分を有し、第1および第2延長部分は、基板搬送容器の第1および第2間仕切りウェブのそれぞれの第1および第2連結部分に沿って延びることで、パージ構造により提供されたパージ経路が、内部収容空間の各部分がそれぞれのパージチャネルと接続すべき、第1パーティションリッジを通過して延びるそれぞれの第1パージ経路と、第2パーティションリッジを通過して延びるそれぞれの第2パージ経路を備えることを特徴とする。
【0053】
[0053]好ましくは、パージ構造により提供される第1および第2パージ経路は、垂直方向に隣接するそれぞれの1組の基板搬送容器の下段の基板搬送容器の第1及び第2間仕切りウェブの上面と、垂直方向に隣接するそれぞれの1組の基板搬送容器の上段の基板搬送容器の第1および第2間仕切りウェブの下面によって区分けされる第1および第2パージ経路に沿って延びる。
【0054】
[0054]パージ経路は、基板搬送容器スタック内に、規定された等間隔な垂直位置で、例えば、以下の(a)、(b)、(c)または(d)のいずれかの位置に配置されて、互い違いになるように備えられることが望ましい。
すなわち、好ましい実施例として、(a)カバーの平面状の下面領域と、最上部の基板搬送容器の基盤台座によって支持された基板の上面との間で隔てられた垂直方向の距離のほぼ中間位置か、(b)ある1組の基板搬送容器ペアの垂直方向に隣接した上部基板搬送容器の基盤台座によって支持される基板の下面と、本基板搬送容器ペアの垂直方向に隣接した下部基板搬送容器の基盤台座によって支持された基板の上面との間で垂直方向に隔てられた距離のほぼ中間位置か、(c)すべての基板台座が、あらかじめ定められた基板の厚さと、基板搬送容器スタックの設計の基準となったあらかじめ定められた基板の直径を有する円周を有するそれぞれのプレート状の基板を搬送するならば、最下部の基板搬送容器の基板台座により支持された基板の下面と、ベースの円筒形突起の平面状の上面の間の垂直方向に隔てられた距離のほぼ中間位置か、または(d)ベースの円筒形突起の垂直方向の伸長範囲内の位置のいずれかに配置される。
【0055】
[0055]それぞれの基板搬送容器の上部支持構造および下部支持構造は、上部シール構造と下部シール構造の形で備えられ、シール構造の一方が内部ゾーン周辺に連続して伸びる少なくとも1つの連続するシーリングリップまたはシーリングリッジを含み、かつシール構造のもう一方が内部ゾーン周辺に連続して伸びる少なくとも1つの連続するシーリングサーフェス・ストリップを含んでいることが望ましく、さらに、基板搬送容器スタックの垂直方向に隣接するそれぞれの各1組の基板搬送容器に対して、それぞれの上部基板搬送容器の下部シール構造は、内部ゾーンおよび内部収容空間を基板搬送容器スタックの周辺環境からシールするために、それぞれの下部基板搬送容器の関連する上部シール構造と係合されているか、または係合可能な状態である。前述された好ましい実施形態によると、少なくとも1つの第1パージチャネルと少なくとも1つの第2パージチャネルもまた、提案された内部ゾーンのシーリングによって基板搬送容器スタックの周辺環境からシールされる。最上部の基板搬送容器の上部シール構造は、カバーの関連するシール構造と係合されているかまたは係合可能な状態であり、最下部の基板搬送容器の下部シール構造は、ベースの関連するシール構造と係合されるかまたは係合可能な状態であり、内部収容空間と、少なくとも1つの第1パージチャネルと、少なくとも1つの第2パージチャネルを、基板搬送容器スタックの周辺環境からシールする。カバーは、その重さが相互に関連するシール構造間の適切なシーリング係合を達成するかまたは寄与するような重さを有するように設計され得る。
【0056】
[0056]次のことが提案される。カバーとベースのうちの1つは、第1パージチャネルと繋がる第1ポートを備え、カバーとベースのうちの1つは、第2パージチャネルと繋がる第2ポートを備え、その結果、パージガスが、供給ポートとして定義され、かつ機能する第1ポートと第2ポートのうちの一方を経由して基板搬送容器スタック内に供給され、排出ポートの役割をする第1ポートと第2ポートのうちのもう一方を経由して基板搬送容器スタックから排出されることが可能となり、その第1および第2パージチャネルとパージ経路を経由して内部収容空間を通るパージガス流を実現する。特に、例えば、カバーとベースのうち一方が第1ポートを備えることができ、カバーとベースのうちもう一方が第2ポートを備えることが可能となる。しかしながら、別の方法として、カバーとベースのうち一方が、第1ポートと第2ポートを備えることも可能である。例えば、第1ポートと第2ポートを備えるベースを有することは、あるインターフェース配置にとって、ポートを、例えばパージガス用のサプライラインとリターンラインと繋ぐために有利であるかもしれない。別のインターフェース配置にとっては、カバーが第1および第2ポートを備えることが有利であるかもしれない。
【0057】
[0057]第1ポートは、カバーまたはベースにそれぞれ組み込まれた第1層流化器を介して第1パージチャネルと繋がり、第1パージチャネルを通る実質的に層流化したパージガス流を実現する。加えて、または別の方法として、第2ポートは、カバーまたはベースにそれぞれ組み込まれる第2層流化器を介して第2パージチャネルと繋がり、第2パージチャネルを通る実質的に層流化したパージガス流を実現する。第1層流化器と第2層流化器のうち少なくとも1つは、例えば層流化用織物のようなガスろ過媒体、およびパージチャネルを流れるパージガス中の乱れを軽減または防止するように構成されたガス分配マニュホールドのうち少なくとも1つを備える。
【0058】
[0058]第1および第2パージチャネルと、パージ経路は、実質的に層流化したパージガスが内部収容空間を通って流れるように寸法設定され配置されても良い。これを達成するために、さらに、基板搬送容器の台座の搬送プレーンの間の垂直距離は、実質的に層流化したパージガスが内部収容空間を通って流れるように寸法設定されても良い。
【0059】
[0059]好ましい実施形態によると、基板搬送容器の搬送容器外部フレームのフレーム頂点領域は、実質的に平面状の外部頂点部分と、湾曲した、または傾斜した内部頂点部分をそれぞれ備え、内部頂点部分は、外部頂点部分と一体に連結され、外部頂点部分から内部ゾーンに向かって上方向に伸長するように立ち上がる。さらに、基板搬送容器の搬送容器外部フレームのフレームウェブはそれぞれ、湾曲した、または傾斜したウェブ部分を備え、ウェブ部分はそれぞれのフレームウェブに沿って伸長し、それぞれの外部頂点部分、または、それぞれの下部ウェブエッジ、または、それぞれのフレームウェブに少なくとも部分的に沿って伸長する実質的に平面状の外部ウェブ部分から、内部ゾーンに向かって上方向に伸長するように立ち上がる。さらに、それぞれの1組の内部頂点部分の間に伸長し、かつそれぞれの1組の内部頂点部分にマージする湾曲した、または傾斜したウェブ部分と、内部頂点部分は、連続する搬送容器フレーム輪郭が提供され、内部ゾーン周りに伸長し、内部ゾーンを制限する上部エッジおよび内部エッジを備えるように形成されている。
【0060】
[0060]この場合に、それぞれの基板搬送容器の上部シール構造は、好ましくは、連続する搬送容器フレーム輪郭の連続する表面部分により設けられることができ、その連続する表面部分は、内部ゾーン周りの連続する搬送容器フレーム輪郭の上側に沿って近接して伸長すると共に、連続シール表面ストリップを規定し連続シール表面ストリップとして機能する。
【0061】
[0061]好ましくは、それぞれの基板搬送容器の下部シール構造は、連続するシーリングリップまたはシーリングリッジの形態で備えられても良く、シーリングリップまたはシーリングリッジは、内部ゾーン周りの連続する搬送容器フレーム輪郭の下側に沿って近接して伸長する。
【0062】
[0062]本発明の好ましい複数の実施形態によると、基板搬送容器スタックのすべての基板搬送容器は、同じタイプのものでも良い。
【0063】
[0063]望ましくは、基板搬送容器スタックの垂直方向に隣接する各1組の基板搬送容器に対して、下部基板搬送容器の第1フレームウェブが上部基板搬送容器の第3フレームウェブを支持し、下部基板搬送容器の第2フレームウェブが上部基板搬送容器の第4フレームウェブを支持し、下部基板搬送容器の第3フレームウェブが上部基板搬送容器の第1フレームウェブを支持し、基板搬送容器の第4フレームウェブが上部基板搬送容器の第2フレームウェブを支持するように基板搬送容器が互いに積み重ねられるので、基板搬送容器の搬送容器外部フレームのそれぞれの第1および第3フレーム頂点領域は、基板搬送容器スタックの第1垂直エッジ領域でオーバーラップし、基板搬送容器の搬送容器外部フレームのそれぞれの第1および第3フレーム頂点領域は、基板搬送容器スタックの第3垂直エッジ領域でオーバーラップし、基板搬送容器の搬送容器外部フレームのそれぞれの第2および第4フレーム頂点領域は、基板搬送容器スタックの第2垂直エッジ領域でオーバーラップし、さらに、基板搬送容器の外部搬送容器のそれぞれの第2および第4フレーム頂点領域は、基板搬送容器スタックの第4垂直エッジ領域でオーバーラップする。
【0064】
[0064]言い換えると、基板搬送容器スタックの垂直方向に隣接する各1組の基板搬送容器の2つの基板搬送容器は、垂直回転軸まわりに互いに対して相対的に180度回転し、基板搬送容器スタックを形成することができる。基板搬送容器のある特徴として、垂直回転軸周りの回転に関して、オーダー2の回転対称と、オーダー1の回転対称を有することが望ましい。その結果、各基板搬送容器のフレームウェブをそれぞれ区別することが可能になる。
【0065】
[0065]望ましくは、基板搬送容器スタックの各々の基板搬送容器は、少なくとも1つの第1位置決め構造と少なくとも1つの第2位置決め構造を備え、垂直方向に隣接する1組の基板搬送容器において、1組の基板搬送容器の下部基板搬送容器の少なくとも1つの第1位置決め構造が、1組の基板搬送容器の上部基板搬送容器の少なくとも1つの第2位置決め構造と係合するか、または係合可能であり、この垂直方向に隣接する1組の基板搬送容器の2つの基板搬送容器の適切な相対的位置決めを確保する。
【0066】
[0066]第1および第2位置決め構造は、以下のように配置および組み立てられても良い。すなわち、基板搬送容器スタックが、第1および第2位置決め構造を全く同じように備える基板搬送容器のみを含むとしても、ある1つの基板搬送容器のそれぞれの第1位置決め構造、例えば突起および開口または凹部のうちの1つが、基板搬送容器スタックの中で上部または下部に位置する垂直方向に隣接する基板搬送容器である別の基板搬送容器のそれぞれの第2位置決め構造、例えば突起および開口部または凹部のうちの1つと係合可能であるように配置および形成されても良い。
【0067】
[0067]特に、基板搬送容器スタックの各々の基板搬送容器は、少なくとも1つの第1位置決め構造と少なくとも1つの第2位置決め構造を同様に備えることができ、第1および第2位置決め構造は、搬送容器外部フレームの正反対の部分に配置されているので、以下の条件を満たす時、垂直方向に隣接するそれぞれの1組の基板搬送容器の下部基板搬送容器の少なくとも1つの第1位置決め構造は、垂直方向に隣接するそれぞれの1組の基板搬送容器の上部基板搬送容器の少なくとも1つの第2位置決め構造と係合可能である。その以下の条件とは、垂直方向に隣接するそれぞれの1組の基板搬送容器の2つの基板搬送容器が、下部基板搬送容器の第1フレームウェブが上部基板搬送容器の第3フレームウェブを支持し、下部基板搬送容器の第2フレームウェブが上部基板搬送容器の第4フレームウェブを支持し、下部基板搬送容器の第3フレームウェブが上部基板搬送容器の第1フレームウェブを支持し、さらに、下部基板搬送容器の第4フレームウェブが上部基板搬送容器の第2フレームウェブを支持するように互いに積み重ねられている場合である。
【0068】
[0068]つまり、基板搬送容器スタックが、位置決め構造を同じように備える個々の基板搬送容器を多数使用して組み立てられる場合、基板搬送容器スタックの垂直方向に隣接するそれぞれの各1組の基板搬送容器のそれぞれの2つの基板搬送容器が、垂直回転軸まわりに、互いに対して180度回転された状態で、位置決め構造が配置される。もしそうでなければ、第1および第2位置決め構造が互いに係合することができないであろう。以下で検討されるように、基板搬送容器スタックが、ベースとカバーを備える場合、ベースは、基板搬送容器スタックの最下部の基板搬送容器の少なくとも1つの第2位置決め構造と係合するか、または係合可能である少なくとも1つの第1位置決め構造を備え、カバーは、基板搬送容器スタックの最上部の基板搬送容器の少なくとも1つの第1位置決め構造と係合するか、または係合可能である少なくとも1つの第2位置決め構造を備え、その結果、ベースおよびカバーを基板搬送容器に対して容易に適切な位置に配置することができるか、または確実に適切な位置に配置することができる。ここで述べた解決法は、基板搬送容器スタックの中の基板搬送容器のある特定の垂直シーケンスを確保し、特定の垂直シーケンスは、本明細書で記述された先行技術を超えるさらなる利点と改善を達成するための基板搬送容器スタックの特定の発明性のある特徴の基礎となり得る。
【0069】
[0069]前に提案された基板搬送容器スタックの中で隣接する基板搬送容器の特定の関連付けられた配置に関して、垂直方向に隣接する基板搬送容器のこの特定の関連付けられた配置が、互いの上に積み重ねられた基板搬送容器のそれぞれの第1と第2補助開口が、少なくとも1つの第1パージチャネルを形成し、かつ、互いの上に積み重ねられた基板搬送容器のそれぞれの第1と第2補助開口が、少なくとも1つの第2パージチャネルを形成するという結果になることに注意すべきである。この目的のために、各第1円弧部分が、垂直方向に隣接する1つ以上の基板搬送容器の、関連する1つ以上の第2円弧部分と協調できるような状態で、かつ、各第2円弧部分が、垂直方向に隣接する1つ以上の基板搬送容器の、関連する1つ以上の第1円弧部分と協調できるような状態で、パーティションウェブと、特にそのパーティションウェブの円弧部分が互いに補完しあうように備えられるのが好ましい。以下に言及される好ましい実施形態では、各々の基板搬送容器の内部ゾーンに2つの第1補助開口および2つの第2補助開口が備えられ、2つの第1パージチャネルと2つの第2パージチャネルが基板搬送容器スタック内に得られる。
【0070】
[0070]望ましくは、基板搬送容器の搬送容器外部フレームのフレーム頂点領域は、それぞれ、平面状または実質的に平面状の外部頂点部分を有し、第1および第2位置決め構造が、それぞれの平面状または実質的に平面状の外部頂点部分に備えられる。
【0071】
[0071]各々の基板搬送容器が、第1および第2位置決め構造のどちらか一方として少なくとも1つの垂直突起を備え、さらに、第1および第2位置決め構造のもう一方として少なくとも1つの凹部または開口を備えても良い。
【0072】
[0072]他の好ましい実施形態によると、それぞれの基板搬送容器の複数の基板保持アームの各々は、それぞれのフレームウェブに関連する2つのフレーム頂点領域の間の領域の関連するフレームウェブに備えられ、さらに、基板保持アームは、それぞれのフレームウェブに関連するそれぞれ最も近い2つのフレーム頂点領域から可変の距離を置いて、それぞれのフレームウェブに備えられる。また、平行なフレームウェブ軸を含む2つのフレームウェブの正反対の部分に備えられるそれぞれの基板搬送容器の基板保持アームのペアは、最も近いそれぞれのフレーム頂点領域から異なる距離を有しても良い。
【0073】
[0073]好ましくは、複数の基板保持アームが、垂直方向に互い違いに配置されたセットを構成し、このセットが、基板搬送容器スタック内に少なくとも4セット配置され、直接垂直方向に隣接している複数の基板保持アームのそれぞれのセットは、それぞれの基板保持アームが、互いに水平方向に、対応するオフセットが設けられて配置され、垂直方向に直接隣接する基板保持アームは、垂直方向に隣接する基板搬送容器の対応する1組のペアに属し、これら隣接する基板保持アームは、少なくともその上部の台座要素の位置と、垂直方向で重なり合わず、上部の台座要素は、それぞれの基板搬送容器の他の基板保持アームの対応する上部台座要素と一体になり、基板台座を形成する。
【0074】
[0074]それぞれの基板搬送容器の複数の基板保持アームは、好ましくは、フレームウェブのうちの第1フレームウェブおよび第2フレームウェブのどちらか一方に備えられる第1基板保持アームおよび第2基板保持アームと、フレームウェブのうちの第3フレームウェブおよび第4フレームウェブのどちらか一方に備えられる第3基板保持アームおよび第4基板保持アームを備え、第3フレームウェブおよび第4フレームウェブのフレームウェブ軸は、第1基板保持アームおよび第2基板保持アームが備えられるフレームウェブのフレームウェブ軸に対して平行または実質的に平行に伸長する。
【0075】
[0075]第1基板保持アームの接続ポイントと第4基板保持アームの接続ポイントは、それぞれ最も近いフレーム頂点領域から同じ距離を有し、第1基板保持アームは、それぞれのフレームウェブと結合され、第4基板保持アームも、それぞれのフレームウェブと結合され、第2基板保持アームの接続ポイントと第3基板保持アームの接続ポイントも、それぞれ最も近いフレーム頂点領域から同じ距離を有し、第2基板保持アームは、それぞれのフレームウェブと結合され、第3基板保持アームも、それぞれのフレームウェブと結合されている。しかしながら、それぞれの最も近いフレーム頂点領域から第1基板保持アームと第4基板保持アームの接続ポイントへの距離は、それぞれの最も近いフレーム頂点領域から第2基板保持アームと第3基板保持アームの接続ポイントへの距離とは異なる可能性がある。
【0076】
[0076]前述された基板保持アームの提案された配置が、比較的小さなピッチ、すなわち基板搬送容器スタック内の基板台座間のより小さな垂直方向の距離を有することで、基板搬送容器スタック内で垂直方向に隣接する基板搬送容器の垂直方向に隣接する基板保持アームが、垂直方向では重なり合わないことを可能とし、または垂直方向ではオーバーラップしないので、結果として高い保管効率が達成される。
【0077】
[0077]好ましい実施形態によると、複数の基板搬送容器の各々が、搬送容器外部フレームの外部円周に設置されたインターフェース要素を1セット備え、基板搬送容器スタックの他の基板搬送容器と必ずしも直接的に相互に作用することなく、搬送容器外部フレームの外部円周で、それぞれの基板搬送容器と、個々に、かつ直接的に相互作用することが可能である。
【0078】
[0078]インターフェース要素が、水平方向にそれぞれの搬送容器外部フレーム外部円周の隣接部から張り出した拡張部なのであり、拡張部が、下部から個別にそれぞれの基板搬送容器を支えるように係合させ、それぞれの基板搬送容器を基板搬送容器スタック中のそれぞれの基板搬送容器の下に位置する、少なくとも1つの他の基板搬送容器に対して相対的に垂直方向に移動可能となる。
【0079】
[0079]この配置は、取扱い装置または開口装置が、技術的に簡単な方法でそれぞれの基板搬送容器と相互作用することを可能にするので、例えば、基板をロードおよびアンロードするために基板搬送容器の基盤台座にアクセスするために、それぞれの基板搬送容器が個々に支持されるか、または基板搬送容器スタック内でそれぞれの基板搬送容器の下に配置された、少なくとも1つの他の基板搬送容器に向かって相対的に移動させられるか、いずれかの処理の実行が可能になる。
【0080】
[0080]基板搬送容器の各々は、共通な水平方向に伸長する1組の拡張部と、反対側の共通の水平方向に伸長する別の1組の拡張部を有しても良く、拡張部は、それぞれのフレーム頂点領域、例えば、それぞれのフレーム頂点領域の平面または実質的に平面である外部頂点部分か、またはそれぞれのフレーム頂点領域の近傍のそれぞれのフレームウェブの位置のいずれかに備えられることが好ましく、拡張部のペアは、垂直方向に互い違いに配置された4つのセットを構成し、基板搬送容器スタックに配置される。
【0081】
[0081]第1拡張部が、第1フレーム頂点領域か、または第1フレーム頂点領域の近傍の第4フレームウェブに取り付けられ、かつ第4拡張部が、第4フレーム頂点領域か、または第4フレーム頂点の近傍の第4フレームウェブに取り付けられても良く、さらに第1拡張部と第4拡張部は、同じ水平方向に伸長していて、第2拡張部は、第2フレーム頂点領域か、または第2頂点領域の近傍の第2フレームウェブに取り付けられていて、かつ第3拡張部が、第3フレーム頂点領域か、または第3フレーム頂点領域の近傍の第2フレームウェブに取り付けられても良く、さらに第2拡張部と第3拡張部は同じ方向に伸長し、その方向は第1拡張部と第4拡張部が伸長する水平方向に対して反対方向である。
【0082】
[0082]別の方法として、第1拡張部が、第1フレーム頂点領域か、または第1フレーム頂点領域近傍の第1フレームウェブに取り付けられ、かつ第2拡張部が、第2フレーム頂点領域か、または第2フレーム頂点領域近傍の第1フレームウェブに取り付けられていて、さらに第1拡張部と第2拡張部が同一の水平方向に伸長していて、さらに、第3拡張部が第3フレーム頂点領域か、または第3フレーム頂点領域近傍の第3フレームウェブに取り付けられていて、さらに第4拡張部が、第4フレーム頂点領域か、または第4フレーム頂点領域近傍の第3フレームウェブに取り付けられていて、さらに第3拡張部と第4拡張部は同じ方向に伸長し、その方向は第1拡張部と第2拡張部が伸長する水平方向に対して反対方向である。
【0083】
[0083]好ましい実施形態によると、第1および第4拡張部、もしくは第1および第2拡張部が第1タイプの拡張部であり、第2および第3拡張部、もしくは第3および第4拡張部が、第2タイプの拡張部であり、さらに、第1タイプの拡張部と第2タイプの拡張部は、異なる形状を有するという第1特徴と、第1タイプの拡張部と第2タイプの拡張部がそれぞれのフレーム頂点領域に異なって配置されるか、もしくはそれぞれのフレーム頂点領域に対して相対的な位置に配置されるという第2特徴のいずれか一方、もしくはその両方を併せ持つ。この結果、例えば、外部の取り扱い装置や移動装置の適切なインターフェース構成によって、選択された基板搬送容器との個々の相互作用を単純化する。
【0084】
[0084]拡張部は、垂直方向に互い違いに配置された拡張部の複数のセットとして基板搬送容器スタックに設置され、それぞれのセットの拡張部は、垂直方向に直接隣接する拡張部が垂直方向に重なり合わないか、または垂直方向に完全には重なり合わないように設置される。垂直方向に配置される複数の拡張部の間の垂直距離を広くとるので、垂直方向に隣接する拡張部は同じタイプであることが好ましい。
【0085】
[0085]基板搬送容器スタックの基板搬送容器は、本発明の好ましい実施形態に記載された通り、拡張部を備える。
【0086】
[0086]基板搬送容器は、プラスチック材料で、できれば射出成形により一体的に形成されても良い。基板搬送容器は、静電気を軽減するプラスチック材料でモールドできる。これは、例えばクリーンルーム用途に特に推奨される。基板搬送容器は、ポリエーテル・エーテル・ケトン、PEEK、またはポリカーボネート、PCでモールドできる。
【0087】
[0087]本発明の他の好ましい実施形態は、それぞれの上に積み重ねられるか、または積み重ね可能なただ1つのタイプからなる複数の基板搬送容器を含む基板搬送容器スタックを備え、かつ基板搬送容器スタックの内部収容空間内にそれぞれのプレート状の基板を搬送し、さらに複数の基板搬送容器は、各々が位置決め構造を有し、上部基板搬送容器と下部基板搬送容器が相対的に互いに対して適切な位置に配置されたならば、上部の基板搬送容器と下部の基板搬送容器の1組のペアの各々の位置決め構造が互いに係合または係合可能になる。基板搬送容器のある特徴として、垂直回転軸周りの回転に関して、オーダー2の回転対称と、オーダー1の回転対称を有する。上部基板搬送容器と下部基板搬送容器の適切な相対位置決めは、垂直回転軸周りに180度の相対回転を含んでも良い。この基板搬送容器スタックと基板搬送容器スタックの基板搬送容器は、さらに、以下で説明される特徴を備えることができる。
【0088】
[0088]本発明の他の好ましい実施形態は、ある基板搬送容器を提供する。基板搬送容器は、搬送容器外部フレームを備え、搬送容器外部フレームは内部開口を含む内部ゾーン周りのフレーム面に伸長し、プレート状の基板を収容しかつ支持する基板台座を規定するか、または備える。基板搬送容器はさらに、その搬送容器外部フレームに少なくとも1つの上部支持構造と少なくとも1つの下部支持構造を備えるので、基板搬送容器は、下部基板搬送容器として、その少なくとも1つの上部支持構造で、基板搬送容器に積み重ねられる同じタイプの別の基板搬送容器を、その少なくとも1つの下部支持構造の位置で支えることができ、さらに、基板搬送容器は、上部基板搬送容器として、その少なくとも1つの下部支持構造の位置で、基板搬送容器が積み重ねられる同じタイプの別の基板搬送容器の少なくとも1つの上部支持構造によって支えられることができる。
【0089】
[0089]基板搬送容器は、さらに以下の特徴を備える:
搬送容器外部フレームは、第1フレームウェブ軸に沿って伸長する第1フレームウェブと、第2フレームウェブ軸に沿って伸長する第2フレームウェブと、第3フレームウェブ軸に沿って伸長する第3フレームウェブと、第4フレームウェブ軸に沿って伸長する第4フレームウェブを備え、
第1フレームウェブ軸は、第1フレームウェブおよび第4フレームウェブと関連する第1頂点において、第4フレームウェブ軸と直交し、さらに第1フレームウェブおよび第4フレームウェブが一体的に接続されている搬送容器外部フレームの第1フレーム頂点領域と交差し、
第1フレームウェブ軸は、第1フレームウェブおよび第2フレームウェブと関連する第2頂点において、第2フレームウェブ軸と直交し、さらに第1フレームウェブおよび第2フレームウェブが一体的に接続されている搬送容器外部フレームの第2フレーム頂点領域と交差し、
第3フレームウェブ軸は、第3フレームウェブおよび第4フレームウェブと関連する第4頂点において、第4フレームウェブ軸と直交し、さらに第3フレームウェブおよび第4フレームウェブが一体的に接続されている搬送容器外部フレームの第4フレーム頂点領域と交差し、
第3フレームウェブ軸は、第3フレームウェブおよび第2フレームウェブと関連する第3頂点において、第2フレームウェブ軸と交差し、さらに第3フレームウェブおよび第2フレームウェブが一体的に接続されている搬送容器外部フレームの第3フレーム頂点領域と交差し、さらに、
複数の基板保持アームが、搬送容器外部フレームから内向きかつ上向きに伸長し、複数の基板保持アームは内部ゾーンとオーバーラップし、かつ基板台座を形成し、基板台座は搬送容器フレームの垂直方向範囲の上方にある距離を隔てて配置され、かつあらかじめ定められた許容直径に相当する直径か、またはあらかじめ定められた許容最小直径および許容最大直径で示される許容直径範囲内の直径と円周を有するプレート状の基板を支持するように構成される。
円周と、あらかじめ定められ許容される直径か、またはあらかじめ定められる最大の直径に対応した直径を有するプレート状の基板が搬送され、基板台座により保持される場合には、この基板台座は搬送プレーンを規定し、その搬送プレーンはこのプレート状の基板の下面と同一平面であり、
複数のパーティションウェブは、搬送容器外部フレームから内部ゾーンを経由して伸び、その複数のパーティションウェブは、内部開口とその内部ゾーンの少なくとも2つの補助開口を区分けし、さらに、基盤台座により運ばれ、あらかじめ定められた直径か、またはあらかじめ定められた直径の値の範囲内のいずれかに対応する円周と直径を有するプレート状の基板が、そのパーティションウェブのどの部分ともオーバーラップしない状態で、その内部開口および基板台座が配置され、かつ形成され、 パーティションウェブの少なくとも1つの第1円弧部分が、第4フレームウェブと少なくとも1つの第1補助開口を区分けする内部開口の間の空間中に伸長し、
パーティションウェブの少なくとも1つの第2円弧部分が、第2フレームウェブと少なくとも1つの第2補助開口を区分けする内部開口の間の空間中に伸長し、
この円弧部分は、あらかじめ定められた直径か、またはあらかじめ定められた直径の値の範囲内のいずれかに対応する、ある曲率半径を有す。
【0090】
[0090]好ましくは、基板搬送容器は同じタイプの他の複数の基板搬送容器と結合されるように構成されても良く、基板搬送容器を互いに積み重ねることにより、前述された本発明の他の好ましい一実施形態による基板搬送容器スタックを形成する。
さらに、基板搬送容器スタックの基板搬送容器のパーティションウェブの円弧部分は、基板搬送容器の第1および第3ウェブフレーム軸に平行または実質的に平行である第1水平軸に対して少なくとも平行または実質的に平行な方向に基板搬送容器スタックの内部収容空間を限定する。
基板搬送容器スタックの基板搬送容器の内部ゾーンの第1補助開口と第2補助開口は、内部収容空間に対して垂直方向であってかつ平行に、その対向する両サイドに伸長する、基板搬送容器スタックの少なくとも1つの第1パージチャネルと、少なくとも1つの第2パージチャネルを規定するために結合する。
【0091】
[0091]好ましくは、基板搬送容器のパージ構造、及び結合した同じ、もしくは同様のタイプのその他基板搬送容器のパージ構造は、基板の基板台座に保持される基板間の空間を通じて、基板搬送容器スタック内の、水平パージ流を可能にする。
【0092】
[0092]望ましくは、基板搬送容器は、前述された本発明の他の好ましい一実施形態による基板搬送容器スタックのそれぞれの基板搬送容器のもつ1つ以上のさらなる特徴を有しても良い。
【0093】
[0093]本発明の好ましい実施形態は、下記の工程を含む、半導体ウエハ処理方法を提供する。
前述した本発明の好ましい実施形態における基板搬送容器スタックへ半導体ウエハをロードする。
パージガスを基板搬送容器スタックの第一パージチャンネルか第二パージチャンネルの一方どちらかに供給し、もう一方からパージガスを排出することで基板間の空間を抜けるパージガス流の中で半導体を洗浄する。
基板搬送容器スタックから半導体ウエハをアンロードする。
【0094】
[0094]本発明の多くの変形例による上記の特徴と他の特徴との好ましい実施形態は、添付の図面および以下の詳細説明から明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0095】
【
図1】
図1は本発明の第1の好ましい実施形態による基板搬送容器スタックの斜視図であり、基板搬送容器スタックは複数の基板搬送容器と、ベース、およびカバーを備える。
【
図2】
図2は、基板搬送容器に保持される基板を有し、ベースとカバーが取り除かれた
図1に係る基板搬送容器スタックの斜視図である。
【
図3】
図3は、本発明の第2の好ましい実施形態の第1サブタイプによる基盤を保持する基板搬送容器を上から見た図であり、基板搬送容器は、
図1および
図2による基板搬送容器スタックを含む本発明の第1の好ましい実施形態の基板搬送容器とは少し異なる。
【
図4A】
図4Aは、基盤を有しない、
図3による基板搬送容器を上から見た図である。
【
図4B】
図4Bは、基板搬送容器部分に関連する軸および頂点ポイントが追加された対応する図である。
【
図4C】
図4Cは、本発明の第2の好ましい実施形態の第2サブタイプによる基板搬送容器の対応する図である。
【
図5】
図5は、本発明の第1および第2の好ましい実施形態とは少し異なる第3の好ましい実施形態による、基板を有しない基板搬送容器の斜視図である。
【
図6】
図6は、基板搬送容器の基板保持アームの詳細側断面図であり、基板搬送容器は、前述の各図による基板搬送容器の1つである可能性もある。
【
図7】
図7は、
図5による基板保持アームの詳細側断面図であり、それぞれの基板搬送容器によって保持される基板を有する。
【
図8A】
図8Aおよび
図8Bは、本発明の第4の好ましい実施形態による基板搬送容器スタックの断面斜視図であり、前述の図の基板搬送容器スタックと基板搬送容器とは少し異なる。
【
図8B】
図8Aおよび
図8Bは、本発明の第4の好ましい実施形態による基板搬送容器スタックの断面斜視図であり、前述の図の基板搬送容器スタックと基板搬送容器とは少し異なる。さらに、
図8Bは、基板搬送容器に保持される基板間の空間を通って基板搬送容器スタック内を流れる水平方向のパージ流を模式的に示す。
【
図10】
図10は、第4の好ましい実施形態による基板搬送容器スタックとオープナー装置の移動機構の側断面斜視図であり、基板搬送容器スタックは、上の部分的な基板搬送容器スタックに属する下部基板搬送容器と、下の部分的な基板搬送容器スタックに属する上部基板搬送容器との間に垂直方向のギャップをもった開口状態で示される。
【
図12A】
図12Aは、本発明の第5の好ましい実施形態の基板搬送容器の上側を上から見下ろした図である。
【
図15】
図15は、
図12A中の断面XV-XVに従った基板搬送容器の基板保持アームを含む詳細側断面図である。
【
図17A】
図17Aは、本発明の第5の好ましい実施形態による基板搬送容器スタックの複数の基板搬送容器の斜視図であり、基板搬送容器スタックのそれぞれの基板搬送容器に基板が保持されている。
【
図18A】
図18Aは、本発明の第5の好ましい実施形態の3つの基板搬送容器を上から見た図であり、本発明の好ましい実施形態による基板搬送容器スタックの中で垂直軸に対して基板搬送容器の適切な回転位置を示すために、互いに重ねられている。
【
図18B】
図18Bは、互いに積み重ねられた基板搬送容器を上から見下ろした部分図である。
【
図19】
図19は、4つのこのような基板搬送容器が、互いに対して垂直方向にずらして配置されているが、基板搬送容器スタックを形成するために適切な相対回転位置決めに配置された側面図である。
【
図20】
図20は、互いに積み重ねられた
図19による4つの基板搬送容器の頂点領域の斜視図であり、基板搬送容器スタック内で基板の適切な相対位置を獲得し、維持するための相互に係合された位置決め構造を伴う。
【
図21】
図21は、ベースおよびベースと共に、互いに積み重ねられた第5の好ましい実施形態の基板搬送容器を備える基板搬送容器スタックを示す。
【
図22B】
図22Bは、
図22A中の詳細Bによる基板搬送容器の拡張部の形で備えられるインターフェース要素の詳細側面図である。
【
図23】
図23は、本発明の第5の好ましい実施形態による基板搬送容器スタックの典型的な好ましい実施形態のベースを上から見下ろした図である。
【
図26】
図26は、上下逆さに置かれた、本発明の第5の好ましい実施形態による基板搬送容器スタックの典型的な好ましい実施形態のカバーの下側/裏面を上から見た図である。
【
図27】
図27は、上下逆さに置かれたカバーの、
図26中の断面XXVII-XXVIIによる側断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0096】
[0125]
図1は、互いに積み重ねられた複数の基板搬送容器12を含む基板搬送容器スタック10の、第1の好ましい実施形態の斜視図であり、基板搬送容器は基板搬送容器スタックのベース14に積み重ねられ、基板搬送容器スタックのカバー16は基板搬送容器の上に積み重ねられている。例えば、公開米国出願2017年0372930-A1号の用語によると、基板搬送容器スタック10は「基板ホルダー」として表現され、多数の別々の「モジュール」すなわち、基板搬送容器12と、「トップモジュール」または「キャップピース」または「アッパーキャップ」と表現されるカバー16と、「ボトムモジュール」または「ボトムピース」または「ボトムキャップ」と表現されるベース14を備える。積み重ねられた基板搬送容器18、すなわちベース14とカバー16を除いて互いに積み重ねられた個々の基板搬送容器12の複数は、「スタックモジュール」として表現されても良い。
【0097】
[0126]本発明の好ましい実施形態によると、ベース14およびカバー16は、基板搬送容器スタック10に備えられると考えることができる。ベース14およびカバー16を含むこの基板搬送容器スタックは、「Tec-Cell」として示されても良い。しかしながら、ベースとカバーは必ずしも備えられ、使用される必要はない。これは、例えば、基盤搬送容器が使用される特定の用途に依存する。したがって、互いに積み重ねられた個々の基板搬送容器12の複数、すなわち、ベース14とカバー16を備えていない、積み重ねられた基板搬送容器18もまた、本発明の好ましい実施形態による基板搬送容器スタックを構成することができる。
【0098】
[0127]基盤搬送容器の各々は、以下で明らかなように、それぞれの基板、例えば、半導体ウェハの形態の基板を保持することができる。基板搬送容器スタックは、本質的に異なる基板搬送容器、または異なるタイプの基板搬送容器を備えることができる。ガスやパージガスを処理するプレナム構造、および、基盤搬送容器集合体の内部環境と、基板搬送容器によって保持される基板を周囲から隔離するシール構造が実現されることが好ましい。基盤搬送容器の各々、ベース、およびカバーは、基盤搬送容器集合体のこのようなプレナム構造やシール構造を提供する構造を備えることができる。
【0099】
[0128]
図1に示すように、ベース14は、ガス供給部またはガス帰還部に接続されるノズルまたはコネクター20を備えることができ、その結果、基盤はガスと接触するか、またはガスに処理されることが可能となる。ガスノズルまたはガスコネクター20は、どのような設計でもよく、異なって配置されてもよく、例えば、ベース14のどのサイドに配置されてもよい。このようなノズルまたはコネクター20が複数備えられても良い。さらに、カバー16が、代替的にまたは追加的に、例えばガスノズルまたはガスコネクター22のような1つまたは複数のガスノズルまたはガスコネクターを備えても良い。全体として少なくとも2つのガスノズルまたはガスコネクターが備えられても良く、基盤搬送容器集合体の内部環境を通るガス循環が実現される。本発明の好ましい実施形態では、2つのこのようなノズルまたはコネクターが備えられ、ノズルまたはコネクターのうちの1つは、ガス用入り口ノズル、またはガス用入り口コネクター、またはガス用インレットであり、ノズルまたはコネクターのうちのもう一方は、ガス用リターンまたは排気ノズル、もしくは、ガス用リターンまたは排気コネクターまたはアウトレットである。また、以下のことが注目される。ノズルまたはコネクターは、何らかの理由のために、あらゆる気体、またはその他の生成物、例えば液体等を取り入れることができ、ノズルまたはコネクターは、別の装置に接続されることが可能であり、装置は、気体やその他の生成物を処理、加圧、または提供し、どのような場所にあってもよい。しかし、特に関連する用途としては、基盤搬送容器に保持される基板をパージ処理に出すことであり、パージ処理は、基板を通過する基板搬送容器スタック内のパージガス流を提供することを含み、ノズルまたはコネクターが基板搬送容器スタックの中へパージガスを取り入れ、または基板搬送容器スタックからパージガスを排出する。
【0100】
[0129]
図2は、積み重ねられた基板搬送容器18、すなわち、ベース14およびカバー16を有しない、個々の基板搬送容器12が互いに積み重ねられた複数の基板搬送容器の斜視図である。
図2に示すように、基板搬送容器12の各々は、それぞれの基板30を保持することができる。これを達成するために、基板搬送容器12はそれぞれ、それぞれの基板搬送容器の基板台座を一般に規定する複数の基板保持アーム32を備える。本発明の好ましい実施形態によると、それぞれの基板搬送容器12は、4つの基板保持アーム32を備える。
【0101】
[0130]基板搬送容器スタック10の基板搬送容器12によって保持される基板30の複数34は、垂直方向に隣接する基板の間に定められた垂直距離を隔てて、定められた垂直方向位置に配置される。使用シナリオにより、基板搬送容器スタックのすべての基板搬送容器が、それらの対応する基板台座に対応する基板を保持するわけではない。もし基板搬送容器スタック10のすべての基板搬送容器12が、同じ種類のそれぞれの基板を保持する場合、これらの基板は、等間隔の垂直方向位置に、基板台座によって位置決めされても良い。
【0102】
[0131]以下のことに注目すべきである。基板搬送容器は、基板保持アームの保持端によって規定される基板台座によって保持される基板を適切に保持することを可能にする任意の数の基板保持アームを備えることができる。典型的には、基板搬送容器毎に少なくとも3つの基板保持アームを含んでも良い。好ましくは、図に示される好ましい実施形態のように、基板搬送容器毎に4つの基板保持アームが備えられる。原則、保持アームは任意の設計でよい。
【0103】
[0132]別の好ましい実施形態では、基板搬送容器スタックまたは基板搬送容器スタックの基板搬送容器は、各基板が基板搬送容器スタックの中で、上方または下方の基板搬送容器から分離または隔離されるように、バリアを備えることができるということも除外すべきではない。バリアは、好ましくは基板に接触すべきではなく、例えば基板が汚染された場合、またはもし基板が割れたり破損した場合、汚染または破損した基板から材料が他の基板上に落ちたり、他の基板を汚染しないように、基板を保護することができる。このようなバリアは、それぞれの基板搬送容器と一体的に形成されるか、または基板搬送容器スタックの中に含まれる別の要素であってもよい。
【0104】
[0133]
図3は、基板30を保持した、本発明の第2の好ましい実施形態の基板搬送容器12を上から見た図である。第2の好ましい実施形態の基板搬送容器は、
図1と2に示される第1の好ましい実施形態による基板搬送容器スタック10の基板搬送容器12とわずかにしか異ならないため、両実施形態には、同じ参照番号が使用される。
図4Aは、基板を有しない、第2の好ましい実施形態の基板搬送容器を上から見た図である。
【0105】
[0134]第1の好ましい実施形態の基板搬送容器12と同じように、第2の好ましい実施形態の基板搬送容器12は搬送容器外部フレーム40を備え、搬送容器外部フレームは、4つのフレームウェブ42a、42b、42c、および42dを備え、フレームウェブは、搬送容器外部フレームそれぞれのフレーム頂点領域で対になるように一体に接続される。搬送容器外部フレーム40の4つのフレーム頂点領域は、参照番号44a、44b、44c、および44dで示される。
図4Bに示すように、フレームウェブは関連するフレームウェブ軸Aa、Ab、Ac、およびAdに沿って伸長し、フレームウェブ軸はそれぞれの頂点領域に関連するそれぞれの頂点で、対になって直交する。したがって、搬送容器外部フレームは、
図3、
図4およびその他の図から明らかなように、好ましい実施形態が概ね正方形または長方形で示される場合には、少なくとも実質的に正方形か、または長方形である。
図4Bは、
図3および
図4Aに示す基板搬送容器12のフレームウェブと搬送容器外部フレーム40のフレーム頂点領域と容易に関連付けられ得るフレームウェブ軸Aa、Ab、AcおよびAd、および頂点Va,Vb,Vc,およびVdを示す図である。
【0106】
[0135]第2の好ましい実施形態の基板搬送容器12は、第1の好ましい実施形態の基板搬送容器12のように、4つの基板保持アーム32を備え、基板保持アームは、個々の参照番号32a、32b、32c、および32dが割り当てられ、それらの対応する基板を保持していない状態の基板保持端と共に基板のための基盤台座を形成する。基板を保持していない状態の保持端は、それぞれの基板保持アームの座部として示されても良い。
図4Aに示すように、4つの基板保持アーム32a、32b、32c、および32dは搬送容器外部フレーム40から内向きに、かつ基板ホルダーの中心に向かうか、または実質的に中心に向かう方向に突出する。アームの長さは、任意の長さであってよい。例えば、アームの長さは意図された基板のサイズによって決められることができる。さらに、本発明の好ましい実施形態では、アームは基板搬送容器と一体成型されるか、または基板搬送容器と1ピースで作られるため、長さが一定である。しかし、本発明の別の好ましい実施形態では、基板保持アームがハンガーやエクステンションを介して調整可能であることを除外してはならない。
【0107】
[0136]基板搬送容器12は、その外側、上側、底側に沿って、ガイドまたはラッチまたはその他の構造を備えることが適切であり、ガイドは基板搬送容器を含む基板搬送容器スタックの中で下方または上方の基板搬送容器とインターフェースすることが可能となり、基板搬送容器が積み重ねられた時にスタックが落下したり、ずれたりしないように固定されるか、または相互に作用する。さらに、垂直方向に隣接するこのような1組の基板搬送容器の2つの基板搬送容器の、適切な、またはあらかじめ定められた相対的位置決めは、このようなガイド、またはラッチ、またはその他の構造により保護されるか、またはもたらされる。このようなガイド、またはラッチ、またはその他の構造は、任意のタイプ、数、であって良く、またモジュールの任意の側面にあっても良い。本発明の好ましい実施形態によると、1つの基板搬送容器の少なくとも1つの突起は、その下方または上方の基板搬送容器の開口または凹部の中にはまるので、2つの基板搬送容器は横方向の動きに耐えることができる。さらに、垂直方向に隣接するこのような1組の基板搬送容器の基板搬送容器と、それに応じて、基板搬送容器スタックのすべての基板搬送容器の適切な、および、あらかじめ定められた相対的位置決めは、このような方法で保護されるか、またはもたらされる。
【0108】
[0137]例えば、図に示すように、基板搬送容器12は突起50a、50bと、凹部または開口52a、52bを備えることができる。突起50aと隣接する凹部または開口52aの第1ペアと、および突起50bと隣接する凹部または開口52bの第2ペアは、搬送容器外部フレーム40の直径方向に対向するフレーム頂点領域44aと44cに設置される。各突起50a、50bは、それぞれの基板搬送容器に積み重ねられる垂直方向に隣接する上方の基板搬送容器の対応する開口または凹部の中に突出し、各開口または凹部52a、52bの中には、それぞれの基板搬送容器が積み重ねられる垂直方向に隣接する下方の基板搬送容器の対応する突起が突出する。図に示すように、突起は上方向に突出すると想定されても良い。しかしながら、別の方法として、突起が下方向に突出することも可能である。この場合、各突起は、それぞれの基板搬送容器が積み重ねられる、垂直方向に隣接する下方の基板搬送容器の対応する開口または凹部の中に突出し、各開口または凹部の中には、それぞれの基板搬送容器に積み重ねられる、垂直方向に隣接する上方の基板搬送容器の対応する突起が突出する。上方向と下方向に突出する突起の組み合わせもまた可能である。
【0109】
[0138]原則、突起と凹部または開口は、任意の数であって良く、それぞれの基板搬送容器上の任意の側面または位置にあっても良い。これらの突起はまた、前述したように、横方向の動き、およびずれに抵抗する能力を助けるとともに、各基板搬送容器とその下方または上方の基板搬送容器の自己センタリングおよび自己整列能力を助ける。
【0110】
[0139]
図3、4Aおよび4Bに示す突起50a、50b、および凹部または開口52a、52bの配置は、互いに積み重ねられる同一の基板搬送容器を含む基板搬送容器スタックの中で、すべての基板搬送容器の突起が垂直方向に整列し、すべての基板搬送容器の凹部または開口が垂直方向に整列するので、どの突起も、垂直方向に隣接する下方または上方の基板搬送容器の関連する凹部または開口と係合できない。これは基板搬送容器が、垂直回転軸まわりに180度回転させた相対回転位置決めで交互に回転させて積み重ねられた場合も同様であり、フレーム頂点領域44a、44cは、基板搬送容器スタックの直径方向に対向する垂直エッジ領域で、互いに上方に、交互に配置される。少なくとも2つのサブタイプの基板搬送容器が明らかに必要であり、すなわちそれは、
図3、4A、および4Bに示されるような第1サブタイプの基板搬送容器12と、
図4Cに示されるような第2タイプの基板搬送容器12´である。
【0111】
[0140]第2サブタイプの基板搬送容器12´は、突起50a´と隣接する凹部または開口52a´の第1ペアと、突起50b´と隣接する凹部または開口52bの第2ペアを備え、第1ペアと第2ペアは、第1サブタイプの基板搬送容器12のように、搬送容器外部フレーム40の直径方向に対向するフレーム頂点領域44aと44cに配置される。しかし、第2サブタイプの基板搬送容器12´は、第1サブタイプの基板搬送容器12と比較すると、突起と凹部または開口の位置が置き換えられている。基板搬送容器スタックの中で、2つのサブタイプの基板搬送容器12および12´は、互いに交互に積み重ねられなければならず、その結果、各突起が垂直方向に隣接する上方の基板搬送容器の関連する凹部または開口の中へ突出することができ、前述された利点が達成される。これらの2つのサブタイプにはその他に異なるところがないことが好ましいため、参照番号12´、50a´、52a´、および52b´を除き、第1サブタイプの基板搬送容器12に使用される参照番号と同じものが第2サブタイプの基板搬送容器12´にも使用される。以下の説明の中で、基板搬送容器スタックの「基板搬送容器12」が参照される場合、参照番号12は、第2サブタイプの基板搬送容器12´と第1サブタイプの基板搬送容器12に関連する。
【0112】
[0141]2つのサブタイプに基づく基板搬送容器12、12´は、搬送容器外部フレーム40の外部円周に、特定の構造、この場合、拡張部54a、54b、54c、および54dを備え、拡張部は側方または水平方向に突出し、例えば搬送、支持、または移動装置またはメカニズムのような相互作用装置またはメカニズムが、基板搬送容器スタックの中でそれぞれの基板搬送容器と相互作用することを可能にする。例えば、
図10に関連して以下に例示されるように、オープナー装置の移動メカニズムは、このような拡張部と係合することでそれぞれの基板搬送容器と相互に作用することができる。したがって、これらの構造は、一般的には「インターフェース構成」と表現することができ、本明細書中では、「インターフェース拡張部」と表現される。
【0113】
[0142]本件の場合、4つのこのようなインターフェース拡張部54a、54b、54c、および54dがあり、インターフェース拡張部はそれぞれ、フレーム頂点領域44a、44b、44c、および44dに配置される。これらの拡張部の第1タイプ、すなわち拡張部54aおよび54dは、フレーム頂点領域44aおよび44dに配置されフレームウェブ42dに対して側方に突出し、さらに、これらの拡張部の第2タイプ、すなわち拡張部54b、および54cは、フレーム頂点領域44bおよび44cに配置されフレームウェブ42bに対して側方に突出するので、第1タイプの拡張部と第2タイプの拡張部は、搬送容器外部フレーム40から反対方向に突出する。第2タイプの拡張部54bおよび54cは、それぞれのフレーム頂点領域におけるフレームウェブ軸Adに沿って配置される第1タイプの拡張部54aおよび54dよりも、それぞれのフレーム頂点領域におけるフレームウェブ軸Abに沿って、いくらか内側に配置される。これにより、
図8A、8B、9、および10で本発明の相当する好ましい実施形態として示されるように、2つのサブタイプに基づく基板搬送容器12、12´の交互の積み重ねが、水平方向に互い違いに配置されるインターフェース拡張部を実現する。これを達成するために、2つのサブタイプの基板搬送容器は、垂直軸回りに180度回転した相対回転位置決めで互いに積み重ねられるので、第1タイプのインターフェース拡張部と第2タイプのインターフェース拡張部が一つ置きに交互に基板搬送容器スタックから側方に突出し、それらは垂直方向にオーバーラップしないか、またはわずかにだけオーバーラップする。これは、前述した相互作用装置またはメカニズムの係合構造の、基板搬送容器スタックのそれぞれの基板搬送容器との係合を簡易化するために好都合である。
【0114】
[0143]
図29A、29B、29C、29D、30A、30B、30Cおよび30Dに示すように、拡張部54a、54b、54c、および54dと、基板保持アーム32a、32b、32c、および32dは、様々な形態で形成されることができる。
【0115】
[0144]
図1および2の基板搬送容器スタック10の基板搬送容器12は、異なる種類のインターフェース拡張部を備えることに注目すべきであり、インターフェース拡張部は、それぞれの基板搬送容器の搬送容器外部フレームから側方または水平方向に突出する。
図1および2に示す配置によると、それぞれの同じタイプのインターフェース拡張部が、それぞれの基板搬送容器のそれぞれのフレームウェブか、またはそれぞれのフレーム頂点領域から突出し、垂直方向に完全にオーバーラップする。これは、
図1および2の好ましい実施形態と、
図3、4A、4B、および4Cの好ましい実施形態との唯一関連する相違点であると想定されるので、
図3、4A、4B、および4Cに基づく基板搬送容器12、12´の前項および以下の詳細記述は、
図1および2の基板搬送容器スタックの第1サブタイプの対応する基板搬送容器12と、第2サブタイプの対応する基板搬送容器12´の対応する詳細記述でもあると理解されることができる。
【0116】
[0145]前述された本発明の好ましい実施形態の基板搬送容器は、パーティションウェブ60aおよび60bを備え、パーティションウェブは、それぞれの基板搬送容器12、12´の内部ゾーン62を複数の開口に区分けする。搬送容器外部フレーム40は内部ゾーン周辺に伸長し、パーティションウェブ60aおよび60bはフレームウェブ42aおよび42cの間に伸長し、かつ大きな内部開口64と2組の小さな内部開口66a、66bと68a、68bが形成されるように、これらのフレームウェブ42aおよび42cと一体に接続される。大きな内部開口64は、フレームウェブ42dとパーティションウェブ60aの間に伸長する第1のペアの小さな内部開口66a、66bと、フレームウェブ42bとパーティションウェブ60bの間に伸長する第2のペアの小さな内部開口68a、68bの間に位置する。例えば、図に示すように、小さな内部開口は、同一の、または一致する対称形状を有する。安定性の理由から、パーティションウェブ60aおよび60bは、それぞれの隣接したフレームウェブ42dおよび42bと、中間領域でそれぞれ一体に接続されるので、それぞれのペアの小さな内部開口が得られる。もし、このようにそれぞれのパーティションウェブの中間領域で隣接するフレームウェブと一体連結されない場合、代わりに、それぞれの大きな内部開口64の両サイドにはそれぞれの大きな内部開口が設けられる。
【0117】
[0146]基板搬送容器12、12´の大きな内部開口64は、基板搬送容器12、12´を含む基板搬送容器スタックの内部収容空間を確定する。
図2に示されるように、また、以下に説明される
図8A、8B、および9に示されるように、この内部収容空間の中で、基板または半導体ウェハはそれぞれの基板搬送容器によって保持される。基板またはウェハは、内部収容空間の内部領域に保持され、内部収容空間は、基板搬送容器スタックの基板搬送容器12、12´のパーティションウェブ60aおよび60bのそれぞれの円弧部分によって、両側方に範囲を定められる。
図3に示されるように、パーティションウェブの円弧部分は、基板またはウェハの直径に適応した曲率半径を有するので、
図3の上から見た図では、円弧部分は小さなあらかじめ定められた半径距離を隔てて、基板またはウェハの外部円周部分に沿って伸長する。この距離は、この図に示されているよりも実質的に小さくてもよい。
【0118】
[0147]
図3に示されるように、基板搬送容器の小さな内部開口66a、66bおよび68a、68bは、基板搬送容器スタックのパージガス配送チャネル、またはパージチャネル70および72を規定する。
図4Aに示されるように、チャネル70は小さな内部開口66a、66bに対応するチャネル70aと70bの1ペアを含み、チャネル72は小さな内部開口68a、68bに対応するチャネル72aと72bの1ペアを含む。これらの分配チャネル70および72のうちの一方(またはチャネルのペア70a、70bおよび72a、72b)のうちの1ペアは、供給チャネル(または供給チャネルのペア)として定義され、かつ機能し、他のもう一方は、除去またはコレクターチャネル(または除去またはコレクターチャネルのペア)として定義され、かつ機能する。
【0119】
[0148]図に示されるように、これらのチャネルまたはチャネルのペアは、対角線上に向かい合う位置に配置されるか、または両側方に配置されるので、基板またはウェハは基板搬送容器スタックの間に配置される。一般的に、設計は図に示される設計に限定されない。示されるように、または当業者が予測できるように、チャネルは任意の数、サイズ、および設計であって良い。さらに、チャネルは、任意の方法で基板にガスを分配するのを助けることができるので、空気またはパージガスは、
図8Bで概略的にまたは記号で示されるような層流の形で、各基板に供給されることが可能である。
【0120】
[0149]特に、
図1を参照すると、チャネルまたはチャネルのペアは、基板搬送容器スタックの中で、ベース14のノズルまたはコネクター20と、カバー16の対応する別のノズルまたはコネクターのようなそれぞれのノズルまたはコネクターと接続されるので、基板搬送容器に保持される基板は、前述されたようにパージ処理を受けることができる。
図8Bに概略的に、または記号で示されるように、パージガスは、それぞれの基板搬送容器により基板搬送容器スタック内に保持された隣接する基板の間を通過するように、チャネルまたはチャネルのペアの一方を経由して基板に伝えられ、さらに、基板の間を通過した後、チャネルまたはチャネルのペアのもう一方によって収集される。
【0121】
[0150]
図5は、本発明の第3の好ましい実施形態の斜視図であり、基板保持アームにより保持される基板がない状態で示される。本好ましい実施形態は、第1および第2の好ましい実施形態とはわずかにだけ異なる。
【0122】
[0151]
図5に示される基板搬送容器12は、第1および第2の好ましい実施形態と同様に、4つの基板保持アーム32a、32b、32c、および32dを備える。斜視図では、基板保持アームが存在し、それらがどのように配置され形成されているかを確認できる。特に、基板保持アームがどのように搬送容器外部フレーム40から内方向かつ上方向に伸長し、搬送容器外部フレーム40の上部境界線の上方の垂直方向距離に配置される基板台座を規定するかを確認することができる。搬送容器外部フレーム40はまた、公開米国出願2017年0372930-A1号の用語に従って、「ホルダー本体」と表現されてもよい。「基板搬送容器本体」という用語もまた、代替用語として適切である。
【0123】
[0152]斜視図では、アーム32bはポイント64で上方向にアーチ形になり、搬送容器外部フレーム40へのアームの接続ポイントよりも高いポイントに基板を保持端部または座部を備えることが確認できる。搬送容器外部フレームに対するアーチ部分および座部の角度、長さ、度合いは任意であって良い。さらに、積み重ね状態にあるとき、上方または下方のホルダーおよび基板は、アームを介して、下の基板からオフセットされることができるので、基板同士が接触せず、または互いに汚染し合うことがなく、例えば0.5ミリなどの小さな距離が基板間に保たれる。アーチにより、基板搬送容器スタックの中で、基板またはアーム自身を通さずに、スタックの実質的な重量を基板搬送容器から基板搬送容器へ移動させることが可能となる。
【0124】
[0153]
図6は、例えば
図5に示される好ましい実施形態による基板保持アーム32bのような、前述された1つまたはすべての好ましい実施形態の基板保持アームの詳細断面図である。本好ましい実施形態のその他の3つの基板保持アームと、その他の好ましい実施形態の基板保持アームは、それぞれの基板台座を規定するアームの上部および内側端部が相似的に形成されることができる。
【0125】
[0154]
図6は、基板保持アーム32bの一部分を示す。アームのこの一部分は、自由端に上部アーチ部分64と座部66を備える。
図6に示されるように、座部66の上面は、内方向に伸びる上部中央線から、2つの反対側方に向かってわずかに下方向に曲げられる。一般的に、座部の上面は、周方向(基板の外部エッジに対して)または、横方向に凸状に曲げられる。原則、上部アーチ部分64は任意の適切な角度、度合い、または長さであって良く、座部66は任意の適切な長さであって良い。上部アーチ部分64と座部の間のアーム部分は、縦長の突起67を備え、突起は、基板が形成された基板台座の定められた位置に載った状態を保ち、基板が動かされるか、押し出されるか、あるいは座部66の正確な位置から不意に、またはadvertentlyに取り除かれることを防ぐことができる。
【0126】
[0155]
図7は、保持アームの台座66とその他の保持アームによって規定される基板台座に保持される基板を有する
図6の基板保持アーム32bの詳細側断面図である。
図7に示されるように、座部66は、基板30と基板保持アーム32の残りの構造に対して、下方向かつ内方向に曲げられる。座部66の導入と共に、座部66の上面が2つの対向する横方向にわずかに下方向に曲がって伸びる基点となる上部中央線を含むことで、基板30と座部66の間の接触ポイントまたは微小接地面(minute contact patch)69が実現される。
【0127】
[0156]基板の摩擦、汚染を軽減するために、さらに、接触ポイントまたは接地面69が基板の遠位端部に位置するように、一般的にこの接触ポイントまたは接地面69は可能な限り小さく作られることが望ましく、そうすることで、基板の下面は、基板保持アームによって汚染されないか、または汚染されることがほとんどないか、または基板保持アームの他のどの部分とも接触しない。さらに、縦長の突起67は、基板30の外部円周により近く突出して、形成された基板台座の収容空間を半径方向に制限する止め具を形成するので、基盤は基板台座上の定められた位置をとらえ、維持することができる。
【0128】
[0157]
図8Aおよび8Bは、本発明の好ましい実施形態による多数の基板搬送容器(または、「モジュール」)を備える基板搬送容器スタック(または「基板ホルダー」)の第4の好ましい実施形態の断面斜視図である。しかし、基板搬送容器は、
図3、4A、4B、および4Cによる第1サブタイプの対応する基板搬送容器12または第2サブタイプの対応する基板搬送容器12´と同一か、またはよく似ていると想定されるため、
図8Aおよび8Bは第2の好ましい実施形態による基板搬送容器スタック10の典型的な例であると理解されるだろう。この基板搬送容器スタック10は、基板搬送容器12に積み重ねられるカバー16を備える。このカバー16は、
図1に示される好ましい実施形態のカバー16と基本的に同一であるか、または良く似ている。さらに、基板搬送容器スタック10は、基板搬送容器12が積み重ねられるベース14を備える。このベース14は、概略的にのみ示される。原則、ベース14は、
図1に示される好ましい実施形態のベース14と基本的に同一であるか、または良く似ている。ベース14は、ガスノズルまたはガスコネクター20を備え、カバー16はガスノズルまたはガスコネクター22を備える。
【0129】
[0158]前述された好ましい実施形態のように、基板搬送容器スタック10は、限られた空間構成の中の基板搬送容器スタックの内部収容空間内に、基板搬送容器12を使用して基板またはウェハを保持するので、基板搬送容器スタックは限られた空間に多くの基板を保管または収容することができ、基板および基板搬送容器は中心に配置され、整列される。本発明の第2の好ましい実施形態を基に説明されるように、基板搬送容器は、空気やガスが基板搬送容器スタック10の内部パージガス配送チャネルを通って流れるように設計され、チャネルは、基板搬送容器の開口66および68(または開口66a、66bと68a、68bのペア)のような開口によって区分けされる。これらのパージガス配送チャネルは、そのうちの1つが
図8A中で参照番号70が割り当てられ、チャネルはそれぞれ、ベース14のガスノズルまたはガスコネクター20およびカバー16のガスノズルまたはガスコネクター22のうち関連する1つに直接的に、または間接的に接続される。カバー16およびベース14は、それぞれのガスノズルまたはガスコネクターを基板搬送容器スタック10の少なくとも1つの関連する垂直方向の内部パージガス配送チャネルと接続するために、パージガス分配および接続構造を備えても良い。カバー16のこのような構造73の内部空間は、水平方向のガス分配チャネル74を介してガスノズルまたはガスコネクター22と接続される。投入されるパージガス流と排出されるパージガス流は、
図8Bの中で矢印76および78で概略的に表され、結果として生じる垂直方向および水平方向のパージガス流は、別の矢印で表される。ガス分配および接続構造と、垂直方向および水平方向のチャネルは、基板搬送容器スタック内に保持される隣接する基板の間を水平方向に流れる層流のパージガスを実現する。
【0130】
[0159]本好ましい実施形態では、供給される投入パージガス流76は、ガスインレット(または前述の用語に従って、「ガスノズル」または「ガスコネクター」)22の中に入り、その後、ガス分配チャネル74およびカバー16の構造73の内部空間を経由し、
図8Aに示されるパージガス配送チャネル70に類似した基板搬送容器スタックの垂直方向の内部パージガス配送チャネルの中に入ることができる。このようにして、供給されたパージガスは、水平方向および垂直方向に分配され、基板に向かって、および基板搬送容器スタックの内部収容空間内に保持される隣接した基板の間の空間を通って入り込み、水平方向に流れる。基板搬送容器に保持された基板を横切って層流の、および均等なパージガスが流れることで、パージガスはそれぞれの基板と相互作用することが可能になり、クリーニング処理等の1つまたは複数の所望の機能が達成される。ガス流はその後、基板搬送容器スタックのもう一方の垂直方向の内部パージガス配送チャネル70の中に入り、さらに、ガスアウトレット20(または前述の用語に従って「ガスノズル」または「ガスコネクター」)の中へ押し出されるために、ベース14のガス流出口凹部または別の構造を経由して、ガスアウトレット20に向かって排出される。ガス排出口20から、パージガスが排気パージガス78として基板搬送容器スタックを出ていく。この排出されたガスは汚染されている可能性があり、適切な追加の処理、放出、再使用、リサイクル等に出されても良い。
【0131】
[0160]
図9は、
図8による基板搬送容器スタックの別の断面斜視図である。ベース14は、凹部または空洞80を含むように概略的に示され、凹部または空洞はパージガスを排出するための、あるいは、基板搬送容器スタックをパージガスが逆流する場合、パージガスを入れるための、ベースのパージガス分配および接続構造として機能する。出口サイドおよび入り口サイドのこのようなガス分配および接続構造は、前述された垂直方向の内部パージガス配送チャネルと共に、基板搬送容器スタック内に保持される隣接した基板の間を水平方向に流れる層流のパージガスを実現、または提供する。追加の、または別の層流化構造が、基板搬送容器スタックの入り口サイドか、または出口サイドか、または両サイドに備えられても良く、ベース14および/またはカバー16にそれぞれ組み込まれても良い。
【0132】
[0161]
図10は、本発明の好ましい実施形態による基板搬送容器スタック10の断面斜視図であり、基板搬送容器スタックは、例えば
図8A、8B、および9に示される好ましい実施形態のような基板搬送容器スタックであり、
図3、4A、4B、および4Cについて前述したような2つのサブタイプの複数の基板搬送容器12および12´を含む。
図10において、2つの隣接する基板搬送容器の間にロードおよびアンロードするためのギャップを開けるためのオープナー装置82の移動機構と共に、基板搬送容器スタックが部分的に非積み重ね状態、開口状態で示され、それぞれの基板30は2つの隣接する基板搬送容器の下部の基板搬送容器の基板台座にロードされることが可能であるか、またはそれぞれの基板30はこの基板台座からアンロードされることが可能である。このような基板台座は、基板30を支持する基板保持アーム32によって表される。基板をアンロードまたはロードするために、例えばロボットアーム装置のような適切なローディングおよびアンローディングアームアレンジメントが備えられる。
【0133】
[0162]移動機構は、基板搬送容器スタックの異なるサイドまたは角に配置される支持アームおよび移動アーム84を備え、支持アームおよび移動アームは、基板搬送容器スタックの選択された基板とそれぞれ相互に作用することができる。このようなアームのセットが多数備えられ、それは例えば、
図10に示される支持アームおよび移動アーム84および86によって表される2つのこのようなアームのセットである。それぞれのアームは第1および第2タイプの相互作用拡張部54a、54b、54c、および54dの関連する特定の拡張部と係合するように構成され、拡張部は、基板搬送容器のそれぞれのフレームウェブまたはフレーム頂点領域から側方または水平方向に突出する。垂直方向に隣接するアーム84と86においては、アームのうちの1つは第1タイプの拡張部54aと係合するように構成され、アームのうち他のもう一方は第2タイプの拡張部54cと係合するように構成される。
【0134】
[0163]これらの支持アームおよび移動アームのセットを備えることにより、前述されたように、2つの隣接する基板搬送容器の間のロードおよびアンロードのためのギャップが開けられるので、下部の部分的な基板搬送容器スタックと上部の部分的な基板搬送容器スタックが得られる。従って、
図10に示されるように、それぞれのアームのセットは互いに積み重ねられた上部の複数の基板搬送容器を、互いに積み重ねられた下部の複数の基板搬送容器から垂直方向の距離を隔てた位置で搬送する。
【0135】
[0164]
図10は、基板搬送容器スタック10の一角のみを示し、既に説明されたように、類似のアームおよび構造が、基板搬送容器スタックの別の一角、またはすべての角に備えられることに注目しなければならない。アームは、例えば空気スライド上で、またはコンベヤー、またはバンドおよびギア機構を使用して、基板搬送容器スタックの垂直方向範囲に沿って、上下に移動可能である。アームは第1および第2タイプのそれぞれの拡張部と係合する係合状態と、第1および第2タイプのそれぞれの拡張部から解放され、非係合する解放状態をとるように操作可能であるので、基板搬送容器の中で隣接する所望のペアの基板搬送容器が選択され、その間にロードおよびアンロードのためのギャップが開けられる。
【0136】
[0165]以下に、第5の好ましい実施形態に係る基板搬送容器と、この種の複数の基板搬送容器を含む基板搬送容器スタックについて、
図11A、
図11B、および以下の図を基に説明する。
図12A、
図12B、
図12C、および
図13から
図16と同様に、
図11Aおよび11Bは、個々の基板搬送容器112とその詳細について示し、一方で
図17Aおよび
図17B、
図18Aおよび
図18B、
図19および
図20は複数の基板搬送容器112と基板搬送容器130と、基板搬送容器スタック内でのそれらの連携および相互作用について例示し、説明する。この説明では、
図1から10の好ましい実施形態の前述の説明に係る参照番号が、類似または相似な要素に使用され、参照番号は、それぞれ100ずつ増加している。別段の記載がない場合、第1から第4の好ましい実施形態の前述の説明は、第5の好ましい実施形態にも適用されるので、以下の説明は第5の好ましい実施形態のそれ以前の好ましい実施形態との違いと、さらなる構造詳細の説明に焦点をあてる。さらなる構造詳細はまた、それ以前の好ましい実施形態にも適用されることができる。
【0137】
[0166]前述の好ましい実施形態と同様に、基板搬送容器112は、搬送容器外部フレーム140を備える。搬送容器外部フレーム140は、第1フレームウェブ142a、第2フレームウェブ142b、第3フレームウェブ142c、および第4フレームウェブ142dを含み、フレームウェブはそれぞれ第1フレーム頂点領域144a、第2フレーム頂点領域144b、第3フレーム頂点領域144c、および第4フレーム頂点領域144dの位置で1組に結合するので、一体になった搬送容器外部フレーム140が形成される。さらに、基板保持アーム132aと132bの第1ペアが、第1フレームウェブ142aから内方向に突出し、それらはこの第1フレームウェブと一体に形成されており、基板保持アーム132cと132dの第2ペアが、第3フレームウェブ142cから内方向に突出し、それらはこの第3フレームウェブと一体に形成されている。
【0138】
[0167]基板搬送容器112の少なくともおおよそ、または一般的に正方形または少なくとも長方形の形状を含むこれらのすべての構造詳細は、前述の好ましい実施形態の基板搬送容器の対応する構造詳細と一致する。しかし、基板保持アームは互いに対して特定の対称性および非対称性を有し、それぞれのフレームウェブに沿った位置に配置される。基板保持アーム132aと基板保持アーム132dは、互いに対して、およびそれぞれの隣接したフレーム頂点領域144とa144dに対して対称的に配置され、基板保持アーム132bと基板保持アーム132dは、互いに対して、およびそれぞれの隣接したフレーム頂点領域144bと144cに対して対称的に配置され、一方、基板保持アーム132aと基板保持アーム132bは、互いに対して、およびそれぞれの隣接したフレーム頂点領域144aと144bに対して非対称的に配置され、基板保持アーム132dと基板保持アーム132cは、互いに対して、およびそれぞれの隣接したフレーム頂点領域144dと144cに対して非対称的に配置される。
【0139】
[0168]より具体的には、4つのすべての基板保持アームが、対応する方法または類似の方法で、搬送容器外部フレームから、ほぼ直径方向または対角線方向に向かって、内向きに配置され、基板保持アーム132aと基板保持アーム132dは、それらの対応するフレームウェブとの結合ポイントが、それぞれの直近のフレーム頂点領域144aと144dから同じ距離を有し、さらに、基板保持アーム132bと基板保持アーム132cは、それらの対応するフレームウェブとの結合ポイントが、それぞれの直近のフレーム頂点領域144bと144cから同じ距離を有する。しかし、基板保持アーム132aと基板保持アーム132b、および同様に基板保持アーム132dと基板保持アーム132cは、それらの対応するフレームウェブとの結合ポイントが、それぞれの直近のフレーム頂点領域から異なる距離を有する。4つの基板保持アームの切断線XIII-XIIIに対する角度位置αおよびβが
図12A中に示され、角度αは角度βよりも小さくなる。これは、前述の実施形態との顕著な相違点である。
【0140】
[0169]前述の好ましい実施形態のように、第5の好ましい実施形態による基板搬送容器は、第1パーティションウェブ160aと第2パーティションウェブ160bを備え、パーティションウェブは基板搬送容器112の内部ゾーン162を大きな内部開口164と小さな内部開口の第1ペア166aおよび166bと、小さな内部開口の第2ペア168aおよび168bに区分けする。これらのパーティションウェブは、搬送容器外部フレーム140と一体に形成され、第1パーティションウェブ160aは、一端が、第1基板保持アーム132aと直近のフレーム頂点領域144aの間の第1フレームウェブ142aに結合し、もう一端が、第4基板保持アーム132dと直近のフレーム頂点領域144dの間の第3フレームウェブ142cに結合する。同様に、第2パーティションウェブ160bは、一端が、第2基板保持アーム132bと直近のフレーム頂点領域144bの間の第1フレームウェブ142aに結合し、もう一端が、第3基板保持アーム132cと直近のフレーム頂点領域144cの間の第3フレームウェブ142cに結合する。
【0141】
[0170]前述の好ましい実施形態と同様に、第1パーティションウェブ160aは、第1円弧部分202aを含み、第2パーティションウェブ160bは、第2円弧部分202bを含む。第1円弧部分202aは、第1パーティションウェブ160aの3つの接続部分200aによって、第1フレームウェブ142a、第3フレームウェブ142cと接続され、および、第1円弧部分202aの中間領域で第4フレームウェブ142dと接続される。したがって、ただ1つの小さな内部開口の代わりに、2つの小さな内部開口166aと166bが第1パーティションウェブ160aと第4フレームウェブ142dの間に備えられる。しかしながら、後者、つまりただ1つの小さな内部開口も、別の好ましい実施形態により原則可能である。同様に、第2パーティションウェブ160bの第2円弧部分202bは、3つの接続部200bを介して、第1フレームウェブ142a、第3フレームウェブ142cと接続され、および第2円弧部分202bの中間領域で第2フレームウェブ142bと接続される。したがって、ただ1つの小さな内部開口の代わりに、2つの小さな内部開口168aと168bが第2パーティションウェブ160bと第2フレームウェブ142bの間に備えられる。しかしながら、後者、つまりただ1つの小さな内部開口も、別の好ましい実施形態により原則可能である。
【0142】
[0171]前述の好ましい実施形態と同様に、正反対の位置にあるフレーム頂点領域、すなわち、例えば第1フレーム頂点領域144aと第3フレーム頂点領域144cは、図に示されるように、位置決め構造、すなわち位置決め突起と位置決め凹部または位置決め開口を備える。本好ましい実施形態では、
図12Aの詳細Bおよび
図12Bに示すように、第1フレーム頂点領域144aは突起150aと開口または凹部152aのペアを備え、第3フレーム頂点領域144cは、
図12Aの詳細Cおよび
図12Cに示すように、突起150bと凹部または開口152bのペアを備える。
【0143】
[0172]しかし、2つの突起150aと150bは、
図12Aの図平面上の第1フレーム頂点領域114aと第3フレーム頂点領域144cの間で径方向に伸びる直線Lの一方のサイドに位置し、開口または凹部152aと152bは、直線Lのもう一方のサイドに位置する。配置は、それぞれの基板搬送容器112の突起150aが、基板搬送容器の上に適切な相対回転位置決めで積み重ねられた同じタイプの別の基板搬送容器112の開口または凹部152bの中に突出し、さらに、基板搬送容器の突起150bが、基板搬送容器上に適切に積み重ねられるこの別の基板搬送容器112の開口または凹部152aの中に突出するようになっている。下部基板搬送容器の突起150aと150bと、同じタイプの上部基板搬送容器の開口または凹部152aと152bの間のこの相互係合を可能にするために、2つの基板搬送容器は、垂直回転軸回りに180度回転させた相対回転位置決めで交互に回転させて積み重ねられる。このように、基板搬送容器スタック110の中の両側に隣接する基板搬送容器112のペアの間にこのような交互の相対回転位置決めを備えることにより、基板搬送容器スタックが形成されることができる。これについては、
図18、19を参照にさらに以下で説明される。したがって、基板搬送容器スタック110は少なくとも2つのサブタイプの基板搬送容器を備えることなく、1つのタイプの基板搬送容器112のみ備えることができる。
【0144】
[0173]基板搬送容器スタック110内で、垂直方向に隣接する基板搬送容器112の相対的な適切な位置決めを確実に保証する位置決め構造について、突起150aおよび150b並びに開口または凹部152aおよび152bを備えた本事例では、これら位置決め構造が製作公差により引き起こされる同じ種類の基板搬送容器間のある寸法上の変動と、もし当てはまるなら、2つの基板搬送容器の間、またはその基板搬送容器の複数の部分の間の温度差により引き起こされる可能性がある基板搬送容器間の相対的な寸法の変化に適合するように構成されていることが好ましい。その結果、開口または凹部152aおよび152bが、突起150aおよび150bの横方向に広がる幅よりもいくぶん大きな開口幅を有している。例えば、もし突起が凹部または開口内の中央に配置されるならば、突起の外周と開口および凹部の内周の間に0.25ミリのギャップが設けられる。フレームウェブの範囲を超えて累積されるより大きな寸法上のずれを調整するために、例えば
図12Aに図示されたラインLによって示した方向のような、少なくとも1つの開口または凹部が対角線上かまたは直径方向に沿って細長く広がる形状を有するように形成される。
図12Cと比較して、
図12Bで図示されたように、開口または凹部152aはこのように寸法決めされている。例えば、もし下部基板搬送容器の突起150bが開口152aの中の中央に配置されるならば、突起150bと開口または凹部152aの内周の間の横方向の両側に0.25ミリのギャップおよび、突起150bの外周と細長く延びる開口152aの内周の対角線上かまたは直径方向に両側に1ミリのギャップが設けられる。このような2つの開口のうちの1つだけが細長く拡張された開口を有することで、下部の基板搬送容器の突起150aと上部の基板搬送容器の開口152bの間の係合が、下部の基板搬送容器に対して、ただ上部の基板搬送容器を回転するだけで、下部の基板搬送容器の突起150bを上部基板搬送容器の開口152と係合状態にするための回転中心として規定され、機能することができるという利点を提供する。
【0145】
[0174]ここで注目すべきことは、突起と、開口または凹部が、前述されたやり方に加えて、さらにそれぞれの垂直軸に対して基板搬送容器を回転する必要なしに、同じタイプの複数の基板搬送容器(サブタイプを除く)を、突起および開口または凹部のような、それぞれの位置決め構造を相互に係合させることにより、互いの上に積み重ね可能な、他の複数の方法が存在することである。例えば、複数の基板搬送容器のこのような突起とその関連する凹部が、垂直方向に一直線に並ぶように、基板搬送容器の上側のある点で上方に突き出した突起が、基板搬送容器の下側の、ある一致する点でその凹部に導かれて係合する。このような配置は、原則除外されないが、前述した基板搬送容器を互いに対して相互に回転させる必要がある配置は、さらにいくつかの長所を導く。例えば、1つの長所として、基板搬送容器を互いに対して相互に回転する構造は、基板搬送容器の製造における不正確性を引き起こす否定的な影響を補正するか、少なくとも減少させることを可能にする。そうでなければ、ある点や領域で、それぞれの基板搬送容器の垂直方向への伸長に影響する製造の不正確性が、基板搬送容器スタックの同じ角位置で連続して追加され、その結果、基板搬送容器スタックが著しく傾く可能性がある。さらに
図18A、18B、と
図19に基づいて以下に詳細を説明するように、このように、垂直方向に両側に隣接する基板保持アームが垂直方向に重なり合うことを避けることができるので、前述の基板保持アームの特別な配置に基づき、さらに重要な長所が達成される。これにより、垂直方向に両側に隣接する基板搬送容器の基盤台座で保持される複数の基板搬送容器が、互いに垂直方向に、かなり小さな距離を隔てた状態で配置されるので、この種の基板搬送容器スタックにおける基板のための高い保管効率を可能にする。また、この結果は、
図5、
図6、と
図7に記載された好ましい実施形態の基板保持アームの形状と比較して、
図11A、
図13、
図14と
図15に記載された第5の好ましい実施形態の基板保持アームの形状に反映される。(第5の好ましい実施形態の)基板台座は、前述の好ましい実施形態に記載の基板保持アームの基板台座が、搬送容器外部フレーム140の上部リムの上方に配置されるよりも低い高さで、搬送容器外部フレーム140の上部リムの上方に配置されるように、この第5の好ましい実施形態の基板保持アームは、前述の好ましい実施形態に記載の基板保持アームが伸びる位置よりも上方には伸長しない。
【0146】
[0175]例えば、すでに説明した実施形態に記載の開口部のような、前述の内部開口164、166a、166b、168a、および168bが、基板130を収容する基板搬送容器スタック110を構成する内部収容空間、基板搬送容器スタック110を構成する第1内部垂直パージチャネルまたはパージガス配送チャネル170a、170bおよび第2内部垂直パージチャネルまたはパージガス配送チャネル172a、172bを区分けし、第1内部垂直パージチャネルまたはパージガス配送チャネルおよび、第2内部垂直パージチャネルまたはパージガス配送チャネルは、基板130が配置された内部収容空間の対向する2か所の側方部分に位置する。この点については、前述の実施形態に基づいた上記の説明を参照することができる。さらに、垂直方向に両側に隣接する基板搬送容器112の複数の搬送容器外部フレーム140の間と、最下段の基板搬送容器とベース114の間と、最上段の基板搬送容器とカバー116の間で、損失なく、かつ基板搬送容器スタック110の周辺環境から汚染されることなく適切なパージガス流が達成できるように、適切にシーリング係合できることが好ましい。本目的のために、基板搬送容器112の各々が、搬送容器外部フレーム140の下面にシーリングリップまたはシーリングリッジ204を備え、シーリングリップまたはシーリングリッジは、基板搬送容器の内部ゾーン162の周りに伸長する。好ましい実施形態で示されたように、好ましく、かつ実現されたとおり、シーリングリップ204は、搬送容器外部フレーム140の内部エッジ、または内部エッジに隣接するように配置される。図示された好ましい実施形態では、内部空間162の範囲を定める搬送容器外部フレーム140の本内部エッジは、例えば
図13、15、16、および17Bで確認できる搬送容器外部フレーム140またはそれぞれのフレームウェブの横断面形状から見ると、搬送容器外部フレームの上部エッジでもある。
【0147】
[0176]シーリングを達成するために、各々の基板搬送容器112とベース114は、シーリングリップまたはシーリングリッジ204のみを使用して、そこに積み重ねられるそれぞれの基板搬送容器を支持するので、シールングリップまたはシーリングリッジ204は、比較的高い押圧力で、ベース114のそれぞれの関連する上部リングサーフェス部分か、またはそれぞれの下部基板搬送容器112の搬送容器外部フレーム140と係合する。それぞれの下部要素の本リングサーフェス部分は、それぞれの要素のシール構造だけでなく、例えばシーリングリップか、またはシーリングリッジ204のような、支持構造も形成する。カバーを適切な最小限の重さを有するように設計することにより、カバー116と最上段の基板搬送容器間の適切なシール構造が達成できる。
【0148】
[0177]好ましくは、互いに関連する位置決め構造の間の係合、本好ましい実施形態の場合、突起150a、150bと開口または凹部152a、152bの間の係合と、シーリングリッジまたはシーリングリップ204と搬送容器外部フレーム140の関連する上部シーリングリング表面部との間の係合は、基板搬送容器スタック110中で垂直方向に両側に隣接する基板搬送容器112間の接触または少なくとも相互のフォームフィットの唯一の部分か、または要素である。さらに、位置決め構造の間の位置決め係合は、垂直方向に両側に隣接する基板搬送容器間で作用する垂直方向の力を生じない係合であることが提案される。
【0149】
[0178]例えば、同じことが最上段の基板搬送容器112とカバー116の間の係合構造と、ベース114と最下段の基板搬送容器112の間の係合構造にも当てはまる。例えば、それぞれのシール構造のみを経由して、これら2つのペア要素のそれぞれの要素間には、複数の垂直方向の力が作用し、さらにシール構造は、例えば、それぞれ対応するベース114の上部のリング形状シーリングサーフェス部並びに、例えば、本好ましい実施形態に記載されたカバー116の下部のリング形状シーリングサーフェス部または、ある好ましい場合には、シーリングリッジまたはシーリングリップであっても良い。
【0150】
[0179]基板搬送容器スタック110内の基板搬送容器112に保持される基板130のパージ処理のために、例えば、垂直方向に隣接する基板130の間を水平方向に流れるパージガス流が好ましく、パージガスが、第1垂直パージチャネル170aと170bから発出し、第2垂直パージチャネル172aと172bに流れ込むか、または、第2垂直パージチャネル172aと172bから発出し、第1垂直パージチャネル170aと170bに流れ込むかのいずれかであり、第1および第2垂直パージチャネルはそれぞれ、内部開口166aと166bおよび168aと168bにより、それぞれ区分けされる。パージガスは、基板の両側にあるパーティションウェブ160aと160bの間を、特に、少なくともパーティションウェブの第1および第2円弧部分202aと202bの間を移動する。図示された好ましい実施形態では、内部収容空間の両側にあるこれらのパーティションウェブは、前述されたように、垂直方向に両側に隣接する基板搬送容器の相対回転位置決めにより、第1パーティションウェブ160aと第2パーティションウェブ160bを交互に含む。これは、隣り合う複数のパーティションウェブの間にギャップを有するように、または、特に少なくとも、隣り合う円弧部分の間にギャップを有するように、パーティションウェブの厚さ寸法を合わせることにより簡単な方法で実現することができる。
【0151】
[0180]しかしながら、代わりに、例えば、縦長のパージノズルか、またはライン形状のノズルを備えても良く、パージノズルまたはライン形状のノズルは、
図17Bに断面図で示されるように、内側方向に向かって先が細くなるノズル開口が得られるように、それぞれのパーティションウェブの上面と下面を適切に形成することにより得られる。また、例えば、ノズル開口を規定する最も小さな開口幅が、パーティションウェブの内部エッジの位置か、またはパーティションウェブの内部エッジに非常に近い位置のいずれかに備えられても良い。
図17Bに示されるように、上部基板搬送容器のパーティションウェブの下面と下部基板搬送容器のパーティションウェブの上面のうちどちらか一面だけを適切に形成するだけでよい。基板搬送容器の全体的な形状を考慮すると、例えば、
図17Bに示されるように、上部基板搬送容器の下面が、テーパリング形状を有していても良い。このような縦長のパージノズルか、またはライン形状のノズルを備えることで、それぞれの垂直方向のパージチャネルから発出するパージガスの流速をパーティションウェブの通過経路中で加速し、垂直方向のパージチャネルのそれぞれが、隣接する基板間の空間を経由し流れる層流化されたパージガス流の実現に役立つ。
【0152】
[0181]
図17Bは、
図17Aで示された詳細Bの側断面図であり、すなわち、パーティションウェブ160aと160bの接続部分200aと
200bを有する複数のパーティションウェブの円弧部分202aと202bの中間領域、さらに説明を加えるなら、それぞれの基板搬送容器スタックの中に保管された複数の
基板130の隣接するエッジを有するパーティションウェブ160aと160bの円弧部分202aと202bの中間領域を示す。
図17Bに示されるように、基板130の片側にある垂直パージチャネルは、積み重ねられた基板搬送容器の隣接する接続部分200aと200bによって範囲を定められた水平方向のチャネルにより、両側に隣接する基板の間の水平方向のパージガス流が、また、接続部分200aと202bの水平方向の拡張部に沿っても得られるように、水平方向に接続されている。対応するライン形状のノズル部分は、
図17Bに示されるように基板搬送容器に向かって内向きに開口する。例えば、円弧部分が一体になり、搬送容器外部フレーム140のそれぞれのフレームウェブにより複数の円弧部分を接続することで、これらのライン形状のノズルは、パーティションウェブ160aと160bの円弧部分202aと202bの範囲に完全に従い、2つの接続部分200aと200bの範囲を、実質的か、または完全な、いずれかの状態で、その範囲の上を円弧部分202aと202bの両サイドで伸長してもよい。
【0153】
[0182]搬送容器外部フレーム140の上部エッジから、上方向かつ内方向に伸長する基板保持アームのために、それぞれの基板搬送容器
112により保持された基板130は、本基板搬送容器のパーティションウェブ160aおよび160bの円弧部分202aおよび202bと、接続部分200bの垂直範囲内ではなく、それぞれの基板搬送容器112のこれらの要素(パーティションウェブ160aおよび160bの円弧部分202aおよび202bと、接続部分200b)の上の垂直に距離を隔てた位置に配置されても良い。
図17Bに図示された基板130の4つのエッジ領域が、別の4つの基板搬送容器のうちの1つにより保持されている。別の4つの基板搬送容器は、
図17Bには図示されず、図示された基板搬送容器スタックの中の4つの基板搬送容器の下に配置されている。
図17Aは8つの基板130を示し、それはすなわち、
図17Bにも示される4つの基板130と、
図17Aと17Bに示される4つの基板搬送容器のそれぞれの基板台座に保持される別の4つの基板130である。
【0154】
[0183]本発明の好ましい複数の実施形態中で、基板搬送容器の台座に保持されたそれぞれの基板ならびに基板搬送容器の搬送容器外部フレーム140の上部エッジまたはリムとの間の垂直距離は、異なっている。例えば、基板搬送容器スタック110の等しい寸法の基板搬送容器により保持される隣接する両側のウェハ間の距離は、2.4ミリから3.4ミリの範囲、または2.7ミリから3.1ミリの範囲であっても良い。好ましい例では、図示されるように、この距離がおおよそ2.9ミリである。ここで述べたことは、もちろん、基板搬送容器スタックのすべての基板搬送容器が、それぞれこのようなウェハ形式の基板を搬送するときにのみ当てはまる。もし、ほかの厚さの基板が取り扱われ、保管される場合、これらのパラメーターは適切に適用されるであろう。
【0155】
[0184]0.8ミリが典型的なウェハの厚さだと仮定すれば、本典型的なウェハの厚さを有する隣接する基板間の特に好ましい距離である2.9ミリが、基板搬送容器スタック110の基板搬送容器112の基板台座によって規定される隣接する水平搬送プレーン間のピッチ3.7ミリに対応する。もし、他の厚さを有する基板が取り扱われ、保管される場合、このピッチは適切に調整されるであろう。これらパラメーターのすべては、基板搬送容器の使用シナリオと適用される選択肢に適切に適合するように調整可能である。
【0156】
[0185]前述の水平搬送プレーンは、基盤台座の物理的な構成要素ではなく、仮想の、論理的または仮想の幾何学的構造物であり、幾何学的構造物とは、基板搬送容器の搬送容器外部フレーム並びにそれぞれの搬送容器外部フレームのフレームウェブ及びフレーム頂点領域に関連したフレームウェブ軸及び頂点領域並びに例えば座標軸等、その他軸に関連する、例えば水平フレーム面のような実際の構成要素、その他位置関係を説明するために使用されるものである。これら水平搬送プレーンは、それぞれのプレート状の基板の下面と同一平面上にある幾何学的な平面として規定され、プレート状の基板は、あらかじめ定められた許容され得る直径か、または基盤台座のあらかじめ定められた許容され得る最大直径に対応する直径を有し、かつ理想的には、それぞれの基板台座により水平方向の中心位置に搬送される。例えば、
図13と15でも説明されるように、保持端166が台座位置166として規定・作用することにより、
図7に示されたように、基板保持アームの保持端166が傾く場合には、所定の許容され得る直径か、または所定の許容され得る最大の直径と正確に一致しない直径を有する基板の下部面は、基盤台座に規定される本仮想水平搬送プレーンから垂直方向の少し距離を隔てた位置で保持されるが、この時、もし基板が基板台座の理想的な中心位置に配置されていたならば、基板は本仮想水平搬送プレーンと平行になるだろう。基板台座中で若干中心位置がずれて配置された基板に対しては、基板の下面と仮想の水平搬送プレーンは、それぞれ互いに若干傾斜した状態で伸長するだろう。
【0157】
[0186]さらに、たとえ基板が基板台座内の中央位置に理想的に配置され、あらかじめ定められた許容可能な直径に相当する直径か、または基盤台座に関連するあらかじめ定められた許容可能な最大直径に相当する直径を有したとしても、基板保持アームの実際の配置や形状に影響を与える可能性がある製作公差により、この基板台座に関連する仮想の水平搬送プレーンと基板の下面の間にはわずかにずれが生じる可能性があるので、基板の下面と仮想の水平搬送プレーンは完全に同一平面上にない可能性があり、互いに対して僅かに傾きを示す可能性もある。
【0158】
[0187]もちろん、本明細中で与えられる、すべての説明、定義、および教示は、理想的な寸法や理想的な形状から潜在的に製造上の許容誤差により、常に引き起こされる非常に小さなずれが存在するという事実を考慮したうえで、当業者により理解され解釈されなければならない。例えば、特に、これらの基板搬送容器が射出成形により適切なプラスチック材料から成型されるならば、このような製造上の許容誤差は本明細書で開示された基板搬送容器のような装置に対してかなり強力な影響を与える。射出成形のために使用されるモールドと射出成形処理にある適切な最適化が要求されないのであれば、例えば、ある特定の使用目的を達成するために許容され得る製造上の許容誤差を有する基板搬送容器を製造するために実施される、このような射出成形が好ましいかもしれない。このような最適化は、様々な形状の構造を有する射出成形の分野における熟練者の作業に属する。例えば
図12Aに描かれたとおり、図示された基板搬送容器112のボトム側に射出位置マークにより対称的に配置された射出位置を備えたモールドを準備することが推奨される。
図11Bで図示されたマークは図示する目的でのみ提供し、基板搬送容器が射出成形で製造されるための事例の完全な教示を与えることを意図したものではないので、さらに追加で他の射出位置がもちろん適切であるかもしれない。もちろん、他の適切な製造方法が同様に使用されることも可能である。
【0159】
[0188]再び
図17Bを参照すると、例えば、縦長のライン形状のノズルが、基板搬送容器スタック中の複数の垂直高さ位置に配置されている。垂直高さは、特定のウェハの厚さ、例えば、基板搬送容器が特に設計される前述の典型的なウェハ厚さを有する基板を仮定すると、垂直方向に隣接する上方の基板130の下面と、垂直方向に隣接する下方の基板の上面との間の垂直距離の中央に対応する。両側に隣接する基板の存在とは、ある1つはそれぞれの上部基板搬送容器のパーティションウェブの垂直方向の厚さの範囲内に配置されたものであり、もう1つはそれぞれの下部基板搬送容器のパーティションウェブの垂直方向の厚さの範囲内に配置されたものであって、常に、基板搬送容器スタックの基板搬送容器のすべての基板台座がそれぞれの基板を保持する必要はないが、当然、このような両側に隣接する基板の存在が本明細書では想定されている。
【0160】
[0189]本明細書で提案されたライン形状のノズルの配置(もし、ライン形状のノズルが備えられていないならば、両側に隣接するパーティションウェブの間に代わりに備えられた縦長の排出開口の配置)が要求されたとおり、複数の基板間の空間を経由して流れる層流化したパージガス流の達成に貢献する。配置において、パージガスが、上方の基板の下面と下方の基板の上面から、ほぼ同じ距離を隔てた位置で隣接する複数の基板間の空間に向けて噴射する。隣接する両側の基板の距離と、それに伴う基板台座の水平搬送プレーンの間のピッチのための寸法を決めるための前述の推奨例は、選択されたウェハの厚さか、または典型的なウェハの厚さのいずれかに基づき、かつ層流化された水平パージガス流と、基板の比較的高い保管効率を提供できるという一般的な要求にこたえる観点で与えられている。これらの推奨例は、特に実質的に異なる厚さを有する基板が取り扱われる場合のピッチに関して特定の使用シナリオに依存する調整が必要となるかもしれない。
【0161】
[0190]
図17Bに示されるように、パーティションウェブ160aと160bの円弧部分202a、202bの外周と、基板130の外部円周の間には放射状の間隔が存在する。例えば、ライン形状のノズルの排気口か、パーティションウェブで規定された一般的なライン状の開口は、基板のエッジ(ウェハのエッジ)の外側であって、放射状に訳3ミリの所に配置されるのが望ましい。基板間に層流化した水平パージガス流を用いた効果的なパージ処理を実現するために、毎秒約5ミリのパージガス流が基板の表面を流れることが推奨されるが、それよりも高いか、または低いパージガス流も適切であるだろう。
【0162】
[0191]本件で、突起150a、150bおよび開口または凹部152a、152bによって提供される位置決め構造により実現され、かつ維持される基板搬送容器スタック内の基板搬送容器112の交互の位置決め、つまり、基板搬送容器スタックの中で隣接する基板搬送容器が垂直回転軸回りに180度回転させられた位置決めが
図18Aに示される。3つのこのような基板搬送容器が、適切な交互の相対位置決めを伴って示され、ここで図面の3つの基板搬送容器の相対変位は、
図19に示されたこのように相対的に位置決めされた4つの基板搬送容器のように基板搬送容器間の垂直変位を象徴的に示している。
図18Aおよび
図19では、詳細CおよびBの位置が
図12A、12B、12C,および14で定義され示されたように表示されている。
図19では、図示された基板搬送容器において、搬送容器外部フレーム140の傾斜した上面部分に対して、図示された突起の位置の小さな変化が確認できる。この点で、
図19は
図12Aの矢印XIVによって与えられる視野方向に対応するか、またはそれぞれの基板搬送容器上の反対の視野方向に対応する図であることに注目すべきである。
【0163】
[0192]
図18Aおよび
図19は、前述された特定の対称的および非対称的な基板保持アームの配置によって達成される、垂直方向に隣接する
搬送容器の基板保持アームの関連付けられた配置を示す。達成されるものとしては、垂直方向に隣接する基板保持アーム、例えば
図19では基板保持アーム132aおよび132cと、基板保持アーム132bおよび132dが垂直方向に重なり合わず、互いに対して横方向にずれて配置される。これにより、もしすべての基板台座がそれぞれ基板を収容する場合に、基板搬送容器スタック内の基板搬送容器の基板台座の水平搬送プレーンの間隔をより小さくすることが可能になり、基板搬送容器スタック内に保持される隣接する基板の間の垂直距離を減らすことができる。
図18Aは、このような2つの隣接する基板保持アームが対角線方向または直径方向に内方向に類似した方向付けであるために重なり合わないことを示す。これは、頂点領域144bおよび144dと、互いに適切に積み重ねられた複数の基板搬送容器の基板保持アーム132bおよび132dを含む頂点領域の近隣部分を示す
図18Bでも示される。
【0164】
[0193]
図20は、複数の基板搬送容器112のフレーム頂点領域144aおよび144cを示し、フレーム頂点領域は互いに適切に積み重ねられている。特に、それぞれの下部基板搬送容器の突起150aと上部基板搬送容器の開口152bの相互係合と、基板搬送容器スタック内の隣接する基板搬送容器の、インターフェース拡張部154aおよび154cの横方向に互い違いにされた配置が確認できる。これにより、垂直方向に整列したインターフェース拡張部の間、すなわち、垂直方向に隣接するインターフェース拡張部154cの間、および垂直方向に両側に隣接するインターフェース拡張部154aの間に比較的大きな垂直方向のギャップができるので、例えば移動装置などの外部のインターフェース装置と基板搬送容器のそれぞれとの相互作用を容易にすることができる。
【0165】
[0194]好ましい実施形態で示されたとおり、積み重ねられた基板搬送容器の4つのフレーム頂点領域でこれらインターフェース拡張部の本トランスバース・スタッガ構造は、たった1つの種類の基板搬送容器(サブタイプを含まない)で達成され、位置決め構造は本事例では突起150a、150bと開口または凹部152a、152bであり、位置決め構造は、垂直方向に隣接する保持アームが交互に、かつ横方向に横断することで互い違いになり、かつ垂直方向に隣接するインターフェース拡張部が交互に、横方向に横断することで互い違いになるように、基板搬送容器スタック110中のこれら複数の基板搬送容器112の要求される交互の相対回転位置での適切なスタッキングを確実にする。
【0166】
[0195]
図21、
図22A、と
図22Bは、本発明の第5の好ましい実施形態に関する基板搬送容器スタック110の一実施例を示す。本事例では、最下段の基板搬送容器112がベース114の上に、またカバー116が最上段の基板搬送容器の上に積み重ねられた状態であり、25枚の基板搬送容器112を超える、例えば27枚または28枚の基板搬送容器112の各々の上に、互いに積み重ねられている。横方向に互い違いなインターフェース拡張部154aと154cと、横方向に互い違いなインターフェース拡張部154bと154dに示されたとおり、基板搬送容器112は、垂直軸回りにそれぞれに対して相対的に、180度回転する前述の方法で積み重ねられて、前述の位置決め構造により、例えば、本事例では、突起150a、150bと開口または凹部152a、152bにより、方法が確実に実施されている。図で示されたとおり、基板搬送容器スタック110内であって、基板搬送容器112の台座中に保持される基板に対する高い積み重ね効率と高い保管効率が得られる。基本的には、例えば、このような基板搬送容器スタックは、任意の数の基板搬送容器を含むことが可能であり、実際には、制限されない例として示されたものよりも、さらに多くの基板搬送容器を含むことが可能である。例えば、偶数個の基板搬送容器、または非偶数個の基板搬送容器が基板搬送容器スタック中に備えられることが可能である。
【0167】
[0196]
図21の斜視図と
図22Aと22Bの側面図によると、ベース114とカバー116は、ベースプレートとカバープレートで形作られている。例えばカバープレートは、その下部側に、最上段の基板搬送容器の基板保持アームと、それによって保持されている基板を収容するための適切な凹部を備えても良い。
【0168】
[0197]本発明の好ましい実施形態によると、ベース114とカバー116は、基板搬送容器スタック110の中に保持された基板130のパージ処理構造を備えている。例えば、これらのパージ構造は、基板搬送容器スタックの中で隣接する基板搬送容器間の空間を通る層流化パージガス流を達成またはその生成に貢献するための、少なくとも1つの層流化チャンバーと層流化マニュホールドと層流化ファブリックのような、統合された層流化構造を含むか、または有している。
【0169】
[0198]
図23と
図24は、ベース114の好ましい実施形態の一例を示す。
図23はベースの上部側を上から見た図であり、
図24はベース114のいくぶん概略図に近いものである。
【0170】
[0199]
図24に示されたように、ベースは搬送プレート210を備え、基板搬送容器スタック110の複数の基板搬送容器の最下段の基板搬送容器112が、ベースの上のあらかじめ定められた相対的な位置に積み重ねられるように、すなわち、本最下段の基板搬送容器112の突起150a´が開口152bと係合し、かつ突起150b´が開口152aと係合するように、送面は、突起150a´と150b´を備え、位置決め突起はそれぞれの基板搬送容器112の位置決め突起150aと150bに基本的に対応する。例えば、搬送プレート210は金属材料、またはプラスチック材料のいずれかから製作可能である。
【0171】
[0200]ベース114は、搬送プレート210の上面に内部本体211を備え、内部本体は基板搬送容器スタック110の内部に配置され、その最下段の基板搬送容器112を支持する。搬送プレート210に固定された内部本体は、一体形成して製作されるか、または例えばプレート状の複数の要素のような、複数の要素が互いに取り付けられて製作されるかの、いずれも可能である。実際には、原則として多くの場合、完成したベース114は一体形成で製作される。
【0172】
[0201]本事例では、
図24に示されたように、内部本体211は最下段の基板搬送容器112を支持するためのサポートベース212を備え、サポートベースは複数の要素、例えば2つのプレート状の要素212aと212bから構成される。基板搬送容器の外部エッジに沿ってサポートベース212の上部面上に伸長する環状サーフェスストリップ213は、最下段の基板搬送容器112をそのシーリングリッジまたはシーリングリップ204の位置で支持し、かつシーリング表面を形成する。基板搬送容器スタック
110の基板搬送容器112とカバー116の重量は、本シーリングリッジまたはシーリングリップ204を経由して支持されるので、シーリングが達成される。
【0173】
[0202]基板搬送容器スタック110の中で基板130のパージ処理を実施するために、ベース114は搬送プレート210の下面に、搬送プレート210に取り付けられたインターフェース本体216を備えても良い。インターフェース本体は、一体化されたパージガス入力コネクターか、またはパージガス・インレットを備え、かつ一体化されたパージガス・リターン・コネクターか、またはパージガス・アウトレットを備える。これらコネクターまたはインレット並びにアウトレットは、サポートベース212の中のガス分配構造またはパージ構造に関連する搬送プレート210を備えたベース114の適切な構造を経由して接続される。チャネルおよびチャンバーのうち少なくとも1つを備えることができるこれらのガス分配構造、またはパージ構造は、流入口またはインフロー凹部218aと218bのペアと、リターンフロー開口またはリターンフロー凹部220aと220bのペアを経由して、基板搬送容器スタックの垂直ガス分配チャネルまたは垂直パージチャネルの関連する1組のペアに接続されるので、パージガス・エントリー・コネクターまたはパージガス・インレットが、これら垂直チャネルの1ペアと接続され、さらに、パージガス・リターン・コネクターまたはパージガス・アウトレットが、これら垂直チャネルのもう一方のペアに接続される。
【0174】
[0203]
図23に示されたように、上方向に開口する流入口または凹部218aと218bは、層流化パージ流を達成するか、またはその生成に貢献するために、サポートベース212上に積み重ねられた最下段の基板搬送容器112の開口168a、168bといくぶん類似した形状を有する可能性がある。しかしながら、流入口または凹部のための他の形状も選択可能である。ある者は、サポートベース212上に積み重ねられ、続いて互いの上に積み重ねられる基板搬送容器112の流入口または凹部218aおよび218b並びに開口168aおよび168bのペア並びに166aおよび166b並びに168aおよび168b並びにその他のものは、ペアの垂直ガス分配チャネルか、または垂直パージチャネルに共通に属すると考え、パージガスは、チャネルの中を通って、垂直方向に隣接する基板搬送容器112のペアの垂直方向に隣接するパーティションウェブによって規定される前述の細長いノズルか、またはライン形状のノズル(または一般的には細長い開口)へ供給されるので、パージガスは、基板搬送容器スタックのそれぞれの基板搬送容器の台座に保持された隣接する基板の間の空間に向かって、かつその空間内に水平方向に発出される。
【0175】
[0204]また、リターンフロー開口またはリターンフロー凹部220aおよび220bに対しては、サポートベース
212上に積み重ねられた最下段の基板搬送容器
112の開口166aおよび166bの形にいくぶん類似した形状であり、
図23に示した、これらリターンフロー開口またはリターンフロー凹部220aおよび220bの形状とは異なる形状が可能である。ある者は、サポートベース212上に積み重ねられ、続いて互いの上に積み重ねられる基板搬送容器
112のリフロー開口または凹部220aおよび220bについて、さらに開口166aおよび166bのペア並びに168aおよび168
b等について、ペアの垂直ガス分配チャネルまたは垂直パージチャネルに共通に属すると考え、パージガスは、基板搬送容器スタックのそれぞれの基板搬送容器の台座に保持された隣接する基板間の空間をとおり通過した後に、チャネルペアの中に垂直方向に隣接する基板搬送容器112のペアの垂直方向に隣接するパーティションウェブによって規定される前述の縦長のノズルまたはライン形状のノズル(または一般的には縦長の開口)を経由して発出される。
【0176】
[0205]それにより、インターフェース本体のパージガス・エントリー・コネクターまたはパージガス・インレットを経由して基板搬送容器スタック中に注入されたパージガスは、流入口または凹部218aおよび218b並びに垂直パージチャネル並びに縦長のノズルまたはライン形状のノズル(または一般的に表現される縦長の開口)の第1セットとの2組のペアからなるある1組のペアを経由して複数の基板に供給され、かつ基板搬送容器スタックから、縦長のノズルまたはライン形状のノズル(または一般的に表現される縦長の開口)および垂直パージチャネルおよびリフロー開口または凹部220aおよび220bの2組のペアからなる他の1組のペアを経由して戻り、排出され、最終的にはパージガス・リターン・コネクターまたはパージガス・アウトレットから戻り、排出される。
【0177】
[0206]
図24に概略的に示されるように、サポートベース212を2つのプレート状の要素212aおよび212bで形成することにより、要求される内部構造を有するサポートベース212を多くの工程作業を行うことなく製造することが可能になる。
【0178】
[0207]ベースは、サポートベース212の上に、円形断面を有する円筒形突起214を備え、円筒形突起は、サポートベース212またはその上部の板状要素212aと一体的に形成されるか、またはそれに(サポートベース212またはその上部の板状要素212aに)、ある分離した要素を取り付けることで形成される。本円筒形突起は、最下段の基板搬送容器
112の大きな開口164の中に伸長し、それぞれの基板台座中であって、基板搬送容器スタックの中で搬送される基板130の直径に、正確にまたは実質的に対応する直径を有する。
図25に示されたように、円筒形突起214は、サポートベース212により直接支持される基板搬送容器スタックの最下段の基板搬送容器により支持され、最上段の基板130が、基板搬送容器スタック内の他の基板搬送容器と同様にパージ状態を得られるぐらいの高さを有する。その結果、もし、すべての基板搬送容器の台座がそれぞれの基板130を有し、かつ、もし基板搬送容器112とそれにより構成された基板搬送容器スタック110が最適化されるための厚さを基板が有しているならば、円筒形突起214の上部平面と本基板130の下面との距離は、基板搬送容器スタックの中で保持された両方の隣接する基板の上面と下面との間の距離に正確にまたは実質的に対応している。図示された好ましい実施形態の事例では、最下段の3つの基板搬送容器が、円筒形突起214の高さの範囲で、それらの対応するパーティションウェブにより配置され、さらに、そこでは、隣接するパーティションウェブの間のライン形状のノズルまたは縦長の開口がある基板に供給されるパージガスか、または複数の基板間に供給されるためのパージガスを発出するという目的をもっていないという特徴がある。
【0179】
[0208]
図25は、
図25の基板搬送容器の上方の基板搬送容器スタックの中に配置された複数の基板搬送容器を図示した
図17Aと17Bを参照して検討すべきである。
【0180】
[0209]ベース114、好ましくは、図示された好ましい実施形態の場合、ベースの搬送プレート210は、それぞれの基板搬送容器112のインターフェース拡張部154a、154b、154c、および154dと同様のインターフェース拡張部154a´、154b´、154c´、および154d´を備えることができることを付け加えておくべきであり、インターフェース拡張部は外部の取り扱い装置、および移動装置等と相互に作用することができる。
【0181】
[0210]前項で、少なくとも暗黙にすでに示されたとおり、もし、すでに層流化されたパージガス流が流入口または凹部218aおよび218bを経由して、それぞれの基板搬送容器112の開口168aおよび168b並びに166aおよび166bにより形成された基板搬送容器スタックの関連する垂直チャネルに注入されるならば、基板搬送容器スタック内の隣接する基板搬送容器間の空間を通じて層流化パージガス流を与える目的が達成されるか、またはその目的に貢献することが可能である。本目的のために、ベース114、特にベースのサポートベース内に適切な層流化構造が備えられていて、それは、例えば、少なくとも1つの相対的に大きな層流化チャンバーの一種であり、そこには例えば、間仕切り壁の一種であるガス分配構造が備えられている。別の方法として、または追加的に、少なくとも1つの層流化ファブリックが備えられ、パージガスはそこを通って基板搬送容器スタック内の垂直供給チャネル中に発出される。
【0182】
[0211]ベース114は、任意の適切な材料、例えば少なくとも1つの金属材料とプラスチック材料からか、または、図示された好ましい実施形態として示されたように、ベースを形成するために結合される複数のパーツからか、または一体的に製造される。
【0183】
[0212]本好ましい実施形態におけるベース114がパージガス・アウトレットと同様に、パージガス・インレットを備えるので、カバー116はこのようなインレットやアウトレットのようなものを備える必要がない。
図26は、適切なカバー116の下部側の図であり、カバー116は、図示されたビューによると、図のように上下逆さまに配置されていると考えられる。
図27は、カバー116の対応する側面図であるが、図中ではその下部側が下向きに配置され、その上部側が上向きに配置されている。
【0184】
[0213]カバー116は、基本的にはそれぞれの基板搬送容器112の大きな内部開口64に対応する大きいほうの凹部228と、それぞれの基板搬送容器112の小さいほうの内部開口166aおよび166b並びに168aおよび168bに対応する1組の小さいほうの凹部222aおよび222bからなる第1ペアおよび、1組の小さいほうの凹部224aおよび224bからなる第2ペアを備える。小さいほうの凹部222aおよび222b並びに224aおよび224bが、それぞれの間仕切り壁240aおよび240bにより大きいほうの凹部128からそれぞれ分離されていて、それら間仕切り壁は、それぞれの基板搬送容器112のパーティションウェブ160aおよび160bに対応している。もし、カバー116が基板搬送容器スタック110の最上段の基板搬送容器112の上に積み重ねられる場合、小さいほうの凹部222aおよび222bからなる第1凹部ペア並びに小さいほうの凹部224aおよび224bからなる第2凹部ペアが、小さいほうの内部開口166aおよび166bからなる第1小開口ペア並びに小さいほうの内部開口168aおよび168bからなる第2小開口ペアにより形成された第1垂直パージガス配送チャネルまたは垂直パージチャネルのペアおよび第2垂直パージガス配送チャネル、または垂直パージチャネルのペアを拡張するので、垂直パージガスチャネルが、それぞれの基板搬送容器に保持される基板が配置される内部収容空間の全垂直範囲に沿って伸長する。間仕切り壁220aおよび220bは、パーティションリッジとも表現され、パーティションウェブの円弧部分202aおよび202bのような円弧部分を備え、かつ基板搬送容器の隣接するパーティションウェブにより規定されたライン形状のノズルまたは縦長の開口に類似の、内部収容空間の外周に沿って伸びるそれぞれの垂直方向に隣接する縦長の開口126のそれぞれのセットを備えるので、
図17A、17Bと
図25に加えて、
図28で示されたように、基板搬送容器スタック110の最上段の基板搬送容器112に保持される最上段の基板の高さ範囲中においても、またパージ処理を実施するために水平方向のパージガス流が発出される。
【0185】
[0214]
図28に示された4つの基板搬送容器112は、
図17Bの複数の基板搬送容器の上の基板搬送容器スタック内に配置され、カバー116の大きいほうの凹部228内に配置された基板保持アームを経由して、それぞれの基板130を保持する。間仕切り壁220aおよび220bの中で縦長の開口あるいはライン形状のノズル226を有する小さいほうの凹部222a、222bおよび224a、224bは、隣接する基板130の間および大きいほうの凹部228内であって、最上段の
基板搬送容器112の上面とカバーの下面の間も通過して流れる水平方向のパージガス流を供給する。
【0186】
[0215]ベース114とカバー116を使用するので、基板搬送容器スタック110内のすべての基板130に対する同一のまたは実質的に同一のパージ状態が得られる。例えば、好ましくは、縦長の開口またはライン形状のノズルが、垂直方向に等間隔で備えられ、基板に向かって水平方向のパージガス流が縦長の開口またはライン形状のノズルから発出され、パージガスが複数の基板を通った後に縦長の開口またはライン形状のノズルへ入り、さらに、ここで再び、基板搬送容器112とそれにより構成された基板搬送容器スタック110の基板が最適化された厚さを有していると仮定すれば、上部の基板130の下面と下部の基板130の上面の間並びに、凹部128内のカバー116の下面および最上段の基板130の上面の間および最下段の基板130の下面およびベース114の円筒形突起214の上面の間の半分の高さ位置に、それぞれのライン形状のノズルまたは縦長の開口が配置されていることが好ましい。しかしながら、基板搬送容器112と基板搬送容器スタック110は、また他の厚さを有する基板の保管、搬送、および処理のために使用されることも可能である。
【0187】
[0216]好ましくは、カバー116が、水平方向に伸長するインターフェース拡張部154a´、154b´、154c´、および154d´を備えても良く、インターフェース拡張部が、カバー116のフレーム部分227の支持表面229から下方向に突出するインターフェース・セクション224a、224b、224c、および224dによって形成されていることに注意すべきである。フレーム部分227は最上段の基板搬送容器112の搬送容器外部フレーム140上に支持されている。大きいほうの凹部228の周りに伸長するフレーム部分227の下部リングサーフェス・ストリップおよび、基板搬送容器の内部ゾーン162周りに伸長する最上段の基板搬送容器112の搬送容器外部フレーム140の下部リングサーフェス・ストリップは、パージガスを基板搬送容器スタック110内に閉じ込めるために相互に係合するシーリング面を形成する。もう一つの方法として、これらの表面のうちの1つが、シーリングリップか、またはシーリングリッジによって置き換えられることが可能である。カバー116は、基板搬送容器112のシーリングリップまたはシーリングリッジ204に類似した、同様のタイプのシーリングリップまたは、シーリングリッジを、そのフレーム部分227に備えても良い。
【0188】
[0217]基板搬送容器スタック110の最上段の基板搬送容器112の上のカバーの適切な相対的位置決めを実現するために、1以上のインターフェース・セクション224a、224b、224c、および224dが、基板搬送容器の位置決め構造に類似した位置決め構造を備える。本事例では、インターフェース・セクション224aが、それぞれの基板搬送容器112の開口または凹部152bに対応している開口または凹部152b´を備え、さらにインターフェース・セクション224cが、それぞれの基板搬送容器112の開口または凹部152aに類似した縦長に伸長された凹部または開口152a´を備える。カバー116が基板搬送容器スタック110の最上段の基板搬送容器112の上に適切に積み重ねられたときには、本基板搬送容器の突起150bは、カバー116の開口または凹部152a´の中に伸長し、本基板搬送容器の突起150aはカバー116の開口152b´の中に伸長する。
【0189】
[0218]ベース114に備えられるインターフェース突起の一種と、ベース116に対して備えられたインターフェース突起の一種は、互いに対して適合され、さらに偶数または奇数のいずれの数の複数の基板搬送容器112でも、基板搬送容器スタック110の中に備えられるべきである、ということも付記しておくべきである。
【0190】
[0219]カバー116は、いかなる適切な材料からでも製造可能であり、例えば、少なくとも1つの金属材料またはプラスチック材料、すでに示された好ましい実施形態の例のように一体的、またはカバーを形成するために組み合わされる複数の部分を含むものからも製造することが可能である。
【0191】
[0220]すでに記述したとおり、基板搬送容器12と112は、一体的か、またはそれぞれ1つの部材からなるように製造されるのが好ましいこともある。特に、基板搬送容器は、例えば、射出成形を使用して、プラスチック材料から一体成形されることが好ましいこともある。強化のためにファイバーを含むプラスチック材料が使用されることが好ましいこともある。クリーンルームアプリケーションでは、静電容量の発生を抑えたプラスチック材料を使用することが推奨される。その結果、例えば、基板搬送容器がいわゆるESD材料、またはエレクトロニックディスチャージ(電気放電)材料と呼ばれるものから成形されるのが好ましいこともある。例えば、プラスチック材料は、ポリエーテル・エーテル・ケトン(PEEK)およびポリカーボネート(PC)から製造されるか、またはプラスチック材料が、それらのうちの1つを含むこともある。
【0192】
[0221]成形材料がPEEK、特にVon Allmen AG,CH-8330 Pfaffikonから入手可能な製品バリアントPEEK ESD 101であるか、または同様の特性を有するタイプのPEEKであることが好ましい。このような基板搬送容器は、強化された耐化学性や耐熱性を有し、もし半導体ウェハが処理工程または表面準備処理工程に向かってそれぞれの基板搬送容器の台座に置かれた状態で送り出されるならば、耐化学性や耐熱性は有益であり、それらは(送り出された基板搬送容器は)一般に基板搬送容器スタックの中に保持されたすべての基板を集合的に処理または表面準備処理をするための基板搬送容器スタックの一部となるか、それとは別のやり方で、ウェハが個別に取り扱われ、個別にある処理または表面準備装置に送られるだろう。
しかしながら、特に保管と一時保管に使用されるための基板搬送容器には、PCもまた、よく適した成形材料である。例えば、増加された電気的導電率を有する製品バリアントPC-CF DCL 32か、または同様の特性を有するあるタイプのものが推奨される。
【0193】
[0222]本発明の好ましい実施形態による基板搬送容器スタックが、ここまで説明してきたように、より高い保管効率と改善され追加され強化された能力を提供するので、既存のシステムやFOUPに代用されるような搬送メカニズムに対して、高密度の再配置と増強を提供するということも付記しておくべきである。このような基板搬送容器スタックは、「TecCell」や「Tec-Cell」と呼ばれている。
【0194】
[0223]前述したとおり、本発明の好ましい実施形態が説明された一方で、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることは当業者にとって明らかであることは言うまでもない。従って、本発明の技術範囲は、以下のクレームを単独に用いることにより決定される。