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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-11
(45)【発行日】2022-10-19
(54)【発明の名称】コネクタ装置
(51)【国際特許分類】
   H01R 13/6581 20110101AFI20221012BHJP
   H01R 12/72 20110101ALI20221012BHJP
【FI】
H01R13/6581
H01R12/72
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2021529925
(86)(22)【出願日】2020-06-01
(86)【国際出願番号】 JP2020021576
(87)【国際公開番号】W WO2021002129
(87)【国際公開日】2021-01-07
【審査請求日】2021-12-23
(31)【優先権主張番号】P 2019125583
(32)【優先日】2019-07-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(31)【優先権主張番号】P 2019125584
(32)【優先日】2019-07-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(31)【優先権主張番号】P 2019185407
(32)【優先日】2019-10-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】592028846
【氏名又は名称】I-PEX株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100145012
【弁理士】
【氏名又は名称】石坂 泰紀
(74)【代理人】
【識別番号】100171099
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 茂樹
(72)【発明者】
【氏名】山内 貴生
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 将
(72)【発明者】
【氏名】宮崎 祐樹
【審査官】山下 寿信
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-085944(JP,A)
【文献】国際公開第2017/053149(WO,A1)
【文献】特開平11-329594(JP,A)
【文献】国際公開第2007/063636(WO,A1)
【文献】国際公開第2020/003731(WO,A1)
【文献】国際公開第2020/039666(WO,A1)
【文献】国際公開第2020/040004(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R 13/6581
H01R 12/72
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1コネクタと、第2コネクタと、を有するコネクタ装置であって、
前記第1コネクタは、
第1基板の複数の導体にそれぞれ接続される導電性の複数の第1コンタクトと、
前記複数の第1コンタクトを保持する絶縁性の第1コンタクト保持部と、
前記第1基板のグランド導体に対して電気的に接続され、前記第1コンタクト保持部を、複数の前記第1コンタクトを保持する第1種保持エリアと、1つの前記第1コンタクトを保持して他の前記第1コンタクトを保持しない第2種保持エリアと、に区画する導電性の第1区画壁と、
前記第1基板のグランド導体に対して電気的に接続され、前記第2種保持エリアの外周に沿って前記第1区画壁と並ぶ導電性の第1包囲壁と、
を有し、
前記第2コネクタは、
第2基板の複数の導体にそれぞれ接続されると共に、前記第1コネクタと前記第2コネクタとが嵌合した際に、前記複数の第1コンタクトに対してそれぞれ接触する、導電性の複数の第2コンタクトと、
前記第2基板のグランド導体に対して電気的に接続される導電性の第2包囲壁と、
を有し、
前記第1コネクタと前記第2コネクタとが嵌合した際に、前記第1種保持エリアと前記第2種保持エリアとの間に、前記第1区画壁が一重に配置され、前記第2種保持エリアの外周に、前記第1包囲壁及び前記第2包囲壁が二重に配置される、コネクタ装置。
【請求項2】
前記第1コネクタの前記第1区画壁は、前記第1コンタクト保持部を、2つの前記第2種保持エリアの間に前記第1種保持エリアが介在する状態に区画できるように、前記第1種保持エリアを挟んで2つ設けられ、
前記第1包囲壁及び前記第2包囲壁は、前記2つの前記第2種保持エリアのそれぞれの外周に対して二重に配置される、請求項1に記載のコネクタ装置。
【請求項3】
前記第1コネクタの前記第1区画壁は、前記第1コンタクト保持部を、2つの前記第2種保持エリアの間に前記第1種保持エリアが介在する状態に区画できるように、前記第1種保持エリアを挟んで2つ設けられ、
前記第1コネクタは、一方の前記第2種保持エリアの外周に配置される前記第1区画壁と、他方の前記第2種保持エリアの外周に配置される前記第1区画壁とを電気的に接続する導電性の第1エリア間接続部を有し、
前記第2コネクタは、前記第1コネクタと前記第2コネクタとが嵌合した際に、一方の前記第2種保持エリアの外周に配置される前記第2包囲壁と、他方の前記第2種保持エリアの外周に配置される前記第2包囲壁とを電気的に接続する導電性の第2エリア間接続部を有する、請求項1または2に記載のコネクタ装置。
【請求項4】
前記第2コネクタは、
前記第2コンタクトを保持する絶縁性の第2コンタクト保持部をさらに有し、
前記第2コンタクト保持部は、枠部と、本体部と、を有し、
前記枠部と、前記第2包囲壁と、前記第2エリア間接続部と、によって前記第2コネクタの外周に沿った環状構造が形成され、
前記環状構造の内部において、前記枠部と連結されるように前記本体部が設けられ、
前記第1コネクタと前記第2コネクタとが嵌合した際に、前記本体部は、前記第1区画壁によって、複数の前記第2コンタクトを保持する第1種保持エリアと、1つの前記第2コンタクトを保持して他の前記第2コンタクトを保持しない第2種保持エリアと、に区画される、請求項3に記載のコネクタ装置。
【請求項5】
前記第1コネクタは、前記第2種保持エリア内に配置され、前記第1区画壁と前記第1包囲壁とを互いに電気的に接続する導電性のエリア内接続部を有する、請求項1~4のいずれか一項に記載のコネクタ装置。
【請求項6】
前記エリア内接続部は、前記第2コネクタへの接続方向に交差するように広がっている、請求項5に記載のコネクタ装置。
【請求項7】
前記エリア内接続部は、前記第2コネクタに面するように広がっている、請求項6に記載のコネクタ装置。
【請求項8】
前記第1包囲壁及び前記第2包囲壁のいずれか一方は、前記第2種保持エリアの外周の一部で分断されている、請求項1~7のいずれか一項に記載のコネクタ装置。
【請求項9】
前記複数の第1コンタクト及び前記複数の第2コンタクトのいずれか一方は、
複数のコンタクトのそれぞれが、基板の導体に接続される接続部と、相手コネクタのコンタクトに接触する接触部と、前記接続部と前記接触部とを連結する連結部とを有し、
前記第1コネクタと前記第2コネクタとが嵌合した際に、相手コネクタから見て、前記第1種保持エリアに配置されるコンタクトの前記連結部による前記接触部と前記接続部との連結方向と、前記第2種保持エリアに配置されるコンタクトの前記連結部による前記接触部と前記接続部との連結方向と、が互いに交差している、請求項1~8のいずれか一項に記載のコネクタ装置。
【請求項10】
前記第1コネクタの前記第1区画壁は、前記第1コンタクト保持部を、2つの前記第2種保持エリアの間に前記第1種保持エリアが介在する状態に区画できるように、前記第1種保持エリアを挟んで2つ設けられ、
前記第1コネクタは、前記第1コネクタと前記第2コネクタとが嵌合した際に、一方の前記第2種保持エリアの外周に配置される前記第1区画壁と、他方の前記第2種保持エリアの外周に配置される前記第1区画壁とを電気的に接続する導電性の第1エリア間接続部を有し、
前記第1種保持エリアに配置される前記第1コンタクトは、それぞれ、前記第1基板の導体に接続される接続部を有し、
前記第1種保持エリアに配置される前記第1コンタクトの前記接続部は、前記第1エリア間接続部に向かって張り出すように配置され、
平面視において、前記第1種保持エリアに配置される前記第1コンタクトの前記接続部の目視確認が可能となっている、請求項1~9のいずれか一項に記載のコネクタ装置。
【請求項11】
前記第1コネクタは、リセプタクルコネクタであって、
前記第2コネクタは、プラグコネクタであって、
前記第1コネクタと前記第2コネクタとが嵌合した際に、前記第2包囲壁が前記第1包囲壁に対して外方に設けられる、請求項1~10のいずれか一項に記載のコネクタ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、コネクタ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、第1コネクタと第2コネクタとを備えるコネクタが開示されている。第1コネクタは、第1インシュレータと、第1インシュレータに支持された複数の第1コンタクトと、第1インシュレータに支持された導電性部材とを有する。第2コネクタは、第2インシュレータと、第2インシュレータに支持された複数の第2コンタクトとを有する。第1インシュレータの外周壁には、導電性部材遮蔽部が設けられている。第1回路基板に実装された第1コネクタと、第2回路基板に実装された第2コネクタとが接続された状態において、導電性部材遮蔽部は、第1回路基板と導電性部材との間、又は第2回路基板と導電性部材との間に位置する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】国際公開第2015/045623号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に例示されるコネクタにおいては、更なるノイズ抑制が望まれるが、ノイズ抑制と小型化はトレードオフの関係にある。特に、コネクタを接続した状態でのノイズ抑制を達成するための適切な構造が望まれる。そこで本開示は、小型化とノイズ抑制との両立に有効なコネクタ装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の一側面に係るコネクタ装置は、第1コネクタと、第2コネクタと、を有するコネクタ装置であって、前記第1コネクタは、第1基板の複数の導体にそれぞれ接続される導電性の複数の第1コンタクトと、前記複数の第1コンタクトを保持する絶縁性の第1コンタクト保持部と、前記第1基板のグランド導体に対して電気的に接続され、前記第1コンタクト保持部を、複数の前記第1コンタクトを保持する第1種保持エリアと、1つの前記第1コンタクトを保持して他の前記第1コンタクトを保持しない第2種保持エリアと、に区画する導電性の第1区画壁と、前記第1基板のグランド導体に対して電気的に接続され、前記第2種保持エリアの外周に沿って前記第1区画壁と並ぶ導電性の第1包囲壁と、を有し、前記第2コネクタは、第2基板の複数の導体にそれぞれ接続されると共に、前記第1コネクタと前記第2コネクタとが嵌合した際に、前記複数の第1コンタクトに対してそれぞれ接触する、導電性の複数の第2コンタクトと、前記第2基板のグランド導体に対して電気的に接続される導電性の第2包囲壁と、を有し、前記第1コネクタと前記第2コネクタとが嵌合した際に、前記第1種保持エリアと前記第2種保持エリアとの間に、前記第1区画壁が一重に配置され、前記第2種保持エリアの外周に、前記第1包囲壁及び前記第2包囲壁が二重に配置される。
【0006】
このコネクタ装置によれば、ノイズ源となり難い複数のコンタクトを第1種保持エリアにまとめて配置し、ノイズ源となり易く、一方でノイズの影響を受け易いコンタクトを他のコンタクトから隔離して第2種保持エリアに配置することで、小型化と、ノイズの抑制との両立を図ることができる。また、このコネクタ装置では、第1コネクタと第2コネクタとが嵌合した際に、第1種保持エリアと第2種保持エリアとの間に一重の第1区画壁を設けることで、装置としての大型化を防ぎながら、第1種保持エリアに保持されるコンタクトに対する第2種保持エリアに保持されるコンタクトからのノイズを抑制している。また、第2種保持エリアの外周には、第1包囲壁及び第2包囲壁が二重に設けられることで、第2種保持エリアに保持されるノイズの影響を受け易いコンタクトに対する外部からのノイズを抑制することができる。
【0007】
前記第1コネクタの前記第1区画壁は、前記第1コンタクト保持部を、2つの前記第2種保持エリアの間に前記第1種保持エリアが介在する状態に区画できるように、前記第1種保持エリアを挟んで2つ設けられ、前記第1包囲壁及び前記第2包囲壁は、前記2つの前記第2種保持エリアのそれぞれの外周に対して二重に配置されてもよい。このような構成とすることで、それぞれの第2種保持エリアにノイズの影響を受け易い第1コンタクトが配置された場合であっても、これらの第1コンタクト同士を、ノイズの影響を受け難い距離に離間させつつ、コネクタ装置自体が大型化することも防がれる。
【0008】
前記第1コネクタの前記第1区画壁は、前記第1コンタクト保持部を、2つの前記第2種保持エリアの間に前記第1種保持エリアが介在する状態に区画できるように、前記第1種保持エリアを挟んで2つ設けられ、前記第1コネクタは、一方の前記第2種保持エリアの外周に配置される前記第1区画壁と、他方の前記第2種保持エリアの外周に配置される前記第1区画壁とを電気的に接続する導電性の第1エリア間接続部を有し、前記第2コネクタは、前記第1コネクタと前記第2コネクタとが嵌合した際に、一方の前記第2種保持エリアの外周に配置される前記第2包囲壁と、他方の前記第2種保持エリアの外周に配置される前記第2包囲壁とを電気的に接続する導電性の第2エリア間接続部を有していてもよい。このような構成とすることで、第1エリア間接続部と第2エリア間接続部が第1種保持エリアの外周に設けられることになり、第1種保持エリアに保持される第1コンタクトが受けるノイズを抑制することができる。
【0009】
前記第2コネクタは、前記第2コンタクトを保持する絶縁性の第2コンタクト保持部をさらに有し、前記第2コンタクト保持部は、枠部と、本体部と、を有し、前記枠部と、前記第2包囲壁と、前記第2エリア間接続部と、によって前記第2コネクタの外周に沿った環状構造が形成され、前記環状構造の内部において、前記枠部と連結されるように前記本体部が設けられ、前記第1コネクタと前記第2コネクタとが嵌合した際に、前記本体部は、前記第1区画壁によって、複数の前記第2コンタクトを保持する第1種保持エリアと、1つの前記第2コンタクトを保持して他の前記第1コンタクトを保持しない第2種保持エリアと、に区画されてもよい。このような構成とすることで、第2コネクタが大型化することが防がれ、コネクタ装置としての小型化を実現することができる。
【0010】
前記第1コネクタは、前記第2種保持エリア内に配置され、前記第1区画壁と前記第1包囲壁とを互いに電気的に接続する導電性のエリア内接続部を有していてもよい。この場合、第2種保持エリアに配置されるコンタクトを他のコンタクトからより隔離することで、ノイズの抑制をより確実に図ることができる。
【0011】
前記エリア内接続部は、前記第2コネクタへの接続方向に交差するように広がっていてもよい。この場合、第2種保持エリアに配置されるコンタクトを他のコンタクトからより隔離することで、ノイズの抑制をより確実に図ることができる。
【0012】
前記エリア内接続部は、前記第2コネクタに面するように広がっていてもよい。この場合、エリア内接続部を、相手コネクタとの接続におけるガイドとしても利用することができる。
【0013】
前記第1包囲壁及び前記第2包囲壁のいずれか一方は、前記第2種保持エリアの外周の一部で分断されていてもよい。第1包囲壁及び第2包囲壁のいずれか一方が一部で分断された構成とすることで、ノイズの抑制を確実に行いつつ、コネクタ装置としての大型化を防ぐことができる。
【0014】
前記複数の第1コンタクト及び前記複数の第2コンタクトのいずれか一方は、複数のコンタクトのそれぞれが、基板の導体に接続される接続部と、相手コネクタのコンタクトに接触する接触部と、前記接続部と前記接触部とを連結する連結部とを有し、前記第1コネクタと前記第2コネクタとが嵌合した際に、相手コネクタから見て、前記第1種保持エリアに配置されるコンタクトの前記連結部による前記接触部と前記接続部との連結方向と、前記第2種保持エリアに配置されるコンタクトの前記連結部による前記接触部と前記接続部との連結方向と、が互いに交差していてもよい。以下、第1種保持エリアに配置されるコンタクトの連結部による接触部と接続部との連結方向と、第2種エリアに配置されるコンタクトの連結部による接触部と接続部との連結方向との両方に沿う面を「配置面」という。接触部と接続部とが連結部により連結されるコンタクトにおいては、連結方向に沿った側面(以下、「第1側面」という。)の幅が、連結方向に垂直な側面(以下、「第2側面」という。)の幅よりも大きくなる傾向がある。なお、ここでの「側面」は、配置面に垂直な面を意味し、「幅」は、配置面に沿う方向における幅を意味する。第1種エリアに配置されるコンタクトの連結部による接触部と接続部との連結方向と、第2種エリアに配置されるコンタクトの連結部による接触部と接続部との連結方向と、が互いに交差する構成によれば、いかなる配置によっても、第1種エリアに配置されるコンタクトの第1側面と、第2種エリアに配置されるコンタクトの第1側面とが対向し難くなる。これにより、第1種エリアに配置されるコンタクトと第2種エリアに配置されるコンタクトとの間のノイズ伝播を抑制しつつ、コネクタの小型化に適したコンタクト配置を採用することができる。
【0015】
前記第1コネクタの前記第1区画壁は、前記第1コンタクト保持部を、2つの前記第2種保持エリアの間に前記第1種保持エリアが介在する状態に区画できるように、前記第1種保持エリアを挟んで2つ設けられ、前記第1コネクタは、前記第1コネクタと前記第2コネクタとが嵌合した際に、一方の前記第2種保持エリアの外周に配置される前記第1区画壁と、他方の前記第2種保持エリアの外周に配置される前記第1区画壁とを電気的に接続する導電性の第1エリア間接続部を有し、前記第1種保持エリアに配置される前記第1コンタクトは、それぞれ、基板の導体に接続される接続部を有し、前記第1種保持エリアに配置される前記第1コンタクトの前記接続部は、前記第1エリア間接続部に向かって張り出すように配置され、平面視において、前記第1種保持エリアに配置される前記第1コンタクトの前記接続部の目視確認が可能となっていてもよい。第1エリア間接続部に対して第1種保持エリアに配置される第1コンタクトの接続部が対向して配置することによって、第1エリア間接続部によって更なるノイズの抑制を図ることができる。また、平面視において第1種保持エリアに配置される第1コンタクトの接続部の目視確認が可能である場合、接続部の基板に対する実装状態を適切に監視することができる。
【0016】
前記第1コネクタは、リセプタクルコネクタであって、前記第2コネクタは、プラグコネクタであって、前記第1コネクタと前記第2コネクタとが嵌合した際に、前記第2包囲壁が前記第1包囲壁に対して外方に設けられてもよい。このような構成を有することで、プラグコネクタの第2包囲壁がエリア内接続部を有するリセプタクルコネクタよりも外方に設けられるため、相手コネクタとの接続におけるガイド性を高めることができる。
【発明の効果】
【0017】
本開示によれば、小型化とノイズ抑制との両立に有効なコネクタを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】コネクタ装置の一例を示す斜視図である。
図2】リセプタクルコネクタの一例を示す斜視図である。
図3】他の方向からのリセプタクルコネクタの斜視図である。
図4図2中のIV-IV線に沿う断面を示すリセプタクルコネクタの斜視図である。
図5】リセプタクルコネクタのコンタクト保持部の斜視図である。
図6】リセプタクルコネクタのコンタクト及びシェルの配置関係を示す斜視図である。
図7】リセプタクルコネクタが取り付けられる回路基板の導体露出部の配置を例示する平面図である。
図8】プラグコネクタの一例を示す斜視図である。
図9】他の方向からのプラグコネクタの斜視図である。
図10図8中のX-X線に沿う断面を示すプラグコネクタの斜視図である。
図11】プラグコネクタのコンタクト及びシェルの配置関係を示す斜視図である。
図12】プラグコネクタのコンタクト保持部の斜視図である。
図13】第1種保持エリアにおけるリセプタクルコネクタとプラグコネクタとの嵌合状態を示す断面図である。
図14】第2種保持エリアにおけるリセプタクルコネクタとプラグコネクタとの嵌合状態を示す断面図である。
図15】プラグコネクタが取り付けられる回路基板の導体露出部の配置を例示する平面図である。
図16】リセプタクルコネクタの変形例を示す斜視図である。
図17】プラグコネクタの変形例を示す斜視図である。
図18】リセプタクルコネクタの他の変形例を示す斜視図である。
図19図18中のコンタクトの配置を示す斜視図である。
図20図18中のコンタクトの配置を示す平面図である。
図21】プラグコネクタの他の変形例を示す斜視図である。
図22図21中のコンタクトの配置を示す斜視図である。
図23図21中のコンタクトの配置を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、実施形態について、図面を参照しつつ詳細に説明する。説明において、同一要素又は同一機能を有する要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0020】
〔コネクタ装置〕
図1に示すコネクタ装置1は、電子機器内において回路基板(以下、単に「基板」ともいう)同士の接続に用いられる装置である。電子機器の具体例としては、携帯電話、スマートフォン、ラップトップ型コンピュータ、又はタブレット型コンピュータ等の携帯型通信端末が挙げられるが、電子機器はこれらに限られない。
【0021】
図1に示すように、コネクタ装置1は、接続対象となる2枚の回路基板101,102にそれぞれ取り付けられるリセプタクルコネクタ2とプラグコネクタ3とを備え、リセプタクルコネクタ2とプラグコネクタ3が嵌合することによって回路基板101と回路基板102とを電気的に接続する。
【0022】
リセプタクルコネクタ2とプラグコネクタ3とが互いに嵌合するように配置された状態で、リセプタクルコネクタ2から見たプラグコネクタ3の形状と、プラグコネクタ3から見たリセプタクルコネクタ2の形状は、いずれも長方形に近似している。以下、この長方形の長辺に沿う方向を長辺方向DL1といい、この長方形の短辺に沿う方向を短辺方向DS1という。また、この長方形に垂直な方向をリセプタクルコネクタ2及びプラグコネクタ3の接続方向CD1という。以下、リセプタクルコネクタ2とプラグコネクタ3とが互いに嵌合するように配置された状態で、リセプタクルコネクタ2から見たプラグコネクタ3の構造を説明する際には、単に「リセプタクルコネクタ2から見て」といい、プラグコネクタ3から見たリセプタクルコネクタ2の構造を説明する際には、単に「プラグコネクタ3から見て」という。
【0023】
〔リセプタクルコネクタ〕
まず、リセプタクルコネクタ2の構成を詳細に説明する。上述したように、リセプタクルコネクタ2は、回路基板101に取り付けられ、相手コネクタであるプラグコネクタ3に接続される。図2図4に示すように、リセプタクルコネクタ2は、導電性の複数のコンタクト4と、コンタクト保持部5と、シェル6とを有する。
【0024】
複数のコンタクト4は、回路基板101の複数の導体にそれぞれ接続され、プラグコネクタ3の複数のコンタクト7(後述)をそれぞれ挟持して、それぞれのコンタクト7に接触する。複数のコンタクト4は、互いに種別の異なるコンタクト4を含んでいてもよい。例えば複数のコンタクト4は、複数の第1種コンタクト4Aと、第1種コンタクト4Aとは異なる種別の少なくとも1つの第2種コンタクト4Bとを含む。一例として、リセプタクルコネクタ2は6つのコンタクト4を含み、6つのコンタクト4は4つの第1種コンタクト4Aと2つの第2種コンタクト4Bとを含む。
【0025】
種別が異なるとは、種別の違いを特定する何らかの定義の下で、互いに異なる種別に属することを意味する。種別の違いの具体例としては、伝送対象とする信号の周波数帯域の違い、許容電流の違い、許容電圧の違い、信号導体(信号回路の一部を構成する導体)の接続用であるかグランド導体(グランド回路の一部を構成する導体)の接続用であるかの違い等が挙げられる。一例として、第2種コンタクト4Bは、第1種コンタクト4Aが伝送する信号に比較して高周波の信号を伝送するコンタクトである。
【0026】
図4に示すように、6つのコンタクト4のそれぞれは、接続部41と、接触部42と、連結部43とを有する。接続部41は、回路基板101の導体(例えば信号導体)に接続される。接触部42は、プラグコネクタ3のコンタクト7(後述)に接触する。接続部41と接触部42とは互いに連結されている。
【0027】
接触部42は、第1部分421と、第2部分422と、連結部423とを有する。第1部分421と第2部分422とは、接続方向CD1に沿いプラグコネクタ3に向かってそれぞれ突出し、プラグコネクタ3のコンタクト7を挟む。連結部423は、第1部分421の基部と第2部分422の基部とを連結する。
【0028】
連結部43は、接続部41と接触部42の基部とを連結する。接続部41は、第1部分421の基部から連結部423と逆向きとなる外方に向けて張り出している。コンタクト4は、金属の薄板から1枚の板材を打ち抜き、これに曲げ加工等を施すことで形成される。なお、接続部41は回路基板101に取り付け可能であればいかなる形状であってもよく、外方に向けて張り出さない形状であってもよい。
【0029】
コンタクト保持部5は、図3及び図5に示すように、複数のコンタクト4を保持する絶縁性の部材である。例えばコンタクト保持部5は、樹脂材料の射出成型等により形成される。コンタクト保持部5は、回路基板101に面する背面55と、背面55と逆向きの前面54とを有する。前面54は、プラグコネクタ3に面する。コンタクト保持部5は、プラグコネクタ3から見て長方形に近似する外形を有する(図5参照)。当該長方形は、長辺方向DL1に沿った一対の長辺5a,5bと、短辺方向DS1に沿った一対の短辺5c,5dとを有する。
【0030】
コンタクト保持部5は、接続方向CD1に垂直な方向において複数の保持エリアに区画されている。複数の保持エリアは、第1種保持エリア51と第2種保持エリア52とを含む。第1種保持エリア51は、複数のコンタクト4を保持する。例えば第1種保持エリア51は、複数(例えば4つ)の第1種コンタクト4Aを保持する。第2種保持エリア52は、1つのコンタクト4を保持して他のコンタクト4を保持しない。例えば第2種保持エリア52は、1つの第2種コンタクト4Bを保持する。
【0031】
複数の保持エリアは、2つの第2種保持エリア52を含んでいてもよく、複数の第2種保持エリア52の間に少なくとも1つの第1種保持エリア51が介在していてもよい。一例として、コンタクト保持部5は、1つの第1種保持エリア51と、当該第1種保持エリア51を挟む2つの第2種保持エリア52とに区画されている。第1種保持エリア51と、2つの第2種保持エリア52とは、長辺方向DL1に沿って並んでいる。以下、2つの第2種保持エリア52を第2種保持エリア52A,52Bとして区別する。
【0032】
複数の保持エリアは、コンタクト保持部5に形成された空隙により区画されていてもよい。例えば第2種保持エリア52Aと第1種保持エリア51とは、長辺方向DL1に垂直な境界PL11に沿って空隙S11により区画されている。一例として、第2種保持エリア52Aと第1種保持エリア51とは、長辺方向DL1に垂直なスリット53Aにより区画されている。
【0033】
第1種保持エリア51と第2種保持エリア52Bとは、長辺方向DL1に垂直な境界PL12に沿って空隙S12により区画されている。一例として、第1種保持エリア51と第2種保持エリア52Bとは、長辺方向DL1に垂直なスリット53Bにより区画されている。
【0034】
なお、ここでの空隙は、必ずしもリセプタクルコネクタ2の完成状態での空隙を意味するわけではなく、コンタクト保持部5が単体で存在する場合の空隙を意味する。すなわち、ここでの空隙は、リセプタクルコネクタ2の完成状態においてコンタクト保持部5とは異なる他の部材により埋められる部分も含む。例えば空隙S11の少なくとも一部は後述の区画壁61Aにより埋められ、空隙S12の少なくとも一部は後述の区画壁61Bにより埋められる。
【0035】
コンタクト保持部5においては、いずれのコンタクト4も、接続方向CD1から見て(プラグコネクタ3から見て)、接続部41と接触部42との連結方向(互いに連結された接続部41と接触部42とが並ぶ方向)が同一の方向に沿うように配置されている。換言すると、いずれのコンタクト4も、接触部42とプラグコネクタ3のコンタクト7との接触方向が同一の方向に沿うように配置されている。例えば、いずれのコンタクト4も、接続部41と接触部42との連結方向が短辺方向DS1に沿うように配置されている。プラグコネクタ3から見て、全てのコンタクト4の接続部41がコンタクト保持部5の外縁(長辺方向DL1及び短辺方向DS1における最大寸法となる縁部)よりも内方に配置されている。なお、接触方向とは、コンタクト4の表面のうちコンタクト7に接触する部分と、コンタクト7の表面のうちコンタクト4に接触する部分との両方に垂直な方向を表している。
【0036】
図5に示すように、第1種保持エリア51及び第2種保持エリア52のいずれも、同一方向(例えば長辺方向DL1)に沿った収容溝部を有する。図2に示すように、第1種保持エリア51及び第2種保持エリア52のいずれにおいても、全てのコンタクト4の接触部42が収容溝部に露出するように配置されている。収容溝部には、プラグコネクタ3の保持用隆起部(後述)が収容される。収容溝部のコンタクト4は、当該収容溝部に収容される保持用隆起部のコンタクト7の接触部72(後述)に接触部42が接触するように配置される。
【0037】
一例として、第1種保持エリア51は、互いに平行な2本の収容溝部511A,511Bを有する。収容溝部511A,511Bは、長辺方向DL1に沿ってコンタクト保持部5の前面54に形成されている。前面54において、収容溝部511Aは長辺5a寄りに位置し、収容溝部511Bは長辺5b寄りに位置している。
【0038】
第1種保持エリア51が保持する4つの第1種コンタクト4Aは、図2に示すように、収容溝部511Aに沿って並ぶ2つの第1種コンタクト4Aと、収容溝部511Bに沿って並ぶ2つの第1種コンタクト4Aとを含む。すなわち、第1種保持エリア51が保持する複数の第1種コンタクト4Aは、長辺方向DL1(境界PL11,PL12に垂直な配列方向)に沿って並ぶ複数の第1種コンタクト4Aを含む。
【0039】
一例として、第1種保持エリア51は、図5に示すように、収容溝部511Aに沿って並ぶ2つのコンタクト収容部512Aを有する。コンタクト収容部512Aは、コンタクト保持部5の背面55に設けられた穴であり、収容溝部511Aに開口している。コンタクト収容部512Aのそれぞれには、図4に示すように、第1部分421及び第2部分422が収容溝部511Aに露出するように第1種コンタクト4Aの接触部42が圧入等で固定される。これにより、収容溝部511Aに沿って並ぶいずれの第1種コンタクト4Aも、接続方向CD1から見た接続部41と接触部42との上記連結方向が短辺方向DS1に沿うように配置されている。収容溝部511Aに沿って並ぶ各第1種コンタクト4Aの接続部41は、接触部42から長辺5aに向かって張り出している。
【0040】
第1種保持エリア51は、図5に示すように、長辺5aに沿った側面の中央部(長辺方向DL1における中央部)に凹部515Aを更に有する。凹部515Aは、前面54から背面55に亘って形成されている。収容溝部511Aの第1種コンタクト4Aにおいて、接触部42から長辺5aに向かって張り出した接続部41は、図4に示すように、プラグコネクタ3から見て凹部515A内に露出している。これにより、回路基板101に対する接続部41の接続状態(実装状態)の目視確認が可能となっている。
【0041】
また、第1種保持エリア51は、図5に示すように、収容溝部511Bに沿って並ぶ2つのコンタクト収容部512Bを有する。コンタクト収容部512Bは、コンタクト保持部5の背面55に設けられた穴であり、収容溝部511Bに開口している。コンタクト収容部512Bのそれぞれには、図4に示すように、第1部分421及び第2部分422が収容溝部511Bに露出するように第1種コンタクト4Aの接触部42が圧入等で固定される。これにより、収容溝部511Bに沿って並ぶいずれの第1種コンタクト4Aも、接続方向CD1から見た接続部41と接触部42との連結方向が短辺方向DS1に沿うように配置されている。収容溝部511Bに沿って並ぶ各第1種コンタクト4Aの接続部41は、図2に示すように、接触部42から長辺5bに向かって張り出している。すなわち、収容溝部511Aの第1種コンタクト4Aの接続部41と、収容溝部511Bの第1種コンタクト4Aの接続部41とは、互いに逆方向に張り出している。
【0042】
第1種保持エリア51は、図5に示すように、長辺5bに沿った側面の中央部(長辺方向DL1における中央部)に凹部515Bを更に有する。収容溝部511Bの第1種コンタクト4Aにおいて、接触部42から長辺5bに向かって張り出した接続部41は、図4に示すように、プラグコネクタ3から見て凹部515B内に露出している。
【0043】
第2種保持エリア52A,52Bのそれぞれは、図5に示すように、1本の収容溝部521を有する。収容溝部521は、長辺方向DL1に沿ってコンタクト保持部5の前面54に形成されている。前面54において、収容溝部521は長辺5aと長辺5bとの中間(短辺方向DS1における中間)に位置している。
【0044】
第2種保持エリア52A,52Bのそれぞれが保持する1つの第2種コンタクト4Bは、収容溝部521に配置されている。一例として、第2種保持エリア52A,52Bのそれぞれは、1つのコンタクト収容部522を有する。コンタクト収容部522は、コンタクト保持部5の背面55に設けられた穴であり、収容溝部521に開口している。収容溝部521には、第1部分421及び第2部分422が収容溝部521に露出するように第2種コンタクト4Bの接触部42が圧入等で固定される。これにより、収容溝部521に配置される第2種コンタクト4Bも、第1種コンタクト4Aと同様に接続部41と接触部42との連結方向が短辺方向DS1に沿うように配置されている。第2種コンタクト4Bの接続部41は、接触部42から長辺5bに向かって張り出している。
【0045】
第2種保持エリア52A,52Bのそれぞれは、図5に示すように、収容溝部521と長辺5bとの間に貫通孔525を更に有している。貫通孔525は、前面54と背面55との間を貫通している。収容溝部521の第2種コンタクト4Bにおいて接触部42から長辺5bに向かって張り出した接続部41は、プラグコネクタ3から見て貫通孔525内に開口している。これにより、回路基板101に対する接続部41の接続状態(実装状態)の目視確認が可能となっている。
【0046】
第2種保持エリア52Aが保持する第2種コンタクト4Bは、境界PL11を介して第1種保持エリア51の第1種コンタクト4Aと隣り合う。第2種保持エリア52Bが保持する第2種コンタクト4Bは、境界PL12を介して第1種保持エリア51の第1種コンタクト4Aと隣り合う。このように、境界PL11,PL12を介して隣り合うコンタクト4の長辺方向DL1(上記配列方向)における間隔G11は、第1種保持エリア51内において長辺方向DL1に沿って隣り合うコンタクト4の間隔G12よりも大きい(図6参照)。
【0047】
シェル6は、コンタクト保持部5に装着される導電性の部材である。シェル6は、図6に示すように、コンタクト保持部5を上記複数の保持エリアに区画する少なくとも1つの区画壁61を有する。区画壁61は、回路基板101のグランド導体(不図示)に電気的に接続される。区画壁61は、回路基板101のグランド導体に直接接続されていてもよいし、シェル6の他の部分を介して回路基板101のグランド導体に接続されていてもよい。シェル6は、2つの第2種保持エリア52A,52B同士の間に2重に介在する2つの区画壁61を含んでいてもよい。この2つの区画壁61の間に少なくとも1つの第1種保持エリア51が介在していてもよい。
【0048】
一例として、シェル6は、上記2つの区画壁61として区画壁61A,61Bを有する。区画壁61Aは、空隙S11内に位置して第2種保持エリア52Aと第1種保持エリア51とを区画する。区画壁61Bは、空隙S12内に位置して第1種保持エリア51と第2種保持エリア52Bとを区画する。区画壁61A,61Bのそれぞれは、図3に示すように、回路基板101に接する端縁611(端部)を有し、当該端縁611において回路基板101のグランド導体に電気的に接続される。
【0049】
シェル6は、図2及び図6に示すように、第2種保持エリア52の外周に沿って区画壁61と並ぶ導電性の包囲壁62を更に有してもよい。シェル6は、包囲壁62を2つの第2種保持エリア52A,52Bごとに有してもよい。例えばシェル6は、第2種保持エリア52Aの外周に沿って区画壁61Aと並ぶ導電性の包囲壁62Aと、第2種保持エリア52Bの外周に沿って区画壁61Bと並ぶ導電性の包囲壁62Bとを有する。包囲壁62A,62Bのそれぞれは、対向部621と、側部622A,622Bとを含む。
【0050】
対向部621は、第2種保持エリア52を挟んで区画壁61と対向する。例えば包囲壁62Aの対向部621は、短辺5cに沿ったコンタクト保持部5の側面の少なくとも一部を覆い、第2種保持エリア52Aを挟んで区画壁61Aと対向する。包囲壁62Bの対向部621は、短辺5dに沿ったコンタクト保持部5の側面の少なくとも一部を覆い、第2種保持エリア52Bを挟んで区画壁61Bと対向する。対向部621は、図3に示すように、回路基板101に接する端縁625(端部)を有し、当該端縁625において回路基板101のグランド導体に電気的に接続される。対向部621は、外方(第2種保持エリア52に向かう方向とは反対となる方向)に突出した突起を有する。例えば対向部621は、図6に示すように、短辺方向DS1に沿って並ぶ2箇所の突起623を有する。
【0051】
側部622A,622Bは、図6に示すように、区画壁61と対向部621との対向方向に垂直な方向において、第2種保持エリア52を挟んで互いに対向する。側部622Aは、長辺5aに沿った第2種保持エリア52の側面の少なくとも一部を覆う。側部622Bは、長辺5bに沿った第2種保持エリア52の側面の少なくとも一部を覆う。側部622A,622Bのそれぞれは、図3に示すように、回路基板101に接する端縁627(端部)を有し、当該端縁627において回路基板101のグランド導体に電気的に接続される。側部622A,622Bのそれぞれは、外方(第2種保持エリア52に向かう方向とは反対となる方向)に突出した突起626を有する。
【0052】
シェル6は、図2に示すように、第2種保持エリア52の外周に沿って並ぶ区画壁61と包囲壁62とを互いに電気的に接続する導電性のエリア内接続プレート63(エリア内接続部)を更に有してもよい。エリア内接続プレート63は、接続方向CD1に交差するように広がっていてもよい。エリア内接続プレート63は、プラグコネクタ3に面するように配置されていてもよい。
【0053】
シェル6は、エリア内接続プレート63を2つの第2種保持エリア52A,52Bごとに有してもよい。例えばシェル6は、2箇所のエリア内接続プレート63A,63Bを有する。エリア内接続プレート63Aは、第2種保持エリア52Aの外周に沿って並ぶ区画壁61Aと包囲壁62Aとを互いに電気的に接続する。より具体的に、エリア内接続プレート63Aは、前面54の少なくとも一部を覆い、区画壁61Aの端縁と、包囲壁62Aの対向部621の端縁と、包囲壁62Aの側部622A,622Bの端縁とに連なっている。
【0054】
エリア内接続プレート63Bは、第2種保持エリア52Bの外周に沿って並ぶ区画壁61Bと包囲壁62Bとを互いに電気的に接続する。より具体的に、エリア内接続プレート63Bは、前面54の少なくとも一部を覆い、区画壁61Bの端縁と、包囲壁62Bの対向部621の端縁と、包囲壁62Bの側部622A,622Bの端縁とに連なっている。エリア内接続プレート63A,63Bのそれぞれは、第2種保持エリア52に配置された第2種コンタクト4Bを露出させるための開口部631を有する。
【0055】
シェル6は、図6に示すように、第2種保持エリア52Aの外周の区画壁61Aと、第2種保持エリア52Bの外周の区画壁61Bとを電気的に接続するエリア間接続プレート64(第1エリア間接続部)を更に有してもよい。エリア間接続プレート64は、第1種保持エリア51の外周に沿っていてもよい。例えば、シェル6は、エリア間接続プレート64A,64Bを有する。
【0056】
エリア間接続プレート64Aは、長辺5aに沿った第1種保持エリア51の側面の少なくとも一部を覆い、区画壁61Aと区画壁61Bとを電気的に接続する。このため、収容溝部511Aに沿って並ぶ上述の2つの第1種コンタクト4Aは、エリア間接続プレート64Aに沿って並び、それぞれの接続部41がエリア間接続プレート64Aに向かって張り出すように配置されている。エリア間接続プレート64Aは、当該2つの第1種コンタクト4Aの接続部41に対向している。
【0057】
エリア間接続プレート64Bは、長辺5bに沿った第1種保持エリア51の側面の少なくとも一部を覆い、区画壁61Aと区画壁61Bとを電気的に接続する。このため、収容溝部511Bに沿って並ぶ上述の2つの第1種コンタクト4Aは、エリア間接続プレート64Bに沿って並び、それぞれの接続部41がエリア間接続プレート64Bに向かって張り出すように配置されている。エリア間接続プレート64Bは、当該2つの第1種コンタクト4Aの接続部41に対向している。
【0058】
接続方向CD1において、エリア間接続プレート64A,64Bは、図6に示すように、回路基板101に対向する端縁642と、端縁642から下方に突出して回路基板101に接するグランド接続部641とを有する。エリア間接続プレート64A,64Bは、グランド接続部641において回路基板101のグランド導体に電気的に接続される。グランド接続部641は、区画壁61A,61Bの中間(長辺方向DL1における中間)に位置している。また、グランド接続部641は、第1種コンタクト4Aの接続部41との接触を避けるために外方(第1種保持エリア51に向かう方向とは反対となる方向)に膨出している。
【0059】
シェル6がエリア間接続プレート64A,64Bを有することによって、第1種保持エリア51が区画壁61A,61B及びエリア間接続プレート64A,64Bによって包囲されている。また、コンタクト保持部5全体が、包囲壁62A,62B及びエリア間接続プレート64A,64Bによって包囲されている。
【0060】
シェル6は、例えば金属の薄板素材から1枚の板材を打ち抜き、これに曲げ加工等を施すことで形成される。上記板材は、外壁部691A,691B,692A,692Bと、天板部695A,695Bと、内壁部696A,696Bとを有する(図6参照)。
【0061】
外壁部691Aは、包囲壁62Aの側部622Aと、包囲壁62Bの側部622Aと、エリア間接続プレート64Aとを構成する板状部である。外壁部691Bは、包囲壁62Aの側部622Bと、包囲壁62Bの側部622Bと、エリア間接続プレート64Bとを構成する板状部である。外壁部692Aは、包囲壁62Aの対向部621を構成する板状部である。外壁部692Bは、包囲壁62Bの対向部621を構成する板状部である。天板部695Aは、エリア内接続プレート63Aを構成する板状部である。天板部695Bは、エリア内接続プレート63Bを構成する板状部である。内壁部696Aは、区画壁61Aを構成する板状部である。内壁部696Bは、区画壁61Bを構成する板状部である。
【0062】
天板部695A,695Bに対し、外壁部691A,691B,692A,692B及び内壁部696A,696Bを同一方向に約90度折り曲げることで、シェル6が形成される。形成されたシェル6は、例えば圧入によってコンタクト保持部5に装着される。
【0063】
以上のように構成されるリセプタクルコネクタ2は、背面55を回路基板101に向けた状態で回路基板101に取り付けられる。回路基板101は、図7に例示するように、グランド導体露出部111,112,113,114,115,116と、信号導体露出部121,122,123,124,125,126とを有する。グランド導体露出部111,112,113,114,115,116は、回路基板101のグランド導体を露出させた部分である。グランド導体露出部111,112,113,114,115,116には、区画壁61Aの端縁611と、区画壁61Bの端縁611と、包囲壁62Aの端縁625,627,627と、包囲壁62Bの端縁625,627,627と、エリア間接続プレート64Aのグランド接続部641と、エリア間接続プレート64Bのグランド接続部641とがそれぞれ半田接合等により接続される。
【0064】
信号導体露出部121,122,123,124,125,126は、回路基板101の6つの信号導体をそれぞれ露出させた部分である。信号導体露出部121,122,123,124,125,126には、4つの第1種コンタクト4Aの接続部41と、2つの第2種コンタクト4Bの接続部41とがそれぞれ半田接合等により接続される。
【0065】
なお、以上の構成はあくまで一例であり、適宜変更可能である。例えばコンタクト保持部5は、少なくとも1つの第2種保持エリア52を有していればよく、必ずしも2つ以上の第2種保持エリア52を有しなくてよい。コンタクト保持部5は、4つ以上の保持エリアに区画されていてもよい。2つの第2種保持エリア52の間に、必ずしも第1種保持エリア51が介在していなくてよく、第2種保持エリア52同士が隣り合っていてもよい。このような場合であっても、第2種保持エリア52同士の間に2つの区画壁61A,61Bが2重に介在していてもよい。
【0066】
〔プラグコネクタ〕
続いて、プラグコネクタ3の構成を詳細に説明する。上述したように、プラグコネクタ3は、回路基板102に取り付けられ、相手コネクタであるリセプタクルコネクタ2に接続される。図8図10に示すように、プラグコネクタ3は、複数のコンタクト7と、シェル8と、コンタクト保持部9とを有する。
【0067】
複数のコンタクト7は、回路基板102の複数の導体にそれぞれ電気的に接続され、リセプタクルコネクタ2の複数のコンタクト4にそれぞれ接触する。複数のコンタクト7は、互いに種別の異なるコンタクト7を含んでいてもよい。例えば複数のコンタクト7は、複数の第1種コンタクト7Aと、第1種コンタクト7Aとは異なる種別の少なくとも1つの第2種コンタクト7Bとを含む。一例として、プラグコネクタ3は6つのコンタクト7を含み、6つのコンタクト7は4つの第1種コンタクト7Aと2つの第2種コンタクト7Bとを含む。一例として、第2種コンタクト7Bは、第1種コンタクト7Aが伝送する信号に比較して高周波の信号を伝送するコンタクトである。
【0068】
図10に示すように、6つのコンタクト7のそれぞれは、接続部71と、接触部72と、連結部73とを有する。接続部71は、回路基板102の導体(例えば信号導体)に接続される。接触部72は、リセプタクルコネクタ2のコンタクト4に接触する。接続部71と接触部72とは互いに連結されている。
【0069】
接触部72は、第1部分721と、第2部分722と、連結部723とを有する。第1部分721と第2部分722とは、接続方向CD1に沿いリセプタクルコネクタ2に向かってそれぞれ突出し、コンタクト4の第1部分421と第2部分422とによって挟まれる。第1部分421と第2部分422との間において、例えば第1部分721は第1部分421に接触し、第2部分722は第2部分422に接触する。第1部分721が第2部分422に接触し、第2部分722が第1部分421に接触してもよい。連結部723は、第1部分721の先端部と第2部分722の先端部とを連結する。
【0070】
連結部73は、第2部分722の基部と接続部71とを連結する。連結部73は、接続方向CD1に垂直な面に沿って、第2部分722の基部から第1部分721に向かって延び、接続部71に接続されている。接続部71は、連結部73の延長線に沿って第1部分721の外面(第2部分722の反対に向かう面)から外方に向かって張り出している。コンタクト7は、金属の薄板から1枚の板材を打ち抜き、これに曲げ加工等を施すことで形成される。なお、接続部71は回路基板102に取り付け可能であればいかなる形状であってもよく、外方に向けて張り出さない形状であってもよい。
【0071】
シェル8は、複数のコンタクト7を包囲する導電性の部材である。シェル8は、リセプタクルコネクタ2から見て長方形に近似する外形の領域を包囲する(図11参照)。当該長方形は、長辺方向DL1に沿った一対の長辺8a,8bと、短辺方向DS1に沿った一対の短辺8c,8dとを有する。シェル8は、長辺8aに沿った側壁81A(エリア間接続部)と、長辺8bに沿った側壁81B(エリア間接続部)と、短辺8cに沿った側壁82Aと、短辺8dに沿った側壁82Bとを有する。
【0072】
図13に示すように、プラグコネクタ3がリセプタクルコネクタ2に嵌合された状態において、シェル8はシェル6の外周に位置する。この状態において、側壁81Aは、包囲壁62Aの側部622Aと、包囲壁62Bの側部622Aと、エリア間接続プレート64Aとに接触する。側壁81Bは、包囲壁62Aの側部622Bと、包囲壁62Bの側部622Bと、エリア間接続プレート64Bとに接触する。側壁82Aは、包囲壁62Aの対向部621に接触する。側壁82Bは、包囲壁62Bの対向部621に接触する。
【0073】
側壁81Aは、内面(側壁81Bに対向する面)に2箇所の凹部811を有する。同様に、側壁81Bも内面(側壁81Aに対向する面)に2箇所の凹部811を有する。2箇所の凹部811は、包囲壁62A及び包囲壁62Bの突起626とそれぞれ係合する。
【0074】
接続方向CD1において、側壁81A,81Bのそれぞれは、図9に示すように、回路基板102に対向する端縁813と、端縁813から突出して回路基板102に接する少なくとも1箇所のグランド接続部815とを有する。例えば側壁81A,81Bのそれぞれは、長辺方向DL1に沿って並ぶ3箇所のグランド接続部815を有する。側壁81A,81Bのそれぞれは、グランド接続部815において回路基板102のグランド導体に電気的に接続される。
【0075】
側壁81A,81Bのそれぞれは、回路基板102に対向しない端縁814と、端縁814に設けられた逃げ部816とを更に有する。側壁81A,81Bの逃げ部816は、エリア間接続プレート64A,64Bのグランド接続部641をそれぞれ受け入れる。
【0076】
側壁82Aは、図10に示すように、内面(側壁82Bに対向する面)に2箇所の凹部821を有する。当該2箇所の凹部821は、包囲壁62Aの2箇所の突起623とそれぞれ係合する。同様に、側壁82Bも内面(側壁82Aに対向する面)に2箇所の凹部821を有する。当該2箇所の凹部821は、包囲壁62Bの2箇所の突起623とそれぞれ係合する。
【0077】
接続方向CD1において、側壁82A,82Bのそれぞれは、図9に示すように、回路基板102に対向する端縁823と、端縁823から突出して回路基板102に接する少なくとも1箇所のグランド接続部825とを有する。例えば側壁82A,82Bのそれぞれは、短辺方向DS1に沿って並ぶ2箇所のグランド接続部825を有する。側壁82A,82Bのそれぞれは、グランド接続部825において回路基板102のグランド導体に電気的に接続される。
【0078】
シェル8は、図11に示すように、側壁82Aの短辺方向DS1における中間部(例えば2箇所のグランド接続部825の間)と、側壁82Bの短辺方向DS1における中間部(例えば2箇所のグランド接続部825の間)とにおいて、短辺方向DS1に並ぶ2つのシェル部材80A,80Bに分かれている。シェル部材80Aは上記側壁81Aを含み、シェル部材80Bは上記側壁81Bを含む。
【0079】
シェル部材80A,80Bのそれぞれは、例えば金属の薄板素材から1枚の板材を打ち抜き、これに曲げ加工等を施すことで形成される。このように、シェル8を2つの部材に分けることで、加工の容易化が図られている。
【0080】
なお、プラグコネクタ3のシェル8に使用される金属の薄板素材の厚み(板厚)は、リセプタクルコネクタ2のシェル6に使用される金属の薄板素材の厚み(板厚)よりも大きくしてもよい。リセプタクルコネクタ2とプラグコネクタ3とが嵌合した際に、プラグコネクタ3のシェル8が、リセプタクルコネクタ2のシェル6よりも外方に配置される。外方に配置されるシェル8の板厚を大きくすることで、嵌合した状態のコネクタ装置1としての剛性を高めることができる。
【0081】
コンタクト保持部9は、図8に示すように、複数のコンタクト7と、シェル8とを保持する絶縁性の部材である。例えばコンタクト保持部9は、複数のコンタクト7とシェル8とを配置した状態でのインサート成型によって形成される。
【0082】
コンタクト保持部9は、図12に示すように、枠部93と、本体部94とを有する。枠部93は、シェル8の少なくとも一部(例えば側壁82A,82B)を外周から保持する。本体部94は、側壁82A,82Bの間に配置され、枠部93に連結されている。本体部94は、図9及び図12に示すように、回路基板102に面する背面96と、背面96と逆向きの前面95とを有する。前面95は、リセプタクルコネクタ2に面する。本体部94は、接続方向CD1に垂直な方向において複数の保持エリアに区画されている。
【0083】
複数の保持エリアは、第1種保持エリア91と第2種保持エリア92とを含む。第1種保持エリア91は、複数のコンタクト7を保持する。例えば第1種保持エリア91は、複数(例えば4つ)の第1種コンタクト7Aを保持する。第2種保持エリア92は、1つのコンタクト7を保持して他のコンタクト7を保持しない。例えば第2種保持エリア92は、1つの第2種コンタクト7Bを保持する。
【0084】
複数の保持エリアは、2つの第2種保持エリア92を含んでいてもよく、複数の第2種保持エリア92の間に少なくとも1つの第1種保持エリア91が介在していてもよい。一例として、本体部94は、1つの第1種保持エリア91と、当該第1種保持エリア91を挟む2つの第2種保持エリア92とに区画されている。第1種保持エリア91と、2つの第2種保持エリア92とは、長辺方向DL1に沿って並んでいる。以下、2つの第2種保持エリア92を第2種保持エリア92A,92Bとして区別する。
【0085】
複数の保持エリアは、本体部94に形成された空隙により区画されていてもよい。例えば第2種保持エリア92Aと第1種保持エリア91とは、長辺方向DL1に垂直な境界PL21に沿って空隙S21により区画されている。第1種保持エリア91と第2種保持エリア92Bとは、長辺方向DL1に垂直な境界PL22に沿って空隙S22により区画されている。
【0086】
なお、ここでの空隙は、必ずしも接続方向CD1に沿って本体部94を貫通している必要はなく、接続方向CD1における少なくとも一部分が空隙となっていればよい。例えば空隙S21は、第2種保持エリア92Aの保持用隆起部921(後述)と、第1種保持エリア91の保持用隆起部911A,911B(後述)との間に形成されている。また、空隙S22は、第1種保持エリア91の保持用隆起部911A,911B(後述)と、第2種保持エリア92Bの保持用隆起部921(後述)との間に形成されている。
【0087】
コンタクト保持部9においては、図10に示すように、いずれのコンタクト7も、接続方向CD1から見て(リセプタクルコネクタ2から見て)、接続部71と接触部72との連結方向(互いに連結された接続部71と接触部72とが並ぶ方向)が同一の方向に沿うように配置されている。換言すると、いずれのコンタクト7も、接触部72とリセプタクルコネクタ2のコンタクト4との接触方向が同一の方向に沿うように配置されている。例えば、いずれの接触部72も、接続部71と接触部72との連結方向が短辺方向DS1に沿うように配置されている。リセプタクルコネクタ2から見て、全てのコンタクト7の接続部71がコンタクト保持部9の外縁(長辺方向DL1及び短辺方向DS1における最大寸法となる縁部)よりも内方に配置されている。
【0088】
第1種保持エリア91及び第2種保持エリア92のいずれも、同一方向(例えば長辺方向DL1)に沿った基部からリセプタクルコネクタ2に向かって突出した保持用隆起部を有する。第1種保持エリア91及び第2種保持エリア92のいずれにおいても、全てのコンタクト7の接触部72が保持用隆起部の側面に露出している。
【0089】
一例として、第1種保持エリア91は、図8及び図12に示すように、互いに平行な2つの保持用隆起部911A,911Bを有する。保持用隆起部911A,911Bは、本体部94の前面95に形成されており、長辺方向DL1に沿った基部からリセプタクルコネクタ2に向かって突出している。前面95において、保持用隆起部911Aはシェル8の長辺8a寄りに位置し、保持用隆起部911Bはシェル8の長辺8b寄りに位置している。
【0090】
第1種保持エリア91が保持する4つの第1種コンタクト7Aは、保持用隆起部911Aに沿って並ぶ2つの第1種コンタクト7Aと、保持用隆起部911Bに沿って並ぶ2つの第1種コンタクト7Aとを含む。すなわち、第1種保持エリア91が保持する複数の第1種コンタクト7Aは、長辺方向DL1(境界PL21,PL22に垂直な配列方向)に沿って並ぶ複数の第1種コンタクト7Aを含む。
【0091】
保持用隆起部911Aに沿って並ぶいずれの第1種コンタクト7Aも、図10に示すように、第1部分721及び第2部分722が保持用隆起部911Aの側面に露出するように保持用隆起部911Aに装着される。これにより、保持用隆起部911Aに沿って並ぶいずれの第1種コンタクト7Aも、接続方向CD1から見て接続部71と接触部72との連結方向が短辺方向DS1に沿うように配置されている。第2部分722は、第1種保持エリア91を前面95から背面96に貫通しており、連結部73は背面96に露出している。接続部71は、連結部73から長辺8aに向かって張り出している。保持用隆起部911Aの第1種コンタクト7Aにおいて、連結部73から長辺8aに向かって張り出した接続部71は、リセプタクルコネクタ2から見て本体部94と長辺8aとの間に露出している。これにより、回路基板102に対する接続部71の接続状態の目視確認が可能となっている。
【0092】
保持用隆起部911Bに沿って並ぶいずれの第1種コンタクト7Aも、図10に示すように、第1部分721及び第2部分722が保持用隆起部911Bの側面に露出するように保持用隆起部911Bに装着される。これにより、保持用隆起部911Bに沿って並ぶいずれの第1種コンタクト7Aも、接続方向CD1から見て接続部71と接触部72との連結方向が短辺方向DS1に沿うように配置されている。第2部分722は、第1種保持エリア91を前面95から背面96に貫通しており、連結部73は背面96に露出している。接続部71は、連結部73から長辺8bに向かって張り出している。保持用隆起部911Bの第1種コンタクト7Aにおいて、連結部73から長辺8bに向かって張り出した接続部71は、リセプタクルコネクタ2から見て本体部94と長辺8bとの間に露出している。これにより、回路基板102に対する接続部71の接続状態の目視確認が可能となっている。
【0093】
プラグコネクタ3がリセプタクルコネクタ2に嵌合した状態において、保持用隆起部911Aは収容溝部511Aに収容され、保持用隆起部911Bは収容溝部511Bに収容される(図13参照)。保持用隆起部911A,911Bのいずれにおいても、第1種コンタクト7Aの第1部分721は第1種コンタクト4Aの第1部分421に接触し、第1種コンタクト7Aの第2部分722は第1種コンタクト4Aの第2部分422に接触する。
【0094】
第2種保持エリア92A,92Bのそれぞれは、1つの保持用隆起部921を有する。保持用隆起部921は、本体部94の前面95に形成されており、長辺方向DL1に沿った基部からリセプタクルコネクタ2に向かって突出している。短辺方向DS1において、保持用隆起部921は長辺8aと長辺8bとの中間に位置している。
【0095】
第2種保持エリア92Aの保持用隆起部921は、図12に示すように、境界PL21に沿った空隙S21によって第1種保持エリア91の保持用隆起部911A,911Bと区画されている。第2種保持エリア92Bの保持用隆起部921は、境界PL22に沿った空隙S22によって第1種保持エリア91の保持用隆起部911A,911Bと区画されている。第2種保持エリア92A,92Bのそれぞれが保持する1つの第2種コンタクト7Bは、保持用隆起部921に配置されている。
【0096】
保持用隆起部921に配置された第2種コンタクト7Bは、図10に示される保持用隆起部911Bに配置された第1種コンタクト7Aと同様、第1部分721及び第2部分722が保持用隆起部921の側面に露出するように保持用隆起部921に装着される。これにより、保持用隆起部921に配置された第2種コンタクト7Bも、接続部71と接触部72との連結方向が短辺方向DS1に沿うように配置されている。第2部分722は、第2種保持エリア92を前面95から背面96に貫通しており、連結部73は背面96に露出している。接続部71は、連結部73から長辺8aに向かって張り出している。保持用隆起部921の第2種コンタクト7Bにおいて、連結部73から長辺8aに向かって張り出した接続部71は、リセプタクルコネクタ2から見て本体部94と長辺8aとの間に露出している。これにより、回路基板102に対する接続部71の接続状態の目視確認が可能となっている。
【0097】
第2種保持エリア92Aが保持する第2種コンタクト7Bは、境界PL21を介して第1種保持エリア91の第1種コンタクト7Aと隣り合う。第2種保持エリア92Bが保持する第2種コンタクト7Bは、境界PL22を介して第1種保持エリア91の第1種コンタクト7Aと隣り合う。このように、境界PL21,PL22を介して隣り合うコンタクト7の長辺方向DL1(上記配列方向)における間隔G21は、第1種保持エリア91内において長辺方向DL1に沿って隣り合うコンタクト7の間隔G22よりも大きい(図12参照)。
【0098】
プラグコネクタ3がリセプタクルコネクタ2に嵌合した状態において、保持用隆起部921は収容溝部521に収容される(図14参照)。保持用隆起部921において、第2種コンタクト7Bの第1部分721は第2種コンタクト4Bの第2部分422に接触し、第2種コンタクト7Bの第2部分722は第2種コンタクト4Bの第1部分421に接触する。
【0099】
以上のように構成されるプラグコネクタ3は、背面96を回路基板102に向けた状態で回路基板102に取り付けられる。回路基板102は、図15に例示するように、グランド導体露出部131,132,133,134,135,136,137,138と、信号導体露出部141,142,143,144,145,146とを有する。
【0100】
グランド導体露出部131,132,133,134,135,136,137,138は、回路基板102のグランド導体を露出させた部分である。グランド導体露出部131,132,133,134,135,136には、側壁81Aの3箇所のグランド接続部815と、側壁81Bの3箇所のグランド接続部815とがそれぞれ半田接合等により接続される。グランド導体露出部137には、側壁82Aの2箇所のグランド接続部825が半田接合等により接続される。グランド導体露出部138には、側壁82Bの2箇所のグランド接続部825が半田接合等により接続される。
【0101】
信号導体露出部141,142,143,144,145,146は、回路基板102の6つの信号導体をそれぞれ露出させた部分である。信号導体露出部141,142,143,144,145,146には、4つの第1種コンタクト7Aの接続部71と、2つの第2種コンタクト7Bの接続部71とがそれぞれ半田接合等により接続される。
【0102】
なお、以上の構成はあくまで一例であり、適宜変更可能である。例えばコンタクト保持部9は、少なくとも1つの第2種保持エリア92を有していればよく、必ずしも2つ以上の第2種保持エリア92を有しなくてよい。コンタクト保持部9は、4つ以上の保持エリアに区画されていてもよい。2つの第2種保持エリア92の間に、必ずしも第1種保持エリア91が介在していなくてよく、第2種保持エリア92同士が隣り合っていてもよい。
【0103】
〔本実施形態の効果〕
以上に説明したように、コネクタ装置1は、第1コネクタとしてのリセプタクルコネクタ2と、第2コネクタとしてのプラグコネクタ3と、を有している。このとき、リセプタクルコネクタ2は、回路基板101(第1基板)の複数の導体にそれぞれ接続される導電性の複数のコンタクト4(第1コンタクト)と、複数のコンタクト4を保持する絶縁性のコンタクト保持部5(第1コンタクト保持部)と、回路基板101のグランド導体に対して電気的に接続され、コンタクト保持部5を、複数のコンタクト4(第1種コンタクト4A)を保持する第1種保持エリア51と、1つのコンタクト4(第2種コンタクト4B)を保持して他のコンタクト4を保持しない第2種保持エリア52と、に区画する導電性の第1区画壁として機能する区画壁61A,61Bと、回路基板101のグランド導体に対して電気的に接続され、第2種保持エリア52の外周に沿って区画壁61A,61Bと並ぶ導電性の第1包囲壁として機能する包囲壁62A,62Bを有している。また、プラグコネクタ3は、回路基板102(第2基板)の複数の導体にそれぞれ接続されると共に、リセプタクルコネクタ2とプラグコネクタ3とが嵌合した際に、複数のコンタクト4に対してそれぞれ接触する、導電性の複数のコンタクト7(第2コンタクト)と、回路基板102のグランド導体に対して電気的に接続される導電性の第2包囲壁として機能する側壁81A,81B,82A,82Bと、を有している。
【0104】
また、リセプタクルコネクタ2とプラグコネクタ3とが嵌合した際に、第1種保持エリア51と第2種保持エリア52との間には、第1区画壁が一重に配置される。具体的には、第1種保持エリア51と第2種保持エリア52Aとの間には、区画壁61Aが一重に配置され、他の区画壁等は設けられない。また、第1種保持エリア51と第2種保持エリア52Bとの間には、区画壁61Bが一重に配置され、他の区画壁等は設けられない。また、第2種保持エリア52の外周には、第1包囲壁及び第2包囲壁が二重に配置される。具体的には、第2種保持エリア52Aの外周には、側壁81A,81B,82A及び包囲壁62Aが二重に配置され、第2種保持エリア52Bの外周には、側壁81A,81B,82B及び包囲壁62Bが二重に配置される。
【0105】
上記のコネクタ装置1によれば、リセプタクルコネクタ2(第1コネクタ)とプラグコネクタ3(第2コネクタ)とが嵌合した際に、第2種保持エリア52の外周では、第1包囲壁及び第2包囲壁が二重に配置される。そのため、第2種保持エリア52に配置されるノイズ源となりやすいコンタクトについてノイズの抑制を効果的に行うことができる。一方、第1種保持エリア51と第2種保持エリア52との間では、第1区画壁が一重に配置されている。このため、装置としての大型化を防ぎながら、第1種保持エリア51に保持されるコンタクトに対する第2種保持エリア52に保持されるコンタクトからのノイズを抑制している。
【0106】
リセプタクルコネクタ2(第1コネクタ)の区画壁61A,61B(第1区画壁)は、コンタクト保持部5(第1コンタクト保持部)を、2つの第2種保持エリア52の間に第1種保持エリア51が介在する状態に区画できるように、第1種保持エリアを挟んで2つ設けられている。また、包囲壁62A,62B(第1包囲壁)及び側壁81A,81B,82A,82B(第2包囲壁)は、2つの第2種保持エリア52のそれぞれの外周に対して二重に配置されてもよい。このような構成とすることで、それぞれの第2種保持エリアにノイズの影響を受け易い第1コンタクトが配置された場合であっても、これらの第1コンタクト同士を、ノイズの影響を受け難い距離に離間させつつ、コネクタ装置自体が大型化することも防がれる。
【0107】
リセプタクルコネクタ2(第1コネクタ)の区画壁61A,61B(第1区画壁)は、コンタクト保持部5(第1コンタクト保持部)を、2つの第2種保持エリア52の間に第1種保持エリア51が介在する状態に区画できるように、前記第1種保持エリアを挟んで2つ設けられてもよい。また、リセプタクルコネクタ2(第1コネクタ)は、一方の第2種保持エリア52(例えば、第2種保持エリア52A)の外周に配置される第1区画壁(例えば、区画壁61A)と、他方の第2種保持エリア52(例えば、第2種保持エリア52B)の外周に配置される第1区画壁(例えば、区画壁61B)とを電気的に接続する導電性のエリア間接続プレート64(第1エリア間接続部)を有していてもよい。また、プラグコネクタ3(第2コネクタ)は、リセプタクルコネクタ2(第1コネクタ)とプラグコネクタ3(第2コネクタ)とが嵌合した際に、一方の第2種保持エリア52(例えば、第2種保持エリア52A)の外周に配置される第2包囲壁と、他方の第2種保持エリア(例えば、第2種保持エリア52B)の外周に配置される第2包囲壁とを電気的に接続する導電性の側壁81A,81B(第2エリア間接続部)を有していてもよい。このような構成とすることで、第1エリア間接続部と第2エリア間接続部が第1種保持エリア51の外周に設けられることになり、第1種保持エリア51に保持されるコンタクトが受けるノイズを抑制することができる。
【0108】
プラグコネクタ3(第2コネクタ)は、コンタクト7(第2コンタクト)を保持する絶縁性のコンタクト保持部9(第2コンタクト保持部)をさらに有し、コンタクト保持部9は、枠部93と、本体部94と、を有してもよい。また、枠部93と、側壁81A,81B,82A,82B(第2包囲壁および第2エリア間接続部)と、によってプラグコネクタ3(第2コネクタ)の外周に沿った環状構造が形成され、環状構造の内部において、枠部93と連結されるように本体部94が設けられていてもよい。ここで、リセプタクルコネクタ2(第1コネクタ)とプラグコネクタ3(第2コネクタ)とが嵌合した際に、本体部94は、区画壁61A,61B(第1区画壁)によって、複数のコンタクト7(第1種コンタクト7A;第2コンタクト)を保持する第1種保持エリア91と、1つのコンタクト7(第2種コンタクト7B;第2コンタクト)を保持して他のコンタクト7(第2コンタクト)を保持しない第2種保持エリア92と、に区画されてもよい。このような構成とすることで、プラグコネクタ3(第2コネクタ)が大型化することが防がれ、コネクタ装置としての小型化を実現することができる。
【0109】
リセプタクルコネクタ2(第1コネクタ)は、第2種保持エリア52内で、区画壁61A,61B(第1区画壁)と包囲壁62A,62B(第1包囲壁)とを互いに電気的に接続する導電性のエリア内接続プレート63(エリア内接続部)を有していてもよい。この場合、第2種保持エリアに配置されるコンタクトを他のコンタクトからより隔離することで、ノイズの抑制をより確実に図ることができる。
【0110】
エリア内接続プレート63(エリア内接続部)は、プラグコネクタ3(第2コネクタ)への接続方向に交差するように広がっていてもよい。この場合、第2種保持エリア52に配置されるコンタクト4を他のコンタクト4からより隔離することで、ノイズの抑制をより確実に図ることができる。
【0111】
エリア内接続プレート63(エリア内接続部)は、プラグコネクタ3(第2コネクタ)に面するように広がっていてもよい。この場合、エリア内接続部を、相手コネクタとの接続におけるガイドとしても利用することができる。
【0112】
包囲壁62A,62B(第1包囲壁)及び側壁81A,81B,82A,82B(第2包囲壁)のいずれか一方は、第2種保持エリア52(92)の外周の一部で分断されていてもよい。第1包囲壁及び第2包囲壁のいずれか一方が一部で分断された構成とすることで、ノイズの抑制を確実に行いつつ、コネクタ装置としての大型化を防ぐことができる。
【0113】
複数のコンタクト4(第1コンタクト)及び複数のコンタクト7(第2コンタクト)のいずれか一方は、複数のコンタクトのそれぞれが、基板の導体に接続される接続部と、相手コネクタのコンタクトに接触する接触部と、接続部と接触部とを連結する連結部とを有し、リセプタクルコネクタ2(第1コネクタ)とプラグコネクタ3(第2コネクタ)とが嵌合した際に、相手コネクタから見て、第1種保持エリア51(91)に配置されるコンタクトの連結部による接触部と接続部との連結方向と、第2種保持エリア52(92)に配置されるコンタクトの連結部による接触部と接続部との連結方向と、が互いに交差していてもよい。つまり、プラグコネクタ3から見て、第1種コンタクト4Aの連結部43による接続部41と接触部42との連結方向と、第2種コンタクト4Bの連結部43による接続部41と接触部42との連結方向と、が互いに交差していてもよい。リセプタクルコネクタ2から見て、第1種コンタクト7Aの連結部73による接続部71と接触部72との連結方向と、第2種コンタクト7Bの連結部73による接続部71と接触部72との連結方向と、が互いに交差していてもよい。
【0114】
以下、第1種保持エリアに配置されるコンタクト(第1種コンタクト4A,7Aの連結部43,73)による接触部42,72と接続部41,71との連結方向と、第2種エリアに配置されるコンタクト(第2種コンタクト4B,7B)の連結部43,73による接触部42,72と接続部41,71との連結方向との両方に沿う面を「配置面」という。ここで、接触部42,72と接続部41,71とが連結部43,73により連結されるコンタクトにおいては、連結方向に沿った側面(以下、「第1側面」という。)の幅が、連結方向に垂直な側面(以下、「第2側面」という。)の幅よりも大きくなる傾向がある。なお、ここでの「側面」は、配置面に垂直な面を意味し、「幅」は、配置面に沿う方向における幅を意味する。第1種コンタクト4A,7Aの連結部43,73による接触部42,72と接続部41,71との連結方向と、第2種コンタクト4B,7Bの連結部43,73による接触部42,72と接続部41,71との連結方向と、が互いに交差する構成によれば、いかなる配置によっても、第1種コンタクト4A,7Aの第1側面と、第2種コンタクト4B,7Bの第1側面とが対向し難くなる。これにより、第1種エリアに配置されるコンタクトと第2種エリアに配置されるコンタクトとの間のノイズ伝播を抑制しつつ、コネクタの小型化に適したコンタクト配置を採用することができる。
【0115】
リセプタクルコネクタ2(第1コネクタ)の区画壁61A,61B(第1区画壁)は、コンタクト保持部5(第1コンタクト保持部)を、2つの第2種保持エリア52の間に第1種保持エリア51が介在する状態に区画できるように、第1種保持エリア51を挟んで2つ設けられてもよい。また、リセプタクルコネクタ2(第1コネクタ)は、リセプタクルコネクタ2(第1コネクタ)とプラグコネクタ3(第2コネクタ)とが嵌合した際に、一方の第2種保持エリア52(例えば、第2種保持エリア52A)の外周に配置される第1区画壁(例えば、区画壁61A)と、他方の第2種保持エリア52(例えば、第2種保持エリア52B)の外周に配置される第1区画壁(例えば、区画壁61B)とを電気的に接続する導電性のエリア間接続プレート64(第1エリア間接続部)を有していてもよい。このとき、第1種保持エリア51に配置される第1種コンタクト4A(第1コンタクト)は、それぞれ、基板の導体に接続される接続部41を有していてもよい。第1種保持エリア51に配置される第1種コンタクト4A(第1コンタクト)の接続部41は、エリア間接続プレート64(第1エリア間接続部)に向かって張り出すように配置され、平面視において、第1種保持エリア51に配置される第1種コンタクト4A(第1コンタクト)の接続部41の目視確認が可能となっていてもよい。第1エリア間接続部に対して第1種保持エリアに配置されるコンタクトの接続部が対向して配置することによって、第1エリア間接続部によって更なるノイズの抑制を図ることができる。また、平面視において第1種保持エリアに配置されるコンタクトの接続部の目視確認が可能である場合、接続部の基板に対する実装状態を適切に監視することができる。
【0116】
第1コネクタは、リセプタクルコネクタ2であって、第2コネクタは、プラグコネクタ3であって、第1コネクタと第2コネクタとが嵌合した際に、第2包囲壁が第1包囲壁に対して外方に設けられてもよい。このような構成を有することで、プラグコネクタ3の第2包囲壁がエリア内接続プレート63(エリア内接続部)を有するリセプタクルコネクタ2よりも外方に設けられるため、相手コネクタとの接続におけるガイド性を高めることができる。
【0117】
リセプタクルコネクタ2は、基板に取り付けられプラグコネクタ3に接続される(嵌合する)コネクタであって、回路基板101の複数の信号導体露出部121~126にそれぞれ接続される導電性の複数のコンタクト4と、複数のコンタクト4を保持する絶縁性のコンタクト保持部5と、回路基板101のグランド導体露出部111~116に電気的に接続され、コンタクト保持部5を複数の保持エリアに区画する少なくとも1つの導電性の区画壁61と、を備え、複数の保持エリアは、複数のコンタクト4を保持する第1種保持エリア51と、1つのコンタクト4を保持して他のコンタクト4を保持しない第2種保持エリア52とを含む。
【0118】
このリセプタクルコネクタ2によれば、ノイズ源となり難い複数のコンタクト4(例えば低周波信号用のコンタクト)を第1種保持エリア51にまとめて配置し、ノイズ源となり易く、一方でノイズの影響を受け易いコンタクト4(例えば高周波信号用のコンタクト)を他のコンタクト4から隔離して第2種保持エリア52に配置することで、小型化と、ノイズの抑制との両立を図ることができる。
【0119】
複数のコンタクト4は、第1種保持エリア51に配置される複数の第1種コンタクト4Aと、複数の第1種コンタクト4Aとは異なる種別のコンタクトであり第2種保持エリア52に配置される第2種コンタクト4Bとを含んでいてもよい。この場合、第1種保持エリア51及び第2種保持エリア52をコンタクト4の種別によって使い分けることで、ノイズの抑制をより確実に図ることができる。
【0120】
複数の保持エリアは、2つの第2種保持エリア52A,52Bを含み、少なくとも1つの区画壁61は、2つの第2種保持エリア52A,52B同士の間に2重に介在する2つの区画壁61A,61Bを含んでいてもよい。この場合、第2種保持エリア52A,52B同士の間に2重の区画壁61A,61Bが介在することで、第2種保持エリア52A,52Bに配置されるコンタクト4同士をより隔離することができる。従って、ノイズの抑制をより確実に図ることができる。
【0121】
少なくとも1つの第1種保持エリア51が、2つの区画壁61A,61Bの間に介在していてもよい。この場合、第1種保持エリア51の介在により第2種保持エリア52A,52B同士が互いに遠ざかるので、第2種保持エリア52A,52Bに配置されるコンタクト4同士をより隔離することができる。従って、ノイズの抑制をより確実に図ることができる。
【0122】
リセプタクルコネクタ2は、第2種保持エリア52の外周に沿って区画壁61と並ぶ導電性の包囲壁62を更に備えていてもよい。この場合、第2種保持エリア52に配置されるコンタクト4を他のコンタクト4からより隔離することで、ノイズの抑制をより確実に図ることができる。
【0123】
リセプタクルコネクタ2は、第2種保持エリア52の外周に沿って並ぶ区画壁61と包囲壁62とを互いに電気的に接続する導電性のエリア内接続プレート63を更に備えていてもよい。この場合、第2種保持エリア52に配置されるコンタクト4を他のコンタクト4からより隔離することで、ノイズの抑制をより確実に図ることができる。
【0124】
エリア内接続プレート63は、プラグコネクタ3への接続方向CD1に交差するように広がっていてもよい。この場合、第2種保持エリア52に配置されるコンタクト7を他のコンタクト4からより隔離することで、ノイズの抑制をより確実に図ることができる。
【0125】
エリア内接続プレート63は、プラグコネクタ3に面するように配置されていてもよい。この場合、エリア内接続プレート63を、プラグコネクタ3との接続におけるガイドとしても利用することができる。
【0126】
リセプタクルコネクタ2は、第2種保持エリア52の外周に沿って区画壁61と並ぶ導電性の包囲壁62を2つの第2種保持エリア52ごとに更に備えていてもよく、第2種保持エリア52の外周に沿って並ぶ区画壁61と包囲壁62とを互いに電気的に接続する導電性のエリア内接続プレート63を2つの第2種保持エリア52A,52Bごとに更に備えていてもよい。リセプタクルコネクタ2は、一方の第2種保持エリア52Aの外周の区画壁61Aと、他方の第2種保持エリア52Bの外周の区画壁61Bとを電気的に接続する導電性のエリア間接続プレート64を更に備えていてもよい。この場合、第2種保持エリア52に配置されるコンタクト4を他のコンタクト4からより隔離することで、ノイズの抑制をより確実に図ることができる。
【0127】
少なくとも1つの第1種保持エリア51が2つの区画壁61A,61Bの間に介在しており、エリア間接続プレート64は、第1種保持エリア51の外周に沿っていてもよい。この場合、エリア間接続プレート64が第1種保持エリア51の外周に配置されるので、第1種保持エリア51における複数のコンタクト4の配置スペースを確保し易い。また、区画壁61及びエリア間接続プレート64によって第1種保持エリアが囲まれるので、第1種保持エリア51の複数のコンタクト4を他のコンタクト4からより隔離することができる。このため、ノイズの抑制をより確実に図ることができる。
【0128】
複数のコンタクト4のそれぞれは、回路基板101の信号導体露出部121~126に接続される接続部41を有し、2つの区画壁61A,61Bに沿う方向において、接続部41はエリア間接続プレート64に対向していてもよい。この場合、エリア間接続プレート64とコンタクト4の接続部41との間の隙間によって、更なるノイズの抑制を図ることができる。
【0129】
区画壁61は回路基板101に接する端縁611を有し、当該端縁611において回路基板101のグランド導体露出部111,112に電気的に接続されてもよい。この場合、区画壁61による電気的な遮蔽作用を強めることで、ノイズ抑制をより確実に図ることができる。
【0130】
リセプタクルコネクタ2は、回路基板101に取り付けられプラグコネクタ3に接続されるコネクタであって、回路基板101の複数の信号導体露出部121~126にそれぞれ接続される導電性の複数のコンタクト4と、複数のコンタクト4を保持する絶縁性のコンタクト保持部5と、を備え、コンタクト保持部5は、第1種保持エリア51と、第1種保持エリア51を挟む2つの第2種保持エリア52A,52Bとに区画されており、第1種保持エリア51は複数のコンタクト4を保持し、第2種保持エリアは1つのコンタクト4を保持して他のコンタクト4を保持しない。プラグコネクタ3は、回路基板102に取り付けられリセプタクルコネクタ2に接続されるコネクタであって、回路基板102の複数の信号導体露出部141~146にそれぞれ接続される導電性の複数のコンタクト7と、複数のコンタクト7を保持する絶縁性のコンタクト保持部9と、を備え、コンタクト保持部9は、第1種保持エリア91と、第1種保持エリア91を挟む2つの第2種保持エリア92A,92Bとに区画されており、第1種保持エリア91は複数のコンタクト7を保持し、第2種保持エリアは1つのコンタクト7を保持して他のコンタクト7を保持しない。
【0131】
このリセプタクルコネクタ2及びプラグコネクタ3によれば、ノイズ源となり難い複数のコンタクト4,7を第1種保持エリア51,91にまとめて配置し、ノイズ源となり易く、一方でノイズの影響を受け易いコンタクト4,7を他のコンタクト4,7から隔離して第2種保持エリア52A,52B,92A,92Bに配置することで、小型化と、ノイズの抑制との両立を図ることができる。
【0132】
複数のコンタクト4は、第1種保持エリア51に配置される複数の第1種コンタクト4Aと、複数の第1種コンタクト4Aとは異なる種別のコンタクト4であり第2種保持エリア52A,52Bに配置される第2種コンタクト4Bとを含んでいてもよい。複数のコンタクト7は、第1種保持エリア91に配置される複数の第1種コンタクト7Aと、複数の第1種コンタクト7Aとは異なる種別のコンタクト7であり第2種保持エリア92A,92Bに配置される第2種コンタクト7Bとを含んでいてもよい。この場合、第1種保持エリア51,91及び第2種保持エリア52A,52B,92A,92Bをコンタクト4,7の種別によって使い分けることで、ノイズの抑制をより確実に図ることができる。
【0133】
第2種コンタクト4Bは、第1種コンタクト4Aが伝送する信号に比較して高周波の信号を伝送するコンタクトであってもよい。第2種コンタクト7Bは、第1種コンタクト7Aが伝送する信号に比較して高周波の信号を伝送するコンタクトであってもよい。この場合、高周波の信号を伝送するコンタクト4,7を他のコンタクト4,7から隔離して第2種保持エリア52A,52B,92A,92Bに配置することで、ノイズの抑制をより確実に図ることができる。
【0134】
第1種保持エリア51と、第1種保持エリア51を挟む2つの第2種保持エリア52A,52Bとは、コンタクト保持部5に形成された空隙S11,S12により区画されていてもよい。第1種保持エリア91と、第1種保持エリア91を挟む2つの第2種保持エリア92A,92Bとは、コンタクト保持部9に形成された空隙S21,S22により区画されていてもよい。この場合、空隙S11,S12,S21,S22への導電性部材の配置によって、ノイズの抑制をより確実に図ることができる。
【0135】
複数のコンタクト4のそれぞれは、回路基板101の信号導体露出部121~126に接続される接続部41と、プラグコネクタ3のコンタクト7に接触する接触部42と、接続部41と接触部42とを連結する連結部43とを有し、複数のコンタクト4のいずれも、連結部43による接触部42と接続部41との連結方向が、プラグコネクタ3から見て同一の方向に沿うように配置されていてもよい。複数のコンタクト7のそれぞれは、回路基板102の信号導体露出部141~146に接続される接続部71と、リセプタクルコネクタ2のコンタクト4に接触する接触部72と、接続部71と接触部72とを連結する連結部73とを有し、複数のコンタクト7のいずれも、連結部73による接触部72と接続部71との連結方向が、リセプタクルコネクタ2から見て同一の方向に沿うように配置されていてもよい。この場合、接触部42,72と接続部41,71とが並ぶ方向を揃えることで、より確実に小型化を図ることができる。
【0136】
複数のコンタクト4のそれぞれは、回路基板101の信号導体露出部121~126に接続される接続部41と、プラグコネクタ3のコンタクト7に接触する接触部42を有し、複数のコンタクト4のいずれも、接触部42とプラグコネクタ3のコンタクト7との接触方向が、プラグコネクタ3から見て同一の方向に沿うように配置されていてもよい。複数のコンタクト7のそれぞれは、回路基板102の信号導体露出部141~146に接続される接続部71と、リセプタクルコネクタ2のコンタクト4に接触する接触部72を有し、複数のコンタクト7のいずれも、接触部72とリセプタクルコネクタ2のコンタクト4との接触方向が、リセプタクルコネクタ2から見て同一の方向に沿うように配置されていてもよい。この場合、コンタクト4,7の配置方向を揃えることで、より確実に小型化を図ることができる。
【0137】
第1種保持エリア91及び第2種保持エリア92A,92Bのいずれも、同一方向に沿った基部からリセプタクルコネクタ2に向かって突出した保持用隆起部911A,911B,921を有し、第1種保持エリア91及び第2種保持エリア92A,92Bのいずれにおいても、全てのコンタクト7の接触部が保持用隆起部911A,911B,921の外側面913,914,923,924に露出していてもよい。この場合、保持用隆起部911A,911B,921によりコンタクト7の配置方向を揃えることで、より確実に小型化を図ることができる。
【0138】
第1種保持エリア51及び第2種保持エリア52A,52Bのいずれも、同一方向に沿った収容溝部511A,511B,521を有し、第1種保持エリア51及び第2種保持エリア52A,52Bのいずれにおいても、全てのコンタクト4の接触部42が収容溝部511A,511B,521に露出するように配置されていてもよい。この場合、収容溝部511A,511B,521によりコンタクト4の配置方向を揃えることで、より確実に小型化を図ることができる。
【0139】
プラグコネクタ3から見て、第1種コンタクト4Aの連結部43による接続部41と接触部42との連結方向と、第2種コンタクト4Bの連結部43による接続部41と接触部42との連結方向と、が互いに交差していてもよい。リセプタクルコネクタ2から見て、第1種コンタクト7Aの連結部73による接続部71と接触部72との連結方向と、第2種コンタクト7Bの連結部73による接続部71と接触部72との連結方向と、が互いに交差していてもよい。以下、第1種コンタクト4A,7Aの連結部43,73による接触部42,72と接続部41,71との連結方向と、第2種コンタクト4B,7Bの連結部43,73による接触部42,72と接続部41,71との連結方向との両方に沿う面を「配置面」という。接触部42,72と接続部41,71とが連結部43,73により連結されるコンタクトにおいては、連結方向に沿った側面(以下、「第1側面」という。)の幅が、連結方向に垂直な側面(以下、「第2側面」という。)の幅よりも大きくなる傾向がある。なお、ここでの「側面」は、配置面に垂直な面を意味し、「幅」は、配置面に沿う方向における幅を意味する。第1種コンタクト4A,7Aの連結部43,73による接触部42,72と接続部41,71との連結方向と、第2種コンタクト4B,7Bの連結部43,73による接触部42,72と接続部41,71との連結方向と、が互いに交差する構成によれば、いかなる配置によっても、第1種コンタクト4A,7Aの第1側面と、第2種コンタクト4B,7Bの第1側面とが対向し難くなる。これにより、第1種コンタクト4A,7Aと第2種コンタクト4B,7Bとの間のノイズ伝播を抑制しつつ、コネクタの小型化に適したコンタクト配置を採用することができる。
【0140】
プラグコネクタ3から見て、第1種コンタクト4Aの連結部43による接触部42と接続部41との連結方向と、他の第1種コンタクト4Aの連結部43による接触部42と接続部41との連結方向と、が互いに平行であってもよい。リセプタクルコネクタ2から見て、第1種コンタクト7Aの連結部73による接触部72と接続部71との連結方向と、他の第1種コンタクト7Aの連結部73による接触部72と接続部71との連結方向と、が互いに平行であってもよい。この場合、第1種コンタクト4A,7Aの第1側面と、他の第1種コンタクト4A,7Aの第1側面とを対向させることによって、コネクタの更なる小型化を図り易くなる。
【0141】
プラグコネクタ3から見て、第1種コンタクト4Aの接触部42がプラグコネクタ3のコンタクト7に接触する方向と、第2種コンタクト4Bの接触部42がプラグコネクタ3のコンタクトに接触する方向と、が互いに交差していてもよい。リセプタクルコネクタ2から見て、第1種コンタクト7Aの接触部72がリセプタクルコネクタ2のコンタクト4に接触する方向と、第2種コンタクト7Bの接触部72がリセプタクルコネクタ2のコンタクト4に接触する方向と、が互いに交差していてもよい。以下、コンタクト(自コネクタのコンタクト)と、これに接触する相手コネクタのコンタクトとの組み合わせを、「コンタクト結合体」という。また、自コネクタのコンタクトが相手コネクタのコンタクトに接触する方向を「接触方向」という。第1種コンタクト4A,7Aの接触方向と、第2種コンタクト4B,7Bの接触方向との両方に沿う面を「配置面」という。コンタクト結合体においては、接触方向に沿った側面(以下、「第1側面」という。)の幅が、接触方向に垂直な側面(以下、「第2側面」という。)の幅よりも大きくなる傾向がある。なお、ここでの「側面」は、配置面に垂直な面を意味し、「幅」は、配置面に沿う方向における幅を意味する。第1種コンタクト4A,7Aの接触部42,72が相手コネクタのコンタクトに接触する方向と、第2種コンタクト4B,7Bの接触部42,72が相手コネクタのコンタクトに接触する方向と、が互いに交差する構成によれば、いかなる配置によっても第1種コンタクト4A,7Aのコンタクト結合体の第1側面と、第2種コンタクト4B,7Bのコンタクト結合体の第1側面とが対向し難くなる。これにより、第1種コンタクト4A,7Aのコンタクト結合体と第2種コンタクト4B,7Bのコンタクト結合体との間のノイズ伝播を抑制しつつ、コネクタの小型化に適したコンタクト配置を採用することができる。
【0142】
プラグコネクタ3から見て、第1種コンタクト4Aの接触部42がプラグコネクタ3のコンタクト7に接触する方向と、他の第1種コンタクト4Aの接触部42がプラグコネクタ3のコンタクト7に接触する方向と、が互いに平行となってもよい。リセプタクルコネクタ2から見て、第1種コンタクト7Aの接触部72がリセプタクルコネクタ2のコンタクト4に接触する方向と、他の第1種コンタクト7Aの接触部72がリセプタクルコネクタ2のコンタクト4に接触する方向と、が互いに平行となってもよい。この場合、第1種コンタクト4A,7Aのコンタクト結合体の第1側面と、他の第1種コンタクト4A,7Aのコンタクト結合体の第1側面とを対向させることによって、コネクタの更なる小型化を図り易くなる。
【0143】
第1種保持エリア91は、一方向に沿った基部からプラグコネクタ3に向かって突出した保持用隆起部911A,911Bを有し、第2種保持エリア92は、一方向に交差する方向に沿った基部からプラグコネクタ3に向かって突出した保持用隆起部921を有し、第1種保持エリア91及び第2種保持エリア92のいずれにおいても、全てのコンタクト7の接触部72が保持用隆起部911A,911B,921の側面に露出していてもよい。この場合、保持用隆起部911A,911B,921により、第1種コンタクト7Aの上記連結方向と第2種コンタクト7Bの上記連結方向とをより確実に交差させ、第1種コンタクト7Aの上記接触方向と第2種コンタクト7Bの上記接触方向とをより確実に交差させることができる。それによって、コネクタの更なる小型化を図り易くなる。
【0144】
第1種保持エリア51は、一方向に沿った収容溝部511A,511Bを有し、第2種保持エリア52は、一方向に交差する方向に沿った収容溝部521を有し、第1種保持エリア51及び第2種保持エリア52のいずれにおいても、全てのコンタクト4の接触部42が収容溝部511A,511B,521に露出するように配置されていてもよい。この場合、収容溝部511A,511B,521により、第1種コンタクト4Aの上記連結方向と第2種コンタクト4Bの上記連結方向とをより確実に交差させ、第1種コンタクト4Aの上記接触方向と第2種コンタクト4Bの上記接触方向とをより確実に交差させることができる。それによって、コネクタの更なる小型化を図り易くなる。
【0145】
プラグコネクタ3から見て、全てのコンタクト4の接続部41がコンタクト保持部5の外縁(長辺方向DL1及び短辺方向DS1における最大寸法となる縁部)よりも内方に配置されていてもよい。リセプタクルコネクタ2から見て、全てのコンタクト7の接続部71がコンタクト保持部9の外縁(長辺方向DL1及び短辺方向DS1における最大寸法となる縁部)よりも内方に配置されていてもよい。
【0146】
第1種保持エリア51に配置される複数のコンタクト4は、当該第1種保持エリア51と第2種保持エリア52A,52Bとの境界PL11,PL12に垂直な配列方向に沿って並ぶ複数のコンタクト4を含み、境界PL11,PL12を介して隣り合うコンタクト4の配列方向における間隔G11は、第1種保持エリア51内において配列方向に沿って隣り合うコンタクト4の間隔G12よりも大きくてもよい。第1種保持エリア91に配置される複数のコンタクト7は、当該第1種保持エリア91と第2種保持エリア92A,92Bとの境界PL21,PL22に垂直な配列方向に沿って並ぶ複数のコンタクト7を含み、境界PL21,PL22を介して隣り合うコンタクト7の配列方向における間隔G21は、第1種保持エリア91内において配列方向に沿って隣り合うコンタクト7の間隔G22よりも大きくてもよい。この場合、第2種コンタクト4B,7Bを他のコンタクト4,7からより隔離することで、ノイズの抑制をより確実に図ることができる。
【0147】
以上、実施形態について説明したが、本開示は必ずしも上述した実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変更が可能である。例えば、上述の実施形態は、1つの信号が1つのコンタクトにより伝送されることを前提としているが、差動信号のように1つの信号が1対(2つ)のコンタクトにより伝送される場合もある。このような場合、図16及び図17に示すように、第2種保持エリア52が1対の第2種コンタクト4Bを保持し、第2種保持エリア92が1対の第2種コンタクト7Bを保持してもよい。すなわち、コンタクト保持部5の複数の保持エリアは、複数の信号を伝送する複数のコンタクト4を保持する第1種保持エリア51と、1つの信号を伝送する1対のコンタクト4を保持して他のコンタクト4を保持しない第2種保持エリア52とを含んでもよい。また、コンタクト保持部9の複数の保持エリアは、複数の信号を伝送する複数のコンタクト7を保持する第1種保持エリア91と、1つの信号を伝送する1対のコンタクト7を保持して他のコンタクト7を保持しない第2種保持エリア92とを含んでもよい。
【0148】
リセプタクルコネクタ2においては、接続方向CD1から見て(プラグコネクタ3から見て)、第1種コンタクト4Aの連結部43による接続部41と接触部42との連結方向と、第2種コンタクト4Bの連結部43による接続部41と接触部42との連結方向と、が互いに交差(例えば直交)していてもよい。第1種コンタクト4Aの連結部43による接続部41と接触部42との連結方向と、他の第1種コンタクト4Aの連結部43による接続部41と接触部42との連結方向と、は互いに平行であってもよい。
【0149】
接続方向CD1から見て、第1種コンタクト4Aの接触部42がプラグコネクタ3のコンタクト7に接触する方向と、第2種コンタクト4Bの接触部42がプラグコネクタ3のコンタクト7に接触する方向と、が互いに交差していてもよい。第1種コンタクト4Aの接触部42がプラグコネクタ3のコンタクト7に接触する方向と、他の第1種コンタクト4Aの接触部42がプラグコネクタ3のコンタクト7に接触する方向と、は互いに平行となってもよい。
【0150】
図18図19及び図20は、第1種コンタクト4Aの連結部43による接続部41と接触部42との連結方向と、第2種コンタクト4Bの連結部43による接続部41と接触部42との連結方向と、が互いに交差する場合の一例を示している。いずれにおいても、コンタクト保持部5及びシェル6の図示は省略されている。図18図19及び図20の例では、いずれの第1種コンタクト4Aにおいても、連結部43が接続部41と接触部42とを連結する方向は短辺方向DS1に沿っており、接触部42がコンタクト7に接触する方向も短辺方向DS1に沿う。これに対し、第2種コンタクト4Bにおいて連結部43が接続部41と接触部42とを連結する方向は長辺方向DL1に沿っており、接触部42がコンタクト7に接触する方向も長辺方向DL1に沿う。図18図19及び図20の構成においても、接続方向CD1から見て、全てのコンタクト4の接続部41がコンタクト保持部5の外縁(長辺方向DL1及び短辺方向DS1における最大寸法となる縁部)よりも内方に配置されている。本構成においては、第1種保持エリア51の収容溝部511A,511Bは長辺方向DL1に沿うのに対し、第2種保持エリア52A,52Bの収容溝部521は短辺方向DS1に沿う(図20参照)。
【0151】
第1種コンタクト4Aの連結部43が接続部41と接触部42とを連結する方向が長辺方向DL1に沿い、第2種コンタクト4Bの連結部43が接続部41と接触部42とを連結する方向が短辺方向DS1に沿っていてもよい。この場合、第1種保持エリア51において、複数の第1種コンタクト4Aが短辺方向DS1に沿って並んでいてもよい。
【0152】
プラグコネクタ3においては、接続方向CD1から見て(リセプタクルコネクタ2から見て)、第1種コンタクト7Aの連結部73による接続部71と接触部72との連結方向と、第2種コンタクト7Bの連結部73による接続部71と接触部72との連結方向と、が互いに交差(例えば直交)していてもよい。第1種コンタクト7Aの連結部73による接続部71と接触部72との連結方向と、他の第1種コンタクト7Aの連結部73による接続部71と接触部72との連結方向と、は互いに平行であってもよい。
【0153】
接続方向CD1から見て、第1種コンタクト7Aの接触部72がリセプタクルコネクタ2のコンタクト4に接触する方向と、第2種コンタクト7Bの接触部72がリセプタクルコネクタ2のコンタクト4に接触する方向と、が互いに交差していてもよい。第1種コンタクト7Aの接触部72がリセプタクルコネクタ2のコンタクト4に接触する方向と、他の第1種コンタクト7Aの接触部72がリセプタクルコネクタ2のコンタクト4に接触する方向と、は互いに平行となってもよい。
【0154】
図21図22及び図23は、第1種コンタクト7Aの連結部73による接続部71と接触部72との連結方向と、第2種コンタクト7Bの連結部73による接続部71と接触部72との連結方向と、が互いに交差する場合の一例を示している。いずれにおいても、シェル8及びコンタクト保持部9の図示は省略されている。図21図22及び図23の例では、いずれの第1種コンタクト7Aにおいても、連結部73が接続部71と接触部72とを連結する方向は短辺方向DS1に沿っており、接触部72がコンタクト4に接触する方向も短辺方向DS1に沿う。これに対し、第2種コンタクト7Bにおいて連結部73が接続部71と接触部72とを連結する方向は長辺方向DL1に沿っており、接触部72がコンタクト4に接触する方向も長辺方向DL1に沿う。図21図22及び図23の構成においても、接続方向CD1から見て、全てのコンタクト7の接続部71がコンタクト保持部9の外縁(長辺方向DL1及び短辺方向DS1における最大寸法となる縁部)よりも内方に配置されている。本構成においては、第1種保持エリア91の保持用隆起部911A,911Bは長辺方向DL1に沿うのに対し、第2種保持エリア92の保持用隆起部921は短辺方向DS1に沿う(図23参照)。
【0155】
なお、第1種コンタクト7Aの連結部73が接続部71と接触部72とを連結する方向が長辺方向DL1に沿い、第2種コンタクト7Bの連結部73が接続部71と接触部72とを連結する方向が短辺方向DS1に沿っていてもよい。この場合、第1種保持エリア91において、複数の第1種コンタクト7Aが短辺方向DS1に沿って並んでいてもよい。
【0156】
(付記)
本開示の一側面に係るコネクタは、基板に取り付けられ相手コネクタに接続されるコネクタであって、基板の複数の導体にそれぞれ接続される導電性の複数のコンタクトと、複数のコンタクトを保持する絶縁性のコンタクト保持部と、基板のグランドに電気的に接続され、コンタクト保持部を複数の保持エリアに区画する少なくとも1つの導電性の区画壁と、を備え、複数の保持エリアは、複数のコンタクトを保持する第1種保持エリアと、1つのコンタクトを保持して他のコンタクトを保持しない第2種保持エリアとを含む。
【0157】
このコネクタによれば、ノイズ源となり難い複数のコンタクトを第1種保持エリアにまとめて配置し、ノイズ源となり易く、一方でノイズの影響を受け易いコンタクトを他のコンタクトから隔離して第2種保持エリアに配置することで、小型化と、ノイズの抑制との両立を図ることができる。
【0158】
複数のコンタクトは、第1種保持エリアに配置される複数の第1種コンタクトと、複数の第1種コンタクトとは異なる種別のコンタクトであり第2種保持エリアに配置される第2種コンタクトとを含んでいてもよい。この場合、第1種保持エリア及び第2種保持エリアをコンタクトの種別によって使い分けることで、ノイズの抑制をより確実に図ることができる。
【0159】
複数の保持エリアは、2つの第2種保持エリアを含み、少なくとも1つの区画壁は、2つの第2種保持エリア同士の間に2重に介在する2つの区画壁を含んでいてもよい。この場合、第2種保持エリア同士の間に2重の区画壁が介在することで、第2種保持エリアに配置されるコンタクト同士をより隔離することができる。従って、ノイズの抑制をより確実に図ることができる。
【0160】
少なくとも1つの第1種保持エリアが、2つの区画壁の間に介在していてもよい。この場合、第1種保持エリアの介在により第2種保持エリア同士が互いに遠ざかるので、第2種保持エリアに配置されるコンタクト同士をより隔離することができる。従って、ノイズの抑制をより確実に図ることができる。
【0161】
コネクタは、第2種保持エリアの外周に沿って区画壁と並ぶ導電性の包囲壁を更に備えていてもよい。この場合、第2種保持エリアに配置されるコンタクトを他のコンタクトからより隔離することで、ノイズの抑制をより確実に図ることができる。
【0162】
コネクタは、第2種保持エリアの外周に沿って並ぶ区画壁と包囲壁とを互いに電気的に接続する導電性のエリア内接続部を更に備えていてもよい。この場合、第2種保持エリアに配置されるコンタクトを他のコンタクトからより隔離することで、ノイズの抑制をより確実に図ることができる。
【0163】
エリア内接続部は、相手コネクタへの接続方向に交差するように広がっていてもよい。この場合、第2種保持エリアに配置されるコンタクトを他のコンタクトからより隔離することで、ノイズの抑制をより確実に図ることができる。
【0164】
エリア内接続部は、相手コネクタに面するように配置されていてもよい。この場合、エリア内接続部を、相手コネクタとの接続におけるガイドとしても利用することができる。
【0165】
コネクタは、第2種保持エリアの外周に沿って区画壁と並ぶ導電性の包囲壁を2つの第2種保持エリアごとに更に備えていてもよく、第2種保持エリアの外周に沿って並ぶ区画壁と包囲壁とを互いに電気的に接続する導電性のエリア内接続部を2つの第2種保持エリアごとに更に備えていてもよい。コネクタは、一方の第2種保持エリアの外周の区画壁と、他方の第2種保持エリアの外周の区画壁とを電気的に接続する導電性のエリア間接続部を更に備えていてもよい。この場合、第2種保持エリアに配置されるコンタクトを他のコンタクトからより隔離することで、ノイズの抑制をより確実に図ることができる。
【0166】
少なくとも1つの第1種保持エリアが2つの区画壁の間に介在しており、エリア間接続部は、第1種保持エリアの外周に沿っていてもよい。この場合、エリア間接続部が第1種保持エリアの外周に配置されるので、第1種保持エリアにおける複数のコンタクトの配置スペースを確保し易い。また、区画壁及びエリア間接続部によって第1種保持エリアが囲まれるので、第1種保持エリアの複数のコンタクトを他のコンタクトからより隔離することができる。このため、ノイズの抑制をより確実に図ることができる。
【0167】
複数のコンタクトのそれぞれは、基板の導体に接続される接続部を有し、2つの区画壁に沿う方向において、接続部はエリア間接続部に対向していてもよい。この場合、エリア間接続部とコンタクトの接続部との隙間によって、更なるノイズの抑制を図ることができる。
【0168】
区画壁は基板に接する端部を有し、当該端部において基板のグランドに電気的に接続されてもよい。この場合、区画壁による電気的な遮蔽作用を強めることで、ノイズ抑制をより確実に図ることができる。
【0169】
本開示の他の側面に係るコネクタは、基板に取り付けられ相手コネクタに接続されるコネクタであって、基板の複数の導体にそれぞれ接続される導電性の複数のコンタクトと、複数のコンタクトを保持する絶縁性のコンタクト保持部と、コンタクト保持部を複数の保持エリアに区画する少なくとも1つの導電性の区画壁と、を備え、複数の保持エリアは、複数の信号を伝送する複数のコンタクトを保持する第1種保持エリアと、1つの信号を伝送する1対のコンタクトを保持して他のコンタクトを保持しない第2種保持エリアとを含む。
【0170】
本開示の一側面に係るコネクタは、基板に取り付けられ相手コネクタに接続されるコネクタであって、基板の複数の導体にそれぞれ接続される導電性の複数のコンタクトと、複数のコンタクトを保持する絶縁性のコンタクト保持部と、を備え、コンタクト保持部は、第1種保持エリアと、第1種保持エリアを挟む2つの第2種保持エリアとに区画されており、第1種保持エリアは複数のコンタクトを保持し、第2種保持エリアは1つのコンタクトを保持して他のコンタクトを保持しない。
【0171】
このコネクタによれば、ノイズ源となり難い複数のコンタクトを第1種保持エリアにまとめて配置し、ノイズ源となり易く、一方でノイズの影響を受け易いコンタクトを他のコンタクトから隔離して第2種保持エリアに配置することで、小型化と、ノイズの抑制との両立を図ることができる。
【0172】
複数のコンタクトは、第1種保持エリアに配置される複数の第1種コンタクトと、複数の第1種コンタクトとは異なる種別のコンタクトであり第2種保持エリアに配置される第2種コンタクトとを含んでいてもよい。この場合、第1種保持エリア及び第2種保持エリアをコンタクトの種別によって使い分けることで、ノイズの抑制をより確実に図ることができる。
【0173】
第2種コンタクトは、第1種コンタクトが伝送する信号に比較して高周波の信号を伝送するコンタクトであってもよい。この場合、高周波の信号を伝送するコンタクトを他のコンタクトから隔離して第2種保持エリアに配置することで、ノイズの抑制をより確実に図ることができる。
【0174】
第1種保持エリアと、第1種保持エリアを挟む2つの第2種保持エリアとは、コンタクト保持部に形成された空隙により区画されていてもよい。この場合、空隙への導電性部材の配置によって、ノイズの抑制をより確実に図ることができる。
【0175】
複数のコンタクトのそれぞれは、基板の信号導体露出部に接続される接続部と、プラグコネクタのコンタクトに接触する接触部と、接続部と接触部とを連結する連結部とを有し、複数のコンタクトのいずれも、連結部による接触部と接続部との連結方向が、相手コネクタから見て同一の方向に沿うように配置されていてもよい。この場合、接触部と接続部とが並ぶ方向を揃えることで、より確実に小型化を図ることができる。
【0176】
複数のコンタクトのそれぞれは、基板の導体に接続される接続部と、相手コネクタのコンタクトに接触する接触部を有し、複数のコンタクトのいずれも、接触部と相手コネクタのコンタクトとの接触方向が、相手コネクタから見て同一の方向に沿うように配置されていてもよい。この場合、コンタクトと、相手コネクタのコンタクトとの配置方向を揃えることで、より確実に小型化を図ることができる。
【0177】
第1種保持エリア及び第2種保持エリアのいずれも、同一方向に沿った基部から相手コネクタに向かって突出した保持用隆起部を有し、第1種保持エリア及び第2種保持エリアのいずれにおいても、全てのコンタクトの接触部が保持用隆起部の側面に露出していてもよい。この場合、保持用隆起部によりコンタクトの配置方向を揃えることで、より確実に小型化を図ることができる。
【0178】
第1種保持エリア及び第2種保持エリアのいずれも、同一方向に沿った収容溝部を有し、第1種保持エリア及び第2種保持エリアのいずれにおいても、全てのコンタクトの接触部が収容溝部に露出するように配置されていてもよい。この場合、収容溝部によりコンタクトの配置方向を揃えることで、より確実に小型化を図ることができる。
【0179】
複数のコンタクトのそれぞれは、基板の導体に接続される接続部と、相手コネクタのコンタクトに接触する接触部と、接続部と接触部とを連結する連結部とを有し、相手コネクタから見て、第1種コンタクトの連結部による接触部と接続部との連結方向と、第2種コンタクトの連結部による接触部と接続部との連結方向と、が互いに交差していてもよい。以下、第1種コンタクトの連結部による接触部と接続部との連結方向と、第2種コンタクトの連結部による接触部と接続部との連結方向との両方に沿う面を「配置面」という。接触部と接続部とが連結部により連結されるコンタクトにおいては、連結方向に沿った側面(以下、「第1側面」という。)の幅が、連結方向に垂直な側面(以下、「第2側面」という。)の幅よりも大きくなる傾向がある。なお、ここでの「側面」は、配置面に垂直な面を意味し、「幅」は、配置面に沿う方向における幅を意味する。第1種コンタクトの連結部による接触部と接続部との連結方向と、第2種コンタクトの連結部による接触部と接続部との連結方向と、が互いに交差する構成によれば、いかなる配置によっても、第1種コンタクトの第1側面と、第2種コンタクトの第1側面とが対向し難くなる。これにより、第1種コンタクトと第2種コンタクトとの間のノイズ伝播を抑制しつつ、コネクタの小型化に適したコンタクト配置を採用することができる。
【0180】
相手コネクタから見て、第1種コンタクトの連結部による接触部と接続部との連結方向と、他の第1種コンタクトの連結部による接触部と接続部との連結方向と、が互いに平行であってもよい。この場合、第1種コンタクトの第1側面と、他の第1種コンタクトの第1側面とを対向させることによって、コネクタの更なる小型化を図り易くなる。
【0181】
複数のコンタクトのそれぞれは、基板の導体に接続される接続部と、相手コネクタのコンタクトに接触する接触部を有し、相手コネクタから見て、第1種コンタクトの接触部が相手コネクタのコンタクトに接触する方向と、第2種コンタクトの接触部が相手コネクタのコンタクトに接触する方向と、が互いに交差していてもよい。以下、コンタクト(自コネクタのコンタクト)と、これに接触する相手コネクタのコンタクトとの組み合わせを、「コンタクト結合体」という。また、自コネクタのコンタクトが相手コネクタのコンタクトに接触する方向を「接触方向」という。第1種コンタクトの接触方向と、第2種コンタクトの接触方向との両方に沿う面を「配置面」という。コンタクト結合体においては、接触方向に沿った側面(以下、「第1側面」という。)の幅が、接触方向に垂直な側面(以下、「第2側面」という。)の幅よりも大きくなる傾向がある。なお、ここでの「側面」は、配置面に垂直な面を意味し、「幅」は、配置面に沿う方向における幅を意味する。第1種コンタクトの接触部が相手コネクタのコンタクトに接触する方向と、第2種コンタクトの接触部が相手コネクタのコンタクトに接触する方向と、が互いに交差する構成によれば、いかなる配置によっても、第1種コンタクトのコンタクト結合体の第1側面と、第2種コンタクトのコンタクト結合体の第1側面とが対向し難くなる。これにより、第1種コンタクトのコンタクト結合体と第2種コンタクトのコンタクト結合体との間のノイズ伝播を抑制しつつ、コネクタの小型化に適したコンタクト配置を採用することができる。
【0182】
相手コネクタから見て、第1種コンタクトの接触部が相手コネクタのコンタクトに接触する方向と、他の第1種コンタクトの接触部が相手コネクタのコンタクトに接触する方向と、が互いに平行となってもよい。この場合、第1種コンタクトのコンタクト結合体の第1側面と、他の第1種コンタクトのコンタクト結合体の第1側面とを対向させることによって、コネクタの更なる小型化を図り易くなる。
【0183】
第1種保持エリアは、一方向に沿った基部から相手コネクタに向かって突出した保持用隆起部を有し、第2種保持エリアは、一方向に交差する方向に沿った基部から相手コネクタに向かって突出した保持用隆起部を有し、第1種保持エリア及び第2種保持エリアのいずれにおいても、全てのコンタクトの接触部が保持用隆起部の側面に露出していてもよい。この場合、保持用隆起部により、第1種コンタクトの上記連結方向と第2種コンタクトの上記連結方向とをより確実に交差させ、第1種コンタクトの上記接触方向と第2種コンタクトの上記接触方向とをより確実に交差させることができる。
【0184】
第1種保持エリアは、一方向に沿った収容溝部を有し、第2種保持エリアは、一方向に交差する方向に沿った収容溝部を有し、第1種保持エリア及び第2種保持エリアのいずれにおいても、全てのコンタクトの接触部が収容溝部に露出するように配置されていてもよい。この場合、収容溝部により、第1種コンタクトの上記連結方向と第2種コンタクトの上記連結方向とをより確実に交差させ、第1種コンタクトの上記接触方向と第2種コンタクトの上記接触方向とをより確実に交差させることができる。
【0185】
相手コネクタから見て、全てのコンタクトの接続部がコンタクト保持部の外縁よりも内方に配置されていてもよい。
【0186】
第1種保持エリアに配置される複数のコンタクトは、当該第1種保持エリアと第2種保持エリアとの境界に垂直な配列方向に沿って並ぶ複数のコンタクトを含み、境界を介して隣り合うコンタクトの配列方向における間隔は、第1種保持エリア内において配列方向に沿って隣り合うコンタクトの間隔よりも大きくてもよい。この場合、第2種コンタクトを他のコンタクトからより隔離することで、ノイズの抑制をより確実に図ることができる。
【符号の説明】
【0187】
2…リセプタクルコネクタ(コネクタ)、3…プラグコネクタ(相手コネクタ)、4…コンタクト、4A…第1種コンタクト、4B…第2種コンタクト、5…コンタクト保持部、41…接続部、42…接触部、51…第1種保持エリア、52,52A,52B…第2種保持エリア、61,61A,61B…区画壁、611…端縁(端部)、62,62A,62B…包囲壁、63…エリア内接続プレート(エリア内接続部)、64…エリア間接続プレート(エリア間接続部)、CD1…接続方向。

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23