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特許7156615スクレイピングを通じた資金振替・振込方法とそのシステム及びコンピュータプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-11
(45)【発行日】2022-10-19
(54)【発明の名称】スクレイピングを通じた資金振替・振込方法とそのシステム及びコンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 20/08 20120101AFI20221012BHJP
【FI】
G06Q20/08
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2020106895
(22)【出願日】2020-06-22
(62)【分割の表示】P 2018172564の分割
【原出願日】2018-09-14
(65)【公開番号】P2020161180
(43)【公開日】2020-10-01
【審査請求日】2020-11-16
(73)【特許権者】
【識別番号】516020558
【氏名又は名称】クーコン カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】COOCON CO.,LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】100130111
【弁理士】
【氏名又は名称】新保 斉
(72)【発明者】
【氏名】キム、ジョン ヒョン
(72)【発明者】
【氏名】ジョン、ジェ ウォン
(72)【発明者】
【氏名】イ、スン ウク
【審査官】加内 慎也
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-041001(JP,A)
【文献】特表2017-534972(JP,A)
【文献】特開2017-120607(JP,A)
【文献】銀行口座の残高管理をGolangで自動化した,[online],2018年02月04日,[2022年1月21日検索],インターネット <URL:https://qiita.com/binzume/items/c2d07bdb3a73e1a41c4f>
【文献】アカウントの乗っ取りにも対抗できる2段階認証システムを活用,Mr.PC,日本,株式会社晋遊舎,2017年09月23日,第8巻 第11号,p.67
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
スクレイピングを通じた資金振替・振込システムとして、
ユーザから口座情報、資金を振り替える(振り込む)ための認証情報、及び振替(振込)金額を含む振替(振込)情報を受信するように構成された受信部;
受信された前記認証情報を用いたスクレイピング方式で金融サーバにアクセスして、前記振替(振込)情報及び前記口座情報に相応する資金振替(振込)を前記金融サーバに要請するように構成されたスクレイピング部;
前記金融サーバによって資金振替(振込)が行われた後、振替(振込)結果情報を受信してユーザに提供する報告部;及び、
前記スクレイピングを通じた資金振替・振込システムと通信するエンタープライズリソースプラニングシステムから会計情報を受信し、受信された前記会計情報を用いて、前記資金振替(振込)が、予め設定された特異履歴を含むか否かを決定し、前記資金振替(振込)が前記特異履歴を含む場合、前記特異履歴に対する確認をユーザに要請するように構成された分析部;を含み、
前記会計情報は、取引先別支払い履歴、未払い履歴、集金履歴、未収金履歴を含み、
前記特異履歴は、予め設定された一定期間以上振替(振込)が行われなかったか、買入や売上が発生していない取引先に対する資金振替(振込)または前記会計情報から未収金履歴が確認される取引先に対する資金振替(振込)を含む
ことを特徴とするスクレイピングを通じた資金振替・振込システム。
【請求項2】
前記スクレイピング部は、前記金融サーバに資金振替(振込)を要請する過程で前記金融サーバから追加認証要請を受信し、前記要請に対する応答として、ユーザの固有コードが付与された読み取り機が備えられたユーザデバイスを用いて、認証コードを読み取ることができるように構成された2次元コードを前記ユーザデバイスに伝送し、前記ユーザデバイスから前記2次元コードに相応する認証コードを受信して前記金融サーバに伝送する認証部を更に含み、
前記2次元コードに相応する前記認証コードは前記2次元コードを読み取った前記読み取り機に付与された前記固有コードによって違う
請求項1に記載のスクレイピングを通じた資金振替・振込システム。
【請求項3】
前記口座情報は前記資金振替(振込)にかかる手数料を資金送信側または資金受信側のうちどちらが負担するかを定義する手数料負担情報を含み、
前記スクレイピング部は、前記手数料負担情報を用いてユーザの手数料を負担するか否かを決定し、前記振替(振込)金額の振替(振込)を前記金融サーバに要請し、ユーザが手数料を負担することと決定される場合、ユーザの手数料納付を前記金融サーバに要請するように更に構成された
請求項1に記載のスクレイピングを通じた資金振替・振込システム。
【請求項4】
前記分析部は、前記資金振替(振込)が未収金履歴が確認される取引先に対する資金振替(振込)を含む場合、前記振替(振込)金額から未収金を引いた金額で振替(振込)金額を調整するか否かに対する確認をユーザに要請するように更に構成された
請求項1に記載のスクレイピングを通じた資金振替・振込システム。
【請求項5】
資金振替・振込システムが、前記資金振替・振込システムと通信するエンタープライズリソースプラニングシステムから会計情報を受信するステップ;
資金振替・振込システムが、ユーザから口座情報、資金を振り替える(振り込む)ための認証情報、及び振替(振込)金額を含む振替(振込)情報を受信するステップ;
前記資金振替・振込システムが、受信された前記認証情報を用いたスクレイピング方式で金融サーバにアクセスするステップ;
前記資金振替・振込システムが、前記振替(振込)情報及び前記口座情報に相応する資金振替(振込)を前記金融サーバに要請するステップ;
前記資金振替・振込システムが、前記金融サーバによって資金振替(振込)が行われた後、振替(振込)結果情報を前記金融サーバから受信するステップ;及び、
前記資金振替・振込システムが、前記振替(振込)結果情報をユーザに提供するステップを含み、
前記資金振替(振込)を前記金融サーバに要請するステップは、
前記資金振替・振込システムが、前記会計情報を用いて、前記資金振替(振込)が、予め設定された特異履歴を含むか否かを決定するステップ;及び、
前記資金振替・振込システムが、前記資金振替(振込)が前記特異履歴を含む場合、前記特異履歴に対する確認をユーザに要請するステップを含み、
前記会計情報は、取引先別支払い履歴、未払い履歴、集金履歴、未収金履歴を含み、
前記特異履歴は、予め設定された一定期間以上振替(振込)が行われなかったか、買入や売上が発生していない取引先に対する資金振替(振込)または前記会計情報から未収金履歴が確認される取引先に対する資金振替(振込)を含む
ことを特徴とするスクレイピングを通じた資金振替・振込方法。
【請求項6】
前記資金振替(振込)を前記金融サーバに要請するステップは、
前記資金振替・振込システムが、前記金融サーバから追加認証要請を受信するステップ;
前記資金振替・振込システムが、前記要請に対する応答として、ユーザの固有コードが付与された読み取り機が備えられたユーザデバイスを用いて、認証コードを読み取ることができるように構成された2次元コードを前記ユーザデバイスに伝送するステップ;
前記資金振替・振込システムが、前記ユーザデバイスから前記2次元コードに相応する認証コードを受信するステップ;及び、
前記資金振替・振込システムが、前記2次元コードに相応する前記認証コードは前記2次元コードを読み取った前記読み取り機に付与された前記固有コードによって違う
請求項5に記載のスクレイピングを通じた資金振替・振込方法。
【請求項7】
前記口座情報は前記資金振替(振込)にかかる手数料を資金送信側または資金受信側のうちどちらが負担するかを定義する手数料負担情報を含み、
前記資金振替(振込)を前記金融サーバに要請するステップは、
前記資金振替・振込システムが、前記手数料負担情報を用いてユーザの手数料を負担するか否かを決定するステップ;
前記資金振替・振込システムが、前記振替(振込)金額の振替(振込)を前記金融サーバに要請するステップ;
前記資金振替・振込システムが、前記手数料を負担するか否かを決定するステップでユーザが手数料を負担することと決定される場合、ユーザの手数料納付を前記金融サーバに要請するステップを含む、
請求項5に記載のスクレイピングを通じた資金振替・振込方法。
【請求項8】
前記資金振替(振込)を前記金融サーバに要請するステップは、
前記資金振替・振込システムが、前記資金振替(振込)が未収金履歴が確認される取引先に対する資金振替(振込)を含む場合、前記振替(振込)金額から未収金を引いた金額で振替(振込)金額を調整するか否かに対する確認をユーザに要請するように更に含む、
請求項7に記載のスクレイピングを通じた資金振替・振込方法。
【請求項9】
ハードウェアと組み合わせて請求項5ないし8のいずれかに記載のスクレイピングを通じた資金振替・振込方法を行うようにコンピュータで読み取り可能な媒体に記録された
ことを特徴とするコンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態はスクレイピング(scraping)を通じた資金振替・振込システム及び方法と、そのためのコンピュータプログラムに関するものであり、より詳細には、ユーザが金融機関に直接アクセスしなくても、スクレイピングを通じて自分の口座から他の口座への資金振替(振込)を行うことができ、振替(振込)の実行と結果をエンタープライズリソースプラニング(Enterprise Resource Planning;ERP)システムと連携して管理することができるスクレイピングを通じて資金振替・振込サービスを提供する技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
家庭の家計管理や企業の会計管理のために行う従来の資産管理方法では、顧客が直接資産の状況を登録し、変動履歴を追跡して記録する方式が主となっている。従来方式で、ユーザは直接自分のIDとパスワード、又は電子証明書を用いて銀行などの金融機関のサービスウェブページにアクセスすることで、金融機関が提供する情報のうち、必要な情報を確認しなければならない。
【0003】
最近は、金融機関のウェブページにユーザが直接アクセスしなくても、クライアント装置又はサーバ装置が金融機関にアクセスした後、画面に表示される情報から必要な情報のみを収集するスクリーンスクレイピング(screen scraping)技術が登場した。一例として、特許文献1はスクリーンスクレイピングを用いた通帳なしの入金管理技術を開示する。
【0004】
しかし、現在までのスクレイピング技術は、銀行などのインターネットバンキングのウェブサイトから入出金履歴を呼び出す程度に活用するに過ぎず、スクレイピング技術を通じた資金の振り替え(振り込み)や会計管理は、まだ本格的に活用していない実情である。特に、企業会計においては、限られた取引先の入金口座に繰り返し資金を振り替える(振り込む)業務が多い。しかし、従来は、これらの繰り返し業務を反映して企業の会計管理を容易にするためのスクレイピングベースのサービスは存在しなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】韓国特許登録第10-0468098号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の一側面によれば、ユーザが金融機関に直接アクセスしなくても、スクレイピング(scraping)を通じて自分の口座から他の口座への資金振替(振込)を行うことができ、振替(振込)の実行と結果をエンタープライズリソースプラニング(Enterprise Resource Planning; ERP)システムと連携して管理することができるスクレイピングを通じた資金振替・振込システム及び方法と、そのためのコンピュータプログラムを提供することにその目的がある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一側面に係るスクレイピング(scraping)を通じた資金振替・振込システムは、ユーザから口座情報、資金を振り替える(振り込む)ための認証情報、及び振替(振込)金額を含む振替(振込)情報を受信するように構成された受信部;受信された前記認証情報を用いたスクレイピング方式で金融サーバにアクセスして、前記振替(振込)情報及び前記口座情報に相応する資金振替(振込)を前記金融サーバに要請するように構成されたスクレイピング部;及び前記金融サーバによって資金振替(振込)が行われた後、振替(振込)結果情報を受信してユーザに提供する報告部を含む。
【0008】
一実施形態において、前記スクレイピング部は、前記金融サーバに資金振替(振込)を要請する過程で前記金融サーバから追加認証要請を受信し、前記要請に対する応答として、ユーザから追加認証情報を受信して前記金融サーバに伝送する認証部を更に含む。
【0009】
一実施形態において、前記認証部は、ユーザデバイスを用いて認証コードを読み取ることができように構成された2次元コードを前記ユーザデバイスに伝送し、前記ユーザデバイスから前記2次元コードに相応する認証コードを前記追加認証情報として受信するように更に構成される。
【0010】
一実施形態において、前記口座情報は手数料負担情報を含み、前記スクレイピング部は、前記手数料負担情報を用いてユーザの手数料を負担するか否かを決定し、決定された手数料負担の可否に基づいて選択的にユーザの手数料納付を前記金融サーバに要請するように更に構成される。
一実施形態において、前記報告部は累積された振替(振込)結果を格納するデータベースを含む。
【0011】
また、本発明の他の側面に係るスクレイピングを通じた資金振替・振込システムは、前記データベースに格納された振替(振込)結果を分析して、複数回重複する振替(振込)結果に相応して振替(振込)日、振替(振込)対象口座及び振替(振込)金額のうちいずれか一つ以上を定義する定期送金スケジュールを生成するように構成された分析部を更に含む。
【0012】
一実施形態において、前記分析部は、前記スクレイピングを通じた資金振替・振込システムと通信するエンタープライズリソースプラニングシステムから受信された会計情報を更に用いて前記定期送金スケジュールを生成するように構成される。
【0013】
一実施形態において、前記報告部は、前記スクレイピングを通じた資金振替・振込システムと通信するエンタープライズリソースプラニングシステムが読み取ることができるデータ形式に前記振替(振込)結果情報を加工して前記エンタープライズリソース管理システムに出力するように更に構成される。
【0014】
また、本発明の他の側面に係るスクレイピングを通じた資金振替・振込方法は、資金振替・振込システムが、ユーザから口座情報、資金を振り替える(振り込む)ための認証情報、及び振替(振込)金額を含む振替(振込)情報を受信するステップ;前記資金振替・振込システムが、受信された前記認証情報を用いたスクレイピング方式で金融サーバにアクセスするステップ;前記資金振替・振込システムが、前記振替(振込)情報及び前記口座情報に相応する資金振替(振込)を前記金融サーバに要請するステップ;前記資金振替・振込システムが、前記金融サーバによって資金振替(振込)が行われた後、振替(振込)結果情報を前記金融サーバから受信するステップ;及び前記資金振替・振込システムが、前記振替(振込)結果情報をユーザに提供するステップを含む。
【0015】
一実施形態において、前記資金振替(振込)を前記金融サーバに要請するステップは、前記資金振替・振込システムが、前記金融サーバから追加認証要請を受信するステップ;前記資金振替・振込システムが、前記要請に対する応答として、ユーザから追加認証情報を受信するステップ;及び前記資金振替・振込システムが、前記追加認証情報を前記金融サーバに伝送するステップを含む。
【0016】
一実施形態において、前記追加認証情報を受信するステップは、前記資金振替・振込システムが、ユーザデバイスを用いて認証コードを読み取ることができように構成された2次元コードを前記ユーザデバイスに伝送するステップ;及び前記資金振替・振込システムが、前記ユーザデバイスから前記2次元コードに相応する認証コードを前記追加認証情報として受信するステップを含む。
【0017】
一実施形態において、前記口座情報は手数料負担情報を含み、前記資金振替(振込)を前記金融サーバに要請するステップは、前記資金振替・振込システムが、前記手数料負担情報を用いてユーザの手数料を負担するか否かを決定するステップ;及び前記資金振替・振込システムが、前記手数料負担の可否を決定するステップでユーザが手数料を負担することと決定される場合、ユーザの手数料納付を前記金融サーバに要請するステップを含む。
【0018】
一実施形態において、前記資金振替・振込システムは累積された振替(振込)結果を格納するデータベースを含み、この時、スクレイピングを通じた資金振替・振込方法は、前記資金振替・振込システムが、前記データベースに格納された振替(振込)結果を分析して、複数回重複する振替(振込)結果に相応して振替(振込)日、振替(振込)対象口座及び振替(振込)金額のうちいずれか一つ以上を定義する定期送金スケジュールを生成するステップを更に含む。
【0019】
一実施形態において、前記定期送金スケジュールを生成するステップは、前記資金振替・振込システムが、前記スクレイピングを通じた資金振替・振込システムと通信するエンタープライズリソースプラニングシステムから受信された会計情報を更に用いて前記定期送金スケジュールを生成するステップを含む。
【0020】
一実施形態において、スクレイピングを通じた資金振替・振込方法は、前記資金振替・振込システムが、前記スクレイピングを通じた資金振替・振込システムと通信するエンタープライズリソースプラニングシステムが読み取ることができるデータ形式に前記振替(振込)結果情報を加工するステップ;及び前記資金振替・振込システムが、加工された前記振替(振込)結果情報を前記エンタープライズリソースプラニングシステムに出力するステップを更に含む。
【0021】
更に、本発明の他の側面に係るコンピュータプログラムは、ハードウェアと組み合わせて前述した実施形態に係るスクレイピングを通じた資金振替・振込方法を行うようにコンピュータで読み取り可能な媒体に記録されることができる。
【発明の効果】
【0022】
本発明の一側面に係るスクレイピング(scraping)を通じた資金振替・振込システム及び方法によれば、ユーザは金融機関に直接アクセスしなくても、スクレイピングを通じて自分の口座から他の口座への資金振替(振込)を行うことができ、資金を振り替える(振り込む)際の手数料負担条件を設定したり、追加認証を行うなど、振替(振込)に伴う全ての手続きを資金管理プログラムを通じて行うことができるので、業務の効率が高められる。
【0023】
また、本発明の他の側面に係るスクレイピングを通じた資金振替・振込システム及び方法によれば、スクレイピングを通じた資金振替・振込システムと企業のエンタープライズリソースプラニング(Enterprise Resource Planning; ERP)システムの通信を通じて、企業の会計情報をベースに定期送金スケジュールを生成したり、資金振替(振込)の実行前に取引先の未収金など特異履歴をユーザが確認するようにしたり、振替(振込)の実行結果をERPシステムに反映したりするなど、資金振替(振込)の実行と結果をERPシステムと連携して運用することができる利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】一実施形態に係るスクレイピングを通じた資金振替・振込システムを概略的に示すブロック図
図2】一実施形態に係るスクレイピングを通じた資金振替・振込方法の手続きを示すフローチャート
図3】一実施形態に係るスクレイピングを通じた資金振替・振込方法によってユーザデバイス上に表示されるユーザインターフェース(User Interface; UI)を示す例示的な画面図
図4】一実施形態に係るスクレイピングを通じた資金振替・振込方法によってユーザデバイス上に表示されるUIを示す他の例示的な画面図
図5】一実施形態に係るスクレイピングを通じた資金振替・振込方法によってユーザデバイス上に表示されるUIを示すまた他の例示的な画面図
図6】他の実施形態に係るスクレイピングを通じた資金振替・振込方法の手続きを示すフローチャート
図7】一実施形態に係るスクレイピングを通じた資金振替・振込方法によってユーザデバイス上に表示されるまた他のUIを示す例示的な画面図
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について詳細に説明する。
【0026】
図1は一実施形態に係るスクレイピング(scraping)を通じた資金振替・振込システムを概略的に示すブロック図である。
図1を参照すると、本実施形態に係る資金振替・振込システム2は有線及び/又は無線ネットワークを介してユーザデバイス1及び金融サーバ3と通信可能に構成される。一実施形態において、資金振替・振込システム2は企業のエンタープライズリソースプラニング(Enterprise Resource Planning; ERP)システム4とも有線及び/又は無線ネットワークを介して通信可能に構成される。
【0027】
有線及び/又は無線ネットワークを介した通信方法は、オブジェクトとオブジェクトがネットワークできる全ての通信方法を含むことができ、有線通信、無線通信、3G、4G、或いはそれ以外の方法を含むこともでき、特に限定されるものではない。 例えば、有線及び/又は無線ネットワークはLAN(Local Area Network)、MAN(Metropolitan Area Network)、GSM(登録商標)(Global System for Mobile Network)、EDGE、(Enhanced Data GSM(登録商標) Environment)、HSDPA(High Speed Downlink Packet Access)、W-CDMA(Wideband Code Division Multiple Access)、CDMA(Code Division Multiple Access)、TDMA(Time Division Multiple Access)、ブルートゥース(登録商標)(Bluetooth(登録商標))、ジグビー(Zigbee)、ワイ-パイ(Wi-Fi)、VoIP(Voice over Internet Protocol)、LTE Advanced、IEEE802.16m、WirelessMAN-Advanced、HSPA+、3GPP Long Term Evolution(LTE)、Mobile WiMAX(IEEE 802.16e)、UMB(formerly EV-DO Rev.C)、Flash-OFDM、iBurst and MBWA(IEEE 802.20)systems、HIPERMAN、Beam-Division Multiple Access(BDMA)、Wi-MAX(World Interoperability for Microwave Access)及び、超音波活用通信からなる群から選択される一つ以上の通信方法による通信ネットワークを称することができるが、これに限定されるものではない。
【0028】
資金振替・振込システム2は受信部21、スクレイピング部22、及び報告部23を含む。一実施形態において、資金振替・振込システム2は分析部24を更に含む。また、スクレイピング部22はスクレイピングエンジン221と認証部222を含むことができる。更に、報告部23は資金振替(振込)結果が格納されるデータベース(database; DB)230を含むことができる。
【0029】
実施形態に係る資金振替・振込システム2は全てがハードウェアであるか、または部分的にハードウェアであり、部分的にソフトウェアである側面を有することができる。例えば、資金振替・振込システム2に含まれる各部(unit)は特定の形式と内容のデータを処理するか、又は/更に電子通信方式で送受信するためのハードウェア及びこれに関連したソフトウェアを通称することができる。本明細書において、各「部」、「モジュール」、「装置」、「端末」、「サーバ」、又は「システム」などの用語は、ハードウェア及び当該ハードウェアによって駆動されるソフトウェアの組み合わせを称することと意図する。例えば、ハードウェアはCPUまたは他のプロセッサ(processor)を含むデータ処理機器であり得る。また、ハードウェアによって駆動されるソフトウェアは実行中のプロセッサ、オブジェクト(object)、実行ファイル(executable)、実行スレッド(thread of execution)、プログラム(program)などを称することもできる。
【0030】
また、本実施形態に係る資金振替・振込システム2を構成するそれぞれの構成要素は、必ずしも互いに物理的に区分される別の装置を称することを意図しない。即ち、図1に示した受信部21、スクレイピング部22、報告部23及び分析部24などは、資金振替・振込システム2を構成するハードウェアを当該ハードウェアによって行われる動作に応じて機能的に区分したものであるに過ぎず、必ずそれぞれの部が互いに独立して備えなければならないものではない。勿論、実施形態によっては受信部21、スクレイピング部22、報告部23及び分析部24のうちいずれか一つ以上が互いに物理的に区分される別の装置で実現することも可能である。
【0031】
一実施形態において、資金振替・振込システム2はユーザデバイス1上で行われるアプリケーションと通信することで、アプリケーションの機能を行うことができるように構成される。例えば、ユーザデバイス1には資金管理プログラムがインストールされ、資金振替・振込システム2はユーザデバイス1の資金管理プログラムから振替(振込)要請を受信し、これに対する応答として、資金振替・振込システム2と金融サーバ3との通信を通じたサーバスクレイピング(server scraping)方式で振替(振込)を行い、振替(振込)の実行結果をユーザデバイス1の資金管理プログラムに伝送することができる。
【0032】
しかし、これは例示的なものであり、他の実施形態においては、資金振替・振込システム2自体をユーザデバイスの形態で実現することもできる。この場合、図1に示された他のユーザデバイス1は不要であり、資金管理プログラムがインストールされたユーザデバイスがまさに資金振替・振込システム2に該当する。また、資金振替・振込システム2はユーザから入力された振替(振込)要請に応じて金融サーバ3との通信を介したクライアントスクレイピング(client scrapping)方式で振替(振込)を行い、振替(振込)の実行結果を金融サーバ3から受信してユーザが見ることができるように出力することができる。
【0033】
図1において、ユーザデバイス1はノート型コンピュータの形態に示されているが、ユーザデバイスの形態はこれに限定されるものではなく、ユーザデバイスはスマートフォン(smartphone)などの移動通信端末、パーソナルコンピュータ(personal computer)、PDA(Personal Digital Assistant)、タブレット(tablet)、IPTV(Internet Protocol Television)などのためのセットトップボックス(set-top box)などの任意のコンピュータ装置の形態で実現することもできる。
【0034】
受信部21は、ユーザからの口座情報、資金を振り替える(振り込む)ための認証情報、及び振替(振込)金額を含む振替(振込)情報を受信するように構成される。例えば、サーバスクレイピング方式の場合、受信部21は前記情報をユーザデバイス1から受信することができる。又は、資金振替・振込システム2自体をユーザデバイスの形態で実現するクライアントスクレイピング方式の場合、資金振替・振込システム2は口座情報、認証情報及び振替(振込)情報などをユーザからの入力を通じて直接受けることができる。
【0035】
スクレイピング部22は受信された認証情報を用いたスクレイピング方式で金融サーバ3にアクセスし、振替(振込)情報及び口座情報に相応する資金振替(振込)を金融サーバに要請するように構成される。このために、スクレイピング部22は金融サーバ3へのアクセスとデータの抽出を行うためのスクレイピングエンジン221と、ユーザの認証情報(例えば、ID、パスワード、電子証明書など)及び追加認証のための処理を行う認証部222を含むことができる。
【0036】
報告部23は、金融サーバ3によって資金振替(振込)が行われた後、振替(振込)結果情報を受信してユーザに提供する役割をする。例えば、サーバスクレイピング方式の場合、報告部23は振替(振込)結果情報をユーザデバイス1に伝送することができる。又は、資金振替・振込システム2自体をユーザデバイスの形態で実現するクライアントスクレイピング方式の場合、報告部23は振替(振込)結果をユーザが確認できるように資金振替・振込システム2上に出力することができる。
【0037】
一実施形態において、報告部23のDB230には振替(振込)の実行結果が蓄積される。この時、分析部24はDB230に蓄積された振替(振込)の実行結果に基づいて定期送金スケジュールを生成したり、スケジュールの生成をユーザに提案することができる。定期送金スケジュールとは、複数回重複する振替(振込)結果に相応して振替(振込)日、振替(振込)対象口座及び振替(振込)金額のうちいずれか一つ以上を定義し、次回に振り替える(振り込む)時、同一口座への振替(振込)を容易に、又は自動的に行うことである。
【0038】
一実施形態において、分析部24はERPシステム4との通信を通じて資金振替(振込)の対象に該当する取引先情報、及び/又は各取引先に関連した支払い履歴、未払い履歴、集金履歴、未収金履歴などを含む会計情報などを受信し、受信された情報に基づいて定期送金スケジュールを生成したり、振替(振込)を行う過程で特異履歴に対する確認をユーザに要請することができる。このために、ERPシステム4は取引先情報及びユーザ情報が格納される人的資源管理部41と、会計情報が格納される会計情報管理部42を含むことができる。
【0039】
また、一実施形態において、ERPシステム4は会計情報と資金振替(振込)結果を相互に関連付けて示すための資金管理報告書を生成する報告書生成部43を含むことができる。資金管理報告書は少なくとも部分的に資金振替・振込システム2によって実行された資金振替(振込)結果に基づいて生成される。そのために、資金振替・振込システム2の報告部23は振替(振込)結果情報をERPシステム4から読み取り可能な形態(例えば、、データフォーマット)に加工してERPシステム4に伝送することもできる。
【0040】
図2は一実施形態に係るスクレイピングを通じた資金振替・振込方法の手続きを示すフローチャートである。説明の便宜のために、図1及び図2を参照して本実施形態に係るスクレイピングを通じた資金振替・振込方法について説明する。
【0041】
まず、ユーザは資金振替・振込システム2に資金を振り替える(振り込む)対象口座の情報を登録することができる(S11)。図2では説明の便宜のために、ユーザを行為の主体として説明するが、ユーザが資金振替・振込システム2に情報を伝送する動作は、図1に示したようなユーザデバイス1を用いて行うことができる点を当業者なら容易に理解することができる。又は、資金振替・振込システム2自体を資金管理プログラムが備えられたユーザデバイスに実現する場合には、ユーザはユーザデバイス1を介して資金振替・振込システム2に直接口座情報を入力することもできる。
【0042】
図3は一実施形態に係るスクレイピングを通じた資金振替・振込方法によってユーザデバイス上に表示されるユーザインターフェース(User Interface; UI)を示す例示的な画面図であり、ユーザの口座を登録する過程を示す。
【0043】
図3に示すように、ユーザは入力した口座番号とそれに関連した取引区分(買入や売上)、取引先名、連絡先などを口座番号として入力することができる。また、口座情報は手数料負担情報を含むことができる。手数料負担情報とは、資金振替(振込)にかかる手数料情報をユーザ側の企業(即ち、当社)又は資金受信側の企業(即ち、相手)のどちらの方が負担するかについての負担先情報であって、スクレイピングを通じた振替(振込)を行う時、この情報に基づいて振替(振込)金額に対する手数料をユーザが負担するか負担しないようにすることができる。
【0044】
再び図1及び図2を参照すると、ユーザはユーザデバイス1を介して資金を振り替える(振り込む)ための認証情報と振替(振込)情報を資金振替・振込システム2に入力することができる(S12)。認証情報はユーザが資金振替・振込システム2を用いて金融サーバ3のインターネットバンキングのホームページなどにログイン(login)するために必要なユーザID、パスワード、電子証明書、振替(振込)確認パスワードなどを含むことができる。また、振替(振込)情報は資金を振り替える(振り込む)出金口座及び入金口座情報、振替(振込)金額情報、出金通帳表示情報及び入金通帳表示情報などを含むことができる。
【0045】
図4は一実施形態に係るスクレイピングを通じた資金振替・振込方法によってユーザデバイス上に表示されるUIを示す他の例示的な画面図であって、ユーザが入力した振替(振込)情報に基づいて出金銀行、出金口座、入金銀行、入金口座、受取人名、振替(振込)金額、手数料負担先などをユーザに表示し、ユーザが振替(振込)確認パスワードを入力して振替(振込)の実行を要請するようにするUI画面を示す。
【0046】
再び図1及び図2を参照すると、資金振替・振込システム2は認証情報を用いたスクレイピング技術に基づいて金融サーバ3にログインし(S13)、ログインが成功したとのログイン結果を金融サーバ3から受信することができる(S14)。次に、資金振替・振込システム2はユーザが入力した振替(振込)情報をスクレイピング技術に基づいて金融サーバ3に伝送することで、金融サーバ3に資金振替(振込)の実行を要請する(S15)。
【0047】
この時、振替(振込)に関連してユーザが実際に負担する金額は口座情報の手数料負担情報に基づいて決定することができる。即ち、振替(振込)が行われる対象口座情報の手数料負担情報を確認して、手数料負担先がユーザの所属企業である場合には、ユーザが入力した金額の振替(振込)を金融サーバ3に要請する一方、ユーザが金融機関に手数料を納付することを金融サーバ3に要請し、逆に、手数料負担先が相手の場合には、ユーザが入力した振替(振込)金額の振替(振込)のみを金融サーバ3に要請することができる。
【0048】
一実施形態において、金融サーバ3は認証情報を用いたログイン過程の以外に、振替(振込)を行う前にユーザの追加認証を資金振替・振込システム2に要請する(S16)。追加認証とは、ユーザ本人による振替(振込)要請の有無を認証情報と異なる手段によって2次認証するためのものであって、指紋などの生体情報を用いた認証、ユーザの移動通信端末又は他の装置を用いた認証、OTP(One-Time Password)装置などを用いたワンタイムパスワードによる認証、自動テキストメッセージ又は自動応答電話を用いた認証番号ベースの認証などを称することができる。
【0049】
資金振替・振込システム2はユーザから追加認証情報の入力を受け(S17)、受け取った追加認証情報を金融サーバ3に伝送することができる(S18)。金融サーバ3では、追加認証情報が金融サーバ3で発行した一時的な情報(例えば、OTP又は認証番号など)、或いは金融サーバ3に格納されているユーザ情報(例えば、ユーザの生年月日などの個人情報、生体情報、又はユーザが事前に設定したパスワードなど)と一致するか否かを検証し、一致して検証された場合は、要請された資金振替(振込)を行うことができる(S19)。
【0050】
図5は一実施形態に係るスクレイピングを通じた資金振替・振込方法によってユーザデバイス上に表示されるUIを示すまた他の例示的な画面図であって、ユーザの追加認証が2次元コードを用いて行われる形態を示す。
【0051】
図5を参照すると、金融サーバ3は追加認証プロセスの一環として、特定の認証コードが挿入された2次元コード300を資金振替・振込システムに伝送することができ、資金振替・振込システムでは受信された2次元コード300を図5に示すように、ユーザが見ることができるように表示することができる。前記2次元コード300はOTPの一種であって、これを読み取るために、各ユーザの固有コードが付与されたリーダ(即ち、読み取り用プログラム)をユーザに配ることができる。例えば、前記リーダはユーザのスマートフォンなどの移動通信端末上で作動されるアプリケーション(いわゆるアプリ)の形態を有することができる。
【0052】
ユーザはユーザデバイス、又は資金振替・振込システムの画面上の2次元コードをリーダを用いて読み取ることで、認証コードを復元することができる。この時、各リーダにはユーザの固有コードが付与されており、リーダは同一の2次元コード300を読み取っても付与された固有コードによって異なる値を出力するように構成される。金融サーバでは、ユーザが自分のリーダを用いて2次元コード300を読み取った値をユーザから受信し、ユーザが入力した値が金融サーバに格納されているユーザの固有コードを用いて2次元コード300を読み取った場合に得られる値と一致するか否かを通じてユーザ本人であるか否かを認証することができる。
【0053】
しかし、図5を参照して説明した追加認証方式は例示的なものであり、ユーザ本人であるか否かの認証を行うために公知された又は今後開発される他の追加認証方法を使用することもできる。
【0054】
再び図1及び図2を参照すると、金融サーバ3は追加認証が成功した後に振替(振込)が行われると、その結果情報を資金振替・振込システム2に伝送し(S20)、資金振替・振込システム2では、振替(振込)結果をユーザデバイス1に提供することができる(S21)。ユーザに振替(振込)結果を提供する過程(S21)は、資金振替・振込システム2がサーバスクレイピングを行う場合、ユーザデバイスに振替(振込)結果情報を伝送することを称することができ、又は資金振替・振込システム2をユーザデバイスの形態で実現してクライアントスクレイピングを行う場合には、振替(振込)結果をユーザが見ることができるよう資金振替・振込システム2上に出力することを称することもできる。
【0055】
また、資金振替・振込システム2は振替(振込)結果情報をユーザが所属している企業ERPシステム4から読み取ることができるデータの形態に加工して、ERPシステム4に伝送することもできる(S22)。ERPシステム4では、資金振替・振込システム2から受信された振替(振込)結果情報をERPシステム4が管理する会計情報に反映したり、振替(振込)結果情報に基づいて定期的又は不定期的な資金管理報告書を生成するなどの用途に振替(振込)結果情報を活用することができる。
図6はまた他の実施形態に係るスクレイピングを通じた資金振替・振込方法の手続きを示すフローチャートである。
【0056】
図6を参照すると、本実施形態においてユーザは、ユーザデバイス1を介して資金振替・振込システム2に資金振替(振込)を要請し(S31)、資金振替・振込システム2は金融サーバ3との通信を通じたスクレイピング方式で振替(振込)を行う(S32)。これは図2を参照して前述した実施形態の資金振替(振込)過程と同一であるので、詳細な説明は省略する。
【0057】
一方、資金振替・振込システム2では、行われた資金振替(振込)結果情報を資金振替・振込システム2のデータベースに蓄積することができる(S33)。また、資金振替・振込システム2はERPシステム4から会計情報を受信することができる(S34)。会計情報とは、ユーザが属する企業の各取引先に関連してERPシステム4に記録されている取引先別支払い履歴、未払い履歴、集金履歴、未収金履歴などを含むことができる。受信された会計情報は振替(振込)結果情報と同様に、資金振替・振込システム2のデータベースに格納することもでき、又は資金振替・振込システム2に格納せず、必要によってERPシステム4から受信することもできる。
【0058】
この時、資金振替・振込システム2は、データベースに蓄積された振替(振込)結果情報、及び/又はERPシステム4から受信された会計情報に基づいて、定期送金スケジュールを生成することができる(S35)。例えば、振替(振込)結果や会計情報で毎月同一日やその隣接日に同一取引先への資金振替(振込)が発生した場合、資金振替・振込システム2は、このように繰り返される取引を当該日に定期的に行う過程を定期送金スケジュールで生成することができる。又は、特定の取引先に関する未払い履歴が会計情報から確認される場合、資金振替・振込システム2は会計情報の送金スケジュールによって未払いの履歴をその取引先に支払う資金振替(振込)の過程を定期送金スケジュールで生成することもできる。又は、他の異なる方法で定期送金スケジュールの対象口座、振替(振込)スケジュール、及び振替(振込)金額を決定することもできる。
【0059】
資金振替・振込システム2では、前述のように自動生成された定期送金スケジュールをユーザデバイス1に提案し(S36)、提案したスケジュールに対するユーザの受け入れ(S37)を経て、定期送金スケジュールを当該スケジュールによって行うことができる。勿論、資金振替・振込システム2が自動的に生成すること以外に、ユーザが直接対象口座情報及び振替(振込)情報を入力して定期送金スケジュールを生成することもできる。
【0060】
図7は一実施形態に係るスクレイピングを通じた資金振替・振込方法によってユーザデバイス上に表示されるまた他のUIを示す例示的な画面図であって、定期送金スケジュールを行うためのUI画面を示す。
【0061】
図7に示すように、定期送金スケジュールに該当する取引先、入金口座番号、振替(振込)金額、入金通帳表示履歴、出金通帳表示履歴などのリストをユーザに表示する。また、それぞれの定期送金履歴について、ユーザが指定したか、又は資金振替・振込システム2で会計情報に基づいて自動的に生成した内容(例えば、オフィス賃料、オフィス管理費など)をユーザに更に表示することもできる。ユーザは定期送金履歴リストを見て、そのまま一括振替(振込)を行ったり、又は必要によってこれらのうち一部又は全ての情報を修正した後、一括振替(振込)を行うことができる。振替(振込)を行う場合、振替(振込)過程及び追加認証過程などは前述した他の実施形態における過程と同様である。
【0062】
一実施形態において、資金振替・振込システム2は定期送金を行う前に企業ERPシステム4から会計情報を確認し(S38)、確認した会計情報に予め設定された特異履歴がある場合は、これに対する確認をユーザに要請することができる(S39)。予め設定された特異履歴とは、定期送金のうち一定期間以上送金が行われなかった後、久しぶりに行われる資金振替(振込)が存在するか否か、会計情報で一定期間以上相互に買入や売上が発生していない取引先に対する資金振替(振込)が存在するか否か、又は資金振替(振込)の対象口座に該当する取引先の未収金履歴が会計情報に存在するか否かなどをユーザが確認する場合、資金振替(振込)を保留したり、停止する可能性を伴う任意の情報を称する。
【0063】
例えば、資金振替・振込システム2は、特異履歴として長期間に亘って振替(振込)が行われなかったか、又は長期間に亘って買入や売上が発行していない取引先を対象とする資金振替(振込)が行おうとする場合は、当該資金振替(振込)を一回省略するか、又は定期送金履歴から当該資金振替(振込)を削除するか否かを問い合わせる内容を特異履歴としてユーザデバイス1に伝送することができる。また他の例として、資金振替・振込システム2は、資金振替(振込)の対象口座に該当する取引先の未収金履歴が会計情報から確認される場合、ユーザが入力した振替(振込)金額から未収金を差し引いた金額を振り替える(振り込む)ように振替(振込)金額を調節するか、又は振替(振込)をキャンセルするか否かを問い合わせる内容を特異履歴としてユーザデバイス1に伝送することもできる。
【0064】
ユーザが特異履歴を確認した後、振替(振込)金額や振替(振込)を行うか否かを修正したか、又はユーザが当該特異履歴の存在にもかかわらず、振替(振込)を行うことを命令した場合(S40)、資金振替・振込システム2ではユーザの命令によって定期送金に該当する資金振替(振込)を金融サーバ3を通じて行うことができる(S41)。また、資金振替・振込システム2は振替(振込)結果情報をユーザデバイス1に提供することができ(S42)、振替(振込)結果情報をERPシステム4で読み取ることができるデータ形式に加工してERPシステム4に伝送することもできる(S43)。
【0065】
以上の実施形態に係るスクレイピングを通じた資金振替・振込システム及び方法によれば、ユーザは金融機関に直接アクセスしなくても、スクレイピングを通じて自分の口座から他の口座への資金振替(振込)を行うことができ、資金を振り替える(振り込む)際の手数料負担条件を設定したり、追加認証を行うなど振替(振込)に伴う全ての手続きを資金管理プログラムを通じて行うことができ、業務の効率が高められる利点がある。また、実施形態に係るスクレイピングを通じた資金振替・振込システムと企業ERPシステムの通信を通じて、企業の会計情報に基づいて定期送金スケジュールを生成したり、資金振替(振込)の実行前に取引先の未収金など特異履歴をユーザが確認するようにしたり、振替(振込)の実行結果をERPシステムに反映するなど、資金振替(振込)の実行と結果をERPシステムと連携して運用することができる利点がある。
【0066】
以上で説明した実施形態に係るスクレイピングを通じた資金振替・振込方法による動作は少なくとも部分的にコンピュータプログラムで実現され、コンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録されることができる。実施形態に係るスクレイピングを通じた資金振替・振込方法による動作を実現するためのプログラムが記録され、コンピュータで読み取り可能な記録媒体はコンピュータによって読み取ることができるデータが記録される全ての種類の記録装置を含む。例えば、コンピュータが読み取り可能な記録媒体としては、ROM、RAM、CD-ROM、磁気テープ、フロッピーディスク、光データ格納装置などがある。また、コンピュータが読み取り可能な記録媒体には、ネットワークを介して連結されたコンピュータシステムに分散され、分散方式でコンピュータが読み取り可能なコードが格納されて実行されることもできる。また、本実施形態を実現するための機能的なプログラム、コード及びコードセグメント(segment)は、本発明が属する技術分野における通常の技術者なら容易に理解することができる。
【0067】
以上、図面に示した実施形態を参照して説明したが、これは例示的なものに過ぎず、当該分野における通常の知識を有する者であれば、これにより様々な変形及び均等な他の実施形態が可能である。このような変形は本発明の技術的保護範囲内にある。本発明の技術的保護範囲は、添付した特許請求範囲の技術的思想によって定められる。
【符号の説明】
【0068】
1 ユーザデバイス
4 ERPシステム
21 受信部
24 分析部
22 スクレイピング部
222 認証部
221 スクレイピングエンジン
23 報告部
41 人的資源管理部
42 会計情報管理部
43 報告書生成部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7